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平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

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私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

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●電力自由化推進法案

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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

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その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情


18 国立高等専門学校機構

16 日本学生支援機構

●幼児教育振興法案

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

公表表紙

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文化政策情報システムの運用等

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一般競争入札について

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

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Taro-01 議案概要.jtd

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預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

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別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

<4D F736F F D F8D828D5A939982CC8EF68BC697BF96B38F9E89BB82CC8A6791E52E646F63>

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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m07 北見工業大学 様式①

Microsoft Word 利子補給金交付要綱

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

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【労働保険事務組合事務処理規約】

 三郷市市街化調整区域の整備及び保全の方針(案)

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定款  変更

高松市緊急輸送道路沿道建築物耐震改修等事業補助金交付要綱(案)

総合評価点算定基準(簡易型建築・電気・管工事)

4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

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1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

新ひだか町住宅新築リフォーム等緊急支援補助金交付要綱

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

( 補 助 金 等 交 付 決 定 通 知 に 加 える 条 件 ) 第 7 条 市 長 は 交 付 規 則 第 11 条 に 規 定 するところにより 補 助 金 の 交 付 決 定 に 際 し 次 に 掲 げる 条 件 を 付 するものとする (1) 事 業 完 了 後 に 消 費 税 及 び

2 1.ヒアリング 対 象 (1) 対 象 範 囲 分 類 年 金 医 療 保 険 雇 用 保 険 税 備 考 厚 生 年 金 の 資 格 喪 失 国 民 年 金 の 加 入 老 齢 給 付 裁 定 請 求 など 健 康 保 険 の 資 格 喪 失 国 民 健 康 保 険 の 加 入 健 康 保 険

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

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学校安全の推進に関する計画の取組事例

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(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

Microsoft Word - 都市計画法第34条第11号及び第12号

小山市保育所整備計画

(3) その 他 市 長 が 必 要 と 認 める 書 類 ( 補 助 金 の 交 付 決 定 ) 第 6 条 市 長 は 前 条 の 申 請 書 を 受 理 したときは 速 やかにその 内 容 を 審 査 し 補 助 金 を 交 付 すべきものと 認 めたときは 規 則 第 7 条 に 規 定 す

3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協



(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

平成19年9月改定

弁護士報酬規定(抜粋)

別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

1 ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 の 事 業 税 の 課 税 について ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 は 収 入 金 額 を 課 税 標 準 として 収 入 割 の 申 告 となります ( 法 72 条 の2 72 条 の 12 第 2 号 ) ガス 供 給 業 とその 他 の 事

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

01.活性化計画(上大久保)

(2) 単 身 者 向 け 以 外 の 賃 貸 共 同 住 宅 等 当 該 建 物 に 対 して 新 たに 固 定 資 産 税 等 が 課 税 される 年 から 起 算 して5 年 間 とする ( 交 付 申 請 及 び 決 定 ) 第 5 条 補 助 金 の 交 付 を 受 けようとする 者 は

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

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の 提 供 状 況 等 を 総 合 的 に 勘 案 し 土 地 及 び 家 屋 に 係 る 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 減 額 せずに 平 成 24 年 度 分 の 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 課 税 することが 適 当 と 市 町 村 長 が 認 め

土 購 入 土 借 用 土 所 有 権 移 転 登 記 確 約 書 農 転 用 許 可 書 ( 写 ) 農 転 用 届 出 受 理 書 ( 写 ) 土 不 動 産 価 格 評 価 書 土 見 積 書 ( 写 ) 又 は 売 買 確 約 書 ( 写 ) 土 売 主 印 鑑 登 録 証 明 書 売 主

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1 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )について 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )の 構 成 構 成 記 載 内 容 第 1 章 はじめに 本 マニュアルの 目 的 記 載 内 容 について 説 明 しています 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 林 地

Transcription:

公 営 企 業 の 経 営 のあり 方 等 に 関 する 調 査 研 究 会 報 告 書 ~ 公 営 企 業 の 広 域 化 民 間 活 用 の 推 進 について~ ( 人 口 減 少 社 会 における 公 営 企 業 の 新 たな 展 開 等 について) 平 成 27 年 3 月 一 般 財 団 法 人 自 治 総 合 センター

は し が き 我 が 国 の 地 域 社 会 において 地 方 公 営 企 業 は 水 の 供 給 や 汚 水 の 処 理 医 療 の 提 供 公 共 輸 送 の 確 保 など 地 域 住 民 の 生 活 や 地 域 の 発 展 に 不 可 欠 な 事 業 を 行 って いるところであるが 少 子 高 齢 化 や 人 口 減 少 施 設 の 老 朽 化 の 急 速 な 進 展 等 によ り 地 方 公 営 企 業 を 取 り 巻 く 経 営 環 境 は 厳 しさを 増 しつつある このような 状 況 の 下 においても 必 要 な 住 民 サービスを 確 保 し 公 共 の 福 祉 を 増 進 するよう 企 業 運 営 を 行 うことは 地 方 公 営 企 業 の 本 来 の 目 的 である その 目 的 を 達 成 するために 各 地 方 公 営 企 業 は 自 らの 経 営 状 況 等 を 的 確 に 把 握 した 上 で 中 長 期 的 な 経 営 の 基 本 計 画 である 経 営 戦 略 を 策 定 し 同 計 画 に 基 づく 計 画 的 な 経 営 基 盤 の 強 化 に 取 り 組 む 必 要 がある このことは 公 営 企 業 の 経 営 に 当 た っての 留 意 事 項 について ( 平 成 26 年 8 月 29 日 付 け 総 務 省 自 治 財 政 局 公 営 企 業 課 長 等 通 知 )において 総 務 省 が 要 請 しているところである その 際 人 口 の 減 少 等 が 著 しい 地 方 自 治 体 の 公 営 企 業 をはじめとして 経 営 環 境 が 厳 しい 地 方 公 営 企 業 においては 現 在 の 経 営 形 態 を 前 提 とする 今 後 の 地 方 公 営 企 業 のあり 方 の 検 討 及 び 取 組 のみでは 将 来 にわたり 必 要 な 住 民 サービスを 確 保 することが 困 難 と 見 込 まれることも 想 定 される 経 営 戦 略 の 策 定 を 通 じて ま ずは 自 団 体 において 経 営 改 善 のための 自 助 努 力 をすることは 当 然 であるが それ だけにとどまらず 広 域 的 な 視 野 を 持 って 住 民 サービスの 担 い 手 や 手 法 の 新 た な 展 開 等 を 検 討 することが 必 要 である このため 当 センターは 公 営 企 業 の 経 営 のあり 方 等 に 関 する 調 査 研 究 会 ~ 公 営 企 業 の 広 域 化 民 間 活 用 の 推 進 について( 人 口 減 少 社 会 における 公 営 企 業 の 新 たな 展 開 等 について)~ ( 以 下 調 査 研 究 会 という )を 設 置 し これらのこ とを 踏 まえて 地 方 公 営 企 業 に 係 る 広 域 化 や 民 間 活 用 の 方 策 等 の 検 討 を 中 心 に 地 方 公 営 企 業 の 今 後 のあり 方 等 の 検 討 とりわけ 大 量 更 新 投 資 期 を 迎 えて 経 営 環 境 の 厳 しい 水 道 事 業 下 水 道 事 業 を 中 心 に 事 例 収 集 及 び 検 討 を 行 うこととした 本 調 査 研 究 会 の 委 員 には 地 方 行 財 政 やPFI 等 の 民 間 活 用 に 造 詣 の 深 い 有 識 者 に 加 え 地 方 公 営 企 業 の 広 域 化 等 を 行 った 地 方 自 治 体 の 実 務 者 にもご 参 加 いた

だき 幅 広 い 視 点 から 実 践 的 なご 議 論 を 賜 った 平 成 26 年 11 月 の 調 査 研 究 会 発 足 以 来 先 進 事 例 に 係 る 有 識 者 からのヒアリングも 行 いながら 5 回 の 調 査 研 究 会 の 開 催 を 経 て 今 般 調 査 研 究 の 成 果 を 報 告 書 として 取 りまとめたところで ある 本 調 査 研 究 会 での 調 査 研 究 の 成 果 が 地 方 自 治 体 関 係 者 にとって 地 方 公 営 企 業 の 経 営 健 全 化 広 域 化 民 間 活 用 による 経 営 改 革 等 地 方 公 営 企 業 のあり 方 に ついて 考 える 上 での 一 助 となれば 幸 いである 最 後 に この 調 査 研 究 を 実 施 するに 当 たり 調 査 研 究 会 等 において 綿 密 な 検 討 を 行 い 的 確 なご 意 見 をいただいた 委 員 各 位 並 びにヒアリング 等 において 多 大 なご 貢 献 をいただいた 有 識 者 各 位 をはじめ 種 々のご 協 力 をいただいた 各 位 に 対 して 心 から 感 謝 申 し 上 げる 次 第 である 平 成 27 年 3 月 一 般 財 団 法 人 自 治 総 合 センター 理 事 長 若 林 清 造

目 次 Ⅰ 背 景 現 状 に 対 する 問 題 意 識 検 討 の 方 向 性 1 背 景 (1) 人 口 減 少 による 料 金 収 入 の 減 少 1 (2) 施 設 設 備 の 老 朽 化 対 策 2 2 現 状 に 対 する 問 題 意 識 (1) 国 の 動 き 4 (2) 現 状 の 認 識 5 3 本 研 究 会 における 検 討 の 方 向 性 6 Ⅱ 各 手 法 及 び 対 応 事 例 の 分 析 について 1 広 域 化 (1) 広 域 化 の 制 度 概 要 8 (2) 広 域 化 の 形 態 10 (3) 形 態 ごとに 期 待 される 効 果 と 課 題 12 (4) 事 例 分 析 1 企 業 団 による 水 平 統 合 等 ( 八 戸 圏 域 水 道 企 業 団 等 ) 14 2 区 域 外 給 水 等 ( 北 九 州 市 水 巻 町 宗 像 地 区 事 務 組 合 等 ) 16 3 施 設 の 共 同 設 置 ( 大 牟 田 市 荒 尾 市 ) 17 4 施 設 の 共 同 設 置 ( 旭 川 市 東 神 楽 町 等 ) 18 5 用 水 供 給 と 末 端 給 水 の 垂 直 統 合 ( 岩 手 中 部 水 道 企 業 団 ) 19 6 用 水 供 給 と 末 端 給 水 の 垂 直 統 合 ( 香 川 県 県 内 16 市 町 ) 20 7 広 域 化 における 都 道 府 県 の 役 割 ( 奈 良 県 ) 21 8 広 域 化 における 都 道 府 県 の 役 割 ( 長 野 県 天 龍 村 等 ) 22 9 広 域 化 における 民 間 企 業 第 三 セクターの 役 割 ( 横 浜 ウォーター( 株 )) 23 10 広 域 化 における 民 間 企 業 第 三 セクターの 役 割 (( 株 ) 水 みらい 広 島 ) 24 2 民 間 活 用 (1) 民 間 活 用 の 手 法 の 特 徴 26 (2) 手 法 ごとに 期 待 される 効 果 と 課 題 29 (3) 事 例 分 析 1 シェアードサービス(かすみがうら 市 阿 見 町 ) 30 2 包 括 的 民 間 委 託 等 ( 会 津 若 松 市 ) 31

3 包 括 的 民 間 委 託 等 (かほく 市 ) 32 4 包 括 的 民 間 委 託 等 ( 金 沢 市 ) 33 5 包 括 的 民 間 委 託 等 ( 積 水 化 学 工 業 ( 株 )) 34 6 DBO( 大 牟 田 市 荒 尾 市 ) 35 7 PFI( 横 浜 市 ( 上 水 道 事 業 )) 36 8 PFI( 横 浜 市 ( 下 水 道 事 業 )) 37 9 コンセッション 方 式 ( 浜 松 市 ) 38 10 コンセッション 方 式 ( 大 阪 市 ) 39 11 DBO PFI(メタウォーター( 株 )) 40 3 地 方 自 治 体 間 の 新 しい 広 域 連 携 手 法 (1) 連 携 協 約 41 (2) 事 務 の 代 替 執 行 41 4 目 安 となる 指 標 42 Ⅲ 事 例 分 析 を 踏 まえた 提 言 等 1 提 言 等 に 当 たって 43 2 地 方 公 営 企 業 が 抱 える 課 題 と 対 応 手 法 の 関 係 について 44 3 広 域 化 民 間 活 用 の 各 手 法 を 巡 る 提 言 等 (1) 市 町 村 等 による 水 平 連 携 45 (2) 都 道 府 県 による 支 援 等 47 (3) 民 間 主 体 を 活 用 した 広 域 化 等 48 (4) 包 括 的 民 間 委 託 等 による 効 率 化 49 4 今 後 の 進 め 方 について (1) 連 携 協 約 の 活 用 について 50 (2) 国 都 道 府 県 市 町 村 民 間 主 体 利 用 者 ( 住 民 )に 求 められる 51 役 割 について おわりに ~ 今 後 に 向 けて~ 53 開 催 要 綱 55 委 員 名 簿 56 検 討 経 過 57 資 料 編

Ⅰ 背 景 現 状 に 対 する 問 題 意 識 検 討 の 方 向 性 1 背 景 地 方 公 営 企 業 は 地 域 において 住 民 の 暮 らしを 支 える 重 要 な 役 割 を 担 っている が 少 子 高 齢 化 人 口 減 少 施 設 の 老 朽 化 の 急 速 な 進 展 等 により 取 り 巻 く 経 営 環 境 は 厳 しさを 増 しつつある (1) 人 口 減 少 による 料 金 収 入 の 減 少 日 本 の 総 人 口 は 平 成 20 年 の1 億 2,808 万 人 をピークに 減 少 に 転 換 しており 平 成 42 年 に1 億 1,662 万 人 平 成 62 年 に 9,708 万 人 に 減 少 することが 見 込 まれ ており( 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 日 本 の 将 来 推 計 人 口 中 位 推 計 ) 地 方 公 営 企 業 はユーザーである 住 民 から 料 金 収 入 を 得 てその 対 価 としてサービ スを 提 供 する 仕 組 みであることから 人 口 減 少 はそのまま 料 金 収 入 の 減 少 になり 地 方 公 営 企 業 の 経 営 に 直 結 する 問 題 である 地 方 公 営 企 業 の 現 状 を 経 営 状 況 の 面 から 見 ると 地 方 公 営 企 業 全 体 の 経 営 状 況 は 平 成 25 年 度 地 方 公 営 企 業 決 算 状 況 調 査 によれば 総 収 入 は 5,081 億 円 で 前 年 度 に 比 べ 150 億 円 2.9% 減 少 しているが 平 成 13 年 度 から 13 年 連 続 で 黒 字 となっている また 黒 字 の 事 業 数 は 7,625 事 業 で 事 業 数 全 体 の 88%に 上 ってい るが 前 年 度 と 比 べると 95 事 業 減 少 している 料 金 収 入 の 面 から 見 てみると 全 地 方 公 営 企 業 で8 兆 9,414 億 円 であり 前 年 度 に 比 べ 141 億 円 0.2% 増 加 しているが 過 去 5 年 間 の 推 移 をみると 平 成 21 年 度 の 料 金 収 入 と 比 べ 112 億 円 0.1% 減 少 となっている 事 業 別 に 料 金 収 入 の 推 移 を 見 てみると 水 道 事 業 の 料 金 収 入 は 有 収 水 量 の 減 少 により 減 少 傾 向 にあり 図 表 1 地 方 公 営 企 業 の 料 金 収 入 の 推 移 1

