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基礎化学 ( 問題 ) 光速 c = 3.0 10 8 m/s, プランク定数 h = 6.626 10 3 J s, 電気素量 e = 1.602 10 19 C 電子の質量 m e = 9.109 10 31 kg, 真空中の誘電率 ε 0 = 8.85 10 12 C 2 s 2 (kg m 3 ) とする 物理化学分野 ( 基本問題 ) 1. (1) 速度 v[m/s] で動く質量 m[kg] の物体の持つ運動エネルギー K を求めよ 単位もかけ (2) 速度 7km/s で運動する物体の運動エネルギーが 1.7 10 9 J のとき物体の質量 m を求めよ 2. 光の速さを c[m/s], 波長を λ[nm], 波数を ν [/cm] としたとき 振動数 ν[hz] を二通りで表せ 3. 光速を c として 光のエネルギー E を波数 ν, 波長 λ を用いて二通りで表せ. 波長が 200nm の光がある (1) 光の振動数 ν と波数 ν を求めよ (2) 光の持つエネルギー E を求めよ 5. 10V の電位差で 1C の電荷が加速されたときに電荷が持つエネルギーを求めよ 6. (1) 1eV を J に単位変化せよ ただし 電気素量 e = 1.602 10 19 C とする (2) 1eV を kj/mol に単位変化せよ ただし アボガドロ数 N A = 6.02 10 23 /mol とする 7. (1) 5eV のエネルギーをもつ荷電粒子と波長が 200nm の光の持つエネルギーはどちらが大きいか (2) 基底状態の水素原子から電子を取り去るのに必要なエネルギーは 13.6 ev である 水分子 1 個を 1K 上昇させるのに必要なエネルギーと比べよ ただし 1 cal =.18 J である 8. 水素原子において電子 (n = 1) のまわる円軌道半径 a 0 ( これをボーア半径と呼ぶ ) を求めよ 9. 水素原子の電子のエネルギー E (n = 1) を求めよ 10. i 2+ の電子が n=3 から n=2 の準位に遷移したときに放出される光のエネルギーと波長を求めよ 11. i 原子の 2s 軌道にある電子がもつエネルギーを求めよ ただし 1s 電子 1 個が他の 1s 電子 1 個 および 2s 電子に対して遮蔽に寄与する遮蔽定数はそれぞれ σ 1 = 0.30, σ 2 = 0.85 である 12. 下の表はそれぞれの原子における電子配列を表したものである 表を完成させよ K 殻 殻 M 殻 N 殻 1s 2s 2p 3s 3p 3d s p d f 10Ne 2 2 6 11Na 2 2 6 12Mg 2 2 6 13Al 2 2 6 1Si 2 2 6 15P 2 2 6 16S 2 2 6 17Cl 2 2 6 18Ar 2 2 6 19K 2 2 6 20Ca 2 2 6 21Sc 2 2 6 22Ti 2 2 6 1

23V 2 2 6 2Cr 2 2 6 25Mn 2 2 6 26Fe 2 2 6 27Co 2 2 6 28Ni 2 2 6 29Cu 2 2 6 30Zn 2 2 6 13. 質量 50kg の人が速さ 2m/s で走っているときのド ブロイ波長 λ を求めよ 1. 運動エネルギー K = 31eV の電子線のド ブロイ波長 λ を求めよ 15. 水素原子の基底状態にある電子のエネルギーは 13.6eV である (1) この電子の運動量 p を求め ド ブロイ波長 λ を計算せよ (2) ボーア半径から基底状態にある電子の軌道の円周の長さ l を計算せよ 16. Na + と Cl - が無限遠から平衡核間距離 0.276nm まで近づくときのクーロン ( 静電 ) 引力による ポテンシャルエネルギーの変化 ΔU を求めよ 17. NaCl の格子エネルギーを求めよ Na(s) の昇華熱 108. kj mol -1 Na(g) のイオン化ポテンシャル 5.1 ev Cl2(g) の解離エネルギー 21.8 kj mol -1 Cl(g) の電子親和力 3.61 ev NaCl(s) の生成エネルギー -11.1 kj mol -1 18. Cl のポーリングの電気陰性度 χ Cl を求めよ H2 の結合エネルギー.9 ev Cl2 の結合エネルギー 2.8 ev HCl の結合エネルギー. ev H の電気陰性度 χ H = 2.1 19. ポーリングのイオン結合度の式を用いて HCl のイオン結合度 I HCl を求めよ ただし χ H = 2.1, χ Cl = 3.0 である 20. HCl 分子の双極子モーメント μ = 1.03 D 原子間距離 l = 0.13 nm である HCl 分子のイオン結合度 I HCl を求めよ 物理化学分野 ( 応用記述問題 ) 21. 