GenomeLab GeXP Genetic Analysis System Sequenci Chemistry Protocol シークエンスケミストリープロトコル V.5
1. 反応試薬と消耗品について 1-1. 弊社供給試薬 製品名製品番号保存条件 DTCS クイックスタートキット (100 反応 ) 608120-20 DTCS クイックスタートキットに含まれている試薬キット内の試薬はミネラルオイル以外 -20 で保存してください マスターミックス凍結 融解回数を抑えるために 小分けして使用されることをお薦めします puc18 コントロールテンプレート (0.25µg/µL 15µL) puc18(dsdna,2685bp) GenBank での配列と若干異なります シークエンス反応には 0.5µL ご使用ください M13-47 シークエンスプライマー (1.6pmol/µL 240µL) 5 -d(cgc CAG GGT TTT CCC AGT CAC GAC)-3 GC 含量 62.5% Tm=79.8 グリコーゲン (20mg/mL 110µL) シークエンス反応後 エタノール沈殿する際に使用します 代用品 : ロシュ ダイアグノスティックス社 Glycogen(cat# 901 393) サンプルローディングソリューション (SLS) (6mL) シークエンス産物の精製後に使用するサンプルの溶解液です 凍結 融解回数を抑えるために 小分けして使用されることをお薦めします SLS は 必ず弊社製品をご使用ください SLS サンプルローディングソリューション ( 製品番号 :608082) Mineral Oil (5mL) サンプルを SLS に溶解させ専用のサンプルプレートに移した後 サンプル保護のために添加します 代用品 :SIGMA 社 Mineral Oil (cat# M5904) 1-2. その他の試薬 シークエンス反応後 塩の除去をエタノール沈殿にて行いますので 下記試薬をご準備ください 99.5% EtOH 分子生物学グレードのエタノール及び H 2 O をご使用ください 70%(v/v) EtOH/H 2 O 室温で保存してください 3M NaOAc(pH5.2) 推奨品 :SIGMA 社 3M Sodium Acetate (ph5.2) (cat# S7899 100mL) 100mM Na 2 -EDTA(pH8.0) 推奨品 :SIGMA 社 0.5M Na 2 -EDTA(pH8.0)* (cat# E7889 100mL) * 希釈してご使用ください 1-3. 泳動における消耗品 泳動における消耗品は 下記の CEQ/GeXP シリーズ専用品を必ずご使用ください 製品名製品番号使用期限保存条件 キャピラリーアレイ 608087 常温で 1 か月 /100 ラン 4 ( 未使用時 ) 注セパレーションゲル (12 ラン ) 608010 常温で 3 日間 4 セパレーションバッファ (4/pk) 608012 4 サンプル用マイクロタイタープレート (25/pk) 609801 常温 バッファ用マイクロタイタープレート (100/pk) 609844 注 )CEQ8800/GeXP デュアルレールの場合は 20mL セパレーションゲル ( 製品番号 :391438) をご使用ください
2. テンプレート DNA とシークエンスプライマーについて 2-1. テンプレートDNA についてテンプレート DNA の準備 PCR 産物の場合 アガロースゲル電気泳動にてシングルバンドであることを確認してください 分光光度計で A260/A280 値を測定し 濃度及び純度を確認してください テンプレート濃度を 50~100/µL に調整してください (1) テンプレート量 ( プライマーとの比を考慮するため mol 数で表示しています ) dsdna 100fmol (50~100fmol) ssdna 50fmol (25~50fmol) PCR product 50fmol (25~100fmol) (2) DNA サイズによるテンプレート量 () の換算表 注 ) プラスミド DNA テンプレートの場合は ベクターとインサートの合計サイズを基準にしてください Total Size (kbp) for 25 fmol for 50 fmol for 100 Total Size (kbp) for 25 fmol for 50 fmol for 100 fmol fmol 0.2 3.3 6.5 13 6.0 100 195 390 0.3 4.9 9.8 20 7.0 115 230 455 