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Transcription:

www.pwc.com/jp 次 世 代 のETF 資 産 運 用 会 社 にETF 戦 略 が 必 要 な 理 由 2013 年 11 月 本 稿 は 上 場 投 資 信 託 (ETF) 商 品 市 場 インフラや 販 売 また 資 産 運 用 会 社 が ETF に 関 する 戦 略 を 必 要 と する 理 由 について 考 察 するシリーズ の 一 部 である

ETF point of view series Regulatory Tax Next Generation 次 世 代 のETF 上 場 投 資 信 託 (ETF)は 過 去 20 年 の 間 に 驚 異 的 な 成 長 を 遂 げた その 収 益 性 イン デックス 商 品 市 場 の 充 実 が 原 動 力 となり 2013 年 8 月 時 点 で 世 界 の ETF 運 用 資 産 額 は 2. 2 兆 米 ドルにまで 成 長 している 1 資 金 流 入 が 続 き 急 成 長 する 中 で ETF は 大 口 の 米 国 株 式 を 扱 う 一 つの 手 段 から いまや 驚 くほど 多 種 多 様 な 資 産 クラスやストラテジー を 持 つ 膨 大 な 商 品 群 に 変 貌 している 1 ETFGI, 10/4/2013 2 FS Viewpoint

エグゼクティブサマリー 近 年 の 資 産 運 用 業 界 における 数 多 く の 変 化 の 中 で ETF は 最 も 大 きなイン パクトをもたらした 商 品 の 一 つである ETF の 成 長 はまだ 始 まったばかりに 過 ぎ ず もし 現 在 のトレンドが 続 き アクティ ブ 投 資 を 行 うアクティブ ETF が 市 場 に 受 け 入 れられて ETF 市 場 をリードしていく ならば ETF の 運 用 資 産 額 は 業 界 関 係 者 が 予 測 するように 今 後 3 年 から5 年 間 で5 兆 米 ドルにまで 成 長 する 可 能 性 が ある 一 方 順 調 なトレンドや 楽 観 的 展 望 があるとはいえ 従 来 通 りのアプローチ に 依 存 していては 今 後 の 成 功 を 望 むこと は 出 来 ない 新 たなプレイヤーの 市 場 参 入 に 伴 い 多 種 多 様 な 新 しい ETF や 投 資 資 産 が 組 成 されてきている 最 初 の 発 展 段 階 が 終 わりを 迎 えるにつれ 多 くのファンドの 資 金 が 流 出 し 始 め ス ポンサーは 商 品 ラインの 整 理 を 行 う 必 要 も 出 てくると 考 えられる ETFは 今 次 の 成 長 段 階 に 差 し 掛 かっている コミッションベースからア セットベースの 報 酬 に 移 り 変 わっていく 流 れの 中 で 投 資 アドバイザーはますます 銘 柄 選 択 ではなくアセッアロケーション に 焦 点 を 当 てるようになっている エクス ポージャーの 管 理 において 特 に 投 資 アドバイザーがより 戦 術 的 なアプローチ を 採 用 し より 細 分 化 された 資 産 クラス に 基 づく 一 層 カスタマイズされたアロ ケーションモデルを 適 用 する 上 で ETF は 有 効 な 手 段 となっている 無 論 ETF の 成 長 は 投 資 アドバイザーのみによる わけではない 機 関 投 資 家 の 顧 客 基 盤 は 今 後 一 層 多 様 化 し 保 険 会 社 ヘッジ ファンド 個 人 投 資 家 などに 広 がって ETF 資 産 の 成 長 に 大 きく 貢 献 することが 期 待 される ETF の 活 用 方 法 にも 変 化 が 見 られ 投 資 家 は ETF をメインの 投 資 対 象 とすることもあれば 特 定 のセクター のポジションへの 投 資 または 運 用 方 針 の 変 更 に 伴 うトランジションマネジメント などのために 用 いることもあると 考 えら れる これまでの ETF の 発 展 の 大 部 分 は 米 国 におけるものだったが 今 後 はこれ がグローバル 規 模 で 展 開 し とりわけ アジア ヨーロッパにおいて 急 速 に 成 長 すると 予 想 される アクティブETF 市 場 は 徐 々に 拡 大 し さまざまな 用 途 のきっかけとなり また 広 範 な 顧 客 基 盤 に 受 け 入 れられること になると 考 えられる そのためには アクティブ ETF の 足 かせとなってきたポー トフォリオの 透 明 性 にかかる 規 制 上 の 課 題 に 対 する 画 期 的 なソリューションが 必 要 になる アクティブ ETF はスタイル ボックス 投 資 において 定 着 したトレンド の 代 替 にはならないと 思 われる ファンド のスポンサー 全 てがアクティブ ETF から 利 益 を 得 るわけではない 既 に 人 気 の あるカテゴリーにおいてスポンサーが アクティブ ETF に 参 入 したとしても 投 資 家 の 間 で 人 気 のない 資 産 クラスまたは 戦 略 に 資 産 が 流 れる 可 能 性 は 低 いと 考 えられる 成 長 に 伴 う 課 題 は 避 けられないもの である 例 えば ETF の 場 合 もパフォー マンスのトラッキングエラー 取 引 決 済 や 流 動 性 などについての 懸 念 が 持 たれ ている 規 制 上 の 課 題 オペレーショ ナルリスク テクニカルな 理 解 の 不 足 などが 需 要 に 影 響 するセグメントもある と 考 えられる それでもETF は 資 産 運 用 業 界 においてますます 大 きな 役 割 を 果 た すようになると 予 想 される ETF はかつ て 業 界 に 大 きなインパクトを 与 えたが アクティブ ETF が 主 要 マーケットセグメ ントを 牽 引 していくならば 再 び 市 場 に インパクトを 与 えることになると 思 われ る ETF により 環 境 が 再 び 大 きく 変 わる ならば 資 産 運 用 会 社 も 仲 介 業 者 も 市 場 における 大 きな 変 化 に 対 応 するため の 戦 略 策 定 について 考 える 必 要 が 出 て くる The next generation of ETFs 1

ETF の 急 速 な 発 展 20 年 前 に 投 資 業 界 に 登 場 した 当 初 は その 存 在 は 大 きくなかったものの ETF は 急 速 に 広 まり もはや 無 視 できない 商 品 へと 成 長 した ETF は 個 人 投 資 家 仲 介 業 者 機 関 投 資 家 にとって 数 多 くの 魅 力 的 な 利 点 を 持 っており それが ETF の 急 激 な 発 展 に つながった ETF の 利 点 として 次 の 五 つ が 挙 げられる 1. 流 動 性 2. 透 明 性 3. 低 コスト 4. 税 効 率 5. 日 中 の 値 付 け 従 来 の 投 資 信 託 (ミューチュアルファン ド)と 比 較 すると ETF は 多 くの 投 資 家 に とってより 優 れた 商 品 である これは 特 に 銘 柄 選 択 よりもアセットアロケーショ ンに 重 きを 置 く 最 先 端 の 投 資 アドバイ ザーに 当 てはまる ポートフォリオ 運 用 の 責 任 を 負 い エクスポージャーおよび リスクを 動 的 に 管 理 する 必 要 がある 投 資 アドバイザーにとって ETF は 優 れたツー ルである プロの 投 資 家 の 多 くは ETF を 非 常 に 魅 力 的 であると 考 えている 近 年 のオル タナティブ 投 資 への 需 要 の 高 さからETF は 多 くのヘッジファンドにおける 戦 略 実 行 に 利 用 されてきている ETFの 成 功 に 貢 献 したその 他 の 要 因 と しては 投 資 データが 公 開 され より 広 く 利 用 可 能 になったことが 挙 げられる ETF の 発 展 はコスト 削 減 のシビアなニー ズ インデックス 投 資 という 投 資 哲 学 / 戦 略 の 広 まりとも 関 係 している 流 動 性 と 透 明 性 に 対 する 需 要 は 金 融 危 機 の 余 波 を 受 けてピークに 達 し ETF は 投 資 家 の 求 める 商 品 として 存 在 感 を 示 すことと なった ETF は 地 理 面 時 価 総 額 産 業 セク ター 信 用 度 デュレーションなどの 多 くの 面 で ポートフォリオのエクスポー ジャーの 調 整 手 段 となる ETF は 戦 術 的 投 資 サブ 投 資 としての 利 用 のみならず 戦 略 的 投 資 コア 投 資 としても 利 用 可 能 である ETF は 低 コストで 効 率 的 な 運 用 に 対 するニーズを 満 たすだけでなく ETF パッケージのように より 複 雑 な 戦 略 を 求 める 投 資 家 たちのニーズにも 応 じられる ようになってきている 図 1. 主 要 な 商 品 ローンチおよびマイルストーン 出 典 :Wall Street Journal, Strategic Insight, 9/25/2013 ETF 市 場 の 過 去 20 年 間 の 驚 くべき 成 長 は 今 後 グローバルの 投 資 業 界 において ETF がより 一 層 重 要 な 地 位 を 占 め ることになる 十 分 な 根 拠 となる 2 PwC Asset Management

