Contents 環 境 改 善 活 動 の 基 本 的 な 考 え 方 企 業 理 念 に 基 づき 環 境 改 善 活 動 基 本 方 針 を 制 定 し 持 続 可 能 な 社 会 の 実 現 に 向 けて 取 り 組 みを 展 開 しています P1 環 境 改 善 活 動 の 基 本 的 な 考 え 方 企 業 理 念 P3 P5 P7 P15 P17 P18 トップ 対 談 社 会 ニーズ の 側 面 お 客 さまニーズ の 側 面 社 内 変 革 の 側 面 環 境 マネジメント 第 三 者 意 見 水 を 究 め 自 然 と 人 間 が 調 和 した 豊 かな 環 境 を 創 造 する 企 業 ビジョン 水 と 環 境 の 先 進 的 マネジメント 企 業 環 境 改 善 活 動 基 本 方 針 活 動 指 針 3つの 側 面 クリタグループは 企 業 理 念 に 基 づく 事 業 活 動 を 行 うことにより 水 と 環 境 の 課 題 解 決 に 取 り 組 み 広 く 社 会 に 貢 献 する 1. 環 境 改 善 に 寄 与 する 新 商 品 新 技 術 の 開 発 に 取 り 組 み 持 続 可 能 な 社 会 の 実 現 に 貢 献 する 2. 生 産 性 向 上 環 境 負 荷 低 減 創 エネルギー をテーマに 商 品 技 術 サービスの 提 供 に 取 り 組 み お 客 さまの 環 境 改 善 を 実 現 する 3. 日 々の 事 業 活 動 において 業 務 の 改 善 工 夫 を 行 い 環 境 負 荷 を 低 減 する 社 会 ニーズ お 客 さまニーズ 社 内 変 革 の3つの 側 面 での 環 境 改 善 活 動 を 通 して 企 業 の 成 長 と 水 と 環 境 の 課 題 解 決 に 継 続 して 取 り 組 んでいます 顧 客 環 境 改 善 活 動 自 社 内 環 境 改 善 活 動 社 会 ニーズ の 側 面 お 客 さま ニーズ の 側 面 社 内 変 革 の 側 面 編 集 方 針 本 報 告 書 は 環 境 改 善 活 動 基 本 方 針 に 基 づく3つ の 側 面 ( 社 会 ニーズ の 側 面 お 客 さまニーズ の 側 面 社 内 変 革 の 側 面 )における 環 境 改 善 活 動 の 実 績 や 活 動 内 容 などを ステークホルダーの 皆 さまに 包 括 的 に ご 理 解 いただくために 発 行 しました 掲 載 内 容 につき ましては 環 境 省 環 境 報 告 ガイドライン(2007 年 度 版 ) を 参 考 としています なお 本 報 告 書 に 記 載 されている 会 社 名 および 商 品 名 は クリタグループまたは 該 当 する 各 社 の 商 標 または 登 録 商 標 です 対 象 範 囲 : 栗 田 工 業 と 国 内 グループ 会 社 報 告 期 間 :2011 年 4 月 1 日 2012 年 3 月 31 日 ただし 2012 年 4 月 以 降 の 方 針 や 目 標 についても 一 部 記 載 してい ます 会 社 概 要 商 号 所 在 地 資 本 金 代 表 者 創 立 決 算 期 従 業 員 数 栗 田 工 業 株 式 会 社 (Kurita Water Industries Ltd.) 東 京 都 新 宿 区 西 新 宿 三 丁 目 4 番 7 号 東 京 都 中 野 区 中 野 四 丁 目 10 番 1 号 中 野 セントラルパークイースト(2012 年 10 月 移 転 予 定 ) 13,450,751,434 円 代 表 取 締 役 社 長 中 井 稔 之 1949 年 7 月 13 日 3 月 3 1 日 ( 年 1 回 ) 4,555 名 ( 連 結 )1,521 名 ( 単 体 )(2012 年 3 月 31 日 現 在 ) プロフィール 環 境 改 善 に 寄 与 する 商 品 技 術 サービスの 提 供 による 業 務 の 改 善 工 夫 による 新 商 品 新 技 術 の 開 発 による お 客 さまの 環 境 改 善 の 実 現 環 境 負 荷 低 減 持 続 可 能 な 社 会 の 実 現 クリタグループは 栗 田 工 業 ( 株 ) 子 会 社 40 社 および にわたり 水 処 理 のリーディングカンパニーとして 産 業 と 関 連 会 社 1 社 により 構 成 されています 事 業 区 分 として 社 会 の 発 展 に 貢 献 してきました 環 境 の 世 紀 といわ は 水 処 理 薬 品 類 の 製 造 販 売 を 行 う 水 処 理 薬 品 事 業 と れる 今 世 紀 においても 最 新 の 商 品 技 術 サービス 水 処 理 装 置 類 の 製 造 販 売 およびメンテナンス サー を 駆 使 し 必 要 な 質 と 量 の 水 を 必 要 なとき 必 要 な ビスの 提 供 を 行 う 水 処 理 装 置 事 業 の 大 きく2つに 区 分 場 所 に 提 供 する 先 進 的 マネジメント を 実 現 し 社 会 に できます 貢 献 していきます 私 たちは 水 を 究 め 自 然 と 人 間 が 調 和 した 豊 か な 環 境 を 創 造 する という 企 業 理 念 のもと 半 世 紀 以 上 1 クリタグループ 環 境 報 告 書 2012 クリタグループ 環 境 報 告 書 2012 2
トップ 対 談 環 境 改 善 活 動 の 実 行 と 進 化 により 社 会 に 貢 献 していく 日 本 におけるエネルギー 事 情 の 変 化 や 新 興 国 で 顕 在 化 している 環 境 問 題 に 対 してクリタグルー プの 実 行 すべきこと そして 進 化 させるべきことは 何 か 環 境 経 営 の 専 門 家 である 神 戸 大 学 大 学 院 経 営 学 研 究 科 教 授 國 部 克 彦 氏 と 栗 田 工 業 株 式 会 社 代 表 取 締 役 社 長 中 井 稔 之 との 対 談 を 通 してお 伝 えします 神 戸 大 学 大 学 院 経 営 学 研 究 科 教 授 國 部 克 彦 氏 栗 田 工 業 株 式 会 社 代 表 取 締 役 社 長 中 井 稔 之 クリタグループが 実 行 する 環 境 改 善 活 動 として 超 純 水 供 給 事 業 があります 超 純 水 供 給 事 業 では お 客 さまの 工 場 内 に 拠 点 を 置 き 半 導 体 や 液 晶 を 生 産 するために 不 可 欠 な 超 純 水 を 安 定 供 給 しています 加 え て 生 産 工 程 で 発 生 する 洗 浄 排 水 を 回 収 再 利 用 するこ とで お 客 さまの 環 境 負 荷 低 減 に 貢 献 しています 國 部 クリタグ ル ー プ は ソリュー ション の 提 供 を ビ ジ ネスモデルとしています さまざまな 提 案 によってお 客 さまの 環 境 改 善 に 対 する 意 識 の 向 上 も 図 られると 考 え るので 社 会 的 にも 大 変 意 義 のあることだと 思 います また クリタグル ープで は 海 外 へ の 事 業 展 開 も 重 点 施 策 とされていますが 環 境 改 善 活 動 はどのような 取 り 組 みを 行 っていますか 中 井 海 外 で の 取 り 組 み とし て は 各 国 の ニ ー ズ に 合 っ た 商 品 の 開 発 や 水 処 理 薬 品 および 水 処 理 装 置 の 納 入 によるお 客 さまの 環 境 負 荷 低 減 を 実 施 しています 今 後 は 海 外 事 業 の 拡 大 に 伴 って 海 外 事 業 会 社 における 顧 客 環 境 改 善 効 果 や 自 社 内 環 境 改 善 活 動 の 成 果 を 定 量 的 に 把 握 し 国 内 と 同 様 の 活 動 を 推 進 していきたいと 考 えています 國 部 中 国 では 水 不 足 や 水 質 汚 濁 といった 問 題 が 顕 在 化 しています 世 界 では 環 境 問 題 の 中 で 水 が 最 も 重 要 な 課 題 となっており 製 品 のライフサイクルで 使 われ る 水 の 総 量 を ウ ォ ー タ ー フ ット プ リ ン ト と し て 把 握 す る 動 きが 出 てくるなど 多 くの 企 業 がいかに 少 ない 水 で 製 品 を 作 ることができるかに 頭 を 悩 ませています 中 井 クリタグループには 排 水 の 回 収 再 利 用 技 術 と いう 大 きな 強 みがあります 排 水 の 回 収 再 利 用 は 半 導 体 や 液 晶 などの 電 子 産 業 分 野 では 従 来 から 行 われ ていますが 食 品 や 自 動 車 などの 分 野 においてもニー ズが 高 まってきており お 客 さまの 生 産 に 使 用 する 水 量 を 確 保 しながら 絶 対 量 を 低 減 するというご 提 案 を 行 い お 客 さまに 