下 水 道 事 業 については 普 及 段 階 にあるため 微 増 しているが 今 後 は 水 道 事 業 と 同 様 に 減 少 に 転 じることが 想 定 される( 図 表 1) また 収 益 の 性 質 を 見 ると 事 業 別 では 下 水 道 事 業 を 除 く 地 方 公 営 企 業 法 適 用 事 業 では 料 金 収 入 が 収 益 の 中 心 となっているが 下 水 道 事 業 では 半 分 を 下 回 って いる (2) 施 設 設 備 の 老 朽 化 対 策 次 に 地 方 公 営 企 業 に 関 する 建 設 投 資 及 びストックの 面 から 見 てみると 平 成 11 年 度 から 連 続 して 減 少 していた 建 設 投 資 額 が 施 設 の 更 新 需 要 の 高 まりにより 平 成 24 年 度 から2 年 連 続 で 増 加 している( 図 表 2) 水 道 事 業 に 関 していえば 昭 和 50 年 前 後 と 平 成 10 年 前 後 に 多 額 の 建 設 投 資 が 行 われており 平 成 20 年 度 末 の 水 道 資 産 額 は 46.7 兆 円 と 非 常 に 多 額 になってい るが 昭 和 50 年 前 後 の 施 設 について 水 道 管 であれば 耐 用 年 数 が 40 年 であるこ とから 現 在 更 新 需 要 の1つの 山 を 迎 えていることになる しかし 水 道 管 の 更 新 状 況 を 見 てみると 更 新 率 は 平 成 21 年 から 平 成 23 年 にかけて 0.87%から 0.77%と 低 下 してきており それに 伴 い 法 定 耐 用 年 数 を 超 えた 水 道 管 の 割 合 は 平 成 21 年 から 平 成 23 年 にかけて 7.1%から 8.5%と 増 加 している 状 況 にある こ のような 状 況 下 において 法 定 耐 用 年 数 で 更 新 を 行 う 場 合 には1 年 あたりの 更 新 需 要 のピークは 平 成 23 年 から 平 成 27 年 となっており 需 要 額 は1 年 あたり 1 兆 6,894 億 円 となる これを 法 定 耐 用 年 数 の 1.25 倍 で 更 新 を 行 うといった 手 法 で 単 純 に 延 命 していくならば 更 新 需 要 のピークは 平 成 58 年 から 平 成 62 年 となり 人 口 減 少 等 に 伴 い 料 金 収 入 の 減 少 が 年 々 見 込 まれる 状 況 下 において 将 来 負 担 が 増 加 することになる もちろんこれは 単 純 に 現 有 施 設 を 更 新 した 場 合 の 試 算 であ 図 表 2 公 営 企 業 に 関 する 建 設 投 資 費 の 推 移 2

り 施 設 の 老 朽 化 度 合 や 将 来 の 需 要 動 向 等 を 十 分 に 検 討 した 上 で 適 切 にダウン サイジング 施 設 の 統 廃 合 など 投 資 の 合 理 化 を 図 っていくことが 必 要 である( 図 表 3) また 下 水 道 事 業 については 投 資 時 期 に 偏 在 が 見 られるものの 近 年 まで 右 肩 上 がりで 管 路 施 設 の 整 備 が 行 われ 処 理 場 についても 供 用 開 始 箇 所 数 が 増 加 し ていたという 状 況 であり 今 後 改 築 需 要 のピークを 迎 えることが 予 想 される 特 に 機 械 電 気 設 備 については 更 新 需 要 が 高 まる 時 期 になっている( 図 表 4) 図 表 3 水 道 事 業 の 更 新 投 資 の 推 計 図 表 4 下 水 道 ストックの 現 状 3

以 上 事 業 数 も 規 模 も 大 きい 水 道 事 業 下 水 道 事 業 を 例 として 見 てきたように 地 方 公 営 企 業 の 現 在 の 状 況 として 単 年 度 の 状 況 を 見 ると 黒 字 の 団 体 が 多 く 全 体 として 経 営 は 堅 調 に 推 移 していると 言 える また 水 道 事 業 をはじめ 総 収 入 に 占 める 料 金 収 入 の 割 合 が 高 いことから 必 要 な 経 費 をその 収 入 でまかなってい ると 考 えられるが 実 際 には 更 新 投 資 を 先 送 りしている 場 合 や 減 価 償 却 を 考 えず に 事 業 を 行 っている 場 合 等 もあり 後 年 度 においてその 負 担 が 出 てくることも 想 定 される 従 って 長 期 的 に 見 ると 特 に 水 道 事 業 や 下 水 道 事 業 の 経 営 は 安 定 性 が 懸 念 される 状 況 にある 実 際 に 現 在 でも 水 道 事 業 や 下 水 道 事 業 において 管 路 の 老 朽 化 等 に 起 因 した 障 害 が 多 数 発 生 しているところである 2 現 状 に 対 する 問 題 意 識 (1) 国 の 動 き このような 状 況 において 政 府 においては 経 済 財 政 運 営 と 改 革 の 基 本 方 針 2014( 平 成 26 年 6 月 24 日 閣 議 決 定 ) により 公 営 企 業 については 公 営 企 業 の 経 営 に 係 る 新 たな 考 え 方 や 第 三 セクター 等 の 経 営 改 革 に 関 するガイドライン を 示 すことを 始 め 適 切 な 支 援 を 行 い 公 営 企 業 第 三 セクター 等 の 徹 底 した 効 率 化 経 営 健 全 化 を 図 る として 経 営 の 見 直 しを 進 めることを 唱 っている ま た 社 会 資 本 整 備 の 基 本 的 な 考 え 方 として 社 会 資 本 整 備 については 厳 しい 財 政 状 況 の 下 国 民 生 活 の 将 来 を 見 据 えて 既 存 施 設 の 機 能 が 効 果 的 に 発 揮 され るよう 計 画 的 な 整 備 を 推 進 する 必 要 がある とした 上 で 集 約 活 性 化 都 市 地 域 再 生 等 の 観 点 からの 社 会 資 本 の 整 備 目 標 についての 重 点 化 優 先 順 位 付 け インフラの 利 用 の 在 り 方 効 果 的 効 率 的 な 政 策 手 段 の 在 り 方 等 について 見 直 し を 行 い 以 下 の 取 組 を 推 進 する こととされており 民 間 能 力 の 活 用 等 として PPP/PFI 事 業 の 推 進 コンセッション 方 式 の 積 極 的 な 導 入 を 進 める 方 向 性 を 打 ち 出 されている さらに 日 本 再 興 戦 略 改 訂 2014- 未 来 への 挑 戦 -( 平 成 26 年 6 月 24 日 閣 議 決 定 )においては 前 述 の 経 済 財 政 運 営 と 改 革 の 基 本 方 針 2014 よりも 踏 み 込 んで コンセッション 方 式 を 活 用 したPFI 事 業 の 目 標 案 件 数 や 2022 年 までの 10 年 間 で2~3 兆 円 といった 規 模 について 言 及 されている こうした 点 も 踏 まえて 総 務 省 では 地 方 公 営 企 業 の 改 革 に 向 けた 取 組 として 1 経 営 手 法 の 検 討 2 経 営 状 況 の 把 握 3 経 営 戦 略 の 構 築 を 進 めており 公 営 企 業 の 経 営 に 当 たっての 留 意 事 項 通 知 について ( 平 成 26 年 8 月 29 日 付 け 総 務 省 自 治 財 政 局 公 営 企 業 課 長 等 通 知 )を 各 地 方 自 治 体 に 向 けて 発 出 し 人 口 減 少 施 設 老 朽 化 等 の 経 営 環 境 が 厳 しさを 増 す 中 でも サービスの 安 定 的 な 継 続 のため 4

には 不 断 の 経 営 健 全 化 が 必 要 であることについて 言 及 している 特 に 経 営 戦 略 は 同 通 知 において 各 地 方 公 営 企 業 が 将 来 にわたって 安 定 的 に 事 業 を 継 続 していくための 中 長 期 的 な 経 営 の 基 本 計 画 として 策 定 することを 求 めている ものである その 中 で 投 資 試 算 等 の 支 出 と 財 源 試 算 が 均 衡 するよう 施 設 設 備 のダウンサイジングやスペックダウン 効 率 的 配 置 事 業 の 広 域 化 等 の 取 組 PPP/PFIをはじめとする 民 間 的 経 営 手 法 の 導 入 財 源 面 の 見 直 しを 検 討 す ることとされている( 資 料 2 参 照 ) このうち 広 域 化 については 経 営 基 盤 の 強 化 経 営 効 率 化 の 推 進 地 域 住 民 に 対 するサービス 水 準 の 向 上 等 を 図 る 観 点 から 推 進 が 必 要 とされ 民 間 活 用 につ いては 公 共 部 門 における 民 間 資 金 及 びノウハウの 活 用 の 観 点 から 推 進 すること とされているところである また 水 道 法 ( 昭 和 32 年 法 律 第 177 号 )を 所 管 する 厚 生 労 働 省 においては 平 成 25 年 3 月 に 新 水 道 ビジョン を 策 定 しており その 中 で 発 展 的 広 域 化 として 近 隣 水 道 事 業 者 との 広 域 化 を 推 進 するとともに 官 民 連 携 の 推 進 とし て 多 様 なPPPの 活 用 及 び 官 民 の 人 事 交 流 を 掲 げている 他 にも 水 道 事 業 に おける 官 民 連 携 に 関 する 手 引 き ( 平 成 26 年 3 月 厚 生 労 働 省 健 康 局 水 道 課 )や 水 道 事 業 における 広 域 化 事 例 及 び 広 域 化 に 向 けた 検 討 事 例 集 ( 平 成 26 年 3 月 厚 生 労 働 省 健 康 局 水 道 課 )といった 手 引 き 事 例 集 も 策 定 し 水 道 事 業 の 官 民 連 携 及 び 広 域 化 を 推 進 している 一 方 下 水 道 法 ( 昭 和 33 年 法 律 第 79 号 )を 所 管 する 国 土 交 通 省 においては 平 成 26 年 7 月 に 新 下 水 道 ビジョン を 策 定 しており その 中 で 産 官 学 の 連 携 広 域 化 共 同 化 と 他 分 野 との 連 携 をひとつの 視 点 として 施 策 展 開 を 図 っ ている 他 にも 下 水 道 管 路 施 設 の 管 理 業 務 における 包 括 的 民 間 委 託 導 入 ガイド ライン ( 平 成 26 年 3 月 国 土 交 通 省 水 管 理 国 土 保 全 局 下 水 道 部 )や PPP/ PFI 事 業 推 進 方 策 事 例 集 ( 平 成 26 年 7 月 国 土 交 通 省 総 合 政 策 局 官 民 連 携 政 策 課 )といった 手 引 き 事 例 集 を 策 定 し 下 水 道 事 業 における 産 官 学 の 連 携 を 推 進 している このように 政 府 や 各 省 庁 の 施 策 において 地 方 公 営 企 業 の 経 営 のあり 方 のう ち 特 に 水 道 事 業 及 び 下 水 道 事 業 について 事 業 の 広 域 化 の 推 進 やPPP/PF Iをはじめとする 民 間 的 経 営 手 法 の 導 入 が 求 められている (2) 現 状 の 認 識 しかしながら 水 道 事 業 の 広 域 化 については 各 地 方 自 治 体 間 の 料 金 や 財 政 状 況 施 設 整 備 水 準 等 の 格 差 から 検 討 が 進 んでいない または 検 討 を 行 っていない という 状 況 にある( 資 料 3 参 照 ) この 点 については 本 研 究 会 の 委 員 からも 資 5

料 が 提 出 されているところである( 資 料 4 参 照 ) また 水 道 事 業 におけるPF I 事 業 の 導 入 についても 特 に 検 討 を 行 っていない 水 道 事 業 の 将 来 の 方 向 性 が 決 まっていない 民 間 の 破 綻 リスクが 心 配 といった 理 由 等 から 必 ずしも 十 分 な 進 捗 が 見 られていない 状 況 にある( 資 料 3 参 照 ) また 下 水 道 事 業 における 民 間 的 経 営 手 法 の 導 入 については 比 較 的 早 くから 色 々な 検 討 が 行 われてきており 包 括 的 民 間 委 託 やPFI 事 業 の 導 入 が 進 められ ているものの 仕 様 発 注 の 民 間 委 託 がまだ 主 流 である 包 括 的 民 間 委 託 は 進 捗 を 見 せているが 官 によるモニタリングが 十 分 に 行 われているかというガバナンス 面 の 課 題 等 があると 考 えられる また 本 研 究 会 の 委 員 からは 簡 易 水 道 事 業 においては そもそも 規 模 の 小 さい 地 理 的 にも 山 間 部 にある ような 地 方 自 治 体 が 運 営 していることが 多 いこともあり 広 域 化 民 間 的 経 営 手 法 の 導 入 が 進 まないのではないか 広 域 化 に 関 して 連 携 協 約 等 の 地 方 自 治 体 全 体 における 新 たな 連 携 の 取 組 や 民 間 活 用 に 関 してコンセッション 方 式 等 の 新 しい 手 法 が 登 場 しているが 地 方 公 営 企 業 についてどのように 推 進 していくことが 適 切 か 必 ずしも 議 論 が 深 ま っていないのではないか といった 意 見 があった 3 本 研 究 会 における 検 討 の 方 向 性 上 記 の 背 景 及 び 現 状 に 対 する 問 題 意 識 を 踏 まえると 地 方 公 営 企 業 の 中 でも 普 及 率 が 高 くインフラ 資 産 の 規 模 が 大 きい 水 道 事 業 と 下 水 道 事 業 においては 人 口 減 少 に 伴 う 料 金 収 入 の 減 少 と 老 朽 施 設 等 の 更 新 費 用 が 地 方 自 治 体 の 大 きな 負 担 となることが 明 らかであり 今 後 の 経 営 健 全 化 が 特 に 求 められるところである 地 方 公 営 企 業 の 経 費 の 負 担 の 原 則 から 考 えると 地 方 公 営 企 業 に 係 る 経 費 は 基 本 的 には 当 該 地 方 公 営 企 業 の 経 営 に 伴 う 収 入 をもって 充 てなければならないこ とから 将 来 経 費 負 担 が 増 加 することが 見 込 まれているのであれば 料 金 水 準 の あり 方 も 含 めて 検 討 する 必 要 があるが まずは 各 地 方 自 治 体 において 自 らの 経 営 状 況 を 把 握 した 上 で 各 地 方 公 営 企 業 の 実 情 に 応 じて 中 長 期 的 な 視 野 に 立 った 経 営 の 基 本 計 画 である 経 営 戦 略 を 策 定 し それに 基 づき 施 設 財 務 組 織 人 材 等 の 経 営 基 盤 を 強 化 することが 必 要 である 経 営 戦 略 を 策 定 する 過 程 においては 自 団 体 内 で 可 能 な 方 策 として 経 営 状 況 を 的 確 に 把 握 するとともに 施 設 等 のダウンサイジングなどの 投 資 の 合 理 化 や 料 金 の 適 正 化 等 を 検 討 することがまず 必 要 である この 経 営 戦 略 の 策 定 活 用 と 経 営 の 見 通 しについては 総 務 省 において 公 営 企 業 の 経 営 戦 略 の 策 定 支 援 と 活 6

