Ⅰ. 調査概要 1. 調査目的児童の食事状況を調査し 食品の摂取状況や栄養摂取量等を把握することにより 食の指導 教育に活用し 児童の正しい食習慣の育成に役立てるための資料とする 2. 調査の対象者及び種類佐賀市内の小学校 7 校に在籍する小学 5 年生の男子 117 人 女子 118 人の計 23

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2) エネルギー 栄養素の各食事からの摂取割合 (%) 学年 性別ごとに 平日 休日の各食事からのエネルギー 栄養素の摂取割合を記述した 休日は 平日よりも昼食からのエネルギー摂取割合が下がり (28~31% 程度 ) 朝食 夕食 間食からのエネルギー摂取割合が上昇した 特に間食からのエネルギー摂取

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2214kcal 410g 9.7g 1 Point Advice


Shokei College Investigation into the Physical Condition, Lifestyle and Dietary Habits of the Members of a Boy s Soccer Team and their Families (1) Ph

私の食生活アセスメント

結果の概要 1 栄養 食生活に関する状況 (1) 野菜の摂取状況 20 歳以上における 1 日の野菜摂取量の平均値は 288.1g 性別にみると男性 297.1g 女性 281.1g 年齢階級別にみると 男女ともに 40 歳代で最も少ない 図 1 野菜摂取量の平均値 (20 歳以上 性 年齢階級別

【0513】12第3章第3節

1 栄養成分表示を活用してみませんか? 媒体の内容 1 ページ 導入 ねらい : 栄養成分表示 とは 食品に含まれているエネルギー及びたんぱく質 脂質 炭水化物 食塩相当量などを表示したものであることを理解する 栄養成分表示を見たことがありますか? と問いかけ 普段から栄養成分表示を見ているか 見て

Microsoft Word - P  第1部(第1表~第6表)

Ⅵ ライフステージごとの取り組み 1 妊娠期 2 乳幼児期 (0~5 歳 ) 3 学童期 (6~12 歳 ) 4 思春期 (13~19 歳 ) 5 成年期 (20~39 歳 ) 6 壮年期 (40~64 歳 ) 7 高年期 (65 歳以上 ) ライフステージごとの取り組み ( 図 )

青年期を対象とした携帯食事手帳システムの提供 目 次 1. 目的 1 2. 携帯食事手帳システムの概要 1 (1) システムの基礎データ 1 (2) 利用方法 1 (3) 確認できる情報 1 3. 携帯食事手帳利用の手引き 2 (1) 携帯食事手帳 (QRコード) 3 (2) 料理選択の仕方 4 (

食品群別栄養素等摂取量 - 食品群 栄養素別 摂取量 - 総数 歳 E B 1 B 2 C 飽和一価不飽和 n-6 系 n-3 系脂肪酸脂肪酸脂肪酸脂肪酸 mg g 総量 水溶性 不溶性 μgre 1 μg mg 2 μg mg mg mgne 3 mg μg μg mg mg mg g

食育に関するアンケート

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小学校 第○学年 学級活動(給食)指導案

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Microsoft Word - ☆5章1栄養.doc

保健機能食品制度 特定保健用食品 には その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をすることができる 栄養機能食品 には 栄養成分の機能の表示をすることができる 食品 医薬品 健康食品 栄養機能食品 栄養成分の機能の表示ができる ( 例 ) カルシウムは骨や歯の形成に 特別用途食品 特定保健用

2 夜食 毎日夜食をとっている者は では 22.5%( 平成 23 年 23.9%) であり で % と割合が高い では 18.3%( 平成 23 年 25.2%) であり 40 歳代で割合が高い 図 夜食の喫食状況 (15 歳以上 性別 年齢階級別 )

日常的な食事に関する調査アンケート回答集計結果 ( 学生 ) 回収率 平成 30 年 12 月 1 日現在 134 人 問 1 性別 1 2 男性女性合計 % 97.0% 100.0% 3.0% 男性 女性 97.0% 問 4 居住状況 家族と同居一人暮らし

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食育って, ご存知ですか? 食育とは 生きる上での基本であって, 知育, 徳育及び体育の基礎となるべきもの 様々な経験を通じて 食 に関する知識と 食 を選択する力を習得し, 食育の推進に取り組んでいます! 28 年 ( 平成 2 年 )3 月に 福山市食育推進計画,213 年 ( 平成 25 年

お子さんの成長にあわせ お母さんの食生活を見直してみませんか? お子さんの成長にあわせて あなたの食生活をかえるチャンスがあります 3 か月 か月 か月

結果の概要

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ウ食事で摂る食材の種類別頻度野菜 きのこ 海藻 牛乳 乳製品 果物を摂る回数が大きく異なる 例えば 野菜を一週間に 14 回以上 (1 日に2 回以上 ) 摂る人の割合が 20 代で 32% 30 代で 31% 40 代で 38% であるのに対して 65 歳以上 75 歳未満では 60% 75 歳以

有り ) については, おもに食べる主食 は, パンが5 人, ごはんが3 人, コーンフレークが1 人, おもに食べる主菜 は, 肉, ハム, などが4 人, 豆腐, 納豆などが1 人, 食べないが3 人, おもに食べる副菜 は, みそ汁が4 人, 炒め物が2 人, サラダが1 人, 食べないが2