貢 献 していきたいと 考 えています 環 境 改 善 活 動 の 進 化 に 向 けて また 水 処 理 装 置 等 の 納 入 に 伴 って 発 生 する 工 事 現 場 での 廃 棄 物 についても2012 年 度 より 削 減 対 象 として 取 り 組 みを 開 始 しました 國 部 環 境 改 善 活 動 の 方 針 や 目 標 をグループ 全 体 で 具 体 的 に 展 開 することは どの 企 業 も 苦 労 されていま す クリタグループでは 顧 客 環 境 改 善 効 果 を 業 績 と 結 び 付 けることが 環 境 改 善 活 動 を 浸 透 させる 一 つの 方 法 だと 思 います 中 井 薬 品 装 置 メンテナンスという3つの 機 能 をバ ランス 良 く 有 するのは 世 界 でもクリタグループだけです この3つの 機 能 を 融 合 させることで 他 社 にはない 総 合 力 を 発 揮 し お 客 さまに 最 もメリットのある 提 案 を 行 うことができるのが 最 大 の 強 みです この 強 みを 発 揮 するた め に は クリタグル ープ が 取 り 組 んで いる 環 境 改 善 活 動 の 目 的 や 意 義 を 社 員 一 人 ひとりが 理 解 し 職 場 ごとに 環 境 改 善 活 動 について 話 し 合 うといったコ ミュニケーションが 重 要 だと 考 えています 國 部 他 社 と 比 べクリタグループ 環 境 改 善 活 動 の 特 徴 は 新 商 品 新 技 術 を 開 発 する 社 会 ニーズ お 客 さ ま の 工 場 で 環 境 負 荷 を 低 減 す る お 客 さ ま ニ ー ズ 社 内 での 環 境 負 荷 を 低 減 する 社 内 変 革 の3つの 側 面 で 取 り 組 まれていることです これらの 意 義 を 社 員 に 理 解 してもらうことは 非 常 に 大 事 なことで す が た だ 説 明 するのではなく 社 員 の 活 動 を 環 境 報 告 書 などで 社 内 外 に 発 信 し 取 り 上 げられたことでさらに 活 動 が 活 性 化 されるようになれば 良 いと 思 います 中 井 社 員 の 皆 さんには 自 らの 取 り 組 みが 社 会 の 環 境 改 善 に 役 立 っていることを 再 認 識 していただき 日 々の 業 務 において 積 極 的 に 活 動 してもらいたいと 思 ってい ます クリタグループは 環 境 改 善 活 動 を 進 化 させ 続 け 今 後 も 広 く 社 会 に 貢 献 してまいります 國 部 東 日 本 大 震 災 の 発 生 後 日 本 のエネルギー 事 情 は 大 きく 変 化 しました 原 子 力 発 電 所 の 再 稼 働 が 依 然 不 透 明 で 生 産 に 係 わるコストや 環 境 負 荷 が 上 昇 する 中 でいかに 事 業 を 進 め 環 境 負 荷 を 低 減 していくのか 企 業 は 実 質 的 な 対 応 が 求 められています また 企 業 がグローバルに 事 業 を 展 開 し その 結 果 としてさまざ まな 国 に 環 境 負 荷 を 与 えている 現 状 においては サプ ライチェーンでの 環 境 経 営 を 推 進 するとともに 取 り 組 み 状 況 を 積 極 的 に 公 表 することが 求 められています 中 井 お 客 さまの 意 識 の 変 化 は 強 く 感 じています お 客 さまで 設 備 管 理 を 担 当 されている 方 々は 生 産 性 向 上 や 省 エネルギー 廃 棄 物 削 減 に 取 り 組 むことは 最 大 の 使 命 と 捉 えていらっしゃいますので クリタグループとしても 提 案 内 容 のレベルアップによりお 客 さまの 期 待 に 応 え 続 けていく 必 要 があります お 客 さまのサプライチェーンの 維 持 に 貢 献 する 一 つの 例 國 部 中 井 社 長 はクリタグループにおける 環 境 改 善 活 動 の 課 題 をどのように 捉 えていますか 中 井 環 境 改 善 活 動 の 強 化 はもちろん クリタグループ が 今 後 も 社 会 にとって 必 要 とされる 企 業 であり 続 ける ために お 客 さまの 水 と 環 境 に 関 する 課 題 解 決 に 貢 献 する 商 品 技 術 サービスの 品 質 向 上 が 最 も 大 きな 課 題 だと 考 えています そのため2012 年 4 月 からスター トした 新 中 期 環 境 改 善 活 動 計 画 では ものづくり にお ける 品 質 向 上 活 動 と 環 境 改 善 活 動 をリンクさせました さらに 各 組 織 が 自 ら 設 定 した 環 境 改 善 目 標 をクリタグ ループの 経 営 のマネジメントツールである 方 針 管 理 に 反 映 することで より 実 効 性 を 高 めていくことを 目 指 しています これによりお 客 さまへ の 提 案 内 容 をより 環 境 改 善 効 果 のあるものへと 進 化 させるとともに 自 社 内 での 環 境 負 荷 を 今 までとは 違 う 切 り 口 で 大 きく 低 減 で きるよう 取 り 組 みを 強 化 していきます 3 クリタグループ 環 境 報 告 書 2012 クリタグループ 環 境 報 告 書 2012 4
社 会 ニーズ の 側 面 社 会 ニーズ の 側 面 水 と 環 境 の 課 題 解 決 につながる 新 商 品 新 技 術 の 創 出 に 取 り 組 んでいます 環 境 改 善 に 貢 献 する 新 商 品 新 技 術 の 開 発 クリタグループは 社 会 やお 客 さ ま の 水 と 環 境 の 分 野 に お け る ニーズや 課 題 を 把 握 し 開 発 テー マに 設 定 して 新 商 品 新 技 術 の 開 発 に 取 り 組 んでいます 社 会 ニーズ の 側 面 における 実 績 は 当 年 度 に 終 了 した 環 境 改 善 に 貢 献 する 商 品 技 術 サービス に 係 わる 開 発 件 数 と 顧 客 環 境 改 善 効 果 で 把 握 しています 顧 客 環 境 改 善 効 果 は 開 発 が 終 了 した テーマに 基 づく 新 商 品 新 技 術 を 適 用 することで 得 られるお 客 さま の 工 場 事 業 所 での 環 境 負 荷 低 減 量 を 試 算 して 数 値 化 しています 環 境 改 善 に 貢 献 する 新 商 品 新 技 術 環 境 改 善 項 目 CO2 排 出 削 減 廃 棄 物 削 減 汚 水 処 理 土 壌 地 下 水 汚 染 浄 化 顧 客 環 境 改 善 効 果 新 商 品 新 技 術 鉄 分 散 機 能 を 強 化 したボイラ 薬 品 ボイラの 廃 熱 回 収 器 向 け 防 食 剤 海 水 淡 水 化 装 置 向 けRO 膜 の 汚 れ 防 止 剤 排 水 廃 棄 物 のメタン 発 酵 ガス 利 用 向 けガス 濃 縮 精 製 装 置 微 生 物 担 体 を 利 用 した 化 学 排 水 向 け 嫌 気 性 排 水 処 理 プロセス 微 小 動 物 を 利 用 した 汚 泥 発 生 量 の 少 ない 好 気 性 生 物 処 理 プロセス 半 導 体 ウェハのレジスト 剥 離 用 薬 液 の 循 環 利 用 システム 排 水 中 のシアン 分 解 処 理 技 術 塩 素 化 エチレン 類 に 汚 染 された 土 壌 の 浄 化 加 速 技 術 環 境 改 善 項 目 CO2 排 出 削 減 量 (t) 廃 棄 物 削 減 量 (t) 汚 水 処 理 量 ( 千 m 3 ) 24 5,076 51 微 小 動 物 を 利 用 した 汚 泥 発 生 量 の 少 ない 好 気 性 生 物 処 理 プロセス バイオプラネット SR 食 品 工 場 を 始 め 多 くの 工 場 で 発 生 する 有 機 物 を 含 む 排 水 の 処 理 方 法 として 有 機 物 を 細 菌 などの 微 生 物 に 食 べさせて 分 解 する 好 気 性 生 物 処 理 法 が 広 く 用 いら れています この 方 法 は 処 理 効 率 と 経 済 性 に 優 れてい ますが 有 機 物 を 食 べて 増 殖 した 細 菌 が 余 剰 汚 泥 と なり 廃 棄 物 が 発 生 するという 大 きな 課 題 があります これに 対 し 栗 田 工 業 は 食 物 連 鎖 の 仕 組 みを 活 用 し て 余 剰 汚 泥 発 生 量 を 低 減 する 排 水 処 理 プロセス バイオ プラネット SR を 開 発 しました 本 技 術 は 有 機 物 を 食 べて 増 殖 した 細 菌 をワムシなどの 微 小 動 物 に 捕 食 させ ることで 余 剰 汚 泥 発 生 量 を 最 大 で75% 削 減 可 能 となり ます また 生 物 処 理 槽 内 に 浮 