用 等 に 関 する 研 究 会 ( 座 長 堀 場 勇 夫 青 山 学 院 大 学 教 授 )を 開 催 し 別 途 検 討 が 行 われているところである しかし 人 口 減 少 等 が 著 しい 地 方 自 治 体 をはじめ 特 に 経 営 環 境 が 厳 しい 中 小 規 模 の 地 方 自 治 体 の 公 営 企 業 においては 現 在 の 経 営 形 態 を 前 提 とする 検 討 や 取 組 だけでは 将 来 にわたる 住 民 サービスを 確 保 することが 困 難 であることが 見 込 まれる そのため 各 地 方 公 営 企 業 においては 経 営 効 率 化 の 観 点 から 広 域 化 や 民 間 活 用 といった 住 民 サービスの 担 い 手 や 手 法 の 新 たな 展 開 を 検 討 することが 必 要 である この 場 合 は ネットワークインフラそのものの 地 域 の 将 来 像 におけるあ り 方 に 関 しては まちづくりの 観 点 から 幅 広 く 検 討 を 要 する 課 題 であることから 各 地 方 自 治 体 の 長 において 全 体 として 検 討 する 必 要 がある ここまで 概 観 してきたように 広 域 化 や 民 間 活 用 については 政 府 や 関 係 省 庁 においても 近 年 推 進 されており 各 手 法 に 関 する 手 引 きや 事 例 集 も 策 定 されてい るところであるが その 取 組 は 前 述 のとおり 必 ずしも 十 分 に 進 んでいるとは 言 え ない 状 況 にある また 連 携 協 約 等 の 地 方 自 治 体 全 体 における 新 たな 連 携 の 取 組 やコンセッション 方 式 等 の 新 しい 手 法 についても その 活 用 についての 議 論 は 今 後 深 まっていくという 段 階 にある 特 に 企 業 団 化 のような 本 格 的 な 広 域 化 については 地 方 公 営 企 業 の 管 理 者 だけ でなく 各 地 方 自 治 体 の 首 長 間 でも 検 討 される 必 要 があり 料 金 統 一 等 の 問 題 も あることから 企 業 団 化 だけを 目 指 すのでは 広 域 化 があまり 迅 速 には 進 展 しな いものと 考 えられる さらに 過 疎 地 域 の 地 方 公 営 企 業 などのように 広 域 化 民 間 的 経 営 手 法 の 導 入 においても 規 模 的 地 理 的 に 条 件 不 利 な 地 域 があることも 念 頭 に 置 いた 上 で 検 討 することが 必 要 である これらのことを 踏 まえて 本 研 究 会 では 地 方 公 営 企 業 の 中 でもとりわけイン フラ 資 産 の 規 模 が 大 きく 料 金 収 入 が 先 細 る 状 況 下 で 更 新 投 資 等 の 観 点 から 経 営 環 境 が 厳 しいと 考 えられる 水 道 事 業 下 水 道 事 業 について 広 域 化 や 民 間 活 用 の 方 策 等 の 検 討 を 中 心 に 各 手 法 の 特 徴 (メリット デメリット)の 整 理 を 行 った 上 で 各 手 法 の 事 例 について Ⅱ 各 手 法 及 び 対 応 事 例 の 分 析 について で 21 の 事 例 を 具 体 的 に 取 り 上 げ その 他 の 様 々な 知 見 を 加 味 しながら 分 析 を 行 う その 上 で 特 に 中 小 規 模 の 地 方 自 治 体 の 公 営 企 業 において 現 状 を 把 握 してか ら 手 法 の 選 択 に 至 る 最 初 の 一 歩 を 踏 み 出 すための 判 断 材 料 や 動 機 付 けとして 何 が 必 要 であるかを 中 心 に 今 後 の 広 域 化 民 間 活 用 の 推 進 方 策 について Ⅲ 事 例 分 析 を 踏 まえた 提 言 等 で 検 討 し 提 言 等 を 行 うこととする 7

Ⅱ 各 手 法 及 び 対 応 事 例 の 分 析 について ここでは 広 域 化 と 民 間 活 用 に 分 けて それぞれに 関 係 する 制 度 仕 組 み 等 を 整 理 した 上 で 21 の 具 体 的 な 事 例 について 分 析 し 他 団 体 での 活 用 可 能 性 などを 探 る( 各 事 例 の 経 費 削 減 効 果 等 については 各 団 体 において 分 析 したものであ る) なお 検 討 に 当 たっては 総 務 省 はもとより 関 係 府 省 庁 や 関 係 団 体 等 にお けるこれまでの 検 討 による 知 見 を 活 かすこととする 1 広 域 化 広 域 化 とは 経 営 基 盤 の 強 化 や 経 営 の 効 率 化 等 を 図 ることを 目 的 として 一 の 地 方 自 治 体 の 区 域 を 越 えて 連 携 する 手 法 である そこで まず 地 方 自 治 体 間 の 広 域 連 携 の 制 度 について 概 説 する (1) 広 域 化 の 制 度 概 要 地 方 自 治 法 ( 昭 和 22 年 法 律 第 67 号 )においては 従 来 から 地 方 自 治 体 間 で 事 務 の 共 同 処 理 を 行 う 制 度 として 法 人 の 設 立 を 要 しない 簡 便 な 仕 組 みとして 協 議 会 機 関 等 の 共 同 設 置 事 務 の 委 託 があり 法 人 の 設 立 を 要 する 仕 組 みとして 一 部 事 務 組 合 広 域 連 合 がある 地 方 自 治 体 間 の 連 携 の 仕 組 みとして この 他 に 私 法 上 の 契 約 による 委 託 もあるが ここでは 地 方 自 治 法 上 の 制 度 について 述 べていく それぞれの 制 度 の 概 要 は 以 下 のとおりである( 詳 細 は 資 料 5 参 照 ) 共 同 処 理 制 度 ( 地 方 自 治 法 の 根 拠 条 文 ) 協 議 会 ( 第 252 条 の2の2~ 第 252 条 の6) 機 関 等 の 共 同 設 置 ( 第 252 条 の7~ 第 252 条 の 13) 事 務 の 委 託 ( 第 252 条 の 14~ 第 252 条 の 16) 一 部 事 務 組 合 ( 第 284 条 ~ 第 291 条 ) 制 度 の 概 要 地 方 公 共 団 体 が 共 同 して 管 理 執 行 連 絡 調 整 計 画 作 成 を 行 うための 制 度 地 方 公 共 団 体 の 委 員 会 又 は 委 員 行 政 機 関 長 の 内 部 組 織 等 を 複 数 の 地 方 公 共 団 体 が 共 同 で 設 置 する 制 度 地 方 公 共 団 体 の 事 務 の 一 部 の 管 理 執 行 を 他 の 地 方 公 共 団 体 に 委 ねる 制 度 地 方 公 共 団 体 が その 事 務 の 一 部 を 共 同 して 処 理 す るために 設 ける 特 別 地 方 公 共 団 体 法 人 設 立 無 広 域 連 合 ( 第 284 条 第 285 条 の2 第 291 条 の2~ 第 291 条 の 13) 地 方 公 共 団 体 が 広 域 にわたり 処 理 することが 適 当 であると 認 められる 事 務 を 処 理 するために 設 ける 特 別 地 方 公 共 団 体 国 又 は 都 道 府 県 から 直 接 に 権 限 や 事 務 の 移 譲 を 受 けることができる 有 8

設 置 ( 締 結 )までの 手 続 の 流 れ 協 議 会 機 関 等 の 共 同 設 置 事 務 の 委 託 一 部 事 務 組 合 広 域 連 合 規 約 案 の 作 成 規 約 案 の 作 成 関 係 普 通 地 方 公 共 団 体 の 議 会 の 議 決 関 係 普 通 地 方 公 共 団 体 の 協 議 設 置 関 係 普 通 地 方 公 共 団 体 の 議 会 の 議 決 関 係 普 通 地 方 公 共 団 体 の 協 議 設 置 許 可 申 請 設 置 及 び 規 約 の 告 示 届 出 設 置 許 可 告 示 ( 公 表 ) 設 置 設 置 の 手 続 について 協 議 会 機 関 等 の 共 同 設 置 事 務 の 委 託 は 関 係 普 通 地 方 公 共 団 体 の 議 会 の 議 決 を 経 て 協 議 により 規 約 を 定 め 設 置 するものであり 一 部 事 務 組 合 広 域 連 合 は 関 係 普 通 地 方 公 共 団 体 の 議 会 の 議 決 を 経 て 協 議 に より 規 約 を 定 め 都 道 府 県 の 加 入 するもの 及 び 複 数 の 都 道 府 県 にわたるものにつ いては 総 務 大 臣 に その 他 のものについては 都 道 府 県 知 事 に 許 可 を 申 請 するもの である なお 地 方 公 営 企 業 法 ( 昭 和 27 年 法 律 第 292 号 )においては 地 方 公 営 企 業 の 経 営 に 関 する 事 務 を 共 同 処 理 する 一 部 事 務 組 合 のことを 企 業 団 とし ている( 地 方 公 営 企 業 法 第 39 条 の2 第 1 項 ) それぞれの 制 度 の 活 用 状 況 としては 以 下 のとおりである 共 同 処 理 制 度 活 用 状 況 ( 平 成 26 年 7 月 1 日 現 在 ) 協 議 会 機 関 等 の 共 同 設 置 事 務 の 委 託 一 部 事 務 組 合 設 置 件 数 290 件 主 な 事 務 消 防 38 件 広 域 行 政 計 画 等 29 件 視 聴 覚 教 育 22 件 上 水 道 5 件 下 水 道 6 件 設 置 件 数 440 件 主 な 事 務 介 護 区 分 認 定 審 査 129 件 公 平 委 員 会 115 件 障 害 区 分 認 定 審 査 105 件 上 水 道 下 水 道 の 実 績 なし 設 置 件 数 :5,979 件 主 な 事 務 : 住 民 票 の 写 し 等 の 交 付 1,341 件 公 平 委 員 会 1,143 件 競 艇 856 件 上 水 道 44 件 下 水 道 234 件 設 置 件 数 :3,755 件 主 な 事 務 :ごみ 処 理 399 件 し 尿 処 理 349 件 消 防 276 件 上 水 道 100 件 下 水 道 30 件 9

広 域 連 合 設 置 件 数 :516 件 主 な 事 務 : 後 期 高 齢 者 医 療 51 件 介 護 区 分 認 定 審 査 45 件 障 害 区 分 認 定 審 査 30 件 上 水 道 1 件 下 水 道 2 件 出 典 : 総 務 省 自 治 行 政 局 市 町 村 課 地 方 公 共 団 体 間 の 事 務 の 共 同 処 理 の 状 況 調 ( 平 成 26 年 7 月 1 日 現 在 ) また 地 方 自 治 法 では 公 の 施 設 の 区 域 外 設 置 及 び 他 の 団 体 の 公 の 施 設 の 利 用 ( 地 方 自 治 法 第 244 条 の3)が 規 定 されており 普 通 地 方 公 共 団 体 は その 区 域 外 においても 公 の 施 設 を 設 けることができること 及 び 他 の 普 通 地 方 公 共 団 体 の 公 の 施 設 を 自 己 の 住 民 に 利 用 させることができることを 定 めたものであ り 水 道 事 業 における 区 域 外 給 水 を 行 う 場 合 に 用 いられる 制 度 である( 資 料 6 参 照 ) (2) 広 域 化 の 形 態 次 に 広 域 化 の 各 手 法 を4つの 形 態 に 類 型 化 し 各 形 態 の 効 果 と 課 題 を 述 べて いく 広 域 化 の 各 手 法 は 以 下 の4つの 形 態 に 分 類 できる ( 水 道 広 域 化 検 討 の 手 引 き- 水 道 ビジョンの 推 進 のために- ( 平 成 20 年 8 月 公 益 社 団 法 人 日 本 水 道 協 会 ) 参 照 ) 1 事 業 統 合 : 経 営 主 体 も 事 業 も 一 つに 統 合 された 形 態 ( 企 業 団 区 域 外 給 水 等 ) 同 種 の 事 業 同 士 の 統 合 ( 水 平 統 合 ) A 市 の 水 道 事 業 とB 町 の 水 道 事 業 を 統 合 し C 企 業 団 ( 一 部 事 務 組 合 )を 設 立 する 場 合 や A 市 の 水 道 事 業 にB 町 の 水 道 事 業 を 統 合 し A 市 の 水 道 事 業 とする 場 合 のように 同 種 の 事 業 同 士 を 認 可 上 一 つの 事 業 に 統 合 する 方 法 補 完 関 係 にある 異 なる 事 業 同 士 の 統 合 ( 垂 直 統 合 ) A 県 又 はB 企 業 団 の 水 道 用 水 供 給 事 業 に 受 水 しているC 市 の 水 道 事 業 と D 町 の 水 道 事 業 を 統 合 し A 県 又 はB 企 業 団 を 末 端 まで 給 水 する 水 道 事 業 と する 場 合 のように 補 完 関 係 にある 異 なる 事 業 同 士 を 認 可 上 一 つの 事 業 に 統 合 する 方 法 水 平 統 合 A 市 水 道 事 業 B 町 水 道 事 業 垂 直 統 合 A 県 又 はB 企 業 団 水 道 用 水 供 給 事 業 受 水 C 市 水 道 事 業 D 町 水 道 事 業 事 業 を 統 合 事 業 を 統 合 A 市 B 町 給 水 区 域 C 市 D 町 A 市 又 はC 企 業 団 水 道 事 業 A 県 又 はB 企 業 団 水 道 事 業 10

