安 田 女 子 大 学 紀 要 41,363 370 2013. WordPressを 用 いた 効 率 的 な 情 報 発 信 と 大 学 学 科 サイトへの 応 用 AnEficientMethodofInformationTransmissionUsingWordPressand itsapplicationforfacultywebsites TakuyaSAKAGUCHI 1. は じ め に インターネットが 社 会 に 浸 透 し,またタブレット PCやスマートフォンといった 情 報 端 末 が 普 及 しつつある 現 在,webによる 広 報 の 重 要 性 はますます 高 まってきていると 言 える 一 方 で 情 報 の 発 信 者 に 対 しても,Twiterのような 気 軽 なつぶやきから Ustream のようなリアルタイム 配 信 まで, 様 々な 表 現 方 法 が 加 わり, 発 信 者 や 受 信 者 のニーズに 合 わせたサービスを 展 開 できるよう になってきた 更 に 近 年 では,こうしたサービスを 通 じて webに 蓄 積 された 情 報 を ビッグデー タ として 捉 え,これを 適 切 にデータマイニングすることで 新 たな 知 を 生 み 出 す 研 究 も 進 められ ている [1] 本 研 究 はこうした 背 景 を 踏 まえた 上 で, 大 学 から 社 会 に 向 けた 情 報 発 信 に 着 目 し, 特 に 安 田 女 子 大 学 短 期 大 学 ( 以 下, 本 学 )の 学 科 独 自 サイトについて, 効 率 的 かつ 発 展 的 な 構 築 運 用 手 段 を 検 討 したものである 具 体 的 には,オープンソースのブログソフトウェアである WordPress の 導 入 を 検 討 し, 本 学 の web 環 境 に 基 づいた 実 装 方 法 について 提 案, 検 証 する 以 降, 本 稿 では 第 2 章 で 本 学 における webサイトの 運 用 状 況 と 問 題 点 について 言 及 し, 第 3 章 で WordPressの 特 徴 や 先 行 研 究 を 整 理 する そして 第 4 章 で,これらを 踏 まえた 具 体 的 な 実 装 方 法 について 提 案 すると 共 に, 本 学 で 実 際 に 構 築 運 用 が 進 められている 実 践 例 を 紹 介 する 最 後 に 第 5 章 で 本 研 究 をまとめ, 将 来 の 展 望 を 概 観 する 2. 安 田 女 子 大 学 短 期 大 学 における webサイトの 運 用 2.1 webサイトの 概 要 本 学 の webサイトは 現 在, 大 学 公 式 サイトと 学 科 独 自 サイトによって 構 成 されている 前 者 は 包 括 的 で 静 的 な 情 報, 一 方 後 者 は 学 科 ごとのリアルタイムな 情 報 を 発 信 する 役 割 を 担 っており, 本 研 究 では 特 に 後 者 の 構 築, 運 用 方 法 に 言 及 する 2.2 現 状 の 問 題 点 現 在 の 学 科 独 自 サイトの 多 くは,HTMLオーサリングソフトもしくはフルスクラッチで 構 築 さ れており, 各 学 科 の 担 当 教 員 がその 管 理 更 新 を 行 っている 学 科 独 自 サイトはその 性 質 上, 学
364 科 ごとの 特 徴 を 反 映 し,かつ 情 報 が 頻 繁 に 更 新 されることが 望 ましいが, 現 状 では 以 下 のような 幾 つかの 問 題 点 が 存 在 する (a)スクラッチで 作 成 した HTMLでは W3Cに 準 拠 していないケースも 多 く, 特 にブラウザが 多 様 化 し た 現 在 において,レイアウトが 崩 れてしまう 可 能 性 がある (b) 過 去 の iframeタグのように 脆 弱 性 が 発 見 された 場 合, 情 報 に 疎 い 管 理 者 の 場 合 は 対 応 が 遅 れる 可 能 性 がある (c)いわゆるスパゲティコードになった HTMLは,Webページを 重 くする 要 因 になる 他, 管 理 者 間 の 引 継 ぎが 難 しい (a)については, 