消費税法における個別対応方式と一括比例配分方式 河野惟隆 1 はじめに本稿の課題は 個別対応方式と一括比例配分方式とで 課税仕入れ等の税額の合計額が如何よう になるか つまり その大小関係は如何ようになるか ということを 明らかにすることである これを 次のように 条件を追加しながら 次のような順序

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に掲げる税額ロ給与等の支給期が毎半月と定められている場合別表第一の乙欄に掲げる税額の二分の一に相当する税額ハ給与等の支給期が毎旬と定められている場合別表第一の乙欄に掲げる税額の三分の一に相当する税額ニ給与等の支給期が月の整数倍の期間ごとと定められている場合別表第一の乙欄に掲げる税額に当該倍数を乗じて

わくわく青色申告3-消費税申告及び資料

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資料2-1(国保条例)

き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

をしていないもの と読み替えた場合に同号イに該当する所得割の納税義務者又は同項第 12 号中 妻と死別し 若しくは妻と離婚した後婚姻をしていない者又は妻の生死の明らかでない者で政令で定めるもの とあるのを 婚姻によらないで父となった男子であって 現に婚姻をしていないもの と読み替えた場合に同号に該当

議案用 12P

松戸市市税条例等の一部を改正する条例 ( 松戸市市税条例の一部改正 ) 第 1 条松戸市市税条例 ( 平成 27 年松戸市条例第 12 号 ) の一部を次のように改正する 第 11 条中 及び第 2 号 を 第 2 号及び第 5 号 に それぞれ当該各号 を 第 1 号から第 4 号まで に改め 掲

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租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) 第十条の二 第四十二条の五 第六十八条の十 租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) ( 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除 ) 第十条の二青色申告書を提出する個人が 平成三十年四月一日 ( 第二号及

に限る ) は その追徴すべき不足税額 ( 当該減額更正前に賦課した税額から当該減額更正に基因して変更した税額を控除した金額 ( 還付金の額に相当する税額を含む ) に達するまでの部分に相当する税額に限る 以下この項において同じ ) については 次に掲げる期間 ( 令第 4 8 条の9の9 第 4

<4D F736F F D2095F18D9091E682518D E7390EC8E E738C7689E690C58FF097E182CC88EA959482F089FC90B382B782E98FF097E EA8C88816A B8C91CE8FC6955C E646F6378>

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( 相続時精算課税適用者の死亡後に特定贈与者が死亡した場合 ) (6) 相続時精算課税適用者 ( 相続税法第 21 条の9 第 5 項に規定する 相続時精算課税適用者 をいう 以下 (6) において同じ ) の死亡後に当該相続時精算課税適用者に係る特定贈与者 ( 同条第 5 項に規定する 特定贈与者

付表の計算式

●租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案

等調整都市計画税額が 当該商業地等に係る当該年度分の都市計画税の課税標準となるべき価格に 10 分の 6 を乗じて得た額 ( 当該商業地等が当該年度分の固定資産税について法第 349 条の 3( 第 20 項を除く ) 又は法附則第 15 条から第 15 条の 3 までの規定の適用を受ける商業地等で

(消費税)確定申告書作成(一般課税)編

富士見市都市計画税条例 ( 昭和 46 年条例第 40 号 ) 新旧対照表 ( 第 1 条による改正 )( 専決 ) 新 旧 附則 附則 ( 改修実演芸術公演施設に対する都市計画税の減額の規定の適用を受けようとする者がすべき申告 ) 6 法附則第 15 条の11 第 1 項の改修実演芸術公演施設につ

て 次に掲げる要件が定められているものに限る 以下この条において 特定新株予約権等 という ) を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権等に係る株式の取得をした場合には 当該株式の取得に係る経済的利益については 所得税を課さない ただし 当該取締役等又は権利承継相続人 ( 以下この項及

定にかかわらず 当該都市計画税額とする 5 住宅用地のうち当該住宅用地の当該年度の負担水準が 0.8 以上のものに係る平成 21 年度から平成 23 年度までの各年度分の都市計画税の額は 第 2 項の規定にかかわらず 当該住宅用地に係る当該年度分の都市計画税額が 当該住宅用地の当該年度分の都市計画税

( 賦課期日 ) 第 4 条都市計画税の賦課期日は 当該年度の初日の属する年の1 月 1 日とする ( 納期 ) 第 5 条都市計画税の納期は 次のとおりとする 第 1 期 4 月 1 日から同月 30 日まで第 2 期 7 月 1 日から同月 31 日まで第 3 期 12 月 1 日から同月 25

