資 料 3-6 自 動 車 関 連 情 報 とICT 2014 年 04 月 10 日 株 式 会 社 野 村 総 合 研 究 所 コンサルティング 事 業 本 部 ICT メディア 産 業 コンサルティング 部 100-0005 東 京 都 千 代 田 区 丸 の 内 1-6-5 丸 の 内 北 口 ビル
自 動 車 そのもののIT 化 と 並 行 した ICT( 特 にネットワーク)と 自 動 車 との 接 点 は3サイクル 目 GPSの 本 格 導 入 計 量 化 コモディティ 化 自 動 車 視 点 での 最 適 化 スマホ 連 携 ナビ 情 報 サービス Connected Car 1970 年 代 後 半 ~80 年 代 前 半 1979~84 1997~2001 2010~2014 自 動 車 メーカによる 自 動 車 メーカによる 第 一 次 統 合 第 二 次 統 合 サービス ナビとネットワーク スマホは 敵 か 味 方 か 自 動 車 電 話 は 弁 護 士 と プロ 野 球 選 手 のもの ナビは 高 級 車 に 限 定 ICT ネット(スマホ)からの 第 二 次 参 入 車 は 走 る 端 末 1
ICTの 思 惑 (1) 次 のフロンティアは 車 数 が 多 く ネットワーク 化 と 相 性 がよく コスト 負 担 力 がありそう? 2010~2020 2020 年 を 展 望 すると 住 宅 ヘルスケア 以 上 に 自 動 車 分 野 でのネットワーク 接 続 が 先 行 する 可 能 性 が 高 いと 見 ている 個 人 住 宅 世 帯 自 動 車 のマルチデバイス 動 向 予 測 ( 日 本 市 場 ) 単 位 : 百 万 2
ICTの 思 惑 (2) SNSとM2Mの 両 方 のリード 役 を 期 待 できそう ICT 視 点 では 自 動 車 が 次 のフロンティア 自 動 車 サイドが 望 まなくとも 接 近 浸 食 は 続 く 非 自 動 車 系 ICTの 思 惑 人 から 車 の 領 域 に 浸 透 浸 食 その 反 面 車 に 閉 じたシステムでは 費 用 負 担 が 厳 しいのでは? ならすと1 日 20 分?そこから 購 買 やネットのコストを 負 担 できないのでは? 出 所 : 図 表 はトヨタ 自 動 車 のWebサイトから 3
ICTの 思 惑 (3) ITの 次 のターゲットは マーケティング 視 点 では 位 置 情 報 が 最 有 力 そのためには 自 動 車 を 取 り 込 むことが 必 要 これまで 位 置 情 報 とのクロス 決 済 購 買 嗜 好 ライフスタイル 通 勤 通 学 習 い 事 レジャー 買 い 物 位 置 情 報 生 活 圏 行 動 圏 行 きつけ 最 寄 り 検 索 人 のつながり SNS リアルアクセス 機 会 販 促 購 買 評 価 フィードバック を 効 率 的 なビジネスモデルとする 位 置 情 報 を 組 み 合 わせることで ライフスタイル 把 握 の 精 度 の 向 上 販 促 等 の 有 効 性 を 高 めることを 期 待 ただし プライバシー データフォーマット 未 定 データ 量 等 の 課 題 が 残 る 4
参 考 : 業 種 別 データ 特 性 評 価 の 考 察 ( 従 来 分 野 ) 嗜 好 の 蓄 積 が 先 行 するが IDへの 紐 つけが 弱 い 金 融 決 済 はデータ 蓄 積 があるが 生 活 シーン 嗜 好 への 連 想 能 力 が 弱 い 位 置 日 時 等 は これから 強 化 レンタルビデ オ ID 基 本 属 性 購 買 嗜 好 決 済 日 時 位 置 外 形 嗜 好 は 比 較 的 高 評 価 検 索 嗜 好 問 題 意 識 を 継 続 的 に 獲 得 電 子 消 費 取 引 嗜 好 生 活 スタイル 消 費 水 準 等 を 補 足 金 融 嗜 好 生 活 スタイルは 商 取 引 に 準 ずる 書 籍 音 楽 嗜 好 を 最 も 強 く 反 映 す る 領 域 の 一 つ 航 空 ビジネスマンの 生 活 ス タイル 消 費 水 準 反 映 携 帯 電 話 生 活 スタイル( 位 置 ) 他 の 検 索 ECと 連 動 電 子 チケット ( 地 点 のみ) 5
