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s ss s ss = ε = = s ss s (3) と表される s の要素における s s = κ = κ, =,, (4) jωε jω s は複素比誘電率に相当する物理量であり ここで PML 媒質定数を次のように定義する すなわち κξ をPML 媒質の等価比誘電率 ξ をPML 媒質の

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4. ロスビー波と 1.5 層モデル見延庄士郎 ( 海洋気候物理学研究室 ) 予習ビデオ : NASA JPL の海面高度偏差でエルニーニョを見るページ. 赤道ケルビン波が見えるか? hps://sealevel.jpl.nasa.gov/elnino015/inde.hml の動画 hps://sealevel.jpl.nasa.gov/elnino015/1997vs015-animaed-800.gif 大気のロスビー波 :hps://www.youube.com/wach?v=bvup9_dms5q 室内実験でロスビー波 :hps://www.youube.com/wach?v=miihknkvos 式番号について : 異なるスライドで式を引用するときには,(3.1) などと ( 章番号. 式番号 ) とする. 一つのスライドの中, あるいはすぐ次のスライドだけで使うなら 1 などとする. 第 3 回のまとめ おおざっぱにいうと, 時間スケールが 1 日よりも短い現象では, コリオリ項を無視することができる. その場合に重要となる波は, ( 非回転 ) 重力波である. 層厚がHの1 層モデルでは重力波の伝播速度は である. 上の波が1/fの時間で伝播する距離を, ロスビーの変形半径と言い, これよりも大きいスケールでは一般に地衡流バランスが成り立つ ( 摩擦無しの場合 ) 岸があることで生じる波が, 沿岸ケルビン波で,1 層モデルの伝播速度は で, 岸を右に見る方向に伝播する. それと近い関係にあるのが, 赤道ケルビン波で, 1 層モデルの伝播速度は で赤道に沿って東向きに伝播する. 1 本日の目的 今日は, ロスビー波, そして 1.5 層モデルを導入する. 地球流体の特徴は, コリオリ力を受けることで, しかもコリオリパラメータ (f=ω sinθ) が緯度の関数であることから明白なように, コリオリ力の効果が緯度によって違う. この緯度変化の効果から生じる つの波がある. その一つが赤道を東に進む赤道ケルビン波で, もう一つが西に進むロスビー波である. またエルニーニョを含めて多くの風が海を駆動する現象で, 海洋の運動は上層に限られるので, 海が上から下まで動くという 1 層モデルでは都合が悪い. この問題を解決する, 上層だけ動く 1.5 層モデルを導入しよう. 海に見えるロスビー波 海面高度 ( 海の表面のでこぼこ ) 3 4

赤道で東へ伝播 赤道ケルビン波 赤道外では西へ伝播 ロスビー波 5N と 1N で, 後者の波の速度が速いのは 1N である. ロスビー波 5 6 地衡流の収束 発散?(f 一定の場合 ) 1) 初期水位 ) 流れは? ロスビー波のメカニズム :f が北で大きい場合 1) 初期水位 ) 流れは? 北 東 赤道 北 東 赤道 3) 収束発散? 4) 移動方向? 3) 収束発散? 4) 移動方向? 収束 発散 収束 発散 収束発散はゼロ, 伝播はしない 伝播方向は, 西向き 7 8