2 経 営 の 一 体 化 : 経 営 主 体 は 一 つだが 認 可 上 事 業 は 別 の 形 態 同 一 の 経 営 主 体 が 複 数 の 事 業 を 経 営 水 道 用 水 供 給 事 業 を 行 うA 県 又 はB 企 業 団 が 受 水 しているC 市 及 びD 町 の 水 道 事 業 を 併 せて 行 う 場 合 のように 県 や 市 町 村 等 が 複 数 の 事 業 を 経 営 する 方 法 A 県 又 はB 企 業 団 水 道 用 水 供 給 事 業 経 営 を 一 体 化 受 水 C 市 水 道 事 業 D 町 水 道 事 業 A 県 又 はB 企 業 団 水 道 用 水 供 給 事 業 C 市 水 道 事 業 受 水 D 町 水 道 事 業 A 県 又 はB 企 業 団 3 管 理 の 一 体 化 : 維 持 管 理 業 務 や 総 務 系 の 事 務 処 理 などを 共 同 して 実 施 又 は 委 託 する 形 態 ( 事 務 の 委 託 シェアードサービス 等 ) 中 核 事 業 による 管 理 の 一 体 化 B 町 がA 市 に 水 道 事 業 の 業 務 を 委 託 する 場 合 や 受 水 しているC 市 及 びD 町 が 水 道 用 水 供 給 事 業 を 行 うA 県 又 はB 企 業 団 に 水 道 事 業 の 業 務 を 委 託 する 場 合 のように 技 術 基 盤 が 強 固 な 同 種 の 事 業 又 は 補 完 関 係 にある 異 なる 事 業 に 管 理 を 委 託 する 方 法 管 理 組 織 への 業 務 の 共 同 委 託 A 市 とB 町 が 水 道 事 業 の 業 務 を 共 同 してC 法 人 に 委 託 する 場 合 のように 複 数 の 事 業 で 一 元 的 に 管 理 を 行 う 組 織 ( 民 間 企 業 や 一 部 事 務 組 合 )に 業 務 を 共 同 で 委 託 する 方 法 中 核 事 業 による 管 理 の 一 体 化 A 市 水 道 事 業 管 理 を 一 体 化 B 町 水 道 事 業 A 県 又 はB 企 業 団 水 道 用 水 供 給 事 業 管 理 を 一 体 化 受 水 C 市 水 道 事 業 D 町 水 道 事 業 A 市 水 道 事 業 委 託 B 町 水 道 事 業 A 県 又 はB 企 業 団 水 道 用 水 供 給 事 業 委 託 C 市 水 道 事 業 D 町 水 道 事 業 管 理 組 織 への 業 務 の 共 同 委 託 A 市 水 道 事 業 A 市 水 道 事 業 B 町 水 道 事 業 委 託 B 町 水 道 事 業 管 理 を 一 体 化 C 法 人 ( 民 間 企 業 や 一 部 事 務 組 合 ) 11

4 施 設 の 共 同 化 : 浄 水 場 などの 施 設 を 共 同 化 する 形 態 ( 危 機 管 理 対 策 等 のソフ ト 的 な 施 策 を 含 む)( 施 設 の 共 同 設 置 等 ) 施 設 の 共 用 化 老 朽 化 した 施 設 の 更 新 に 課 題 を 抱 えるB 町 が 施 設 能 力 に 余 剰 のあるA 市 からの 受 水 に 切 り 替 える 場 合 のように 浄 水 場 等 の 既 存 施 設 を 共 用 する 方 法 共 同 施 設 の 保 有 互 いに 浄 水 場 の 更 新 時 期 を 迎 えているA 市 とB 待 ちが 共 同 で 浄 水 場 を 建 設 保 有 する 場 合 のように 浄 水 場 等 の 共 同 施 設 を 建 設 保 有 する 方 法 緊 急 時 連 絡 管 緊 急 時 等 のために 共 同 で 連 絡 管 を 整 備 する 方 法 災 害 時 等 の 応 援 協 定 災 害 時 等 の 相 互 応 援 協 定 等 を 締 結 する 緩 やかな 連 携 方 法 施 設 の 共 用 化 共 用 施 設 の 保 有 A 市 水 道 事 業 B 町 水 道 事 業 A 市 水 道 事 業 B 町 水 道 事 業 施 設 を 共 用 化 共 同 施 設 を 建 設 保 有 A 市 水 道 事 業 受 水 B 町 水 道 事 業 A 市 水 道 事 業 B 町 水 道 事 業 浄 水 場 等 (3) 形 態 ごとに 期 待 される 効 果 と 課 題 形 態 ごとに 期 待 される 効 果 と 課 題 は 以 下 のとおりである 形 態 期 待 される 効 果 課 題 等 事 業 統 合 経 営 の 一 体 化 管 理 の 一 体 化 施 設 の 共 同 化 施 設 整 備 管 理 体 制 事 業 の 効 率 的 運 営 サービス 等 あらゆる 面 が 大 幅 に 強 化 される 施 設 整 備 管 理 体 制 事 業 の 効 率 的 運 営 サービス 等 多 くの 面 が 強 化 される 料 金 格 差 が 大 きく 速 やかに 統 一 を 行 うことが 難 しい 場 合 に 有 効 な 選 択 肢 となる 一 体 化 する 業 務 に 応 じて 管 理 体 制 事 業 の 効 率 的 運 営 サービス 等 の 面 が 強 化 される 事 業 統 合 経 営 の 一 体 化 よりも 容 易 に 導 入 可 能 である 施 設 整 備 事 業 の 効 率 的 運 営 等 の 面 が 強 化 される 事 業 統 合 経 営 の 一 体 化 より も 容 易 に 導 入 可 能 である 料 金 や 施 設 水 準 など 格 差 の 是 正 に 多 くの 時 間 と 労 力 を 要 する ( 調 整 出 来 ないケースもある ) 料 金 格 差 は 是 正 されない 料 金 格 差 は 是 正 されない 委 託 した 業 務 にかかるノウハウが 失 われるおそれがある 料 金 格 差 は 是 正 されない 効 果 は 施 設 面 に 限 定 され 運 営 基 盤 を 維 持 強 化 するための 抜 本 的 な 対 策 とならない 12

( 参 考 ) 公 益 社 団 法 人 日 本 水 道 協 会 水 道 広 域 化 の 形 態 (パターン)と 期 待 される 効 果 と 課 題 より 一 部 抜 粋 技 術 基 盤 に 関 す る 効 果 経 営 基 盤 に 関 す る 効 果 想 定 さ れ る 課 題 水 需 要 施 設 管 理 緊 急 時 事 業 統 合 経 営 一 体 化 管 理 一 体 化 施 設 共 同 化 水 需 要 の 不 均 衡 解 消 - - - 複 数 水 源 による 供 給 安 定 性 の 向 上 - - - 施 設 整 備 水 準 の 平 準 化 - 3 施 設 の 統 廃 合 効 率 的 更 新 - - 3 人 材 確 保 技 術 力 の 確 保 2 - 管 理 体 制 の 強 化 2 - 緊 急 時 体 制 の 強 化 2 3 水 源 の 多 元 化 によるバックアップ 体 制 強 化 - - 3 事 業 計 画 柔 軟 な 事 業 計 画 1 - - 運 営 効 率 的 運 営 1 2 3 サービス ( ア ン ケ ー ト 結 果 ) 料 金 格 差 の 是 正 - - - 情 報 提 供 利 用 の 利 便 性 拡 大 2 - 支 払 窓 口 の 利 便 性 拡 大 - - 未 給 水 地 域 解 消 - - - 料 金 の 格 差 - - - 財 政 状 況 の 格 差 施 設 水 準 の 格 差 - 維 持 管 理 水 準 の 格 差 - 職 員 の 処 遇 水 道 利 用 者 議 会 の 理 解 - - 1 会 計 が 別 のため 内 容 に 応 じて 一 部 可 2 業 務 内 容 に 応 じて 一 部 可 3 施 設 を 共 同 化 する 場 合 は 一 部 可 13

(4) 事 例 分 析 以 上 の 整 理 を 踏 まえた 上 で 本 研 究 会 及 び 事 務 局 においてヒアリングや 現 地 視 察 等 を 行 った 各 自 治 体 の 10 の 個 別 事 例 について 分 析 を 行 い 当 該 手 法 を 採 用 し た 背 景 課 題 当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 他 団 体 での 活 用 可 能 性 当 該 手 法 を 用 いる 際 の 留 意 事 項 等 を 以 下 述 べていく ( 詳 細 は 資 料 1 参 照 ) 1 企 業 団 による 水 平 統 合 等 団 体 名 八 戸 圏 域 水 道 企 業 団 等 ( 企 業 団 構 成 団 体 別 人 口 : 八 戸 市 239,172 人 三 戸 町 11,516 人 五 戸 町 18,930 人 南 部 町 20,196 人 階 上 町 14,381 人 おいらせ 町 25,133 人 六 戸 町 10,765 人 ) 事 例 概 要 昭 和 61 年 に 青 森 県 南 の 八 戸 市 を 中 核 に 当 時 の 11 市 町 村 ( 現 在 7 市 町 ) が 経 営 していた 10 事 業 を 統 合 して 企 業 団 を 設 立 した 事 例 八 戸 圏 域 水 道 企 業 団 と 青 森 県 南 の 11 市 町 村 及 び 岩 手 県 北 9 市 町 村 で 北 奥 羽 地 区 水 道 協 議 会 を 設 立 し 1 施 設 の 共 同 化 2 水 質 データ 管 理 の 共 同 化 3 施 設 管 理 の 共 同 化 4システムの 共 同 化 を 検 討 している 事 例 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 ( 企 業 団 ) 全 国 的 な 水 道 広 域 化 の 気 運 の 高 まりの 中 周 辺 市 町 村 において 水 源 が 不 安 定 で 単 独 での 水 源 開 発 に 課 題 を 抱 えていたり 水 道 職 員 が 数 人 しかおら ず 経 営 基 盤 が 脆 弱 であったこと 昭 和 50 年 に 厚 生 省 が 実 施 した 広 域 水 道 圏 計 画 基 本 方 針 調 査 において 当 圏 域 が 地 方 中 核 都 市 のモデル 調 査 地 域 に 指 定 され 末 端 給 水 型 の 経 営 形 態 が 望 ましいと 報 告 されたことにより 広 域 化 を 目 指 すこととなった ( 北 奥 羽 地 区 水 道 協 議 会 による 新 たな 広 域 化 ) 周 辺 市 町 村 において 職 員 が 数 人 しかおらず 個 々の 事 業 体 単 独 では 対 応 に 限 界 があり 日 常 的 に 八 戸 圏 域 水 道 企 業 団 に 相 談 があること 水 需 要 の 減 少 からどの 地 域 も 水 源 能 力 に 余 剰 が 生 じることから 協 議 会 を 設 立 し できる ことから 広 域 化 していくことを 検 討 している 14

当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 ( 企 業 団 ) 企 業 団 化 により 事 業 数 は3 分 の1 程 度 に 施 設 数 は 半 分 程 度 に 減 少 普 及 率 や 管 路 総 延 長 が 伸 びる 中 で 企 業 債 残 高 や 職 員 数 は 減 少 しており 効 率 化 が 図 られている また 職 員 が 減 少 する 中 にあっても プロパー 職 員 によ りノウハウの 維 持 承 継 は 円 滑 に 図 られている 企 業 団 設 立 以 前 から 水 質 検 査 や 技 術 研 修 など 相 互 協 力 を 行 っており 八 戸 市 を 中 核 とする 連 携 の 素 地 があったところ 水 道 広 域 化 の 気 運 の 高 まりに 加 え 水 源 開 発 という 圏 域 一 体 で 対 応 すべき 課 題 が 生 じたことから 構 成 団 体 の 中 核 都 市 である 八 戸 市 がリーダーシップを 発 揮 して 企 業 団 設 立 に 至 っ たものである ( 北 奥 羽 地 区 水 道 協 議 会 による 新 たな 広 域 化 ) 余 った 水 源 を 共 有 することで ダウンサイジングしながら 新 たな 施 設 更 新 行 わず 施 設 の 共 同 化 を 進 めることができる また 水 質 データ 管 理 の 共 同 化 により データの 蓄 積 が 進 むことで 安 全 性 が 向 上 する さらに 施 設 管 理 の 共 同 化 により 事 業 規 模 を 拡 大 することで 民 間 が 委 託 しやすい 環 境 を 整 える ことができ システムの 共 同 化 により 費 用 対 効 果 を 上 げ 業 務 全 体 の 委 託 も 可 能 となる 他 団 体 での 活 用 可 能 性 留 意 点 等 地 域 の 中 核 となる 市 があり その 周 辺 市 町 村 の 水 源 が 不 安 定 であったり 職 員 体 制 が 脆 弱 である 場 合 に 企 業 団 化 の 統 合 効 果 は 大 きいものである ま た 企 業 団 化 の 手 前 である 管 理 の 一 体 化 施 設 の 共 同 設 置 についても 同 様 の 課 題 を 抱 える 地 域 において 有 効 な 手 法 となり 得 る 一 方 で 八 戸 市 という 圏 域 のリーダーがいても 団 体 間 の 調 整 には 長 期 間 を 要 することから まずは できることから 広 域 化 していくことが 重 要 で ある 15