主 要 な 進 展 2013 年 8 月 現 在 世 界 で5,000 近 く のETFおよびETP( 為 替 取 引 商 品 )に 2.2 兆 億 米 ドルが 投 資 されている( 図 2) これは 世 界 金 融 危 機 後 の5 年 間 でほぼ 3 倍 に 増 加 したことになる 米 国 の ETF は 世 界 のETF 資 産 の70% 以 上 を 占 めて おり 2 米 国 市 場 が 相 対 的 に 成 熟 している ことを 裏 付 けている 資 金 流 入 もこの 数 字 と 一 致 しており 年 初 来 の 米 国 における 資 金 流 入 は 世 界 の ETF への 資 金 流 入 の 76 %となっている ヨーロッパは ETF の 第 二 の 市 場 だが その 資 産 は 米 国 ETF の4 分 の1である ヨーロッパ 市 場 が 直 面 している 最 大 の 問 題 は 米 国 とは 異 なり 単 一 の 市 場 で はないという 点 である 中 央 決 済 機 能 がないため ヨーロッパの ETF は 米 国 の ETF に 大 きく 差 をつけられている ( 図 3) ETF は2013 年 中 アジアでも 急 速 に 成 長 したが ヨーロッパ 同 様 に 市 場 が 断 片 化 されているため ファンド 数 が 相 対 的 に 多 いと 言 える 政 府 間 の 協 力 の 進 展 や 需 要 喚 起 を 目 指 す 政 策 の 増 加 により アジアでの 成 長 はさらに 加 速 することが 予 想 される 図 2. 世 界 のETFおよびETP 出 典 :ETFGI, 10/4/2013 図 3. 世 界 のETFおよびETP 2 米 国 市 場 は 他 のETF 市 場 に 比 して 成 熟 しており 世 界 合 計 の 大 きな 割 合 を 占 めるため 他 のマーケッ トのデータが 入 手 不 可 能 な 場 合 には 産 業 全 体 データの 代 替 として 米 国 のデータが 使 用 されている 出 典 :ETFGI, 8/31/2013 The next generation of ETFs 3

ETF は 米 国 株 式 への 投 資 手 段 として 20 年 前 に 登 場 した 他 の 株 式 市 場 ファ ンド 特 定 セクター 株 式 専 門 のファンド が 間 もなくそれに 続 き 登 場 した( 図 4) 課 税 対 象 債 券 ETFは10 年 前 に 登 場 した に 過 ぎない 続 いて 商 品 ファンドやオル タナティブファンドがすぐに 登 場 した 地 方 債 ファンドやバランス 型 ファンドは 最 も 新 しい 商 品 であり 米 国 市 場 で6 年 前 に 導 入 されたものである 各 資 産 クラスへの 資 金 流 入 総 額 は ファンドの 歴 史 の 長 さとおおよそ 比 例 して いる 例 えば 米 国 の 株 式 ETF は 過 去 20 年 間 にわたりほぼ4000 億 米 ドルを 集 めた 一 方 他 のETFは 過 去 8 年 間 に640 億 米 ドルを 集 めている 年 間 平 均 流 入 額 は 米 国 株 式 ファンドの200 億 米 ドルか ら 地 方 債 ETF への20 億 米 ドル 未 満 に 至 るまで 幅 があることからも ますます 細 分 化 していくという 資 産 クラスの 特 性 が 明 らかである ETFの 世 界 で 最 も 待 望 されていた 進 展 の 一 つは アクティブ 運 用 ファンドの 導 入 である 後 述 するさまざまな 構 造 的 障 壁 にも 関 わらず アクティブ 運 用 ファンド は2008 年 以 来 市 場 に 入 り 込 んできてい る 138 億 米 ドルが 米 国 で 運 用 されてお り 米 国 市 場 の ETF 資 産 の 約 1%を 占 め る( 図 5) 過 去 5 年 に 導 入 されたファン ドに 限 定 して 見 ると アクティブファンド はさらに 大 きな 割 合 を 占 めており その 期 間 に 販 売 された 全 ETFの 資 産 額 の 7 %を 占 めている 既 存 の ETFビジネスが 成 熟 段 階 に 達 しつつあるため アクティブ ETF の 普 及 は 非 常 に 重 要 である ETF の 販 売 が 大 きく 伸 びている 一 方 で これまでにない ペースで 償 還 がなされている 最 大 市 場 であるアメリカでこれまで 以 上 の 資 金 流 入 があるにも 関 わらず 市 場 が 徐 々に 過 密 化 することにより 2012 年 には 記 録 的 な 数 の ETF の 償 還 が 報 告 された 3 結 果 として 一 部 の ETF スポンサーはファンド のラインナップを 整 理 しており 2013 年 の 上 半 期 に 世 界 で117の ETF が 運 用 を 終 了 している 4 3 Strategic Insight, Simfund, 30 September 2013. 4 Arash Massoudi, ETFs Close in Record Numbers despite Industry Boom. Financial Times 7 July 2013. 図 4. 大 まかな 資 産 クラス 別 のETFの 正 味 資 本 流 入 出 典 :Strategic Insight, Morningstar, 12/31/2012 図 5. アクティブETFとインデックスETFの 資 産 対 比 出 典 :Strategic Insight, 6/30/2013 アクティブ ETF はまだその 初 期 段 階 にあるが 既 に その 影 響 が 出 始 めている 4 PwC Asset Management

最 新 動 向 銘 柄 選 択 から アセットアロケーションへ 米 国 拠 点 の 投 資 アドバイススタイルが 報 酬 ベースのモデルに 移 行 するにつれ て 投 資 アドバイザーはますますポート フォリオマネジャーの 役 割 を 果 たすように なっている この 変 化 は ETF の 初 期 の 発 展 と 同 時 に 起 こっており ETF は 投 資 アドバイザーにとってクライアントポート フォリオをカスタマイズするための 簡 便 かつ 効 果 的 な 手 段 になった ETF は 世 界 中 の 無 数 の 資 産 クラスにおいて 便 利 でコストパフォーマンスや 流 動 性 が 高 く 多 様 化 したエクスポージャーを 提 供 することにより 銘 柄 選 択 重 視 から アセットアロケーション 重 視 という 変 化 を もたらしている この 変 化 は 特 に 銘 柄 選 択 による 利 点 がほとんどない 巨 大 な 流 動 的 市 場 におい て 顕 著 である 例 えば 米 国 株 式 ETF は 同 カテゴリーで 連 続 5 年 にわたる 資 産 流 出 が 続 いていたミューチュアルファンドに 取 って 代 わりつつある( 図 6) 2013 年 の 第 3 四 半 期 までの 期 間 に 米 国 市 場 で367 億 米 ドルの 資 金 が 米 国 株 式 に 投 資 するミューチュアルファンドに 流 入 しているが 同 カテゴリーにおいて575 億 米 ドルが ETF に 流 入 している これは ミューチュアルファンドへの 流 入 額 の 1. 6 倍 となっており ETF はミューチュアル ファンドに 取 って 代 わりつつあることが 見 て 取 れる 図 7は 投 資 アドバイザーから 見 たアセッ トアロケーション 手 段 としてのETFのニー ズを 示 している すなわち 流 動 性 透 明 性 税 効 率 などの 要 素 も 投 資 アドバイ ザーにとって 魅 力 的 であるが 最 も 魅 力 的 であると 考 えられているのは 保 有 す ることで 特 定 のエクスポージャーを 実 現 することができるというETF の 特 性 となっ ている この 特 性 に 対 するニーズは 業 界 の 拡 大 とともに 大 きくなり 低 コストである という 理 由 に 代 わり 投 資 アドバイザー たちが ETF を 利 用 する 最 大 の 理 由 となり つつある 図 6. 米 国 株 カテゴリーにおいてETFはミューチュアルファンドに 取 って 代 わりつつある 出 典 :Strategic Insight, 8/31/2013 図 7. 投 資 アドバイザーがETFを 利 用 する 主 な 理 由 出 典 :Wealth Management, 2013 Advisor Benchmarking RIA Trend Report The next generation of ETFs 5

Figure 8. ETF 利 用 予 定 の 成 長 の 鈍 化 出 典 :Wealth Management, 2013 Advisor Benchmarking RIA Trend Report ポートフォリオレベルでアルファ(アク ティブ 運 用 によるリターン)を 生 むための ベータ(インデックス 運 用 によるマーケット リターン) 構 成 要 素 としてETFを 利 用 する という 考 えは 魅 力 的 であり 投 資 アドバ イザーによるETF の 急 速 な 採 用 を 促 し た しかし ETF を 利 用 する 投 資 アドバ イザーの 増 加 につれ ETF 市 場 の 成 長 は 必 然 的 に 鈍 化 する 2 年 前 であれば 71%の 投 資 アドバイザーが 今 後 短 期 間 に ETF の 一 層 の 利 用 を 考 えているが 今 ではそう 考 える 投 資 アドバイザーは 49%にすぎない( 図 8) 投 資 顧 問 市 場 が 成 熟 し 成 長 が 鈍 化 し たとはいえ 銘 柄 選 択 からアセットアロ ケーションに 向 かう 大 きな 流 れは ETF の 革 新 的 な 利 用 方 法 と 相 まって 引 き 続 き 継 続 すると 思 われる ETF を 利 用 した アロケーションファンドが 既 に 導 入 されて おり セパレートリー マネージド ア カウント(SMA) 年 金 他 のラップ 商 品 におけるETF の 利 用 拡 大 が 予 想 される より 多 くのセグメントでの 利 用 ETF は 非 常 に 汎 用 性 の 高 い 手 段 とし て ますます 多 くのセグメントにおける 支 持 者 を 増 やしている 機 関 投 資 家 はこれまでもETF の 大 口 利 用 者 だったが ETF の 利 用 方 法 は 変 化 しつつある 多 くの 機 関 投 資 家 は ETF を 主 にトランジション マネジメント ツールとして 利 用 し 始 めたが 今 ではコ アアロケーション 手 段 に 適 した 長 期 保 有 投 資 と 見 ている このような 進 展 は 機 関 投 資 家 セグメントにおけるETF の 展 開 にとって 大 きな 意 味 を 持 つ 可 能 性 がある 2012 年 には ETFまたは ETPあるいは その 両 方 を 保 有 する 機 関 投 資 家 は50カ 国 で3,400 近 くに 上 っており 5 これ は 7 年 前 に ETP を 保 有 していた 機 関 投 資 家 の 数 のほぼ2 倍 となる 機 関 投 資 家 の9 割 が 2013 年 中 に ETF 投 資 割 合 を 維 持 す るか または 引 き 上 げる 予 定 である 6 5 ETFGI, Institutional Users of ETFs and ETPs 2012, 27 September 2013. 6 Greenwich Associates, Institutional Investors Relationship with ETFs Deepens, Q2 2013. 6 PwC Asset Management

