行 橋 市 立 長 峡 中 学 校 教 諭 角 谷 英 範 1 研 究 主 及 び 副 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 を 育 む 英 語 科 学 習 指 導 法 の 研 究 ~WPM, 推 論 発 問, 振 り 返 りを 取 り 入 れたリーディングシートの 活 用 を 通 して~ 2 研 究 内 容 の 概 要 (1) 研 究 分 野 中 学 校 第 3 学 年 英 語 科 指 導 内 容 (2) 研 究 の 目 的 WPM, 推 論 発 問, 振 り 返 りを 取 り 入 れたリーディングシートの 活 用 を 通 して, 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 を 育 むための 具 体 的 な 学 習 指 導 法 を 研 究 する (3) 研 究 の 仮 説 英 語 科 の 材 指 導 過 程 において,WPM, 推 論 発 問, 振 り 返 りを 取 り 入 れたリーディングシートを 活 用 すれば, 生 徒 の 読 むスキルと 主 体 的 に 読 んで 理 解 する 力 が 向 上 し, 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 が 育 ま れるであろう (4) 研 究 の 内 容 WPM, 推 論 発 問, 振 り 返 りを 取 り 入 れたリーディングシートの 活 用 を 通 して, 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 が 育 まれたかどうかを 以 下 の 視 点 から 分 析 し, 検 証 していく 1 生 徒 の 読 むスキルは 向 上 しているか 2 生 徒 の 主 体 的 に 読 んで 理 解 する 力 が 向 上 しているか 3 材 の 内 容 に 対 して, 読 んで 表 現 する 力 が 育 まれているか (5) 検 証 の 方 法 1WPM の 値 と 正 答 率 の 考 察 とWPM 測 定 直 後 における 振 り 返 りの 記 述 の 分 析 2 推 論 発 問 に 対 する 日 本 語 記 述 の 分 析 ( 深 い 読 みを 促 す 発 問 に, 根 拠 をもった 考 えの 記 述 があるか ) 3 推 論 発 問 に 対 する 英 文 記 述 の 分 析 ( 日 本 語 での 記 述 を 適 切 な 量 の 英 文 で 表 現 できているか ) (6) 実 践 の 概 要 本 研 究 では, 一 年 間 に5 回 の 実 践 を 行 った 各 実 践 で 研 究 の 視 点 に 立 ち, 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 を 育 むために, WPM 測 定 を 通 した 読 むスキルの 獲 得 を 目 指 す 工 夫, 推 論 発 問 と 交 流 活 動 を 手 立 てとした 深 い 内 容 理 解 を 促 す 工 夫 と リーディングシートの 活 用 の 工 夫 を 行 った ここでは,その 主 な 工 夫 点 と,その 成 果 と 課 をまとめる 実 践 材 主 な 言 語 材 料 研 究 の 視 点 に 立 った 主 な 工 夫 成 果 Ⅰ 伝 えよう GoodJapan WPM, 推 論 発 問 を 取 り 入 れた 読 む 活 動 の 工 夫 目 標 言 語 材 料 WPM を 測 定 し, 読 みのスピードやスキルに 気 づかせる 受 け 身, 第 5 文 型 make ~させる 推 論 発 問 を 手 立 てとし, 文 中 の 言 葉 や 出 来 事 を 根 拠 に 推 論 させ, 英 Thegroupislovedbymanypeople. 文 を 読 み 返 させることで 深 い 内 容 理 解 を 促 す Wassignlanguageusedinthemusical? リーディングシートの 活 用 の 工 夫 Yes,itwas./No,itwasnot. WPM 測 定 とその 振 り 返 り, 推 論 発 問 に 対 する 記 述, 一 連 の 学 習 活 Hersongmakesmehappy. 動 の 振 り 返 りをリーディングシートに 記 述 させる 学 習 過 程 や 交 流 における 意 見, 振 り 返 りの 記 述 を 可 視 化 し, 読 んだ ことから 自 分 の 考 えを 主 体 的 に 表 現 する 活 動 に 効 率 的 につなげる 取 り 扱 った 読 み 物 教 材 伝 えようGoodJapan WPM 測 定 では, 自 身 の 読 みの 力 が 数 値 として 可 視 化 されたこ (NewC HorizonEnglishCourse3 ) 成 とにより, 意 欲 に 関 する 記 述 が 多 く 見 られた 果 62.1の 生 徒 が 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 が 育 まれつつあると 考 えられる WPM 測 定 の 振 り 返 りにおいて 読 むスキル に 関 する 気 づき がない 生 徒 が73. いた 課 推 論 発 問 において, 複 数 の 根 拠 から 推 論 して 意 見 