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B 第 25 回 研 究 助 成 実 践 部 門 報 告 Ⅰ 英 語 能 力 向 上 をめざす 教 育 実 践 小 学 校 外 国 語 活 動 における Phonemic Awareness の 活 動 が 模 倣 した 発 話 に 与 える 効 果 大 阪 府 / 大 阪 市 立 神 津 小 学 校 教 諭 井 上 桃 子 本 研 究 の 目 的 は,Phonemic Awareness 概 要 ( 以 下 PA)の 活 動 を 通 して, 日 本 語 母 語 児 童 の 発 音 にどのような 変 化 が 現 れるかを 観 察 することである PA の 活 動 は 6 年 生 をクラスごと に 実 験 群 と 統 制 群 に 分 けて 行 った PA の 活 動 は 2 期 にわたって 実 施 した(Ⅰ 期 212 年 6 ~ 7 月,Ⅱ 期 212 年 11~12 月 ) PA の 活 動 では 音 の 聞 き 取 りをね らいとした input の 活 動 と, 音 の 定 着 をねらいとし た output 活 動 を 組 み 合 わせた 活 動 の 効 果 を 測 定 するためにリスニングテストと 模 倣 した 発 話 のテス トを 行 った 活 動 の 結 果,リスニングテストにおい て,Ⅱ 期 のプレテストで 2 群 に 有 意 な 差 が 見 られた 模 倣 した 発 話 活 動 では 実 験 群 の 方 が, 発 話 の 変 化 が 早 く 現 れた この 結 果 から,PA の 活 動 を 行 うこと で, 音 の 違 いに 気 づくだけではなく, 長 期 記 憶 に 音 声 情 報 が 転 送 されていると 考 えられる PA の 活 動 は 児 童 の 音 の 気 づきを, 確 実 な 技 能 として 定 着 させ ることが 可 能 になると 言 える 1 はじめに 日 本 においては211 年 度 から 小 学 校 外 国 語 活 動 ( 本 研 究 では 英 語 と 表 示 する)が 完 全 実 施 となっ た 英 語 の 授 業 は 5 6 年 生 を 対 象 に 週 に 1 回, 年 間 35 時 間 という 非 常 に 限 られた 時 間 の 中 で 行 われて いる 外 国 語 学 習 指 導 要 領 において, 目 標 は 次 のとおり である 外 国 語 を 通 じて, 言 語 や 文 化 について 体 験 的 に 理 解 を 深 め, 積 極 的 にコミュニケーションを 図 ろうと する 態 度 の 育 成 を 図 り, 外 国 語 の 音 声 や 基 本 的 な 表 現 に 慣 れ 親 しませながら,コミュニケーション 能 力 の 素 地 を 養 う この 目 標 は 次 の 3 つの 柱 から 成 り 立 っている a 外 国 語 を 通 じて, 言 語 や 文 化 について 理 解 を 深 める s 外 国 語 を 通 じて, 積 極 的 にコミュニケーション を 図 ろうとする 態 度 の 育 成 を 図 る d 外 国 語 を 通 じて, 外 国 語 の 音 声 や 基 本 的 な 表 現 に 慣 れ 親 しませる 小 学 校 の 英 語 では 英 語 を 通 して 積 極 的 にコミュ ニケーションを 図 ろうとする 態 度 の 育 成 を 求 めて いる コミュニケーションをとるためには, 相 手 の 言 っていることを 聞 き 取 り, 理 解 をしなければなら ない 小 学 校 で 英 語 を 用 いてコミュニケーションを 行 うならば, 小 学 生 が 英 語 を 聞 き 取 れるようになる ための 指 導 が 必 要 である 言 い 換 えると 音 声 指 導 が 必 要 なのである この 音 声 に 関 して 指 導 要 領 で は 次 のような 説 明 がある 外 国 語 活 動 においては, 多 くの 表 現 を 覚 えたり, 細 かい 文 構 造 に 関 する 抽 象 的 な 概 念 について 理 解 す ることは 目 標 としていない 一 方, 音 声 面 に 関 して は, 児 童 の 柔 軟 な 適 応 力 を 十 分 に 生 かすことが 可 能 である そこで, 外 国 語 活 動 では, 外 国 語 のもつ 音 声 やリ ズムなどに 慣 れ 親 しませることが 大 切 になる 例 え ば, 日 本 語 のミルク(mi-ru-ku)は 3 音 節 であるが, 英 語 の milk は 1 音 節 である これを 日 本 語 のよう 77

なリズムで 発 音 すると, 英 語 に 聞 こえず, 意 味 も 伝 わらない そこで, 実 際 に 英 語 で 歌 ったりチャンツ をしたりすることを 通 して, 英 語 特 有 のリズムやイ ントネーションを 体 得 することにより, 児 童 が 日 本 語 と 英 語 との 音 声 面 等 の 違 いに 気 付 くことになる また, 例 えば brother という 単 語 を 聞 いたり, 発 音 したりすることにより, 児 童 は 日 本 語 にない /r/ や /ø/ の 音 に 触 れたり, 慣 れ 親 しんだことになる ( 中 略 ) 指 導 要 領 の 中 では, 日 本 語 と 英 語 の 音 の 違 いから, 音 声 指 導 の 重 要 性 が 述 べられている しかし, 英 語 を 聞 き 取 れるようになるための 具 体 的 な 指 導 方 法 は 明 記 されていないのが 現 状 である 子 供 たちが 英 語 でコミュニケーションをとれるよ うになるために, 音 声 面 の 能 力 を 育 成 する 指 導 法 が 求 められていると 言 える その 指 導 法 の 1 つとし て Phonemic Awareness を 提 案 していきたい 2 先 行 研 究 2.1 Phonemic Awareness について Phonemic Awareness( 音 素 認 識 能 力 ) と は Phonological Awareness( 音 韻 認 識 能 力 )の 1 つで ある Phonemic Awareness は, 話 されている 言 葉 がどのような 音 ( 音 素 )で 作 られているかを 知 る 能 力 である(アレン, 21) Phonemic Awareness のステップは 表 1 のとおり である(リーパー, 28) 英 語 圏 においては Phonemic Awareness は, 意 識 的 な 指 導 が 必 要 であると 言 われている(アレン, 21) 例 えば,アメリカの 小 学 校 ではリーディング やライティングの 時 間 の 他 に 週 に 1 回 スピーチセ ラピスト が 授 業 を 行 っている スピーチセラピス トは 音 と 聴 覚 の 専 門 家 である この 授 業 では 単 語 の 音 の 違 いを 丁 寧 に 学 んでいく(リーパー, 28) こ のような 指 導 が 行 われるのは,Phonemic Awareness の 能 力 がその 後 の 英 語 学 習 に 大 きく 影 響 を 及 ぼす から で あ る(Adams, Foorman, Lundberg, & Beeler, 1997) 例 えば, 未 知 語 を 正 しく 発 音 できる 能 力 の 高 さが 語 彙 獲 得 と 読 解 力 向 上 に 関 係 していると 言 われている 未 知 語 を 正 しく 発 音 できる 能 力 が 備 わっていると, 音 声 規 則 に 従 って 新 出 語 彙 を 円 滑 に 学 習 でき,その 結 果 語 彙 力 も 向 上 していく 未 知 語 を 正 しく 発 音 するためには, 初 級 段 階 の 外 国 語 学 習 者 が 外 国 語 に 対 する 鋭 敏 な 音 韻 認 識 能 力 を 育 てるこ とが 重 要 であり, 初 級 段 階 では 音 声 学 習 が 効 果 的 で ある( 中 森, 29) ここで 1 つ 重 要 なことがある 英 語 学 習 におい て Phonemic Awareness を 育 成 するためには, 英 語 の 音 が 聞 き 取 れなければならない つまり, 英 語 学 習 初 期 の 日 本 語 母 語 児 童 に 対 して, 英 語 の 音 が 聞 き 取 れるようになる 音 声 指 導 が 必 要 だと 言 える 効 果 的 な 音 声 指 導 を 行 うためには 日 本 語 母 語 児 童 の 音 韻 認 識 能 力 の 特 徴 を 知 る 必 要 がある 2.2 日 本 語 母 語 児 童 の 音 韻 認 識 能 力 音 声 の 知 覚 や, 発 音 に 関 してはより 早 い 時 期 に 習 得 を 始 めた 者 の 方 が,その 言 語 の 母 語 話 者 に 近 い 能 力 を 獲 得 する しかし, 英 語 の 音 韻 習 得 は 母 語 と 英 語 での 音 韻 的, 音 律 的 特 徴 が 異 なるため, 年 少 の 子 供 にとっても 必 ずしも 容 易 ではない そして,それ ぞれの 母 語 の 音 韻 的, 音 律 的 特 徴 からくる 固 有 の 課 表 1:リーパー(28)による Phonemic Awareness のステップ ステップ 名 称 内 容 78 1 rhyming 単 語 の 終 わりの 音 に 注 目 2 alliteration 単 語 の 始 めの 音 に 注 目 3 syllable と onset rime 語 の 音 をグループに 分 ける syllable: 単 語 を 母 音 のグループで 分 ける onset rime: 単 語 を 初 めの 母 音 の 前 で 分 け て 母 音 の 前 の 子 音 のグループがオンセット, 母 音 とそれに 続 く 音 のグループがライム blending 音 をつなげて 単 語 を 作 る 5 音 の 位 置 始 めの 音, 真 ん 中 の 音, 最 後 の 音 に 注 目 6 segmentation 単 語 の 音 をばらばらにして 音 を 数 える 7 音 の 操 作 単 語 の 始 めや 音 の 終 わりの 音 を 置 き 換 える