0.4 6.5 13 26 8.0 130 260 520 0.5 8.1 16 33 9.0 145 300 580 1.0 16 33 65 10.0 165 325 650 1.5 24 50 100 12.0 195 390 780 2.0 33 65 130 14.0 230 455 910 2.5 41 82 165 16.0 260 520 1040 3.0 49 100 195 18.0 295 585 1170 3.5 57 115 230 20.0 325 650 1300 4.0 65 130 260 25.0 410 820 1650 4.5 72 145 290 30.0 490 1000 1500~ 5.0 80 165 325 40.0 650 1300 2000 (*1) (*1) テンプレート DNA 使用量は 20µg が最大値となります 2-2. シークエンスプライマーについて (1) 量について 3.2pmol/1sample 通常 1.6pmol/µL に濃度調製します プライマーは テンプレート量の 40 倍以上 (mol 比 ) になるよう添加しています (2) デザインについて 17~25bases Tm 値 55 以上になるようにプライマーを設計してください
3. シークエンス反応プロトコル 3-1. PCR 産物テンプレート PCR チューブに 下記のとおりサンプルと試薬を混合し シークエンス反応を行います DNA テンプレート -- µl (50fmol) プライマー 2µL (1.6pmol/µL) マスターミックス 8µL H 2 O -- µl トータル 20µL / サンプル Steps Temp Time Cycles 96 20sec 1 50 (*2) 20sec 60 4min (*3) (1~4min) 2 4 Forever (*5) 30 (*4) (30~50) (*2) プライマーの Tm 値が 55 より高い場合 シークエンス反応のアニーリング温度を上げることができます (*3) 伸長反応の時間を短くすることが可能です シークエンス結果をみて適宜短縮してください (*4) サイクル数を増やすことができます サイクル数を増やすことでシークエンス産物が増えシグナルが強くなる可能性があります (*5) 4 の状態で 2~3 日程度保存することができます -20 で保存した場合 約 1 か月保存可能です 3-2. プラスミド DNA テンプレート (1) スーパーコイル状のプラスミド DNA の反応効率を上げるために シークエンス反応前にプレヒートを行い ニック を入れ スーパーコイルの状態を緩和します プレヒートによって過剰な ニック が入るような熱に弱いテンプレートではプレヒートを行わないでください 熱に弱いテンプレートでプレヒートを行うとテンプレートが断片化され過ぎ 長いシークエンス産物を得ることができません (1) PCR チューブに DNA テンプレートと H 2 O を取り サーマルサイクラーでプレヒート処理を行います ( *6 ) DNA テンプレート -- µl (100fmol) H 2 O -- µl トータル 10µL 96 1min (*6) ただちに氷冷 Spin Down (*6) プレヒートの至適温度や時間はサンプルのサイズや状態などによって異なります (2) プレヒートしたテンプレートにプライマー マスターミックスを加えます Pre-Heated DNA テンプレート 10µL (100fmol) DTCS マスターミックス 8µL プライマー 2µL (1.6pmol/µL) トータル 20µL Steps Temp Time Cycles 96 20sec 1 50 (*2) 20sec 60 4min (*3) (1~4min) 2 4 Forever (*5) 30 (*4) (30~50)
3-3. ベタインついてベタインは天然の浸透性保護剤で DNA テンプレートの G,C-rich 領域の Tm 値を下げる効果があり 水素結合の解離を容易にするといわれています その結果 シークエンス反応においてテンプレートの G,C-rich 領域へより多くの酵素がアクセスできるようになりシークエンス結果を得ることができます DNA テンプレート -- µl (50~ 100fmol) プライマー 2µL (1.6pmol/µL) マスターミックス 8µL 5M ベタイン 4µL (*7) H 2 O -- µl トータル 20µL / サンプル Steps Temp Time Cycles 96 20sec 1 50 (*2) 20sec 60 4min (*3) (1~4min) 2 4 Forever (*5) 30 (*4) (30~50) [ 5M ベタインの調製 ] (*7) ベタインの至適濃度はサンプルによって異なります ベタインは最大最終濃度 2M まで使用することができます 準備するもの Betain free base Anhydrous 100g (SIGMA 社 cat# B2629) 0.2µm ナイロンフィルタ (MILLIPORE 社マイレクス GV25 cat# SLGV025LS) DNase, RNase-Free H 2 O 調製方法 1 ベタインを H 2 O に溶解し 5M の水溶液を調製 2 フィルタで濾過 3 濾過した 5M ベタインは使いやすい量を小分けして -20 に保存 3-4. puc18 コントロールテンプレート (DTCS クイックスタートキットに付属 ) DTCS Quick Master Mix に含まれる puc18 コントロールテンプレートは キットに付属している M13-47 プライマーを使用し プラスミド DNA と同様にシークエンス反応を行ってください (1) PCR チューブに DNA テンプレートと H 2 O を取り サーマルサイクラーでプレヒート処理を行います (*6) コントロールテンプレート 0.5µL (100fmol) H 2 O 9.5µL トータル 10µL 96 1min (*6) ただちに氷冷 Spin Down (2) プレヒートしたテンプレートにプライマー マスターミックを加えます Pre-Heated DNA テンプレート 10µL (100fmol) DTCS マスターミックス 8µL M13-47 プライマー 2µL (1.6pmol/µL) トータル 20µL Steps Temp Time Cycles 96 20sec 1 50 20sec 30 60 4min 2 4 Forever (*5)
4. シークエンス反応後の精製からサンプルプレートへのセットアップ 4-1. エタノール沈殿 1.5mL Microfuge Tube で行います 注 ) Molecular BioProducts 社製 ART Aerosol Resistant Tips を使用した場合 SLS により不純物が溶出され結果に影響を与える場合がありますのでご注意ください (1) Stop Solution をサンプル +1 の数量分を調製します Stop Solution / 1sample( 用時調製 ) 3M-NaOA 2µL 100mM Na 2 -EDTA 2µL 20mg/mL-Glycogen 1µL ( キット付属 ) (2) 1.5mL チューブに Stop Solution を 5µL ずつ分注します (3) シークエンス反応液を全量 Stop Solution を分注したチューブに移し 軽く混和します (4) 60µL の 99.5% エタノールを加え転倒混和します (5) 直ちに 14,000rpm 15 分 4 で遠心します ( *8 ) 14,000rpm 15min 4 (*8) シークエンスサンプルのエタノールへの暴露は最小限にしてください (6) 上清を取り除き 200µL の 70% エタノールで 14,000rpm 2 分遠心しペレットを 2 回リンスします Wash 14,000rpm 2min 2 (7) エタノールを揮発させます ( *9 ) (8) サンプルローディングソリューション [SLS](40µL) に溶解します ( *10 ) (9) SLS に溶解させたサンプルを全量サンプルプレートに移し ミネラルオイル (DTCS キット付属 ) を各ウエルに 1 滴ずつ滴下します Vacuum Dry 2~5min SLS に溶解 サンプルをプレートへ移すミネラルオイルを滴下 (*9) 熱をかけないでください Vacuum dry できない場合は 遮光しドラフト デシケータなどで 5-10 分程度乾燥させてください (*10) SLS は最低 30µL 必要です 30µL 以下になるとキャピラリーにサンプルがインジェクトされない場合があります GeXP / CEQ 4-2. シークエンスサンプルの保存についてペレットをエタノール中や乾燥状態で長時間おかないでください シークエンスサンプルを長時間保存する場合は必ず SLS に溶解してください サンプルプレートに移した後にミネラルオイルを滴下し 遮光した状態で保存してください SLS に溶解させたサンプルは 4 で 2~3 日 -20 であれば約 1 カ月保存が可能です