第2表 150mg投 膿 痂 与 前 お よび 同 開始 後3日 疹 109 写 真1 40才 女 子,癰,治 写 真2 800mg,4日 療前 間 内服 後 目の 菌 の 状 況 で あつ て,前 例 と共 に,投 与 量 の 関 係か ら,病 巣 部 の菌 は 減 少 しては い るが,こ の量 で は この 欺 間 中 は治 癒 させ る こ とは 困難 で あ つた 次 に,腋 窩 や 小 児 頭部 に 生 ず る化 膿性 汗 腺 炎 で は,第3表 うに,4例 中3例 に 有効,第1例 のよ は 治癒 に やや 日数 を 要 した い す れ も切 開す る こ とな く治 癒 した 第4表 の 座 瘡,毛 嚢炎,毛 瘡 で は,4例 の成 人 に1日800mgを わ れ るが,効 果 の 発 現が 遅 く,第2,第4例 第3例29才 男子 の症 例で,写 真14は 投 与,第1例 は 有 効,第3例 も や や 有 効 か と思 は,こ の 投 与期 間 中ほ とん ど効 果 をみ とめ なか っ た0写 真13,14は, そ の 治療 前 と治 療7日 目の 菌 の 状態 で あつ て,余 り変 化 を み とめ な い この 症 例は その 後,長 期 間の 内服 に よつ て,症 状 に 相 当改 善 を みた が,同 時 に 内服 中腹 部膨 満 感 を 訴 え た これ らの疾 患 は,先 に述 べ た 急 性 感染 症 と異 な り,細 菌 と同時 に局 所 的 ま たは 全 身 的 の 諸 種 要 因 の共 働 も してい る と考 え られ るの 写 真3 写 真5 1才 男 子,膿 200mg,7日 痂 疹,治 間内服 療 前 写 真4 写 真6 200mg3日 200mg,10日 間 内服 間内服
110 写 真7 3才 女 子,膿 痂 疹,治 療 前 写 真8 225mg,6日 で,こ 間内服後 の よ うに 成 績 が 異 な る も の で あ る か と 思 わ れ る 最 後 に,そ の 他 の 各 種 疾 患 は,第5表 お りで,第1例 の 丹 毒 は,ぎ 顕 著 な 効 果 を み とめ,急 速 に 全 治 し た 第6 例 の 蜂 窩 織 炎 は,7日 間 の 内 服 に よ つ て,有 効 で は あ つ た が,全 Mikrobielles の と わ め て 早期 か ら 治 に 至 ら なかつた Ekzemは,抗 生物 質 の 内服 の み で は 早 急 な 治 癒 は 望 め な い が,第7例,3 才 女 子 で は 外 用 療 法 の 併 用 に よ つ て,治 療前 (写 真15)よ はや り も,4日 目(写 や 改 善 を み た 第2例(写 子 で も,外 写 真9 内 服 前 の 病 巣部 細 菌 叢 写 真10 内服 後 の細 菌 叢 13日 真17)の35才 男 用 療 法 の 併 用 に よ つ て,写 の よ うに,1ヵ み た が,本 真16)に 真18 月 後 に は か な り症 状 の 改 善 を 剤 を 内 服 した の は こ の 間,当 初の 間であつた ま と め ス ピ ラ マ イ シ ン は,既 て,そ に10年 来 使 用 され の 効 果 が 確 認 さ れ て い る が,そ の 第1は り,一 の特性 低 い 血 中濃 度 と高 い 臓 器 内濃 度 で あ 般 に ス ピラ マ イ シ ンは エ リス ロマイ シ ン に 較 べ て 試 験 管 内 抗 菌 力 が 低 い が,肺 写 真11 3才 女 子,膿 連 菌 に 対 しては 充 分 な 抗菌 力 を もつ 一 方,ブ ド ウ 球 菌 に 対 す る 抗 菌 力 は 弱 い した が つ て,ス 痂 疹 炎球 菌,溶 ピ ラマ イ シ ンの 血 中 濃 度 ばブ ドー 球 菌 の発 育 阻 止 濃 度 を や や もす れば 下 廻 るに もか か わ らず,臨 床 的 に 使 用 して有 効 で あ るの は,そ の 臓 器 内濃 度が 高い た め と考 え ら れ て い る1) ア セ チ ル ス ピ ラ マ イ シ ンは,そ れ よ りさ らに臓 器内濃 度 が 高 い と言 わ れ てい るが,皮 膚 濃度 に つ い て は 明 らか で な い 一 応,臨 床 的 に 用 い て,成 で は,癰 人 量 で800 1,200mgの 範囲 に 対 して有 効 な ば あい が 多 く,ま た,投 与 量 と治療 効 果 との 間に は つ き り と した 差 は み とめ られ なか つ た 膿 痂 疹 に も多 くの ば あ い 有 効 で,そ の うち 第3表 写 真12 治 療 前(右),150mg,3日 化 膿 性 汗 腺 炎 間 内 服 後(左) 第4表 座 瘡,毛 嚢 炎,毛 瘡
写 真13 29才 男 子,毛 そ の 第5表 瘡 他 第6表 写 真14 治 療 前(右),800mg,3日 111 の ま 疾 と 患 め 間 内 服 後(左) 3才 の小 児 に投 与 した6例 中,効 果 の充 分で なかつ た2例 は,そ れ ぞれ225mgお よび150mgの 少 量 を投 与 した もの で あ つ た な お,こ れ らの 症 例 で も,病 巣 面 の 細 菌 数 に は減 少 が み とめ られ 写 真15 3才 女 子,Microbielles Ekzem, 治 療 前 た しか し一 方 で は,5才 や,1才 に300mg投 に200mg投 与 して 有効 で あつ た 症 例 与 して無 効 で あつ た 症 例 もあ り,適 切 な投 与 量 を 明 確 に示 す 結 論 は 得 られ なか つ た ス ピ ラマ イ シ ンの第2の 特 徴 と して,消 化 管 の 副 作 用 が 少 な く 腸 内細 菌 叢 へ の 影 響 は顕 著 で な い とい わ れ て い る2) しか し,従 来 の ス ピ ラマ イ シ ン投 与 で も下 痢 を 来 た した 症 例 の報 告 が2,3 あ り3,4,5),著者 等 も小 児1例 に下 痢 をみ とめ,1例 写 真17 35才 男 子, Mikrobielles Ekzem治 写 真16 300mg,4日 間 内服 後 療 前 写 真18 では 腹 部 膨 満 800mg13日 間 内 服, 外 用 治 療 併 用1ヵ 月後
1) ENAZET, F. & M. DUOST: Apparent paradox of antimicrobial activity of spiramycin. Antibiot. Ann. 1958/1959: 211 `220, 1959. 2) RAVINA, A.; M. PESTEL, PH. ELOY, G. DUCHESNAY, R. ALOUY & M. REY : A new French antibiotic: spiramycin. Antibiot. Ann. 1955/1956: 223 `227, 1956.