スライド 1

Similar documents
スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション

VA機能不全に対するPTA法の進歩と課題

スライド 1

アクセス管理の最前線

PowerPoint Presentation

P001~017 1-1.indd

VA機能不全に対するPTA法の進歩と課題

PowerPoint プレゼンテーション

日産婦誌58巻9号研修コーナー

PowerPoint プレゼンテーション

透析看護の基本知識項目チェック確認確認終了 腎不全の病態と治療方法腎不全腎臓の構造と働き急性腎不全と慢性腎不全の病態腎不全の原疾患の病態慢性腎不全の病期と治療方法血液透析の特色腹膜透析の特色腎不全の特色 透析療法の仕組み血液透析の原理ダイアライザーの種類 適応 選択透析液供給装置の機能透析液の組成抗

ストラクチャークラブ ジャパン COI 開示 発表者名 : 高木祐介 演題発表に関連し, 開示すべき COI 関係にある 企業などはありません.

連続講座 画像再構成 : 臨床医のための解説第 4 回 : 篠原 広行 他 で連続的に照射する これにより照射された撮像面内の組織の信号は飽和して低信号 ( 黒く ) になる 一方 撮像面内に新たに流入してくる血液は連続的な励起パルスの影響を受けていないので 撮像面内の組織よりも相対的に高信号 (

エコーガイド下穿刺

スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション

盗血症候群について ~鎖骨下動脈狭窄症,閉塞症~

頭頚部がん1部[ ].indd

63._豊橋ハートセンター_Dr.木下_160420_2版.indd

減量・コース投与期間短縮の基準

それでは具体的なカテーテル感染予防対策について説明します CVC 挿入時の感染対策 (1)CVC 挿入経路まずはどこからカテーテルを挿入すべきか です 感染率を考慮した場合 鎖骨下穿刺法が推奨されています 内頚静脈穿刺や大腿静脈穿刺に比べて カテーテル感染の発生頻度が低いことが証明されています ただ

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

第1章-めざせ血管エコー職人.indd

Microsoft PowerPoint - 指導者全国会議Nagai( ).ppt

種の評価基準により分類示の包括侵襲性指行為の看護師が行う医行為の範囲に関する基本的な考え方 ( たたき台 ) 指示のレベル : 指示の包括性 (1) 実施する医行為の内容 実施時期について多少の判断は伴うが 指示内容と医行為が1 対 1で対応するもの 指示内容 実施時期ともに個別具体的であるもの 例

2. 転移するのですか? 悪性ですか? 移行上皮癌は 悪性の腫瘍です 通常はゆっくりと膀胱の内部で進行しますが リンパ節や肺 骨などにも転移します 特に リンパ節転移はよく見られますので 膀胱だけでなく リンパ節の検査も行うことが重要です また 移行上皮癌の細胞は尿中に浮遊していますので 診断材料や

TAVIを受ける 患者さんへ


インスリン局所注射部の 表在超音波検査について

症例_佐藤先生.indd

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

HPM_381_C_0112

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

スライド 1

医療法人高幡会大西病院 日本慢性期医療協会統計 2016 年度

診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認

H29_第40集_大和証券_研究業績_C本文_p indd

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

腎動脈が瘤より分枝し腎動脈再建を要した腹部大動脈瘤の3手術例

Microsoft PowerPoint - 薬物療法専門薬剤師制度_症例サマリー例_HP掲載用.pptx

H1.eps


Power Point用 スライドマスタテンプレート

AC 療法について ( アドリアシン + エンドキサン ) おと治療のスケジュール ( 副作用の状況を考慮して 抗がん剤の影響が強く残っていると考えられる場合は 次回の治療開始を延期することがあります ) 作用めやすの時間 イメンドカプセル アロキシ注 1 日目は 抗がん剤の投与開始 60~90 分

HOSPEQ 2015 PCI治療の現状と未来

P01-16

中心静脈カテーテル (CVC:Central venous Catheter) とは・・・

報道機関各位 2017 年 9 月 26 日 東北大学大学院医学系研究科 慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対する新規治療 - バルーン肺動脈形成術は効果的で安全な治療法である - 研究のポイント 注 国の指定難病である慢性血栓塞栓性肺高血圧症 (CTEPH) 1 は 肺の動脈に血栓が生じて血管が狭くなる

当院人工透析室における看護必要度調査 佐藤幸子 木村房子 大館市立総合病院人工透析室 The Evaluation of the Grade of Nursing Requirement in Hemodialysis Patients in Odate Municipal Hospital < 諸

穿刺マニュアル

日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す

医療機器に関わる保険適用決定区分案

「             」  説明および同意書

A型大動脈解離に対する弓部置換術の手術成績 -手術手技上の工夫-


脂質異常症を診断できる 高尿酸血症を診断できる C. 症状 病態の経験 1. 頻度の高い症状 a 全身倦怠感 b 体重減少 体重増加 c 尿量異常 2. 緊急を要する病態 a 低血糖 b 糖尿性ケトアシドーシス 高浸透圧高血糖症候群 c 甲状腺クリーゼ d 副腎クリーゼ 副腎不全 e 粘液水腫性昏睡

佐久病院・腎移植患者様用パス

自動透析装置(透析補助機能)を利用した操作手順書

1)表紙14年v0

<955C8E862E657073>

実地医家のための 甲状腺エコー検査マスター講座

Ⅶ. カテーテル関連血流感染対策血管カテーテルに関連して発生する血流感染であるカテーテル関連血流感染は 重要な医療関連感染の一つである 他の感染巣からの 2 次的な血流感染は除外される 表 1 カテーテル関連血流感染における微生物の侵入経路侵入経路侵入機序カテーテル挿入部の汚染挿入時の微生物の押し込

