JETROによるインド加工食品産業調査

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●電力自由化推進法案

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

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平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について


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その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

スライド 1

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

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スライド 1

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

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などは 別 の 事 業 所 とせず その 高 等 学 校 に 含 めて 調 査 した 5 調 査 事 項 単 独 事 業 所 調 査 票 全 産 業 共 通 事 項 ( 単 独 事 業 所 ) ア 名 称 及 び 電 話 番 号 イ 所 在 地 ウ 経 営 組 織 ( 協 同 組 合 においては 協

スライド 1

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等


16 日本学生支援機構

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

公表表紙

Microsoft Word - jigyoukeikakusho.docx

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

3 体 制 整 備 等 (1) 全 ての 特 定 事 業 主 が 共 同 して 取 組 むものとする () 総 務 部 人 事 管 理 室 人 事 課 を 計 画 推 進 の 主 管 課 とし 全 ての 市 職 員 により 推 進 する (3) 実 施 状 況 を 把 握 し 計 画 期 間 中 で

03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

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Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

官報掲載【セット版】

(5 ) 当 該 指 定 居 宅 介 護 事 業 所 の 新 規 に 採 用 し た 全 て の 居 宅 介 護 従 業 者 に 対 し 熟 練 し た 居 宅 介 護 従 業 者 の 同 行 に よ る 研 修 を 実 施 し て い る こ と (6 ) 当 該 指 定 居 宅 介 護 事 業

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文化政策情報システムの運用等

別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

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1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

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(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

m07 北見工業大学 様式①

目 改 正 項 目 軽 自 動 車 率 の 引 上 げ 〇 国 及 び 地 方 を 通 じた 自 動 車 関 連 制 の 見 直 しに 伴 い 軽 自 動 車 の 標 準 率 が 次 のとおり 引 き 上 げられます 車 種 区 分 引 上 げ 幅 50cc 以 下 1,000 円 2,000 円

 三郷市市街化調整区域の整備及び保全の方針(案)

Microsoft Word - ★HP版平成27年度検査の結果

(2) 就 業 規 則 の 状 況 就 業 規 則 は 90.0%の 事 業 所 が 整 備 している このうち 就 業 規 則 を 周 知 している 事 業 所 は 84.0%で 周 知 の 方 法 ( 複 数 回 答 )については 常 時 掲 示 または 備 え 付 け が 最 も 多 く 64

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経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

Taro-01 議案概要.jtd

●幼児教育振興法案

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

課 税 ベ ー ス の 拡 大 等 : - 租 税 特 別 措 置 の 見 直 し ( 後 掲 ) - 減 価 償 却 の 見 直 し ( 建 物 附 属 設 備 構 築 物 の 償 却 方 法 を 定 額 法 に 一 本 化 ) - 欠 損 金 繰 越 控 除 の 更 な る 見 直 し ( 大

定款  変更

Microsoft Word - 通達(参考).doc

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

スライド 1

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 級 の 給 料 月 額 最 高 号 級 の 給 料 月 額 1 級 ( 単 位 : ) 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 9 級 1 級 135,6 185,8 222,9 261,

1 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )について 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )の 構 成 構 成 記 載 内 容 第 1 章 はじめに 本 マニュアルの 目 的 記 載 内 容 について 説 明 しています 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 林 地


セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

する ( 評 定 の 時 期 ) 第 条 成 績 評 定 の 時 期 は 第 3 次 評 定 者 にあっては 完 成 検 査 及 び 部 分 引 渡 しに 伴 う 検 査 の 時 とし 第 次 評 定 者 及 び 第 次 評 定 者 にあっては 工 事 の 完 成 の 時 とする ( 成 績 評 定

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

1. 中 小 企 業 等 経 営 強 化 法 の 目 的 (1) 生 産 性 向 上 の 必 要 性 (3) 業 種 別 の 経 営 課 題 への 対 応 少 子 高 齢 化 人 手 不 足 等 の 状 況 において 効 果 的 に 付 加 価 値 を 生 み 出 せるよう 製 造 業 はもとより

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3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協


為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

第 2 節 関 連 計 画 1. 国 の 方 針 計 画 国 が 示 している 一 般 廃 棄 物 の 減 量 化 等 に 関 する 目 標 値 を 以 下 に 示 します (1) 廃 棄 物 の 減 量 その 他 その 適 正 な 処 理 に 関 する 施 策 の 総 合 的 かつ 計 画 的 な

Microsoft Word )40期決算公開用.doc

(Microsoft Word - \203A \225\345\217W\227v\227\314 .doc)

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リング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 について 回 収 可 能 性 がないも のとする 原 則 的 な 取 扱 いに 対 して スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 を 回 収 できることを 反 証 できる 場 合 に 原 則

は し が き

道 内 シ ル バ ー 人 材 セ ン タ ー の 現 状 に つ い て は 契 約 金 額 に お い て は 請 負 契 約 で は 減 少 し た も の の シ ル バ ー 派 遣 事 業 の 大 幅 な 伸 び に よ り 5 年 ぶ り に 前 年 実 績 を 上 回 っ た が 会

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

(4) 運 転 する 学 校 職 員 が 交 通 事 故 を 起 こし 若 しくは 交 通 法 規 に 違 反 したことにより 刑 法 ( 明 治 40 年 法 律 第 45 号 ) 若 しくは 道 路 交 通 法 に 基 づく 刑 罰 を 科 せられてから1 年 を 経 過 していない 場 合 同

18 国立高等専門学校機構

Microsoft Word - H25年度の概要

小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

32 農事組合法人法人用パンフ_24.2一部改正)

別紙3

1 変更の許可等(都市計画法第35条の2)

01.活性化計画(上大久保)

学校法人日本医科大学利益相反マネジメント規程

社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

答申第585号

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

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Microsoft PowerPoint - 基金制度

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波佐見町の給与・定員管理等について

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

Transcription:

平 成 23 年 度 農 林 水 産 省 補 助 金 農 山 漁 村 6 次 産 業 化 対 策 事 業 東 アジア 食 品 産 業 海 外 展 開 支 援 事 業 インドにおける 加 工 食 品 流 通 構 造 調 査 2012 年 3 月 独 立 行 政 法 人 日 本 貿 易 振 興 機 構 (ジェトロ) ムンバイ 事 務 所 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved

目 次 イントロダクション 第 1 章 はじめに Ⅰ 1 1 目 的 2 2 調 査 方 法 2 3 デタ 抽 出 方 法 3 第 2 章 インドのマクロ 分 析 4 1 概 要 5 第 3 章 インドの 農 業 と 食 品 産 業 8 1 インドの 農 業 9 2 インドの 食 品 産 業 9 3 フド サプライチェン 10 4 食 品 法 15 第 4 章 インドの 食 品 加 工 産 業 17 1 概 要 18 2 食 品 加 工 産 業 19 3 食 品 加 工 業 の 組 織 化 と 非 組 織 化 21 4 食 品 加 工 産 業 を 取 り 巻 く 状 況 21 5 食 品 加 工 産 業 における 課 題 23 6 食 品 加 工 産 業 への 外 国 直 接 投 資 25 7 食 品 加 工 産 業 への 最 新 の 投 資 状 況 26 8 主 要 分 野 26 9 食 品 加 工 割 合 31 10 輸 出 32 11 インド 中 央 政 府 の 戦 略 33 12 第 12 次 5 カ 年 計 画 と 食 品 加 工 産 業 34 13 インド 食 品 加 工 産 業 の SWOT 分 析 37 第 5 章 インド 加 工 食 品 の 流 通 状 況 38 1 概 要 39 2 流 通 経 路 の 構 造 39 3 輸 送 手 段 42 4 インド 加 工 食 品 の 流 通 における 課 題 44 5 加 工 食 品 の 流 通 における 重 要 な 成 功 要 因 48 第 6 章 インドの 流 通 状 況 50 1 地 場 企 業 へのアンケト 結 果 51 参 考 資 料 71 用 語 集 75 インド 食 品 加 工 産 業 の 主 要 企 業 78 アンケト 票 81 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved

イントロダクション インドは 世 界 有 数 の 農 業 大 国 である 近 年 では 急 速 な 経 済 発 展 とともに 国 際 食 品 市 場 におけるプレ ゼンスを 急 速 に 高 めている 従 前 よりインドの 食 品 加 工 産 業 の 可 能 性 については 多 くの 識 者 が 指 摘 して きたが 現 況 下 インドの 食 品 加 工 産 業 は GDP の 約 9%を 占 め インド 経 済 の 牽 引 役 として ますますそ の 将 来 性 とビジネスチャンスに 対 する 期 待 が 高 まっている なかでも 期 待 が 大 きいのは 地 方 経 済 に 対 する 効 果 である 農 家 製 造 業 者 そして 最 終 消 費 者 の 間 の 組 織 化 が 進 めば 生 産 性 の 向 上 や 廃 棄 の 削 減 高 付 加 価 値 製 品 や 雇 用 機 会 の 創 出 などが 期 待 される インドでは 所 得 に 占 める 支 出 の 割 合 が 最 も 高 いのは 食 料 雑 貨 品 で 約 55~60%を 占 める さらに 近 年 の 経 済 発 展 により 1 人 当 たりの 可 処 分 所 得 に 占 める 割 合 は 8% 超 1 人 当 たりの 食 品 支 出 は 約 20% 増 加 した また 都 市 部 の 生 活 様 式 の 変 化 や 快 適 な 生 活 空 間 に 対 する 需 要 が 拡 大 し より 付 加 価 値 の 高 い 加 工 食 品 への 需 要 も 伸 びている こうした 近 年 の 傾 向 と 過 去 10 年 間 の 食 品 加 工 産 業 の 成 長 を 考 慮 すると インドの 食 品 加 工 産 業 には 大 きなビジネスチャンスがあると 言 えるだろう その 可 能 性 をより 確 実 なものとするべく インド 政 府 は ビジョン 2015 の 策 定 や 調 達 加 工 貯 蔵 流 通 に 関 する 総 合 的 な 設 備 サビスから 成 るメガフドパク 建 設 プランの 策 定 さらには 外 国 資 本 や 民 間 企 業 を 活 用 した 食 品 加 工 産 業 とコルドチェン インフラの 発 展 等 を 目 的 とした 外 資 規 制 緩 和 を 打 ち 出 している ただし こうした 規 制 緩 和 や 産 業 の 高 度 化 を 促 す 諸 政 策 が 積 極 的 に 検 討 される 一 方 で 現 時 点 でのインドの 食 品 加 工 産 業 は 国 際 的 にかなり 低 い 水 準 であることも 事 実 である その 主 な 理 由 として 直 截 的 にはインフラ 未 整 備 小 売 体 制 の 組 織 化 の 未 成 熟 等 があり これらの 問 題 が 業 界 の 高 コスト 体 質 投 資 回 収 期 間 の 長 さ 非 効 率 性 等 といった 厳 しいビジネス 環 境 につながっている さら に 日 本 企 業 をはじめとする 多 くの 外 国 企 業 にとっては これらインドビジネスの 難 しさを 一 般 論 とし ては 知 っているものの 具 体 的 な 問 題 とその 対 応 については 必 ずしも 明 確 ではない その 問 題 を 明 らか にしない 限 り 実 はインフラを 整 備 したところでより 本 質 的 な 問 題 が 別 に 存 在 する 可 能 性 も 十 分 あり 得 る また 問 題 と 対 応 策 を 調 査 することで インフラ 開 発 がなされるまでの 当 面 の 現 実 的 な 対 応 策 を 検 討 する 際 の 一 助 とすることもできる こうした 問 題 意 識 から JETRO では 平 成 23 年 度 農 林 水 産 省 補 助 事 業 東 アジア 食 品 産 業 海 外 展 開 支 援 事 業 を 活 用 して インド 国 内 の 加 工 食 品 の 生 産 供 給 流 通 の 現 状 を 調 査 した 調 査 方 法 は 政 府 資 料 や 民 間 シンクタンク 各 社 の 調 査 結 果 を 活 用 した 基 礎 文 献 調 査 とインド 内 外 の 企 業 トップ 専 門 家 小 売 業 者 へのヒアリングおよびアンケト 調 査 を 実 施 した また インド 主 要 企 業 による 非 効 率 的 なビジネス 環 境 に 対 する 対 応 策 として いくつかの 事 例 収 集 を 行 った 本 調 査 報 告 書 に 記 載 されるインドの 加 工 食 品 ビジネスの 実 相 が インドでのビジネス 展 開 を 検 討 中 の 日 本 企 業 の 方 々のご 参 考 の 一 助 と 去 れば 幸 いである Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved Ⅰ

第 1 章 はじめに Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 1

第 1 章 はじめに 1. 目 的 本 調 査 報 告 書 では 加 工 食 品 を 中 心 にインド 国 内 の 流 通 構 造 の 把 握 を 目 的 としている インドでは 先 進 国 で 見 かけるスパマケットの 歴 史 はまだ 浅 く 小 売 部 門 の 9 割 以 上 は キラナ と 呼 ばれる 個 人 店 ( 通 称 パパ ママショップ )が 担 う インドではスパマケット 等 を 主 力 とする 前 者 を オガナイズド リテルと 呼 び キラナ 等 の 個 人 店 を 主 力 とする 後 者 をアン オガナイズド リテ ルと 呼 ぶ 基 本 認 識 として 重 要 なことは 小 売 部 門 の 9 割 はアン オガナイズド リテルであることと 金 持 ち 層 でも キラナ 等 の 個 人 商 店 で 買 い 物 をするという 点 で 金 持 ち=スパマケット 貧 困 層 =キラナ という 卖 純 な 階 層 分 類 は 成 立 しない 点 である(ただし 貧 困 層 がスパマケットで 買 い 物 を するということはほとんどない) 小 売 りの 主 力 がアン オガナイズド リテルであり 顧 客 に 金 持 ち 層 も 含 まれることから 日 本 企 業 が 市 場 参 入 を 試 みる 場 合 アン オガナイズド リテルの 流 通 構 造 や 特 性 等 を 把 握 することが 重 要 だが 組 織 化 されていないだけに 各 商 品 分 野 や 土 地 柄 に 応 じてケス バイ ケスで 体 系 的 に 把 握 することは 非 常 に 困 難 であり 無 理 な 体 系 化 は 誤 解 を 生 む 可 能 性 も 大 きい 本 調 査 ではこうした 難 しい 命 題 を 追 っていること から 可 能 な 限 りインド 国 内 の 流 通 経 路 の 実 態 に 主 眼 を 置 いて 調 査 した 2. 調 査 方 法 本 プロジェクトでは 二 段 階 に 分 けて 調 査 を 実 施 した 一 次 調 査 では 既 存 の 政 府 統 計 資 料 や 民 間 シンクタン クの 調 査 成 果 等 に 基 づくマクロ 経 済 市 場 概 況 等 の 基 礎 文 献 調 査 に 軸 足 を 置 き 二 次 調 査 ではインド 全 域 の 加 工 食 品 産 業 の 実 業 家 流 通 業 者 小 売 業 者 加 工 食 品 団 体 等 へヒアリング アンケトを 実 施 した 2.1 一 次 調 査 本 調 査 の 最 初 の 作 業 は 下 記 の 複 数 の 媒 体 を 活 用 してインド 加 工 食 品 産 業 における 最 新 トレンドにかかる 情 報 収 集 であった 1. 各 政 府 機 関 発 行 による 公 式 統 計 情 報 2. 貿 易 機 関 や 団 体 による 報 告 書 3. 企 業 の 年 次 報 告 書 ( 製 造 業 者 小 売 業 者 サプライヤ バイヤ 流 通 業 者 など) 4. オンラインデタベス 5. 主 要 メディアによる 報 告 書 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 2

2.2 二 次 調 査 二 次 調 査 として インド 国 内 の 加 工 食 品 企 業 流 通 業 者 小 売 業 者 加 工 食 品 団 体 等 を 対 象 として デルフ ァイ 法 に 基 づくインタビュを 実 施 した この 手 法 は 反 復 的 なアンケトやインタビュを 通 じて 専 門 家 グルプなどが 持 つ 直 観 的 意 見 や 経 験 的 判 断 を 集 約 洗 練 していく 意 見 収 束 技 法 で 本 調 査 におい ては 食 品 加 工 産 業 の 専 門 家 との 対 話 を 踏 まえ さらに 意 思 決 定 に 関 する 専 門 家 の 意 見 を 加 味 していくこと が 可 能 になる これによってマクロ 的 な 質 問 から 次 第 に 食 品 加 工 産 業 のあまり 知 られていない 専 門 的 な 問 題 へ とブレクダウンする 形 で 調 査 を 進 めた 3. デタ 抽 出 方 法 一 次 調 査 のデタ 抽 出 では 層 化 抽 出 法 を 採 用 した この 方 法 は 特 に 抽 出 デタの 規 模 が 大 きい 場 合 に 用 い られる 方 法 で デタ 抽 出 の 母 集 団 を 地 理 的 地 域 と 独 立 階 層 に 分 割 することなどにより 特 定 のサブグルプ に 顕 著 な 特 徴 等 を 抽 出 できる 要 するに 店 舗 の 種 別 ( 例 : 全 国 規 模 のスパマケット 地 域 のスパ マケット キラナ ショップ(パパ ママショップ 等 )ごとにアンケトを 実 施 し 450 店 舗 の 小 売 店 から 回 答 を 得 た 加 えて インド 国 内 の 10 大 都 市 でインタビュを 実 施 した マクロ 分 析 デタ 抽 出 の 母 集 団 (インド 全 域 ) 層 化 抽 出 法 階 層 の 識 別 階 層 - 小 売 店 の 種 類 地 理 的 地 域 (10 大 地 域 ) 最 終 デタ 抽 出 識 別 した 階 層 から 抽 出 し た 最 終 デタの 選 別 ( 最 終 回 答 者 450) 階 層 の 選 別 図 1.1 デタ 抽 出 方 法 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 3

第 2 章 インドのマクロ 分 析 1. 概 要 第 2 章 インド 概 況 1990 年 代 以 降 に 展 開 されてきた 自 由 化 政 策 によってインド 経 済 は 目 覚 ましく 成 長 してきた 世 界 銀 行 によると インドの 経 済 規 模 は 名 目 GDP ベスで 世 界 第 9 位 (1 兆 7,210 億 米 ドル) 購 買 力 平 価 (PPP)ベスで 世 界 第 4 位 (4 兆 1,940 億 米 ドル)である 1 総 人 口 は 12 億 人 1 人 当 たりの 推 定 国 民 所 得 (PPP)は 約 3,703 米 ドルである インド 経 済 は 過 去 10 年 間 にわたり 成 長 を 持 続 し 現 在 では GD 第 2 章 1 World Economic Outlook Database, Sept 2011 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 4

第 2 章 インド 概 況 1. 概 要 1990 年 代 以 降 に 展 開 されてきた 自 由 化 政 策 によってインド 経 済 は 目 覚 ましく 成 長 してきた 世 界 銀 行 によると インドの 経 済 規 模 は 名 目 GDP ベスで 世 界 第 9 位 (1 兆 7,210 億 米 ドル) 購 買 力 平 価 (PPP)ベスで 世 界 第 4 位 (4 兆 1,940 億 米 ドル)である 2 総 人 口 は 12 億 人 1 人 当 たりの 推 定 国 民 所 得 (PPP)は 約 3,703 米 ドルである インド 経 済 は 過 去 10 年 間 にわたり 成 長 を 持 続 し 現 在 では GDP 成 長 率 8.5%は 中 国 に 次 ぐ 世 界 第 2 位 の 水 準 となっている 2008 年 の 世 界 的 な 金 融 危 機 が 契 機 となったが 世 界 でも 数 尐 ない V 字 回 復 の 可 能 性 を 持 つ 国 として 経 済 成 長 は 再 び 活 性 化 2010~2013 年 の 成 長 率 は 7% 以 上 と 見 込 まれ ている 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 - インドのGDP( 推 定 )( 単 位 :10 億 米 ドル) 6,451 4,060 2,434 1,582 1,079 749 288 479 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 図 2.1 インド 国 内 経 済 (1980-2015) 出 典 : 国 際 財 務 統 計 (IMF) 部 門 別 では IT 産 業 及 び 同 サビス 分 野 が 牽 引 役 となってきた 同 分 野 がGDPに 占 めるシェアは 約 59%で ある 一 方 製 造 業 分 野 のシェアは 24.1% 農 業 分 野 は 17.5%である 3 しかし 労 働 吸 収 力 で 見 た 場 合 農 業 は 総 労 働 人 口 の 約 3 分 の 2 を 吸 収 する 最 大 の 産 業 部 門 であり インドの 潜 在 的 市 場 性 と 言 う 場 合 端 的 には この 農 村 部 の 農 業 労 働 者 をいかに 市 場 として 取 り 込 めるかが 重 要 なポイントになる このことがインドの 政 治 経 済 の 両 面 で 農 業 分 野 が 重 視 される 一 因 となっている そして 農 業 に 次 ぐ 労 働 吸 収 力 を 持 つと 言 われているの が キラナ (=いわゆるパパ ママショップ)を 主 体 とするアン オガナイズド リテルである 2 World Economic Outlook Database, Sept 2011 3 Economic Survey of India, 2011 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 5

インドは 世 界 第 2 位 の 人 口 を 有 する 国 家 で 近 い 将 来 中 国 の 人 口 を 追 い 抜 くとされる その 特 徴 は 若 年 層 の 割 合 が 多 い 点 にある 総 人 口 の 約 66%が 15~64 歳 65 歳 以 上 の 割 合 は 5.4%である 4 このため インド では 労 働 力 確 保 が 比 較 的 容 易 で 今 後 も 尐 子 高 齢 化 の 不 安 はなく 労 働 力 供 給 の 観 点 からも 市 場 性 の 観 点 か らも 国 際 的 なインドの 強 みと 言 える ただし インドの 社 会 開 発 政 策 は 未 発 達 で 2011 年 の 人 間 開 発 報 告 で は 187 か 国 中 134 位 であった その 主 たる 理 由 は 改 善 傾 向 にあるとはいえ 人 口 の 25% 超 が 貧 困 層 である こと 富 裕 層 と 貧 困 層 の 所 得 格 差 が 拡 大 傾 向 にあること さらに 近 年 では 国 内 の 都 市 部 中 間 層 と 地 方 貧 困 層 との 間 の 地 域 間 格 差 所 得 ギャップを 一 層 顕 著 なものとし 大 きな 課 題 となっている 1,350.00 インドの 人 口 ( 単 位 :100 万 人 ) 1,300.00 1,250.00 1,200.00 1,150.00 1,182.06 1,266.21 1,249.28 1,232.66 1,215.94 1,199.06 1,283.02 1,316.33 1,299.24 1,100.00 2008 2010 2012( 推 定 ) 2014( 推 定 ) 2016( 推 定 ) 図 2.2 インドの 人 口 出 典 : 国 際 財 務 統 計 (IMF) 4 Census, 2011 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 6

図 2.3 インドの 人 口 (2011 年 ) 出 典 :Population Map of India, Census 2011 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 7

