研 究 論 文 鳴 門 教 育 大 学 情 報 教 育 ジャーナル No.6 pp.1-7 2009 TIFF タグ 情 報 を 利 用 した 画 像 データベース 構 築 井 出 健 治 *,スフー バトル ** ***, 菊 地 章 ディジタルカメラの 普 及 に 伴 いディジタル 画 像 は 非 常 に 身 近 なものになった 我 々の 周 り にはディジタル 画 像 が 多 数 存 在 する これらは 学 校 での 授 業 特 別 活 動 など 教 育 活 動 の 中 で も 頻 繁 に 利 用 される 一 方, 学 校 単 位 でこれらディジタル 画 像 の 分 類 整 理 データベース 化 は 余 り 進 んでいない 現 在 インターネット 上 のサーバに 画 像 を 保 存 するサービスは 多 くあ るがネットワーク 速 度, 著 作 権 上 の 問 題 等 で 教 育 の 現 場 で 活 用 するにはまだ 難 しい そこで 本 論 文 では 学 校 教 育 活 動 で 必 要 とされる 機 能 を 考 慮 した 校 内 イントラネット 上 で 動 作 する 画 像 データベースの 構 築 について 述 べる データベース 構 築 に 際 しては TIFF タグを 利 用 し, 画 像 に 付 加 情 報 を 与 える 事 でデータベース 管 理 を 容 易 にする 手 法 を 採 用 した さらにデータベー スを 情 報 機 器 変 遷 の 教 材 提 示 用 として 授 業 で 利 用 するための 具 体 的 なインタフェースの 実 装 を 行 った [キーワード: 画 像 データベース,TIFF タグ, 画 像 透 かし,LAMP 環 境 ] 1. はじめに 現 在 の 中 等 学 校 における 情 報 教 育 はコンピュータの 利 用 に 関 わる 教 育 学 習 内 容 が 中 心 であるが,その 背 景 となる 情 報 機 器 の 変 遷 に 関 わる 教 育 学 習 内 容 も, 科 学 と 技 術 の 融 合 の 歴 史 や 先 人 の 知 恵 や 工 夫 を 知 り 考 察 する 上 において 有 意 義 なことである [1] 過 去 に 人 類 が 作 り 出 してきた 計 算 補 助 具 や 機 械 式 計 算 機 は 構 造 がシンプルであり, 動 作 原 理 を 理 解 するこ とが 容 易 である また, 使 われる 素 材 や 手 法 こそ 異 な るものの, 基 本 的 な 原 理 は 現 代 の 機 器 に 継 承 されてい るものも 存 在 する こうした 歴 史 上 の 機 器 は 実 務 や 研 究 に 際 してはもはや 役 に 立 つものではないが 計 算 機 を 学 ぼうとする 者 にとっては 効 果 的 な 教 材 となりうる そして,それは 学 習 者 の 科 学 的 な 興 味 や 認 識 を 深 め, 知 的 好 奇 心 を 刺 激 するにちがいない これら 歴 史 上 の 計 算 機 器 は 貴 重 なものであり, 教 室 においては 写 真 による 提 示 が 欠 かせない ディジタル カメラの 普 及 と 高 画 質 化 に 伴 い, 我 々が 扱 うディジタ ル 画 像 データはその 数 やデータサイズにおいて 増 加 の 一 途 である 一 方,それら 画 像 データの 分 類 整 理 はま だ 十 分 になされていないのが 現 状 である 現 在 の 種 々 の 画 像 フォーマットにおいては, 例 えばEXIFタグなど 画 像 に 情 報 を 付 加 するための 規 格 は 存 在 するが,それ らは 画 像 自 体 の 情 報 ( 画 素 数,カメラ 名,ISO 感 度, 焦 点 距 離, 露 出, 日 時, 位 置 情 報 など) であり,その 画 像 を 説 明 する 文 章 などまとまった 量 の 情 報 を 付 加 す る 方 法 は 見 出 せない EXIF タグにはユーザコメント タグが 存 在 するが,サイズが 限 られており, 教 育 利 用 に 用 いるには 制 約 が 多 過 ぎる そこで TIFF 画 像 の 未 使 用 タグを 