第 25 回 研 究 助 成 B 実 践 部 門 報 告 Ⅰ 小 学 校 外 国 語 活 動 における Phonemic Awareness の 活 動 が 模 倣 した 発 話 に 与 える 効 果 題 がある( 李 湯 澤 関 口, 29) 日 本 語 母 語 幼 児 と 中 国 語 母 語 幼 児 における 英 語 音 韻 処 理 の 違 いを 調 べた 実 験 がある( 湯 澤 湯 澤 関 口,29) 湯 澤 らは 日 本 語 母 語 幼 児 32 名 と 中 国 語 母 語 幼 児 33 名 に 対 して 実 験 を 行 った 実 験 : 英 単 語 反 復 の 違 いの 検 討 方 法 : 英 単 語 を 用 いて 幼 児 に 聞 こえてくる 単 語 をそ のまま 繰 り 返 させた 音 韻 構 造 は a CVC(need, rid, fan, might, wing, thin),s CCVC(dream, smell, train, plot, grass, block),d CVCC(help, kind, left, jolt, zest, vamp),f VCC(elf, ask, ink, opt, ump, east)の 種 類 である 各 音 韻 構 造 に 対 して 6 つの 単 語 を 用 意 した この 実 験 で 明 らかに なった 日 本 語 母 語 幼 児 の 特 徴 は 次 の 2 点 である a 日 本 語 母 語 幼 児 は 英 単 語 の 音 声 を 知 覚 し, 作 動 記 憶 にいったん 入 った 音 声 情 報 を 分 析 し 音 声 全 体 から 頭 語 の 音 素,または onset などの 特 定 の 音 を 取 り 出 す 音 素 認 識 に 優 れている それは 日 本 語 母 語 者 が 英 語 の 音 声 を, 音 節 よりも 細 かい 単 位 であるモーラに 基 づいて 知 覚 するからであ ると 考 えられる s 日 本 語 母 語 幼 児 は 作 動 記 憶 内 にいったん 入 った 英 単 語 の 音 声 情 報 をそのまま 再 生 することに 失 敗 する これは, 音 韻 貯 蔵 に 負 担 がかかり, 音 声 を 再 生 している 間 に 音 韻 貯 蔵 での 情 報 が 減 退 するからと 考 えられる 特 に CCVC や CVCC のようにより 多 くのモーラで 構 成 される 複 雑 な 音 韻 構 造 を 1 つのまとまりとして 発 声 する 力 を 伸 ばす 必 要 がある これは, 英 語 を 構 成 する 音 韻 を 知 覚 することはできるが,より 大 きなまと まりでそれを 記 憶 することが 難 しいということ を 意 味 している この 実 験 から 日 本 人 児 童 にとって 単 に 英 語 の 音 声 に 親 しむだけでは 英 語 の 音 韻 習 得 は 難 しく, 日 本 語 母 語 話 者 の 音 韻 処 理 の 特 徴 に 応 じた 習 得 方 法 が 必 要 であると 考 察 している そして, 音 声 を 聞 き 取 った り, 発 話 することは 記 憶 が 関 係 している 2.3 音 韻 的 作 動 記 憶 音 韻 認 識 の 技 能 は 音 韻 的 作 動 記 憶 の 能 力 とも 関 連 している 音 韻 的 作 動 記 憶 は 短 時 間 の 音 声 情 報 の 保 持 処 理 を 担 う( 湯 澤 関 口 李, 27; 湯 澤 他, 29) 日 本 人 幼 児 が 英 語 を 学 習 する 場 合, 英 語 の 語 彙 知 識 が 全 くないのがほとんどである その 場 合, 日 本 語 と 英 語 の 音 韻 的, 韻 律 的 特 徴 の 違 いから 日 本 人 幼 児 は 英 語 の 音 声 を 聞 き 取 り, 音 韻 的 作 動 記 憶 に 明 瞭 に 保 持 することは 難 しい 例 えば, 日 本 語 と 英 語 の 音 韻 的 特 徴 の 違 いにかかわらず, 日 本 人 幼 児 に CV (C:consonant,V:vowel) と い う 単 音 節 ( 例 /pe/)を 提 示 すると, 幼 児 は 日 本 語 にない 英 語 の 音 韻 も 含 めて, 正 確 に 知 覚 し, 反 復 することができる しかし,それらの 音 韻 が VC という 日 本 語 にない 音 節 ( 例 /ap/)の 中 に 埋 め 込 まれると,それらを 聞 き 取 り 音 韻 的 作 動 記 憶 に 明 瞭 に 保 持 することが 難 しく なる( 湯 澤 他, 27) 音 声 情 報 は 短 期 記 憶 に 正 確 に 保 持 されることで 初 めて 習 得 される( 湯 澤, 211) 人 間 の 記 憶 は 感 覚 記 憶, 短 期 記 憶, 長 期 記 憶 の 3 種 類 がある 感 覚 記 憶 は 感 覚 器 官 に 保 持 される 記 憶 で, 聴 覚 では 約 秒 間 記 憶 される 感 覚 記 憶 で 得 られた 情 報 は 短 期 記 憶 に 転 送 される 短 期 記 憶 の 容 量 は 小 さく, 情 報 が 短 期 記 憶 に 転 送 される 際 にかなりの 量 の 情 報 が 失 われ る 転 送 された 情 報 は, 短 期 記 憶 の 中 で 約 2 秒 間 保 持 され, 7 ± 2 個 までの 情 報 しか 保 持 できない そ して 短 期 記 憶 の 情 報 は 時 間 の 経 過 とともに 消 失 する ( 大 石, 26) 消 失 を 防 ぐためにはリハーサルが 必 要 である リハーサルとは, 聞 こえた 音 声 を 心 の 中 で 反 すうすることである リハーサルを 行 うことに よって 短 期 記 憶 で 蓄 えられた 情 報 を 長 期 記 憶 に 転 送 できるようになる( 玉 井, 28) 必 要 な 情 報 を 処 理 しつつ 一 時 的 に 事 柄 を 保 持 する 働 きをしているのがワーキングメモリー(working memory)である ワーキングメモリーは 言 語 活 動 に 大 きな 役 割 を 果 たしている( 大 石, 26) 言 語 学 習 の 初 期 の 段 階 において, 短 時 間 の 音 声 情 報 の 保 持 処 理 を 担 う 音 韻 的 作 動 記 憶 (phonological working memory),および 音 声 情 報 の 認 識 文 節 操 作 を 担 う 音 韻 認 識 (phonological awareness)が 重 要 な 役 割 を 果 たしている 音 韻 認 識 の 技 能 は 音 韻 的 作 動 記 憶 の 能 力 とも 関 連 している 第 2 言 語 の 語 彙 知 識 が 全 くない 段 階 で は, 音 声 を 音 韻 的 作 動 記 憶 に 明 瞭 に 保 持 する 音 韻 認 識,または 音 韻 的 作 動 記 憶 の 技 能 が, 第 2 言 語 の 習 得 に 大 きな 役 割 を 果 たし,いったん 語 彙 知 識 を 獲 得 すると,その 知 識 を 利 用 して 加 速 的 に 語 彙 を 増 やす ことができるとしている( 湯 澤 他, 27, 29) これらのことから, 日 本 語 母 語 児 童 にとって 英 語 79