参 考 :マーケティング/ 広 告 販 促 領 域 でのビッグデータビジネスについて( 新 分 野 ) 業 種 別 データ 特 性 評 価 の 考 察 ID 個 人 購 買 嗜 好 決 済 日 時 位 置 属 性 電 力 自 動 車 生 活 パターン 家 族 構 成 消 費 水 準 ( 耐 久 消 費 財 を 通 じて) 郊 外 の 通 勤 通 学 家 族 構 成 生 活 パターン 家 の 外 を 抑 える 生 命 保 険 疾 病 投 薬 履 歴 健 康 情 報 等 医 療 健 康 情 報 等 教 育 教 材 例 自 動 車 の 期 待 休 日 の 車 移 動 目 的 地 ( 行 楽 地 等 )と 移 動 範 囲 ( 通 勤 塾 送 り 迎 え 等 )を 特 定 後 部 座 席 のセンシングから 家 族 構 成 急 加 速 急 なハンドル 操 作 衝 撃 等 から 運 転 技 量 の 推 定 通 信 簿 テスト 成 績 ライフログ カーライフの 特 定 属 性 絞 り 込 み 新 車 買 い 換 えタイミングの 捕 捉 誘 導 保 険 等 サービスへの 接 続 6
自 動 車 視 点 とICT 視 点 自 動 車 の 基 本 機 能 必 須 機 能 はICT 視 点 では 敷 居 が 高 い 当 然 導 入 実 装 商 用 の 商 売 サイクルが 異 なる (ネットの 古 典 ジョークから) GMが コンピュータ 業 界 と 同 じ 技 術 を 持 っていた ら 消 費 者 は25ドルの 車 で リッター150mileの 低 燃 費 を 実 現 できていただろう 車 の 基 本 機 能 運 転 の 本 質 的 な 部 位 は 安 易 に 車 メーカ 以 外 が 手 を 出 すべきではない 自 動 車 メーカのように 人 命 のリスクを 負 担 できない ( 韓 国 の 大 手 エレクトロニクスメーカ 創 業 者 が 自 動 車 産 業 への 参 入 を 躊 躇 する 理 由 を 問 われて) GMの 反 論 は 我 々の 車 は マイクロソフト 作 る 自 動 車 と 違 って 1 日 に2 回 も 理 由 もなくクラッシュすることはない もちろん 不 正 な 処 理 などありえない 新 しい 道 路 が 出 来 るたびに 車 を 買 い 換 える 必 要 はない 理 由 もなく 車 から 締 め 出 されて 何 とかしようと する 時 に ドアノブを 引 きながら キーを 回 して 同 時 にカーアンテナを 引 き 出 せ といった 操 作 は 必 要 ない エンジンを 切 るたびに スターンボタン を 押 すな んて 馬 鹿 げた 設 計 ではない 安 全 のための 設 計 検 証 はノウハウと 信 頼 性 の 固 ま りであって コピーペイストできないし 容 易 に 外 部 か ら 活 用 できるものではない 反 面 そのために 費 用 新 技 術 導 入 のリードタイムが 長 くなることは 事 実 であり そこにIT 産 業 から 見 た 隙 ズレが 生 じている 例 中 国 のナビとスマホ 価 格 が 高 いのもそうだが 中 国 ではビルが 短 期 間 で 建 設 されるので 地 図 更 新 をネットで 短 期 間 に 更 新 し てもらわないと そもそも 使 えない ( 現 地 ディーラ) 地 図 データが 出 来 ても 検 証 しないと 無 責 任 に リ リースできない ( 日 系 事 業 者 ) 7