第 3 章 インドの 農 業 と 食 品 産 業 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 8

第 3 章 インドの 農 業 と 食 品 産 業 1. インドの 農 業 インド 経 済 に 占 める 農 業 の 割 合 は 大 きく GDP の 約 16%を 占 める また 全 労 働 人 口 の 52.1%は 農 業 に 従 事 している 5 このことは 卖 純 に 貧 困 層 が 農 業 分 野 に 吸 い 寄 せられるということではない インドの 場 合 国 土 の 52%が 農 業 生 産 に 適 した 土 地 とされる( 世 界 的 には 平 均 約 11%) それに 加 え 26 の 気 候 帯 のうち 農 業 に 適 する 20 気 候 帯 がインド 国 内 を 覆 っており 約 60 種 類 に 分 類 される 土 壌 のうち 約 50 種 類 がインド 国 内 にあ る 要 するに 農 業 に 適 した 多 様 な 気 候 と 土 壌 を 持 つことから 農 地 として 見 た 場 合 の 国 際 競 争 力 が 非 常 に 高 い これを 裏 付 けるように 動 植 物 の 種 類 も 多 種 多 様 で 地 球 の 生 態 系 のうち 動 物 は 約 17~20% 植 物 は 12~15% 水 生 動 物 は 10%がインド 原 産 と 言 われる また 果 実 / 野 菜 類 の 年 間 生 産 量 は 世 界 第 2 位 ( 年 間 1 億 5,000 万 ト ン) 食 料 生 産 量 ( 年 間 2 億 4,000 万 トン)と 漁 獲 量 ( 年 間 700 万 トン)は 第 3 位 である 2011 年 のインドの 耕 作 面 積 は 約 1 億 6,100 万 ヘクタルで 2010-11 年 第 2 四 半 期 の 農 業 分 野 の 成 長 率 は 4.4%に 達 した 他 方 流 通 網 等 の 供 給 体 制 の 問 題 から 安 定 的 に 十 分 な 供 給 を 確 保 できているとは 言 えず 食 料 インフレが 頻 発 する ( 食 料 インフレは 2011 年 12 月 から 沈 静 化 傾 向 にあり 現 在 は 金 融 当 局 の 慎 重 な 舵 取 りもあって 比 較 的 安 定 し ている) 2.インドの 食 品 産 業 民 間 調 査 会 社 CRISIL 社 の 調 査 では インドの 食 品 関 連 企 業 の 約 56%は 農 産 物 / 乳 製 品 の 生 産 高 が 多 い 州 (ハリアナ 州 アンドラプラデシュ 州 パンジャブ 州 タミル ナドゥ 州 マハラシュトラ 州 )に 集 中 してい る 他 方 経 営 形 態 は 食 品 加 工 業 の 64%が 家 族 経 営 の 零 細 企 業 であり 組 織 化 されていない このことは 食 品 加 工 産 業 の 非 効 率 性 の 一 因 であり 最 大 の 課 題 の 一 つである これら 組 織 化 されていない 小 規 模 零 細 企 業 の 55%は 年 間 売 上 高 が1 億 ルピ 未 満 で 6 明 確 な 生 産 計 画 のも とに 購 買 計 画 や 原 材 料 調 達 をできるほど 組 織 化 されていない そのため 原 材 料 となる 農 産 品 の 調 達 先 である 農 業 生 産 者 の 生 産 も 計 画 性 を 欠 いたものとなり 様 々な 分 野 での 非 効 率 化 の 遠 因 となっている そのほかにも コルドチェン インフラの 未 発 達 ポスト ハベスト 技 術 の 応 用 研 究 の 不 足 食 品 加 工 工 場 の 不 足 食 品 小 売 部 門 の 未 発 達 などの 要 因 から 農 業 生 産 物 の 多 くが 廃 棄 処 分 されており 生 産 高 に 占 める 廃 棄 物 の 割 合 5 Economic Survey, 2010-2011; Department of Agriculture and Cooperation, Ministry of Agriculture, Annual Report, 2010-2011; Economy Watch-Indian Agriculture 6 Food Processing: A Power Packed Sector Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 9

は 40% 以 上 に 上 るとされる もっとも こうした 廃 棄 物 の 中 には 流 通 の 非 効 率 性 によって 不 可 抗 力 的 に 廃 棄 せざるを 得 なくなったものばかりではなく スパマケット 等 の 小 売 業 者 が 組 織 的 に 食 品 価 格 を 釣 り 上 げ るための 買 い 占 めを 行 い 倉 庫 で 腐 らせてしまうケスも 含 まれる この 点 腐 らせるぐらいならタダで 配 ろう とか 食 べ 物 を 粗 末 にしない という 感 覚 を 持 つ 日 本 人 との 違 いは 顕 著 である また 近 年 は 経 済 の 自 由 化 の 波 によって ほぼすべての 食 品 分 野 で 寡 占 化 が 進 んでいる ネスレ ヒンドゥ スタン ユニリバ MTR ITC ダブル ブリタニア( 付 属 文 書 を 参 照 )が 食 品 / 飲 料 部 門 で 大 きな 割 合 を 占 め ノンアルコル 飲 料 部 門 ではペプシとコカ コラが 市 場 を 二 分 している 乳 製 品 部 門 ではマザ デ アリとアムル 鶏 肉 製 品 部 門 はゴッドレッジ アグロベット スグナ パイオニア ヴェンカテスワラ ハッチェリが 鶏 肉 製 品 の 飼 育 から 食 卓 に 流 通 するまでの 処 理 を 一 元 化 している ここで 直 面 する 一 つの 疑 問 は 農 作 物 や 加 工 食 品 において 組 織 化 されていない 小 規 模 零 細 企 業 からなる 川 上 部 門 と 外 資 や 地 場 大 手 からなる 一 定 程 度 組 織 化 された 巨 大 資 本 とが どこでどう 結 びつく(あるいは 結 び ついていない)のかというフド サプライチェン 全 体 の 流 通 構 造 についてである 3. フド サプライチェン そこでまずはインドにおけるフド サプライチェンの 大 枠 を 以 下 に 示 す 加 工 食 品 が 最 終 消 費 者 に 届 く までには 大 きく 3 つの 経 路 がある 1 農 村 または 漁 村 消 費 者 への 直 送 パタン 2 農 村 または 漁 村 加 工 食 品 メカ 卸 売 業 者 レストラン 等 への 業 者 向 け 販 売 パタン 3 農 村 または 漁 村 加 工 食 品 メカ 卸 売 業 者 小 売 業 者 への 一 般 消 費 者 向 けパタン 上 記 の 構 造 自 体 は 複 雑 ではないが 食 品 分 野 ごとにフド サプライチェンが 細 分 化 されている 未 組 織 のため 多 様 で 複 雑 化 している 流 通 経 路 が インド 食 品 流 通 の 第 1のポイントである インドの 加 工 食 品 の 流 通 経 路 を 卖 純 化 すれば フド サプライチェンは 4 段 階 から 成 る 最 も 川 上 に 当 たる 食 材 の 主 たる 供 給 者 は 農 業 漁 業 従 事 者 である その 次 の 中 層 に 食 品 加 工 メカがあり 包 装 / 梱 包 会 社 と 組 んでインスタント 食 品 や 冷 凍 食 品 の 加 工 を 行 う さらにその 下 層 に 卸 売 業 者 がおり 最 末 端 が 小 売 業 者 にはアン オガナイズド リテルと 呼 ばれるキラナと オガナイズド リテルあるいはモダンリテ ルチェンと 呼 ばれるスパマケット 等 がある インドでボリュムゾンを 狙 う 場 合 アン オガ ナイズド リテルを 販 売 網 に 取 り 込 むことが 必 須 だが その 未 組 織 であるがゆえに 複 雑 かつ 多 様 な 流 通 経 路 をどのように 構 築 し 商 品 管 理 を 行 うかが 第 2のポイントである 現 在 のインドのフド サプライチェンは 技 術 導 入 やインフラ 整 備 が 遅 れているため 商 品 流 通 の 管 理 や 取 引 情 報 を 効 率 よく 関 係 者 の 間 で 共 有 / 交 換 できない この 結 果 需 要 予 測 は 事 実 上 存 在 せず 農 家 は 否 応 な しに マンディ という 現 地 の 市 場 に 出 荷 することを 余 儀 なくされている 小 売 体 制 の 組 織 化 が 進 んでいない ため 需 給 状 況 を 管 理 し サプライチェンと 流 通 活 動 を 調 整 できる 企 業 が 存 在 しない インドのフド サ Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 10

プライチェンに 強 く 望 まれているのは 販 売 デタの 統 合 需 要 / 供 給 予 測 情 報 共 有 製 品 輸 送 の 同 期 化 適 温 を 管 理 する 貯 蔵 設 備 である こうしたニズは 大 きなビジネスチャンスだが 投 資 回 収 には 長 期 を 要 する 欧 米 リテルチェン 大 手 は 小 売 部 門 での 外 資 規 制 緩 和 を 待 ちながら その 周 辺 分 野 であるサプライチェ ンへの 先 行 投 資 を 続 けてきた つまり 市 場 参 入 のチャンスを 生 かすには 長 期 的 なプラン 策 定 が 不 可 欠 と 言 える Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 11

階 層 的 に 複 数 の 販 売 エジェントが 存 在 農 家 カッチャ アダト: 農 家 から 直 接 農 産 物 を 買 い 上 げる 販 売 エジェ ント パッカ アダト: 主 に 農 産 物 を 市 場 に 配 送 する 機 能 を 持 つエジ ェント 総 生 産 のうち 農 家 が 自 己 消 費 する 割 合 は 41% 自 己 消 費 公 営 調 達 機 関 販 売 エジェント 年 間 約 5,000 万 トンの 小 麦 / 米 は 公 営 調 達 機 関 を 経 由 し て 供 給 される 現 物 交 換 農 産 物 販 売 加 工 工 場 公 営 調 達 機 関 には イン ド 食 料 公 社 (FCI) 供 給 / 流 通 市 場 委 員 会 事 務 局 公 営 食 料 流 通 シス テム 内 の 各 州 政 府 の 事 業 体 フェアプライス ショ ップ(40,000 店 が 約 2 億 世 帯 に 供 給 )が 含 まれる 1 次 卸 売 業 者 階 層 的 に 複 数 の 卸 売 業 者 が 存 在 し そ れぞれのマジンが 上 乗 せされるため 大 部 分 の 農 産 物 価 格 が 上 昇 2 次 卸 売 業 者 フェアプライス ショップ 小 売 店 中 小 小 売 店 大 規 模 / 中 小 小 売 店 大 規 模 小 売 店 図 3.1 インドのフド サプライチェン 出 典 : Flavors of Incredible India 報 告 書 (2009 年 )アンスト アンド ヤング 消 費 者 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 12

VLW 事 例 研 究 (ITC の e チョパル) インド タバコ 会 社 (ITC)は タバコの 販 売 からホテル 経 営 まで 展 開 する 複 合 企 業 で インドの 民 間 企 業 としては 最 大 規 模 その 農 業 関 連 事 業 部 は インド 最 大 の 農 産 物 輸 出 部 門 の 一 つ 海 外 市 場 からのニズ に 対 応 する 合 理 化 効 率 化 の 一 環 として 持 続 可 能 な 合 理 的 基 盤 としてサプライチェンを 効 率 化 するた め e チョパル という 仕 組 を 構 築 している コストの 入 力 種 子 肥 料 化 学 肥 料 実 務 特 定 卸 売 業 者 農 器 具 等 小 売 店 ブ ロ カ パ ッカ アダ ト ブ ロ カ ト レ ダ ブ ロ カ ブ ロ カ 政 府 大 学 地 方 自 治 体 MSP 農 業 部 門 の ブ ロ カ 農 家 ブ ロ カ カ ッチ ャ ア 加 工 業 者 保 険 実 務 天 候 農 業 生 産 に 必 要 な 投 入 材 の 動 き 貸 金 業 者 ダト 農 産 物 の 動 き 貸 付 金 の 動 き インド 農 業 の 特 徴 として 農 場 が 細 分 化 されていること インフラが 貧 弱 なこと 無 数 に 存 在 する 仲 介 業 者 などがあります e チョパル モデルは こうした 固 有 の 特 徴 に 起 因 する 課 題 への 対 策 として 設 計 された と ITC は 発 表 している その 主 な 目 的 は 調 達 プロセスの 効 率 化 だが 副 次 的 効 果 として 地 方 農 家 を 活 性 化 させた 点 が 注 目 されている 2011 年 現 在 16 の 州 約 50,000 の 農 村 でこのモデルを 展 開 し ており 農 産 物 を 中 心 に 都 市 と 地 方 を 結 ぶ 取 引 ネットワクが 構 築 されている 従 来 のサプライチェンでは 農 家 から 仲 介 業 者 が 農 産 物 を 買 い 上 げ マンディ( 農 産 物 販 売 センタ ) に 卸 売 し 食 品 加 工 企 業 が マンディ から 農 産 物 を 購 入 した 製 品 価 格 に 関 するリアルタイムな 情 報 を 共 有 できないため 農 家 の 交 渉 力 は 極 めて 弱 く 作 物 の 売 却 は 仲 介 業 者 に 依 存 せざるを 得 なかっ た e チョパルの 導 入 は 生 産 者 である 農 家 と 購 入 者 である 食 品 加 工 企 業 を 直 結 することで 中 間 コストの 削 減 を 実 現 した また それぞれの 食 品 分 野 ごとに 流 通 体 制 が 異 なることを 考 慮 して e チョパルには 4 種 類 あり それぞれエビ コヒ 小 麦 大 豆 用 にカスタマイズされた e チョパル センタで 農 家 はインタネットを 使 用 して 価 格 に 関 する 情 報 をリアルタイムで 入 手 し 農 産 物 のバイヤ( 通 常 は 食 品 加 工 企 業 )と 交 渉 できるほか 最 も 適 した 栽 培 方 法 や 種 子 肥 料 など 生 産 効 率 化 につながる 情 報 を 入 手 できる これらの 情 報 によって 生 産 性 を 向 上 し 価 格 引 上 げや 収 益 拡 大 も 可 能 になる Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 13

知 識 と 情 報 の 伝 達 農 家 取 引 ITC e チョパル マンディ ( 市 場 ) チョパル ( 電 子 システ ム) サンチャラク (ホスト 農 家 ) サマヨジャク ( 仲 介 業 者 ) 製 品 /サビス プロバイダ 農 村 都 市 部 インド 全 域 図 3.3 ITC e チョパル モデル 出 典 :ITC ポタルサイト 図 3.4 e チョパル センタで 説 明 するサンチャラク e チョパル センタの 運 営 は サンチャラク という 農 村 の 農 家 から 選 ばれた 個 人 が 行 う サンチ ャラクは IT と 読 み 書 きのできない 農 業 従 事 者 との 橋 渡 し 役 となり 彼 らに 代 わって 情 報 の 入 手 / 伝 達 を 行 う この 仕 組 みの 特 徴 は 農 家 の 支 援 を 通 じてコストカットを 図 っている 点 と コストカットのために 不 要 になった 仲 介 業 者 に 新 たな 役 割 を 負 わせて 活 用 し 決 して 排 除 していない 点 である 仲 介 業 者 の 役 割 は バリュチェンの 中 で 再 定 義 され サマヨジャク として 機 能 する サマヨジャクとは 農 村 を 調 査 して 新 しい e チョパル センタの 調 整 と 設 立 運 営 管 理 を 行 うことで ITC を 支 援 する こうした ITC の 取 り 組 みには 取 引 コストの 大 幅 な 削 減 (8% 2%)という 初 期 利 益 がある Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 14

アムル グジャラト 州 ミルクマケティング 協 同 組 合 連 合 会 (GCMMF)の 事 例 グジャラト 州 ミルクマケティング 協 同 組 合 連 合 会 (GCMMF)は インド 最 大 の 食 品 製 造 組 織 のひと つ 1946 年 の 設 立 以 来 GCMMF は 目 覚 ましい 成 長 を 遂 げ 2010-11 年 の 売 上 高 は 21 億 5,000 万 米 ドルと なった その 製 品 はアムル ブランド(アナンド ミルク 連 合 会 ) 名 で 製 造 販 売 される 過 去 60 年 間 GCMMF は 310 万 人 以 上 の 農 村 牛 乳 生 産 者 とインド 国 内 消 費 者 とをつなぐなネットワクを 構 築 し てきた GCMMF は 1 日 平 均 940 万 リットルの 牛 乳 を 生 産 者 から 回 収 するが その 70% 以 上 は 小 規 模 零 細 農 家 や 小 作 農 であり そのネットワクの 根 は 深 い GCMMF は 仲 介 業 者 からの 解 放 市 場 への 介 入 手 段 の 獲 得 と 農 家 の 利 益 の 最 大 化 を 目 指 して 農 家 のグ ルプによって 発 足 した 発 足 当 初 はグジャラト 州 アナンドの 農 村 を 基 盤 とするカイラ 地 区 ミルク 協 同 組 合 を 中 心 に 活 動 を 拡 大 し その 後 他 のミルク 協 同 組 合 と 連 携 し 現 在 のネットワクはグジャラ ト 州 だけで 212 万 人 の 農 業 従 事 者 と 10,411 か 所 の 農 村 レベルの 搾 乳 センタ 14 か 所 の 地 区 レベルの 工 場 を 有 している GCMMF は 低 コストと 高 品 質 の 両 立 を 目 指 して 小 売 と 流 通 のマジンを 抑 え 農 家 な どの 生 産 者 の 利 益 を 高 めるビジネスモデルを 模 索 し アナンド パタン として 定 式 化 される 手 法 を 開 発 した アムルの 本 社 所 在 地 にちなんで 名 付 けられたアナンド パタンとは いわば 管 理 方 法 の 一 種 で 生 産 者 と 消 費 者 の 需 給 調 整 を 目 的 としている 農 村 レベルの 酪 農 協 同 組 合 地 区 レベルのミル ク 連 合 州 レベルのミルク 連 合 の 三 層 構 造 から 成 り 212 万 人 以 上 の 牛 乳 生 産 者 ( 農 家 )が 所 属 してい る 約 10,411 の 酪 農 協 同 組 合 は 13 ある 州 内 各 地 区 の 酪 農 協 同 組 合 に 牛 乳 を 供 給 し さらに 州 レベルの ミルク 連 合 ( 共 通 販 売 組 織 )に 販 売 される こうした 各 州 の 販 売 組 織 は 共 通 の 目 的 を 持 ちゆるやかに 連 携 している 図 3.5 アナンドのアムル 酪 農 工 場 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 15

農 家 農 村 の 共 同 団 体 ( 冷 凍 施 設 あり) 農 村 の 共 同 団 体 ( 冷 凍 施 設 なし) 地 元 レストラン/ 牛 乳 関 連 事 業 農 村 内 での 一 般 向 け 販 売 ネットワクサ ビス 獣 医 派 遣 サビス 牛 乳 加 工 ユニオン 倉 庫 冷 蔵 プラント 畜 産 サビス GCMMF/ 倉 庫 動 物 飼 料 工 場 牛 乳 缶 製 造 者 農 業 大 学 卸 売 業 者 /C&S 地 域 の 管 理 機 関 トラック 運 送 設 備 小 売 店 ホムデリバリ/コントラクタ 消 費 者 図 3.6 アムルのサプライチェン 出 典 :IIM (A) 研 究 結 果 報 告 書 新 興 市 場 の 複 雑 なネットワクの 管 理 :アムルの 事 例 アムル 製 品 は 上 図 ネットワクで 3,500 以 上 の 流 通 業 者 を 経 由 してインド 全 域 の 500,000 以 上 の 小 売 店 舗 で 販 売 されている 卸 売 業 者 との 取 引 は 送 金 為 替 繰 上 システムで 行 われ 基 本 的 に 現 金 取 引 である アムルがサプライヤ 開 発 に 成 功 した 要 因 は 社 会 的 発 展 活 動 を 実 施 した 点 にある インドでは 流 通 過 程 における 卖 一 機 能 が 複 数 に 細 分 化 されており 複 数 主 体 でワクシェアリングに 近 い 状 況 が 生 じてい るケスがある こうした 流 通 過 程 の 複 雑 さを 発 見 し 効 率 化 のポイントを 見 出 すことは 決 して 難 しくは ない しかし 卖 純 にビジネスの 観 点 から 流 通 構 造 を 効 率 化 するとスポイルされる 集 団 が 出 てくるため こうした 集 団 の 位 置 づけや 機 能 を 変 更 する 形 でのより 高 度 な 効 率 化 が 求 められる インドにおける 既 存 バリュチェンに 内 包 される 非 効 率 性 の 改 善 とは 多 くの 場 合 こうした 社 会 システムとの 関 係 に 対 す る 配 慮 が 不 可 欠 であり システムの 円 滑 化 と 定 着 を 促 す 観 点 からも 欠 かすことができない 要 素 である 4. 食 品 法 食 品 の 安 全 と 衛 生 については 消 費 者 の 認 識 が 高 まるにつれて 食 品 の 安 全 と 品 質 に 関 する 保 証 に 対 するニ ズが 高 まっている インド 政 府 では 粗 悪 品 から 消 費 者 を 保 護 する 法 律 を 施 行 し 着 色 料 や 防 腐 剤 残 留 殺 虫 剤 包 装 / 梱 包 ラベリング 販 売 規 則 等 に 関 する 規 制 を 行 っている こうした 動 きは 国 際 貿 易 上 の 要 件 を 満 たすと 共 に インドの 食 品 産 業 がグロバル 市 場 で 競 争 力 を 確 保 する 際 に 役 立 つものと 期 待 される 以 下 は インド 中 央 政 府 によって 施 行 された 食 品 の 安 全 および 衛 生 を 保 証 する 法 律 の 一 覧 である 7 食 品 安 全 基 準 法 (2006 年 ) 7 Food laws and Regulations, MOFPI Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 16

粗 悪 食 品 防 止 法 (PFA)(1954 年 )( 保 健 家 族 福 祉 省 ) 重 量 および 寸 法 基 準 に 関 する 法 律 (1976 年 ) 重 量 および 寸 法 基 準 に 関 する 規 定 (1977 年 ) 農 産 物 ( 等 級 表 示 ) 法 ( 農 村 開 発 省 ) 生 活 必 需 品 法 (1955 年 )( 消 費 者 問 題 食 料 省 ) 果 実 製 品 に 関 する 規 則 (FPO)(1995 年 ) 食 肉 法 (1973 年 )(MFPO) 牛 乳 / 乳 製 品 に 関 する 規 則 (1992 年 ) 乳 児 用 ミルク 代 用 物 哺 乳 瓶 乳 児 用 食 品 ( 生 産 供 給 および 流 通 に 関 する 規 制 )に 関 する 法 律 (1992 年 )および 規 則 (1993 年 ) 殺 虫 剤 法 (1968 年 ) 輸 出 ( 品 質 管 理 および 検 査 ) 法 (1963 年 ) 環 境 保 護 法 (1986 年 ) 汚 染 管 理 ( 環 境 森 林 省 ) BIS 法 ( 工 業 ライセンス)(1986 年 ) VOP( 管 理 ) 法 (1947 年 ) Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 17

C SEO( 管 理 ) 法 (1947 年 ) 第 4 章 インドの 食 品 加 工 産 業 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 18