の 音 声 を 保 持 することを 難 しくしている 要 因 は 2 つ ある 1 つ 目 は 記 憶 である 英 語 を 聞 き 慣 れない 日 本 語 母 語 児 童 は, 英 語 の 音 声 を 音 韻 的 作 動 記 憶 に 明 瞭 に 保 持 するのが 難 しく, 音 韻 分 析 を 行 う 前 に 情 報 が 消 失 していると 言 える 2 つ 目 は 日 本 語 と 英 語 は 違 う 音 声 構 造 であるということである 特 に 日 本 語 にはない VC という 音 節 の 保 持 が 難 しくなる これらの 日 本 語 母 語 児 童 の 特 性 を 知 った 上 で 音 声 指 導 を 行 う 必 要 がある 2. 音 声 指 導 の 必 要 性 生 後 1か 月 頃 には 乳 幼 児 の 音 声 知 覚 が 母 語 の 音 韻 体 系 に 合 わせて 調 整 され, 母 語 の 音 韻 体 系 にない 第 2 言 語 の 音 韻 の 差 異 ( 例 えば 日 本 人 幼 児 にとって 英 語 の /r/ と /l/)に 気 づかなくなることがわかって いる( 林, 1999) 例 えば 日 本 語 母 語 中 学 生 に / / の 音 を 聴 かせたとき, 頭 の 中 にこれに 相 当 するもの がないため,/f/ か /s/ のどちらかで 認 識 してしま う これは 範 疇 的 視 覚 (categorical perception) と 呼 ばれ, 人 間 が 言 語 音 を 識 別 する 基 本 的 な 方 略 で ある つまり, 日 本 語 母 語 話 者 が 外 国 語 の 音 声 を 上 手 に 認 識 できないのは, 日 本 語 と 外 国 語 では 別 々の 音 の 範 疇 を 持 っていて,どんなにたくさんの 外 国 語 を 聴 いても, 日 本 語 の 範 疇 に 当 てはめて 聴 いている からである これを 解 決 するためには, 意 識 的 に 外 国 語 学 習 者 の 脳 の 中 に 新 しい 音 の 範 疇 を 作 らな ければならない( 萩 原, 2) もし, 学 習 者 が 英 語 と 日 本 語 の 音 が 違 うということを 十 分 に 知 覚 できな ければ, 英 語 と 日 本 語 が 音 声 的 に 同 じと 刷 り 込 まれ てしまう その 結 果, 学 習 者 の 英 語 の 音 声 特 徴 を 知 覚 し 産 出 する 能 力 は 減 退 する そして, 音 声 的 違 い に 対 する 反 応 も 鈍 化 する( 中 森, 29) 日 本 語 と 英 語 では 音 素 配 列 およびつづり 配 列 の 類 似 性 は 極 めて 低 く, 学 習 者 の 負 担 が 大 きい( 中 村, 2) 音 声 指 導 は 発 話 にも 影 響 を 与 えると 言 われてい る それは, 自 分 の 脳 にない 音 は 発 音 できない からである( 萩 原, 2) 英 語 の 音 が 聞 き 取 れるよ うになれば, 英 語 の 音 の 領 域 が 脳 の 中 に 作 られる 脳 の 中 に 英 語 の 音 の 領 域 ができれば, 英 語 の 音 を 産 出 することが 可 能 である そのため 音 声 指 導 の 基 本 的 プロセスは 学 習 者 に 対 してまず,モデル 発 音 を 繰 り 返 し 聞 かせることである その 後, 英 語 の 特 定 音 素 の 聞 き 取 りと 識 別 が 語 や 文 レベルでできてから 学 習 者 に 発 話 させるという 手 順 を 守 らなければならな い( 津 熊, 25) 音 声 指 導 は 文 字 学 習 の 前 段 階 としても 必 要 である と 言 われている 昔 の 英 語 教 育 は 音 声 教 育 よりも, 文 字 教 育 が 重 視 されていた しかし, 言 語 習 得 の 過 程 から 見 ても 母 語 を 音 声 から 習 得 するように, 第 2 言 語 でも,まず 良 質 で 量 的 にも 十 分 なインプットに よって 言 語 能 力 の 基 礎 を 作 り, 次 に 文 字 教 育 に 進 む 方 が 自 然 である( 豊 田, 27) 文 字 学 習 を 行 うため にも,Phonemic Awareness は 必 要 である アル ファベット 言 語 を 理 解 するためには, 単 語 を 構 成 す る 音 の 組 み 合 わせを 知 る 必 要 があり, 子 供 たちは 書 き 言 葉 の 前 に 話 し 言 葉 を 理 解 しなければならない 音 素 を 学 び, 音 素 を 表 すのに 用 いられる 文 字 を 学 ぶ という 手 順 こそがアルファベットコードを 習 得 する 理 論 的 アプローチである( 金 澤 伊 東, 28) これらから, 日 本 語 母 語 児 童 に, 英 語 の 音 が 日 本 語 の 音 とは 違 うということに 注 意 を 向 けさせること が 必 要 だと 言 える そして, 英 語 の 音 の 領 域 ができ ると, 日 本 語 母 語 児 童 も 英 語 の 音 を 発 音 することが できるようになる 注 意 を 向 けさせながら input ( 聞 くこと)を 十 分 に 与 えた 後,output( 発 音 練 習 ) する 学 習 手 順 が 大 切 である そして, 音 に 十 分 慣 れ 親 しんだ 後, 文 字 を 学 習 することで 文 字 と 音 の 関 係 を 学 ぶことが 言 語 習 得 の 基 本 である 中 学 校 で 文 字 の 学 習 が 始 まることを 踏 まえると, 小 学 校 で 音 声 指 導 を 行 うことは 学 習 の 流 れとして 欠 くことができな いと 考 えられる 2.5 日 本 語 母 語 児 童 向 け 音 声 指 導 ではどのような 音 声 指 導 が 必 要 なのだろうか 2.3から 音 声 指 導 には input( 英 語 の 音 の 聞 き 取 り), output( 発 音 練 習 )のステップが 必 要 である 音 に 注 意 を 向 けさせるためには 意 味 を 聞 き 取 る リスニング ではなく 音 そのものを 聞 き 取 るリス ニング が 必 要 である 音 声 指 導 は,1 回 1 分 程 度 で 3 ~ 回 行 うだけで 効 果 が 出 る そして, 発 音 練 習 では 聞 き 取 った 音 を 自 分 で 発 話 することで, 自 分 の 耳 ( 脳 )にフィードバックを 与 えることができる 聞 き 取 るだけでは, 実 際 に 自 分 の 脳 に 音 が 定 着 した か 定 かではない 発 音 してみることで, 定 着 したか を 確 かめることができる( 萩 原, 2) 発 音 練 習 に 関 して,シャドーイングが 効 果 的 であ る シャドーイングは 音 韻 ループで 行 われるサ ブ ボーカライゼーションを 意 識 的 に 声 に 出 して 行 8

第 25 回 研 究 助 成 B 実 践 部 門 報 告 Ⅰ 小 学 校 外 国 語 活 動 における Phonemic Awareness の 活 動 が 模 倣 した 発 話 に 与 える 効 果 う 訓 練 である サブ ボーカライゼーションとは 聞 いた 音 声 イメージを 再 現 するために 心 内 で 音 韻 化 す ることである シャドーイング 訓 練 を 行 うことで 復 唱 技 術 が 向 上 する これは 音 韻 ループ 内 に 取 り 込 め る 音 声 情 報 の 量 が 増 え,リスニングが 容 易 になるか らである( 玉 井, 28) 発 音 練 習 で 扱 う 内 容 は, 機 械 的 な 発 音 練 習 よりも, 意 味 のある 句 や 文 を 用 いて, 練 習 そのものが 楽 しい 活 動 であることを 考 慮 する 必 要 がある 欧 米 で 開 発 された 指 導 法 に 依 存 するので はなく 日 本 語 話 者 に 有 効 な 指 導 法 を 考 案 すべきであ る( 有 本, 22) これらから, 聞 き 取 る 指 導 は 機 械 的 に 音 に 注 意 を 向 けさせるだけではなく, 文 章 に 意 味 のあるものを 用 いることが 大 切 である 発 音 練 習 では, 聞 き 取 っ た 音 を 確 かめることができ,シャドーイングの 内 容 を 踏 まえたものが 適 していると 言 える これらのこ とから 小 学 生 の 発 達 段 階 に 合 わせた 教 材 や 活 動 内 容 を 考 案 しなくてはならない 2.6 小 学 生 の 発 達 段 階 について 英 語 の 音 声 を 聞 き 取 って 発 音 することで 聴 覚 発 声 器 官 が 柔 軟 である 子 供 の 英 語 の 音 声 を 聞 き 取 る 能 力 を 生 かすことができる また 子 供 はまねがうまい 模 倣 して 発 話 することは 遊 び 感 覚 であり, 英 語 の 音 声 へ 親 し み を 感 じ る こ と に な る と い う( 田 中, 21) 小 学 校 5 年 生 以 降 の 学 習 者 は 英 語 と 日 本 語 の 音 声 の 差 異 を 分 析 的 に 知 覚 し, 違 いを 理 解 しようとする 認 知 発 達 段 階 になる( 中 森, 29) 中 学 年 あたりから,メタ 認 知 が 発 達 し 言 語 に 分 析 的 にアプローチしていく このあたりから, 母 語 と の 違 いにも 興 味 を 持 ち 始 める それと 同 時 に わか る, わからない を 意 識 し 始 める 高 学 年 になる と 楽 しさに 対 する 感 覚 は できる, 理 解 する と いった 知 的 意 識 的 な 達 成 感 と 結 びついてくる ゲームにおいても, 単 に 勝 ち 負 けのようなものでは 興 味 を 持 続 させるのが 難 しくなってくる そして, 高 学 年 では 情 意 フィルター(affective filter)が 影 響 してくる これは 間 違 いを 恐 れたり, 自 信 を 喪 失 し たりするものである 児 童 によっては 目 立 ったり, 人 前 で 話 すのを 嫌 がったりするケースも 見 られる この 情 意 フィルターが 高 くなると 言 語 習 得 の 妨 げに なると 考 えられている(バトラー, 25) これらのことから, 5 6 年 生 での 外 国 語 活 動 で は, 次 の 2 つに 気 をつける 必 要 がある 1 つ 目 は, 児 童 の 知 的 欲 求 を 満 たす 活 動 内 容 であるということ である 自 分 で 違 いに 気 づくことができ, わかった という 満 足 感 を 得 られるものでなければならない 2 つ 目 は, 情 意 フィルターへの 配 慮 である 3~ 人 が 一 斉 に 学 習 する 教 室 で 間 違 っても 大 丈 夫, 上 手 に 言 えなくてもいい という 雰 囲 気 と 内 容 を 児 童 に 提 供 することも 必 要 である 児 童 が 楽 し み な が ら, 効 果 的 に Phonemic Awareness の 能 力 が 育 成 されるような 活 動 を 考 案 していかなければならないと 言 える 3 本 実 験 3.1 目 的 本 実 験 の 目 的 は,Phonemic Awareness( 以 下 PA)の 活 動 を 通 して, 日 本 語 母 語 児 童 の 発 音 にど のような 変 化 が 現 れるかを 観 察 することである 先 行 研 究 2.にあるが, 英 語 の 音 が 聞 き 取 れるように なると 発 音 もできるようになるという そこで PA の 活 動 を 通 して 日 本 語 母 語 児 童 の 発 音 がどのように 変 化 していくのかを 観 察 する 3.2 仮 説 昨 年 度 行 った 実 験 から, 日 本 語 母 語 児 童 は 英 語 の 音 の 違 いに 注 意 を 向 けることができることがわ かった PA の 活 動 を 行 うことで,より 音 の 違 いに 向 ける 注 意 が 鋭 くなると 考 えられる 注 意 が 鋭 くな るとは, 英 語 と 日 本 語 の 音 を なんか 違 うな と 漠 然 ととらえるのではない 具 体 的 に 日 本 語 と 英 語 の 音 はどのように 違 うのかに 気 づけることである そ して,PA の 活 動 を 継 続 することで 短 期 記 憶 から 長 期 記 憶 に 転 送 される 音 声 情 報 量 が 増 える その 結 果, 英 語 の 発 音 にも 変 化 が 見 られるようになるので はないかと 考 えられる 3.3 参 加 者 本 実 験 の 参 加 者 は, 大 阪 市 内 にある 公 立 小 学 校 の 6 年 生 である( 1 クラス28 名 ) 被 験 者 らは 5 年 生 のときから 外 国 語 活 動 の 時 間 に PA の 活 動 の 効 果 を 測 定 する 実 験 に 参 加 している 5 年 時 の 実 験 ではク ラス 単 位 で 2 群 に 分 けた 実 験 群 は 2 期 ( 1 期 あた り 1 回 15 分 の 活 動 を 1 週 間 に 1 回, 週 にわたって 81