承認第03号-都市計画税条例の一部改正(専決処分)【確定】

原則課税申告書本表 ( 原則計算方式 ) 税率が 3% 5% の取引がある場合 項目 金額 課税標準額 1 付表 1 の1[ 課税標準額 (D)] 消費税額 2 付表 1 の2[ 消費税額 (D)] 控除過大調整税額 3 付表 1 の3[ 控除過大調整税額 (D)] 控除税額控除対象仕入税額 4 付

げる期間 ( 令第 48 条の9の9 第 4 項各号に掲げる市民税にあつては 第 1 号に掲げる期間に限る ) を延滞金の計算の基礎となる期間から控除する 第 40 条の各納期限の翌日から当該減額更正に基因して変更した税額に係る納税通知書が発せられた日までの期間当該減額更正に基因して変更した税額に係

新座市税条例の一部を改正する条例

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step.2 課税売上高の合計を計算する します step.21 欄の内容を転記します 表ロ 1~3 欄にそれぞれ記入します step.22 を転記します 表ロ 4~6 欄にそれぞれ記入します step.23 容を転記します 表ロ 7~9 欄にそれぞれ記入します step.24 その他の所得に係る収

<4D F736F F D208E96914F AF3965D817988A291BD88CF88F592F18F6F817A208DB7899F8BD68E7E8DC28CA090A CC8CA992BC82B582C98AD68

た後に その賦課した税額が増加したときに限る ) は その追徴すべき不足税額 ( 当該減額更正前に賦課した税額から当該減額更正に基因して変更した税額を控除した金額 ( 還付金の額に相当する税額を含む ) に達するまでの部分に相当する税額に限る 以下この項において同じ ) については 次に掲げる期間

き県が負担する負担金の額 ( 当該負担金の額が他の法令の規定により軽減される場合にあつては, その軽減されることとなる額を控除した額 以下 県負担額 という ) から当該事業に要する費用の額 ( 加算額がある場合にあつては, 加算額を控除して得た額 ) に100 分の25 以内で規則で定める割合を乗

消費税申告書の計算方法 税率 8% 対応 平成 26 年 4 月 1 日以後終了する課税期間分の消費税申告書の計算方法です 原則課税で申告する方 税率が 3% 5% の取引がある場合 原則計算方式原則課税本表... P.2 原則課税付表 1... P.4 原則課税付表 P

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第68回税理士試験 消費税法 模範解答(理論)

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国税通則法施行令新旧対照表

には 婚姻の届出をしていないが 事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含み 婚姻 には 婚姻の届出をしていないが 事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含むものとする 5 この条例において 医療保険各法 とは 国民健康保険法 ( 昭和三十三年法律第百九十二号 ) 高齢者の医療の確保に関する法律 ( 昭

(消費税)確定申告書作成(一般課税)編

第 5 章国税の還付及び還付加算金 第 5 章国税の還付及び還付加算金 第 1 節国税の還付 学習のポイント 1 国税の還付金等とはどのようなものか 2 充当とはどのようなものか 1 還付金等の種類国税の還付には 還付金の還付と過誤納金の還付の二種類があり 還付金と過誤納金を併せて還付金等という (

(消費税)確定申告書作成(一般課税)編

(3) 父又は母が規則で定める程度の障害の状態にある児童 (4) 父又は母の生死が明らかでない児童 (5) その他前各号に準ずる状態にある児童で規則で定めるもの 3 この条例において 養育者 とは 次に掲げる児童と同居して これを監護し かつ その生計を維持する者であって その児童の父母及び児童福祉

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

⑵ 過誤納金還付金が各税法の定めに基づいて発生するのに対して 過誤納金は 法律上 国税として納付すべき原因がないのに納付された金額で 国の一種の不当利得に係る返還金である なお この過誤納金は 次の二つに分かれる イ過納金過納金は 納付時には納付すべき確定した国税があったが 減額更正や不服審査の裁決

< F2D D834E838D94C5817A8E9E935F FC90B38FC897DF DF94D48D8693FC82E829202E6A7464>

02_(案の2①)概要資料(不均一)