第 4 章 インドの 食 品 加 工 産 業 1. 概 要 インド 中 央 政 府 は ビジョン 2015 を 発 表 し 第 12 次 5 カ 年 計 画 で 推 奨 事 項 を 策 定 した この 計 画 では 農 家 の 所 得 水 準 を 安 定 化 させながら 食 品 加 工 産 業 の 競 争 力 を 強 化 することを 重 視 している ビジョン 2015 では 2015 年 までに 腐 りやすい 農 産 物 の 加 工 レベルを 20%まで 強 化 し 加 工 井 食 品 等 の 割 合 を 35%まで 強 化 す ると 共 に 世 界 市 場 の 食 品 取 引 におけるシェアを 1.5%から 3%に 引 き 上 げることを 目 標 としている インド 産 業 連 盟 (CII)が 主 催 した 食 品 会 議 2011 では 専 門 家 が 次 のように 見 解 を 示 している イン ドの 加 工 食 品 産 業 には セクタ 全 体 で 350 億 米 ドル 以 上 の 新 しい 投 資 が 必 要 です この 投 資 によって 900 万 人 の 新 規 雇 用 食 品 価 格 の 安 定 化 農 家 と 利 害 関 係 者 に 妥 当 な 収 入 を 確 保 することなどが 可 能 になります さらに 重 要 なことは この 投 資 によって 世 界 輸 出 市 場 におけるインドの 加 工 食 品 シェアを 現 状 の 2%から 拡 大 することができます インドでは 経 済 発 展 に 伴 い 健 康 的 で 栄 養 価 の 高 い 機 能 性 食 品 の 需 要 が 高 まっている ここ 数 年 インドの 食 品 加 工 産 業 界 では そうした 需 要 への 対 応 を 迫 られているが 必 ずしも 満 足 に 対 応 できていない 食 品 産 業 の 専 門 家 によると その 主 な 原 因 は 組 織 化 された 小 売 業 者 が 存 在 しない 点 にある 最 終 消 費 者 が 期 待 するニ ズ( 品 質 価 格 供 給 力 など)と 実 際 に 提 供 される 商 品 やサビスの 間 のギャップは 大 きい インドの 食 品 市 場 への 参 入 を 図 る 場 合 こうしたギャップを 是 正 し ニズに 見 合 う 商 品 をリズナブルな 価 格 で 供 給 する 方 法 を 確 立 する 必 要 がある その 際 の 課 題 は インフラのボトルネックや 貯 蔵 設 備 の 欠 如 技 能 不 足 技 術 導 入 の 制 約 等 が 挙 げられる こうした 要 因 はすべて 収 穫 前 後 の 廃 棄 の 増 加 や 金 銭 的 な 損 失 につながり 業 界 の 高 コスト 体 質 を 招 き 最 終 的 には 製 品 価 格 上 昇 への 主 因 となっている 2. 食 品 加 工 産 業 食 品 加 工 産 業 はインドでも 最 大 規 模 の 産 業 のひとつで 2011 年 の 食 品 市 場 の 総 売 上 は 約 694 億 米 ドル う ち 加 工 食 品 の 売 上 は 222 億 米 ドルであった 8 インド 商 工 会 議 所 連 合 会 とボストン コンサルティング グル プの 共 同 レポトによると 食 品 加 工 産 業 の 現 在 の 年 間 平 均 成 長 率 は 13.5%で 2020 年 までに 3,000 億 米 ド ル 35%の 成 長 率 が 期 待 されている 9 その 主 な 食 品 分 野 は インスタント 食 品 果 実 / 野 菜 類 牛 乳 / 乳 製 品 食 肉 / 鶏 肉 漁 業 アルコル/ノンアルコル 飲 料 加 工 穀 物 その 他 の 消 費 製 品 グルプ( 製 菓 チョコレ ト/カカオ 製 品 大 豆 製 品 ミネラルウォタ 高 タンパク 質 食 品 など)で 近 年 では 麺 類 ビスケット パン 類 などのインスタント 食 品 の 生 産 額 も 伸 びている 8 Processed Food, APEDA 9 Livemint, The Wall Street Journal article on India Processed Food Industry, Nov 2011 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 19

牛 乳 乳 製 品 健 康 食 品 Milk Dairy Products Health Foods インスタント 食 品 Ready to Eat Confectioneries 製 菓 Carbonated 炭 酸 飲 料 Drinks 図 4.1 インドにおける 主 要 加 工 食 品 の 分 類 また 食 品 加 工 産 業 だけで 1,300 万 人 以 上 の 直 接 の 雇 用 機 会 を 創 出 しているとされ 2015 年 までに 約 820 万 人 の 追 加 効 用 が 創 出 されると 見 込 む 報 告 書 もある 10 さらに 食 品 加 工 に 関 連 する 分 野 での 雇 用 創 出 効 果 は 約 3,500 万 人 に 上 るとされる なお 国 家 製 造 業 競 争 力 委 員 会 の 報 告 によると 国 内 で 登 記 されている 食 品 加 工 会 社 数 は 約 25,367 社 合 計 投 資 額 は 約 178 億 1,000 万 米 ドルに 上 る インドの 食 品 / 食 品 加 工 産 業 食 品 産 業 の 規 模 ( 卖 位 :10 億 ルピ) 食 品 加 工 産 業 の 規 模 ( 卖 位 :10 億 ルピ) 1,320 1,100 770 308 880 374 484 660 2002-03 2006-07 2010-11 2014-15( 推 定 ) 図 4.2 インドの 食 品 / 食 品 加 工 産 業 出 典 :Technopak Report, Opportunities Abound(2009 年 )(インド 合 同 商 工 会 議 所 ) 10 Technopak Report, Opportunities Abound, MOFPI Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 20

3. 食 品 加 工 産 業 の 組 織 化 と 非 組 織 化 現 在 インドの 食 品 加 工 産 業 の 大 部 分 は 組 織 化 されておらず 組 織 化 されている 事 業 体 は 全 体 の 約 25%に 過 ぎない 残 りの 33%は 小 規 模 な 零 細 事 業 体 42%は 中 規 模 の 未 組 織 事 業 体 である しかし 国 内 外 からの 投 資 の 増 加 に 伴 って 組 織 が 進 んでおり 特 に 小 売 分 野 では 外 資 への 規 制 が 緩 和 傾 向 にあることから フド サプ ライチェン 全 体 で 見 た 場 合 川 上 から 川 下 に 向 けて 安 定 した 加 工 食 品 等 の 販 路 が 構 築 され 食 品 加 工 産 業 の 組 織 化 が 加 速 すると 期 待 されている こうした 状 況 から 業 界 関 係 者 の 間 では 2015 年 までに 食 品 加 工 産 業 の シェアは 食 品 産 業 全 体 の 約 50%に 達 し 食 品 加 工 産 業 の 約 40%が 組 織 化 されるとの 予 想 もある 4. 加 工 食 品 産 業 を 取 り 巻 く 状 況 1. 家 計 に 占 める 食 品 の 割 合 が 極 めて 高 い 食 品 はインド 人 の 一 般 家 計 に 占 める 割 合 が 最 も 高 いとされる 国 家 応 用 経 済 学 研 究 所 (NCAER)によ ると インドの 家 計 所 得 に 占 める 食 料 品 の 割 合 は 約 57%( 場 合 によっては 60%にまでなることも)と されており ビジネスチャンスの 大 きさを 示 している また 近 年 の 経 済 発 展 に 伴 う 平 均 可 処 分 所 得 の 向 上 もこの 傾 向 に 拍 車 をかけている インド 人 1 人 当 たり 所 得 は 諸 外 国 に 比 べて 依 然 として 低 いが 急 速 に 成 長 している 中 上 流 階 級 を 中 心 に 嗜 好 品 に 対 する 支 出 が 増 加 しており 今 後 も 加 工 食 品 の 消 費 は 増 加 する 見 込 みである インドの 一 般 家 庭 の 支 出 構 造 1% 6% 4% 9% 7% 5% 57% 3% 5% 3% 食 料 品 余 暇 衣 料 娯 楽 日 用 品 耐 久 消 費 財 / 電 化 製 品 貯 蓄 外 食 書 籍 / 音 楽 家 庭 用 繊 維 品 図 4.12 インドの 一 般 家 庭 の 支 出 構 造 出 典 : 国 家 応 用 経 済 学 研 究 所 2. 小 売 業 の 組 織 化 いまだに 発 展 途 上 ではあるものの 都 市 部 を 中 心 に スパマケットの 出 店 等 といった 小 売 業 の 組 織 化 に 伴 い 加 工 食 品 の 需 要 も 増 加 している スパマケットなどのいわゆるモダン リテ ルチェンは 一 般 的 にキラナ 等 の 伝 統 的 ナ 個 人 店 よりも 貯 蔵 施 設 やディスプレイ 設 備 が 改 善 されて Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 21

おり 加 工 食 品 の 販 売 に 向 いていることから 小 売 店 の 組 織 化 に 伴 い 消 費 と 需 要 の 両 面 が 今 後 も 増 進 して 行 くと 期 待 される 3. 若 年 層 を 中 心 とする 人 口 構 成 と 生 活 様 式 の 変 化 インドの 人 口 構 成 では 比 較 的 若 年 層 が 多 く 20~59 歳 が 55%を 占 める この 年 齢 グルプでは それ 以 外 の 年 齢 グルプよりも 加 工 食 品 の 消 費 量 が 多 い 労 働 人 口 の 大 多 数 を 占 める 若 年 層 は 求 人 の 多 い 都 市 部 に 集 中 する 傾 向 が 高 いことから こうした 都 市 部 若 年 層 を 中 心 に 手 軽 で 清 潔 な 加 工 食 品 への 需 要 が 高 まっている また 近 年 の 経 済 発 展 は 女 性 の 社 会 進 出 と 都 市 部 における 核 家 族 化 の 増 加 とい った 生 活 様 式 の 変 化 をもたらし この 点 からも 加 工 食 品 や 冷 凍 食 品 インスタント 食 品 等 の 需 要 を\ 高 めている 都 市 部 若 年 層 を 中 心 とする 所 得 階 級 の 上 昇 および 利 便 性 と 衛 生 面 のニズ 増 加 が 加 工 食 品 に 対 する 需 要 の 牽 引 材 料 となっている また ユロモニタによると 外 食 支 出 額 も 過 去 10 年 間 で 2 倍 以 上 になっており 数 字 的 には 年 間 約 50 億 米 ドル 市 場 で 今 後 5 年 間 でさらに 倍 増 することが 期 待 されている 4. 生 産 調 達 コストの 安 さ インドの 多 様 な 気 候 条 件 は 農 業 生 産 に 適 しており 原 材 料 調 達 が 容 易 である また 概 して 人 件 費 は 低 いため 安 価 な 労 働 力 と 原 材 料 費 によって 国 内 製 造 業 者 は 価 格 に 敏 感 なインド 市 場 に 適 正 価 格 で 製 品 展 開 が 可 能 である 5. 政 府 の 積 極 的 な 政 策 インド 中 央 政 府 は 食 品 加 工 産 業 を 潜 在 的 な 成 長 力 が 高 い 産 業 と 位 置 付 けており 同 産 業 への 投 資 を 行 うに 当 たり 豊 富 な 補 助 金 を 用 意 している ハチミツ 製 品 園 芸 品 乳 製 品 鶏 肉 製 品 水 産 物 食 肉 製 品 およびこれらの 分 野 を 支 える 産 業 インフラとなる 保 管 貯 蔵 施 設 輸 送 設 備 等 に 対 する 非 課 税 措 置 が 取 られている 重 要 要 素 経 済 成 長 と 可 処 分 所 得 の 増 加 急 速 な 都 市 化 と 生 活 様 式 の 変 化 家 計 に 占 める 食 料 品 の 割 合 が 極 めて 高 い( 総 家 計 支 出 の 約 53%) 栄 養 / 機 能 食 品 に 関 する 認 識 と 支 出 の 増 加 小 売 店 の 組 織 化 の 浸 透 原 材 料 の 量 と 種 類 が 共 に 豊 富 意 欲 的 な 政 府 の 政 策 課 題 インフラ 未 整 備 の 悪 夢 市 場 浸 透 に 浸 透 している 小 売 店 の 組 織 化 が 未 成 熟 品 質 管 理 不 足 サプライチェンの 組 織 化 が 進 んでいないため 運 用 効 率 性 が 不 足 技 術 導 入 不 足 研 究 開 発 に 関 する 取 り 組 み 不 足 包 装 / 梱 包 コストが 高 い 関 税 率 が 高 い 消 費 者 認 識 の 欠 如 小 売 り 分 野 の FDI 提 案 が 増 加 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 22

図 4.9 インド 加 工 食 品 産 業 の 重 要 な 要 素 と 課 題 5. 食 品 加 工 産 業 における 課 題 1. インフラの 制 約 食 品 加 工 産 業 に 限 らず 企 業 活 動 全 般 について 言 えることだが インフラ 未 整 備 が 喫 緊 の 課 題 となっ ている 主 に 輸 送 施 設 の 欠 如 冷 温 貯 蔵 施 設 の 欠 如 貧 弱 な 倉 庫 保 管 / 在 庫 管 理 体 制 包 装 / 梱 包 設 備 の 欠 如 が 挙 げられる これらの 要 因 により サプライチェンの 効 率 化 が 阻 害 されボトルネックとな っている これは 非 常 に 大 きな 問 題 なので 食 品 加 工 産 業 の 成 長 を 確 保 するには 必 ず 解 決 する 必 要 があります 2. 小 売 業 の 組 織 化 の 欠 如 上 記 に 関 連 して 特 に 在 庫 管 理 や 売 れ 筋 情 報 と 言 った 情 報 共 有 にかかるインフラ 整 備 の 立 ち 遅 れも 甚 だしく 正 確 な 需 給 予 測 ができないことから 商 品 の 安 定 供 給 や 効 率 化 が 阻 害 されている その 一 因 は 約 4,500 億 米 ドルと 言 われる 小 売 市 場 のうち 情 報 共 有 や 商 品 供 給 の 点 で 組 織 化 された 小 売 業 者 は 約 4%に 過 ぎず 小 売 り 部 門 の 90% 以 上 が 伝 統 的 な 個 人 商 店 に 占 められている 実 態 がある 換 言 すれば インド 市 場 に 商 品 を 流 通 させ ブランド 構 築 を 狙 う 場 合 その 重 要 なタゲットとなる 伝 統 的 な 個 人 商 店 への 商 品 流 通 が 非 常 に 困 難 かつ 高 コスト 構 造 になっており これを 薄 利 多 売 で 回 収 せざるを 得 な いために 長 期 計 画 を 想 定 せざるを 得 ず 引 いてはインド 市 場 への 進 出 を 躊 躇 せざるを 得 ない という 状 況 を 招 いている こうした 状 況 は インドの 食 品 加 工 業 界 の 質 的 な 成 長 を 促 す 観 点 からも 大 きな 課 題 である 3. 統 一 的 な 政 策 と 運 用 の 欠 如 食 品 加 工 産 業 は 州 ごとに 異 なる 様 々な 法 制 度 によって 規 制 されている その 代 表 例 は 酒 類 で 各 州 によって 金 収 集 のためそもそも 市 場 として 成 立 していない あるいは 市 場 に 流 通 させるための 免 許 が 厳 しく 規 制 されている 場 合 免 許 は 必 要 だが 取 得 にかかる 明 示 的 な 規 制 はない 場 合 など さまざま である このため インドを 卖 一 市 場 として 捉 えて 展 開 することは 実 質 的 に 困 難 で 各 州 毎 にコスト が 異 なるためコスト 構 造 の 把 握 が 非 常 に 困 難 な 側 面 がある 4. 技 術 導 入 の 欠 如 最 終 的 な 製 品 価 格 を 維 持 しつつ 鮮 度 や 風 味 栄 養 を 保 持 する 必 要 があるが 食 品 加 工 貯 蔵 包 装 / 梱 包 輸 送 といったサプライチェン 全 般 にわたる 技 術 水 準 の 低 さが 原 因 となって 高 コスト 体 質 が 改 善 されない また その 結 果 として 農 産 物 の 大 量 廃 棄 も 発 生 する 食 品 加 工 会 社 の 生 産 性 を 高 める 技 術 の 導 入 には まだまだ 潜 在 的 な 余 地 が 膨 大 に 残 っている 換 言 すれば 高 価 格 製 品 の 品 質 を 保 持 し たまま 市 場 に 供 給 することが 非 常 に 困 難 な 状 況 にあることから 品 質 追 求 よりも 価 格 競 争 が 優 先 され がちな 市 場 の 性 格 を 助 長 しているともいえる Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 23

5. 研 究 開 発 戦 略 の 欠 如 インドの 食 品 加 工 産 業 では コスト 競 争 に 直 面 して 価 格 差 別 化 のみが 追 及 され 研 究 開 発 活 動 への 投 資 を 通 じた 製 品 差 別 化 を 狙 うだけの 資 本 力 を 持 つ 企 業 は 一 部 の 大 企 業 に 限 定 される そのため さら なる 価 格 差 別 化 圧 力 を 生 みだすという 悪 循 環 が 続 く これを 下 支 えしているのは 経 済 全 般 の 成 長 と 一 部 の 中 所 得 者 層 以 上 の 不 可 分 所 得 の 上 昇 だが マケット 全 体 の 状 況 として 高 付 加 価 値 製 品 ひいて は 高 価 格 製 品 への 旺 盛 な 購 買 意 欲 に 結 びついているとは 言 えない 低 コスト= 低 品 質 = 低 価 格 という 価 格 競 争 の 悪 循 環 のなか 多 くの 企 業 は 新 製 品 や 新 規 設 備 のための 投 資 が 困 難 状 況 にあり 食 品 加 工 産 業 における 悪 循 環 につながっている 6. 消 費 者 の 認 知 度 の 低 さ 都 市 部 若 年 層 を 中 心 に 消 費 性 向 に 変 化 が 見 られるが 大 部 分 の 消 費 者 は できたて = 新 鮮 で 健 康 的 という 固 定 観 念 が 抜 けきれず 加 工 食 品 の 利 点 について 認 識 できず 加 工 食 品 の 栄 養 価 値 や 衛 生 面 で の 価 値 について 懐 疑 的 この 傾 向 は 地 方 でさらに 顕 著 で 都 市 部 を 除 けば 加 工 食 品 の 認 知 度 は 概 して 低 い インドの 食 品 加 工 産 業 の 構 造 未 組 織 化 42% 組 織 化 25% 図 4.3 インドの 食 品 加 工 産 業 の 構 造 小 規 模 産 業 33% 出 典 : 食 品 加 工 産 業 省 の 報 告 書 (2009 年 )(インド 合 同 商 工 会 議 所 ) Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 24

40% インドの 食 品 加 工 産 業 のシェア 43% 44% 36% 27% 50% 40% 19% 2002-03 2006-07 2010-11( 推 定 ) 2014-15( 推 定 ) 食 品 加 工 シェア(%)( 食 品 産 業 全 体 ) 組 織 化 セクタのシェア(%)( 食 品 加 工 産 業 ) 図 4.4 インドの 食 品 加 工 産 業 のシェア 出 典 : 食 品 加 工 産 業 省 の 報 告 書 (2009 年 )(インド 合 同 商 工 会 議 所 ) 6. 食 品 加 工 産 業 への 外 国 直 接 投 資 食 品 加 工 産 業 および 食 品 加 工 にかかるインフラに 対 する 外 資 100%の 投 資 特 に 食 品 加 工 産 業 への 海 外 直 接 投 資 は 大 いに 奨 励 されている 産 業 政 策 推 進 局 (DIPP)のデタによると 食 品 加 工 産 業 に 対 する 2000 年 4 月 ~ 2011 年 6 月 までの 外 国 直 接 投 資 総 額 は 12 億 7,396 万 米 ドルに 上 っている メガフドパク 等 の 計 画 に 加 え 中 央 政 府 では 食 品 加 工 産 業 への 海 外 直 接 投 資 強 化 のため 保 管 貯 蔵 輸 送 用 の 特 定 設 備 に 対 する 免 税 措 置 等 を 含 む 財 政 支 援 を 実 施 している 3000 食 品 加 工 産 業 への 外 国 直 接 投 資 ( 単 位 :1,000 万 ルピ) 2781 2500 2000 1500 1000 500 0 1036 510 441 198 176 174 182 61 2000-01 2001-02 2002-03 2003-04 2004-05 2005-06 2006-07 2007-08 合 計 図 4.8 食 品 加 工 産 業 への 外 国 直 接 投 資 出 典 : 食 品 加 工 産 業 省 の 報 告 書 (2009 年 )(インド 合 同 商 工 会 議 所 ) Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 25

7. 食 品 加 工 産 業 への 最 新 の 投 資 状 況 ネスレ インディアの 会 長 兼 最 高 経 営 責 任 者 を 務 めるアントニオ H ワスジク 氏 と 産 業 界 の 圧 力 団 体 インド 商 工 会 議 所 連 合 会 の 食 品 加 工 委 員 会 委 員 長 によれば 1,400 億 ルピ(28 億 5,700 万 米 ドル) 以 上 の 資 本 投 下 が 今 後 2 年 間 (2012-2013)に 食 品 加 工 産 業 に 実 施 される 可 能 性 がある 実 際 外 資 大 手 企 業 を 中 心 に インドの 食 品 加 工 産 業 では 設 備 投 資 が 相 次 いでいる 2011 年 初 頭 ネスレ インディアは 製 造 能 力 を 倍 増 するため 今 後 2 年 間 に 170 億 ルピの 投 資 を 行 うと 発 表 した 2011 年 10 月 には フェレロ グルプが バラマティ(マハラシュトラ 州 プネから 100 km)に 新 工 場 を 開 設 した この 新 工 場 では キンダ ジ ョイ エッグとチック タック ミントを 製 造 し 地 元 の 原 材 料 を 使 用 して 1,300 人 の 雇 用 機 械 を 創 出 してい る また 11 月 には コカコラ インディアが 今 後 5 年 間 にインド 国 内 で 20 億 米 ドルの 投 資 を 行 うと 発 表 したほか ロウストフト ファム スタルフロストは 特 別 な 冷 凍 設 備 をインドの 食 品 加 工 工 場 に 供 給 する ための 250,000 ポンド 相 当 の 契 約 を 結 んだ これにより スタルフロスト 社 はアンドラプラデシュ 州 チットゥ ルの 食 品 加 工 施 設 ( 敶 地 面 積 141 エカ)に 急 速 冷 凍 システムを 整 備 することになる また 米 国 を 拠 点 とするマコミック アンド カンパニ( 業 界 1 位 のスパイス メカ)は コヒノル フズ(バス マティ ライスなどの 食 品 ブランドで 市 場 をリドする 企 業 )とのジョイント ベンチャを 設 立 し 約 1 億 1,500 万 米 ドルの 投 資 を 行 う 予 定 になっている 8. 主 要 分 野 インドの 主 要 な 食 品 加 工 産 業 は 果 実 / 野 菜 類 食 肉 / 鶏 肉 製 品 乳 製 品 水 産 物 加 工 穀 物 飲 料 製 菓 に 分 類 される 民 間 調 査 会 社 である Corporate Catalyst India の 報 告 書 では 加 工 食 品 の 生 産 高 は 2025 年 までに 8%から 35%に 増 進 することが 期 待 されています 11 また 果 実 / 野 菜 加 工 業 の 現 在 の 総 生 産 高 は 2%ですが 2025 年 までに 25%に 増 進 すると 期 待 されている 現 在 加 工 食 品 市 場 に 占 めるシェアが 最 も 高 い 乳 製 品 分 野 に おいても さらなる 成 長 が 見 込 まれている 1. 果 実 / 野 菜 類 加 工 業 インド 国 立 園 芸 局 発 表 による 国 立 園 芸 デタベス(2010 年 )によると 2009-10 年 のインドにおけ る 果 実 類 の 総 生 産 量 は 7,151 万 6,000 トン 野 菜 類 の 総 生 産 量 は 1 億 3,373 万 8,000 トンであった 果 実 類 の 耕 作 面 積 は 632 万 9,000 ヘクタル 野 菜 類 の 耕 作 面 積 は 798 万 5,000 ヘクタルである 12 果 実 および 野 菜 加 工 は 食 品 加 工 産 業 の 中 で 最 も 高 い 20%の 成 長 率 を 誇 る 女 性 の 社 会 進 出 や 若 年 層 の 生 活 様 式 の 変 化 核 家 族 化 の 増 加 に 伴 い 冷 凍 果 実 / 野 菜 製 品 トマト 製 品 ピクルス 野 菜 スパイ ス ペスト 加 工 カレ 類 の 消 費 が 非 常 に 高 いペスで 増 加 している 11 Corporate Catalyst India Report, June 2011 12 ational Horticulture Database, 2010 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 26