実 施 )にわたって,PA の 活 動 を 行 った そして, 6 年 生 になりクラス 替 えが 行 われた 5 年 時 の 2 群 が 混 ざった 状 態 となった そのため,リスニングテ ストを 行 いクラス 間 で 差 がないことを 確 かめた そ してクラスごとに 実 験 群, 統 制 群 に 分 けた 実 験 期 間 に 1 回 でも 欠 席 した 場 合 は 調 査 対 象 から 除 外 し た 最 終 参 加 者 は 実 験 群 18 人, 統 制 群 2 人 である 3. 実 験 方 法 実 験 の 効 果 を 測 定 するために, 実 験 期 間 の 始 めと 終 わりにリスニングテストと 模 倣 した 発 話 テストを 行 った 実 験 群 は 2 期 にわたって PA の 活 動 を 行 った 活 動 は 1 回 15 分 程 度 である プレテスト,3 回 の PA の 活 動,ポストテストの 流 れを 1 期 とした 第 Ⅰ 期 は212 年 6 ~ 7 月 に 実 施 した 第 Ⅱ 期 は212 年 11~ 12 月 に 実 施 した 統 制 群 は PA の 活 動 は 行 わなかった 代 わりの 活 動 として 参 加 者 全 員 に What ~ do you like? やピク チャーカードを 見 せて What is this? と 質 問 した 3.5 実 験 群 の 活 動 PA の 活 動 では 文 字 は 一 切 提 示 せず, 指 導 者 の 音 声 のみで 活 動 を 行 った 1 回 の 活 動 時 間 は15 分 程 度 である PA の 活 動 ではインプットとアウトプット の 活 動 を 組 み 合 わせた インプット 活 動 では 音 を 聞 き 取 ることをねらいとした アウトプット 活 動 では 音 の 定 着 をねらいとした どちらの 活 動 も 先 行 研 究 2.5を 参 考 にした 活 動 内 容 は 表 2 のとおりである 3.5.1 インプット 活 動 Matching Game この 活 動 は 音 を 聞 き 取 ることが 目 的 である 音 を 聞 き 取 ることに 集 中 させるため 1 人 での 活 動 とし た 児 童 の 発 達 段 階 を 考 慮 して, 勝 ち 負 けがなく, わかった という 充 実 感 を 感 じられるようにした 扱 った 文 章 はアメリカの 教 材 を 参 考 にした 活 動 の 手 順 は 次 のとおりである 被 験 者 には 活 動 の 記 録 用 紙 と, 表 が 黄 色, 裏 が 青 の 星 形 のチップを2 枚 渡 し, 青 が 表 になるように 机 に 並 べるように 指 示 した 被 験 者 の 準 備 ができた ら,ターゲットの rhyming を 指 導 者 が 発 話 して 提 示 した そして, 今 から 読 む 文 章 ( 表 3 )の 中 でターゲットの rhyming と 同 じ rhyming が 聞 こえ てきたら, 星 を 黄 色 に 返 すように 指 示 した 正 解 の 数 は 事 前 に 知 らせていない 1 回 文 章 を 読 み 終 わる と, 被 験 者 に 裏 返 した 星 の 数 を 用 紙 に 記 入 するよう に 指 示 した 1 つの 文 章 につき 2 回 繰 り 返 して 行 った その 後, 指 導 者 とともに 正 解 を 確 認 した 3.5.2 アウトプット 活 動 Tongue Twister この 活 動 では 音 の 定 着 がねらいである 先 行 研 究 2.5にあるが, 聞 き 取 った 音 を 発 話 することで 自 分 の 耳 にフィードバックを 与 えることができる そし て, 発 話 することで 音 が 定 着 したか 確 かめることが できる 発 話 するにあたり, 英 語 学 習 初 期 の 児 童 が 聞 き 取 り や す く, ま ね し や す い よ う に rhyming (alliteration)を 用 いた tongue twister を 行 うことに した rhyming(alliteration)を 用 いることで, 注 意 を 向 ける 音 を 限 定 することができる そして, 早 口 言 葉 とすることで,うまく 言 えないことも 楽 しさの 1 つとした ただ, 活 動 中 に 机 間 巡 視 を 行 い, 間 違 いは 正 すようにした 発 音 できているかはペアで 確 認 した 活 動 の 手 順 は 次 のとおりである 指 導 者 は イ ラ ス ト を 見 せ な が ら 発 話 し て Rhyming(alliteration)Tongue Twister を 紹 介 す る ( 表 3 ) そ の 後, 気 を つ け る ポ イ ン ト の rhyming(alliteration)を 確 認 する 被 験 者 は 気 をつ けるポイントを 確 認 して, 用 紙 に 記 入 する 1 文 を 短 く 区 切 りながら 被 験 者 にリピートさせる 様 子 を 見 ながら 2,3 回 繰 り 返 す その 後,1 文 を 発 話 し てリピートさせる 1 人 で 練 習 後,ペアに 聞 いても らい,コメントをもらう 練 習 時 間 は 2 ~ 3 分 程 度 とした 指 導 者 は 被 験 者 が 練 習 している 間 に 机 間 巡 視 を 行 った その 際 被 験 者 から もう 一 度 言 って と 言 われたときは, 発 音 して 聞 かせるようにした 表 2 : 実 験 群 の 活 動 インプット 活 動 ( 音 の 聞 き 取 り) アウトプット 活 動 ( 音 の 定 着 ) Matching Game 期 間 Ⅰ(212, 6 ~ 7) Rhyming Tongue Twister Matching Game 期 間 Ⅱ(212, 11 ~ 12) Rhyming Tongue Twister 82

第 25 回 研 究 助 成 B 実 践 部 門 報 告 Ⅰ 小 学 校 外 国 語 活 動 における Phonemic Awareness の 活 動 が 模 倣 した 発 話 に 与 える 効 果 表 3 : 期 間 Ⅰで 使 用 した 文 章 1 6 月 2 日 Matching Game -ike I d like to ride my new red bike, new red bike, new red bike, I d like to ride my new red bike, all around the town. Mike and Ike would rather hike, rather hike rather hike Mike and Ike would rather hike, and so would their dog, Spole. Rhyming Tongue Twister There s a fat cat in the hat. 2 7 月 2 日 3 7 月 9 日 -ow Oh, oh, don t you know, Joe has new trick, There he goes high and low. There he goes, to and fro, on his trick. Joe, we want to know how you go so high. Come on now, Joe, Joe, Joe. We want to know, know, know, Won t you let us try? -ay Say, Jane, come out and play. The weather s great today. Lace up your roller skates. I ll race you to the lake. Say, Jane, come in and play. It s such a rainy day. Let s stay inside and bake a tasty cake. The frog and the dog jumped on a log I never saw a saw saw like that saw saws 表 : 期 間 Ⅱで 使 用 した 文 章 Matching Game Rhyming Tongue Twister 1 11 月 27 日 2 12 月 日 3 12 月 11 日 12 月 18 日 -old One magical midnight. The moon turned to gold. An old man grew young and, a shy boy grew bold. The North Pole got hot and The South Seas got gold. Such things sometimes happen... Or so I ve been told. -og Oh, a dog and hog went for a jog, beside a big wet bog. Running round and round in circles. They got lost in a thick fog. Rib-bit! Rib-bit a frog croaked through the fog. If you follow me, Iʼ ll show you how to get home from this bog. -ug Sleepy and snug as a bug in a rug. Give me a kiss and Iʼ ll give you a hug. Pull up the blanket, give it a tug. Listen to the night train singing, Chug- chug- chug! -ub Rub, rub, tub-a-dub. Two bears in the tub. Mama and her baby cub. Scrub, scrub, scrub-a-scrub. Join the sudsy club. Bring some soap and sing along: Scrub-a-dub-a-dub! A big black bug bit a big black bear. Sister Susie sipped spicy soup Choose stew Tuesday, Tuesday is stew day. ( 学 校 の 都 合 により 授 業 が 途 中 で 中 止 になったため 実 施 せず) 83

