医科_第20次(追加)審査情報提供(広報用)

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ウム ( 小腸癌 ) に関する事前評価及び提出された資料から 本品目の小腸癌に対する有効性及び安全性は確認されているものと判断する 以上 医薬品医療機器総合機構における審査の結果 本品目については 以下の効能又は効果並びに用法及び用量で承認して差し支えないと判断した [ 効能又は効果 ] 1. レボ

通知

Microsoft Word - 03_医科_第18次審査情報提供事例

情報提供の例

170509事務連絡(日本医学会・日本歯科医学会あて)

別添 審査情報提供 社会保険診療報酬支払基金 審査情報提供検討委員会

減量・コース投与期間短縮の基準

フルオロウラシル注射液

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

保医発 0930 第 2 号令和元年 9 月 30 日 地方厚生 ( 支 ) 局医療課長都道府県民生主管部 ( 局 ) 国民健康保険主管課 ( 部 ) 長都道府県後期高齢者医療主管部 ( 局 ) 後期高齢者医療主管課 ( 部 ) 長 殿 厚生労働省保険局医療課長 ( 公印省略 ) 厚生労働省保険局歯

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

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2004 年 月改訂 ( 下線部分 ) 第 12 版 2004 年 4 月改訂 案 貯法 : 室温保存日本標準商品分類番号使用期限 :3 年 ( 包装に表示の使用期限内に使用すること ) 抗悪性腫瘍剤劇薬 指定医薬品 * 要指示医薬品 5-FU 注 250 協和 5-FU Inject

用法・用量DB

未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類


⑴ ⑵ ⑶

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DRAFT#9 2011

の状態により適宜減量する 成人 A 法 : 他の抗悪性腫瘍剤との併用において ブスルファンとして 1 回 0.8 mg/kg を生理食塩液又は 5% ブドウ糖液に混和 調製して 2 時間かけて点滴静注する 本剤は 6 時間毎に 1 日 4 回 4 日間投与する なお 年齢 患者の状態により適宜減量す

大腸がんレジメン一覧 大腸がん 登録番号レジメン名一般名商品名投与量ルート施行日 1 コースの期間 En-1 En-2 イリノテカンイリノテカン 80mg/m^2 DIV Day1 15 テガフール \ ギメラシル \ オテラシルカリウム ティーエスワン配合カプセル 80mg/m^2 PO Day1

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

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緒言

第 19 次審査情報提供事例 ( 医科 ) 平成 30 年 9 月 28 日提供分 社会保険診療報酬支払基金

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審査報告書 平成 27 年 2 月 12 日 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 承認申請のあった下記の医薬品にかかる医薬品医療機器総合機構での審査結果は 以下のとおりである 記 [ 販 売 名 ] エルプラット点滴静注液 50mg 同点滴静注液 100mg 同点滴静注 液 200mg [ 一般名

Microsoft Word - コンピュータチェック対象事例ファイル仕様書

01-06(別紙3-1)国際医療研究センター病院 1先進医療実施届出書

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STEP 1 検査値を使いこなすために 臨床検査の基礎知識 検査の目的は大きく 2 つ 基準範囲とは 95% ( 図 1) 図 1 基準範囲の考え方 2

要望番号 ;Ⅱ 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1) 1. 要望内容に関連する事項 要望 者 ( 該当するものにチェックする ) 優先順位 学会 ( 学会名 ; 日本ペインクリニック学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 2 位 ( 全 4 要望中 )

分類

要望番号 ;Ⅱ-286 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望

フッ化ピリミジン

DRAFT#9 2011



D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

8 整形外科 骨肉腫 9 脳神経外科 8 0 皮膚科 皮膚腫瘍 初発中枢神経系原発悪性リンパ腫 神経膠腫 脳腫瘍 膠芽腫 頭蓋内原発胚細胞腫 膠芽腫 小児神経膠腫 /4 別紙 5( 臨床試験 治験 )

1. はじめに ステージティーエスワンこの文書は Stage Ⅲ 治癒切除胃癌症例における TS-1 術後補助化学療法の予後 予測因子および副作用発現の危険因子についての探索的研究 (JACCRO GC-07AR) という臨床研究について説明したものです この文書と私の説明のな かで わかりにくいと

