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津 川 康 雄 跡 やテクノランドマークなど 本 来 はその 機 能 を 果 たすことが 優 先 されたにも 関 わらず その 後 シンボリックな 対 象 として 認 知 され 結 果 的 にその 時 代 を 表 象 する 地 域 のシンボル として 位 置 づけられるに 至 ったものなどに 代 表 される とはいえ 地 域 のシンボルは 直 接 間 接 を 問 わず 新 たな 色 と 形 を 創 出 すること で 当 該 地 域 の 景 観 に 新 たな 視 覚 要 素 を 付 加 し ていくことが 多 い それらの 大 半 が 我 々の 空 間 行 動 や 活 動 を 支 え 位 置 を 明 確 化 可 能 な 対 象 としてのランドマークになることが 多 い 3)~ 11) すなわち 地 域 におけるシンボ ルやランドマークは 人 々の 空 間 的 認 識 軸 行 動 軸 に 定 位 される 存 在 なのである それら は 地 域 や 都 市 のアメニティを 育 む 要 素 とし て 認 識 されることも 多 い 本 稿 では 都 市 のアメニティとランドマー クの 関 係 を 明 らかにするために とくに 人 間 の 視 界 や 視 野 を 支 えるアイストップとビュー ポイントの 成 立 要 件 を 中 心 に 論 じた 前 者 の アイストップは 人 々の 視 線 を 集 中 させ 焦 点 を 形 成 し 空 間 を 構 造 化 し 場 所 化 する 作 用 を 促 すための 空 間 認 知 のエレメントであ る また 後 者 のビューポイントは 都 市 や 地 域 を 俯 瞰 する 地 点 として 位 置 づけられる 存 在 である このような 特 性 を 有 するランドマー クが 都 市 の 景 観 やアメニティを 育 む 要 素 と して 欠 かすことができない 人 間 にとって 新 たな 視 覚 要 素 の 獲 得 は さまざまな 心 理 的 効 果 をもたらし 時 空 間 の 変 化 を 象 徴 的 に 捉 え ることが 可 能 な 対 象 として 位 置 づけることが できる 具 体 的 には フランスのパリや 日 本 の 都 市 における 大 規 模 鉄 塔 の 成 立 過 程 を 中 心 に テクノロジーの 発 展 や 都 市 構 造 との 関 連 から 都 市 のアメニティとランドマークの 検 討 を 試 みた Ⅱ. 都 市 空 間 の 認 知 とランドマークの 関 係 1.パリにおける 都 市 軸 の 形 成 とアイストッ プの 成 立 都 市 が 計 画 的 に 建 設 されたり 改 造 される 際 街 路 形 態 に 工 夫 を 凝 らし 適 切 なランド マークを 配 して 人 々の 空 間 認 識 を 補 助 する 例 も 多 々 認 められる たとえば 都 市 とラン ドマークの 関 係 が 象 徴 的 に 示 される 例 とし て パリの 都 市 軸 形 成 があげられる パリは 中 央 集 権 的 な 王 朝 国 家 の 首 都 として 発 展 し てきたが その 基 礎 はセーヌ 川 の 中 州 である シテ 島 で その 後 囲 郭 都 市 として 展 開 して いった 現 在 ではシテ 島 に 位 置 するノートル ダム 寺 院 は 世 界 遺 産 にも 登 録 され パリのシ ンボルとなり セーヌ 川 に 架 かる 数 多 くの 橋 は 機 能 面 のみならず 景 観 要 素 としての 役 割 を 果 たすランドマークとなっている パリの 都 市 構 造 の 骨 格 が 造 り 上 げられた のは 19 世 紀 後 半 になってからである ナポ レオンⅢ 世 の 下 でセーヌ 県 の 知 事 をしてい たオスマン(Haussmann, G.)は 在 任 中 に パリの 大 改 造 を 行 った 12) 都 市 改 造 に 際 し て 景 観 保 全 が 明 確 に 意 識 され ルーブル 宮 殿 からコンコルド 広 場 シャンゼリゼ 通 りから 凱 旋 門 に 至 る 空 間 が 整 備 された そ の 延 長 線 上 に 位 置 づけられるデファンス 地 区 は 第 二 次 世 界 大 戦 前 から 計 画 されてお り デンマークの 建 築 家 オットー スプレッ ケルセン(Spreckelsen, J.O.)によって 設 計 さ れた 新 凱 旋 門 (グラン アルシュ)によっ て 特 徴 づけられる 13) この 直 線 的 な 空 間 が 2

都 市 のアメニティとランドマーク 第 1 図 パリの 都 市 軸 とランドマーク パリの 都 市 軸 であり 時 間 軸 として 位 置 づけ られる ここではランドマークという 言 葉 は 直 接 用 いられないが 歴 史 的 建 造 物 やオ ブジェが 空 間 的 アクセントとなり アイス トップやビューポイントが 成 立 し 象 徴 的 な 空 間 へと 転 化 している すなわち 放 射 状 街 路 が 集 まる 地 点 (ノード)には 広 場 や ロータリーが 設 けられ モニュメントや 噴 水 などが 配 置 された シャルル ド ゴー ル(エトワール) 広 場 にはナポレオンの 凱 旋 門 そこからシャンゼリゼ 通 りを 通 過 し コンコルド 広 場 に 至 るとエジプトから 運 ば れたオベリスクが 置 かれるなど ともすれ ば 方 向 感 覚 を 喪 失 しやすい 放 射 状 街 路 に 空 間 的 なアクセントがつけられている( 第 1 図 ) また かつてパリ 郊 外 に 位 置 したモンマル トルの 丘 は 多 くの 画 家 や 文 人 が 集 まること で 発 展 し 丘 上 に 建 設 されたサクレクール 寺 院 は 白 亜 の 姿 がパリ 市 民 のアイストップとし て 寺 院 や 前 面 の 階 段 からパリを 俯 瞰 する ビューポイントとして 市 民 や 観 光 客 に 欠 か すことのできない 存 在 となっている さらに 19 世 紀 後 半 には パリの 都 市 構 造 に 新 たな 象 徴 的 空 間 が 付 加 された それは 万 国 博 覧 会 開 催 の 会 場 となったシャン ド マルスの 一 帯 であり 当 地 区 は 1867 年 以 降 に 開 催 されたパリ 万 博 の 主 要 会 場 となった そ の 一 角 に 建 設 されたエッフェル 塔 は その 後 のパリのシンボルとなった エッフェル 塔 は 1889 年 に 建 設 された 高 さ300 m( 建 設 当 初 ) の 大 鉄 塔 であり 当 時 の 最 新 技 術 を 結 集 して 建 設 された 建 設 の 目 的 は 万 国 博 覧 会 のシン ボル モニュメントの 創 出 であり 付 随 的 に さまざまなテクノロジーの 具 現 化 が 図 られ た 設 計 者 のギュスターヴ エッフェルは 1867 年 のパリ 万 博 から 博 覧 会 に 関 与 し 1878 年 には 主 会 場 の 大 玄 関 ホールやパリ 市 展 示 館 などを 担 当 していた 14) こうして エッフェ ル 塔 は 万 博 のシンボルはもとより パリを 俯 3