利 用 してユーザが 自 由 に 付 加 情 報 を 付 け 加 えることができるプログラム を 制 作 した さらに,それらをネットワーク 上 のコン ピュータからブラウザを 使 用 して 操 作 することができ るためのシステムを 構 築 した また,マルチユーザで の 情 報 の 共 有 を 想 定 し, 複 数 情 報 をユーザごとの 権 限 に 応 じて 画 像 に 付 加 閲 覧 できるようにした これらの 情 報 を 加 えることで, 画 像 の 価 値 は 飛 躍 的 に 高 まり, 情 報 の 散 逸 を 防 ぎ, 教 育 現 場 での 教 材 の 共 有 化 を 可 能 にすることができる このとき,インタ フェースは 学 校 教 育 の 授 業 における 画 像 提 示 を 想 定 し 制 作 した 2. 授 業 におけるプレゼンテーション 授 業 における 教 師 のプレゼンテーションは, 逐 次 型 と 対 話 型 に 分 類 できる 逐 次 型 は 事 前 に 予 定 されたシ ナリオに 従 って 構 成 される 多 少 の 順 序 の 入 れ 替 わり はあるものの, 基 本 的 に 説 明 は 直 線 的 に 構 成 される 事 前 に 緻 密 に 構 成 することができ, 講 義 や 講 演 会 形 式 で 効 率 的 に 情 報 を 伝 達 し 理 解 を 促 すのに 有 効 である 一 方, 対 話 型 は 目 標 が 存 在 するが 構 成 は 必 要 に 応 じて 話 題 が 動 的 に 分 岐 統 合 していく 形 態 である 教 育 現 場 での 授 業 あるいはフォーラム シンポジウム 形 式 で の 会 議 において, 説 明 側 と 理 解 側 が 相 互 に 情 報 を 交 換 * 鳴 門 教 育 大 学 大 学 院 ( 修 士 課 程 ) 教 科 領 域 教 育 専 攻 生 活 健 康 系 コース( 技 術 工 業 情 報 ) 1 ** ( 株 )アルマス *** 鳴 門 教 育 大 学 大 学 院 自 然 生 活 系 教 育 部
しながらその 場 で 必 要 に 応 じて 構 成 を 変 化 させていく ことができる また, 様 々なレベルや 特 質 を 持 つ 理 解 側 に 対 して 柔 軟 に 対 応 することができる 実 際 の 教 育 現 場 では, 同 学 校 の 同 学 年 の 授 業 でもクラス 間 で 生 徒 集 団 の 特 質 は 大 きく 異 なる 場 合 があり, 硬 直 化 した 授 業 運 営 は 生 徒 の 理 解 度 や 興 味 感 心 との 乖 離 を 生 むこ とが 少 なくないことから 後 者 の 形 態 を 採 ることが 多 い 書 内 のタグに 記 述 したファイル 名 とそれによってリ ンクされる 実 際 の 画 像 ファイルの 間 に 不 整 合 が 起 こ りやすく, 画 像 がリンク 切 れとなり,これらが 大 規 模 に 発 生 すると 修 正 は 大 変 な 手 間 を 要 した( 図 1) 3. 画 像 データベースの 必 要 性 コンピュータのハードウェアおよびディジタルカメ ラの 進 歩 は 著 しく, 解 像 度 の 高 い 画 像 を 大 量 かつ 迅 速 に 処 理 することが 可 能 になった それに 伴 い,これら 大 量 の 画 像 を 分 類 整 理 し 必 要 に 応 じて 表 示 するこ とが 要 求 されるようになった 授 業 での 画 像 の 提 示 を 考 えたとき, 逐 次 型 の 場 合 は 予 め 画 像 を 選 択 して 順 序 を 整 えておくことで 準 備 が 終 わるが, 対 話 型 の 場 合 は 可 能 性 のある 膨 大 な 画 像 の 分 類,インデックスの 作 成, 検 索 用 データベースへの 登 録 などの 煩 雑 な 手 続 きを 要 する ローカルのハードウェアでこれらを 処 理 するアプリ ケーションには, 多 種 多 様 なものが 存 在 している ま たインターネット 上 で 画 像 データを 管 理 し 共 有 するた めのシステムも 次 々に 現 れており, 