Microsoft Word - ★2010-(P01-P12)_【ELP】お知らせ文書(第9版)_ver0.1.docx

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2

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スライド 1

審査結果 平成 26 年 1 月 6 日 [ 販 売 名 ] ダラシン S 注射液 300mg 同注射液 600mg [ 一 般 名 ] クリンダマイシンリン酸エステル [ 申請者名 ] ファイザー株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 8 月 21 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 7

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

がん化学(放射線)療法レジメン申請書

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(別添様式)

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

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がん化学(放射線)療法レジメン申請書

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開発の経緯 ゲムシタビン点滴静注用 200mg 1g サンド は 後発医薬品として開発を企画し 規格及び試験方法を設定 加速試験を行い 平成 22 年 1 月に製造販売承認を取得した ( 薬食発第 号 ( 平成 17 年 3 月 31 日 ) に基づき承認申請 ) 製品の特徴及び有用

がん化学 ( 放射線 ) 療法レジメン申請書 記載不備がある場合は審査対象になりません * は記入不要です 申請期日 2013/6/17 受付番号 診療科名 脳神経外科 がん腫 ( コード ) 診療科長名 申請医師名 レジメン登録ナンバー 登録申請日 審査区分 ( 下記をチェックしてください ) 登


(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

2 ( 178 9)

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情報提供の例


-2 -

別添 審査情報提供 社会保険診療報酬支払基金 審査情報提供検討委員会


タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

オキサリプラチン点滴静注液50mg/100mg/200mg「サワイ」

第169・218回関東支部-9indd.indd

Epilepsy2015

32 子宮頸癌 子宮体癌 卵巣癌での進行期分類の相違点 進行期分類の相違点 結果 考察 1 子宮頚癌ではリンパ節転移の有無を病期判定に用いない 子宮頚癌では0 期とⅠa 期では上皮内に癌がとどまっているため リンパ節転移は一般に起こらないが それ以上進行するとリンパ節転移が出現する しかし 治療方法

ベバシズマブ併用 FOLFOX/FOLFIRI療法

北里大学病院モニタリング 監査 調査の受け入れ標準業務手順 ( 製造販売後臨床試験 ) 第 1 条 ( 目的 ) 本手順書は 北里大学病院において製造販売後臨床試験 ( 以下 試験とする ) 依頼者 ( 試験依頼者が業務を委託した者を含む 以下同じ ) が実施する直接閲覧を伴うモニタリング ( 以下

2 成分が同一の剤形変更 例 タケプロンOD 錠 15mg タケプロンカプセル 15mg ユリーフOD 錠 4mg ユリーフ錠 4mg コカールドライシロップ 40% カロナール細粒 20% ( 粉砕 ) レボフロキサシン錠 500mg レボフロキサシン細粒 10% 患者に説明 ( 価格 服用方法等

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医薬品の添付文書等を調べる場合 最後に 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 特定の文書 ( 添付文書以外の文書 ) の記載内容から調べる場合 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 最後に 調べたい医薬品の名称を入力 ( 名称の一部のみの入力でも検索可能

2 院内処方 ( 入院外 投薬 ) 及び院外処方 ( 薬局調剤 ) における薬剤点数薬剤点数階級別件数の構成割合を入院外の投薬 ( 以下 院内処方 という ) 薬局調剤( 以下 院外処方 という ) 別にみると ともに 500 点未満 が最も多く それぞれ 67.0% 59.4% となっている また

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

タフィンラーカプセル50mg/75mg、メキニスト錠0.5mg/2mg 添付文書改訂のお知らせ

H26大腸がん

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

外来在宅化学療法の実際

添付文書情報 の検索方法 1. 検索条件を設定の上 検索実行 ボタンをクリックすると検索します 検索結果として 右フレームに該当する医療用医薬品の販売名の一覧が 販売名の昇順で表示されます 2. 右のフレームで参照したい販売名をクリックすると 新しいタブで該当する医療用医薬品の添付文書情報が表示され

次の病気の人や次の目的で 医療機関で使用されます 治癒切除不能な進行 再発の結腸 直腸癌結腸癌における術後補助化学療法治癒切除不能な膵癌胃癌小腸癌 この薬は他の抗悪性腫瘍剤と併用します 国内での結腸癌の手術後の補助化学療法に関する検討は行われていません 治癒切除不能な膵癌の人に対して 手術後の補助化