肥満と栄養cs2-修正戻#20748.indd

食育に関するアンケート

実践内容 (1) 視点 1 教育活動全体で推進できるよう 指導体制を整備し 食に関する指導の充実 を図る 1 食育全体計画の整備既存の食育全体計画を見直し 教科 学級活動における食に関する指導の時間を確保するとともに 栄養教諭とのティーム ティーティング ( 以下 TT) についても明記した また


学校給食摂取基準の策定について(報告)

活実態と関連を図りながら重点的に指導していきたい また, 栄養教諭による給食献立の栄養バランスや食事によるエネルギー量を基盤として, グループごとに話合い活動を取り入れるなどの指導の工夫を行いたい また, 授業の導入にアイスブレイクや, カード式発想法を取り入れることにより, 生徒が本気で語ることが

②肥満 やせの状況 3 歳児における肥満児の割合は減少していました 成人男性の肥満は横ばいで 代女性の肥満は増加傾向がみられました 一方 20 代女性のやせは倍増しており 肥満だけでなく 子どもを産み育てる世代への支援が必要となります 20代 60代の肥満 BMI 25以上 の割合 肥満

各推進主体の具体的な取り組み 家庭 幼稚園 保育所 関係団体 家族で一緒に朝 早寝 早起き 朝 朝食の大切さを 食を食べる日を ごはんを推進し 伝えていきまし 増やしま ま ょう 朝食の大切さ 早寝 早起き 朝 園便りや給食便 簡単に作れる朝 の推進 ごはんを心がけ りで食育推進を 食のメニューを

(3) 生活習慣を改善するために

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第 3 4 学年 ( 複式学級 ) 学級活動指導案 平成 26 年 6 月 11 日 ( 水 ) 第 5 校時指導者教諭 ( 学級担任 ) 養護教諭 1 題材 バランスよく食べよう ( 第 3 学年及び第 4 学年 (2) 日常の生活や学習への適応及び健康安全キ食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい

2. 今年度の実践から 1 CS 給食試食会や保護者参加の授業での実践日常学級担任が感じていることや, 生活や食事の調査結果から, 当日の参加者や学年の課題をとりあげ資料を作成した 6 月 1 年保護者給食試食会排便や朝食内容の問題点 朝型の生活リズムの必要性 6 月 CS 給食試食会休日における牛

学校給食実施基準施行通知

平成16年度学校給食試食会

Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%

平成 29 年度食育活動の全国展開委託事業報告書 ( 食生活と農林漁業体験に関する調査 ) 平成 30 年 2 月

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特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会 報告書46~63ページ

小学生のカルシウム摂取量に寄与する食品の検討 小学生のカルシウム摂取量に寄与する食品の検討 小川瑞己 1 佐藤文佳 1 村山伸子 1 * 目的 小学生のカルシウム摂取の実態を把握し 平日と休日のカルシウム摂取量に寄与する食品を検討する 方法 2013 年に新潟県内 3 小学校の小学 5 年生全数 3

都市部中学生女子の食事調査 食事バランスおよび食品構成に関する検討 は, 本人あるいは母親に対して, 食事調査問診票 ( 食物摂取頻度法による ) を用いて2010 年, 2011 年,2012 年の 1 月に行った 食事調査問診票は, エクセル栄養君食物摂取頻度調査 2),3) の質問票を元に一部

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H22栄養調査

学校給食摂取基準の活用 学校給食摂取基準は全国平均を示したものであるから その考え方を踏まえた上で 各学校の実態に応じた摂取基準 ( 給与栄養目標量 ) 作成する必要がある EER 算出シートに数字を打ち込めば EER( 推定エネルギー必要量 ) は算出できるが 専門職 ( 管理栄養士 栄養士 )

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私の場合 上記表より男性 年齢 51 歳の所を確認しました 活動量低い 普通以上を選択します 活動量は低いにあてはまります ( 座り仕事が中心 歩行 軽いスポーツ等は 5 時間未満 ) 表よりエネルギーは 2200±200 キロカロリーになり 1 日にとる 5 種類の分類のうち摂取量 ( つ (SV

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2 お好み焼は約半数が 家庭で作る派 お店派 は約 4 割 1 年以内に食べたことのあるお好み焼 についての問い ( 複数選択 ) において 家庭で作る関西お好み焼 を選んだ人が約半数の 55.5% 次いで多かったのが お好み焼店などの外食店で食べるお好み焼( 持ち帰り含む ) ( 以下 お店 )

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平成 29 年度広島県立庄原特別支援学校食に関する年間指導計画小学部重複障害学級 遊びの指導 生活単元学習 給食の食材や献立について知る 正しい手洗いを身に付ける 協力して配膳ができる 給食の食材や献立について知る バランスよく, 何でも食べる 必要な水分を上手に摂取する 食後の片付けができる しっ

平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果(概要)

Q ふだん どんな食事を食べていますか? よく食べる料理は? あまり食べない料理は? よく食べる料理に をつけてみましょう 副菜 野菜やいも 海藻などを主な材料とした料理主食や主菜で不足する栄養面の補強をし 食事に味や彩りなどの多様さをもたらす 主菜 魚や肉 卵や大豆などを主な材料とした料理副食の中

