CTD 第 2 部 MSD 株式会社
目次 表一覧... 4 図一覧... 5 略号及び用語の定義... 6... 8 2.5.1 製品開発の根拠... 8 2.5.1.1 薬効分類... 8 2.5.1.2 化学的及び薬剤学的性質... 8 2.5.1.3 適応症... 9 2.5.1.4 科学的背景... 9 2.5.1.4.1 成人 HSCT 患者におけるサイトメガロウイルス... 9 2.5.1.4.2 予防及び先制治療 : 既存の抗 CMV 治療の限界... 9 2.5.1.5 レテルモビルの開発背景及び作用機序... 11 2.5.1.6 臨床開発プログラムの概要... 11 2.5.1.6.1 臨床開発プログラムの概要... 11 2.5.1.6.2 日本での承認申請に用いる臨床データ... 26 2.5.1.7 規制当局からの指針及び助言... 27 2.5.1.7.1 規制当局からの指針... 27 2.5.1.7.2 米国食品医薬品局... 27 2.5.1.7.3 欧州規制当局... 31 2.5.1.7.4 日本の規制当局... 32 2.5.1.8 医薬品の臨床試験の実施の基準 (GCP) の遵守... 33 2.5.2 生物薬剤学に関する概括評価... 34 2.5.2.1 製剤開発... 34 2.5.2.1.1 レテルモビル経口剤の開発... 34 2.5.2.1.2 レテルモビル注射剤の開発... 35 2.5.2.2 バイオアベイラビリティ... 35 2.5.2.3 食事の影響... 35 2.5.3 臨床薬理に関する概括評価... 36 2.5.3.1 臨床薬理試験の概括評価... 36 2.5.3.2 ヒトにおける薬物動態... 36 2.5.3.3 レテルモビルの用量設定及び変動許容範囲... 39 2.5.3.4 内因性要因... 41 2.5.3.5 外因性要因... 42 2.5.4 有効性の概括評価... 45-1 - 頁
2.5.4.1 第 Ⅱ 相試験... 45 2.5.4.1.1 前期第 Ⅱ 相試験 (019 試験 )... 45 2.5.4.1.2 後期第 Ⅱ 相試験 (020 試験 )... 46 2.5.4.2 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 )... 47 2.5.4.2.1 試験デザイン (001 試験 )... 47 2.5.4.2.2 有効性評価項目... 49 2.5.4.2.3 有効性評価方法... 50 2.5.4.2.4 患者の内訳及び背景... 51 2.5.4.3 第 Ⅲ 相試験の有効性の結果... 57 2.5.4.3.1 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合 ( 主要評価項目 )... 57 2.5.4.3.2 部分集団解析... 59 2.5.4.3.3 有効性の副次評価項目... 63 2.5.4.3.4 有効性の探索的評価項目... 67 2.5.4.3.5 有効性の追加解析... 73 2.5.4.3.6 薬物動態と有効性の関係... 73 2.5.4.3.7 耐性変異の解析... 74 2.5.4.4 全集団の結果を日本人患者に適用することの妥当性... 75 2.5.4.5 有効性の結論... 76 2.5.5 安全性の概括評価... 77 2.5.5.1 全体的な曝露状況... 77 2.5.5.2 第 Ⅰ 相試験 ( 併合データ )... 78 2.5.5.3 第 Ⅱ 相試験... 80 2.5.5.3.1 前期第 Ⅱ 相試験 (019 試験 )... 81 2.5.5.3.2 後期第 Ⅱ 相試験 (020 試験 )... 81 2.5.5.4 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 )... 84 2.5.5.4.1 安全性評価計画及び試験対象集団... 84 2.5.5.4.2 有害事象の要約... 86 2.5.5.4.3 すべての有害事象の解析... 87 2.5.5.4.4 追加の安全性解析... 94 2.5.5.4.5 器官別又は症候群別の有害事象の解析... 96 2.5.5.4.6 臨床検査 バイタルサイン及び心電図所見... 98 2.5.5.5 特別な集団における安全性... 99 2.5.5.6 精巣毒性の可能性の評価... 100 2.5.5.7 薬物動態と安全性の関係... 101 2.5.5.8 安全性の結論... 101 2.5.6 ベネフィットとリスクに関する結論... 103-2 -
2.5.7 参考文献... 107-3 -
表一覧 頁 表 2.5-1 レテルモビルの第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験の要約... 13 表 2.5-2 患者における AUC の概要... 38 表 2.5-3 患者の背景因子 (ASaT 全集団)(001 試験 )... 53 表 2.5-4 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合 (FAS NC=F 全集団)(001 試験 )... 58 表 2.5-5 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者 ( 予防不成 功 ) の割合に関する有効性解析の要約 (FAS 全集団)(001 試験 )... 59 表 2.5-6 有効性主要及び副次評価項目の要約 (FAS 全集団)(001 試験 )... 64 表 2.5-7 探索的評価項目に関する有効性解析の要約 (FAS 全集団)(001 試験 )... 68 表 2.5-8 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者又は発症 しなかった患者での全死亡 ( 移植後 48 週まで )(FAS 全集団)(001 試験 )... 70 表 2.5-9 第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験におけるレテルモビル曝露状況の要約... 77 表 2.5-10 有害事象の要約 ( 安全性解析対象集団 )(020 試験 )... 83 表 2.5-11 有害事象の要約 ( 移植後 24 週まで )(ASaT)(001 試験 )... 87 表 2.5-12 有害事象発現例数 (%)( いずれかの投与群で発現割合 5% 以上 ) 移植後 24 週まで (ASaT)(001 試験 )... 88-4 -
図一覧 頁図 2.5-1 試験デザインの概略 (001 試験 )... 49 図 2.5-2 有効性解析対象集団の概略図 (001 試験 )... 51 図 2.5-3 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合に関するフォレストプロット ( リスク因子の部分集団別 )(FAS DAO 全集団) (001 試験 )... 61 図 2.5-4 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合に関するフォレストプロット ( 患者背景の部分集団別 )(FAS DAO 全集団) (001 試験 )... 62 図 2.5-5 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合に関するフォレストプロット ( 移植前処置レジメン及び併用免疫抑制レジメンの部分集団別 ) (FAS DAO 全集団)(001 試験 )... 63 図 2.5-6 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられるまでの期間 (Kaplan-Meier 曲線 )(FAS 全集団)(001 試験 )... 65 図 2.5-7 移植後 48 週以内の全死亡に関する 死亡までの期間 (Kaplan-Meier 曲線 ) (FAS 全集団)(001 試験 )... 69 図 2.5-8 移植後 48 週以内の非再発死亡に関する 死亡までの期間 (Kaplan-Meier 曲線 ) (FAS 全集団)(001 試験 )... 71 図 2.5-9 移植後 48 週以内の CMV 感染後の死亡に関する 死亡までの期間 (Kaplan-Meier 曲線 )(FAS 全集団)(001 試験 )... 72 図 2.5-10 Kaplan Meier 法による生着までの期間無作為割付時に生着が認められなかった患者集団 ( 移植後 24 週まで )(ASaT)(001 試験 )... 96-5 -
略号及び用語の定義 略語 定義 AE Adverse event 有害事象 ARaT All Randomized and Treated 無作為割付け後に治験薬投与を1 回以上受けたすべての患者 ( 無作為割付けされた投与群 ) ASaT All Subjects as Treated 無作為割付け後に治験薬投与を1 回以上受けたすべての患者 ( 実際に投与された治験薬に対応する投与群 ) AUC Area under the concentration-time curve 濃度 - 時間曲線下面積 AUC 0-t Area under the concentration-time curve 投与後 0から t 時間までの濃度 - 時間曲 from time 0 to time t hours postdose 線下面積 BCRP Breast cancer resistance protein 乳癌耐性蛋白質 BCS Biopharmaceutics classification system 生物薬剤学分類システム BID Twice daily 1 日 2 回 BMI Body mass index 体格指数 BSEP Bile salt export pump 胆汁酸塩排出ポンプ CAC clinical adjudication committee 臨床判定委員会 CAR Constitutive androstane receptor 構成的アンドロスタン受容体 CHMP Committee for Medicinal Products for Human Use 欧州医薬品委員会 CI Confidence interval 信頼区間 CL Clearance クリアランス C max Maximum concentration 最高濃度 CMV Human cytomegalovirus ヒトサイトメガロウイルス CsA Cyclosporin A シクロスポリン CYP Cytochrome P450 チトクロム P450 DAO Data as Observed - DNA Deoxyribonucleic acid デオキシリボ核酸 EE Ethinyl estradiol エチニルエストラジオール EMA European Medicines Agency 欧州医薬品庁 FAS Full Analysis Set 最大の解析対象集団 FDA Food and Drug Administration 米国食品医薬品局 FFP Fit-for-purpose formulation 開発初期製剤 FMI Final market image 市販予定製剤 FSH Follicle-stimulating hormone 卵胞刺激ホルモン GAP Genotyping Analysis Population 遺伝子解析対象集団 GVHD Graft-versus-host disease 移植片対宿主病 HLA Human leukocyte antigen ヒト白血球抗原 HMG-CoA 3-hydroxy-3-methylglutaryl-coenzyme A 3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル -CoA HPCD Hydroxypropyl-β-cyclodextrin ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン HSCT Hematopoietic stem cell transplant 造血幹細胞移植 HSV Herpes simplex virus 単純ヘルペスウイルス IgG Immunoglobulin G 免疫グロブリン G INR International normalized ratio 国際標準比 LC-MS/MS Liquid chromatography/tandem mass spectrometory LH Luteinizing hormone 黄体形成ホルモン 液体クロマトグラフィー タンデム質量分析法 - 6 -
略号及び用語の定義 ( 続き ) 略語 定義 LNG Levonorgestrel レボノルゲストレル MedDRA Medical dictionary for regulatory activities ICH 国際医薬用語集 MRP Multidrug resistance associated protein 多剤耐性関連蛋白質 NA Not applicable 該当なし NC=F Non-Completer=Failure 非完了例 = 無効例 NNT Number Needed to Treat 治療必要数 OAT Organic anion transporter 有機アニオントランスポーター OATP Organic anion transporting polypeptide 有機アニオン輸送ポリペプチド PBPK Physiologically-based pharmacokinetic 生理学的薬物動態 PCR Polymerase chain reaction ポリメラーゼ連鎖反応 P-gp P-glycoprotein P- 糖蛋白質 PMF Preliminary market formulation 市販候補製剤 PMDA Pharmaceuticals and Medical Devices Agency 医薬品医療機器総合機構 POC Proof of concept - PP Per-Protocol 治験実施計画書に適合した pp65 low matrix phosphoprotein 65 (CMV が感染した白血球で発現するウイルスの初期構造抗原 ) PPK Population PK 母集団薬物動態 PT Preferred Term 基本語 PXR Pregnane X receptor プレグナン X 受容体 QD Once daily 1 日 1 回 QOL Quality of life 生活の質 QTcF QT interval corrected for heart rate using Fridericia 補正法により心拍数で補正し Fridericia's formula た QT 間隔 SOC System organ class 器官別大分類 t 1/2 Elimination half-life 消失半減期 TEAE treatment-emergent adverse event 治療期に発現又は悪化した有害事象 TESAE treatment-emergent serious adverse event 治療期に発現又は悪化した重篤な有害事象 T max Time to reach maximum concentration 最高濃度到達時間 UGT Uridine 5'-diphospho-glucuronosyltransferase VZV Varicella zoster virus 水痘帯状疱疹ウイルス AIC001 AIC090027 AIC246 Letermovir レテルモビル BAY73-6327 MK-8228 ウリジン 5'- 二リン酸グルクロン酸転移酵素 - 7 -
2.5.1 製品開発の根拠ヒトサイトメガロウイルス (CMV) は ヘルペスウイルス科に属する二重鎖デオキシリボ核酸 (DNA) 型ウイルスである CMV は広く認められる一般的なウイルスであり 接触により容易に感染するため 国内外を問わず成人の多くが CMV 既感染 ( 抗体陽性 ) である 通常 CMV は幼少期に不顕性感染の形で感染し 生涯その宿主に潜伏感染するが 免疫抑制状態下で再活性化し 種々の病態を引き起こすおそれがある 特に同種造血幹細胞移植 (HSCT) 患者は重度の免疫抑制状態にあるため 潜伏感染していた CMV の再活性化により活動性 CMV 感染 (CMV 血症 : 血液中より CMV が検出される状態 ) に至るリスクが高く その結果 全身状態の悪化や高い死亡率が懸念される 成人 HSCT 患者の65%~80% に CMV 感染歴があり これらの患者では移植後の CMV 再活性化及び CMV 感染症のリスクが懸念される [ 資料 5.4: 2] [ 資料 5.4: 3] [ 資料 5.4: 4] [ 資料 5.4: 5] 実際に 移植前に CMV 抗体陽性であった HSCT 患者では 予防措置を実施しない場合 約 80% で CMV が再活性化し 20%~35% で CMV 感染症に進行することが報告されている [ 資料 5.4: 2] しかしながら 既存の抗 CMV 薬では 骨髄抑制や腎毒性等の重大な毒性が認められていることから HSCT 患者に対する予防投与は推奨されていない [ 資料 5.4: 1] そのため HSCT 患者での CMV 感染予防に有効かつ忍容性の良好な薬剤の開発が強く望まれている 本項では 新規の強力な CMV ターミナーゼ阻害剤であるレテルモビル ( 同義語 :MK-8228 AIC246 AIC001 AIC090027 及び BAY 73-6327) の開発のために実施した臨床試験の概要を示す 2.5.1.1 薬効分類レテルモビルは CMV ターミナーゼ複合体に特異的に作用する新規の作用機序を有する 既存の抗 CMV 薬はいずれもウイルス DNA ポリメラーゼを阻害するため 交差耐性が懸念されるが レテルモビルは 既存の抗 CMV 薬との交差耐性が認められていない 2.5.1.2 化学的及び薬剤学的性質 レテルモビルは 錠剤 注射剤ともに240 mg 及び480 mg の2 規格が製造されている [2.7.1 項 ] 日本では 480 mg 錠のサイズが大きいことから 錠剤 注射剤ともにレテルモビルの240 mg 製剤のみを製造販売承認申請の対象とした レテルモビル240 mg 錠剤の市販用製剤は速放性のフィルムコーティング錠であり レテルモビルとして240 mg 及び標準的な添加剤を含有している レテルモビル240 mg 注射剤の市販用製剤は Type I のガラスバイアル30 ml に20 mg/ml 無菌濃縮注射液が充填されており レテルモビルとして1バイアルあたり240 mg を含有する バイアルには12.0 ml を抜き取るのに十分量の水溶液が充填されている レテルモビル注射剤は 可溶化させるためヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン (HPCD) ph 調整のため水酸化ナトリウム及び等張化のため塩化ナトリウムを用いて製造されている - 8 -
2.5.1.3 適応症 日本におけるレテルモビルの予定される効能 効果は 同種造血幹細胞移植患者におけるサイ トメガロウイルス感染又はサイトメガロウイルス感染症の予防 である 2.5.1.4 科学的背景本項では HSCT 患者における CMV 感染の概要を示す 成人 HSCT 患者における CMV 関連の罹患率及び死亡率については [2.5.1.4.1 項 ] に 予防又は先制治療を目的とした既存の抗 CMV 治療の限界については [2.5.1.4.2 項 ] に記述する 2.5.1.4.1 成人 HSCT 患者におけるサイトメガロウイルス [2.5.1 項 ] のとおり 通常 CMV は潜伏感染しているが HSCT( 特に同種 HSCT) 後などの極端な免疫抑制状態の患者では 再活性化することがあり その結果として全身状態の悪化や高い死亡率が懸念される 全世界で年間約 27,000 件の同種 HSCT が実施されており [ 資料 5.4: 11] そのうちの約 8,000 件は米国で実施されている [ 資料 5.4: 12] 欧州 47ヵ国では2014 年に約 16,000 件 [ 資料 5.4: 13] 東南アジア及び西太平洋諸国では 年間約 6,400 件の同種 HSCT が実施されている [ 資料 5.4: 11] 日本では2015 年に3,724 件の同種 HSCT が実施された [ 資料 5.4: 14] 世界的に同種 HSCT の年間実施件数は増加している [ 資料 5.4: 11] CMV の再活性化は HSCT 患者における全身状態の悪化や高い死亡率と直接的 又は間接的に関係している 直接的 な影響として CMV 感染症の発症率の増加 [ 資料 5.4: 15] [ 資料 5.4: 16] また 間接的 な影響として 急性及び慢性移植片対宿主病 (GVHD) 重篤な細菌感染症及び侵襲性真菌日和見感染症 並びに非再発死亡など CMV が免疫系に及ぼす作用によるもの [ 資料 5.4: 17] [ 資料 5.4: 19] [ 資料 5.4: 18] [ 資料 5.4: 20] [ 資料 5.4: 21] [ 資料 5.4: 22] [ 資料 5.4: 23] [ 資料 5.4: 24] が挙げられる 移植後の HSCT 患者の CMV 再活性化の対策として先制治療が行われるようになってからは CMV 感染症自体の発現率は著しく低下している しかし 特に CMV 抗体陽性同種 HSCT 患者では CMV 血症が確認される可能性が高く [ 資料 5.4: 24] CMV 血症による全体的な死亡のリスクは依然として高い [ 資料 5.4: 25] 2.5.1.4.2 予防及び先制治療 : 既存の抗 CMV 治療の限界 HSCT 患者における CMV 感染症対策には 1) 抗 CMV 薬の予防投与 2) 先制治療 ( ウイルスの増殖を頻回にモニタリングし CMV 血症が確認された場合 抗 CMV 薬の投与を開始する )[ 資料 5.4: 26] [ 資料 5.4: 27] の2つの方法があるが いずれの方法にも限界がある 既存の抗 CMV 薬はいずれもヌクレオシド誘導体であり 骨髄抑制や腎毒性等の特徴的な毒性を有するため予防薬として使用しにくいためあまり用いられない 最も広く使用されているガンシクロビル及びバルガンシクロビルでは HSCT で特に問題となる骨髄抑制が副作用として認められており 第二選択薬として用いられるホスカルネットでは腎毒性が認められることが多い 通常 海外で第三選択薬として用いられる cidofovir( 日本では未承認 ) では 骨髄抑制と腎機能 - 9 -
障害が認められている 高用量のアシクロビル又はバラシクロビルの予防投与がこれまでに評価されているが CMV に対する有効性は確立しておらず 抗 CMV 薬としての適応はいずれも取得していない [ 資料 5.4: 26] [ 資料 5.4: 27] このように 既存の抗 CMV 薬には毒性に関する懸念があることから 予防投与よりも先制治療の方が望ましいとされており 国内外ともに HSCT を行う大多数の医療機関では CMV 感染症の発症抑制として特に CMV 感染のリスクが最も高い移植後 100 日間の CMV モニタリングに基づく先制治療が推奨されている しかし 先制治療は以下の理由により最適な方法とはいえない 先制治療は患者に CMV 血症がみとめられた後に開始するため CMV 感染自体は抑えられない 近年では 先制治療の有無にかかわらず CMV 再活性化によりウイルス量依存的に原因を問わない死亡 ( 全死亡 ) が増加するとの報告がある [ 資料 5.4: 25] また 日本でも 主に移植後早期の CMV 再活性化が全死亡及び原疾患以外の理由による死亡 ( 非再発死亡 ) に対する有意な予後因子であるとの報告がある [ 資料 5.4: 28] 既存の抗 CMV 薬では骨髄抑制や腎障害といった特徴的な毒性が報告されていることから 過剰な先制治療は避けることが望ましい 特に CMV 感染のリスクが最も高く 先制治療が行われる可能性が高いのは移植後 100 日間であるが 移植後早期と定義されるこの期間は好中球減少や粘膜障害 GVHD の発症 ステロイド投与等により HSCT 患者の免疫機能が低下し 患者の状態管理に細心の注意を要するため 副作用の可能性がある過剰な先制治療は避けることが望ましいと考えられる しかしながら CMV DNA 量の閾値は定められておらず 先制治療開始の判断にはばらつきがあるため 実際には不必要な先制治療が行われている可能性がある [ 資料 5.4: 29] [ 資料 5.4: 1] 先制治療では CMV 血症の頻回なモニタリングが必要であることから 患者の負担と費用がかかる [ 資料 5.4: 30] これらのことから CMV に対して有効かつ安全性の高い薬剤による予防投与は CMV 感染症対策として現在広く用いられている先制治療を上回るベネフィットが期待できる そのため HSCT 患者での CMV 感染及び感染症の予防に有効かつ忍容性が良好な抗 CMV 薬の開発が望まれている [ 資料 5.4: 30] [ 資料 5.4: 31] [ 資料 5.4: 3] さらに 予防投与により先制治療よりも早い段階で CMV 感染自体を抑えることができれば CMV 感染による 直接的 な影響 (CMV 感染症の発症 ) のみならず 間接的 な影響 (GVHD や死亡など CMV が免疫系に及ぼす作用によるもの ) への予防効果も期待できる レテルモビルは 新規の抗 CMV 薬であり 第 Ⅰ 相試験 28 試験 第 Ⅱ 相試験 (019 試験及び020 試験 ) 及び第 Ⅲ 相試験 (001 試験 )[ 表 2.5-1] において 概して良好な忍容性を示した 前期第 Ⅱ 相試験 (019 試験 ) では Proof of Concept(POC)( 抗ウイルス活性 ) が確認され 後期第 Ⅱ 相試験 (020 試験 ) では HSCT 患者の CMV 感染予防においてレテルモビルの安全性及び用量依存的な有効性が示された 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) では CMV 抗体陽性の成人同種 HSCT 患者の CMV 感染の予防においてレテルモビルの安全性及び有効性が確認されている - 10 -
2.5.1.5 レテルモビルの開発背景及び作用機序レテルモビルは新規の CMV ターミナーゼ阻害剤である ウイルスターミナーゼは ウイルスの子孫 DNA を一単位長のゲノムへ切断し 空のウイルスカプシドに誘導する 感染症の細胞培養モデルでは レテルモビルは他の抗 CMV 薬に耐性を示す数種類の分離株を含め 実験室株及び CMV の臨床分離株を強力に阻害する EC 50 値 ( 増殖を50% 抑制する濃度 ) は低く nm レベルの値であった ウイルスのターミナーゼ複合体はヒトには存在しないことから レテルモビルの作用機序はウイルス特異的であり 作用機序に基づく副作用は発現しないと考えられる 既存の抗 CMV 薬はヌクレオシド誘導体である DNA ポリメラーゼ阻害剤であり ポリメラーゼは UL54 又は UL97 遺伝子にマッピングされている 一方 レテルモビルは UL56 及び UL89 遺伝子に由来する CMV のターミナーゼを標的とする 感染症の細胞培養モデルでは レテルモビルと既存の抗 CMV 薬との交差耐性は認められておらず ポリメラーゼ阻害剤に対する耐性を示すウイルスは レテルモビルに対して感受性を示し 逆に ターミナーゼに変異を有しレテルモビルに対する耐性を示すウイルスはポリメラーゼ阻害剤に対して十分な感受性を示す これらのデータから レテルモビルに対する耐性が認められ 予防投与が無効であった患者でも 既存の DNA ポリメラーゼ阻害剤である抗 CMV 薬に対する感受性は維持されることが示唆された 2.5.1.6 臨床開発プログラムの概要 2.5.1.6.1 臨床開発プログラムの概要 レテルモビルの臨床開発プログラムの要約を [ 表 2.5-1] に示す 健康成人被験者 肝及び腎機能障害者を対象として 第 Ⅰ 相試験を28 試験実施した ( 日本人を対象とした2 試験を含む ) このうち 14 試験は AiCuris GmbH & Co. KG( 以下 AiCuris) 又は Bayer Healthcare AG が実施し 14 試験は MSD 株式会社 ( 申請者 ) 及び Merck Sharp & Dohme Corp., a subsidiary of Merck & Co., Inc.( 以下 米国本社 ) が実施した 第 Ⅰ 相試験には 安全性及び忍容性 薬物動態 外因性 ( 薬物相互作用 ) 及び内因性要因 食事の影響並びにレテルモビルが QTc 間隔に及ぼす影響の評価が含まれ いずれの試験でも概して良好な忍容性が示されている 第 Ⅱ 相試験 2 試験 (019 試験及び020 試験 ) は AiCuris が実施した 前期第 Ⅱ 相試験 (019 試験 AiCuris AIC001-2-001) では腎又は腎 / 膵臓移植患者 17 例及び HSCT 患者 1 例を対象にレテルモビルを2つの用法で14 日間投与し 実薬対照 ( 実施医療機関の標準治療 ) と比較した結果 レテルモビルの POC( 抗ウイルス活性 ) が確認された 後期第 Ⅱ 相試験 (020 試験 AiCuris AIC246-01-II-02) では 同種 HSCT 患者に84 日間 3 用量のレテルモビルを投与し CMV 感染予防において プラセボと比較したレテルモビルの安全性及び用量依存的な有効性が確認された 第 Ⅱ 相試験の完了後 レテルモビルの開発及び製造販売権を米国本社が取得し 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) を計画及び実施した 001 試験は国際共同試験として実施し 日本からも参加した 001 試験では CMV 抗体陽性の同種 HSCT 患者 570 例を2:1の比でレテルモビル群又はプラセボ群に無作為割付けし 移植後 14 週まで投与した 無作為割付けした570 例中 565 例に治験薬を投与した 日本人としては 無作為割付けした36 例中 35 例に治験薬を投与した 001 試験の有効性の主要評 - 11 -
価項目は移植後 24 週時 ( 約 6ヵ月 ) に設定しており 製造販売後承認申請時点の本申請資料では この時点までに収集可能であったデータに基づきレテルモビルの安全性を評価した 有効性の主要評価項目は 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合とした 以下のいずれかを認めた場合を 臨床的に意味のある CMV 感染と定義した 終末器官における CMV 感染症の発症又は CMV 血症の確認 ( 中央検査機関による測定 ) 及び臨床状態に基づいた 抗 CMV 薬による先制治療の開始 本治験における先制治療の開始とは CMV の活発なウイルス複製が確認された場合に以下の抗 CMV 薬のいずれかの投与を開始することである : ガンシクロビル バルガンシクロビル ホスカルネット又は cidofovir( 日本では未承認 ) 001 試験には 日本を含む20ヵ国 67 施設が参加した レテルモビルの投与量は480 mg 1 日 1 回とした ( シクロスポリンを併用投与する場合は レテルモビルの用量を240 mg 1 日 1 回に調整 )[2.5.3.3 項 ] 注射剤及び錠剤の両製剤が使用されたが いずれの製剤でも同一用量を投与した 本申請資料において001 試験の結果は 主に治験総括報告書 [ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] を基に作成した 治験総括報告書 [ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] は 有効性の主要評価項目である移植後 24 週の評価がすべての症例で完了した時点の固定データに基づくものである 001 試験では 無作為割付けした570 例中 565 例に治験薬が投与され 347 例 (60.9%) が移植後 14 週までの治験薬投与を完了した 431 例 (75.6%) が移植後 24 週の来院を完了し 134 例 (23.5%) が移植後 24 週の来院前に治験を中止した 移植後 24 週の来院を完了した431 例は後観察期 ( 追跡期間 )( 移植後 24 週 ~48 週 ) に移行した 有効性の主要解析のためのデータカットオフ時点で 302 例 ( 無作為割付したすべての患者の53.0%) が移植後 48 週の来院を完了し 64 例 (11.2%) が治験を継続中であった [2.7.3.2.2.3.2 項 ] その後得られた探索的な目的である移植後 48 週までの評価については 移植後 48 週の治験総括報告書 [ 資料 5.3.5.1.5: P001V02] に示し 本項には結果の概要を示す なお 主要解析のデータ固定後 移植後 48 週までの追跡調査の過程で得られた新たな情報に基づき 移植後 24 週までのデータの一部も更新されている 移植後 48 週の治験総括報告書 [ 資料 5.3.5.1.5: P001V02] は 48 週間を通して更新されたデータに基づいている 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) の部分集団である日本人集団の結果及び全体集団との比較の詳細については [2.7.6.3.3 項 ] にまとめて記載した - 12 -
試験の種類 第 Ⅰ 相健康被験者を対象とした PK 及び初期忍容性試験 資料の分類 評価資料 評価資料 参考資料 参考資料 試験番号 ( 海外 / 国内 ) 027 試験 ( 国内 ) 032 試験 ( 海外 ) 007 試験 (AIC001-1-001/ BAY-73-6327-011 696 試験 ) ( 海外 ) 011 試験 (AIC001-1-005 試験 ) ( 海外 ) 表 2.5-1 レテルモビルの第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験の要約 略称 / デザイン 日本人健康女性被験者を対象とした安全性 忍容性及び PK を評価する単回投与試験 二重盲検 無作為化 プラセボ対照 2パート 投与順序固定 用量漸増 単回経口及び静脈内投与試験日本人健康女性被験者を対象とした反復投与及びシクロスポリンとの薬物相互作用を検討する反復投与試験 二重盲検 無作為化 単施設 プラセボ対照 2 期 投与順序固定 反復経口投与試験初回ヒト投与健康男性被験者に単回経口投与した際の安全性 忍容性及び PK を評価する試験 単盲検 無作為化 単施設 プラセボ対照 並行群間 用量漸増 単回経口投与試験健康男性被験者を対象とした安全性 忍容性及び PK を評価する用量漸増単回経口投与試験 二重盲検 ( 群内 ) 無作為化 プラセボ対照 並行群間 用量漸増 単回経口投与試験 主要目的 日本人健康女性被験者に用量漸増単回経口投与及び静脈内投与した際の安全性及び忍容性の評価 - 日本人健康女性被験者に反復経口投与した際の PK パラメータを非日本人被験者の PK パラメータと比較 - 空腹時反復経口投与後 シクロスポリンを併用投与した際のレテルモビルの PK の評価 健康男性被験者に液剤 (FFP1 製剤 ) 及び錠剤 (FFP2 製剤 ) を単回経口投与した際の安全性及び忍容性の評価 用量依存的な有害事象プロファイルの評価 用量制限有害事象の特定及び最大耐用量の決定を目的として 健康男性被験者に用量漸増単回経口投与した際の安全性及び忍容性の確認 レテルモビルを投与された被験者 / 患者数 パート 1: 8 例 パート 2: 8 例 14 例 40 例 36 例 - 13 -
試験の種類 第 Ⅰ 相健康被験者を対象とした PK 及び初期忍容性試験 ( 続き ) 資料の分類 参考資料 試験番号 ( 海外 / 国内 ) 021 試験 (AIC246-01-Ⅰ -08 試験 ) ( 海外 ) 表 2.5-1 レテルモビルの第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験の要約 ( 続き ) 略称 / デザイン 健康被験者に単回及び用量漸増反復経口投与した際の安全性 忍容性及び PK を評価する試験 並びに健康男性被験者に反復経口投与した際のマスバランス及び代謝プロファイルを検討する試験 パート 1: 二重盲検 無作為化 単施設 プラセボ対照 単回経口投与試験 パート 2: 二重盲検 無作為化 単施設 プラセボ対照 用量漸増 反復経口投与試験 主要目的 パート 1: 健康女性被験者に単回経口投与した際の安全性 忍容性及び PK の評価 パート 2: - 健康被験者に用量漸増反復経口投与した際の安全性 忍容性及び PK の評価 - 有害事象の発現に用量依存的な傾向があるか 及び最大耐用量の確認 - ある一定の用量以上で発現する有害事象の特定 レテルモビルを投与された被験者 / 患者数 パート 1: 6 例 パート 2: 36 例 パート 3: 8 例 パート 3: 非盲検 単施設 ADME 試験 パート 3: - マスバランスの評価 - 血漿中及び排泄物中の代謝物並びに排泄経路の同定 - 14 -