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Taro-02 新旧.jtd

課税売上割合 消費税の課税売上割合の計算は 次の算式により計算します 課税売上割合が 95% 以上と未満では 仕入税額 控除の計算方法が変わってくるため算定する必要があります 課税売上割合 = 課税売上 ( 税抜 )/( 非課税売上 + 課税売上 )( 税抜 ) 消費税の課税売上割合が 95% 以上

資料 2-3 金の密輸入に対する罰則強化 ( 資料編 ) 平成 29 年 11 月 29 日関税 外国為替等審議会関税分科会財務省関税局

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湯河原町訓令第  号

二頁第十一条の五中 掲げる者 を 定める者 に 次条及び第十一条の七 を 及び次条 に改める 第十一条の七中 その親族 を 生計を一にする親族 に 同族会社( を 被支配会社(当該納税者を判定の基礎となる株主又は社員として選定した場合に法人税法第六十七条第二項に規定する会社に該当する会社をいい に改

万八千六百円 ) 3 現に機関登録を受けている者が他の機関登録を受けようとする場合における法第十四条第一項の政令で定める額は 前二項の規定にかかわらず 同条第一項の農林水産省令で定める各区分について 当該各区分が次の各号に掲げる区分のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める額とする 一法第二条第二項

枚方市税条例施行規則 ( 昭和 50 年 5 月 1 日規則第 19 号 ) より抜粋 ( 貧困による市民税の減免 ) 第 9 条の2 条例第 47 条第 1 項第 1 号に規定する減免理由による減免は 市民税の納税義務者が申請の日に生活保護法 ( 昭和 25 年法律第 144 号 ) の規定による

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2. 個別対応方式 一括比例配分方式 のどちらを採用するか検討する際のポイントを押さえましょう 課税売上高が 5 億円を超える事業者は 1 納税額 2 実務への影響度合 ( 作業負担 ) を考慮して どちらを採用するか検討します 個別対応方式 1 納税額 : 2 実務への影響度合 : 一括比例配分方

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税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

第三条大学校の名称及び位置は 次のとおりとする 名称位置 千葉県生涯大学校京葉学園千葉市 千葉県生涯大学校東葛飾学園千葉県生涯大学校東総学園千葉県生涯大学校外房学園千葉県生涯大学校南房学園 松戸市 流山市銚子市 香取郡神崎町茂原市 勝浦市館山市 木更津市 一部改正 平成四年条例七三号 六年四一号 一

ことも認められています 施行日前 ( 平成 26 年 3 月 31 日以前 ) にリース契約を締結し リース資産の引渡しを行ったリース取引についてこの特例により賃貸借処理を行っている場合には 旧税率の 5% が適用されます 3. 資産の貸付け に関する経過措置指定日の前日 ( 平成 25 年 9 月

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2 その他 H26 中間申告義務のない事業者が 届出 012 書を提出した場合には 自主的に中間申告 納付することができる旨を 検討したか ( 平成 26 年 4 月 1 日以 後開始課税期間より適用 ) 本則課税の場合科目等 No. 主な項目チェック摘要 1 課税事業者 H26 課税期間の基準期間

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本則課税の場合科目等 No. 主な項目チェック摘要 1 課税事業者 H27 課税期間の基準期間における課税売上高を確 の判定 014 認したか H27 事業年度を変更している場合等 前々事業年 015 度が1 年未満の場合の基準期間を確認したか ( 法人の場合 ) H27 基準期間が1 年でない場合

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千葉市水道局契約規程及び千葉市水道局会計規程の一部を改正する規程をここに公布する

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七生活用動産の小半損 ( 生活用動産の損害額が当該生活用動産の時価の百分の三十以上百分の六十未満である損害をいう ) 保険金額の百分の三十に相当する金額八生活用動産の一部損 ( 生活用動産の損害額が当該生活用動産の時価の百分の十以上百分の三十未満である損害をいう ) 保険金額の百分の五に相当する金額

イ果実果実 ( 濃縮果汁を除く 以下この項において同じ ) の名称を表示する なお 三種類以上の果実を使用した場合は 使用量が上位三位以下の果実の名称を その他果実 と表示することができる ロ濃縮果汁濃縮果汁を希釈したものは 濃縮還元 果汁 と 濃縮果汁を希釈していないものは 濃縮 果汁 と表示する

2 た金額の百分の三十に相当する金額によるものとする )の合算額がた金額の百分の三十に相当する金額によるものとする )の合算額が地方税法第三百十四条の二第二項に規定する金額にその世帯に属する地方税法第三百十四条の二第二項に規定する金額にその世帯に属する被保険者の数と特定同一世帯所属者の数の合計数に五