津 川 康 雄 瞰 する 装 置 として 機 能 することになった し かし 当 初 は その 後 世 界 各 地 に 必 然 的 に 建 設 されていく 電 波 塔 としての 機 能 を 果 たす 意 図 はなかった その 意 味 ではラジオ テレビ 電 波 の 送 信 施 設 としての 先 駆 的 テクノランド マークではないが 大 規 模 鉄 塔 実 現 の 可 能 性 と 建 設 技 術 及 び 鉄 塔 形 状 の 確 立 に 果 たした 役 割 は 極 めて 大 きい 現 在 ではシャイヨ 宮 から セーヌ 川 を 挟 みエッフェル 塔 とシャン ド マルス 公 園 への 連 続 性 は 万 博 開 催 後 の 新 た な 開 放 的 な 都 市 空 間 となり エッフェル 塔 が アイストップとしてのランドマーク 機 能 を 見 事 に 成 立 させており パリのシンボルゾーン の 一 つとして 位 置 づけることができる また エッフェル 塔 からのビューポイントの 成 立 も 重 要 な 意 味 を 持 っている 展 望 台 からのパノ ラマ 的 視 界 は 人 々に 新 たな 俯 瞰 による 視 覚 写 真 1 エッフェル 塔 知 覚 要 素 をもたらした 15) このように パリ の 景 観 は 歴 史 的 経 緯 の 中 で 形 成 され 多 くの アイストップとビューポイントが 成 立 し 全 体 として 都 市 のアメニティが 育 まれてきた ( 写 真 1) 2.アイストップとビューポイントの 成 立 都 市 の 景 観 を 捉 える 視 点 はさまざまであ り 視 点 から 対 象 までの 距 離 や 見 上 げる 視 線 としての 仰 瞰 見 下 ろす 視 線 の 俯 瞰 といっ た 違 いがある また 風 景 論 との 関 わりから ランドマークを 位 置 づけると 点 景 に 該 当 す るものが 多 く 風 景 のアクセント アイストッ プの 効 果 を 見 出 すことができる 都 市 構 造 の 認 識 における アイストップやビューポイン トの 存 在 は 人 々の 空 間 認 知 を 促 す 存 在 とし て 欠 かすことができない たとえば 北 海 道 の 札 幌 市 中 心 部 において は 大 通 ( 公 園 )が 都 市 構 造 上 空 間 的 認 識 軸 となっている 大 通 ( 公 園 )は 開 拓 使 設 置 に 伴 う 街 路 街 区 の 設 定 に 際 し 幅 58 間 ( 約 105.4 m)の 広 小 路 が 設 けられたことに 始 ま る 北 の 官 衙 地 区 と 南 の 商 家 地 区 との 間 に 火 防 線 としての 目 的 をもったものとされてい る 明 治 44 年 に 大 通 逍 遙 地 として 位 置 づけ られるようになり 開 拓 記 念 碑 開 拓 長 官 黒 田 清 隆 像 などが 建 立 され 花 壇 花 園 遊 歩 道 運 動 場 などが 設 けられた かなりの 面 積 と 東 西 に 帯 状 に 展 開 する 空 間 が 都 市 構 造 上 ある 種 の 空 間 軸 都 市 軸 になったことは 疑 い ない その 後 札 幌 市 の 管 理 下 に 入 り 第 二 次 大 戦 中 は 畑 として 利 用 されたり 戦 後 は 進 駐 軍 の 野 球 場 やテニスコートを 始 め 市 民 の スポーツ 広 場 として 利 用 された 16) このような 空 間 形 成 を 経 た 大 通 ( 公 園 )の 東 端 に 建 設 されたのがテレビ 塔 であり 大 通 4

都 市 のアメニティとランドマーク 写 真 2 大 通 ( 公 園 )とテレビ 塔 ( 公 園 )におけるアイストップとして また 俯 瞰 するビューポイントとして 景 観 認 識 に 欠 かすことができない 存 在 となっている 大 通 ( 公 園 )とテレビ 塔 が 景 観 の 上 で 一 体 化 し 相 互 の 関 係 が 造 りあげられた また テレビ 塔 及 びその 周 辺 が 保 有 する 特 性 として イベン ト 等 の 開 催 の 場 としてふさわしい 点 を 指 摘 す ることが 出 来 る すなわち イベントの 開 催 に 当 たっては その 内 容 はもちろん 会 場 の 広 さやアクセスの 良 さに 加 え 認 知 度 の 高 い 開 催 場 所 が 求 められる それは 人 々の 待 ち 合 わせの 場 が 選 択 されることにも 通 じるが 場 所 ( 位 置 )の 持 つ 認 知 度 の 高 さがその 背 景 にあることは 言 うまでもない すなわち テ レビ 塔 がアイストップ ビューポイントとし て 大 通 ( 公 園 )の 一 角 に 成 立 したことにより 都 市 のシンボリックなアメニティ 空 間 として の 大 通 ( 公 園 )の 機 能 がより 一 層 高 められた ものと 考 えられる( 写 真 2) Ⅲ.テクノランドマークの 形 成 とアメニ ティ 1.テクノスケープの 形 成 テクノロジーの 発 達 は 複 合 的 で 強 く 各 方 面 への 波 及 効 果 が 促 される いったん 社 会 に 受 け 入 れられ 定 着 した 技 術 は さまざまな 地 域 へ 波 及 していくことが 多 い それは 交 通 通 信 のように 鉄 道 やラジオ テレビといった 形 で 具 現 化 され 受 容 者 の 生 活 に 密 着 定 着 化 が 図 られていく それらを 支 える 様 々な 構 造 物 がテクノスケープとして 認 識 され 各 種 のテクノランドマークが 生 み 出 されてきた とくに 産 業 革 命 後 の 鉄 道 交 通 や 自 動 車 交 通 の 発 達 は 近 代 における 新 技 術 や 新 たな 素 材 の 開 発 に 支 えられ 急 速 な 進 歩 を 遂 げた 17) また 製 鉄 技 術 や 加 工 技 術 の 発 達 は 構 造 物 の 建 設 に 大 きなインパクトをもたらし 鉄 骨 鉄 筋 コンクリートの 製 法 の 完 成 は 大 規 模 構 造 物 の 建 設 を 可 能 にした なかでも 鉄 道 や 道 路 建 設 に 欠 かせない 鉄 橋 は 素 材 組 み 立 て 技 術 の 発 