投 資 アドバイザーやヘッジファンドは ETFへの 機 関 投 資 のおよそ90%を 占 め ている 7 最 大 の 保 有 者 はグローバル 金 融 機 関 であり これらの 金 融 機 関 はしば しばマーケットメーキング 活 動 と 大 規 模 な 投 資 顧 問 ネットワークとを 結 び 付 けて 考 えている 大 手 証 券 会 社 の 自 らの 位 置 付 けが 単 なるブローカーからプラット フォーム 提 供 者 へと 徐 々に 転 換 するにつ れ ETF も 成 長 し 続 けると 考 えられる 一 部 の 大 規 模 ヘッジファンドは10 億 米 ドル 以 上 の ETFを 保 有 しているという 報 告 がある 大 量 の 金 を 保 有 するJohn Paulson のようなヘッジファンドの 戦 略 的 ポジションとして 保 有 されることもあれ ば コンピュータシステム トレード ファンドの 保 有 する ETF のように その 時 々の 状 況 に 対 応 した 戦 術 的 な 投 資 の 一 部 ということもある 7 財 団 や 大 学 基 金 も 最 大 級 の 投 資 グ ループとはならないまでも ETF への 投 資 をかなり 早 い 段 階 で 開 始 した より 戦 術 的 なアロケーションモデルの 採 用 が 増 えるにつれて このセグメントにおける ETF の 利 用 は 増 加 する 可 能 性 がある ハーバード 大 学 は 既 に5.61 億 米 ドルの ETF を 保 有 している 7 ETF は 機 関 投 資 セグメントにおいてま すます 成 長 してきているが 退 職 金 マー ケットでの 成 長 は 遅 れている ミューチュ アルファンドは 既 に 年 金 制 度 のために 設 計 された 低 コストのシェアクラスを 有 し ており 年 金 制 度 の 帳 簿 システムも ミューチュアルファンド 向 けに 調 整 され ていることを 考 えると これも 驚 くことで はない また 退 職 金 マーケットにおいて は ETF の 税 効 率 の 高 さも 優 位 性 を 持 た ない とはいえ ETF に 適 さないとして 退 職 金 マーケットを 選 択 肢 から 外 すこと は 正 しいとは 言 えないと 考 えられる 他 のセグメントよりも 取 り 込 みにかかる 時 間 は 長 いかもしれないが 退 職 金 制 度 はいずれ ETF プロバイダーにとっ て 重 要 な 市 場 になる 可 能 性 がある 種 々のアクティブ 運 用 のターゲット デー ト ファンドやターゲット リスク ファン ドは 既 に 米 国 の 確 定 拠 出 型 制 度 におい て 展 開 されている 確 定 給 付 制 度 にお いても この 時 流 に 乗 って ETF が 利 用 されており 2009 年 から2013 年 の 期 間 にその 利 用 は25% 以 上 増 加 している 8 このような 方 法 で ETF を 利 用 する 投 資 家 の3 分 の2 以 上 が 北 米 の 機 関 投 資 家 であることから 世 界 の 他 の 地 域 での 機 関 投 資 機 会 の 規 模 が 見 て 取 れる 退 職 金 マーケットにおいて ETF が 成 長 してきている 一 つの 分 野 は 年 金 マーケッ トである このマーケットにおいてはコス トが 高 すぎることがしばしば 批 判 され てきたことから 低 コストである ETF の 成 長 に 拍 車 がかかっている しかし ETF がアクサ プルデンシャル メット ライフ トランスアメリカといった 種 々の 年 金 プロバイダーにとってサブアカウント の 魅 力 的 なオプションとなっている 一 番 の 理 由 は ETF がより 先 端 的 な 戦 略 や アロケーションモデルに 適 合 する 可 能 性 を 備 えているという 点 である 9 年 金 マーケットに 加 え 保 険 会 社 も また ETF スポンサーにとって 魅 力 的 な 潜 在 顧 客 である ETF は 潜 在 的 に 保 険 会 社 がバランスシート 上 で 保 有 する 資 産 として 適 しており 保 険 会 社 に 広 く 受 け 入 れられるならば ETF スポンサーにとっ て 見 込 みのある 新 たな 機 会 となる 7 Chris Flood, ETF Treasure Map Revealed, Financial Times, 22 September 2013. 8 Create Research, アセットアロケーション Leaders, Laggards and Newcomers: 2009 2013, 16 September 2013. 9 Jackie Noblett, ETFs Tapping Retirement Market Via Variable Annuities, Financial Times, 4 August 2013. The next generation of ETFs 7

リテールセグメントも グローバル 規 模 で 見 ると 検 討 に 値 すると 考 えられる 米 国 の 個 人 投 資 家 は 既 にETFを 利 用 して おり ETF のリテールセグメントによる 運 用 資 産 額 は 全 体 の 半 分 を 超 えている ( 図 9) ヨーロッパやアジアにおける リテールセグメントにおける ETF の 普 及 ははるかに 遅 れているが 今 後 の 規 制 上 および 政 策 上 の 変 化 によりETF のリ テールセグメントにおける 利 用 を 後 押 し するものと 思 われる 世 界 全 体 で 見 る と 自 家 運 用 資 産 の 約 4%しか ETF に 投 資 されていないことから この 市 場 に は 潜 在 的 に 大 きなマーケットが 存 在 して いると 言 える 10 ポートフォリオに ETF を 保 有 する 世 帯 は ETF を 持 たない 世 帯 に 比 べて 高 収 入 で 多 額 の 資 産 を 有 する 傾 向 が 既 に 見 ら れている 11 大 勢 の 裕 福 な 個 人 投 資 家 による ETF 利 用 に 何 もハードルがない ことを 考 えると 投 資 アドバイザーを 利 用 する 個 人 投 資 家 自 ら 運 用 を 行 う 個 人 投 資 家 のいずれの 市 場 においてもETF の 普 及 が 見 込 まれる ETF スポンサーは 特 に 投 資 アドバイザーによる ETF 投 資 の 増 加 について 楽 観 的 な 見 方 をしており スポンサーの 9 割 は 投 資 アドバイザー による 一 層 の ETF の 利 用 とそれによる ETFの 今 後 の 大 きな 成 長 を 期 待 している ( 図 10) 図 9. 地 域 別 ETF 利 用 出 典 :Deutsche Bank, 8/31/2013 図 10. ETF スポンサーの 予 測 する 成 長 要 因 出 典 :Cerulli Associates, 12/31/2012 10 Dodd Kittsley, US ETF Assets Could More than Double by 2017, ETF Database, 19 June 2013. 11 Investment Company Institute, 2013 Investment Company Fact Book, 30 April 2013. 8 PwC Asset Management