遊 している 無 数 の 穴 が 開 いたスポンジ( 担 体 )に 細 菌 と 微 小 動 物 を 高 密 度 に 保 持 することで 高 負 荷 運 転 も 可 能 となります 本 装 置 は 既 に 食 品 業 界 のお 客 さまに 採 用 されてい ます 細 菌 を 捕 食 する 微 小 動 物 微 小 動 物 を 保 持 させた 担 体 新 商 品 の 例 鉄 濃 度 の 高 い 復 水 の 回 収 により 省 エネルギーを 実 現 する 鉄 分 散 機 能 を 強 化 したボイラ 薬 品 工 場 で 加 熱 加 温 用 に 使 用 される 蒸 気 は ボイラで 水 を 加 熱 して 発 生 させています ボイラの 省 エネルギー 策 として 使 用 後 の 蒸 気 が 凝 縮 した 高 温 の 復 水 を 回 収 し ボイラ 給 水 と して 再 利 用 することで 加 熱 用 燃 料 を 削 減 する 方 法 があります しかし 配 管 から 鉄 成 分 が 溶 出 して 鉄 濃 度 が 高 くなった 復 水 を 回 収 すると ボイラ 内 面 に 鉄 が 付 着 して 熱 効 率 の 悪 化 や 腐 食 といったさまざまな 障 害 の 原 因 となります そのため 復 水 を 回 収 できない または 回 収 量 が 制 限 されるという 課 題 があ りました これに 対 し 栗 田 工 業 は 鉄 付 着 の 抑 制 効 果 に 優 れた 薬 品 を 開 発 しました 本 薬 品 は ボイラ 給 水 中 の 鉄 濃 度 を 従 来 品 の 3 倍 以 上 まで 許 容 できるため 高 温 の 復 水 回 収 量 を 大 幅 に 増 やすことが 可 能 となり 省 エネルギーに 貢 献 します また 医 薬 や 食 品 の 製 造 工 場 など 安 全 性 を 重 視 するお 客 さまには 全 ての 素 材 を 食 品 添 加 物 とした 商 品 をご 提 供 しています 給 水 中 の 鉄 化 合 物 が 伝 熱 面 テストチューブに 付 着 した 状 態 鉄 分 散 機 能 を 強 化 した 新 開 発 の 薬 品 により 伝 熱 面 テストチューブへの 鉄 化 合 物 の 付 着 が 抑 制 された 状 態 塩 素 化 エチレン 類 に 汚 染 された 土 壌 の 浄 化 加 速 技 術 現 在 1980 年 代 頃 まで 金 属 や 機 械 部 品 などの 洗 浄 用 に 使 用 されてい たトリクロロエチレンなどの 有 害 な 塩 素 化 エチレン 類 による 土 壌 地 下 水 汚 染 が 社 会 問 題 と して 顕 在 化 し さまざまな 工 場 や 工 場 跡 地 で 浄 化 処 理 が 行 われています 浄 化 処 理 方 法 の 一 つである バイオ レメディエーション は 土 壌 中 に 存 在 する 微 生 物 を 利 用 して 塩 素 化 エチレン 類 を 無 害 なエチレンまで 分 解 す るもので 汚 染 土 壌 を 掘 削 除 去 する 方 法 や 地 下 水 をく み 上 げて 物 理 的 に 処 理 する 方 法 に 比 べ 低 コストかつ 短 期 間 で 浄 化 できるという 特 長 があります しかし 塩 素 化 エチレン 類 を 分 解 できる 微 生 物 が 存 在 しない 土 壌 には 本 技 術 が 適 用 できないという 課 題 がありました これに 対 し 栗 田 工 業 は 分 解 力 を 持 つ 微 生 物 デハ ロコッコイデス 属 細 菌 を 国 内 で 初 めて 人 工 的 に 培 養 し 地 下 水 中 に 栄 養 剤 とともに 注 入 して 浄 化 する 技 術 を 開 発 しました 本 技 術 により 同 微 生 物 が 存 在 しない 土 壌 でも 浄 化 可 能 となっただけでなく 土 壌 に 微 生 物 を 高 濃 度 に 注 入 することで 浄 化 期 間 を 最 大 で1/2に 短 縮 す ることが 可 能 となりました 本 技 術 は 微 生 物 によるバイオレメディエーション 利 用 指 針 に 基 づく 適 合 確 認 を 受 けており 他 の 生 物 や 生 態 系 に 対 して 安 全 な 技 術 であることが 確 認 されてい ます バイオレメディエーションの 安 全 性 評 価 に 際 しては 利 用 する 微 生 物 の 安 全 性 や 生 態 系 への 悪 影 響 がないことを 確 認 するため 経 済 産 業 省 と 環 境 省 が 合 同 で 微 生 物 によ るバイオレメディエーション 利 用 指 針 を 定 めています 栗 田 工 業 の 技 術 は デハロコッ コイデス 属 細 菌 を 用 いた 手 法 としては 国 内 で 初 めて 同 指 針 に 基 づく 適 合 確 認 を 受 け ています 微 生 物 注 入 装 置 土 壌 に 微 生 物 を 注 入 して 塩 素 化 エチレン 類 を 分 解 5 クリタグループ 環 境 報 告 書 2012 クリタグループ 環 境 報 告 書 2012 6
お 客 さまニーズ の 側 面 お 客 さまニーズ の 側 面 事 業 を 通 してお 客 さまの 環 境 負 荷 低 減 に 貢 献 しています 顧 客 環 境 改 善 効 果 クリタグループでは お 客 さまに 採 用 された 改 善 提 案 による 環 境 負 荷 低 減 量 を 独 自 の 指 標 である 顧 客 環 境 改 善 効 果 として 集 計 しています 2011 年 度 の 数 値 は2011 年 4 月 から2012 年 3 月 までの 受 注 案 件 を 対 象 に 受 注 時 にお 客 さま 向 けの 仕 様 書 や 提 案 書 で 提 示 した 環 境 負 荷 低 減 量 を 基 に 導 入 前 後 における 環 境 負 荷 の 差 を 試 算 値 (みなし 効 果 )で 把 握 しています 環 境 改 善 項 目 顧 客 環 結 境 改 果 善 効 果 CO2 水 処 理 薬 品 によるボイラや 冷 却 水 設 備 の 燃 料 削 減 排 水 回 収 設 備 による 節 水 など CO2 排 出 削 減 量 節 水 量 108,676t/ 年 36,884 千 m 3 / 年 一 世 帯 の 年 間 CO2 排 出 量 は 約 4,850kg 1 108,676t/ 年 のCO2 排 出 削 減 量 は 約 22,000 世 帯 分 に 相 当 します 一 世 帯 の 年 間 水 使 用 量 は 約 300m 3 2 36,884 千 m 3 / 年 の 節 水 量 は 約 123,000 世 帯 分 に 相 当 します 廃 棄 物 脱 水 剤 や 嫌 気 性 排 水 処 理 による 汚 泥 削 減 乾 燥 機 導 入 による 廃 棄 物 削 減 など 廃 棄 物 削 減 量 143,484t/ 年 一 世 帯 の 年 間 ごみ 排 出 量 は 約 1,450kg 3 143,484t/ 年 の 廃 棄 物 削 減 量 は 約 99,000 世 帯 分 に 相 当 します 環 境 負 荷 物 質 重 金 属 固 定 化 剤 による 有 害 物 質 除 去 連 続 再 生 型 純 水 装 置 への 更 新 による 化 学 薬 品 削 減 など 環 境 負 荷 物 質 削 減 量 4,013t/ 年 水 質 汚 濁 物 質 排 水 処 理 設 備 で 処 理 する 汚 水 量 汚 水 処 理 量 25,618 千 m 3 / 年 競 泳 用 のプールの 標 準 的 なサイズは50m 20m 1.7mで 容 積 は1,700m 3 25,618 千 m 3 / 年 の 汚 水 処 理 量 はプール 約 15,000 杯 分 に 相 当 します 土 壌 地 下 水 汚 染 物 質 掘 削 除 去 や 原 位 置 浄 化 により 処 理 する 汚 染 され た 土 壌 と 地 下 水 汚 染 土 壌 浄 化 量 821 千 m 3 / 年 1m 3 の 土 壌 を1.8tとすると 821 千 m 3 という 汚 染 土 壌 浄 化 量 は 10tトラック 約 148,000 台 分 に 相 当 します 注 : 試 算 に 使 用 したCO2 換 算 係 数 は 次 の 通 りです 電 力 :0.351kg-CO2/kWh 都 市 ガス:2.23kg-CO2/m 3 A 重 油 :2.71kg-CO2/l 上 水 下 水 :0.65kg- CO2/m 3 クリタグループの 事 業 1 全 国 地 球 温 暖 化 防 止 推 進 センター 家 庭 からの 二 酸 化 炭 素 排 出 量 http://www.jccca.org/chart/chart04_06.html 2 東 京 都 水 道 局 水 の 上 手 な 使 い 方 http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/customer/life/g_jouzu.html 