達 に 支 えられ 他 の 構 造 物 建 設 にも 応 用 されていった 衆 目 を 集 める 地 点 に 建 設 される 鉄 橋 は 構 造 上 の 問 題 に 加 えデザイン が 重 視 されることも 多 く 各 地 にランドマー クとしての 機 能 を 果 たす 例 を 見 出 すことがで きる 都 市 においては 都 市 基 盤 の 整 備 に 多 様 なテクノロジーが 取 り 込 まれ 電 気 ガス 上 下 水 道 通 信 といったライフラインが 構 築 され 社 会 基 盤 として 整 備 されていった それ らを 構 成 する 諸 施 設 は 時 代 の 変 化 や 地 域 的 差 異 はあるものの 都 市 景 観 の 新 たな 要 素 と なっていった 近 代 以 降 都 市 景 観 が 時 代 と ともに 変 化 していく 過 程 は テクノスケープ の 形 成 に 左 右 されてきたと 言 っても 過 言 では ない その 時 代 に 生 まれ 育 まれた 技 術 は 後 世 にさまざまな 色 と 形 で 伝 わることも 多 い 例 えば 日 本 の 近 代 化 が 始 まる 明 治 時 代 は 諸 外 国 からの 技 術 を 導 入 し 咀 嚼 した 結 果 その 技 術 が 反 映 された 建 築 建 造 物 が 数 多 く 5

津 川 康 雄 造 られ 近 代 化 遺 産 として 日 本 各 地 に 展 開 し ている 18) 現 在 では 近 代 化 遺 産 は 単 に 文 化 財 としての 意 味 にとどまらず 地 域 景 観 やアメ ニティの 要 素 として また 地 域 の 活 性 化 資 産 として 位 置 づけられ まちづくりの 資 産 とし ての 重 要 性 も 増 してきた それらは 単 独 で 成 立 することは 少 なく 時 代 背 景 とテクノロ ジーの 進 歩 との 相 互 関 係 によって 生 み 出 され 保 存 されてきた このように 新 たなテクノ スケープの 形 成 は 単 に 機 能 面 のみならず 新 たな 時 代 を 象 徴 する 景 観 となったり 都 市 のアメニティを 支 える 要 素 としてとらえるこ とも 可 能 である 2.テレビ 鉄 塔 建 設 の 歴 史 テクノランドマークを 代 表 するものとし て 大 規 模 テレビ 塔 を 例 に それが 都 市 の 空 間 構 造 の 骨 格 として 位 置 づけられたり 都 市 のアメニティを 育 む 要 素 になっていった 過 程 を 分 析 してみたい 日 本 のテレビ 放 送 は 1953( 昭 和 28) 年 に 開 始 され 日 本 初 の 商 業 用 テレビ 放 送 のための 電 波 塔 が 日 本 テレビ 放 送 網 株 式 会 社 によっ て 建 設 された 19) 同 社 の 創 業 者 正 力 松 太 郎 は 1952( 昭 和 27) 年 7 月 31 日 にテレビ 放 送 の 第 一 号 免 許 を 取 得 し 総 高 154 m( 高 さ 132 m 22 m のアンテナが 取 り 付 けられた) の 日 本 テレビ 塔 を 東 京 都 千 代 田 区 二 番 町 に 建 設 し 1953 年 8 月 28 日 に 放 送 を 開 始 した テ レビ 塔 には 展 望 台 が 設 けられ エレベータに より 第 一 展 望 台 (55 m) 第 二 展 望 台 (74 m) へ 上 がることができた テレビ 局 見 学 と 一 体 化 したテレビ 塔 からの 展 望 は 多 くの 人 々の 見 学 コースとなった テレビ 塔 に 展 望 台 が 設 置 される 形 態 は テ レビ 塔 が 単 に 電 波 送 信 の 施 設 にとどまらず 人 々に 高 所 からの 展 望 を 提 供 することを 可 能 にしたのであり その 後 のテレビ 塔 建 設 のモ デルになったものと 考 えられる しかし 同 テレビ 塔 は 技 術 発 達 と 社 会 状 況 の 変 化 によ り 1980( 昭 和 55) 年 に 解 体 され その 使 命 を 終 えた 一 民 間 放 送 局 によって 建 設 された この 鉄 塔 は 展 望 台 も 簡 素 なもので 見 学 も 無 料 であり 観 光 目 的 で 建 設 されたものとは 言 え ないが 日 本 におけるテレビ 塔 のプロトタイ プとして またテクノランドマークの 代 表 例 として 位 置 づけることができる その 後 東 京 では 東 京 タワーが 1958( 昭 和 33) 年 に 建 設 された 当 時 の 郵 政 省 は 都 内 に 次 々に 建 設 されるテレビ 塔 の 林 立 を 避 け 関 東 一 円 にテレビ 電 波 を 送 信 するための 電 波 塔 建 設 を 計 画 した 第 二 次 世 界 大 戦 後 の 復 興 の 証 として 人 々に 自 信 と 希 望 を 与 えたいと いう 意 図 もあったようである 1957 年 5 月 に 日 本 電 波 塔 株 式 会 社 が 設 立 され 電 波 塔 の 建 設 が 始 まった 高 さ 333 m の 同 塔 は 現 在 でも 自 立 鉄 塔 としては 世 界 第 1 位 の 高 さを 誇 り 東 京 のランドマークを 代 表 する 総 合 電 波 塔 と なっている 1953( 昭 和 28) 年 には 名 古 屋 テレビ 塔 株 式 会 社 が 設 立 され 翌 1954 年 6 月 20 日 に 地 上 180 m 展 望 台 90 m の 鉄 塔 が 完 成 し 名 古 屋 テレビ 塔 が 営 業 を 開 始 した 本 格 的 な 展 望 台 を 備 え 観 光 目 的 を 前 面 に 打 ち 出 したテレ ビ 塔 としては 現 存 する 中 で 最 も 古 い 平 成 元 年 には 鉄 塔 のライトアップも 始 まり 周 囲 に 高 層 建 築 物 が 増 加 し かつてのアイストップ としてのランドマーク 機 能 は 薄 れつつある が 名 古 屋 を 代 表 するシンボル ランドマー クとして 位 置 づけることができる 同 形 式 のテレビ 塔 としては 北 海 道 札 幌 のテ 6