を 導 き 出 させ る 工 夫 が 必 要 である 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 が 育 まれていない 生 徒 が 37.9 いた Ⅱ TalkingaboutTraveling WPM 測 定 を 通 した 読 むスキル の 獲 得 を 目 指 す 工 夫 ~ 旅 行 への 誘 い~ 読 むスキル を 提 示 し, 使 用 するスキルのめあてを 立 てさせる 目 標 言 語 材 料 推 論 発 問 と 交 流 活 動 を 手 立 てとした 深 い 内 容 理 解 を 促 す 工 夫 現 在 完 了 形 ( 継 続 )( 経 験 )( 完 了 ) お 互 いの 考 えを 交 流 させ,さまざまな 視 点 から 何 度 も 教 材 を 読 み 返 ShehaslivedinJapanforthreeyears. させ 理 解 を 深 めさせる Haveyoueverheardof"fairtrade"? リーディングシートを 活 用 した 振 り 返 りの 工 夫 Yes,Ihave./No,Ihaven't. 活 動 の 意 義 を 認 識 させるために, 視 点 を 持 たせた 記 述 をさせる Ihaveneverheardofit. 振 り 返 りの 記 述 を 通 信 で 生 徒 にフィードバックしていく I have just checked the boxes. Haveyoucheckedtheboxesyet? 読 むスキルを 意 識 した 記 述 が 実 践 Ⅰと 比 較 して49.8 ポイント 増 成 加 した 取 り 扱 った 読 み 物 教 材 果 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 が 育 まれた 生 徒 の 割 合 は 実 践 Ⅰと 比 -1-
TalikngaboutTraveling ( 自 作 資 料 ) 較 して62.1 から89.7 へ 増 加 した WPM 値 が16.2 ポイント, 正 答 率 が1. ポイントと 下 がった 課 推 論 発 問 に 対 する 日 本 語 記 述 において5.1がC 基 準 だった 伝 えたい 内 容 の 英 文 記 述 において1.3 がC 基 準 だった Ⅲ Wecanchangeourworld WPM 測 定 を 通 した 読 むスキル の 定 着 の 工 夫 ~ 私 にできること~ 大 意 を 把 握 すること をめあてとし,どんな 読 むスキルを 使 った 目 標 言 語 材 料 のか 振 り 返 りを 行 わせ, 読 むスキルの 獲 得 を 図 る 疑 問 詞 + 不 定 詞,Itis...for-to~., 推 論 発 問 を 手 立 てとした 内 容 理 解 を 深 める 工 夫 want...to~. 発 問 を 段 階 的 に 構 成 し, 何 度 も 読 み 返 させることで 教 材 の 主 を 読 Iknowhowtogettickets. み 取 らせる Itisdifficultformetoexplainsumo. Iwantyoutocheckmyhomework. リーディングシートを 活 用 した 振 り 返 りの 工 夫 具 体 的 なフィードバックを 適 切 に 行 うために, 振 り 返 りの 視 点 を 与 えて 記 述 させる 取 り 扱 った 読 み 物 教 材 Wecanchangeourworld スキルへの 気 づきが 78.9 見 られ, 読 むスキル への 意 識 が (NewCrownEnglishCourse3) 向 上 しつつあると 考 えられる 成 79.5 の 生 徒 は 主 体 的 に 読 んで 理 解 する 力 が 育 まれつつあると 果 考 えられる 未 習 の 表 現 を 既 習 の 表 現 や 教 材 中 の 具 体 的 に 記 述 するなど, 言 いかえ 表 現 に 関 する 気 づきが 見 られた WPM を 越 えていない 生 徒 がまだ28.9 いる 英 文 記 述 においてC 基 準 の 生 徒 の 割 合 が15.4 となり, 実 践 Ⅱ 課 と 比 較 して5.1 の 増 加 した 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 が 育 まれつつあると 考 えられる 生 徒 が89.7 から84.9 に 減 少 した Ⅳ FororAgainst WPM 測 定 を 通 した 読 むスキル の 定 着 の 工 夫 ~ 議 論 に 参 加 しよう~ 複 数 のスキルを 使 うことを 意 識 させるために,スキルについて 選 択 目 標 言 語 材 料 形 式 で 振 り 返 りを 行 わせる 現 在 分 詞 及 び 過 去 分 詞 による 後 置 修 飾, 間 推 論 発 問 を 手 立 てとした 内 容 理 解 を 深 める 工 夫 接 疑 問 文 深 い 内 容 理 解 を 促 すために, 主 人 公 の 心 情 を 行 動 と 周 囲 の 反 応 から Thisisafoodmadefromcacaobeans. 推 論 させる The largest animal living on land is the リーディングシートの 活 用 の 工 夫 elephant. 