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起業意識に関する調査

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目次 調査結果の概要 1 小企業編 中小企業編 概況 3 概況 15 調査の実施要領 4 調査の実施要領 16 業況判断 5 業況判断 17 売上 1 売上 2 採算 11 利益 21 資金繰り 借入 12 価格 金融関連 22 経営上の問題点 13 雇用 設備 23 設備投資 価格動向 14 経営

Ⅰ 調査目的 中小企業で外国人労働者を雇用する例が広くみられるようになっている 背景には生産年齢人口の減少だけではなく 海外展開や訪日観光客の受け入れといった中小企業経営の国際化もある 人手不足への対応として導入が進んだ外国人労働者であるが しだいに企業の成長や事業展開に欠かせなくなってきていると考

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Ⅱ 用語等の説明 今期の状況 来期の状況 前年同期 ( 平成 29 年 4~6 月期 ) と比べた今期 ( 平成 30 年 4~6 月期 ) の状況 前年同期 ( 平成 29 年 7~9 月期 ) と比べた来期 ( 平成 30 年 7~9 月期 ) の状況 前期平成 30 年 1~3 月期 来期平成

2 継続雇用 の状況 (1) 定年制 の採用状況 定年制を採用している と回答している企業は 95.9% である 主要事業内容別では 飲食店 宿泊業 (75.8%) で 正社員数別では 29 人以下 (86.0%) 高年齢者比率別では 71% 以上 ( 85.6%) で定年制の採用率がやや低い また

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2. 有期契約労働者を雇用しているか 設問 1 パート アルバイト 契約社員 嘱託 派遣社員などの有期契約労働者を雇用していますか 選択肢 1 雇用している 2 雇用していないが 今後雇用する予定 3 雇用していないが 以前雇用していた 4 雇用しておらず 今後も雇用しない予定 全体

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ワークス採用見通し調査

中途採用実態調査(2018年上半期実績、2019年度見通し)

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< 業種別 > D.I. 2 製造業主要判断 D.I. の推移 製造業 30/ /9 見込 /12 予想 < 製造業 > 当期 は 24.5( 前期比 +0.8) と景況感は横ばいであった

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労働力調査(詳細集計)平成24年平均(速報)結果の要約

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< 業種別 > 2 製造業主要判断 の推移 製造業 29/ /3 見込 /6 予想 < 製造業 > 当期 は 8.0( 前期比 -1.7) 当期 は 9.1( 同 -8.9) 当期 は 5

ニュースリリース 食品産業動向調査 : 景況 平成 3 1 年 3 月 2 6 日 株式会社日本政策金融公庫 食品産業景況 DI 4 半期連続でマイナス値 経常利益の悪化続く ~ 31 年上半期見通しはマイナス幅縮小 持ち直しの動き ~ < 食品産業動向調査 ( 平成 31 年 1 月調査 )> 日

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[ 調査の実施要領 ] 調査時点 製 造 業 鉱 業 建 設 業 運送業 ( 除水運 ) 水 運 業 倉 庫 業 情 報 通 信 業 ガ ス 供 給 業 不 動 産 業 宿泊 飲食サービス業 卸 売 業 小 売 業 サ ー ビ ス 業 2015 年 3 月中旬 調査対象当公庫 ( 中小企業事業 )

平成22年7月30日

第5回 「離婚したくなる亭主の仕事」調査

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ニュースリリース 農業景況調査 : 景況 平成 3 1 年 3 月 1 8 日 株式会社日本政策金融公庫 平成 30 年農業景況 DI 天候不順響き大幅大幅低下 < 農業景況調査 ( 平成 31 年 1 月調査 )> 日本政策金融公庫 ( 略称 : 日本公庫 ) 農林水産事業は 融資先の担い手農業者

結  果  の  概  要

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第1回「若手社員の仕事・会社に対する満足度」調査   


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(2) 予定される行動計画導入方法 ( 問 21 で 2 策定に向けて検討中である と答えた方へ ) 付問 1 一般事業主行動計画は どのような方法で導入する予定ですか ( はいくつでも ) 次世代育成支援対策推進法に基づく 一般事業主行動計画 を策定に向け検討中の事業所で どのような方法で導入する

2. 中途採用をしたことがあるか 中途採用をしたことがある企業は 全体の 95% で あった 調査対象を 右表の 7 つの業種グループに 分類してそれぞれの傾向を分析すると 建設業 運 輸業 サービス業ではすべての企業が中途採用をし たことがあると回答した その他の業種グループで も 9 割前後の企

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Ⅰ 事業所に関する集計 1 概況平成 26 年 7 月 1 日現在の本道の事業所数 ( 国及び地方公共団体の事業所を含む 事業内容不詳の事業所を含む ) は 25 万 3,139 事業所 従業者数は 245 万 7,843 人となっており 全国順位は 事業所数 従業者数ともに 東京都 大阪府 愛知県

調査結果のポイント 従業員採用状況について 平成 28 年度 (H28.4 ~ H29.3) は 計画どおり もしくは計画より多く採用した と回答した企業が69% 採用計画について 29 年度 (H29.4 ~ H30.3) は 28 年度実績と比較し 増やす と回答した企業と 減らす と回答した企