100W のナトリウムランプ (λ = 589 nm) は全ての方向に一様にエネルギーを放出する 1 秒間にランプから放出される光子数 N を有効数字 3 桁で求めよ 22. α 線 ( 2He 2+ 158 ) を 79Au原子核に対し まっすぐ照射したとき α 線粒子は Au 原子核の中心から どれくらいの距離まで近づくか ただし 2He 2+ の初速度 v 0 = 2.0 10 7 m/s であったとし 2He 2+ の質量 m = 6.6 10 27 kg, 電気素量 e = 1.6 10 19 C を用いてもよい 23. 高温の He + イオンから放出される光のうち あるスペクトル系列の最小波長は 91.2 nm であった 電子がどの電子殻に遷移したときのスペクトル系列か答えよ 2

2. (1) 斥力とは何か 述べよ (2) 内側にある電子によって 外側にある電子のエネルギーが高くなるのはなぜか 斥力 という語句を用いて説明せよ 25. 水分子 H 2 Oの形状を電子雲の重なりを模式的に書いた図とともに説明せよ 26. 原子あるいはイオンの全エネルギーが 各電子のエネルギーの合計で表されるとして i の第 1 及び第 2 イオン化ポテンシャル [ev] を求めよ ただし 1s 電子 1 個が他の 1s 電子 および 2s 電子 1 個に対して遮蔽に寄与する遮蔽定数はそれぞれ σ 1 = 0.30, σ 2 = 0.85 である 無機化学分野 ( 基本問題 ) 原子量 : H = 1.0, C = 12, N = 1, O = 16, Na = 23, Cl = 35.5, K = 39, Mn = 55 とする 27. KMnO 1.58 g の物質量 nと これを純水に溶かして 250 cm 3 に希釈した溶液の濃度 Cを求めよ 28. 28wt% 濃 NH3aq (17 g/mol) の密度が 0.90 g/cm 3 であるとき M NH3aq 1 を調製するのに 必要な濃 NH3aqの体積 Vを求めよ 29. 質量パーセント濃度 37% の濃 HClaq ( 密度 d = 1.19g/cm 3 ) を希釈して 0.1M HClaq 1 を作るときに必要な濃 HClaq の体積 Vを求めよ 30. C2H5OH 10.0g と純水 90.0g を混合した溶液中の C2H5OH のモル分率 xおよびモル濃度 Cを求めよ ただし 混合液の密度は 0.98 g/cm 3 である 31. 次の各反応式における物質が 酸 塩基の どちらの働きをしているか答えよ (1) CO 2 3 + H 2 O HCO 3 + OH (2) NH 3 + H 2 S NH + + HS (3) [: SnCl 3 ] + (CO) 5 MnCl (CO) 5 Mn SnCl 3 + Cl 32. (1) 250 ml 中に Na2SO を 6.0 μmol 含む溶液がある Na の含有量を百万分率で求めよ (2) 次のイオンを 100ppm 含む溶液をそれぞれ 1 ずつ調整するのに必要な NaCl の質量を求めよ (a) Na + (b) Cl (3) KClO3 を 500ppm 含む溶液 1 に含まれるK + の質量 m[kg] をもとめよ 33. Ca(NO3)2 を 0.10 mol, HCl を 0.20 mol, CaCl2 を 0.30 mol だけ水に溶かして 1 とした 溶液中に存在する各イオン濃度を求めよ また この溶液が電気的中性であることを示せ 3. 化学物質 A,B が反応し C,D が生成する反応 A + B C + D がある 反応物 A,B の初濃度は 0.20 mol/, 0.50 mol/ で反応の平衡定数が 0.30 のとき 平衡時の反応物 A,B と生成物 C,D の濃度 C A ~C D をそれぞれ求めよ 35. ph = 3.00 の強酸 2.0ml と ph = 10.00 の強塩基 3.0ml の混合液の ph を求めよ 36. 1.00 10 8 mol/ の HClaqの ph を求めよ 37. 25, 0.100 M の溶液中に CH3COOH は 1.3 % 解離することが確認されたとき CH3COOH の酸解離定数 K a を求めよ 38. 0.0100 mol/ の CH3COOHaqの電離度 αと ph を求めよ ただし 酸解離指数 pk a =.76 である 39. 0.055 mol/ の NH3aqの ph を求めよ ただし 塩基解離指数 pk b =.76 である 0. 0.10 mol/ の CH3COOK の ph を求めよ ただし 酸解離指数 pk a =.76 である 1. 0.10 mol/ の NaOHaq 50ml を 0.10 mol/ の HClaqで中和滴定した (1) HClaqを 9.9 ml 加えた時の ph を求めよ 3

