記 者 説 明 会 資 料 平 成 20 年 10 月 16 日 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 センター つけ 爪 による 危 害 かぶれ やけど カビが 生 えることも 指 先 のおしゃれとして つけ 爪 が 人 気 である ネイルサロンも 身 近 な 存 在 になり 雑 貨 店 などでは 自 分 でつけ 爪 をするための 様 々な 用 具 も 購 入 できる 一 方 で つけ 爪 に よる 危 害 情 報 も 少 なからず 寄 せられている 8 月 には 女 子 プロゴルファーがつけ 爪 と 共 に 自 分 の 爪 ( 以 下 自 爪 )をはがすというニュースも 報 道 された そこで つけ 爪 に 関 する 危 害 の 内 容 と 注 意 事 項 をまとめた 1. つけ 爪 の 技 法 など ここでは 自 爪 の 上 に 何 らかの 方 法 で 人 工 爪 を 形 成 することを つけ 爪 と 総 称 する こととする つけ 爪 の 主 な 技 法 として 以 下 のようなものがある 1 色 や 飾 りのついた 既 製 の 人 工 爪 (ネイルチップ)を 接 着 剤 (ネイルグルー)や 接 着 テープで 自 爪 に 固 定 する 方 法 2 アクリル 樹 脂 を 専 用 リキッドに 溶 かしたミクスチャーと 呼 ばれる 材 料 で 自 爪 の 上 に 人 工 爪 を 成 形 する 方 法 ( スカルプチュア アクリリックネイル などと いう) 3 ジェル 状 のアクリル 樹 脂 の 一 種 を 自 爪 の 上 に 置 き UVライトで 紫 外 線 を 当 て て 硬 化 させて 人 工 爪 を 形 成 する 方 法 ( ジェルネイル などという) 4 ネイルチップを 自 爪 に 接 ぎ アクリルやジェルを 塗 って 一 体 化 させる 方 法 ( チ ップオーバーレイ などという) ( 参 考 写 真 ) 1
これらをネイルサロン 等 で 施 術 してもらう 方 法 と 用 具 や 材 料 を 購 入 して 自 分 で 施 術 する 方 法 がある 1は 一 時 的 な 装 飾 234は 長 期 間 保 つことができる ミクスチャーやジェルを 乗 せる 前 に 自 爪 との 密 着 を 高 めるためにプライマーと 呼 ば れる 用 材 等 を 自 爪 に 塗 布 したりする 場 合 もある また つけ 爪 を 取 るには ネイルチップを 接 着 剤 でつけている 場 合 やスカルプチュア などの 場 合 にはアセトンなどを 含 んだ 剥 離 剤 (リムーバー)に 浸 して 取 る 非 溶 解 性 の ジェルの 場 合 はファイル(やすり)で 削 りとるなどの 方 法 が 取 られる 他 にも 自 爪 を 保 護 する 用 材 補 強 材 や 表 面 をコートする 用 材 施 術 中 のふき 取 り 用 材 などつけ 爪 をするためにはさまざまな 用 材 が 使 用 される また 施 術 の 一 部 として 自 爪 の 形 を 整 えるために 甘 皮 を 取 ったり 溶 かしたりもする 2. 危 害 の 概 要 (1) 危 害 情 報 システム * に 寄 せられた 件 数 危 害 情 報 システムには つけ 爪 に 関 連 した 相 談 が 少 なくとも 38 件 寄 せられている PIO-NET にはサロン 等 でのつけ 爪 の 施 術 に 関 する 危 害 情 報 が 24 件 つけ 爪 の 用 具 等 に よる 危 害 情 報 が 8 件 病 院 危 害 情 報 にも 6 件 寄 せられている(2008 年 10 月 1 日 現 在 件 数 については 本 調 査 のため 事 例 を 確 認 したものである) * 商 品 やサービス 等 により 生 命 や 身 体 に 危 害 を 受 けたり( 危 害 情 報 ) そのおそれがあ った 情 報 ( 危 険 情 報 )を 消 費 生 活 センター 及 び 全 国 の 危 害 情 報 収 集 協 力 病 院 (20 病 院 )からオンラインで 収 集 分 析 し 消 費 者 被 害 の 未 然 防 止 拡 大 防 止 に 役 立 てるこ とを 目 的 として 作 られたシステム (2)サロン 等 で 受 けた 施 術 による 危 害 事 例 事 例 1 携 帯 電 話 のサイトで 広 告 を 見 て 個 人 のネイルサロンでつけ 爪 をした 普 通 の 半 分 以 下 の 値 段 であったが 施 術 中 にうまくいかず 何 回 もやり 直 した 上 翌 日 から 剥 がれ 始 めるなど 満 足 のいかない 出 来 であった つけ 爪 が 肉 に 食 い 込 み 血 豆 状 になっ ている 箇 所 もある 苦 情 を 伝 えたが 無 視 されている ( 相 談 受 付 年 月 :2007 年 9 月 10 代 女 性 学 生 ) 事 例 2 美 容 院 で 爪 にやさしい 1 ヵ 月 半 もつ と 言 われジェルネイルをした 1 週 間 ではがれてきたのでやり 直 してもらったが やはり 1 週 間 ではがれた 3 回 やり 直 してもらったら 爪 が 乾 燥 して 表 面 がはがれ 痛 みが 出 た 皮 膚 科 では ジェルネイル のリムーバーは 爪 に 良 くない 1 ヶ 月 で 3 回 もやり 直 し リムーバーで 爪 が 痛 んだ 可 能 性 が 高 い と 言 われた 元 に 戻 るのに 半 年 くらいかかるらしい ( 相 談 受 付 年 月 :2007 年 8 月 30 代 女 性 給 与 生 活 者 ) 2