給食の時間における食に関する指導事例 ( 小学校第 6 学年 ) 1 主題戦争中の食事を体験しよう 2 関連教科等 単元名社会科 長く続いた戦争と人々のくらし 3 献立名麦ごはん めざし みそ汁 たくわん 4 ねらい戦争中の食糧不足の食事を通して 食糧不足の時代と今の時代の食生活の違いが分かる <

(2) 朝食の内容について Q2. 普段 ( 月 ~ 金曜日 ) どのような朝食を食べていますか あてはまる番号をすべて で囲んでください アンケート結果 小学生 中学生とも傾向は似ており 1 主食 が最も多く 次いで 4 牛乳 乳製品 7 飲み物 2 主菜 の順となっています 主食の割合に対して

gh 第 6 学年 3 組家庭科学習指導案 単元名 : わたしは料理家 ~ おすすめ給食献立を考えよう ~ 朝食から健康な 1 日の生活を 男子 15 名 女子 14 名計 29 名 指導者 T1 宮地仁美 ( 学級担任 ) T2 須山明香 ( 栄養教諭 ) 題材について 小学校学習指導要領家庭科第

第 4 章 地域における食育の推進 1 栄養バランスに優れた 日本型食生活 の実践 ごはんを中心に 魚 肉 牛乳 乳製品 野菜 海藻 豆類 果物 茶など多様な副食などを組み合わせて食べる 日本型食生活 は 健康的で栄養バランスにも優れている 農林水産省では 日本型食生活 の実践等を促進するため 消費

識及び技能を活用して総合的に学習できるような教材である 家庭の食事や給食について振り返ってバランスよく食品を組み合わせて食事をとる大切さを理解させたり, 体に必要な栄養素の種類と働きを知り 1 食分の献立を考えさせたりする 栄養バランスを考えた 1 食分の献立を計画することは, 小学校での 2 年間

2. 栄養管理計画のすすめ方 給食施設における栄養管理計画は, 提供する食事を中心とした計画と, 対象者を中心とした計画があります 計画を進める際は, それぞれの施設の種類や目的に応じて,PDCA サイクルに基づき行うことが重要です 1. 食事を提供する対象者の特性の把握 ( 個人のアセスメントと栄

第 3 部食生活の状況 1 食塩食塩摂取量については 成人男性では平均 11.6g 成人女性では平均 10.1gとなっており 全国と比較すると大きな差は見られない状況にあります 図 15 食塩摂取量 ( 成人 1 日当たり ) g 男性

日本スポーツ栄養研究誌 vol 目次 総説 原著 11 短報 19 実践報告 資料 45 抄録

刈谷市食育推進計画

第2次帯広市食育推進計画(名古屋市パクリ)

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第 4 学年学級活動学習指導案 1 題材名 バランスよく食べよう ( キ食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食生活の形成 ) 2 題材について (1) 児童の実態 < 男子 11 名 女子 15 名計 26 名 > 本学級は 元気で明るい子どもたちが多い学級である 給食時間は 放送をよく聞いたり

調査の概要 本調査は 788 組合を対象に平成 24 年度の特定健診の 問診回答 (22 項目 ) の状況について前年度の比較から調査したものです 対象データの概要 ( 全体 ) 年度 被保険区分 加入者 ( 人 ) 健診対象者数 ( 人 ) 健診受診者数 ( 人 ) 健診受診率 (%) 評価対象者

Q1. あなたが 普段健康のために積極的に摂取している栄養成分 控えている栄養成分をお答えください ( 単数回答 ) n=1000 積極的に摂っている栄養成分 TOP5 積極的に摂っているどちらとも言えない摂取を控えている 水分 61.7% 34.1% 4.2% たんぱく質 44.7% 48.4%

平成 30 年度広島県立庄原特別支援学校食に関する年間指導計画小学部重複障害学級 食べ物と健康との関わりについて知ろう 給食について知ろう 学習 遊びの指 導 生活単元 給食の食材や献立について知る 正しい手洗いを身に付ける 協力して配膳ができる 食後の片付けができる しっかりかむ習慣を身に付け,

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栄養管理報告書 ( 保育所 幼稚園等 ) 保健所長 殿 年 月分 施設名所在地管理者名電話番号 Ⅰ 施設種類 Ⅱ 食事区分別 1 日平均食数及び食材料費 Ⅲ 給食従事者数 1 幼稚園 2 保育所 ( 認可 ) 3 認定こども園 4 その他 ( 認証保育所等 ) 食数及び食材料費 施設側 ( 人 )

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1-2 小学校との連携を図るための連絡協議会等の連携組織の有無 Q: 小学校との連携を図るための連絡協議会等の連携組織がありますか ( 該当するもの1つ選択 ) [n=187] ない 46.8% ある 53.2% 連携組織がある の回答が全体の約 5 割と低い 2 基本的生活習慣について 2-1 は