インデックス 型 から アクティブ 運 用 へ パッシブ 投 資 戦 略 がより 広 く 受 け 入 れ られるにつれてETF の 人 気 が 高 まったこ とは 偶 然 の 一 致 ではない ETF はイ ンデックス 型 と 非 常 に 密 接 に 連 動 してい るため どちらが 先 に 人 気 が 高 まったの かはわからない しかし 驚 くべき 成 長 にもかかわらず インデックス 商 品 は 米 国 のファンド 資 産 全 体 の4 分 の1にも 達 していないことから 大 半 の ETF は 未 開 拓 の 大 きな 市 場 を 残 していると 言 える アクティブ ETF と 入 力 して 検 索 して みれば アクティブ 運 用 ETF やその 可 能 性 について 多 くの 議 論 が 交 わされてい ることが 分 かる 対 処 が 必 要 な 構 造 上 の 課 題 もあり 日 次 ポートフォリオの 透 明 性 にかかる 要 件 にかなりの 抵 抗 がある が 既 存 のアクティブ 運 用 管 理 会 社 の 数 を 考 えれば アクティブ ETF の 導 入 に 伴 って 大 手 プレーヤーも 含 め さらに 多 くの 運 用 管 理 会 社 が 投 資 家 や 投 資 アド バイザーの 注 意 を 引 くべく 競 合 すること になると 考 えられる アクティブ ETF の 成 功 を 実 証 できれば 著 しい 成 長 が 始 まると 予 想 される 一 部 のファンドマネジャーはすでに 準 備 を 済 ませている これまではそれらの 運 用 会 社 は 債 券 商 品 で 最 も 成 功 を 収 め てきた いまや PIMCO はアクティブ ETF 資 産 の 最 大 シェア つまり 全 米 マーケッ トの138 億 米 ドルの 資 産 のうち62%に あたる85 億 米 ドルを 占 めている 12 2012 年 に 旗 艦 ファンドであるトータル リターン ファンド ETF 版 を 打 ち 出 して 以 来 PIMCO のアクティブ ETF への 資 金 流 入 は 他 の 資 産 管 理 会 社 全 てを 併 せ たものよりも 多 くなっている 12 PIMCO の 七 つのアクティブ ETF に 競 合 相 手 がい なかったというわけではない 他 のさま ざまなファンド 運 用 会 社 が 既 に62 種 の アクティブ ETF を 投 資 家 に 提 供 し 証 券 取 引 委 員 会 (SEC)にアクティブ ETF の 販 売 に 必 要 な 免 除 規 定 (exemptive relief) を 申 請 してはいるものの 現 時 点 ではま だアクティブ ETF を 導 入 できていない 多 数 の 運 用 会 社 も 存 在 している( 図 11) アクティブ ETF には 既 に 多 くの 種 類 が 存 在 している 債 券 ストラテジーは 当 初 採 用 されたものの 一 つだった アクティブ ETF 商 品 が 今 後 もさらに 多 様 化 し 国 債 も 社 債 もすべて 包 含 し 信 用 度 も 高 利 回 りから 投 資 適 格 レベルまでにまたがり また 地 理 的 エクスポージャーも 先 進 市 場 から 新 興 市 場 までの 広 がりを 持 つように なるためには SEC の 認 可 が 必 要 である ヘッジファンドのオルタナティブ 戦 略 に ついても 同 様 に 透 明 性 にかかる 課 題 が 解 決 されれば 人 気 を 呼 ぶと 思 われる 図 11. 設 定 済 み/ 準 備 中 アクティブETF 出 典 :Strategic Insight, Financial Times, 6/30/2013 12 Strategic Insight, Simfund, 30 September 2013. The next generation of ETFs 9

アクティブ ETF は 依 然 として 資 産 の 非 常 に 小 さな 部 分 を 占 めるに 過 ぎず 幾 つかのファンドに 極 度 に 集 中 している 新 商 品 の 販 売 は 引 き 続 き 高 い 資 金 流 入 を 後 押 ししているが アクティブ ETF が 長 期 的 にどれほどの 速 度 で 成 長 できるか についてはしばらく 見 守 っていく 必 要 が ある( 図 12) 株 式 エクスポージャーに 関 して 投 資 家 が 低 コストの 投 資 を 選 択 し 続 ける 間 は 短 期 的 なインパクトは 債 券 オルタナティブ 特 殊 資 産 クラスに 限 定 されるだろう 注 目 すべき 兆 候 を 示 す 以 下 の 二 つの 分 野 で 従 来 とは 異 なる 方 法 によりアク ティブ 運 用 がETFと 結 び 付 けられている アクティブ 運 用 にとって 最 も 先 が 明 るい 分 野 の 一 つは バリュエーション ボラティリティや 他 の 指 標 に 基 づいて 生 成 された 従 来 とは 異 なる 加 重 方 法 また は 売 買 シグナルに 依 存 する 高 度 なイン デックス 技 術 化 への 動 きかもしれない スマートベータ ファンドとも 呼 ばれる これらのタイプのファンドは どのイン デックスが ETFと 連 動 可 能 かについて の 規 制 緩 和 により 組 成 可 能 になる イン デックス 自 体 が 一 層 アクティブになるに つれ インデックスに 連 動 するファンド は 急 増 することが 予 想 される この 新 しいトレンドの 良 い 例 が2013 年 8 月 にMSCIの 公 表 したMSCIクオリティ ミックス インデックスの 組 成 である 13 この 複 合 的 インデックスは MSCI のクォ リティ インデックス ミニマムボラティ リティ インデックスおよびバリュー ウェ イテド インデックスに 対 し 均 等 加 重 さ れたエクスポージャーからなっている アクティブ ETFまたは 準 アクティブ ETF がいかに 成 功 するにせよ 最 も 重 要 な タイプのアクティブ 運 用 はプロダクトレ ベルでは 行 われないかもしれない ETF ストラテジストは 比 較 的 新 しいタイプの プレーヤーで ETF に 大 きく 依 存 する 運 用 ポートフォリオを 提 供 しており 概 し て 資 産 の 半 分 以 上 を ETFとして 保 有 して いる ETFストラテジストは 運 用 ビジネス 界 で 最 も 速 く 成 長 している 部 類 に 入 り Windhaven Investment Management (Charles Schwab & Co. のユニットの 一 つ)や F-Squared Investments のような 会 社 がリードしている 2013 年 初 頭 には 既 に 730 億 米 ドルの 資 産 を 運 用 する 600 人 余 のストラテジストが 存 在 してい る 14 ETF 自 体 はこのようなアプローチ に 適 するものだが これらストラテジスト が 提 供 するアセット アロケーション サービスが 最 終 的 に 投 資 家 にとって 追 加 のコストに 見 合 うものと 見 なされるか どうかはまだ 分 からない 図 12. アクティブ ETF の 販 売 出 典 :Strategic Insight, 6/30/2013 13 Rebecca Hampson, MSCI Launches New Quality-Mix Indexes, IndexUniverse, 6 August 2013. 14 Andrew Gogerty, ETF Managed Portfolios Landscape Summary, Morningstar, 4 June 2013. 10 PwC Asset Management

図 13. 資 産 クラスカバー 範 囲 出 典 :Strategic Insight, 12/31/2012 15 BlackRock, ETP Landscape: The 12 Surprises of 2012, 12 December 2012. 16 Strategic Insight, Simfund, 30 September 2013. 一 層 の 競 合 と 一 層 のカスタマイゼーション アクティブ ETF が 登 場 したのは 伝 統 的 なパッシブ 運 用 の ETF において 実 質 的 に 考 え 得 る 全 ての 資 産 クラスがファンド 形 式 で 取 り 扱 い 可 能 であることが 注 目 され るようになってからだった ETF が 導 入 さ れて 最 初 に 根 ざした 米 国 では 当 初 一 種 類 だった 資 産 クラスが 20 年 後 には 93 カテゴリーに 増 大 している( 図 13) 新 規 参 入 者 の 中 には すでに 確 立 した ETF スポンサーと 競 合 するのは 難 しいと いう 見 方 もあるが 市 場 は 拡 大 を 続 け 新 規 プレーヤーや 新 商 品 を 受 け 入 れてい る ETF の 資 産 クラスは 単 なる 株 式 から はるかに 拡 大 し 数 年 前 であれば 奇 妙 で あると 考 えられたようなカテゴリーも 含 む ようになっている ほとんどのタイプの 伝 統 的 なロングオ ンリー 型 のエクスポージャーは これまで のファンドにより 利 用 されているのに 対 し て オルタナティブ 投 資 戦 略 は 最 近 組 成 されたファンドに 一 層 活 用 されている 過 去 5 年 間 の ETF 業 界 の 新 しいファンド カテゴリーには 銀 行 ローン ベアマーケッ ト 転 換 債 レバレッジドローン マル チオルタナティブ マーケットニュートラ ル ロングショートエクイティなどがある 資 産 クラスが 今 や 広 範 にわたっている のみならず さらに 広 いカテゴリーにお いて 非 常 に 多 くのプレーヤーが 存 在 して いる 世 界 的 に 見 ると 51のプロバイ ダーが 運 用 する480ファンドにおいて それらのETFの 運 用 資 産 額 は5 億 米 ドル の 大 台 を 超 えている 15 2009 年 には 5 億 米 ドルを 超 えていたのは 45 のファン ドスポンサーによる340ファンドに 過 ぎな い この 期 間 に 最 も 成 熟 した ETF 市 場 において 最 も 大 きな 変 化 が 起 こったこ とは 注 目 に 値 することである 米 国 では 2009 年 に15の 運 用 会 社 による179ファ ンドが5 億 米 ドルに 達 していたが 2013 年 9 月 現 在 では27の 運 用 会 社 の317 ファンドが 5 億 米 ドルに 達 している 16 市 場 はまだ 飽 和 していないかもしれな いが 競 争 が 激 しいことは 確 かである その 結 果 プレッシャーが 増 大 している 新 商 品 の 登 場 により ポートフォリオの エクスポージャーは 既 により 精 緻 に 管 理 可 能 になっている この 流 れからすると 進 出 先 の 新 たな 資 産 クラスがなくなり 市 場 が 終 わりを 迎 えるのを 待 つよりも むしろ 自 らインデックスを 作 成 すること (セルフインデクシング)の 認 可 が 後 押 し される 可 能 性 がある 論 理 的 に 考 えれ ば 次 に 来 るべき 進 展 は ETF の 一 層 のカスタマイゼーションである The next generation of ETFs 11