非 常 に 高 機 能 なも のもある ローカルのハードウェアにシステムを 構 築 した 場 合,ハードウェアの 移 動 設 置 の 煩 雑 さ,OS 間 のシステム 移 植 の 難 しさ,データの 共 有 や 共 同 作 業 の 難 しさがある また,インターネット 上 の 既 存 のデー タ 共 有 サービスは 便 利 だが, 容 量 の 制 限, 経 済 的 な 負 担, 低 速 インターネット 回 線 がボトルネックとなるこ とによる 転 送 の 遅 さ, 公 開 サーバにデータが 置 かれる ことによる 著 作 権 問 題,そしてなにより 既 成 のシステ ムに 対 する 各 学 校 や 組 織 の 実 態 に 応 じた 柔 軟 なカスタ マイズの 難 しさがあり, 組 織 的 に 使 用 するにはまだま だハードルは 高 いと 思 われる そこで,これらの 問 題 を 解 決 する 方 法 の 一 つとして, イントラネット 内 サーバを 使 用 し,シンプルで 自 由 度 の 高 い 画 像 データベースシステムの 構 築 を 試 みた イ ントラネット 内 では 比 較 的 高 速 なネットワークが 使 用 でき,アクセス 制 限 もし 易 くデータが 流 出 する 危 険 性 も 減 少 させることができる 4. 画 像 データベースの 試 作 4.1 基 本 設 計 従 来 の Web サーバ 上 の 文 書 や 画 像 の 管 理 は,HTML 文 書 と 画 像 データをそれぞれのディレクトリに 分 類 保 存 するものであった しかしこの 手 法 では HTML 文 図 1 従 来 のファイル 配 置 今 回 構 築 するシステムでは, 各 画 像 に 関 連 するテ キスト 情 報 はすべて 画 像 に 埋 め 込 んだ 後 サーバに 保 存 し,データベースと 適 当 な 時 期 に 同 期 させる テ キストデータと 画 像 は 一 体 不 可 分 のためリンク 切 れ や 内 容 の 不 一 致 などの 状 態 は 原 理 的 に 起 こらず,ま た 万 一 データベース 上 のデータをすべて 失 ったとし てもテキストデータおよび 画 像 との 関 連 が 失 われる ことはない また, 画 像 に 埋 め 込 まれたデータを 利 用 することにより 新 たにデータベースを 自 動 的 に 再 構 築 することも 可 能 である すなわち, 画 像 自 体 が データベースのバックアップになっていると 考 える こともできる( 図 2) 図 2 データ 付 加 手 法 を 用 いた 方 法 4.2 画 像 透 かし 技 術 を 利 用 した 付 加 情 報 の 追 加 従 来 の 基 本 的 な 画 像 透 かし 手 法 を 適 用 する 場 合, 画 像 にちらつきが 多 く 見 られ, 画 質 の 劣 化 が 深 刻 であっ た そこで 画 像 に 現 れるちらつきを 減 少 させるため, 人 間 の 視 覚 特 性 を 考 慮 した 視 認 識 回 避 手 法,および 画 像 全 体 の 画 質 を 向 上 させるための 最 小 2 乗 法 を 導 入 し 2 鳴 門 教 育 大 学 情 報 教 育 ジャーナル
た 画 像 平 滑 化 手 法,さらにTIFF ファイル 構 造 を 利 用 し 秘 匿 性 を 維 持 しながらまったく 画 質 が 劣 化 しない 非 表 示 領 域 利 用 画 像 透 かし 手 法 [2]を 開 発 してきた( 図 3) これらの 手 法 を 用 いることにより, 秘 匿 性 と 画 質 を 両 立 させながら 画 像 データと 説 明 文 書 を 一 つにまと めることが 可 能 となった しかし,この 手 法 において は, 暗 号 化 復 号 化 プログラム 内 で 画 像 データを 一 旦 全 てメモリに 読 み 込 み 処 理 するため,サイズの 大 きな 画 像 を 処 理 する 際 にはメモリを 大 量 に 使 用 し,32bit プロセッサを 使 用 したコンピュータで 使 用 可 能 なメモ リ 上 限 を 越 えてしまうという 問 題 