都 市 のアメニティとランドマーク レビ 塔 がある 同 テレビ 塔 は 1957( 昭 和 32) 年 8 月 に 完 成 した 同 塔 は 先 の 名 古 屋 テレビ 塔 の 建 設 に 触 発 され 電 波 塔 としての 機 能 は もとより 多 目 的 利 用 が 可 能 な 施 設 として 計 画 された 計 画 都 市 札 幌 の 条 丁 目 のほぼ 原 点 に 近 い 位 置 を 占 め 大 通 ( 公 園 )の 一 角 をな すことから 札 幌 を 代 表 するランドマークと して 位 置 づけられる Ⅳ.シンボルゾーンの 形 成 とテレビ 塔 1. 戦 災 復 興 と 100 m 道 路 の 造 成 都 市 のシンボルゾーンの 形 成 とテクノラン ドマークが 密 接 に 関 連 した 例 を 愛 知 県 の 名 古 屋 市 に 見 出 すことができる 都 市 の 地 域 ( 内 部 ) 構 造 は 時 の 流 れとともに 新 陳 代 謝 を 繰 り 返 し 新 たな 地 区 が 形 成 されたり 再 開 発 されることによりその 姿 が 変 化 していく 名 古 屋 は 徳 川 家 康 による 築 城 後 城 下 町 として 発 展 を 遂 げ 城 郭 の 南 側 に 碁 盤 目 状 に 道 路 を 配 し 町 並 みを 整 備 した 近 世 の 城 下 町 プラン はその 後 の 都 市 構 造 に 大 きな 影 響 を 及 ぼし た しかし 第 二 次 世 界 大 戦 により 壊 滅 的 被 害 を 受 けた 名 古 屋 は 戦 災 復 興 事 業 による 徹 底 した 土 地 区 画 整 理 を 行 い 城 下 町 形 成 時 の 町 並 みを 継 承 しつつ その 後 の 都 市 構 造 を 大 きく 変 化 させていった 20) 主 要 な 復 興 計 画 としては 街 路 計 画 公 園 緑 地 計 画 その 他 に 分 類 される 街 路 計 画 では 二 本 の 幅 員 100 m 道 路 ( 久 屋 大 通 若 宮 大 通 )を 含 む 50 m 以 上 の 道 路 が 11 本 設 けられた その 意 図 は 自 動 車 交 通 への 対 応 防 災 美 観 など があげられる 都 心 部 では 二 本 の 100 m 道 路 を 南 北 方 向 ( 久 屋 大 通 )と 東 西 方 向 ( 若 宮 大 通 )に 配 置 し 久 屋 大 通 にほぼ 連 続 して 南 北 方 向 に 連 なる 新 堀 川 を 含 めて 都 心 部 を 四 分 割 し 防 災 面 を 強 化 した 公 園 は 大 小 さまざ ま 整 備 され 市 内 に 分 散 していた 墓 地 が 一 カ 所 に 集 められ 平 和 公 園 となったことも 都 市 計 画 の 上 で 特 筆 される こうして 名 古 屋 市 街 地 の 整 備 が 進 んでいった 21) 100 m 道 路 として 整 備 された 久 屋 大 通 は 当 初 防 災 的 な 空 地 帯 がイメージされたが 1954 ( 昭 和 29) 年 のテレビ 塔 建 設 に 伴 い その 大 半 が 公 園 緑 地 化 されていくことになった ここ に 名 古 屋 のシンボルゾーン 形 成 の 端 緒 を 見 出 すことができる すなわち 大 通 りの 両 側 に は 幅 21 m の 道 路 が 設 けられ 中 央 部 には 歩 行 者 専 用 のグリーンベルトを 配 し 都 市 公 園 と して 整 備 された そこには 友 好 都 市 から 送 られた 記 念 物 などを 中 心 に 国 際 親 善 広 場 が 設 けられるなど 公 的 空 間 が 整 備 充 実 し 名 古 屋 市 のシンボルゾーンないしはシンボル 軸 の 形 成 が 図 られた また 久 屋 大 通 は 単 に 公 園 緑 地 として 整 備 されるだけではなく 地 下 部 分 を 利 用 し 地 下 鉄 地 下 街 地 下 駐 車 場 と して 複 合 的 に 利 用 されていった その 一 角 を 占 める 栄 は 地 下 鉄 東 山 線 名 城 線 の 交 差 点 と して また 1978( 昭 和 53) 年 に 完 成 した 地 下 街 のセントラル パーク 建 設 に 併 せて 名 鉄 栄 町 駅 のターミナルが 建 設 されるなど 中 心 商 業 地 区 の 機 能 が 強 化 されていった 同 大 通 りが 戦 災 復 興 事 業 により 公 的 空 間 に 変 化 し 権 利 関 係 の 錯 綜 を 回 避 できたこともその 開 発 を 促 進 したものと 考 えられる 1989( 平 成 元 ) 年 にはテレビ 塔 のライトアップが 始 まり 夜 間 のシンボルとしての 役 割 も 果 たすことに なった 1989( 平 成 元 ) 年 には フランスの シャンゼリゼ 通 り( 凱 旋 門 ~コンコルド 広 場 ) と 民 間 主 導 で 友 好 提 携 を 行 っている 道 路 が 7

津 川 康 雄 都 市 のシンボルゾーンとして 位 置 づけられる 共 通 性 を 両 者 に 見 出 すことができる このように 久 屋 大 通 は 名 古 屋 市 の 戦 災 復 興 を 象 徴 する 道 路 として 計 画 造 成 され 地 下 には 各 種 都 市 機 能 を 集 積 させ 地 上 は 都 市 公 園 として 位 置 づけられることになった そこ では 当 初 からテレビ 塔 が 名 古 屋 のランドマー クとして またアイストップ ビューポイン トとして 存 在 し 続 けてきた 名 古 屋 は 100 m 道 路 とテレビ 塔 を 核 とする 久 屋 大 通 の 都 市 公 園 化 地 下 街 化 により 都 心 部 のシンボル ゾーン 化 が 図 られた 数 少 ない 都 市 の 例 となっ た 1986( 昭 和 61) 年 に 建 設 省 ( 現 : 国 土 交 通 省 )が 日 本 の 道 路 100 選 を 決 定 した 際 に 久 屋 大 通 が 選 ばれた 理 由 も 同 大 通 が 都 市 のシ ンボルロードとして 評 価 されたことに 他 なら ない 2.テレビ 塔 建 設 の 過 程 とその 意 義 テレビ 塔 の 建 設 は 1953( 昭 和 28) 年 に 愛 知 県 名 古 屋 市 等 の 出 資 を 仰 ぎ 名 古 屋 テレ ビ 塔 株 式 会 社 が 設 立 され 日 本 放 送 協 会 (NHK) 中 部 日 本 放 送 (CBC) 名 古 屋 財 界 が 協 調 することにより 始 まった 総 工 費 2 億 3 千 万 円 使 用 鋼 材 約 1000 トンが 費 やされ 1954( 昭 和 29) 年 6 月 19 日 に 竣 工 翌 20 日 写 真 3 セントラルパークとテレビ 塔 に 開 業 した 建 設 に 至 る 経 緯 は 昭 和 28 年 に 開 始 されたテレビ 放 送 を 名 古 屋 地 区 で 行 う ための 送 信 施 設 の 建 設 が 目 的 であり NHK 名 古 屋 放 送 局 と 近 接 する 久 屋 大 通 の 一 角 が 選 ば れた 設 計 を 担 当 した 内 藤 多 仲 22) は パリ のエッフェル 塔 をイメージしつつ それまで のラジオ 塔 の 設 計 経 験 から 