グローバル 商 品 と グローバル 市 場 ETFはこれまでで 最 も 広 範 に 利 用 され ている 金 融 商 品 の 一 つである 2013 年 9 月 30 日 現 在 では 世 界 中 の ETF(お よび ETP) 資 産 は2.2 兆 米 ドルを 超 えて おり 212 のスポンサーの 提 供 する 4,982ファンドに 投 資 されている また 57の 証 券 取 引 所 において10,019の 商 品 として 取 引 されている 17 投 資 家 や 投 資 アドバイザーは 自 ら のニーズを 満 たす ETF をさらに 求 めて いる 一 部 の 新 興 市 場 では 携 帯 電 話 の 普 及 に 似 た 形 でETF が 広 まった 伝 統 的 なファンド 商 品 のエクスポージャーに は 限 度 があるため 新 たな 富 裕 層 は ミューチュアルファンド 投 資 の 段 階 を 飛 ばして 最 初 からETF に 投 資 することを 選 択 している これは 固 定 電 話 を 買 わ ないで 携 帯 電 話 を 使 うのと 似 ている 要 な 投 資 者 となってきた 日 銀 の 政 策 委 員 会 は 株 式 ETF の 保 有 を2014 年 まで に350 億 米 ドル 以 上 までに 増 額 予 定 であ ることを 公 表 している 18 一 方 依 然 として 米 国 市 場 に 業 界 の 重 心 が 置 かれていることには 疑 問 の 余 地 はない 米 国 ETF は 世 界 の ETF 資 産 の 70%を 占 めているのみならず 他 の 地 域 のファンドが 米 国 市 場 に 参 入 してきて いる 中 には 自 国 で 上 場 している ETF を 購 入 せず 米 国 で 上 場 しているETF を 選 択 する 海 外 投 資 家 もいる それら 海 外 投 資 家 は ファンドのカストディアンにお ける 保 管 が 可 能 である 限 り 米 国 の 規 制 制 度 運 用 上 のインフラ 市 場 流 動 性 に 安 心 感 を 感 じている 業 界 において ニューヨーク 証 券 取 引 所 の ETF 取 引 の うち かなりの 部 分 が 外 国 投 資 家 による ものであると 言 われている 予 期 せぬ 要 素 によって 成 長 が 促 進 され ることもある 例 えば 日 本 銀 行 は 資 産 購 入 計 画 の 推 進 の 過 程 で ETF への 主 17 ETFGI, Global ETF and ETP Growth, 4 October 2013. 18 ETF guide, Guess Who s Piling into Stock ETFs? Central Bankers, 22 May 2013. 12 PwC Asset Management

バイ アンド ホールド 戦 略 から タクティカルモデルへ 世 界 中 を 巻 き 込 んだ 金 融 危 機 の 影 響 が 残 る 中 ではとりわけ 安 心 感 を 持 てる ことが 重 要 と 言 える 多 くの 投 資 家 は 金 融 危 機 の 影 響 から 立 ち 直 ったが 今 後 その 時 の 教 訓 を 忘 れることはないだ ろう 2008 年 の 市 場 流 動 性 の 消 失 以 来 多 くの 投 資 家 が 個 人 投 資 家 であれ 機 関 投 資 家 であれ 流 動 性 リスクに 注 意 を 向 けている 株 式 の 塩 漬 けを 最 低 限 に し 可 能 な 限 り 頻 繁 に 流 動 性 のより 高 い 金 融 商 品 を 選 択 している また どの 市 場 においてもセーフハー バーなどないという 事 実 も 変 化 を 促 す 別 の 要 因 になっている 投 資 家 と 投 資 アドバイザーは 市 場 相 関 を 研 究 し これ までになく 投 資 の 多 様 化 を 重 視 してい る 全 体 のエクスポージャーを 一 層 効 果 的 に 管 理 するべく これまでよりも 多 様 な 資 産 クラスを 組 み 込 むようになっている 加 えて 上 記 の 二 つの 要 素 の 結 果 さらに 顕 著 な 行 動 様 式 の 変 化 が 起 こっ た バイ アンド ホールド 主 義 への 執 着 が 数 十 年 も 続 いた 後 ますます 多 く の 投 資 家 や 投 資 アドバイザーが 動 的 なリスク 管 理 をめざして 状 況 に 合 わせ たより 戦 術 的 なスタンスを 取 るようになっ てきている 米 国 市 場 では 人 口 変 化 の 圧 力 によ りこのトレンドが 一 層 強 まった ベビー ブーム 世 代 の 退 職 の 波 が 数 年 後 に 迫 っ ているが 彼 らは 他 の 市 場 の 暴 落 により 自 分 たちの 資 産 が 目 減 りしていくのを 黙 って 見 ていることはできない 何 として でも 損 失 を 最 低 限 にとどめるべく たとえ 利 益 の 見 込 みを 幾 分 犠 牲 するとしても できるすべての 手 段 を 講 じようとするだ ろう 投 資 アドバイザーの 半 数 以 上 が ク ライアントのポートフォリオ 管 理 にタク ティカルオーバーレイを 使 用 している ( 図 14) さらに7%の 投 資 アドバイ ザーは 専 らタクティカルアロケーショ ンを 使 用 していると 報 告 されており こ れは 合 わせると6 割 超 のアドバイザーが 程 度 の 差 はあれ 状 況 に 応 じた 戦 術 的 な 投 資 を 行 っていることになる タクティカルオーバーレイに 充 てられ るポートフォリオの 割 合 は 多 様 であり 非 常 に 小 さな 割 合 のこともある とはい え ETF はそのコストパフォーマンスと 流 動 性 がゆえに しばしばこの 種 の 取 引 には 理 想 的 なツールとなっている これは バイ アンド ホールドアプ ローチが 消 え 去 ろうとしていることを 意 味 するのでもなければ ETF が 戦 略 的 保 有 に 適 さないということでもない 戦 術 的 なアプローチが 根 付 いてきたとは いえ 大 半 のポートフォリオは 戦 略 的 コア 資 産 を 保 有 し 続 けており 実 はそれ こそが ETF の 最 も 一 般 的 な 運 用 方 法 で ある( 図 15) より 洗 練 されたヘッジ 戦 略 を 組 み 入 れた ETF が 一 般 的 になる につれ 戦 略 的 コア 資 産 としての 利 用 は 強 化 されると 思 われる 図 14. アドバイザーのポートフォリオ 構 成 メソッド 図 15. ポートフォリオにおけるETFの 戦 略 的 役 割 出 典 :Cerulli Associates, Investment Management Consultants Association, Advisor Perspectives, 12/31/2012 出 典 :Wealth Management, 2013 Advisor Benchmarking RIA Trend Report The next generation of ETFs 13

成 長 のための 課 題 ETF の 投 資 商 品 としての 固 有 の 利 点 を 考 えると その 成 長 に 障 害 はないか のように 思 われるが 実 は ETF の 成 長 を 潜 在 的 に 妨 げる 五 つの 障 害 が 存 在 している 退 職 金 マーケット 一 部 のセグメントにとっては 他 のセグ メントより ETF はより 魅 力 的 な 商 品 と なる ETFの 主 要 なメリット( 例 : 低 コス ト 流 動 性 税 効 率 )は 確 定 拠 出 年 金 の 市 場 では 限 定 的 なものになってし まう 全 ての 確 定 拠 出 年 金 (DC) 資 産 の 半 分 以 上 がミューチュアルファンドの 形 で 保 有 されているため この 点 は 重 要 で ある 19 DC セグメントに 進 出 していない ETF スポンサーは 当 然 ながら この2.7 兆 米 ドルの 市 場 に 取 り 組 むことを 望 んでいる し DC セグメント 向 けに 商 品 を 準 備 して いる 401(k)プラットフォームサポート および 商 品 拡 充 は 主 な またはある 程 度 重 要 な 課 題 であると 4 分 の3 以 上 の ETF 運 用 会 社 は 述 べている 20 しかし ターゲットデート 型 ETF およびターゲット リスク 型 ETF によるDC 市 場 への 最 近 の 参 入 からは これといった 成 果 は 見 られ ない この 市 場 ではミューチュアルファ ンドが 既 に 大 きな 役 割 を 果 たしている ため 一 部 の 運 用 会 社 はほとんど 利 益 を 出 せていない DC 市 場 では ETF の 販 売 が 容 易 ではないことに 気 付 いており 不 透 明 な 機 会 に 対 し 多 く 投 資 しすぎる ことを 警 戒 する 慎 重 な 運 用 会 社 もある テクニカルな 理 解 の 不 足 これまで ETF が 無 条 件 に 成 功 を 収 め てきた 投 資 アドバイザーのセグメントで も ETF の 成 長 が 鈍 化 する 可 能 性 がある 調 査 会 社 の Cerulli によれば 流 動 性 と 取 引 高 についての 誤 解 が ETF の 資 産 成 長 を 妨 げている Cerulli の 調 査 に 応 じたスポンサーの70% 近 くが 投 資 アドバイザーは 多 くの 場 合 ETF の 取 引 高 を 実 際 の 流 動 性 と 同 一 視 し 低 ボ リュームファンドへの/からの 大 きなポ ジションの 変 更 の 妨 げになるという 誤 解 を 持 っていると 言 っている ほとんどの 投 資 アドバイザーは 自 分 が ETFについて 精 通 していると 考 えてい るが 彼 らでさえ 上 記 のような 知 識 の ギャップを 持 っていることを 考 慮 すると 明 らかにさらなる 啓 蒙 活 動 が 必 要 と 考 え られる ETF スポンサーが この 啓 蒙 の 責 任 を 負 うことになる 可 能 性 があるが 人 々を 説 得 して 誤 解 を 正 すのはただで さえ 難 しい 上 説 得 する 側 がその 商 品 の 売 り 手 である 場 合 にはそれはなおさら 難 しくなる アクティブ ETF の 構 造 的 障 害 一 部 の 運 用 会 社 は 既 にアクティブETF の 設 定 に 必 要 ないくつもの 手 続 を 踏 ん できたが アクティブ ETF に 課 される 上 場 基 準 はパッシブ ETF のような 一 般 的 なものではないため プロセスは 依 然 として 容 易 ではない よって ETF スポン サーは 各 アクティブ ETF ポートフォリオ について Form 19b-4に 基 づき 認 可 を 得 る 必 要 があり SEC の 認 可 を 取 得 する のには 申 請 が 過 去 に 事 例 があるもの かどうかによって 異 なってくるが 一 年 あるいはそれ 以 上 かかる 日 々の 透 明 性 の 問 題 もまた アクティ ブ ETF につきまとっている 特 に 四 半 期 ごとにミューチュアルファンドのポートフォ リオを 開 示 することが 求 められている 伝 統 的 な 資 産 運 用 会 社 にとって 問 題 とな る ETF スポンサーの 半 分 以 上 は 透 明 性 の 問 題 はアクティブ ETF の 発 展 を 阻 む 主 要 な またはある 程 度 重 要 な 問 題 と なっている と 回 答 している 20 アクティブ ETF により 課 される 運 用 上 の 課 題 からは 最 大 級 の 資 産 運 用 会 社 ( 通 常 は 自 社 運 用 )でさえ これらのファ ンドに 対 する 管 理 上 また 会 計 上 のリソー スを 十 分 に 有 していない 場 合 があること が 見 て 取 れる アクティブ ETF のポート フォリオには ミューチュアルファンドと 比 較 して より 頻 繁 かつ 迅 速 な 変 更 が 必 要 とされる 日 常 的 なバスケットファ イルの 速 やかな 生 成 には セントラル データベースの 設 置 も 必 要 と 考 えられる 19 Investment Company Institute, 2013 Investment Company Fact Book, 30 April 2013. 20 Cerulli Associates, ETFs and Retail Alternative Products and Strategies 2012, 2013. 14 PwC Asset Management