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承認第03号-都市計画税条例の一部改正(専決処分)【確定】

step.2 課税標準額を計算する ( 申告書 1) step.2-1 課税売上高の合計 ( 表イ 16 欄 ) に 100/108 を掛けます 課税売上高 ( 税込み ) = 1 課税標準額 表イ 17 欄を使用します step.2-2 step.2-1 の計算結果 ( 表イ 17

別紙 1 たばこ税法取扱通達 新旧対照表 ( 注 ) アンダーラインを付した箇所が新設し 又は改正した箇所である 改 正 後 改 正 前 ( 用語の意義 ) 第 1 条この通達において用いる次の各号の用語の意義は 当該各号に定めるところによる ⑴~⒀ ( 省略 ) ⒁ 課税標準たる数量法第 10 条

Transcription:

消費税法における個別対応方式と一括比例配分方式 河野惟隆 1 はじめに本稿の課題は 個別対応方式と一括比例配分方式とで 課税仕入れ等の税額の合計額が如何よう になるか つまり その大小関係は如何ようになるか ということを 明らかにすることである これを 次のように 条件を追加しながら 次のような順序で検討することにする 2 課税仕入れ等の税額の合計額 仕入れに係る対価の返還等がなく 課税貨物に係る消費税額について還付を受けない場合 3 みなし 課税仕入れ等の税額の合計額 仕入れに係る対価の返還等だけがある場合 4 みなし 課税仕入れ等の税額の合計額 仕入れに係る対価の返還等があり 課税貨物に係る消費税額について還付を受ける場合 課税仕入れ等の税額の合計額 への みなし の形容句の有無は 有るのは 条件が追加された場合で 無いのは その条件がない場合である 2 課税仕入れ等の税額の合計額 仕入れに係る対価の返還等がなく 課税貨物に係る消費税額について還付を受けな い場合 消費税法 ( 仕入れに係る消費税額の控除 ) 第三十条事業者 ( 第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く ) が 国内において行う課税仕入れ又は保税地域から引き取る課税貨物については 次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める日の属する課税期間の第四十五条第一項第二号に掲げる課税標準額に対する消費税額 ( 以下この章において 課税標準額に対する消費税額 という ) から 当該課税期間中に国内において行つた課税仕入れに係る消費税額 ( 当該課税仕入れに係る支払対価の額に百五分の四を乗じて算出した金額をいう 以下この章において同じ ) 及び当該課税期間における保税地域からの引取りに係る課税貨物 ( 他の法律又は条 153

約の規定により消費税が免除されるものを除く 以下この章において同じ ) につき課された又は課されるべき消費税額 ( 附帯税の額に相当する額を除く 次項において同じ ) の合計額を控除する 一国内において課税仕入れを行つた場合当該課税仕入れを行つた日二保税地域から引き取る課税貨物につき第四十七条第一項の規定による申告書 ( 同条第三項の場合を除く ) 又は同条第二項の規定による申告書を提出した場合当該申告に係る課税貨物 ( 第六項において 一般申告課税貨物 という ) を引き取つた日三保税地域から引き取る課税貨物につき特例申告書を提出した場合 ( 当該特例申告書に記載すべき第四十七条第一項第一号又は第二号に掲げる金額につき決定 ( 国税通則法第二十五条 ( 決定 ) の規定による決定をいう 以下この号において同じ ) があつた場合を含む 以下同じ ) 当該特例申告書を提出した日又は当該申告に係る決定 ( 以下 特例申告に関する決定 という ) の通知を受けた日 2 前項の場合において 同項に規定する課税期間における課税売上割合が百分の九十五に満たないときは 同項の規定により控除する課税仕入れに係る消費税額及び同項に規定する保税地域からの引取りに係る課税貨物につき課された又は課されるべき消費税額 ( 以下この章において 課税仕入れ等の税額 という ) の合計額は 同項の規定にかかわらず 次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める方法により計算した金額とする 一当該課税期間中に国内において行つた課税仕入れ及び当該課税期間における前項に規定する保税地域からの引取りに係る課税貨物につき 課税資産の譲渡等にのみ要するもの 課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等 ( 以下この号において その他の資産の譲渡等 という ) にのみ要するもの及び課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものにその区分が明らかにされている場合イに掲げる金額にロに掲げる金額を加算する方法イ課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額ロ課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額二前号に掲げる場合以外の場合当該課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算する方法 本稿では 上記の条文の第 2 項について つまり 課税売上割合が百分の九十五に満たないとき について 検討することにする 上記の 第 2 項における 第一号の方法は個別対応方式と命名され 第二号の方法は一括比例配分方式と命名されるので 本稿でもこの命名を使うことにする 両方式それぞれにおける 課税仕入れ等の税額の合計額 を算出し そのうえで いずれが大きいか その大小は 何に依存するか を明らかにするのが 本稿の課題である 以下 先ず それぞれの算式を示し 次いで 両方式の 課税仕入れ等の税額の合計額 の大小を検討する 第一号の場合 : 個別対応方式の場合 154