3 環 境 循 環 型 社 会 生 物 多 様 性 白 書 平 成 23 年 度 版 ( 環 境 省 2011 年 6 月 発 行 )における 一 人 あたりのごみ 排 出 量 を 基 に 4 人 分 を 一 世 帯 の 量 と 定 義 クリタグループの 事 業 は 水 処 理 薬 品 事 業 と 水 処 理 装 置 事 業 の 大 きく2つに 分 けられます 水 処 理 薬 品 の 製 造 販 売 水 処 理 装 置 の 製 造 販 売 水 処 理 薬 品 事 業 ボイラ 薬 品 冷 却 水 薬 品 プロセス 薬 品 ( 石 油 鉄 鋼 紙 パルプ) 排 水 処 理 薬 品 RO 膜 処 理 薬 品 水 処 理 薬 品 関 連 機 器 ( 薬 品 注 入 制 御 システム 遠 隔 水 質 管 理 システム など) 水 処 理 効 果 のモニタリング 診 断 サービス 水 処 理 装 置 事 業 超 純 水 製 造 システム 用 水 処 理 システム 排 水 処 理 システム 排 水 回 収 再 利 用 システム メンテナンス サービス 超 純 水 供 給 水 処 理 施 設 の 運 転 維 持 管 理 ボイラ 設 備 の 販 売 メンテナンス サービス 化 学 洗 浄 ボイラ 冷 却 水 設 備 の 水 処 理 管 理 契 約 型 商 品 ( 蒸 気 供 給 契 約 工 場 一 括 管 理 契 約 など) 精 密 洗 浄 土 壌 地 下 水 浄 化 水 質 等 の 分 析 家 庭 向 け 商 品 の 製 造 販 売 浄 水 器 7 クリタグループ 環 境 報 告 書 2012 クリタグループ 環 境 報 告 書 2012 8
お 客 さまニーズ の 側 面 お 客 さまニーズ の 側 面 環 境 改 善 事 例 お 客 さまの 工 場 事 業 所 での 環 境 改 善 事 例 のご 紹 介 廃 液 の 自 社 処 理 化 により 廃 棄 物 量 を 削 減 秋 田 エプソン 株 式 会 社 殿 組 みました 栗 田 工 業 の 開 発 部 門 も 参 画 して 処 理 技 術 を 新 たに 構 築 し 既 設 排 水 処 理 設 備 で 放 流 基 準 値 以 下 に 処 理 できるようアル カリ 廃 液 を 前 処 理 する 設 備 を 提 案 しました 本 提 案 をご 採 用 いた だいた 結 果 お 客 さまは400t/ 年 の 廃 棄 物 を 削 減 されました 排 水 処 理 の 改 善 により 化 学 薬 品 使 用 量 を 削 減 サントリープロダクツ 株 式 会 社 榛 名 工 場 殿 自 の 有 機 凝 結 剤 の 適 用 と 凝 集 沈 殿 設 備 の 運 転 管 理 方 法 の 変 更 さらに 管 理 指 標 と 連 動 した 薬 品 注 入 量 の 自 動 制 御 化 を 提 案 しました これらの 提 案 を 段 階 的 にご 採 用 いただい た 結 果 お 客 さまは 無 機 凝 集 剤 をはじめとする 化 学 薬 品 の 使 用 量 を25% 削 減 されました プリンターヘッドや 水 晶 振 動 子 センサ 等 の 製 造 を 主 な 事 業 とす る 秋 田 エプソン 株 式 会 社 殿 は エプソングループの 一 員 としてグ ループ 共 通 の 環 境 方 針 に 基 づき 環 境 改 善 活 動 を 推 進 されてい ます 同 社 では 事 業 活 動 と 環 境 改 善 活 動 との 調 和 を 目 指 し エ ネルギーや 廃 棄 物 などの 削 減 を 生 産 性 向 上 と 同 義 と 捉 え 生 産 設 備 やユーティリティ 設 備 などで の 環 境 負 荷 低 減 に 向 けた 取 り 組 み を 継 続 的 に 実 施 されています 栗 田 工 業 のプラント 事 業 本 部 は お 客 さまと 共 同 でさまざまな 切 り 口 で 調 査 検 討 を 行 った 結 果 環 境 負 荷 低 減 とコストダウンの 両 面 で 最 も 効 果 のある 施 策 として 廃 棄 処 分 し ているアルカリ 廃 液 を 既 設 の 排 水 処 理 設 備 で 処 理 する 方 法 の 確 立 に 取 り アルカリ 廃 液 処 理 設 備 廃 棄 物 量 400t 削 減 今 回 は 調 査 検 討 段 階 から 運 転 管 理 方 法 の 確 立 までクリタさん と 一 緒 に 試 行 錯 誤 しながら 取 り 組 み 廃 棄 物 量 を 大 幅 に 削 減 す ることができました 環 境 負 荷 低 減 とコスト 削 減 の 効 果 はもちろ んですが アルカリ 廃 液 の 引 き 取 り 処 分 がなくなったことで 作 業 上 の 安 全 性 が 大 きく 向 上 したことを 評 価 しています 今 後 もさら にコストメリットのある 改 善 提 案 をお 願 いしたいと 思 っています 水 晶 製 造 部 水 晶 製 造 課 佐 藤 和 人 様 ( 左 ) 水 晶 製 造 部 水 晶 製 造 課 課 長 藤 原 和 喜 様 ( 中 ) 水 晶 製 造 部 水 晶 製 造 課 阿 部 克 郎 様 ( 右 ) 清 涼 飲 料 の 製 造 を 行 うサントリープロダクツ 株 式 会 社 殿 は コ ー ポ レ ート メッ セ ー ジ に 水 と 生 き る を 掲 げ る サ ント リーグループの 一 員 として 同 グループの 環 境 基 本 方 針 に 基 づく 環 境 経 営 を 推 進 されています 同 社 榛 名 工 場 殿 では 工 場 排 水 について 法 基 準 に 加 え 自 主 基 準 も 設 定 し 環 境 へ の 影 響 を 抑 えるよう 放 流 水 の 水 質 を 管 理 されています そ の 目 標 を 達 成 維 持 していくための 手 段 の 一 つとして 無 機 凝 集 剤 を 使 用 されており 確 実 に 環 境 への 影 響 を 低 減 する ことと 無 機 凝 集 剤 の 使 用 量 低 減 を 両 立 させることが 課 題 となってい ました 栗 田 工 業 のケミカル 事 業 本 部 は 無 機 凝 集 剤 の 凝 集 効 果 を 補 う 独 凝 集 沈 殿 設 備 化 学 薬 品 使 用 量 25% 削 減 従 来 は 環 境 への 影 響 を 低 減 することを 優 先 するために 無 機 凝 集 剤 の 注 入 量 が やや 多 めになっていましたが 本 提 案 により 注 入 量 を 適 正 に 管 理 することが 可 能 となり 無 機 凝 集 剤 を 削 減 できたことは 大 きなメリットだと 評 価 しています また 本 提 案 を 導 入 する 過 程 で 排 水 処 理 設 備 の 最 適 な 運 転 管 理 方 法 を 確 立 し 凝 集 剤 だけでなく ph 調 整 用 の 薬 品 も 半 減 することができました クリタさんには 今 後 も 質 の 高 い 改 善 提 案 をお 願 いした 工 務 グループ 課 長 いと 思 っています 橋 本 龍 星 様 小 池 正 広 様 固 形 物 のフロック 化 により 廃 棄 物 量 を 削 減 出 光 興 産 株 式 会 社 北 海 道 製 油 所 殿 形 物 を 凝 集 しフロック 化 する 水 処 理 薬 品 の 適 用 を 提 案 しました 本 提 案 をご 採 用 いただいた 結 果 従 来 の 半 分 近 い 量 の 珪 藻 土 で 固 形 物 の 除 去 が 可 能 となり お 客 さまは 廃 棄 物 となっていた 珪 藻 土 の 使 用 量 を380t/ 年 削 復 水 回 収 の 実 現 により ボイラ 燃 料 を 削 減 株 式 会 社 J-オイルミルズ 静 岡 工 場 殿 エス 栗 田 工 業 のケミカル 事 業 本 部 の3 社 は 回 収 した 復 水 を 一 旦 貯 留 して 油 分 検 査 と 水 質 測 定 を 行 った 後 ボイラ 給 水 にすることができる 設 備 を 共 同 で 提 案 しました 本 提 案 をご 採 用 いただいた 結 果 お 客 さまはボイラ 燃 料 用 ガ 石 油 の 精 製 や 石 油 化 学 製 品 の 製 造 販 売 を 主 な 事 業 減 されました 油 脂 や 油 糧 などの 製 造 加 工 販 売 を 主 な 事 業 とする スを 減 らすことが 可 能 となり 335t/ 年 のCO2を 削 減 できる とする 出 光 興 産 株 式 会 社 殿 は 地 球 環 境 と 経 済 が 調 和 した 社 会 の 形 成 への 貢 献 を 目 指 し 事 業 活 動 に 伴 う 環 境 負 荷 の 低 減 を 推 進 されています 同 社 北 海 道 製 油 所 殿 では 環 境 保 全 の 一 環 として 製 油 工 程 で 発 生 する 排 ガスに 含 まれる 硫 黄 酸 化 物 の 粒 子 を 水 で 捕 集 し フィ ルターで 除 去 しています 固 形 物 除 去 の 助 剤 として 珪 藻 土 を 使 用 していますが フィルター 表 面 に 層 状 となった 珪 藻 土 は 固 形 物 とともに 廃 棄 物 とな ることから 珪 藻 土 の 使 用 量 削 減 が 課 題 となっていました 栗 田 工 業 のケミカル 事 業 本 部 は 珪 藻 土 の 層 で 捕 捉 しやすいよう 固 排 煙 脱 硫 設 備 廃 棄 物 量 380t 削 減 当 社 では 珪 藻 土 は 排 水 中 の 固 形 物 濃 度 に 対 して 注 入 量 を 最 適 かつ 最 少 に 調 整 することで 削 減 するものと 認 識 していたので 水 処 理 薬 品 による 削 減 は 新 たな 知 見 でした 固 形 物 をフロック 化 することで ろ 過 助 剤 であ る 珪 藻 土 を 削 減 するという 考 え 方 は 理 論 的 であり 机 上 テスト 実 機 テス トとも 良 好 で あった た め 本 採 用 としました 本 提 案 により 削 減 目 標 は 達 成 できましたが 珪 藻 土 使 用 量 ゼロという 高 い 目 標 を 実 現 するため 引 き 続 き 協 力 していただきたいと 思 っ ています 製 油 二 課 課 長 井 上 高 志 様 製 油 二 課 石 本 一 様 株 式 会 社 J -オイルミルズ 殿 は 安 全 健 康 環 境 を 意 識 した 事 業 を 展 開 されており 全 工 場 で 省 エネプロジェクト によるC O 2 排 出 量 削 減 に 取 り 組 まれています 同 社 静 岡 工 場 殿 では 省 エネルギー 策 の 一 つであるボイラ 復 水 の 回 収 にあたって 過 去 に 油 分 の 混 入 によるトラブルが 発 生 し たことから 有 効 な 油 分 混 入 対 策 を 採 らな ければ 復 水 回 収 を 実 施 できないという 課 題 がありました クリタ ケミカル 関 東 クリタ ビ ーエ ム 復 水 回 収 設 備 見 込 みです CO2335t 削 減 中 断 していた 復 水 回 収 を 本 提 案 によって 再 度 実 現 できたことは 非 常 に 大 きな 意 義 があったと 思 います 現 在 は 一 部 の 生 産 工 程 からの 回 収 に 留 まっていますが 今 回 の 回 収 設 備 は 他 工 程 の 復 水 も 受 け 入 れられる 設 計 になっていますの で 回 収 水 の 対 象 拡 大 にあたって 引 き 続 き 協 力 をお 願 いします また 当 工 場 は 生 産 工 程 で 大 量 の 蒸 気 を 使 用 しています 水 処 理 という 新 たな 視 点 で 工 程 全 体 を 見 ていただき 改 善 点 を 見 つけて 欲 しいと 思 っています 工 務 部 工 務 課 兼 生 産 戦 略 部 課 長 代 理 下 村 太 様 9 クリタグループ 環 境 報 告 書 2012 クリタグループ 環 境 報 告 書 2012 10
お 客 さまニーズ の 側 面 お 客 さまの 工 場 事 業 所 での 環 境 改 善 事 例 のご 紹 介 ファンへ のダスト 付 着 抑 制 による 省 エネルギー 住 友 金 属 工 業 株 式 会 社 鹿 島 製 鉄 所 殿 ストの 付 着 を 防 止 する 効 果 のある 水 処 理 薬 品 を 適 用 するこ とで 散 水 量 を 削 減 する 省 エネルギー 策 を 提 案 しました 本 提 案 をご 採 用 いただいた 結 果 お 客 さまは 従 来 に 比 べ 半 分 の 散 水 量 でダスト 付 着 を 抑 制 でき 水 の 抵 抗 を 下 げるこ 純 水 製 造 システムの 最 適 化 により 電 力 使 用 量 を 削 減 株 式 会 社 トッパンエレクトロニクスプロダクツ 新 潟 工 場 殿 削 減 や 小 型 化 インバーター 化 を 中 心 に 運 転 方 法 の 変 更 も 含 めて 主 要 機 器 類 の 定 格 消 費 電 力 を600kWから300kWに 低 減 する 改 善 策 を 提 案 しました 本 提 案 をご 採 用 いただいた 結 果 お 客 さまは 電 力 使 用 量 を 大 幅 に 減 らすことが 可 能 となり 1,000t/ 年 のCO2を 削 減 されました 鋼 板 や 建 材 製 品 などの 製 造 販 売 を 主 な 事 業 とする 住 友 金 とで1,238 千 kwh/ 年 の 電 力 使 用 量 を 減 らすことが 可 能 となり 印 刷 で 培 ったノウハウを 活 かし 偽 造 防 止 効 果 の 高 いICカードや エレクトロニクス 関 連 製 品 の 製 造 販 売 など 多 彩 な 事 業 を 展 開 する 凸 版 印 刷 株 式 会 社 殿 は トッパングループ 地 球 環 境 宣 言 に 基 づきグ ループ 全 体 で 環 境 保 全 活 動 を 推 進 されています 同 社 エレクトロニク ス 部 門 の 製 造 を 受 け 持 つ 株 式 会 社 トッパンエレクトロニクスプロダク ツ 新 潟 工 場 殿 では 政 府 の 夏 期 の 電 力 需 給 対 策 に 対 応 するため 工 場 全 体 で 電 力 を 削 減 することが 緊 急 の 課 題 となっていました 栗 田 工 業 のプラント 事 業 本 部 は 同 工 場 で 設 備 管 理 を 担 当 され ている 株 式 会 社 トッパンテクノ 殿 と 協 働 して 納 入 から10 年 以 上 経 過 している 純 水 製 造 システムを 現 在 の 純 水 使 用 状 況 に 合 わせて 最 適 化 しました 具 体 的 には 電 力 使 用 量 の 大 きいポンプ 類 の 属 工 業 株 式 会 社 殿 は 技 術 を 通 した 環 境 問 題 の 解 決 に 向 け 製 造 工 程 におけるC O 2 排 出 削 減 や 軽 量 化 長 寿 命 化 に 貢 献 する 製 品 の 提 供 によるC O 2 排 出 抑 制 に 取 り 組 まれています 同 社 鹿 島 製 鉄 所 殿 では 政 府 の 夏 期 の 電 力 需 給 対 策 に 対 応 するため 製 鉄 所 全 体 で 電 力 を 削 減 する 必 要 がありました 同 製 鉄 所 第 二 製 鋼 工 場 殿 では 転 炉 からの 排 ガスを 誘 引 する ファンに 微 細 なダストが 付 着 すると 振 動 が 発 生 するため ファ ンに 散 水 して 付 着 を 抑 制 していますが 一 方 で 水 の 抵 抗 によりファンの 消 費 電 力 が 上 昇 するという 節 電 に 向 けた 課 題 がありました 栗 田 工 業 のケミカル 事 業 本 部 は ダ 転 炉 438t/ 年 のCO2を 削 減 されました CO2438t 削 減 従 来 はファンの 振 動 が 激 しくなるとダスト 除 去 のために 設 備 を 止 めて ファンの 洗 浄 を 行 っていました 今 回 の 提 案 により 振 動 がほぼなくなり 省 エネルギー 効 果 はもちろん 操 業 の 安 定 化 や 作 業 量 の 軽 減 にもつながる 良 い 提 案 をしていた だいたと 評 価 しています クーリングタワー 等 に もダストの 付 着 による 汚 れが 見 られますので ク リタさんには 水 平 展 開 可 能 な 処 理 方 法 を 検 討 し ていただき 新 たな 提 案 をお 願 いします 鋼 板 建 材 カンパニー 製 鋼 部 第 二 製 鋼 工 場 係 長 西 村 継 一 様 純 水 製 造 設 備 当 初 の 期 待 よりも 大 きな 効 果 をあげられ 電 力 制 限 により 製 造 が 止 ま るかもしれないという 危 機 的 状 況 も 同 時 に 回 避 できました また 震 災 の 影 響 で 機 器 類 が 不 足 してい た 状 況 にもかかわらず 予 定 通 り 設 備 の 改 善 を 実 施 でき たことにも 感 謝 しています コスト 削 減 という 観 点 か らも 省 エネルギー 策 を 継 続 して 実 施 する 必 要 があると 考 えていますので クリタ さんの 積 極 的 な 改 善 提 案 を 期 待 しています CO21,000t 削 減 凸 版 印 刷 株 式 会 社 エレクトロニクス 事 業 本 部 製 造 統 括 本 部 生 産 技 術 部 新 潟 CFチーム 主 任 石 井 大 輔 様 株 式 会 社 トッパンテクノ 施 設 本 部 第 五 施 設 部 第 一 課 主 任 廣 野 春 夫 様 電 気 再 生 式 純 水 装 置 により 化 学 薬 品 量 を 削 減 田 中 貴 金 属 工 業 株 式 会 社 岩 手 工 場 殿 は イオン 交 換 樹 脂 を 電 気 的 に 再 生 する 純 水 装 置 へ の 更 新 