試験の種類 第 Ⅰ 相健康被験者を対象とした PK 及び初期忍容性試験 ( 続き ) 資料の分類 参考資料 試験番号 ( 海外 / 国内 ) 009 試験 (AIC001-1-003/ BAY-73-6327-011 698 試験 ) ( 海外 ) 表 2.5-1 レテルモビルの第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験の要約 ( 続き ) 略称 / デザイン 健康男性被験者を対象とした安全性 忍容性及び PK を検討する 用量漸増反復投与試験 並びにミダゾラムの PK に及ぼす影響を評価する試験 ステージ 1: 単盲検 無作為化 単施設 プラセボ対照 群間比較 用量漸増 反復経口投与試験 主要目的 ステージ 1: 健康男性被験者に反復経口投与した際の安全性及び忍容性の評価 ステージ 2: ミダゾラムの PK に及ぼす影響の評価 レテルモビルを投与された被験者 / 患者数 23 例 ステージ 2: 非盲検 非無作為化 単施設 非プラセボ対照 群間比較試験 - 15 -
試験の種類 第 Ⅰ 相健康被験者を対象とした PK 及び初期忍容性試験 ( 続き ) 資料の分類 参考資料 試験番号 ( 海外 / 国内 ) 018 試験 (AIC246-01-Ⅰ -13 試験 ) ( 海外 ) 表 2.5-1 レテルモビルの第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験の要約 ( 続き ) 略称 / デザイン 健康女性被験者を対象とした用量漸増単回及び反復経口投与した際の安全性 忍容性及び PK を検討する試験 並びに製剤を単回及び静脈内投与した際の安全性 忍容性及び PK を検討する試験 並びに健康女性被験者を対象としたジゴキシン経口投与後の PK に及ぼす影響を検討する試験 パート A( コホート 1): 非盲検 単施設 非プラセボ対照 反復経口投与試験 パート A( コホート 2 及び 7): 二重盲検 無作為化 単施設 プラセボ対照 用量漸増 単回及び反復経口投与試験 主要目的 パート A: - 健康女性被験者に投与した際の安全性及び忍容性の評価 - 最大耐用量の確認 - 単回投与時及び定常状態での曝露量の評価 - 高用量の定常状態で QT/QTc 間隔に影響を及ぼす可能性の評価 パート B: 単回及び反復静脈内投与した際の定常状態の PK の評価 パート C: 定常状態のレテルモビルがジゴキシン単回経口投与後の血漿中ジゴキシンの PK に及ぼす影響の評価 レテルモビルを投与された被験者 / 患者数 パート A: 28 例 パート B: 16 例 パート C: 24 例 パート B: 二重盲検 無作為化 単施設 プラセボ対照 用量漸増 単回及び反復静脈内投与試験 パート C: 非盲検 単施設 2 期 2 投与順序 クロスオーバー試験 - 16 -
試験の種類 第 Ⅰ 相健康被験者を対象とした PK 及び初期忍容性試験 ( 続き ) 資料の分類 参考資料 参考資料 試験番号 ( 海外 / 国内 ) 026 試験 ( 海外 ) 005 試験 (AIC246-01-Ⅰ -14 試験 ) ( 海外 ) 表 2.5-1 レテルモビルの第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験の要約 ( 続き ) 略称 / デザイン 健康女性被験者を対象とした高用量反復経口投与及び HPCD 製剤を反復静脈内投与した際の安全性 忍容性及び PK を評価する試験 パート 1: 二重盲検 無作為化 単施設 プラセボ対照 反復経口投与試験 パート2: 二重盲検 無作為化 単施設 プラセボ対照 反復静脈内投与試験用量漸増単回静脈内投与及び反復静脈内投与した際の安全性 忍容性及び PK を評価する試験 パート A: 二重盲検 無作為化 単施設 プラセボ対照 用量漸増 単回静脈内投与試験 パート B: 二重盲検 無作為化 単施設 プラセボ対照 反復静脈内投与試験 主要目的 パート 1: 健康女性被験者に高用量を反復経口投与した際の安全性及び忍容性の評価 パート 2: 健康女性被験者に HPCD 製剤を反復静脈内投与した際の安全性及び忍容性 ( 局所忍容性を含む ) の評価 パート A: 健康女性被験者に用量漸増単回静脈内投与した際の安全性及び忍容性の評価 パート B: 健康女性被験者に反復静脈内投与した際の安全性及び忍容性の検討 レテルモビルを投与された被験者 / 患者数 パート 1: 18 例 パート 2: 9 例 パート A: 30 例 パート B: 8 例 - 17 -
試験の種類 資料の分類 試験番号 ( 海外 / 国内 ) 第 Ⅰ 相 BA 試験 参考資料 008 試験 (AIC001-1-002/ BAY-73-6327-011 697 試験 ) ( 海外 ) 表 2.5-1 レテルモビルの第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験の要約 ( 続き ) 略称 / デザイン 健康男性被験者を対象とした液剤及び錠剤の安全性 忍容性 PK 及び液剤経口投与に対する錠剤経口投与の相対的 BA の評価 並びに錠剤経口投与の BA に対する高脂肪 高カロリー食の影響を評価する試験 主要目的 - 錠剤 (FFP2 製剤 ) 及び液剤 (FFP1 製剤 ) を経口投与した際の相対的 BA の評価 - 錠剤 (FFP2 製剤 ) の BA に対する高脂肪 高カロリー食の影響の評価 レテルモビルを投与された被験者 / 患者数 11 例 参考資料 017 試験 (AIC246-01-Ⅰ -12 試験 ) ( 海外 ) 非盲検 無作為化 単施設 非プラセボ対照 4 期クロスオーバー 単回経口投与試験健康女性被験者を対象とした経口及び静脈内投与した際の相対的曝露量及び絶対的 BA を評価する試験 並びに用量漸増単回静脈内投与した際の安全性 忍容性及び PK を評価する試験 コホート 1: 経口 (PMF1 製剤 ) 及び静脈内 ( 製剤 ) 投与した際の相対的曝露量の評価 34 例 評価資料 029 試験 ( 海外 ) コホート 1: 非盲検 無作為化 ( 投与順序に対して無作為に割り付ける ) 単施設 2 期クロスオーバー 単回経口及び静脈内投与試験 コホート2~5: 二重盲検 無作為化 並行群間 プラセボ対照 用量漸増 単回静脈内投与試験 健康被験者に食後及び空腹時に経口投与した際の BA を評価する試験 非盲検 無作為化 2 期 2 処置 2 投与順序 クロスオーバー 単回経口投与試験 コホート2~5: 静脈内 ( 製剤 ) 投与した際の用量依存的な有害事象プロファイル ホルター心電図を用いた QT 間隔への影響 PK 及び最大耐用量の評価 安全性及び忍容性の確認 健康女性被験者に錠剤 (PMF3 製剤 ) を食後及び空腹時に単回経口投与した際の相対的 BA の評価 14 例 - 18 -
試験の種類 第 Ⅰ 相比較 BA 及び BE 試験 内因性要因を検討した PK 試験 資料の分類 参考資料 参考資料 参考資料 参考資料 試験番号 ( 海外 / 国内 ) 014 試験 (AIC246-01-Ⅰ -09 試験 ) ( 海外 ) 028 試験 ( 海外 ) 015 試験 (AIC246-01-Ⅰ -10 試験 ) ( 海外 ) 006 試験 (AIC246-01-Ⅰ -16 試験 ) ( 海外 ) 表 2.5-1 レテルモビルの第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験の要約 ( 続き ) 略称 / デザイン 健康女性被験者に経口投与した際の錠剤間の相対的 BA を評価する試験 非盲検 無作為化 単施設 5 期 5 処置 クロスオーバー 単回経口投与試験健康女性被験者を対象に含量の異なる錠剤を空腹時投与した際の相対的 BA を評価する試験 非盲検 無作為化 単施設 2 期 クロスオーバー 単回経口投与試験肝機能障害者及び健康被験者に反復経口投与した際の PK 安全性及び忍容性に対する肝機能障害の影響を検討する試験 非盲検 並行群間 反復経口投与試験健康被験者 中等度及び重度腎機能障害者を対象とした反復経口投与した際の PK 安全性及び忍容性を検討する試験 非盲検 非無作為化 単施設 反復経口投与試験 主要目的 健康女性被験者に PMF1 製剤 (4 種類の力価 ) と FFP2 製剤を空腹時投与した際の製剤間の相対的 BA の評価 錠剤 (PMF3 製剤 2 種類の力価 ) を空腹時単回経口投与した際の血漿中の主要 PK パラメータの比較 反復経口投与した際の PK に対する肝機能障害の影響の評価 反復経口投与した際の PK に対する腎機能障害の影響の評価 レテルモビルを投与された被験者 / 患者数 15 例 14 例 33 例 24 例 - 19 -
試験の種類 第 Ⅰ 相外因性要因を検討した PK 試験 資料の分類 参考資料 参考資料 試験番号 ( 海外 / 国内 ) 016 試験 (AIC246-01-Ⅰ -11 試験 ) ( 海外 ) 010 試験 (AIC001-1-004 試験 ) ( 海外 ) 表 2.5-1 レテルモビルの第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験の要約 ( 続き ) 略称 / デザイン 健康女性被験者を対象とした反復経口投与がミダゾラムを単回経口及び静脈内投与した際の PK に及ぼす影響を検討する試験 非盲検 単施設 反復経口投与試験健康男性被験者を対象とした安全性及び忍容性 並びにシクロスポリンとの薬物相互作用を検討する反復投与試験 パート 1: 非盲検 非無作為化 単施設 非プラセボ対照 反復経口投与試験 パート 2: 非盲検 部分無作為化 ( シクロスポリン投与順序 ) 2 投与順序 3 処置 クロスオーバー 反復経口投与試験 主要目的 反復経口投与時 ( 定常状態 ) に 単回静脈内投与したミダゾラム (2 種類の力価 ) の PK に及ぼす影響の検討 パート 1: 反復経口投与時に 単回経口投与したシクロスポリンの PK に及ぼす影響の検討 パート 2: 用量の異なるシクロスポリンの単回経口投与が 反復経口投与したレテルモビルの PK に及ぼす用量依存的な影響の検討 レテルモビルを投与された被験者 / 患者数 16 例 パート 1: 8 例 パート 2: 12 例 - 20 -
試験の種類 第 Ⅰ 相外因性要因を検討した PK 試験 ( 続き ) 資料の分類 参考資料 試験番号 ( 海外 / 国内 ) 003 試験 ( 海外 ) 表 2.5-1 レテルモビルの第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験の要約 ( 続き ) 略称 / デザイン 健康女性被験者を対象とした反復経口投与がシクロスポリン及びタクロリムスの PK に及ぼす影響を評価する薬物相互作用試験 非盲検 2 パート 反復経口投与試験 主要目的 パート 1: 健康女性被験者を対象として反復経口投与時 ( 定常状態 ) に 単回で併用経口投与したシクロスポリンの PK に及ぼす影響の評価 レテルモビルを投与された被験者 / 患者数 パート 1: 14 例 パート 2: 14 例 参考資料 参考資料 013 試験 (AIC001-1-007 試験 ) ( 海外 ) 036 試験 ( 海外 ) 健康男性被験者を対象とした反復経口投与とタクロリムスの単回経口投与の薬物相互作用試験 非盲検 非無作為化 単施設 1 投与順序 2 処置 反復経口投与試験健康女性被験者を対象とした反復経口投与がシロリムスの単回投与の PK に及ぼす影響を評価する薬物相互作用試験 非盲検 2 期 投与順序固定 反復経口投与試験 パート2: 健康女性被験者を対象として 反復経口投与時 ( 定常状態 ) に 単回で併用経口投与したタクロリムスの PK に及ぼす影響の評価反復経口投与が 単回経口投与したタクロリムスの PK に及ぼす影響の評価 健康女性被験者を対象として反復経口投与時 ( 定常状態 ) に 単回投与したシロリムスの PK に及ぼす影響の評価 16 例 14 例 - 21 -
試験の種類 第 Ⅰ 相外因性要因を検討した PK 試験 ( 続き ) 資料の分類 参考資料 参考資料 参考資料 参考資料 参考資料 試験番号 ( 海外 / 国内 ) 022 試験 ( 海外 ) 034 試験 ( 海外 ) 025 試験 ( 海外 ) 033 試験 ( 海外 ) 023 試験 ( 海外 ) 表 2.5-1 レテルモビルの第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験の要約 ( 続き ) 略称 / デザイン 健康女性被験者を対象としたミコフェノール酸モフェチルの活性代謝物ミコフェノール酸との薬物相互作用試験 非盲検 単施設 投与順序固定 単回及び反復経口投与試験健康女性被験者を対象としたアシクロビルとの薬物相互作用試験 非盲検 1 期 投与順序固定 反復経口投与試験健康女性被験者を対象としたボリコナゾールの PK に及ぼす影響を評価する試験 非盲検 単施設 投与順序固定 反復経口投与試験健康女性被験者を対象としたポサコナゾールとの薬物相互作用試験 非盲検 2 期 2 処置 投与順序固定 反復経口投与試験健康女性被験者を対象としたアトルバスタチンとの薬物相互作用試験 非盲検 2 期 投与順序固定 反復経口投与試験 主要目的 健康女性被験者を対象として反復経口投与時 ( 定常状態 ) に ミコフェノール酸の PK に及ぼす影響の評価 健康女性被験者を対象として反復経口投与時 ( 定常状態 ) に 単回併用経口投与したアシクロビルの PK に及ぼす影響の評価 健康女性被験者を対象として反復経口投与時 ( 定常状態 ) に 併用経口投与したボリコナゾールの PK に及ぼす影響の評価 健康女性被験者を対象として反復経口投与時 ( 定常状態 ) に 単回併用経口投与したポサコナゾールの PK に及ぼす影響の評価 健康女性被験者を対象として反復経口投与時 ( 定常状態 ) に 単回併用経口投与したアトルバスタチンの PK に及ぼす影響の評価 レテルモビルを投与された被験者 / 患者数 14 例 16 例 14 例 13 例 13 例 - 22 -
試験の種類 第 Ⅰ 相外因性要因を検討した PK 試験 ( 続き ) 資料の分類 参考資料 試験番号 ( 海外 / 国内 ) 035 試験 ( 海外 ) 表 2.5-1 レテルモビルの第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験の要約 ( 続き ) 略称 / デザイン 妊娠する可能性のない健康女性被験者を対象とした反復投与時に 経口避妊薬 ( エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレル ) の単回投与時の PK に及ぼす影響を評価する試験 主要目的 反復経口投与時に 単回併用経口投与したエチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルの PK に及ぼす影響の評価 レテルモビルを投与された被験者 / 患者数 22 例 健康被験者における PD 試験及び PK/PD 試験 第 Ⅱ 相申請する適応症に関する比較対照試験 評価資料 参考資料 評価資料 004 試験 ( 海外 ) 019 試験 (AIC001-2-001 試験 ) ( 海外 ) 020 試験 (AIC246-01-Ⅱ -02 試験 ) ( 海外 ) 非盲検 2 期 投与順序固定 反復経口投与試験健康女性被験者を対象とした QTc 間隔に及ぼす影響を検討する試験 無作為化 単施設 4 期 8 投与順序 クロスオーバー 単回投与試験 CMV 血症患者を対象に先制治療下で投与した際の安全性 忍容性及び抗ウイルス活性を評価する試験 非盲検 無作為化 多施設共同 実薬対照 用量反応 POC 前期第 Ⅱ 相試験再感染又は再活性化による CMV の増殖抑制を検討するために投与した際の安全性 忍容性及び抗ウイルス活性を評価する試験 二重盲検 無作為化 多施設共同 プラセボ対照 用量反応 後期第 Ⅱ 相試験 予定臨床用量を超える高用量及び予定臨床用量が QTc 間隔に及ぼす影響の評価 腎移植又は腎及び膵臓移植後の CMV 血症患者を対象とした 14 日間の投与 (2 用量 ) 後における CMV DNA 量の減少の検討 実薬対照群との比較 CMV 抗体陽性の同種造血幹細胞移植患者を対象として投与 (3 用量 ) した期間の CMV の増殖抑制効果及び安全性の検討 37 例 18 例 98 例 - 23 -
試験の種類 第 Ⅲ 相申請する適応症に関する比較対照試験 資料の分類 評価資料 試験番号 ( 海外 / 国内 ) 001 試験 ( 国内及び海外 ) 表 2.5-1 レテルモビルの第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験の要約 ( 続き ) 略称 / デザイン CMV 抗体陽性の成人同種造血幹細胞移植患者を対象に臨床的に意味のある CMV 感染の予防を目的として投与した際の安全性及び有効性を評価する試験 二重盲検 無作為化 多施設共同 プラセボ対照 第 Ⅲ 相試験 主要目的 CMV 抗体陽性の成人同種造血幹細胞移植患者を対象として投与した際の 移植後 24 週 ( 約 6 ヵ月 ) 以内の臨床的に意味のある CMV 感染の予防に対する有効性の評価 レテルモビルを投与された被験者 / 患者数 373 例 ( 日本人 :25 例 ) PK= 薬物動態 FFP = 開発初期製剤 ADME= 吸収 分布 代謝及び排泄 HPCD= ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン BA= バイオアベイラビリティ PMF= 市販候補製剤 BE= 生物 学的同等性 PD= 薬力学 CMV= ヒトサイトメガロウイルス POC= Proof of concept 他の試験番号がある場合はその番号 (AIC001 AIC246 BAY73-6327はレテルモビルと同義語 ) 018 試験のパート B:16 例の被験者はいずれもレテルモビルの 製剤 ( 注射剤 ) を投与された 017 試験 : レテルモビル投与の34 例中 22 例はレテルモビルの 製剤 ( 注射剤 ) を投与された 残りの12 例は錠剤及び 製剤 ( 注射剤 ) の両方を投与された - 24 -
臨床薬理プログラムの概要レテルモビルの臨床開発プログラムには 健康成人被験者並びに肝又は腎機能障害者を対象にレテルモビルの安全性及び薬物動態を評価した第 Ⅰ 相試験 28 試験が含まれた ([2.7.1 項 ] [2.7.2 項 ]) これらの第 Ⅰ 相試験には 日本人健康被験者 33 例を含む766 例の被験者が組み入れられた 766 例のうち 668 例がレテルモビルを単独又は他剤との併用 ( 薬物相互作用試験として ) で投与された レテルモビルの経口投与の用量は 単回投与が5~720 mg 反復投与が40 mg 1 日 1 回 (QD) 投与 ~720 mg 1 日 2 回 (BID) 投与であった レテルモビルの静脈内投与の用量は 単回投与が30 ~960 mg 反復投与が120 mg QD 投与 ~480 mg QD 投与であった 本臨床開発プログラムでは 2 種類の注射剤 (HPCD 製剤及び製剤 ) を使用した 第 Ⅰ 相試験 2 試験 (017 試験及び018 試験 ) でのみ 錠剤とともに注射剤として製剤が用いられ 組み入れた110 例のうち50 例に製剤を静脈内投与した 製剤は 安全性の問題 ( 軽度から中等度の注射部位刺激感及び血栓性静脈炎 ) により開発を中止したため 本申請資料には含めない [2.7.1.1.2.2.1 項 ] また 以降の開発は注射剤として HPCD 製剤を用いて行った レテルモビルの薬物動態の評価には 第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) から得られた併合データを用いた母集団薬物動態解析も含めた 母集団薬物動態解析の目的は 健康被験者及び同種 HSCT 患者におけるレテルモビル薬物動態特性 有機アニオン輸送ポリペプチド (OATP) 1B1 及びウリジン5 - 二リン酸グルクロン酸転移酵素 (UGT) の遺伝子多型がレテルモビルの曝露量に及ぼす影響 並びに内因性及び外因性要因がレテルモビルの薬物動態に及ぼす影響を評価することであった [2.7.2.2.6.2 項 ] OATP1B1 及び UGT の遺伝子多型の影響については 線形混合効果モデルによる解析でも検討した [2.7.2.2.6.4 項 ] さらに 生理学的薬物動態(PBPK) モデルにより レテルモビルの薬物動態の非線形性に寄与する因子や 日本人及び非日本人健康被験者間で認められたレテルモビルの曝露量の差を メカニズムに基づいて説明することが可能であった 第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) から得られた併合データを用いて 母集団薬物動態解析 曝露 - 応答解析及び薬理遺伝学的解析を実施し レテルモビルの薬物動態 有効性及び安全性評価項目との曝露 - 応答関係を明らかにし レテルモビルの曝露量及び応答に及ぼす特定の内因性及び外因性要因の影響を評価した 第 Ⅰ 相試験 母集団薬物動態解析及び曝露 - 応答解析の結果を [2.7.2.2 項 ] に要約する 臨床開発プログラムの概要第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相臨床開発プログラムには 第 Ⅱ 相試験 2 試験 (019 試験及び020 試験 ) 及び第 Ⅲ 相試験 1 試験 (001 試験 ) が含まれた 019 試験は 27 例の患者 ( 腎又は腎 / 膵臓移植患者 26 例及び HSCT 患者 1 例 ) を対象として用法が異なるレテルモビル (40 mg BID 及び80 mg QD) を14 日間投与した際の安全性 忍容性及び抗ウイルス活性を実薬対照 [ 実施医療機関の標準治療 ( バルガンシクロビル )] と比較した前期第 Ⅱ 相非盲検 POC 試験であった [ 資料 5.3.5.1.1: P019] 組み入れられた27 例の患者は レテルモビル 40 mg BID 群 80 mg QD 群又は実薬対照 ( バルガンシクロビル ) 群に各 9 例が割り付けられた - 25 -
019 試験では 治験開始時に CMV 血症が認められ 先制治療の開始基準を満たした患者における CMV DNA 量の減少を評価した 020 試験は 移植前に CMV 免疫グロブリン G(IgG) 抗体陽性で 治験薬投与開始前 5 日以内に CMV DNA が検出されなかった同種 HSCT 患者 133 例を対象としてレテルモビルの安全性及び抗ウイルス活性をプラセボと比較した後期第 Ⅱ 相無作為化 二重盲検 プラセボ対照試験であった 患者は3 用量のレテルモビル群 (60 120 又は240 mg 1 日 1 回 ) 又はプラセボ群のいずれかに無作為割付され 治験薬を84 日間経口投与した 無作為割付した133 例中 131 例に治験薬を投与し 内訳は レテルモビル60 mg 群 33 例 120 mg 群 31 例 240 mg 群 34 例及びプラセボ群が33 例であった [ 資料 5.3.5.1.2: P020] 020 試験では CMV 再活性化の予防 (CMV 感染又は感染症の予防 ) におけるレテルモビルの有効性をプラセボと比較して評価した 001 試験は CMV 抗体陽性の成人同種 HSCT 患者を対象にレテルモビル480 mg( シクロスポリンを併用投与する場合はレテルモビル240 mg) を1 日 1 回投与した際の安全性及び有効性をプラセボと比較して評価する無作為化 二重盲検 プラセボ対照第 Ⅲ 相試験であった 投与期間は移植後 14 週 ( 約 100 日 ) までとした レテルモビル群 376 例及びプラセボ群 194 例の計 570 例を無作為割付した 日本人は36 例が無作為割付けされた 001 試験では CMV 再活性化の予防 ( 臨床的に意味のある CMV 感染又は感染症の予防 ) におけるレテルモビルの有効性をプラセボと比較して評価した レテルモビルの全体的な曝露状況臨床開発プログラムにおけるレテルモビル プラセボ及び実薬対照の全体的な曝露状況の要約を [2.5.5.1 項 ] [2.7.4.1.2 項 ] 及び [ 表 2.7.4-5] に示す これらのデータには 健康成人被験者及び腎又は肝機能障害者を対象とした第 Ⅰ 相試験 移植後の患者を対象とした第 Ⅱ 相試験 (019 試験及び 020 試験 ) 及び第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) が含まれる レテルモビルを投与されたのは全試験を通じて1157 例 ( 第 Ⅰ 相試験の健康被験者並びに肝又は腎機能障害者 668 例 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験の患者 489 例 ) であった レテルモビルを投与された日本人は全試験を通じて54 例 ( 第 Ⅰ 相試験の健康被験者 30 例 第 Ⅲ 相試験の患者 24 例 ) であった 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) でのレテルモビル投与例は373 例であったが 001 試験と同一用量以上のレテルモビルの投与例は 第 Ⅰ 相試験で317 例 ( レテルモビル240 mg 1 日 1 回とシクロスポリンの併用投与 26 例を含む ) 第 Ⅱ 相試験 (020 試験 ) で18 例 ( レテルモビル240 mg 1 日 1 回とシクロスポリンの併用投与 ) であった 2.5.1.6.2 日本での承認申請に用いる臨床データ 本製造販売承認申請では 20 年月の医薬品医療機器総合機構 (PMDA) との医薬品 ージを作成した 相談での臨床データパッケージに対する助言 [2.5.1.7.4 項 ] を踏まえ 臨床データパッケ [2.5.1.4.2 項 ] で示したように HSCT 後の CMV 感染症対策は 海外では CMV のモニタリング - 26 -
に主に用いられている PCR 法が日本では保険適応外であり 代わりに抗原血症検査が主流であるという違いはあるものの 両検査法の相関性は報告されており [ 資料 5.4: 32] 国内外ともに先制治療が主流である また 先制治療開始の判断基準については 現時点で国際的に標準化された開始基準は存在しないものの 国内外共通して施設及び担当医の判断が重視されているという点で 地域による大きな違いはない また 海外で市販されている抗 CMV 薬のうち cidofovir のみ日本では未承認であるが 国内外共にガンシクロビルが第一選択薬であり その他にバルガンシクロビルやホスカルネットが用いられる いずれの抗 CMV 薬も 国内外で用いられている用法 用量はほぼ同様である 母集団薬物動態解析により詳細な検討を行った結果 大多数が日本人 ( 日本人 30 例及び日本人以外のアジア人 3 例 ) で構成されたアジア人の曝露量のベイズ推定値は 非アジア人と比較してわずかに (33.2%) 高かったものの 日本人 HSCT 患者におけるレテルモビルの曝露量の分布は 非日本人 HSCT 患者の分布と大部分が重なった [ 図 2.7.2-4] [ 表 2.7.2-6] なお レテルモビルの曝露量でみられた人種間の差は 大部分が体重の違いで説明可能であった さらに アジア人と白人の薬物動態の違いに寄与することが報告 [ 資料 5.4: 8] [ 資料 5.4: 9] [ 資料 5.4: 10] されている OATP1B1 及び UGT1A1の遺伝子多型に関して それらのレテルモビルの薬物動態における潜在的な影響についても検討したが レテルモビルの曝露量に臨床的に意味のある影響を及ぼさなかった [2.7.2.3.1.1.3 項 ] これらの結果から 日本人と非日本人の曝露量に明らかな違いは認められないと判断した 以上より 日本人及び非日本人の間で薬効評価上問題となる外因性民族的要因及び内因性民族的要因の違いは存在しないと考えられる したがって 日本人被験者の参加した第 Ⅲ 相国際共同試験成績を主に用いて日本人での本剤の有効性及び安全性を評価することが可能と判断した なお 日本での臨床データパッケージは 日本人を対象とした臨床試験 (027 試験 032 試験 ) 及び第 Ⅲ 相国際共同試験 (001 試験 ) に加え 非日本人を対象とした第 Ⅰ 相試験 (QT/QTc 評価試験 : 004 試験及び食事の影響試験 :029 試験 ) 及び後期第 Ⅱ 相試験 (020 試験 ) を評価資料 非日本人を対象として実施したその他の海外臨床試験を参考資料とした [ 表 2.5-1] 2.5.1.7 規制当局からの指針及び助言 2.5.1.7.1 規制当局からの指針本剤の開発は その過程において 各国の規制当局からの助言を随時得ながら進めている 米国食品医薬品局 (FDA) 欧州医薬品庁(EMA) 及び PMDA から入手した正式な指針を以下に要約する 2.5.1.7.2 米国食品医薬品局 20 年月日 FDA は と結論付けた することで - 27 -
2011 年 5 月 25 日 FDA から 移植患者における CMV 感染症の予防 に対してファストトラック指定を受けた 2011 年 12 月 12 日 リスク集団での CMV 血症及び感染症の予防 に対してオーファン ドラッグ指定を受けた 20 年月日 を実施した FDA との主な合意事項及び新薬承認申請に関する FDA からの助言を以下に示す 非臨床開発以下の点について FDA と合意した 及びを支持するためのの充足性 必要はないこと に対する懸念に対し にて説明を行った結果 こと に対する懸念に対し を測定することは FDA は受け入れ可能とした 臨床薬理 以下の点について FDA と合意した する必要はないこと 決定することする必要はないことすること評価すること また 以下の点について FDA から見解を得た FDA は することを推奨した FDA は する必要があるとした - 28 -
臨床的有効性及び安全性以下の点について FDA から見解を得た FDA はた また が必要であるとした FDA は 受け入れ可能とし するとした よいこととした FDA は この助言を再検討 20 年月日 FDA と米国本社との間でが実施された この相談の目的は に関し FDA の合意を得ることであった 以下に検討された事項の要約を示す 品質 FDA は受け入れ可能とした 臨床薬理以下の点について FDA と合意した を支持すること について また 以下の点について FDA から見解を得た を評価すること 臨床的有効性及び安全性以下の点について FDA と合意した と - 29 -
することについて 計画 また 以下の点は FDA から推奨され 米国本社が合意した事項である を用いること すること その他 FDA からの見解を以下に示す 受け入れは可能であること する必要があるとした FDA は レテルモビルがオーファン ドラッグ指定を受けていることから することとした 20 年月日 FDA との相談を実施した に関連する協議事項 合意事項及び要求事項の要約を以下に示す FDA は FDA は について合意した について合意した FDA は米国本社に対し 推奨した FDA は は と述べた FDA ることで合意した FDA は と合意した FDA は あるとした - 30 -
FDA は FDA の提言を受けて ことについて合意した ことに合意した 2017 年 1 月 9 日 レテルモビルの Breakthrough therapy の指定を申請し 2017 年 2 月 27 日に指 定された 2.5.1.7.3 欧州規制当局 2011 年 4 月 15 日 細胞性免疫障害のリスク患者における CMV 感染症の予防 2012 年 6 月 6 日 細胞性免疫障害のリスク患者における CMV 感染症の治療 に関するオーファン ドラッグ指定を受けた 20 年月日 に対して欧州医薬品委員会 (CHMP) から助言を得た CHMP は について確認した に関連する CHMP からの助言及び合意事項の要約を以下に示す 品質 受け入れ可能とした 非臨床開発 米国本社が提示した は不要である 臨床薬理 が推奨された 臨床的有効性及び安全性 け入れ可能と判断された とは妥当であると判断され た - 31 - に関して受 するこ ことが推奨され
ある であると考えられた する必要が 20 年月日 からは肯定的な意見が得られた 20 年月日 医薬品局との相談を実施し された いて受け入れ可能である旨コメントがあった につ 20 年月 日 医薬品局 との 相談を実施し された について合意に達した また とコメントがあった 20 年月日 EMA との相談を実施した が検討された を行った 20 年月日 CHMP に対して迅速審査の申請書を提出した について詳細な議論 2.5.1.7.4 日本の規制当局 20 年月日に 日本での第相試験実施に先立ちについて PMDA と医薬品 相談を実施した 機構は を相談した - 32 - は受け入れ可能であるとした
ことは可能とした また 日本では新規添加物となる本薬注射剤の添加剤 HPCD の安全性を 機構は 製剤開発の経緯及び臨床試験データに基づく安全性等を考察することで受け入れ可能とした 機構は 受け入れ可能とした 20 年月日までに書面にて 医薬品相談を実施した 欧米では240 mg 錠に加えて480 mg 錠の承認取得を計画しているが 日本では240 mg 錠のみの承認取得を計画しているため について相談し PMDA は受け入れ可能とした 20 年月 日に 医薬品 相談を実施した について PMDA は受け入れ可能とした なお 本剤は 2016 年 2 月 25 日に 厚生労働大臣より希少疾病用医薬品として指定を受けた [ 指定番号 (28 薬 ) 第 374 号 ] 2.5.1.8 医薬品の臨床試験の実施の基準 (GCP) の遵守日本で実施した国内第 Ⅰ 相臨床試験 (027 試験 ) 及び第 Ⅲ 相臨床試験 (001 試験 ) 並びに本申請で利用した臨床試験は 必須文書の保管を含めた試験のデザイン 実施及び解析に関する既存の標準的な研究方法に従って実施した すべての試験は医薬品の臨床試験の実施の基準 (GCP) に従い 試験実施時に適用されていたヒト被験者に対する倫理的治療を考慮して実施した - 33 -
2.5.2 生物薬剤学に関する概括評価製剤開発 各製剤の挙動 バイオアベイラビリティ及び食事の影響について明らかにするために実施した生物薬剤学試験の要約を [2.7.1 項 ] に示す すべての生物薬剤学試験は健康被験者を対象に実施し 各試験の結果を [2.7.1.2 項 ] に示す レテルモビルの臨床開発のために 液体クロマトグラフィー タンデム質量分析法 (LC-MS/MS) を用いてヒトの血漿 尿及び唾液中のレテルモビル測定のため特異的で感度の高い分析法を開発した さらに レテルモビル投与後の循環血中のレテルモビルグルクロン酸抱合体の濃度を測定するため アルカリ処理したヒト血漿中のレテルモビル測定法を開発した [2.7.1.1.4.1 項 ] 生物薬剤学分類システム (BCS) では レテルモビルは240 mg 及び480 mg の用量でクラスⅡ: 低溶解性 - 高膜透過性医薬品に該当する レテルモビルは ph ~ の範囲でわずかに溶解し ( 約 mg/ml) ph 未満及び ph を超えると溶解度が急速に上昇する [2.7.1.1.1 項 ] レテルモビルの製剤開発については [2.5.2.1 項 ] に示す レテルモビルのバイオアベイラビリティ及び臨床的に意味のある食事の影響はないことを示す生物薬剤学試験の概括評価を それぞれ [2.5.2.2 項 ] 及び [2.5.2.3 項 ] に示す 2.5.2.1 製剤開発レテルモビルには経口剤 ( 液剤及び錠剤 ) 及び注射剤がある レテルモビルの臨床開発では 経口剤 6 種類及び注射剤 2 種類を開発し 臨床試験で評価した [ 表 2.7.1-3] [ 表 2.7.1-4] 海外市場向けには 錠剤及び注射剤のいずれも2 種類の含量の規格があり 経口剤は240 mg 錠及び480 mg 錠 注射剤は無菌溶液の240 mg バイアル及び480 mg バイアルである [2.5.2.1.1 項 ] [2.5.2.1.2 項 ] 日本では 240 mg 錠及び240 mg バイアルのみを承認申請し 市販する予定である [2.7.1.1.2 項 ] 2.5.2.1.1 レテルモビル経口剤の開発 本臨床開発プログラムでは 6 種類の主要な経口剤を開発し 臨床試験で評価した これらの内訳は 開発初期製剤として液剤 (FFP1 製剤 ) 及びを用いた錠剤 (FFP2 製剤 ) の2 種類 市販候補製剤としてを用いた錠剤 (PMF1 製剤 ) 及びを用いた錠剤 (PMF2 製剤 ) 及びを用いた製剤 (PMF3 製剤 ) の3 種類 並びに市販予定製剤 (FMI 製剤 ) が1 種類である FMI 製剤は 最終的なフィルムコーティング錠にを施していることを除き PMF3 製剤と同一の製剤である 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) では PMF3 製剤及び FMI 製剤の240 mg 錠及び480 mg 錠を使用した なお 日本では経口剤に関して PMF3 製剤及び FMI 製剤の240 mg 錠のみを001 試験で使用した レテルモビル480 mg 錠はサイズが大きく 日本の市場には適切ではないと考えられたため 日本では レテルモビル群の患者に480 mg を投与する場合 480 mg 錠 1 錠の代わりに 240 mg 錠 2 錠を投与した [2.7.1.1.2.1 項 ] レテルモビルの主要な経口剤の開発経緯及び製剤間の類似性を評価した溶出性 / 相対的バイオアベイラビリティの概略を [ 図 2.7.1-1] に示す レテルモビルの開発に使用された経口剤は 相対的バイオアベイラビリティ試験及び溶出性データによりほぼ生物学的に同等であることが示され - 34 -