発 問 の 証 拠 性 を 高 めるため, 根 拠 となる 英 文 をリーディングシート Idonotknowwhatyoumean. に 書 き 出 させる 活 動 の 意 義 を 認 識 させるために, 自 己 評 価 と 振 り 返 りを 行 う 取 り 扱 った 読 み 物 教 材 AVultuteandaChild WPM 値 が16.7 ポイント 上 昇 し,WPM を 越 えた 生 徒 の 割 合 (NewCrownEnglishSeries3 ) 成 が76.9 であった 果 根 拠 となる 英 文 を 示 し, 証 拠 性 を 高 めることができた 英 文 記 述 において,B 基 準 以 上 の 生 徒 が89.8 であった WPM を 越 えていない 生 徒 がまだ23.1 いた 課 英 文 からの 根 拠 がなく, 感 想 や 想 像 と 捉 えられた 記 述 をした 生 徒 が15.4でだった 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 が 育 まれつつあると 考 えられる 生 徒 が84.6 から79.5 に 減 少 した Ⅴ Let'sreadbooks WPM 測 定 を 通 した 読 むスキル の 活 用 を 促 す 工 夫 ~お 薦 めの 本 を 紹 介 しよう~ 読 むスキルを 複 数 連 携 して 使 わせることによる 効 果 的 な 読 みを 意 識 目 標 言 語 材 料 させる 関 係 代 名 詞 ( 主 格 のthat,which, who 及 び 目 推 論 発 問 を 手 立 てとした 内 容 理 解 を 深 める 工 夫 的 格 のthat,which の 制 限 用 法 ) 物 語 の 主 に 段 階 的 に 迫 る 発 問 構 成 をすることで, 深 い 内 容 理 解 を ThisisabookIboughtintheUnitedState. 促 す Becky is the student who comes from リーディングシートの 活 用 の 工 夫 Canada. 英 語 表 現 得 点 表 を 示 し, 目 標 言 語 材 料 を 使 った 表 現 の 気 づきを 促 す Thisisamoviethat [which] makespeople 評 価 の 視 点 を 具 体 的 に 示 し, 客 観 的 な 視 点 で 自 己 評 価 できるように happy. させる This is the message that [which]he left for WPM を 越 えた 生 徒 の 割 合 が94.3 であった us. 成 根 拠 を 明 らかにして 自 分 の 考 えを 記 述 することができた 生 徒 が 果 94.3 であった 取 り 扱 った 読 み 物 教 材 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 が 育 まれたと 考 えられる 生 徒 の 割 合 IHaveaDream が79.5 から94.2 に 増 加 した (New Crown English Series3 ) WPM を 越 えていない 生 徒 がまだ5.7 いた 課 根 拠 となる 英 文 をもとにした 考 えではなく, 感 想 や 想 像 と 捉 え られる 記 述 をした 生 徒 が5.7あった 伝 えたい 内 容 の 英 文 記 述 において5.8がC 基 準 であった -2-
3. 研 究 の 成 果 と 課 ここでは 分 析 の 視 点 にそって, 本 研 究 の 成 果 と 課 をまとめる (1) 生 徒 の 読 むスキルが 向 上 しているか (1)-A:WPM 測 定 におけるWPM 値 の 分 析 5 回 の 実 践 を 通 してWPM 値 は39.1 ポイント 向 上 し, 読 みにかかった 時 間 については9.8 秒 短 縮 できてい る 正 答 率 については5 回 の 実 践 を 通 して 85.2 と 高 い 割 合 を 保 っている 教 材 に 使 われる 語 彙 数 は 実 践 ご とに 増 加 したが, 読 みにかかる 時 間 は 速 くなり,WPM 値 は 向 上 している このことより, 読 むスキル を 意 識 した 読 みが 定 着 しつつあると 考 えることができる つまり, 生 徒 は 自 分 に 適 した 読 むスピードを 意 識 し ながら, 複 数 の 読 むスキルを 生 かすことで, 効 率 的 な 読 みを 習 得 しつつあると 考 えることができる グラフ1 WPM 値 の 平 均, 正 答 率, 読 みにかかる 時 間 の 推 移 2 15 5 13.4 114.2 143.5 94.1 11.4 98.5 9 86 76 16.2 169.5 9.8 83.4 84.4 84.3 WPM 平 均 (WPM) 正 答 率 () 時 間 ( 秒 ) グラフ2 に 示 す 通 り,WPM を 越 えた 生 徒 の 到 達 度 の 割 合 は, 実 践 Ⅱでは 半 分 以 下 であったが 実 践 Ⅴでは94.3 の 生 徒 がWPM を 越 えることができた また 実 践 Ⅴにおいては, WPM 未 満 の 生 徒 については, 正 答 率 