CCU で扱っている疾患としては 心筋梗塞を含む冠動脈疾患 重症心不全 致死性不整脈 大動脈疾患 肺血栓塞栓症 劇症型心筋炎など あらゆる循環器救急疾患に 24 時間対応できる体制を整えており 内訳としては ( 図 2) に示すように心筋梗塞を含む冠動脈疾患 急性大動脈解離を含む血管疾患 心不全など

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1

心臓血管外科カリキュラム Ⅰ. 目的と特徴心臓血管外科は心臓 大血管及び末梢血管など循環器系疾患の外科的治療を行う診療科です 循環器は全身の酸素 栄養供給に欠くべからざるシステムであり 生体の恒常性維持において 非常に重要な役割をはたしています その異常は生命にとって致命的な状態となり 様々な疾患


ポプスカイン0.75% 注シリンジ 75mg /10 院 Popscaine 75mg /10 院 / 筒 丸石 薬価 円 / 筒 効 硬膜外麻酔 用 ( 注 )1 回 150mg ( 本剤として20 院 ) までを硬膜外腔に投与 禁 大量出血やショック状態, 注射部位またはその周辺に

( 様式甲 5) 氏 名 渡辺綾子 ( ふりがな ) ( わたなべあやこ ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲 第 号 学位審査年月日 平成 27 年 7 月 8 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 学位論文題名 Fibrates protect again

saisyuu2-1

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

狭心症と心筋梗塞 何を調べているの? どのように調べるの? 心臓の検査虚血チェック きょけつ の きょうさく狭窄のチェック 監修 : 明石嘉浩先生聖マリアンナ医科大学循環器内科

クリニカルクエスチョン (CQ) 分担 / 監修 1.VAIVT(Vascular Access Interventional Therapy) の適応は? 後藤 / 後藤 2.VAIVT の不適応は? 後藤 / 後藤 3. バスキュラーアクセスの検査方法は? 高瀬 / 松浦 4.VAIVT のアプ

<4D F736F F D D8ACC8D6495CF82CC96E596AC8C8C90F08FC782CC8EA197C32E646F6378>

KangoGakkai.indb

一般内科

Transcription:

第 7 回茨城県バスキュラーアクセス研究会平成 23 年 9 月 22 日 ( 木 ) つくば国際会議場 バスキュラーアクセストラブルに対するスコアリングシートの活用 池田バスキュラーアクセス 透析 内科クリニック 池田潔

VA 機能 形態評価方法 1 理学的所見 : シャントスリル シャント雑音 シャント静脈全体の触診 ( 狭窄部位確認 ) ピロー状態評価 止血時間の延長 シャント肢の腫脹など シャントトラブルスコアリング(STS) の実施 2VA 血流量測定 : 超音波希釈法 超音波ドップラー法 クリットライン法 3 静脈圧の測定 : 動的静脈圧 ( 針先 穿刺針 回路の形状 血流量に影響を受ける ) と静的静脈圧 4 超音波検査 : 血管抵抗指数 (resistance index;r.i.) 血流量 (flow volume;f.v.) 狭窄の形態評価 5 再循環率 63DCTA 7DSA 血管造影

超音波検査の VA 機能評価 血流量 (flow volume;f.v.) 血管抵抗指数 (resistance index;r.i.)

LOGIQ P5(GE Health care 社 ) 特徴 7.25MHz リニアプローブ使用 Auto モード搭載 ( 角度補正 自動計算 ) LP5 : 1410*490*640mm, < 75Kg

測定部位は上腕動脈で再現性が高い 上腕動脈の利点 1 触知可能部位である 2 動脈であるためプローブによる圧迫変形の影響が小さい 3 血管径が大きい 4 角度補正が良好である 5 橈骨動脈 尺骨動脈いずれの AVF AVG でも評価可能である 6 末梢動脈に比べて石灰化が少なく計測に再現性が高い

血流量 (flow volume;f.v.) について 血流量 (ml/min)=vm-mean(cm/s) area( cm2 ) シャント肢上腕動脈パルスドップラにて計測 60(s) 100 Vm-mean: 時間積分値の平均血流速度 area: 血管断面を正円と仮定したときの血管径より求められた断面積 血管径

血流量の基準値 慢性透析用バスキュラーアクセスの作製 および修復に関するガイドライン 血流量が 500ml/min(AVF) 650ml/min(AVG) 未満またはベースの血流量より 20% 以上の減少は狭窄病変が発現している可能性がある

血管抵抗指数 (resistance index;r.i.) について R.I. は末梢への血流の流れにくさを反映する指標 R.I.= PSV-EDV EDV PSV: 収縮期最高血流速度 EDV: 拡張末期血流速度 シャント肢上腕動脈パルスドップラにて計測 PSV EDV

VA 作製前後のパルス波形 VA 作製前 R.I.=1.0 VA 作製後 R.I.=0.36

良好な VA と不良な VA 良好 R.I.=0.49 血流量 =1339ml/min 狭窄 R.I.=0.78 血流量 =483ml/min 閉塞 R.I.=1.0 血流量 =307ml/min

R.I. の基準値 R.I. のカットオフ値を 0.6 とすると透析時の血流不良症例の感度を 100% にできる 村上康一 他 ; 腎と透析 2003;56( 別冊アクセス 2003):39-43 より引用 透析時の脱血不良が発生するカットオフ値は 血流量がおおよそ 350ml/min 付近 R.I.0.68 付近 血流量は 300~350ml/min 程度 R.I. は 0.7~0.8 程度が脱血不良発生や VAIVT などの治療を考慮する目安 今後検討必要 春口洋昭 ;VA 超音波テキスト 2011.3.1 第 1 版 :61-62 より引用