2 区 域 外 給 水 等 団 体 名 北 九 州 市 水 巻 町 宗 像 地 区 事 務 組 合 等 ( 人 口 : 北 九 州 市 1,025,831 人 水 巻 町 29,780 人 宗 像 地 区 事 務 組 合 153,465 人 ) 事 例 概 要 北 九 州 市 が 行 政 区 域 外 への 給 水 ( 分 水 )をきっかけとして 経 営 基 盤 に 課 題 を 抱 える 周 辺 自 治 体 と 事 業 統 合 を 行 った 事 例 宗 像 地 区 事 務 組 合 において 技 術 職 員 の 退 職 により 技 術 承 継 が 困 難 となっ ていることから 北 九 州 市 が 施 設 の 運 転 維 持 管 理 業 務 等 を 包 括 受 託 する 事 例 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 ( 区 域 外 給 水 ) 分 水 の 解 消 が 求 められていたところ 水 巻 町 において 料 金 値 下 げや 行 財 政 改 革 に 繋 がること また 施 設 の 余 剰 能 力 を 抱 える 北 九 州 市 においても 施 設 の 有 効 活 用 による 収 入 の 増 加 につながることなど 双 方 にとってメリット があったことから 区 域 外 給 水 による 事 業 統 合 が 行 われたもの ( 包 括 業 務 受 託 ) 宗 像 地 区 事 務 組 合 において 技 術 職 員 の 退 職 に 伴 い 技 術 承 継 が 困 難 になっ ていること 北 九 州 市 にとっても 収 入 の 増 加 や 水 道 技 術 の 承 継 が 図 られ 地 域 貢 献 にも 資 することから 施 設 の 運 転 管 理 業 務 等 の 包 括 委 託 を 受 けるもの 当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 ( 区 域 外 給 水 ) 水 巻 町 において 水 道 料 金 が 45% 低 下 し 安 定 給 水 が 確 保 されるとともに サービス(コンビニ 収 納 コールセンターの 利 用 等 )が 向 上 した また 北 九 州 市 においても 給 水 原 価 が 改 善 (158.42 円 156.08 円 )し 経 営 基 盤 が 強 化 され 地 域 貢 献 にもつながっているなど 双 方 にとって 効 果 が 出 ている 北 九 州 市 においては 他 の 団 体 との 事 業 統 合 や 用 水 供 給 も 併 せて 年 間 約 15 億 円 の 収 入 があり 給 水 収 益 の 約 1 割 を 占 めている ( 包 括 業 務 受 託 ) 宗 像 地 区 事 務 組 合 においては 水 道 事 業 の 持 続 性 が 確 保 され 北 九 州 市 に とっても 収 入 の 増 加 や 水 道 技 術 の 継 承 が 図 られ 地 域 貢 献 につながっている 他 団 体 での 活 用 可 能 性 留 意 点 等 地 域 の 中 核 となる 市 が 存 在 し 施 設 の 能 力 等 を 有 効 活 用 できていない 場 合 で その 資 源 が 活 用 可 能 な 場 合 には 自 団 体 の 収 入 を 確 保 することができ 周 辺 自 治 体 にも 料 金 が 下 がるなどの 双 方 にとってメリットがある 場 合 に 有 効 な 手 法 である 16

3 施 設 の 共 同 設 置 団 体 名 大 牟 田 市 荒 尾 市 ( 人 口 : 大 牟 田 市 123,105 人 荒 尾 市 55,381 人 ) 事 例 概 要 福 岡 県 大 牟 田 市 と 熊 本 県 荒 尾 市 が 浄 水 場 を 共 同 で 建 設 し 利 用 している 事 例 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 大 牟 田 市 荒 尾 市 は 共 に 三 池 炭 鉱 の 町 として 発 展 し 市 水 に 先 駆 けて 炭 鉱 専 用 水 道 ( 社 水 )が 普 及 し 炭 鉱 社 宅 周 辺 の 一 般 家 庭 まで 給 水 している 状 況 があったことから 市 水 との 水 道 一 元 化 という 共 通 の 課 題 を 抱 えていた 両 市 は 県 境 をまたいでいるものの 以 前 から 生 活 圏 経 済 圏 が 同 じことに 加 え 水 源 環 境 等 の 地 理 的 条 件 水 道 事 業 の 広 域 化 の 推 進 等 の 時 代 背 景 もあ り スケールメリットを 最 大 限 生 み 出 すことを 目 的 として 共 同 浄 水 場 を 建 設 することとなった 当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 浄 水 場 の 共 同 設 置 によって 単 独 で 設 置 した 場 合 に 比 べて 約 16%の 建 設 コ ストの 削 減 等 のスケールメリットがあった 社 水 と 市 水 の 一 元 化 という 共 通 の 課 題 を 抱 えていたこと 生 活 圏 経 済 圏 が 同 じことに 加 え 水 源 環 境 等 の 地 理 的 要 因 により 共 同 設 置 のスケールメ リットが 大 きかったことによる 他 団 体 での 活 用 可 能 性 留 意 点 等 地 理 的 要 因 ( 水 源 が 共 通 等 )をはじめ 共 同 化 できる 環 境 にあり 浄 水 場 を 共 同 設 置 することによる 建 設 維 持 管 理 コストの 削 減 効 果 や 目 的 意 識 をお 互 いに 共 有 できる 自 治 体 同 士 であれば 活 用 し 得 る 手 法 である 17

4 施 設 の 共 同 設 置 団 体 名 旭 川 市 東 神 楽 町 等 ( 人 口 : 旭 川 市 349,332 人 東 神 楽 町 9,915 人 鷹 栖 町 7,344 人 比 布 町 4,062 人 当 麻 町 7,046 人 東 川 町 7,900 人 ) 事 例 概 要 旭 川 市 と 周 辺 5 町 で 下 水 終 末 処 理 場 及 び 管 渠 を 共 同 で 建 設 し 利 用 して いるもので 水 量 按 分 で 費 用 負 担 を 行 っている 事 例 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 流 域 下 水 道 事 業 の 申 請 が 不 採 択 となり 各 自 治 体 において 公 共 下 水 道 事 業 を 実 施 することになったが 公 共 用 水 域 の 保 全 のためには 個 々の 公 共 下 水 道 としてだけではなく 流 域 全 体 を 考 えた 総 合 的 な 整 備 手 法 が 必 要 であった 旭 川 市 と 周 辺 5 町 が 合 併 処 理 により 吐 口 を 一 箇 所 にすることが 水 質 管 理 の 面 から 望 ましいこと また 地 理 的 要 因 を 勘 案 しても 個 々に 処 理 場 を 造 る よりも 一 箇 所 にまとめて 造 るほうが 建 設 費 維 持 管 理 費 で 経 済 的 であった ことから 採 用 したもの 当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 処 理 場 を 共 同 設 置 したことにより 当 初 建 設 費 及 び 更 新 費 用 については 単 独 実 施 に 比 べて 施 設 規 模 が 小 さくなり 費 用 が 抑 えられた また 維 持 管 理 費 についても 単 独 実 施 であれば 各 自 治 体 において 施 設 を 管 理 する 人 員 及 び 費 用 がかかるところを 共 同 実 施 により 一 括 して 行 うことで 費 用 削 減 効 果 が 出 ている 結 果 として 下 水 道 料 金 も 抑 制 できている 他 団 体 での 活 用 可 能 性 留 意 点 等 流 域 下 水 道 がない 地 域 においても 自 治 体 同 士 が 近 接 している 等 の 地 理 的 条 件 が 許 せば 長 期 的 な 費 用 を 抑 制 できることから 本 件 を 参 考 として 取 組 める 可 能 性 はある 18

5 用 水 供 給 と 末 端 給 水 の 垂 直 統 合 団 体 名 岩 手 中 部 水 道 企 業 団 ( 人 口 : 北 上 市 93,914 人 花 巻 市 101,026 人 紫 波 町 33,814 人 ) 事 例 概 要 用 水 供 給 事 業 を 行 う 岩 手 中 部 広 域 水 道 企 業 団 が 末 端 給 水 を 行 う 北 上 市 花 巻 市 紫 波 町 の2 市 1 町 の 水 道 事 業 を 統 合 して 企 業 団 を 設 立 した 事 例 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 各 自 治 体 の 現 場 の 職 員 で 構 成 された 広 域 水 道 事 業 在 り 方 委 員 会 での 検 討 が 最 終 的 に 広 域 化 につながったボトムアップによる 広 域 化 である 単 独 で 事 業 運 営 した 場 合 のシミュレーションと 統 合 した 場 合 のシミュレ ーションとを 比 較 した 結 果 単 独 で 事 業 を 行 うよりも 統 合 した 方 が 給 水 原 価 供 給 単 価 が 抑 制 されることから 当 該 手 法 が 採 用 された 当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 職 員 体 制 の 充 実 が 図 られ 組 織 のレベルアップに 繋 がった 加 えて 職 員 のプロパー 化 により 時 間 をかけて 専 門 職 員 を 養 成 することが 可 能 となり ノウハウの 継 承 という 点 でも 効 果 が 現 れている 水 の 融 通 により 施 設 のダウンサイジング 等 を 図 ることで 維 持 管 理 コスト の 削 減 が 見 込 まれる( 平 成 26~36 年 度 までのコスト 削 減 効 果 は 18 億 円 ) また 用 水 供 給 事 業 の 留 保 資 金 が 不 要 となることによる 経 費 削 減 を 図 ることができる 経 営 効 率 化 により ループ 送 水 管 の 整 備 によるバックアップ 体 制 の 強 化 や 管 路 更 新 率 を 60 年 サイクルに 上 げることができ 管 路 耐 震 化 率 も 3.5%から 20%を 超 えるレベルにすることが 可 能 となる また 約 3 割 の 小 規 模 不 安 定 水 源 を7% 以 下 に 縮 小 できる 早 期 にアセットマネジメントを 実 施 したことにより 将 来 の 更 新 投 資 を 具 体 的 な 数 字 で 把 握 することで 危 機 意 識 が 共 有 された また 現 場 の 職 員 で 構 成 する 委 員 会 を 立 ち 上 げ 担 当 者 が 感 じている 老 朽 化 に 対 する 不 安 技 術 喪 失 への 焦 燥 感 等 をボトムアップで 上 げていったことが 大 きな 要 因 他 団 体 での 活 用 可 能 性 留 意 点 等 用 水 供 給 事 業 と 末 端 給 水 事 業 の 統 合 は 広 域 的 な 水 融 通 により 施 設 のダウ ンサイジングを 図 ることができ また 用 水 供 給 事 業 の 留 保 資 金 の 不 要 による 経 費 削 減 効 果 など 事 業 ベースで 統 合 効 果 が 大 きいことから 統 合 に 取 り 組 みやすい 自 治 体 間 の 調 整 や 内 部 部 局 との 調 整 に 長 期 間 を 要 したが 事 業 効 率 の 改 善 や 職 員 のプロパー 化 によるノウハウ 維 持 等 の 効 果 が 期 待 できる 手 法 である 19

6 用 水 供 給 と 末 端 給 水 の 垂 直 統 合 団 体 名 香 川 県 県 内 16 市 町 ( 全 市 町 数 17)( 人 口 : 香 川 県 1,010,707 人 ) 事 例 概 要 香 川 県 と 県 内 16 市 町 で 構 成 する 任 意 協 議 会 で 用 水 供 給 事 業 と 末 端 給 水 事 業 の 統 合 を 検 討 している 事 例 ( 香 川 用 水 を 活 用 した 水 源 の 一 元 管 理 及 び 円 滑 な 水 融 通 ) 最 終 的 には 企 業 団 を 設 立 する 予 定 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 県 の 水 道 局 提 案 による 県 内 市 町 の 水 道 事 業 担 当 者 による 勉 強 会 を 開 催 そ の 中 で 課 題 抽 出 対 策 検 討 広 域 化 の 方 向 性 の 整 理 市 町 の 意 向 確 認 等 を 行 い トップ 政 談 会 で 知 事 から 各 市 町 長 に 対 して 水 道 広 域 化 検 討 を 呼 びかけた 香 川 県 は 水 資 源 に 乏 しく 香 川 用 水 が 県 内 水 道 事 業 体 の 共 通 水 源 ( 約 48%) であり その 一 方 で 渇 水 対 策 の 必 要 性 から 各 市 町 においても 自 己 水 源 を 維 持 することで 無 駄 が 大 きいことから 用 水 供 給 事 業 と 末 端 給 水 事 業 の 統 合 を 検 討 することとした 統 合 の 手 法 としては 経 営 統 合 や 委 託 等 の 手 法 も 提 案 されたが 業 務 の 効 率 化 等 による 経 営 基 盤 の 強 化 国 庫 補 助 金 等 の 活 用 等 を 勘 案 の 上 各 市 町 毎 に 水 道 料 金 のシミュレーションを 行 った 上 で 事 業 統 合 が 最 も 効 果 的 である という 結 論 に 至 った また 市 町 と 県 の 両 方 のノウハウが 必 要 であることから 市 町 と 県 が 構 成 団 体 となり 広 域 水 道 事 業 を 管 理 運 営 する 企 業 団 の 設 立 を 行 うこととした 当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 職 員 数 が 平 成 26 年 から 平 成 38 年 で 104 名 減 浄 水 場 が 29 施 設 減 運 営 費 事 業 費 が 平 成 28 年 から 平 成 55 年 で 954 億 円 減 ( 年 間 34 億 円 減 ) 供 給 単 価 が 平 成 55 年 の 時 点 で 単 独 経 営 よりも 16% 減 の 効 果 が 見 込 まれる 各 市 町 において 内 部 留 保 資 金 や 起 債 残 高 の 違 いがあり また 各 市 町 の 一 般 財 源 も 厳 しいことから 10 年 間 の 区 分 経 理 で 財 政 調 整 を 行 うこととしたこ と シミュレーションを 行 い 料 金 の 見 通 しを 明 確 にして 見 える 化 を 行 っ たことがポイント 他 団 体 での 活 用 可 能 性 留 意 点 等 用 水 供 給 事 業 と 末 端 給 水 事 業 の 統 合 は 水 融 通 により 施 設 のダウンサイジ ングを 図 ることができ また 用 水 供 給 事 業 の 留 保 資 金 が 不 要 となることによ る 経 費 削 減 効 果 など 事 業 ベースで 統 合 効 果 が 大 きいことから 統 合 に 取 り 組 みやすい 20