も 高 く, 前 実 践 と 比 較 してもWPM 値 の 上 昇 が 見 られた こうしたWPM 値 を 越 え た 生 徒 の 増 加 の 要 因 としては, 前 述 したように, 読 むスキル を 意 識 した 読 みが 定 着 しつつあることが 考 えられる 本 研 究 で は5 回 の 実 践 で 指 は 左 から 右, 全 体 から 把 握 単 語 前 後 推 測 まとまり 区 切 り 英 語 で 理 解 の5つのスキルを 提 示 し, 実 践 Ⅳ 以 降 では,こうしたスキルを 複 数 併 用 させることで, 効 率 の 良 い 読 みができることを 意 識 させた WPM の 測 定 では, 読 む 力 が 数 値 可 され,さらに,その 数 値 が 実 践 を 追 うごとに 上 昇 していったことが, 生 徒 の 読 みに 対 す る 意 識 を 向 上 させることに 効 果 的 であったと 言 える グラフ2 WPM WPMを 越 えた 生 徒 の 割 合 5.7 28.9 23.1 8 4.5 53.8 6 94.3 4 71.1 76.9 59.5 2 46.2 (1)-B:WPM 測 定 直 後 における 振 り 返 り 記 述 の 分 析 グラフ3 振 り 返 りの 内 容 分 類 8 6 4 2 8.1 62.2 29.7 5.1 5.3 7.7 8.4 15.4 15.8 23.1 24.4 79.5 78.9 69.2 67.2 その 他 意 欲 読 むス キル 実 践 ⅠからⅡにかけては 読 むスキル を 提 示 した ことから,スキルに 関 する 気 づきが 増 えた 実 践 Ⅲで は,スキルに 関 する 気 づきをフィードバックすること で, 速 く 読 む ことよりも, 内 容 を 把 握 すること の 方 が 大 切 であるという 生 徒 の 意 識 が 高 めることがで きた 実 践 Ⅳからは 複 数 のスキル 使 うことを 意 識 させ るために,これまでに 提 示 したスキルをいくつ 使 って いるかについて 選 択 形 式 を 取 り 入 れた 振 り 返 りを 行 わ せ,その 気 づきのフィードバックを 行 った その 結 果 71.4 の 生 徒 が 複 数 のスキルを 意 識 した 読 みを 行 い, WPM 値 を 向 上 させることができた こうした 生 徒 の スキルに 関 する 振 り 返 りに 見 られた 気 づきをフィード バックすることで, 複 数 のスキルを 使 った 読 みを 意 識 させることができつつあると 考 える 以 上 (1)- A,B から, 各 実 践 における WPM 測 定 における 読 むスキル の 具 体 的 な 提 示 と 読 みに 関 する 振 り 返 り,また 生 徒 の 気 づきをフィードバックした 手 立 てが 有 効 に 働 き, 生 徒 の 読 むスキルは 向 上 でき たと 考 えられる (2) 生 徒 の 主 体 的 に 読 んで 理 解 する 力 が 向 上 しているか (2)-A: 推 論 発 問 に 対 する 日 本 語 記 述 の 分 析 -3-
グラフ4 日 本 語 による 推 論 発 問 に 対 する 記 述. 8. 6. 4. 2.. 16.2 5.1 5.1 5.7 15.4 15.4 25.7 48.7 43.6 7.3 79.5 68.6 46.2 41. 13.5 C 基 準 B 基 準 A 基 準 実 践 Ⅰ 実 践 Ⅱ 研 究 初 期 の 実 践 Ⅰでは 推 論 発 問 に 対 して 全 員 が 考 えを 持 った 記 述 ができたものの,16.2 の 生 徒 は 感 想 を 述 べるだけの 記 述 で C 基 準 となってしまった 考 えの 根 拠 として 一 文 のみの 理 由 を 記 述 した B 基 準 の 生 徒 が7.3 と 多 く,A 基 準 となる 複 数 の 根 拠 を 理 由 した 挑 戦 性 をもった 記 述 は13.5 しか 見 られなかった 実 践 Ⅰでは,WPM 測 定 と, 推 論 発 問,そして 推 論 発 問 に 対 する 考 えを 英 語 で 表 現 させるまでの 一 連 の 活 動 を 一 時 間 の 中 で 行 った こうした 活 動 内 容 を 詰 め 込 み 過 ぎたこと で,それぞれの 活 動 に 十 分 な 時 間 を 確 保 することができず, 教 材 の 深 い 内 容 理 解 を 促 すことができ たとは 言 えない 実 践 Ⅰの 反 省 を 生 かし, 推 論 発 問 に 対 する 英 文 記 述 の 活 動 は 次 時 に 行 うこととし, 推 論 発 問 に 対 す る 考 えの 意 見 交 流 の 時 間 を 確 保 し,さまざまな 視 点 から 教 材 を 読 み 返 すことを 促 した 時 間 の 確 保 と 意 見 交 流 の 手 立 てが 有 効 に 働 き, 複 数 の 根 拠 を 理 由 とした A 基 準 の 生 徒 が 46.2 と 32.7 ポイン ト 増 加 した また, 感 想 と 見 られたC 基 準 の 生 徒 が5.1 と11.1 ポイント 減 少 した 考 えをもった 意 見 交 流 を 行 わさせることで, 異 なる 視 点 の 考 えを 知 り, 教 材 を 読 み 返 させることにより, 