VA トラブルの分水嶺とは何か? #1 閉塞を如何に対処するか 1 外科的手術 + 血栓除去 2 血栓溶解 PTA 3 血栓除去 PTA #2 頻回狭窄病変の対処をどうするか 1PTA から 1 か月以内のトラブルは手術? 2 手術から 1 か月以内のトラブルは PTA? #3 穿刺困難を理由に紹介された場合の対処はどうするか 1 テクニックの問題 2 再建術で改善するのか? 池田 VA 透析 内科クリニック

VA トラブル ( 閉塞 ) 症例の方針 1) 閉塞ウロキナーゼ 6 万単位 (+6 万単位まで追加あり ) + ヘパリン 5000 単位投与後 2 時間放置 2) 再開通しない時に血栓吸引を追加しガイドワイヤーが 通過 PTA 非通過 手術 3) 血栓量が多く 器質化血栓の症例は OPE も考慮 池田 VA 透析 内科クリニック

バスキュラーアクセスクリニック開院から 1 年間の現状期間 :2010 年 9 月 1 日 ~2011 年 8 月 31 日 依頼施設 : 40 依頼数 : 手術 : VAIVT: カフ付カテーテル挿入 : 353 件 95 例 237 回 21 回 池田 VA 透析 内科クリニック

VAIVT 施行 ( 依頼 ) 理由 血流不足 その他 V 圧その他 V 圧 閉塞閉塞 狭窄狭窄 血流不足 血流不足 狭窄 閉塞 その他 V 圧上昇 AVF AVG 130 回 (70 例 ) 107 回 (48 例 ) 池田 VA 透析 内科クリニック

9 1% 手術例の内訳 116 例 ( カテーテル挿入 21 例を含む ) 7% 19% 瘤除去 15% その他 4% 閉鎖術カテ挿入 4% 18% AVG 14% AVF 8% 10% 再建術 池田 VA 透析 内科クリニック

血管抵抗指数 (resistance index;r.i.) について R.I. は末梢への血流の流れにくさを反映する指標 R.I.= PSV-EDV EDV PSV: 収縮期最高血流速度 EDV: 拡張末期血流速度 シャント肢上腕動脈パルスドップラーにて計測 PSV EDV 池田 VA 透析 内科クリニック

VAIVT の前後で R.I. と血流量を測定 シャント肢上腕動脈パルスドップラーにて計測 LOGIQ P5(GE Health care 社 )

臨床症状 + ( 脱血不全 シャント音の異常 返血側静脈圧高値 クリアランスギャップ など ) 看護師 臨床工学技士から報告 臨時超音波検査 臨床工学技士あるいは医師により施行 スクリーニング検査 (DM:1 回 /6 カ月 NDM:1 回 /12 カ月 ) RI 0.600 RI<0.600 血管造影 50% 以上の狭窄 + - 1 回 /3 カ月程度の超音波検査 アクセス閉塞 ウロキナーゼによる血栓融解療法 PTA 回復 非回復 RI での術後評価 スクリーニング時の RI 値程度まで低下 ( 透析に支障ある臨床症状が継続する場合 ) + - 次回 PTA 施行時 高耐圧バルーン (cutting ballon) の使用を考慮 VA 再建術 RI での術後評価 出典 : バスキュラーアクセス超音波テキスト P112 著者春口洋昭 2011.3.1

VA トラブルの分水嶺とは何か? #1 閉塞を如何に対処するか 1 外科的手術 + 血栓除去 2 血栓溶解 PTA 3 血栓除去 PTA #2 頻回狭窄病変の対処をどうするか 1PTA から 1 か月以内のトラブルは手術? 2 手術から 1 か月以内のトラブルは PTA? #3 穿刺困難を理由に紹介された場合の対処はどうするか 1 テクニックの問題 2 再建術で改善するのか? 池田 VA 透析 内科クリニック

PTA:237 回 期間 :2010 年 9 月 1 日 ~2011 年 8 月 31 日 VA トラブル 332 回 手術 :95 例 28.6% AVF:130 回 AVG:107 回 閉塞 :12 例 ウロキナーゼ6 万単位 + 閉塞 :26 例 閉塞 :20 例 9.2% ヘパリン5000 単位 24.3% 非再開通 :4 例 75% はOPE 非再開通 :9 例 22.2% でOPE 血栓吸引で開通 :1 例 PTA 未施行で OPE:1 例 PTA 後再建術 :2 例 血栓吸引で開通 :7 例 + PTA 後再建術 :2 例 = PTA 後 :4 例 全閉塞例の 10.5% は PTA 後に開通せず手術となった AVF の閉塞例では 成功率が低く再建術が妥当であった

VA トラブルの分水嶺とは何か? #1 閉塞を如何に対処するか 1 外科的手術 + 血栓除去 2 血栓溶解 PTA 3 血栓除去 PTA #2 頻回狭窄病変の対処をどうするか 1PTA から 1 か月以内のトラブルは手術? 2 手術から 1 か月以内のトラブルは PTA? #3 穿刺困難を理由に紹介された場合の対処はどうするか 1 テクニックの問題 2 再建術で改善するのか? 池田 VA 透析 内科クリニック

頻回再狭窄病変の取扱い 1) 3 ヶ月に 2 回以上は 手術を考慮 連続 3 か月目は手術 2) 手技終了のエンドポイント 拍動がスリルに変化するのを確認 最大加圧 :12atm 内膜肥厚の抑制 3) 透析に必要な血流量の確保超音波検査による血流 500ml/min 以上 池田 VA 透析 内科クリニック

血流量の基準値 慢性透析用バスキュラーアクセスの作製 および修復に関するガイドライン 血流量が 500ml/min(AVF) 650ml/min(AVG) 未満またはベースの血流量より 20% 以上の減少は狭窄病変が発現している可能性がある 池田 VA 透析 内科クリニック