具 体 的 には Firefoxや Chrome,Operaといったブラウザの 他, 情 報 端 末 自 体 もタブレット PCやスマートフォンなど 多 様 化 の 傾 向 にあり,これらの 組 合 せ 全 てについて 正 しいレイアウトが 維 持 できているかを 確 認 することは 現 実 的 ではない また(c)については,デ ザインの 大 幅 な 更 新 やコンテンツの 追 加 を 躊 躇 わせ, 結 果 的 に, 理 解 できるコードの 範 囲 の 細 々 と 記 事 を 更 新 する 結 果 に 陥 りがちである こうしたリスクやコストの 問 題 からサイトの 管 理 者 を 解 放 し, 学 科 の 魅 力 や 現 状 を 発 信 するた めのコンテンツ 制 作 に 専 念 するために, 本 研 究 では 次 章 で 述 べる WordPressの 導 入 を 提 案 する 3. WordPress 3.1 WordPressの 概 要 WordPressはブログソフトウェアの 一 種 であり, 様 々な 情 報 を 高 い 自 由 度 で 簡 単 に 発 信 できる システムである 具 体 的 には, 様 々な 情 報 をブログ 形 式 で 簡 便 に 追 記 できる 投 稿 ページと, 比 較 的 静 的 な 情 報 を 扱 う 固 定 ページから 構 成 されており,これらを 自 由 に 作 成, 編 集 してトップペー ジのメニューからリンクさせることで, 本 格 的 な webサイトを 構 築 できる 各 記 事 やページの 作 成 は,いわゆる WYSIWYGに 対 応 しており, 本 来 webページを 構 築 する 上 で 必 要 となる HTML の 知 識 を 持 たないユーザでも, 自 分 のイメージに 近 いデザインを 実 現 できる 点 が 特 徴 である WordPressはオープンソースであり,GPLに 従 って 配 布 されているため, 商 用 非 商 用 を 問 わ ず, 誰 でも 無 料 で 自 由 に 利 用 できる また, 様 々なプラグイン( 拡 張 機 能 )に 対 応 しており,こ れらを 導 入 することで 検 索 効 率 の 向 上 やスマートフォンへの 対 応,セキュリティの 強 化 を 行 うこ とができる なお,WordPressの 動 作 には,PHP(ver.5.2 以 上 )と MySQL(ver.5.0.15 以 上 )が 必 要 であ る 前 者 は WordPressのプログラムを 動 作 させるための 実 行 環 境, 後 者 はコンテンツを 管 理 する ためのデータベースシステムである いずれも 無 料 で 入 手 できるが, 既 存 のサーバを 用 いて 環 境 を 構 築 する 場 合,これらが 動 作 中 の 他 のシステムに 影 響 しないことを, 事 前 に 確 認 しておく 必 要 がある 3.2 WordPressの 特 徴 WordPress 導 入 の 利 点 としては, 以 下 のようなことが 挙 げられる (a) 管 理 者 に HTMLの 知 識 が 無 くとも,WYSIWYGで 簡 単 にコンテンツの 作 成 が 可 能 (b)htmlタグでの 記 述 にも 対 応 しており, 自 由 度 の 高 いページデザインにも 対 応 (c)コンテンツの 管 理 にデータベースを 用 いるため, 運 用 や 引 継 ぎが 容 易
WordPressを 用 いた 効 率 的 な 情 報 発 信 と 大 学 学 科 サイトへの 応 用 365 (d)オープンソースで 日 々システムがアップデートされるため,セキュリティホールが 見 つかった 場 合 迅 速 に 対 応 される (e)タブレット PCやスマートフォンなど, 多 様 な 情 報 端 末 に 対 応 可 能 (f) テーマやプラグインが 豊 富 であり, 拡 張 性 が 高 い 上 記 のうち, 特 に(a)と(b)が 両 立 している 事 は 重 要 と 考 える これによりイベントの 告 知 や 報 告 といった 新 鮮 なコンテンツを 迅 速 にアップすることも, 学 科 紹 介 のような 静 的 なコンテン ツをじっくり 制 