野 菜 については インド 人 全 般 に 健 康 的 であるとのイ メジが 強 く 食 の 中 心 である ただし 日 本 の 野 菜 と は 若 干 異 なった 種 のものも 多 く インド 国 内 でも 地 域 に よって 違 いがあるものと 思 われる たとえば ネギなど は 日 本 のものと 比 較 して 2 倍 くらいの 太 さがあり ナス は 巨 大 なものからピンポン 玉 のようなものまで 様 々な 種 類 がある また 玉 ねぎは 基 本 的 に 紫 色 のものが 主 流 で 日 本 のような 乳 白 色 のものは 尐 ない インドではし ばしば 食 品 インフレが 問 題 になるが 日 本 人 の 感 覚 から すれば 価 格 は 非 常 に 安 く ネギやジャガイモはキロ 卖 位 で 買 っても 30 円 前 後 である 果 物 はビニルハウスでの 栽 培 がなされていないため 基 本 的 に 旬 のものが 市 場 に 出 回 る しかし 同 時 にコルドチェンや 流 通 網 が 未 整 備 であるため 旬 の 果 物 であるにもかかわらず 傷 んでいるケス も 多 い 代 表 的 な 果 物 はマンゴ メロン スイカ ザクロ みかん リンゴなどのほか ドラゴンフ ルツなどのいわゆるトロピカルフルツの 類 も 数 多 く 市 場 に 並 ぶ 果 物 としておいしいものを 作 るレ ベルにはなく 収 穫 できたものを 売 るスタンスが 濃 厚 であるため 概 して 当 たり 外 れの 差 が 大 きく マ ンゴ 以 外 はブランド 構 築 がほとんどできていない この 点 野 菜 や 果 実 そのものの 輸 出 は 困 難 かもし れないが 生 産 技 術 や 品 種 改 良 に 関 する 技 術 輸 出 については 可 能 性 があるものと 思 われる 2. 食 肉 加 工 業 加 工 食 品 産 業 省 によると 2007-08 年 の 食 肉 の 推 定 生 産 量 は 650 万 トン 主 要 輸 出 品 目 は 水 牛 である 2008-09 年 の 水 牛 の 生 産 量 は 280 万 トンで そのうち 約 21%が 輸 出 された インドでは 水 牛 の 消 費 需 要 は 比 較 的 高 いだけでなく 近 年 では 国 際 市 場 でも 需 要 が 増 加 傾 向 にあることから 今 後 一 層 の 輸 出 拡 大 が 期 待 されている 例 えば 水 牛 を 含 む 2008-09 年 のインドの 食 肉 製 品 ( 水 牛 のほか 羊 /ヤギ 鶏 肉 製 品 動 物 の 皮 加 工 肉 類 など)の 輸 出 は 12 億 5,000 万 米 ドルで 今 後 も 10% 前 後 の 成 長 が 期 待 されている なお インドでは 宗 教 上 の 理 由 から 牛 肉 や 豚 肉 を 食 する 文 化 が 希 薄 だが 全 く 消 費 がないわけでは ない 一 般 的 には 豚 肉 に 対 する 抵 抗 が 牛 肉 よりも 強 いが 欧 米 流 の 生 活 様 式 を 身 に 付 けている 富 裕 層 や 若 年 層 の 中 には 牛 肉 を 食 するインド 人 もいる また もともと 食 肉 の 文 化 が 希 薄 なこともあってか 西 部 や 单 部 では 肉 の 調 理 の 仕 方 を 十 分 に 理 解 していないインド 人 も 多 く 肉 が 固 くなるまで 焼 いてし まうケスも 尐 なくない この 点 ラムなど 食 するムガル 料 理 の 文 化 を 持 つインド 北 部 では 比 較 的 肉 の 調 理 の 仕 方 がうまいほか 比 較 的 欧 米 人 が 多 いと 思 われるバンガロルなどでは 肉 牛 牧 場 やド イツのソセジ メカが 工 場 を 設 立 しているなど 地 域 間 で 違 いがある Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 27

3. 乳 製 品 加 工 業 インドは 世 界 第 1 位 の 牛 乳 生 産 国 で その 推 定 生 産 量 は 世 界 の 総 生 産 量 6 億 9,300 万 トンのうち 約 1 億 500 万 トンを 占 めると 見 積 もられている ただし この 数 値 には 水 牛 のものも 含 まれ 牛 乳 の 総 生 産 量 の 過 半 数 約 57%を 占 めると 推 定 されている 国 内 約 7,000 万 世 帯 の 農 家 が 牛 乳 生 産 に 従 事 していると 言 われ 1,100 万 人 を 超 える 酪 農 関 係 者 のうち 各 地 の 酪 農 協 同 組 合 に 所 属 しているのは 約 10 万 人 に 過 ぎず こうした 点 も 加 工 乳 業 の 組 織 化 が 進 まず 統 計 等 による 実 態 把 握 を 困 難 にしている また 2011 年 に 中 央 政 府 が 実 施 した 牛 乳 の 品 質 検 査 では 全 国 平 均 で 約 60%の 牛 乳 から 化 学 物 質 が 検 出 されたとの 報 道 もあり 酪 農 業 における 組 織 化 と 品 質 管 理 の 重 要 性 を 浮 き 彫 りにする 結 果 となっ た なお インドで 生 産 される 牛 乳 の 約 半 分 がギ( 羊 や 水 牛 の 乳 から 作 る 油 )の 原 料 となっている 残 りのうち 約 35%は 加 工 乳 で このうち 大 規 模 な 酪 農 工 場 等 で 組 織 的 に 生 産 される 加 工 乳 の 年 間 生 産 量 は 1,300 万 トンである 他 方 小 規 模 酪 農 家 等 による 年 間 生 産 量 は 2,200 万 トンと 推 定 されている 加 工 食 品 産 業 省 によると 乳 製 品 加 工 業 の 2010~2015 年 の 平 均 成 長 率 は 8%と 予 想 される 13 4. 漁 業 部 門 インドにおける 漁 業 従 事 者 は 人 口 規 模 と 比 較 して 尐 なく 約 1,000 万 人 が 約 4,000 の 漁 村 に 在 住 している 程 度 で 特 定 の 地 域 を 除 き 業 界 規 模 は 概 して 小 さい その 要 因 は 輸 送 インフラが 未 整 備 であることから 後 背 地 に 当 たる 内 陸 部 に 水 産 品 を 輸 送 できないこ とや 水 産 品 加 工 技 術 が 著 しく 低 いことによる 例 えば コルドチェンがほとんどないに 等 しい 状 況 であるため インドでいわゆるシフド を 食 することができるのは 基 本 的 にムンバイやチェンナイなどの 沿 岸 部 の 都 市 のみであり ニュデ リなどの 内 陸 部 では 基 本 的 に 食 することができない また こうした 沿 岸 都 市 部 の 漁 港 を 基 地 とする 漁 船 は ほぼすべてが 電 化 された 冷 凍 冷 蔵 設 備 を 備 えていない 船 底 にくず 氷 を 満 載 して 外 洋 に 出 港 し そこに 海 産 物 を 詰 め 込 んで 帰 港 する 水 揚 げ された 魚 類 は 漁 港 に 隣 接 する 魚 市 場 等 で 販 売 される こうした 海 産 品 を 扱 う 卸 売 業 者 の 中 には 漁 港 に 隣 接 する 冷 凍 倉 庫 を 有 している 業 者 もあるが その 数 は 尐 なく 多 くの 場 合 は 再 び 氷 を 満 載 したリ ヤカや 大 八 車 で 近 くの 青 空 市 場 に 運 搬 されるほか 飲 食 業 関 係 者 が 買 い 付 ける 13 Dairy Industry in India, MOFPI Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 28

こうした 状 況 であるため インド 国 内 の 水 産 物 加 工 品 に 対 する 需 要 は 消 して 低 くはないが インフ ラ 等 のボトルネックからインド 全 土 に 水 産 加 工 品 を 供 給 できる 体 制 になっておらず また そうした 設 備 投 資 をできるような 企 業 体 も 十 分 に 成 長 しているとは 言 えない 状 況 にあり 業 界 規 模 も 小 さい こうした 業 界 を 取 り 巻 く 状 況 から インドの 総 輸 出 に 占 める 水 産 加 工 品 の 割 合 は 約 1.1 %にすぎない もっとも 1961-62 年 にはわずか 84 万 米 ドルに 過 ぎなかった 水 産 物 輸 出 額 は 2008-09 年 には 18 億 4,908 万 米 ドルに 達 しており 長 期 的 には 成 長 しているが 産 業 としてはいまだに 幼 稚 産 業 の 段 階 にあ り 成 長 を 促 す 余 地 は 大 きい なお インド 水 産 加 工 物 での 最 大 の 輸 出 品 目 は 冷 凍 エビで 金 額 ベスでは 約 44%を 占 める 数 量 ベスでは 魚 類 が 占 める 割 合 が 最 も 大 きく 約 40%である( 内 エビが 占 める 割 合 は 21%) 2008-09 年 の 統 計 では 最 大 の 輸 出 先 はEU(32.6%) 次 いで 中 国 (14.8%) 日 本 (14.6%) 米 国 (11.9%) 東 单 アジア(10%) 中 東 (5.5%) その 他 の 国 々(10.6%)となっている 5. 穀 物 加 工 部 門 インドでは 毎 年 2 億 4,000 万 トン 以 上 の 各 種 穀 物 を 産 出 している 穀 物 加 工 産 業 においては 小 麦 や 米 豆 類 の 一 次 製 粉 と 包 装 / 梱 包 が 最 も 重 視 されている インド 国 内 では 北 部 が 小 麦 粉 文 化 单 部 が 米 文 化 として 分 類 される 一 般 的 に 日 本 人 がインドカレと 同 時 に 想 像 するナンやチャパティといったものは インディアン ブレッド と 総 称 されており 北 部 を 中 心 とする 食 文 化 が 波 及 したものである これに 対 し 单 部 ドラ ヴィダ 系 の 食 文 化 は バナナの 葉 を 皿 にしてココナッツオイルをふんだんに 使 用 したカレを 米 ととも に 食 する 文 化 である 使 用 されるコメには 数 多 くの 種 類 があるが いずれもタイ 米 のような 長 細 い 形 状 で 水 分 は 尐 ないものが 主 流 である 日 本 米 のようなジャポニカ 種 水 分 の 多 い 米 は インドの 一 般 家 庭 や レストランで 用 いられることはほとんどなく 中 華 料 理 店 などでスティッキ ライスとして 供 される のが 一 般 的 である なお 穀 物 類 ではないが カレのついでに 油 についても 紹 介 したい 一 般 家 庭 でも 飲 食 店 でも カ レを 作 る 際 に 用 いられるのが ヤギや 水 牛 のバタから 不 純 物 を 取 り 除 く 形 で 製 造 されるギである インド 人 にとっては 最 もなじみのある 油 である ほかにも 菜 種 油 やオリブオイルなど 様 々な 食 用 油 が 販 売 されているが 消 費 の 主 力 はギである 日 本 人 には 感 覚 として 尐 しわかりにくいが インドの 食 文 化 においては ギやバタはノンベジタリアンでもOKである しかし ラド( 豚 脂 )やヘット ( 牛 油 )はNGである ラドは 豚 と 言 うこともあるが 体 脂 肪 そのものを 精 製 して 作 られる 油 である ためだ ちなみに 2007-08 年 にインドが 世 界 市 場 に 占 めたシェアは それぞれ 油 糧 種 子 生 産 で 8.73% 油 かす 生 産 が 7.31% 粉 末 輸 出 が 7.53% 食 用 油 類 の 生 産 が 6.03% 輸 入 が 9.22% 消 費 が 9.33%となっ ている Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 29

6. 飲 料 部 門 飲 料 は 加 工 食 品 産 業 における 主 力 商 品 の 一 つである 市 場 調 査 会 社 RNCOS の 報 告 書 では インドの 2008 年 のノンアルコル 飲 料 市 場 は 推 定 約 44 億 3,000 万 米 ドル 2009-2012 年 の 年 平 均 成 長 率 は 約 15%と 予 想 されている また 2009-2012 年 の 果 実 / 野 菜 ジュス 市 場 の 年 平 均 成 長 率 は 約 30% 続 いてエネルギ 飲 料 で 約 29%の 成 長 を 予 測 している 製 品 分 野 としては こうしたプロバイオティック 飲 料 も 業 界 関 係 者 が 期 待 を 寄 せる 分 野 だが 飲 料 部 門 の 最 大 の 特 徴 は 近 年 特 に 地 方 の 消 費 者 向 け 製 品 が 増 加 しており 重 要 の 裾 野 拡 大 の 兆 候 がみられる 点 にある 飲 料 に 関 してインド 人 の 消 費 性 向 で 特 徴 的 なことは 必 ずしも 冷 えたものを 好 まない と 言 う 点 で ある これは 一 説 にはかつて 製 氷 技 術 が 务 っており 氷 入 りの 冷 えた 飲 料 を 飲 むと 体 調 をくずすケ スが 多 かったためと 言 う 説 もあるが いずれにせよ 飲 食 店 などでも 卖 にミネラルウォタを 注 文 すれば 常 温 のものが 出 てくる また ジュスなどでも 常 温 のままで 供 されることも 尐 なくない ス パマケットでも 冷 蔵 設 備 の 中 に 陳 列 された 商 品 と 同 様 のものが 常 温 でも 売 られている 極 めつ けは 個 人 商 店 で 冷 えた 飲 料 を 購 入 すると 冷 蔵 代 として 数 ルピを 上 乗 せされる 場 合 がある 飲 み 物 は 冷 やして 売 ると 言 うことは インドでは 必 ずしも 常 識 ではない それどころか 追 加 的 なサビ スと 認 識 されるケスもあるという 点 は 一 つの 特 徴 である 12.00% 10.00% 8.00% 10.30% 9.40% 9% 7.70% 8% 6.00% 4.00% 5% 2.00% 0.00% 2001-2007 2004-2010 2009-2015 果 汁 飲 料 / 濃 縮 飲 料 スカッシュ/シロップ 図 4.6 果 汁 飲 料 濃 縮 飲 料 スカッシュ シロップの 成 長 率 出 典 : 食 品 加 工 産 業 省 資 料 7. 製 菓 部 門 インドの 加 工 食 品 産 業 の 製 菓 部 門 に 含 まれるのは パン ケキ ペストリ ラスク ロル ヌ ドル コンフレク ライスフレク インスタント/ 冷 凍 食 品 ビスケット 等 である 製 菓 部 門 の 特 徴 は 加 工 食 品 産 業 のうち 地 方 進 出 が 最 も 進 んでいる 点 だ 製 菓 部 門 で 最 も 大 きいシェアを 占 め るのはパンとビスケットである 特 にビスケットは 全 食 品 産 業 のなかでも 最 大 のシェアを 占 めており その 売 上 高 は 約 6 億 4 千 万 米 ドルを 誇 る 世 界 的 にも 米 国 に 次 ぐ 世 界 第 2 位 のビスケット 生 産 国 とな Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 30

っている その 代 表 的 な 企 業 は Parle Products 社 である 同 社 では 伝 統 的 な 個 人 商 店 であるキラナ 等 で 購 入 できる 数 ルピの 小 パッケジのものから スパマケットで 売 っているパソコンモニタく らいの 大 きさのものまで 様 々なパッケジサイズを 用 意 し 米 国 やEUに 輸 出 もしている 製 パン 業 界 で 最 もシェアが 大 きいのはやはりパンとビスケットで インド 全 体 の 製 パン 製 品 生 産 の 約 80%を 占 める パンについては 近 年 はかなり 品 質 が 向 上 したが 一 般 家 庭 用 のパンにはベジタリ アン 向 けに 卵 を 使 わないケスも 多 く パンと 言 うよりも 味 のないスポンジケキのようなものも 尐 なくない いわゆるナンやチャパティのようなインディアンブレッドと 比 較 して 消 費 量 は 非 常 に 尐 な い 製 菓 の 需 要 ( 単 位 :10 億 ルピ) 40 35 30 25 20 15 10 5 0 36 25.4 26.8 28.2 21.7 23 23.75 2004-05 2005-06 2006-07 2007-08 2008-09 2009-10 2014-15 図 4.7 製 菓 の 需 要 出 典 : 食 品 加 工 産 業 省 9. 食 品 加 工 割 合 現 在 のインドの 食 品 加 工 産 業 の 加 工 割 合 は 先 進 国 や 他 の BRIC 諸 国 に 比 べて 著 しく 低 い 農 産 物 加 工 の 割 合 は 中 国 で 40% タイ 30% ブラジル 70% フィリピン 78% マレシア 80%であるのに 対 し 14 インドではわ ずか 20%に 過 ぎず 推 定 損 失 額 は 約 130 億 米 ドルに 上 る 食 品 別 で 見 た 場 合 の 加 工 の 割 合 は 乳 製 品 で 最 も 高 く て 約 35% 次 いで 食 肉 加 工 (21%) 鶏 肉 (6%)の 順 で 果 実 / 野 菜 類 における 加 工 の 割 合 が 最 も 低 く わず か 2.5%にとどまる これは 基 本 的 に 食 品 加 工 産 業 の 加 工 技 術 の 水 準 の 問 題 もあるが 一 方 で 加 工 食 品 を 好 まないインド 国 内 市 場 の 特 性 を 反 映 していると 考 えることもできるため 加 工 の 割 合 のみで 技 術 水 準 を 評 価 は できないが 全 般 的 な 状 況 として 技 術 水 準 が 低 い 点 は 否 めない また 食 品 加 工 の 割 合 が 増 加 しない 背 景 に は 食 材 の 安 定 供 給 や 無 駄 を 生 まないための 需 給 状 況 に 関 するデタの 不 備 と デタを 関 係 者 が 共 有 するた めのインフラが 整 備 されていないという 点 も 併 せて 考 える 必 要 がある この 問 題 は さまざまな 技 術 的 課 題 を クリアし 産 業 全 体 を 底 上 げ 的 に 発 展 させるための 環 境 整 備 が 整 わない 限 り 短 期 的 に 解 決 することは 難 しい が 加 工 製 品 に 対 する 需 要 が 比 較 的 高 い 乳 製 品 や 果 実 / 野 菜 類 パッケジ 食 品 の 分 野 で 先 行 的 に 発 展 してい くことが 期 待 されている 14 he Hindu, Business Line, Food processing may triple to $900 b by 2020, Nov 2011 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 31

インドの 食 品 加 工 産 業 70% 55% 48% 35% 15% 20% 2.20% 20% 10% 7% 8% 5% 8% 3% 乳 製 品 果 実 / 野 菜 類 食 肉 / 鶏 肉 魚 介 類 パッケジ 食 品 予 想 成 長 率 食 品 加 工 (%) 組 織 化 (%) 図 4.5 食 品 加 工 レベルの 成 長 率 出 典 :MOFPI and Technopak Report, Opportunities Abound 2009 年 (インド 合 同 商 工 会 議 所 ) 10. 輸 出 食 品 加 工 産 業 はインド 国 内 産 業 のなかでは 比 較 的 輸 出 指 向 が 強 い 産 業 であり 2010-11 年 の 加 工 食 品 の 輸 出 総 額 は 約 1,492 億 4,960 万 ルピを 記 録 した 食 品 加 工 産 業 省 と 農 業 加 工 食 品 輸 出 開 発 局 によると 各 種 製 品 のシェアは マンゴパルプ(81 億 4,010 万 ルピ) 保 存 用 乾 燥 野 菜 (51 億 6,970 万 ルピ) その 他 の 加 工 果 実 / 野 菜 類 (131 億 6,360 万 ルピ) 豆 類 (85 億 3,110 万 ルピ) ピナッツ(209 億 4,060 万 ルピ ) グアガム(281 億 1,950 万 ルピ) ヤシ 糖 / 製 菓 (349 億 5,700 万 ルピ) カカオ 製 品 (13 億 1,520 万 ルピ) 穀 物 調 製 品 (122 億 6,820 万 ルピ) アルコル/ノンアルコル 飲 料 (79 億 200 万 ルピ) その 他 の 調 製 品 (87 億 4,260 万 ルピ)となっている 814 517 インドの 加 工 食 品 の 輸 出 ( 単 位 :1,000 万 ルピ) 3,495 2,811 2,094 1,316 1,226 853 790 874 131 マ ン ゴ パ ル プ 乾 燥 保 存 用 野 菜 そ の 他 の 加 工 果 実 野 菜 類 / 豆 類 ピ ナ ッ ツ グ ア ガ ム ヤ シ 糖 製 菓 / カ カ オ 製 品 穀 物 調 製 品 ア ル コ ル ノ ン ア ル コ ル 飲 料 / そ の 他 の 調 製 品 図 4.7 インドの 加 工 食 品 の 輸 出 (2010-2011) 出 典 : 農 業 加 工 食 品 輸 出 開 発 局 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 32