(2) HClaq を 50.1 ml 加えた時の ph を求めよ 2. 0.10 mol/ の CH3COOHaq 50ml を 0.10 mol/ NaOHaq で中和滴定した 滴定前の ph と当量点の ph をそれぞれ求めよ ただし 酸解離指数 pk a =.76 である なお 強塩基による弱酸の滴定で当量点の ph は 3. 0.020 mol/ の H3POaq の ph を求めよ ph = 1 2 (pk C HA V HA a + log 10 + pk V HA + V w ) OH ただし H3PO の第一解離定数 K a = 7.52 10 3 mol/ は第二解離定数より大きい. 0.020 mol/ の CH3COOHaq 50cm 3 と 0.200 mol/ の CH3COONaaq 30cm 3 を混合し調整した 緩衝溶液の ph を求めよ また この溶液に 0.10 mol/ の NaOHaq を 2.0cm 3 加えた時の ph を 求めよ ただし 酸解離指数 pk a =.75 である 5. PbF2 は 1 中に 0.736 g 溶解する PbF2 の溶解度積 K sp を求めよ 6. 純水中および Na2SOaq(1.0 10 2 mol/) 中の BaSO の溶解度 S, S をそれぞれ求めよ ただし K sp (BaSO ) = 1.08 10 10 (mol ) 2 である 7. 金属イオン M 2+ は中性配位子 と 1:1 錯体を生成し 生成定数 K δ = 1.0 10 3 mol/ である 同体積の 0.10 mol/ の M 2+ 水溶液と 0.20 mol/ の 水溶液を混合したとき 金属イオンの平衡濃度を求めよ 8. 次の各問に答えよ (1) 二クロム酸カリウム K2Cr2O7 の各原子の酸化数を求めよ (2)Fe 2+ の水溶液に Cl 2 を通じると Fe 3+ と Cl が生じる この反応の化学反応式をかけ (3) 酸素と水が反応して水酸化物が生じる化学反応式を書き 酸化反応か還元反応か示せ 9. ボルタ電池 (Zn H 2 SO aq H 2 (Cu)) の起電力を求めよ ただし Zn 2+ + 2e Zn ; E = 0.762 V, 無機化学分野 ( 応用記述問題 ) 50. 塩化アンモニウム水溶液が弱酸性を示す理由を説明せよ 2H + + 2e H 2 ; E = 0.00 V である 51. ある一価の弱酸 2.0 g を水に溶かして作った 50 m 水溶液の ph は 2.5 であった この水溶液 10 m を中和するのに 0.10 mol のNaOHaqを 66.5 m 要した 弱酸のモル質量を求めよ また この中和滴定での当量点での ph を求めよ 52. H 2 S の第一段階と第二段階の電離定数はそれぞれ K 1 = 1.0 10 7 mol/, K 2 = 1.0 10 1 mol/ (1) 0.10 mol/ の H2S 水溶液を ph = 2 および ph = 8 にした時の [S 2 ] を求めよ (2) Cu 2+, Zn 2+, Fe 2+ がそれぞれ 0.10 mol/ ずつ含まれる水溶液に ph を一定に保ったまま H2S を 十分に通じる ph = 2 に保った場合と ph = 8 に保った場合に生じる沈殿の化学式を答えよ ただし ph によらず H2S の水に対する溶解度は 0.10 mol/ とし 溶解度積の値はそれぞれ K sp (CuS) = 6.5 10 30, K sp (ZnS) = 2.2 10 18, K sp (FeS) = 2.5 10 9 である 53. (1) 緩衝溶液は ph を一定に保つ働きをもつ その理由を記せ (2) 0.300 mol/ の酢酸水溶液 60.0 ml と 0.300 mol/ の酢酸ナトリウム水溶液 0.0 ml を混合して 作成した緩衝溶液に 1.00 mol/ の NaOHaq を 10.0 ml 加えた時の ph を求めよ ただし 酢酸の酸解離定数 K a = 2.0 10 5 とする