また 用 水 供 給 を 行 う 県 が 広 域 化 に 積 極 的 に 関 わった 事 例 であり 企 業 団 設 立 までの 県 及 び 市 町 の 動 きや 各 種 指 標 のシミュレーション 等 は 他 団 体 で 広 域 化 を 検 討 する 際 に 参 考 にできる 7 広 域 化 における 都 道 府 県 の 役 割 団 体 名 奈 良 県 ( 人 口 1,405,453 人 ) 事 例 概 要 県 営 水 道 と 市 町 村 水 道 を 県 域 水 道 として 一 体 としてとらえ あるべき 姿 としての 県 域 水 道 ビジョンを 策 定 奈 良 県 を 1 県 営 水 道 エリア( 県 北 部 で 県 営 水 道 を 軸 とした 垂 直 連 携 ) 2 五 條 吉 野 エリア( 県 中 部 で 五 條 市 吉 野 3 町 による 水 平 連 携 ) 3 簡 易 水 道 エリア( 県 南 部 東 部 で 県 による 簡 易 水 道 事 業 支 援 )に 分 けて エリアごと に 対 応 策 を 整 理 し 県 と 市 町 村 で 検 討 しているもの 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 奈 良 県 は 市 町 村 合 併 が 進 まなかったことから それに 代 わる 手 法 として 各 種 分 野 において 県 と 市 町 村 の 垂 直 連 携 市 町 村 相 互 の 水 平 連 携 による 行 政 効 率 化 を 図 る 奈 良 モデル を 実 施 しており その 一 環 として 水 道 事 業 につ いても 知 事 から 県 営 水 道 と 市 町 村 水 道 を 一 体 としてとらえた 広 域 的 なビジ ョン 策 定 の 指 示 があり 平 成 21 年 から 検 討 を 始 めたもの 県 営 水 道 エリアについては 県 営 水 道 と 市 町 村 水 道 において 施 設 投 資 を 合 理 化 できる 余 地 があること 水 需 要 の 減 少 に 伴 う 施 設 の 効 率 化 や 維 持 管 理 技 術 力 の 低 下 が 課 題 となっていることから 水 源 の 最 適 化 と 施 設 の 効 率 化 と して 県 営 水 道 を 軸 とした 垂 直 連 携 と 奈 良 市 の 水 源 の 有 効 活 用 を 視 野 に 入 れた 一 元 化 を 検 討 五 條 吉 野 エリアについては 五 條 市 と 吉 野 3 町 の 水 源 が 共 通 で 施 設 稼 働 率 が 低 いこと 水 源 水 質 の 維 持 施 設 更 新 等 への 対 応 といった 課 題 がある ことから 水 平 連 携 が 検 討 されている 簡 易 水 道 エリアについては 経 営 基 盤 が 弱 く 過 疎 化 の 進 行 給 水 量 の 減 少 施 設 の 老 朽 化 水 道 職 員 の 減 少 等 により 運 営 基 盤 の 更 なる 弱 体 化 が 懸 念 されること また 施 設 の 点 在 化 料 金 回 収 率 及 び 施 設 稼 働 率 の 低 さとい った 問 題 があることから 県 が 各 市 町 村 への 技 術 支 援 などの 人 材 派 遣 管 理 の 受 皿 組 織 設 立 を 検 討 している 21

当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 県 営 水 道 エリアにおいて 県 営 水 道 受 水 への 転 換 を 軸 とする 施 設 の 共 同 化 業 務 共 同 化 による 市 町 村 毎 の 給 水 原 価 のシミュレーションを 行 い 多 く の 市 町 村 において 施 設 の 共 同 化 による 維 持 管 理 費 が 削 減 される 見 込 み 他 団 体 での 活 用 可 能 性 留 意 点 等 県 が 県 内 市 町 村 の 水 道 事 業 の 広 域 化 を 推 進 しており 特 に 簡 易 水 道 エリア については 県 が 技 術 支 援 を 検 討 するなど 県 が 具 体 的 な 支 援 を 行 うことを 検 討 している 県 の 積 極 的 な 対 応 は 他 都 道 府 県 においても 参 考 となる 県 域 水 道 ビジョンの 策 定 に 当 たっては 各 市 町 村 との 調 整 に 時 間 を 要 して おり さらに 研 修 会 を 開 催 して 先 進 事 例 の 勉 強 を 行 ったり 作 業 部 会 におい てグループワーク 形 式 で 検 討 するなど 県 内 市 町 村 とのコンセンサスの 形 成 を 行 っている 8 広 域 化 における 都 道 府 県 の 役 割 団 体 名 長 野 県 天 龍 村 等 ( 人 口 : 長 野 県 2,165,604 人 天 龍 村 1,587 人 ) 事 例 概 要 過 疎 市 町 村 の 水 道 事 業 の 施 設 整 備 等 について 県 企 業 局 が 地 方 自 治 法 上 の 事 務 の 代 替 執 行 等 の 手 法 により 支 援 することを 検 討 している 事 例 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 市 町 村 の 水 道 事 業 において 人 口 減 少 に 伴 う 水 道 料 金 収 入 の 減 少 老 朽 化 した 施 設 の 更 新 各 市 町 村 における 水 道 技 術 職 員 の 不 足 あるいは 不 在 に 伴 う 技 術 力 確 保 等 の 問 題 があるが 特 に 過 疎 市 町 村 では 単 独 でこれらの 問 題 を 解 決 することが 困 難 であり 県 企 業 局 が 地 域 への 貢 献 の 観 点 から 人 口 定 着 確 かな 暮 らしを 実 現 するための 支 援 策 として 検 討 を 開 始 した 当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 平 成 27 年 度 中 に 平 成 28 年 度 から 概 ね 10 年 間 の 経 営 戦 略 を 策 定 予 定 であ り その 中 で 過 疎 市 町 村 への 支 援 を 具 体 化 する 予 定 他 団 体 での 活 用 可 能 性 留 意 点 等 地 方 自 治 法 上 の 事 務 の 代 替 執 行 制 度 は 一 部 の 事 務 についての 代 替 であり 事 務 を 任 せる 側 の 意 向 を 反 映 させ かつ 効 率 的 な 広 域 連 携 が 可 能 となるこ とから 他 の 自 治 体 でも 十 分 に 活 用 可 能 な 手 法 である 22

9 広 域 化 における 民 間 企 業 第 三 セクターの 役 割 団 体 名 横 浜 ウォーター( 株 ) 事 例 概 要 官 民 連 携 をはじめ 先 進 的 な 取 組 を 行 っている 横 浜 市 水 道 局 が 平 成 22 年 7 月 に 同 市 水 道 局 100% 出 資 の 第 三 セクターである 横 浜 ウォーター( 株 )を 設 立 国 内 外 の 上 下 水 道 事 業 者 への 経 営 技 術 コンサルティング 技 術 者 研 修 施 設 管 理 業 務 の 受 託 や 宮 城 県 山 元 町 への 包 括 的 民 間 委 託 公 募 選 定 支 援 等 を 行 っている 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 横 浜 市 水 道 局 が 有 するノウハウを 他 事 業 体 への 支 援 に 活 かし 同 市 水 道 局 の 経 営 基 盤 の 強 化 に 繋 げることから 設 立 設 立 に 係 る 議 決 の 際 には 議 会 より 以 下 の 趣 旨 の 附 帯 意 見 が 付 されている 経 営 悪 化 に 伴 う 財 政 支 援 は 行 わないこと 公 民 連 携 や 技 術 交 流 が 進 められるよう 外 部 人 材 を 積 極 採 用 すること 水 道 局 のノウハウの 向 上 集 積 に 資 する 取 組 を 強 化 すること 当 社 への 随 意 契 約 は 第 三 者 の 意 見 を 踏 まえ 価 格 の 適 正 化 を 図 ること 事 業 計 画 の 適 時 適 切 な 見 直 しを 図 ること 財 務 状 況 等 の 開 示 等 経 営 の 透 明 性 を 確 保 すること 当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 横 浜 ウォーターは 横 浜 市 と 実 質 的 に 一 体 であるとの 信 頼 感 の 中 で 同 市 で 培 われたノウハウを 活 用 できる 一 方 横 浜 市 にとっても 支 援 の 対 価 を 得 ることに 加 えて 支 援 を 通 じてノウハウの 維 持 充 実 も 図 られ 同 市 上 下 水 道 事 業 の 経 営 基 盤 の 強 化 につながっている 他 団 体 での 活 用 可 能 性 留 意 点 等 被 災 自 治 体 への 支 援 を 行 うなど 小 規 模 で 専 門 職 員 も 少 ない 地 方 自 治 体 の 事 務 人 材 を 補 完 する 役 割 を 果 たしている 第 三 セクターの 活 用 に 当 たっては 経 営 悪 化 に 伴 う 財 政 支 援 を 行 わないこ とや OBの 再 雇 用 のための 会 社 としないことにするために 外 部 人 材 を 登 用 したり 市 との 間 の 随 意 契 約 については 透 明 性 を 高 めるなど 工 夫 をこらし ている 他 団 体 の 公 営 企 業 を 補 完 する 第 三 セクターにおいても 参 考 となる 23

10 広 域 化 における 民 間 企 業 第 三 セクターの 役 割 団 体 名 ( 株 ) 水 みらい 広 島 事 例 概 要 広 島 県 が 県 営 の 水 道 用 水 供 給 事 業 及 び 工 業 用 水 道 事 業 の 維 持 管 理 等 業 務 に おいて 県 によるガバナンスを 発 揮 しつつ 民 間 活 力 を 活 かすための 仕 組 みとし て また 県 内 市 町 の 同 業 務 の 受 け 皿 として 官 民 共 同 出 資 にて 第 三 セクター ( 株 ) 水 みらい 広 島 を 設 立 した 事 例 広 島 県 から 用 水 供 給 事 業 の 指 定 管 理 業 務 や 呉 市 から 浄 水 場 の 運 転 管 理 業 務 を 受 託 している 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 平 成 22 年 度 に 県 受 水 市 町 及 び 民 間 事 業 者 等 で 設 置 した 勉 強 会 において 公 民 共 同 企 業 体 の 設 立 が 提 言 されたことが 直 接 の 契 機 公 民 共 同 企 業 体 の 組 織 形 態 として 県 職 員 のノウハウを 承 継 維 持 する 観 点 から 職 員 派 遣 が 可 能 な 形 態 の 中 で もっとも 民 間 事 業 者 のインセンティ ブが 働 きやすく 官 民 の 責 任 分 担 が 明 確 化 できる 第 三 セクター 形 式 を 選 択 出 資 比 率 については 県 35% 民 間 65%と 民 主 体 としつつ 県 が 経 営 上 重 要 な 議 決 事 項 に 対 して 単 独 で 拒 否 できる3 分 の1 超 の 議 決 権 を 保 有 す ることで 民 間 活 力 の 発 揮 と 官 による 適 切 なガバナンスの 両 立 を 図 ってい る (その 他 県 は 取 締 役 の 派 遣 や 全 株 式 の 譲 渡 制 限 を 設 けること 等 に より ガバナンスを 強 化 している ) 資 金 調 達 については 県 は 損 失 補 償 を 行 わないことを 明 記 しており 将 来 の 財 政 悪 化 への 懸 念 も 遮 断 している 当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 県 にとっては 民 間 ノウハウの 活 用 やコスト 縮 減 に 加 えて 官 側 のノウハ ウ 喪 失 への 対 応 ができる 委 託 する 側 の 県 や 県 内 市 町 にとっては 県 が 参 画 する 会 社 との 信 頼 感 の 中 で 維 持 管 理 等 業 務 を 委 託 できる ( 株 ) 水 みらい 広 島 にとっては 収 益 確 保 に 加 えて 水 道 事 業 の 運 営 ノウハ ウの 習 得 技 術 開 発 力 の 向 上 という 面 でメリットがある 他 団 体 での 活 用 可 能 性 留 意 点 等 県 のノウハウを 継 承 し 他 の 自 治 体 の 業 務 を 引 き 受 けることでノウハウを 維 持 する 一 方 で 単 年 度 予 算 に 縛 られないことによる 民 間 企 業 の 強 みを 生 か したコスト 縮 減 に 取 り 組 むことができる 県 のガバナンスとノウハウを 活 か す 仕 組 みとして 参 考 になる 24

県 によるガバナンスを 発 揮 するために 出 資 比 率 を 工 夫 したり 資 金 調 達 に 当 たって 損 失 補 償 を 行 わないなど 将 来 の 財 政 悪 化 への 懸 念 へも 対 応 してい る 市 町 との 間 に 資 本 関 係 がないことから 市 町 から 退 職 職 員 派 遣 ができなか ったり 現 在 の 指 定 管 理 の 期 間 終 了 後 の 他 の 民 間 事 業 者 との 競 争 性 の 確 保 に ついて 課 題 を 抱 えている 25

2 民 間 活 用 民 間 活 用 は 公 共 部 門 における 民 間 資 金 及 びノウハウを 活 用 することにより サービスの 質 の 維 持 向 上 と 経 費 の 削 減 を 図 るための 手 法 である (1) 民 間 活 用 の 手 法 の 特 徴 以 下 では 民 間 活 用 の 手 法 について 特 徴 を 述 べていく ( 下 水 道 施 設 の 運 営 に おけるPPP/PFIの 活 用 に 関 する 研 究 会 ( 国 土 交 通 省 )の 資 料 や 水 道 事 業 における 官 民 連 携 に 関 する 手 引 き ( 平 成 26 年 3 月 厚 生 労 働 省 ) 等 参 照 ) 1 包 括 的 民 間 委 託 等 包 括 的 民 間 委 託 は 複 数 業 務 を 一 括 して 民 間 事 業 者 に 委 託 することであり 複 数 業 務 の 委 託 に 加 えて 性 能 発 注 や 複 数 年 契 約 であることがその 特 徴 とされてい る( 下 水 処 理 場 等 の 維 持 管 理 における 包 括 民 間 委 託 の 推 進 について ( 平 成 16 年 3 月 国 土 交 通 省 都 市 局 下 水 道 部 管 理 指 導 室 長 通 知 ) 参 照 ) 委 託 期 間 は3 年 から5 年 が 一 般 的 であり 業 務 内 容 は 施 設 の 維 持 管 理 のほか もっとも 委 託 の 範 囲 が 広 い 場 合 については 資 本 的 支 出 に 該 当 しない 補 修 修 繕 計 画 の 策 定 実 施 まで 含 む なお 民 間 活 用 民 間 委 託 の 制 度 手 法 において シェアードサービス 指 定 管 理 者 制 度 第 三 者 委 託 制 度 があるが ここでその 特 徴 を 述 べていく (ⅰ)シェアードサービス 契 約 ( 性 能 発 注 複 数 年 ) 料 金 利 用 者 自 治 体 民 間 事 業 者 委 託 料 建 設 / 改 築 / 資 材 等 運 転 監 視 大 規 模 修 繕 調 達 管 理 運 転 監 視 維 持 管 理 修 繕 資 材 等 調 達 管 理 維 持 管 理 修 繕 シェアードサービスとは 複 数 の 地 方 自 治 体 が 共 同 の 事 務 をまとめて 一 つの 民 間 事 業 者 に 委 託 すること( 事 務 の 共 同 委 託 )をいう シェアードサービスは 業 務 を 発 注 する 地 方 自 治 体 側 の 負 担 が 減 り 民 間 事 業 者 側 にもスケールメリットが 出 るものと 考 えらえる また 業 務 の 一 部 を 共 同 で 発 注 するため 事 業 統 合 を 前 提 とせず 複 雑 な 手 続 きも 必 要 なく 活 用 できる 手 法 である 26