血流量と R.I. の相関 1 0.9 前 0.8 0.7 0.6 R.I. 0.5 0.4 0.3 後 VAIVT 前 VAIVT 後累乗 (VAIVT 前 ) 累乗 (VAIVT 後 ) 0.2 0.1 0 0 500 1000 1500 2000 2500 血流量 (ml/min) N=184

臨床症状 + ( 脱血不全 シャント音の異常 返血側静脈圧高値 クリアランスギャップ など ) 看護師 臨床工学技士から報告 臨時超音波検査 臨床工学技士あるいは医師により施行 スクリーニング検査 (DM:1 回 /6 カ月 NDM:1 回 /12 カ月 ) RI 0.600 RI<0.600 血管造影 50% 以上の狭窄 + - 1 回 /3 カ月程度の超音波検査 アクセス閉塞 ウロキナーゼによる血栓融解療法 PTA 回復 非回復 RI での術後評価 スクリーニング時の RI 値程度まで低下 ( 透析に支障ある臨床症状が継続する場合 ) + - 次回 PTA 施行時 高耐圧バルーン (cutting ballon) の使用を考慮 VA 再建術 RI での術後評価 出典 : バスキュラーアクセス超音波テキスト P112 著者春口洋昭 2011.3.1

1 ヶ月後に VAIVT となった症例の転帰 24 例に対し 30 回 1 ヶ月後 VAIVT を施行 AVF:12 例 (15 回 ) AVG:12 例 (15 回 ) デバイス変更 デバイス変更 OPE:5 例 デバイス変更で改善 :7 例 OPE:4 例 デバイス変更で改善 :8 例 高耐圧 :5 特殊 :5 高耐圧 :11

VA トラブルの分水嶺とは何か? #1 閉塞を如何に対処するか 1 外科的手術 + 血栓除去 2 血栓溶解 PTA 3 血栓除去 PTA #2 頻回狭窄病変の対処をどうするか 1PTA から 1 か月以内のトラブルは手術? 2 手術から 1 か月以内のトラブルは PTA? #3 穿刺困難を理由に紹介された場合の対処はどうするか 1 テクニックの問題 2 再建術で改善するのか? 池田 VA 透析 内科クリニック

穿刺困難例に対するエコーガイド下穿刺 穿刺針 メディコン社製サイトライト 5 モニター

穿刺困難例 :8 例 エコー DSA による穿刺マップ 穿刺部の指導 指導 :6 例 部分置換術等による穿刺ルートの作製 Run off vein の狭窄 閉塞の改善 :2 例 AVF に部分グラフト :3 例 1 ヶ月間当クリニック外来で穿刺 エコー下穿刺でルート作成 ルート作成 :2 例

まとめ 1) 閉塞のAVGは 血栓溶解後にPTAの成功率は高く積極的に施行できるが AVFでは血流再開が認められなければ 再建術への変更が良い 2) VAIVT 連続 1ヶ月では デバイス変更もしくは 再建術を考慮していく 3) VAトラブルの判断 :PTAなのか手術かは日頃の穿刺の状況にもかかわりがある 池田 VA 透析 内科クリニック

第 7 回透析懇談会 平成 20 年 12 月 4 日 ( 木 ) ホテルニューオオタニ札幌 鶴の間 バスキュラーアクセスの維持管理 ー長期予後のための治療戦略ー 福岡赤十字病院腎臓内科池田潔

何故? 今 バスキュラーアクセスの維持管理が重要なのか

福岡市周辺の状況 バスキュラーアクセス研究会による管理 維持の重要性市内約 30 施設でのVA 管理 治療方針の一元化 ヴァスキュラーアクセススコアによる PTA を行う施設の分散化 福岡赤十字病院 ガイドライン 年間 400 例各年間 150 例 サブセンターサブセンターサブセンター クリニッククリニッククリニッククリニック 約 30

福岡市バスキュラーアクセス研究会を立ち上げた経緯 1 透析に関わるスタッフにアクセスに関心を持って接してもらい VA 維持管理の意義を認識してもらうこと 2 修復 再建の方法 感染などのトラブルによる事例を減らす 努力に関心を持ってもらうこと 啓蒙活動としての研究会 治療方針の一元化 標準化

福岡赤十字病院 VA 管理の現状 #1 市内約 50 施設からの紹介 #2 年間約 700 例の紹介 ( アクセストラブル手術紹介約 300 例 ) #3 PTAは 日帰り入院にて施行 ( 約 400 例 ) #4 閉塞例は 約 11% 成功率 96~98%

当院における 10 年間の手術及び PTA ( 症例数 ) 500 275 310 391 408 451 357 416 404 400 300 31 64 144 165 200 100 0 154 118 213 255 203 239 265 269 291 318 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 PTA 手術総数 (year) 福岡赤十字病院腎センター

PTA 施行症例の閉塞率 400 ( 症例数 ) 391 398 444 300 200 狭窄閉塞 100 11.6% 11.3% 13.2% 0 46 45 54 ( 年 ) 2003 2004 2005 福岡赤十字病院腎センター

閉塞症例の PTA による開存率成績 :75%~90% 狭窄段階での処置を優先 共通した認識での PTA への取り組みが必要 VA 観察のツールを利用 シャントトラブルスコアリング

1994:The Treatment Of Vascular Access Graft Dysfunction:A Nephrologist`s View And Experience Gerald A.Beathard Advances in Renal Replacement Therapy Clinical Indicators for Venous Stenosis 1) 静脈圧の上昇 2) 繰り返す血栓形成 3) 止血時間の延長 4) 穿刺困難 5) 疼痛 6) 上肢の腫脹 7) 再循環