00. (案トレ)調査の概要

平成 28 年度 第 1 回境港市学校給食センター運営委員会 1 日時 : 平成 28 年 10 月 27 日 ( 木曜日 )10:00~ 2 場所 : 境港市学校給食センター研修室 3 内容 (1) 報告事項 1 平成 28 年度学校給食の実績について 2 学校給食センターの取組について 3 アイ


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睡眠調査(概要)

カテゴリー別人数 ( リスク : 体格 肥満 に該当 血圧 血糖において特定保健指導及びハイリスク追跡非該当 ) 健康課題保有者 ( 軽度リスク者 :H6 国保受診者中特定保健指導外 ) 結果 8190 リスク重なりなし BMI5 以上 ( 肥満 ) 腹囲判定値以上者( 血圧 (130 ) HbA1

(2) 学校給食用物資の取扱予定数量 分類 平成 29 年度 平成 28 年度 増減 基本物資 ( 主食 ) 取扱数量 パン 17,476,000 食 17,861,000 食 385,000 食 米飯 82,894,000 食 82,695,000 食 199,000 食 めん類 9,900,00

24013 パインアップルすりおろし パインアップルすりおろし エネルギー (kcal) 68 ナトリウム (mg) 10 水分 (g) 83 カリウム (mg) 81 たんぱく質 (g) 0.4 ビタミンC(mg) 48 炭水化物 (g) 16.3 食塩相当量 (g) 0 エネルギー

札幌鉄道病院 地域医療連携室だより           (1)

栄養表示に関する調査会参考資料①

H27地 08 子どもの食と栄養

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本日の内容 1. クイズから学ぶ米の優位性 2. 主食米としての自給率は 100% であるのに 米の消費 摂取量の漸減現象が止まらない 3. 家庭と外食の双方からの食育および食料自給率対策が必要 4. 歴史的に見る白米ごはんの受難 5. ごはん食の栄養的優位性 6. まとめ 1

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せきがはら10月号.ec6

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Ⅰ. 調査概要 1. 調査目的児童の食事状況を調査し 食品の摂取状況や栄養摂取量等を把握することにより 食の指導 教育に活用し 児童の正しい食習慣の育成に役立てるための資料とする 2. 調査の対象者及び種類佐賀市内の小学校 7 校に在籍する小学 5 年生の男子 117 人 女子 118 人の計 235 人を対象とした 本調査は 食事記録調査食事記録調査及び及び食生活アンケート調査食生活アンケート調査の 2 部で構成した ( 表 1) 表 1 調査対象者内訳対象者 協力者 ( 回収率 ) 食事記録調査食生活アンケート調査 A 小学校 29 人 28 人 (96.6 96.6%) 29 人 (1 1.%) B 小学校 52 人 39 人 (75. 75.%) 48 人 (92.3%) C 小学校 28 人 26 人 (92.9 92.9%) 27 人 (96.4%) D 小学校 34 人 32 人 (94.1%) 34 人 (1.%) E 小学校 35 人 31 人 (88.6 88.6%) 34 人 (97.1 97.1%) F 小学校 24 人 24 人 (1. 1.%) 24 人 (1. 1.%) G 小学校 33 人 28 人 (84.8 84.8%) 33 人 (1.%) 計 7 校 235 人 8 人 (88.5%) 229 人 (97.4%) 3. 調査期間平成 27 年 6 月 21 日 ( 日 ) 及び 22 日 ( 月 ) の連続する 2 日間で 休日 ( 学校給食がない日 ) と 平日 ( 学校給食がある日 ) を選んだ 1

Ⅱ. 結果の概要 1. 栄養摂取状況平成 27 年度食事状況調査における児童 1 人 1 日当たりの栄養素等摂取量を 休日 と 平日 平日 に分け 男女別に示した ( 表 2) 休日 のほうが 平日 よりも多く摂取していたものは 食塩 ( 男女共 ) エネルギー ( 男女共 ) たんぱく質 ( 男子 ) 脂質 ( 男子 ) である また 男女共にミネラル ビタミン A ビタミン B1 ビタミン C 食物繊維は 給食がある日 の方が多く摂取しており 特にカルシウムの両日の差が差が 男子 227mg 女子 247mg と大きかった 表 2 栄養素等摂取量 ( 平成 27 年度 ) 休日 平日 栄養素等別 男子 女子 男子 女子 エネルギー kcal 96 1899 1979 1885 たんぱく質 g 74.7 66. 74.3 7.8 脂質 g 72.3 64.3 7.2 73.2 カルシウム mg 397 41 674 657 マグネシウム mg 2 183 237 236 鉄 mg 7.1 6.2 7.2 7.4 亜鉛 mg 8.7 7.8 9. 7.9 ビタミン A μgre 352 423 646 557 ビタミン B 1 mg.91.82 1.35 1.26 ビタミン B 2 mg 1.33 1.31 1.38 1.25 ビタミン C mg 69 62 79 78 食物繊維 g 1.5 9.8 13.2 12.2 食塩 g 8.2 8.6 7.7 7.1 2