1. (1) K = 1 2 mv2, ジュール [J] (2) m = 60 kg 2. ν = c 109 λ 3. E = hc λ, ν = cν 10 2, E = hcν. (1) ν = 1.5 10 15 Hz, ν = 5.0 10 cm 1 5. 10 J (2) E = 9.9 10 19 J 6. (1) 1.602 10 19 J (2) 96.5 kj/mol 7. (1) 荷電粒子 : 8.01 10 19 J 光 : 9.9 10 19 J (2) 電子 : 2.179 10 18 J 水分子 : 1.251 10 22 J 8. a 0 = 0.0529 nm 9. E = 13.6 ev 10. ΔE = 17 ev, λ = 7.3 10 8 m 11. E = 5.75 ev 12. ( 省略 : 基礎化学という名の物理 を参照 ) 13. λ = 6.626 10 21 m 1. λ = 2.203 10 10 m 15. (1) p = 1.99 10 2 kg m s λ = 3.33 10 10 m (2) l = 3.32 10 10 m 16. ΔU = 5.2 ev 17. Q = 8.17 ev 18. χ Cl = 3.1 19. I = 18.3 % 20. I = 16.5 % 21. 下記解説へ 22. 下記解説へ 23. 下記解説へ 2. 下記解説へ 25. 下記解説へ 26. 下記解説へ 基礎化学 ( 基礎問題 : 略解 ) 27. n = 1.00 10 2 mol, C =.00 10 2 mol 28. V = 0.27 29. V = 8.3 10 3 30. x = 0.02, C = 2.1 mol 31. (1)~(3) 塩基 + 酸 酸 + 塩基 32. (1) 1.1 ppm (2)(a) 0.25 g (3) m = 0.16 g (b) 0.16 g 33. Ca 2+ : 0.0, NO 3 : 0.20, H + : 0.20, Cl : 0.80 [H + ] + [Ca 2+ ]: [NO 3 ] + [Cl ] = 5: 5 = 1: 1 3. A: 0.09, B: 0.39, C: 0.11, D: 0.11 35. ph = 3.5 36. ph = 6.98 37. K a = 1.82 10 5 38. α = 0.008, ph = 3.38 39. ph = 10.99 0. ph = 8.88 1. (1) ph = 10.0 (2) ph =.0 2. 前 : ph = 2.9 後 : ph = 8.7 3. ph = 2.0. 1 ph =.5 2 ph =.8 5. K sp = 1.08 10 7 mol 6. S 1 = 1.0 10 5 mol/ S 2 = 1.08 10 8 mol 7. 9.6 10 mol/ 8. (1) K: +1, Cr: +6, O: 2 (2) 2Fe + + Cl 2 2Fe 3+ + 2Cl (3) 2H 2 O + O 2 + e OH : 還元反応 9. 0.762 V 50. 下記解説へ 51. 下記解説へ 52. 下記解説へ 53. 下記解説へ 5

[ 物理化学分野 ] 基礎化学 ( 応用記述問題 : 解説 ) 21. 100W のナトリウムランプ (λ = 589 nm) は全ての方向に一様にエネルギーを放出する 1 秒間にランプから放出される光子数 N を有効数字 3 桁で求めよ ( 解 ) 光子 1 個のエネルギー E = hc λ = (6.626 10 3 J s) (3.0 10 8 m s) 589 10 9 = 3.375 10 19 J より m 1 秒間に放出される光子数 N = 100 W 3.375 10 19 J = 2.96 1020 s 22. α 線 ( 2He 2+ 158 ) を 79Au原子核に対し まっすぐ照射したとき α 線粒子は Au 原子核の中心から どれくらいの距離まで近づくか ただし 2He 2+ の初速度 v 0 = 2.0 10 7 m/s であったとし 2He 2+ の質量 m = 6.6 10 27 kg, 電気素量 e = 1.6 10 19 C を用いてもよい ( 解 ) 無限遠で与えた運動エネルギー K が すべてクーロンポテンシャル U になる位置まで近づく α 線 ( 2He 2+ 158 ) のもつ電気量 q 1 = 2e, 79Au原子核のもつ電気量 q 2 = 79e より K = U 1 2 mv 0 2 = q 1q 2 πε 0 r r = q 1q 2 2πε 0 mv 2 = 158e2 0 2πε 0 mv 2 = 2.8 10 1 m 0 23. 