1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ


膵臓癌について

この薬は他の抗悪性腫瘍剤と併用します 国内での結腸癌の手術後の補助化学療法に関する検討は行われていません 治癒切除不能な膵癌の人に対して 手術後の補助化学療法における有効性および安全性は確立していません この薬を使う前に 確認すべきことは? 〇患者さんまたは家族の方は この治療の必要性や注意すべき点


IF 利用の手引きの概要 日本病院薬剤師会 1. 医薬品インタビューフォーム作成の経緯医療用医薬品の基本的な要約情報として医療用医薬品添付文書 ( 以下, 添付文書と略す ) がある 医療現場で医師 薬剤師等の医療従事者が日常業務に必要な医薬品の適正使用情報を活用する際には, 添付文書に記載された情

Transcription:

第 20 次審査情報提供事例 ( 医科 ) 追加 平成 31 年 4 月 22 日提供分 社会保険診療報酬支払基金

審査情報提供事例について 審査支払機関における診療報酬請求に関する審査は 健康保険法 療養担当規則 診療報酬点数表及び関係諸通知等を踏まえ各審査委員会の医学的 歯科医学的見解に基づいて行われています 一方 審査の公平 公正性に対する関係方面からの信頼を確保するため 審査における一般的な取扱いについて広く関係者に情報提供を行い 審査の透明性を高めることとしております このため 平成 16 年 7 月に 審査情報提供検討委員会 平成 23 年 6 月に 審査情報提供歯科検討委員会 を設置し 情報提供事例の検討と併せ 審査上の一般的な取扱いに係る事例について 情報提供を行ってまいりました 今後とも 当該委員会において検討協議を重ね 提供事例を逐次拡充することとしておりますので 関係者の皆様のご参考となれば幸いと考えております なお 情報提供する審査の一般的な取扱いについては 療養担当規則等に照らし 当該診療行為の必要性 用法 用量の妥当性などに係る医学的 歯科医学的判断に基づいた審査が行われることを前提としておりますので 本提供事例に示された適否が すべての個別診療内容に係る審査において 画一的あるいは一律的に適用されるものではないことにご留意ください 平成 23 年 9 月

事例 タイトル ( 申請学会 ) ページ 325 オキサリプラチン 2 レボホリナートカルシウム 2 フルオロウラシル 2( 臨床腫瘍 2) 1

325 オキサリプラチン 2 レボホリナートカルシウム 2 フルオロ ウラシル 2( 臨床腫瘍 2) 標榜薬効 ( 薬効コード ) ⑴ オキサリプラチンその他の腫瘍用薬 (429) ⑵ レボホリナートカルシウム解毒剤 (392) ⑶ フルオロウラシル代謝拮抗剤 (422) 平成 31 年 4 月 22 日新規 成分名 ⑴ オキサリプラチン 注射薬 ⑵ レボホリナートカルシウム 注射薬 ⑶ フルオロウラシル 注射薬 主な製品名 ⑴ オキサリプラチンエルプラット点滴静注液 50mg 同 100mg 同 200mg 他後発品あり ⑵ レボホリナートカルシウムアイソボリン点滴静注用 25mg 同 100mg 他後発品あり ⑶ フルオロウラシル 5-FU 注 250mg 同 1000mg 他後発品あり 承認されている効能 効果 ⑴ オキサリプラチン ( エルプラット点滴静注液 50mg 同 100mg 同 200mg) 治癒切除不能な進行 再発の結腸 直腸癌結腸癌における術後補助化学療法治癒切除不能な膵癌胃癌小腸癌 ⑵ レボホリナートカルシウム ( アイソボリン点滴静注用 25mg 同 100mg) アレボホリナート フルオロウラシル療法胃癌 ( 手術不能又は再発 ) 及び結腸 直腸癌に対するフルオロウラシルの抗腫瘍効果の増強イレボホリナート フルオロウラシル持続静注併用療法 1