目次 1. 調査概要 1 2. 調査結果の分析 2 第 1 部今回のローン担保証券 (CLO) について 問 1.CLO を知った経緯 2 問 2.CLO を利用した理由 メリット 5 問 3. 条件面でネックと感じたこと 改善を望むこと 8 問 4. 今回の募集に関して感じたこと 改善を望むこと

Ⅰ 調査目的 日本では人口の少子高齢化が急速に進んでいるため 介護サービスの需要は増加の一途をたどっている 介護保険制度が成立して以後 介護サービスを供給する企業も急増してきた しかし 2015 年 4 月の介護報酬改定で基本報酬が引き下げられたり 人手不足が続いていたりと 介護事業者を取り巻く経営

01 年 月 1 人あたりオフィス面積の分布と推移 図表 1は 01 年の東京 区における 1 人あたりオフィス面積の分布で 中央値は.9 坪であった ( 半数のテナントは.9 坪より小さく 残りの半数のテナントは.9 坪より大きい ) 01 年 月 17 日 図表 1 1 人あたりオフィス面積の分

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関東地方の者が約半数を占める (45.3%) 続いて近畿地方 (17.4%) 中部地方 (15.0%) となっている 図表 2-5 地域構成 北海道 東北関東中部近畿中国四国九州 沖縄総数 (%) 100.0% 8.9% 45.3%


テレワーク制度等 とは〇 度テレワーク人口実態調査 において 勤務先にテレワーク制度等があると雇用者が回答した選択枝 1 社員全員を対象に 社内規定などにテレワーク等が規定されている 2 一部の社員を対象に 社内規定などにテレワーク等が規定されている 3 制度はないが会社や上司などがテレワーク等をす

平成 31 年 3 月 25 日公表 資料第 号 広島県 Hiroshima Pref. 広島県の賃金, 労働時間及び雇用の動き ( 基幹統計毎月勤労統計調査地方調査結果 ) 平成 31 年 1 月分 ( 速報 ) 調査対象事業所の入替について平成 30 年 1 月分から第一種

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平成 21 年経済センサス 基礎調査確報集計結果 (2) 産業分類別 - 従業者数 ( 単位 : 人 %) 北海道 全国 従業者数従業者数 (*2 (*2 A~S 全産業 A~R 全産業 (S 公務を除く )

景気動向調査平成 3 年 1~12 月期実績 平成 31 年 1~3 月期予想 概況 業況 DI は改善 来期は悪化するもプラスを維持する見込み 今期の全業種総合業況判断 DIは 前期比 2.5 ポイント上昇の 9. と改善した 製造業は前期比 1.5 ポイント上昇の 14. 非製造業は同 2.9

- 調査結果の概要 - 1. 改正高年齢者雇用安定法への対応について a. 定年を迎えた人材の雇用確保措置として 再雇用制度 導入企業は9 割超 定年を迎えた人材の雇用確保措置としては 再雇用制度 と回答した企業が90.3% となっています それに対し 勤務延長制度 と回答した企業は2.0% となっ

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< アンケート結果 > 健康経営等に関する設問 Q. 貴社において 改善 解決したい課題はありますか Q. 貴社において 従業員が健康的に働けるよう独自に取り組んでいること ( または今後 取り組んでみたいことは何ですか Q. ご自身の健康のために独自に取り組んでいること ( または今後取り組んでみ

②H2904 県内の雇用情勢(完成1)

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アンケートの概要 平成 23 年度 平成 24 年度及び平成 25 年度グループ補助金の東北地域の交付先 7,927 に対しアンケートを実施し 5,809(73.3%) から回答があった ( アンケート調査は第 1 次 ( 平成 23 年 8 月 )~ 第 10 次 ( 平成 26 年 3 月 )

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Transcription:

2016 年 12 月 28 日日本政策金融公庫総合研究所 新規開業パネル調査 ~ アンケート結果の概要 ~ Ⅰ 調査の目的と実施要領 ---------------------------- 1 1 調査目的 -------------------------------------- 1 2 実施要領 -------------------------------------- 1 3 アンケート回答企業の概要 ---------------------- 2 Ⅱ 調査結果 ---------------------------------------- 3 1 開業者の業績等 -------------------------------- 3 2 満足度 ---------------------------------------- 8 3 金融機関との関係 ------------------------------ 10 4 東日本大震災の影響 ---------------------------- 13 5 経営上の課題と外部からの支援 ------------------ 15 Ⅲ まとめ ------------------------------------------ 18 < 問い合わせ先 > 日本政策金融公庫総合研究所小企業研究第一グループ TEL 03-3270-1687 担当田原 深沼