高温の He + イオンから放出される光のうち あるスペクトル系列の最小波長は 91.2 nm であった 電子がどの電子殻に遷移したときのスペクトル系列か答えよ ( 解 ) He + は電子一個なので 他の電子による影響は考えなくてよく ボーア理論が成り立つ 原子番号 Z の原子において 主量子数 n 2 n 1 の遷移で放出される光の波長 λ との関係は エネルギー E = hc λ = e m 8ε 2 0 h 2 ( Z2 n 2 Z2 1 n 2 2 ) ( ) で表される 同一スペクトル系列内の最小波長の条件より 放出される光のエネルギーは系列内最大であり 即ち エネルギー準位差が最大なので n 2 = からの遷移を考えればよい e m 8ε 0 2 h 2 = 13.6 [ev] = 13.6e [J] かつ λ = 91.2 [nm] = 91.2 10 9 [m] より ( ) hc λ Z2 = 13.6e n 2 n 1 = Z2 13.6e λ = 2.0 殻 1 hc 2. (1) 斥力とは何か 述べよ (2) 内側にある電子によって 外側にある電子のエネルギーが高くなるのはなぜか 斥力 という語句を用いて説明せよ チェックポイントに網掛けを付した そこの記述ができているか確認しよう ( 解 ) (1) 2 つの物体の間にはたらく相互作用のうち 反発しあう ( 互いを遠ざけようとする ) 力のこと (2) 内側の電子とその側の電子との間で斥力がはたらき 外側の電子と原子核との間にはたらく引力の影響が弱まることで クーロンポテンシャルが小さくなるため 6

25. 水分子 H 2 Oの形状を電子雲の重なりを模式的に書いた図とともに説明せよ チェックポイントに網掛けを付した そこの記述ができているか確認しよう ( 解 ) 共有結合時に酸素原子 Oは励起して sp 3 混成軌道を描く 混成軌道のうち 2 つは非共有電子対により占有され 余った軌道にそれぞれ水素原子 Hの電子雲が重なり 結合が生じるので 水分子は折れ線の形状となる 26. 原子あるいはイオンの全エネルギーが 各電子のエネルギーの合計で表されるとして i の第 1 及び第 2 イオン化ポテンシャル [ev] を求めよ ただし 1s 電子 1 個が他の 1s 電子 および 2s 電子 1 個に対して遮蔽に寄与する遮蔽定数はそれぞれ σ 1 = 0.30, σ 2 = 0.85 である ( 解 ) i, i +, i 2+ の電子配置は それぞれ (1s) 2 (2s) 1, (1s) 2, (1s) 1 である 1 つの電子が持つエネルギー E i = (Z σ i) 2 e m n 2 8ε 2 0 h 2 = (Z σ i) 2 n 2 13.6 [ev] であるから (3 0.30)2 (3 0.85 2)2 E i = 2 { 1 2 13.6} + { 2 2 13.6} = 2 ( 99.1) + ( 5.75) = 20.0 ev 同様にして E i + = 2 ( 99.1) = 198.2 ev, E i 2+ = 32 13.6 = 122. ev 12 従って 第一イオン化ポテンシャル I p1 = E i + E i = 5.8 ev 第二イオン化ポテンシャル I p2 = E i 2+ E i + = 76 ev [ 無機分野 ] 50. 塩化アンモニウム水溶液が弱酸性を示す理由を説明せよ チェックポイントに網掛けを付した そこの記述ができているか確認しよう ( 解 ) 塩化アンモニウムは水中で次のように電離する NH Cl NH + + Cl これにより生じたNH + が次のように加水分解を起こし 水素イオンが生じる NH + + H 2 O NH 3 + H 3 O + 従って 溶液は弱酸性を示す 7

51. ある一価の弱酸 2.0 g を水に溶かして作った 50 m 水溶液の ph は 2.5 であった この水溶液 10 m を中和するのに 0.10 mol のNaOHaqを 66.5 m 要した 弱酸のモル質量を求めよ また この中和滴定での当量点での ph を求めよ ( 解 ) 強塩基による弱酸の滴定での当量点の ph は ph = 1 2 (pk C HA V HA a + log 10 + pk V HA + V w ) ( ) で求められる OH まず 中和反応の量的関係より 1 C HA (10m) = 1 (0.10 mol ) (66.5m) C HA = 0.665 mol ここで C HA = 2.0 g M 1 0.050 = 0.665 mol M = 60 g mol 弱酸水溶液の電離平衡時における