課税仕入れ等の税額の合計額 = 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 + 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 第二号の場合については 次の条文に鑑み 第一号の計算を行う事業者のうち 第二号の計算も行っている事業者について 両方式の 課税仕入れ等の税額の合計額 の大小を検討することにする 消費税法第三十条 4 第二項第一号に掲げる場合に該当する事業者は 同項の規定にかかわらず 当該課税期間中に国内において行つた課税仕入れ及び当該課税期間における第一項に規定する保税地域からの引取りに係る課税貨物につき 同号に定める方法に代え 第二項第二号に定める方法により第一項の規定により控除される課税仕入れ等の税額の合計額を計算することができる 第二号の場合 : 一括比例配分方式の場合 課税仕入れ等の税額の合計額 = 当該課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額 =( 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 + その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 + 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 ) 直ぐ上の条文を 再度 次に掲げ 上とは別の観点から 検討することにする 消費税法第三十条 4 第二項第一号に掲げる場合に該当する事業者は 同項の規定にかかわらず 当該課税期間中に国内において行つた課税仕入れ及び当該課税期間における第一項に規定する保税地域からの引取りに係る課税貨物につき 同号に定める方法に代え 第二項第二号に定める方法により第一項の規定により控除される課税仕入れ等の税額の合計額を計算することができる 上記の条文において 第二項第一号 に定める方法に代え 第二項第二号に定める方法により第一項の規定により控除される課税仕入れ等の税額の合計額を計算することができる と言っても 第二項第一号 に定める方法 による 控除される課税仕入れ等の税額の合計額 の方が 第 155

二項第二号に定める方法 による 控除される課税仕入れ等の税額の合計額 よりも 大きい場合は 控除仕入税額の大小だけに関する限り 第二項第一号 に定める方法に代え 第二項第二号に定める方法 を採用する誘因は無い 仮に採用する誘因が存在するとすれば 第二項第一号 に定める方法 による税額のうち 第二項第二号に定める方法 による税額を超過する超過額 つまり 第二項第一号 に定める方法に代え 第二項第二号に定める方法により第一項の規定により控除される課税仕入れ等の税額の合計額を計算すること による税額の減少額を 次の金額が上回る場合である 第二項第一号 に定める方法 による事務量を金額で表し 又 第二項第二号に定める方法 による事務量を金額で表し 前者よりも後者が小さいとし 前者の金額のうち後者を超過する事務超過額つまり減少額に消費税率を乗じた金額の費用消費税減少額が 税額減少額を上回る場合である 上とは逆に 第二項第一号 に定める方法 による 控除される課税仕入れ等の税額の合計額 が 第二項第二号に定める方法 による 控除される課税仕入れ等の税額の合計額 よりも 小さい場合に それでも 第二項第一号 に定める方法に代え 第二項第二号に定める方法 が採用されずに 第二項第一号 に定める方法 が採用されるとしたら それは 税額の差額を 事務量の差額が 上回るときである 以下では 事務量の差額は 考慮せず 専ら 税額の差額のみを考慮して かような観点から 二つの方法を検討することにする 上記の条文の最後で できる と規定されている 一般に デキル規定は その採用が納税者に有利になる場合に 行われるものである 上記の できる 規定が 一般の使用の場合と同じならば 第一号よりも第二号のほうが 税額が大きくなるはずであるが しかし 上記の できる 規定は そこまで含んではいない 以下 第一号と第二号とに関して 税額の大小を見てゆく 第二号の場合つまり一括比例配分方式による 課税仕入れ等の税額の合計額 - 第一号の場合つまり個別対応方式による 課税仕入れ等の税額の合計額 =( 課税売上割合 -1) 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 + 課税売上割合 その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 =-(1- 課税売上割合 ) 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 + 課税売上割合 その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 以下 次の条文に鑑み 簡単に 次のように称することにする 156