結腸 直腸癌 小腸癌及び治癒切除不能な膵癌に対するフルオロウラシルの抗腫瘍効果の増強 ⑶ フルオロウラシル (5-FU 注 250mg 同 1000mg) 下記疾患の自覚的並びに他覚的症状の緩解胃癌 肝癌 結腸 直腸癌 乳癌 膵癌 子宮頸癌 子宮体癌 卵巣癌ただし 下記の疾患については 他の抗悪性腫瘍剤又は放射線と併用することが必要である 食道癌 肺癌 頭頸部腫瘍以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法頭頸部癌レボホリナート フルオロウラシル持続静注併用療法結腸 直腸癌 小腸癌 治癒切除不能な膵癌 承認されている用法 用量 ⑴ オキサリプラチン ( エルプラット点滴静注液 50mg 同 100mg 同 200mg) 治癒切除不能な進行 再発の結腸 直腸癌及び結腸癌における術後補助化学療法には A 法又は B 法を 治癒切除不能な膵癌及び小腸癌には A 法を 胃癌には B 法を使用する なお 患者の状態により適宜減量する A 法 : 他の抗悪性腫瘍剤との併用において 通常 成人にはオキサリプラチンとして 85mg/ m2 ( 体表面積 ) を 1 日 1 回静脈内に 2 時間で点滴投与し 少なくとも 13 日間休薬する これを 1 サイクルとして投与を繰り返す B 法 : 他の抗悪性腫瘍剤との併用において 通常 成人にはオキサリプラチンとして 130mg/ m2 ( 体表面積 ) を 1 日 1 回静脈内に 2 時間で点滴投与し 少なくとも 20 日間休薬する これを 1 サイクルとして投与を繰り返す ⑵ レボホリナートカルシウム ( アイソボリン点滴静注用 25mg 同 100mg) アレボホリナート フルオロウラシル療法通常 成人にはレボホリナートとして 1 回 250mg/ m2 ( 体表面積 ) を 2 時間かけて点滴静脈内注射する レボホリナートの点滴静脈内注射開始 1 時間後にフルオロウラシルとして 1 回 600mg/ m2 ( 体表面積 ) を 3 分以内で緩徐に静脈内注射する 1 週間ごとに 6 回繰り返した後 2 週間休薬する これを 1 クールとする イ結腸 直腸癌に対するレボホリナート フルオロウラシル持続静注併用療法 2

( ア ) 通常 成人にはレボホリナートとして 1 回 100mg/ m2 ( 体表面積 ) を 2 時間かけて点滴静脈内注射する レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして 400mg/ m2 ( 体表面積 ) を静脈内注射するとともに フルオロウラシルとして 600mg/ m2 ( 体表面積 ) を 22 時間かけて持続静脈内注射する これを 2 日間連続して行い 2 週間ごとに繰り返す ( イ ) 通常 成人にはレボホリナートとして 1 回 250mg/ m2 ( 体表面積 ) を 2 時間かけて点滴静脈内注射する レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして 2600mg/ m2 ( 体表面積 ) を 24 時間かけて持続静脈内注射する 1 週間ごとに 6 回繰り返した後 2 週間休薬する これを 1 クールとする ( ウ ) 通常 成人にはレボホリナートとして 1 回 200mg/ m2 ( 体表面積 ) を 2 時間かけて点滴静脈内注射する レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして 400mg/ m2 ( 体表面積 ) を静脈内注射するとともに フルオロウラシルとして 2400~3000mg/ m2 ( 体表面積 ) を 46 時間かけて持続静脈内注射する これを 2 週間ごとに繰り返す ウ小腸癌及び治癒切除不能な膵癌に対するレボホリナート フルオロウラシル持続静注併用療法通常 成人にはレボホリナートとして 1 回 200mg/ m2 ( 体表面積 ) を 2 時間かけて点滴静脈内注射する レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして 400mg/ m2 ( 体表面積 ) を静脈内注射するとともに フルオロウラシルとして 2400mg/ m2 ( 体表面積 ) を 46 時間かけて持続静脈内注射する これを 2 週間ごとに繰り返す ⑶ フルオロウラシル (5-FU 注 250mg 同 1000mg) ア単独で使用する場合 ( ア ) フルオロウラシルとして 通常 成人には 1 日 5 15mg/kg を最初の 5 日間連日 1 日 1 回静脈内に注射又は点滴静注する 以後 5 7.5mg/kg を隔日に 1 日 1 回静脈内に注射又は点滴静注する ( イ ) フルオロウラシルとして 通常 成人には 1 日 5 15mg/kg を隔日に 1 日 1 回静脈内に注射又は点滴静注する ( ウ ) フルオロウラシルとして 通常 成人には 1 日 5mg/kg を 10 20 日間連日 1 日 1 回静脈内に注射又は点滴静注する ( エ ) フルオロウラシルとして 通常 成人には 1 日 10 20mg/kg を週 1 回静脈内に注射又は点滴静注する また 必要に応じて動脈内に通常 成人には 1 日 5mg/kg を適宜注射する 3