表 Ⅰ: シャントトラブルスコアリング (S.T.S) 第 Ⅰ 版 Co-medical staff のために 1) 異常なし 0 2) 狭窄音を聴取 1 3) 狭窄部位を触知 2 4) 静脈圧の上昇 160mmHg 以上 ( 自家 :1, ク ラフト :3) 5) 止血時間の延長 2 6) 脱血不良 ( 開始時に逆行性に穿刺 ) 5 7) 透析後半 1 時間での血流不全 1 8) シャント音の低下 ( 自家 :2, ク ラフト :3) 9) ピロー部の圧の低下 2 10) 不整脈 1 *3 点以上で DSA or PTA を検討 臨床透析 : インターベンション治療ー適応範囲と新しい器材 技術の発展ー 2005;21

スコアリングの意義 意味とは! 将来の閉塞の可能性を示唆 2) 狭窄音を聴取 血管雑音が高く 鋭く 短くなる 血管雑音が著しく減弱し ときに聴取不能となる

近い将来の閉塞の可能性を示唆 3) 狭窄部位を触知 thrill が減弱ないし触知せず 拍動のみとなる 吻合部から狭窄部にいたる部分の流出静脈が腫大 拡張する ( 瘤の形成 ) 流出静脈に沿って疼痛がある グラフトの場合 動脈との吻合部で thrill が減弱ないし消失する

DSA 狭窄部位

再循環を示唆 4) 静脈圧の上昇 160mmHg 以上 針先操作しても 開始時から 160mmHg 以上ある

120 100 80 60 40 20 0-20 -40 静脈圧 (mmhg) 100 150 200 250 18G: 細径 18G: 太径 17G: 細径 17G: 太径 太径 :4.6mm 細径 :3.7mm 血流量 (ml/min) 図 1 ( 本村内科臨床工学士高取 )

200 190 180 170 160 150 140 130 120 110 100 (mmhg) 図 2.PTA 前後の透析時静脈圧 左前腕内グラフトの閉塞症例血液回路 : 太径 4.6mm 穿刺針 :AVF17G 平成 15 年 4 月平成 15 年 8 月平成 16 年 1 月平成 16 年 4 月前後

5) 止血時間の延長 再循環を示唆 患者の止血時間を把握しておき それより延長している 近い将来の閉塞の可能性を示唆 6) 脱血不良 ( 開始時に逆行性穿刺 ) 逆刺しにしているが 開始時から脱血不良となる

脱血不良の意味することは何か シャントの狭窄だけではない 透析のはじめから血流がとれない 穿刺の位置は 針先は 透析の後半 1 時間で血流がとれない 血圧が低下していないか 体重 (DW) は適切か

近い将来の閉塞の可能性を示唆 7) 透析後半 1 時間での血流不全 透析後半 1 時間で血流不全がある Graft 静脈側吻合部の狭窄を示唆する 8) シャント音の低下 患者のシャント音をしっかり把握しておく

吻合部を含めた狭窄による血流不全を示唆 9) ピロー部の圧の低下 時間毎のチェック時に観察する 血流の停滞による血栓形成の可能性 10) 不整脈 透析前 ~ 開始後 1 時間目までに 1 分間触診する

A 透析回路ピロー部 Qb:200ml/min B

( 人数 ) 60 50 40 30 20 10 0 狭窄音 トラブルの出現数最大 :12 狭窄部位 静脈圧 止血 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 スコア 88 症例 脱血 血流 音の低下 ピロ I 圧

スコアリングは いくつかのあわせ技で VA 不全を見つけるツールである 相対的狭窄 1 点で 道具としての AVF,AVG 狭窄が問題となることは 少ない

相対的狭窄 10mm 6mm 10mm 絶対的狭窄 4mm 2mm 4mm

シャントトラブルスコアリングシート PTA 施行患者のシャントトラブル症状 患者名 毎週観察 症状発見年月日 4 月第 1 週 4 月第 2 週 4 月第 3 週 4 月第 4 週 シャントトラブルスコア 点数 1) 狭窄音を聴取 1 2) 狭窄部位を触知 2 3) 静脈圧の上昇 ( 前回 +40 以上 ) 1:3 4) 止血時間の延長 2 5) 脱血不良 ( 開始時に逆行性穿刺 ) 5 6) 透析後半 1 時間での血流不全 2 7) シャント音の低下 ( 自家 : グラフト ) 2:3 8) ピロー部の圧の低下 2 9) 不整脈 1 3 点以上でDSA,6 点以上でPTA. 合計点数 PTA 施行日症状出現 ~PTA 施行までの日数

< バスキュラーアクセスのトラブル > #1 狭窄による血流不全 #2 閉塞 #3 感染 #4 盗血 (steel) 症候群 ( 爪の変形 指先の冷感 ) #5 静脈高血圧症 ( シャント肢の腫れ ) #6 吻合部瘤 #7 穿刺 ( ミス 痛み 血腫 ) #8 その他 ( 疼痛 大血流 心過負荷等 )

VA 穿刺の方向と部位 V A V V A

VA の管理には透析患 者教育が重要 患者会での VA 管理の話をする 自分で聴診器を自宅に持ってもらう

自宅でするシャントトラブルの予防 1シャント肢は清潔に 毎日洗う 透析の日もシャワーを! 風呂は一番風呂に入る 2 肘枕をシャント肢でしない 3 痒いとき伸びた爪の指では掻かない クリームを塗る お湯でぬらしたタオルで拭く 洗う

自分のシャントは自分で守る 透析中の問題の観察ポイント 1 静脈圧は血流量より低いか 2 ピローはふくらんでるか

自分の体は自分で観察してみる 1 シャントのある前胸部に血管が浮いていないか? 2 上肢の左右差がないか? 3 手の筋肉が落ちていないか? 気になったら まず透析室のスタッフや主治医に聞く

右上肢の腫脹

毛細血管の怒張 写真 1

造影 1 < 右腕頭部の完全閉塞 >

穿刺について # 痛みには個人差が大きく解決できないこともある # 同じ部位の穿刺は 感染の原因になる 狭窄の原因になる # 穿刺困難によるシャントの再建がある # 痛み止めのテープを貼ると皮膚に 皺がよって穿刺ミスの原因になる場合がある # ボタンホール穿刺は 適応にならない皮膚やシャントのこと が多い

今までは 閉塞までいかに使うか 今後は 閉塞させないようにいかに予防管理するか! 視診 聴診 触診 全員で観察 医師もスタッフも患者も!