Ⅰ 調査の目的と実施要領 1 調査目的 日本政策金融公庫総合研究所では 新規開業企業の実態を把握するため 1991 年度から毎年 新規開業実態調査 を実施してきた 同調査では 調査前年の 4 月から 9 月にかけて日本政策金融公庫が融資した企業のうち融資時点で開業後 1 年以内の企業から調査対象を抽出している しかし 同調査では毎年異なる企業を対象としているため 存続廃業や経営状況の変化などを十分には捕捉できない そこで当研究所では 新規開業実態調査を補完し 個別の新規開業企業の開業後の変化を明らかにするため 調査対象を固定して 5 年間の状況を追跡するパネル調査を実施した 本調査は 2001 年開業企業 2006 年開業企業を対象としたものに続く 2011 年開業企業を対象とした調査である 2 実施要領 (1) 調査対象日本政策金融公庫国民生活事業の融資を受けて 2011 年に開業したと想定される企業 9,287 社に第 1 回アンケートを実施し 回答のあった企業のうち 2011 年に開業したことが確認された企業 3,046 社 ( 不動産賃貸業を除く ) を継続調査先とした (2) 調査方法 2011 年以降 毎年 12 月末を調査時点とし 翌年 2 月にアンケートを実施 発送と回収は郵送によった 2015 年 12 月末時点まで 5 回のアンケートを実施した (3) 回答数 第 5 回調査 2015 年 12 月末 ( 注 ) 廃業企業は回答数から除く (4) 廃業の認定 調査時点 回答数 第 1 回調査 2011 年 12 月末 3,046 社 第 2 回調査 2012 年 12 月末 1,787 社 第 3 回調査 2013 年 12 月末 1,472 社 第 4 回調査 2014 年 12 月末 1,380 社 1,413 社 本調査においては 以下の企業を廃業と認定した 1 事業の継続を尋ねたアンケート設問に 現在事業を行っていない と回答した企業 2 現地調査等によって事業を行っていないことを確認した企業 3 日本政策金融公庫の支店が事業を行っていないことを確認した企業 - 1 -

3 アンケート回答企業の概要 開業時の経営者の年齢 経営者の性別 29 歳以下 30 歳代 40 歳代 50 歳代 60 歳以上 女性 19.2 N =3,046 平均 41.1 歳 8.7 42.4 29.1 14.5 5.3 N =3,046 男性 80.8 開業時の業種 業種構成比 (%) 建設業製造業情報通信業運輸業 卸売業 小売業飲食店 宿泊業医療 福祉教育 学習支援業個人向けサービス業事業所向けサービス業不動産業その他合計 (N=3,046) 6.4 2.6 1.2 2.6 5.1 12.2 19.6 17.5 2.9 19.4 6.6 3.1 0.8 100.0 開業時の経営形態 法人企業 29.4 N =3,046 個人企業 70.6-2 -

Ⅱ 調査結果 1 開業者の業績等 (1) 存続廃業状況 ~2015 年末までに 10.2% が廃業 ~ 2011 年末に存続していた企業のうち 2015 年末で 10.2% の企業が廃業している ( 表 -1) 廃業状況を業種別にみると 飲食店 宿泊業 (18.9%) 情報通信業 (15.8%) 小売業 (14.5%) などで割合が高くなっている ( 図 -1) 表 -1 存続廃業状況図 -1 業種別廃業状況 (2015 年末時点 ) 存続 廃業 存続廃業不明 建設業 (N=196) 製造業 (N=80) 5.0 6.6 第 1 回調査 ( 基準 ) (2011 年末時点 ) 100.0 0.0 0.0 情報通信業 (N=38) 運輸業 (N=79) 10.1 15.8 第 2 回調査 (2012 年末時点 ) 第 3 回調査 (2013 年末時点 ) 第 4 回調査 (2014 年末時点 ) 第 5 回調査 (2015 年末時点 ) 97.5 2.4 0.1 94.5 5.3 0.2 92.1 7.5 0.4 89.2 10.2 0.7 卸売業 (N=156) 小売業 (N=372) 飲食店 宿泊業 (N=598) 医療 福祉 (N=532) 教育 学習支援業 (N=88) 個人向けサービス業 (N=590) 事業所向けサービス業 (N=200) 5.5 6.1 6.0 11.5 12.5 14.5 18.9 不動産業 (N=93) 4.3 その他 (N=24) 8.3 合計 (N=3,046) 10.2 0 5 10 15 20 25 (%) - 3 -

(2) 従業者数の動向 ~ 毎年増加傾向 ~ 1 企業当たり従業者数をみると 開業直後に 3.5 人であった平均従業者数は毎年増加し 2015 年末には 7.0 人となった ( 図 -2) その内訳は 常勤役員 正社員 が 0.9 人から 2.3 人に パートタイマー アルバイト が 1.2 人から 3.0 人に それぞれ増加している 従業者規模の分布をみると 開業直後は 1 人 が 30.2% 2 人 が 26.1% だったものが 2015 年末にはそれぞれ 21.7% 21.1% と減少した 一方 10~19 人 は 2.6% から 10.4% へ 20 人以上 は 2.0% から 8.0% へと増加している ( 図 -3) 図 -2 従業者数の動向 (1 企業当たり 内訳 ) 図 -3 従業者数の動向 ( 従業者規模の分布 ) 家族従業員パートタイマー アルバイト派遣社員経営者本人常勤役員 正社員 ( 単位 : 人 ) (N=702) ( 平均従業者数 ) 1 人 (N=702) 10~19 人 2 人 3~4 人 5~9 人 20 人以上 第 1 回調査 ( 開業直後 ) 1.0 0.4 0.9 1.2 0.0 (3.5) 第 1 回調査 ( 開業直後 ) 30.2 26.1 22.2 17.0 2.6 2.0 1.0 0.4 1.1 1.8 0.2 (4.5) 26.2 21.2 23.8 19.7 5.7 3.4 1.0 0.5 1.4 2.2 0.2 (5.3) 21.2 22.4 22.4 21.1 9.1 3.8 1.0 0.5 1.8 2.5 0.4 (6.2) 20.8 21.4 22.1 19.7 9.7 6.4 1.0 0.5 2.0 2.9 0.3 (6.7) 21.5 21.4 19.2 21.2 8.7 8.0 1.0 0.6 2.3 3.0 0.2 (7.0) 21.7 21.1 17.8 21.1 10.4 8.0 ( 注 )1 第 1 回調査から第 5 回調査まで従業者数をすべて回答した企業を集計対象とした 2 パートタイマー アルバイト には契約社員を含む ( 注 ) 図 -2( 注 )1 に同じ - 4 -