インドでは 農 業 加 工 食 品 輸 出 開 発 局 (APEDA)と 海 産 物 輸 出 開 発 局 (MPEDA)が 中 心 となって 加 工 食 品 の 輸 出 を 促 進 している APEDA はそれ 以 外 の 加 工 食 品 の 輸 出 に 関 する 責 任 を 担 っており MPEDA はすべての 水 産 物 ( 魚 介 類 / 魚 介 類 加 工 製 品 )の 輸 出 監 督 機 関 である APEDA によれば 2010-11 年 に 2 億 8,000 万 米 ドルだ った 輸 出 総 額 は 2014-15 年 までに 1,430 億 米 ドルに 達 する 見 通 しだ なかでも 有 機 食 品 の 輸 出 に 注 力 してお り 2015 年 までに 有 機 食 品 の 輸 出 総 額 を 現 在 の 5 倍 にするとの 目 標 を 掲 げている APEDA の 有 機 食 品 課 シニ ア コンサルタントを 務 めるシャイレンダ シン 氏 は 当 局 の 審 査 登 録 機 関 によって 認 証 を 受 けた 有 機 食 品 プロジェクトの 総 数 は インド 全 体 で 2,084 に 上 ります そのうち 191 は 有 機 食 品 の 輸 出 業 者 となっていま す と 語 る 11.インド 中 央 政 府 の 戦 略 インド 中 央 政 府 は 食 品 産 業 を 重 視 し 収 穫 前 後 の 廃 棄 物 の 最 小 化 雇 用 機 会 の 創 出 輸 出 拡 大 を 目 的 として 多 くの 財 政 救 済 策 や 奨 励 金 を 支 給 し 農 産 物 の 商 業 化 と 高 付 加 価 値 化 を 推 進 している インド 中 央 政 府 が 発 表 した Economic Survey 2010-11 では 10 億 人 を 超 える 国 民 のためのフド セフティネットには 農 業 生 産 の 強 化 が 不 可 欠 である( 中 略 )それが 第 2 次 グリン レボリュションである( 中 略 )これを 実 現 するため 政 府 は 適 切 な 戦 略 および 政 策 の 策 定 や 介 入 を 行 い 農 業 および 関 連 部 門 への 投 資 をさらに 推 進 する これは 総 合 的 な 成 長 とその 利 益 を 多 くの 国 民 が 感 じるための 必 要 条 件 である 15 としている こうした 取 り 組 みの 一 環 として インド 食 品 安 全 基 準 管 理 局 では インドの 食 品 産 業 の 現 状 を 踏 まえつつ 国 際 的 な 水 準 を 意 識 した 食 品 衛 生 と 食 品 安 全 に 関 する 要 件 の 設 定 を 検 討 する 形 で 食 品 衛 生 基 準 の 策 定 を 準 備 している 食 品 加 工 産 業 省 は 食 品 加 工 産 業 の 育 成 を 目 的 とし ビジョン 2015 を 策 定 し 2015 年 までに 食 品 加 工 産 業 を 現 在 の 6%から 20%へ 付 加 価 値 を 20%から 35%へ 高 め 国 際 取 引 を 1.5%から 3%に 向 上 させることを 目 標 としている このために 必 要 な 推 定 投 資 額 は 約 1 兆 ルピと 見 積 もられている 他 方 これらの 改 革 は 政 府 予 算 のみで 負 担 すべき 内 容 でも また 負 担 できる 規 模 でもないことから インド 中 央 政 府 としては 官 民 連 携 を 推 奨 している また 政 府 による 取 り 組 みの 一 環 として 食 品 加 工 産 業 における 中 小 企 業 の 成 長 加 速 のため 中 央 政 府 は 全 国 計 30 か 所 のフドパク 設 立 を 計 画 している 食 品 加 工 産 業 省 によると これらのフドパクは 食 品 加 工 に 携 わる 約 20,000 社 の 中 小 企 業 の 支 援 を 目 的 とし こうしたフドパク 設 立 を 含 む 2011-12 年 の 食 品 加 工 産 業 省 の 予 算 は これまでの 9,000 万 米 ドルから 1 億 3,500 万 米 ドルに 増 強 された 加 えて 農 業 部 門 への 投 資 加 速 を 促 すため 食 品 加 工 産 業 大 臣 は インフラ 整 備 にコルドチェンの 整 備 を 加 えた 最 新 の 貯 蔵 設 備 設 立 のための 官 民 連 携 (PPP)による 事 業 採 算 を 成 立 させるための 公 的 支 援 計 画 (VGFS)を 策 定 した その 他 にも 政 府 は 食 品 加 工 産 業 に 投 資 を 呼 び 込 むため 次 のような 特 別 措 置 を 実 施 しています ハチミツ 製 品 園 芸 品 乳 製 品 鶏 肉 製 品 水 産 物 / 海 産 物 食 肉 製 品 および 同 加 工 品 の 保 管 貯 蔵 または 輸 送 に 必 要 な 特 別 設 備 に 対 する 非 課 税 措 置 15 Economic Survey, 2010-11 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 33

ハチミツ 製 品 園 芸 品 乳 製 品 鶏 肉 製 品 水 産 物 / 海 産 物 食 肉 製 品 の 加 工 に 必 要 な 保 管 / 貯 蔵 用 の 冷 温 貯 蔵 施 設 冷 温 室 ( 農 場 の 出 荷 前 冷 温 所 を 含 む) または 産 業 設 備 に 対 する 初 期 投 資 または 設 備 拡 張 投 資 に 対 する 輸 入 基 本 関 税 5%を 引 き 下 げ 冷 凍 車 / 冷 凍 トラックを 製 造 事 業 者 に 対 する 基 本 関 税 の 免 除 次 の 項 目 に 含 まれる 設 備 投 資 試 運 転 または 導 入 に 関 するサビスにかかるサビス 税 の 免 除 自 動 食 品 処 理 システムなど 冷 温 貯 蔵 施 設 の 設 立 または 設 備 拡 張 農 産 物 乳 製 品 鶏 肉 製 品 水 産 物 / 海 産 物 食 肉 製 品 の 加 工 に 必 要 な 設 備 に 対 する 初 期 投 資 または 設 備 拡 張 投 資 に 際 して 必 要 な 機 械 / 機 器 サビス 税 免 除 の 適 用 範 囲 を 従 来 の 食 用 穀 物 や 豆 類 に 加 え 果 実 野 菜 類 卵 牛 乳 に 拡 大 12. 第 12 次 5 カ 年 計 画 と 食 品 加 工 産 業 第 11 次 5 カ 年 計 画 (2007~11 年 度 )では 食 品 加 工 産 業 の 発 展 に 向 けた 官 民 連 携 (PPP)の 導 入 と 適 切 なインフラ 設 備 投 資 を 最 も 重 視 した このため 食 品 加 工 産 業 省 の 合 計 計 画 支 出 は 第 10 次 5 カ 年 計 画 (2002~06 年 度 )の 65 億 ルピから 第 11 次 5 カ 年 計 画 では 403 億 1,000 万 ルピに 大 幅 に 引 き 上 げられ 支 出 の 約 50%がインフラ 開 発 等 に 費 やされた 具 体 的 には 第 11 次 5 カ 年 計 画 では 食 品 加 工 産 業 に 関 して 3 つの 計 画 が 策 定 された すなわち 1メガフドパク 計 画 2コルドチェン 及 び 保 管 インフラ 整 備 と 高 付 加 価 値 化 計 画 3 食 肉 処 理 場 の 近 代 化 計 画 である 1と2は 民 間 セクタと 協 力 して 取 り 組 むPPPで の 実 施 が 計 画 されている 一 方 3は 地 方 当 局 の 主 導 で 実 施 されている メガフドパク 計 画 メガフドパクの 主 な 目 的 は 食 品 加 工 産 業 ( 特 に 果 実 / 野 菜 類 などの 腐 りやすいもの)に 優 れたインフ ラを 提 供 する 点 にあり 食 品 加 工 産 業 の 発 展 と( 特 に 地 方 での) 雇 用 機 会 の 創 出 を 目 標 としている この 計 画 を 通 じて 農 家 加 工 業 者 小 売 業 者 ( 市 場 )の 組 織 化 を 促 進 し 付 加 価 値 の 最 大 化 廃 棄 の 最 小 化 農 家 の 所 得 向 上 による 食 品 加 工 産 業 の 効 率 化 を 図 ることに 主 眼 が 置 かれている 具 体 的 には 食 品 加 工 産 業 のクラスタ としてメガフドパクを 位 置 づけた ハブ アンド スポク モデルを 想 定 している( 図 4.9 参 照 ) 農 家 のグルプ 自 助 グルプ 個 人 農 家 収 穫 センタ:Collection Centre(CC) 生 産 者 からの 収 穫 物 を 収 集 し CPC に 供 給 収 穫 センタ(CC)と 一 次 加 工 センタ(PPC)は 中 央 加 工 センタ(CPC)の 近 隣 に 立 地 し 注 文 に 応 じて CPC に 原 料 となる 農 産 物 及 び 一 次 加 工 一 次 加 工 センタ:Primary Processing Centre(PPC) 収 穫 センタからの 農 産 物 を 一 次 加 工 CPC に 供 給 事 前 冷 却 仕 分 け 格 付 け ワックス 処 理 包 装 一 時 保 存 産 品 を 供 給 する 中 央 加 工 センタ:Central Processing Centre(CPC) パルプ 化 無 菌 包 装 CA チャンバ 冷 温 貯 蔵 庫 QC ラボ 流 通 センタ 加 工 工 場 など 輸 出 業 者 付 加 価 値 製 品 等 を 小 売 店 へ 供 給 付 加 価 値 製 品 または 生 鮮 野 菜 等 を 小 売 店 へ 供 給 国 内 小 売 店 舗 図 4.9 メガフドパク モデル 出 典 :インド 中 央 政 府 計 画 委 員 会 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 34

第 11 次 5 カ 年 計 画 で 策 定 された 30 か 所 のメガフドパクを 設 立 計 画 は 現 在 までに 約 8 つのプロジェク トが 最 終 承 認 を 受 けている(アンドラプラデシュ 州 アッサム 州 ジャルカンド 州 カルナタカ 州 タミ ル ナド 州 パンジャブ 州 西 ベンガル 州 ウッタラカンド 州 ) このうち 計 画 が 最 も 進 行 しているのは アンドラプラデシュ 州 とウッタラカンド 州 のプロジェクトで 一 部 商 業 運 営 を 開 始 している なお 上 記 8 プロジェクトに 加 え マハラシュトラ 州 およびウッタル プラデシュ 州 のプロジェクトへの 最 終 承 認 も 承 認 予 定 となっている 食 品 加 工 産 業 に 関 する 国 家 的 使 命 続 く 第 12 次 5 カ 年 計 画 (2012~16 年 度 )では 前 期 計 画 を 踏 襲 しつつ 総 合 的 な 食 品 加 工 産 業 の 成 長 食 品 の 安 全 確 保 技 術 革 新 食 品 の 安 全 と 品 質 等 を 重 視 している こうした 政 府 支 援 は 国 内 の 食 品 加 工 産 業 の 主 要 な 担 い 手 が 中 小 零 細 企 業 であるために 業 界 全 体 の 発 展 のためには 政 府 財 源 による 支 出 が 不 可 欠 との 判 断 による こうした 政 府 の 狙 いとは 対 照 的 に 民 間 部 門 による 食 品 加 工 インフラへの 投 資 は 特 に 地 方 で 極 めて 低 い 状 況 にある この 結 果 地 方 の 食 品 加 工 産 業 は 細 分 化 され 組 織 的 なサプライチェンが 構 築 できない 状 況 で これが 地 方 の 食 品 加 工 産 業 における 高 コスト 体 質 と 収 益 低 下 をもたらし 結 果 的 に 食 品 加 工 インフラへの 大 規 模 投 資 をさらに 消 極 化 させるという 悪 循 環 を 生 みだしている 第 12 次 5 カ 年 計 画 で 策 定 されている 重 要 戦 略 食 品 加 工 産 業 に 関 する 国 家 的 使 命 (NMFP: National Mission on Food Processing)は 食 品 加 工 産 業 を 主 要 産 業 として 育 成 する 必 要 性 に 迫 られて 策 定 されたもので 食 品 加 工 産 業 省 は 地 域 間 のバランスに 配 慮 しながら NMFP に 沿 った 形 でインフラ 整 備 技 能 向 上 R&D 機 能 の 拡 充 等 を 推 進 する 方 針 だ なお 食 品 加 工 産 業 の 大 部 分 を 占 めるのは 地 方 の 中 小 企 業 であるため NMFP に 関 する 計 画 も 地 方 分 散 化 と 支 援 活 動 の 2 点 を 重 要 な 施 策 の 柱 としている 食 品 加 工 産 業 に 関 する NMFP の 目 的 は 次 のとおり 農 業 生 産 力 と 農 家 の 所 得 向 上 における 食 品 加 工 産 業 の 重 要 性 を 広 く 周 知 啓 蒙 すること 州 政 府 の 農 業 計 画 と 食 品 加 工 産 業 育 成 の 双 方 にシナジ 効 果 を 創 出 するべく 州 政 府 を 支 援 すること 各 州 に 存 在 する 制 度 やインフラの 間 のギャップを 解 消 する 州 政 府 の 取 組 を 支 援 することで 効 率 的 な 農 産 物 のサプライチェンを 創 出 すること 農 産 品 の 製 品 管 理 と 食 品 加 工 産 業 の 双 方 のニズを 満 たす 技 能 開 発 訓 練 起 業 支 援 に 関 する 取 組 を 推 進 すること 資 本 / 技 術 / 技 能 等 の 点 でニズに 応 じた 支 援 を 提 供 することで 食 品 加 工 施 設 の 設 立 や 近 代 化 の 面 で 中 小 企 業 を 支 援 すること 国 内 / 海 外 の 食 品 安 全 法 や 市 場 需 要 に 関 する 必 要 な 基 準 を 満 たすため 食 品 加 工 産 業 を 支 援 すること 第 12 次 5 カ 年 計 画 で 期 待 される 波 及 効 果 インフラ 開 発 やメガフドパクの 設 立 コルドチェンの 整 備 といった 取 組 を 継 続 することは 結 果 的 に 第 12 次 5 カ 年 計 画 で 策 定 されている NMFP に 沿 ったものとなり 食 品 加 工 産 業 では 未 だに 組 織 化 されてい Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 35

ない 地 方 中 小 企 業 への 波 及 効 果 が 期 待 される 同 計 画 における 総 額 約 1,500 億 ルピの 財 政 支 出 のうち 70% 近 い 約 1,030 億 ルピがフドパク 設 立 やコルドチェンの 整 備 食 肉 処 理 場 の 近 代 化 農 場 でのインフ ラ 整 備 その 他 の 食 品 加 工 設 備 に 割 り 当 てられる 計 画 だ こうした 財 政 支 援 は 食 品 加 工 産 業 全 体 で 総 額 約 3,500 億 ルピの 民 間 からの 追 加 投 資 を 呼 び 込 むと 期 待 されており メガフドパク 設 立 の 場 合 は 6 倍 ( 食 品 加 工 設 備 を 含 む) コルドチェン 整 備 の 場 合 は 2.5 倍 程 度 の 民 間 からの 追 加 投 資 が 期 待 されている 第 12 次 5カ 年 計 画 の 合 計 支 出 シェア 内 訳 (2012-2017) ( 単 位 :1,000 万 ルピ) 190 791 500 412 インフラ 開 発 計 画 食 品 加 工 業 に 関 する 国 家 的 使 命 1426 5225 実 務 機 関 の 強 化 計 画 ( 技 能 開 発 プロ グラムなど) 食 品 の 安 全 研 究 開 発 販 売 推 進 活 動 に 関 する 計 画 技 術 革 新 基 金 計 画 ベンチャ キャピタル 基 金 6533 第 12 次 5カ 年 計 画 の 財 政 融 資 (NMFPOにより 実 施 ) 図 4.10 提 案 計 画 別 第 12 次 5 カ 年 計 画 の 合 計 支 出 シェア 出 典 :インド 中 央 政 府 計 画 委 員 会 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 - 第 12 次 5カ 年 計 画 の 合 計 支 出 ( 単 位 :1,000 万 ルピ) 15,077 4,031 650 第 10 次 5カ 年 計 画 (2002-2007) 第 11 次 5カ 年 計 画 (2007-2012) 第 12 次 5カ 年 計 画 (2012-2017) 図 4.11 提 案 計 画 別 第 12 次 5 カ 年 計 画 の 合 計 支 出 シェア 出 典 :インド 中 央 政 府 計 画 委 員 会 仮 に 3,500 億 ルピの 民 間 追 加 投 資 がなされた 場 合 約 875 億 ルピの 追 加 的 な 価 値 創 出 効 果 が 期 待 される こうした 財 政 支 援 や 追 加 投 資 だけでなく 同 計 画 では 提 案 技 能 開 発 プログラム も 同 時 に 展 開 していること から 雇 用 機 会 創 出 効 果 が 期 待 されるだけでなく より 質 の 高 い 若 年 労 働 者 を 供 給 できる 体 制 が 準 備 される 等 のシナジ 効 果 が 期 待 されている Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 36

13.インド 食 品 加 工 産 業 の SWOT 分 析 前 述 の 課 題 に 基 づき インドの 加 工 食 品 市 場 に 関 する SWOT 分 析 を 実 施 した 結 果 の 要 点 を 記 すと 以 下 のように なります 長 所 1. 原 材 料 の 多 種 多 様 性 2. 巨 大 な 国 内 需 要 3. 家 計 に 占 める 食 費 の 高 さ(57% 超 ) 4. 国 土 全 域 の 広 大 な 製 造 施 設 ネットワク 5. 経 済 規 模 ビジネスチャンス 1. 都 市 化 識 字 率 1 人 当 たりの 推 定 国 民 所 得 の 増 加 2. 人 口 構 成 の 利 点 ( 人 口 の 55%が 29-59 歳 ) 3. 第 12 次 5 カ 年 計 画 の 韓 国 (2012-2017) 4. インド 政 府 が 国 際 市 場 関 係 者 へのインド 市 場 の 門 戸 開 放 に 意 欲 的 5. 政 府 主 導 の 技 能 開 発 と R&D が 盛 ん 6. 食 料 品 の 輸 出 入 に 関 して 戦 略 的 / 地 理 的 に 有 利 (インドからは 欧 州 極 東 東 南 ア ジア 西 アジアに 近 い) SWOT 分 析 短 所 1. 既 存 関 係 者 の 占 有 率 が 非 常 に 高 いため 食 品 加 工 産 業 への 新 規 参 入 間 口 がかなり 狭 い 2. 十 分 なインフラ 施 設 が 不 足 している 3. 仲 介 業 者 が 多 数 存 在 するためサプライチ ェンが 非 効 率 的 4. 国 際 基 準 に 則 った 品 質 管 理 の 欠 如 5. 収 穫 戦 後 の 農 産 物 の 管 理 体 制 が 貧 弱 懸 念 点 1. 比 較 的 に 製 品 単 価 が 高 い 2. 国 内 生 産 の 新 鮮 な 食 品 に 対 する 文 化 的 な 志 向 性 が 高 い 3. 投 資 額 が 高 い 割 には 回 収 まで 時 間 がかか る 4. 高 関 税 率 5. 包 装 / 梱 包 コストが 高 い Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 37

第 5 章 加 工 食 品 の 流 通 状 況 _ Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 38

第 5 章 加 工 食 品 の 流 通 状 況 1. 概 要 インドでは 流 通 面 で 加 工 食 品 メカが 仲 介 業 者 に 依 存 する 割 合 が 高 く 工 場 から 最 終 消 費 者 に 届 くまで に 多 数 の 仲 介 業 者 を 経 由 する その 過 程 で 流 通 コストがかさみ 食 品 産 業 ビジネスでは 流 通 経 路 が 最 も 重 要 な ポイントの 一 つとなっている また 食 品 加 工 技 術 が 相 対 的 に 低 いため 保 存 可 能 な 期 間 が 極 めて 短 い 点 も 食 品 輸 送 における 重 要 課 題 になっている 効 率 的 な 流 通 経 路 を 構 築 することは コスト 削 減 と 競 争 力 確 保 の 観 点 か ら 重 要 な 要 素 であり 流 通 網 を 制 する 者 が 市 場 を 制 すると 言 っても 過 言 ではない 状 態 にある 2. 流 通 経 路 の 構 造 インドの 一 般 的 な 食 品 流 通 経 路 には 輸 入 業 者 ( 国 際 市 場 向 け 製 品 の 場 合 ) 卸 売 業 者 流 通 業 者 運 搬 / 運 送 エジェント 販 売 エジェント 大 規 模 小 売 店 地 方 のキラナ ショップが 含 まれる( 下 図 ) 日 本 等 の 先 進 国 と 大 きく 違 う 点 は この 輸 送 経 路 が 必 ずしも 組 織 的 効 率 的 に 機 能 していない 点 にあり その 理 由 は 商 品 流 通 を 横 断 的 に 管 理 運 営 するシステムがハド( 貯 蔵 庫 やコルドチェンなど) ソフト( 在 庫 管 理 システムや 配 送 管 理 システムなど)の 両 面 で 不 足 しているためである 製 造 業 者 製 品 を 生 産 し C&Fエ ジェントまた は 流 通 業 者 に 配 送 C&F エジェント 製 造 業 者 が 生 産 した 製 品 を 保 管 し 各 地 に 所 在 する 流 通 業 者 に 配 送 流 通 業 者 製 造 業 者 か ら 発 注 を 受 ける 卸 売 業 者 に 製 品 を 供 給 卸 売 業 者 物 流 業 者 か ら 製 品 を 受 領 小 売 業 者 に 供 給 小 売 業 者 卸 売 業 者 か ら 発 注 を 受 ける 製 品 を 販 売 消 費 者 小 売 店 か ら 製 品 を 購 入 図 5.1 流 通 経 路 における 製 品 の 移 送 以 下 インドの 一 般 的 な 食 品 流 通 を 概 説 する Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 39

