東京工業大学前期日程問題 解答解説のページへ n n を自然数とする 平面上で行列 n( n+ ) n+ の表す 次変換 ( 移動とも いう ) を n とする 次の問いに答えよ () 原点 O(, ) を通る直線で, その直線上のすべての点が n により同じ直線上に移 されるものが 本あることを示し, この 直線の方程式を求めよ () () で得られた 直線と曲線 (3) を求めよ n Sn 6 によって囲まれる図形の面積 Sn を求めよ --
東京工業大学前期日程問題 解答解説のページへ 実数 に対して, () 関数 ( ) の最小値を求めよ () 定積分 ( ) cos sin d とおく ( ) d を求めよ --
東京工業大学前期日程問題 3 解答解説のページへ 定数 は > を満たすとする 平面上の点 A(, ) を通り 軸に垂直な直線の 第 象限に含まれる部分を, 点 X, Y がAY AX を満たしながら動いている 原点 O(, ) を中心とする半径 の円と線分 OX, OY が交わる点をそれぞれ P, Q とする とき, OPQ の面積の最大値を を用いて表せ -3-
東京工業大学前期日程問題 4 解答解説のページへ平面上に 辺の長さが の正方形 D およびD と交わる直線があるとする この直線を軸にD を回転して得られる回転体について以下の問いに答えよ () D と同じ平面上の直線 l は D のどの辺にも平行でないものとする 軸とする直線はl と平行なものの中で考えるとき, 回転体の体積を最大にする直線はD と唯 点で交わることを示せ () D と交わる直線を軸としてできるすべての回転体の体積の中で最大となる値を求めよ -4-
東京工業大学前期日程解答解説 問題のページへ () 原点を通る直線の方程式を, m または と表す (i) m のとき この直線上の任意の点を (, m) とすると, n によって移される点は, n ( n+ m) n( n+ ) n+ m ( n n+ mn+ m) この点が, m 上にあることより, 任意の に対して成立するので, n n+ mn+ m m( n+ m), すると, ( m n)( m n ) から, m n, n+ (ii) のとき ( n n+ mn+ m) m( n+ m) m (n+ ) m+ n( n+ ) この直線上の任意の点を (, ) とすると, n によって移される点は, n n( n+ ) n+ ( n+ ) この点は, のとき 上にないので, 条件に適さない (i)(ii) より, 求める 直線の方程式は, n, ( n+ ) である () 曲線 (3) と直線 n, ( n+ ) の原点以外の 交点は, それぞれ( n, n ), 図の網点部の面積 S は, n ( n+, ( n+ ) ) となり, 右 n+ S ( )( ) n n+ n+ n n d n 3 3 3 3 ( n+ ) n { ( n+ ) n } 3 3 3 3 ( n+ ) n (3n + 3n+ ) 6 6 6 S ( ) n n + n n( n+ ) より, 6 n Sn 6 n n n ( + ) n n + ( ) lim ( ) ( ) n lim n n + n + n ( n+ ) n O n n+ [ 解説 ] 不変直線を題材にした基本問題です 計算量も少なめです -- 電送数学舎
東京工業大学前期日程解答解説 問題のページへ () 条件より, () (i) ( ) cos sin d を変形して, ( ) cos sincos d cos sin d < ( <) ( ) のとき cos ( sin ) d sin sin ( ) (ii) のとき まず, おくと, sin となり, すると, ( ) において, sin である はただ つ存在し, これを と cos ( sin ) d+ cos ( sin ) d sin sin sin sin sin sin ( ) + sin sin 4 + + ( ) から, ( ) の増減は右表のようになる (i)(ii) より, ( ) の最小値は, ( ) + ( ) d ( + ) + ( ) d + [ 解説 ] 3 + log 8 + ( ) 3 + log 8 4 + log 4 昨年と同様な絶対値の付いた関数の定積分です () の最小値については, 相加平均 と相乗平均の関係を利用する手もあります ( ) - + ( ) O ց ր -- 電送数学舎