作 することも 可 能 であり, 学 科 オリジナルサイトに 対 する 様 々な 要 求 を 満 たすこ とができる また(d)に 関 しても,セキュリティ 管 理 を 単 独 で 行 わなければならない 現 状 に 対 して 大 きな 利 点 と 言 える ただし, 全 てをアップデートのみに 依 存 するのはやはり 危 険 であり, 管 理 者 は WordPressの 現 状 を 常 に 把 握 し,セキュリティに 対 する 十 分 な 意 識 と 準 備 を 怠 らないこ とが 依 然 として 肝 要 である 3.3 関 連 研 究 WordPressは 比 較 的 よく 知 られたシステムであり, 大 学 内 での 具 体 的 な 運 用 に 関 する 報 告 やア クセシビリティ 向 上 に 関 する 提 案 など, 幅 広 く 研 究 が 展 開 されている 前 者 は 学 内 コミュニケー ションツールとしての 運 用 [2] や, 映 像 をアップロードして 語 学 学 習 に 活 用 しているケース [3] な どが 報 告 されており,また 後 者 に 関 しては WordPressのデザインテンプレートを 改 良 し,ユーザ のニーズに 合 わせたページを 動 的 に 表 示 するシステム [4] などが 知 られている 一 方, 本 学 のような 学 科 独 自 サイトへの 応 用 についても 既 に 幾 つかの 事 例 があり, 国 内 では 東 京 工 科 大 学, 昭 和 女 子 大 学, 神 戸 芸 術 工 科 大 学, 倉 敷 芸 術 科 学 大 学, 常 葉 学 園 大 学, 浦 和 大 学 な どが WordPressを 利 用 したサイトを 構 築 している [5] また,オープンソースの 利 用 に 積 極 的 な 海 外 では,ハーバード 大 学 法 科 学 科 やコーネル 大 学 音 楽 学 科,ベルリン 大 学 といった 有 名 大 学 に おいても 利 用 の 実 績 がある [6] 4. 大 学 学 科 サイトへの 実 装 4.1 実 装 方 法 WordPressを 用 いて 学 科 ページをリニューアルする 際,その 構 成 には 幾 つかの 可 能 性 が 考 えら れる 具 体 的 には, 以 下 のような 方 法 が 挙 げられる( 図 1 参 照 ) (a) 各 学 科 ごとに WordPressを 立 ち 上 げ, 全 面 リニューアル (b) 全 学 科 で 共 通 の WordPressを 立 ち 上 げ, 全 面 リニューアル (c) 全 学 科 で 共 通 の WordPressを 立 ち 上 げ,Topicsだけを 移 植 上 記 のうち,(a) 案 は 従 来 の 各 学 科 ページをそのまま WordPressで 実 装 する 方 法 であり, 現 状 に 最 も 近 いスタイルと 言 える この 場 合, 学 科 単 位 で 別 々の WordPressを 立 ち 上 げ,コンテンツ やデザインを 独 立 して 管 理 するため, 学 科 ごとの 特 色 を 出 しやすいというメリットが 挙 げられる これに 対 し,(b) 案 は 全 学 科 のコンテンツを 単 一 の WordPressで 一 括 管 理 する 方 法 であり, 学 科 の 区 別 はサイト 内 の カテゴリ によって 行 う デザインやコンテンツのフレームワークが 統 一 されるため, 各 学 科 に 対 する 柔 軟 性 は 失 われるが, 一 方 で オリゼミ や まほろば 祭 といっ た, 学 科 とは 別 のカテゴリでコンテンツを 束 ねることが 可 能 となる これは 従 来 の 学 科 ページに