まず 食 品 メカによって 生 産 された 商 品 は 運 送 エジェントあるいは 特 定 卸 売 業 者 (C&FA)に 引 き 渡 される 運 送 エジェントあるいは 特 定 卸 売 業 者 は 工 場 - 倉 庫 間 の 商 品 運 送 と 製 品 の 保 管 と 配 送 に 責 任 を 持 ち 欠 品 が 生 じないように 補 助 保 管 場 所 として 機 能 する 日 本 でのイメジとしては 広 域 エリアをカバする 商 品 配 送 センタに 近 いかもしれない 別 の 言 い 方 をすると 日 本 ではこの 部 分 はメカ 側 に 属 する 機 能 だ と 言 える インドでもこうした 倉 庫 を 自 前 で 持 つメカや 代 理 店 があるが 外 注 するケスも 珍 しくない 日 本 のように 各 種 インフラが 整 備 され 管 理 システムが 縦 横 に 張 り 巡 らされた 社 会 においては こうした 商 品 運 送 や 保 管 機 能 を 外 注 することは 必 ずしも 効 率 的 ではないが 交 通 ネットワクや 通 信 インフラが 脆 弱 なイン ドでは こうした 商 品 を 保 管 する 拠 点 を 点 在 させて 市 場 との 物 理 的 距 離 間 を 縮 めない 限 り ニズに 即 応 した 商 品 供 給 が 困 難 である そのためには 配 送 拠 点 を 自 前 で 抱 えるよりは 外 注 した 方 が 低 コストであり その 分 より 多 くの 地 域 に 商 品 を 供 給 できる 地 場 資 本 やインド 市 場 に 深 く 入 り 込 んでいる 大 企 業 の 場 合 各 戦 略 拠 点 に 運 送 エジェントあるいは 特 定 卸 売 業 者 を 配 置 しており デリやムンバイ チェンナイ コルカタといっ た 大 都 市 では 複 数 の 運 送 エジェントあるいは 特 定 卸 売 業 者 がエリアあるいは 商 品 分 野 ごとに 分 担 している 日 本 企 業 の 場 合 は そこまでの 配 送 ネットワクを 構 築 しているケスはまだ 尐 ない なお メカの 規 模 あるいは 商 品 ロットが 尐 数 など 流 通 量 が 尐 ない 場 合 は 運 送 エジェントあるいは 特 定 卸 売 業 者 を 介 さずに 物 流 業 者 / 下 位 特 定 卸 売 業 者 に 配 送 を 依 頼 するケスもある 運 送 エジェントあるいは 特 定 卸 売 業 者 は 物 流 業 者 / 下 位 特 定 卸 売 業 者 からの 請 求 書 と 引 き 換 えに 商 品 を 引 き 渡 す 形 で 商 品 が 流 通 網 に 流 れる 通 常 運 送 エジェントあるいは 特 定 卸 売 業 者 のマジンは 2~3%で サプライチェンの 中 でもっとも 低 いと 言 われて いる 留 意 すべき 点 は これら 運 送 エジェントあるいは 特 定 卸 売 業 者 は 複 数 の 企 業 と 契 約 している 場 合 も 多 い 一 般 的 に 競 合 製 品 を 同 一 倉 庫 に 保 管 するようなことはさすがにしないが 商 品 管 理 上 の 保 秘 事 項 も 含 め た 契 約 書 上 の 確 認 は 最 低 限 必 要 である さて ここで 出 てきた 物 流 業 者 / 下 位 特 定 卸 売 業 者 という 存 在 が 非 常 にわかりにくいが これは 要 するに 代 理 店 のことで 代 理 店 契 約 に 基 づき 競 合 他 社 製 品 を 取 り 扱 うことはない 物 流 業 者 / 下 位 特 定 卸 売 業 者 は 需 要 と 消 費 傾 向 に 関 する 情 報 を 多 く 持 ち 対 象 地 域 をカバするために 多 くの 販 売 エジェントを 展 開 して 強 固 な 販 売 力 を 持 つ 地 縁 血 縁 に 基 づくコミュニティが 根 強 いインドでは この 代 理 店 機 能 を 持 つ 業 者 を 多 く 抱 えた 方 が 販 売 力 を 飛 躍 的 に 伸 ばせることはほぼ 間 違 いないが 現 在 のところ 日 本 企 業 の 場 合 は 日 本 人 駐 在 員 のいるデリやムンバイの 拠 点 からインド 北 部 と 单 部 をそれぞれ 担 当 する 代 理 店 をマネジメントしているケ スが 散 見 される 程 度 である この 代 理 店 が 脆 弱 なネットワクしかもたない 場 合 川 上 部 門 で 商 品 流 通 が 目 詰 まりを 起 こす 形 になるため この 業 者 選 定 は 非 常 に 重 要 である 逆 にここの 部 分 でよい 代 理 店 を 発 掘 できた 場 合 商 品 は 広 く 深 く 早 くインド 市 場 に 展 開 されていく 実 際 食 品 メカではないものの 日 本 企 業 で もそうした 理 想 的 なパタンで 進 出 を 果 たしたケスもある 物 流 業 者 / 下 位 特 定 卸 売 業 者 から 出 荷 された 後 の 商 品 流 通 過 程 でもう 一 つ 複 雑 である 点 は いわゆるキラナ のような 個 人 商 店 に 流 通 させる 場 合 と スパマケットのような 組 織 化 された 大 規 模 小 売 業 者 に 流 通 させ る 場 合 の 流 れが 若 干 異 なる 点 である 前 者 の 場 合 物 流 業 者 / 下 位 特 定 卸 売 業 者 から より 細 分 化 された 地 域 ネットワクを 持 つ 卸 売 業 者 に 販 売 され 特 定 地 域 で 高 い 市 場 浸 透 力 を 持 つ 卸 売 業 者 からキラナのような 小 規 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 40

模 小 売 店 舗 に 販 売 される ここでいう 卸 売 業 者 とは 日 本 のそれとは 尐 しイメジが 異 なり 販 売 エジェン トとも 言 われる 具 体 的 には 物 流 業 者 / 下 位 特 定 卸 売 業 者 が 販 売 エジェントを 展 開 しており 彼 らが 直 接 的 な 小 規 模 小 売 店 舗 との 営 業 窓 口 となる その 展 開 数 は 地 方 企 業 の 場 合 はおおよそ 10 エジェント 業 界 大 手 の 企 業 の 場 合 はおおよそ 100 超 であることが 一 つの 基 準 のようである 販 売 エジェントは 受 注 と 所 管 エリ アに 責 任 を 持 ち 所 管 エリア 内 の 各 店 舗 を( 製 品 カテゴリに 応 じて) 毎 日 または 週 に 1 回 程 度 訪 問 し 小 売 店 からの 注 文 を 取 りつける 販 売 エジェントが 受 け 持 つ 店 舗 数 は 店 舗 間 の 距 離 にもよるため 約 20~50 店 舗 / 日 と 開 きがある 販 売 エジェントは 小 売 店 から 注 文 された 製 品 を 配 達 し 翌 日 / 翌 週 配 達 予 定 の 製 品 受 注 リ ストを 回 収 する 回 収 した 情 報 は 最 終 的 に 物 流 業 者 / 下 位 特 定 卸 売 業 者 への 注 文 情 報 として 連 絡 される 他 方 後 者 の 場 合 は 物 流 業 者 / 下 位 特 定 卸 売 業 者 から 直 接 大 規 模 小 売 業 者 に 販 売 され 卸 売 業 者 は 仲 介 しない この 点 インド 小 売 市 場 の 大 半 を 占 める 小 規 模 小 売 店 舗 を 商 品 流 通 網 の 末 端 に 想 定 する 場 合 代 理 店 - 物 流 業 者 / 下 位 特 定 卸 売 業 者 - 卸 売 業 者 というインド 人 地 場 ネットワクの 機 能 性 がインドビジネスのカギを 握 る 日 本 企 業 の 場 合 インド 企 業 との 代 理 店 契 約 の 下 当 初 は 輸 出 を 行 い 現 地 法 人 設 立 後 はより 強 固 な 市 場 浸 透 力 を 必 要 とする 小 規 模 小 売 店 舗 への 販 路 開 拓 を 代 理 店 に 任 せて 大 規 模 小 売 業 者 への 販 路 を 現 地 法 人 の 所 管 へと 尐 しずつ 移 行 させる 形 で 機 能 の 強 化 分 担 を 図 るケスもある なお 流 通 過 程 の 各 段 階 において 関 与 する 上 記 の 人 々が 得 るマジンは 前 述 のように 代 理 店 が 2~3% 物 流 業 者 / 下 位 特 定 卸 売 業 者 と 卸 売 業 者 の 受 け 取 る マジンは それぞれ 通 常 5~10%とされる 末 端 の 小 売 業 者 のマジン 率 は 最 も 高 く 10~15%である ここで 述 べた 流 通 構 造 は インドにおける 一 つの 基 本 形 である ボリュムゾンへの 商 品 展 開 を 図 る 場 合 小 売 業 者 との 良 好 な 関 係 を 維 持 する 必 要 があることはインド 全 域 を 通 じて 共 通 しており 販 売 推 進 活 動 に 責 任 を 持 つ 代 理 店 ( 物 流 業 者 / 下 位 特 定 卸 売 業 者 )が 販 売 成 績 の 良 い 小 売 業 者 に 対 して 定 期 的 にオトバイ/ 自 動 車 や 旅 行 等 をプレゼントすることが 一 般 化 している しかし 商 品 供 給 体 制 や 物 理 的 な 輸 送 手 段 販 売 エジェ ントのコミュニケション 方 法 や 情 報 共 有 体 制 などといった 日 常 業 務 を 支 える 各 システムは それぞれの 地 域 の 所 得 水 準 や 文 化 慣 習 に 合 わせてカスタマイズされるのがインドの 一 般 的 状 況 である 日 本 ではユニクロに 代 表 されるように 開 発 製 造 流 通 といった 各 機 能 を 統 合 する 経 営 手 法 で 低 価 格 を 実 現 する 方 向 にあるが 上 記 のように インドの 食 品 流 通 構 造 はそうした 発 展 段 階 にない 方 向 性 としては 先 進 国 と 同 様 の 効 率 化 を 追 求 する 傾 向 にあるが 現 時 点 で 一 足 飛 びにこうした 手 法 がインドの 社 会 システムに 馴 染 む かどうかは 別 問 題 である 流 通 構 造 一 つを 見 ても まるで 一 つの 商 品 から 尐 しでも 経 済 的 なパイを 得 ようと 人 々が 群 がっているような 状 況 であり 別 の 言 い 方 をすればそれなりのワクシェアリングが 成 立 していると も 言 える 今 後 インドが 発 展 していく 過 程 で 効 率 化 は 不 可 避 であるものの 一 方 で 取 りこぼされていく 人 々 への 配 慮 がなければインド 市 場 への 浸 透 力 にも 限 界 がある 点 を 慎 重 に 考 慮 した 戦 略 展 開 が 必 要 である Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 41

製 造 工 場 マジン:5~10% 運 搬 / 運 送 エジェント 特 定 卸 売 業 者 マジン:2~3% マジン:5~10% 物 流 業 者 / 下 位 特 定 卸 売 業 者 Distributors/ マジン:10~15% 製 品 の 流 れ 情 報 の 流 れ 卸 売 業 者 組 織 化 された 大 規 模 小 売 業 者 マジン:10~15% 地 方 の 小 売 業 者 キラナ ショップ マジン:10~15% 図 5.2 流 通 経 路 の 構 造 注 :マジン 率 は 回 答 者 の 供 述 に 基 づきます 流 通 業 者 / 特 定 卸 売 業 者 の 大 多 数 は 独 自 の 戦 略 的 倉 庫 を 持 ち そこで 製 品 を 貯 蔵 し 卸 売 業 者 または 小 売 業 者 に 配 送 す る 倉 庫 の 一 般 的 な 面 積 は 1000~5000 平 方 フィト(93 ~465 平 方 メトル)で メカ 所 有 代 理 店 所 有 ロ ジスティクス 会 社 所 有 など 様 々な 形 態 がある 一 般 的 に は 流 通 業 者 / 特 定 卸 売 業 者 レベルでは 特 定 メカ/ブラ ンドの 製 品 を 保 管 し 卸 売 業 者 レベルではさまざまなメ カ/ブランドの 製 品 を 保 管 する 図 5.3 流 通 業 者 の 一 般 的 な 倉 庫 3. 輸 送 手 段 インドでは 貨 物 の 半 数 以 上 (55%)がトラックによる 自 動 車 輸 送 である これは 製 品 の 輸 送 手 段 としても っとも 一 般 的 である ちなみに インドの 鉄 道 網 は 世 界 でも 最 大 規 模 のひとつだが 鉄 道 輸 送 の 占 める 割 合 は 約 25%に 過 ぎない その 理 由 は 接 続 性 の 高 さと 地 方 と 都 市 部 の 両 方 で 交 通 網 が 隅 々まで 発 達 していることに 加 え 鉄 道 の 運 用 の 不 正 確 さが 挙 げられる そのため 港 に 到 着 したコンテナ 貨 物 なども 不 規 則 かつ 遅 延 が 多 発 する 鉄 道 輸 送 よりも トラック 輸 送 で 運 搬 することが 一 般 的 である Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 42

空 輸 (2%) インドにおける 貨 物 輸 送 手 段 船 舶 (18%) 鉄 道 (25%) 自 動 車 (55%) 図 5.4 インドの 貨 物 輸 送 手 段 出 典 :インド 産 業 連 盟 アンスト アンド ヤングの 報 告 書 現 時 点 では 主 要 都 市 では 渋 滞 などが 交 通 事 情 は 悪 いものの 接 続 性 の 高 さの 点 からトラック 輸 送 が 主 力 である なお インドのトラックの 最 大 積 載 重 量 は 16.2 トンと 米 国 (36 トン)の 半 分 以 下 一 日 当 たりの 移 動 可 能 距 離 は 250~300 km/ 日 で 国 際 標 準 (600~800 km/ 日 )の 半 分 以 下 の 水 準 である また インド 全 土 で 55 万 に 上 る 農 村 のうち 道 路 網 がカ バしているのは 約 48%である 道 路 網 に 占 める 割 合 2%に 過 ぎない 高 速 道 路 に 全 貨 物 の 約 40%が 集 中 し さらにデリ ムンバイ 間 のエリアに インド 全 物 流 の 6 割 以 上 が 集 中 する この 結 果 大 市 場 を 構 成 するエリ アを 中 心 に 交 通 渋 滞 が 頻 発 し 輸 送 の 遅 延 が 発 生 する 図 5.5 一 般 的 な 製 品 輸 送 に 使 用 され るトラック こうした 状 況 を 鑑 み インド 中 央 政 府 は 国 土 全 体 の 接 続 性 改 善 を 目 的 としてインド 国 立 高 速 道 路 局 (NHAI) を 設 立 した NHAI は 80~90 億 米 ドルを 投 じて 3500 km 以 上 の 道 路 敶 設 計 画 を 策 定 し 高 速 道 路 敶 設 計 画 に 関 する 2009~2012 年 の 総 投 資 額 は 500 億 米 ドルを 超 えると 予 測 されている Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 43

国 営 高 速 道 路 は 全 道 路 網 の わずか2% 高 まる 輸 送 負 荷 を 支 える キャパシティ 不 足 地 方 の 接 続 性 とインフラが 不 足 図 5.6 インドの 道 路 網 の 接 続 性 に 関 するボトルネック 出 典 :アンスト アンド ヤングの 報 告 書 自 動 車 輸 送 より 安 上 がりにもかかわらず 鉄 道 輸 送 は 貨 物 輸 送 全 体 の 25%を 占 めるに 過 ぎない 一 般 的 に 道 路 輸 送 に 比 べ 柔 軟 性 に 欠 ける 点 が 主 な 要 因 とされているが 最 大 の 問 題 は 政 府 機 関 の 独 占 状 態 にあることで その 結 果 流 通 プロセスの 非 効 率 化 につながっていることが 最 大 の 要 因 と 見 られている 例 えば インド 中 央 政 府 は 鉄 道 網 で 貨 物 列 車 を 運 営 するライセンスを 民 間 企 業 に 発 行 しているが 鉄 道 網 自 体 は 政 府 機 関 によって 管 理 運 営 されており 一 体 的 かつ 柔 軟 な 貨 物 鉄 道 の 運 営 を 阻 害 している 第 11 次 5 カ 年 計 画 では 鉄 道 関 連 インフラ 設 備 の 構 築 に 550 億 米 ドルが 投 じた 鉄 道 網 整 備 が 予 定 されており 貨 物 専 用 鉄 道 建 設 事 業 (DFC; 推 定 60 億 米 ドル)も 含 まれていることから 貨 物 積 載 量 の 増 加 と 輸 送 時 間 の 短 縮 が 期 待 されているが より 根 本 的 な 問 題 として 運 用 の 効 率 化 を 実 現 するための 抜 本 的 取 組 が 必 要 と 思 われる 4.インドの 加 工 食 品 の 流 通 における 課 題 さまざまな 研 究 によって インドは 2025 年 まで 食 品 生 産 を 自 給 自 足 可 能 なことが 明 らかにされているが 生 産 よりも 流 通 がより 深 刻 な 問 題 として 認 識 されている 現 在 インドの 果 実 / 野 菜 類 生 産 の 約 40%は 冷 温 貯 蔵 施 設 の 不 足 や 脆 弱 な 流 通 機 構 大 部 分 の 製 造 業 者 と 小 売 業 者 が 組 織 化 されておらず 基 本 的 な 保 管 設 備 す らないなどの 理 由 で 腐 らせて 廃 棄 されている Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 44

最 大 の 課 題 は 各 食 品 分 野 あるいは 各 地 域 の 特 性 に 応 じた 流 通 機 構 のカスタマイズである インド 国 際 経 済 関 係 研 究 所 (ICRIER)による と インドのアン オガナイズド リテル( 伝 統 的 な 小 売 商 店 ) は 小 売 部 門 の 90% 以 上 を 占 めており 大 量 の 消 費 者 に 製 品 が 供 給 して いる この 伝 統 的 な 小 売 商 店 は キラナ と 呼 ばれ 家 族 経 営 の 卖 独 店 舗 で 他 店 舗 とのつながりはもちろん 仕 入 先 とも 情 報 ネットワク などのつながりはなく 電 話 あるいは 販 売 エジェントを 介 しての 受 発 注 がなされるのみである こうした 店 舗 は 食 品 店 (パン 製 品 乳 加 工 製 品 飲 料 の 販 売 ) キラナ ショップ(パン 製 品 乳 加 工 製 品 家 庭 用 日 用 品 飲 料 穀 物 豆 類 スパイス 食 用 油 の 販 売 ) 果 実 / 野 菜 類 販 売 店 を 中 心 に 成 立 しており インド 人 は 所 得 層 にかかわりな 図 5.7 一 般 的 なキラナ ショップ く 日 用 品 をこういった 店 で 購 入 する キラナ ショップは 卖 独 経 営 であるうえに 共 通 の 情 報 ネットワクを 持 たないため 個 別 に 注 文 を 取 る 必 要 があり 標 準 的 なアプロチ 方 法 がない こうした 状 況 が 小 売 部 門 における 製 品 流 通 の 複 雑 化 (あるいは 属 人 化 )を 高 めている 事 例 研 究 :ヒンドゥスタン ユニリバの 流 通 システム ヒンドゥスタン ユニリバ(HUL)は 英 蘭 資 本 の 大 企 業 ユニリバの 子 会 社 で インド 最 大 の 日 用 消 費 財 メカ インド 国 内 に 40 か 所 以 上 の 製 造 工 場 を 有 する 製 品 ラインは 石 鹸 洗 剤 シャ ンプ スキンケア 製 品 化 粧 品 消 臭 剤 芳 香 剤 などの 家 庭 用 日 用 品 のほか お 茶 コヒ ブラ ンド 小 麦 粉 トマト 製 品 アイスクリム ジャム スカッシュでも 市 場 の 上 位 を 占 める 製 品 の 大 部 分 は 都 市 部 と 地 方 を 問 わず 非 常 に 高 いブランド 認 知 度 を 誇 る 同 社 は スピディかつ 効 率 的 に 適 切 な 商 品 を 適 切 な 場 所 へ 適 切 なタイミングで 配 送 する 流 通 ネッ トワクを 構 築 した この 流 通 ネットワク/システムによって 製 品 の 安 定 供 給 が 保 証 されるだけで なく 関 係 者 と 建 設 的 な 取 引 関 係 も 開 発 維 持 されたという HUL の 流 通 システム 構 造 HUL の 流 通 ネットワクは 国 内 のほとんどすべての 地 域 に 大 半 の 製 品 の 供 給 を 可 能 にしている 点 で 他 社 にはない 重 要 な 強 みのひとつとなっている HUL の 各 事 業 部 は 部 署 ごとに 目 標 を 達 成 できる よう 流 通 ネットワクをカスタマイズしている 最 も 特 徴 的 な 機 能 は 同 社 の 製 品 を 最 終 消 費 者 に 直 接 配 送 する 点 にある Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 45

ヒンダスタン ユニリバ 運 搬 / 運 送 エジェント 再 販 委 託 業 者 卸 売 業 者 地 方 の 小 売 業 者 都 市 部 の 小 売 業 者 消 費 者 図 5.8 ヒンドゥスタン ユニリバの 流 通 システム 出 典 :ヒンドゥスタン ユニリバのポタルサイト HUL の 流 通 ネットワクは 一 般 的 に 運 搬 / 運 送 エジェント(C&FA) 再 販 売 卸 売 業 者 (RS) 卸 売 業 者 小 売 業 者 から 構 成 される 通 常 工 場 で 生 産 した 商 品 は 外 部 委 託 している 運 搬 / 運 送 エジ ェントによって 倉 庫 に 配 送 される 運 搬 / 運 送 エジェントは 商 品 管 理 と 配 送 を 請 け 負 っており 市 場 での 欠 品 を 生 じさせないための 補 助 保 管 場 所 として 機 能 している これにより 配 送 時 のコストが 削 減 さ れ タイムラグが 短 縮 される 他 方 各 市 町 村 には 尐 なくとも 1 名 の 再 販 売 卸 売 業 者 を 常 駐 させ 運 搬 / 運 送 エジェントから 受 け 取 った 商 品 を 卸 売 業 者 または 小 売 店 に 直 接 販 売 する 再 販 売 卸 売 業 者 は 在 庫 管 理 と 配 送 に 加 え 在 庫 への 出 資 貯 蔵 施 設 や 労 働 力 の 提 供 販 売 推 進 活 動 の 実 施 販 売 / 在 庫 デ タの 報 告 なども 行 う 特 に 地 方 では 遠 隔 地 でも 商 品 の 安 定 供 給 を 実 現 するため 卸 売 業 者 を 配 置 し 2 週 間 に 1 回 以 上 は 所 管 エリアの 全 農 村 を 回 ることがノルマであり 必 要 に 応 じて 市 場 に 在 庫 を 配 送 する 責 任 がある IT の 活 用 HUL では 2001 年 に RS ネット 戦 略 を 立 ち 上 げ インタネットベスのシステムを 利 用 してす べての 再 販 売 卸 売 業 者 (RS)に 接 続 している 現 在 家 庭 用 日 用 品 と 食 品 / 飲 料 の2つの 事 業 に 属 する 再 販 売 卸 売 業 者 をカバしており その 数 は 1200 市 町 村 に 及 ぶ HUL の 売 上 高 に 占 める 両 事 業 のシェ アは 約 80% RS ネットは インド 最 大 の 企 業 間 電 子 商 取 引 戦 略 のひとつとなっている RS ネットは 再 販 売 卸 売 業 者 の 独 自 取 引 システムと 連 動 し 在 庫 と 二 次 販 売 の 監 視 を 可 能 にすると 共 に 再 販 売 卸 売 業 者 からの 注 文 と 在 庫 管 理 を 最 適 化 し 注 文 派 遣 情 報 共 有 監 視 に 関 する 相 互 通 信 がオンラインベ スで 毎 日 行 われる このネットによって 商 品 の 安 定 供 給 が 種 類 場 所 時 間 を 選 ばず 可 能 になり 保 管 在 庫 の 削 減 によるコスト 削 減 とサプライチェンの 拡 張 による 効 率 性 向 上 に 寄 与 している 流 通 経 路 における 技 術 革 新 戦 略 (プロジェクト シャクティ) インドの 人 口 の 大 部 分 は 地 方 在 住 者 である 石 鹸 や 洗 剤 といった 商 品 カテゴリでは 収 益 の 50% 以 上 が 地 方 での 売 り 上 げによる このため 地 方 市 場 はHULにとって 重 要 な 市 場 と 認 識 されている この ため 地 方 での 商 品 のさらなる 市 場 浸 透 と 長 期 的 な 需 要 を 取 り 込 むため HUL は 2001 年 から プロジ ェクト シャクティ を 開 始 した このプロジェクトは アンドラプラデシュ 州 のナルゴンダ 地 区 で 試 験 実 施 され 現 在 ではカルナタカ 州 グジャラト 州 オリッサ 州 パンジャブ 州 ラジャスタン 州 チャッティスガル 州 ウッタル プラデシュ 州 マドヤ プラデシュ 州 タミル ナド 州 マハラシュトラ 州 西 ベンガル 州 の 各 州 に 拡 張 され 63 万 8000 の 農 村 のうち 80,000 拠 点 に HUL のアクセスポイントが 設 置 された Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 46