東京工業大学前期日程解答解説 3 問題のページへ > として, X(, ) とおくと, 条件より, Y(, ) と なる ここで, AOX, AOY β とおくと, an, anβ さて, OPQ の面積をS とすると, S sin( β ) sin( β ) S が最大となるのは, <β < からβ が最大と なるときである すなわち, an( β ) が最大値をとる 場合である そこで, ( ) an( β ) とおくと, から, ( ) {( + ) } ( ) ( + ) ( )( ) ( + ) すると, ( ) の値は右表のように増減し, anβ an ( ) ( ) + anβan + のときに最大となる よって, 最大値は, ( ) an( β ) ( ) + このとき, sin( β ) となり, からS の最大値は, ( ) + ( ) + S + ( + ) ( ) + - ( ) O Q P Y X A [ 解説 ] 図形量の最大値を問う基本題です θ が鋭角のとき, sinθ と anθ は, ともに単調 増加する関数という事実を利用しています -3- 電送数学舎
東京工業大学前期日程解答解説 4 問題のページへ () 辺の長さが である正方形 D を, 右図のように 配置し, D を直線 のまわりに回転させて得ら れる回転体を考える ここで, D の対角線の交点が sin ( + cos, sin + cos ) であるので, 対称性 から sin+ cos とし, さらに< と 4 しても一般性を失わない さて, 直線 ( sin+ cos ) が, D によ って切り取られる線分の長さを ( ) とすると, (a) sin のとき ( ): :sin cos より, ( ) sincos (b) sin cos のとき ( ) は定数であり, ( ) cos (c) cos sin+ cos のとき ( ): (sin cos ):sin cos + より, ( ) sin+ cos sincos 以下, 正方形 D の直線 まわりの回転体の体積を考える (i) のとき このときの回転体の体積をV とすると, (ii) < sin のとき (iii) このときの回転体の体積をV とすると, sin+ cos V ( ) ( ) d sin + cos < ( ) d sin + cos < ( ) d よって, V <V である sin sin+ cos のとき このときの回転体の体積をV とすると, ここで, V sin+ cos sin+ cos ( ) d V ( ) ( ) d+ ( ) ( ) d sin+ cos < ( ) ( ) d+ ( ) d I ( ) d ( ) ( ) d とおくと, cos sin O cos sin O sin + cos ( ) sin sin + cos sin + cos sin sin + cos -4- 電送数学舎
sin 東京工業大学前期日程解答解説 -c- sin ( ) I ( ) ( ) d d + d sincos cos 3 sin sincos 3 + cos sin ( sin sin ) ( sin sin ) cos 3 cos sin( sin sin ) ( sin ) cos 3 + cos 3 + > よって, I> から, より, ( ) ( ) d< ( ) d となり, ( ) ( ) d< ( ) d sin+ cos sin+ cos V < ( ) d+ ( ) d ( ) d よって, V<V である (i)~(iii) より, 回転体の体積は, 軸が D と唯 点で交わるときに最大となる () () より, ここで, I さらに, I 3 sin cos sin+ cos V ( ) d+ ( ) d+ ( ) d I sin cos sin sin ( ) d sin d sincos 3cos cos cos sin ( ) d d cos cos cos sin sin s cos とおくと, sin+ cos ( ) d cos sin sin cos cos + (sin+ cos ) d sincos ( s+ cos )( sin s) ds sincos sin { s + (sin cos ) s+ sincos} ds sincos sin ( sin cos )sin sin + + sin + sin 3cos cos 6cos よって, V ( I I I3) (sin cos ) sin + 4 すると, < より, V は のとき最大値 をとる 4 4 + + + ( ) また, のとき, 回転体の体積の最大値は, となる 以上より, 求める回転体の体積の最大値は, である [ 解説 ] 一瞥した瞬間, 難問というのがわかります いわゆる円筒分割を利用した解答例で すが, 評価の甘い箇所と辛い箇所が混在しています 電送数学舎