が 起 こった この 問 題 に 対 しては メモリ 容 量 の 大 きい64bitプロセッサを 使 用 するコンピュータの 導 入 によって 解 決 することが できた 一 方 で 複 雑 な 計 算 による 計 算 機 への 負 担 およ び 処 理 する 画 像 サイズが 暗 号 化 により 増 大 することに よる 転 送 時 間 の 増 大 により, 全 体 の 処 理 速 度 の 遅 延 が 目 立 つようになってきた 重 要 で 改 変 が 許 されない 著 作 権 のある 情 報 を 使 用 する 場 合 はこの 手 法 が 有 用 であ るが,データベース 用 の 付 加 データ 追 加 の 用 途 として は 品 質 が 過 度 であり, 暗 号 強 度 とのトレードオフでリ アルタイム 性 に 欠 ける 点 に 問 題 があり,より 軽 快 なソ フトウェアを 開 発 する 必 要 があった 有 するデータと, 共 有 しない 独 自 の 秘 匿 データをその 一 つの 画 像 ファイルに 共 存 させることができ, 共 同 作 業 の 可 能 性 を 広 げることができると 考 える( 図 5) 組 織 がその 組 織 においてのみ 意 味 をもつ 情 報 を TIFF ファイルの 中 に 保 存 することを 望 むかもしれない タ グナンバー 32768 以 上 は, 時 にプライベートタグ と 呼 ばれるが,この 目 的 のために 予 約 されている ( 中 略 ) あなた 自 身 でタグナンバーを 選 んではならない そう することは 将 来 深 刻 な 互 換 性 の 問 題 を 起 こす 可 能 性 が ある しかしあなたの TIFF ファイルがあなたのプラ イベートな 環 境 から 流 出 する 可 能 性 が 無 い,またはほ とんど 無 いのであれば,リユーザブル 範 囲 である 65000-65535 の 中 の TIFF タグの 使 用 を 考 慮 していた だきたい あなたはこの 範 囲 のタグ 番 号 を 使 用 すると きには Adobe 社 に 連 絡 する 必 要 はない 図 4 TIFFにおける 利 用 可 能 タグ 図 5 TIFFタグを 利 用 した 付 加 情 報 の 追 加 図 3 画 像 透 かし 技 術 を 利 用 した 付 加 情 報 の 追 加 4.3 TIFFタグを 利 用 した 付 加 情 報 の 追 加 TIFF の 仕 様 書 [3]には,プライベートフィールドと 値 について, 図 4のように 記 されている この 仕 様 書 より,32768 以 上 のタグナンバーは 組 織 内 においては 種 々のアプリケーションとの 衝 突 を 避 けることができ るものと 考 え,これらを 複 数 使 用 して, 複 数 のデータ を 一 つの TIFF ファイル 内 に 収 める 方 法 を 採 用 するこ ととした 収 めるデータの 暗 号 化 の 方 法 は 一 般 的 に 公 開 されている 手 法 から 選 び, 暗 号 化 復 号 化 のサーバ への 負 担 を 軽 くした 複 数 の 未 使 用 タグ 利 用 による 複 数 データの 付 加 と 暗 号 化 により, 一 つの 画 像 ファイル を 組 織 内 の 複 数 のメンバーが 使 用 し,メンバー 間 で 共 4.4 TIFF 画 像 ファイルの 構 造 TIFF 画 像 は 図 6に 示 すように,イメージファイル ヘッダ (Image File Header,IFH),イメージファイ ルディレクトリ(Image File Directory,IFD),デー タ 本 体 の 3 要 素 から 構 成 される 第 1 階 層 として, 先 頭 に IFH があり, 第 2 階 層 として 複 数 の IFD があり, 第 3 階 層 以 降 に 各 種 テー ブルとデータがある IFH はファイルヘッダであり, TIFF ファイルを 識 別 するためのヘッダ 部 分 で,ファ イルの 先 頭 に 一 つだけ 存 在 する 2 バイトのバイト オーダー 識 別 子, 2 バイトのバージョン 番 号,4 バ イトの 最 初 の IFD ポインタを 含 んでいる IFD は 画 像 の 各 種 パラメータや, 画 像 関 連 データ,カラーマッ プ,イメージデータへのポインタを 格 納 した 12 バイ トのデータエントリの 集 まりである No.6 (2009) 3