(3) 月商の状況 ~ 平均月商は毎年増加 ~ 平均月商は 2011 年末の 256.0 万円から毎年増加し 2015 年末には 540.2 万円と 2 倍を超えている ( 図 -4) 前年と比べた月商の増減状況をみると 増加企業の割合は 2012 年末の 68.2% から徐々に低下しているものの 2015 年末でも 47.0% と 減少企業の割合 (26.4%) を上回っている ( 図 -5) 図 -4 平均月商図 -5 月商の増減状況 (N=647) (N=647) 増加不変減少 256.0 68.2 13.9 17.9 345.0 56.4 22.3 21.3 422.8 50.4 23.5 26.1 442.9 47.0 26.6 26.4 540.2 0 100 200 300 400 500 600 ( 万円 ) ( 注 ) 第 1 回調査から第 5 回調査まで月商をすべて回答した企業について集計した ( 注 )1 図 -4 に同じ 2 各調査時点の増減状況は前年末時点との比較である - 5 -

(4) 業況と採算 ~2015 年末には 78.5% が黒字 ~ 業況をみると 2011 年末には かなり良い が 4.2% やや良い が 49.5% で DI は 7.4 であったものが 2015 年末には かなり良い が 4.0% やや良い が 57.1% で DI は 22.1 となった ( 図 -6) 採算をみると 2011 年末には 黒字 が 55.4% 赤字 が 44.6% であったものが 2015 年末には 黒字 が 78.5% 赤字 が 21.5% となっている ( 図 -7) 図 -6 業況図 -7 採算 かなり良いやや良いやや悪い (N=624) かなり悪い (DI) 黒字 赤字 (N=615) 4.2 49.5 37.5 8.8 (7.4) 55.4 44.6 5.8 53.4 33.5 7.4 (18.3) 72.5 27.5 5.1 57.4 32.2 5.3 5.3 (25.0) 78.2 21.8 4.3 57.1 33.2 5.4 (22.8) 78.5 21.5 4.0 57.1 33.2 5.8 (22.1) 78.5 21.5 ( 注 )1 第 1 回調査から第 5 回調査まで業況をすべて回答した企業について集計した 2 ( ) 内は DI = かなり良い と やや良い の回答割合 - やや悪い と かなり悪い の回答割合 ( 注 ) 第 1 回調査から第 5 回調査まで採算をすべて回答した企業について集計した - 6 -

(5) 経営者の収入と労働時間 ~ 平均収入は開業前より増加 ~ 経営者の月間の事業収入は 2011 年末には平均で 25.1 万円と 開業直前の平均収入 (36.6 万円 ) を下回った ( 図 -8) これが 2012 年末には 36.7 万円と 開業前の平均収入とほぼ同じとなり 2015 年末には 40.7 万円に達している 1 日当たり労働時間をみると 開業直前では平均 9.6 時間であった 2011 年末には 10.0 時間と若干増加したものの 2015 年末には 9.6 時間と開業直前の平均と同じとなった ( 図 -9) 図 -8 事業からの月間収入図 -9 1 日当たり労働時間 第 1 回調査 ( 開業直前 ) 0 万円超 20 万円未満 0 万円 3.8 16.4 20 万円以上 30 万円未満 25.6 30 万円以上 40 万円未満 18.7 50 万円以上 60 万円未満 (N=391) 40 万円以上 50 万円未満 11.0 8.2 60 万円以上 ( 平均 ) 16.4 (36.6) 第 1 回調査 ( 開業直前 ) 8 時間以下 33.5 8 時間超 10 時間以下 38.6 10 時間超 12 時間以下 17.0 (N=677) 14 時間超 12 時間超 14 時間以下 7.8 ( 平均 ) 3.1 (9.6) 18.9 21.5 19.4 15.1 10.5 7.7 6.9 (25.1) 24.8 41.5 20.7 9.7 3.2 (10.0) 12.0 21.2 19.9 16.9 6.9 9.5 13.6 (36.7) 26.0 42.1 20.7 8.3 3.0 (9.9) 8.4 20.2 18.2 16.6 11.3 8.7 16.6 (37.1) 28.1 39.9 20.5 9.0 2.5 (9.9) 5.6 18.7 19.7 19.2 10.0 7.4 19.4 (39.4) 30.7 41.2 18.0 7.4 2.7 (9.7) 3.8 19.9 22.5 15.6 9.5 8.7 19.9 (40.7) 35.0 38.1 15.8 7.7 3.4 (9.6) ( 注 )1 第 1 回調査から第 5 回調査まで収入をすべて回答した企業について集計した 2 第 1 回調査 ( 開業直前 ) は事業以外からの収入 3 以降は事業からの収入 4 ( ) 内は平均 ( 万円 ) ( 注 )1 第 1 回調査から第 5 回調査まで 1 日当たり労働時間をすべて回答した企業について集計した 2 ( ) 内は平均 ( 時間 ) - 7 -

