褥瘡発生率 JA 北海道厚生連帯広厚生病院 < 項目解説 > 褥瘡 ( 床ずれ ) は患者さまのQOL( 生活の質 ) を低下させ 結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります そのため 褥瘡予防対策は患者さんに提供されるべき医療の重要な項目の1 つとなっています 褥瘡の治療はしばしば困難

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公開情報 27 年 月 ~2 月年報 ( 全集計対象医療機関 ) 院内感染対策サーベイランス全入院患者部門 解説. データ提出医療機関数 27 年年報 (27 年 月 ~2 月 ) の集計対象医療機関数は 863 医療機関であり 前年より 医療機関増加した これは国内 8,2 医療機関の.2% を占

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Ⅲ 院内感染対策に関する管理体制 当院における院内感染防止を推進するために 本指針に基づき当院に以下の委員会および組織等を設置する ( 図 1) 1. 院内感染防止対策委員会 (1) 院内における感染防止対策に関する院長の諮問機関 および院内感染対策の周知 実施を迅速に行うため 病院内の各部門からの

第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

TOHOKU UNIVERSITY HOSPITAL 今回はすこし長文です このミニコラムを読んでいただいているみなさんにとって 救命救急センターは 文字どおり 命 を救うところ という印象が強いことと思います もちろん われわれ救急医と看護師は 患者さんの救命を第一に考え どんな絶望の状況でも 他

岸和田徳洲会病院 当院では以下の研究に協力し情報を提供しております この研究は 国が定めた指針に基づき 対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得るかわりに 研究の目的を含む研究の実施についての情報を公開しています 研究結果は学会等で発表されることがありますが その際も個人を特定する情報は公表し

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はじめに 平成 27 年の日本医療機能評価機構創立 20 周年を機に 病院機能評価事業のさらなる発展を目指すため 次世代医療機能評価のアジェンダ ( 以下 アジェンダ ) を取りまとめた アジェンダでは (1) 地域医療の質向上に寄与するための評価 の実現に向け 以下 2 点の施策について検討するこ

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5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院医療に係る安全管理のための指針 第 1 趣旨本指針は 医療法第 6 条の10の規定に基づく医療法施行規則第 1 条の11 の規定を踏まえ 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院 ( 以下 センター病院 という ) における医療事故防止について組織的に

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高齢化率が上昇する中 認定看護師は患者への直接的な看護だけでなく看護職への指導 看護体制づくりなどのさまざまな場面におけるキーパーソンとして 今後もさらなる活躍が期待されます 高齢者の生活を支える主な分野と所属状況は 以下の通りです 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 脳卒中発症直後から 患者の

別紙 常勤医師等の取扱いについて 1. 一日平均患者数の計算における診療日数 (1) 入院患者数ア通常の年は 365 日である イ病院に休止した期間がある場合は その期間を除く (2) 外来患者数ア実外来診療日数 ( 各科別の年間の外来診療日数で除すのではなく 病院の実外来診療日数で除すこと ) イ

摂食嚥下訓練 排泄訓練等を開始します SCU で行うリハビリテーションの様子 ROM 訓練 ( 左 ) と端坐位訓練 ( 右 ) 急性期リハビリテーションプログラムの実際病棟訓練では 病棟において坐位 起立訓練を行い 坐位耐久性が30 分以上となればリハ訓練室へ移行します 訓練室訓練では訓練室におい

Transcription:

褥瘡発生率 褥瘡 ( 床ずれ ) は患者さまのQOL( 生活の質 ) を低下させ 結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります そのため 褥瘡予防対策は患者さんに提供されるべき医療の重要な項目の1 つとなっています 褥瘡の治療はしばしば困難であり 発症予防がより重要となることから 関連知識の蓄積 予防の計画 予防の実施にかかる総合力を評価します 平成 25 年度 0.04% (109/257,938) 平成 26 年度 0.03% ( 81/260,068) 平成 27 年度 0.04% ( 98/245,247) 平成 28 年度 0.04% ( 86/239,213) 平成 29 年度 0.03% ( 78/228,853) 当院では 看護部を中心に 褥瘡予防対策実践チーム を結成しており 多職種にわたるチーム医療の実践に努めております 今後も引き続き 褥瘡の発生予防と治療改善に努めていきます 重症度 d2 以上 院内での新規発生に限定 すでに褥創が発生している患者群を除く 日本病院会 QIプロジェクトの定義に準拠 分子 : 新規褥瘡発生患者数 分母 : 入院延べ患者数 ( 新生児を含む ) 基礎データと解析 :HOPE/DWH-Plus( 富士通株式会社 )