オペレーショナルリスク ETF は 比 較 的 新 しいタイプの 金 融 商 品 であるため その 運 用 インフラもまだ 整 備 段 階 にある 現 時 点 までは 一 定 の 機 能 を 果 たしているが サービスモデル は ETF の 成 長 や 革 新 を 後 追 いする 状 態 が 続 いている ETF のオペレーショナル リスクについては 長 い 間 議 論 がなされ ており このような 健 全 な 議 論 が ETF に 適 応 したプロセスや 技 術 の 強 化 に 対 する 継 続 的 な 取 り 組 みを 促 すと 思 われる ETF に 関 連 するオペレーショナルリスク ( 現 実 に 顕 在 化 しているリスクおよび 認 識 された 潜 在 的 なリスク)の 多 くは 下 記 の カテゴリーに 分 類 される 1. フェイルトレード 業 界 では ETF は 他 の 種 類 の 証 券 に 比 べてフェイルトレードが 多 いという 誤 っ た 共 通 認 識 がある ETF は 独 特 な 発 行 / 償 還 プロセス を 採 用 しており マーケットメーカーは 新 規 発 行 や 償 還 に 追 加 で3 日 が 与 えら れている その 結 果 ETF はほとんど の 投 資 家 になじみ 深 い3 日 を 超 えて 決 済 され SEC により 後 からフェイルトレード として 報 告 されている 従 って このよう な 混 乱 は 理 解 できなくはないが 残 念 なことである 2. オルタナティブ 投 資 過 去 数 年 間 一 部 の ETF は 流 動 性 の 高 い 上 場 証 券 市 場 から 発 展 し ヘッジ ファンド 投 資 ストラテジーにまで 拡 大 して いる SEC の 職 員 が2013 年 2 月 に この 分 野 を SEC の2013 年 調 査 における 重 点 分 野 として 取 り 上 げており 21 当 該 職 員 によれば 具 体 的 には (i)レバレッ ジ 流 動 性 評 価 方 針 業 務 が 規 制 を 遵 守 しているか (ii) 役 員 会 コンプラ イアンス 人 材 バックオフィス 部 門 に 適 切 な 人 員 と 予 算 が 充 てられ 新 しいストラ テジーを 実 行 する 権 限 を 得 ているか (iii)ファンドは 規 制 に 遵 守 した 方 法 で 投 資 家 に 販 売 されているか が 評 価 される 3. 流 動 性 ETF は 通 常 流 動 性 が 極 度 に 高 い 環 境 で 運 用 されているが 市 場 で 極 端 な 事 象 が 起 こった 場 合 の 反 応 について はいくらかの 懸 念 が 存 在 する 多 くの ETF には2 社 かそれ 以 上 のマーケット メーカーが 存 在 するが 極 端 に 流 動 性 の 低 い 市 場 では2 社 では 十 分 でない 可 能 性 がある この 懸 念 は 小 型 株 新 興 市 場 債 券 多 種 多 様 な 債 券 のような 取 引 高 の 少 ない 市 場 においては 深 刻 である 金 融 調 査 局 (OFR)は ETF の 株 式 市 場 サービスプロバイダーとそのパートナー (マーケットメーカーや 指 定 参 加 者 )が どのようにマーケットストレスや 乱 高 下 に 対 処 するかについての 研 究 は 非 常 に 大 切 になると 述 べている 22 4. 取 引 先 リスク インフラリスク 商 品 リスク ETFがさらに 多 くの 投 資 プラットフォー ム 退 職 プランや 年 金 投 資 に 利 用 され るようになるにつれ 資 産 は 今 日 の 2.2 兆 米 ドルから 数 年 以 内 に5 兆 米 ドル 以 上 になり 現 在 のインフラや 監 督 体 制 が うまく 機 能 するか 試 されることになる ETF は 他 で 発 生 した 金 融 ショックを 伝 染 させたり 増 幅 させる 可 能 性 があるという 事 実 が OFR ホワイトペーパーで 指 摘 された 22 ミューチュアルファンド 業 界 は 市 場 や 経 済 問 題 の 範 囲 において 弾 力 的 に 対 応 できると 証 明 されている が ETF のインフラは 比 較 的 新 しく 現 在 まだ 莫 大 な 金 額 の 資 産 を 持 ちつつも その 機 能 が 試 されている 段 階 にある 21 Securities and Exchange Commission, Office of Compliance Inspections and Examinations, Examination Priorities for 2013, 21 February 2013. 22 Office of Financial Research, Asset Management and Financial Stability, September 2013. The next generation of ETFs 15

5. トラッキングエラーにかかる 懸 念 これは 運 用 成 績 がその 連 動 するイン デックスと 一 致 しない 時 に 起 こる これ は 珍 しいことではないが 資 産 クラス またはファンドによってかなり 差 がある トラッキングエラーは 手 数 料 取 引 コス ト 有 価 証 券 の 流 動 性 インデックスの 変 更 などが 原 因 となる これがアンダー パフォーマンスやオーバーパフォーマン スをもたらすのだが アンダーパフォー マンスとなることの 方 が 一 般 的 であり 当 然 投 資 家 にとっても 一 層 の 懸 念 事 項 になる 2013 年 以 降 ESMA はヨー ロッパの ETF に 対 し トラッキングエラー をシステム 報 告 して 開 示 することを 義 務 付 けているが 米 国 にはこのような 要 求 は 存 在 しない 規 制 上 の 障 壁 規 制 当 局 は 投 資 家 や 市 場 にとっての リスクを 理 解 し 管 理 することを 目 的 とし ETF を 特 に 緻 密 に 調 査 してきた 一 部 の 制 限 や 規 定 が 緩 和 される 段 階 には 到 達 したものの 規 制 上 の 課 題 の 一 部 は 依 然 として 世 界 中 のほとんどの 市 場 に 存 在 している 米 国 では SEC は 依 然 として ETF の デリバティブ 使 用 に 懸 念 を 示 している 最 近 の ETF ではデリバティブ 使 用 に 対 する 禁 止 は 解 除 されているものの SEC はファンドの 役 員 会 が 定 期 的 にデリバ ティブの 使 用 について また 投 資 アドバ イザーがデリバティブの 使 用 について どのように 評 価 し 管 理 しているかについ て レビューおよび 承 認 を 行 うことを 求 め ている デリバティブ 使 用 についての 開 示 も SEC ルールおよびガイダンスに 従 う 必 要 がある SEC が 重 視 する 別 の 分 野 として ヘッジ ファンド 戦 略 の 使 用 カスタムバスケット の 使 用 およびマーケティングコンプライ アンスなどがある ヨーロッパでは 欧 州 証 券 市 場 監 督 局 により ETF に 対 して トラッキングエ ラー 効 率 的 ポートフォリオマネジメン ト デリバティブの 使 用 などを 含 む 多 くの 分 野 で 追 加 の 開 示 要 求 が 課 されている 日 本 中 国 およびアジア 市 場 の 政 策 立 案 者 は 投 資 の 奨 励 を 非 常 に 重 要 視 し ている しかし 少 なくとも 一 つの 未 解 決 事 項 がアジアにおける 資 産 成 長 を 阻 んでいる それは 香 港 と 中 国 本 土 間 の 相 互 承 認 の 問 題 である その 問 題 が 解 決 されるならば 相 互 承 認 に 基 づ き 香 港 の 資 産 運 用 会 社 が ETF を 中 国 の 小 口 投 資 者 に 直 接 販 売 できるように なるだろう 16 PwC Asset Management