運 搬 / 運 送 エジェント 相 互 扶 助 貯 蓄 団 体 1 Mutually Aided Cooperative Thrift Society 1 相 互 扶 助 貯 蓄 団 体 2 Mutually Aided Cooperative Thrift Society 2 相 互 扶 助 貯 蓄 団 体 3 Mutually Aided Cooperative Thrift Society 3 自 助 グルプ1 自 助 グルプ4 自 助 グルプ7 自 助 グルプ2 自 助 グルプ5 自 助 グルプ8 自 助 グルプ3 自 助 グルプ6 自 助 グルプ9 消 費 者 図 5.9 プロジェクト シャクティ 銀 行 /NBFC Bank/ NBFC Micro 小 規 模 credit 融 資 Repayment 返 済 自 助 グルプ SHG 消 費 者 Consumers Goods/ 製 品 / info 情 報 現 Cash 金 NGO NGO SHG SHG 連 合 federation Goods/ 製 品 / 情 info 報 現 金 Cash HUL 図 5.10 プロジェクト シャクティ このプロジェクトにより HUL は 新 しい 販 売 経 路 の 構 築 に 成 功 した この 計 画 では HUL が 地 方 在 住 の 女 性 に 必 要 な 訓 練 と 小 規 模 融 資 を 行 い 同 社 の 自 社 直 通 販 売 流 通 業 者 とする 彼 女 ら シャクティ 起 業 家 は HUL の 地 方 流 通 業 者 から 商 品 を 購 入 し 農 村 の 消 費 者 や 小 売 業 者 に 直 接 販 売 する この 事 業 は 卖 純 にHULの 販 路 構 築 だけでなく 女 性 の 自 立 と 所 得 上 昇 の 観 点 から 社 会 的 評 価 も 高 く HUL の 評 価 を 高 めた シャクティ 起 業 家 はそれぞれ 人 口 1,000~2,000 人 程 度 の 6~10 の 農 村 でサビスを 提 供 している HULの プロジェクト シャクティ 最 高 責 任 者 であるダリップ セガル 氏 は 次 のように 語 る こうした 小 規 模 起 業 家 は ロリスク ハイリタンの 恩 恵 を 受 けます 流 通 製 品 には 地 方 消 費 者 に 特 別 に 関 連 する 幅 広 い 大 量 販 売 製 品 が 含 まれます Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 47

ハルディラムの 事 例 研 究 :オンラインショッピングにおける 商 談 の 活 用 ハルディラムは スナックとインスタント 食 品 のカテゴリでインドで 最 も 知 名 度 が 高 いブランドだ 幅 広 い 製 品 ラインナップがあり 主 力 商 品 はナムキン スイツ シャルバット パン 食 品 乳 製 品 パパド アイスクリム 等 だ 特 にナムキン( 昔 ながらのインドのスナック)が 主 力 商 品 で 総 収 益 の 60% 以 上 を 占 める 同 社 はもともと ナムキンの 製 造 を 専 門 とし ニッチ 市 場 を 構 築 した そしてその 主 力 商 品 を 地 域 の 志 向 や 好 みに 合 わせて 地 域 ごとにカスタマイズした 近 年 では 品 質 向 上 に 努 め 同 社 ナグプル 工 場 は 製 造 施 設 の 品 質 と 衛 生 に 関 して 高 い 基 準 を 維 持 していることを 賞 され スペインの Trofeo International Alimentacion of Barcelona から 国 際 食 品 章 を 授 与 され 国 内 外 でブランド 認 知 度 高 ま っている 海 外 にも 可 能 な 限 り 幅 広 く 展 開 するため 長 年 に 渡 り ハルディラムは 強 固 な 流 通 ネットワクを 開 発 してきた インドの 通 常 の 流 通 ネットワクと 同 様 商 品 は 工 場 から 運 搬 / 運 送 エジェント(C&F) に 受 け 渡 される 運 搬 / 運 送 エジェントは 製 品 を 代 理 店 に 受 け 渡 し 最 終 的 に 小 売 店 舗 に 配 送 され る 同 社 デリ 工 場 では 25 の 運 搬 / 運 送 エジェントと 700 の 代 理 店 を 抱 え ナグプル 工 場 では 25 の 運 搬 / 運 送 エジェントと 375 の 代 理 店 を 抱 える また 海 外 にも 35 の 代 理 店 がある デリ 工 場 と ナグプル 工 場 を 併 せると インド 国 内 で 60 万 店 舗 の 小 売 店 に 出 荷 している なお 運 搬 / 運 送 エジ ェントのコミッションは 約 5% 代 理 店 のマジンは 8%~10% 同 社 の 特 筆 すべき 点 は オンライン 販 売 を 開 始 して 新 たな 流 通 網 を 構 築 した 点 にある 同 社 は Times of India 社 が 所 有 する indiatimes.com という Web サイトとタイアップし 商 品 のオンライン 販 売 を 行 っている 海 外 在 住 の 顧 客 はハルディラムのギフトパックをインド 国 内 の 指 定 した 場 所 に 送 付 す ることができる また 地 域 専 用 の Web サイトを 利 用 すると 顧 客 は 指 定 地 域 にギフトを 送 付 でき る こうした 戦 略 によって ハルディラムは 市 場 でのブランドの 地 位 を 確 固 たるものにした 5. 加 工 食 品 の 流 通 における 重 要 な 成 功 要 因 流 通 網 の 効 率 性 を 検 討 するうえで 重 要 な 要 因 は 次 のようにまとめられる 1. 長 期 的 視 野 インドの 加 工 食 品 市 場 の 将 来 性 は 高 いが 効 率 的 な 流 通 網 の 構 築 には 時 間 及 び 資 金 的 コスト インド の 流 通 構 造 等 への 理 解 が 必 要 である 効 率 的 な 流 通 網 なくしてブランド 浸 透 は 望 めない 同 時 に 価 格 戦 略 の 観 点 からは 市 場 への 浸 透 のためには 低 価 格 戦 略 が 大 原 則 となる この 2 つの 要 素 を 缶 あげ 合 わせると 論 理 的 には 莫 大 な 投 資 を 薄 利 多 売 で 回 収 する 形 となり 投 資 回 収 計 画 は 長 期 化 する こ の 点 そこまで 腰 を 据 えた 形 での 事 業 展 開 を 意 思 決 定 できるかどうか(あるいはすべきかどうか)が 重 要 なポイントである 近 年 インド 企 業 が 集 積 するムンバイで 日 本 企 業 によるインド 企 業 の 買 収 が 相 次 いだ 買 収 されたインド 側 企 業 の 共 通 項 は 非 財 閥 系 の 業 界 トップクラスの 老 舗 企 業 と 言 う 点 で ある この 点 は インド 市 場 でのシェア 獲 得 を 目 指 す 場 合 販 路 や 流 通 網 アフタサビス 網 の 整 備 が 急 務 であることから インド 企 業 の 買 収 を 決 断 する 企 業 が 多 いことを 示 唆 している インド 企 業 の 買 収 は 相 手 が 製 造 業 である 場 合 は ネットワクだけでなく ブランドや 生 産 設 備 も 同 時 に 入 手 できるため 先 進 国 向 けブランドと 新 興 国 向 けブランドの 使 い 分 け 製 品 の 住 み 分 けが 可 能 になるメ リットもある 2. 国 際 サプライチェンの 導 入 とカスタマイズ Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 48

インドの 食 品 加 工 産 業 は 現 時 点 では 非 効 率 性 だが その 成 長 性 は 高 く 川 下 ( 小 売 部 門 )から 川 上 ( 製 造 部 門 )へと 商 品 管 理 システム 等 を 介 した 組 織 化 が 進 んでいる 小 売 業 者 と 製 造 業 者 の 間 には 適 切 な 発 注 計 画 在 庫 計 画 製 造 計 画 を 確 実 にするために リアルタイムの 市 場 デタに 対 するニ ズが 高 まっている また 政 府 もそうした 産 業 の 高 度 化 を 支 援 している その 点 国 際 的 なサプライ チェンを 導 入 する 絶 好 の 機 会 である 他 方 これまでのインドの 食 品 加 工 産 業 における 流 通 網 改 善 の 成 功 例 からは 社 会 システムや 地 域 事 情 慣 習 を 踏 まえたカスタマイズを 行 うことが 長 期 間 機 能 す る 流 通 網 構 築 の 木 ワドであるようにも 考 えられる 3. 流 通 経 路 における 影 響 力 分 析 複 雑 で 組 織 化 されていない 現 在 のインドの 流 通 構 造 においては 流 通 経 路 の 各 局 面 で 関 係 する 地 場 利 害 関 係 者 の 影 響 力 が 非 常 に 強 い 自 社 の 流 通 網 における 各 利 害 関 係 者 の 影 響 力 や 管 理 能 力 について 報 酬 ( 流 通 経 路 の 関 係 者 へのマジンやコミッション)や 専 門 知 識 の 影 響 力 (ノウハウ 知 識 販 売 力 その 他 の 利 害 関 係 者 との 信 頼 関 係 人 間 関 係 ) 情 報 量 ( 需 給 デタの 有 無 管 理 手 法 ) 法 律 面 の 対 応 力 等 につき 新 規 参 入 者 は 様 々な 観 点 から 把 握 しておく 必 要 がある パトナ 企 業 の 経 験 値 や 影 響 力 はビジネスの 成 否 に 大 きく 影 響 するファクタである ただし このことは 現 地 側 パ トナに 任 せれば 良 いということではない 4. 先 進 分 野 と 後 進 分 野 の 戦 略 的 開 発 市 場 シェアを 獲 得 するには 一 般 的 に 販 売 網 と 調 達 網 の 両 方 を 同 時 に 開 拓 する 必 要 がある インド の 食 品 加 工 産 業 (および 市 場 )は 発 展 途 上 にあるため その 成 長 に 合 わせた 商 品 の 投 入 と 調 達 する 部 材 の 適 正 化 を 図 る 必 要 がある これまでインド 企 業 の 成 功 例 とされてきた 流 通 網 の 改 革 事 例 の 多 くは ITCの e チョパルやアムルの 事 例 のように 調 達 から 販 売 まで 一 気 通 関 のバリュチェンを 各 地 に 展 開 することが 巨 大 な 細 分 化 された 市 場 での 成 功 の 一 要 素 であることを 示 している Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 49

第 6 章 インドの 流 通 状 況 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 50

第 6 章 インドの 流 通 状 況 1. 地 場 企 業 へのアンケト 結 果 JETRO は 大 型 全 国 展 開 スパマケット 地 域 基 盤 の 中 小 型 スパ-マケット 地 域 の 個 人 経 営 雑 貨 店 ( 一 般 にキラナ 店 と 呼 ばれる)3 つの 主 要 小 売 店 部 門 に 区 分 けされる 全 国 450 店 について 調 査 を 行 った こ れは 購 買 客 の 大 部 分 が 異 なる 種 類 の 加 工 食 品 のショッピングに 出 かける 典 型 的 な 場 所 である 本 調 査 の 目 的 は その 関 係 者 から 加 工 食 品 の 供 給 に 関 する 情 報 を 収 集 する 点 にある 調 査 では 質 問 票 ( 付 表 参 照 )に 基 づき 店 舗 経 営 者 店 長 調 達 担 当 者 等 から 聞 き 取 りを 行 ったほか 主 要 企 業 の 経 営 者 から 加 工 食 品 の 流 通 に かかる 様 々な 問 題 や 一 般 事 情 を 聴 取 した インドの 加 工 食 品 産 業 の 成 長 率 は 高 く 多 くの 回 答 者 が 需 要 増 加 若 年 労 働 人 口 の 増 加 都 市 部 における 組 織 化 された 小 売 店 の 増 加 ならびに 食 品 衛 生 面 および 栄 養 面 の 認 識 向 上 などを 理 由 に 業 界 を 及 び 市 場 に 対 する 将 来 性 を 述 べた 現 況 では ミルクとその 加 工 品 加 工 穀 物 果 物 と 野 菜 肉 と 海 産 物 菓 子 および 飲 料 が 主 要 な 加 工 食 品 のカテゴリである 調 理 済 食 品 もまた インドの 台 所 に 徐 々に 浸 透 しつつある 小 売 店 によって 提 供 されるブランド 加 工 食 品 84 75 71 68 59 51 14 9 イ ン ス タ ン ト 食 品 果 物 と 野 菜 ミ ル ク と そ の 加 工 品 肉 お よ び 家 禽 海 産 物 加 工 穀 物 菓 子 そ の 他 図 6.1 小 売 店 によって 提 供 される 加 工 食 品 の 種 類 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 51

調 査 対 象 のうち 84%の 小 売 店 では 有 名 ブランドの 調 理 済 食 品 を 扱 っている 一 方 で 肉 類 および 家 禽 (14%) 魚 介 類 (9%)を 扱 う 小 売 店 は 非 常 に 尐 ない これらの 商 品 は 組 織 化 された 小 売 店 よりも 一 般 雑 貨 店 でより 多 く 販 売 される 店 類 ごとに 提 供 されるブランド 加 工 食 品 81 67 インスタント 食 品 果 物 と 野 菜 ミルクとその 加 工 品 肉 および 家 禽 海 産 物 加 工 穀 物 菓 子 85 85 81 75 71 73 74 70 69 64 60 58 59 25 18 17 7 スパマケット 地 域 基 盤 の 小 型 スパ-マケット 雑 貨 店 図 6.2 店 類 ごとに 提 供 される 加 工 食 品 の 種 類 ブランド 加 工 食 品 の 供 給 者 15 16 16 16 16 16 16 取 扱 実 績 なし 79 84 71 85 85 65 68 66 多 数 会 社 の 多 くのブ ランドを 供 給 する 販 売 代 理 業 者 6 イ ン ス タ ン ト 食 品 果 物 と 野 菜 13 15 15 19 18 ミ ル ク と そ の 加 工 品 肉 お よ び 家 禽 海 産 物 加 工 穀 物 菓 子 そ の 他 問 屋 会 社 指 定 販 売 代 理 業 者 会 社 から 直 接 図 6.3 加 工 食 品 の 供 給 者 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 52

加 工 食 品 のブランドの 大 半 は その 銘 柄 を 製 造 する 会 社 指 定 の 販 売 代 理 業 者 により 供 給 されている 加 工 穀 類 (65%)および 野 菜 果 物 (84%)などの 製 品 は 主 に 問 屋 から 調 達 される ミルクとその 加 工 品 の 一 部 (13%)は 当 該 製 造 会 社 から 直 接 調 達 されている ブランド 品 のうち 業 者 は 肉 と 家 禽 および 海 産 物 で 最 も 高 い 販 売 マジン(21% 以 上 )で 納 品 を 行 う 一 方 その 他 の 分 類 では 11-12%のマジン 幅 に 留 まる また 地 元 地 域 ブランド 製 品 については 12-20%の 回 答 者 が 地 域 の 業 者 による 納 品 が 21% 以 上 を 占 めるとする 一 方 他 の 製 品 分 類 では 約 3 割 の 回 答 者 が 16-20%のマジンであると 回 答 している 小 売 店 特 にスパマケットでは 肉 類 や 魚 介 類 を 販 売 する 業 者 はほとんどなく 地 元 地 域 ブランドの 肉 類 および 魚 介 類 を 販 売 すると 述 べた 回 答 者 は 皆 無 であった 肉 類 家 禽 類 のマジンは 比 較 的 高 く ほとんどの 回 答 者 が 21% 以 上 と 答 えた 供 給 者 からの 販 売 マジン - ブランド 製 品 33 33 34 50 50 51 取 扱 実 績 なし 33 34 33 82 82 21% 以 上 '16-20% 34 33 33 イ ン ス タ ン ト 食 品 果 物 と 野 菜 ミ ル ク と そ の 加 工 品 15 2 1 肉 お よ び 家 禽 4 6 5 3 海 産 物 50 50 49 加 工 穀 物 菓 子 そ の 他 '11%-15% '5%- 10% Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 53

供 給 者 からの 販 売 マジン - 地 元 地 域 ブランド 製 品 6 16 18 5 16 取 扱 実 績 なし 48 35 12 28 62 48 21% 以 上 37 100 100 '16-20% 21 16 23 21 '11%-15% 14 9 8 27 13 20 28 22 16 14 9 8 '5%- 10% イ ン ス タ ン ト 食 品 果 物 と 野 菜 ミ ル ク と そ の 加 工 品 肉 お よ び 家 禽 海 産 物 加 工 穀 物 菓 子 そ の 他 供 給 者 からの 販 売 マジン - 小 売 業 者 の 自 社 ブランド 製 品 22 34 21 6 6 31 15 35 33 45 取 扱 実 績 な し 21% 以 上 48 29 48 30 52 29 45 25 '16-20% 30 37 30 33 27 36 23 30 '11%-15% イ ン ス タ ン ト 食 品 果 物 と 野 菜 ミ ル ク と そ の 加 工 品 肉 お よ び 家 禽 海 産 物 加 工 穀 物 菓 子 そ の 他 図 6.4 供 給 者 からの 販 売 マジン Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 54

他 方 小 売 業 者 の 自 社 ブランドのマジンは 高 かった 各 食 品 分 野 で 回 答 者 の 約 3 分 の1が 21% 以 上 のマ ジンを 示 し 残 りのマジン 幅 は 11-20%であった 自 社 ブランド 製 品 では いずれの 食 品 分 野 においても 10% 以 下 マジンを 報 告 した 回 答 者 はいない 発 注 頻 度 12 店 舗 種 類 別 発 注 頻 度 日 常 監 査 週 間 監 査 売 り 上 げ 記 録 38 34 41 40 55 47 47 日 常 監 査 売 り 上 げ 記 録 50 週 間 監 査 12 12 13 ス パ マ ケ ッ ト 地 パ 域 基 マ 盤 の ケ 小 ッ 型 ト ス 雑 貨 店 都 市 別 発 注 頻 度 31 44 36 40 38 37 35 38 43 41 53 47 53 53 49 52 40 51 52 45 16 デ リ 9 11 ム ン バ イ コ ル カ タ 7 チ ェ ン ナ イ 13 11 バ ン ガ ロ ル チ ャ ン デ ィ ガ ル 26 プ ネ 日 常 監 査 週 間 監 査 売 り 上 げ 記 録 11 ア メ ダ バ ド 4 ハ イ デ ラ バ ド 14 イ ン ド ル 図 6.5 発 注 頻 度 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 55

調 査 対 象 の 回 答 者 のうち 半 数 以 上 は 毎 週 監 査 を 実 行 して 翌 週 の 注 文 を 確 認 すると 述 べた 回 答 者 の 38%は 前 週 の 売 り 上 げ 記 録 に 沿 って 発 注 すると 答 えた 一 方 主 に ミルクや 野 菜 果 物 など 変 質 しやすい 商 品 につい て 毎 日 在 庫 検 査 を 行 うとした 回 答 者 は 12%のみであった この 傾 向 は 全 調 査 対 象 都 市 に 渡 ってほとんど 同 じ 傾 向 を 示 した 情 報 のフロ 店 舗 種 類 別 情 報 のフロ 22 卸 売 業 者 が 小 売 店 の 店 長 に 見 積 もりを 請 求 する 店 舗 の 店 長 自 ら 発 注 する 一 定 の 発 注 計 画 を 続 行 する 57 21 56 59 55 19 20 23 25 21 22 卸 売 業 者 が 小 売 店 の 店 長 に 見 積 もりを 請 求 する 店 舗 の 店 長 自 ら 発 注 する 一 定 の 発 注 計 画 を 続 行 する ス パ マ ケ ッ ト 地 パ 域 基 マ 盤 の ケ 小 ッ 型 ト ス 雑 貨 店 都 市 別 情 報 のフロ 53 60 62 56 62 57 51 60 50 57 20 20 16 18 18 22 28 22 22 23 27 20 22 27 20 22 21 18 28 20 デ リ ム ン バ イ コ ル カ タ チ ェ ン ナ イ バ ン ガ ロ ル 卸 売 業 者 が 小 売 店 店 長 に 見 積 請 求 店 舗 の 店 長 自 ら 発 注 する 一 定 の 発 注 計 画 を 続 行 する チ ャ ン デ ィ ガ ル プ ネ ア メ ダ バ ド ハ イ デ ラ バ ド イ ン ド ル 図 6.6 発 注 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 56

主 に 市 場 情 報 の 不 足 から 適 切 な 需 要 予 測 が 困 難 なため 約 57%の 回 答 者 が 一 定 の 発 注 計 画 を 続 行 すると 回 答 している 残 りの 解 答 者 (22%)は 卸 売 業 者 が 小 売 店 の 店 長 経 営 者 から 受 注 するか または 特 定 製 品 の 需 要 に 沿 って 店 舗 の 店 長 (21%) 自 らが 一 回 ベスの 発 注 を 行 っている 注 文 方 法 1 店 舗 種 類 別 注 文 方 法 3 オンライン 注 文 電 話 による 注 文 営 業 部 長 による 販 売 代 理 業 者 への 注 文 販 売 代 理 業 者 が 店 の 営 業 部 長 に 注 文 47 3 1 6 49 51 49 46 オンライン 注 文 電 話 による 注 文 営 業 部 長 による 販 売 代 理 業 者 への 注 文 販 売 代 理 業 者 が 営 業 部 長 への 注 文 46 50 47 1 0 1 ス ス 地 雑 域 貨 パ パ 基 店 ト ト マ マ 盤 の 小 ケ ケ ッ ッ 型 都 市 別 注 文 方 法 4 7 2 2 5 4 4 5 49 47 49 49 49 50 47 53 43 50 44 47 51 49 51 48 49 40 52 43 2 2 2 デ ム コ チ バ チ プ ア ハ イ リ ン ル ェ ン ャ ネ イ ン バ カ ン ガ ン メ デ ド イ タ ナ ロ デ ダ ラ イ ィ バ ル ル バ ガ ド ル ド オンライン 注 文 電 話 による 注 文 営 業 部 長 による 販 売 代 理 業 者 への 注 文 販 売 代 理 業 者 が 店 の 営 業 部 長 に 注 文 図 6.7 注 文 方 法 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 57

注 文 に 最 も 多 く 利 用 される 連 絡 手 段 は 電 話 (47%)および 販 売 代 理 業 者 への 直 接 注 文 (49%)である 回 答 者 のうちわずか1%(デリにある Ahmadabad および Indore)が オンライン 注 文 を 実 施 している 16 調 達 手 続 き 36 店 舗 種 類 別 調 達 手 続 き 中 央 購 買 方 式 個 別 調 達 その 他 15 20 14 45 44 52 40 36 34 47 中 央 購 買 方 式 個 別 調 達 その 他 ス パ マ ケ ッ ト 地 域 基 マ 盤 の ケ 小 ッ 型 ト ス パ 雑 貨 店 都 市 別 調 達 手 続 き 18 16 16 13 16 17 16 18 17 18 47 51 47 49 49 43 47 47 46 48 36 33 38 38 36 39 37 36 37 34 デ リ ム ン バ イ コ ル カ タ チ ェ ン ナ イ バ ン ガ ロ ル チ ャ ン デ ィ ガ ル プ ネ 中 央 購 買 方 式 個 別 調 達 その 他 ア メ ダ バ ド ハ イ デ ラ バ ド イ ン ド ル 図 6.8 調 達 手 続 き 約 半 数 の 回 答 者 (47%)が 各 小 売 店 が 個 別 に 調 達 決 定 を 行 っていると 回 答 している 一 方 主 にスパ マケットの 約 36%の 小 売 店 では 本 店 が 全 店 にわたる 購 買 決 定 を 下 すという 中 央 購 買 方 式 を 採 用 すると 回 答 した Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 58