見て 聴いて 触る 診る目 聴く耳 感じる指 ( 手 ) 先 の習得

14 12 10 2006~2008 年の演題にみる VA 管理法 理学的所見による管理法 8 6 4 2 0 MRA CT DSA C- ギャップエコースコアなど

左前腕 3D-CT angiography 狭窄 吻合部

術中写真

術中写真

< シャントの視診 > 発赤 ( 紫 ) の有無 ( 感染 血栓 ) シャント瘤の増大 ( 狭窄部位の存在 )

< シャントの聴診 > 透析前 ( 穿刺前 ) に聴診 閉塞していないか 狭窄音 ( 高音 笛のような音 ) の確認

瘤 Radial artery 吻合部

感染対策 (VAの清潔管理の注意事項) 1 透析入室前の手 ( 腕 ) 洗いの厳守 2 透析日入浴の禁止 ( シャワー浴は可 ) 3 温泉やサウナの注意 ( 特に人工血管 ) 4 自宅風呂は一番に!

消毒法 より広範囲にイソジン消毒

消毒法 グラフトの消毒は広範囲に行う

VA 再建症例での感染症例の割合 80 70 60 50 40 30 20 10 0 72 68 62 56 14.3% 12.9% 7.4% 12.1% 10 8 5 7 2003 2004 2005 2006

GRAFT が全抜去となった VA 感染症の症例 2 症例 : 77 歳女性 ( 原疾患 : 慢性糸球体腎炎 ) 病歴 : 1999 年 3 月に血液透析開始 最終 VA 造設 :2006 年 5 月 19 日左上腕内人工血管留置入院経過 :M 医院にて維持透析 2006 年 11 月よりGRAFT 直上のピンホールより浸出液を認めていた 内服の抗生剤で対処していた 2006 年 12 月末 温泉に行った 自宅でピンホールに軟膏 ( 内容不明 ) を塗布した 2007 年 1 月 9 日高熱のため紹介入院 入院時 CRP 35.7mg/dl. 即日のGraft 全抜去であったが 感染コントロールと全身状態が改善しないまま 2 月 4 日死亡退院となった

左上腕の GRAFT 留置部位 圧痛と発赤を認める部位

左上腕の GRAFT 留置部位 周囲を圧迫したところ膿瘍の排出を認めた

排膿した部位から最も遠位の動脈吻合近傍を切開した 排膿を認めた

シャント管理の流れ 患者さんが上腕を消毒して HD 室に入室 異常の発見スコア 3~6 点 シャント肢の外観とシャント音の確認 ( 受け持ち Ns.Tc) ( 毎週スコア化 ) ベテランスタッフ又は透析当番の Dr.( シャント管理スタッフ ) による確認 6 点以上なら 7 日以内に DSA による確認 閉塞の時は 閉塞時間の確認 血栓性 非血栓性の確認 PTA までの時間を確認し数時間の待ち時間のある場合は 血管内にウロキナーセ の投与

スクリーニングと治療方針プログラムの確立 1) スクリーニング 理学的所見 非侵襲的器材による評価 ( エコー ピロー ) 侵襲的器材による評価 (CT DSA) PTA 外科的再建

VA の維持 管理 ガイドラインへの意識 ( 抄録数 ) 70 60 50 40 30 20 10 17.8% 30 6 採用抄録数の年度別推移 26.1% 51 6 70 35.7% 26 維持 管理ガイドライン 0 2006 2007 2008 ( 年 )

一次開存率 (2000 年 1 月 ~2003 年 3 月 ) 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 0.92 0.62 0.37 0 3 6 9 12 15 18 21 24 2003 年透析学会報告 0.57 0.35 施設 A 施設 B Logrank 検定 * ( ヶ月 ) * p<0.01

AVF の一次開存率 開存率 100 80 60 40 20 0 (%) 2004 年 ~2006 年 :780 回 3ヶ月 :83% mean±sd:2.2±4.3 回 (wks) 0 50 100 150 200 開存期間 3 年 :53% Kaplan-Meier 生存曲線

AVG の 1 次開存成績 (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 2003 年 4 月 ~2008 年 3 月 5 年間 124 症例 0 50 100 150 開存期間 1 次開存 :1 年 38% 1 次開存曲線 (WKs. ) Kaplan-Meier 生存曲線

吻合部に形成された瘤の断面 中膜 Fibrobrust 中膜

PTA の間隔と投与 ARB ロサルタン 50 25 カンデサルタン 4 8 12 P C B オルメサルタン 40 PTA 間隔 ( ヶ月 ) 3 3 3 2 3 4 3 4 5 4 4 5 1 15 16 10 3 8 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

再狭窄予防による開存期間の延長 内膜肥厚の原理 1)PTAによる血管の中膜に存在する平滑筋の増殖と内膜への遊走が約 2 週間生じる 2) 血管障害による血小板凝固系の活性化 PAI-1.tPA.MCP-1.CD11.TGF-β.AⅡ が増殖に関与 特に AⅡは重要 AⅡ は 静脈の平滑筋で証明されている