事 例 3 ネイルショップでつけ 爪 をつけてもらったが 2 日 後 から 左 手 第 3 指 が 腫 れ 出 し 化 膿 した 内 科 を 受 診 し 抗 生 物 質 を 飲 んでいる 10 日 以 上 たつがまだ 赤 味 を 帯 び ている ( 相 談 受 付 年 月 :2007 年 6 月 40 代 女 性 給 与 生 活 者 ) 事 例 4 ネイルサロンでつけ 爪 のため 両 手 の 爪 をアルコールで 消 毒 している 時 に タバコ を 吸 おうとしたら ライターの 火 が 右 手 に 燃 え 移 り 指 頬 髪 にやけどした 1 年 以 上 月 2 回 通 っている 店 で タバコを 注 意 されたことはない すぐ 医 者 に 行 き 全 治 2 週 間 と 診 断 され 毎 日 通 院 している ( 相 談 受 付 年 月 :2006 年 7 月 30 代 女 性 給 与 生 活 者 ) 事 例 5 勤 務 していたネイルサロンの 衛 生 管 理 が 悪 く バクテリアの 繁 殖 で 爪 が 黒 くなっ た 自 分 も 勧 められて 施 術 をしたが 自 爪 が 緑 色 から 黒 くなった 店 からは 口 外 しな いように 言 われた ( 相 談 受 付 年 月 :2005 年 5 月 20 代 女 性 無 職 ) 事 例 6 人 工 爪 をつけたら 自 爪 にカビができたので 皮 膚 科 で 治 療 を 受 けるつもりである 業 者 へどう 申 し 出 たらよいだろうか ( 相 談 受 付 年 月 :2005 年 4 月 20 代 女 性 給 与 生 活 者 ) (3) 自 分 で 行 った 施 術 による 危 害 事 例 事 例 7 日 用 雑 貨 量 販 店 で 購 入 したつけ 爪 用 瞬 間 接 着 剤 容 器 に 半 分 くらい 残 っていた 状 態 で 蓋 を 開 けたら 中 蓋 がくっついていて 液 が 飛 散 した じゅうたんから 白 煙 があ がり 履 いていたジーパンの 右 太 ももに 痛 みを 感 じたので 見 ると 皮 膚 がただれてい た 病 院 に 行 ったところ 熱 傷 2~3 度 と 診 断 された ( 相 談 受 付 年 月 :2008 年 8 月 40 代 女 性 家 事 従 事 者 ) 事 例 8 100 円 均 一 店 で 購 入 したつけ 爪 をはがす 液 を 使 用 したら 左 手 の 指 先 から 指 の 間 がただれ 痛 みで 手 の 開 きがこわばった 普 段 から 洗 剤 や 除 光 液 でただれた 経 験 も ないので 自 然 に 治 ると 思 っていたが 良 くならないので 病 院 へ 行 った ( 相 談 受 付 年 月 :2008 年 6 月 30 代 女 性 給 与 生 活 者 ) 3
事 例 9 雑 貨 店 で 購 入 したつけ 爪 用 接 着 剤 の 液 をつけようとして 一 滴 がジーパンに 落 ち た その 直 後 にその 下 の 足 の 皮 膚 がやけどして 赤 くなった やけど 部 分 は 指 先 大 に 赤 くなった ジーパンは 接 着 剤 がついた 部 分 が 硬 く 固 まった 商 品 の 箱 は 捨 ててし まって 手 元 になく 容 器 の 表 示 はすべて 英 語 で 書 かれており メーカー 名 や 注 意 表 示 などはわからない ( 相 談 受 付 年 月 :2008 年 4 月 20 代 女 性 給 与 生 活 者 ) 事 例 10 外 国 製 のネイルプライマーでやけどをした 爪 の 油 分 汚 れをのぞくため ネイ ルプライマーを 塗 っていたら 足 に 2 滴 ほど 飛 んだ 一 瞬 で 広 範 囲 に 広 がり 痛 みが 出 た 急 いで 水 洗 いしたが 赤 くやけどのようになり 病 院 へ 行 った 化 学 薬 品 によるや けどと 診 断 された ( 相 談 受 付 年 月 :2004 年 7 月 20 代 女 性 無 職 ) 3. 危 害 事 例 からみたつけ 爪 の 問 題 点 (1) 爪 への 負 担 つけ 爪 の 施 術 は 自 爪 をやすりで 削 ったり 化 学 物 質 を 大 量 に 塗 布 するため 自 爪 に 負 担 がかかる 点 はどの 施 術 でも 避 けられない 一 度 つけたつけ 爪 をはずす 際 にも 溶 剤 で 接 着 剤 を 溶 かしたりやすりで 削 り 落 とすという 方 法 が 取 られるので 皮 膚 が かぶれたり 乾 燥 したりする 場 合 があり 何 度 も 施 術 を 繰 り 返 していると 自 爪 が 薄 く なりもろくなることがある 長 期 間 付 け 替 えがいらず 見 た 目 も 自 爪 と 一 体 化 して 人 気 のあるスカルプチュア やジェルなどの 技 法 の 場 合 施 術 前 によく 消 毒 をしていなかったり 人 工 爪 と 自 爪 の 間 に 隙 間 があるまま 放 っておくとバクテリア カビなどが 繁 殖 することもあり それからさまざまな 感 染 症 にかかる 危 険 性 がある また 用 材 やアクリル 樹 脂 によりアレルギー 反 応 が 生 じることもあり 異 常 を 感 じながら 放 っておくと 健 康 な 爪 の 生 育 を 阻 害 する 場 合 もあるので 注 意 が 必 要 である (2) サロン 等 での 施 術 に 関 する 問 題 点 ネイルサロンでの 施 術 における 問 題 点 として 技 術 の 未 熟 さ 衛 生 管 理 の 不 備 な どがあげられる ネイルケアの 資 格 等 については NPO 法 人 日 本 ネイリスト 協 会 でスクールの 協 会 認 定 や 技 能 検 定 を 行 ったり また NPO 法 人 インターナショナルネイルアソシエー ションでも 認 定 サロンや 認 定 スクールなどの 認 証 や 技 能 検 定 を 行 うなどしている しかし 開 業 や 施 術 を 行 うこと 自 体 は 規 制 がないため 施 術 者 の 技 術 は 一 定 ではない 4
ネイルケアが 流 行 しネイルサロンも 次 々と 増 えている 現 在 施 術 や 設 備 等 に 関 し て 一 定 以 上 の 水 準 を 確 保 する 必 要 があろう (3) 材 料 や 用 具 の 問 題 点 つけ 爪 の 材 料 や 用 具 については 成 分 や 注 意 表 示 に 義 務 づけはない 一 般 用 の 接 着 剤 は 家 庭 用 品 品 質 表 示 法 により 表 示 が 義 務 付 けられているが つけ 爪 用 接 着 剤 は 対 象 になっていない つけ 爪 用 接 着 剤 は 瞬 間 接 着 剤 と 同 じシアノアクリレート 系 接 着 剤 ( 参 考 資 料 1)が 多 く この 接 着 剤 は 皮 膚 につくと 取 れなくなったり 化 学 や けどを 起 こしたりする 他 にも 取 扱 いに 注 意 を 要 する 用 材 は 多 い 当 センターで 確 認 した 限 りでは 表 示 がまったくない 用 材 はなかったが 成 分 表 示 や 具 体 的 な 危 険 に 関 する 表 現 文 字 の 大 きさはばらばらでわかりにくいものもあった つけ 爪 用 の 材 料 や 用 具 には アメリカ 等 からの 輸 入 品 も 多 い 外 箱 には 日 本 語 の 注 意 や 成 分 表 示 があっても 箱 から 取 り 出 して 個 別 の 用 材 を 使 う 時 には 外 国 語 の 表 示 しかなく 何 かあったときにすぐに 確 認 できない 場 合 がある また 外 国 語 では 成 分 の 詳 細 が 記 載 されていても 日 本 語 表 示 には 詳 細 が 記 載 されていない 場 合 もある 4.