ETF ストラテジーの 必 要 性 ETF は 既 に 多 くの 方 法 で 投 資 業 界 に 変 化 をもたらしてきた 投 資 アドバイ ザーのポートフォリオ 構 成 テクニックに おける 大 転 換 を 促 進 し 機 関 投 資 家 に は 革 新 的 なタクティカルツールを 提 供 し 伝 統 的 な 販 売 モデル 以 上 の 拡 大 を 続 けてきた 多 くの 資 産 クラスは 既 存 の ETF により 既 に 参 入 されているが 参 入 機 会 はま だ 存 在 している ETF についてのノウハ ウを 収 益 化 する 方 法 を 以 下 に 挙 げる 1. 市 場 の 事 象 をうまく 利 用 するオポチュ ニスティック 型 商 品 これはほんの 始 まりに 過 ぎず 今 後 運 用 資 産 の 世 界 市 場 において ETF が 一 層 普 及 し さらなるプロバイダー ユーザーの 参 入 が 促 進 される マーケッ ト 参 入 者 はどのようにしてこの 新 環 境 で 勝 ち 残 る 準 備 をしていけばよいのだろうか ノウハウの 収 益 化 ETF は 投 資 界 に 大 きなインパクトをも たらしてきたかもしれないが 根 本 的 に は 投 資 ノウハウにおけるパッケージの 一 種 に 過 ぎない 業 績 の 良 いどの 資 産 運 用 会 社 も 何 らかのタイプについての ノウハウを 有 している 問 題 は ETF が ますます 普 及 する 世 界 において いかに してその 知 識 を 最 善 の 方 法 で 活 用 する かということになる 2. 年 金 またはアロケーションファンド 形 式 でのパッケージソリューションの 構 成 要 素 としての 利 用 3. アクティブ 運 用 の ETF を 用 いた 利 益 追 求 ストラテジー 4. 既 存 のスタイルボックス 商 品 を ETF 形 式 に 再 パッケージする 方 法 どの 方 法 をとるにせよ 資 産 運 用 会 社 は 拡 大 中 の ETF エコシステム( 販 売 プラットフォーム データベース ポー トフォリオ マネジメント ツールや 投 資 者 教 育 など)と 連 携 をとる 必 要 がある The next generation of ETFs 17

サービスの 差 別 化 ETF 市 場 はこれまでしばらくの 間 先 行 参 入 者 により 独 占 されていたこと は 否 めない 2013 年 8 月 末 現 在 では ETFスポンサーのトップ5(iShares S t a t e Street Vanguard Power Shares および DB/x-trackers) 23 によっ てグローバルの 資 産 の4 分 の3 以 上 が 占 められていた また ETF スポンサー の6 割 は 先 行 参 入 者 による 市 場 の 独 占 により 他 のプレーヤーの 機 会 はほとん どなくなっていると 考 えている 24 しかし この 点 を 主 要 な 課 題 と 位 置 付 けて いるのは ETF スポンサーのうち 比 較 的 少 数 であり 大 半 は ある 程 度 の 課 題 と 捉 えていることから 差 別 化 したプロ バイダーとしての 市 場 でのポジションを 獲 得 するためにリソースを 注 ぐことを 惜 しまない 新 興 の 資 産 運 用 会 社 には まだ 多 くの 道 が 残 されているであろう ことが 分 かる 投 資 アドバイザーは 既 にコア 資 産 の 多 くを ETF に 転 換 しており アクティブ 運 用 者 の 活 躍 の 場 が 奪 われたが ETF がイノベーションの 次 のステージに 進 み つつあることから 現 在 の 状 況 は 変 化 し つつあるのかもしれない 一 方 で ETF の 他 の 多 くのセグメントにおける 普 及 は まだ 徹 底 的 になされているとは 言 えな い 業 界 大 手 や 革 新 的 な 新 興 企 業 と 競 争 していくためには 慎 重 に 市 場 をセグ メントごとに 細 分 化 し 差 別 化 した 商 品 や 選 択 した 流 通 チャネル( 図 16)に 適 し たサービスを 提 供 していく 必 要 がある 図 16. ETF 流 通 チャネル 出 典 :Alphahut, 2013 23 ETFGI, Top 5 ETF and ETP providers ranked by global assets at the end of August 2013, 23 October 2013. 24 Cerulli Associates, ETFs and Retail Alternative Products and Strategies 2012, 2013. 18 PwC Asset Management

コンテンツマーケティングの 活 用 ソートリーダーシップとコンテンツマー ケティングは 投 資 業 界 においてますま す 大 きな 役 割 を 果 たすようになってい る 透 明 性 や 認 知 度 の 高 まりに 伴 い 伝 統 的 なマーケティングは 効 果 がないと 見 なされ 通 用 しなくなる 可 能 性 がある 代 わりに ますます 多 くの 会 社 は 自 らの 考 察 を 共 有 して 知 見 を 示 すことで 示 唆 に 富 むリサーチを 求 める 投 資 家 や 投 資 アドバイザーの 注 意 を 引 き 付 け 資 産 を 引 き 出 そうとしている このようなアプローチは ETF に 非 常 に 適 している ほとんどの 投 資 アドバイ ザーは ETF の 利 用 方 法 についてはよく 理 解 しているが テクニカルな 詳 細 事 項 や 最 新 の 商 品 開 発 についてまでは 完 全 に 理 解 していないかもしれない 特 に 最 新 の 商 品 についての 理 解 はポートフォ リオ 構 築 にとって 非 常 に 重 要 であるた め 革 新 的 な ETF プロバイダーは 彼 らの 商 品 をさまざまな 顧 客 ストラテジー にどのように 効 果 的 に 組 み 込 むことがで きるのかを 投 資 アドバイザーに 説 明 し 関 心 を 引 き 起 こす 必 要 がある 投 資 家 の 教 育 はとりわけアジアにおい て 効 果 を 発 揮 すると 考 えられる アジア では 取 引 高 の 大 きい ETF の 方 が 流 動 性 が 高 いという 誤 解 のために 国 内 商 品 の 成 長 が 妨 げられてきた 結 果 として 多 くのアジアの 投 資 家 の 間 では しばしば 米 国 など 国 外 のファンドで 取 引 高 の 大 き い 商 品 が 人 気 となっていた 投 資 家 への 啓 蒙 により 資 産 の 成 長 を 促 すことに 加 えて ETF 業 界 にファン ドごとの 特 徴 付 けをすることができると 考 えられる ミューチュアルファンドには これまで 常 に 運 用 するファンドにブラ ンド 価 値 や 商 品 性 や 他 のさまざまな 特 徴 が 与 えられてきた 一 方 ETF において 今 日 に 至 るまでファンドごとの 特 徴 が 投 資 家 に 認 識 されていない 効 果 的 なコンテ ンツマーケティングによってこのギャップ を 埋 めることが 可 能 かもしれない 規 制 上 の 要 求 を 十 分 に 活 かす さまざまな 国 において 規 制 当 局 が 何 を 認 可 し 何 を 奨 励 するかによって それ ぞれのマーケットは 異 なった 発 展 を 遂 げ る 投 資 会 社 がそれぞれのマーケット で 成 功 を 収 めるには 規 制 上 の 要 求 の 変 化 に 敏 感 である 必 要 がある 一 部 の 会 社 は 他 社 よりも 率 先 して 規 制 当 局 の 動 きをモニタリングし 当 局 とコミュニ ケーションを 取 り 新 しい 規 定 の 理 解 に つとめている 世 界 的 な 規 制 環 境 の 展 開 にあわせて 慎 重 に 方 針 を 調 整 すること により 一 部 の ETF プロバイダーは 大 きな 競 争 優 位 を 得 ることができるかもし れない 先 駆 者 のアドバンテージが 顕 著 な 場 合 には 特 にそう 言 える 需 要 の 発 掘 ETF 資 産 が 多 くの 大 手 運 用 会 社 に 集 中 しているとはいえ 業 界 は 飽 和 して おり 機 会 は 無 い と 結 論 付 けるのは 正 し くない 例 えば 米 国 で ETF は 好 況 な 投 資 アドバイザー 市 場 においてうまく 組 み 込 まれてきたが ミューチュアルファンドが 投 資 アドバイザーの 取 り 扱 い 資 産 の 37%であるのに 比 べて ETF はアクティ ブ パッシブの 両 ストラテジー 併 せても まだ7%に 過 ぎない 25 これは 最 も 成 熟 したマーケットセグメントにでさえ かな りの 市 場 機 会 が 存 在 することを 示 唆 して いる 同 様 に 自 家 運 用 している 投 資 家 の 4%しか ETF を 利 用 していないが この 数 字 は2008 年 から 見 ると 倍 になって おり 26 この 勢 いで 普 及 が 継 続 すれば さらに 数 十 億 米 ドルもの 資 産 が ETF に 流 入 し 得 ることを 意 味 している ETF が 新 たなセグメントに 受 入 れられ たのは ETF の 新 たな 利 用 方 法 が 発 見 されたからかもしれない 一 番 よくある 考 え 方 は ETF をコア 資 産 やタクティカ ル トレーディング ツールとするという ものだが ETF はさらにトランジション マネジメントやキャッシュの 均 等 化 リバランシング リスクマネジメントの ツールとする 事 も 可 能 である 例 えば 大 量 の 債 券 から 構 成 される 債 券 アロ ケーションを 少 数 の ETF に 集 約 すること も 可 能 である さらには 機 関 投 資 家 の ポートフォリオにおける 流 動 性 確 保 の ツールとする 事 も 可 能 である 障 害 は 多 々あるかもしれないが ETF は 退 職 プランにおいてもそれなりの 牽 引 力 を 得 つつあるようである アロケーショ ンファンドはETFの 展 望 においては 依 然 として 未 成 熟 な 分 野 である ターゲット リスク 型 ターゲットデート 型 および グ ローバル アロケーション ファンド についてはいずれも 恐 らくまだ 考 え 出 されていない 特 殊 な 形 で 今 後 急 速 に 拡 大 する 可 能 性 がある 25 Dodd Kittsley, US ETF Assets Could More than Double by 2017, ETF Database, 19 June 2013. 26 Dodd Kittsley, US ETF Assets Could More than Double by 2017, ETF Database, 19 June 2013. The next generation of ETFs 19