ている [2.7.1.3.3.1 項 ] 第 Ⅰ 相試験 (028 試験 ) の結果から PMF3 製剤の 240 mg 錠 2 錠と 480 mg 錠 1 錠の薬物動態は生物学的同等性基準の範囲内であった [2.7.1.2.2.2 項 ] 2.5.2.1.2 レテルモビル注射剤の開発本臨床開発プログラムでは 2 種類の注射剤 [ ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン (HPCD) 製剤及び製剤 ] が開発された 製剤は 安全性の理由により開発が中止され 本承認申請の対象ではないため詳述しない [2.7.1.1.2.2.1 項 ] 注射剤の市販予定製剤 (HPCD 製剤 ) は レテルモビルを溶解補助剤である HPCD を用いて水に溶解した 無菌の濃縮水溶液であり 以後の第 Ⅰ 相試験で使用された 市販予定製剤は第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) でも使用された [2.7.1.1.2.2.2 項 ] レテルモビル注射剤の開発経緯を[ 図 2.7.1-2] に示す 2.5.2.2 バイオアベイラビリティ 第 Ⅰ 相試験の統合データを用いて実施した母集団薬物動態 (PPK) 解析に基づくと レテルモ ビルの絶対的バイオアベイラビリティは高く 健康被験者で 94% であった [2.7.1.3.2 項 ] 2.5.2.3 食事の影響 PMF3 製剤を用いて 単回投与時のレテルモビルの薬物動態に及ぼす標準的高脂肪 高カロリー食の影響を評価した 標準的高脂肪 高カロリー食摂取後にレテルモビル480 mg を単回経口投与した際のレテルモビルの AUC に食事の影響は見られず 最高濃度 (C max ) は空腹時と比較して約 30% 増加した [2.7.1.2.3.2 項 ] これらの結果から レテルモビルの血漿中濃度に臨床的に意味のある食事の影響はなかった よって レテルモビルは食事に関係なく投与することできる [2.7.1.3.4 項 ] また 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) では 食事に関係なく治験薬を投与し 安全性及び有効性が確認された - 35 -
2.5.3 臨床薬理に関する概括評価 2.5.3.1 臨床薬理試験の概括評価レテルモビルの安全性 忍容性及び薬物動態を評価した臨床薬理試験の臨床薬理に関する概要を [2.7.2 項 ] に示した レテルモビルの臨床薬理を評価した試験のうち 第 Ⅰ 相試験は 健康被験者及び肝並びに腎機能障害者を含む男性被験者 225 例及び女性被験者 541 例を対象に 28 試験を実施した [ 資料 5.3.5.3.1: ISS_CP] マウス及びサルでは認められなかったもののラットで精巣毒性の所見が認められたため [2.4.4.5.1 項 ] それ以降のほとんどの第 Ⅰ 相試験は 健康女性被験者を対象に実施した また これらの被験者のうち日本人被験者 30 例を含むアジア人被験者 35 例並びに肝機能障害者 16 例及び腎機能障害者 16 例についても レテルモビルの薬物動態を検討した 第 Ⅰ 相試験では レテルモビルの単回経口投与として5~720 mg 単回静脈内投与として30~960 mg 反復経口投与として40 mg 1 日 1 回 ~720 mg 1 日 2 回 及び反復静脈内投与として120~480 mg 1 日 1 回の用量範囲で それぞれ評価した 反復経口投与では1 日 1 回又は2 回投与 反復静脈内投与では1 日 1 回投与で評価した これらの用量範囲内で 最長 16 日間の投与を行った結果 用量制限毒性は認められなかった 第 Ⅰ 相試験では 317 例の被験者に対して第 Ⅲ 相試験で投与した用量 (480 mg 又はシクロスポリン併用時に240 mg) 以上の用量を投与した 主要な内因性及び外因性要因は 第 Ⅰ 相試験における健康被験者 肝機能障害者及び腎機能障害者のデータに基づき評価を行った また 予定臨床用量を超える高用量である960 mg において QT/QTc 評価試験を実施し レテルモビルの QTc 間隔に対する影響を評価した 全般的に 臨床薬理試験に組み入れられた被験者におけるレテルモビルの忍容性は良好であった 臨床薬理試験の一覧を [ 付録 2.7.2-1] に示す レテルモビルの薬物動態は 第 Ⅰ Ⅱ 及びⅢ 相試験で得られた個別の試験成績に加えて これらを併合した母集団薬物動態 (PPK) 解析に基づいて評価した さらに PPK 解析にて 健康被験者及び患者におけるレテルモビルの薬物動態をそれぞれ評価し レテルモビルの曝露量に及ぼす有機アニオン輸送ポリペプチド (OATP)1B1/1B3 及びウリジン5 - 二リン酸グルクロン酸転移酵素 (UGT) の遺伝子多型の影響を含むレテルモビルの薬物動態に対する内因性及び外因性要因の影響を検討した [2.7.2.2.6.2 項 ] PPK 解析には非線形混合効果モデルを用いたが OATP1B1/1B3 及び UGT の遺伝子多型の影響については 線形混合効果モデルでも評価した [2.7.2.2.6.4 項 ] 生理学的薬物動態 (PBPK) モデルによる評価により レテルモビルの薬物動態に対する内因性要因の影響の機序を解釈する情報が得られた [2.7.2.2.6.1 項 ] PPK モデルに基づくレテルモビルの血漿中曝露量のベイズ推定値を 有効性及び安全性評価項目の曝露 - 応答解析に使用した [2.7.2.2.6.3 項 ] 曝露 - 有効性解析により レテルモビルの曝露量と臨床的に意味のあるヒトサイトメガロウイルス (CMV) 感染の予防の関係が明らかになった また 曝露 - 安全性解析から レテルモビルの曝露量と臨床的に特に注目した有害事象の関連性について評価した 2.5.3.2 ヒトにおける薬物動態 第 Ⅰ 相試験の健康被験者 280 例 [ 資料 5.3.3.5.2: PPKPH1] 及び第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) の患者 350 例 - 36 -
を含む 399 例 [ 資料 5.3.3.5.3: PPKPH3] を対象とした 2 つの PPK 解析により 経口及び静脈内投与後の レテルモビルの薬物動態を評価した [2.7.2.2.6.2 項 ] 第 Ⅰ Ⅱ 及び Ⅲ 相試験の用量範囲及び投与時 期を [2.5.1.6 項 ] に記載した 日本人健康成人被験者については レテルモビル 240~720 mg の単回経口投与 480 mg の 1 日 1 回反復経口投与及び 240~960 mg の単回静脈内投与した際の薬物動態を評価した また 非日本 人健康被験者については レテルモビル 5~480 mg の単回経口投与 1 日用量 40~1440 mg(720 mg 1 日 2 回投与 ) の反復経口投与 30~960 mg の単回静脈内投与及び 120~480 mg の反復静脈内投与 した際の薬物動態を評価した 日本人を含めた健康成人被験者のデータを用いた PPK 解析から レテルモビルの絶対的バイオアベイラビリティは 94% と推定された レテルモビルの曝露量は経 口及び静脈内投与後のいずれも 用量の増加に対し用量比を上回って増加した ノンコンパートメントモデル解析の結果から 日本人健康被験者にレテルモビル240 mg 又は480 mg を単回及び反復経口投与した際 最高濃度到達時間 (T max )( 中央値 ) は2.25~3.00 時間であった T max に到達後 レテルモビルの血漿中濃度は二相性の消失を示した レテルモビル480 mg を1 日 1 回反復経口投与後の定常状態の AUC 及び最高濃度 (C max ) の幾何平均は それぞれ137,000 ng hr/ml 及び 20,800 ng/ml であった 非日本人健康被験者にレテルモビル240 mg 又は480 mg を単回及び反復経口投与した際 レテルモビルは速やかに吸収され 1.50~2.05 時間で T max ( 中央値 ) に到達した T max に到達後 レテルモビルの血漿中濃度は二相性の消失を示した レテルモビル480 mg1 日 1 回反復経口投与後の定常状態の AUC 及び C max の幾何平均は それぞれ71,500 ng hr/ml 及び13,000 ng/ml であった 経口投与後のレテルモビルの血漿中濃度 - 時間プロファイルは 日本人健康被験者及び非日本人健康被験者のいずれも 静脈内投与後と同程度であり 経口又は静脈内投与後のレテルモビルの体内動態に差がないことが示唆された レテルモビルの蓄積はわずかであり AUC 及び C max の累積係数は最大でそれぞれ1.22 及び1.03であった PPK 解析の結果から レテルモビル480 mg 反復静脈内投与後の定常状態の終末相半減期 (t 1/2 ) は約 12 時間であった レテルモビルのクリアランス (CL) は時間依存性を示し 9~10 日で定常状態に到達した [2.7.2.1.1 項 ] 患者における薬物動態は レテルモビル480 mg を1 日 1 回経口又は静脈内投与した第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) に基づいて評価した 第 Ⅰ 相薬物相互作用試験の結果より [2.7.2.2.3.4 項 ] シクロスポリン併用時には経口又は静脈内投与いずれも レテルモビルの用量を240 mg に減量した レテルモビルの吸収速度及び吸収量は 健康被験者と比較して患者で低く 患者にレテルモビルを1 日 1 回経口投与した際 定常状態における曝露量 ( ベイズ推定値 ) は 健康被験者と比較して約 50% 減少した また 健康被験者で認められたレテルモビルとシクロスポリンとの薬物間相互作用は 患者でも認められ 患者にレテルモビル480 mg を単独経口投与した際の曝露量 (AUC の中央値 : 約 34,400 ng hr/ml 投与量で補正した AUC の中央値 :72 ng hr/ml) と比較して シクロスポリンと併用時にレテルモビル240 mg を経口投与した際の曝露量 (AUC の中央値 : 約 60,800 ng hr/ml 投与量で補正した AUC の中央値 :253 ng hr/ml) は増加した [ 表 2.5-2] この曝露量の増加と関連性を示した安全性評価項目はなかった なお このシクロスポリンとの相互作用は 静脈内投与した場合では 経口投与で観察された影響より小さかった レテルモビル480 mg 単独静脈内投与の曝露量 (AUC の中央値 : 約 100,000 ng hr/ml 投与量で補正した AUC の中央値 :208 ng hr/ml) - 37 -
と比較して シクロスポリンとレテルモビル240 mg 静脈内投与を併用した曝露量 (AUC の中央値 : 約 70,300 ng hr/ml 投与量で補正した AUC の中央値 :293 ng hr/ml) は 経口投与時に認められたシクロスポリンの相互作用に基づく曝露量の増加よりは緩やかであった レテルモビル480 mg 静脈内投与後の曝露量は患者と健康被験者で類似していた 患者にレテルモビル480 mg を経口投与した際の絶対的バイオアベイラビリティは35% と推定された シクロスポリンとレテルモビル240 mg の併用経口投与時は バイオアベイラビリティが高くなり 85% であった レテルモビルの定常状態の CL 及び分布容積の母集団平均は それぞれ4.84 L/hr 及び45.5 L と推定された 患者の経口投与時の曝露量が健康被験者と比較して減少した理由として 患者において抗がん剤の一般的な副作用として報告されている胃腸粘膜障害に起因すると考えられる [2.7.2.3.1.1.2 項 ] 表 2.5-2 患者における AUC の概要 投与方法 AUC の中央値 (ng hr/ml) 90% 予測区間 480 mg 経口投与 シクロスポリン非併用 34,400 (16,900-73,700) 480 mg 静脈内投与 シクロスポリン非併用 100,000 (65,300-148,000) 240 mg 経口投与 シクロスポリン併用 60,800 (28,700-122,000) 240 mg 静脈内投与 シクロスポリン併用 70,300 (46,200-106,000) 全体の AUC の中央値 (90% 予測区間 ) は49,200 (26,900 87,400) ng hr/ml であった 値は有効数字 3 桁に四捨五入した 第 Ⅰ 相試験の結果に基づいて 日本人健康被験者 (027 試験及び032 試験 ) の平均曝露量を 用量及び投与経路が同一の非日本人健康被験者 (005 011 014 018 021 022 及び026 試験 ) の平均曝露量と比較したところ 日本人は非日本人より約 1.5~2.5 倍高かった また 第 Ⅰ 相試験 12 試験のデータを併合したより大きな集団での PPK 解析にて人種 ( 白人又はアジア人 ) の影響を検討した結果 アジア人 ( 日本人 30 例及び日本人以外のアジア人 3 例の合計 33 例 ) の AUC のベイズ推定値は白人 (247 例 ) より33.2% 高かった アジア人で曝露量が増加した主な理由として アジア人 [ 中央値 ( 範囲 ):56.6 (45.1 84.5) kg] と非アジア人 [ 中央値 ( 範囲 ):67.1 (45.6 99.4) kg] の体重の相違が考えられ 体重の影響を調整して比較したところ 曝露量の相違はより小さくなった 患者における日本人と非日本人の比較は 第 Ⅲ 相試験 (350 例 うち日本人は23 例 ) のデータを用いた PPK 解析に基づいて実施した 各患者の薬物動態パラメータのベイズ推定に基づき 日本人患者と非日本人患者の曝露量を比較した その結果日本人患者の曝露量の分布は 非日本人患者の分布と重なっていた [ 図 2.7.2-4] [ 表 2.7.2-6] OATP1B1 及び UGT1A1の遺伝子変異は アジア人と白人の薬物動態の違いに寄与することが報 - 38 -
告されている [ 資料 5.4: 8] [ 資料 5.4: 9] [ 資料 5.4: 10] レテルモビルは OATP1B1 及び UGT1A1の両方の基質であるため レテルモビルの薬物動態におけるこれらの潜在的な影響について 上記の PPK 解析 PBPK モデルに基づく解析及び線形混合効果モデルを用いた薬理遺伝学的解析により検討した これらの解析結果から OATP1B1 及び UGT1A1の遺伝子多型は レテルモビルの曝露量に臨床的に意味のある影響を及ぼさないと考えられた これらの結果より レテルモビルの曝露量は日本人と非日本人で明らかな違いがなかったことから 薬物動態に顕著な差はなく 非日本人で得られた薬物動態データを日本人に外挿することは可能であると考えた [2.7.2.3.1.1.3 項 ] In vitro におけるレテルモビルのヒト血漿中蛋白結合率は高く (98.7%) 0.2~50 mg/l の濃度範囲で濃度依存性は認められなかった 主たる結合蛋白質は 血清中アルブミンであった 血球 - 血漿比は0.56であった 放射能標識したレテルモビルを経口投与した際 血漿中に存在するレテルモビルはほとんどが未変化体 (96.6%) であった [2.7.2.2.1.5 項 ] 血漿中に主要代謝物は検出されなかった レテルモビルの全体的な代謝物プロファイルから グルクロン酸抱合が主な代謝経路と考えられる [2.7.2.1.1.1.3 項 ] 酸化的代謝は in vivo では主要な排泄経路ではなかった 放射能の大部分 (93.3%) が糞中に排泄された そのうちほとんどが未変化体 (70.5%) であり 一部 (6%) アシルグルクロン酸抱合代謝物が含まれた レテルモビルの尿中排泄量はわずかであった ( 用量の2% 未満 ) [2.7.2.1.1.1.4 項 ] 2.5.3.3 レテルモビルの用量設定及び変動許容範囲 レテルモビルの予定臨床用量は 日本人患者を含む第 Ⅲ 相試験にて確認し 480 mg 1 日 1 回投与とした また第 Ⅰ 相薬物相互作用試験の結果から [2.7.2.2.3.4 項 ] 第 Ⅲ 相試験ではシクロスポリン併用時にはレテルモビルの用量を480 mg から240 mg に減量することとした 個々の臨床試験成績及びこれらを併合した解析に基づいて予定臨床用量のベネフィット リスクを評価した 第 Ⅰ 相試験として28 試験を実施し 健康男女被験者を対象にレテルモビルを5~960 mg の用量範囲で単回経口又は静脈内投与 並びに40 mg 1 日 1 回 ~720 mg 1 日 2 回の用法 用量範囲で反復経口又は静脈内投与した 検討した用量範囲でレテルモビルの忍容性は概して良好であった [2.7.4.2.1.2 項 ] 前期第 Ⅱ 相試験 (019 試験 ) で CMV 陽性で 先制治療に適格性のある腎移植又は腎 / 膵臓移植患者及び造血幹細胞移植 (HSCT) 患者を対象に レテルモビル40 mg 1 日 2 回投与及び80 mg 1 日 1 回投与の両投与方法について CMV DNA 量が明らかに減少し レテルモビルの Proof of Concept(POC) が確立した この試験のいずれの用量でもレテルモビルの忍容性は概して良好であった [2.7.3.2.1.1 項 ] [ 資料 5.3.5.1.1: P019] 前期第 Ⅱ 相試験後 後期第 Ⅱ 相試験 (020 試験 ) で非日本人 HSCT 患者を対象に レテルモビル 60 120 及び240 mg を1 日 1 回投与し CMV 感染予防効果を評価した [2.7.3.2.1.2 項 ] [ 資料 5.3.5.1.2: P020] 後期第 Ⅱ 相試験で評価したレテルモビルの薬物動態及び有効性データを用いて PPK 解析及び探索的な曝露 - 応答解析を実施した この解析結果 [ 資料 5.4: 33] より 020 試験で投与した用 量範囲では CMV 感染予防効果はレテルモビルの曝露量と相関し 予防不成功は定常状態の - 39 -
AUC 0-24 hr が 45,000 ng hr/ml を下回る曝露量で観察された したがって 有効性を示す目標値を AUC 0-24 hr が 45,000 ng hr/ml 以上に設定した PPK 解析でのシミュレーションから レテルモビル 480 mg を 1 日 1 回投与した場合 90% 以上の患者がこの目標値に到達することが確認された さら に シクロスポリンとの併用時にレテルモビルの曝露量が増加したことから 用量調節に関してシミュレーションにより検討したところ シクロスポリン併用時にレテルモビル240 mg 1 日 1 回投与に用量調節することで レテルモビル480 mg 1 日 1 回を単独で投与した際と同様の曝露量が得られることが示された 日本人患者を含む第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) を HSCT 患者を対象に実施し 選択した用量での有効性及びベネフィット リスクを評価した [ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] 予定臨床用量の妥当性は 001 試験で評価した有効性及び安全性評価項目についての曝露 - 応答解析により検討した [2.7.2.2.6.3 項 ] 有効性に関する曝露- 応答解析として レテルモビル480 mg( シクロスポリン併用時には 240 mg) の1 日 1 回投与で到達する曝露量を基に 患者を四分位ごとに分け 各四分位に含まれる患者で有効性評価項目 ( 臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合 ) を集計し 曝露量との関係を評価した その結果 いずれの四分位に含まれる患者でも すなわち001 試験で検討したレテルモビルの曝露量の範囲で一貫した有効性が認められ 曝露量と有効性に明確な関連は認められなかった [ 表 2.7.2-4] [ 図 2.7.2-1] また 日本人患者の曝露量の分布は 非日本人患者の分布と重なっており 全被験者で認められた曝露 - 応答関係が一定である範囲内であった [2.7.2.1.3.2.3 項 ] さらに 有効性の主要評価項目に対して 臨床的に意味のある影響を及ぼす共変量は検出されなかった レテルモビルの曝露量と有害事象発現の関係を曝露 - 安全性解析より検討した結果 曝露量の増加に伴って有害事象の発現が増加する傾向はみられなかった [2.7.2.2.6.3.2 項 ] また 心血管系及び胃腸障害の有害事象を発現した日本人患者の曝露量は 同様の非日本人患者の曝露量の範囲内であった [2.7.2.1.3.2.3 項 ] レテルモビルの曝露量 (AUC) の変動許容範囲 ( 患者において レテルモビルの曝露量が変化しても 臨床上 高い有効性が維持され かつ忍容可能な安全性が得られる曝露量の相対的な変動範囲 [2.7.2.1.1.2 項 ]) は (0.5, 3.0) と設定した 内因性及び外因性要因の影響による AUC の変化がこの範囲内に入る場合は臨床上意味のある変動ではなく 用量調節は不要と判断した 設定根拠を以下に示す 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) の結果より 患者を対象にレテルモビル480 mg を静脈内又は経口投与した場合 シクロスポリン併用時 240 mg を静脈内又は経口投与した場合のうち 曝露量が最も低値であったのは 480 mg を経口投与した場合であり その際の AUC の中央値は 34,400 ng hr/ml であった [ 表 2.5-2] この結果に基づき レテルモビル480 mg 経口投与後の曝露量の90% 予測区間の下限値 (16,900 ng hr/ml) から変動許容範囲の下限を決定した レテルモビル480 mg 経口投与後の定常状態の AUC の中央値 (34,400 ng hr/ml) は 変動許容範囲の下限の約 2 倍以上であった また001 試験で検証した用法 用量のうち 曝露量が最も高値であったのは レテルモビル480 mg 静脈内投与時であり AUC の中央値は約 100,000 ng hr/ml であった このため このレテルモビル480 mg 静脈内投与後の曝露量の変動に対し 第 Ⅰ 相試験を含む臨床試験成績に基づいて変動許 - 40 -
容範囲の上限を検討した 第 Ⅰ 相試験で健康被験者に最高 720 mg の単回経口投与 最高 960 mg の単回静脈内投与 最高 720 mg の1 日 2 回 14 日間反復経口投与又は最高 480 mg の1 日 1 回 7 日間静脈内投与した際のレテルモビルの忍容性は概して良好であった 健康被験者にレテルモビル720 mg を 1 日 2 回 14 日間反復経口投与した際のレテルモビルの1 日曝露量は 約 328,000 ng hr/ml[ 定常状態の AUC 0-12 hr の幾何平均 (164,000 ng hr/ml) を2 倍した値 ] と推定された また QT/QTc 評価試験で レテルモビル480 mg 及び960 mg 単回静脈内投与後に 臨床的に意味のある QTc 間隔の変化は認められず レテルモビル960 mg を静脈内投与した際の AUC 0-24 hr の幾何平均は 約 282,000 ng hr/ml であった 第 Ⅰ 相試験で到達した最高曝露量 (328,000 ng hr/ml) は 同種 HSCT 患者を対象とした第 Ⅲ 相試験のレテルモビル480 mg 静脈内投与で到達した定常状態の AUC の中央値 (100,000 ng hr/ml) の約 3 倍の曝露量であったことから この結果に基づき変動許容範囲の上限を設定した またレテルモビルの曝露量は日本人と非日本人で明らかな差はないと考えられたことから [2.7.2.3.1.1.3 項 ] これらの予定臨床用量及び AUC の変動許容範囲は日本人に適用可能であると考えた 2.5.3.4 内因性要因 年齢 人種 体重 性別 OATP1B1/1B3 及び UGT1A1 の遺伝子多型 腎機能障害並びに肝機能 障害が レテルモビルの薬物動態に及ぼす影響を 第 Ⅰ 相試験における薬物動態解析 及び第 Ⅰ Ⅱ 及びⅢ 相試験から得られた統合データを用いた PPK 解析により 評価した 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) では 広範な人口統計学的背景を有する HSCT 患者が組み入れられ 高齢患者 アジア人患者 腎機能障害又は軽度 中等度の肝機能障害 ( 代償性肝硬変を含む ) を有する患者も含まれた 内因性要因の評価に関する概要を [2.7.2.1.1.3 項 ] 詳細を[2.7.2.3.2 項 ] に示した PPK 解析の結果から 年齢 人種 体重及び性別について レテルモビルの曝露量に対する臨床的に意味のある影響は見られなかった レテルモビルの AUC は体重の増加に伴ってわずかに減少し PPK 解析のデータセットでの平均体重である67.1 kg の白人被験者と比較して 高体重 (80 ~100 kg) の白人被験者では18.7% 低かった しかしながら 体重によるレテルモビルの曝露量の変化は臨床的に意味がないと考えられた [2.7.2.3.2.3 項 ] レテルモビルは肝取込みトランスポーター OATP1B1/1B3 及び UGT1A1の基質である OATP1B1 をコードする SLCO1B1(rs4149056) 及び UGT1A1(rs4148323) の遺伝子変異は OATP1B1 及び UGT1A1 基質となる薬物の曝露量に影響を与えることが知られており レテルモビルの曝露量に統計的に有意な影響を及ぼすことが確認されたが 変動許容範囲内であり 臨床的に意味のある影響はないと考えられた 中等度及び重度肝機能障害者では レテルモビルの AUC が健康被験者と比較してそれぞれ約 1.6 倍及び3.8 倍高かった 重度肝機能障害者については 患者での投与経験がなく レテルモビルの曝露量が3 倍以上増加することが予測されるため 重度肝機能障害を伴う患者へのレテルモビル投 与は慎重投与とする [2.7.2.1.1.3 項 ] - 41 -
中等度及び重度腎機能障害により レテルモビルの AUC は健康被験者と比較してそれぞれ約 1.9 倍及び1.4 倍高かった 腎機能障害によるレテルモビルの曝露量の変化は臨床的に意味がないと考えられたことから 用量調節は不要である レテルモビルの薬物動態に及ぼす透析の影響は臨床試験で評価していない レテルモビルの血漿蛋白結合率は高く 主に胆汁排泄されることから 末期腎不全の被験者での透析はレテルモビルの消失に重大な影響を及ぼすとは考えにくい [ 資料 5.4: 34] 中等度肝機能障害と中等度又は重度腎機能障害を併発している患者は 肝機能と腎機能が正常な患者と比較して レテルモビルの曝露量が3 倍以上に増加することが予測されるため レテルモビル投与は慎重投与とする 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) では中等度肝機能障害と中等度又は重度腎機能障害の両方を伴う患者は除外した 2.5.3.5 外因性要因レテルモビルと併用する可能性の高い薬剤及び in vitro 評価 [2.6.4.7 項 ] に基づき薬物相互作用の評価に一般的に使用される薬剤を用いて 健康被験者を対象に薬物相互作用試験を実施した [2.7.2.3.3 項 ] レテルモビルの曝露量に対する併用薬の影響及び併用薬に対するレテルモビルの影響を [2.7.2.1.1.4 項 ] に要約する レテルモビルに対する併用薬の影響 In vitro データから レテルモビルは P- 糖蛋白質 (P-gp) OATP1B1/1B3 胆汁酸塩排出ポンプ (BSEP) UGT1A1 及び UGT1A3の基質であることが示唆されている P-gp 及び UGT の特異的阻害薬の影響は臨床試験で評価していない レテルモビルの薬物動態プロファイルから P-gp 又は UGT の阻害によるレテルモビルの曝露量の変化は臨床的に意味がないと予測された 第 Ⅰ 相試験のデータを用いた薬理遺伝学的解析の結果 UGT1A1の遺伝子多型によりレテルモビルの曝露量が36% 増加したが 変動許容範囲内であり 臨床的に意味はないと考えられた [ 資料 5.3.5.3.7: PGAPH1] [2.7.2.2.6.4 項 ] OATP1B1/1B3の阻害薬とレテルモビルを併用する場合 レテルモビルの血漿中濃度が上昇する可能性がある OATP1B1/1B3 及び P-gp を含む複数のトランスポーターの阻害薬であるシクロスポリンとレテルモビルの併用で レテルモビルの曝露量が2~3 倍増加したことから in vivo でもレテルモビルは OATP1B1/1B3の基質であることが示された よって シクロスポリンと併用投与する場合は レテルモビルの用量を240 mg 1 日 1 回に調節することとした チトクロム P450(CYP) 3A CYP2D6 及び CYP2J2は in vitro でレテルモビルを代謝する可能性のある酵素として同定されているが in vivo データから 酸化的代謝はレテルモビルの重要な消失経路ではないと考えられる よってこれらの CYP 分子種の阻害又は誘導により レテルモビルの曝露量は臨床的に意味のある影響を受けないと考えられる 併用薬に対するレテルモビルの影響 In vitro での結果から レテルモビルは CYP3A の時間依存的な阻害薬であり CYP2C8 CYP2B6-42 -
及び UGT1A1 の可逆的阻害薬であることが示され in vivo では CYP2B6 を除き CYP3A CYP2C8 及び UGT1A1 を阻害すると考えられた また in vitro で レテルモビルは CYP3A4 及び CYP2B6 の誘導薬である レテルモビル 240 mg 1 日 1 回 6 日間反復経口投与とミダゾラム 2 mg 単回経口投与を併用した結果 ミダゾラムの AUC は 2.25 倍増加 C max は 1.72 倍上昇し ミダゾラム 1 mg 単回静脈内投与を併用し た結果 ミダゾラムの AUC は 47% 増加し C max は 5% 上昇した これらの結果から レテルモビ ルは主として腸管での代謝に影響を及ぼす CYP3A の中等度の阻害薬であり CYP3A 基質の肝臓 での代謝に対する影響は相対的に小さいことが示唆された レテルモビルは CYP3A の中等度の阻 害薬と考えられることから CYP3A を介して代謝される基質とレテルモビルを併用経口投与する と 併用薬の血漿中濃度を約 2~3 倍上昇させる可能性がある CYP3A 基質を静脈内投与時の血漿 中濃度に及ぼすレテルモビルの影響はより小さいと推測される シクロスポリン シロリムス又はタクロリムスとレテルモビルとの併用により これらの免疫抑制剤の血漿中濃度が上昇することから レテルモビルと併用開始後は シクロスポリン シロリムス又はタクロリムスの全血濃度を頻繁にモニタリングし 適切に免疫抑制剤の用量調節を行う必要がある 治療域が狭く影響を受けやすい CYP3A 基質薬 ( フェンタニル及びキニジン等 ) をレテルモビルと併用投与する場合は 注意を要する これらの CYP3A 基質薬とレテルモビルの併用により CYP3A 基質薬の血漿中濃度が上昇する可能性がある そのため これらの薬剤の副作用に注意して患者の状態を頻繁に観察することが推奨される また 必要に応じてこれらの薬剤の用量調節を行う必要がある ピモジドとレテルモビルの併用で レテルモビルにより CYP3A が阻害され ピモジド濃度が上昇し QT 間隔延長及びトルサード ド ポアンを引き起こす可能性があることから ピモジドは併用禁忌である また 麦角アルカロイド ( エルゴタミン及びジヒドロエルゴタミン ) とレテルモビルの併用で レテルモビルにより CYP3A が阻害され 麦角アルカロイド濃度が上昇し 麦角中毒を引き起こす可能性があることから 麦角アルカロイドは併用禁忌である レテルモビルが CYP2C8 及び UGT1A1に及ぼす影響は臨床試験で評価していない レテルモビルが既知の CYP2C8 基質であるレパグリニド及び rosiglitazone( 日本では未承認 ) の薬物動態に影響するリスクを PBPK モデル解析により評価した 経口及び静脈内投与後にレテルモビルがレパグリニドの曝露量を2.4~3.6 倍 rosiglitazone の曝露量を約 1.5 倍増加させることが予測されたことから レテルモビルが in vivo で CYP2C8 基質の血漿中濃度を上昇させる可能性がある [2.7.2.3.3.1.2 項 ] レパグリニドとレテルモビルを併用する場合は 血糖値を頻繁にモニタリングすることが推奨される HSCT 患者では レテルモビルは抗真菌薬であるボリコナゾールと併用投与される可能性が高く ボリコナゾールの代謝は主に CYP2C9 及び CYP2C19を介し CYP3A の寄与はわずかである また in vitro での CYP3A4 及び CYP2B6の誘導シグナルは 核受容体のプレグナン X 受容体 (PXR) 及び構成的アンドロスタン受容体 (CAR) を介すると考えられ PXR 及び CAR は CYP3A4 CYP2B6 CYP2C9 及び CYP2C19を含む複数の薬物代謝酵素及びトランスポーターの発現を活性化することが知られている 薬物相互作用試験でボリコナゾールとレテルモビルを併用した結果 ボリコナゾールの AUC 及び C max は単独投与時と比較して それぞれ44% 及び39% 減少したことから レテ - 43 -
ルモビル投与により ボリコナゾールの消失経路である CYP2C9 及び CYP2C19 活性を誘導することが示唆されている ボリコナゾールの曝露量減少により効果が減弱する可能性があることから レテルモビルを併用する場合は 患者の状態を十分に観察することが推奨される CYP2C9 又は CYP2C19の基質薬 ( フェニトイン及びワルファリン等 ) とレテルモビルの併用により CYP2C9 又は CYP2C19の基質薬の血漿中濃度が低下する可能性があることから フェニトインとレテルモビルを併用する場合は フェニトイン濃度を頻繁にモニタリングし ワルファリンとレテルモビルを併用する場合は 国際標準比 (INR) を頻繁にモニタリングする 臨床濃度で レテルモビルは P-gp 乳癌耐性蛋白質(BCRP) BSEP 多剤耐性関連蛋白質(MRP) 2 OATP1B3 及び有機アニオントランスポーター (OAT)3 を阻害する可能性がある レテルモビルは PXR/CAR を介して P-gp を誘導する可能性がある P-gp 及び OAT3の典型基質を用いて臨床薬物相互作用試験を実施した レテルモビルとの併用時に P-gp 基質であるジゴキシン及び OAT3 基質であるアシクロビルの血漿中濃度に臨床的に意味のある変化は見られなかった これらのデータから レテルモビルは in vivo では OAT3 の阻害薬ではなく P-gp に対し臨床的に意味のある影響 ( 阻害又は誘導 ) を及ぼさないことが予測された BCRP BSEP 及び MRP2による消失の影響を受ける併用薬はほとんど使用されていないと考えられること これらの特異的基質がないこと 並びに臨床的意義に関する十分な情報が得られていないことから レテルモビルが BCRP BSEP 及び MRP2に及ぼす阻害作用は臨床試験で評価されていない したがって レテルモビルとの併用によりこれらのトランスポーターが阻害されたときの臨床的意義は不明である In vitro データから OATP1B1/1B3の基質とレテルモビルを併用する場合 OATP1B1/1B3トランスポーター基質の血漿中濃度の臨床的に意味のある上昇を引き起こす可能性がある レテルモビルと選択的 OATP1B1/1B3 基質を併用した臨床薬物相互作用試験は実施しなかった しかしながら レテルモビルと CYP3A OATP1B1/1B3 及び BCRP の基質であるアトルバスタチンの併用投与により アトルバスタチンの AUC 及び C max は単独投与時と比較して それぞれ3.29 及び2.17 倍増加した アトルバスタチンとレテルモビルの併用により アトルバスタチンの血漿中濃度が上昇したことから レテルモビルとの併用時にはミオパチーなどのアトルバスタチンに関連した副作用を注意深く観察する レテルモビルとの併用により 他の3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-CoA (HMG-CoA) 還元酵素阻害薬 ( フルバスタチン ロスバスタチン及びシンバスタチン ) の濃度を上昇させる可能性がある レテルモビルとの併用時にはミオパチーなどのスタチンに関連した副作用を注意深く観察する レテルモビル480 mg 反復経口投与とエチニルエストラジオール (EE)0.03 mg 及びレボノルゲストレル (LNG)0.15 mg を併用したところ EE の AUC は約 42% 増加し C max は11% 低下して LNG の AUC は36% 増加し C max は5% 低下した これらの結果に臨床的に意味がないと考えられるため 経口避妊薬とレテルモビルを併用投与する際 用量調節は不要である - 44 -
2.5.4 有効性の概括評価レテルモビルの有効性は [ 表 2.5-1] に示した第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験 3 試験に基づき評価した 前期第 Ⅱ 相試験 (019 試験 ) では POC( 抗ウイルス活性 ) が確認され 後期第 Ⅱ 相試験 (020 試験 ) では同種 HSCT 患者の CMV 感染予防においてレテルモビルの安全性及び用量依存的な有効性が確認された その後 CMV 感染予防を目的として同種 HSCT 患者におけるレテルモビルの安全性及び有効性を評価するため 第 Ⅲ 相国際共同試験 (001 試験 ) を実施した 001 試験の結果から レテルモビルが移植後 24 週以内の臨床的に意味のある CMV 感染を予防する上で非常に有効であることが証明された 主要評価項目である移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合は レテルモビル群 (37.5%) でプラセボ群 (60.6%) より低かった [Full analysis set(fas) 解析対象集団 欠測値 ( 非完了例 ) は無効例として扱う方法 (non-completer=failure approach:nc=f アプローチ ) による欠測値の補完 ] CMV 感染の高リスクと低リスクの層で調整した群間差は-23.5%(95%CI:-32.5%, -14.6%) で 統計的に有意 ( 片側 P 値 :P<0.0001) であった [2.7.3.2.2.6.1.1 項 ] 001 試験では レテルモビルの予防投与により 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合に関する相対リスクがプラセボと比較して約 40% 低下した [ 治療必要数 (Number Needed to Treat:NNT) は5 人 ] さらに 移植後 48 週時点の死亡の相対リスクがプラセボと比較して約 18% 低下し 生存率の向上も示された 2.5.4.1 第 Ⅱ 相試験 本項では 019 試験 [2.5.4.1.1 項 ] 及び 020 試験 [2.5.4.1.2 項 ] の有効性について概要を記述する 2.5.4.1.1 前期第 Ⅱ 相試験 (019 試験 ) 019 試験は レテルモビルを 14 日間投与した際の安全性 忍容性及び抗ウイルス活性を実薬対照 ( 実施医療機関の標準治療 ) と比較して評価した前期第 Ⅱ 相 非盲検 POC 試験であった 患者 を 3 つの投与群 [ レテルモビル 40 mg BID 群 (40 mg を 1 日 2 回経口投与 ) レテルモビル 80 mg QD 群 (80 mg を 1 日 1 回経口投与 ) 及び実薬対照群 ( 実施医療機関の標準治療 )] のいずれかに 無作 為に割り付けた 実薬対照群のすべての患者がバルガンシクロビルの投与を受けた スクリーニング時に CMV 血症が認められ 先制治療に適格性のあった計 27 例 ( 腎又は腎 / 膵臓移植患者 : 26 例及び HSCT 患者 :1 例 ) を組み入れ レテルモビル40 mg BID 群 レテルモビル80 mg QD 群及び実薬対照群 ( バルガンシクロビル ) に各 9 例を割り付けた 15 日目 ( 又は該当する場合 中止日 ) に CMV 血症について評価した 019 試験の有効性の主要評価項目は 15 日目までの CMV DNA 量のベースラインからの変化量であった [2.7.3.1.1.3.1 項 ] 治験実施計画書に適合した解析対象集団(PP) を主要解析対象集団とした 解析の結果 レテルモビルの抗ウイルス活性は実薬対照 ( バルガンシクロビル ) と同程度であった 実薬対照群では 4 日目に CMV DNA 量の平均はベースラインから急激に減少したが 4 日目から15 日目までの CMV DNA 量に変化はみられなかった レテルモビル群では 1 日目から11-45 -
日目まで CMV DNA 量に変化はみられなかったが 11 日目から15 日目に CMV DNA 量の平均がベースラインから急激に減少した 15 日目に レテルモビル群及び実薬対照群で CMV DNA 量の統計的に有意なベースラインからの減少が認められた ( レテルモビル40 mg BID 群 :P=0.031 レテルモビル80 mg QD 群 :P=0.018 実薬対照群:P=0.001) 実薬対照群でレテルモビル群と比較して早期に CMV DNA 量が減少したのは 両剤の作用機序の違いを反映していると考えられた [ 図 2.7.3-2] 以上 019 試験では ベースライン時に CMV 血症が確認され レテルモビルを14 日間投与された移植患者において CMV DNA 量の明らかな減少が認められ レテルモビルの POC が実証された 019 試験の詳細は [2.7.3.2.1.1 項 ] 及び [ 資料 5.3.5.1.1: P019] を参照のこと 2.5.4.1.2 後期第 Ⅱ 相試験 (020 試験 ) 020 試験は CMV 抗体陽性の同種 HSCT 患者を対象に レテルモビルを予防投与した際の安全性及び有効性をプラセボと比較して評価した後期第 Ⅱ 相 無作為化 二重盲検 プラセボ対照試験であった 020 試験では 治験薬投与開始前 5 日以内に CMV DNA PCR 又は pp65 抗原血症検査で活動性 CMV 複製が認められない計 131 例の CMV 抗体陽性の同種 HSCT 患者を対象とした 患者を3 用量のレテルモビル (60 120 及び240 mg 1 日 1 回 ) 群及びプラセボ群のいずれかに1:1:1:1 の比で無作為に割り付け 84 日間 (12 週間 ) 経口投与した 投与期間中週 1 回の来院時に中央検査機関及び治験実施医療機関にて CMV DNA 量を測定した 020 試験の主要評価項目は CMV 抗体陽性患者に対する84 日間の投与期間中に 1) CMV 感染予防不成功となった患者の割合及び2) CMV 感染予防不成功となるまでの期間とした CMV 感染予防不成功は 全身循環血中の CMV 感染が確認された又は終末器官における CMV 感染症を発症した場合と定義した その他の理由 ( 有害事象 死亡 治験実施計画書の不遵守 同意撤回又はその他 ) により84 日より前に治験薬投与を中止した患者も予防不成功とすることとした [2.7.3.1.1.3.2 項 ] 有効性の主要解析対象集団は FAS とし これには治験薬の投与を受けた131 例のデータが含まれた CMV 感染予防不成功となった患者の割合は レテルモビル120 mg 群 (32.3%) 及び240 mg 群 (29.4%) でプラセボ群 (63.6%) よりも有意に低かった ( それぞれ P=0.014 及び P=0.007) レテルモビルの投与量の増加に伴って CMV 感染予防不成功となった患者の割合が低下し (60 mg 群 120 mg 群及び240 mg 群でそれぞれ48.5% 32.3% 及び29.4%) プラセボ群では最も高かった(63.6%) なお その他の理由により84 日より前に治験薬投与を中止した患者を除く CMV 感染予防不成功 ( 全身循環血中の CMV 感染が確認された又は終末器官における CMV 感染症を発症した ) となった患者の割合は レテルモビル240 mg 群でプラセボ群よりも大幅に低かった [ それぞれ2 例 (5.9%) 及び12 例 (36.4%) P=0.007] 84 日の投与期間中に終末器官における CMV 感染症の定義に該当した患者はいなかった [ 表 2.7.3-4] [ 図 2.7.3-3] 以上 020 試験では CMV 感染予防におけるレテルモビルの用量依存的な有効性が示された 020 試験の詳細は [2.7.3.2.1.2 項 ] 及び [ 資料 5.3.5.1.2: P020] を参照のこと - 46 -
2.5.4.2 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) 本項では レテルモビルの第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) のデザイン [2.5.4.2.1 項 ] 有効性の評価項目 [2.5.4.2.2 項 ] 患者の内訳及び背景[2.5.4.2.3 項 ] について記述する 001 試験の詳細は [2.7.3.2.2 項 ] [ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] 及び [ 資料 5.3.5.1.5: P001V02] 001 試験に含まれた日本人集団の結果の詳細は [2.7.6.3.3.3 項 ] を参照のこと 001 試験の治験総括報告書 [ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] には 有効性の主要解析のためのデータカットオフ ( すべての患者が移植後 24 週時の来院を終了した時点 ) までの情報を含めた また 治験総括報告書 [ 資料 5.3.5.1.5: P001V02] には 001 試験の最終データ ( すべての患者の移植後 48 週時までのデータ ) を含めた 2.5.4.2.1 試験デザイン (001 試験 ) 001 試験では CMV 感染又は CMV 感染症のリスクが高い CMV 抗体陽性の成人同種 HSCT 患者を対象に 臨床的に意味のある CMV 感染の予防を目的としてレテルモビルを投与した際の有効性及び安全性をプラセボと比較して評価した 治験デザインの詳細を [2.7.3.2.2.1 項 ] に示す 001 試験の主要評価項目は 移植後 24 週 ( 約 6ヵ月 ) 以内に臨床的に意味のある CMV 感染 [CMV 血症の確認 ( 中央検査機関にて実施した PCR 検査により CMV DNA が検出された ) 及び患者の臨床状態に基づいた 抗 CMV 薬による先制治療の開始 又は終末器官における CMV 感染症の発症と定義 ] がみられた患者の割合とした [2.7.3.1.1.3.3 項 ] また 先制治療などの CMV 感染対策を実施しなかった場合 CMV の再活性化は主に移植後 24 週間以内に認められ 特に移植後 14 週間 ( 約 100 日間 ) はリスクが最も高いことが知られている [ 資料 5.4: 27] [ 資料 5.4: 18] [ 資料 5.4: 35] このことに基づき 001 試験では投与期間を移植後 14 週まで 有効性の主要評価期間を移植後 24 週までと規定した 001 試験では計 570 例の患者をレテルモビル群又はプラセボ群に2:1の比で移植日から移植後 28 日までに割り付けた 投与群間でレテルモビルの安全性及び有効性に影響を及ぼし得る偏りがないよう 治験実施医療機関及び CMV 感染又は感染症のリスク因子 ([2.7.3.2.2.1 項 ] で定義 ) に基づく層別割付けを実施した 治験実施医療機関による層別化は HSCT に対する各国あるいは各施設の診療内容 ( 前処置レジメン 幹細胞源 GVHD の予防又は治療に用いる免疫抑制剤等 ) の偏りを回避するために設定した CMV 感染のリスク因子 ( 高リスク / 低リスク ) は公表文献 [ 資料 5.4: 16] [ 資料 5.4: 36] [ 資料 5.4: 27] [ 資料 5.4: 37] 及び外部の専門家からの助言に基づき定義し 投与群間で CMV 感染リスクに差がないようにした 001 試験はプラセボと比較したレテルモビルの予防効果を評価するための試験として計画されたことから 治験薬の投与中に CMV 感染がみられた患者は治験薬の投与を中止し 実施医療機関の標準治療による先制治療を開始することとした 001 試験では レテルモビルの投与量は480 mg( シクロスポリンを併用投与する場合は240 mg) の1 日 1 回投与とし 盲検性を保つために対照薬としてプラセボを投与した 錠剤及び注射剤の2 つの剤形を使用可能とすることで 合併症により経口投与が難しい患者でも 早ければ移植当日から注射剤による治験薬の投与を開始することができた なお 001 試験では患者が嚥下不能又は - 47 -
錠剤の吸収を妨げる可能性のある状態 ( 嘔吐 下痢 又はその他の吸収不良状態 ) の場合は注射剤を使用するが このような状態が解消した場合は 速やかに注射剤から錠剤に切り替えることを推奨した 001 試験の試験デザインを [ 図 2.5-1] に示す Day 1に無作為割付けを行い CMV 感染又は感染症のリスクが最も高い移植後 14 週間 ( 約 100 日間 ) を治験薬投与期とした 治験薬の投与開始は移植日から移植後 28 日までのいずれかの時点と幅があった一方 投与の完了はすべての患者で移植後の同時点 [ 移植後 14 週 ( 約 100 日 )] としたため 個々の患者の投与期間は移植後 10~14 週間と異なっていた [2.7.3.2.2.1 項 ] 無作為割付け後 規定来院時に CMV 血症のモニタリングを実施した 移植後 24 週以内のいずれかの時点で CMV 血症が確認され抗 CMV 薬による先制治療の開始が必要と判断された 又は終末器官における CMV 感染症を発症した患者は その時点で治験薬投与中の場合は投与を中止し 先制治療又は CMV 感染症に対する治療を開始した 治験実施計画書には CMV 感染のリスク因子 ( 高リスク / 低リスク ) に基づき 治験担当医師へのガイダンスとして 先制治療を開始する際の CMV DNA 量の閾値の目安を提示した [2.7.3.2.2.6.2.4.1 項 ] 移植後 14 週 ( 約 100 日 ) 以降も治験を継続したすべての患者を対象に 移植後 24 週までフォローアップ評価を継続し 予防投与終了後の臨床的に意味のある CMV 感染や死亡の他 日和見感染や急性及び慢性 GVHD 等の CMV 感染による 間接的な 影響に関連する健康アウトカムデータを評価した さらに 主要な治験期間である移植後 24 週 ( 約 6ヵ月 ) までの来院が終了した後も 移植後 48 週まで治験を継続し CMV 感染症 健康アウトカムデータ及び患者の報告による生活の質 (QOL) の評価を実施した - 48 -
MK-8228: レテルモビル CsA: シクロスポリン 図 2.5-1 試験デザインの概略 (001 試験 ) 2.5.4.2.2 有効性評価項目 001 試験の有効性の主要評価項目は 移植後 24 週 ( 約 6ヵ月 ) 以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合とした 以下のいずれかを認めた場合を 臨床的に意味のある CMV 感染と定義した 終末器官における CMV 感染症の発症又は CMV 血症の確認 ( 中央検査機関による測定 ) 及び臨床状態に基づいた 抗 CMV 薬による先制治療の開始 001 試験では 先制治療の開始 を CMV の活発なウイルス複製が確認され抗 CMV 薬 [ ガンシクロビル バルガンシクロビル ホスカルネット又は cidofovir( 日本では未承認 )] のいずれかの投与を開始することと定義した CMV 感染 (CMV 血症 ) は HSCT 患者における全身状態の悪化や高い死亡率と直接的 又は間接的に関係している 直接的 な影響として CMV 感染症の発症率が高くなること [ 資料 5.4: 15] [ 資料 5.4: 16] また 間接的 な影響として 急性及び慢性 GVHD 重篤な細菌感染症及び侵襲性真菌日和見感染症 並びに非再発死亡など CMV が免疫系に及ぼす作用によるもの [ 資料 5.4: 17] [ 資料 5.4: 19] [ 資料 5.4: 18] [ 資料 5.4: 20] [ 資料 5.4: 21] [ 資料 5.4: 22] [ 資料 5.4: 23] が挙げられる CMV 感染症はそれ自体が全身状態の悪化や死亡率の原因となり得る [ 資料 5.4: 15] [ 資料 5.4: 16] 現在は ほとんどの医療機関で CMV 感染症対策として先制治療を実施していることから [ 資料 5.4: 38] HSCT 患者で CMV 感染症の発症リスクが最も高くなる移植後 100 日間における CMV 感染 - 49 -
症の全体的な発現率は 先制治療が広く用いられるようになる前の20%~30% から約 5% まで低下してきている [ 資料 5.4: 16] [ 資料 5.4: 39] [ 資料 5.4: 35] [ 資料 5.4: 17] [ 資料 5.4: 40] [ 資料 5.4: 41] [ 資料 5.4: 43] [ 資料 5.4: 42] このような 先制治療が一般的となった臨床診療の現状を考慮し 001 試験の主要評価項目には 臨床的に評価可能な複合的評価項目である 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染又は感染症がみられた患者の割合 を選択した 2.5.4.2.3 有効性評価方法 001 試験における有効性の主要評価項目及び重要な副次評価項目の解析方法を [2.7.3.2.2.1.2 項 ] に示す 001 試験の有効性解析対象集団は FAS とし これには無作為割付け後に治験薬を1 回以上投与され Day 1( 無作為割付日 ) に中央検査機関の検査にて CMV DNA が検出されないすべての患者が含まれた 有効性の主要評価項目及び重要な副次評価項目については PP 解析対象集団を用いた補足的解析も実施した PP は FAS の部分集団であり 有効性の主要評価項目及び重要な副次評価項目の結果に大きく影響を及ぼす可能性のある治験実施計画書からの逸脱があった患者を除外した集団である 001 試験で PP から除外された患者の治験実施計画書からの逸脱については [2.7.3.2.2.1.2 項 ] を参照のこと 有効性解析では 以下の2つの欠測値の取扱い方法を用いた なお 主要評価項目の主要解析は NC=F アプローチを用いた 1) NC=F アプローチ : 中止理由にかかわらず 移植後 24 週時点の来院前に治験を中止した患者は無効例とした 治験を継続した患者であっても移植後 24 週時点の有効性評価に必要な CMV DNA データが欠測している場合も無効例として扱った 2) Data as Observed(DAO) による解析 (DAO 解析 ): 欠測データを補完せず 特定の評価項目に欠測値のある患者は解析から除外した 001 試験における各評価項目の解析方法は [2.7.3.2.2.1.2 項 ] 及び [ 表 2.7.3-5] を参照のこと 001 試験の有効性解析対象集団の概略図を [ 図 2.5-2] に示す - 50 -
[ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] 図 2.5-2 有効性解析対象集団の概略図 (001 試験 ) 2.5.4.2.4 患者の内訳及び背景 001 試験では日本を含む20ヵ国 67 施設の治験実施医療機関から計 570 例の患者を無作為割付けし 多様な背景を有する CMV 抗体陽性の同種 HSCT 患者集団を対象にレテルモビルの包括的な評価を行った 地域別の患者数を [2.7.3.2.2.2 項 ] 及び [ 表 2.7.3-6] に示す FAS 解析対象集団 ( 計 495 例 ) に含まれる大多数の患者は欧州 (50.1%) 及び北米 (41.0%) で組み入れられた アジア太平洋で組み入れられた患者の割合は7.7% 日本人の割合は6.1%( 計 30 例 レテルモビル群 :24 例 プラセボ群 :6 例 ) であった 無作為に割り付けられた570 例の患者のうち 治験薬投与開始前に治験から脱落した5 例を除く 565 例が治験薬の投与を受けた 431 例 (75.6%) が移植後 24 週の来院を完了し 134 例 (23.5%) が移植後 24 週の来院前に治験を中止した 移植後 24 週の来院を完了した431 例は移植後 24 週から48-51 -
週の後観察期 ( 追跡期間 ) に移行した 001 試験の試験終了時点では 移植後 48 週の来院を完了し た患者は 363 例 (63.7%) であり 移植後 24 週以降 48 週までの期間に 68 例 (11.9%) が治験を中止し た 治験継続状況に関する患者の内訳は [2.7.3.2.2.3.2 項 ] 及び [ 表 2.7.3-8] を参照のこと 無作為割付けした患者の 60.9% が移植後 14 週までの治験薬投与を完了した 投与完了例はレテル モビル群 (71.0%) でプラセボ群 (41.2%) より大幅に多かった 投与群間の不均衡は プラセボ 群で効果不十分のため治験薬投与を中止した患者の割合 (42.3%) がレテルモビル群 (6.4%) より 多かったことに起因していた プラセボ群の治験薬投与中止理由は 効果不十分が最も多く 次いで有害事象 (9.8%) であった レテルモビル群の治験薬投与中止理由は有害事象 (11.2%) が最も多く 次いで効果不十分 (6.4%) であった 治験薬投与状況に関する患者の内訳は [2.7.3.2.2.3.3 項 ] 及び [ 表 2.7.3-9] を参照のこと 001 試験で無作為割付けされた患者の 有効性解析における患者内訳を [ 表 2.7.3-10] に示す 無作為に割り付けられた570 例のうち 5 例 (0.9%) が治験薬を投与されなかったため解析対象から除外された 無作為割付け後 治験薬を1 回以上投与された残りの565 例 ( レテルモビル群 :373 例及びプラセボ群 :192 例 ) を All Randomized and Treated(ARaT) 解析対象集団に含めた [2.7.3.2.2.4.1 項 ] [2.5.4.2.3 項 ] に記述したように 001 試験における有効性評価の主要解析集団は FAS 解析対象集団であり 無作為割付けした患者のうち495 例 (86.8%)[ レテルモビル群 :325 例 (86.4%) 及びプラセボ群 :170 例 (87.6%)] が含まれた 補足的な有効性評価は PP 解析対象集団を対象として実施し 無作為割付けした患者のうち451 例 (79.1%) が含まれた PP 解析対象集団から除外された患者の割合は投与群間で同程度であった [ 表 2.7.3-10] 患者集団の定義は[2.7.3.2.2.4 項 ] を参照のこと 001 試験は国際共同試験であり 除外基準の制限が比較的少なかったため 多様な背景を有する CMV 抗体陽性同種 HSCT 患者集団を対象として評価を行うことができた 001 試験の患者背景は投与群間で概して均衡がとれており 実際の医療現場でみられる CMV 抗体陽性の同種 HSCT 患者集団を代表していると考えられた [ 表 2.5-3] ASaT 解析対象集団の565 例中 男性 (57.9%) 白人 (81.8%) 及び非ヒスパニック又はラテン系(89.2%) が大多数を占めた 年齢の中央値は54 歳 ( 範囲 :18~78 歳 ) 体格指数(BMI) の中央値は25.5 kg/m 2 ( 範囲 :16.6~49.0 kg/m 2 ) であった 001 試験では 単純ヘルペスウイルス (HSV) 又は水痘帯状疱疹ウイルス (VZV) 感染に対するアシクロビル バラシクロビル及びファムシクロビルの予防投与を可能とした しかしながら 治験実施計画書でこれらの薬剤の投与量には制限を設けており 規定した投与量では十分な抗 CMV 活性は得られないことから これらの薬剤の使用がレテルモビルの有効性に影響を及ぼす可能性は低いと考えられた これらの薬剤を投与した患者の割合は投与群間で同程度であり HSV 及び VZV の予防のため最も多く使用された薬剤は アシクロビル (FAS 解析対象集団の82.0%) であった [2.7.3.2.2.5.2 項 ] 日本人集団の患者の内訳及び背景の詳細 並びにこれらに関する日本人集団と全集団の比較は [2.7.6.3.3.3.1 項 ] を参照のこと - 52 -
表 2.5-3 患者の背景因子 (ASaT 全集団 )(001 試験 ) Letermovir Placebo Total n (%) n (%) n (%) Subjects in population 373 192 565 Gender Male 211 (56.6) 116 (60.4) 327 (57.9) Female 162 (43.4) 76 (39.6) 238 (42.1) Race Asian 40 (10.7) 18 (9.4) 58 (10.3) Black or African 8 (2.1) 4 (2.1) 12 (2.1) Multi-Racial 22 (5.9) 9 (4.7) 31 (5.5) Native Hawaiian 1 (0.3) 0 (0.0) 1 (0.2) White 301 (80.7) 161 (83.9) 462 (81.8) Missing 1 (0.3) 0 (0.0) 1 (0.2) Age (Years) 18 to 35 60 (16.1) 33 (17.2) 93 (16.5) 36 to 50 103 (27.6) 49 (25.5) 152 (26.9) 51 to 64 154 (41.3) 78 (40.6) 232 (41.1) 65 to 74 55 (14.7) 30 (15.6) 85 (15.0) 75 1 (0.3) 2 (1.0) 3 (0.5) Subjects with data 373 192 565 Mean 50.8 50.8 50.8 SD 13.4 14.8 13.9 Median 53.0 54.0 54.0 Range 18.0 to 75.0 19.0 to 78.0 18.0 to 78.0 Ethnicity Hispanic or Latino 30 (8.0) 10 (5.2) 40 (7.1) Not Hispanic or Latino 328 (87.9) 176 (91.7) 504 (89.2) Not Reported 6 (1.6) 5 (2.6) 11 (1.9) Unknown 9 (2.4) 1 (0.5) 10 (1.8) Weight (Kg) Subjects with data 373 192 565 Mean 77.6 74.5 76.6 SD 18.0 15.9 17.4 Median 76.2 74.4 75.4 Range 35.1 to 141.5 40.9 to 113.1 35.1 to 141.5 BMI (Kg/m 2 ) Subjects with data 373 192 565 Mean 26.5 25.5 26.2 SD 5.2 5.1 5.2 Median 25.6 25.1 25.5 Range 17.0 to 49.0 16.6 to 44.7 16.6 to 49.0-53 -
Region 表 2.5-3 患者の背景因子 (ASaT 全集団 )(001 試験 )( 続き ) Letermovir Placebo Total n (%) n (%) n (%) Asia-Pacific 37 (9.9) 16 (8.3) 53 (9.4) Latin America 7 (1.9) 2 (1.0) 9 (1.6) Europe 185 (49.6) 97 (50.5) 282 (49.9) North America 144 (38.6) 77 (40.1) 221 (39.1) Region Subgroup US 132 (35.4) 70 (36.5) 202 (35.8) Ex-US 241 (64.6) 122 (63.5) 363 (64.2) Stratum High Risk 121 (32.4) 54 (28.1) 175 (31.0) Low Risk 252 (67.6) 138 (71.9) 390 (69.0) Patients Engrafted at Baseline Yes 132 (35.4) 75 (39.1) 207 (36.6) No 237 (63.5) 115 (59.9) 352 (62.3) NA 4 (1.1) 2 (1.0) 6 (1.1) Immunosuppressive Regimen Use Cyclosporin A 193 (51.7) 100 (52.1) 293 (51.9) Tacrolimus 160 (42.9) 79 (41.1) 239 (42.3) Other 19 (5.1) 10 (5.2) 29 (5.1) Missing 1 (0.3) 3 (1.6) 4 (0.7) CMV DNA on Day 1(when study therapy is initiated) Detected 48 (12.9) 22 (11.5) 70 (12.4) Not detected 325 (87.1) 170 (88.5) 495 (87.6) Primary Reason for Transplant Acute lymphocytic leukaemia 35 (9.4) 17 (8.9) 52 (9.2) Acute myeloid leukaemia 142 (38.1) 72 (37.5) 214 (37.9) Aplastic anaemia 9 (2.4) 11 (5.7) 20 (3.5) Chronic lymphocytic 10 (2.7) 4 (2.1) 14 (2.5) leukaemia Chronic myeloid leukemia 17 (4.6) 6 (3.1) 23 (4.1) Lymphoma 47 (12.6) 28 (14.6) 75 (13.3) Myelodysplastic syndrome 63 (16.9) 22 (11.5) 85 (15.0) Myelofibrosis 9 (2.4) 6 (3.1) 15 (2.7) Plasma cell myeloma 14 (3.8) 10 (5.2) 24 (4.2) Other 27 (7.2) 16 (8.3) 43 (7.6) Donor CMV Serostatus Positive 229 (61.4) 114 (59.4) 343 (60.7) Negative 139 (37.3) 78 (40.6) 217 (38.4) - 54 -
Donor CMV Serostatus 表 2.5-3 患者の背景因子 (ASaT 全集団 )(001 試験 )( 続き ) Letermovir Placebo Total n (%) n (%) n (%) Unknown 5 (1.3) 0 (0.0) 5 (0.9) Donor Type Matched related 127 (34.0) 64 (33.3) 191 (33.8) Mismatched related 57 (15.3) 22 (11.5) 79 (14.0) Matched unrelated 138 (37.0) 80 (41.7) 218 (38.6) Mismatched unrelated 51 (13.7) 26 (13.5) 77 (13.6) Stem Cell Source Peripheral blood 279 (74.8) 134 (69.8) 413 (73.1) Bone marrow 82 (22.0) 47 (24.5) 129 (22.8) Cord blood 12 (3.2) 11 (5.7) 23 (4.1) Conditioning Regimen Use Myeloablative 186 (49.9) 97 (50.5) 283 (50.1) Reduced intensity 92 (24.7) 54 (28.1) 146 (25.8) conditioning Non-myeloablative 95 (25.5) 41 (21.4) 136 (24.1) Baseline Acute GVHD ( Grade 2) Yes 2 (0.5) 1 (0.5) 3 (0.5) No 370 (99.2) 191 (99.5) 561 (99.3) Missing 1 (0.3) 0 (0.0) 1 (0.2) Days from Transplantation to Randomization < 2 Weeks 237 (63.5) 121 (63.0) 358 (63.4) 2 Weeks 136 (36.5) 71 (37.0) 207 (36.6) Subjects with data 373 192 565 Mean 11.5 11.4 11.5 SD 8.5 8.6 8.5 Median 9 9 9-55 -
表 2.5-3 患者の背景因子 (ASaT 全集団 )(001 試験 )( 続き ) Days from Transplantation to Randomization Letermovir Placebo Total n (%) n (%) n (%) Range 0 to 28 0 to 28 0 to 28 高リスク : 無作為割付時に以下の基準を1つ以上満たす患者 1. 血縁 ( 同胞 ) ドナーで 3つのヒト白血球抗原 (HLA) 遺伝子座 (HLA-A HLA-B 又は HLA-DR) の少なくとも1 つに1 箇所以上の不一致がある 2. ハプロタイプ一致ドナー 3. 非血縁ドナーで 4つの HLA 遺伝子座 (HLA-A HLA-B HLA-C 又は HLA-DRB1) の少なくとも1つに1 箇所以上の不一致がある 4. 臍帯血移植 5. ex vivo T 細胞除去移植片の使用 6. 全身性コルチコステロイド ( プレドニゾロン換算で1 mg/kg/ 日以上のコルチコステロイド ) の使用を必要とする Grade 2 以上の移植片対宿主病 (GVHD) 低リスク : 高リスクの定義に該当しないすべての患者 ベースラインの生着状態が不明であったが 後日生着日が判明した場合 ベースラインの生着状態はなしとして補完した NA = 該当なし 患者の絶対好中球数は 移植前処置レジメンを受けたため 移植以降 500/mm 3 を下回ることはなかった 治験薬投与期に他の免疫抑制剤の併用又は非併用下でシクロスポリンを投与された患者は Cyclosporin A( シクロスポリン ) の行で計数した Tacrolimus の行には 他の免疫抑制剤 ( シクロスポリンを除く ) の併用又は非併用下でのタクロリムスの併用投与を含めた Other の行の患者は シクロスポリン又はタクロリムスを除く他の免疫抑制剤 ( シロリムス エベロリムス 全身性コルチコステロイド レフルノミド ミコフェノール酸 ) を含有するレジメンの投与を受けた Missing の行の患者は 免疫抑制剤の併用投与を受けなかった 脚注 : レテルモビルは480 mg を1 日 1 回投与し シクロスポリンを併用投与する場合は240 mg を1 日 1 回投与する n (%) = 各小分類の患者数 (%) [ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] - 56 -
2.5.4.3 第 Ⅲ 相試験の有効性の結果第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) の結果 移植後 24 週以内の臨床的に意味のある CMV 感染の予防に関して レテルモビルのプラセボに対する優越性が認められ レテルモビルの高い有効性が示された また レテルモビルの予防投与により 移植後 24 週以内の生存率もプラセボと比較して改善が示された 本項では 001 試験に組み入れられた日本人及び非日本人を含めた001 試験集団全体 ( 全集団 ) の結果を主に示す 日本人集団の有効性は 主要評価項目及び重要な副次評価項目について概要を記載する 詳細及び日本人集団のその他の有効性の結果は [2.7.6.3.3.3 項 ] を参照のこと 2.5.4.3.1 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合 ( 主要評価項目 ) 2.5.4.3.1.1 有効性の主要解析有効性主要評価項目の解析において レテルモビルはプラセボに対して優越性を示した [ 表 2.5-4 ] 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者 ( 予防不成功 ) の割合は レテルモビル群 (37.5%) でプラセボ群 (60.6%) より低かった (FAS 解析対象集団 NC=F アプローチ ) CMV 感染の高リスクと低リスクの層で調整した群間差は-23.5%(95%CI:-32.5%, -14.6%) で 統計的に有意 ( 片側 P 値 :P<0.0001) であった 日本人集団では 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合は レテルモビル群で54.2%(13/24 例 ) プラセボ群で50.0%(3/6 例 ) であり 群間差は4.3%(95%CI:-47.6, 56.1) であった [2.7.6.3.3.3.2.2 項 ] - 57 -