消費税法第三〇条 2 一当該課税期間中に国内において行つた課税仕入れ及び当該課税期間における前項に規定する保税地域からの引取りに係る課税貨物につき 課税資産の譲渡等にのみ要するもの 課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等 ( 以下この号において その他の資産の譲渡等 という ) にのみ要するもの及び課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものにその区分が明らかにされている場合 課税資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額の合計額 その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額の合計額 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する 課税仕入れ等の税額の合計額 結局 個別対応方式を一括比例配分方式に変換したとき 課税仕入れ等の税額の合計額 の変化額は 課税資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額の合計額 に (1- 課税売上割合 ) を乗じて計算した金額の減少分と その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額の合計額 に 課税売上割合 を乗じて計算した金額の増加分との 大小関係による つまり 上記の三つのうち 1 番目と 2 番目の両者が 課税仕入れ等の税額の合計額 の変化額に関係し 3 番目の 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する 課税仕入れ等の税額の合計額 は 相殺され 関係がないのである 本節を定式化すれば次のようになる 一括比例配分方式による課税仕入れ等の税額の合計額 - 個別対応方式による課税仕入れ等の税額の合計額 =-(1- 課税売上割合 ) 課税資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 + 課税売上割合 その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 この等式を不等式で表現すれば 次のようになる 一括比例配分方式による課税仕入れ等の税額の合計額 個別対応方式による課税仕入れ等の税額の合計額 この不等式は次の不等式と同値である 課税売上割合 その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 (1- 課税売上割合 ) 課税資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 157

3 みなし 課税仕入れ等の税額の合計額 仕入れに係る対価の返還等だけを受ける場合 消費税法 ( 仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例 ) 第三十二条事業者が 国内において行つた課税仕入れにつき 返品をし 又は値引き若しくは割戻しを受けたことにより 当該課税仕入れに係る支払対価の額 ( 第三十条第一項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額をいう 以下この項において同じ ) の全部若しくは一部の返還又は当該課税仕入れに係る支払対価の額に係る買掛金その他の債務の額の全部又は一部の減額 ( 以下この条において 仕入れに係る対価の返還等 という ) を受けた場合には 次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を当該仕入れに係る対価の返還等を受けた日の属する課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額とみなして 第三十条第一項 ( 同条第二項の規定の適用がある場合には 同項の規定を含む ) の規定を適用する 以下では 上記の条文の最後尾の規定の 第三十条第一項 ( 同条第二項の規定の適用がある場合には 同項の規定を含む ) の規定を適用する の中の 括弧の中の 同条第二項の規定の適用がある場合 について 検討することにする 上の条文中の 次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を当該仕入れに係る対価の返還等を受けた日の属する課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額とみなして と言う文章に鑑み 以下では 課税仕入れ等の税額の合計額 に みなし という形容をつけ みなし 課税仕入れ等の税額の合計額 と称することにする 消費税法第三十二条第 1 項二当該事業者が当該課税期間における仕入れに係る消費税額を第三十条第二項第一号に定める方法により計算する場合イに掲げる金額にロに掲げる金額を加算した金額イ第三十条第二項第一号イに掲げる金額から課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつき当該課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額を控除した残額ロ第三十条第二項第一号ロに掲げる金額から課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等 ( 同号に規定するその他の資産の譲渡等をいう 第四項第二号ロにおいて同じ ) に共通して要する課税仕入れにつき当該課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額に同条第二項第一号ロに規定する課税売上割合を乗じて計算した金額 ( 同条第三項本文の規定の適用がある場合には 同項に規定する承認に係る割合を用いて計算した金額 第四項第二号ロにおいて同じ ) を控除した残額 158

個別対応方式による みなし 課税仕入れ等の税額の合計額 イ 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 ロ 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 = 課税売上割合 ( 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 ) 消費税法第三十二条第 1 項三当該事業者が当該課税期間における仕入れに係る消費税額を第三十条第二項第二号に定める方法により計算する場合同号に規定する課税仕入れ等の税額の合計額に同号に規定する課税売上割合 ( 以下この号及び第四項第三号において 課税売上割合 という ) を乗じて計算した金額から当該課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額を控除した残額 一括比例配分方式における みなし 課税仕入れ等の税額の合計額 ={( 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 + その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 + 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 ) 課税売上割合 } - 仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 ここで 仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 は具体的には 次のようになる 仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 = 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の 159