図 6 TIFF 画 像 の 構 造 4.5 TIFFタグ 編 集 プログラム 画 像 透 かしプログラムは, 我 々の 開 発 した TIFF 画 像 の 表 示 領 域 と 非 表 示 領 域 を 組 み 合 わせた 画 像 透 かし 手 法 のプログラムを 用 い,また 今 回 新 たに TIFF ファ イルの 任 意 のタグの 情 報 を 追 加, 抽 出, 削 除 するプロ グラムを 作 成 した これらはサーバ 環 境 においてコン パイル, 得 られた 実 行 ファイルを PHP の system 関 数 を 用 いて 制 御 する 形 で 使 用 した 図 7はこれらのプログラムソースのパッケージに 含 めた Readme 文 書 である 図 8はコンパイル 後 の addntg コマンドの 簡 易 ヘルプ 表 示 と 実 行 の 様 子, 図 9はコンパイル 後 の tifchk コマンドによる TIFF タ グの 解 析 結 果 の 様 子 で, 左 側 は 処 理 前, 右 側 は 処 理 後 である (0x8000) を 使 用 します -t オプションを 使 用 する 際 は,32768 以 上 のプライベート 使 用 を 認 められている タグを 使 用 してください 各 プログラムの 説 明 addntg : 新 しくタグを 追 加 し, 指 定 した 任 意 のデー タを TIFF に 埋 め 込 むプログラム extntg : 指 定 したタグのデータを TIFF から 抽 出 し, 指 定 したファイルに 保 存 するプログラム delntg : 指 定 したタグとデータを TIFF から 取 り 除 くプログラム tifchk : TIFF ファイルのタグ 情 報 を 表 示 するプログ ラム taglst : TIFF ファイルに 含 まれるすべてのタグを 改 行 区 切 りで 出 力 するプログラム TIFF フォーマット 画 像 ファイルに 新 しくタグを 追 各 プログラムの 引 数 やオプションについては,コン 加 し, 様 々なデータを 画 像 に 埋 め 込 み, 管 理 するため パイル 後 -h オプションで 表 示 されます のプログラムです コンパイルおよび 動 作 確 認 環 境 (/proc/cpuinfo) 新 しく 追 加 するタグは 各 々 連 続 しない 独 立 した IFD に Intel(R) Pentium(R) 4 CPU 3.00GHz Memory 2065984 記 述 され, 数 珠 つなぎにファイルの 最 後 に 追 加 してい kb Linux version 2.6.24-19-generic く 仕 様 になっています 従 ってこのプログラムで 追 加 (buildd@palmer) (gcc version 4.2.3 されたタグは 独 立 した IFD と 1:1 に 対 応 しています (Ubuntu4.2.3-2ubuntu7)) オプションを 指 定 しない 限 りタグナンバーは 32768 4 鳴 門 教 育 大 学 情 報 教 育 ジャーナル
Intel(R) Xeon(R) CPU X5355 @ 2.66GHz Memory 12334072 kb Linux version 2.6.23.15-137.fc8 (mockbuild@hammer2.fedora.redhat.com) (gcc version 4.1.2 20070925 (Red Hat 4.1.2-33)) 図 7 Readmeの 内 容 図 8 addntgの 簡 易 ヘルプと 実 行 有 効 で,CGI 版 では 利 用 できない Apache モジュー ル 上 の PHP スクリプトにおいては,header() 関 数 を 使 用 して Authentication