新 たな 考 えの 根 拠 を 見 つけ 挑 戦 性 が 高 まったと 考 えられる 実 践 Ⅲ 教 材 のもつ 主 を 推 測 させ 日 本 語 一 文 で 主 を 書 かせ,さらに 考 えの 理 由 を 記 述 させた その 際, 意 見 交 流 を 十 分 に 行 わせることで 田 中 (211)による 読 みの 広 がり が 見 られ, 推 論 意 見 感 想 発 展 の3つの 視 点 で 分 析 を 行 った 発 展 の 記 述 の 中 には 挑 戦 性 と 証 拠 が 見 ら れ, 教 材 の 持 つ 主 について 理 解 し, 自 分 が 理 解 したことを 実 際 の 生 活 場 面 に 置 き 換 えて, 自 分 の 言 葉 で 記 述 できていた 教 材 のもつ 事 実 から 考 えをもつことができた 意 見 感 想 の 記 述 のには 証 拠 が 見 られた 実 践 Ⅲにおいては,94.9 の 生 徒 が 主 体 的 に 読 んで 理 解 する 力 が 育 まれつつ あると 考 えられた C 基 準 の 生 徒 については 単 に 感 想 を 述 べ 十 分 な 証 拠 がない 記 述 であった 実 践 Ⅳ 実 践 Ⅴ 実 践 Ⅲの 課 から 証 拠 性 高 めるために, 考 えの 根 拠 を 教 材 の 本 文 からリーディングシートに 書 き 出 させるように 工 夫 した 実 践 ⅣではA B 基 準 の 生 徒 が 減 少 していることがわかる これは, 証 拠 性 を 高 めたことが 原 因 であると 考 えられる その 結 果, 根 拠 として 書 き 出 した 英 文 に 関 わりの ない 考 え, 単 なる 感 想 や 想 像 によると 捉 えられる 考 えの 記 述 が 見 られ,A B 基 準 の 生 徒 の 減 少 に つながったと 考 えられる しかし, 読 んで 理 解 したことの 証 拠 性 はこれまでの 実 践 よりも 高 め ることができた 読 んで 理 解 したことからの 考 えの 記 述 となる 証 拠 性 を 高 めるために, 実 践 Ⅳに 続 き, 根 拠 とな る 英 文 をリーディングシートに 書 き 出 させた 推 論 発 問 に 対 する 日 本 語 記 述 の 分 析 においては, 書 き 出 させた 根 拠 となる 英 文 の 数 だけでなく,その 英 文 からわかることを 考 えの 理 由 として 記 述 して いるか, 自 分 の 考 えを 理 由 づけて 日 本 語 で 記 述 できているかを 分 析 した A 基 準 は, 複 数 の 理 由 を 推 論 づけて 考 えを 記 述 ができており, 証 拠 性 と 挑 戦 性 を 見 とることができ, 理 解 したことを 自 分 自 身 のこととして 考 え 記 述 するなど, 読 みの 広 がりを 見 とることもできた B 基 準 の 生 徒 は, 具 体 的 な 根 拠 を 一 つ 書 き 出 し, 明 確 な 根 拠 を 一 つもった 証 拠 性 を 見 とることができた C 基 準 の 生 徒 は 証 拠 となる 英 文 とは 関 連 性 のないまとめの 記 述 となっており, 感 想 や 想 像 によるものと 捉 えられる 実 践 Ⅳと 比 較 すると A 基 準 の 生 徒 は 27.6 ポイント 増 え,B 基 準 と 合 わせて 94.3 の 生 徒 が 主 体 的 に 読 んで 理 解 できていると 考 えられる 結 果 となった この 増 加 の 要 因 として 次 の 2 点 が 考 えられる まず, 発 問 後 に 考 えの 理 由 のみを 考 えさせたこと,そして 根 拠 を 示 した 意 見 交 流 をさ せたことである 前 実 践 では, 英 文 の 抜 き 出 しからまとめの 記 述 までを 通 して 行 ったが, 本 実 践 で は 考 えの 理 由 までを 考 えさせ, 意 見 交 流 を 行 った 意 見 交 流 の 後, 異 なる 視 点 で 教 材 を 再 び 読 ませ, まとめの 記 述 を 書 かせることで,より 深 い 内 容 理 解 を 促 すことができたと 考 えられる 2 15 5 149.8 19.2 52.5 66.9 H24 年 2 月 H24 年 12 月 リーディン グスコア WPM グラフ5 GTECスコア スコアの 比 較 グラフ5 に 示 すように, 昨 年 度 2 月 に 行 ったGTEC(ス コア 型 英 語 検 定 )の 結 果 と 今 年 度 12 月 の 結 果 を 比 較 した リーディングスコアは 4.6 ポイント,WPM 値 は 14.4 ポイ ント 上 昇 していることが 分 かる 昨 年 度 には,WPM 値 が4. 以 下 の 生 徒 が 48. いたが,19.3 と 減 少 し, 岩 城 (198) が 提 唱 するWPM を 越 えた 生 徒 は5.3 から11.8 へと 上 昇 した また GTEC のリーディング 分 析 結 果 からは, 文 章 全 体 の 大 まかな 流 れを 理 解 する 力 がある 程 度 ついてきて いることが 分 かる 以 上 (2)- A から, 各 実 践 における 意 見 交 流 とリーディングシートに 証 拠 をもった 理 由 を 記 述 させ,ま とめの 記 述 を 書 かせる 手 立 てが 有 効 に 働 き, 生 徒 の 主 体 的 に 読 んで 理 解 する 力 は 向 上 できたと 考 えられる (3) 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 が 育 まれているか -4-