Time 食 taken 品 分 for 野 別 Delivering 製 品 配 the 送 時 Goods- 間 ブランド Branded 製 Products 品 5 4 1 17 37 17 19 76 78 1 24 25 50 取 扱 実 績 なし 一 週 間 以 上 57 62 イ ン ス 品 タ ン ト 食 果 物 と 野 菜 81 ミ ル 工 ク 品 と そ の 加 5 4 7 8 6 9 11 2 肉 海 加 お 産 工 よ 物 穀 び 物 家 禽 64 63 50 菓 子 12 そ の 他 4-7 日 間 2-3 日 間 一 日 以 内 Time 食 品 分 taken 野 別 for Delivering 製 品 配 送 時 the 間 Goods- 地 元 Local/Regional 地 域 ブランド Brands 製 品 6 12 10 52 22 11 4 37 取 扱 実 績 なし 78 6 イ ン ス タ ン ト 食 品 62 10 14 17 16 16 果 物 と 野 菜 ミ ル ク と そ の 加 工 品 100 100 肉 お よ び 家 禽 海 産 物 67 加 工 穀 物 23 40 菓 子 84 16 そ の 他 一 週 間 以 上 4-7 日 間 2-3 日 間 一 日 以 内 図 6.9 製 品 配 送 時 間 野 菜 果 物 ミルクとその 加 工 品 など 変 質 しやすい 食 品 は 原 則 的 に 毎 日 の 配 送 が 求 められ 加 工 穀 類 など の 変 質 し 難 い 製 品 では 通 常 4-7 日 に 一 度 のベスで 発 注 される 24%の 回 答 者 は 加 工 穀 類 の 小 売 店 への 配 送 には 1 週 間 以 上 かかることもあると 述 べた Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 59

30 支 払 条 件 10 店 舗 種 類 別 支 払 条 件 着 払 い 信 用 支 払 い - 15 日 間 信 用 支 払 い - 30 日 間 35 26 30 54 62 62 着 払 い 信 用 支 払 い - 30 日 間 59 信 用 支 払 い - 15 日 間 都 市 別 支 払 条 件 11 12 9 ス パ マ ケ ッ ト 地 パ 域 基 マ 盤 の ケ 小 ッ 型 ト ス 雑 貨 店 31 22 22 31 27 35 40 24 37 32 49 64 64 49 64 65 53 67 63 55 20 13 13 20 9 7 9 14 デ リ ム ン バ イ コ ル カ タ チ ェ ン ナ イ バ ン ガ ロ ル チ ャ ン デ ィ ガ ル プ ネ ア メ ダ バ ド 着 払 い 信 用 支 払 い - 15 日 間 信 用 支 払 い - 30 日 間 ハ イ デ ラ バ ド イ ン ド ル 図 6.10 供 給 者 との 支 払 い 条 件 10%の 回 答 者 が 配 達 の 度 に 代 金 を 払 わねばならないと 述 べたのに 対 して 59%の 回 答 者 は 業 者 からの 商 品 配 送 後 15 日 以 内 支 払 いの 便 宜 が 図 られていると 述 べた また 約 30%の 回 答 者 が 30 日 以 内 掛 け 売 りの 融 通 を 受 けていると 回 答 した Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 60

56 店 舗 種 類 別 販 売 促 進 策 -ブランド 製 品 71 66 68 62 62 61 64 61 64 56 58 56 54 52 53 55 57 特 別 割 引 会 社 から 販 売 サポト 製 品 交 換 お 買 い 得 商 品 販 売 に 伴 う 特 典 スパマケット 地 域 の 小 型 スパ-マケット 雑 貨 店 冷 蔵 庫 店 舗 種 類 別 販 売 促 進 策 - 地 元 地 域 ブランド 製 品 96 97 98 79 82 85 87 87 80 75 78 80 87 84 77 80 80 82 76 79 80 目 標 を 超 えると 特 別 割 引 会 社 販 売 員 から 販 売 サ ポト 破 損 損 失 時 の 製 品 交 換 販 売 向 上 用 お 買 い 得 商 品 会 社 から 営 業 スタッフへ 販 売 に 伴 う 特 典 スパマケット 地 域 の 小 型 スパ-マケット 雑 貨 店 図 6.11 メカ 等 による 販 売 促 進 策 ストレジ 用 の 棚 スペ ス 冷 蔵 庫 (クラ 冷 蔵 庫 ) 回 答 者 の 大 半 が 業 者 からの 冷 蔵 庫 供 給 や 特 別 割 引 販 売 サポト お 買 い 得 商 品 の 設 定 販 売 に 伴 う 特 典 制 度 などといった 販 売 促 進 のための 追 加 支 援 を\ 受 けていると 回 答 した また 65%が 冷 蔵 庫 ( 主 に 飲 料 に 分 類 される 飲 み 物 用 )の 供 給 を 認 め ほぼ 同 数 の 回 答 者 (63%)が 購 買 客 からの 破 損 包 装 の 欠 陥 賞 味 期 限 切 れならびに 品 質 に 関 する 苦 情 の 際 の 業 者 による 商 品 交 換 を 回 答 した 加 えて ほぼ 同 数 の 回 答 者 (61%)が 販 売 に 付 随 する 業 者 からの 特 典 の 提 供 を 回 答 した 大 多 数 の 小 売 業 者 (97%)は 現 地 地 域 ブランドから 販 売 促 進 を 目 的 とする 割 引 の 提 供 を 受 けたと 答 えた それに 加 えて 業 者 の 大 半 は 販 売 促 進 手 段 の 提 供 や 一 定 の 目 標 を 超 える 成 績 を 達 成 した 販 売 要 員 に 特 典 を 与 えている Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 61

64 店 舗 種 類 別 販 売 向 上 のために 販 売 代 理 業 者 が 採 用 する 販 売 戦 略 - ブランド 製 品 70 51 51 50 50 50 46 53 53 68 55 報 奨 制 度 高 利 益 率 提 供 独 自 製 品 提 供 スパマケット 地 域 の 小 型 スパ-マケット 雑 貨 店 目 標 を 超 えた 小 売 業 者 への 割 引 提 供 89 89 店 舗 種 類 別 販 売 向 上 のために 販 売 代 理 業 者 が 採 用 する 販 売 戦 略 - 地 元 地 域 ブランド 製 品 79 64 62 84 86 86 86 72 65 82 報 奨 制 度 高 利 益 率 提 供 独 自 製 品 提 供 スパマケット 地 域 の 小 型 スパ-マケット 雑 貨 店 目 標 を 超 えた 小 売 業 者 への 割 引 提 供 図 6.12 販 売 向 上 ために 販 売 代 理 業 者 が 採 用 する 販 売 戦 略 回 答 者 の 大 多 数 (67%)では 業 者 による 独 自 の 差 別 化 された 製 品 提 供 による 販 促 活 動 があると 回 答 して いる また 約 87%が マジンをめぐる 競 争 の 熾 烈 化 を 回 答 した 販 売 目 標 を 達 成 した 小 売 業 者 への 割 引 提 供 なども 製 品 販 売 推 進 の 観 点 から 採 用 されている Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 62

56 58 店 舗 種 類 別 販 売 向 上 のために 小 売 業 者 が 採 用 する 販 売 戦 略 - ブランド 製 品 63 72 77 76 63 65 62 陳 列 棚 上 段 の 配 置 ( 非 常 に 目 立 つ) 割 引 提 供 積 極 的 販 売 法 スパマケット 地 域 基 盤 の 小 型 スパ-マケット 雑 貨 店 78 86 店 舗 種 類 別 販 売 向 上 のために 小 売 業 者 が 採 用 する 販 売 戦 略 - 地 元 地 域 ブランド 製 品 90 72 81 84 86 88 81 陳 列 棚 上 段 の 配 置 ( 非 常 に 目 立 つ) 割 引 提 供 29 39 21 積 極 的 販 売 法 スパマケット 地 域 の 小 型 スパ-マケット 雑 貨 店 調 査 による 顧 客 意 見 53 51 35 69 店 舗 種 類 別 販 売 向 上 のために 小 売 業 者 が 採 用 する 販 売 戦 略 - 小 売 業 者 の 自 社 ブランド 製 品 51 53 56 42 65 陳 列 棚 上 段 の 配 置 ( 非 常 に 目 立 つ) 割 引 提 供 他 の 製 品 より 安 い 自 社 ブランド 製 品 5 5 スパマケット 地 域 の 小 型 スパ-マケット 雑 貨 店 8 他 の 製 品 より 高 質 の 自 社 ブランド 製 品 図 6.13 販 売 向 上 のために 小 売 業 者 が 採 用 する 販 売 戦 略 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 63

大 半 の 回 答 者 は 製 造 業 者 が 導 入 する 販 促 活 動 が 販 売 向 上 に 役 立 つとしている 他 方 陳 列 棚 上 段 の 配 置 や 割 引 提 供 も 販 売 増 加 に 役 立 つとする 自 社 ブランドの 場 合 65%の 回 答 者 が 自 社 ブランド 製 品 の 価 格 を 競 争 ブランドの 製 品 に 比 べて 低 く 設 定 していることを 認 めており 一 般 的 に 小 売 店 では 当 該 ブランドおよび 現 地 地 域 ブランドに 優 位 性 がある なお 既 存 の 大 ブランドと 比 較 して より 高 品 質 の 自 社 ブランド 商 品 を 投 入 することで 製 品 差 別 化 や 競 争 力 強 化 を 図 っていると 回 答 した 回 答 者 はわずか6%に 留 まる 店 舗 種 類 別 効 率 的 な 供 給 者 の 特 徴 - ブランド 製 品 99 90 92 93 83 86 73 75 73 53 47 45 近 代 的 なインフラ 施 設 代 理 店 または 小 売 店 との 提 携 効 率 的 ロジスティッ ク スパマケット 地 域 の 小 型 スパ-マケット 雑 貨 店 小 売 店 への 近 接 66 店 舗 種 類 別 効 率 的 な 供 給 者 の 特 徴 - 地 元 地 域 ブランド 製 品 86 89 87 89 91 85 88 74 76 74 83 近 代 的 なインフラ 施 設 代 理 店 または 小 売 店 との 提 携 効 率 的 ロジスティッ ク スパマケット 地 域 の 小 型 スパ-マケット 雑 貨 店 小 売 店 への 近 接 図 6.14 効 率 的 な 供 給 者 の 特 徴 大 部 分 の 回 答 者 による 書 き 込 みでは 店 舗 の 近 接 状 況 および 効 率 的 ロジスティックが 優 良 業 者 の 2 大 重 要 条 件 であるとされているところから 加 工 食 品 の 時 宜 を 得 た 配 達 の 需 要 の 高 さが 認 められる Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 64

店 舗 種 類 別 仕 入 業 者 に 関 する 主 な 懸 念 - ブランド 製 品 最 適 在 庫 の 不 備 100 100 100 53 75 84 80 66 58 59 76 88 配 送 計 画 の 欠 如 低 利 益 率 20 26 21 低 品 質 スパマケット 地 域 の 小 型 スパ-マケット 雑 貨 店 製 品 が 政 府 基 準 の 順 守 不 履 行 75 77 78 66 63 54 56 54 55 55 51 48 34 34 35 18 店 舗 種 類 別 仕 入 業 者 に 関 する 主 な 懸 念 - 地 元 地 域 ブランド 製 品 27 26 最 適 在 庫 の 不 備 配 送 計 画 の 欠 如 低 利 益 率 低 品 質 物 流 スパマケット 地 域 の 小 型 スパ-マケット 雑 貨 店 製 品 が 政 府 基 準 の 順 守 不 履 行 図 6.15 仕 入 業 者 に 関 する 主 な 懸 念 さらに ブランド 品 に 関 しては スパマケットでは 政 府 基 準 の 順 守 不 履 行 (100%)および 製 品 の 低 品 質 (84%)が 仕 入 業 者 に 対 する 大 きな 懸 念 材 料 となっている 他 方 現 地 地 域 ブランドの 場 合 最 適 在 庫 の 不 備 が 概 して 高 く 低 品 質 配 送 計 画 の 欠 如 が 主 要 な 懸 念 として 挙 げられた Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 65

店 舗 種 類 別 新 規 市 場 参 入 製 品 ブランドから 提 供 される 販 促 手 段 82 85 80 75 74 74 70 72 高 利 益 率 57 58 58 58 高 割 引 営 業 とマケティン グ 支 援 販 売 促 進 支 援 スパマケット 地 域 の 小 型 スパ-マケット 雑 貨 店 図 6.16 小 売 店 の 新 規 市 場 参 入 製 品 ブランドからの 期 待 約 74%の 回 答 者 は より 良 い 販 売 促 進 策 が 新 規 市 場 参 入 および 製 品 の 仕 入 れ 持 続 に 効 果 的 と 考 えている さ らに ほぼ 同 数 の 回 答 者 (70%)が 高 利 益 率 割 引 および 販 売 促 進 策 が 小 売 店 の 陳 列 棚 に 置 く 以 前 に 考 慮 さ れる 重 要 な 条 件 であると 回 答 した 94 94 92 94 94 食 品 分 野 別 製 品 の 品 質 94 92 94 94 46 49 44 46 44 46 47 42 46 46 44 44 46 39 42 ブランド 製 品 現 地 非 ブラ ンド 製 品 イ ン ス タ ン ト 食 品 果 物 と 野 菜 ミ ル ク と そ の 加 工 品 肉 お よ び 家 禽 海 産 物 加 工 穀 物 菓 子 そ の 他 自 社 ブランド 図 6.17 製 品 品 質 の 比 較 製 品 の 品 質 については レディ メドや 乳 製 品 の 分 野 でブランド 製 品 が 高 い 評 価 を 受 けている 現 地 ブラ ンドまたは 非 ブランド 製 品 は 肉 類 魚 介 類 において 小 売 業 者 から 高 く 評 価 される 一 方 自 社 ブランド 製 品 は レディ メド ミルク 加 工 穀 物 および 菓 子 では 最 適 と 考 えられている Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 66

サプライチェンについては ブランド 製 品 ならびに 現 地 ブランド 非 ブランド 製 品 のいずれでもミルク 加 工 穀 物 および 菓 子 の 分 野 が 効 率 的 と 考 えられている 食 品 分 野 別 サプライチェンの 効 率 化 94 94 94 94 92 92 94 94 ブランド 製 品 46 46 46 44 44 44 46 44 44 46 46 42 39 46 44 46 現 地 非 ブラ ンド 製 品 自 社 ブランド イ ン ス タ ン ト 食 品 果 物 と 野 菜 ミ ル ク と そ の 加 工 品 肉 お よ び 家 禽 海 産 物 加 工 穀 物 菓 子 そ の 他 図 6.18 サプライチェン 効 率 化 の 比 較 食 品 分 野 別 消 費 者 の 好 み 及 び 販 売 95 92 95 95 70 67 70 ブランド 製 品 44 44 42 42 44 44 44 44 44 44 41 41 40 42 42 44 39 現 地 非 ブラ ンド 製 品 自 社 ブランド イ ン ス 品 タ ン ト 食 果 物 と 野 菜 ミ ル 工 ク 品 と そ の 加 肉 お よ び 家 禽 海 産 物 加 工 穀 物 菓 子 そ の 他 図 6.19 消 費 者 の 好 み 及 び 販 売 の 比 較 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 67

ほぼ 全 食 品 分 野 において 消 費 者 はブランド 商 品 を 非 常 に 好 み 現 地 ブランド 非 ブランドならびに 自 社 ブ ランド 製 品 と 比 較 して 最 も 高 い 支 持 率 であった 乳 製 品 加 工 穀 物 および 菓 子 の 分 野 では ブランド 製 品 が 最 高 値 のマジンである 一 方 レディ メドおよび 野 菜 果 物 の 分 野 では 現 地 ブランド 非 ブランド 製 品 のマ ジンが 高 い 70 67 70 食 品 分 野 別 最 高 利 益 率 70 68 68 70 44 44 42 42 44 44 41 41 41 42 42 42 44 44 42 44 44 ブランド 製 品 現 地 非 ブラ ンド 製 品 イ ン ス タ ン ト 食 品 果 物 と 野 菜 ミ ル ク と そ の 加 工 品 肉 お よ び 家 禽 海 産 物 加 工 穀 物 菓 子 そ の 他 自 社 ブランド 図 6.20 製 品 に 対 するマジンの 比 較 1. 主 な 結 果 小 売 業 経 営 者 店 長 の 見 解 では 小 売 店 への 近 接 性 と 効 率 的 ロジスティックが 仕 入 れの 最 重 要 とされる2 条 件 である 一 方 品 質 および 政 府 基 準 の 順 守 が 2 大 懸 念 事 項 である ほとんどの 小 売 店 は 高 品 質 製 品 高 収 益 製 品 および 他 差 別 化 商 品 販 売 推 進 策 が 提 供 される 商 品 に 対 する 仕 入 れに 意 欲 的 である 商 品 の 品 質 につい ては 有 名 ブランドおよび 自 社 ブランド 製 品 を 高 く 評 価 する 一 方 利 益 率 の 高 さやサプライチェンの 効 率 性 に ついては 現 地 非 ブランド 製 品 を 最 も 高 く 評 価 している 2. 市 場 参 入 のポイント 流 通 網 の 戦 略 的 活 用 と 価 値 のアピル 回 答 者 の 一 人 が 述 べるように 販 売 代 理 店 は 独 立 した 企 業 家 であり どの 店 の 経 営 者 が 何 を 持 ち 何 がで きるかを 把 握 している 販 売 卸 業 者 は 小 売 店 の 状 況 を 知 ることができる 高 い 投 資 利 益 率 があれば 販 売 代 理 店 は 小 売 業 者 にその 製 品 を 店 舗 に 並 べるよう 積 極 的 売 り 込 みを 行 う 従 って 食 品 加 工 業 者 にとっては 流 通 網 を 戦 略 的 に 活 用 管 理 していくビジョンを 持 つことがより 重 要 であり これに 成 功 すれば 構 造 的 な 競 争 上 Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 68

の 強 みを 入 手 することができる ここで 紹 介 された 品 質 収 益 性 機 能 的 差 別 化 割 引 や 報 償 制 度 等 の 販 売 促 進 策 の 組 み 合 わせ あるいはまったく 異 なる 革 新 的 な 販 売 促 進 策 や 手 法 を 策 定 した 企 業 はより 高 い 浸 透 力 なら びに 市 場 シェアを 獲 得 できる これは 卖 に 経 済 的 メリットをPRすることだけではないだろう たとえば ヒ ンダスタン ユニリバの 流 通 網 が 機 能 し 評 価 されている 理 由 には 商 品 が 供 給 されにくい 地 方 農 村 部 にま で 商 品 を 提 供 できる 流 通 網 の 構 築 を 通 じて 女 性 の 経 済 的 自 立 を 一 定 程 度 実 現 したという 社 会 的 価 値 観 も 多 分 に 含 まれている ITCの e-チョパル 制 度 も 同 様 で 伝 統 的 に 存 在 した 仲 介 業 者 を 卖 にスポイルして 低 価 格 化 を 実 現 したわけではなく 仲 介 業 者 に 新 たな 機 能 を 持 たせて 再 活 用 したことで 流 通 の 効 率 化 と 低 価 格 を 実 現 し た 点 が 評 価 されている 図 6.21 インド 加 工 食 品 の 流 通 経 路 の 効 率 性 を 維 持 するための 重 要 な 要 因 新 規 参 入 時 の 起 爆 剤 製 品 認 識 の 創 出 流 通 経 路 での 販 売 推 進 参 入 競 争 が 激 しいインドの 加 工 食 品 市 場 では 最 初 に 潜 在 的 消 費 者 の 購 買 欲 にインパ クトを 与 えるため 参 入 企 業 には 新 規 参 入 時 の 起 爆 剤 が 求 められます 初 期 段 階 では 生 産 性 よりも 消 費 者 の 関 心 を 引 くことの 方 がはるかに 重 要 です 初 期 段 階 の 販 売 投 資 の 利 点 を 維 持 するため 幅 広 く 広 告 を 展 開 し 積 極 広 告 的 に 販 売 推 進 活 動 を 実 施 する 必 要 があります 地 域 の 隅 々までの 流 通 経 路 で 展 開 する 販 売 推 進 は 何 にも 増 して 重 要 で マジン す 流 通 経 路 の 仲 介 業 者 は 新 製 品 を 取 り 扱 う 場 合 に 高 いマジン を 期 待 します 手 ごろな 価 格 信 用 期 間 信 用 価 格 インド 市 場 の 消 費 者 は 価 格 にとても 敏 感 です 製 品 の 品 質 が 良 く 価 格 も 手 ごろなら その 製 品 は 独 り 勝 ちできます 小 売 業 者 と 流 通 業 者 は 常 に 新 製 品 について 不 安 を 覚 えています その ため 製 品 の 売 れ 行 きが 悪 ければ 返 品 できるように 信 用 期 間 を 設 けるこ とが 必 要 です 独 自 の 強 み セルス ポイント 製 品 独 自 の 売 りを 持 たせましょう 製 品 に 対 して 購 買 意 欲 をそそるようにする こと および お 客 様 志 向 の 製 品 生 産 を 目 指 し 決 して 大 量 生 産 投 げ 売 りには しないこと が 重 要 です 流 通 業 者 やディラにプッシュして 貴 社 の 製 品 販 売 力 を 高 めてくれるような 有 能 な 運 搬 / 運 送 エジェ ントを 採 用 してください 小 売 チェンを 通 して 直 接 販 売 したいと 考 えている 場 合 は ブランディングと 広 告 を 積 極 的 に 展 開 して 市 場 での 認 知 度 を 高 め 他 社 よりも 手 ごろな 価 格 で 製 品 を 市 場 に 投 入 してください 参 入 段 階 では 利 益 率 よりシェアを 重 視 するインドの 経 営 者 インド 加 工 食 品 市 場 への 参 入 を 考 える 企 業 は 競 合 他 社 との 差 別 化 を 実 現 する 独 自 の 発 想 とその 継 続 が 求 め られる 今 回 のアンケトに 回 答 したある 回 答 者 の 言 葉 を 借 りると 潜 在 的 な 消 費 者 の 心 に 最 初 の 衝 撃 を 与 え 印 象 を 創 造 することが 絶 対 必 須 である 積 極 的 な 販 促 活 動 は 企 業 が 大 衆 の 認 識 を 創 造 する 助 けとなり 得 る 明 らかに それには 高 い 資 本 投 資 が 求 められるが 解 答 者 の 言 によると 当 初 の 段 階 では ( 参 入 者 にとっては) 収 益 性 よりも 購 買 者 に 魅 力 を 感 じてもらうことが 重 要 である と 述 べた Copyright(C) 2012 JETRO. All right reserved 69