アメリカ 合 衆 国 での 規 制 等 アメリカ 合 衆 国 では ネイル 製 品 については 家 庭 用 サロン 用 ともに 連 邦 食 品 医 薬 品 化 粧 品 法 (Federal Food,Drug,and Cosmetic Act)の 適 用 を 受 けている また ネイルサロンとそこで 働 く 施 術 者 は 各 州 の 州 当 局 通 常 は 州 コスメトロ ジー 協 会 (State Board of Cosmetologists)による 規 制 を 受 けており どの 州 も ネイルサロンかネイルテクニシャン また その 両 方 に 何 らかのライセンス 取 得 要 件 を 設 けている (FDA Fingernails:Looking Good While Playing Safe より)( 参 考 資 料 2) 5. 専 門 家 からのアドバイス 順 天 堂 大 学 皮 膚 科 准 教 授 住 吉 医 院 皮 膚 科 医 学 博 士 住 吉 孝 二 氏 爪 は 表 皮 の 角 質 層 が 変 化 したもので 毛 髪 と 同 様 に 硬 ケラチンという 成 分 からでき ている 爪 は 爪 甲 (そうこう)の 根 本 にある 爪 母 (そうぼ)( 爪 半 月 (そうはんげつ): 爪 を 形 成 する 部 位 )という 部 分 で 作 られ 先 端 に 押 し 出 される 指 爪 は 1 日 に 0.1 mmくらいの 割 合 で 伸 びる 足 指 の 爪 はその 半 分 くらいである 爪 母 が 残 っていれば 爪 は 再 生 され る 爪 甲 が 新 しいものに 完 全 に 置 き 換 わるのには 指 爪 の 場 合 おおよそ 6 ヶ 月 くらい 足 指 の 爪 の 場 合 は 約 1 年 かかる( 図 参 照 ) 5
図 爪 のしくみ 爪 は 皮 膚 の 一 部 であり 全 身 の 健 康 状 態 を 表 わす 大 切 なバロメーターのひとつであ るため 人 工 爪 をつけると 健 康 状 態 を 判 断 しにくくなる 爪 の 色 や 形 がいつもと 異 な る 時 には 人 工 爪 などによって 密 閉 すべきでない 甘 皮 ( 爪 上 皮 (そうじょうひ))は 爪 母 を 保 護 している 部 位 である 甘 皮 を 取 りすぎると 爪 がデコボコになる ささくれる 細 菌 が 入 って 炎 症 を 起 こす などの 不 具 合 が 起 こ ることもあるのでむやみに 取 らないこと 人 工 爪 と 自 爪 の 間 に 隙 間 が 生 じると 爪 が 細 菌 に 感 染 する 危 険 性 がある 自 爪 が 白 く 濁 ったり 黄 色 や 緑 色 などに 変 色 してきた 時 凸 凹 や 肥 厚 といった 変 形 が 生 じてき た 時 などは 要 注 意 である 人 工 爪 の 中 には 自 爪 と 同 様 な 柔 軟 性 をうたうタイプのものもあるが このタイプは 衝 撃 を 受 けた 場 合 に 柔 軟 性 が 災 いしてつけ 爪 の 部 分 のみが 剥 がれず 自 爪 も 損 傷 し てしまう 場 合 がある 自 分 で 人 工 爪 をつける 人 もいるが 爪 の 状 態 がそれに 耐 えうるかの 判 断 は 難 しく 注 意 が 必 要 である 6. 事 業 者 への 要 望 現 在 は つけ 爪 を 含 むネイル 関 連 の 施 術 サービスを 業 として 行 うことに 規 制 はない ため 誰 でも 自 由 に 参 入 することができる しかし 使 用 する 用 材 には 取 扱 いに 注 意 の 必 要 な 化 学 物 質 も 多 く 安 易 な 施 術 により 爪 や 皮 膚 を 損 なうこともある これらの サービスが 一 時 的 なブームではなく 定 着 していくためにも 施 術 者 及 び 開 業 者 が 一 定 の 水 準 以 上 の 設 備 と 知 識 技 術 を 確 保 していく 方 策 をとることが 重 要 であろう また 一 般 に 販 売 されているつけ 爪 用 品 についても 表 示 義 務 はないが 中 には 化 学 やけどや 引 火 の 危 険 性 のある 物 質 もある どの 用 材 にどんな 危 険 があるのか 等 の 具 体 的 な 注 意 表 示 またアレルギー 反 応 や 事 故 が 起 きたときに 医 療 機 関 が 治 療 方 法 を 判 断 するためにも 成 分 の 表 示 等 をしっかり 行 ってほしい 6
7. 消 費 者 へのアドバイス 1 つけ 爪 は 爪 にとっては 負 担 がかかるものである 爪 の 手 入 れやつけ 爪 の 施 術 には 化 学 物 質 を 大 量 に 使 用 するのでかぶれたり 爪 がもろくなったりすることもある また やすりで 表 面 を 整 えるので 爪 が 薄 くな ったり 削 る 際 に 手 指 を 傷 つける 危 険 性 もあるので 注 意 が 必 要 である 2 つけ 爪 用 の 接 着 剤 や 用 材 はかぶれや 化 学 やけど 引 火 に 注 意 つけ 爪 用 品 を 購 入 する 際 は 表 示 をよく 確 認 して 購 入 する 接 着 剤 はシアノアク リレートと 記 載 があればいわゆる 瞬 間 接 着 剤 なので 使 用 の 際 は 皮 膚 につけない よう 十 分 注 意 をする 接 着 剤 だけでなく プライマーやリムーバーなども 作 用 の 強 いものがある 皮 膚 がかぶれたり 化 学 やけどを 起 こしたり 引 火 の 危 険 性 もあ るので 