2 満足度 (1) 収入と仕事のやりがいに対する満足度 ~ 仕事のやりがいへの満足度が高い ~ 収入に対する満足度を DI でみると 開業直前が -29.5 2011 年末が -27.7 と 開業前後でそれほど変わらなかったものが 2012 年末には -37.7 と大きく低下した ( 図 -10) その後改善し 2015 年末には -24.3 と開業直前を上回っている 仕事のやりがいに対する満足度は 開業直前には 大いに満足 が 15.1% やや満足 が 28.3% DI が 10.3 であったものが 2011 年末には 大いに満足 が 52.8% やや満足 が 37.2% となり DI は 87.6 と高まった ( 図 -11) その後 水準は低下しているものの 2015 年末でも DI は 76.5 となっている 図 -10 収入に対する満足度図 -11 仕事のやりがいに対する満足度 大いに満足 やや満足 どちらともいえない やや不満 (N=705) 大いに不満 (DI) (N=702) 大いに満足やや満足どちらともいえないやや不満大いに不満 (DI) 第 1 回調査 ( 開業直前 ) 2.6 16.5 32.5 28.8 19.7 (-29.5) 第 1 回調査 ( 開業直前 ) 15.1 28.3 23.4 20.4 12.8 (10.3) 5.1 16.5 29.2 27.7 21.6 (-27.7) 52.8 37.2 0.3 7.5 2.1 (87.6) 2.1 15.5 27.1 27.4 27.9 (-37.7) 45.3 41.5 0.6 9.4 3.3 (82.9) 3.7 18.4 24.4 28.9 24.5 (-31.3) 41.7 42.3 1.6 11.4 3.0 (79.5) 3.8 23.7 23.7 26.1 22.7 (-21.3) 36.5 46.0 13.2 1.3 3.0 (78.2) 4.3 20.6 26.1 27.5 21.6 (-24.3) 33.8 47.9 1.4 13.2 3.7 (76.5) ( 注 )1 第 1 回調査から第 5 回調査まで収入に対する満足度をすべて回答した企業について集計した 2 ( ) 内は DI = 大いに満足 と やや満足 の回答割合 - やや不満 と 大いに不満 の回答割合 ( 注 )1 第 1 回調査から第 5 回調査まで仕事のやりがいに対する満足度をすべて回答した企業について集計した 2 図 -10( 注 )2 に同じ - 8 -

(2) ワークライフバランスと総合的な開業の満足度 ~ 高い開業満足度 ~ ワークライフバランスに対する満足度を DI でみると 開業直前の -1.6 が 2011 年末には 26.9 と 開業により満足度が高まっている様子がうかがえる ( 図 -12) ただし 2012 年末以降は開業直前よりは高いものの満足度はやや低下しており 2015 年末の DI は 12.4 となっている 総合的な開業の満足度をみると 2011 年末には 大いに満足 が 28.3% やや満足 が 47.9% で DI は 68.4 と高い水準であった ( 図 -13) その後低下しているものの 2015 年末でも 大いに満足 が 22.4% やや満足 が 42.2% で DI は 50.7 となっている 図 -12 ワークライフバランスに対する満足度図 -13 総合的な開業の満足度 大いに満足やや満足第 1 回調査 ( 開業直前 ) 5.2 24.9 どちらともいえない 38.2 (N=694) 大いに不満やや不満 (DI) 21.8 9.9 (-1.6) 大いに満足 28.3 (N=706) やや不満どちらともいえない大いに不満 やや満足 (DI) 1.8 47.9 16.0 5.9 (68.4) 14.0 34.0 31.0 15.9 5.2 (26.9) 26.9 43.5 18.8 7.1 3.7 (59.6) 7.6 30.3 34.1 21.3 6.6 (9.9) 26.1 43.9 19.7 7.9 2.4 (59.6) 8.4 30.0 33.1 22.2 6.3 (9.8) 23.7 45.3 19.0 8.8 3.3 (56.9) 6.5 31.0 34.0 21.0 7.5 (8.9) 22.4 42.2 21.5 10.1 3.8 (50.7) 7.3 32.7 32.3 20.2 7.5 (12.4) ( 注 )1 第 1 回調査から第 5 回調査までワークライフバランスに対する満足度をすべて回答した企業について集計した 2 図 -10( 注 )2 に同じ ( 注 )1 第 1 回調査から第 5 回調査まで総合的な開業の満足度をすべて回答した企業について集計した 2 図 -10( 注 )2 に同じ - 9 -