Required メッセージを クライアントブラウザに 送 ることが 可 能 であり,クラ イアントブラウザではユーザ 名 とパスワードの 入 力 要 求 ウィンドウがポップアップ 表 示 される 一 度 ユーザがユーザ 名 とパスワードを 入 力 すると, 次 回 以 降 PHP スクリプトを 含 むその URL は 定 義 済 み の 変 数 PHP_AUTH_USER,PHP_AUTH_PW,PHP_AUTH_TYPE にそれぞれユーザ 名,パスワード, 認 証 型 が 代 入 され た 状 態 で 呼 ばれ, 定 義 済 みの 変 数 は 配 列 $_SERVER お よび $_HTTP_SERVER_VARS でアクセス 可 能 である Basic 認 証 および Digest 認 証 (PHP5.1.0 以 降 )の 両 者 がサポートされているが, 今 回 は Basic 認 証 を 使 用 した 認 証 PHP スクリプト 内 では 変 数 に 格 納 されたユー ザ 名 (PHP_AUTH_USER) とパスワード (PHP_AUTH_PW) をデータベースに 登 録 してあるユーザ 名 とパスワード と 比 較 し, 両 方 が 一 致 した 場 合 にそのユーザの 使 用 す るユーザタグナンバーおよび 画 像 データベースのディ スクロージャーレベル( 各 画 像 の 公 開 度 に 応 じた 権 限 レベル)を 変 数 に 格 納 する なおパスワードはユーザが 独 自 に 保 存 するテキスト の 暗 号 化 のパスワードとしても 使 用 する ユーザ 情 報 を 格 納 したテーブル user のフィールドは 図 10のと おりである mysql> show fields from user; +------------+---------+------+-----+--------+---------------+ 図 9 tifchkによるタグの 解 析 4.6 暗 号 化 の 手 法 テキストの 暗 号 化 については, 当 初 GnuPG の 導 入 を 検 討 したが PHP による 制 御 が 難 しいためlibmcrypt を 利 用 した PHP 拡 張 モジュールを 利 用 することにし た libmcrypt では,DES,3DES,Blowfish,RIJNDAEL (ラインダール:AES 暗 号 とも 呼 ばれる)などのブ ロック 暗 号 をサポートしており, 利 用 可 能 な 暗 号 モー ドは CBC,OFB,CFB,ECB である 以 上 の 選 択 肢 から, 現 段 階 で 1. 解 読 の 可 能 性 が 低 い 2. 使 用 メモリが 少 ない 3. ライセンスの 問 題 がない という 条 件 を 満 たすことから, 今 回 はラインダール 暗 号 を CBC モードで 使 用 することとした[4]-[6] ユーザ 認 証 は PHP による HTTP 認 証 のフックによ る これは Apache モジュールとして 実 行 した 時 のみ Field Type Null Key Default Extra +------------+---------+------+-----+--------+---------------+ id int(11) NO PRI NULL auto_increment user char(64) YES NULL password char(64) YES NULL user tag int(8) YES NULL 図 10 userテーブル 4.7 全 文 検 索 全 文 検 索 (Full text search)とは,コンピュータ において 複 数 の 文 書 (ファイル)から 特 定 の 文 字 列 を 検 索 することである ファイル 名 検 索 や ファイ ル 内 文 字 列 検 索 と 異 なり, 複 数 文 書 にまたがって 文 書 に 含 まれる 全 文 を 検 索 する という 意 味 で 使 用 さ れる 全 文 検 索 は grep 型 と 索 引 (インデックス) 型 に 分 類 できる 今 回 しているデータベース MySQL は,バー ジョン 3.23.23 以 降, 索 引 (インデックス) 型 の 全 No.6 (2009) 5