注 意 が 必 要 である 3 施 術 時 の 衛 生 管 理 はしっかり 行 う 異 常 を 感 じたらすぐに 受 診 施 術 前 にしっかり 消 毒 しなかったり つけ 爪 と 自 爪 の 間 に 隙 間 が 生 じたりする と カビや 細 菌 が 繁 殖 するなどで 皮 膚 に 炎 症 を 起 こすことがある 特 に つけ 爪 の 表 面 に 着 色 や 装 飾 を 施 すと 内 側 の 自 爪 の 様 子 が 観 察 できなくなるため 爪 の 健 康 状 態 の 変 化 に 気 づかないことがある 衛 生 管 理 はしっかりし 施 術 後 の 手 入 れも 重 要 である 異 常 を 感 じた 場 合 にはすぐに 皮 膚 科 医 を 受 診 すること 4 サロン 選 びにも 注 意 ネイルサロンの 開 業 やネイリスト 等 を 名 乗 るために 必 要 な 資 格 等 はないが 皮 膚 や 爪 に 関 する 知 識 や 一 定 水 準 の 技 術 の 取 得 を 認 定 する NPO 法 人 の 資 格 認 定 も 行 われているので 参 考 にするとよい 5 時 々は 爪 を 休 ませる 施 術 を 何 度 も 繰 り 返 していると 自 爪 が 薄 くなったりもろくなったりする 無 理 をして 続 けずに 自 爪 が 再 生 するまでは 時 々 休 ませることも 必 要 である 情 報 提 供 先 内 閣 府 国 民 生 活 局 総 務 課 国 民 生 活 情 報 室 経 済 産 業 省 商 務 情 報 政 策 局 製 品 安 全 課 厚 生 労 働 省 健 康 局 生 活 衛 生 課 厚 生 労 働 省 医 薬 品 局 監 視 指 導 麻 薬 対 策 課 7
( 参 考 資 料 1) *シアノアクリレート 系 の 瞬 間 接 着 剤 についての 情 報 1) 化 学 製 品 PL 相 談 センター 瞬 間 接 着 剤 について アクティビティノート 第 112 号 ( 平 成 18 年 6 月 発 行 )より http://www.nikkakyo.org/upload/plcenter/281_302.pdf 平 成 18 年 度 活 動 報 告 書 資 料 集 5 より http://www.nikkakyo.org/upload/plcenter/405_429.pdf 2) 群 馬 県 消 費 生 活 センター 商 品 テスト 報 告 書 瞬 間 接 着 剤 が 衣 類 に 付 着 して 発 熱 - 注 意!やけどするおそれあり- テスト 期 間 平 成 13 年 9 月 ~ 平 成 14 年 3 月 たしかな 目 2002 年 11 月 号 今 月 のテスト 商 品 テストファイル 瞬 間 接 着 剤 によるやけど としてダ イジェストを 掲 載 概 要 : シアノアクリレート 系 瞬 間 接 着 剤 を 使 用 中 色 物 のポリエス テル 製 の 着 衣 に 多 量 の 接 着 剤 をたらしてしまった 接 着 剤 がそ の 下 に 着 ていたアセテート 製 のズボンまで 浸 透 し 発 熱 したた め やけどを 負 ってしまった との 相 談 がセンターの 寄 せられ たため 同 種 の 瞬 間 接 着 剤 8 銘 柄 を 購 入 し 主 に 化 繊 (ポリエス テルとアセテート)の 生 地 に 接 着 剤 を 滴 下 し どのように 発 熱 するかをテストした それによると 色 ものや 化 繊 生 地 の 2 枚 重 ねなどのときは 温 度 が 高 くなり 生 地 や 条 件 によっては 100 を 超 えることもあるなど 使 用 には 注 意 が 必 要 であることがわ かった 8
3)つけ 爪 用 接 着 剤 の 温 度 上 昇 検 証 結 果 つけ 爪 用 接 着 剤 が 着 衣 に 垂 れて やけどをしたという 事 例 があったので 何 種 類 かの 布 につけ 爪 用 接 着 剤 等 を 垂 らした 時 に 生 地 の 温 度 が 上 昇 することがあるか 検 証 した 図 は 上 下 2 段 に 並 べた 10cm 四 方 の 布 ( 左 からレーヨン 100% ポリエステル 100%(フ リース) アクリル 100%)に 接 着 剤 等 を 垂 らした 部 位 の 温 度 が 上 昇 する 様 子 を 10 秒 ご とに 測 定 した 画 像 のうち 最 も 高 温 になったときのものである 温 度 を 色 の 違 いで 表 わす 計 測 器 により 観 察 し 最 も 高 い 箇 所 を A 次 に 高 い 箇 所 を B とマークした 1 生 地 に 接 着 剤 を 垂 らし 10 秒 程 経 過 後 ポリエステル 100%(フリース)では 10 秒 程 で 70 近 くに 達 したものがあった ズボンなどの 着 衣 の 上 に 誤 って 接 着 剤 を 垂 らすと 温 度 が 上 昇 する 可 能 性 があることがわかった 図 1. 温 度 計 測 の 様 子 1 ( 最 も 高 温 になったとき) レーヨン ポリエステル アクリル 2 プライマーが 垂 れた 生 地 に 接 着 剤 を 垂 らし 10 秒 程 経 過 アクリル 100%では 約 84 に 達 し ポリエステル 100%(フリース)では 約 68 に 達 した これにより プライマーが 乾 かないうちに 接 着 剤 を 付 けると かなりの 温 度 上 昇 が 起 こる 可 能 性 があることがわかった 図 2. 温 度 計 測 の 様 子 2 ( 最 も 高 温 になったとき) レーヨン ポリエステル アクリル 9