3.6 期間Ⅰ 3.6.1 指示した No.1 No. までそれぞれ 2 回ずつ流れ 期間Ⅰリスニングテスト てくる ターゲット音は boom である リスニン 期間Ⅰのリスニングテストでは ターゲット音と グテストはネイティブ講師の協力を得て作成した 同じ音で終わっているイラストに丸をつけるように bloom No.1 slump /sl%mp/ /blú\m/ toot /tú\t/ ten /tén/ No.2 group /grú\p/ hold /hóuld/ gloom /glú\m/ man /m@n/ loom /lú\m/ rule /rú\l/ blue /blú\/ nine /n!ˆn/ gum /g%m/ moon /mú\n/ stick /stík/ /dú\m/ No.3 No. doom 図1 期間Ⅰプレテスト使用単語とテスト用紙 No.1 No.2 No.3 No. groom clump /kl%mp/ /grú\m / root /rú\t/ pen /pén/ broom soup /sú\p/ cold /kóüld/ /brú\m/ fan /f@n/ zoom /zú\m/ cool /kú\l/ zoo /zú\/ mine /máˆn/ sum /s%m/ noon /nú\n/ tick /tík/ /rú\m/ room 図 2 期間Ⅰポストテスト使用単語とテスト用紙 3.6.2 模倣した発話テスト テストの手順は次のとおりである 模倣した発話テストは ミニマルペアに着目した テスト音源は No.1 No.3 まで順次流れてくる もの rhyming に着目したものの 2 種類を使用した 被験者に録音したネイティブスピーカの音声を聞か 表 5 このテストは期間Ⅰ Ⅱを通して同じ単語 せて 聞こえたとおりに発音するように指示した の発音変化を観察した 被験者がネイティブスピーカの音声を聞けるのは 1 No.1の単語は 頭韻がミニマルペアである 昨 回だけである 聞き取れなくて発音できない場合も 年度行ったリスニングテストでは 語末の無気音化 ここでは /t/ の聞き取りはの方が正解率 は高かった 8 68 そこで リスニングテ ストの結果が発音にどのように関係しているのかを 確かめることにした No.2 と No.3 についてである 昨年度の実験か ら 2 群とも音の違いに注意を向けることができる という結果を得た しかし 音をどのようにとらえ ているかまではわからなかった そこで 同じ音で テストは続けた 被験者の音声は IC レコーダーに 録音した 表 5 speaking のテストで使用した単語 ミニマルペアの単語 rhyming に着目した単語 No.1 No.2 No.3 cut /k%t/ gut /g%t/ fight /f!ˆt/ flight /fl!ˆt/ 3.7 期間Ⅱ 始まり 同じ rhyming で終わる単語を発話させる 3.7.1 ことにした ここで No.2 と No.3 ともに fight /f!ˆt/ 期間Ⅱでは 同じ音で終わっているもの 2 つを選 が同じように発音できれば rhyming として音をと んで丸を書くように指示した テストで使用した単 らえていると考えられる しかし 2 単語で別々の 語とテスト用紙は図 3 のとおりである 音声は 期間Ⅱリスニングテスト 発音をした場合 rhyming として同じ音ととらえて 2 秒間隔で流れてくる テスト音源はネイティブ講 いないと考えられる 師の協力を得て作成した 8

第 25 回 研究助成 B 実践部門 報告Ⅰ 小学校外国語活動における Phonemic Awareness の活動が模倣した発話に与える効果 No.1 dot /d!t/ rod /r!d/ not /n!t/ doll /d!l/ No.2 learn /l^r\n/ lunch /l%ntƒ/ pub /p%b/ punch /p%ntƒ/ No.3 sick /sík/ cake /kéˆk/ cage /kéˆdω/ pick /pík/ No. tie /t!ˆ/ tight /t!ˆt/ sight /s!ˆt/ side /s!ˆd/ 図 3 期間Ⅱプレテスト使用単語とテスト用紙 No.1 plot /pl!t/ shop /ƒ!p/ shot /ƒ!t/ plod /pl!d/ No.2 crash /kr@ƒ/ No.3 chick /tƒík/ cling /klí / chief /tƒí\f/ click /klík/ No. ride /r!ˆd/ night /n!ˆt/ right /r!ˆt/ nine /n!ˆn/ crunch judge /kr%ntƒ/ /dω%dω/ munch /m%ntƒ/ 図 期間Ⅱポストテスト使用単語とテスト用紙 3.7.2 % 模倣した発話テスト 6 模倣した発話テストは期間Ⅰと同じ単語で実施し た 表 5 3.8 結果 3.8.1 2 37 31 期間Ⅰリスニング 26 25 プレテストの結果 2 群に有意な差は見られな かった t = 1.26, p =.67 2 2 8 7 表 6 期間Ⅰプレテスト記述統計量 n M SD Min Max 18 2.5.92 1 2 2.7 1.2 4 3 2 1 0 点 図 5 期間Ⅰプレテスト点数別の割合 % ポストテストの結果 2 群に有意な差は見られな 6 かった t =.89, p =.18 表 7 期間Ⅰポストテスト記述統計量 n M SD Min Max 18 3.1.78 2 2 3.3.71 1 2 群の点数別の割合は図 5 6 のとおりである 52 38 2 2 2 4 3 2 1 0 点 図 6 期間Ⅰポストテスト点数別の割合 85

問ごとの正解率は図 7 8 のとおりである % 1 8 89 8 2 2 % 96 93 gloom loom doom 96 63 cold fan 96 1 zoom cool zoo mine 71 7 15 7 81 15 No. sum noon tick room 8 8 37 63 図 1 期間Ⅰポストテストで被験者が選んだ単語 の割合 期間Ⅱリスニングテスト 表 8 期間Ⅱプレテスト記述統計量 8 2 broom 7 broom t =.1, p <.1 71 groom プレテストの結果 2 群に有意な差が見られた 81 6 soup pen No.3 3.8.2 1 8 93 図 7 期間Ⅰプレテスト問ごとの正解率 1 root 6 6 bloom groom 67 clump 96 No.2 85 78 No.1 n M SD Min Max 18 2..61 1 3 2 1.6.67 3 ポストテストの結果 2 群に有意な差は見られな zoom room 図 8 期間Ⅰポストテスト問ごとの正解率 かった t =.52, p =.3 表 9 期間Ⅱポストテスト記述統計量 No.1 slump bloom 78 toot group 11 hold 無回答 18 89 No.2 ten 7 gloom man 無回答 67 18 85 11 No.3 loom rule blue nine 無回答 6 1 1 8 1 7 No. gum moon stick doom 無回答 18 36 2 9 7 図 9 期間Ⅰプレテストで被験者が選んだ単語の 割合 86 n M SD Min Max 18 2.5 1.5 2 2.2.83 2 群の点数別の割合は図11 12のとおりである

第 25 回 研究助成 B 実践部門 報告Ⅰ 小学校外国語活動における Phonemic Awareness の活動が模倣した発話に与える効果 % % 1 8 58 6 8 8 76 68 63 53 56 2 28 2 12 8 3 2 1 12 問1 問2 問3 問4 図 1 期間Ⅱポストテスト問ごとの正解率 % 8 0 点 図 11 期間Ⅱプレテスト点数別の割合 1 11 4 8 3 6 1 3.8.3. 模倣した発話のテスト 音声変化は本研究者が聞き取り観察した 被験者 には聞こえたとおりにまねをするように指示をし た 日本語母語児童にとって 聞こえたようにまね 6 をする とはどのようなことなのか 回のテスト 2 を通して観察した 発音の変化は表1のとおりであ 38 35 る 26 26 2 16 9 4 3 2 1 0 点 図 12 期間Ⅱポストテスト点数別の割合 3.9 考察 3.9.1 期間Ⅰリスニングテストの考察 プレテストでは 2 群に差がないことを確かめた プレテストを実施したときは 昨年度のと統 制群が混ざった状態であった しかし テストの結 問ごとの正解率は図13 1のとおりである 果から実験に影響はないと言える プレテストの点 数別の割合を比較した の 3 点以上の割合は % 1 8 6 95 96 51 は62 である 2 点以下の割合は 実 95 験群9 38 であった は 2 点の割 合が最も高く2 である は 3 点の割合が最 も高く37 であった 図 5 63 58 ポストテストにおいて 2 群に有意な差は見られな の 3 点以上の割合は8 は96 で 28 2 かった ポストテストの点数別の割合を比較した あった 2 点以下の割合は2 16 で あ る 2 群 と も 3 点 の 割 合 が 最 も 高 く 実 験 群 2 52 であった 図 6 問1 問2 問3 問4 図 13 期間Ⅱプレテスト問ごとの正解率 プレテストとポストテストの点数別の割合を比較 すると ポストテストの方が 3 点以上の割合が 2 群 とも高くなっている 2 点以下の割合も は 29 は3 減った この結果に関連して 問ごとの正解率もプレテストよりポストテストの方 が上がっている 図 7 8 しかし の問 87