(ⅱ) 指 定 管 理 者 制 度 指 定 管 理 者 制 度 とは 地 方 自 治 法 上 の 公 の 施 設 ( 地 方 自 治 法 第 244 条 第 1 項 )について 地 方 自 治 体 から 指 定 を 受 けた 指 定 管 理 者 が 当 該 公 の 施 設 の 管 理 を 行 う 制 度 である( 地 方 自 治 法 第 244 条 の2 第 3 項 ) 指 定 管 理 者 制 度 には 料 金 の 収 受 方 法 の 違 いにより 以 下 の2つの 方 式 がある 代 行 制 利 用 料 金 制 公 の 施 設 の 利 用 に 係 る 料 金 を 地 方 自 治 体 自 らの 収 入 として 収 受 する 方 式 条 例 で 定 められた 基 本 的 枠 組 みに 従 い 地 方 自 治 体 の 承 認 を 得 ること により 指 定 管 理 者 が 利 用 料 金 を 設 定 し 収 受 する 方 式 (ⅲ) 水 道 法 上 の 第 三 者 委 託 ( 水 道 事 業 に 限 る) 水 道 法 上 の 第 三 者 委 託 とは 浄 水 場 の 運 転 管 理 業 務 等 の 水 道 の 管 理 に 関 する 技 術 上 の 業 務 について 技 術 的 に 信 頼 できる 他 の 水 道 事 業 者 等 や 民 間 事 業 者 といっ た 第 三 者 に 水 道 法 上 の 責 任 を 含 め 委 託 するものである 上 記 の3つの 手 法 については それぞれ 制 度 の 違 いや 民 間 が 担 える 業 務 範 囲 について 制 限 があるものの その 効 果 等 については 包 括 的 民 間 委 託 の 効 果 等 の 中 に 包 含 されることから 以 下 においては 包 括 的 民 間 委 託 等 とまとめて 表 記 し 検 討 することとする 2 DBO DBO(Design-Build-Operate)とは 地 方 自 治 体 が 資 金 を 調 達 し 民 間 事 業 者 に 設 計 建 設 運 営 等 を 一 体 的 に 委 託 する 方 式 であり 施 設 の 所 有 権 は 地 方 自 治 体 のままである 委 託 期 間 は 設 計 建 設 期 間 に 加 えて 20 年 間 程 度 が 一 般 的 であり 業 務 内 容 は 性 能 発 注 による 建 設 ( 改 築 を 含 む)に 加 えて 維 持 管 理 とされる 工 事 請 負 契 約 維 持 管 理 契 約 料 金 利 用 者 自 治 体 民 間 事 業 者 工 事 対 価 維 持 管 理 対 価 建 設 / 改 築 / 大 規 模 修 繕 資 材 等 調 達 管 理 建 設 / 改 築 / 大 規 模 修 繕 資 材 等 調 達 管 理 運 転 監 視 維 持 管 理 修 繕 運 転 監 視 維 持 管 理 修 繕 27

3 PFI( 従 来 方 式 ) PFI(Private-Finance-Initiative)とは 公 共 施 設 等 の 建 設 維 持 管 理 運 営 等 を 民 間 の 資 金 経 営 能 力 及 び 技 術 的 能 力 を 活 用 し 効 率 化 やサービスの 向 上 を 図 ることを 目 的 とした 民 間 資 金 等 の 活 用 による 公 共 施 設 等 の 整 備 等 の 促 進 に 関 する 法 律 ( 平 成 11 年 法 律 第 117 号 )(PFI 法 )に 基 づく 手 法 である 委 託 期 間 は 設 計 建 設 期 間 に 加 えて 20 年 程 度 が 一 般 的 であり 業 務 内 容 につ いては 性 能 発 注 による 建 設 ( 改 築 を 含 む)と 維 持 管 理 業 務 である PFIは 以 下 の 事 業 方 式 に 分 類 される 事 業 方 式 BOT (Build-Operate-Transfer) BTO (Build-Transfer-Operate) BOO (Build-Own-Operate) 概 要 PFI 事 業 者 が 施 設 を 建 設 し 施 設 の 所 有 をしたま ま 維 持 管 理 を 行 い 契 約 期 間 終 了 後 に 所 有 権 を 公 共 に 譲 渡 する 方 式 PFI 事 業 者 が 施 設 を 建 設 後 に 公 共 に 所 有 権 を 引 き 渡 した 上 で 維 持 管 理 を 行 う 方 式 PFI 事 業 者 が 施 設 を 建 設 し 施 設 の 所 有 をしたま ま 維 持 管 理 を 行 い 契 約 期 間 終 了 後 に 民 間 事 業 者 が 施 設 を 保 有 し 続 けるか 撤 去 する 方 式 利 用 者 PFI 事 業 契 約 料 金 自 治 体 民 間 事 業 者 サービス 対 価 建 設 / 改 築 / 大 規 模 修 繕 資 材 等 調 達 管 理 建 設 / 改 築 / 大 規 模 修 繕 資 材 等 調 達 管 理 運 転 監 視 維 持 管 理 修 繕 運 転 監 視 維 持 管 理 修 繕 4 コンセッション 方 式 コンセッション 方 式 とは 施 設 の 所 有 権 は 公 共 が 保 有 したまま 民 間 事 業 者 に 公 共 施 設 等 運 営 権 を 付 与 する 方 式 であり PFIの 一 形 態 である 民 間 事 業 者 は 利 用 者 から 収 受 する 利 用 料 金 で 事 業 を 運 営 するが 事 業 管 理 の 最 終 責 任 は 公 共 が 負 うことに 変 わりはない 民 間 事 業 者 は 必 要 に 応 じて 金 融 機 関 から 資 金 を 調 達 するが その 際 運 営 権 に 抵 当 権 を 設 定 することができることから 民 間 事 業 者 にとって 資 金 調 達 が 容 易 に なる 28

委 託 期 間 は 上 限 がなく 業 務 内 容 としては 性 能 発 注 による 維 持 管 理 に 加 えて 改 築 まで 含 むものであるが 建 設 及 び 施 設 の 全 面 除 却 を 伴 う 再 整 備 は 除 外 される( 公 共 施 設 等 運 営 権 及 び 公 共 施 設 等 運 営 事 業 ガイドライン ( 平 成 25 年 内 閣 府 )) 自 治 体 運 営 権 実 施 契 約 民 間 事 業 者 料 金 利 用 者 運 営 権 公 費 負 担 すべき 対 価 建 設 / 改 築 / 大 規 模 修 繕 維 持 管 理 修 繕 改 築 / 大 規 模 修 繕 維 持 管 理 修 繕 運 転 監 視 維 持 管 理 マネシ メント 運 転 監 視 維 持 管 理 マネシ メント 資 材 等 調 達 管 理 施 設 保 全 計 画 管 理 資 材 等 調 達 管 理 施 設 保 全 計 画 管 理 建 設 及 び 施 設 の 全 面 除 却 を 伴 う 再 整 備 は 除 く (2) 手 法 ごとに 期 待 される 効 果 と 課 題 手 法 ごとに 期 待 される 効 果 と 課 題 は 以 下 のとおりである 手 法 期 待 される 効 果 課 題 等 包 括 的 民 間 委 託 等 シェアードサービス 指 定 管 理 者 第 三 者 委 託 含 む DBO PFI ( 従 来 方 式 ) コンセッ ション 方 式 民 間 事 業 者 の 技 術 力 を 活 用 する ことができる 技 術 力 が 確 保 される 効 率 的 な 人 員 配 置 を 行 うことが できる 業 務 全 般 を 委 託 すれば より 効 率 的 な 運 営 ができる 競 争 による 民 間 事 業 者 のインセ ンティブ 向 上 とノウハウ 活 用 が 期 待 される 長 期 のライフサイクルコストへ の 民 間 ノウハウの 活 用 により 財 政 支 出 の 軽 減 が 期 待 される (PFI( 従 来 方 式 )の 場 合 ) 金 融 機 関 のモニタリング 効 果 が 期 待 される 他 の 手 法 に 比 べて 民 間 事 業 者 のノウハウや 活 力 が 活 かされる 余 地 が 大 きい 地 方 自 治 体 内 部 にノウハウが 蓄 積 されない 契 約 期 間 が 短 期 であり 契 約 手 続 の 発 生 頻 度 が 高 い 規 模 によっては 調 達 手 続 に 参 画 する 民 間 事 業 者 が 存 在 しない こともある 業 務 範 囲 責 任 区 分 を 明 確 する 必 要 がある 従 来 とは 異 なる 発 注 方 法 等 とな り 事 務 負 担 が 大 きい 導 入 までに 長 期 間 を 要 する 規 模 によっては 調 達 手 続 に 参 画 する 民 間 事 業 者 が 存 在 しない こともある 我 が 国 では 未 だ 導 入 例 がない 制 度 的 に 明 確 になってない 点 が ある 29

(3) 事 例 分 析 以 上 の 整 理 を 踏 まえた 上 で 本 研 究 会 及 び 事 務 局 においてヒアリングや 現 地 視 察 等 を 行 った 各 団 体 の 11 の 個 別 事 例 について 分 析 を 行 い 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 他 団 体 での 活 用 可 能 性 当 該 手 法 を 用 いる 際 の 留 意 点 等 を 以 下 述 べていく( 詳 細 は 資 料 1 参 照 ) 1 シェアードサービス 団 体 名 かすみがうら 市 阿 見 町 ( 人 口 :かすみがうら 市 44,217 人 阿 見 町 47,092 人 ) 事 例 概 要 茨 城 県 かすみがうら 市 と 阿 見 町 が 両 市 町 で 共 通 する 上 下 水 道 料 金 等 収 納 業 務 について 共 同 で 一 般 公 募 型 プロポーザル 方 式 により 業 者 の 選 定 を 行 い 同 一 の 民 間 事 業 者 に 事 務 を 委 託 する 事 例 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 土 浦 市 かすみがうら 市 稲 敷 市 阿 見 町 美 浦 村 の 水 道 関 連 業 務 等 を 受 託 している 同 一 の 民 間 事 業 者 から 4 市 町 村 の 委 託 期 間 が 終 了 する 平 成 26 年 度 末 を 前 に( 稲 敷 市 は 平 成 27 年 度 末 まで) 平 成 27 年 度 以 降 土 浦 市 に センターを 開 設 し 上 下 水 道 料 金 等 収 納 業 務 を 集 約 効 率 化 すれば 委 託 料 の 削 減 を 図 ることができるとの 提 案 を 受 け 5 市 町 村 で 勉 強 会 を 設 けて 検 討 を 開 始 最 終 的 にかすみがうら 市 と 阿 見 町 の2 市 町 で 共 同 委 託 を 実 施 当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 本 手 法 により 両 市 町 の 委 託 料 は かすみがうら 市 で 年 間 9.0 百 万 円 阿 見 町 で 年 間 7.2 百 万 円 削 減 された 民 間 事 業 者 も 効 率 化 により 収 益 を 確 保 で きるものと 考 えられ 官 民 で Win-Win の 関 係 を 構 築 できている 首 長 が 導 入 に 積 極 的 であったこと また 従 前 の 委 託 契 約 の 期 限 が 同 じで あった 上 に 両 市 町 が 既 に 料 金 徴 収 等 の 業 務 を 民 間 委 託 しており 委 託 後 の 職 員 の 処 遇 という 課 題 がなかったことが 当 該 手 法 を 採 用 できた 要 因 他 団 体 での 活 用 可 用 性 留 意 点 等 地 方 自 治 体 間 で 事 業 の 統 合 を 行 わなくても 周 辺 の 地 方 自 治 体 と 共 通 化 でき る 業 務 があれば 採 用 し 得 る 手 法 である 特 に 小 規 模 な 自 治 体 で 民 間 事 業 者 が 参 入 するに 足 る 事 業 規 模 を 有 して おらず 業 務 委 託 をしたくてもできない 地 方 自 治 体 にとっては 事 業 規 模 を 確 保 できることで 民 間 参 入 を 促 すことができる 地 方 自 治 体 毎 の 従 来 の 民 間 委 託 範 囲 の 相 違 により 共 同 できる 相 手 を 探 す ことや 受 託 適 格 業 者 の 基 礎 的 情 報 を 得 ることができるか 等 の 課 題 がある 30

2 包 括 的 民 間 委 託 等 団 体 名 会 津 若 松 市 ( 人 口 :132,081 人 ) 事 例 概 要 大 手 民 間 事 業 者 と 地 元 民 間 事 業 者 が 共 同 出 資 で 設 立 した 特 定 目 的 会 社 (S PC)に 対 して 浄 水 場 の 運 転 管 理 業 務 及 び 送 配 水 施 設 維 持 管 理 等 業 務 等 に ついて 第 三 者 委 託 を 実 施 した 事 例 ( 平 成 22 年 4 月 ~ 平 成 26 年 3 月 ) 平 成 26 年 4 月 からは 上 記 の 施 設 のうち 老 朽 化 した 滝 沢 浄 水 場 の 更 新 整 備 についてDBOを 実 施 ( 旧 滝 沢 浄 水 場 の 他 4 浄 水 場 の 運 転 管 理 業 務 及 び 送 配 水 施 設 の 維 持 管 理 と 給 水 装 置 関 連 業 務 を 含 む) なお かかるDBOの 設 計 建 設 については 大 手 民 間 事 業 者 が 代 表 となるグループ 運 営 について は 当 該 グループと 地 元 民 間 事 業 者 が 共 同 出 資 で 設 立 したSPCが 受 託 してい る 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 市 内 の 大 口 事 業 者 の 事 業 規 模 の 縮 小 により 供 給 水 量 の 減 少 が 見 込 まれる ことや 老 朽 化 した 施 設 の 更 新 財 源 の 確 保 等 の 理 由 から 業 務 の 効 率 化 を 図 る ために 民 間 委 託 を 検 討 地 元 民 間 事 業 者 においては 浄 水 場 の 維 持 管 理 業 務 を 担 うことができる 技 術 がなかったこと 等 から 大 手 民 間 事 業 者 と 地 元 民 間 事 業 者 の 共 同 出 資 によ るSPCが 設 立 され 当 該 SPCが 業 務 を 受 託 当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 当 初 の 第 三 者 委 託 により 単 年 度 で 77 百 万 円 の 事 業 費 が 削 減 された また 人 員 面 の 効 果 として 職 員 数 を 68 名 から 42 名 に 26 名 減 少 させ 4 課 体 制 か ら2 課 体 制 へと 組 織 をスリム 化 した 他 団 体 での 活 用 可 用 性 留 意 点 等 民 間 事 業 者 が 小 規 模 で 専 門 職 員 も 少 ない 地 方 自 治 体 の 事 務 人 材 を 補 完 する 役 割 を 果 たしている 地 元 の 民 間 事 業 者 を 活 かす 工 夫 を 行 うとともに 職 員 OBが 民 間 事 業 者 に 就 職 することにより 市 の 管 理 ノウハウも 継 承 できるよう 取 り 組 んでいる 中 小 規 模 自 治 体 の 抱 える 課 題 についての 実 験 的 な 取 り 組 みとして 参 考 に なる 31