2. 食品摂取状況平成 27 年度食事状況調査における児童 1 人 1 日当たりの食品群別摂取量を 休日 と 平日 に分け 男女別に示した ( 表 3) 休日 の方が 平日 よりも特に摂取量が多かったものは 男女共に の方が 平日 よりも特に摂取量が多かったものは 男女共に 穀類 菓子類 嗜好飲料 肉類肉類 卵類 卵類であった であった 特に嗜好飲料の両日の差が 男子 118.4g 女子 38.6 g と大きかった 休日 の方が 平日 よりも特に摂取量が少なかったものは 緑黄色野菜 その他の野菜 乳 乳製品であった 乳 乳製品の両日の摂取差は男子 222.2g 女子 189.2g と大きかった 評 3 食品群別摂取量 ( 平成 27 年度 ) 休日 食品群別 男子 女子 平日 男子 女子 穀類 g 281.1 26.5 24. 236.2 種実類 g 1.1 1.1.6 2.1 いも類 g 3.5 28.9 3.2 33.8 砂糖類 g 4.6 4.4 5.3 6.4 菓子類 g 8.2 79.2 5.2 49.8 油脂類 g 12.5 11.1 1.4 11.1 豆類 g 31.2.8 39.7 35.5 果実類 g 73.6 66.2 63.4 83.2 緑黄色野菜 g 5.7 49.2 67. 76.9 その他の野菜 g 95.7 11.5 158.5 165.8 きのこ類 g 2.8 4.4 13.5 11.9 藻類 g 1.9 3.1 5.1 5.8 調味料 g 41.8 44.3 53.1 45. 嗜好飲料 g 161.7 7.7 43.3 32.1 魚介類 g 37.1 35.9 37.5 44.1 肉類 g 14.6 17.2 17.5 83.2 卵類 g 49.3 53.3.6 26.1 乳 乳製品 g 83.9 99.3 36.1 288.5 その他 g 12.2 15.7 14.7 6.4 3

3. 献立パターンの状況 ( 朝食のみ ) について全体的に 主食 飲み物 ( 汁物 ) の朝食 ( パターン 4) が最も多かった 男女を合わせて見ると 主食 主菜 副菜 がそろっていた ( パターン 78) 児童は 休日 で 21.% 平日 で 29.5% であった また 主食がないた 主食がない ( パターン 9) 児童は 休日 で 5.2% 平日 で 3.8% であった ( 図 1) なお 副菜をとっている児童は 休日 は 34.3% 3% 平日 は 39.% であった 3 図 1 朝食の献立パターンの状況 29.5 休日 19. 19. 22.9 21. 平日 1 12.9 11.9 11. 11. 11.4 9. 3.3 5.7 3.3 5.2 3.8 1 主食のみ 2 主食 主菜 3 主食 副菜 物(物)4 5 6 7 飲飲汁る みみ副物(物(菜 汁汁が揃物)物)っ 主食 飲み 主食 主菜 主食 副菜 8 主食 主い菜 て 9 以降 主食なし 献立パターンの参考 主食 パン ごはん 麺 シリアル サンドイッチ お好み焼きなど 主菜 卵焼き 焼き魚 納豆 野菜炒め ( 肉入り ) カレー すき焼きなど 副菜 和え物 サラダ くだものなど 飲み物 牛乳 ジュース スープ みそ汁など お茶などは含まない ( 汁物 ) のり ふりかけ 梅干し 漬物 プリン ゼリー アイス ケーキ等はどれにもいれない 4

4. 食生活アンケート調査の結果 (1) 朝食の欠食状況朝食を毎日食べている児童は 85.% であり 前回調査と比較して低下したと比較して低下した ( 図 2) 図 2 ( 問 1) 朝食を 1 週間 (7 日間 ) に何回食べますか ( 年次推移 ) 平成 27 年 85. 5.7 3.5 平成 25 年 85.8 4.6 4.6 平成 22 年 9.9 2.2 3.9 平成 21 年 82.9 7.6 3.3 平成 年 85.4 5.2 4.7 平成 19 年 84.3 7.1 6.1 % 1% % 3% 4% 5% 6% 7% 8% 9% 1% 毎日 6 回 5 回 4 回 3 回 2 回 1 回食べない無記入 (2) 朝食欠食の理由朝食を食べない理由としては 時間がない と回答した児童がと回答した児童が 49.1% 次いで 食べたくない と回答した児童が 21.8% 太りたくない と回答した児童が 5.5% であった いつも食べない と回答する児童がいなかった ( 図 3) 図 3 朝食を食べない時の理由 ( 年次推移 ) 平成 27 年 49.1 21.8 12.7 5.5 平成 25 年 64.3 21.4 1.7 3.6 平成 22 年 42.9 42.9 3.6 1.7 平成 21 年 46.6 43.1 8.6 1.7 平成 年 4. 51.4 5.7 2.9 平成 19 年 44.7 36.8 5.3 1.5 2.6 % 1% % 3% 4% 5% 6% 7% 8% 9% 1% 時間がない食べたくない準備ができていない太りたくないいつも食べない 5