( 参 考 資 料 2) * FDAホームページ Fingernails:Looking Good While Playing Safe より なお この 翻 訳 は 当 センターの 責 任 において 行 ったものである 爪 : 安 全 におしゃれを 楽 しむ 米 国 食 品 医 薬 品 局 Paula Kurtzweil バージニア 州 アレクサンドリアにある Nails R Us で 働 くジュリー ル(Julie Le) は その 長 年 のキャリアから 何 のためらいもなく 来 店 したナタリー ハリスの 爪 の 手 入 れを 始 めた 爪 を 磨 き 形 を 整 え 甘 皮 を 処 理 し ささくれなどを 取 り 除 き 表 面 を 平 らにして ハリスがその 仕 上 がりに 満 足 したことを 確 認 したら ルビーレッドのマニ ュキアを 塗 る 今 やこれは 全 国 各 地 で 毎 日 繰 り 返 される 作 業 である 何 千 人 ものハリスのような 女 性 そして 男 性 も は おしゃれのために 努 力 を 惜 しまず ネイル サロンや 美 容 院 に 通 ったり 市 場 に 出 回 る 数 多 くのネイル 製 品 を 使 って 自 分 で 爪 の 手 入 れをしたり している その 理 由 はいたって 簡 単 と Nails R Us のオーナー キム シリーダヴォン (Siridavong)は 言 う 誰 だって きれいになりたい しかし これは 同 時 に 危 険 もはらんでいる なかには 感 染 症 やアレルギー 性 反 応 を 引 き 起 こす 恐 れのあるネイル サービスやネイル 製 品 もある ネイル 製 品 には 摂 取 すると 有 害 な 化 学 物 質 も 含 まれ また 可 燃 性 の 物 質 が 多 い ネイル サロンや 美 容 院 の 利 用 も 安 心 できるわけではない 同 じ 製 品 を 使 い 回 して いるため 病 気 を 広 める 可 能 性 が 高 いともいえる 連 邦 政 府 や 州 が 定 める 条 例 で リスクの 軽 減 が 図 られてはいるが 爪 の 健 康 を 害 さな い 爪 のおしゃれを 自 ら 心 がけることが 消 費 者 にも 求 められる 産 業 の 成 長 近 年 ネイル サービスとネイル 製 品 の 利 用 が 伸 びを 見 せるなか 安 全 性 に 対 する 懸 念 も 高 まりつつある 爪 ファクトブック 1995 年 によると 米 国 で 1995 年 に 消 費 者 がネイル サービスに 費 やす 金 額 は 推 計 で 前 年 よりも 5 億 ドル 多 い 52 億 ドルに 上 る 今 や グループやチェーンに 所 属 しない 独 立 系 のネイル サロンが 全 国 に 3 万 4,852 軒 対 前 年 比 で 約 2,000 軒 増 あり ネイル サービスを 備 えた 美 容 院 に 至 っては 何 十 万 軒 にも 上 る 最 も 人 気 のあるサービスは 同 ファクトブックによると 人 工 爪 (スカルプチュア) 10
で これにマニキュアが 続 く ほかに ネイル ジュエリーやネイル アートの 人 気 も 高 い その 多 彩 なサービスから ネイル サービスの 提 供 者 は マニキュアリストではなく ネイル テクニシャン と 呼 ばれることが 多 い とネイル 技 術 のプロと 学 生 の 雑 誌 ネ イルズ のマネジング エディターを 務 めるスゼット(Suzette) ヒルは 説 明 する 20 年 前 はマニキュアが 中 心 だったが 今 では もっと 多 岐 に 渡 るサービスを 提 供 するようになった ネイル テクニシャンはポリッシュ マニキュア 液 人 工 爪 グルーやラミネート 加 工 など 多 様 な 製 品 を 使 うが その 多 くが 一 般 向 けにも 販 売 されている 化 粧 品 としてのネイル 製 品 ネイル 製 品 は 一 般 向 け サロン 向 けともに 食 品 医 薬 品 局 (FDA)による 規 制 を 受 けている 連 邦 食 品 医 薬 品 化 粧 品 法 に 基 づき これらの 製 品 は 洗 浄 する 美 化 する 魅 力 を 増 す もしくは 容 貌 を 変 えるために 人 の 身 体 に 塗 擦 散 布 などされる 石 鹸 以 外 のもの であり 化 粧 品 とみなされる( 1991 年 11 月 FDA コンシューマー の 化 粧 品 の 安 全 性 : 一 見 するよりも 複 雑 (Cosmetic Safety: More Complex Than at First Blush) を 参 照 ) 米 国 において 化 粧 品 として 販 売 されるネイル 製 品 に 関 しては メーカーが 想 定 する 通 常 もしくは 一 般 的 な 使 用 状 態 で 使 用 者 に 害 を 及 ぼす 恐 れのある 有 害 物 質 の 使 用 が 法 律 で 一 切 禁 じられており その 正 しい 使 用 法 は パッケージないしは 添 付 文 書 に 記 載 され ている ネイル 製 品 には グルーリムーバーのアセトニトリルなど 有 害 物 質 を 含 むもの も 多 いが 注 意 書 き 通 りに 使 用 すれば 危 険 がないため 市 販 が 認 められているのであり 摂 取 をしない 限 り 人 体 に 害 はない(そして 摂 取 は 本 来 の 使 用 法 ではない) 一 般 向 けに 販 売 される 製 品 についても 成 分 名 を 含 有 量 の 多 い 順 番 に 記 載 するなど ラベル 表 示 を 正 しく 行 わなければならない( 1994 年 5 月 FDA コンシューマー 初 出 の 化 粧 品 の 表 示 ラベルを 解 読 する(Decoding the Cosmetic Label) を 参 照 ) FDA では ネイル 製 品 をはじめ 市 販 前 の 化 粧 品 を 対 象 とした 審 査 もしくは 承 認 を 行 っ ていないが 必 要 に 応 じて 化 粧 品 メーカーならびに 試 料 の 検 査 と 化 粧 品 の 分 析 は 実 施 する そして 安 全 性 に 何 らかの 問 題 があれば 当 該 製 品 に 対 して FDA が 法 的 措 置 を 講 じることも 可 能 である これに 加 え FDA では 安 全 性 の 問 題 を 常 時 把 握 するため 化 粧 品 自 主 登 録 プログラ ム(Cosmetic Voluntary Registration Program)を 導 入 している 同 プログラムは 化 粧 品 メーカーが 消 費 者 から 届 け 出 られた 副 作 用 の 内 容 を FDA に 報 告 する 仕 組 みであ る FDA が この 情 報 から キューティクル ソフトナー ネイル エクステンション 用 付 け 爪 やネイル ポリッシュなど 特 定 の 製 品 カテゴリー 別 に 基 準 副 作 用 率 を 決 める プログラムの 参 加 企 業 は この 数 値 を 知 ることで FDA が 定 めた 基 準 値 と 自 社 の 副 作 用 11