3 金融機関との関係 (1) 借入残高の推移 ~ 借入は日本公庫から民間金融機関にシフト ~ 金融機関等からの借入残高は 開業時に平均 830.1 万円だったものが徐々に増加し 2015 年末には 1,176.4 万円となった ( 図 -14) 内訳をみると 日本政策金融公庫からの借入残高が開業時の平均 635.2 万円から 2015 年末には 469.8 万円と減少しているのに対し 民間金融機関からの借入残高は 開業時の平均 176.6 万円から 2015 年末には 636.2 万円と 大きく増加している 民間金融機関からの借り入れがある企業の割合は 開業時の 10.4% から徐々に高まり 2015 年末には 36.2% となった ( 図 -15) 図 -14 金融機関等からの借入残高 (1 企業当たり ) 図 -15 民間金融機関と地方自治体からの借り入れがある企業の割合 第 1 回調査 ( 開業時 ) 民間金融機関日本政策金融公庫地方自治体 635.2 176.6 18.3 ( 単位 : 万円 ) (N=666) ( 合計 ) (830.1) 第 1 回調査 ( 開業時 ) 3.3 (N=666) 10.4 民間金融機関地方自治体 668.2 191.6 23.8 (883.5) 4.8 12.2 621.5 234.6 30.1 (886.1) 6.2 21.3 589.9 360.5 51.5 (1,001.9) 8.0 27.9 512.9 463.0 63.8 (1,039.6) 7.5 30.9 469.8 636.2 70.4 (1,176.4) 6.6 36.2 ( 注 ) 第 1 回調査から第 5 回調査まで借入残高をすべて回答した企業を集計対象とした ( 注 ) 図 -14 に同じ 0 10 20 30 40 (%) - 10 -

(2) 業種別の借入状況 ~ 情報通信業などで増加 ~ 業種別の借入残高をみると 開業時に 1,000 万円を超えているのは 医療 福祉 だけであったが 2015 年末には 医療 福祉 (2,075 万円 ) のほか 情報通信業 (4,732 万円 ) 卸売業 (2,028 万円 ) など 7 業種に増加している ( 表 -2) 日本政策金融公庫からの借入残高が多くの業種で減少している一方 民間金融機関からの借入残高は その他 を除くすべての業種で増加している 表 -2 業種別金融機関等からの借入残高 (1 企業当たり ) 建設業 製造業 情報通信業 運輸業 卸売業 小売業 飲食店 宿泊業 医療 福祉 教育 学習支援業 個人向けサービス業 事業所向けサービス業 不動産業 その他 日本政策金融公庫 第 1 回調査 ( 開業時 ) 民間金融機関 地方自治体 合計 日本政策金融公庫 382 37 0 419 355-27 437 400 87 260 0 0 260 1,150 890 3,179 3,179 403 226 0 50 276 115-112 210 210 14 621 15 15 651 525 688 89 20 797 386 378 4 10 392 288-90 13 10 38 28 416 43 11 469 446 30 542 500 91 80 1,079 609 523 0 35 558 484 民間金融機関 -302 236 地方自治体 -39 1,196 1,196 102 67 1,782 1,224 871 0 0 871 92-779 0 0 0 403 4,732 4,472 2,028 1,628 147 30 10 652-145 1,019 663 34 1,715 714-304 1,283 620 78 44 2,075 360 340-52 602 54 8 664 332-269 152 98 28 19 512-152 313 合計 増減増減増減増減 265 92 29 386 391 126 1,392 1,300 129 100 1,911 1,526 355 44 0 399 659 304 1,056 1,011 313 87 880 460-36 339 62-96 512 497 33 18 1,070 418 0 92-779 ( 単位 : 万円 ) 回答数 35 23 5 14 34 62 105 138 20 154 47 23 6 ( 注 ) 図 -14 に同じ - 11 -

(3) 民間金融機関 地方自治体からの借入 ~8 割が地方銀行 信用金庫から借り入れ ~ 民間金融機関 地方自治体への借入申込状況をみると 借りられた 企業の割合は 2012 年末には 19.9% 2015 年末には 21.5% と ほぼ横ばいで推移している ( 図 -16) 申し込んだが借りられなかった 企業の割合は 2012 年末で 2.3% 2015 年末で 1.5% と それほど高くない 民間金融機関 地方自治体からの借り入れがある企業の借入先をみると 2012 年末で 地方銀行 が 41.3% 信用金庫 が 33.7% であった ( 図 -17) 年によって若干の変化はあるものの 2015 年末でもそれぞれ 39.5% 42.1% と 概ね 8 割が地方銀行または信用金庫から借り入れている 図 -16 民間金融機関 地方自治体への借入申込状況図 -17 民間金融機関 地方自治体からの借り入れがある企業の借入先 申し込まなかった ( 申し込んでも借りられないと思った ) 申し込まなかった ( 申し込む必要がなかった ) 68.6 申し込んだが借りられなかった 74.3 2.3 9.3 4.4 0.8 (N=614) 借りられた 19.9 20.5 都市銀行 地方銀行 信用金庫 信用組合 4.3 4.9 5.3 4.3 5.8 4.4 3.5 9.6 41.3 33.0 37.7 39.5 33.7 35.0 35.1 42.1 (N=92) (N=103) (N=114) (N=114) 70.4 0.7 6.5 22.5 地方自治体 5.3 12.0 15.5 11.4 72.1 1.5 4.9 21.5 その他 4.3 5.8 1.8 4.4 ( 注 )1 調査年の 1 年間の民間金融機関 地方自治体への申し込み状況を尋ねたもの 2 第 2 回調査から第 5 回調査まで借入申込状況をすべて回答した企業を集計対象とした なお 第 1 回調査では当設問は尋ねていない 3 申し込んだが借りられなかった には 申し込んだが条件が合わず借りなかった と回答した企業を含む 0 10 20 30 40 50 (%) ( 注 )1 図 -16 で 借りられた と回答した企業のうち 借入先を回答した企業を集計対象とした 2 複数の借り入れがある場合は 借入金額が最も大きい借入についての回答 3 図 -16( 注 )2 に同じ - 12 -