(3)-A: 推 論 発 問 に 対 する 英 文 記 述 の 分 析 グラフ6. 8. 6. 4. 2.. 英 文 による 推 論 発 問 に 対 する 記 述 29.7 1.3 15.4 1.2 2.6 34.2 35.9 3.8 43.6 54.1 53.8 59. 63.2 41. 16.2 C 基 準 B 基 準 A 基 準 実 践 Ⅰ 実 践 Ⅱ 実 践 Ⅲ 実 践 Ⅳ 実 践 Ⅴ 前 述 したとおり, 英 語 で 表 現 する 活 動 の 時 間 を 十 分 に 確 保 することができなかった しかし, 表 現 のモデルを 示 すことで, 目 標 言 語 材 料 を 使 った 英 語 表 現 をすることができた 英 語 で 表 現 の 時 間 は2 時 間 目 にあたり, 英 文 での 論 理 的 な 文 章 構 成 の 仕 方 を 指 導 した 後 に, 前 時 の 日 本 語 記 述 を 英 語 で 表 現 させた また, 英 文 記 述 においても,お 互 いの 記 述 を 意 見 交 流 させること で, 表 現 の 間 違 いや 目 標 言 語 材 料 を 使 った 新 しい 表 現 の 気 づきを 促 すことができた こうしたモデ ルの 提 示 や 時 間 の 確 保, 英 文 記 述 の 意 見 交 流 を 十 取 り 入 れることで,B 基 準 以 上 の 生 徒 が19.4 ポイ ントの 増 加 とすることができた B 基 準 以 上 の 生 徒 の 減 少 が 見 られた この 結 果 に2つの 原 因 が 考 えられた まず, 日 本 語 記 述 の 表 現 に 広 がりが 見 られ, 未 習 語 や 未 習 の 表 現 を 用 いて 英 語 で 表 現 しようとした 結 果, 正 しいく 単 語 の 意 味 や 表 現 の 働 きを 理 解 できず, 英 語 の 構 造 上 の 間 違 いを 起 こしたことである また, 表 現 のモデ ルを 提 示 をせず, 生 徒 の 自 主 的 な 記 述 をうながしたが, 前 述 の 日 本 語 記 述 の 表 現 の 広 がりから 内 容 をまとめることができず, 間 違 いとなった 記 述 が 見 られた 生 徒 の 英 文 記 述 を 分 析 すると, 一 文 の 中 に, 主 語 が 省 略 されているものが 多 く 見 られた 日 本 語 で 理 解 できることを,そのまま 英 語 で 表 現 したことがわかった 一 方 では 未 習 の 語 を 既 習 の 表 現 で 記 述 した,いわゆる 言 いかえ 表 現 に 気 づいた 生 徒 が 見 られた 実 践 Ⅲの 反 省 を 生 かし, 英 文 記 述 の 構 成 モデルを 示 し,ある 程 度 表 現 を 収 束 させた 次 に, 前 実 践 の 気 づきから, 未 習 の 言 葉 も 言 いかえ 表 現 をすることで 伝 えたいことが 表 現 できること 示 した また, 根 拠 となる 英 文 を 考 えの 理 由 として 取 り 入 れるように 記 述 させることで,B 基 準 以 上 の 生 徒 が89.8 となり,5.2 ポイントの 上 昇 した またC 基 準 の 生 徒 は5.2 ポイント 減 少 した B 基 準 以 上 の 生 徒 が97.4 と 最 も 高 くなった B 基 準 以 上 の 生 徒 は7.6 ポイント 上 昇 し,C 基 準 の 生 徒 が 7.6 ポイント 減 少 している このことについては, 以 下 のことが A,B 基 準 の 向 上,C 基 準 の 減 少 の 要 因 であると 考 えられる まず, 前 実 践 同 様 に 構 想 モデルを 示 すとともに, 目 標 とする 言 語 材 料 の 使 用 を 促 すために 英 語 表 現 得 点 表 を 示 したことである これにより, 目 標 言 語 材 料 である 関 係 代 名 詞 を 使 うべきところを 予 測 させやすくしたと 考 えられる 次 に, 日 本 語 記 述 を 構 想 モデルと 英 語 表 現 得 点 表 に 照 らし 合 わせ, 英 語 で 表 現 できるように 分 析 を 行 わせた そうすることで, 日 本 語 表 現 による 表 現 の 広 がりがポイントを 押 さえた 日 本 語 表 現 とし, 英 語 での 表 現 が 考 えやすくなっ たと 考 えられる また, 難 しい 表 現 や 未 習 の 言 葉 を, 教 材 の 中 にある 表 現 をうまく 使 って 表 現 する 言 いかえ 表 現 が 定 着 しつつあることも 要 因 の 一 つと 考 えられる 英 語 表 現 における 交 流 におい ては, 英 語 表 現 得 点 表 を 基 にした 交 流 活 動 とさせたことで, 具 体 的 なアドバイスや 英 語 表 現 の 気 づ きを 促 すことができたと 考 えられる こうした 活 動 から, 実 際 に 自 分 の 英 文 記 述 