ph の関係式 (2.6.1) より ph = 1 2 (pk a log C HA ) = 2.5 pk a = 2 2.5 + log C HA =.82 従って 当量点での ph は ( ) ph = 1 0.665 0.010 (.82 + log + 1) = 8.9 2 0.010 + 0.0665 52. H 2 S の第一段階と第二段階の電離定数はそれぞれ K 1 = 1.0 10 7 mol/, K 2 = 1.0 10 1 mol/ (1) 0.10 mol/ の H2S 水溶液を ph = 2 および ph = 8 にした時の [S 2 ] を求めよ (2) Cu 2+, Zn 2+, Fe 2+ がそれぞれ 0.10 mol/ ずつ含まれる水溶液に ph を一定に保ったまま H2S を 十分に通じる ph = 2 に保った場合と ph = 8 に保った場合に生じる沈殿の化学式を答えよ ただし ph によらず H2S の水に対する溶解度は 0.10 mol/ とし 溶解度積の値はそれぞれ K sp (CuS) = 6.5 10 30, K sp (ZnS) = 2.2 10 18, K sp (FeS) = 2.5 10 9 である ( 解 ) (1) 第一段階と第二段階 二つの段階を合わせた H 2 S S 2 + 2H + の電離定数 K を求めると K = [S2 ][H + ] 2 [H 2 S] = [HS ][H + ] [S 2 ][H + ] [H 2 S] [HS = K ] 1 K 2 = 1.0 10 7 1.0 10 1 = 1.0 10 21 (mol/) 2 よって 求める硫化物イオンの濃度 [S 2 ] は ph = 2 のとき [S 2 ] = K 1 K 2 [H 2 S] [H + ] 2 = 1.0 10 21 (mol/) 2 0.10 mol/ (1.0 10 2 ) 2 (mol/) 2 = 1.0 10 18 mol/ ph = 8 のとき [S 2 ] = K 1 K 2 [H 2 S] [H + ] 2 = 1.0 10 21 (mol/) 2 0.10 mol/ (1.0 10 8 ) 2 (mol/) 2 = 1.0 10 6 mol/ (2) 水溶液中の金属イオン (M 2+ とする ) はいずれも 0.10 mol/ であるから (2) ph = 2 のとき [S 2 ][M 2+ ] = 1.0 10 19 (mol/) 2 (2) ph = 8 のとき [S 2 ][M 2+ ] = 1.0 10 7 (mol/) 2 (2) これらの値がそれぞれの沈殿物の溶解度積の値を超えているとき 沈殿物が生じるから (2) ph = 2 のとき CuS (2) ph = 8 のとき CuS ZnS FeS 8

53. (1) 緩衝溶液は ph を一定に保つ働きをもつ その理由を記せ (2) 0.300 mol/ の酢酸水溶液 60.0 ml と 0.300 mol/ の酢酸ナトリウム水溶液 0.0 ml を混合して 作成した緩衝溶液に 1.00 mol/ の NaOHaq を 10.0 ml 加えた時の ph を求めよ ただし 酢酸の酸解離定数 K a = 2.0 10 5 とする チェックポイントに網掛けを付した そこの記述ができているか確認しよう ( 解 ) (1) 弱酸は以下の解離がみられる H 2 O + HA A + H 3 O + ここで H + を加えれば平衡は左へ OH を加えれば平衡が右に傾き [H + ] を一定に保つ働きが現れるから (2) H 2 O + CH 3 COOH CH 3 COO + H 3 O + の平衡が成り立ち NaOH を加えれば平衡は右に傾く NaOH の物質量 n = 1.00[mol ] 10.0 [] = 0.010 mol であるから 1000 [CH 3 COOH] = (0.300[mol ] 60.0 1000 [] 0.010 mol) 1000 = 0.072 mol/ 60.0 + 0.0 + 10.0 (2) [CH 3 COO ] = (0.300[mol ] 0.0 1000 [] + 0.010 mol) 1000 = 0.20 mol/ 60.0 + 0.0 + 10.0 53. よって 求める ph は (3..1) 式より ph = pk a + log [CH 3COO ] [CH 3 COOH] = log K a + log 0.20 0.072 = 5.1 2017 年 5 月 12 日最終更新 文責 : B16-2311 大久保淳熙 協力 : 水野吉宗 9