Fig.5 PTA 後の高感度 CRP の変化 (ng/ml) 0.6 0.4 0.2 n.s. p<0.05 n.s. カンデサルタン群 (n = 12) 継続群 (n = 12) mean±sd 追跡症例 0 週 12 週 24 週 12 9 7 12 11 10 平均カンデサルタン投与量 : カンデサルタン群では 透析後の低血圧のため脱落症例が認められた

Fig.6 PTA による拡張面積の比較 (cm2) n.s. p<0.05 n.s. 25 20 カンデサルタン群 (n = 6) 継続群 (n = 6) 15 10 5 追跡症例 0 週 12 週 24 週 4 5 3 5 6 6

拡張方法の検討 過拡張 過剰圧による局所の炎症を抑えるべきではないか 低圧 (10 気圧以下 ) 拡張時間 (30 秒 ~180 秒 ) で1~2 回 十分なスリルが生じたら手技を終了

PTA 時の最大拡張圧平均値の比較 (CB 以前との比較 ) 1786 回 982 回 2003 年 4 月 ~ ~2002 年 8 月 完全拡張 AVF 8.9±2.4 11.5±3.6 AVG 9.0±1.4 12.1±3.4 n.s 1045 回 n.s 不完全拡張 AVF 9.8±2.3 14.8±3.5 AVG 9.9±4.3 16.6±4.3 741 回 t-test p<0.05 単位 :atm

Comparison of the maximum dilation pressure mean values when it is PTA 1786 times 543 times Apr.2003~Sep.2006 Oct.2006~Oct.2008 Complete dilation Noncomplete dilation 1045 times 317 times AVF 8.9±2.4 8.2±2.8 AVG 9.0±1.4 9.6±3.2 741 times 226 times AVF 9.8±2.3 7.6±3.1 AVG 9.9±4.3 9.3±3.7 n.s. n.s. t-test p<0.05 mean±se unit:

低圧拡張による開存曲線 開存率 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 新規 AVF 279 症例 0 50 100 150 200 250 300 開存期間 再建術 34 例 PTA 単独 58 例 1 年 76% 5 年 64% 平均 atm: 9.8±2.3 Kaplan-Meier 開存曲線 ( 週 )

AVF に対する 2 次開存曲線 100 再建術 34 症例 ( 全 270 例 ) 開存率 80 60 40 20 0 開存率 :1 年 87% 5 年 83% 平均 atm: 8.9±2.4 0 50 100 150 200 250 300 開存期間 Kaplan-Meier 生存曲線

Pre PTA 狭窄部 0.6mm ( 症例 1) Post PTA 10atm 1.5mm

( 症例 2) Pre PTA 狭窄部 0.7mm 1.7mm 5mm balloon 10atm

(Case) loop graft (forarm) Symptom: vein pressure >160 mmhg A little sounds of anastomosis artery vein Graft anastomosis stenose

Noncompliant Balloon 6mmX2cm 3 atm x 30 seconds

VA に対しての PTA の治療戦略 AVF AVG スコアリングによる決定 スコアリングによる決定 通常のバルーン 通常のバルーン 2 ヶ月未満 2~4 ヶ月 5 ヶ月以上 2 ヶ月未満 2~4 ヶ月 5 ヶ月以上 再建術? PCB 硬度の高い例 再建術? PCB 硬度の高い例 2 ヶ月未満 通常のバルーン 2 ヶ月未満 通常のバルーン 2~4 ヶ月 ( 上腕中枢部に限り ) 2~4 ヶ月 STENT Elastic recoil の場合 STENT STENT (Run off vein の確保 ) (Drainage vein の確保 )

Non-compliant balloon Semi-compliant balloon Dog bone 現象 過拡張部位に炎症 再狭窄の誘引

New cutting balloon > φ3.5 mm 4 stainless blades Working: length: 15mm Balloon diameter: 2.0 ~4.0mm 1/2 < φ3.00 mm 3 stainless blades

AVF AVG の狭窄 スコアリングによる決定 通常のバルーン (non-compliant balloon) 2 ヶ月未満 2~3 ヶ月 短期再狭窄症例 4 ヶ月以上 再建術 2 ヶ月未満? 通常のバルーン 拡張で拍動が thrill になったら終了

KEY WORD Non-compliant balloon Low pressure Thrill 再狭窄の抑制

PTA のエンドポイントはどこ なのか? VA の作製時期から維持管 理法まで治療標準を提示するのがガイドライン

当院における 10 年間の手術及び PTA ( 症例数 ) 500 275 310 391 408 451 357 416 404 400 300 31 64 144 165 200 100 0 154 118 213 255 203 239 265 269 291 318 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 PTA 手術総数 (year) 福岡赤十字病院腎センター

表 1 シャントトラブルスコアリング (S T S) 第 Ⅰ 版 Co-medical staff のために ( 点数 ) 1) 異常なし 0 2) 狭窄音を聴取 1 3) 狭窄部位を触知 2 4) 静脈圧の上昇 160mmHg AVF:1 AVG:3 5) 止血時間の延長 2 6) 脱血不良 ( 開始時に逆行性に穿刺 ) 5 7) 透析後半 1 時間での血流不全 1 8) シャント音の低下 AVF:2 AVG:3 9) ピロー部の圧の低下 2 10) 不整脈 1 合計点数 3 点以上で DSA or PTA を検討

表 2 氏名 ( ) シャント ( 自家 or グラフト ) PTA 経験 ( 有無 ) 原疾患 ( ) シャントトラブルスコア 点数 異常なし 0 日付 1) 狭窄音を聴取 1 2) 狭窄部位を触知 2 3) 不整脈 1 4) 脱血不良 5 ( 逆行性穿刺でも開始時から ) 5) 静脈圧の上昇 ( 自家 : グラフト ) 1:3 * 通常 ( )mmhg 6) シャント音の減弱 ( 自家 : グラフト ) 2:3 7) ピロー部の圧の低下 2 8) 透析後半 1 時間での血流不全 2 9) 止血時間の延長 2 * *A( ) 分 V( ) 分 * サイン 合計点数 PTA 施行日