表 2.5-4 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合 (FAS NC=F 全集団 )(001 試験 ) Letermovir Placebo (N=325) (N=170) Parameter n (%) n (%) Proportion of subjects who failed prophylaxis endpoint) Reasons for Failures (primary 122 (37.5) 103 (60.6) Clinically significant CMV infection by Week 24 57 (17.5) 71 (41.8) Initiation of PET based on documented CMV viremia 52 (16.0) 68 (40.0) CMV end-organ disease 5 (1.5) 3 (1.8) Discontinued from study before Week 24 56 (17.2) 27 (15.9) Missing outcome in Week 24 visit window 9 (2.8) 5 (2.9) Stratum-adjusted treatment difference (Letermovir-Placebo) Difference (95% CI) -23.5(-32.5,-14.6) p-value <0.0001 予防不成功の理由は 記載した順に優先し 各患者をいずれか 1 つの理由にカウントした 臨床的に意味のある CMV 感染は CMV 血症の確認及び患者の臨床状態に基づいた先制治療の開始 又は終末器官における CMV 感染症と定義した 層 ( 高リスク / 低リスク ) で調整した Mantel-Haenszel 法 ( 各層の 2 群の症例数の調和平均で重み付け ) を用いて群間差の 95% CI 及び P 値を算出した 統計学的有意差の判定には片側 P 値 (0.0249 以下 ) を用いた 脚注 : 欠測値の取扱い方法として 非完了例 = 無効例 (NC=F アプローチ ) を用いた NC=F アプローチでは 移植後 24 週の来院までに臨床的に意味のある CMV 感染がみられた又は治験を中止した又は欠測値のあるすべての患者を無効例に分類した N = 各投与群の患者数 n (%) = 各小分類の患者数 (%) [ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] 補足的な解析として FAS 解析対象集団を用いた解析 (DAO 解析 ) PP 解析対象集団を用いた解析 (NC=F アプローチ ) Day 1に CMV DNA が検出された患者を含む ARaT 解析対象集団を用いた解析 (NC=F アプローチ ) を行った結果からも顕著な群間差が示され 主要評価項目で認められた統計的に有意な結果と一貫していた [2.7.3.2.2.6.1.2 項 ] [ 表 2.5-5] - 58 -
表 2.5-5 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者 ( 予防不成功 ) の割合 に関する有効性解析の要約 (FAS 全集団 )(001 試験 ) Different Missing Data Approaches Letermovir Placebo Difference and Analysis Populations n/n % n/n % Difference (95% CI) p-value Primary Analysis Non-Completer = Failure (NC=F), FAS population 122/325 37.5 103/170 60.6-23.5 (-32.5, -14.6) <0.0001 Supportive Analyses Data-as-Observed (DAO), FAS population 57/260 21.9 71/138 51.4-30.7 (-40.3, -21.0) <0.0001 Non-Completer = Failure (NC=F), PP population 107/295 36.3 93/156 59.6-24.1 (-33.6, -14.7) <0.0001 Non-Completer = Failure (NC=F), All Randomized and 153/373 41.0 123/192 64.1-23.6 (-31.9, -15.2) <0.0001 Treated Subjects 層 ( 高リスク / 低リスク ) で調整したMantel-Haenszel 法 ( 各層の2 群の症例数の調和平均で重み付け ) を用いて群間差の95% CI 及びP 値を算出した 主要評価項目の主要解析では統計学的有意差の判定に片側 P 値 (0.0249 以下 ) を用いた その他の解析では 治験薬投与と効果の関連の強さの指標として 片側 P 値 ( 多重性の調整なし ) を求めた 欠測値の取扱い方法として 非完了例 = 無効例 (NC=Fアプローチ) を用いた NC=Fアプローチでは 移植後 24 週の来院までに臨床的に意味のあるCMV 感染を発症した又は治験を中止した又は欠測値のあるすべての患者を無効例に分類した 欠測値の取扱い方法として Data as Observed(DAO) を用いた DAO 解析では 特定の評価項目に欠測値のある患者は解析から除外した 無作為化割付けされ 投与を受けたすべての患者には Day 1にCMV DNAが検出された患者を含めた N = 解析対象集団の患者数 n = 項目に該当した患者数 FAS = 最大の解析対象集団 PP = 治験実施計画書に適合した解析対象集団 [ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] 2.5.4.3.2 部分集団解析 CMV 感染のリスク分類 ( 高リスク / 低リスク 幹細胞源 ドナー不一致の程度 HLA 不適合移植 ) 患者背景( 年齢 性別 体重 地域 移植日から無作為割付けまでの期間 ) 移植前処置レジメン及び併用免疫抑制レジメン ( シクロスポリン含有及びタクロリムス含有レジメン ) 別の様々な部分集団 (FAS 解析対象集団 ) におけるレテルモビルの予防効果の一貫性について フォレストプロットを用いて評価した これらの部分集団の詳細は [2.7.3.2.2.6.4 項 ] を参照のこと 部分集団解析の主な知見を以下に記述する 臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合は 以下のリスク分類に関して レテルモビル群でプラセボ群より低かった :CMV 感染のリスク因子 幹細胞源 ドナー不一致の程度及び HLA 不適合移植 [ 図 2.5-3] 患者背景別の部分集団では 全体として プラセボと比較した際のレテルモビルの予防効果が一貫して示された 臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合は 以下の患者背景別の各部分集団で レテルモビル群でプラセボ群より低かった : 年齢 性別 体重 人種 ( 白人 vs. 非白人及びアジア人 vs. 非アジア人 ) 地域( 欧州 vs. 北米及び米国 vs. 非米国 ) 並びに移植日から無作為割付けまでの期間 ( 移植後 2 週以内 vs. 移植後 2 週以降 )[ 図 - 59 -
2.5-4] ほとんどの部分集団では群間差が大きかったが アジア人患者では差が小さかった 001 試験に組み入れられたアジア人患者が少数であったため 信頼区間の幅は非常に広く 群間差の95%CI には0が含まれていたものの 依然としてレテルモビルの予防効果を否定するものではなかった なお アジア人種には日本人患者が最も多く含まれており レテルモビル群では68.6%(24/35 例 ) プラセボ群では54.5%(6/11 例 ) が日本人患者であった 日本人集団の患者数が少ないことから 日本人 非日本人別のフォレストプロットによる評価は実施しなかった [2.7.3.2.2.6.4.2 項 ] 日本人集団の有効性の結果及び全集団の結果との比較については [2.7.6.3.3.3.2 項 ] を参照のこと 移植前処置レジメン及び併用免疫抑制レジメン ( シクロスポリン含有及びタクロリムス含有レジメン ) の分類では プラセボと比較して レテルモビルの予防効果が一貫して示された [ 図 2.5-5] 剤形別の部分集団解析の結果 十分な期間の投与を行うことにより剤形を問わず予防効果が得られると考えられた [2.7.3.2.2.6.4.4 項 ] レテルモビルの錠剤及び注射剤を投与した際の曝露量は HSCT 患者では差異が認められたものの [2.7.2.3.1.1.2 項 ] 部分集団解析の結果より 製剤の違い及び切替えの有無にかかわらず 一貫した有効性が得られることが示唆された - 60 -
[ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] 脚注 : この図は 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合に関する群間差 ( レテルモビル群 - プラセボ群 ) の CMV 感染のリスク因子の部分集団別のフォレストプロットである 図 2.5-3 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合に関する フォレストプロット ( リスク因子の部分集団別 )(FAS DAO 全集団 )(001 試験 ) - 61 -
Overall (N=260, 138) Gender Male (n=136, 87) Female (n=124, 51) Age <median (55 years) (n=140, 66) median (55 years) (n=120, 72) Age < 65 (n=226, 112) 65 (n=34, 26) Race Asian (n=30, 11) White (n=213, 120) Race White (n=213, 120) Non-white (n=47, 18) Race Asian (n=30, 11) Non-Asian (n=230, 127) Region Europe (n=134, 72) North America (n=96, 57) Region US (n=88, 53) Ex-US (n=172, 85) Weight <median (75.4 Kg) (n=129, 71) median (75.4 Kg) (n=131, 67) Days from transplantation to randomization < 2 Weeks (n=178, 91) 2 Weeks (n=82, 47) -70-60 -50-40 -30-20 -10 0 10 20 30 [ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] 脚注 : この図は 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合に関する群間差 ( レテルモビル群 - プラセボ群 ) の患者背景の部分集団別のフォレストプロットである 図 2.5-4 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合に関する フォレストプロット ( 患者背景の部分集団別 )(FAS DAO 全集団 )(001 試験 ) - 62 -
[ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] 脚注 : この図は 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合に関する群間差 ( レテルモビル群 -プラセボ群) の移植前処置レジメン及び併用免疫抑制レジメンの部分集団別のフォレストプロットである 図 2.5-5 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合に関する フォレストプロット ( 移植前処置レジメン及び併用免疫抑制レジメンの部分集団別 ) (FAS DAO 全集団 )(001 試験 ) 2.5.4.3.3 有効性の副次評価項目本項で記述する001 試験の重要な副次評価項目である 移植後 14 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合 [2.5.4.3.3.1 項 ] 及び 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられるまでの期間 [2.5.4.3.3.2 項 ] は プラセボと比較して レテルモビルの十分な有効性が示された [ 表 2.5-6 ] 終末器官における CMV 感染症を発症した患者の割合 についても本項で記述する [2.5.4.3.3.3 項 ] その他の副次評価項目については[2.7.3.2.2.6.2 項 ] を参照のこと 有効性の副次評価項目の定義を [2.7.3.2.2.1.1 項 ] に示す - 63 -
Primary Endpoint 表 2.5-6 有効性主要及び副次評価項目の要約 (FAS 全集団 )(001 試験 ) Letermovir Placebo (N=325) (N=170) Difference n % n % Difference(95% CI) p-value Clinically significant CMV infection through Week 24 122 37.5 103 60.6-23.5 (-32.5, -14.6) <0.0001 post-transplant Secondary Endpoints Clinically significant CMV infection through Week 14 62 19.1 85 50.0-31.3 (-39.9, -22.6) <0.0001 post-transplant CMV End-organ Disease through Week 14 post-transplant 1 0.4 2 1.4-1.0 (-3.5, 1.5) 0.2258 CMV End-organ Disease through Week 24 post-transplant 5 2.0 3 2.4-0.4 (-4.0, 3.2) 0.4056 Initiation of PET for documented CMV viremia through 119 36.6 101 59.4-23.3 (-32.3, -14.3) <0.0001 Week 24 post-transplant Initiation of PET for documented CMV viremia through 61 18.8 84 49.4-31.0 (-39.6, -22.4) <0.0001 Week 14 post-transplant 層 ( 高リスク / 低リスク ) で調整したMantel-Haenszel 法 ( 各層の症例数の調和平均で重み付け ) を用いて群間差の95% CI 及びP 値を算出した 主要評価項目の主要解析では統計学的有意差の判定に片側 P 値 (0.0249 以下 ) を用いた その他の解析では 治験薬投与と効果の関連の強さの指標として 片側 P 値 ( 多重性の調整なし ) を求めた 欠測値の取扱い方法として 非完了例 = 無効例 (NC=F) を用いた NC=Fを用いた解析では 移植後 24 週又は14 週の来院までに臨床的に意味のあるCMV 感染がみられた又は治験を中止した又は欠測値のあるすべての患者を無効例に分類した 欠測値の取扱い方法として Data as Observed(DAO) 解析を用いた DAO 解析では 特定の評価項目に欠測値のある患者は解析から除外した N = 解析対象集団の患者数 n = 項目に該当した患者数 [ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] 2.5.4.3.3.1 移植後 14 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合 HSCT 患者で CMV 感染又は CMV 感染症のリスクが最も高くなると考えられる移植後 14 週までの期間に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合は レテルモビル群 (19.1%) でプラセボ群 (50.0%) より低かった (FAS NC=F アプローチ )[ 表 2.5-6] 群間差(95% CI) は-31.3% (-39.9%, -22.6%) と推定された ( 片側 P 値 :P<0.0001 多重性の調整なし) 補足的な解析として実施した FAS 解析対象集団を用いた解析 (DAO 解析 ) については [2.7.3.2.2.6.2.1 項 ] を参照のこと また 日本人集団では レテルモビル群で25.0%(6/24 例 ) プラセボ群で33.3%(2/6 例 ) であり 群間差は-7.8%(95%CI:-58.9%, 43.3%) であった (FAS NC=F アプローチ )[2.7.6.3.3.3.2.3 項 ] 2.5.4.3.3.2 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられるまでの期間 Kaplan-Meier 法を用いて FAS 解析対象集団における移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられるまでの期間を投与群別に評価した [ 図 2.5-6] 移植後 24 週まで両投与群の Kaplan-Meier 曲線は明確に乖離していた - 64 -
レテルモビル群の移植後 24 週時点のイベント発生率は 18.9%(95%CI:14.4%, 23.5%) であり プラセボ群の44.3%(95%CI:36.4%, 52.1%) よりも低かった CMV 感染の高リスクと低リスクの層で調整した臨床的に意味のある CMV 感染がみられるまでの期間の分布は レテルモビル群とプラセボ群で明確に乖離していた ( 層別ログランク検定 両側 P 値 :P<0.0001 多重性の調整なし )[2.7.3.2.2.6.2.2 項 ] また 日本人集団の FAS 解析対象集団では 移植後 24 週時点のレテルモビル群のイベント発生率は42.2%(95%CI:21.1%, 63.2%) プラセボ群では50.0%(95%CI:10.0%, 90.0%) であった [ 図 2.7.6.3.3-5] [2.7.6.3.3.3.2.3 項 ] 60 Letermovir vs Placebo Cumulative Rate of Clinically Significant CMV Infection (%) 50 40 30 20 10 Stratified log-rank test, two-sided p-value <0.0001 0 Week 0 Week 14 Week 24 Weeks Post-Transplant No. at risk: KM estimates % (95% CI) Letermovir 325 270: 6.8 (4.0, 9.6) 212: 18.9 (14.4, 23.5) Placebo 170 85: 41.3 (33.6, 49.0) 70: 44.3 (36.4, 52.1) [ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] 図 2.5-6 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられるまでの期間 (Kaplan-Meier 曲線 )(FAS 全集団)(001 試験 ) 治験薬投与終了後 移植後 14 週以降 24 週までの後観察期間には レテルモビル群でも臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合が上昇した (late failures) この要因を特定するため - 65 -
に 無作為割付け時及び無作為割付け後の因子を臨床的判断に基づき複数選択し レテルモビル群で認められた late failures との関連性を検討した [2.7.3.2.2.6.2.2 項 ] Kaplan-Meier 法による検討の結果 無作為割付け以降 late failures 確認前の GVHD の発現及びステロイドの併用投与 並びにベースライン時の CMV 感染リスクが高いことが レテルモビル群でみられた late failures と関連する可能性が示唆された レテルモビル群における late failures の割合は 無作為割付け後に GVHD が発現した患者では19.8% であったのに対し 無作為化割付け後に GVHD が発現しなかった患者では4.7% であった ステロイドの併用投与を受けた患者での late failures の割合は14.6% であったのに対し ステロイドの併用投与を受けなかった患者では3.6% であった CMV 感染リスクが高い患者での late failures の割合は17.6% であったのに対し CMV 感染リスクが低い患者では9.7% であった Late failures に関するこれらのデータから GVHD やステロイド投与といった免疫抑制に関連するリスク因子を有する患者では レテルモビルの投与を終了後に CMV 感染のリスクが生じると考えられた 2.5.4.3.3.3 移植後 14 週及び24 週以内に CMV 感染症を発症した患者の割合治験担当医師により CMV 感染症が疑われたすべての患者を盲検下の独立臨床判定委員会 (Clinical Adjudication Committee:CAC) に報告し 診断の判定を行った [2.7.3.2.2.1 項 ] CAC により終末器官における CMV 感染症と判定された症例のみを 終末器官における CMV 感染症を含む評価項目の解析に含めた FAS 解析対象集団における移植後 14 週及び24 週以内に CMV 感染症を発症した患者の割合は低く 移植後 24 週以内に CMV 感染症を発症した患者は8 例のみ ( レテルモビル群 :5/254 例 プラセボ群 :3/123 例 ) であった [ 表 2.5-6] [2.7.3.2.2.6.2.3 項 ] 001 試験では臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者では先制治療が行われるため CMV 感染症に進行するとは考えにくいことから CMV 感染症を発症した患者の割合は低いと予想された CMV 感染症を発症した患者の割合は いずれの時点でも投与群間で同程度であった 移植後 14 週以内に CMV 感染症を発症した患者は3 例 ( レテルモビル群 :1 例及びプラセボ群 :2 例 ) であり 3 例すべてが CMV 胃腸炎であった 群間差 (95% CI) は-1.0%(-3.5%, 1.5%) と推定された ( 片側 P 値 :P=0.2258 多重性の調整なし) 移植後 24 週までにさらに5 例が CMV 感染症を発症し 移植後 24 週以内に CMV 感染症を発症した患者は計 8 例となった [ レテルモビル群 :5 例 (2.0%) プラセボ群 :3 例 (2.4%)] この 5 例も CMV 胃腸炎と判定された 群間差 (95% CI) は-0.4%(-4.0%, 3.2%) と推定された ( 片側 P 値 :P=0.4056 多重性の調整なし)[ 表 2.5-6] [ 表 2.7.3-19] [2.7.3.2.2.6.2.3.1 項 ] CMV 感染症を回避する方法として先制治療が広く受け入れられているが 先制治療を開始した患者の割合は レテルモビル群 (16.0%) よりもプラセボ群 (40.0%) で大幅に高かった [ 表 2.5-4] 先制治療を開始した患者はプラセボ群で多かったにもかかわらず CMV 感染症の発症割合はプラセボ群とレテルモビル群で同程度であったことから CMV 感染症の予防においてレテルモビルは先制治療と同程度の効果を有することが示唆された なお CMV 感染症を発症した患者で発症前に先制治療を開始した患者はいなかった - 66 -
2.5.4.3.4 有効性の探索的評価項目レテルモビルのその他の効果を プラセボと比較して探索的に評価した結果について 移植後 14 週及び24 週以内の要約を [ 表 2.5-7] に 移植後 48 週以内の要約を [ 付録 2.7.3-63] に示す 探索的評価項目の定義は [2.7.3.2.2.1.1 項 ] を参照のこと 001 試験において CMV 感染の 直接的 な影響である CMV 感染症の発症割合は非常に低く投与群間の差は認められなかったものの ( 移植後 24 週以内でレテルモビル群 2.0% 及びプラセボ群 2.8% 移植後 48 週以内でレテルモビル群 2.5% 及びプラセボ群 3.5%) 探索的解析全体としては HSCT 患者における CMV 感染による影響を軽減するという観点から プラセボと比較したレテルモビルの有効性を支持するものであった 001 試験の FAS 解析対象集団では 移植後 24 週以内に認められた全死亡 ( 原因を問わない死亡 ) 非再発死亡 ( 移植を実施した原疾患の再発を伴わない死亡 ) 及び CMV 感染後の死亡 ( 臨床的に意味のある CMV 感染がみられた後の原因を問わない死亡 ) GVHD( 急性又は慢性 ) 再入院( すべての再入院及び CMV 感染 / 感染症による再入院 ) 及び CMV 血症が確認された患者の割合はいずれも プラセボ群よりレテルモビル群で低かった 移植後 48 週以内でも同様の傾向であった また 移植後 24 週及び48 週以内の細菌感染症又は真菌感染症を発症した患者の割合は レテルモビル群とプラセボ群で同程度であった QOL に関する評価においては プラセボ群と比べてレテルモビル群で改善傾向が示唆された 001 試験における全死亡 非再発死亡 CMV 感染後の死亡に関する解析の要約をそれぞれ [2.5.4.3.4.1 項 ] [2.5.4.3.4.2 項 ] 及び [2.5.4.3.4.3 項 ] に示す その他の有効性の探索的評価項目については [2.7.3.2.2.6.3 項 ] を参照のこと - 67 -
表 2.5-7 探索的評価項目に関する有効性解析の要約 (FAS 全集団 )(001 試験 ) Letermovir Placebo (N=325) (N=170) Exploratory Endpoints n % (95% CI) n % (95% CI) All-cause mortality through Week 14 17 5.2 (3.1, 8.2) 12 7.1 (3.7, 12.0) post-transplant All-cause mortality through Week 24 post-transplant Bacterial and/or Fungal opportunistic infection through Week 14 post-transplant Bacterial and/or Fungal opportunistic infection through Week 24 post-transplant 32 9.8 (6.8, 13.6) 27 15.9 (10.7, 22.3) 78 24.0 (19.5, 29.0) 37 21.8 (15.8, 28.7) 87 26.8 (22.0, 31.9) 43 25.3 (19.0, 32.5) GVHD through Week 14 post-transplant 126 38.8 (33.4, 44.3) 71 41.8 (34.3, 49.6) GVHD through Week 24 post-transplant 159 48.9 (43.4, 54.5) 93 54.7 (46.9, 62.3) Re-hospitalization through Week 14 post-transplant Re-hospitalization for CMV infection/disease through Week 14 post-transplant Re-hospitalization through Week 24 post-transplant Re-hospitalization for CMV infection/disease through Week24 post-transplant Documented CMV viremia through Week 14 post-transplant Documented CMV viremia through Week 24 post-transplant N = 解析対象集団の患者数 n = 項目に該当した患者数 [ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] 118 36.3 (31.1, 41.8) 81 47.6 (39.9, 55.4) 2 0.6 (0.1, 2.2) 12 7.1 (3.7, 12.0) 158 48.6 (43.1, 54.2) 94 55.3 (47.5, 62.9) 10 3.1 (1.5, 5.6) 13 7.6 (4.1, 12.7) 103 31.7 (26.7, 37.1) 118 69.4 (61.9, 76.2) 186 57.2 (51.7, 62.7) 124 72.9 (65.6, 79.5) 2.5.4.3.4.1 原因を問わない死亡 ( 全死亡 ) 死亡については 有効性の主要解析のためのデータカットオフ時の解析に加えて 001 試験の移植後 48 週時の最終データを用いて解析を行った [ 資料 5.3.5.1.5: P001V02] 最終データでの結果の概要を以下に示す 移植後 48 週時点の全死亡 ( 原因を問わない死亡 ) 率を [ 図 2.5-7] [ 資料 5.3.5.1.5: P001V02] に示す FAS 解析対象集団のレテルモビル群とプラセボ群における移植後 24 週及び48 週以内の全死亡率を Kaplan-Meier 法により検討した 移植後 24 週時点の全死亡率は レテルモビル群 [10.2% (95%CI:6.8%, 13.6%)] でプラセボ群 [15.9%(95%CI:10.2%, 21.6%)] より低く 死亡までの期間の分布はレテルモビル群とプラセボ群間で乖離がみられた ( 層別ログランク検定 両側 P 値 : P=0.0327 多重性の調整なし) また 移植後 48 週時点の全死亡率も同様に レテルモビル群 [20.9% (95%CI:16.2%, 25.6%)] でプラセボ群 [25.5%(95%CI:18.6%, 32.5%)] より低く 死亡までの期間の分布に乖離がみられた ( 層別ログランク検定 両側 P 値 :P=0.1224 多重性の調整なし) [ 図 2.5-7] FAS 解析対象集団における移植後 14 週及び24 週以内の全死亡率及び死亡までの期間については - 68 -
[2.7.3.2.2.6.3.2.1 項 ] を参照のこと 50 40 Letermovir vs Placebo Stratified log-rank test, two-sided p-value = 0.1224 Cumulative Rate of All-cause Mortality (%) 30 20 10 0 Week 0 Week 24 Week 48 Weeks Post-Transplant No. at risk: KM estimates % (95% CI) Letermovir 325 262: 10.2 (6.8, 13.6) 138: 20.9 (16.2, 25.6) Placebo 170 125: 15.9 (10.2, 21.6) 71: 25.5 (18.6, 32.5) [ 資料 5.3.5.1.5: P001V02] 図 2.5-7 移植後 48 週以内の全死亡に関する 死亡までの期間 (Kaplan-Meier 曲線 ) (FAS 全集団)(001 試験 ) - 69 -
移植後 48 週までの全死亡率について 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染 (CMV 感染症の発症 又は CMV 血症に対する先制治療の開始と定義 ) がみられた患者 又はみられなかった患者に分けて検討した [ 表 2.5-8] プラセボ群では 臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者では先制治療が実施されたにもかかわらず みられなかった患者よりも全死亡率が大幅に高かった ( それぞれ31.0% 及び18.2%) 移植後 24 週までに治験を中止した患者及び移植後 24 週時点の CMV DNA 量が欠測の患者を除く 臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合は レテルモビル群でプラセボ群よりも有意に少なかった [ レテルモビル群 :17.5%(57/325 例 ) プラセボ群 :41.8%(71/170 例 )] これらの結果から レテルモビル群でプラセボ群よりも全死亡率が低かった理由として 移植後の CMV 感染の予防が大きく寄与していると考えられる これは HSCT 患者を対象としたレトロスペクティブコホート研究で近年報告された知見 (HSCT 後の最初の1 年間では 先制治療の実施の有無にかかわらず CMV 血症により全死亡のリスクが上昇することを示唆 ) と一致している [ 資料 5.4: 25] また 臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者では 死亡率はレテルモビル群 (15.8%) でプラセボ群 (31.0%) より低かった 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者のうち 移植後 14 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者 ( early CMV reactivation ) の割合は レテルモビル群では43.9%(25/57 例 ) であったのに対し プラセボ群では94.4%(67/71 例 ) であった 残りの患者は 移植後 14 週から24 週の間に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた ( late CMV reactivation ) このように early CMV reactivation の割合が低かったレテルモビル群では プラセボ群よりも CMV 感染後の死亡率が低かったことも 上記の HSCT 患者を対象としたレトロスペクティブコホート研究で近年報告された知見 ( 移植後早期の CMV 血症の発現が 死亡率の上昇と関連していることを示唆 ) と一致している [ 資料 5.4: 25] 表 2.5-8 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者又は発症しなかった患者での全死亡 ( 移植後 48 週まで )(FAS 全集団)(001 試験 ) Death among Subjects with Clinically Significant CMV infection Death among Subjects without Clinically Significant CMV infection Letermovir Placebo (N=325) (N=170) n/n (%) n/n (%) 9/57 (15.8) 22/71 (31.0) 52/268 (19.4) 18/99 (18.2) 脚注 : 死亡には移植後 48 週までのすべての原因による死亡を含める 臨床的に意味のあるCMV 感染は 移植後 24 週以内と定義する 最初の列の分母にのみ 臨床的に意味のあるCMV 感染がみられた患者を含め 早期に中止した患者やデータが欠測している患者は含めていない 各患者は各列で1 回のみカウントした n (%) = 各小分類の患者数 (%) [ 資料 5.3.5.1.5: P001V02] - 70 -
2.5.4.3.4.2 再発を伴わない死亡 ( 非再発死亡 ) 移植後 48 週以内の 移植を実施した原疾患の再発を伴わない死亡 ( 非再発死亡 ) について [ 図 2.5-8] 及び [ 資料 5.3.5.1.5: P001V02] に示す FAS 解析対象集団のレテルモビル群とプラセボ群における移植後 48 週以内の非再発死亡までの期間を Kaplan-Meier 法により推定した 移植後 48 週時点の非再発死亡率は レテルモビル群 [13.7%(95%CI:9.7%, 17.7%)] でプラセボ群 [17.8%(95%CI:11.5%, 24.1%)] より低かった [ 図 2.5-8] 移植後 48 週以内の非再発死亡までの期間の分布については レテルモビル群とプラセボ群の間で乖離がみられた ( 層別ログランク検定 両側 P 値 :P=0.1342 多重性の調整なし) FAS 解析対象集団における移植後 14 週及び24 週以内の非再発死亡率及び非再発死亡までの期間については [2.7.3.2.2.6.3.2.2 項 ] を参照のこと 40 Cumulative Rate of Non-Relapse Mortality (%) 30 20 10 Letermovir vs Placebo Stratified log-rank test, two-sided p-value = 0.1342 0 Week 0 Week 24 Week 48 Weeks Post-Transplant No. at risk: KM estimates % (95% CI) Letermovir 325 262: 6.9 (4.1, 9.8) 138: 13.7 (9.7, 17.7) Placebo 170 125: 11.7 (6.6, 16.8) 71: 17.8 (11.5, 24.1) [ 資料 5.3.5.1.5: P001V02] 図 2.5-8 移植後 48 週以内の非再発死亡に関する 死亡までの期間 (Kaplan-Meier 曲線 ) (FAS 全集団)(001 試験 ) - 71 -