4 東日本大震災の影響 (1) 売り上げへの影響 ~ 震災の影響は低下 ~ 2011 年 3 月に発生した東日本大震災の売り上げへの影響をみると 震災の影響で減少 したとする企業は 2011 年末には 25.8% あったものの 2012 年末には 6.6% 2015 年末には 3.3% まで低下している ( 図 -18) 被災地域に限ってみると 震災の影響で減少 したとする企業は 2011 年末には 46.2% と半数近くに達していたが 2015 年末には 11.5% となっている ( 図 -19) 図 -18 東日本大震災の売り上げへの影響 ( 全体 ) 図 -19 東日本大震災の売り上げへの影響 ( うち被災地域 ) 震災の影響で減少 (N=457) 変わらない ( 影響はない ) 震災の影響で増加 震災の影響で減少 (N=26) 変わらない ( 影響はない ) 震災の影響で増加 25.8 70.5 3.7 46.2 26.9 26.9 6.6 91.5 2.0 19.2 69.2 11.5 3.7 94.1 2.2 7.7 84.6 7.7 3.5 94.5 2.0 15.4 69.2 15.4 3.3 95.0 1.8 11.5 80.8 7.7 ( 注 ) 第 1 回調査から第 5 回調査まで東日本大震災の売り上げへの影響をすべて回答した企業について集計した ( 注 )1 ここでは 地震と津波の被害が相対的に大きかった 青森県 岩手県 宮城県 福島県 茨城県を被災地域とした 2 図 -18 の回答企業のうち 被災地域の企業について集計した - 13 -

(2) 開業時期 廃業率への影響 ~ 被災地域では 震災が開業のきっかけとなった 企業が 30.7% 存在 ~ 東日本大震災の開業時期への影響をみると 開業時期が遅れたとする企業の割合は全体では 17.0% で 被災地域に限ると 38.6% と高くなっている ( 図 -20) 一方で 震災が開業のきっかけとなった 企業が 全体では 6.0% 被災地域では 30.7% 存在する 東日本大震災との関係別に廃業率をみると 被災地域の廃業率は 2015 年末で 15.0% と 全体の 10.2% を上回った ( 図 -21) 一方 震災前に開業した企業と後に開業した企業では 廃業率に違いは見られなかった 図 -20 東日本大震災の開業時期への影響図 -21 東日本大震災との関係別にみた廃業率 震災によって早まった 2.4 全体 (N=3,046) 予定通り 震災によって遅れた 震災が開業のきっかけとなった 2.7 2.3 2.9 5.3 うち 2011 年 3 月 11 日以前に開業 (N=737) うち 2011 年 3 月 12 日以後に開業 (N=2,309) うち被災地域 (N=173) 全体 (N=2,212) 75.4 17.0 1.6 6.0 5.0 5.4 9.8 7.5 うち被災地域 (N=140) 26.4 38.6 4.3 30.7 7.6 7.4 12.1 10.2 10.2 10.2 15.0 ( 注 ) 1 第 1 回調査の回答 2 東日本大震災 (2011 年 3 月 11 日 ) の翌日 ( 同 3 月 12 日 ) 以後に開業した 2,309 件のうち当該質問に回答した企業を集計対象とした 3 被災地域は図 -19( 注 )1 に同じ 0 5 10 15 20 ( 注 ) 被災地域は図 -19( 注 )1 に同じ (%) - 14 -

5 経営上の課題と外部からの支援 (1) 経営上の課題 ~ 顧客開拓に苦心 人材確保難も課題 ~ 経営上苦労している点をみると 2011 年末には 顧客開拓 マーケティングがうまくいかない が 42.9% と最も高く 経費 ( 人件費 家賃 支払利息など ) がかさんでいる (24.4%) 受注単価 販売単価が安い (20.7%) がそれに続いていた ( 図 -22) 2015 年末でも 顧客開拓 マーケティングがうまくいかない が 31.1% と最も高いものの その割合は低下しており 一方で ウエートを高めている 図 -22 経営上苦労している点 ( 複数回答 ) 従業員の人数が不足している (28.7%) 必要な能力を持った従業員を採用できない (25.0%) といった人材に関する課題が 42.9 24.4 20.7 18.6 18.3 18.3 16.5 10.3 10.1 7.9 4.2 1.9 3.6 10.4 31.1 19.3 17.1 25.0 28.7 13.7 18.9 3.9 16.5 8.0 2.5 1.8 3.3 14.0 0 10 20 30 40 50 顧客開拓 マーケティングがうまくいかない経費 ( 人件費 家賃 支払利息など ) がかさんでいる受注単価 販売単価が安い必用な能力を持った従業員を採用できない従業員の人数が不足している資金繰りが厳しい原価 ( 仕入 外注費 ) がかさんでいる財務管理 経費処理がうまくできていない従業員をうまく育成できていない商品 サービスの開発がうまくいかない金融機関からの借り入れが難しい生産管理 品質管理がうまくいかないその他とくに苦労はしていない (%) (N=673) ( 注 ) 第 1 回調査から第 5 回調査まで経営上苦労している点をすべて回答した企業について集計した - 15 -