多 くの 機 関 投 資 家 はまだ ETF を 利 用 していないが 実 際 にはどのセグメント にも 先 駆 者 的 な 例 外 が 存 在 するもので ある 保 険 会 社 確 定 給 付 プラン 財 団 法 人 基 金 などは 今 後 も コスト 削 減 フレキシビリティ あるいはポートフォ リオ 管 理 能 力 の 改 善 を 目 的 として ETF の 活 用 法 を 見 い 出 していくだろう コン サルタントやアウトソーシングモデル 関 連 者 は 自 身 のアセット アロケーション テクニックを 補 うために ETF を 活 用 する と 考 えられる 上 記 のセグメント 全 てに 将 来 性 が 見 込 まれる また 機 会 はグローバルな ものであることも 考 慮 に 値 する 米 国 は ETF 資 産 の70 %を 占 めるかもしれな いが 投 資 家 が 自 国 のマーケットで 入 手 可 能 な 商 品 に 対 する 自 信 を 持 つこと ができるようになり 通 貨 リスクや 時 差 の 面 からメリットがあれば この 状 態 は 変 化 するだろう アジアの 投 資 家 は 米 国 ETF を 選 ぶ 傾 向 があるが アジアの 市 場 は10 年 前 の350 億 米 ドルから 今 日 では 1, 500 億 米 ドルにまで 拡 大 している 27 そのうち 大 半 の 資 産 が 機 関 投 資 家 によ る 投 資 であることを 考 えると アジアマー ケットにおける 個 人 投 資 家 の 残 高 増 加 の 機 会 は 相 当 なものである ヨーロッパ においても 同 様 の 成 長 が 見 込 まれる ETFスポンサーにとって 需 要 自 体 は 問 題 とならないはずだが 各 セグメント チャネル 地 域 別 の 需 要 を 個 別 に 考 慮 する 必 要 はあるだろう 例 えば 日 本 人 の 単 身 男 性 とオランダの 財 団 法 人 では ETFについて 異 なる 考 え 方 をするだろう ニッチ 商 品 も 大 切 だが 同 じく 重 要 なの はニッチマーケティングである 商 品 ではなくソリューションを ETF ストラテジーの 成 功 の 鍵 は 商 品 が 個 人 アドバイザー 退 職 プランや 他 のタイプの 機 関 投 資 家 のニーズにどの ように 応 えることができるかを 明 確 に 思 い 描 くことにある ごく 近 い 将 来 に 競 争 に 参 加 しようとして いるETFプロバイダーは 以 下 の 三 つの カテゴリー( 図 17)のうちの 一 つに 該 当 することになるだろう 図 17. ETFスポンサーの 三 つのタイプ 出 典 :Alphahut, 2013 究 極 的 には 個 人 も 投 資 アドバイザイーも 退 職 プ ランも 機 関 投 資 家 も 皆 商 品 ではなくソリューション を 求 めている 27 Financial Times, Education Key to Asia ETF Growth, Say Providers, Financial Times, 6 September 2013. 20 PwC Asset Management

インデクサーは 既 に 非 常 に 際 立 った 存 在 になっている これら 業 界 大 手 は 既 に コストの 低 いベータの 提 供 者 として 自 らを 位 置 付 け 一 般 的 にはパッシブ なエクスポージャーを 広 範 囲 の 資 産 クラ スに 提 供 しており どこでも 通 用 する 強 いブランドを 持 っている 彼 らの 弱 点 は インデクシングとの 強 いつながりかも しれない アクティブ 運 用 の ETFという 新 しい 市 場 への 参 入 が 阻 まれる 可 能 性 があるからである 一 方 イノベーターには 上 記 のような 問 題 は 存 在 しないかもしれない これら の 会 社 は 伝 統 的 なインデックス 商 品 の 面 では 活 躍 できていないが 新 しいタ イプの 商 品 に 向 かうならば 競 争 に 参 加 することも 可 能 になるだろう 既 存 の 枠 にとらわれず 斬 新 な 方 法 でプロダクト セットを 拡 張 することが 戦 略 上 必 須 と なる ソリューション 志 向 のカスタムイン デックス 利 用 と ETF ストラテジーとの 強 固 な 関 係 が これらの 会 社 の 基 準 と なるだろう また 第 一 波 のインデクサー の 一 部 はイノベーターへと 進 化 すると 思 われる ETFビジネスに 関 与 していないアク ティブ 資 産 運 用 会 社 は イミテーター として 業 界 に 参 入 すると 考 えられる ポー トフォリオの 日 次 開 示 の 基 準 を 満 たすこ とができるのであれば 自 社 のアクティ ブ 運 用 商 品 をETF 形 式 に 作 り 変 えること が 可 能 であり 強 力 なブランド 力 とマー ケティング 予 算 を 活 用 して 業 界 に 大 き なゆさぶりをかけることになる 可 能 性 がある ETF の 将 来 をどう 考 えるかが 個 々の イデオロギー 上 の 見 方 に 一 部 影 響 され ることは 避 けられない 銘 柄 選 択 と 個 人 の 才 能 を 重 視 する 人 々には ETF は 革 命 的 とは 見 なされないだろう 一 方 スタ イルボックスよりもソリューションを 重 視 する 人 々は ETF の 将 来 をもっと 楽 観 的 に 見 ている 全 てはまだ 初 期 的 段 階 に あり 世 界 のアセット マネジメント ビジネスにおいて 最 も 早 く 成 長 している この 分 野 で どのタイプが 最 も 成 功 を 収 めるのかについての 判 定 はまだ 下 され ていない The next generation of ETFs 21

お 問 い 合 わせ 先 あらた 監 査 法 人 03-3546-8450( 代 表 ) Declan Byrne パートナー 080-3493- 6617 declan.d.byrne@jp.pwc.com 辻 田 大 パートナー 090-6492- 5789 dai.tsujita@jp.pwc.com 榊 原 康 太 シニアマネージャー 080-9400- 2877 kota.sakakibara@jp.pwc.com www.pwc.com/jp PwC は 世 界 157カ 国 に 及 ぶグローバルネットワークに195,000 人 以 上 のスタッフを 有 し 高 品 質 な 監 査 税 務 アドバイザリーサービスの 提 供 を 通 じて 企 業 団 体 や 個 人 の 価 値 創 造 を 支 援 しています 詳 細 は www.pwc.com/jp をご 覧 ください PwC Japan は 日 本 における PwC グローバルネットワークのメンバーファームおよびそれらの 関 連 会 社 (あらた 監 査 法 人 京 都 監 査 法 人 プライスウォーターハウスクーパース 株 式 会 社 税 理 士 法 人 プライスウォーターハウスクーパース PwC 弁 護 士 法 人 を 含 む)の 総 称 です 各 法 人 は 独 立 して 事 業 を 行 い 相 互 に 連 携 をとりながら 監 査 およびアシュアランス アドバイザリー 税 務 法 務 のサービスをクライアントに 提 供 しています 本 報 告 書 は PwC メンバーファームが2013 年 11 月 に 発 行 した The next generation of ETFs - Why every asset manager needs an ETF strategy を 翻 訳 したものです 翻 訳 には 正 確 を 期 しておりますが 英 語 版 と 解 釈 の 相 違 がある 場 合 は 英 語 版 に 依 拠 してください 電 子 版 はこちらからダウンロードできます www.pwc.com/jp/ja/japan-knowledge/report.jhtml オリジナル( 英 語 版 )はこちらからダウンロードできます www.pwc.com/us/en/asset-management/investment-management/publications/exchange-traded-fund-strategies.jhtml 日 本 語 版 発 刊 月 : 2014 年 11 月 管 理 番 号 :I201407-4 2014 PwC. All rights reserved. PwC refers to the PwC network and/or one or more of its member firms, each of which is a separate legal entity. Please see www.pwc.com/structure for further details. This content is for general information purpose only, and should not be used as a substitute for consultation with professional advisors.