塔 の 高 さを180 m とし 付 帯 施 設 として 展 望 台 を 設 けることと した 鉄 塔 の 形 式 は 四 角 構 桁 式 自 立 鉄 塔 であ り 本 格 的 な 展 望 台 の 設 置 されたテレビ 塔 と しては 日 本 の 先 駆 けとなった 同 テレビ 塔 は アンテナの 乱 立 を 避 ける 意 味 から NHK の みならず 民 間 放 送 局 との 共 用 集 約 鉄 塔 とな り 本 格 的 なテレビ 放 送 時 代 到 来 のモデル ケースとして 位 置 づけることができる その 後 1968( 昭 和 43) 年 に 地 上 100 m に 展 望 バルコンが 完 成 した( 写 真 3) 名 古 屋 テレビ 塔 建 設 の 成 功 は 日 本 各 地 に 類 似 の 鉄 塔 建 設 を 促 した それは 大 きく 三 つ に 大 別 することができる 一 つは 大 規 模 鉄 塔 に 展 望 台 を 設 置 し 主 として 観 光 目 的 に 利 用 しようとする 試 みである この 例 としては 1956( 昭 和 31) 年 に 完 成 した 大 阪 の 通 天 閣 ( 二 代 目 )があげられる 1943( 昭 和 18) 年 に 初 代 の 通 天 閣 が 焼 失 して 後 二 代 目 通 天 閣 の 建 設 機 運 が 盛 り 上 がった 初 代 の 通 天 閣 の 存 在 が 景 観 要 素 として 人 々の 心 象 イメージ に 深 く 関 わっていたことが 二 代 目 通 天 閣 の 建 設 に 結 びついたものといえよう 同 塔 は 民 間 人 の 手 により 株 式 会 社 が 設 立 され 株 券 を 発 行 することで 建 設 費 を 捻 出 するなど 他 で は 見 られない 手 法 がとられた 設 計 者 は 内 藤 多 仲 であり 103 m の 鉄 塔 が 初 代 の 場 所 とは 異 なる 現 在 の 位 置 に 建 設 された 展 望 台 は 91 m に 設 置 され 名 古 屋 テレビ 塔 のものより 8

都 市 のアメニティとランドマーク 1 m 高 い 位 置 であったことから 当 時 は 東 洋 一 の 展 望 台 として 宣 伝 された 現 在 でも 大 阪 新 世 界 のシンボルとして 欠 かすことのできな いランドマークとなっている 民 間 人 の 手 に よる 同 塔 は 広 告 塔 として 大 手 製 作 所 の 名 称 が イルミネーションによって 表 示 され 大 時 計 により 時 刻 が 表 示 され 塔 頂 部 には 円 筒 形 二 段 表 示 で 天 気 予 報 が 示 されるなど 他 の 鉄 塔 には 見 られない 特 徴 を 有 している その 他 横 浜 マリンタワー(106 m)(1961 年 ) 神 戸 ポー トタワー(108 m)(1963 年 )など 港 湾 に 隣 接 する 鉄 骨 鉄 パイプづくりの 展 望 塔 が 建 設 された ちなみに 横 浜 マリンタワーは 正 式 な 灯 台 の 役 割 も 担 っている 二 つ 目 は 同 形 式 のテレビ 塔 建 設 と 都 市 のシ ンボルゾーンにおけるアイストップ ビュー ポイントの 成 立 である 1957( 昭 和 32) 年 8 月 に 完 成 した 札 幌 テレビ 塔 は 内 藤 多 仲 の 設 計 で 名 古 屋 テレビ 塔 と 同 様 に 官 民 一 体 となり 建 設 され テレビ 放 送 のみならず 教 育 文 化 科 学 観 光 への 利 用 といった 複 合 的 目 的 が 謳 われた 名 古 屋 テレビ 塔 と 同 様 に 札 幌 のシン ボルゾーンとして 位 置 づけられる 大 通 ( 公 園 ) の 一 角 に 建 設 され 市 民 及 び 観 光 客 のアイス トップ ビューポイントとしてランドマーク 化 されている 23) 札 幌 市 は 計 画 都 市 として 中 心 部 は 条 丁 目 によって 明 確 な 街 路 区 画 が 施 さ れており 四 分 方 位 を 容 易 に 確 認 できる そ の 座 標 のほぼ 原 点 に 位 置 するのがテレビ 塔 で あり 人 々の 空 間 認 識 を 支 えるランドマーク としての 機 能 も 果 たしている 三 つ 目 は 名 古 屋 テレビ 塔 の 成 功 が 首 都 東 京 のテレビ 塔 建 設 を 促 進 したことである 設 計 者 である 内 藤 多 仲 は 名 古 屋 テレビ 塔 の 成 功 に 自 信 を 深 め 東 京 タワーの 設 計 に 携 わっ た 塔 の 高 さは 関 東 エリア 半 径 100 km 圏 を 受 信 可 能 範 囲 とするために 333 m と 設 定 され た テレビ 塔 のモデルとして 建 設 された 名 古 屋 テレビ 塔 はハード 面 にとどまらず ソフト 面 においても 大 きな 影 響 を 及 ぼした それは 濃 尾 平 野 と 関 東 平 野 といった 広 範 囲 に 及 ぶテ レビ 電 波 送 信 の 必 要 性 放 送 局 の 増 加 に 伴 う 集 約 鉄 塔 の 必 要 性 大 規 模 鉄 塔 に 展 望 台 を 設 置 することによる 観 光 への 寄 与 といった 類 似 性 を 見 出 すことができる 徐 々に 個 別 鉄 塔 が 建 設 されつつあった 東 京 に 景 観 面 からも 集 約 鉄 塔 建 設 の 必 要 性 が 高 まっていたし 首 都 東 京 の 観 光 シンボルとしての 可 能 性 が 潜 在 的 に 存 在 することを 確 信 させるものであった 東 京 タワーが 建 設 されてから 40 有 余 年 を 経 過 し 1 億 4 千 万 人 を 超 える 入 場 者 数 を 数 えて いる 事 実 は 単 なるテレビ 塔 ではなし 得 ない 存 在 であったことの 証 明 である Ⅴ.おわりに 技 術 発 達 に 伴 って 成 立 するテクノランド マークは その 時 代 の 政 治 経 済 文 化 等 を 背 景 に 生 み 出 されてきた そこには 必 然 と 偶 然 とが 折 り 重 なり さまざまな 意 思 決 定 がタ イミングよくなされ 新 たな 構 造 物 が 生 み 出 されていった 本 来 は 機 能 面 が 優 先 されるこ とによって 成 立 するテクノランドマークだ が 景 観 要 素 として 新 たなランドマークへ 結 びついたものも 多 数 存 在 する また 個 々の テクノロジーが 相 互 に 関 連 し 新 たなテクノ ランドマーク 創 出 に 結 びつく 例 も 認 められ る テクノランドマークは 類 似 性 を 保 持 しつ つ 他 の 地 域 へ 伝 播 することも 多 かった そ れらは 生 活 に 密 着 した 実 用 性 に 基 づくもので 9