(3) 朝食の食事形態朝食を 家族の中の誰かと食べる が 58.6% と最も多かった ( 図 4) 8 6 4 (%) 22.5 17.5 15.9 65.1 63.5 62.1 61.4 図 4 朝食はふだんだれと食べますか 58.6 平成 19 年平成 年平成 21 年 平成 22 年 57.6 平成 25 年 平成 27 年 24.7 19.2 18.6 19.6 17.7 18.6 16.4 18.6 15.6 1. 1.9.4.5 1.4.9 1 2 3 4 5 家族全員家族の中の誰か一人食べない無記入.9 (4) 朝食の手伝い状況朝食の手伝いを 毎日 毎日するする 児童は今年度若干増加児童は今年度若干増加した ( 図 5) 手伝いの内容は 食器出し 配膳 が最も多かった ( 図 6) 6 5 4 3 1 (%) 15.2 13.7 14.1 12.3 12.1 17.2 図 5 朝食の手伝いをしますか平成 19 年平成 年 4. 34.3 32.4 38.7 35.5 38.8 5.5 51.1 53.9 43.8 48.1 44.1 平成 21 年 平成 22 年 平成 25 年 平成 27 年 1..9 1. 1.3 毎日する 時々する しない 無記入 (%) 8 6 4 6.6 52.2 53.1 49.5 43.2 図 6 手伝いをする人は どのような内容ですか 43.8 22.7 17.4 18..4 12.6 13.4 11.9 13.9 9.6 平成 19 年 平成 年 平成 21 年 平成 22 年 平成 25 年 平成 27 年 32.4 23.6 22.6 22.1 11.7 11.3 14.6 7.3 2.8 3.5 3.1 1.7 食器出し 配膳盛付け パン焼き台拭き 後片付け調理米研ぎ.9 6

(5) 家庭での牛乳飲用状況家での牛乳摂取頻度は ほぼ毎日家で牛乳を飲んでいる児童は 29.1% で前回調査より減少しており 牛乳を家で飲まない児童が 22.9% と増加していた ( 図 7) 牛乳を飲まない理由は 多い順から 嫌い おいしくない 28 名 買わない 家にない 13 名 アレルギー等体調を崩す 5 名 お茶など他のものを飲む 4 名 等であった 図 7 家では牛乳をどのくらい飲んでいますか % % 4% 6% 8% 1% 平成 27 年 29.1 12.8 16.3 18.9 22.9 平成 25 年 25.6 17.8 17.8 22.8 16. 平成 22 年 33.3 19.5 16.9 15.6 14.3.4 平成 21 年 25.2 16.7 21. 15.2 21.4.5 平成 年 29.2 14.2.3.8 14.2 1.4 平成 19 年 3.8 18.7 19.2 22.7 3.8 8.1.5 (6) 野菜摂取の認識 野菜を普段 十分食べていると思う 児童は 72.7% で過去最も多かった ( 図 8) しか し実際の摂取状況をみると 緑黄色野菜を緑黄色野菜を十分に摂れている児童は休日で 16.3% 平日で 24.% であった 野菜摂取の目標量は 緑黄色野菜 9g その他の野菜 g である 今一度摂取 すべき量を認識する必要がある ほぼ毎日 週に3~4 回位 週に1~2 回位 ほとんど飲まない 飲まない 無記入 1 (%) 図 8 野菜をふだん食べていると思いますか 平成 19 年 平成 年 8 6 55.1 49.5 6. 62.3 68. 72.7 平成 21 年平成 25 年 平成 22 年 平成 27 年 4 十分食べていると思う 36.4 36.8 31.4 32.9 27.9 少ないと思う 22.5 8.6 13.7 8.6 4.8 4.1 分からない 4.8 7

(7) 起床時刻起床時刻は 6:3~7: 7: の時間帯が最も多く 37.4% であり 次いで 6:~ 6:3 の時間帯が多く 36.1% であった ( 図 9) (%) 6 図 9 起床時刻 5 4 36.1 43.4 4.6 4.5 39.9 37.3 34.3 38.1 37.4 平成 19 年平成 21 年平成 25 年 平成 年平成 22 年平成 27 年 3 1 9.1 16.2 7.1 1.8 16.4 14.5 32.5 34.3 3.6 15.2 11.8 15.6 8.6 11. 8.2.9 1.9 1.7 1.4 1.4.5.5 1. 1.3 6 時前 6 時 ~6 時半前 6 時半 ~7 時前 7 時 ~7 時半前 7 時半以降無記入 6 時前 6 時 ~ 6 時半前 6 時半 ~ 7 時前 7 時 ~ 7 時半前 7 時半以降無記入 (8) 就寝時刻就寝時刻は 21:3 :3~22 22: の時間帯が最も多く 3.% であり 次いで 21:3 前の時間帯が多く 26.9% であった ( 図 1) 4 3 1 (%) 12.1 22.6. 18.7 17.3 26.9 31.8 34.7 33.3 29.7 33.3 3. 28.3 17.9 19.5 図 1 就寝時刻.8 27.4 22. 18.2 17.5 16.5 11.9 17.1 8.6 7.6 11. 7.5 7.3 6.1 6.6 6.1 4.7 2.4 1..9 9 時半前 9 時半 ~1 時前 1 時 ~1 時半前 1 時半 ~11 時前 11 時以降無記入 9 時半前 9 時半 ~ 1 時前 1 時 ~ 1 時半前 1 時半 ~ 11 時前 平成 19 年 平成 21 年 平成 25 年 平成 年 平成 22 年 平成 27 年 11 時以降無記入 2.6 8