自 動 車 産 業 の 変 化 の 萌 芽 とICT 側 の 期 待 環 境 対 応 PHEV 等 への 緩 やかな 移 行 カーシェアリングの 増 加 スモールビークル 化 は ネットを 介 したサービス 事 業 機 会 増 加 につながることを 期 待 従 来 の 自 動 車 産 業 コモディティ 化 した 場 合 の 自 動 車 産 業 部 品 点 数 2-3 万 点 付 加 価 値 部 品 点 数 1 万 点? 付 加 価 値 車 種 のロングテール から 車 のライフテール( 造 語 ) 素 材 部 品 システム 完 成 車 完 成 車 メーカが 付 加 価 値 を 実 現 素 材 部 品 システム 完 成 車 電 池 用 部 材 レアメタルなど の 需 給 タイト 化 モジュール 化 により 付 加 価 値 が 流 出 デファクト 化 に よる 規 模 の 経 済 の 拡 大 その 際 に 決 済 購 買 嗜 好 人 のつきあい 位 置 安 心 安 全 販 促 ( 商 圏 ) で 他 産 業 や 社 会 システムのバリュー チェインと 接 点 情 報 交 換 共 有 を 進 めざるを 得 なくなり そこに 商 機 ITがネットを 介 して 販 売 アフター 販 売 アフター バリューに 関 与? 8
自 動 車 関 連 情 報 への 期 待 (1) 安 全 運 転 の 本 質 は 別 扱 いとして 自 動 車 に 関 する 履 歴 情 報 が 他 産 業 との 間 でより 連 携 を 強 めるための 取 り 組 みは 検 討 の 余 地 がある 共 通 ポイント 系 ( 流 通 ) マイレージ 系 ( 航 空 ) 通 信 系 EC 系 Pontaポイント (5,000 万 以 上 ) [ロイヤリティマーケティング] JALマイル (2,500 万 ) 自 動 車 も 他 産 業 との 連 携 を カーライフ 視 点 では 強 めるべき ドコモプレミアポイント (5,900 万 ) [NTTドコモ] Yahoo!ポイント (2,640 万 ) [Yahoo!Japanグループ] Tポイント (4,200 万 以 上 ) [CCC] ANAマイル (2,370 万 ) :ポイントからポイントへ 交 換 :ポイントから 電 子 マネーへ 交 換 楽 天 スーパーポイント (8,100 万 ) [ 楽 天 グループ] 注 ) 数 値 は 直 近 の メ デ ィ ア 公 表 数 値 電 子 マネー 系 ( 流 通 / 交 通 ) 電 子 マネー WAONポイント (2,500 万 ) [イオングループ] 電 子 マネーWAON (2,500 万 ) [イオングループ] Suicaポイント (150 万 ) [JR 東 日 本 グループ] 電 子 マネー Suica (4,000 万 ) [JR 東 日 本 グループ] nanacoポイント (2,080 万 ) [7&iグループ] 電 子 マネー nanaco (2,080 万 ) [7&iグループ] 電 子 マネー 楽 天 Edy (7,000 万 ) [ 楽 天 グループ] ま た は 一 部 推 計 :Yahoo! JAPANアクティブユーザーID 数 Yahoo!ポイントは 今 後 Tポイントへ 移 行 9
自 動 車 関 連 情 報 への 期 待 (2) 今 後 予 想 される 多 様 なアプリ サービスは 他 産 業 との 業 際 領 域 に 発 生 する 可 能 性 が 高 い そのために 最 低 限 でも 共 通 の 基 盤 (ID 認 証 等 )を 自 動 車 業 界 として 定 めて 他 業 界 からのつまみ 食 い 蚕 食 を 防 いで 利 用 者 のメリットを 高 めるべき 登 録 整 備 走 行 保 険 事 故 等 のイベントのうち 他 産 業 との 境 界 領 域 で 活 用 される 可 能 性 のある 情 報 を 論 点 整 理 するとともに 業 界 として 整 備 先 行 して 業 界 としての 