津 川 康 雄 あったり 地 域 のシンボルやアメニティを 表 象 するランドマークとして 位 置 づけられるも のも 多 い すなわち テクノランドマークは その 時 代 の 景 観 形 成 に 大 きな 役 割 を 果 たして いる テクノランドマークは 単 にテクノロ ジーの 具 現 化 のみならず 人 々にランドマー クとして 認 識 され 多 様 な 感 性 を 呼 び 起 こす 存 在 にもなった テクノランドマークの 中 には 都 市 のシン ボルとして 位 置 づけられるものも 存 在 し シ ンボルゾーンの 形 成 に 寄 与 しているものも 多 々 認 められる その 代 表 例 がテレビ 塔 で あった 日 本 では 1953 年 のテレビ 放 送 の 開 始 が 大 規 模 テレビ 塔 の 建 設 を 促 していった が 単 にテレビ 電 波 の 送 信 塔 としての 大 規 模 鉄 塔 の 建 設 に 終 始 していれば 今 日 見 られる ようなシンボリックなランドマークにはなら なかったのかもしれない エッフェル 塔 建 設 に 端 を 発 する 設 計 者 の 美 的 造 形 センスと 展 望 台 の 設 置 及 びテレビ 塔 設 置 位 置 の 選 択 が 大 きな 意 味 を 持 った 例 えば 名 古 屋 市 にお いては 戦 後 復 興 計 画 における100 m 道 路 の 造 成 地 にテレビ 塔 を 建 設 したことが その 後 の シンボルゾーン 化 への 端 緒 になった また 札 幌 市 における 大 通 ( 公 園 )のシンボルゾー ン 化 に 新 たなアイストップ ビューポイント としての 機 能 を 付 加 し ランドマークとなっ たのがテレビ 塔 であった 東 京 芝 公 園 の 西 端 に 建 設 された 東 京 タワーは 名 古 屋 テレビ 塔 の 成 功 を 機 に 展 望 台 を 設 けたことが その 後 の 東 京 観 光 の 拠 点 となった 完 成 後 40 有 余 年 が 経 過 した 2000 年 に 約 1 億 4 千 万 人 が 同 塔 を 訪 れたという 事 実 は 単 なるテレビ 塔 では なし 得 ない 存 在 であったことの 証 明 である このように 本 来 のテレビ 電 波 の 送 信 施 設 と してのテクノランドマークの 機 能 とは 別 に パリのエッフェル 塔 建 設 以 後 大 規 模 鉄 塔 が もつ 塔 からの 展 望 眺 望 機 能 がさらなる 魅 力 を 付 加 した ここに 都 市 のアメニティを 構 成 する 要 素 の 一 つとして またビューポイン トとしての 機 能 が 付 け 加 わったのである ま た 大 鉄 塔 は 昼 夜 を 問 わずアイストップとし ての 機 能 を 果 たす とくに 夜 間 の 照 明 ライ トアップは 人 々の 注 意 機 能 を 引 き 寄 せる 効 果 がある 闇 の 中 に 浮 かび 上 がるエッフェル 塔 や 東 京 タワーは 単 なるランドマークとしてだ けではなく 人 々の 感 性 に 訴 えかける 存 在 と して 位 置 づけることができる それは ラン ドマークの 持 つシンボル 性 が 発 揮 されること にも 結 びつく すなわち テレビ 塔 は 見 るこ とと 見 られることの 両 側 面 を 有 し 人 々の 仰 瞰 俯 瞰 の 視 点 をもたらすとともに 意 味 ある 存 在 として 人 々の 視 覚 を 刺 激 し 知 覚 作 用 を 促 すのである 一 見 テクノランドマークと は 無 関 係 に 思 える アメリカ 合 衆 国 ニュー ヨークのリバティ 島 に 設 けられた 自 由 の 女 神 像 は 独 立 百 周 年 を 記 念 して 1884 年 にフラ ンスから 贈 られた 鉄 骨 造 りの 銅 製 像 である 制 作 者 はフランスの 彫 刻 家 バルトルディだ が 鉄 骨 の 骨 組 みはエッフェル 塔 の 技 術 が 内 包 されている しかし 鉄 骨 の 組 み 立 てを 基 に 成 形 され 表 面 処 理 がなされ 女 神 像 とし ての 形 が 整 えられることによって 単 なるテ クノランドマークとしての 存 在 から 象 徴 的 な 構 造 物 へと 変 化 する ある 種 の 芸 術 品 に 共 通 する 特 性 を 持 つに 至 ったともの 言 えよう 言 い 換 えれば テクノランドマークは 人 間 の 知 恵 と 努 力 に 支 えられ テクノロジーの 発 達 を 超 えた 存 在 へと 昇 華 することもある テクノランドマークに 限 らず 形 あるもの 10

都 市 のアメニティとランドマーク は 何 らかの 人 為 的 操 作 が 加 わらなければ い ずれ 変 化 し 消 滅 する 運 命 にある 時 代 に 翻 弄 され 易 いテクノランドマークにその 傾 向 が 強 いものと 考 えられる しかし 近 代 化 遺 産 の ように 単 なる 技 術 を 具 現 化 する 構 造 物 を 超 え た 存 在 となり 人 々から 支 持 され 高 い 評 価 を 受 ける 存 在 であるならば 引 き 続 き 保 存 され 再 生 (リニューアル)されることも 予 想 され る このように テクノランドマークはテク ノロジーの 発 達 と 軌 を 一 にしながらも 人 々 の 空 間 認 識 を 支 え 地 域 における 象 徴 的 なラン ドマークになることも 多 い したがって テ クノランドマークの 意 味 と 重 要 性 を 認 識 し 景 観 形 成 に 反 映 させることが 地 域 づくりにお いても 必 要 になると 思 われる 以 上 のように 都 市 のアメニティは ソフ ト ハードの 両 面 から 形 成 されるが とくに ランドマークの 有 する 象 徴 性 記 号 性 場 所 性 を 背 景 としたアイストップ ビューポイン トとしての 機 能 が 重 要 なものとなろう それ は 人 々にとって 単 なる 視 覚 要 素 としてのみ ならず 歴 史 性 を 反 映 する 対 象 であり 都 市 構 造 上 の 重 要 な 要 素 として 捉 えられるからに 他 ならない そこには 慰 安 や 安 らぎ 潤 い といった 感 性 を 育 むアメニティへと 昇 華 する 対 象 となることが 求 められる 付 記 この 研 究 をまとめるにあたり 平 成 15 年 度 高 崎 経 済 大 学 特 別 研 究 奨 励 金 都 市 空 間 における 象 徴 的 ランドマークとその 要 件 ( 研 究 代 表 者 津 川 康 雄 ) の 一 