366 図 1 WordPressの 学 科 独 自 サイトに 対 する 実 装 イメージ は 無 かった 発 想 であり, 様 々な 学 科 の 様 子 を 横 断 的 に 調 べたいユーザに 対 し,アクセシビリティ を 大 きく 向 上 させることができる 最 後 に(c) 案 は 従 来 の 学 科 ページを 残 しつつ, 更 新 頻 度 の 高 い Topicsのみを(b) 案 の Word- Pressによって 実 装 するというハイブリッド 方 式 であり, 各 学 科 への 柔 軟 性 と, 前 述 したような コンテンツの 多 角 的 なカテゴライズを 両 立 させることが 可 能 である これらのうち, 本 稿 では 特 に(a) 案 について 掘 り 下 げ, 本 学 の 環 境 における 具 体 的 な 実 装 方 法 を 提 案 する 4.2 サーバの 環 境 設 定 本 学 では 現 在,webサイト 専 用 のサーバを 保 有 し, 大 学 公 式 サイトや 学 科 独 自 サイトを 運 営 し ている また,これとは 別 に 現 在 休 止 中 のサーバがあり, 本 研 究 では 実 験 用 としてこのサーバ(ホ スト 名 :WPWEB1)を 使 用 させていただいた 同 サーバの OSは MicrosoftWindows Server2003 であり,webサーバソフトは MicrosoftInternetInformationServices( IS)6.0 である このサーバ 上 に WordPressを 展 開 するため,PHP5.3.8および MySQL5.5.17をインス トールした また,これに 先 立 ち, IS6.0 上 で PHP5.3を 動 作 させるためのシステムとして FastCGI1.5をインストールし, 更 に PHP.iniファイルを 手 動 で 変 更 して, 動 作 確 認 を 行 った 最 後 に,MySQL 上 で WordPressに 必 要 なデータベースを 学 科 ごとに 作 成 し,IDとパスワードの 設 定 を 行 った 4.3 WordPressによる 学 科 独 自 サイトの 構 築 前 節 で 述 べたサーバ(WPWEB1)に WordPressをインストールし, 動 作 確 認 と 設 定 を 行 った 本 研 究 で 使 用 した WordPressのバージョンは3.2.1である まず, 本 学 の 学 科 独 自 サイトとしての 体 裁 を 整 えるため,カテゴリーやウィジェットの 設 定, コメント 機 能 の 停 止 などの 設 定 を 行 った 次 に, 学 科 独 自 サイトの 共 通 的 なサイトマップを 設 計 し,これらを WordPressの 投 稿 ページと 固 定 ページにより 構 築 した( 図 2 参 照 ) 本 学 の 学 科 独 自 サイトの 多 くは, 日 常 の 出 来 事 やイベ ントを 紹 介 していく 動 的 なページと, 学 科 紹 介 や 教 職 員 紹 介 といった 比 較 的 静 的 なページに 大 別 される ここでは, 前 者 を WordPressの 投 稿 ページ, 後 者 を 固 定 ページに 対 応 させることで, 学
WordPressを 用 いた 効 率 的 な 情 報 発 信 と 大 学 学 科 サイトへの 応 用 367 図 2 学 科 独 自 サイトのサイトマップ テンプレート 図 3 学 科 独 自 サイトのサンプルデザイン
368 科 独 自 サイト 全 体 を 移 植 した( 図 3 参 照 ) 4.4 コンテンツの 更 新 本 学 の 学 科 独 自 サイトは, 同 内 容 のものが 下 書 き 用 サーバ(ホスト 名 :WWW 2)と 公 開 用 サー バ(ホスト 名 :WWW 1)の2つのサーバ 上 で 管 理 されている サイトを 更 新 する 際 は,まず 更 新 担 当 者 が 前 者 のサーバ 上 で 作 業 を 行 い, 稟 議 を 提 出 して 承 認 された 後 に, 管 理 者 がこれを 後 者 のサーバにコピーし, 公 開 する こうした 方 法 により, 本 学 では 自 由 度 の 高 いコンテンツ 更 新 と, 外 部 への 安 全 な 公 開 とを 両 立 させている 学 科 独 自 サイトを WordPressで 構 築 する 際 も,この 一 連 の 手 続 きをできるだけ 踏 襲 することが 望 ましい そこで 本 研 究 では,データベースと WordPressを 各 学 科 に2つずつ 用 意 し, 一 方 を 下 書 き 用,もう 一 方 を 公 開 用 とした 上 で, 両 者 の 間 でデータを 可 能 な 限 り 簡 