個 別 車 両 ID(と 利 用 者 IDとの 紐 付 け)は 重 要 性 が 高 いと 考 える アプリ の 領 域 については 必 ずしも 業 界 IDに 拘 束 される 必 要 はない ただし 新 規 産 業 サービス 育 成 のため 活 用 を 積 極 化 させる ための 共 通 化 は 検 討 の 必 要 がある 道 路 交 通 や 安 全 運 転 者 の 義 務 (ドライブ オブリー ジェ)に 関 した 情 報 は 業 界 社 会 基 盤 の 双 方 うから ID 活 用 によるデータ 蓄 積 の 用 意 を 行 うべき( 事 故 違 反 者 へのドライブセンサー NW 接 続 義 務 付 けや エ コカーポイント( 踏 み 込 めば 税 )としてのドライブカメラ 等 とあわせた 優 遇 措 置 ) 同 時 に 競 争 非 競 争 プライベート パブリック 自 動 車 ICTの 論 点 整 理 とあわせて 自 動 車 情 報 の 整 備 を 進 めるべき ただ 技 術 は 進 展 電 化 等 ビジネスも 変 化 しており そのため あくまで 暫 定 的 なもの 以 下 は 例 運 転 状 況 ( 急 発 進 急 加 速 ) ドアの 開 閉 ロック 状 況 安 全 ベルトの 実 施 状 況 競 争 かつプライバシー 領 域 であるが 保 険 等 の 視 点 では 一 部 開 示 のニーズがある 料 金 や 機 器 と 組 み 合 わせたアプ ローチが 想 定 される 後 部 座 席 の 状 況 商 売 視 点 では 競 争 領 域 ( 車 の 買 換 に 有 効 ) 道 路 状 況 の 予 測 や 運 転 への 影 響 等 からマクロ 的 な 把 握 もニーズがある OD 基 本 属 性 プライバシー 視 点 では 要 注 意 プライバシー 防 衛 フィルタリング 信 頼 された 運 営 体 ( 業 界 共 通 もしくは 個 別 メーカへの 認 証 制 )の 整 備 状 況 によっては 採 用 を 進 める Anonymous 化 震 災 時 や 大 規 模 渋 滞 時 に 最 低 限 の 基 本 属 性 ( 遠 隔 地 近 隣 住 民 の 判 別 )とあわせて データの 固 まりとして 分 析 する 10
最 後 に 電 力 とICTにおける 論 争 スマートメータ 情 報 の 公 開 論 争 を 振 り 返 って 受 け 身 になると 攻 め 込 まれる 社 会 インフラ 領 域 でICTとの 境 界 が 問 題 になった 領 域 として 電 力 業 界 の 事 例 がある 北 米 のGoogle 等 が Smartmeterの 利 用 情 報 を 従 来 の 電 力 事 業 者 限 定 でなく 産 業 育 成 と 公 益 の 観 点 から サードパーティにも 開 示 もしくはアクセス 可 能 とすることを 求 めた サービス 産 業 育 成 の 視 点 公 正 競 争 条 件 の 一 つとして 開 示 要 件 等 を 定 めるべき 電 力 事 業 者 側 は 自 社 商 圏 ならびに 顧 客 の プライバシーを 主 張 して 拒 否 日 本 においても スマートメータ 関 連 の 公 的 委 員 会 で 電 力 事 業 者 とIT 事 業 者 の 間 で 開 示 をめぐる 議 論 となりかけた プライバシー 保 護 の 観 点 からは フィルター Anonymousなどのアプローチは 検 討 可 能 もちろん 単 純 な 開 示 はありえないが 新 たなサー ビス 事 業 開 発 について 既 存 事 業 者 側 が 十 分 な 取 り 組 みが 出 来 ていない という 評 価 になれば サードパーティが 開 示 要 請 を 強 める 根 拠 となりうる 既 存 業 界 側 が ロードマップ 活 用 範 囲 等 を 主 導 権 をもって 打 ち 出 していくことが 望 ましい 11