MRSA 感染率 MRSA( メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 ) は 鼻腔 咽頭 皮膚 粘膜 腸管などに常在 しうる薬剤耐性菌で 健康な人には危険性がありません しかし 抵抗力の低下した患者さマ にとっては感染の危険があり いったん発症すると薬剤耐性の面から治療が困難になる場合が あります 感染経路は 血液や体液の汚染 医療従事者の手や医療機器 環境表面を介しての 伝播などがあり 十分な対策が必要です 本指標は 安全で良質な医療を提供する病院として 十分な感染対策を行っている点を評価 します なお MRSA 感染率はサーベイランス実施の条件によって数値が左右されるため 単純に病院間の比較をすることは困難です MRSA 感染率平均 MRSA 罹患率平均 平成 25 年度 4.53 3.63 平成 26 年度 4.39 3.53 平成 27 年度 3.33 3.00 平成 28 年度 3.14 2.60 平成 29 年度 2.88 2.60 ( : パーミル=1/1000) 医療関連感染は 適切な感染対策の実施により発症頻度を減じることが可能です 当院では医師 看護師 薬剤師 臨床検査技師から構成されるICT( 感染制御チーム ) が中心となり 感染管理活動を展開しています ICTは毎週各部署へ出向き 手洗いや個人防護具の着脱状況を確認 指導し アウトブレイク ( 通常レベル以上の感染症増加 ) 防止に努めています また 抗菌薬の届出制によるMRSA 薬適正使用の実施や 平成 22 年度からはJANIS ( 厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業 ) への参加による疫学的データや感染症情報の収集など 積極的な活動を推進しています 厚生労働省 院内感染対策サーベイランス事業 還元データ MRSA 感染率 :MRSA 感染症発症患者の割合 MRSA 罹患率 : 新規のMRSA 感染症発症患者の割合 感染率 ( ):( 感染症患者数 総入院患者数 ) 1,000 罹患率 ( ):[ 新規感染症患者数 ( 総入院患者数 - 継続感染症患者数 )] 1,000

多剤耐性緑膿菌 (MDRP) による院内感染症発生患者数 多剤耐性緑膿菌 (MDRP) は一般家庭でも見られる毒素の弱い菌ですが 抵抗力が低下した患者さんに感染すると 肺炎などの重篤な感染症を引き起こし死亡する場合もあります 院内感染症は 適切な介入によって かなりの程度で発症を減じることが可能となります 当指標は 安全で良質な医療を提供する環境として 十分な感染対策を行っている点を評価します 1 件 当院は JANIS( 厚生労働省院内感染対策サーベイランス ) 事業に参加し ベースラインや動向を把握し 院内感染対策を実施しています また 院内感染対策マニュアルのMDRO ( 多剤耐性菌 ) 対応システムに基づいた 臨床検査技術科からの早期情報提供やICN( 感染管理認定看護師 ) の早期介入により 多剤耐性緑膿菌 (MDRP) のアウトブレイク ( 通常レベル以上の感染症増加 ) は起きておりません 今後は 院内感染対策の継続と抗菌薬の適正使用をさらに推進し 安全な医療を提供できる基盤を築くことに努めてまいります 期間中の新規 MDRP 感染症発症患者数 保菌者による持ち込み感染は除く 入院 3 日目以降に発生したものとする 実数

肺血栓塞栓症予防管理料算定率 肺血栓塞栓症は血栓 ( 血のかたまり ) が肺動脈に詰まり 呼吸困難や胸痛を引き起こす疾患であり 程度によっては死に至る場合もあります エコノミークラス症候群も肺塞栓症の一種ですが 長期の臥床や骨盤部の手術後に多く発症します 入院中においては 適切な診療によってかなりの部分が予防可能で リスクレベルに応じた予防法 ( 弾性ストッキングまたは間歇的空気圧迫法等 ) が推奨されており 当院でも発生率の低下への取り組みを行っています 23.5% (3,165/13,460) 22.2% (3,001/13,532) 20.8% (3,010/14,491) 21.2% (3,088/14,566) 21.4% (3,151/14,706) 当院では平成 17 年より 術中 術後のリスク別標準予防法に照らし合わせ 弾性ストッキング IPCポンプ ( 間歇的空気圧迫法 ) を選択し使用してきました また 平成 21 年より肺血栓塞栓症深部静脈血栓症予防ガイドラインを制定し 周術期の肺血栓塞栓症予防を先行して実施しております 現在は 一般外科 泌尿器科 産婦人科 整形外科 脳神経外科の手術患者を中心に 弾性ストッキング IPCポンプを使用しての肺血栓塞栓症予防の対策をとっておりますが 今後は内科 精神科領域の範囲にも広めていく予定です 算式のとおり 分子 : B001-6 肺血栓塞栓症予防管理料 算定数分母 : 期間内の退院患者数基礎データと解析 : 厚生労働省提出データ (EFファイル)

転倒転落発生率 転倒転落による損傷発生率 期間中の入院患者の延べ人数に対して新規に発生した転倒 転落件数の割合で 全入院患者を対象とします 転倒 転落の原因としては 患者さまの健康障害 ( 歩行障害 ) 治療に伴うもの ( 画像検査時の壇上からの転落など ) 環境 ( 滑りやすい廊下など ) 等があります 転倒転落発生率 3.06 (781/254,892) 損傷発生率 0.44 (113/254,892) 転倒転落発生率 3.04 (741/243,876) 損傷発生率 0.52 (128/243,876) 転倒転落発生率 3.37 (766/227,087) 損傷発生率 0.32 ( 73/227,087) 転倒転落発生率 3.49 (779/223,028) 損傷発生率 0.29 ( 64/223,028) 転倒転落発生率 3.81 (764/227,366) 損傷発生率 0.45 (103/227,366) ( : パーミル=1/1000) 当院では 患者さまの転倒 転落のリスクに応じて 看護目標や看護問題として看護計画の中で立案しております 転倒 転落防止のためには 施設環境の整備が重要であることはいうまでもありませんが 加えて職員が転倒 転落予防の知識を身につけ 医療 看護業務にあたることが必要です 今後も 安心 安全な医療 看護を実践していきます 医療安全管理科へ提出されたレポート件数 損傷発生率は損傷レベル2 以上 日本病院会 QIプロジェクトの定義に準拠 分子 : セーフティレポートによる転倒転落件数 分母 : 入院延べ患者数 ( 新生児を含む )