を 提 案 しました 本 提 案 をご 採 用 いただいた 結 果 お 客 さまは1 0 3 t / 年 の 化 学 薬 品 使 用 量 を 削 減 さ れました 新 たな 歩 留 向 上 剤 により 原 料 の 流 出 を 低 減 日 本 製 紙 パピリア 株 式 会 社 原 田 工 場 殿 栗 田 工 業 のケミカル 事 業 本 部 は 低 分 子 と 高 分 子 の 両 方 の 凝 集 成 分 を 含 む 新 たな 歩 留 向 上 剤 の 適 用 を 提 案 しました 本 提 案 をご 採 用 いただいた 結 果 お 客 さまは 品 質 を 低 下 さ せずに 流 出 原 料 率 を 従 来 比 でおよそ3% 改 善 され 製 紙 原 料 各 種 工 業 用 貴 金 属 製 品 の 製 造 販 売 を 主 な 事 業 とす る 田 中 貴 金 属 工 業 株 式 会 社 殿 は 環 境 に 関 する 法 令 で 定 められた 排 出 基 準 の1/2 以 下 という 厳 しい 社 内 基 準 を 設 けて 管 理 するなど 環 境 負 荷 を 可 能 な 限 り 抑 えた 事 業 活 動 を 推 進 されています モーター 関 連 に 使 用 さ れるクラッド 材 を 生 産 している 同 社 岩 手 工 場 殿 では 製 品 洗 浄 用 の 純 水 装 置 とその 付 帯 設 備 の 老 朽 化 によるト ラブルやイオン 交 換 樹 脂 の 再 生 頻 度 増 加 等 の 不 具 合 が 発 生 し ており 純 水 の 安 定 供 給 と 再 生 用 化 学 薬 品 の 削 減 を 両 立 するこ とが 課 題 となっていました 栗 田 工 業 のプラント 事 業 本 部 電 気 再 生 式 純 水 装 置 今 回 の 提 案 により 化 学 薬 品 が 不 要 となったことはもちろん 製 品 の 生 産 に 必 要 不 可 欠 な 純 水 が 不 足 する 心 配 もなくなったため 操 業 の 安 定 化 や 薬 品 を 使 用 しない 安 全 な 装 置 という 面 でも 良 い 提 案 だったと 評 価 しています 排 水 処 理 もクリタさんの 設 備 に 更 新 し 従 来 は 産 業 廃 棄 物 となっていた 洗 浄 含 油 廃 液 を 社 内 で 処 理 できる ようになり その 産 業 廃 棄 物 の 発 生 をほぼゼロにできる 予 定 で す クリタさん は 当 工 場 の 水 使 用 状 況 を 良 く 把 握 され ているので 今 後 も 環 境 負 荷 低 減 につながる 提 案 をお 願 いします 化 学 薬 品 使 用 量 103t 削 減 製 造 セクション 迫 田 麿 仁 様 環 境 管 理 者 阿 部 公 也 様 書 籍 用 紙 やたばこ 巻 紙 の 薄 葉 紙 の 製 造 販 売 を 主 な 事 業 とする 日 本 製 紙 パピリア 株 式 会 社 殿 は 日 本 製 紙 グループの 一 員 として 同 社 グループの 環 境 行 動 計 画 グリーンアクション プラン2015 の 達 成 に 向 け 環 境 負 荷 低 減 に 取 り 組 まれていま す 特 に 原 料 の 歩 留 向 上 は 生 産 性 向 上 と 環 境 負 荷 低 減 を 両 立 する 重 要 な 取 り 組 みであり 同 社 原 田 工 場 殿 では 流 出 原 料 率 という 指 標 を 用 いて 排 水 に 流 出 する 原 料 の 低 減 を 推 進 されています 原 料 を 製 品 化 するために 歩 留 向 上 剤 を 使 用 し ていますが 分 子 量 が 大 きい 歩 留 向 上 剤 では 製 品 の 品 質 に 悪 影 響 を 及 ぼすため 低 分 子 歩 留 向 上 剤 しか 適 用 できず 流 出 原 料 率 を 現 状 よりも 改 善 することが 困 難 であ るという 課 題 がありました 抄 紙 機 を 減 らすことが 可 能 となり 282t/ 年 のCO2を 削 減 されました CO2282t 削 減 本 提 案 により 流 出 原 料 率 改 善 目 標 を 達 成 することができました 社 内 でも 高 く 評 価 しており 結 果 にはとても 満 足 しています 原 料 のロ スを 少 なくすることは 製 紙 会 社 にとって 重 要 なテーマですので 今 後 も 環 境 負 荷 低 減 と 生 産 性 向 上 につながる 改 善 提 案 を 期 待 しています 製 造 部 第 一 製 造 課 調 査 役 水 口 徳 三 様 ( 左 ) 製 造 部 部 長 加 藤 秀 高 様 ( 中 ) 製 造 部 第 二 製 造 課 調 査 役 平 野 彰 一 様 ( 右 ) 11 クリタグループ 環 境 報 告 書 2012 クリタグループ 環 境 報 告 書 2012 12
お 客 さまニーズ の 側 面 お 客 さまの 工 場 事 業 所 での 環 境 改 善 事 例 のご 紹 介 さまざまな 環 境 改 善 事 例 用 語 解 説 排 水 回 収 再 利 用 により 無 放 流 化 を 実 現 メテック 北 村 株 式 会 社 徳 島 工 場 殿 エレクトロニクス 関 連 製 品 へのめっき 加 工 を 主 な 事 業 と 最 大 限 回 収 すると 共 に 分 離 した 汚 濁 物 質 を 蒸 発 装 置 で さらに 濃 縮 し 廃 棄 物 として 委 託 処 分 することで 放 流 水 を ゼロとする 排 水 設 備 を 提 案 しました 本 設 備 を 徳 島 工 場 殿 にご 採 用 いただいた 結 果 お 客 さまは129 千 m 3 / 年 程 度 発 生 する 排 水 の 無 放 流 化 を 実 現 されました 各 種 工 場 CO2 削 減 量 1,395t/ 年 水 処 理 薬 品 用 容 器 を 繰 り 返 し 使 用 することが 可 能 なリターナブル 容 器 を 使 用 することにより 焼 却 処 分 に 伴 うCO2 排 出 量 を 削 減 珪 藻 土 藻 類 の 一 種 である 珪 藻 の 殻 の 化 石 からな る 岩 石 で 表 面 に 小 さな 孔 が 多 数 空 いてい るため 微 細 粉 末 を 捕 捉 するろ 過 助 剤 として 用 いられる するメテック 北 村 株 式 会 社 殿 は 国 内 外 およびグループ 会 社 全 体 での 事 業 展 開 にあたり 排 水 を 敷 地 外 に 出 さない 汚 水 処 理 量 129 千 m 3 製 薬 工 場 CO2 削 減 量 1t/ 年 フロック 水 中 の 固 形 物 が 凝 集 剤 の 効 果 により 綿 状 の 集 合 体 となったもの 工 場 による 環 境 保 全 の 実 現 を 構 想 されています また 加 圧 浮 上 処 理 に 使 用 する 加 圧 水 の 原 水 を 上 水 から 排 水 処 理 水 に 変 更 できるよう 排 水 処 理 設 備 を 改 善 し 上 水 使 用 量 を 削 減 同 社 が 進 出 を 予 定 していた 徳 島 県 の 工 業 団 地 は 周 辺 地 域 の 貴 重 な 飲 料 水 の 水 源 である 吉 野 川 の 支 流 近 くにあり 無 放 流 化 の 実 現 が 課 題 となっていました 栗 田 工 業 のプラント 事 業 本 部 は 生 産 工 程 から の 排 水 を 凝 集 処 理 した 後 膜 処 理 装 置 により 汚 濁 物 質 を 分 離 して 排 水 徳 島 工 場 は 環 境 保 全 を 重 視 する 当 社 の 姿 勢 を 示 すモデルとなり ました 排 水 の 回 収 により 安 定 して 水 を 再 利 用 でき 排 水 を 敷 地 外 へ 放 流 しない 工 場 を 実 現 できたことは 今 後 国 内 外 とグループ 会 社 で 事 業 を 展 開 していく 上 で 貴 重 な 財 産 となっ たと 思 います クリタさんには 今 後 も 設 備 の 運 転 管 理 やメ ンテナンスについて 引 き 続 き 協 力 していただ きたいと 思 っています 液 晶 工 場 廃 棄 物 削 減 量 410t/ 年 液 晶 製 造 設 備 の 部 品 に 付 着 した 化 学 物 質 や 汚 れを 除 去 することで 再 利 用 可 能 とし 部 品 の 寿 命 を 延 ばすことによって 廃 棄 物 を 削 減 化 学 工 場 廃 棄 物 削 減 量 1,780t/ 年 余 剰 汚 泥 を 脱 水 処 理 する 設 備 の 導 入 により 廃 棄 物 量 を 削 減 無 機 凝 集 剤 有 機 凝 結 剤 水 中 に 分 散 している 懸 濁 物 質 の 粒 子 を 集 め てより 大 きな 粒 子 にする 機 能 を 持 つ 薬 剤 懸 濁 物 質 の 粒 子 を 結 び 付 ける 薬 剤 無 機 凝 集 剤 に 比 べ 多 くの 粒 子 を 捕 捉 できる から 再 利 