合計額 + その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 + 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 従って 一括比例配分方式による みなし 課税仕入れ等の税額の合計額 は 次のようになる 一括比例配分方式による みなし 課税仕入れ等の税額の合計額 ={( 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 )+( その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 )+( 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 ) 課税売上割合 両方式による みなし 課税仕入れ等の税額の合計額 の差額は次のようになる 一括比例配分方式による みなし 課税仕入れ等の税額の合計額 - 個別対応方式による みなし 課税仕入れ等の税額の合計額 =( 課税売上割合 -1) ( 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 ) + 課税売上割合 ( その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 ) =-(1- 課税売上割合 ) ( 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 ) + 課税売上割合 ( その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 ) 160

先に称した用語を拡大解釈して 対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 を 以 下のように それぞれから 控除する ということを 含意させて 使用することにする 課税資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 : 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 : その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する 課税仕入れ等の税額 : 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 結局 先と同様に 個別対応方式を一括比例配分方式に変換したとき 課税仕入れ等の税額の合計額 の変化額は 課税資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 に (1- 課税売上割合 ) を乗じて計算した金額の減少分と その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 に 課税売上割合 を乗じて計算した金額の増加分との 大小関係による ということになる つまり 上記の 課税仕入れ等の税額 の三つのうち 1 番目と2 番目の両者が 課税仕入れ等の税額の合計額 の変化額に関係し 3 番目の 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する 課税仕入れ等の税額 は 相殺され 関係がないのである 本節を定式化すれば次のようになる 一括比例配分方式による課税仕入れ等の税額の合計額 - 個別対応方式による課税仕入れ等の税額の合計額 =-(1- 課税売上割合 ) 課税資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 + 課税売上割合 その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 この等式を不等式で表現すれば 次のようになる 一括比例配分方式による課税仕入れ等の税額の合計額 個別対応方式による課税仕入れ等の税額の合計額 161

この不等式は次の不等式と同値である 課税売上割合 その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 (1- 課税売上割合 ) 課税資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 4 みなし 課税仕入れ等の税額の合計額 仕入れに係る対価の返還等があり 課税貨物に係る消費税額について還付を受ける 場合 消費税法第三十二条 4 事業者が 保税地域からの引取りに係る課税貨物 ( 第三十条第一項に規定する保税地域からの引取りに係る課税貨物をいう 以下この条及び第三十六条において同じ ) に係る消費税額の全部又は一部につき 他の法律の規定により 還付を受ける場合には 次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を当該還付を受ける日の属する課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額とみなして 第三十条第一項 ( 同条第二項の規定の適用がある場合には 同項の規定を含む ) の規定を適用する ここでは 課税貨物に係る消費税額につき 還付を受ける場合 の みなし 課税仕入れ等の税額の合計額 を 上記の条文の最後尾の括弧の中の 第三十条第二項の規定の適用がある場合 について 明らかにする 消費税法第三十二条第 4 項二当該事業者が当該課税期間における仕入れに係る消費税額を第三十条第二項第一号に定める方法により計算する場合イに掲げる金額にロに掲げる金額を加算した金額イ第三十条第二項第一号イに掲げる金額 ( 当該課税期間において第一項第二号イの規定の適用がある場合には 同号イに掲げる残額 ) から課税資産の譲渡等にのみ要する課税貨物につき当該課税期間において還付を受ける消費税額の合計額を控除した残額ロ第三十条第二項第一号ロに掲げる金額 ( 当該課税期間において第一項第二号ロの規定の適用がある場合には 同号ロに掲げる残額 ) から課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税貨物につき当該課税期間において還付を受ける消費税額の合計額に同条第二項第一号ロに規定する課税売上割合を乗じて計算した金額を控除した残額 上記において イにおいても ロにおいても 何れも 括弧の中で規定されている場合について 162