を 友 達 に 読 んで 理 解 してもらう 際 に, 自 分 の 考 えや 気 持 ちを 読 み 手 に 正 しく 伝 わるように 表 現 することの 大 切 さを 意 識 させることができた (3)-B: 推 論 発 問 に 対 する 日 本 語 記 述 と 推 論 発 問 に 対 する 英 文 記 述 の 分 析 本 研 究 における 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 は, 推 論 発 問 に 対 する 日 本 語 記 述 および 推 論 発 問 に 対 する 英 文 記 述 においてともにB 基 準 以 上 であれば, 育 まれたとして 見 とってきた グラフ7 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 が 育 まれた 生 徒 の 割 合 8 37.9 1.3 15.4 2.5 5.8 6 4 2 62.1 89.7 84.6 79.5 94.2 育 ま れ て い な い 育 ま れ た これまでの 実 践 を 比 較 してみると グラフ7 に 示 すように, 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 が 育 まれたと 考 えられる 生 徒 の 割 合 が 実 践 Ⅴでは94.2 となり, 前 実 践 と 比 較 して14.7 ポイント, 実 践 Ⅰと 比 較 すれば32.1 ポイント 上 昇 していることがわかる 特 に, 実 践 Ⅴでは, 主 体 的 に 読 んで 理 解 する 活 動 においても, 生 徒 の 記 述 の 証 拠 性 を 高 めることができており, 正 確 に 読 んで 理 解 したことから 表 現 できている 生 徒 が 多 いと 言 え ることができる 本 実 践 の 推 論 発 問 は 教 材 のもつ 主 について 考 えさせることであり, 豊 かな 読 みを 十 分 に 引 き 出 すことができたと 考 えることができる こうした 94.2 の 生 徒 については 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 が 育 まれつつあると 言 うことができる しかし, 本 実 践 においてはまだ 5.8 の 生 徒 が 主 体 的 に 読 んで 表 現 -5-
する 力 が 育 まれていないと 言 える 前 述 したように, 考 えの 根 拠 を 示 させ, 読 んで 理 解 したことから 考 えさ せること,また 意 見 交 流 のさせ 方 や 交 流 のグループ 構 成 については 今 後 工 夫 の 余 地 があると 考 えられる 以 上 (3)-A,B から, 各 実 践 における 意 見 交 流 とリーディングシートの 工 夫 が 有 効 に 働 き, 生 徒 の 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 は 育 まれつつあると 考 えられる これまでの(1)(2)(3)より, 英 語 科 の 材 指 導 過 程 において,WPM, 推 論 発 問, 振 り 返 りを 取 り 入 れたリーディングシートを 活 用 したことで, 生 徒 の 読 むスキルと 主 体 的 に 読 んで 理 解 する 力 が 向 上 し, 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 が 育 まれたと 考 えられ, 本 研 究 の 仮 説 は 正 しかったと 考 えられる 成 果 を 得 ることがで きた 一 連 の 学 習 過 程 について 振 り 返 りを 行 わせることで, 自 分 自 身 の 読 みや 英 文 を 読 んで 理 解 すること,そし て 理 解 したことを 英 語 で 表 現 することにおける 気 づきを 促 すことができたと 伺 える 記 述 が 見 られた また, 実 践 を 追 うごとに,その 記 述 の 質 は 高 まっていった このような 生 徒 自 身 の 振 り 返 りにおける 気 づきが, 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 の 育 成 を 加 速 したという 手 応 えをつかめたことは, 本 研 究 の 成 果 であると 捉 えたい 今 後 の 課 (1) 生 徒 の 読 むスキルの 向 上 における 課 改 善 5 回 の 実 践 を 通 した WPM 測 定 において,WPM を 越 えていない 生 徒 がまだ 5.7 いた WPM 値 を 向 上 させるためにはある 程 度 のスピードを 持 って 読 ませることが 必 要 である しかし, 読 む 速 さ に 着 目 させすぎてしまうと,ただ 英 文 を 眺 めるだけとなり 大 意 を 把 握 することができず, 正 答 率 が 低 下 してし まう よって 本 文 内 容 の 理 解 度 を 高 め, 効 率 の 良 い 読 みを 行 うためには, 読 むスキルを 複 数 併 用 した 工 夫 が 必 要 である また, 効 率 の 良 い 読 み 方 について 生 徒 の 気 づきを 生 かした 教 師 のフィードバックが 必 要 であると 