Ⅲ. まとめ エネルギー摂取状況及びバランスのとれた献立について例年 男女ともエネルギー摂取量が不足している傾向男女ともエネルギー摂取量が不足している傾向にある (1~11 歳の推定エネルギー必要量 : 男子 2,25kcal 女子 2,1kcal) 特に調査当初よりも 近年の調査はより不足傾向が強くなっている 原因としては 全体的に食事摂取量が少ないことが考えられるのだが ただ量を増やせばよいということではない 必要であるエネルギー摂取量は 個々人の体格や運動量により異なるので BMI や身体活動レベルに応じて考える必要がある 特に肥満傾向にある児童については エネルギー摂取の減少も考える必要があるが 極端な制限は成長期の体の調子を崩してしまう恐れがある どちらかというと身体活動の増加を重視身体活動の増加を重視していき バランスの良い食生活を勧めていく必要がある 例年の平均的な児童の食品群別摂取状況を見ると 主食である穀類 ( ごはん パン めんなど ) の摂取が少なく おもにたんぱく質や脂質の供給源となる肉 卵の主菜を中心とした食生活をおくっている傾向がある 特に休日にこの傾向が強い また脂肪エネルギー比率 ( 目標量 ~3 3%) が 3% 以上の児童は 約 5 割という結果も出ている 生活 成長に必要なエネルギーと栄養バランスを考えると 主食をしっかり摂り 副菜によって野菜の摂取も増加させ 主菜特に動物性脂肪の摂りすぎに注意をしていく必要がある 学校給食は これら主食 主菜 副菜 ( 汁物 ) に加え 牛乳 乳製品 果物を含めた5つの組み合わせで成り立っていることが多い それぞれの適量を知り 栄養バランスのよい食事を理解するための手立てとして 今後も学校給食を役立てたい 不足しがちな栄養素 カルシウムこの調査で 例年不足傾向を示している 今年度も 特に 休日 に不足していた これは 平日は毎日給食で牛乳を飲むが 休日はその分を家庭で飲んでいないためだと考えられる アンケートでは例年約半数約半数以上以上の児童が 家で牛乳を飲むのは週 1~2 回以下だと答えている 1 代は骨の成長期であり 骨量は~25 歳で最大となり その後は加齢とともに減少していく 将来 骨粗しょう症にならないためには 成長期にカルシウムを多く効率よくとり 骨量の最大値を高める必要がある 牛乳はカルシウムの吸収率が他の食品より高い牛乳はカルシウムの吸収率が他の食品より高いので 1 回の摂取で多くのカルシウムをとることが期待できる 体質的に牛乳が飲めない場合は カルシウムの吸収を助けるビタミン D やクエン酸と一緒に 乳製品や小魚等 緑黄色野菜や海藻類 大豆加工食品を摂取するように働きかける必要がある 9

鉄例年 休日 に鉄が推定平均必要量以下である児童が多い 成長によって筋肉成長によって筋肉量 血液量が増加すると 生体の鉄の需要が高まるため鉄不足になりやすい 特に思春期の女子は月経による鉄の損失の補充も必要となる 鉄の摂取では 赤身の肉や魚の血合いなど 動物性食品に多いヘム鉄の形での摂取の方が吸収率が高く効率がよい 植物性食品に含まれる非ヘム鉄は ビタミンCや動物性たんぱく質で吸収が促進されるので 合わせてとると良い ビタミン類例年 休日 にビタミン類が推定平均必要量以下である児童が多い 休日 にビタミン類が推定平均必要量以下である児童が多い 休日は外食や間食が多い傾向にあるが 特に野菜を十分に食べるようにすると改善できるだろう 休日 では 推定平均必要量以上を摂取している児童と 推定平均必要量以下である児童の差が大きく 平日 では 比較的均一に摂取している 食物繊維例年 食物繊維は 休日 の摂取量が少ない傾向にある 食物繊維は 穀類 野菜類 穀類 野菜類 果実類 きのこ類 いも類 豆類 海藻類 の摂取が大きく影響するため これらの食品の摂取不足によって 食物繊維不足をもたらす 不足になると便秘等の問題が出てくる 野菜の摂取について佐賀市では 特に平成 21 年度から野菜の摂取について指導教育に力を入れている 例えば 栄養教諭 学校栄養職員が分担して野菜を使ったレシピや地域の野菜の啓発資料を作成し 情報を共有 各学校での指導に役立てている また 地産地消の教育の一環として給食に地元の野菜を使うように努めており 地場産物使用割合も年々上昇地場産物使用割合も年々上昇している これらの取り組みで 子どもたちの間でも給食でも地元の野菜はおいしいと評判であり 野菜の重要性も認識していると思われる しかし 2 日間の実際の食事内容を見ると 摂取量が少ないという結果が出ている ( アンケートでは7 割の児童が野菜を十分食べていると回答しているのだが 目標量以上摂取している児童は 2 割程度である ) 野菜を一日どのくらい食べれば良いのかを 実際の野菜や写真等を見せて視覚的に認識させることが必要ではないかと考える 写真であれば掲示板に貼っておくなどして定期的に目に付くようにすれば 感覚として残りやすいであろう また 給食を通して今後も多様な野菜の献立を示したり 給食試食会等のいろいろな機会を利用して 野菜の摂取増加につながるよう努めたい 1