以下では検討することにする つまり イにおいては 第一項第二号イの規定の適用がある場合 について ロにおいては 第一項第二号ロの規定の適用がある場合 について それぞれ検討することにする 個別対応方式による みなし 課税仕入れ等の税額の合計額 イ 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 - 課税資産の譲渡等にのみ要する課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額 ロ 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 - 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額 =( 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 - 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額 ) 消費税法第三十二条第 4 項三当該事業者が当該課税期間における仕入れに係る消費税額を第三十条第二項第二号に定める方法により計算する場合同号に規定する課税仕入れ等の税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額 ( 当該課税期間において第一項第三号の規定の適用がある場合には 同号に定める残額 ) から課税貨物につき当該課税期間において還付を受ける消費税額の合計額に当該課税売上割合を乗じて計算した金額を控除した残額 上の条文のうち 以下では 当該課税期間において第一項第三号の規定の適用がある場合 について 検討することにする この 第一項第三号とは 第三十二条の第一項第三号のことを指す 従って 結局 課税仕入れ等の税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額から仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額を控除した残額 から 課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額に当該課税売上割合を乗じて 163

計算した金額を控除した残額 を 課税仕入れ等の税額の合計額とみなして 第三十条第二項の規定を適用する ということになる 一括比例配分方式による みなし 課税仕入れ等の税額の合計額 ={( 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 )+( その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 )+( 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 )} - 課税貨物につき当該課税期間において還付を受ける消費税額の合計額 ={( 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 )+( その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 )+( 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 )} -( 課税資産の譲渡等にのみ要する課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額 + その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額 + 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額 ) ={( 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 - 課税資産の譲渡等にのみ要する課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額 )+ ( その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 - その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額 )+( 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 - 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額 )} 164

両方式による みなし 課税仕入れ等の税額の合計額 の差額は 次のようになる 一括比例配分方式による みなし 課税仕入れ等の税額の合計額 - 個別対応方式による みなし 課税仕入れ等の税額の合計額 =( 課税売上割合 -1) ( 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 - 課税資産の譲渡等にのみ要する課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額 ) + 課税売上割合 ( その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 - その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額 ) =-(1- 課税売上割合 ) ( 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 - 課税資産の譲渡等にのみ要する課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額 ) + 課税売上割合 ( その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 - その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額 ) 先に称した用語を拡大解釈して 課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額 を 以下のように それぞれから 控除する ということを 含意させて 使用することにする 課税資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 : ( 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 - 課税資産の譲渡等にのみ要する課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額 その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 : その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 - その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額 165

課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する 課税仕入れ等の税額 : 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額 - 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れにつき対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額 - 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額 結局 先と同様に 個別対応方式を一括比例配分方式に変換したとき 課税仕入れ等の税額 の変化額は 課税資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 に (1- 課税売上割合 ) を乗じて計算した金額の減少分と その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 に 課税売上割合 を乗じて計算した金額の増加分との 大小関係による つまり 上記の 課税仕入れ等の税額 の三つのうち 1 番目と2 番目の両者が 課税仕入れ等の税額の合計額 の変化額に関係し 3 番目の 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する 課税仕入れ等の税額 は 相殺され 関係がないのである 本式を定式化すれば次のようになる 一括比例配分方式による課税仕入れ等の税額の合計額 - 個別対応方式による課税仕入れ等の税額の合計額 =-(1- 課税売上割合 ) 課税資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 + 課税売上割合 その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 この等式を不等式で表現すれば 次のようになる 一括比例配分方式による課税仕入れ等の税額の合計額 個別対応方式による課税仕入れ等の税額の合計額 この不等式は次の不等式と同値である 課税売上割合 その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 (1- 課税売上割合 ) 課税資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 5 おわりに繰り返しになるが 本稿の結論は次の通りである 課税仕入れ等の税額の合計額に関する 個別対応方式と一括比例配分方式の差額は 次のようになる 一括比例配分個別対応方式による課税仕入れ等の税額の合計額 166

- 個別対応方式による課税仕入れ等の税額の合計額 =-(1- 課税売上割合 ) 課税資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 + 課税売上割合 その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 三つの 課税仕入れ等の税額 のうち 課税仕入れ等の税額の合計額 の変化額に関係するのは 課税資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 と その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 であり 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する 課税仕入れ等の税額 は 相殺され 関係がないのである この等式を不等式で表現すれば 次のようになる 一括比例配分方式による課税仕入れ等の税額の合計額 個別対応方式による課税仕入れ等の税額の合計額 この不等式は次の不等式と同値である 課税売上割合 その他の資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 (1- 課税売上割合 ) 課税資産の譲渡等にのみ要する 課税仕入れ等の税額 以上 167