便 にコピーで きる 方 法 を 模 索 した( 図 4 参 照 ) WordPressの 場 合, 原 則 としてサイトデザインは cssファイルとして, 投 稿 記 事 に 付 属 する 画 像 などは 個 別 のデータファイルとして,それぞれ 保 存 される 一 方, 投 稿 記 事 本 文 やメタデータ, WordPress 本 体 の 設 定 などは MySQLのデータベース 内 に 記 録 される これらのことから,Word- Pressのコピーにはファイルとデータベースの 双 方 を 考 慮 する 必 要 がある 前 者 はフォルダ 全 体 のコピーで 実 現 できるが, 後 者 はプラグインの 利 用 を 含 め 複 数 の 方 法 が 考 えられ,それぞれに 手 順 や 特 徴 が 異 なる ここでは mysqldumpクライアントを 用 い, 下 書 き 用 データベースのバック アップファイルを 作 成 し,これを 公 開 用 データベースにリストアすることで,データベース 全 体 のコピーを 実 現 させた その 際, 下 書 き 用 と 公 開 用 とで URL 情 報 が 異 なるため,バックアップ ファイルを 直 接 編 集 し,これを 一 括 置 換 することで 対 応 した この 方 法 はプリミティブで 安 定 的 であるが,バックアップファイルを 直 接 編 集 するため, 誤 って 他 のデータを 破 壊 しないよう 注 意 が 必 要 である また, 置 換 の 過 程 で URL 情 報 の 文 字 列 の 長 さが 変 わってしまうと,WordPress 側 でファイルを 認 識 できないバグが 一 部 で 確 認 された このため URLの 文 字 数 は, 下 書 き 用 と 公 開 用 とで 揃 える 必 要 がある 図 4 学 科 独 自 サイトの 更 新 フロー( 左 : 従 来 のサイト/ 右 :WordPressによるサイト)
WordPressを 用 いた 効 率 的 な 情 報 発 信 と 大 学 学 科 サイトへの 応 用 369 4.5 WordPressを 用 いたサイトの 実 践 本 学 において, 学 科 独 自 サイトを WordPressにより 構 築, 運 用 する 構 想 は2011 年 に 始 まり, 現 在 では 文 学 部 書 道 学 科, 心 理 学 部 心 理 学 科 の2 学 科 が, 実 際 に WordPressによるサイトの 外 部 公 開 を 実 践 している いずれも 学 科 紹 介 や 教 職 員 紹 介 といった 固 定 ページに 加 え, 各 種 イベント 実 施 報 告 などの 記 事 を 随 時 更 新 していくスタイルで, 独 自 のテーマを 利 用 した 完 成 度 の 高 いサイト となっている また, 英 語 英 米 文 学 科, 保 育 科, 秘 書 科 も WordPressの 導 入 を 検 討 し, 公 開 のた めの 準 備 を 進 めている 一 方 で,いずれの 学 科 も 従 来 の 学 科 独 自 サイトの 運 営 は 継 続 しており,WordPressによる 新 し いサイトがこれを 代 替 するには 至 っていない 今 後 は 本 研 究 を 更 に 推 進 し, 提 案 手 法 の 効 率 性 や 安 全 性 を 実 証 した 上 で,WordPressによる 新 サイトへの 完 全 移 行 が 期 待 される 5. お わ り に 本 稿 では, 大 学 の 重 要 な 情 報 発 信 源 のひとつとして 学 科 独 自 サイトに 着 目 し, 本 学 における 運 用 状 況 を 概 観 した 上 で, 問 題 点 を 整 理 した 一 方, 効 率 的 で 発 展 性 の 高 い 運 用 方 法 として Word- Pressの 利 用 を 検 討 し,その 特 徴 や 関 連 研 究 などを 踏 まえつつ, 本 学 における 具 体 的 な 実 装 方 法 を 提 案 した また, 提 案 手 法 を 実 践, 発 展 させた 形 で, 既 に 書 道 学 科 をはじめ 幾 つかの 学 科 が, WordPressを 用 いた 学 科 独 自 