2.5.4.3.4.3 CMV 感染後の原因を問わない死亡 (CMV 感染後の死亡 ) 移植後 48 週以内の 臨床的に意味のある CMV 感染がみられた後の原因を問わない死亡 (CMV 感染後の死亡 ) について [ 図 2.5-9] 及び [ 資料 5.3.5.1.5: P001V02] に示す FAS 解析対象集団のレテルモビル群とプラセボ群における移植後 48 週以内の CMV 感染後の死亡までの期間を Kaplan-Meier 法により推定した 移植後 48 週時点の CMV 感染後の死亡率は レテルモビル群 [3.6%(95%CI:1.3%, 5.9%)] でプラセボ群 [16.0%(95%CI:9.9%, 22.2%)] より低かった [ 図 2.5-9] 移植後 48 週以内の CMV 感染後の死亡までの期間の分布については レテルモビル群とプラセボ群の間で乖離がみられた ( 層別ログランク検定 両側 P 値 :P<0.0001 多重性の調整なし ) FAS 解析対象集団における移植後 14 週及び24 週以内の CMV 感染後の死亡率及び CMV 感染後の死亡までの期間については [2.7.3.2.2.6.3.2.3 項 ] を参照のこと 40 Cumulative Rate of All-Cause Mortality in Subjects Who Met the Primary Endpoint (%) 30 20 10 Letermovir vs Placebo Stratified log-rank test, two-sided p-value <0.0001 0 Week 0 Week 24 Week 48 Weeks Post-Transplant No. at risk: KM estimates % (95% CI) Letermovir 325 262: 0.7 (0.0, 1.7) 138: 3.6 (1.3, 5.9) Placebo 170 125: 9.1 (4.3, 13.8) 71: 16.0 (9.9, 22.2) [ 資料 5.3.5.1.5: P001V02] 図 2.5-9 移植後 48 週以内の CMV 感染後の死亡に関する 死亡までの期間 (Kaplan-Meier 曲線 )(FAS 全集団)(001 試験 ) - 72 -
2.5.4.3.5 有効性の追加解析 Day 1に CMV DNA が検出された患者の有効性解析 001 試験の有効性解析の大多数は Day 1( 無作為割付日 ) に CMV DNA が検出されたすべての患者を除外した FAS 解析対象集団を対象として実施した 補足解析として Day 1に CMV DNA が検出された患者のみ [ 無作為割付け後に治験薬を1 回以上投与され Day 1に CMV DNA が検出された患者のみ ARaT 解析対象集団から FAS 解析対象集団を除外 ] の解析 (NC=F アプローチ ) を用いて 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合におけるレテルモビルの有効性を評価した この解析結果を [2.7.3.2.2.6.5.1 項 ] [ 付録 2.7.3-59] に示す ARaT 解析対象集団のうち計 70 例 (12.3%)[ レテルモビル群 :48 例 (12.8%) 及びプラセボ群 : 22 例 ( 11.3%)] で Day 1に CMV DNA が検出された [ 表 2.7.3-10] Day 1に CMV DNA が検出され 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合は レテルモビル群 (64.6%) でプラセボ群 (90.9%) より低かった 群間差は-26.1%(95%CI:-45.9%, -6.3%) と推定された ( 片側 P 値 :P=0.0048 多重性の調整なし)[2.7.3.2.2.6.5.1 項 ] 投与群間 ( レテルモビル群とプラセボ群 ) で認められた差の-26.1% は FAS 解析対象集団を用いた主要解析において Day 1に CMV DNA が検出されなかった患者で認められた差 (-23.5%) と同程度であった [2.7.3.2.2.6.1 項 ] しかしながら 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合は いずれの投与群でも Day 1に CMV DNA が検出された患者では検出されなかった患者よりも高かった 2.5.4.3.6 薬物動態と有効性の関係第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) データを用いた曝露 - 有効性解析より 001 試験で用いたレテルモビルの用量 ( 予定臨床用量 ) の適切性を評価し 用量調整又は投与制限が必要となる可能性のある臨床的に重大な共変量 ( 年齢 体重 性別 人種 免疫抑制剤に関する併用薬及び CMV 感染のリスク因子等 ) を特定した [2.7.2.2.6.3.1 項 ] 有効性に関する曝露- 応答解析として レテルモビルの曝露量と主要評価項目 [ 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合 (FAS 解析対象集団 DAO 解析 )] 及び特定の副次評価項目 ( 移植後 14 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合及び移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられるまでの期間 ) との関連性を検討した [2.7.2.1.3.2.1 項 ] [2.7.2.2.6.3.1 項 ] 曝露 - 応答解析では 001 試験でレテルモビル480 mg( シクロスポリンを併用投与する場合はレテルモビル240 mg) を1 日 1 回投与した際に認められた曝露量の範囲全体では 一貫した有効性が示された 曝露量の四分位ごとに評価した解析でも 001 試験における曝露量の範囲では 曝露量に依存したレテルモビルの有効性評価項目に対する明らかな影響は認められなかった [2.7.2.2.6.3.1 項 ] [2.7.3.4.1 項 ] また 有効性の主要評価項目に臨床的に重大な影響を及ぼす共変量は特定されなかった - 73 -
2.5.4.3.7 耐性変異の解析後期第 Ⅱ 相試験 (020 試験 ) 及び第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) の患者を対象として CMV の遺伝子解析を実施し レテルモビルに対する感受性の変化に関連する遺伝子変異を特定した これらの解析では CMV の UL56 遺伝子 ( 細胞培養系にて誘導した耐性株により特定されたレテルモビルの耐性変異部位 ) 及び UL89 遺伝子 ( これまでにレテルモビルの耐性変異としての報告はないが CMV DNA ターミナーゼ複合体の他のサブユニットをコードする遺伝子 ) に着目した 同定された UL56 変異によりレテルモビルに対する感受性は低下したが UL56 変異はガンシクロビル cidofovir 及びホスカルネット等の CMV DNA ポリメラーゼ阻害剤に対する感受性には影響を及ぼさなかった [2.6.2.2.1.12 項 ] 2.5.4.3.7.1 後期第 Ⅱ 相試験 (020 試験 ) 020 試験で CMV 感染予防不成功となった患者について UL56 遺伝子変異の発現及び関連性を評価した レテルモビル60 120 又は240 mg の1 日 1 回投与を受け 主要評価項目の CMV 感染予防不成功に該当した患者 15 例から 予防不成功時点の血漿検体を計 36 検体採取した このうち シークエンス結果が得られた12 例 27 検体より抽出した UL56 遺伝子のアミノ酸配列 (231~369 位を含む領域 ) とリファレンス配列との一致を確認し7 種類の遺伝子変異を特定した 特定した遺伝子変異のうち V425A は レテルモビル感受性 CMV 臨床分離株で多く認められる遺伝子多型であったことから さらなる特性評価は実施しなかった 4つの遺伝子変異 (L134V Q228H V236M 及び D414N) がレテルモビル60 mg を1 日 1 回投与された患者で検出され 2つの遺伝子変異 (S227I R410G) が レテルモビル120 mg を1 日 1 回投与された患者で検出された 遺伝子組換え株の表現型解析の結果 これらの遺伝子変異のうちの5つ (L134V Q228H D414N S227I 及び R410G) は CMV 感染の細胞培養系において レテルモビルに対する感受性に大きな影響を及ぼさないことが示された 一方 V236M 変異では 野生型 CMV と比較して レテルモビルに対する感受性が低下した この変異が検出された患者は 020 試験で有効性が示されなかったレテルモビル60 mg を投与されており 臨床用量に満たない用量であったことが 耐性の発現に寄与したと考えられた [2.7.2.4.1.1 項 ] [ 資料 5.3.5.4.1: DRP020] 2.5.4.3.7.2 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) レテルモビルに対する感受性を変化させる可能性がある CMV の遺伝子変異を特定するため 001 試験では主要評価項目 ( 移植後 24 週以内の臨床的に意味のある CMV 感染 ) の基準に合致した患者を対象として遺伝子解析を実施した [2.7.2.4.1.2 項 ] 生物学的分析報告書及び遺伝子解析報告書を [ 資料 5.3.1.4.34: BAVGP001] 及び [ 資料 5.3.5.4.2: VGAP001] にそれぞれ示す 001 試験では CMV の UL56 及び UL89 遺伝子をコードする領域の PCR 増幅及びシークエンシングにより 遺伝子解析を実施した 無作為割付け後に治験薬投与を受け 主要評価項目 ( 移植後 24 週以内の臨床的に意味のある CMV 感染 ) の基準に合致した患者の臨床的に意味のある CMV 感染確認時の血漿を用いて 上記の CMV 遺伝子を含む DNA を抽出した UL56 又は UL89 遺伝子の - 74 -
アミノ酸配列をレテルモビル感受性の CMV 野生株と比較し CMV 遺伝子変異を特定した 遺伝子解析対象集団 (GAP) には レテルモビル又はプラセボ投与を受け 主要評価項目の基準に合致し CMV の UL56 及び UL89 遺伝子解析用の CMV DNA シークエンシング血漿検体が1つ以上採取された患者を含めた Day 1に CMV DNA が検出された患者 (ARaT) 及び検出されなかった患者 (FAS) のうち GAP の基準に該当する患者はすべて GAP に含め 各々を別の群として評価した 001 試験のプラセボ群の GAP に含まれる患者の遺伝子解析結果は レテルモビル群の GAP に含まれる患者でみられた遺伝子変異の発現との比較 及び既知のレテルモビル耐性遺伝子変異を確認する目的で使用した CMV の UL56 及び UL89 遺伝子変異の検出率は レテルモビル群とプラセボ群で同程度であり プラセボ群の GAP に含まれる患者では 既知のレテルモビル耐性遺伝子変異は検出されなかった レテルモビル群の FAS 解析対象集団の GAP に含まれる患者 22 例中 1 例 (5%) で UL56 領域のレテルモビル耐性変異として知られている V236M が認められた レテルモビル投与を受け Day 1に CMV DNA が検出された ARaT 解析対象集団の GAP に含まれる患者のうち 1 例で予防不成功確認時 ( レテルモビル投与開始 46 日後 ) に UL56 領域の C325W 遺伝子変異が検出された この遺伝子変異が確認されたアミノ酸部位は レテルモビル耐性遺伝子変異として特定されている C325F 及び C325R と同じ部位であった レテルモビル投与を受けた患者では その他の遺伝子変異が検出されたが 自然発生的な遺伝子多型やレテルモビル感受性の変異も含まれていた 遺伝子変異の多くがレテルモビルの感受性に影響を及ぼす変異ではなく 野生の CMV の遺伝的多様性を反映していると考えられることから これまでに評価されていない遺伝子変異の表現型解析を実施する予定である 2.5.4.4 全集団の結果を日本人患者に適用することの妥当性 001 試験の FAS 解析対象集団のうち日本人患者が占める割合は レテルモビル群の7.4%(24/325 例 ) プラセボ群の3.5%(6/170 例 ) と少なかった 日本人集団と全集団の有効性の結果の比較については [2.7.6.3.3.3.2.5 項 ] に詳述した なお 001 試験のデータを用いた PPK 解析に基づき日本人患者と非日本人患者の曝露量を比較検討した結果より レテルモビルの薬物動態に日本人と非日本人で顕著な差はないと考えられた [2.5.3.2 項 ] [2.7.2.3.1.1.3 項 ] 主要評価項目である移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者 ( 予防不成功 ) の割合 (FAS 解析対象集団 NC=F アプローチ ) は 全集団ではレテルモビル群で37.5% (122/325 例 ) プラセボ群で60.6%(103/170 例 ) であり プラセボ群と比較してレテルモビル群の有効性が示された 一方 日本人集団では レテルモビル群で54.2%(13/24 例 ) プラセボ群で50.0% (3/6 例 ) と レテルモビル群で数値的に高く 全集団と比較して差異のある結果となった この要因として 欠測による無効例 3 例 (12.5%) がすべてレテルモビル群であり 患者数の限られた日本人集団では予防不成功の割合に対する1 例の影響が大きかったこと Day 1に CMV DNA が検出された FAS 解析除外例の5 例すべてがプラセボ群でありプラセボ群では FAS 解析対象となった患者数が特に少なかったこと また先制治療開始時の CMV DNA 量が日本人集団で低かったこと が挙げられ これら様々な要因が重なり 日本人集団と全集団で移植後 24 週以内の予防不成功の - 75 -
割合に数値上の差異が生じたと考えられた しかしながら 投与期間である移植後 14 週以内の CMV 感染に対する予防効果は日本人集団 全集団で同じ傾向が示され 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられるまでの期間 では 日本人集団でも両投与群の Kaplan-Meier 曲線は乖離しており 移植後 24 週時点のレテルモビル群のイベント発生率は42.2%(95%CI:21.1%, 63.2%) と プラセボ群の50.0%(95%CI:10.0%, 90.0%) と比較して数値的に低かった さらに 先制治療開始の判断の影響がなく客観的な指標である CMV 血症が確認された患者の割合 では 移植後 14 週 24 週いずれの時点でも日本人集団と全集団で同様の傾向が示され CMV に対する治験薬の効果に実質的な国内外差はないことが示唆された 特に移植後 14 週までの期間は 急性 GVHD が発症しやすく 好中球減少やステロイド投与等による患者の免疫機能の低下も懸念されるため CMV 感染の好発時期である この期間におけるレテルモビルによる CMV 感染予防効果が 全集団と同様に得られたことの臨床的意義は高いと考えられる 以上の結果を総合し 日本人集団と全集団との比較において レテルモビルの有効性プロファイルは大きく変わらないと推察された 以上より 国際共同試験である001 試験の全集団の結果を日本人患者に適用することは可能であると考える 2.5.4.5 有効性の結論 移植後早期 ( 移植後 4 週以内 ) から移植後 14 週までレテルモビル又はプラセボを投与された CMV 抗体陽性の成人同種 HSCT 患者において 以下の知見が得られた 臨床的に意味のある CMV 感染の予防において レテルモビルのプラセボに対する優越性が示された 001 試験では 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合がレテルモビル群で低く 移植後 24 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられるまでの期間はレテルモビル群で長かった 移植後 14 週以内に臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合は レテルモビル群でプラセボ群より大幅に低かった 患者背景 CMV 感染のリスク因子 併用免疫抑制レジメン及び移植前処置レジメンの種類別の部分集団解析で レテルモビルの予防効果が一貫して示された また レテルモビルは剤形を問わず予防効果が得られることが示唆された 移植後 48 週以内の全死亡率は レテルモビル群でプラセボ群より大幅に低かった 同様に 移植後 48 週以内の非再発死亡率及び CMV 感染後の死亡率もレテルモビル群でプラセボ群より低かった 日本人集団と全集団との比較において レテルモビルの有効性プロファイルは大きく変わらないと推察され 全集団の結果を日本人患者に適用することは可能であると考えた - 76 -
2.5.5 安全性の概括評価臨床開発プログラムにおけるレテルモビルの全体的な曝露状況を [2.5.5.1 項 ] に示す レテルモビルの第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験のデータは併合せず それぞれ 第 Ⅰ 相試験の安全性データの概要を [2.5.5.2 項 ] に 第 Ⅱ 相試験 (019 試験及び020 試験 ) の安全性データを [2.5.5.3 項 ] に 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) の安全性データを [2.5.5.4 項 ] に示す 2.5.5.1 全体的な曝露状況レテルモビル プラセボ及び実薬対照の全体的な曝露状況の要約を [ 表 2.5-9] [2.7.4.1.2 項 ] に示す レテルモビルの曝露状況の要約には レテルモビルの投与を受けた1,157 例のデータが含まれる 内訳は 第 Ⅰ 相試験 28 試験 ( 健康被験者 腎及び肝機能障害者 ) の症例 668 例 第 Ⅱ 相試験 [019 試験 : 腎臓又は腎臓 / 膵臓移植患者及び造血幹細胞移植 (HSCT) 患者 020 試験 :HSCT 患者 ] 及び第 Ⅲ 相試験 (001 試験 :HSCT 患者 ) の患者の489 例であった そのうち日本人は第 Ⅰ 相試験の30 例及び第 Ⅲ 相試験の24 例 計 54 例であった 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) でレテルモビルの投与を受けた症例は373 例であったが 001 試験と同一用量以上のレテルモビルの投与例は 第 Ⅰ 相試験で317 例 ( レテルモビル240 mg 1 日 1 回とシクロスポリンの併用投与 26 例を含む ) 第 Ⅱ 相試験 (020 試験 ) で18 例 ( レテルモビル240 mg 1 日 1 回とシクロスポリンの併用投与 ) であり そのうち日本人は第 Ⅰ 相試験で29 例 ( レテルモビル240 mg 1 日 1 回とシクロスポリンの併用投与 12 例を含む ) であった 表 2.5-9 第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験におけるレテルモビル曝露状況の要約 Phase 1 * Phase 2 Phase 3 Total Number of Subjects Treatment Letermovir Oral Intravenous 668 538 142 116 116 0 373 367 99 1157 1021 241 Placebo 138 33 192 363 Other 274 0 0 274 Active Control 0 9 0 9 * 計 28 試験 017 試験及び018 試験では レテルモビル注射剤 ( 製剤 ) を用いた レテルモビル注射剤 ( 製剤 ) のみの投与例は38 例 (017 試験 :22 例 018 試験 :16 例 ) レテルモビル注射剤( 製剤 ) 及び錠剤の両剤 の投与例は12 例 (017 試験 ) であった 019 試験及び020 試験 001 試験 001 試験では レテルモビル錠剤と注射剤を使用した 患者の状態に応じて錠剤から注射剤に切り替え可能であ った レテルモビル群には 第 Ⅰ 相試験のレテルモビル単独投与及び他剤との併用投与 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相試験のレテルモビル 単独投与群が含まれる 第 Ⅰ 相試験では 12 例がレテルモビルの錠剤及び注射剤の両方を投与されたため 経口及び静脈 内投与いずれの分類にも含まれた その他の投与群には 第 Ⅰ 相薬物相互作用試験の併用薬が含まれる 前期第 Ⅱ 相試験 (019 試験 ) の実薬対照群の被験者はバルガンシクロビルの投与を受けた [2.7.4.1.2 項 ] - 77 -
第 Ⅰ 相試験では 計 28 試験で668 例の被験者がレテルモビルの投与を受け ( 最長 16 日間 ) このうち経口投与のみを受けた被験者は526 例 静脈内投与のみを受けた被験者は130 例であった なお レテルモビル注射剤投与例のうち 50 例は製剤の投与を受けたが ( うち12 例は 錠剤及び製剤の両製剤の投与を受けた ) 製剤は安全性の懸念 ( 軽度から中等度の注射部位刺激感及び血栓性静脈炎 ) により開発を中止したため 本製造販売後承認申請の対象としない [2.7.1.1.2.2.1 項 ] 製剤は017 及び018 試験でのみ用い 以降の注射剤の開発は HPCD 製剤を用いて行った 日本人を組み入れた第 Ⅰ 相試験は28 試験中 2 試験 (027 試験及び 032 試験 ) であり 日本人健康被験者 30 例がレテルモビルの投与を受けた そのうち 経口投与を受けた被験者は22 例 静脈内投与を受けた被験者は8 例であった 詳細は [2.7.6.2. 項 ] 及び [2.7.6.2. 7 項 ] 参照 前期第 Ⅱ 相試験 (019 試験 ) では レテルモビル投与例は18 例 [ レテルモビル40 mg 1 日 2 回 (BID) (9 例 ) レテルモビル80 mg QD(9 例 )] 実薬対照薬投与例は9 例 ( 実施施設の標準治療 : バルガンシクロビル ) であり 14 日間経口投与された [2.7.4.1.2.2.1 項 ] 後期第 Ⅱ 相用量反応試験 (020 試験 ) では レテルモビル投与例は98 例 [ レテルモビル60 mg QD(33 例 ) レテルモビル120 mg QD (31 例 ) レテルモビル240 mg QD(34 例 )] プラセボ投与例は33 例であり 84 日間経口投与された 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) では 治験実施計画書に規定したレテルモビルの用量は480 mg QD であり シクロスポリン併用投与時にはレテルモビルの用量を240 mg QD に減量した また 錠剤と注射剤の2 種類のレテルモビル製剤を使用し 患者の状態に応じて錠剤 ( 経口 ) から注射剤 ( 静脈内 ) に切り替えが可能であった 移植後 14 週目までの期間に治験薬 ( 錠剤又は注射剤 ) の投与を受けた565 例のうち レテルモビル投与例は373 例 [ 表 2.7.4-10] プラセボ投与例は192 例であった [ 表 2.7.4-11] [2.7.4.1.2.3 項 ] 001 試験では レテルモビル群の錠剤投与例は367 例 注射剤投与例は99 例であり その平均曝露期間はそれぞれ66.7 日及び14.1 日であった 一方 プラセボ群の錠剤投与例は187 例 注射剤投与例は48 例であり 平均曝露期間はそれぞれ53.2 日及び13.2 日であった CMV 感染により治験薬投与を中止した割合がプラセボ群で有意に高かったことが主因となり 治験薬投与を中止した割合がプラセボ群で高く レテルモビル群の平均曝露期間はプラセボ群より約 25% 長かった [2.7.4.2.1.4.5.1 項 ] なお 001 試験で治験薬投与を受けた日本人 35 例のうち レテルモビル投与例は24 例 ( 錠剤投与 22 例 注射剤投与 17 例 ) プラセボ投与例は11 例 ( 錠剤投与 8 例 注射剤投与 7 例 ) であった [2.7.6.3.3 項 ] 2.5.5.2 第 Ⅰ 相試験 ( 併合データ ) 第 Ⅰ 相試験の被験者はほとんどが健康被験者であったが 015 試験では肝機能障害者 (16 例 ) 006 試験では腎機能障害者 (16 例 ) を対象とした ラットで精巣毒性が認められたため ( マウス及びサルでは認めず )[2.6.6.1 項 ] 多くの第 Ⅰ 相試験では健康女性被験者のみに組入れを限定しており 第 Ⅰ 相試験の安全性併合データにおける男女の割合は それぞれ30.9% 及び69.1% であった 年齢の範囲は18~76 歳で 平均年齢は35.6 歳であった 被験者の大多数は白人 (78.3%) で 黒人 - 78 -
又はアフリカ系アメリカ人 (15.4%) アジア人(5.2%) の順であった [2.7.4.1.3.1 項 ] 第 Ⅰ 相試験では重大な安全性所見は認められず レテルモビルの忍容性は概して良好であった [2.7.4.2.1.2.1 項 ] レテルモビル( 製剤を除く ) の単独又は他剤との併用投与を受けた被験者 630 例のうち 有害事象は356 例 (56.5%) に 副作用は253 例 (40.2%) に報告された 多く報告された有害事象 ( 発現割合 2% 以上 ) は 頭痛 (17.9%) 悪心(14.6%) 下痢(9.0%) 疲労 (6.7%) 浮動性めまい(5.6%) 傾眠(4.9%) 嘔吐(3.5%) 腹痛(3.5%) カテーテル留置部位疼痛 (3.0%) 腹部不快感(2.7%) ほてり(2.7%) 背部痛(2.7%) 上腹部痛(2.1%) 及び便秘 (2.1%) であった また レテルモビルの単独投与を受けた624 例で多く報告された副作用 ( 発現割合 2% 以上 ) は 頭痛 (13.3%) 悪心(12.7%) 下痢(5.9%) 浮動性めまい(4.2%) 腹痛(2.6%) 嘔吐 (2.4%) 及び疲労 (2.4%) であった 第 Ⅰ 相試験では 死亡例は認められなかった 重篤な有害事象は2 例 (0.3%) に報告され そのうちの1 例 (0.2%) で発現した重篤な有害事象 ( 尿路感染及び前立腺炎 ) は治験担当医師によって治験薬 ( レテルモビル又はタクロリムスのいずれか ) との因果関係ありと判定された [[ 資料 5.3.5.3.1: ISS_CP] の5.5 項 ] 第 Ⅰ 相試験の併合において レテルモビルの単独又は併用投与を受けた被験者 8 例 (1.3%) が有害事象により治験薬投与を中止した このうち 副作用による投与中止は7 例 (1.1%) であった [2.7.4.2.1.2.1 項 ] 投与中止に至った有害事象は レテルモビル単独投与では 嘔吐(3 例 ) 肝酵素上昇及び頻脈 (1 例 ) 肝機能検査異常(1 例 ) 尿路感染及び前立腺炎( 上述の重篤な有害事象 ) (1 例 ) であり レテルモビルと他剤の併用投与では嘔吐 (2 例 ) であった レテルモビルの有害事象プロファイルは 経口投与後 [2.7.4.2.1.2.1.1 項 ] 及び静脈内投与後 [2.7.4.2.1.2.1.2 項 ] とも レテルモビル全製剤の全般的安全性プロファイルと類似していた レテルモビル静脈内投与の安全性統合データでは 注射部位関連の有害事象はほとんど認められず また 重篤な有害事象は報告されなかった 第 Ⅰ 相試験の安全性第 Ⅰ 相試験の様々な部分集団 [ 年齢 (18~65 歳未満 65 歳以上 ) 性別 人種/ 民族 ( アジア人を含む ) 体重(75 kg 未満 75 kg 以上 ) レテルモビル高用量(480 mg 超 ) 投与例 ] におけるレテルモビルの安全性プロファイルは 第 Ⅰ 相試験におけるレテルモビルの全般的安全性プロファイルと一貫していた [2.7.4.2.1.2.2 項 ] 第 Ⅰ 相試験の日本人におけるレテルモビルに対する忍容性は 概して良好であった [2.7.6.2.6 項 ] [2.7.6.2.7 項 ] 薬物相互作用試験における安全性レテルモビルは HSCT 患者で免疫抑制剤と併用投与される可能性が高いことから 一般的な免疫抑制剤 ( シクロスポリン タクロリムス シロリムス ミコフェノール酸モフェチル等 ) との第 Ⅰ 相薬物相互作用試験を実施し 安全性 忍容性及びレテルモビルと免疫抑制剤の薬物動態学的相互作用を評価した その結果 レテルモビルの忍容性は概して良好であった 臨床検査値 バイタルサイン及び心電図に治験薬投与に関連した臨床的に意味のある変動は認められなかった - 79 -
[2.7.4.5.3.2 項 ] 腎又は肝機能障害者における第 Ⅰ 相試験の安全性レテルモビルは 腎排泄がほとんどみられないものの 腎機能障害と肝取込みトランスポーター及び排出トランスポーターの活性は相関することから 腎機能障害者でレテルモビルのクリアランスが低下している場合がある そのため 第 Ⅰ 相試験 (006 試験 ) を実施して 腎機能障害がレテルモビルの安全性 忍容性及び薬物動態特性に及ぼす影響を評価した すべての被験者 ( 中等度の腎機能障害者 / 重度腎機能障害者 / マッチングした健康被験者 ) で レテルモビル120 mg QD 8 日間経口投与の忍容性は概して良好であった いずれの群でも 臨床検査値 バイタルサイン 心電図又は身体的所見にベースラインからの臨床的に意味のある変動は認められなかった 男性被験者 (24 例中 14 例 ) では 精巣機能 (LH FSH インヒビン B テストステロン) をモニタリングした いずれの群でも男性ホルモンの平均濃度にベースラインから試験終了後までに臨床的に意味のある変動は認められなかった [2.7.4.5.3.1 項 ] レテルモビルの主な排泄経路は胆管を介したクリアランスであるため 肝機能障害はレテルモビルの血漿中濃度に影響を及ぼす可能性がある そのため 肝機能障害がレテルモビルの安全性 忍容性及び薬物動態特性に及ぼす影響を第 Ⅰ 相試験 (015 試験 ) で評価した すべての被験者で レテルモビル60 mg QD( 中等度の肝機能障害者 / マッチングした健康被験者 ) 及びレテルモビル 30 mg QD( 重度の肝機能障害者 / マッチングした健康被験者 ) の8 日間経口投与の忍容性は概して良好であった 予想されたとおり 一部の中等度及び重度の肝機能障害者の投与開始前の臨床検査値 特に肝機能障害に関連する臨床検査値 ( 凝固検査 肝酵素及び血液学的検査 ) は 基準値の上限を超えていた これら臨床検査値異常は試験中に変動したが 特定の傾向は認められず 臨床的に重大なものはなかった また 臨床検査値 バイタルサイン及び心電図に治験薬投与と関連した臨床的に意味のある変動は認められなかった [2.7.4.5.3.1 項 ] 第 Ⅰ 相試験における QT/QTc 間隔の評価 QT/QTc 評価試験 (004 試験 ) では QTc 間隔に及ぼす影響を検討するため 健康被験者 36 例にレテルモビルの予定臨床用量を超える高用量 (960 mg) 及びレテルモビルの予定臨床用量 (480 mg) を静脈内投与して評価した レテルモビル960 mg 静脈内投与後の C max はレテルモビル480 mg 静脈内投与後の2 倍であったが いずれの用量でも臨床的に意味のある QTc 間隔の延長は認められなかった [2.7.2.2.4.2 項 ] [2.7.4.2.1.2.3 項 ] 2 例以上で発現した有害事象は 注射部位の有害事象 (960 mg 投与時 12 例 480 mg 投与時 9 例 ) 接触性皮膚炎(960 mg 投与時 3 例 480 mg 投与時 2 例 ) 及び頭痛 (960 mg 投与時 2 例 ) であった 健康女性被験者においてレテルモビル480 mg 及びレテルモビル960 mg の単回静脈内投与の忍容性は概して良好であった [ 資料 5.3.4.1.1: P004] 2.5.5.3 第 Ⅱ 相試験 レテルモビルの第 Ⅱ 相試験 (019 試験及び 020 試験 ) では主に治療期の有害事象により安全性を 評価した 治療期の有害事象とは 治験薬投与開始から019 試験では治験終了時点である29 日目ま - 80 -
で 020 試験では治験薬投与終了後 7 日目までに発現又は悪化した有害事象である [2.7.4.2.1.1.1 項 ] 019 試験及び020 試験の安全性の主要解析集団である安全性解析対象集団は レテルモビル 実薬対照 (019 試験 ) 又はプラセボ (020 試験 ) の投与を受けた患者で構成された 安全性解析対象集団の全患者データを投与群別に解析した [2.7.4.2.1.3 項 ] 2.5.5.3.1 前期第 Ⅱ 相試験 (019 試験 ) 019 試験は CMV 血症を認めた移植患者にレテルモビルの2 用量 (40 mg BID 又は80 mg QD) 又は実薬対照薬 [ 実施医療機関の標準治療 ( バルガンシクロビル )] を14 日間経口投与した際の安全性 忍容性及び抗ウイルス活性 (Proof of concept) を評価するための前期第 Ⅱ 相 無作為化 実薬対照 非盲検試験であった 019 試験には 臓器移植 ( 腎臓又は腎臓 / 膵臓移植患者 26 例 ) 又は HSCT( 患者 1 例 ) を受けた 27 例が組み入れられ レテルモビル40 mg BID 群 80 mg QD 群又は実薬対照 ( バルガンシクロビル ) 群に各 9 例が無作為に割り付けられた 019 試験の安全性解析対象集団は 腎臓又は腎臓 / 膵臓移植患者 26 例及び HSCT 患者 1 例から構成された 019 試験の詳細は [2.7.3.2.1.1 項 ] [2.7.4.2.1.3.1 項 ] に示す 019 試験で報告された有害事象の要約を [2.7.4.2.1.3.1 項 ] に示す レテルモビルと共に実薬対照薬 ( バルガンシクロビル ) の忍容性は概して良好であった 治療期の有害事象は019 試験に組み入れた27 例中 20 例 (74.1%) に発現した [ レテルモビル40 mg BID 群 :8 例 (88.9%) レテルモビル80 mg QD 群 :6 例 (66.7%) 実薬対照群:6 例 (66.7%)] これらの事象はいずれも軽度又は中等度であった 治療期の副作用は3 例に計 5 件が報告されたが その内訳はレテルモビル40 mg BID 群の2 例で4 件 ( 胃腸炎 鼻咽頭炎 呼吸困難 血中クレアチニン増加 ) レテルモビル80 mg QD 群の1 例で1 件 ( 消化不良 ) であり 実薬対照群では認められなかった [2.7.4.2.1.3.1 項 ] 019 試験中に死亡例は報告されなかった 治療期の重篤な有害事象は 7.4% に認められ レテルモビル80 mg QD 群で1 例 ( 腎障害及び動静脈瘻瘤 ) 実薬対照群で1 例 ( 腎リンパ嚢腫 ) が報告された いずれの事象も治験薬との因果関係は否定された レテルモビル40 mg BID 群の1 例が 中等度の副作用 ( 呼吸困難 ) 発現後に治験薬投与を中止した [2.7.4.2.1.3.1.5 項 ] 019 試験における臨床検査値 ( 血液学的検査 血液生化学検査及び尿検査 ) 評価の要約を [2.7.4.2.1.3.1.6 項 ] に示す 多くの患者では これらの臨床検査値の経時的変動は正常範囲内にあった 019 試験で報告されたバイタルサイン 体重 身体的所見及び心電図の結果のベースラインからの変動で 治験担当医師から臨床的に意味があると判定されたものはなかった [2.7.4.2.1.3.1.7 項 ] 2.5.5.3.2 後期第 Ⅱ 相試験 (020 試験 ) 020 試験は 同種 HSCT を受け CMV 抗体陽性であった計 131 例の患者を対象に レテルモビルの CMV 感染又は感染症の予防における抗ウイルス活性及び安全性をプラセボと比較して評価した後期第 Ⅱ 相 無作為化 二重盲検 プラセボ対照 用量反応試験であった 患者はレテルモビ - 81 -