用 可 能 な 水 を 排 水 回 収 設 備 執 行 役 員 生 産 部 部 長 山 清 様 一 般 家 庭 CO2 削 減 量 26,102t/ 年 復 水 蒸 気 が 凝 縮 して 液 体 になったもの 汚 水 の 安 定 処 理 と 廃 棄 物 量 削 減 に 貢 献 ワタミ 手 づくりマーチャンダイジング 株 式 会 社 東 松 山 センター 殿 外 食 のメニューや 介 護 施 設 の 食 事 宅 食 弁 当 の 食 材 の 仕 入 れから 集 中 仕 込 み 配 送 までを 事 業 とするワタ ミ 手 づくりマーチャンダイジング 株 式 会 社 殿 は ワタミグ ループの 環 境 宣 言 を 実 現 するため 環 境 と 経 済 の 両 立 を 目 指 し 環 境 改 善 活 動 を 実 践 されています 同 社 では 宅 食 事 業 の 拡 大 に 伴 い 新 たな 製 造 拠 点 として 東 松 山 セ ンター 殿 を 開 設 するにあたって 製 造 工 程 で 発 生 する 汚 水 を 環 境 に 影 響 を 与 えないように 安 定 して 処 理 すること に 加 え 廃 棄 物 発 生 量 も 少 ない 排 水 処 理 設 備 を 導 入 す ることが 課 題 となっていました 栗 田 工 業 のプラント 事 業 本 部 は 微 小 動 物 による 食 物 連 鎖 を 活 用 することで 廃 棄 物 量 の 発 生 排 水 処 理 設 備 を 大 幅 に 抑 える 排 水 処 理 設 備 を 提 案 しました 本 提 案 をご 採 用 いただいた 結 果 お 客 さまは19,225m 3 1 の 汚 水 を 安 定 処 理 すると 共 に 廃 棄 物 量 を47% 2 削 減 され ました 1 2011 年 8 月 から2012 年 6 月 までの 汚 水 処 理 量 2 同 社 における 同 規 模 の 宅 食 弁 当 製 造 拠 点 での 廃 棄 物 量 との 比 較 ワタミグループは 環 境 省 の エコ ファースト 企 業 認 定 を 受 けて おり 今 回 納 入 していただいた 設 備 はその 宣 言 の 意 に 沿 ったもの であると 思 います 他 の 弁 当 製 造 拠 点 では 廃 棄 物 の 引 き 取 りを 週 2 回 行 っていますが 当 センターでは 月 に 数 回 程 度 に 抑 えることができたことも 評 価 して います 汚 水 処 理 量 19,225m 3 排 水 処 理 設 備 の 運 転 管 理 についても 定 期 的 に 指 導 していただき 助 かっています 今 後 もさらなる 環 境 負 荷 低 減 につながる 提 案 を 期 待 しています 廃 棄 物 量 47% 削 減 手 づくり 厨 房 工 務 生 産 技 術 部 長 永 井 隆 二 様 蛇 口 用 節 水 シャワーの 開 発 販 売 により 上 水 使 用 量 および 加 温 用 都 市 ガス 使 用 量 を 削 減 化 学 工 場 CO2 削 減 量 199t/ 年 水 処 理 薬 品 により 冷 凍 機 の 熱 交 換 器 に 汚 れが 付 着 することを 抑 制 し 高 い 熱 交 換 効 率 を 維 持 することによって 電 力 使 用 量 を 削 減 製 鉄 工 場 CO2 削 減 量 7,020t/ 年 粉 じん 抑 制 のため 原 料 ヤードに 撒 く 水 に 保 湿 力 を 高 める 薬 品 を 添 加 することによって 散 水 量 を 削 減 食 品 工 場 CO2 削 減 量 535t/ 年 高 濃 縮 運 転 が 可 能 となるボイラ 薬 品 の 適 用 により ブロー 量 を 削 減 することによってボイラ 用 燃 料 を 削 減 食 品 工 場 CO2 削 減 量 廃 棄 物 削 減 量 113t/ 年 204t/ 年 有 機 系 排 水 を 余 剰 汚 泥 の 発 生 量 が 少 ない 嫌 気 性 排 水 処 理 設 備 で 処 理 す るとともに 排 水 処 理 の 過 程 で 発 生 するメタンガスをボイラ 燃 料 に 利 用 することにより CO2 排 出 量 と 廃 棄 物 量 を 削 減 半 導 体 工 場 廃 棄 物 削 減 量 120t/ 年 無 機 系 排 水 処 理 設 備 を 汚 泥 を 循 環 させながら 濃 縮 する 設 備 に 改 善 することによって 廃 棄 物 量 を 削 減 転 炉 純 水 装 置 イオン 交 換 樹 脂 歩 留 向 上 剤 汚 泥 エコ ファースト 企 業 銑 鉄 から 炭 素 をはじめ 不 純 物 を 除 去 して 鋼 に 転 換 するための 炉 空 気 を 吹 き 込 むた めガスが 発 生 する 水 中 の 懸 濁 物 質 や 塩 類 有 機 物 などの 不 純 物 を 除 去 した 純 水 を 製 造 する 装 置 合 成 樹 脂 の 一 種 で 水 中 のイオンと 自 らの イオンを 交 換 する 作 用 をする 交 換 するイ オンがなくなると 再 生 処 理 により 再 利 用 可 能 となる 原 料 の 使 用 量 に 対 する 製 造 量 の 比 率 を 向 上 させる 水 処 理 薬 品 排 水 中 の 懸 濁 物 質 が 沈 殿 または 浮 上 して 泥 状 になったもの 一 般 的 に 脱 水 処 理 を 行 った 後 に 脱 水 汚 泥 として 処 分 される 環 境 省 が 企 業 の 環 境 保 全 に 関 する 業 界 の トップランナーとしての 取 り 組 みを 促 進 す るために 実 施 している エコ ファースト 制 度 の 認 定 を 取 得 した 企 業 13 クリタグループ 環 境 報 告 書 2012 クリタグループ 環 境 報 告 書 2012 14
社 内 変 革 の 側 面 社 内 変 革 の 側 面 自 社 内 での 環 境 負 荷 低 減 に 取 り 組 んでいます 2011 年 度 実 績 エネルギー 消 費 原 単 位 CO2 排 出 量 の 削 減 エネルギーの 使 用 の 合 理 化 に 関 する 法 律 を 遵 守 エネルギー 管 理 指 定 工 場 )およびCO2 排 出 量 の 削 減 するため エネルギー 消 費 原 単 位 の 削 減 ( 特 定 事 業 者 (グループ 全 体 )に 取 り 組 みました リサイクル 化 率 向 上 のため 廃 棄 物 の 分 別 を 徹 底 するとと もに 廃 棄 物 処 理 会 社 と 協 力 して 金 属 類 の 再 資 源 化 や 路 盤 材 への 再 利 用 を 進 めました 超 純 水 供 給 事 業 所 では 廃 棄 物 量 を 大 幅 に 削 減 しましたが これらのほとんどはリサイクル 化 されていたものであり 結 果 としてグループ 全 体 でのリサ イクル 化 率 は2010 年 度 の67.9%から59.4%に 低 下 しました クリタグループ 環 境 報 告 書 2011 に 記 載 したリサイクル 化 率 24.2%から 大 きく 変 化 しているのは 集 計 対 象 範 囲 の 拡 大 によるものです CO2 排 出 量 会 社 事 業 所 区 分 目 標 (t) 実 績 (t) 生 産 系 A 1 154,675 以 下 149,604 生 産 系 B 2 3,874 以 下 3,843 オフィス 系 3 5,187 以 下 4,673 合 計 163,736 以 下 158,121 1 特 定 事 業 者 エネルギー 管 理 指 定 工 場 2 水 処 理 薬 品 や 水 処 理 装 置 の 製 造 などを 行 う 会 社 事 業 所 3 上 記 以 外 の 会 社 事 業 所 生 産 系 Aでは お 客 さまの 生 産 状 況 の 変 化 により 一 部 の 事 業 所 でエネルギー 使 用 量 が 増 加 したものの 超 純 水 供 給 事 業 所 で 水 処 理 設 備 の 最 適 な 運 転 管 理 によ るエネルギー 使 用 量 削 減 に 取 り 組 み 目 標 を 達 成 しま した 廃 棄 物 量 の 削 減 生 産 系 Bでは イオン 交 換 樹 脂 の 再 生 量 増 加 などに よりエネルギー 使 用 量 が 増 加 したものの 夏 期 に 実 施 した 節 電 効 果 により 目 標 を 達 成 しました オフィス 系 でも 節 電 による 省 エネルギー 効 果 は 大 き く CO 2 排 出 量 はグループ 全 体 で 目 標 を 達 成 しました グループ 会 社 および 各 事 業 所 が 昨 年 度 実 績 を 下 回 ることを 目 標 に 削 減 に 取 り 組 みました 環 境 改 善 事 例 クリタ ケ ミ カ ル 製 造 ( 株 ) 本 社 で の 節 電 クリタ ケミカル 製 造 の 本 社 ( 茨 城 県 猿 島 郡 五 霞 町 )は 主 に 東 日 本 地 区 で 販 売 する 水 処 理 薬 