考 える (2) 生 徒 の 主 体 的 に 読 んで 理 解 する 力 の 評 価 の 改 善 本 研 究 では, 主 体 的 に 読 む とは, 読 み 手 として 主 体 的 に 考 えたり, 判 断 したりしながら 理 解 していく こと とし, 深 い 内 容 理 解 を 促 す 手 立 てとして 推 論 発 問 を 取 り 入 れてきた 推 論 発 問 はテキストの 情 報 をも とに,テキスト 上 には 直 接 示 されていない 内 容 を 推 測 させる 発 問 であり, 英 文 のもつ 意 味 や 文 と 文 の 行 間 を 読 み 取 らせることを 特 徴 としており,そうした 発 問 に 対 する 生 徒 の 記 述 への 評 価 は 非 常 に 難 しく, 課 とし て 残 った 実 際 には, 前 述 した 推 論 発 問 を 構 成 する4つの 原 則 を 評 価 基 準 に 合 うように 解 釈 し, 生 徒 の 記 述 を 評 価 してきた 考 えの 根 拠 となる 英 文 を 抜 き 出 させることは 証 拠 性 を 高 めるために 必 要 なことである が,そこから 導 き 出 された 生 徒 の 考 えを 明 確 に 評 価 することに 迷 うこともあった 読 んで 理 解 したことから の 考 えには 単 なる 感 想 や 意 見 も 含 まれる 可 能 性 もある また,さまざまな 視 点 からの 読 みを 促 す 発 問 でもあ り, 明 確 な 解 答 が 一 つ, 考 え 方 や 根 拠 の 示 し 方 が 一 つとは 言 えない よって, 本 研 究 での 成 果 を 基 に, 推 論 発 問 に 対 する 評 価 の 仕 方 については 今 後 も 再 考 する 必 要 がある (3) 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 の 発 展 本 研 究 では 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 とは, 話 の 内 容 や 書 き 手 の 意 見 などを 適 切 に 理 解 し, 自 らの 体 験 や 考 え 方 などに 照 らし 合 わせて, 読 んだことから 自 分 の 意 見 や 考 えを 書 くこと で 表 現 することとして 研 究 を 進 めてきた そこで, 推 論 発 問 に 対 する 考 えを 日 本 語 記 述 で 書 かせ,その 考 えを 英 文 で 記 述 させた 推 論 発 問 を 通 して 考 えたことは 自 分 の 意 見 や 考 えであるため,そうした 考 えを 正 しく 読 み 手 に 伝 わるように 英 語 で 表 現 させたことは, 読 んだことから 書 いて 表 現 させる 力 を 育 むためには 有 効 であったと 考 える しか し, 推 論 させて 考 えたことと 生 徒 が 読 んで 理 解 し, 最 終 的 な 考 えとして 伝 えたいこととは 必 ずしも 一 致 する とは 限 らない 本 研 究 では 推 論 発 問 に 焦 点 を 当 て 英 語 で 表 現 させるに 留 まったが,これからはその 先 にある, テキストに 書 かれた 内 容 に 対 する 読 み 手 の 考 えや 態 度 を 答 えさせる 発 問 に 焦 点 をあて, 自 分 の 経 験 や 体 験 し たことを 踏 まえ, 読 んだことについての 感 想 や 意 見, 賛 否 やその 理 由 を 英 語 で 表 現 させることが, 英 語 科 の 本 質 である コミュニケーション 能 力 の 基 礎 の 育 成 につながると 考 えられる 6. 研 修 を 修 了 しての 感 想 主 体 的 に 読 んで 表 現 する 力 を 育 む 英 語 科 学 習 指 導 法 の 研 究 という 研 究 主 をもとに, 仮 説 検 証 型 の 研 究 を 行 ったこの 一 年 間 は, 中 身 の 濃 い 研 修 の 場 となりました 英 語 科 の 本 質 について 考 えながら 材 研 究 と 授 業 実 践 を 行 い, 授 業 に 積 極 的 に 取 り 組 む 生 徒 の 姿 から, 大 きな 成 果 や 気 づき, 今 後 も 取 り 組 むべき 課 をまとめることができました これまで 専 門 的 なご 指 導,ご 助 言 をいただきました 指 導 主 事 の 先 生 方 をはじ め, 実 践 の 内 容 からまとめまで 丁 寧 にご 指 導 をいただき 支 えてくださいました 附 属 小 倉 中 学 校 の 諸 先 生 方 に 心 より 感 謝 申 し 上 げます 最 後 に,このような 貴 重 な 研 修 の 場 を 与 えて 下 さった 福 岡 県 教 育 委 員 会, 京 築 教 育 事 務 所, 行 橋 市 教 育 委 員 会 の 諸 先 生 方 に 心 より 御 礼 申 し 上 げます 一 年 間 の 研 修 で 得 たものを, 今 後 の 授 業 実 践 で 生 かしながらさ らなる 授 業 力 の 向 上 を 目 指 していきたいと 思 います これまで 支 えていただきました 全 ての 方 々に 感 謝 し, 研 修 の 報 告 を 終 わらせていただきます ありがとうございました -6-