ルの3つの用量群 (60 120 及び240 mg 1 日 1 回 ) 又はプラセボ群のいずれかに無作為に割付けられ 84 日間経口投与を受けた 安全性の評価を 同意取得時から92 日目 ( 治験終了時の来院 ) まで行った 各投与群の治験薬投与中の安全性評価及び治験を安全に実施するため 独立安全性モニタリング委員会 (SMC) を設置した SMC では 22 例の患者が無作為割付される毎に 入手したすべての安全性情報を治験薬への曝露に関するデータとともに評価した 020 試験の詳細は [2.7.3.2.1.2 項 ] [2.7.4.2.1.3.2 項 ] に示した 020 試験の安全性解析対象集団は 治験薬を1 回以上投与された131 例の HSCT 患者で構成された 内訳は レテルモビル60 mg 群 33 例 レテルモビル120 mg 群が31 例 レテルモビル240 mg 群が34 例及びプラセボ群が33 例であった 同意取得時から92 日目 ( 治験終了時来院 ) までの有害事象の要約を [ 表 2.5-10] [2.7.4.2.1.3.2 項 ] に示す レテルモビルの忍容性は概して良好で 安全性プロファイルはプラセボと類似していた 安全性評価対象例 131 例のうち 治療期の有害事象の発現割合は95.9% であった [ レテルモビル 60 mg 群 :93.9% 120 mg 群 :93.5% 240 mg 群 :100% プラセボ群:100%] 治療期の有害事象は そのほとんどが軽度又は中等度と判定された 治療期の副作用は レテルモビル60 mg 群 : 33.3% 120 mg 群 :12.9% 240 mg 群 :5.9% プラセボ群:33.3% であった 治験薬投与中止に至った有害事象の発現割合は レテルモビル投与群間で類似していた - 82 -
表 2.5-10 有害事象の要約 ( 安全性解析対象集団 )(020 試験 ) Letermovir 60 mg/day N=33 Letermovir 120 mg/day N=31 Letermovir 240 mg/day N=34 Letermovir Overall treatment N=98 Placebo Number of patients with at least 1, n (%) AE 31 (93.9) 30 (96.8) 34 (100) 95 (96.9) 33 (100) TEAE 31 (93.9) 29 (93.5) 34 (100) 94 (95.9) 33 (100) SAE 13 (39.4) 15 (48.4) 12 (35.3) 40 (40.8) 16 (48.5) TESAE 9 (27.3) 12 (38.7) 9 (26.5) 30 (30.6) 12 (36.4) AE leading to permanent 9 (27.3) 9 (29.0) 7 (20.6) 25 (25.5) 20 (60.6) discontinuation of trial medication TEAE leading to permanent 9 (27.3) 9 (29.0) 7 (20.6) 25 (25.5) 19 (57.6) discontinuation of trial medication SAE leading to permanent 2 (6.1) 2 (6.5) 2 (5.9) 6 (6.1) 5 (15.2) discontinuation of trial medication TESAE leading to 2 (6.1) 2 (6.5) 2 (5.9) 6 (6.1) 5 (15.2) permanent discontinuation of trial medication AE leading to death 2 (6.1) 1 (3.2) 1 (2.9) 4 (4.1) 1 (3.0) TEAE leading to death 2 (6.1) 0 1 (2.9) 3 (3.1) 1 (3.0) SAE leading to death 2 (6.1) 1 (3.2) 1 (2.9) 4 (4.1) 1 (3.0) TESAE leading to death 2 (6.1) 0 1 (2.9) 3 (3.1) 1 (3.0) Severe AE 11 (33.3) 11 (35.5) 8 (23.5) 30 (30.6) 13 (39.4) Severe TEAE 8 (24.2) 9 (29.0) 6 (17.6) 23 (23.5) 10 (30.3) Possibly, probably, or 11 (33.3) 5 (16.1) 2 (5.9) 18 (18.4) 11 (33.3) definitely related AE Possibly, probably, or definitely related TEAE 11 (33.3) 4 (12.9) 2 (5.9) 17 (17.3) 11 (33.3) AE: 有害事象 SAE: 重篤な有害事象 TEAE: 治療期 ( 治験薬投与開始後から治験薬投与終了後 7 日以内 ) に発現又は悪化した有害事象 TESAE: 治療期に発現又は悪化した重篤な有害事象 百分率は 各投与群の患者数に基づいて算出した [ 資料 5.3.5.1.2: P020] 表 12-3 N=33 治療期に発現割合が高かった器官別大分類 (SOC) の有害事象は 胃腸障害 [ レテルモビル群 ( 全体 ):66.3% プラセボ群:60.6%] 感染症および寄生虫症[ レテルモビル群 ( 全体 ):59.2% プラセボ群 :75.8%] であり 基本語 (PT) では 胃腸障害 (SOC) に分類される下痢 悪心及び嘔吐 感染症および寄生虫症 (SOC) に分類される CMV 感染であった [2.7.4.2.1.3.2.1 項 ] 治療期に多く報告された副作用 (SOC) は 胃腸障害及び臨床検査であり いずれの発現割合もレテルモビル群 ( 全体 ) とプラセボ群で同程度であった [2.7.4.2.1.3.2.2 項 ] 020 試験の試験期間中に5 例の死亡が報告されたが うち4 例が治療期に報告された重篤な有害事象により死亡した [2.7.4.2.1.3.2.3 項 ] この4 例の内訳は 急性腸管移植片対宿主病 (GVHD)( レテルモビル60 mg 群 :1 例 ) 急性骨髄性白血病( レテルモビル60 mg 群 :1 例 ) 肺炎( レテルモビル240 mg 群 :1 例 ) 及び細菌性肺炎 ( プラセボ群 :1 例 ) であった なお レテルモビル120 mg 群の1 例が 両側肺炎に続発した呼吸不全 ( 因果関係なし ) により020 試験の実施期間中に死亡した - 83 -
が 当該事象は治験実施計画書で定めた治療期の有害事象の収集期間外 ( 治験薬投与終了後 8 日目以降 : 治療期以降 ) に発現したため 重篤な有害事象には含まれたが 治療期の重篤な有害事象としては分類されていない [2.7.4.2.1.3.2.3 項 ] 020 試験全体で 治療期の重篤な有害事象の発現割合は投与群間で概して同程度であった 治療期に多く報告された重篤な有害事象 (SOC) は 感染症および寄生虫症 (SOC) で そのうち最も多く報告された PT は肺炎 [ レテルモビル群 ( 全体 ):4 件 ] であった [2.7.4.2.1.3.2.4 項 ] 治療期に報告された重篤な有害事象の大多数は中等度又は重度であったが これら中等度又は重度の事象の発現割合は投与群間で概して同程度であった [2.7.4.2.1.3.2.4 項 ] 一方 治験薬投与中止に至った治療期に報告された重篤な有害事象の発現割合は レテルモビル群 ( 全体 ) に比べプラセボ群で高かった [2.7.4.2.1.3.2.5 項 ] 治療期に最も多く報告された治験薬投与中止に至った有害事象 (SOC) は 感染症および寄生虫症 (SOC) であり その発現割合はプラセボ群よりレテルモビル群 ( 全体 ) で低かった この SOC で治療期に最も多く報告された治験薬投与中止に至った有害事象 (PT) は CMV 感染であり その発現割合はプラセボ群よりレテルモビル群 ( 全体 ) で低かった [2.7.4.2.1.3.2.5 項 ] 020 試験では 血液学的検査 血液凝固検査 血液生化学検査及び尿検査のパラメータにおいて いずれの時点でもベースラインからの臨床的に意味のある変動は認められず レテルモビル群とプラセボ群で明らかな差はなかった [2.7.4.2.1.3.2.6 項 ] バイタルサイン 体重 身体的所見及び心電図の結果についても 治験担当医師によって臨床的に意味があると判定されたベースラインからの変動はなかった [2.7.4.2.1.3.2.7 項 ] 2.5.5.4 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) 001 試験は CMV 抗体陽性の同種 HSCT 患者 570 例 ( 日本人 36 例を含む ) を対象に 臨床的に意味のある CMV 感染の予防を目的として レテルモビル480 mg( シクロスポリンを併用投与する場合は240 mg) を移植後 14 週間 1 日 1 回経口又は静脈内投与した際の安全性及び有効性をプラセボと比較して評価した 二重盲検無作為化プラセボ対照第 Ⅲ 相試験である 001 試験の安全性データの解析結果を本項に示す 001 試験に含まれた日本人集団の結果詳細は [2.7.6.3.3.3 項 ] を参照のこと 001 試験での安全性の主要解析対象集団は All Subjects as Treated(ASaT) 集団であり 無作為割付後に治験薬を1 回以上投与されたすべての患者で構成された 001 試験の ASaT 解析対象集団は計 565 例であり 内訳はレテルモビル群 373 例及びプラセボ群 192 例であった 2.5.5.4.1 安全性評価計画及び試験対象集団 安全性評価計画 001 試験の安全性の目的は レテルモビルの安全性及び忍容性を評価することであり 有害事象 臨床検査 ( 精巣機能障害に関するバイオマーカーを含む ) バイタルサイン及び心電図を安全性評価項目とした 001 試験では 同意取得時から無作為割付までの期間は 治験実施計画書に規定された手順又は - 84 -
処置に起因する有害事象 死亡並びに脱落の原因となった有害事象を収集し 無作為割付及び治験薬投与開始 ( いずれも Day 1) から移植後 16 週目までの期間は すべての有害事象 [2.7.4.2.1.4 項 ] を収集した その後 移植後 48 週までの期間は 重篤な副作用及び死亡に至った重篤な有害事象を収集した 安全性は 治験実施計画書で規定した時点又は解析の定義に従って以下の3 種類の期間で解析した 治療期治験薬投与開始から治験薬最終投与後 14 日までに発現したすべての有害事象 移植後 24 週まで治験薬投与開始から移植後 16 週までに発現したすべての有害事象 及び移植後 16 週以降 24 週までに発現した重篤な副作用又は死亡に至った重篤な有害事象 なお 移植後 16 週以降 24 週までの期間に 報告対象外の有害事象が医療機関より報告された場合もすべて解析に含めた 移植後 48 週まで治験薬投与開始から移植後 16 週までに発現したすべての有害事象 及び移植後 16 週以降 48 週までに発現した重篤な副作用又は死亡に至った重篤な有害事象 移植後 16 週以降 48 週までの期間に 報告対象外の有害事象が医療機関より報告された場合もすべて解析に含めた つまり 報告対象外の有害事象として非重篤な有害事象及び因果関係が否定された重篤な有害事象が含まれたが 001 試験の安全性フォローアップ期間の安全性解析結果に影響を及ぼさないと判断されたことから 臨床データベースから削除しなかった 無作為割付けされた570 例のうち 移植後 24 週の来院を完了した患者は431 例 (75.6%) 移植後 24 週の来院前の中止例は134 例 (23.5%) であった 移植後 24 週の来院を完了した431 例は移植後 24 週から48 週の後観察期 ( 追跡期間 ) に移行した 001 試験の試験終了時では 移植後 48 週の来院を完了した患者は363 例 (63.7%) であり 68 例 (11.9%) が移植後 24 週から48 週の間に治験を中止した [ 付録 2.7.3-62] 治療期の安全性解析では 有害事象の報告期間が治験薬投与期間と直接関連していることから 治験薬投与中の有害事象の発現割合について群間差を推定することになる また 治療期の安全性解析は 治験薬投与中の安全性に関する曝露 - 応答解析を補完するものである [2.5.5.7 項 ] ASaT 解析対象集団では レテルモビル群の平均曝露期間は69.4 日であり プラセボ群の平均曝露期間である55.2 日より約 25% 長かった [2.5.5.1 項 ] ことから 治療期の安全性評価期間も投与群間で異なった この投与群間で認められた曝露期間の約 25% の差は レテルモビル群と比較してプラセボ群では治験薬投与の中止に至った有害事象の発現割合が高かったこと ( 臨床的に意味のある CMV 感染の発現割合が高かったことによる ) が主な要因と考えられた 移植後 24 週までの安全性解析では 投与終了後に報告された有害事象も含まれているため 有 - 85 -
害事象の報告期間が治験薬投与期間にかかわらず両投与群で同じであり 移植後 24 週までの解析を用いて有害事象についての群間差を全体的に推定できる また 移植後 24 週までの有害事象の解析時点は 有効性の主要評価項目の解析時点 ( 移植後 24 週以内 ) と一致していることから 有効性主要評価項目の解析と同じ時点での有害事象について群間差を推定できる [2.7.4.2.1.4 項 ] 2.5.5 項では 001 試験のレテルモビルの安全性データとして 投与群間で報告期間の差異がない移植後 24 週までの有害事象を主に記載した 2.5.5.4.2 有害事象の要約 001 試験の ASaT 解析対象集団における移植後 24 週及び48 週までに発現した有害事象の要約を [ 表 2.5-11] 及び [ 付録 2.7.4:31] に示す レテルモビルの忍容性は良好であり 安全性プロファイルはプラセボと類似していた [2.7.4.2.1.4.1 項 ] 有害事象は ほとんどの患者で移植後 24 週までに発現した [ レテルモビル群 :98.1% プラセボ群 :100%] 治験薬の投与中止に至った有害事象の発現割合は レテルモビル群と比べてプラセボ群で高く 発現割合の群間差の信頼区間は0を含まなかった [ レテルモビル群 :19.3% プラセボ群 51.0% 群間差-31.7%(95%CI:-39.7% to -23.6%)] 重篤な有害事象の発現割合は レテルモビル群 :51.7% プラセボ群:56.8% であった 重篤な副作用は6 例に発現した [ レテルモビル群 3 例 (0.8%) プラセボ群 3 例 (1.6%)] 死亡に至った副作用はなかった なお 48 週までの有害事象については 全体的に移植後 24 週までと同様の傾向であり 移植後 24 週以降に新たに報告された重篤な副作用はなかった - 86 -
表 2.5-11 有害事象の要約 ( 移植後 24 週まで )(ASaT)(001 試験 ) Letermovir Placebo Difference in % vs Placebo n (%) n (%) Estimate (95% CI) Subjects in population 373 192 with one or more adverse events 366 (98.1) 192 (100.0) -1.9 (-3.8, 0.1) with no adverse events 7 (1.9) 0 (0.0) 1.9 (-0.1, 3.8) with drug-related adverse events 63 (16.9) 23 (12.0) 4.9 (-1.4, 10.6) with serious adverse events 193 (51.7) 109 (56.8) -5.0 (-13.6, 3.7) with serious drug-related adverse events 3 (0.8) 3 (1.6) NA who died 61 (16.4) 38 (19.8) -3.4 (-10.5, 3.1) discontinued due to an adverse event 72 (19.3) 98 (51.0) -31.7 (-39.7, -23.6) discontinued due to a drug-related 18 (4.8) 7 (3.6) 1.2 (-2.9, 4.5) adverse event discontinued due to a serious adverse 35 (9.4) 27 (14.1) -4.7 (-10.9, 0.7) event discontinued due to a serious 3 (0.8) 3 (1.6) NA drug-related adverse event Miettinen & Nurminen 法に基づく 治験担当医師によって治験薬との因果関係ありと判定された事象 治験薬投与の中止 統計解析計画書に従って群間差の推定値及び信頼区間を算出した 脚注 : 治験実施計画書に従い 治験薬投与開始から移植後 24 週目までのすべての有害事象を報告している 脚注 : レテルモビルの用量は480 mg 1 日 1 回 シクロスポリンを併用投与する場合は240 mg 1 日 1 回とした NA = 該当なし [ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] 2.5.5.4.3 すべての有害事象の解析 001 試験の移植後 24 週までに発現した有害事象発現例数 (%)( いずれかの投与群で発現割合 5% 以上 ) を SOC 別に [ 表 2.5-12] に示す 001 試験の治療期及び移植後 24 週までに発現した有害事象は [2.7.4.2.1.4.1.1 項 ] に示す 有害事象の発現割合は レテルモビル群及びプラセボ群で同程度であった 移植後 24 週までに発現した有害事象のうち両投与群合計の発現割合が特に高かった有害事象は GVHD( レテルモビル群 :44.5% プラセボ群:49.5%) 下痢( レテルモビル群 :28.2% プラセボ群:27.1%) 悪心 ( レテルモビル群 :27.3% プラセボ群:26.0%) 発熱( レテルモビル群 :23.1% プラセボ群: 26.0%) CMV 感染 ( レテルモビル群 :16.6% プラセボ群:46.9%) 発疹( レテルモビル群 :23.1% プラセボ群 :25.0%) 及び嘔吐 ( レテルモビル群 :19.8% プラセボ群:16.7%) であった - 87 -
表 2.5-12 有害事象発現例数 (%)( いずれかの投与群で発現割合 5% 以上 ) 移植後 24 週まで (ASaT)(001 試験 ) Letermovir Placebo Total n (%) n (%) n (%) Subjects in population 373 192 565 with one or more adverse 366 (98.1) 192 (100.0) 558 (98.8) events with no adverse events 7 (1.9) 0 (0.0) 7 (1.2) 血液およびリンパ系障害 106 (28.4) 58 (30.2) 164 (29.0) 貧血 26 (7.0) 12 (6.3) 38 (6.7) 発熱性好中球減少症 33 (8.8) 21 (10.9) 54 (9.6) 血小板減少症 27 (7.2) 13 (6.8) 40 (7.1) 心臓障害 51 (13.7) 19 (9.9) 70 (12.4) 耳および迷路障害 21 (5.6) 2 (1.0) 23 (4.1) 眼障害 70 (18.8) 44 (22.9) 114 (20.2) 眼乾燥 25 (6.7) 12 (6.3) 37 (6.5) 胃腸障害 272 (72.9) 137 (71.4) 409 (72.4) 腹痛 48 (12.9) 19 (9.9) 67 (11.9) 上腹部痛 19 (5.1) 16 (8.3) 35 (6.2) 便秘 30 (8.0) 22 (11.5) 52 (9.2) 下痢 105 (28.2) 52 (27.1) 157 (27.8) 口内乾燥 21 (5.6) 11 (5.7) 32 (5.7) 消化不良 20 (5.4) 7 (3.6) 27 (4.8) 胃食道逆流性疾患 5 (1.3) 10 (5.2) 15 (2.7) 痔核 19 (5.1) 5 (2.6) 24 (4.2) 悪心 102 (27.3) 50 (26.0) 152 (26.9) 口内炎 23 (6.2) 13 (6.8) 36 (6.4) 嘔吐 74 (19.8) 32 (16.7) 106 (18.8) 一般 全身障害および投与部位の状態 223 (59.8) 111 (57.8) 334 (59.1) 無力症 27 (7.2) 8 (4.2) 35 (6.2) 疲労 52 (13.9) 25 (13.0) 77 (13.6) 粘膜の炎症 47 (12.6) 24 (12.5) 71 (12.6) 末梢性浮腫 57 (15.3) 22 (11.5) 79 (14.0) 発熱 86 (23.1) 50 (26.0) 136 (24.1) 肝胆道系障害 25 (6.7) 16 (8.3) 41 (7.3) - 88 -
表 2.5-12 有害事象発現例数 (%)( いずれかの投与群で発現割合 5% 以上 ) 移植後 24 週まで (ASaT)( 続き ) Letermovir Placebo Total n (%) n (%) n (%) 免疫系障害 173 (46.4) 102 (53.1) 275 (48.7) 移植片対宿主病 166 (44.5) 95 (49.5) 261 (46.2) 感染症および寄生虫症 264 (70.8) 145 (75.5) 409 (72.4) 菌血症 22 (5.9) 5 (2.6) 27 (4.8) サイトメガロウイルス感染 62 (16.6) 90 (46.9) 152 (26.9) 肺炎 27 (7.2) 7 (3.6) 34 (6.0) 尿路感染 20 (5.4) 7 (3.6) 27 (4.8) ウイルス血症 14 (3.8) 15 (7.8) 29 (5.1) 傷害 中毒および処置合併症 51 (13.7) 35 (18.2) 86 (15.2) 臨床検査 140 (37.5) 65 (33.9) 205 (36.3) アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 26 (7.0) 17 (8.9) 43 (7.6) アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増 21 (5.6) 13 (6.8) 34 (6.0) 加 血中クレアチニン増加 38 (10.2) 15 (7.8) 53 (9.4) 代謝および栄養障害 143 (38.3) 71 (37.0) 214 (37.9) 食欲減退 40 (10.7) 25 (13.0) 65 (11.5) 高血糖 31 (8.3) 13 (6.8) 44 (7.8) 高カリウム血症 28 (7.5) 4 (2.1) 32 (5.7) 低カリウム血症 23 (6.2) 11 (5.7) 34 (6.0) 低マグネシウム血症 24 (6.4) 15 (7.8) 39 (6.9) 低ナトリウム血症 23 (6.2) 12 (6.3) 35 (6.2) 筋骨格系および結合組織障害 131 (35.1) 68 (35.4) 199 (35.2) 関節痛 30 (8.0) 10 (5.2) 40 (7.1) 背部痛 24 (6.4) 20 (10.4) 44 (7.8) 筋肉痛 20 (5.4) 4 (2.1) 24 (4.2) 四肢痛 19 (5.1) 15 (7.8) 34 (6.0) 良性 悪性および詳細不明の新生物 ( 嚢胞およびポリープを含む ) 61 (16.4) 34 (17.7) 95 (16.8) 再発急性骨髄性白血病 23 (6.2) 16 (8.3) 39 (6.9) 神経系障害 149 (39.9) 80 (41.7) 229 (40.5) - 89 -
表 2.5-12 有害事象発現例数 (%)( いずれかの投与群で発現割合 5% 以上 ) 移植後 24 週まで (ASaT)( 続き ) Letermovir Placebo Total n (%) n (%) n (%) 神経系障害 149 (39.9) 80 (41.7) 229 (40.5) 浮動性めまい 29 (7.8) 16 (8.3) 45 (8.0) 頭痛 57 (15.3) 23 (12.0) 80 (14.2) 振戦 28 (7.5) 11 (5.7) 39 (6.9) 精神障害 83 (22.3) 33 (17.2) 116 (20.5) 不安 22 (5.9) 5 (2.6) 27 (4.8) 不眠症 35 (9.4) 11 (5.7) 46 (8.1) 腎および尿路障害 89 (23.9) 55 (28.6) 144 (25.5) 急性腎障害 41 (11.0) 29 (15.1) 70 (12.4) 生殖系および乳房障害 37 (9.9) 16 (8.3) 53 (9.4) 呼吸器 胸郭および縦隔障害 162 (43.4) 82 (42.7) 244 (43.2) 咳嗽 62 (16.6) 28 (14.6) 90 (15.9) 呼吸困難 33 (8.8) 9 (4.7) 42 (7.4) 鼻出血 24 (6.4) 13 (6.8) 37 (6.5) 口腔咽頭痛 30 (8.0) 19 (9.9) 49 (8.7) 皮膚および皮下組織障害 186 (49.9) 93 (48.4) 279 (49.4) 皮膚乾燥 29 (7.8) 15 (7.8) 44 (7.8) 紅斑 34 (9.1) 12 (6.3) 46 (8.1) そう痒症 28 (7.5) 12 (6.3) 40 (7.1) 発疹 86 (23.1) 48 (25.0) 134 (23.7) 血管障害 78 (20.9) 45 (23.4) 123 (21.8) 高血圧 32 (8.6) 23 (12.0) 55 (9.7) 患者は該当する各行及び列で 1 回のみ集計した 器官別大分類及び個々の有害事象は 四捨五入した発現割合がいずれかの群で表題の基準を満たしたもののみ示す MedDRA version 19.0 [ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] 治療期又は移植後 24 週までに有害事象発現割合がプラセボ群と比べてレテルモビル群で高く 数値的に不均衡が認められた主な有害事象 (SOC 又は PT) は心臓障害 (SOC) 耳および迷路障害 (SOC) 霧視 筋肉痛 呼吸困難 高カリウム血症であった[2.7.4.2.1.4.1.1 項 ] 一方 治療期にプラセボ群でレテルモビル群より発現割合が高かった有害事象は6 種あり CMV 感染 ( レテルモビル群 :8.3% プラセボ群:45.8%) 上腹部痛( レテルモビル群 :4.0% プラセボ群 :8.3%) 胃食道逆流性疾患( レテルモビル群 :1.1% プラセボ群:4.7%) ミオパチー( レテルモビル群 :0.5% プラセボ群:2.6%) 脱水( レテルモビル群 :0.5% プラセボ群:2.6%) 及び失神寸前の状態 ( レテルモビル群 :0.3% プラセボ群:2.1%) であった [2.7.4.2.1.4.1.1 項 ] レテルモビル群で多く発現し 発現割合が不均衡であった有害事象について レテルモビルとの関連性の有無を検討するため 事後解析でさらに評価した [2.5.5.4.5 項 ] [2.7.4.2.1.5 項 ] [[ 資料 - 90 -
5.3.5.1.3: P001V01] の16.1.11.1 項 ] 移植後 24 週までの心臓障害 (SOC) の有害事象の発現割合は レテルモビル群 [51 例 (13.7%)] でプラセボ群 [19 例 (9.9%)] より数値的に高かった [2.7.4.2.1.5.2.1 項 ] また 心臓の病歴がある患者でも 両投与群の有害事象の発現割合はレテルモビル群で (21.4%) プラセボ群 (10.2%) に比べて高かった [ 表 2.7.4-50] プラセボ群よりレテルモビル群で多く発現し 発現割合が不均衡であったその他の有害事象の解析結果 ( 交絡因子 既往歴又は合併症及び前治療薬 / 併用薬の評価を含む ) 及び評価からは レテルモビル投与とこれらの有害事象の間に明らかな関連性は認められなかった 治験薬投与中止に至った有害事象治験薬投与中止に至った有害事象の発現割合は プラセボ群 (51.0%) よりレテルモビル群 (19.3%) で低かった [2.7.4.2.1.4.5.1 項 ] これは CMV 感染の有害事象により中止した患者の割合がプラセボ群で有意に多かったことが主な要因と考えられた [ レテルモビル群 :6.2% プラセボ群 :39.1% 群間差:-32.9%(95%CI:-40.3%, -25.8%)] 治験薬投与中止に至ったその他の有害事象は 悪心 ( レテルモビル群 :1.6% プラセボ群:1.0%) GVHD( レテルモビル群 :0.8% プラセボ群 :1.0%) 及び再発急性骨髄性白血病 ( レテルモビル群 :1.1% プラセボ群:0.5%) であった 2.5.5.4.3.1 副作用治療期及び移植後 24 週までに発現した副作用を SOC 別に [2.7.4.2.1.4.2 項 ] に示す いずれの投与群でも 治療期以降移植後 24 週までに新たな副作用は発現しなかった 副作用の発現割合は レテルモビル群 :16.9% プラセボ群:12.0% であった また 多く報告された副作用 (SOC) は胃腸障害であり レテルモビル群 :10.5% プラセボ群:5.2% であった 多く報告された副作用は 悪心 ( レテルモビル群 :7.2% プラセボ群:3.6%) 下痢( レテルモビル群 :2.4% プラセボ群:1.0%) 及び嘔吐 ( レテルモビル群 :1.9% プラセボ群:1.0%) であり 多く報告された有害事象でもあった 治験薬投与中止に至った胃腸障害 (SOC) の副作用の発現割合は投与群間で類似していた ( 下記参照 ) 投与中止に至った副作用治療期に報告された治験薬投与中止に至った副作用の発現割合は両投与群で同程度であった ( レテルモビル群 :4.8% プラセボ群:3.6%)[2.7.4.2.1.4.5.1.1 項 ] 多く報告された治験薬投与中止に至った副作用は 悪心 [ レテルモビル群 :6 例 (1.6%) プラセボ群:2 例 (1.0%)] 嘔吐[ レテルモビル群 :3 例 (0.8%) プラセボ群:0 例 (0.0%)] 腹痛[ レテルモビル群 :2 例 (0.5%) プラセボ群 :0 例 (0.0%)] 及び血中クレアチニン上昇 [ レテルモビル群 :1 例 (0.3%) プラセボ群 :1 例 (0.5%)] であった - 91 -
2.5.5.4.3.2 死亡に至った有害事象 001 試験の治療期及び移植後 24 週までの死亡に至った有害事象の発現割合の詳細を [2.7.4.2.1.4.3 項 ] に示す 移植後 24 週までに発現し死亡に至った有害事象の発現割合は レテルモビル群 :16.4% プラセボ群 :19.8% であった 移植後 24 週までに多く報告された死亡に至った有害事象は GVHD( レテルモビル群 :1.6% プラセボ群 :3.1%) 再発急性骨髄性白血病( レテルモビル群 :3.2% プラセボ群:4.2%) 敗血症 ( レテルモビル群 :1.3% プラセボ群:1.0%) 及び敗血症性ショック ( レテルモビル群 :1.1% プラセボ群 :1.6%) であった 治験担当医師によって治験薬との因果関係ありと判定された死亡に至った有害事象はなかった 2.5.5.4.3.3 その他の重篤な有害事象 001 試験では 無作為割付け及び治験薬投与開始 ( いずれも Day 1) から移植後 16 週までの期間は治験薬との因果関係にかかわらず すべての重篤な有害事象を収集し その後 移植後 48 週目までは重篤な副作用を収集した [2.5.5.4.1 項 ] 治療期及び移植後 24 週までに報告された重篤な有害事象の発現割合 ( いずれかの投与群で発現割合 2% 以上 ) を [2.7.4.2.1.4.4.1 項 ] に示す 001 試験では 移植後 24 週までに53.5% の患者で重篤な有害事象が発現した 重篤な有害事象の発現割合は レテルモビル群 (51.7%) とプラセボ群 (56.8%) で同程度であった [ 群間差 -5.0%(95%CI:-13.6%, 3.7%)] 移植後 24 週までに多く報告された重篤な有害事象は GVHD( レテルモビル群 :11.5% プラセボ群 :15.1%) 再発急性骨髄性白血病( レテルモビル群 :5.4% プラセボ群:7.3%) CMV 感染 ( レテルモビル群 :3.5% プラセボ群:7.3%) 及び急性腎障害 ( レテルモビル群 :1.9% プラセボ群 :4.7%) であった 移植後 24 週までの重篤な有害事象の発現例のうち レテルモビル群 3 例 (0.8%) とプラセボ群 3 例 ( 1.6%) の計 6 例 ( 1.1%) は 治療期に重篤な副作用が発現し いずれも治験薬投与を中止した これら6 例の重篤な副作用の内訳は 汎血球減少症 ( レテルモビル群 :1 例 ) 血小板減少症( レテルモビル群 :1 例 ) 生着遅延( レテルモビル群 :1 例 ) ボーエン病( プラセボ群 :1 例 ) 精神状態変化 ( プラセボ群 :1 例 ) 及び急性腎障害 ( プラセボ群 :1 例 ) であり 2 例以上に発現した特定の重篤な副作用はなかった これらの重篤な副作用の簡潔な叙述を [2.7.4.2.1.4.4.2 項 ] に示す 2.5.5.4.3.4 注射剤 ( 静脈内投与 ) に伴う有害事象 レテルモビル注射剤は 添加物としてヒドロキシプロピル -β- シクロデキストリン (HPCD) を 含有している HPCD は ラット腎臓で尿細管空胞化を引き起こすおそれがあるが ヒトでは比 較的高用量でも安全であると考えられている [ 資料 5.4: 44] 2 歳以上のヒトに HPCD 約 250 mg/kg/ 日を 21 日間投与した場合の安全性は確認されている [ 資料 5.4: 44] ヒトで認められた忍容性に関す る情報及び 001 試験で投与したレテルモビル注射剤に含有される HPCD の濃度を考慮すると 成人 の HSCT 患者集団で HPCD による腎毒性作用が生じるとは考えにくい - 92 -
001 試験でレテルモビル注射剤を使用した患者で発現した有害事象を評価した [2.7.4.2.1.4.5.2 項 ] レテルモビル注射剤の忍容性は概して良好であり その安全性プロファイルはレテルモビル全体の有害事象プロファイルと類似していた [2.5.5.4.2 項 ] 001 試験における治験薬の注射剤の投与日数の中央値は 両投与群とも12 日であった ( 範囲 : レテルモビル群 :1~47 日 プラセボ群 :1~88 日 )[2.7.4.2.1.4.5.2.1 項 ] 注射部位の有害事象の発現割合は低く 注射部位の副作用はレテルモビル群の2 例でのみ ( 紅斑及び炎症 ) 報告され いずれの事象も軽度であった [2.7.4.2.1.4.5.2.2 項 ] 治験薬の注射剤を1 回以上使用した患者 147 例 ( レテルモビル群で99 例 プラセボ群で48 例 ) で 注射剤使用時の有害事象の発現割合は レテルモビル群 (84.8%) ではプラセボ群 (72.9%) と比べて高かった [2.7.4.2.1.4.5.2.3 項 ] 有害事象は ほとんどが非重篤であった 重篤な有害事象及び治験薬投与中止に至った有害事象の発現割合は レテルモビル群ではプラセボ群に比べて低かった 死亡に至った有害事象は レテルモビル群 :3 例 (3.0%) プラセボ群:3 例 (6.3%) の計 6 例 (4.1%) に発現した 治験薬の注射剤を連続 7 日以上使用した患者 99 例 ( レテルモビル群で72 例 プラセボ群で27 例 ) において 注射剤使用時の有害事象発現例数 (%)( いずれかの投与群で発現割合 10% 以上 ) を [2.7.4.2.1.4.5.2.4 項 ] に示す 有害事象の発現割合は レテルモビル群 (87.5%) とプラセボ群 (88.9%) で概して同程度であった 治験薬の注射剤を連続 7 日以上使用した患者では 注射剤使用時に発現した心臓障害 (SOC) の有害事象の発現割合は レテルモビル群で高かった [ レテルモビル群 :11 例 (15.3%) プラセボ群 :0 例 (0.0%)] ASaT 解析対象集団で心臓障害 (SOC) の有害事象を発現した患者の概括評価は [2.5.5.4.5.1 項 ] [2.7.4.2.1.5 項 ] に詳述する 一方 治験薬の注射剤を連続 7 日以上使用した患者では 注射剤使用時に腎および尿路障害 (SOC) の有害事象の発現割合は両投与群で同程度であった [ レテルモビル群 :11 例 (15.3%) プラセボ群 :3 例 (11.1%)][2.7.4.2.1.4.5.2.4 項 ] また 急性腎不全の MedDRA 標準検索式 (SMQ) ( 広義及び狭義 ) の解析では 急性腎不全 (SMQ) に含まれる有害事象の発現割合は ASaT 解析対象集団のすべての患者 並びに治験薬の注射剤を1 回以上使用した患者のいずれでも 投与群間で同程度であった [2.5.5.4.5.2 項 ] 治験薬の注射剤を連続 7 日以上使用した患者での一般 全身障害および投与部位の状態 (SOC) の有害事象の発現割合は レテルモビル群 [21 例 (29.2%)] ではプラセボ群 [13 例 (48.1%)] に比べて低かった 以下の患者における有害事象の追加解析は [2.7.4.2.1.4.5.2 項 ] に示す 1) 注射剤を1 回以上使用した患者 2) 錠剤のみの投与患者と注射剤投与患者 ( 全例で錠剤も投与された ) の比較治験薬の注射剤投与時の臨床検査値の評価は [2.7.4.3.3.1 項 ] に示す レテルモビル注射剤を投与された健康被験者及び患者の忍容性データを含め 第 Ⅰ 相試験から第 Ⅲ 相試験までに収集された臨床成績から レテルモビル注射剤の安全性プロファイルは良好であることが示された - 93 -