なお 年齢 症状により適宜増減する イ他の抗悪性腫瘍剤又は放射線と併用する場合フルオロウラシルとして 通常 成人には 1 日 5 10mg/kg を他の抗悪性腫瘍剤又は放射線と併用し アの方法に準じ 又は間歇的に週 1 2 回用いる ウ頭頸部癌に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合他の抗悪性腫瘍剤との併用療法において 通常 成人にはフルオロウラシルとして 1 日 1000mg/ m2 ( 体表面積 ) までを 4 5 日間連日で持続点滴する 投与を繰り返す場合には少なくとも 3 週間以上の間隔をあけて投与する 本剤単独投与の場合には併用投与時に準じる なお 年齢 患者の状態などにより適宜減量する エ結腸 直腸癌に対するレボホリナート フルオロウラシル持続静注併用療法 ( ア ) 通常 成人にはレボホリナートとして 1 回 100mg/ m2 ( 体表面積 ) を 2 時間かけて点滴静脈内注射する レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして 400mg/ m2 ( 体表面積 ) を静脈内注射 さらにフルオロウラシルとして 600mg/ m2 ( 体表面積 ) を 22 時間かけて持続静注する これを 2 日間連続して行い 2 週間ごとに繰り返す ( イ ) 通常 成人にはレボホリナートとして 1 回 250mg/ m2 ( 体表面積 ) を 2 時間かけて点滴静脈内注射する レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして 2600mg/ m2 ( 体表面積 ) を 24 時間持続静注する 1 週間ごとに 6 回繰り返した後 2 週間休薬する これを 1 クールとする ( ウ ) 通常 成人にはレボホリナートとして 1 回 200mg/ m2 ( 体表面積 ) を 2 時間かけて点滴静脈内注射する レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして 400mg/ m2 ( 体表面積 ) を静脈内注射 さらにフルオロウラシルとして 2400 3000mg/ m2 ( 体表面積 ) を 46 時間持続静注する これを 2 週間ごとに繰り返す なお 年齢 患者の状態などにより適宜減量する オ小腸癌及び治癒切除不能な膵癌に対するレボホリナート フルオロウラシル持続静注併用療法通常 成人にはレボホリナートとして 1 回 200mg/ m2 ( 体表面積 ) を 2 時間かけて点滴静脈内注射する レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして 400mg/ m2 ( 体表面積 ) を静脈内注射 さらにフルオロウラシルとして 2400mg/ m2 ( 体表面積 ) を 46 時間持続静注する これを 2 週間ごとに繰り返す 4

なお 年齢 患者の状態などにより適宜減量する 薬理作用 ⑴ オキサリプラチン DNAの複製及び転写阻害 ⑵ レボホリナートカルシウムフルオロウラシルの抗腫瘍効果増強作用 ⑶ フルオロウラシル DNA 合成阻害作用 使用例原則として フルオロウラシル レボホリナートカルシウム オキサリプラチン 注射薬 をFOLFOX 療法として 食道癌 に対して投与した場合 当該使用事例を審査上認める 使用例において審査上認める根拠 薬理作用が同様と推定される 留意事項当該使用例の用法 用量 ⑴ オキサリプラチン他の抗悪性腫瘍剤との併用において 通常 成人にはオキサリプラチンとして 85mg/ m2 ( 体表面積 ) を 1 日 1 回静脈内に 2 時間で点滴投与し 少なくとも 13 日間休薬する これを 1 サイクルとして投与を繰り返す ⑵ レボホリナートカルシウム フルオロウラシル通常 成人にはレボホリナートとして 1 回 200mg/ m2 ( 体表面積 ) を 2 時間かけて点滴静脈内注射する レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして 400mg/ m2 ( 体表面積 ) を静脈内注射するとともに フルオロウラシルとして 2400mg/ m2 ( 体表面積 ) を 46 時間かけて持続静脈内注射する これを 2 週間ごとに繰り返す なお 年齢 患者の状態などにより適宜減量する その他参考資料等 ⑴ Esophageal and Esophagogastric Junction Cancers version 1.2018(NCCN ガイドライン ) ⑵ Oesophageal cancer: ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis, treatment and follow-up(esmo ガイドライン ) 5