サイトの 構 築 に 実 査 に 取 り 組 んでいる 事 例 を 紹 介 し, 本 研 究 の 有 効 性 が 示 唆 された 今 後 の 課 題 としては,まずコンテンツの 更 新 担 当 者 やサイト 管 理 者 に 対 する 評 価 をフィードバッ クさせつつ, 提 案 手 法 を 更 にブラッシュアップし,サイト 構 築 や 管 理 の 作 業 負 荷 を 下 げることが 求 められる 一 方 で 内 部 評 価 だけでなく, 外 部 ユーザからの 評 価 についても 言 及 し,アクセス 解 析 などを 通 じて 定 量 的 に 調 査 していくことが 必 要 であろう 一 方 で, 第 1 章 で 述 べたようなマルチデバイスへの 対 応 や, 第 3 章 で 言 及 したような 学 科 横 断 的 なコンテンツの 提 供 は,アクセシビリティ 向 上 において 極 めて 重 要 な 要 素 であると 同 時 に, 大 学 の 魅 力 を 様 々な 形 で 発 信 できる 可 能 性 を 秘 めている 最 後 に,WordPressを 利 用 することで, 様 々な 学 科 情 報 がデータベース 上 に 高 い 参 照 整 合 性 を 以 って 蓄 積 されていくため,データマイニングによる 新 たな 知 識 の 発 見 が 期 待 できる 個 人 的 に もぜひ 取 り 組 んでみたいテーマの 一 つである 参 考 文 献 [1], 電 子 掲 示 板 における TV 番 組 実 況 コメントの 自 己 組 織 化 と 動 画 要 約 への 応 用, 情 報 処 理 学 会 研 究 報 告 数 理 モデル 化 と 問 題 解 決,Vol.2011-MPS-86,No.24,pp.1 2,2011. [2] Matsubara,J., BuildinganOnlineCommunitythroughWordPress, 神 田 外 語 大 学 紀 要,Vol.22,pp. 451 460,2010. [3]Burrow,S., UsingaWordpress.com SiteWithColegeClasses:RecommendationsandBenefits, 文 化 と 言 語 : 札 幌 大 学 外 国 語 学 部 紀 要,Vol.76,pp.1 11,2012. [4] 二 橋 宣 友, 松 本 慎 平, 加 島 智 子, 末 並 晃, 中 村 憲 明, Wordpressを 用 いたコンバージョン 率 向 上 手 法 の 提 案, 情 報 処 理 学 会, 第 72 回 全 国 大 会 講 演 論 文 集,Vol.1,pp.737 738,2010. [5]WordPress 導 入 事 例 紹 介 - 大 学 ( 国 内 ),htp://technolog.jp/website/cms/3777,2010. [6]WordPress 導 入 事 例 紹 介 - 教 育 機 関,htp://technolog.jp/website/cms/599,2009.
370 Summary Inthisstudy,wehavesuggestedaneficientanddevelopmentalmethodtooperateafaculty website,mentioningtoanavailabilityofwordpress,afreeblogsystem designedonthepolicyof GPL. Wehaveshownanoverview aboutanoperationofoficialwebsitesatyasudawemen s University/Colegetorevealsomeproblems,whileconsideringtotheprocedureofimplementationofWordPresstothewebsites. Severalfacultieshavebeguntoconstructandoperatetheir ownwebsiteusingwordpressbasedonthemethodwehavesuggested,whichimpliesthe eficacyofourstudy. 2012. 9.27 受 理