部 を 使 用 した なお 本 稿 中 の 写 真 1~3は 筆 者 の 撮 影 による 注 1) 日 本 建 築 学 会 編 建 築 都 市 計 画 のための 空 間 学 事 典 井 上 書 院 1996 19 頁 2)リンチ( 丹 下 健 三 富 田 玲 子 訳 ) 都 市 のイ メージ 岩 波 書 店 1968 55 ~ 113 頁 3) 津 川 康 雄 地 表 空 間 におけるランドマークと その 意 義 立 命 館 地 理 学 9 1997 17 ~ 29 頁 4) 津 川 康 雄 空 間 的 位 置 とランドマークの 関 係 地 域 政 策 研 究 3-2 2000 21 ~ 33 頁 5) 津 川 康 雄 位 置 決 定 に 伴 うランドマークの 成 立 過 程 日 本 標 準 子 午 線 を 例 として 地 域 政 策 研 究 4-2 2001 1 ~ 14 頁 6) 津 川 康 雄 自 然 的 ランドマークとその 要 件 地 域 政 策 研 究 2-1 2 1999 117 ~ 131 頁 7) 津 川 康 雄 京 都 の 観 光 要 素 立 命 館 地 理 学 5 1993 17 ~ 29 頁 8) 津 川 康 雄 ランドマークの 形 成 と 地 理 的 慣 性 城 郭 を 中 心 として 高 崎 経 済 大 学 論 集 39-3 1996 21 ~ 42 頁 9) 津 川 康 雄 宗 教 的 ランドマークとその 要 件 大 観 音 像 を 例 として 立 命 館 地 理 学 10 1998 49~58 頁 10) 津 川 康 雄 宗 教 的 ランドマークの 成 立 過 程 大 観 音 像 を 例 として 地 域 政 策 研 究 1-1 1998 87 ~ 101 頁 11) 津 川 康 雄 テクノランドマークの 成 立 過 程 テレビ 塔 を 中 心 に 地 域 政 策 研 究 5-1 2002 25~40 頁 12) 谷 岡 武 雄 フランスの 都 市 を 歩 く 大 阪 書 籍 1983 201 ~ 249 頁 13) 建 設 省 住 宅 局 建 築 指 導 課 市 街 地 建 築 課 監 修 建 築 まちなみ 景 観 の 創 造 ( 隈 研 吾 : 都 市 デ ザインの 世 界 的 潮 流 ) 技 報 堂 出 版 1994 32 ~42 頁 14) 吉 見 俊 哉 博 覧 会 の 政 治 学 まなざしの 近 代 中 公 新 書 1090 1992 66 ~ 83 頁 15)ロラン バルト( 宗 左 近 諸 田 和 治 訳 伊 藤 俊 治 図 版 監 修 ) エッフェル 塔 ちくま 学 芸 文 庫 1997 24 ~ 28 頁 16) 朝 倉 賢 札 幌 街 並 み 今 昔 北 海 道 新 聞 社 編 2000 24 ~ 31 頁 17) 片 木 篤 テクノスケープ 都 市 基 盤 の 技 術 とデザイン 鹿 島 出 版 会 1995 全 233 頁 18) 伊 東 孝 日 本 の 近 代 化 遺 産 新 しい 文 化 財 と 地 域 の 活 性 化 岩 波 新 書 695 2000 1 ~38 頁 19) 日 本 テレビ 放 送 網 株 式 会 社 総 務 局 編 テレ ビ 塔 物 語 創 業 の 精 神 を いま 1984 全 267 頁 20) 新 修 名 古 屋 市 史 編 集 委 員 会 新 修 名 古 屋 市 史 第 七 巻 名 古 屋 市 1998 130 ~ 150 頁 21) 伊 藤 徳 男 名 古 屋 の 街 戦 災 復 興 の 記 録 中 日 新 聞 本 社 開 発 局 1988 49 ~ 222 頁 22) 日 本 人 名 大 事 典 現 代 平 凡 社 1979 541 頁 現 代 人 物 事 典 朝 日 新 聞 社 1977 928 頁 23) 北 海 道 観 光 事 業 ( 株 ) 編 札 幌 テレビ 塔 二 十 年 史 1978 全 115 頁 11

津 川 康 雄 résumé Les aménités et les points de repère des villes TSUGAWA Yasuo* Les aménités évoquent la notion d agrément à la fois dans le cadre de l habitat mais aussi dans le cadre plus général de l urbanisme. En milieu urbain, les aménités peuvent être condidérées comme des équipements ou des installations permettant aux bâtiments et aux espaces de mettre en valeur l agrément de l habitat. Les aménités englobent par exemple la gestion environnementale ainsi que les styles architecturaux des bâtiments. Le champ d application des aménités est variable selon la taille et l importance des villes mais reste fidèle à l idée d optimisation de la qualité de la vie et le confort sur la vie sociale. Ainsi, les aménités exercent une grande influence sur notre vie puisqu ils façonnent notre habitat mais aussi la structure urbaine qui l englobe. D autre part, la perception visuelle humaine distingue en premier lieu la couleur, la forme et les sources de lumière. L homme perçoit ainsi les éléments particuliers d un site et les définit comme éléments caractéristiques. Au cours de sa longue histoire, l homme a organisé la vie sociale en s adaptant à l environnement naturel mais aussi en le modifiant selon ses besoins. L aménagement du territoire