定量的に理解するために式を使おう. 前回学んだ, 摩擦 風応力を考えない浅水方程式系は, 東向き運動方程式 北向き運動方程式 連続の式 u fv = gh v + fu = ghy h = H( u + v ) 簡素化のために, 運動方程式の時間変化項を無視 ( 消去 ) したい 前回のスケーリングの議論を踏まえると, 時間変化項を無視できるのは, 以下の二つの等価な場合である 時間スケールが 1 日よりも十分長い 空間スケールがロスビーの変形半径よりも十分大きい 今回導出するロスビー波は, 長波ロスビー波と呼ばれる 1 3 長波ロスビー波の伝播速度 東向き運動方程式 北向き運動方程式連続の式 d f /d y β 0 に注意 fv = gh 1 + fu = gh y h = H( u + v ) 3 クロス微分の定跡 : / - 1/ yで, 必ず圧力項を 消すことができる. f ( u + vy ) + βv = 0 β これを3に代入して h = Hv f これに1を代入してvを消すと gh h β h f これは一階線形偏微分方程式 ( 伝播方程式 ). 伝播方向は西. 伝播速度は gh β = β R O f = 0 (4.1) 前回登場のロスビーの変形半径 R O を使うと 9 10 Nino3.4 と 00 hpa 等圧面高度の相関 第一回スライド再掲 エルニーニョの影響は中高緯度に及ぶ 11 大気のロスビー波 中緯度の大気では, 東西方向に地球を一周する西風 ( 東向き ) の成分が強い. 陸があるので, 海流は地球を東西方向に一周できない. その強い西風と, 静止流体では西に伝播しようとするロスビー波の速度が逆方向で大きさが等しいと, 波の伝播が風に押しとどめられ, 定在ロスビー波が生じる. 実際には, ロスビー波は様々な速度 ( とそれに対応した波長 ) を持つので, 定在する波が選択的に励起される. 定在ロスビー波の存在には西風が不可欠なので, 貿易風などの東風領域では, ロスビー波は存在できない. 定在ロスビー波はエネルギーを必ず東に伝えるので, エルニーニョに伴う大気のロスビー波はアメリカ大陸を直撃するけれど, 日本には来ない. 日本へのエルニーニョの影響は間接的なメカニズムによる. 1

テレ コネクション 温暖 寒冷 テレ コネクション ( 遠隔結合 ) ある場所の気候状態が離れた地点の気候状態に影響 代表格が, エルニーニョに伴って生じる太平洋 / 北米パターン ( 左図 ) この図から, エルニーニョの影響が最も強いのは, 北米 南米 日本の中では, 北米である ロスビー波の速度を計算しよう Q. 水深 4000 m, 重力加速度 10 m/s, として 5N でのロスビー波の伝搬速度を求めよ. なお,f=Ω sinθ = 6 10-5 s -1, β=(ω/a) cosθ = 10-11 m -1 s -1 を用いよ (a は地球半径 ). また, スライド 5 の 5N の伝搬速度を, 図から求めよ. この際, 経度 1 度当たりの距離が,5N で 100 km であることを用いる. 両者の結果は一致するといえるか? A ロスビー波の伝搬速度は, β gh / f =0 m/s. 一方, 図の伝搬は経度 10 度を 6 年で伝播するので, c=10*100*1000/(6*365*4*60*60)=0.063 m/s となって, 全然合わない. 13 14 海洋成層と運動の鉛直構造 混合層 0 m 0 上層 温度躍層 500 1.5 層モデル 15 1000 m 0 C 10 C 0 C WOA94,SODA7 海洋の運動の多くは, 上から下まで一様 (1 層 ) ではなく, 上 ( 上層 ) だけ速い. 層のうち上層だけ動く,1.5 層モデルが有効. 1000 30N 45N C 16