の 正 解 率 がプレテスト(2%)とポストテスト (8%)で 正 解 率 の 伸 びが 低 い ポストテストで 問 の 実 験 群 のみ 正 解 率 が5%に 届 いていない この 問 では room を 選 べば 正 解 である 実 験 群 で room を 選 んだ 割 合 は8%である そして 間 違 いの noon を 選 んだ 割 合 も8%であった( 図 1) この 問 だけ 正 解 率 が 下 がった 理 由 として 次 の 2 つが 考 えられ る 1 つ 目 は 時 間 の 経 過 とともにターゲット 音 を 忘 れ てしまったのではないかということである 先 行 研 究 2.3にあるが, 時 間 の 経 過 とともに 音 声 情 報 が 消 失 した 可 能 性 がある しかし, 問 3 の 正 解 率 は71% ある 中 で, 問 のときに 音 声 情 報 が 消 失 したとは 考 えにくい もし, 時 間 の 経 過 とともに 音 声 情 報 が 消 失 したのであれば, 統 制 群 の 結 果 も 同 じようになる のが 自 然 である しかし, 統 制 群 の 結 果 は 問 3 と 問 では 正 解 率 は 下 がっているものの 実 験 群 ほどでは ない よって 時 間 の 経 過 による 音 声 情 報 の 消 失 は 考 えにくい 2 つ 目 は,moon と room の rhyming に 注 意 を 向 けることができなかったのではないかということで あ る 問 で 扱 っ た noon /nú\n/ の rhyming は -oon である そしてターゲット 音 である boom と 正 解 の room /rú\m/ の rhyming は -oom である こ の 2 つの 単 語 は 最 後 まで 聞 かなければ rhyming の 聞 き 取 りを 間 違 えてしまう この 単 語 は 最 後 の 音 が,/m/ か /n/ で 聞 き 分 け な け れ ば い け な い /m/ は 有 声 両 唇 鼻 音 である 一 方 /n/ は 有 声 歯 茎 鼻 音 である この 2 音 の 聞 き 分 けは 難 しいとは 言 い 難 い このことから 実 験 群 は 最 後 の 音 を 聞 き 取 らず に noon を 選 んだと 考 えられる 3.9.2 期 間 Ⅱリスニングの 考 察 プレテストの 結 果,2 群 に 有 意 な 差 が 見 られた 3 点 以 上 の 割 合 は 実 験 群 が%, 統 制 群 は 8 %で あった 2 点 以 下 の 割 合 は, 実 験 群 56%, 統 制 群 92%であった( 図 11) か 月 前 の 期 間 Ⅰのポスト テストでは 2 群 に 有 意 な 差 はなく,3 点 以 上 の 割 合 は 統 制 群 の 方 が 高 い 結 果 となっていた( 図 6 ) し かし, 期 間 Ⅱのプレテストでは 実 験 群 の 方 が 3 点 以 上 の 割 合 が 高 くなった そして, 問 ごとの 正 解 率 は 2 群 で 異 なった 結 果 が 見 られた( 図 13) 問 2 を 除 いて, 統 制 群 の 正 解 率 は 実 験 群 の 半 分 以 下 となって いる このリスニングテストでは 正 解 を 選 ぶために 2 つのことを 同 時 に 行 わなければならない 1 つ 目 は rhyming に 注 意 を 向 けることである 前 回 までのテストでは 始 めにターゲットの rhyming が 提 示 された しかし, 今 回 のテストでは 問 ごとに 違 う rhyming を 扱 った 聞 こえてくる 単 語 の 最 後 に 注 意 を 向 けなければ 正 解 を 選 ぶことができない 2 つ 目 は 流 れてきた 単 語 を 覚 えておくことであ る 選 択 肢 つの 中 から 同 じ rhyming で 終 わって いるものを 2 つ 選 ぶテストである 被 験 者 は, つ 目 の 単 語 が 聞 こえるまで, 最 初 に 聞 こえた 単 語 を 覚 えておかなければ 正 解 を 選 ぶことができない 期 間 Ⅰの 考 察 から, 統 制 群 も, 音 の 違 いに 注 意 を 向 ける ことができたはずである しかし, 統 制 群 の 正 解 率 は 実 験 群 よりも 低 くなった この 結 果 に 関 して, 音 声 情 報 量 の 保 持 が 影 響 していると 言 える 先 行 研 究 2.5にあるように, 実 験 群 は PA の 活 動 を 通 して, 音 韻 ループ 内 に 取 り 込 める 音 声 情 報 量 が 統 制 群 よりも 多 くなったと 考 えられる テストでは 2 秒 間 隔 で 単 語 が 流 れてくる 先 行 研 究 2.3で 述 べたように, 聴 覚 には 秒 しか 音 声 情 報 は 保 持 されない 実 験 群 は 統 制 群 よりも, 聴 覚 から 短 期 記 憶 に 転 送 されるとき の 音 声 情 報 の 消 失 が 少 なかったのではないかと 考 え られる ポストテストの 結 果,2 群 に 有 意 な 差 は 見 られな かった 3 点 以 上 の 割 合 は, 実 験 群 %, 統 制 群 6%であった 2 点 以 下 の 割 合 は 実 験 群 56%, 統 制 群 58%であった( 図 12) プレテストと 比 較 すると 実 験 群 に 大 きな 変 化 は 見 られない しかし 統 制 群 は 3 点 以 上 の 割 合 が 高 くなった( 図 11 12) そして 問 ごとの 正 解 率 でも 変 化 が 見 られた( 図 1) 実 験 群 は 問 3 を 除 いて,プレテストよりも 正 解 率 が 下 がった 一 方 統 制 群 は 問 3 で 正 解 率 が 高 くなっ た 2 群 で 正 解 率 が 低 くなったのは 問 1 2 であ る 問 1 では,plot shop shot plod の つが 流 れてくる plot と shot を 選 べば 正 解 である しか し 2 群 とも shop と shot の 組 み 合 わせを 選 んだ 割 合 が 高 かった( 実 験 群 73%, 統 制 群 8%) shop と shot は 最 初 の 音 が 同 じである また plot と plod も 最 初 の 音 が 同 じである しかしこの 組 み 合 わせを 選 んだ 割 合 は 低 かった( 実 験 群 16%, 統 制 群 8 %) このような 結 果 になったのは plot の 音 声 情 報 が 消 失 してしまい 選 択 肢 が 3 つになったのではないかと 考 えられる そして shop shot plod を 聞 いた 参 加 者 は 同 じ 音 で 終 わっているものがなく, 同 じ 音 で 88

第 25 回 研 究 助 成 B 実 践 部 門 報 告 Ⅰ 小 学 校 外 国 語 活 動 における Phonemic Awareness の 活 動 が 模 倣 した 発 話 に 与 える 効 果 始 まった shop と shot を 選 んだのではないかと 思 われる 期 間 Ⅱのテスト 用 紙 はイラストもなく, 最 初 に 流 れてきた 音 声 を 保 持 する 手 助 けになるものが なかったことも 影 響 している 可 能 性 もある PA の 活 動 を 行 った 実 験 群 の 成 績 は 2 回 のテスト で 大 きな 変 化 は 見 られなかった しかし PA の 活 動 を 行 わなかった 統 制 群 の 成 績 はプレテストよりポス トテストの 方 が 良 い 結 果 になった また 期 間 Ⅰのポ ストテストで 2 群 に 差 はなかったが,このプレテス トでは 3 点 以 上 の 割 合, 問 ごとの 正 解 率 は 実 験 群 の 方 が 良 かった これらから,PA の 活 動 を 行 わなく ても 日 本 語 母 語 児 童 は 英 語 の 音 の 違 いに 注 意 を 向 け ることができる そしてリスニングテストを 繰 り 返 すことで, 音 声 情 報 を 保 持 することを 学 習 したと 言 える 先 行 研 究 2.にあるが, 6 年 生 の 日 本 語 母 語 児 童 の 段 階 では, 英 語 と 日 本 語 に 音 声 が 音 声 的 に 同 じと 刷 り 込 まれていない 可 能 性 がある 聞 き 取 る ことに 関 して 反 応 は 鈍 くないと 言 える しかし, 半 年 期 間 が 空 いて 英 語 の 音 声 を 聞 いたときに PA の 活 動 を 行 ったか 行 っていないかで 違 いが 見 られた PA の 活 動 を 行 うことで 音 の 聞 き 分 け, 音 声 情 報 を 保 持 する 能 力 を 維 持 することが 可 能 となったのでは ないかと 考 えられる 3.9.3 模 倣 した 発 話 について 回 の 模 倣 した 発 話 で,No.1~No.3 に 共 通 して 見 られた 変 化 は,アクセントである 日 本 語 と 英 語 ではアクセントに 違 いがある 日 本 語 のアクセント は 主 に 高 さ(pitch) を, 英 語 のアクセントは 主 に 強 さ(intensity) を 用 いて 表 される( 漥 薗, 1998) 1 回 目 の 録 音 時 にはカタカナの 発 音 で, 強 弱 がなく 発 音 していた しかし, 実 験 群 では 2 回 目 以 降, 統 制 群 では 3 回 目 以 降 にアクセントがつくよ うになった 特 に,No.2 と No.3 でその 傾 向 が 見 ら れた No.1 cut /k%t/ gut /g%t/ について この 2 単 語 は 頭 韻 (c と g)がミニマルペアに なっている /k/ は 日 本 語 のカ 行 の 子 音 で 代 用 でき る /g/ は /k/ に 対 応 する 有 声 音 である 破 裂 が 日 本 語 の ガ 行 よりも 強 くなる( 竹 林 斉 藤, 28) そして rhyming は ut /5t/ である この 最 後 の /t/ は 閉 鎖 音 である 閉 鎖 音 が 語 末 にくると 不 完 全 解 放 となり /t/ は 破 裂 なしに 発 音 される ほと んど 聞 こえない 状 態 である( 川 越, 27) 実 験 群 は 2 回 目 以 降 破 裂 音 を 伴 い 発 音 するようになった 3 回 目 には /g/ を 強 く 発 音 する 児 童 が 見 られた そ して 回 目 には 1 名 を 除 いて, 破 裂 音 を 伴 って 発 音 した 実 験 群 は 1 回 目 から 回 目 を 通 して /t/ の 音 を 発 音 していない 統 制 群 も 実 験 群 と 同 じように 変 化 をしていくが, 音 に 対 する 気 づきは 遅 いと 言 える ( 表 1) 表 1:リスニングテスト No.1 cut /k%t/ gut /g%t/ の 模 倣 した 発 話 の 変 化 実 験 群 (n = 18) 統 制 群 (n = 2) 1 回 目 カタカナで カ ガ と 発 音 (13 人 ) カタカナで カ ガ と 発 音 (22 人 ) (212 年 6 月 ) 2 回 目 /k/ と /g/ に 破 裂 が 伴 い,/t/ の 音 はない(9 人 ) カタカナで カ ガ と 発 音 ( 9 人 ) (212 年 7 月 ) カタカナで カ ガ と 発 音 ( 7 人 ) その 他 (2 人 ) /k/ と /g/ に 破 裂 が 伴 い,/t/ の 音 はない( 6 人 ) カタカナで カ ガン, カク ガク など(9 人 ) 3 回 目 (212 年 11 月 ) /k/ と /g/ に 破 裂 が 伴 う /t/ の 音 はない /g/ の 方 を 強 く 発 音 する(5 人 ) カタカナで カ ガ と 発 音 (12 人 ) /k/ と /g/ に 破 裂 が 伴 い,/t/ の 音 はない(1 人 ) /k/ と /g/ に 破 裂 が 伴 い,/t/ の 音 はない(5 人 ) その 他 ( 2 人 ) カタカナで カ ガ と 発 音 ( 7 人 ) その 他 ( 1 人 ) 回 目 /k/ と /g/ に 破 裂 が 伴 う /t/ の 音 はない /g/ の (212 年 12 月 ) 方 を 強 く 発 音 する(1 人 ) /k/ と /g/ に 破 裂 が 伴 い,/t/ の 音 はない(7 人 ) その 他 (1 人 ) /k/ と /g/ に 破 裂 が 伴 う /g/ の 方 を 長 く 発 音 する /t/ の 音 はない(11 人 ) カタカナで カ ガ と 発 音 (1 人 ) その 他 (3 人 ) 89