率 を 比 較 できる また メーカーの 競 合 企 業 消 費 者 医 師 およびネイル テクニシャンから 副 作 用 の 報 告 が 直 接 FDA に 寄 せられるため 人 体 に 害 を 及 ぼす 恐 れのある 製 品 についても 把 握 できる サロンの 安 全 性 サロンとそこで 働 くテクニシャンは 州 当 局 通 常 州 コスメトロジー 協 会 に よる 規 制 を 受 けている 各 州 のコスメトロジー 協 会 を 統 括 する 全 米 コスメトロジー 協 会 (National Interstate Council of State Cosmetology Boards)のロイス ウィスカ ー(Wiskur) 元 会 長 は 自 分 の 知 る 限 り どの 州 も ネイル サロンかネイル テクニ シャン またはその 両 方 に 何 らかのライセンス 取 得 要 件 を 設 けている と 述 べた そのため ネイル サービスを 提 供 するサロンは 通 常 下 記 などの 特 定 の 要 件 を 満 た さなければならない 所 定 時 間 以 上 の 講 習 と 実 習 を 受 けたネイル テクニシャンを 雇 用 マニキュア キットの 適 切 な 消 毒 高 圧 蒸 気 滅 菌 か 化 学 滅 菌 が 望 ましい 州 の 検 査 を 定 期 的 に 受 ける 最 低 限 マニキュア 台 1 台 と 流 し 台 ( 温 冷 水 )1 台 などの 設 備 を 十 分 に 整 備 客 のネイリングを 開 始 する 前 に 手 を 洗 うことを 従 業 員 に 徹 底 させる 国 の 疾 病 対 策 予 防 センター(CDC)は 1985 年 に 発 表 したガイドラインの 中 で HIV や 肝 炎 など 血 液 によって 感 染 する 病 気 の 予 防 を 目 的 に サロンの 従 業 員 の 衛 生 慣 行 とし て 同 様 の 対 応 を 推 奨 している このガイドラインは マニキュアリストやペディキュア リストをはじめ 対 人 サービス 業 の 従 業 者 などを 対 象 としたもので CDC によると 対 人 サービス 業 従 業 者 からの または 従 業 者 への 血 液 媒 介 感 染 症 の 感 染 は 現 在 のところ 1 件 も 報 告 されていない 爪 感 染 症 これよりも 多 く 見 られる 爪 の 問 題 として 皮 膚 科 専 門 医 から 報 告 されているのは ぶ どう 状 球 菌 などバクテリア カンジダ(イーストとも 呼 ばれる)など 菌 類 と 疣 などウ ィルスが 原 因 の 感 染 症 である バクテリアや 菌 類 による 感 染 症 は 自 宅 で 付 けたか サロンで 付 けたかを 問 わず 人 工 爪 が 原 因 であることが 少 なくない 長 い 人 工 爪 が 何 かにぶつかったことで 少 し 剥 がれ 付 け 根 の 部 分 で 自 然 爪 との 間 にすき 間 が 生 じると そこに 汚 れなどが 入 り 込 む 恐 れがあ る 適 切 な( 例 えば アルコール 類 で 拭 くなど) 洗 浄 を 行 わずに 再 び 接 着 させると バクテリアや 菌 類 が 人 工 爪 の 間 で 繁 殖 し 自 然 爪 にまで 広 まりかねない また 自 然 爪 が 伸 びるにしたがい 自 然 爪 と 人 工 爪 の 間 のすき 間 も 大 きくなる この すき 間 を 埋 める 対 応 を 定 期 的 に 取 ることを 怠 ると 感 染 症 にかかる 確 率 が 高 くなること 12
も 考 えられる ほかに アクリル ネイルを 3 ヵ 月 以 上 など 長 期 間 付 けて ネイルの 下 に 水 分 が 蓄 積 されてしまうと 菌 類 による 感 染 症 を 招 きやすい 特 にサロンでは 同 じキットをたくさんの 人 に 使 うため 不 衛 生 なネイル キットの 使 用 から バクテリア 菌 類 とウィルスによる 感 染 症 が 生 じる 場 合 もある 汚 れたキットは 爪 の 周 辺 の 皮 膚 が 損 傷 を 受 けている 場 合 とりわけ 大 きな 危 険 をは らんでいる 皮 膚 の 損 傷 は 甘 皮 の 切 り 過 ぎや 押 し 上 げ 過 ぎなどによる 過 剰 なネイルケ アで 生 じる 場 合 もある 甘 皮 を 切 るなどして 爪 から 除 去 すると 露 出 された 部 分 に 病 原 菌 が 入 り 込 みかねない 皮 膚 科 専 門 医 が 甘 皮 の 処 理 をしないよう 提 言 しているのは そ のためである 感 染 症 の 症 状 としては 爪 の 部 分 およびその 周 辺 の 痛 み 発 赤 痒 みと 化 膿 が 挙 げら れる 爪 が 黄 緑 色 緑 色 および 暗 緑 色 に 変 色 したら それは 緑 膿 菌 感 染 症 の 兆 候 である 青 緑 色 に 変 色 した 場 合 には 菌 類 による 感 染 症 が 疑 われる 人 工 爪 を 付 けていて 感 染 症 の 症 状 が 現 われた 場 合 には 人 工 爪 を 外 し 当 該 部 分 を 石 鹸 と 水 で 徹 底 的 に 洗 浄 しなければならない それでも 症 状 が 消 えない 時 には 医 師 の 診 察 と 必 要 に 応 じて 局 所 性 か 経 口 の 抗 感 染 薬 の 処 方 を 受 ける 菌 類 による 爪 感 染 症 を 治 療 する 非 処 方 薬 で 承 認 を 受 けているものはなく また 菌 類 による 他 の 感 染 症 を 治 す 市 販 薬 を 爪 感 染 症 に 使 用 してはならない FDA で 市 販 の 抗 真 菌 薬 の 審 査 を 実 施 したところ 菌 類 による 爪 感 染 症 は 爪 の 厚 さなどが 影 響 して 局 所 治 療 の 効 果 が 薄 いことが 判 明 した そのため FDA は 1993 年 に 菌 類 による 爪 感 染 症 を 治 す 局 所 性 抗 真 菌 薬 とラベル 表 示 表 示 もしくは 宣 伝 される 