図 1 STS の普及率 STS の普及率は平成 17 年の 50%(10/20 施設 ) と比べて 56%(15/27 施設 ) と上昇した 100% 90% 80% 70% 56% STS 普及率 60% 50% 50% 40% H17 年 H21 年

図 2 STS の有用性 STS は VA の状況把握 異常の早期発見に役立っているか? 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 12 施設 役に立っている 3 施設 役に立っていない 役に立っていると回答した施設 役に立っていないと回答した施設 対処が決まっている対処が決まっていない 対処が決まっている対処が決まっていない

図 3 STS の使用法による閉塞率の比較 閉塞率 = 1 年間の閉塞件数 維持透析患者数 20% 15% 10% 閉塞率 5% 0% 6.7% STS を使用しており対処法が決まっている (11 施設 ) 11.1% STS を使用しているが対処法が決まっていない (4 施設 )

図 4 STS を使用していない理由 3 施設 5 施設 2 施設 2 施設 主に医師が穿刺し こまめに診察している為 STS を知らない STS の使い方が分からない 使用に不安がある 無回答

図 5 VA トラブル率の比較 VA トラブル率 = 1 年間の VA トラブル件数 維持透析患者数 20% VA トラブル率 15% 10% 13.0% 5% 6.6% 7.1% 0% STS 未使用で医師の穿刺が行われている施設 (3 施設 ) 全施設 (27 施設 ) 使用方法が分からず STS 未使用施設 (4 施設 )

表 3 シャントトラブルスコアリング (S T S) 第 Ⅰ 版 Co-medical staff のために ( 点数 ) 1) 異常なし 0 2) 狭窄音を聴取 1 3) 狭窄部位を触知 2 4) 静脈圧がVA 作製時に比べて ( 前回 PTA 後と比較して ) +40mmHg 以上上昇 AVF:1 AVG:3 5) 止血時間の延長 2 6) 脱血不良 ( 開始時に逆行性に穿刺 ) 5 7) 透析後半 1 時間での血流不全 1 8) シャント音の低下 AVF:2 AVG:3 9) ピロー部の圧の低下 2 10) 不整脈 1 合計点数 3 点以上で DSA またはエコー 6 点以上で PTA を予約

表 Ⅰ: シャントトラブルスコアリング (S.T.S) 第 Ⅰ 版 Co-medical staff のために 1) 異常なし 0 2) 狭窄音を聴取 1 3) 狭窄部位を触知 2 4) 静脈圧の上昇 160mmHg 以上 ( 自家 :1, ク ラフト :3) 5) 止血時間の延長 2 6) 脱血不良 ( 開始時に逆行性に穿刺 ) 5 7) 透析後半 1 時間での血流不全 1 8) シャント音の低下 ( 自家 :2, ク ラフト :3) 9) ピロー部の圧の低下 2 10) 不整脈 1 *3 点以上で DSA or PTA を検討 臨床透析 : インターベンション治療ー適応範囲と新しい器材 技術の発展ー 2005;21

1994:The Treatment Of Vascular Access Graft Dysfunction:A Nephrologist`s View And Experience Gerald A.Beathard Advances in Renal Replacement Therapy Clinical Indicators for Venous Stenosis 1) 静脈圧の上昇 2) 繰り返す血栓形成 3) 止血時間の延長 4) 穿刺困難 5) 疼痛 6) 上肢の腫脹 7) 再循環

シャントトラブルスコアリングの客観性 主観 ( 狭窄の触知や狭窄音のみ ) では DSA は施行しても PTA とはならなかった症例が 21 例 (412 例中 )5.1% 存在した 客観的シャント不全の項目がなければ DSA をも早期に施行しない 4)5)8): 再循環を示唆 6)7)9): 血流不足を示唆

120 100 80 60 40 20 0-20 -40 静脈圧 (mmhg) 100 150 200 250 18G: 細径 18G: 太径 17G: 細径 17G: 太径 太径 :4.6mm 細径 :3.7mm 血流量 (ml/min) 図 1 ( 本村内科臨床工学士高取 )

スコアリングは いくつかのあわせ技で VA 不全を見つけるツールである 相対的狭窄 1 点で 道具としての AVF,AVG 狭窄が問題となることは 少ない

図 1. 相対的狭窄 10mm 6mm 10mm 絶対的狭窄 4mm 2mm 4mm

福岡市内の透析施設での現況と問題 #1 約 20 施設でスコアシートを使っている #2 スコアリングが施設で浸透し閉塞で紹介されることがなくなるのに1 年は必要 #3 紹介時点で記載されているスコアより当院にてPTA 前に付けたスコアのほうが高くなっている #4 狭窄音の聞き取り方が 聴診器 部位で難しいため考慮が必要

VA の維持 管理 ガイドラインへの意識 ( 抄録数 ) 70 60 50 40 30 20 10 17.8% 30 6 採用抄録数の年度別推移 26.1% 51 6 70 35.7% 26 維持 管理ガイドライン 0 2006 2007 2008 ( 年 )

VA の維持 管理の意義 透析療法の入り口 道具としての維持 管理 1) 透析効率の確保 ( 十分な血流量 再循環の防止など ) 2) インターベンション治療の有用性と適正使用の必要性 3) 心機能への影響の認識 ( 動脈表在化の有用性 ) 4) グラフトやカテーテルの必要性 材質の改良 5) 感染症対策 ( 透析患者の高齢化 長期生存 ) 修復の時期と方法をどのように選択するのかを考慮しなければならない