(2) 外部からの支援 ~ 交流会等への参加者は毎年増加傾向 ~ 事業に関係するセミナーや講演会を 1 年間に受講した人の割合は 開業前には 31.9% 2011 年には 31.9% だったものが 2015 年には 46.4% となっている ( 図 -23) 同じく経営者が集まる交流会や会合への参加状況をみると 参加した とする企業の割合は 開業前の 15.7% 2011 年の 23.7% が 2015 年には 31.4% へと高まっている ( 図 -24) 図 -23 事業に関係するセミナーや講演会の受講図 -24 経営者が集まる交流会や会合への参加 (N=661) (N=700) 受講した 受講しなかった 参加した 参加しなかった 第 1 回調査 ( 開業前 ) 31.9 68.1 第 1 回調査 ( 開業前 ) 15.7 84.3 31.9 68.1 23.7 76.3 45.2 54.8 28.3 71.7 44.0 56.0 29.7 70.3 46.0 54.0 29.4 70.6 46.4 53.6 31.4 68.6 ( 注 )1 第 1 回調査から第 5 回調査まで受講の有無についてすべて回答した企業について集計した 2 第 1 回調査は開業前の 1 年間と開業後 2011 年末まで 第 2 回調査以降はそれぞれ 1 年間の受講の有無について尋ねた ( 注 )1 第 1 回調査から第 5 回調査まで参加の有無についてすべて回答した企業について集計した 2 第 1 回調査は開業前の 1 年間と開業後 2011 年末まで 第 2 回調査以降はそれぞれ 1 年間の参加の有無について尋ねた - 16 -

(3) 個別支援 ~ 法律や会計の知識の習得ニーズが高い ~ 外部から受けた事業に対する個別の支援の内容をみると 開業前では 資金調達 (81.5%) 総合的なマネジメント (72.2%) 法律や会計の知識の習得 (68.5%) 商品 サービスの提供に必要な知識や技術 資格の習得 (51.6%) などの順に多くなっている ( 図 -25) 資金調達 総合的なマネジメント については 2012 年末以降は大きく割合を下げている一方 法律や会計の知識の習得 商品 サービスの提供に必要な知識や技術 資格の習得 については引き続き支援を受けている企業が多い 図 -25 事業に対する個別の支援 (%) 90 81.5 80 72.2 70 60 50 33.5 40 31.5 34.3 26.6 28.2 25.8 30 26.6 20.6 20 68.5 57.3 55.6 53.6 50.4 51.6 49.2 44.8 45.6 44.8 44.8 41.9 42.7 39.5 41.1 第 1 回調査 ( 開業前 ) 48.0 47.6 44.8 39.5 38.7 37.1 35.5 25.8 23.0 22.2 15.7 21.4 15.3 14.9 12.5 (N=248) 26.2 23.8 23.0 19.0 18.5 10 0 資金調達 総合的なマネジメント 法律や会計の知識の習得 商知品識 やサー技術ビ スの資格提の供に習得必要な 商品 サービスの企画や開発 市場 事業所立地の調査 検討 仕入先 外注先の確保 販売先 顧客の確保 従業員の確保 ( 注 )1 第 1 回調査から第 5 回調査まで外部から受けた個別の支援の内容についてすべて回答した企業について集計した 2 第 1 回調査は開業前 第 2 回調査以降はそれぞれ 1 年間の支援について尋ねた - 17 -

Ⅲ まとめ 1 1 企業当たり平均従業者数は増加 1 企業当たり従業者数の動向をみると 開業直後に 3.5 人であった平均従業者数は毎年増加し 2015 年末には 7.0 人となっている その内訳は 常勤役員 正社員 が 0.9 人から 2.3 人に パートタイマー アルバイト が 1.2 人から 3.0 人に それぞれ増加している 2 業績は堅調に推移平均月商をみると 2011 年末に 256.0 万円だったものが毎年増加し 2015 年末には 540.2 万円と 2 倍を超えている 黒字企業の割合も 2011 年末には 55.4% だったものが 2015 年末には 78.5% となっている 3 開業の総合的満足度は高い総合的な開業の満足度をみると 2011 年末には 大いに満足 が 28.3% やや満足 が 47.9% となった その後満足度は低下しているものの 2015 年末でも 大いに満足 が 22.4% やや満足 が 42.2% となっている 4 借入は日本公庫から民間金融機関にシフト金融機関等からの借入残高は 開業時に平均 830.1 万円だったものが徐々に増加し 2015 年末には 1,176.4 万円となった 日本政策金融公庫からの借入残高が開業時の 635.2 万円から 2015 年末には 469.8 万円と減少しているのに対し 民間金融機関からの借入残高は 開業時の 176.6 万円が 2015 年末には 636.2 万円と 大きく増加している 5 東日本大震災の影響は低下東日本大震災の売り上げへの影響をみると 震災の影響で減少 した企業は 2011 年末には 25.8% あったものの 2012 年末には 6.6% 2015 年末には 3.3% まで低下している 被災地域に限ってみると 震災の影響で減少 した企業は 2011 年末には 46.2% と半数近くに達していたが 2015 年末には 11.5% となっている 6 人材確保難が経営上の課題として毎年高まる経営上苦労している点をみると 2011 年末には 顧客開拓 マーケティングがうまくいかない が 42.9% と最も高かった 2015 年末でも 31.1% と最大の課題ではあるものの その割合は低下しており 従業員の人数が不足している 必要な能力を持った従業員を採用できない といった人材に関する課題がウエートを高めている - 18 -