市 販 薬 をすべて 新 薬 とし 発 売 前 に FDA の 承 認 を 受 けることを 義 務 付 けた この 規 則 は 1994 年 から 施 行 されてい るが 抗 真 菌 の 処 方 薬 には 適 用 されない その 一 方 で 当 該 規 則 にもかかわらず 抗 真 菌 効 果 を 謳 いながら 承 認 を 受 けずにネ イル グルーなど 市 販 のネイル 製 品 をいまだに 販 売 している 企 業 がある こうした 企 業 に 対 して FDA は 当 該 製 品 の 販 売 を 中 止 しなければ 法 的 措 置 も 辞 さないと 警 告 を 発 している アレルギーなどの 危 険 性 ネイル 製 品 に 多 く 見 られる 問 題 としてはほかに 発 赤 や 痒 みと 場 合 によっては 小 さ な 水 脹 れが 特 徴 の 発 疹 接 触 皮 膚 炎 などのアレルギー 性 反 応 がある( 1990 年 5 月 FDA コンシューマー の 接 触 皮 膚 炎 : 発 疹 の 謎 を 解 き 明 かす(Contact Dermatitis: Solutions to Rash Mysteries) を 参 照 ) 特 定 の 人 工 爪 の 成 分 は アレルギー 性 反 応 を 引 き 起 こす 傾 向 を 示 すことで 知 られてい る 例 えば 人 工 爪 に 使 われるアクリル 樹 脂 (アクリル)の 基 本 的 な 構 成 要 素 の 残 留 物 は 爪 床 に 発 赤 腫 脹 および 痛 みを 引 き 起 こす 恐 れがある 場 合 によっては 反 応 が 激 13
しく 自 然 爪 が 爪 床 から 剥 離 してしまい 通 常 であれば 新 しい 爪 が 生 えてくるが 爪 根 が 損 傷 を 受 けていると 完 全 に 生 え 揃 わないこともあり 得 る 遊 離 ホルムアルデヒド を 含 有 するネイル 強 化 剤 は ネイル グルーやネイル ポ リッシュに 含 まれる 一 部 の 化 学 物 質 と 同 様 に 炎 症 やアレルギー 性 反 応 を 引 き 起 こす 可 能 性 がある 1970 年 代 末 には 人 工 爪 製 品 の 成 分 として 当 時 よく 用 いられていたメタクリル 酸 メ チルを 原 因 とする 爪 の 損 傷 変 形 や 接 触 皮 膚 炎 などの 損 傷 とアレルギー 性 反 応 の 事 例 が 数 多 く FDA に 報 告 された メタクリル 酸 メチルを 含 有 する 製 品 を 製 造 していたメーカ ーに 対 して 法 的 措 置 が 講 じられたことに 加 え 当 該 製 品 の 没 収 とリコールが 相 次 いだた め 現 在 ではこの 成 分 はほとんど 使 われていない それ 以 降 メタクリル 酸 メチルに 代 わって メタクリル 酸 エチルなど 他 の 化 学 物 質 が 用 いられるようになった しかし FDA の 化 粧 品 着 色 料 室 (Office of Cosmetics and Colors)のジョン ベイリー/ディレク ター 代 理 (Ph.D.)によると 代 替 物 質 の 安 全 性 について 徹 底 的 な 調 査 研 究 はなされ ておらず メタクリル 酸 メチルと 同 じ 有 害 性 を 持 つ 可 能 性 もある メタクリル 酸 エチルを 含 有 する 製 品 に 関 しては 現 時 点 では アレルギーを 引 き 起 こす 恐 れがあるため 暴 露 と 皮 膚 接 触 を 最 小 限 に 抑 える 環 境 において 訓 練 を 受 けたネ イル テクニシャンだけが 使 用 するよう 指 導 している とベイリー/ディレクター 代 理 は 述 べている その 原 因 を 問 わず アレルギー 性 反 応 は 通 常 当 該 製 品 が 塗 擦 散 布 などされた 部 分 か 顔 まぶたや 首 など 不 注 意 で 触 れてしまった 部 分 の 表 皮 に 生 じる 原 因 物 質 の 使 用 を 止 めれば こうした 反 応 は 治 まる また 使 用 者 自 らがアレルギー 性 反 応 を 引 き 起 こす 化 学 物 質 を 特 定 し その 使 用 を 避 けることができる 場 合 もある 一 部 のネイル 製 品 は 幼 児 が 摂 取 した 時 など 疾 病 を 引 き 起 こし 死 に 至 る 場 合 も ごくまれながらある 1987 年 には 1 歳 4 ヵ 月 の 幼 児 が 人 工 爪 (スカルプチュア)を 外 すリムーバー 液 を 誤 って 飲 み 込 み シアン 化 物 中 毒 で 死 亡 した 類 似 製 品 の 誤 飲 で 緊 急 救 命 室 に 運 び 込 まれ 集 中 治 療 を 受 けた 子 供 は ほかに 少 なくとも 1 名 いる これ らの 製 品 は 飲 み 込 むとシアン 化 物 に 代 謝 されるアセトニトリルを 含 有 していた 消 費 者 製 品 安 全 委 員 会 は 1990 年 に 500 ミリグラムを 超 えるアセトニトリルを 単 一 容 器 に 含 有 する 一 般 向 けグルー リムーバーに チャイルドレジスタント パッケージ( 子 供 には 開 けられない 包 装 形 態 )を 用 いることを 義 務 付 けた 人 工 爪 用 グルー リムーバー も この 対 象 となる ネイル 製 品 は 眼 に 入 った 時 にも 害 を 及 ぼす 恐 れがあるほか コンロのバーナーの 炎 やタバコの 火 だけでなく ヘアアイロンの 加 熱 部 にすら 近 づけると 発 火 する 恐 れがあ る ネイル 製 品 のラベル 表 示 をよく 読 み 使 用 上 の 注 意 に 留 意 することが 消 費 者 に 求 めら れる 14