文 検 索 をサポートしており, 敢 えて grep 型 の 仕 組 み を 整 える 必 要 が 無 いため, 索 引 (インデックス) 型 の 全 文 検 索 システム[7]を 加 えることとした MySQL に おける 全 文 検 索 では,デリミタ 文 字 ( 半 角 スペース 等 ) で 区 切 られた 複 数 の 単 語 から 成 るカラムに 対 して FULLTEXTインデックスを 張 っておき,それを 専 用 の MATCH... AGAINST 構 文 を 用 いた SELECT 句 で 検 索 す ることにより,マッチ 率 の 高 い 順 ( 近 似 値 順 ) にソー トされたレコードセットを 取 得 することができる 仕 組 みである つまり,MySQL 単 体 で 全 文 検 索 の 仕 組 みが 完 結 する 日 本 語 (マルチバイト) 文 字 の 対 応 もバー ジョン 4.1.1 以 降 が 対 応 している ただし, 日 本 語 は 単 語 間 にスペースを 入 れる ( 分 かち 書 き) の 習 慣 が 無 いため, 日 本 語 の 文 章 そのままでは 全 文 検 索 のイン デックスを 作 成 することはできない このことに 対 す る 対 応 としては 次 の 3 つの 方 法 が 考 えられた [ 方 法 1] 文 章 を 形 態 素 解 析 にかけ, 単 語 レベルまで 分 解 し,それらをスペース 区 切 りのテキストとして 格 納 する [ 方 法 2] 文 章 を n 文 字 ごとに 規 則 的 に 分 割 しておき (Ngram[8]),これらを BOOLEAN MODE で 検 索 する [ 方 法 3] MySQL の 中 に 全 文 検 索 エンジン[9]を 組 み 込 むパッチを 利 用 する への 表 示 時 に 教 師 側 の 表 示 部 と 生 徒 側 の 表 示 部 にそれ ぞれウィンドウを 振 り 分 けて, 生 徒 側 の 表 示 部 に 不 要 な 情 報 が 表 示 されるのを 防 ぐためである 図 11 LAMP 環 境 6. スクリーンショット 以 下 に 実 際 にブラウザでアクセスした 様 子 を 示 す 最 初 のユーザ 認 証 を 図 12 に,キーワードを 入 力 しての 検 索 結 果 を 図 13 に, 選 択 画 像 の 表 示 を 図 14 に, 画 面 をクリッ クして 表 示 させたスライダーによる 拡 大 縮 小 を 図 15 に,ユーザ 毎 の 説 明 文 章 表 示 を 図 16 に,ファイル 登 録 フォームを 図 17 に 示 す MySQL にパッチを 充 てることや 再 コンパイルを 行 う など 変 更 を 可 能 な 限 り 避 け, 新 規 環 境 へのシステムの インストール 作 業 を 簡 素 化 したいという 方 針 で,[ 方 法 1]で 対 応 した 日 本 語 構 文 解 析 は MeCab[10] の 形 態 素 解 析 システムを 利 用 した Ngram のシステムもさ ほど 複 雑 ではないため 実 装 は 可 能 だと 思 われる 5. サーバー 環 境 データベースシステムは,オペレーションシテムに Linux,Web サーバに Apache,データベースに MySQL, そしてそれらを 制 御 するスクリプト 言 語 にPHPを 用 い た 図 11 のLAMP 環 境 を 使 用 した これらはすべて 無 償 で 公 開 されている さらに, 独 自 に 開 発 した 画 像 透 かしプログラムおよび 未 使 用 タグ 利 用 データ 付 加 プロ グラムを 組 み 合 わせ,サーバ 上 の 資 産 をネットワーク 上 のクライアントの Web ブラウザで 操 作 表 示 する こととした ブラウザにおけるインタフェースは, 大 別 して 操 作 機 能, 表 示 機 能, 作 業 機 能 の 3 つに 分 類 し,それぞ れは,HTMLタグ <a href> の target 属 性 を 用 いて, 別 ウィンドウ (タブブラウザにおいては 別 タブになる) に 表 示 することとした これは, 複 数 のディスプレイ 図 12 最 初 の 認 証 画 面 図 13 検 索 結 果 のリスト 表 示 6 鳴 門 教 育 大 学 情 報 教 育 ジャーナル