No.1 で 2 群 に 共 通 しているのは /t/ の 音 を 発 音 していないということである テストで 用 いた cut gut は 文 字 で 表 すと,t がある ひらがなは 1 文 字 1 音 である テスト 中 に cut gut と 文 字 を 見 せていたら, 被 験 者 らは /t/ の 音 が 聞 こえないこと に 違 和 感 を 覚 えたのではないだろうか 文 字 を 読 む ことに 注 意 を 向 け, 音 に 注 意 を 向 けなかった 可 能 性 がある 文 字 を 見 せないことで, 音 声 のみに 注 意 を 向 けることができたと 思 われる No.2 fight /f!ˆt/ について /f/ は 無 声 唇 歯 摩 擦 音 で 日 本 語 にない 音 である この 音 に 最 も 近 いのは 日 本 語 の フ であるが 英 語 の /f/ とは 異 なる /!ˆ/ は 日 本 語 の アイ の イ を エ に 近 く 発 音 するつもりで 一 息 に 発 音 する ( 竹 林 斉 藤, 28) 実 験 群 は,1 回 目 はカタカナ 発 音 でアクセントが なく ファイ や スァワイ と 発 音 していた 2 回 目 以 降 /f!ˆt/ と 発 音 する 児 童 が 出 てきた しか し 回 目 の 録 音 を 終 えてもカタカナ 発 音 が 改 善 され ない 児 童 もいた また ファイ や ファイン な ど 知 っている 言 葉 を 言 っている 様 子 も 見 受 けられ た 統 制 群 は 実 験 群 と 同 様 の 変 化 を 見 せた しかし No.1 と 同 様 に 音 に 対 する 気 づきは 鈍 い 結 果 となっ た( 表 11) 表 11:リスニングテスト No.2 fight /f!ˆt/ の 模 倣 した 発 話 の 変 化 実 験 群 (n = 18) 統 制 群 (n = 2) 1 回 目 カタカナ 発 音 で ファイ アクセントなし(11 人 ) カタカナ 発 音 で ファイ アクセントなし(15 人 ) (212 年 6 月 ) カタカナ 発 音 で スァワイ (3 人 ) カタカナ 発 音 で ファイツ ( 3 人 ) その 他 ( 人 ) カタカナ 発 音 で ファイン ( 2 人 ) その 他 ( 人 ) 2 回 目 (212 年 7 月 ) /f!ˆ/ と 発 音 /t/ の 音 はない /f!ˆt/ のアクセ ントあり( 人 ) カタカナ 発 音 で ファイ アクセントなし(11 人 ) その 他 (3 人 ) カタカナ 発 音 で ファイ アクセントなし(2 人 ) 無 回 答 ( 1 名 ) 3 回 目 /f!ˆ/ と 発 音 /t/ の 音 はない /f!ˆt/ のアクセ (212 年 11 月 ) ントあり(6 人 ) カタカナ 発 音 で ファイ 発 音 アクセントなし (8 人 ) カタカナ 発 音 で ファイン (3 人 ) その 他 (1 名 ) 回 目 /f!ˆ/ と 発 音 /t/ の 音 はない /f!ˆt/ のアクセ (212 年 12 月 ) ントあり(1 名 ) カタカナ 発 音 で ファイ アクセントなし( 人 ) /f!ˆ/ と 発 音 /t/ の 音 はない /f!ˆt/ のアクセ ントあり( 5 人 ) カタカナ 発 音 で ファイ アクセントなし(11 人 ) カタカナ 発 音 で ファイン ( 人 ) その 他 ( 人 ) /f!ˆ/ と 発 音 /t/ の 音 はない /f!ˆt/ のアクセ ントあり(11 人 ) カタカナ 発 音 で ファイ アクセントなし(6 人 ) カタカナ 発 音 で ファイン ( 5 人 ) その 他 ( 2 人 ) No.3 flight /fl!ˆt/について この 単 語 は No.2 と 同 じ rhyming である 実 験 群 は No.2 の fight の 発 音 と 同 じ 音 声 変 化 を 見 せてい る No.2 の 発 音 ができるようになると,No.3 の 発 音 もできるようになった 実 験 群 は No.2 と No.3 の 頭 韻 と rhyming が 同 じと 認 識 したことで,No.3 の /l/ の 音 に 注 意 を 向 けやすくなったのではないかと 考 えられる 一 方 統 制 群 も 1 回 目 の 録 音 から 回 目 の 録 音 で 音 声 変 化 は 見 られたが,No.1,No.2 同 様 に 音 に 対 する 気 づきは 鈍 い 結 果 となった( 表 12) No.2,No.3で 被 験 者 が 同 じ 音 と 認 識 できる ということは,No.3 を 聞 いたときに No.2 の 単 語 の 音 声 が 耳 に 残 っていたからだと 考 えられる これ は, 先 行 研 究 2.3にあるように 音 声 情 報 の 消 失 が 少 なく, 短 期 記 憶 に 転 送 されていると 言 える そして, 聞 いた 音 を 産 出 できるようになったということは 2.にあるように, 脳 の 中 に 英 語 の 音 の 領 域 ができ たと 言 える また, 2 語 の rhyming を 同 じ 音 で 発 音 できるということは, 先 行 研 究 2.1にあるように 音 声 規 則 に 従 って 語 彙 学 習 を 行 っていると 言 える 9

第 25 回 研究助成 B 実践部門 報告Ⅰ 小学校外国語活動における Phonemic Awareness の活動が模倣した発話に与える効果 表 12 リスニングテスト No.3 flight /fl!ˆt/ の模倣した発話の変化 n = 18 n = 2 1 回目 カタカナ発音で フライ 1 人 212 年 6 月 カタカナ発音で フォワィ 3 人 カタカナ発音で フライング 3 人 その他 2 人 カタカナ発音で フライ 12 人 カタカナ発音で ファイ 6 人 カタカナ発音 フラーイ 人 その他 2 人 2 回目 カタカナ発音で フライ 6 人 212 年 7 月 /fl!ˆ/ と発音 /fl!ˆt/ のアクセントあり /t/ の 音はない 人 カタカナ発音で フラーイ 3 人 その他 5 人 カタカナで フライ と発音 6 人 フラーイ と発音 5 人 /fl!ˆ/ と発音 /fl!ˆt/ のアクセントあり /t/ の音はない 人 ファイブ と発音 2 人 ファイーブ と発音 2 人 その他 3 人 無回答 2 人 3 回目 /fl!ˆ/ と発音 /fl!ˆt/ のアクセントあり /t/ 212 年 11 月 の音はない 7 人 カタカナで フライ と 3 音発音 人 その他 フラーイド フライス など 人 無回答 3 人 /fl!ˆ/ と発音 /fl!ˆt/ のアクセントあり /t/ の音はない 7 人 カタカナ発音で フライ 6 人 カタカナ発音で フラーイ 3 人 カタカナ発音で ファイ 人 その他 人 回目 /fl!ˆ/ と発音 /fl!ˆt/ のアクセントあり /t/ 212 年 12 月 の音はない 11 人 カタカナで ファイ 2 人 カタカナで フライ 3 人 その他 2 人 /fl!ˆ/ と発音 /fl!ˆt/ のアクセントあり /t/ の 音はない 8 人 カタカナで フライ 5 人 カタカナで ファイ 5 人 その他 フライト など 6 人.1 結論と課題 結論 本実験で得た結論は次の 2 点である えるということである input と output を組み合わ せた活動を行い 音の聞き取りと定着を同時に行っ た その結果 の方がよりも早く音の 産出に変化が現れたと考えられる 音の産出では破 裂や閉鎖音以外に アクセントにも変化が見られた 1 つ目は PA の活動を行うことで 音声情報の 被験者に 聞こえたとおりにまねしなさい と指示 消失を防ぐことが可能になるということである 期 すると アクセントや破裂音など多角的にとらえて 間Ⅰから期間Ⅱまで か月空いている 期間Ⅰのリ 発音している 被験者である日本語母語児童は そ スニングテストでは 2 群に差が見られなかった し れだけ多岐にわたり注意を向けることができるので かし期間Ⅱのリスニングプレテストではに有 ある 意な差が見られた このように期間が空いても音の 違いを聞き取ることができたのは PA の活動を通.2 して 音声情報が長期記憶に転送されているからで 本実験ではとで有意な差が見られた はないかと考えられる 学習初期は聞き慣れない英 のは期間Ⅱのプレテストのみであった その他のリ 語の音声情報はすぐに消失してしまう PA の活動 スニングテストでは 2 群に大きな差は見られな で音に注意を向けることを繰り返した結果 消失を かった 本実験で行った活動ではの PA の能 防ぐことができるようになったと言える 力を十分に伸ばしきれていない可能性がある 上記 の結果から PA の活動を行わなくても音 で述べたように PA の活動は効果があると考えら 課題 の違いに注意を向けることはできると言える しか れる そして 音に対する気づきも悪くはない よ し 期間が空くと 音声の違いに向けられる注意は り一層 日本語母語児童の音韻認識能力を伸ばすた 低くなってしまう めには活動方法を工夫する必要がある このことに 2 つ目は PA の活動は英語の音の産出に影響を与 ついて次の 2 点を検討する必要がある 91