2.5.5.4.3.5 注目すべき事象 001 試験における注目すべき事象を以下に示す これらの事象は 申請者又は米国本社が実施するほぼすべての臨床試験で通常評価している項目であり レテルモビルに特異的な評価項目ではない AST 又は ALT が基準値上限の3 倍以上の上昇かつ総ビリルビン値が基準値上限の2 倍以上の上昇 かつ同時に ALP が基準値上限の2 倍未満であり 薬剤性肝障害 (DILI) に該当する可能性のある事象 本基準の目的は 変動の背景要因を追加して評価する必要のある肝機能異常値の閾値を特定することであった [2.5.5.4.3.5.1 項 ] 臨床症状又は臨床検査値の異常を伴わないレテルモビルの過量投与も注目すべき事象と考え 治験実施計画書に規定した用量を上回る場合に 安全性のさらなる評価のために報告することとした 治験薬の過量投与については [2.5.5.4.3.5.2 項 ] を参照のこと 2.5.5.4.3.5.1 肝機能検査値上昇 : 潜在的な薬剤性肝障害 (DILI) の臨床検査基準に合致した患者 001 試験の治療期に肝機能検査値 ( 中央検査機関又は実施医療機関による検査 ) が潜在的な DILI の臨床検査基準に合致し 注目すべき事象として報告された11 例 [ レテルモビル群 :8 例 (2.1%) プラセボ群 :3 例 (1.6%)] の一覧を [2.7.4.2.1.4.6.1 項 ] に示す 治験担当医師によって治験薬との因果関係ありと判定された肝機能臨床検査値の注目すべき事象はなく 治験薬による薬剤性肝障害 (DILI) と判定された患者はいなかった 2.5.5.4.3.5.2 過量投与 レテルモビルの臨床試験では 治験実施計画書で定義されたレテルモビルの過量投与は認められなかった [2.7.4.2.1.4.6.2 項 ] 2.5.5.4.4 追加の安全性解析 2.5.5.4.4.1 生着率及び生着までの期間 001 試験では 生着を3 日連続して好中球絶対数が500/mm 3 以上の場合と定義した 無作為割付時 生着はレテルモビル群の63.5% 及びプラセボ群の59.9% で認められなかった 無作為割付時に生着が認められなかった患者において 生着率及び生着までの期間を検討した 生着前に治験薬投与を開始した患者の生着率及び生着までの期間の要約統計量を投与群別に [2.7.4.2.1.4.7.1 項 ] に示す 生着は非常に多くの患者で認められた ( レテルモビル群 :95.4% プラセボ群:91.3%) 無作為割付時に生着が認められなかった患者において 生着までの期間の中央値は レテルモビル群で 19 日 ( 範囲 :7~49 日 ) プラセボ群で18 日 ( 範囲 :10~41 日 ) であり 同程度であった 生着遅延のリスクがある患者 ( 臍帯血移植 ハプロタイプ一致等 ) とリスクのない患者の部分集団別でも同様の傾向が認められた 生着遅延のリスクがある患者の部分集団では 生着が認められた患者の割合は プラセボ群 - 94 -
(84.0%) と比較してレテルモビル群 (92.5%) で高かった この部分集団での生着までの期間の中央値は両投与群で類似していた [ レテルモビル群 :21.0 日 ( 範囲 :11~33 日 ) プラセボ群:20.0 日 ( 範囲 :13~39 日 )] 生着遅延のリスクのない患者の部分集団では 生着が認められた患者の割合は レテルモビル群で96.2% プラセボ群では93.3% であった この部分集団での生着までの期間の中央値は両投与群で類似していた [ レテルモビル群 :19.0 日 ( 範囲 :7~49 日 ) プラセボ群:17.0 日 ( 範囲 :10 ~41 日 )] 生着遅延のリスクがある患者では 生着が認められなかった患者の割合は プラセボ群と比べてレテルモビル群の方が明らかに少なかった Kaplan Meier 法による生着までの期間を投与群別に [ 図 2.5-10] に示す 移植後 14 週目及び24 週目までの累積生着率は レテルモビル群 [99.1%(95%CI:97.9%, 100.0%)] とプラセボ群 [98.7% (95%CI:96.2%, 100.0%)] で同程度であった 生着までの期間について レテルモビル群とプラセボ群間で意味のある差は認められなかった (p=0.1047) - 95 -
100 90 Cumulative Rate of Engraftment (%) 80 70 60 50 40 30 Letermovir vs Placebo Stratified log-rank test, two-sided p-value = 0.1047 20 10 0 Week 0 Week 14 Week 24 Weeks Post-Transplant No. at risk: KM estimates % (95% CI) Letermovir 235 1: 99.1 (97.9, 100.0) 1: 99.1 (97.9, 100.0) Placebo 111 0: 98.7 (96.2, 100.0) 0: 98.7 (96.2, 100.0) [ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] 図 2.5-10 Kaplan Meier 法による生着までの期間無作為割付時に生着が認められなかった患者集団 ( 移植後 24 週まで )(ASaT)(001 試験 ) 2.5.5.4.5 器官別又は症候群別の有害事象の解析 2.5.5.4.5.1 心臓障害 (SOC) の有害事象に関する事後解析の要約 001 試験では 移植後 24 週までの心臓障害 (SOC) の有害事象の発現割合は レテルモビル群 [51 例 (13.7%)] でプラセボ群 [19 例 (9.9%)] より高く 不均衡が認められた この発現割合の不均衡は 心臓の病歴を有する患者の部分集団でも認められた 心臓障害 (SOC) の有害事象の発現割合は 心臓の病歴を有する患者ではレテルモビル群 (21.4%) でプラセボ群 (10.2%) より高かったが 心臓の病歴のない患者では両投与群で同程度であった [ 表 2.7.4-50] 移植後 24 週までに認められた心臓障害 (SOC) について 有害事象発現割合の投与群間での差 - 96 -
をさらに検討するため 事後解析を実施した [[2.7.4.2.1.5.2.1 項 ] [ 資料 5.3.5.1.3: P001V01]16.1.11.1 項 ] 主な所見を以下に要約する 心臓障害 (SOC) の安全性解析において 心毒性を示す抗がん剤の使用 (HSCT 移植前処置レジメンに使用 ) は交絡因子であり 抗がん剤とレテルモビルとの直接的な関連性を推測することはできない [2.7.4.2.1.5.2.1 項 ] 心臓障害 (SOC) の有害事象の発現割合には不均衡が認められたが 特定の心臓の有害事象 (PT) については 発現割合は低く 治療期に多く報告された心臓障害 (SOC) の PT 別有害事象 (ASaT 集団の各投与群で1% 以上に発現 ) は レテルモビル群では頻脈 (4.0%) 心房細動(3.5%) 心不全 ( 1.3%) 心房粗動(1.1%) 及び洞性頻脈 (1.1%) プラセボ群では頻脈(2.1%) 洞性頻脈(1.6%) 及び心房細動 (1.0%) であり いずれも治験薬との因果関係は否定された また 心臓障害の有害事象の程度も概して軽度又は中等度で ほとんどが治験薬投与中に回復又は軽快した 治験薬投与中止に至った有害事象は レテルモビル群の1 例で認められた因果関係が否定された心不全のみであった ASaT 解析対象集団では 移植後 24 週までにこれらの有害事象により死亡に至った患者はまれであり (1% 以下 レテルモビル群 :1 例 プラセボ群 :2 例 ) 両投与群で同様であった なお 移植後 24 週までの全患者の原因を問わない死亡割合は レテルモビル群でプラセボ群より明らかに低かった [2.7.4.2.1.5.2.1 項 ] 心臓障害 (SOC) の有害事象の解析結果だけでなく 非臨床試験及び第 Ⅰ 相試験の結果からも レテルモビルの心臓に及ぼす影響は示唆されていない レテルモビルはヒトには存在しない CMV ターミナーゼ複合体に特異的に作用する 非臨床試験では心臓所見は認められず また 第 Ⅰ 相 thorough QT 試験でも レテルモビルによる臨床的に意味のある QT/QTc 間隔延長又は不整脈の誘発を示唆する所見は認められなかった 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) では 移植後 16 週まで及び最終評価時点においてバイタルサイン ( 拡張期 収縮期血圧 心拍数 ) に臨床的に意味のある変動は認められなかった また ベースラインから治験薬投与 2 週目及び投与終了時までの心電図パラメータ (PR QRS QT/QTc 間隔及び心拍数 ) の平均値及びベースラインからの変化量は 両投与群で類似していた さらに 第 Ⅲ 相試験の安全性に関する曝露 - 応答解析では 検討した曝露量範囲において 心臓障害 (SOC) の有害事象に曝露量依存性は認められなかった 以上の現時点におけるすべての非臨床及び臨床データからは レテルモビル投与と心臓障害 (SOC) の有害事象とを関連付けるエビデンスは認められていない 2.5.5.4.5.2 心臓障害 (SOC) 以外の有害事象に関する事後解析の要約 001 試験で心臓障害 (SOC) 以外の有害事象で臨床的に特に注目した有害事象について SMQ 解析の結果を以下に要約する [2.7.4.2.1.5.2.2 項 ] [[ 資料 5.3.5.1.3: P001V01] 16.1.11.1 項 ] 急性腎不全 (SMQ) 解析の結果 ASaT 解析対象集団及び治験薬の注射剤を1 回以上使用した患者で 両投与群の有害事象の発現割合に意味のある差は認められず 腎臓の安全性に差はないことが示唆された [2.5.5.4.3.4 項 ] [2.5.5.5 項 ] 薬剤に関連する肝障害 (SMQ) 解析の結果 両投与群の有害事象の発現割合に意味のある 差は認められず 肝臓の安全性に差はないことが示唆された - 97 -
過敏症 (SMQ) 解析の結果 レテルモビル群の有害事象の発現割合はプラセボ群と同程度であり レテルモビル投与による影響はないことが示唆された 消化管の非特異的炎症および機能障害 (SMQ) 解析の結果 消化管における安全性プロファイルは レテルモビルとプラセボで同程度であることが示唆された 造血障害による血球減少症 (SMQ) 解析の結果 レテルモビル群の造血系に及ぼす全体的な影響はプラセボ群と同程度であることが示唆された 2.5.5.4.6 臨床検査 バイタルサイン及び心電図所見 001 試験の臨床検査値及びバイタルサインの解析対象は 治験薬投与後に各安全性パラメータを 1 回以上測定している患者とした また ベースラインからの変動を評価するため ベースライン値が得られている患者を対象とした 2.5.5.4.6.1 臨床検査値の評価 001 試験では臨床検査値に関して以下の評価をした (1) 治験実施計画書で規定した臨床検査の各カテゴリー ( 血液生化学検査及び血液学的検査 ) 内の検査値の記述統計量 ( ベースライン値及びベースラインからの変化量 ) の評価 [2.7.4.3.1 項 ] (2) 事前に規定した基準を超える変動の評価 [2.7.4.3.2 項 ] (3) 治験薬の注射剤を使用した患者における臨床検査値の評価 [2.7.4.3.3.1 項 ] (4) 男性患者における精巣機能に関する臨床検査値の評価 [2.7.4.3.3.2 項 ] 事前に規定した基準に該当した患者の割合は 血液生化学検査及び血液学的検査に関して両投与群で概して類似しており ALT AST 及びアルカリホスファターゼの変動基準に該当した患者の大多数で 変動の程度はグレード1であった [2.7.4.3.2 項 ] レテルモビル注射剤に添加物として含まれている HPCD は 動物では長期間の全身曝露後に腎毒性を引き起こすおそれがある これまでに ヒトでそうした作用のエビデンスは確認されていない [ 資料 5.4: 44] が 001 試験では クレアチニン クリアランス推定値が10 ml/min 以上の腎機能障害者のみを組入れ可とした 注射剤の投与による安全性を検討するため 治験薬の注射剤を1 回以上使用した患者における臨床検査値の変動を評価したところ 検査値がベースライン値から悪化した患者の割合は レテルモビル群とプラセボ群で類似していた [2.7.4.3.3.1 項 ] 臨床検査所見 腎および尿路障害 (SOC) の有害事象の全般的評価結果 [2.5.5.4.3 項 ] 並びに急性腎不全(SMQ) 解析の結果 [2.5.5.4.5.2 項 ] から レテルモビル注射剤に添加物として HPCD が含まれているものの HSCT 患者においてレテルモビル注射剤の腎臓に対する安全性プロファイルはプラセボと類似していることが確認された - 98 -
2.5.5.4.6.2 バイタルサイン及び心電図評価バイタルサイン評価 001 試験では 拡張期血圧 収縮期血圧 心拍数 体温及び呼吸数に関して臨床的に意味のある変化は両投与群とも認められなかった [2.7.4.4.1 項 ] 心電図評価 001 試験では レテルモビルが QT 間隔に及ぼす影響を QTcF 間隔 ( 心拍数の影響を Fridericia 補正式で補正した QTc 間隔 ) に基づき評価した その結果 レテルモビル群では ベースラインとフォローアップの心電図を比較して QTc 間隔延長を示唆する所見は認められなかった また 治験薬投与開始後 2 週目及び投与終了時の QTcF 間隔について 501 msec 以上であった患者は レテルモビル群及びプラセボ群とも認めず 481~500 msec であった患者は両投与群で同程度に認められた [2.7.4.4.2 項 ] 001 試験では 心電図パラメータ [PR QRS 及び QT 間隔 ( 未補正 Bazett 法及び Fridericia 法により補正 ) 及び心拍数 ] のベースラインから治験薬投与 2 週目及び投与終了時まで ( 治療期 ) の平均変化量について評価した 各心電図パラメータの平均値 ( 標準偏差 ) 及びベースラインから治験薬投与 2 週目及び投与終了時までの変化量は レテルモビル群とプラセボ群で同程度であった [2.7.4.4.2 項 ] 2.5.5.5 特別な集団における安全性 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) では 内因性要因 [2.7.4.5.1 項 ] 及び外因性要因 [2.7.4.5.2 項 ] がレテルモビルの安全性プロファイルに及ぼす影響について検討した これらの解析では 治療期 ( 治験薬の平均曝露期間に群間差があり プラセボ群よりレテルモビル群で約 25% 長い ) に着目した [2.5.5.4.1 項 ] 検討した内因性要因は 患者の背景因子 ( 年齢 性別 体重 人種及び民族 ) 及び他の内因性要因 ( 腎機能障害及び肝機能障害 ) である 安全性プロファイルは 年齢 性別 体重 人種 腎機能障害及び肝機能障害にかかわらず 両投与群で概して類似していた [2.7.4.5.1 項 ] 日本人集団でも 全集団と同様の安全性プロファイルが示され 日本人のみに特記すべき安全性の懸念はなかった [2.7.6.3.3.3.3.10 項 ] 001 試験では クレアチニン クリアランス10 ml/min 以上の腎機能障害患者は組入れ可としたが 肝機能障害によってレテルモビルの曝露量が増加するため 重度 (Child-Pugh C) 肝機能障害者並びに中等度 (Child-Pugh B) 肝機能障害かつ中等度 (Cockcroft-Gault 計算式でクレアチニン クリアランス50 ml/min 未満 ) 腎機能障害者は組入れ除外とした また 18 歳未満の小児 妊婦及び授乳婦では レテルモビルの安全性は評価しなかった なお 妊娠中の投与に関する安全性については ラット及びウサギの胚 胎児毒性試験で母動物の毒性を示す曝露量 ( 予定臨床用量での曝露量のそれぞれ約 11 倍及び2 倍 ) で発生毒性が観察されており [2.6.6.6.2 項 ] ヒトでのデータは無いことから 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には 治療上の有益性が危険性を上 - 99 -
回ると判断された場合にのみ投与することとした レテルモビルの安全性プロファイルに及ぼす外因性要因として 地域及び HSCT 患者で多く使用されている免疫抑制剤 ( シクロスポリン及びタクロリムス ) を評価した 安全性プロファイルは 地域 ( アジア太平洋 南米 欧州及び北米の患者集団 米国と米国以外の患者集団 ) にかかわらず両投与群で類似していた また レテルモビルとタクロリムスの併用と比べて レテルモビルとシクロスポリンの併用において臨床的に意味のある所見は認められなかった [2.7.4.5.2 項 ] 2.5.5.6 精巣毒性の可能性の評価 雄ラットを用いた受胎能及び胚発生に関する非臨床試験では 高用量のレテルモビル群で非可逆性の精巣変性が発現し 受胎率が減少することが示された [2.6.6.1 項 ] 雄ラットを用いた受胎能及び初期胚発生に関する試験では レテルモビル180 mg/kg 投与で精巣所見が認められ ( 無毒性量 =60 mg/kg/ 日 ) ラット15 週間反復毒性試験で認められた所見 ( レテルモビルのセルトリ細胞への影響とそれによる精子形成への影響 ) が確認された 幼若ラットにレテルモビル60 又は180 mg/kg/ 日を生後 14 日目から27 日目まで経口投与しても セルトリ細胞の増殖又は精巣上皮に影響は認められなかった 性成熟した非ヒト霊長類にレテルモビル60~240 mg/kg/ 日を13 週間経口投与したときも有害作用はみられず 特に受胎能の障害を示唆する雄生殖器系の変化は生じなかった その結果 カニクイザルの雄生殖系に対する無毒性量は 240 mg/kg/ 日以上であった (HSCT 患者の曝露量の約 2 倍 ) カニクイザルの39 週間経口投与毒性試験では250/200 mg/kg/ 日までの用量で 4 週間静脈内投与毒性試験では100 mg/kg/ 日までの用量で 雌雄の生殖器に有害作用はみられなかった マウス13 週間経口投与毒性試験でも40 100 及び250 mg/kg/ 日の用量で雄生殖腺に影響は認められなかった ラット及び性成熟した非ヒト霊長類を用いた包括的な評価により ラット精巣で認められた所見は曝露量をより高くしても非ヒト霊長類では認められないことが示された マウス ( 最長 3ヵ月間の試験 ) 又はサル ( 最長 9ヵ月間の試験 ) において より高い全身曝露量でも雄性生殖器系の所見が認められなかったことから ラットの精巣の所見はこの動物種に特異的であることが示唆された [2.6.6.1 項 ] ヒトとの関連性は不明である ヒトでのレテルモビル投与に伴う精巣毒性に関する潜在的リスクを評価するため 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) では 精巣毒性の指標として血清インヒビン B 黄体形成ホルモン(LH) 卵胞刺激ホルモン (FSH) 及びテストステロン値を男性患者で測定し ベースラインからの精巣機能の変化量をモニタリングした これらの血清バイオマーカーは 腫瘍に対する化学療法施行患者における性腺毒性モニタリングに用いられており [ 資料 5.4: 45] 薬剤開発中の精巣毒性及び評価に関する米国 FDA のガイダンス文書 [ 資料 5.4: 46] において 精巣機能に及ぼす薬剤の影響を確認するのに有用なホルモンとして位置づけられている 001 試験では 血清インヒビン B LH FSH 及びテストステロンに関して ベースライン測定値が低値 正常値又は高値であった男性患者の割合 治験薬投与終了時及び移植後 24 週の来院時におけるベースラインからの変化量を投与群別に評価した [2.7.4.3.3.2 項 ] 4 種のホルモン値の治 験薬投与終了時及び移植後 24 週の来院時におけるベースラインからの変化量は 両投与群で同程 - 100 -
度であった 移植後 24 週の来院時にこれらのマーカーが精巣機能の異常を示す患者の割合は レテルモビル群とプラセボ群で同程度であった 上記のデータから レテルモビルが HSCT 患者集団において男性ホルモンに臨床的に関連する影響を及ぼさないことが示された [2.7.4.3.3.2 項 ] 非臨床試験データから ラットで認められた精巣毒性は種特異的と考えられ また 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) では精巣毒性を示すマーカーの変動がレテルモビル群とプラセボ群で同程度であったことから 男性の HSCT 患者に対するレテルモビルの投与は支持される 2.5.5.7 薬物動態と安全性の関係第 Ⅲ 相試験で用いた申請予定の用量の適切性を評価するため 曝露 - 応答解析を実施した [2.7.2.2.6.3.2 項 ] [2.7.4.5.3.3 項 ] これらの解析には 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) の薬物動態及び安全性データを用いた 個々の患者における定常状態のレテルモビル曝露量は母集団薬物動態解析を用いて推定し 安全性データと併せて評価した 臨床的に特に注目した有害事象に関する曝露 - 応答関係を評価することにより レテルモビルの曝露量が安全性プロファイルに及ぼす影響を検討した 臨床的に特に注目した有害事象は 発現割合の高かった胃腸障害 ( 悪心 嘔吐 腹痛及び下痢等 ) 急性腎不全及び発現割合が不均衡であった心血管障害 ( 心房細動 心房粗動 頻脈等 ) であった ロジスティック回帰分析を実施して 試験中に有害事象を発現する可能性 ( なし / あり ) とレテルモビルの曝露量との関連性を定量的に評価した [2.7.4.5.3.3 項 ] 臨床的に特に注目した有害事象が認められた患者におけるレテルモビルの曝露量の推定値は 有害事象発現日の投与条件 ( シクロスポリン併用下又は非併用下でのレテルモビル経口又は静脈内投与 ) での曝露量のベイズ推定値から算出した 臨床的に特に注目した有害事象が認められなかった患者におけるレテルモビルの曝露量の推定値は 各投与条件の曝露量のベイズ推定値から各投与回数で加重した平均値として算出した 全体として 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) で認められた曝露量の範囲では 有害事象の曝露量依存性は認められなかった [2.7.2.2.6.3.2 項 ] 2.5.5.8 安全性の結論安全性データ全体から 以下の結論が得られた : 同種 HSCT 患者におけるレテルモビルの忍容性は良好で プラセボ群の安全性プロファイルと概して同様であり レテルモビル投与患者に骨髄毒性 腎毒性又は肝毒性を示唆する事象は認められなかった 移植後 24 週までの解析で比較的よくみられた有害事象 (GVHD 悪心 嘔吐 下痢 発熱及び発疹 ) の発現割合は レテルモビル群とプラセボ群で同程度であった CMV 感染は多く報告された有害事象であったが 発現割合はプラセボ群よりレテルモビル群で低かった なお 移植後 48 週までの有害事象については 全体的に移植後 24 週までと同様の傾向であり 移植後 24 週以降に新たに報告された重篤な副作用はなかった - 101 -
治験薬投与中止に至った有害事象の発現割合は レテルモビル群と比べてプラセボ群が高く 発現割合の差の信頼区間は0を含まなかった これは CMV 感染の有害事象により治験薬投与を中止した患者の割合が高かったことに主に起因していた 注射剤 ( 添加剤として HPCD を含む ) の投与による腎機能への影響及びその他の特徴的な有害事象は認められなかった レテルモビルの安全性プロファイルに内因性要因及び外因性要因の影響は認められなかった 日本人集団に特徴的な有害事象はみられず 全集団と同様に本剤の良好な安全性プロファイルが示された 全体として レテルモビルの安全性プロファイルは良好であった - 102 -
2.5.6 ベネフィットとリスクに関する結論第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) から得られた有効性及び安全性の結果から CMV 抗体陽性の成人同種 HSCT 患者の CMV 感染又は感染症の予防におけるレテルモビルの高い有用性が支持された CMV 感染は 臓器障害を伴う CMV 感染症 GVHD 細菌及び真菌感染症などのリスク因子となり HSCT 患者での全身状態の悪化や高い死亡率と関連していることが知られている また HSCT 後の CMV 感染と生存率の低下との関連性を示す国内外の報告もあり [ 資料 5.4: 25] [ 資料 5.4: 28] CMV 感染症のみならず CMV 感染自体を予防することは HSCT 後の患者の予後改善 特に生存に対するベネフィットとなり得る しかしながら 既存の抗 CMV 薬は骨髄毒性や腎毒性等の毒性を有し 予防投与には適さないことから [ 資料 5.4: 1] HSCT 後の CMV 感染対策としては 現在国内外ともに先制治療が標準的に行われている 先制治療は CMV 感染症の発症抑制には効果を示すものの CMV 感染自体は抑えられない また 特に CMV 感染のリスクが高い移植後 14 週間は患者の状態管理に細心の注意を要するため 副作用のある過剰な先制治療は避けることが望ましいが ウイルス量に基づく先制治療の開始基準は定められていないため 実際には不必要な治療が行われている可能性がある これらのことから CMV に対して有効で 予防薬として安全に使用できる薬剤が望まれている レテルモビルは有効性のみならず安全性プロファイルも良好であり 予防投与を行うことで 既存の抗 CMV 薬による副作用の回避のみならず CMV 再活性化を抑えることにより HSCT 後の死亡リスクも抑制し HSCT 後の患者に対する大きなベネフィットとなり得ると考えられる レテルモビルのベネフィットレテルモビルの予防投与によるベネフィットを以下に示す 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) の結果から 臨床的に意味のある CMV 感染の予防において レテルモビルはプラセボより優れていることが確認された 移植後 24 週までに臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合は レテルモビル群では37.5% であったのに対し プラセボ群では60.6% であった ( 群間差 :-23.5% 片側 P 値 :P<0.0001) レテルモビルの予防投与により 臨床的に意味のある CMV 感染の相対リスクは プラセボと比較して約 40% 減少した [ 治療必要数 (NNT) は5 人 ] 001 試験における移植後 48 週時点の全死亡率 ( 原因を問わない死亡 ) は レテルモビル群 (20.9%) でプラセボ群 (25.5%) より低かった ( 層別ログランク検定 両側 P 値 :P=0. 1224 多重性の調整なし ) レテルモビルの予防投与により 死亡の相対リスクはプラセボと比較して約 18% 減少した (NNT は22 人 ) 非再発死亡率( 移植を実施した原疾患以外の理由による死亡 ) 及び CMV 感染後の死亡率 ( 臨床的に意味のある CMV 感染を発症した後の原因を問わない死亡 ) もレテルモビル群で低く 同様の傾向が認められた レテルモビルの予防投与を受けた患者では CMV 感染症を発症した患者の割合は低く 先制治療により CMV 感染症を予防した時の効果と類似していた CMV 血症を発症し 先制治療を開始した患者の割合は レテルモビル群では著しく低かった 001 試験は日本を含む世界 20ヵ国 67 施設で患者が無作為割付され 広範な部分集団において - 103 -
レテルモビルの有効性及び安全性が確認された 患者の背景因子 CMV 感染のリスク因子 免疫抑制剤の併用あるいは HSCT 移植前処置レジメン等の部分集団においても レテルモビルの予防効果は一貫していた 日本人集団においては 移植後 24 週以内の有効性の主要評価項目が全体集団と差異のある結果であったが 治験薬投与期間中である移植後 14 週以内では臨床的に意味のある CMV 感染の予防において全体集団と一貫した有効性が認められ 移植後 24 週以内の CMV 血症の発現割合などの客観的な指標の結果では全体集団と同様の傾向を示したことなどから 日本人集団でも全集団と同様の有効性が期待できる 移植後 24 週までの GVHD の発症及び再入院の割合は プラセボ群よりレテルモビル群で低かった レテルモビルは錠剤又は注射剤の2 種類の製剤が使用可能であり 投与期間を通じて患者はいずれの投与法も選択できる 曝露 - 応答解析の結果から 予定臨床用量における曝露量は 安全かつ有効であることが支持された 001 試験では 予定臨床用量投与後に見られた曝露量の範囲では一貫した有効性が示された また 日本人患者の曝露量の分布は 非日本人患者の分布と重なっていた 既存の抗 CMV 薬とレテルモビルとの交差耐性は認められなかった レテルモビルは新規の作用機序を有することから 耐性が発現した場合でも既存の抗 CMV 薬に対する感受性は維持され 治療の選択肢は残される 同種 HSCT 患者におけるレテルモビルの忍容性は概して良好で プラセボ群の安全性プロファイルと概して類似しており 骨髄毒性 腎毒性又は肝毒性を示唆する事象は認められなかった 有害事象のプロファイル及び発現割合は HSCT 患者で予想されたとおりであった レテルモビルの安全性プロファイルは 内因性要因 ( 年齢 性別 人種 ) 及び外因性要因 ( 地域 免疫抑制レジメン ) によらず いずれの部分集団でも同様であった 日本人集団でも 全集団と同様の安全性プロファイルが示され 日本人のみに特記すべき安全性の懸念はなかった レテルモビルのリスク 非臨床試験では ラットで精巣毒性が認められたが サルやマウスでは認められなかったことから ラットの精巣所見は種特異的なものであると考えられた 精巣毒性を示すマーカー ( 血清インヒビン B LH FSH 及びテストステロン値 ) の変動は 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) のレテルモビル群とプラセボ群で同程度であり 男性の HSCT 患者に対するレテルモビルの投与が支持された HSCT 患者では 免疫抑制剤 ( シクロスポリン タクロリムス等 ) 予防投与のための抗感染症薬 [ アシクロビル ボリコナゾール ポサコナゾール ( 日本では未承認 ) 等 ] 等の他の薬剤をレテルモビルと併用する可能性がある このため in vitro 試験 薬物相互作用試験 母集団薬物動態解析及び生理学的薬物動態モデルに基づくシミュレーションにより - 104 -
関連する代謝経路の相互作用や HSCT 患者集団に最も関連する薬剤について 薬物相互作用を評価した 薬物相互作用の要約及び第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) の曝露 - 応答解析は [2.5.3.5 項 ] に詳述した また 得られた結果に基づき 添付文書 ( 案 ) の禁忌及び使用上の注意において注意喚起することとした これまでに得られている臨床試験成績は限られていることから 添付文書 ( 案 ) に以下の点を記載し 注意喚起することとした 重度 (Child-Pugh 分類 C) の肝機能障害のある HSCT 患者では レテルモビルの安全性を評価していない レテルモビルの血中濃度が増加するおそれがあるため 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとした クレアチニンクリアランスが10 ml/min. 未満又は透析中の HSCT 患者では レテルモビルの安全性を評価していない レテルモビルの薬物動態及び代謝プロファイルから 末期腎障害又は透析が レテルモビルの消失に著しい影響を及ぼすとは考えられない しかし 中等度 (Child-Pugh 分類 B) の肝機能障害と中等度又は重度 ( クレアチニンクリアランス <50 ml/min) の腎機能障害を合併する患者ではレテルモビルの安全性を評価しておらず レテルモビルの血中濃度が増加するおそれがあるため 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとした レテルモビル注射剤の添加物として含有されている HPCD( シクロデキストリンの一種 ) は 中等度又は重度の腎機能障害患者で蓄積するおそれがある 第 Ⅲ 相試験で検討したレテルモビル注射剤の曝露状況から レテルモビルの対象集団では静脈内投与や投与期間に対する特別な制限を設ける必要はない 全体として HSCT 患者におけるレテルモビルの注射剤の忍容性は良好であり 腎毒性を示唆するエビデンスは認められなかった 001 試験でのレテルモビルの静脈内投与の使用経験は限られており レテルモビル注射剤の投与を受ける中等度又は重度の腎機能障害者では 血清クレアチニン値を十分に観察することとした ベネフィット / リスク比の全体的な評価以上より レテルモビルのベネフィット / リスク比は極めて良好である 移植後 24 週までの臨床的に意味のある CMV 感染の予防において レテルモビルは高い効果を示し プラセボと比較した相対リスクは約 40% 減少した (NNT は5 人 ) 患者の背景因子 CMV 感染のリスク因子 併用免疫抑制レジメン及び HSCT 移植前処置前レジメンなどの様々な部分集団において 一貫した有効性が実証された 移植後最長 14 週間のレテルモビルの予防投与により 死亡の相対リスクは移植後 24 週までに大きく減少し 移植後 48 週まで持続した ( 相対リスクが約 18% 減少 ) レテルモビルの忍容性は概して良好であり 安全性プロファイルはプラセボと類似していた なお 認められた ( 重要な ) リスクについては リスクを最小化できるように添付文書案で注意喚起することとした レテルモビルは HSCT 患者における CMV 感染及び感染症を安全に予防でき 既存の薬剤では解決できなかったアンメットメディカルニーズを満たす薬剤である 第 Ⅲ 相試験 (001 試験 ) にお - 105 -
いて レテルモビルの予防投与により臨床的に意味のある CMV 感染の予防において大きなベネフィットが得られ さらに全死亡率 ( 原因を問わない死亡 ) が著明に減少することが確認された 日本人では移植後 24 週の有効性の主要評価項目で全集団と同様の結果は示されなかったものの 全体的な有効性プロファイルは全集団と同様であると考えられ 全集団と同様に CMV 感染の予防において大きなベネフィットが得られると考えられる 特に 日本人において全集団と同様に移植後 14 週の CMV 感染を抑えることができたが この期間に副作用が懸念される抗 CMV 薬の使用を回避できることは 患者の状態管理の観点からも臨床的意義は大きい さらに CMV 感染を予防することにより 全集団と同様に全死亡の減少が期待できる 結論移植直後 ( 移植後 4 週以内 ) から移植後 14 週までレテルモビル又はプラセボの投与を受けた CMV 抗体陽性の成人同種 HSCT 患者において 以下の結論を得た レテルモビル群は プラセボ群と比較して 移植後 24 週までに臨床的に意味のある CMV 感染がみられた患者の割合が低く また 移植後 24 週までに臨床的に意味のある CMV 感染がみられるまでの期間が長く 臨床的に意味のある CMV 感染の予防に関してプラセボに対するレテルモビルの優越性が確認された 部分集団 ( 患者の背景因子 CMV 感染のリスク因子 併用免疫抑制レジメン及び HSCT 移植前処置レジメン ) 別の評価でも レテルモビルの予防効果が一貫して示された 移植後 48 週までの全死亡率及び非再発死亡率は プラセボ群よりレテルモビル群で明らかに低かった 有効性の主要評価項目及び特定の有害事象に関して 曝露量依存性は認められなかった 併用投与される可能性が高い薬剤の薬物動態に及ぼすレテルモビルの影響及びレテルモビルの薬物動態に及ぼす併用薬剤の影響は特定されている HSCT 患者におけるレテルモビルの忍容性は概して良好であり 安全性プロファイルはプラセボ群と概して類似しており 骨髄毒性 腎毒性又は肝毒性を示唆する事象は認められなかった 全体として レテルモビルの安全性プロファイルは良好である - 106 -
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