7. まとめ 図 14 選 択 画 像 の 表 示 任 意 の 説 明 文 章 を 画 像 と 一 体 化 することができる 新 たな 画 像 データベースを 構 築 した この 中 で 扱 った TIFF タグを 利 用 した 画 像 への 情 報 付 加 の 技 術 は, 簡 便 な 手 法 であり,ディジタル 画 像 に 様 々のデータを 付 加 する ことでその 価 値 を 高 めることができる 手 法 である ディ ジタルカメラの 一 般 化 に 伴 いディジタル 画 像 の 取 得 は 非 常 に 簡 単 になったが,それらの 活 用 方 法 については まだ 模 索 が 続 いている このタグ 利 用 情 報 付 加 技 術 は, 今 後 ますます 増 加 していくことが 予 想 されるディジタ ル 画 像 の 取 扱 いの 活 用 方 法 を 広 げる 一 助 となるのでは ないかと 考 える 本 研 究 においては 情 報 機 器 変 遷 の 分 野 に 特 定 したシ ステムの 構 築 を 行 ったが, 教 育 活 動 における 画 像 表 示 に 必 要 とされる 付 加 情 報,そしてそれらの 分 類 や 検 索 方 法 を 検 討 することにより, 一 般 的 な 構 造 にすること が 可 能 である 更 に 教 育 現 場 での 実 践 を 行 い,システ ムのブラッシュアップを 図 っていきたい 図 15 スライダー 操 作 による 画 像 拡 大 図 16 ユーザ 毎 に 暗 号 化 された 文 章 の 表 示 図 17 ファイル 登 録 フォーム 参 考 文 献 [1] 菊 地 章, 井 上 淳 一 : 情 報 教 育 の 観 点 から 見 た 情 報 機 器 の 変 遷. 日 本 産 業 技 術 教 育 学 会, 第 43 巻, 第 1 号, pp.53-60,2001. [2] 菊 地 章,スフーバトル, 櫻 本 尚 子 : TIFF 画 像 の 表 示 領 域 と 非 表 示 領 域 を 組 み 合 わせた 画 像 透 かし 手 法. 日 本 産 業 技 術 教 育 学 会 誌, 第 49 巻, 第 4 号,pp.279-288, 2008. [3] Adobe Developers Association: Tiff revision 6.0 final-june 3,1992,http://partners.adobe.com/ public/developer/tiff/index.htm. [4] Wikipedia 暗 号 : http://ja.wikipedia.org/wiki. [5] IT 辞 典 rijndael: http://dictionary.rbbtoday. com/details/term2291.html. [6] ブロック 暗 号 化 モード: http://www.triplefalcon.com/lexicon/encryption-block-mode-1.htm. [7] MySQL 全 文 検 索 :http://dev.mysql.com/doc/ refman/4.1/ja/fulltext-search.html. [8] MySQL FULLTEXT+Ngram:http://www.tatamilab.jp /rnd/archives/000390.html. [9] Senna 組 み 込 み 型 全 文 検 索 エンジン: http://qwik.jp/senna/frontpagej.html. [10] MeCab: Yet Another Part-of-Speech and Morphological Analyzer,http://mecab.sourceforge.net/. No.6 (2009) 7