3 包 括 的 民 間 委 託 等 団 体 名 かほく 市 ( 人 口 :35,066 人 ) 事 例 概 要 水 道 施 設 公 共 下 水 道 施 設 農 業 集 落 排 水 施 設 の 複 数 の 管 理 業 務 を 一 元 化 して 性 能 発 注 複 数 年 契 約 による 包 括 的 民 間 委 託 を 実 施 した 事 例 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 市 町 村 合 併 に 伴 う 職 員 数 減 少 により 事 業 のサービスレベルを 維 持 するこ とが 難 しくなったことから 上 水 道 下 水 道 事 業 における 管 理 業 務 の 委 託 に ついての 検 討 を 行 い 平 成 22 年 度 から 平 成 24 年 度 は 公 共 下 水 道 事 業 と 農 業 集 落 排 水 事 業 について それぞれ 包 括 的 民 間 委 託 を 行 った(この 時 は 水 道 事 業 は 直 営 ) しかし さらなる 業 務 効 率 化 が 必 要 であったことから 担 当 課 において 事 業 の 現 状 分 析 手 法 検 討 を 行 った 上 で 人 材 技 術 が 類 似 する 水 道 事 業 の 管 理 についても 一 体 的 に 管 理 することとし 複 数 年 契 約 で 民 間 事 業 者 の 自 由 度 が 高 く 維 持 管 理 効 率 化 に 向 けたインセンティブが 働 きやすい 等 のメリット があることから 包 括 的 民 間 委 託 を 行 った 当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 事 業 別 の 包 括 的 民 間 委 託 から 上 下 水 道 一 体 の 包 括 的 民 間 委 託 に 切 り 替 え た 結 果 5 年 契 約 で 年 間 約 15 百 万 円 の 削 減 効 果 がある 委 託 した 事 業 について 市 によるモニタリング 事 業 者 のセルフモニタリ ングに 加 え 第 三 者 による 業 務 のモニタリングを 実 施 他 団 体 での 活 用 可 用 性 留 意 点 等 小 規 模 な 自 治 体 において 上 下 水 道 における 類 似 の 業 務 をまとめて 事 業 規 模 を 大 きくして 民 間 委 託 することで 委 託 をした 地 方 自 治 体 においても 経 費 削 減 効 果 が 得 られ 受 託 する 民 間 事 業 者 も 参 入 しやすくなる 効 果 がある 民 間 委 託 による 市 職 員 の 技 術 継 承 の 問 題 や 民 間 事 業 者 からの 提 案 に 対 す る 評 価 能 力 について 今 後 の 課 題 となっている 32

4 包 括 的 民 間 委 託 等 団 体 名 金 沢 市 ( 人 口 :450,360 人 ) 事 例 概 要 下 水 道 施 設 の 運 転 管 理 業 務 等 について 包 括 的 民 間 委 託 を 実 施 した 事 例 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 金 沢 市 では 過 去 から 民 間 事 業 者 に 施 設 の 運 転 管 理 業 務 委 託 を 行 っていた が 維 持 管 理 費 用 の 低 減 化 業 務 の 効 率 化 が 課 題 となっており 包 括 的 民 間 委 託 の 検 討 を 開 始 その 後 包 括 的 民 間 委 託 についての 検 討 を 中 断 していた 時 期 があったが 維 持 管 理 費 の 増 加 職 員 数 の 減 少 等 の 課 題 に 対 応 する 必 要 が 生 じてきたため 平 成 24 年 度 から 職 員 により 内 部 での 検 討 を 再 開 当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 現 時 点 では 詳 細 な 削 減 効 果 は 明 らかになっていないが 検 討 段 階 における 試 算 においては ユーティリティ 調 達 と 簡 易 修 繕 を 加 えて 委 託 をすることで 経 費 削 減 が 図 られ 従 来 の 運 転 管 理 業 務 等 の 委 託 に 比 べて 経 費 が 上 がらずに 済 むことや 業 務 効 率 化 により 職 員 の 労 働 負 担 が 約 12% 軽 減 することが 見 込 まれている 他 の 先 進 的 な 自 治 体 で 既 に 包 括 的 民 間 委 託 を 行 っており 職 員 による 内 部 検 討 の 際 に 他 団 体 でも 導 入 しているなら 金 沢 市 でも 可 能 であり まずはや ってみよう という 意 識 があったことが 当 該 手 法 を 採 用 した 要 因 である 他 団 体 での 活 用 可 用 性 留 意 点 等 既 に 他 の 自 治 体 も 実 施 している 包 括 的 民 間 委 託 を 参 考 に 実 施 しており 今 後 も 参 考 になるものである 委 託 範 囲 の 拡 大 により 職 員 の 技 術 力 の 低 下 を 招 くことのないよう 技 術 レ ベルの 維 持 に 努 める 必 要 がある 33

5 包 括 的 民 間 委 託 等 団 体 名 積 水 化 学 工 業 ( 株 ) 事 例 積 水 化 学 工 業 ( 株 )が 主 体 のJVが 河 内 長 野 市 のコミュニティ プラント 地 区 の 管 路 の 維 持 管 理 計 画 策 定 業 務 計 画 的 維 持 管 理 業 務 ( 点 検 清 掃 修 繕 等 ) 長 寿 命 化 計 画 策 定 業 務 ( 調 査 含 む) 等 の 包 括 的 民 間 委 託 を 受 託 した 事 例 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 下 水 道 管 路 の 維 持 補 修 長 寿 命 化 について 積 水 化 学 工 業 ( 株 )から 河 内 長 野 市 に 営 業 活 動 を 行 い 河 内 長 野 市 の 担 当 も 問 題 意 識 を 持 っていたことか ら 事 業 を 開 始 河 内 長 野 市 の 下 水 道 事 業 の 課 題 として 普 及 率 の 早 期 向 上 管 路 の 新 設 及 び コミュニティ プラント 地 区 の 管 路 の 維 持 管 理 補 修 長 寿 命 化 があっ た 特 に 今 後 5 年 程 度 で 耐 用 年 数 を 超 える 地 区 が 急 増 することから 老 朽 管 路 対 策 が 不 可 欠 の 状 況 であり かつ コミュニティ プラント 17 地 区 の 長 寿 命 化 対 策 には 多 くの 時 間 費 用 を 要 することから 中 長 期 的 な 視 点 で 効 率 的 効 果 的 な 維 持 管 理 長 寿 命 化 が 必 要 であった 当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 行 政 の 直 営 と 委 託 で 比 較 すると 維 持 管 理 等 の 効 率 化 により2 年 間 で 約 5%の 費 用 削 減 効 果 が 見 込 まれた なお 維 持 管 理 部 門 だけで 見 ると 約 10% の 削 減 が 見 込 まれた 積 水 化 学 工 業 ( 株 )が 河 内 長 野 市 に 営 業 活 動 を 行 ったことが 契 機 となって いる( 国 土 交 通 省 の 事 業 可 能 性 調 査 (FS)を 活 用 ) 共 同 企 業 体 (JV)で 業 務 を 受 託 しており JVの 中 に 地 元 企 業 が 入 って おり 住 民 対 応 等 には 24 時 間 体 制 で 当 たっている 都 市 技 術 センター( 大 阪 市 の 外 郭 団 体 )がモニタリングを 行 っている 他 団 体 での 活 用 可 用 性 留 意 点 等 民 間 事 業 者 の 提 案 から 始 まった 事 業 であり 他 団 体 でも 参 考 となる 長 寿 命 化 計 画 策 定 業 務 においても 民 間 事 業 者 の 能 力 の 活 用 は 効 果 的 と 考 えられる 34

6 DBO 団 体 名 大 牟 田 市 荒 尾 市 ( 人 口 : 大 牟 田 市 123,105 人 荒 尾 市 55,381 人 ) 事 例 概 要 大 牟 田 市 荒 尾 市 において 共 同 で 設 置 する 浄 水 場 の 設 計 建 設 及 び 維 持 管 理 について 包 括 的 に 民 間 のノウハウを 活 用 できるDBOを 実 施 した 事 例 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 大 牟 田 市 荒 尾 市 は 浄 水 場 を 所 有 しておらず 浄 水 場 の 建 設 及 び 維 持 管 理 を 経 験 した 技 術 者 もいないことから 民 間 のノウハウを 活 用 できるPPPを 進 めることとなった 民 間 活 力 等 の 導 入 可 能 性 調 査 において DBOのVFMが 9.7% PFI のVFMが 6.2%であり 総 合 的 に 判 断 するとDBOに 優 位 性 があったこと から 当 該 手 法 を 採 用 した 当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 落 札 者 決 定 後 の 公 的 財 政 負 担 の 削 減 率 は 20.48%となり 競 争 が 働 いた 結 果 想 定 していた 削 減 率 よりも 高 い 削 減 率 となった また 浄 水 場 以 外 の 施 設 (ポンプ 場 配 水 池 等 )の 維 持 管 理 も 含 め 同 一 事 業 者 に 委 託 できていることから 設 備 にトラブルがあった 場 合 の 対 応 につ いては 想 定 していた 以 上 の 効 果 が 出 ている 他 団 体 での 活 用 可 用 性 留 意 点 等 DBOは 地 方 自 治 体 の 起 債 による 安 い 金 利 で 資 金 調 達 が 可 能 であり 設 計 建 設 維 持 管 理 については 包 括 的 に 民 間 事 業 者 に 委 託 することにより 民 間 事 業 者 の 能 力 の 活 用 による 経 費 削 減 効 果 も 期 待 できることから 他 団 体 においても 参 考 となるものである DBOについては 事 前 調 査 導 入 可 能 性 調 査 から 実 施 方 針 の 公 表 供 用 開 始 まで 長 時 間 を 要 する また 民 間 事 業 者 の 裁 量 が 発 揮 できる 仕 組 みとす ることができるかがポイントになる 35

7 PFI 団 体 名 横 浜 市 ( 上 水 道 事 業 )( 人 口 :3,707,843 人 ) 事 例 概 要 横 浜 市 が 浄 水 場 施 設 全 体 の 更 新 と 運 転 維 持 管 理 まで 含 めたPFIを 行 った 事 例 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 主 要 浄 水 場 の 老 朽 化 耐 震 化 への 対 応 のため 更 新 を 行 うこととしたが 既 存 の 施 設 を 運 転 しながら 更 新 を 行 う 必 要 があることから 省 スペース 化 が でき また 水 源 との 位 置 エネルギーを 有 効 利 用 することができる 膜 ろ 過 方 式 を 採 用 することとした 膜 ろ 過 方 式 は 新 しい 技 術 であるため 民 間 の 技 術 ノウハウを 利 用 できる PFIを 採 用 し 設 計 建 設 維 持 管 理 を 一 体 とした 事 業 とすることで ト ータルコストの 削 減 ( 特 定 事 業 選 定 時 のVFMが 約 7% 入 札 時 は 約 6%) が 見 込 めることから PFIを 活 用 した 再 整 備 を 進 めることとした 当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 PFIの 効 果 としては 現 在 価 値 で 事 業 費 が 約 11 億 円 削 減 され 事 業 者 提 案 により 効 率 的 な 施 設 配 置 計 画 撤 去 工 事 期 間 の 短 縮 化 が 可 能 となった また 川 井 浄 水 場 の 整 備 により 別 の 浄 水 場 を 統 廃 合 したことで 維 持 管 理 費 で2 億 1 千 万 円 電 気 代 等 で1 億 9 千 万 円 削 減 効 果 がある 導 入 した 膜 ろ 過 方 式 については 横 浜 市 にノウハウがなく 民 間 が 持 って いたことによるもの 横 浜 市 においては 共 創 推 進 室 というPFIをサポートする 部 署 があるこ とにより 事 例 も 蓄 積 され PFIを 選 択 しやすい 環 境 にある 他 団 体 での 活 用 可 用 性 浄 水 場 施 設 全 体 の 更 新 と 運 転 維 持 管 理 まで 含 めた 初 めてのPFI 事 業 で あり 民 間 事 業 者 のインセンティブの 向 上 とノウハウの 活 用 が 見 られ 長 期 及 び 包 括 的 な 業 務 の 実 施 により 長 期 のライフサイクルコストの 軽 減 効 果 が 見 られる PFI 事 業 期 間 終 了 後 の 事 業 者 選 定 において 競 争 性 を 働 かせるための 工 夫 が 必 要 となる 36

8 PFI 団 体 名 横 浜 市 ( 下 水 道 事 業 )( 人 口 :3,707,843 人 ) 事 例 概 要 下 水 処 理 から 発 生 する 焼 却 灰 と 公 共 工 事 により 掘 削 した 土 ( 建 設 発 生 土 ) とをブレンドして 良 質 の 土 ( 改 良 土 )を 作 る 事 業 ( 改 良 土 プラント 事 業 ) 及 び 下 水 汚 泥 処 理 をする 過 程 で 発 生 する 消 化 ガスを 用 いて 発 電 する 事 業 ( 消 化 ガス 発 電 事 業 )についてPFIを 行 った 事 例 当 該 手 法 を 採 用 した 背 景 課 題 改 良 土 プラント 事 業 については その 事 業 の 重 要 性 の 高 まりから より 効 率 的 に 事 業 を 実 施 するためにPFIを 検 討 することとなった また 消 化 ガス 発 電 については 消 化 ガス 発 電 機 の 更 新 を 迎 えるにあたっ て より 効 率 的 な 更 新 運 転 及 び 維 持 管 理 ができる 仕 組 みとしてPFIを 検 討 することとなった 個 別 に 建 設 運 営 及 び 維 持 管 理 を 発 注 した 場 合 とPFIによった 場 合 でV FMを 算 定 し PFIの 方 が 有 利 という 結 果 が 出 た( 改 良 土 プラント 約 20% 消 化 ガス 発 電 約 8%) 当 該 手 法 の 効 果 成 功 要 因 改 良 土 プラント 事 業 について 焼 却 灰 の 処 理 は 元 来 費 用 が 発 生 するとこ ろ 焼 却 灰 をPFI 事 業 者 が 購 入 ( 有 償 )し 改 良 土 を 生 産 するため 市 の 財 政 に 貢 献 している 消 化 ガス 発 電 事 業 について 下 水 道 施 設 に 電 気 と 温 水 を 有 償 で 提 供 してい る 横 浜 市 においては 共 創 推 進 室 というPFIをサポートする 部 署 があるこ とにより 事 例 も 蓄 積 され PFIを 選 択 しやすい 環 境 にある 他 団 体 での 活 用 可 用 性 下 水 道 事 業 の 附 帯 事 業 である 改 良 土 プラント 事 業 と 消 化 ガス 発 電 事 業 について 民 間 事 業 者 のノウハウを 活 用 した 事 例 である PFI 導 入 の 事 例 一 般 として 参 考 になるとともに 改 良 土 プラント 事 業 として 焼 却 灰 につい てある 程 度 の 規 模 で 出 る 又 は 集 められる 自 治 体 であれば 参 考 となる PFI 事 業 期 間 終 了 後 の 事 業 者 選 定 において 競 争 性 を 働 かせるための 工 夫 が 必 要 となる 37