par la main de l homme a cependant permis l émergence de divers sites. Le site est, soit l environnement naturel, soit le produit du mélange de l environnement naturel et de l environnement humain. L homme est en outre influencé dans sa conception de l espace par son etroite relation avec son milieu naturel. Et, cette relation, en se formant en le mémoire et le facteur psychologique de l homme, forme l limage sur l espace et la conception originale du paysage de chaque personne. Cette relation a été soulignée par Monsieur K. Lynch dans ses ecrits sur l image des villes. K. Lynch a défini trois critères de définition de l image des villes: identité, structure, signification. Au terme des enquêtes sur 3 villes des Etats-Unis, il a extrait 5 éléments constituant l image de la ville: sentiers, bords, district, noeuds et points de repère. En conclusion, K. Lynch a mis en lumière le fait que l image des villes, caractérisée par leurs beaux profils, était composée par l intégration des points de repère. Ainsi, le paysage des villes est constitué par divers éléments visuels. De plus, les éléments visuels principaux sont considérés comme les symboles des villes et jouent un rôle primordial pour engendrer la localité. En outre, même si les habitants de ces villes ne sont pas naturellement conscients que ces éléments visuels constituent les points de repère principaux, ces éléments visuels soutiennet les activités des habitants et sont considérés dans beaucoup de cas comme des éléments des aménités de ville. Cette thèse, met en valeur les conditions de création des points de repère principaux de ville et a 12

都 市 のアメニティとランドマーク pour but d eclaircir la relation entre les aménités et les points de repère de villes. Ces points de repère principaux sont des éléments qui attirent la vue des hommes, créent des foyers, structurent l espace et caractérisent les sites. Plus concrètement, j ai analysé le processus de la construction des grandes tours à Paris en France ainsi que dans celles au Japon par le biais du développement de la technologie et la structure des villes. Par cette analyse, j ai tiré une conclusion que les points de repère comme les points de repère principaux sont indispensables pour aménager les aménités des villes. De plus, les points de repère possédant les éléments de base (tel que le symbolisme et le signe) et qui caractérisent ainsi les sites comme indispensable sont considérés comme des symboles des villes. Autrement dit, j en conclus que les points de repère comme les points de repère principaux soutiennent visuellement et spirituellement les activités des hommes, cultivent la vie et la sensibilité des hommes. Ils forment les éléments créateurs des aménités sociales. En outre, il est à signaler que la vue depuis des obserbatoires de ces points de repère donne le plaisir d apprécier les sites, ce qui augmente les aménités des villes. * Takasaki City University of Economics 13