1.5 層モデル 1/3 密度が少し異なる, 層流体を考える. 層目の厚さが, 無限だと仮定する. 層目は動かない. この場合, 上層の流速をu, v とすると, 以下の浅水方程式と同じ形の u fv = g v + fu = g h + H ( u + v ) = 0 流体表面 境界面 方程式系が得られることを示そう. ここで,g は低減重力と呼ばれる量である. H y η η 1 1 g ' g ρ = ρ (4.4) ρ 0 (4.a) (4. b) (4.3) h p, ρ z=0 u,v, p 1, ρ 1 上層 深層 17 1.5 層モデル /3 上層の ( 線形 ) 運動方程式は 1 層モデルと一緒で H η u fv = gη 1a 1 1 ab v + fu = gη 1b 境界面 1y 一方連続の式は明らかに次式が成り立つ h + H ( u + v ) = 0, h = H + η η したがって, η 1 を h のみで表せればよい. この関係を出すのに, 層目が動かないという条件を使う. まず p は ( 水平変化成分のみに着目して ) p = p1 + ρ0g ' η = ρ0gη1 + ρ0g ' η なので, これがゼロとなるには η = η 1 g / g ', gはg よりもずっと大きいので したがって, 流体表面 1 η >> η 1 1 η 1 h p, ρ z=0 u,v, p 1, ρ 1 上層 深層 下層が動かないので,p はゼロ. 四角に η 1 か η を入れよう h η, η = hg '/ g 3 18 1.5 層モデル 3/3 一つ前スライドの運動方程式 1abに,と3を代入すると u fv = g v + fu = g となって求める運動方程式 (4.ab) が得られた.( 導出完了 ) 1.5 層モデル方程式系は低減重力モデルとも呼ばれる. 1 層浅水方程式の, 重力加速度が低減重力に, 全水深が上層の厚さに, 置き換わっただけ. y 19 1 層モデル vs1.5 層モデル 1 層モデルの層厚を H=4000 m, 重力加速度を g=10 m/s とし,1.5 層モデルの層厚さを H=300 m, 低減重力を g =0.03 m/s とする. 共通のパラメータとして, f=ω sinθ = 610-5 s -1, b=(ω/a) cosθ =10-11 m -1 s -1 とする.(a は地球半径 ) Q1 1.5 層モデルで重力波の速度を表す式を書き, 速度を求めよ. A1 1.5 層モデルの重力波の速度は, =3 m/s Q 1.5 層モデルで長波ロスビー波の速度を表す式を書き, 速度を求めよ. この速度は,18 枚目のスライドで求めたロスビー波速度の観測地と一致すると言えるか? A1 1.5 層モデルの長波ロスビー波の速度は, = 10-11 0.03 300 /(6 10-5 ) = 9/36 10-1 =0.05 m/s 0

第 4 回のまとめ 1/ 赤道に沿って東に伝播する波が赤道ケルビン波, 1 層モデルの伝播速度は. 岸に沿うのは沿岸ケルビン波. 長波ロスビー波は, 西に伝播し, その速度はロスビーの変形半径をR O とすると, β R O である. ロスビーの変形半径は, 重力波が1 日のスケールで伝播できる距離を表し,1 層モデルではである. 流体が動く上層と, 動かない無限の厚さを持つ 層からなるモデルを,1.5 層モデルという. このモデルでの重力波の伝播速度は低減重力をで表すと, である. 海面水位の凹凸が赤道外で西へ伝播する様子は,1.5 層モデルのロスビー波でよく説明できる. 大気のテレコネクションを担う波は定在ロスビー波である. 第 4 回のまとめ / 1.5 層モデルは1 層浅水方程式の, 重力加速度が低減重力に, 全水深が上層の厚さに, 置き換わったものであり, 外力 摩擦がない場合の式は, 以下のとおりである. u fv = g 低減重力は, v + fu = g h + H ( u + v ) = 0 ρ 1 g ' = g ρ ρ (4.4) 0 y (4.a) (4. b) (4.3) 1 おまけ : 主要英単語 ( テストには出しません ) 波 重力波 :graviy wave 赤道ケルビン波 : equaorial Kelvin wave 沿岸ケルビン波 :coasal Kelvin wave ロスビー波 :Rossby wave 方程式 運動方程式 :momenum equaion 連続の式 :coninuiy equaion 浅水方程式 :shallow waer equaions 1.5 層モデル :1.5-layer model または reduced graviy model 定数 コリオリパラメータ :Coriolis parameer 重力加速度 :graviy acceleraion 低減重力 :reduced graviy ロスビーの変形半径 :Rossby s deformaion radius 現象 地衡風 ( 地衡流 ):geosrophic wind (geosrophic flow) 伝播 :propagaion 3