1 点 目 は 活 動 内 容 についてである 現 在 の 外 国 語 は 5 年 生 から 始 まり, 週 に 1 回 と 非 常 に 限 られた 時 間 である 日 本 語 母 語 児 童 は 英 語 の 語 彙 力 が 十 分 で はなく,このような 状 況 では 英 語 を 母 語 としている 児 童 と 同 じ PA の 活 動 を 行 うことは 難 しい 例 え ば,rhyming 集 めや 始 めの 音 が 同 じ 単 語 を 児 童 に 言 わせるのも, 幼 少 期 から 十 分 な input が 与 えられて 言 葉 を 豊 富 に 持 っているから 行 える 活 動 である 限 られた 知 識 の 中 でも 確 実 に 音 韻 認 識 能 力 を 伸 ばして いける 指 導 法 や 教 材 の 開 発 が 必 要 である 2 点 目 は 扱 う 音 についてである 英 語 学 習 初 期 の 日 本 語 母 語 児 童 が 聞 き 取 りにくい 音 の 検 証 は, 十 分 に 行 われていないのが 現 状 である 今 回 の 実 験 で 扱 った 音 が 適 正 であったかどうか 検 証 し 改 善 してい かなければならない 指 導 要 領 の 中 でも, 系 統 立 っ た 指 導 の 手 順 が 示 されていない 週 に 1 回 という 限 られた 授 業 時 間 で 効 果 的 な 指 導 を 行 うために, 扱 う 音 の 優 先 順 位 が 必 要 である 5 おわりに 日 本 語 母 語 児 童 は EFL 環 境 にある 毎 日 の 生 活 に 英 語 があふれているわけでなく, 英 語 を 聞 く 機 会 が 十 分 であるとは 言 い 難 い しかし,このような 環 境 でも 音 声 に 対 する 感 覚 は 決 して 悪 くないことが 本 実 験 でわかった そして,PA の 活 動 を 行 うことで, 児 童 が 本 来 持 っている 音 韻 認 識 能 力 を 伸 ばすことが できるのではないかと 思 われる 現 在 の 外 国 語 活 動 は 週 に 1 回 5 分 と 限 られた 時 間 である 児 童 が 持 っ ている 音 に 対 する 柔 軟 な 感 覚 を, 確 実 な 技 能 として 育 てていくための 指 導 法 や 活 動 内 容 が 小 学 校 の 現 場 には 必 要 である その 指 導 法 の 1 つとして PA の 活 動 は 効 果 があると 考 えられる しかし 多 くの 小 学 校 で PA の 指 導 を 行 うには, 日 本 語 母 語 児 童 の 英 語 に 対 する 音 韻 認 識 能 力 や, 小 学 生 に 適 した 音 声 指 導 の 手 順, 扱 う 音 の 順 番 など 多 くのことが 検 証 され, 指 導 法 が 確 立 されなければならない 残 念 ながら, 現 在 の 段 階 では 英 語 学 習 初 期 の 児 童 の 能 力 を 検 証 した ものは 少 ないと 言 える 小 学 校 の 教 員 として 感 じる のは, 子 供 たちの 学 習 意 欲 は 高 く, できるように なった という 達 成 感 を 求 めていることである で きるようになるとは 確 かな 技 能 を 身 につけるこ とである この 欲 求 を 満 たしていけるように,より 良 い 指 導 法 や 教 材 の 開 発 に 取 り 組 んでいきたい 謝 辞 本 研 究 の 機 会 を 与 えてくださいました 公 益 財 団 法 人 日 本 英 語 検 定 協 会 の 皆 様, 選 考 委 員 の 先 生 方 に 心 から 感 謝 申 し 上 げます とりわけ, 吉 田 研 作 先 生 に は 貴 重 な 指 導 助 言 をいただきましたこと, 厚 く 御 礼 申 し 上 げます ありがとうございました そして, 本 実 験 を 行 うにあたり, 真 剣 に PA の 活 動 に 取 り 組 んでくれた 6 年 生 の 皆 さん, 実 験 を 快 く 承 諾 してくださった 神 津 小 学 校 の 皆 様, 本 当 にあり がとうございました 92

第 25 回 研 究 助 成 B 実 践 部 門 報 告 Ⅰ 小 学 校 外 国 語 活 動 における Phonemic Awareness の 活 動 が 模 倣 した 発 話 に 与 える 効 果 参 考 文 献 (*は 引 用 文 献 ) * Adams, M.J., Foorman, B.R., Lundberg, I., & Beeler, T.(1997).PHONEMIC AWARENESS in Young Children America: Paul H. Brookes Publishing CO. * アレン 玉 井 光 江.(21). 小 学 校 英 語 の 教 育 法 理 論 と 実 践. 東 京 : 大 修 館 書 店. * 有 本 純.(22). 英 語 の 発 音 指 導 における 教 材 の 在 り 方. 関 西 国 際 大 学 研 究 紀 要 第 3 号, 1-13. * バトラー 後 藤 裕 子.(25). 日 本 の 小 学 校 英 語 を 考 え る アジアの 視 点 からの 検 証 と 提 言. 東 京 : 三 省 堂. * 萩 原 洋.(2). 臨 界 期 後 の 英 語 音 声 指 導 のあり 方 に ついて. 富 山 大 学 教 育 学 部 紀 要 59, 33-2. * 林 安 紀 子.(1999). 声 の 知 覚 の 発 達 桐 谷 滋 ( 編 ) 言 葉 の 獲 得, 37-7. 京 都 :ミルネヴァ 書 店. * 金 澤 延 美 伊 東 弥 香.(28). 小 学 校 英 語 指 導 者 のた めの Phonemic Awareness 育 成 を 目 指 す 音 声 教 材 開 発 小 中 連 携 を 視 野 に 入 れた 文 字 指 導 との 融 合 を 目 指 して. 駒 沢 女 子 短 期 大 学 研 究 紀 要 1, 1-11. * 川 越 いつえ.(27). 英 語 の 音 声 を 科 学 する. 東 京 : 大 修 館 書 店. * 漥 薗 晴 夫.(1998). 音 声 学 音 韻 論. 東 京 :くろしお 出 版. * 李 思 嫻 湯 澤 正 通 関 口 道 彦.(29). 日 本 語 母 語 幼 児 と 中 国 語 母 語 幼 児 における 英 語 音 韻 処 理 の 違 い. 発 達 心 理 学 研 究 2, 3, 289-298. * リーパーすみ 子.(28). アメリカの 小 学 校 ではこう やって 英 語 を 教 えている 英 語 が 話 せない 子 ども のための 英 語 習 得 プログラム ライミング 編. 東 京 : 径 書 房. * 文 部 科 学 省.(28). 小 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 編 外 国 語 活 動 編. 東 京 : 東 洋 館. * 中 森 誉 之.(29). 学 びのための 英 語 学 習 理 論 つま ずきの 克 服 と 指 導 への 提 案. 東 京 :ひつじ 書 房. * 中 村 太 一.(2). 語 彙 の 習 得. 第 二 言 語 習 得 研 究 の 現 在 これからの 外 国 語 教 育 への 視 点, 123-137. * 大 石 晴 美.(26). 脳 科 学 からの 第 二 言 語 習 得. 東 京 : 昭 和 堂. * 竹 林 滋 斉 藤 弘 子.(28). 新 装 版 英 語 音 声 学 入 門. 東 京 : 大 修 館 書 店. * 玉 井 健.(28). シャドーイングと 外 国 語 学 習. スペ シャリストによる 英 語 教 育 の 理 論 と 応 用, 19-127. * 田 中 真 理.(21). 小 学 校 英 語 活 動 における 発 音 を 中 心 とした 授 業 カリキュラム コミュニケーション を 支 える 力 として. 小 学 校 英 語 教 育 学 会 紀 要 第 11 号, 13-18. Teddy Slater.(23).Word Family Sing-Along. Korea: Blaze International Productions. * 豊 田 ひろ 子.(27). 子 どもの 生 きる 力 を 育 てる 教 材 と 自 己 表 現 活 動 の 役 割. ARCLE REVIEW 3, 3-53. * 津 熊 良 政.(25). 日 本 人 英 語 初 級 学 習 者 のための 英 語 音 声 指 導. 山 本 岩 夫 先 生 退 職 記 念 集, 163-2. * 湯 澤 美 紀.(211). 日 本 人 幼 児 の 母 語 習 得 と 英 語 習 得 の 相 互 的 な 影 響. 教 育 と 医 学, 8-55. * 湯 澤 正 通 関 口 道 彦 李 思 嫻.(27). 日 本 人 幼 児 に おける 英 語 の 音 韻 認 識 日 本 人 幼 児 にふさわしい 英 語 教 育 について 考 える. 広 島 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 紀 要 3,56, 153-16. * 湯 澤 美 紀 湯 澤 正 通 関 口 道 彦.(29). 日 本 人 幼 児 の 英 語 音 韻 習 得 のプロセスに 関 する 研 究 : 音 韻 作 動 記 憶, 音 韻 認 識, 日 本 語 語 彙 量 からの 検 討. Human Developmental Research 23, 189-2. 93