朝食について朝食は 特に育ち盛りの体にとって 成長するための栄養を確保する大切なものである また 朝食抜きでは血糖値が下がったままとなり 脳の神経細胞が十分に活動しないため 計算力や記憶力の低下 眠気や倦怠感が現れるといった報告がなされている さらに 血糖は体のエネルギー源でもあるので 運動が十分にできなくなる 従って朝食を抜く生活は 学力低下 体力低下の誘因になる 平成 13 年度から平成 21 年度までの朝食摂食率朝食摂食率は 8 割程度のほぼ横ばい状態であったが 平成 22 年度は本調査を開始して初めて9 割以上であった しかし 平成 22 年度 今年度共に朝食摂食率は減少した この結果を受け 今後も学校のみならず家庭や地域に向けて朝食の大切さを発信し 朝食の摂取増加につながるように努めたい 特に 早寝早起き朝ごはん という合言葉でも指導している 朝食を食べない理由の多く朝食を食べない理由の多くは 例年 時間がない 食べたくない である 早寝早起きでこれらの理由が解消されると思われるので 今後もこの指導がより広まればと思う 今年度 次に多かった理由は 準備ができていない であった これは 家庭内での朝食に対する意識を向上させるとともに 児童へも自分で朝食を作れるように指導することで改善できるだろうと考えている また 朝食の手伝いを 毎日する 時々する 児童は合わせて5 割弱であった その内容は配膳が多かったが 調理を手伝う児童も若干名いた 調理をすることでより五感が刺激されるとともに 食べ物に対する愛情も育つであろう また 太りたくない という理由で欠食する児童もいる しかし 朝食をとらないと 次の食事までの活動エネルギーを体に溜め込もうという機構が働き 代謝が悪くなり結果的に太りやすい体になってしまう 朝食の内容を見てみると 献立のバランスがとれていない児童が多かった 朝食をとることが定着している児童には 今後はバランスを考えることまで含めて指導していく必要があるだろう 間食について間食の内容をみると 菓子類 嗜好飲料水など脂質や糖質の多い食品の摂取が多く 例年 休日のほうが平日よりその傾向が強い 中でも嗜好飲料水の休日のは 例年 平日の2~3 倍である 菓子類や嗜好飲料水などを自由に食べていると食事時に食欲がなくなってしまい その結食事時に食欲がなくなってしまい その結果 偏食がおこり栄養のバランスが崩れてしまう また 脂質や糖質の過度の摂取につながり 虫歯や肥満などの生活習慣病の要因となりうる 子どもたちが間食で好んで摂取するような菓子類や嗜好飲料水には どのくらいの脂質や糖質が入っているのかを確認させ 量や時間 内容を考慮した間食の摂取の仕方について指導をしていく必要がある 11

休日の食事休日の食事は 学校がある平日より1 日 3 食の規則性が乱れやすく 朝昼兼用の食事をとる子どももいた また外食や惣菜等の利用も多くみられ 食事バランスが偏りやすくなっているようである 家族のコミュニケーションの場のひとつとして外食を楽しむのは良いことだが このときに もう少し食事バランスのことも考えることができるよう工夫する必要がある そのためには保護者も積極的保護者も積極的に子どもへ働きかけ 食品摂取および食品選択に関する知識を学ぶことができる環境を作る必要がある 佐賀市での食育の取り組み心身の成長や人格形成に影響を与え 知育 徳育 体育の基礎となり 生きる力を養うのが食育である 食事の役割は 必要な栄養を摂取することや食欲を満たすことだけではない 家族とともに食事をすることや学校給食などで大勢が一緒に食卓を囲むことは 社会的なコミュニケーションの場として大切な機会である 特に学校での食育は 給食を生きた教材として活用し これを中心に教科等の学習内容や日常生活とも関連付けて進めている 活とも関連付けて進めている また 地場産物の食材の活用を行うことで地産地消地産地消を推進し 安全 安心な学校給食安全 安心な学校給食を提供している 子どもたちに望ましい食習慣を身につけさせるのはもちろんのこと 食べ物がどのように育ち 収穫され 食卓に上るのかも伝えていきたいと考えている 佐賀市はこれまで 朝食をきちんと食べよう 野菜をもっと食べよう 牛乳 乳製品を摂ろう という3つの取り組みを中心に食育を推進してきた 今後は 朝食はただ食べるにとどまらずその内容も考えて食べること 野菜は一日の目標量を認識したうえで意識的に食べること 牛乳 乳製品などのカルシウム源となる食品を家庭でも摂取することを課題ること 牛乳 乳製品などのカルシウム源となる食品を家庭でも摂取することを課題としていきたい また食育を推進していくためには 家庭 地域との連携が必要不可欠家庭 地域との連携が必要不可欠である 食に関する意識を高め望ましい食生活の実践ができるよう 今後も正しい食の知識や食習慣正しい食の知識や食習慣を子どもや保護者に浸透させ 子どもを取り巻く食の状況を見つめなおすことが大切子どもを取り巻く食の状況を見つめなおすことが大切である 12