健 康 な 爪 現 在 の 消 費 者 性 向 を 踏 まえ 爪 の 主 たる 機 能 は 今 や 美 しく 見 せることになったと 考 える 向 きもあるかもしれない だが 爪 はいくつかの 生 理 学 的 役 割 を 担 い 細 かな 物 を 掴 む 能 力 と 微 細 な 運 動 をする 能 力 を 高 め 指 とつま 先 を 保 護 する また ばち 爪 ( 指 先 もしくはつま 先 が 丸 みを 帯 び 爪 もそれを 包 み 込 むように 丸 みを 帯 びた 状 態 )が 慢 性 的 な 肺 疾 患 や 心 臓 疾 患 の 典 型 的 な 兆 候 であるなど 医 師 が 爪 を 調 べて 深 刻 な 基 礎 疾 患 を 突 き 止 める 手 がかりとする 場 合 も 考 えられる このような 理 由 から 爪 を 健 康 な 状 態 に 保 つことは 重 要 な 意 味 を 持 つ 適 切 な 手 入 れと 予 防 によって 健 康 で 魅 力 的 な 爪 を 手 に 入 れることができる (ポーラ カーツウェイル:FDA 広 報 スタッフ) 人 工 爪 の 注 意 事 項 人 工 爪 に 使 われた 材 料 に 対 する 感 受 性 に 疑 問 がある 場 合 には まず 1 本 に 試 験 的 に 付 け 数 日 間 おいてから 反 応 が 生 じるかどうかを 調 べる 自 然 爪 もしくはその 周 辺 の 皮 膚 が 病 気 に 感 染 しているか 炎 症 を 起 こしている 場 合 には 人 工 爪 を 付 けず まず 感 染 症 を 治 す 自 分 で 付 ける 場 合 には 事 前 に 説 明 書 をよく 読 み その 指 示 に 従 う 万 が 一 アレ ルギー 反 応 など 問 題 が 生 じた 時 に 医 師 に 見 せることができるよう 成 分 表 を 取 っ ておく 人 工 爪 は 慎 重 に 扱 う 自 然 爪 に 比 べると 強 いかもしれないが それでも 割 れたり 剥 離 したりする 恐 れがある 何 かに 強 くぶつけるなどしないよう 注 意 する 電 話 を かける 時 には 鉛 筆 を 使 うなど 日 常 生 活 でも 工 夫 をする 人 工 爪 が 剥 がれた 時 には 指 先 を 消 毒 用 アルコールに 漬 け 自 然 爪 と 人 工 爪 の 間 の 部 分 を 洗 浄 してから 人 工 爪 を 再 び 施 す このような 対 応 によって 感 染 症 を 予 防 する 効 果 が 期 待 できる 家 庭 で 使 う 普 通 の 接 着 剤 は 人 工 爪 の 修 理 に 絶 対 に 使 わない 人 工 爪 用 の 製 品 だけ を 使 用 し 説 明 書 の 指 示 に 従 う 人 工 爪 を 3 ヵ 月 以 上 付 けたままにしない 一 旦 外 して 1 ヵ 月 間 爪 を 休 ませる ネイル グルーなど 有 害 な 物 質 は 子 供 の 手 の 届 かないところで 保 管 する -P.K.(ポーラ カーツウェイル) 15
安 全 なネイル サロンを 選 ぶ そのサロンのネイル サービスが 衛 生 的 であるかどうかを 判 断 する 一 助 として 爪 公 衆 衛 生 の 専 門 家 は 下 記 の 事 項 を 検 討 するよう 提 案 している ライセンスを 取 得 しているか?ライセンス 証 を 掲 示 している 店 が 多 い 掲 示 されて いなければ 尋 ねる ネイル テクニシャンはライセンスを 取 得 しているか?このライセンス 証 も 通 常 掲 示 されている 担 当 のテクニシャンのライセンス 証 が 掲 示 されていなければ 尋 ねる ネイル キットはどのように 消 毒 されているか? 高 圧 蒸 気 滅 菌 が 一 番 良 い とミシ シッピー 州 ジャクソン 在 住 の 皮 膚 科 専 門 医 ラルフ ダニエル 博 士 は 言 うが 次 の 客 に 使 うまでの 間 10 分 以 上 溶 液 に 漬 けておくことを 条 件 に 化 学 滅 菌 を 認 めている 州 が 多 い テクニシャンに そのサロンではどのような 方 法 を 採 っているかを 尋 ね る 化 学 溶 液 を 使 っている 場 合 には 製 品 のラベルを 見 て 殺 菌 など バクテリ アを 死 滅 させる 効 果 があることを 示 す 言 葉 が 記 載 されているか 確 かめる 不 安 であ れば 自 分 のキットを 持 ち 込 むことをダニエル 博 士 は 推 奨 している サービスを 行 う 前 の 手 洗 いは 行 われているか?ネイル テクニシャンも 客 も ネイリ ングの 前 に 抗 菌 性 石 鹸 で 手 を 洗 う 必 要 がある 客 一 人 ひとりが 新 しい 石 鹸 水 に 爪 を 浸 すことができるか?また 客 一 人 ひとりに 新 しいネイル ファイル( 爪 やすり)が 使 われているか?いずれの 対 応 も 励 行 され なければならない 施 設 は 清 潔 で 整 理 整 頓 されているか?ニューヨーク 大 学 の 臨 床 皮 膚 科 学 准 教 授 で 爪 部 門 のトップを 務 めるポール ケチジャン(Kechijian) 博 士 は サロン 選 びをレ ストラン 選 びに 例 え 入 った 瞬 間 に ここで 食 事 をしたいと 思 うか と 自 問 しなさ い とアドバイスする 臭 気 が 強 いか? 強 ければ それはその 施 設 の 換 気 が 悪 い 証 だ と FDA の 化 粧 品 着 色 料 室 (Office of Cosmetics and Colors)のジョン ベイリー/ディレクター 代 理 (Ph.D.) ネイル 製 品 から 発 生 したヒュームを 吸 い 込 むと 気 分 が 悪 くなることも ある ネイル サービスを 提 供 するサロンについて 苦 情 などがある 場 合 には 州 のコスメト ロジー 協 会 に 連 絡 をされたい -P.K.(ポーラ カーツウェイル) 16
ネイル 製 品 の 副 作 用 を 報 告 する ネイル 製 品 の 副 作 用 が 確 認 された 場 合 医 師 ネイル テクニシャンおよび 消 費 者 は 電 話 帳 の 青 色 部 分 に 記 載 された 最 寄 りの FDA 事 務 所 に 報 告 するか あるいは 下 記 まで 連 絡 しなければならない FDAの 食 品 安 全 応 用 栄 養 センター 有 害 事 象 報 告 システム(CAERS): 電 話 301-436-2405 電 子 メール CAERS@cfsan.fda.gov FDA コンシューマー 誌 (1995 年 12 月 ) <title>つけ 爪 による 危 害 -かぶれ やけど カビが 生 えることも-</title> 17