品 の 製 造 拠 点 です 同 社 は 電 気 事 業 法 第 27 条 による 電 力 使 用 制 限 を 受 け 電 力 のピークカットを 行 いました 具 体 的 には 7 月 1 日 から9 月 22 日 まで 工 場 操 業 時 間 を 6 時 から15 時 にするとともに LED 照 明 への 切 り 替 えや 建 屋 の 断 熱 対 策 屋 根 への 散 水 による 室 温 上 昇 の 抑 制 などを 実 施 しました さらには 電 力 消 費 量 を 把 握 して 需 要 が 急 増 した 場 合 にはアラームが 出 る 仕 組 みも 導 入 しました これらの 施 策 により 電 力 のピークカットを 達 成 する とともに 電 力 使 用 量 を 前 年 度 より165 千 kwh/ 年 削 減 し ました 栗 田 工 業 ( 株 ) 亀 山 駐 在 所 での 廃 棄 物 量 削 減 栗 田 工 業 の 亀 山 駐 在 所 ( 三 重 県 亀 山 市 )は 超 純 水 供 給 事 業 を 行 う 拠 点 の 一 つです 同 駐 在 所 は 製 造 した 超 純 水 をお 客 さまの 液 晶 工 場 へ 供 給 するとともに 液 晶 工 場 の 生 産 工 程 で 発 生 する 排 水 の 処 理 も 行 っていま す 同 駐 在 所 では 環 境 意 識 の 高 いお 客 さまの 要 望 に 応 えるため さまざまな 水 処 理 薬 品 を 添 加 して 排 水 から 汚 濁 物 質 を 徹 底 的 に 除 去 し ほとんどの 水 を 回 収 再 利 用 し 汚 濁 物 質 を 廃 棄 物 として 処 分 しています 同 駐 在 所 は 廃 棄 物 削 減 のため 排 水 処 理 設 備 の 運 転 方 法 の 見 直 しを 行 いました 排 水 に 添 加 する 水 処 理 薬 品 の 一 部 は 最 終 的 に 廃 棄 物 となるため 排 水 水 質 と 水 処 理 薬 品 使 用 量 の 相 関 を 運 転 状 況 から 科 学 的 に 解 明 し 使 用 量 を 最 少 化 することで 13,200t/ 年 以 上 の 大 幅 な 廃 棄 物 削 減 を 実 現 しました 廃 棄 物 量 会 社 事 業 所 区 分 目 標 (t) 実 績 (t) リサイクル 化 率 (%) 生 産 系 C 4 57,737 以 下 45,584 59.2 生 産 系 D 5 1,246 以 下 1,310 68.5 オフィス 系 6 311 以 下 287 43.7 合 計 59,293 以 下 47,181 59.4 本 社 外 観 屋 上 に 散 水 設 備 を 設 置 排 水 処 理 設 備 4 特 定 のお 客 さまの 生 産 状 況 により 廃 棄 物 量 が 増 減 の 影 響 を 受 ける 会 社 事 業 所 5 研 究 開 発 や 水 処 理 薬 品 水 処 理 装 置 の 製 造 などを 行 う 会 社 事 業 所 6 上 記 以 外 の 会 社 事 業 所 2012 年 度 目 標 生 産 系 Cでは 超 純 水 供 給 事 業 所 で 排 水 処 理 設 備 の 改 善 や 運 転 管 理 方 法 の 見 直 しを 行 い 廃 棄 物 量 を 大 幅 に 削 減 しました 生 産 系 Dでは 金 属 類 の 有 価 物 化 や 梱 包 材 の 再 利 用 化 等 による 削 減 に 取 り 組 みましたが 実 験 室 内 の 不 要 品 や 老 朽 化 設 備 の 処 分 等 による 一 時 的 な 廃 棄 物 の 発 生 により 目 標 未 達 成 となりました オフィス 系 では 不 要 品 の 処 分 といった 一 時 的 な 増 加 要 因 があったものの 社 員 一 人 ひとりの 取 り 組 みに より 目 標 を 達 成 しました 廃 棄 物 量 は 生 産 系 Cでの 大 幅 な 削 減 により グルー プ 全 体 で 目 標 を 達 成 しました 目 標 考 え 方 エネルギー 使 用 量 エネルギー 消 費 原 単 位 を 2009 年 度 以 降 年 平 均 1% 以 上 削 減 生 産 系 A 特 定 事 業 者 エネルギー 管 理 指 定 工 場 ごとに 原 油 換 算 量 によるエネルギー 消 費 原 単 位 での 目 標 を 設 定 し 削 減 に 取 り 組 む 生 産 系 B オフィス 系 事 業 所 の 特 性 に 合 わせて 電 力 やガソリンなど1 2 項 目 で 目 標 を 設 定 し 削 減 に 取 り 組 む 廃 棄 物 量 前 年 度 実 績 以 下 事 業 所 ごとに 目 標 を 設 定 し 継 続 的 に 削 減 に 取 り 組 む 15 クリタグループ 環 境 報 告 書 2012 クリタグループ 環 境 報 告 書 2012 16
環 境 マネジメント 環 境 改 善 活 動 のPDCAサイクルをより 効 果 的 に 廻 すため 推 進 体 制 を 構 築 し グループ 全 体 で 活 動 を 推 進 しています 第 三 者 意 見 より 信 頼 性 の 高 い 情 報 を 継 続 的 に 開 示 し 環 境 経 営 の 質 向 上 を 図 るため 株 式 会 社 環 境 管 理 会 計 研 究 所 (IEMA)から 第 三 者 意 見 をいただいています 環 境 マネジメント 体 制 環 境 改 善 活 動 統 括 責 任 者 を 部 会 長 とする 環 境 改 善 推 進 部 会 を 設 置 し 活 動 方 針 の 策 定 と 活 動 内 容 の 確 認 を 行 っています 環 境 改 善 活 動 のPDCAサイクル 環 境 改 善 活 動 の 推 進 体 制 環 境 マネジメントシステムの 導 入 クリタグループで は 環 境 改 善 活 動 の 一 環 として 環 境 負 荷 の 高 い 事 業 所 やグループ 会 社 においてISO14001 を 認 証 取 得 し 環 境 マネジメントシステムを 構 築 運 用 しています ISO14001 認 証 取 得 状 況 会 社 名 事 業 所 名 取 得 日 栗 田 工 業 ( 株 ) 静 岡 敦 賀 豊 浦 山 口 1998 年 7 月 クリタ ビルテック( 株 ) クリタ ケミカル 大 分 ( 株 ) クリタ ケミカル 製 造 ( 株 ) 本 社 赤 穂 2002 年 3 月 2002 年 6 月 1997 年 3 月 ( 株 )クリタス 2000 年 2 月 クリテックサービス( 株 ) 本 社 東 部 三 重 伊 賀 播 磨 大 分 2003 年 2 月 環 境 関 連 法 規 の 遵 守 2011 年 度 は 法 令 や 条 例 の 違 反 による 行 政 処 分 およ び 社 外 に 影 響 を 及 ぼす 大 きな 事 故 の 発 生 はありません でした また 化 学 物 質 廃 棄 物 および 排 水 処 理 設 備 の 管 理 対 象 となる98 事 業 所 において 各 事 業 所 長 による 自 己 調 査 を 全 事 業 所 で 環 境 改 善 活 動 推 進 部 会 による 現 地 調 査 を29 事 業 所 で 実 施 しました これらの 調 査 によ り 改 善 が 必 要 とされた 事 業 所 では 改 善 計 画 書 に 基 づ く 是 正 措 置 を 実 施 しています 事 業 活 動 に 関 係 する 主 な 環 境 関 連 法 規 水 質 汚 濁 防 止 法 振 動 規 制 法 省 エネ 法 毒 物 及 び 劇 物 取 締 法 地 球 温 暖 化 対 策 推 進 法 大 気 汚 染 防 止 法 下 水 道 法 消 防 法 騒 音 規 制 法 PRTR 法 廃 棄 物 処 理 法 土 壌 汚 染 対 策 法 水 と 環 境 に 社 会 関 貢 する 献 活 調 動 査 研 究 および 国 際 交 流 を 助 成 クリタグループは 科 学 技 術 の 振 興 により 健 全 な 水 環 境 の 保 全 と 創 造 に 寄 与 する ことを 目 的 として 1997 年 に 設 立 されたクリタ 水 環 境 科 学 振 興 財 団 (2009 年 11 月 より 公 益 財 団 法 人 )への 支 援 を 通 して 水 と 環 境 に 関 する 科 学 分 野 における 調 査 研 究 および 国 際 交 流 を 助 成 しています 同 財 団 は 研 究 助 成 事 業 として2011 年 度 には382 件 の 応 募 の 中 から49 件 を 採 択 し 助 成 を 行 うとともに 過 去 に 研 究 助 成 を 受 けられた 研 究 者 の 中 から 優 れた 研 究 成 果 や 社 会 貢 献 の 実 績 をあげた 研 究 者 に ク リタ 水 環 境 科 学 研 究 優 秀 賞 を 授 与 しました その 他 には 公 益 社 団 法 人 日 本 水 環 境 学 会 における 若 手 研 究 者 の 研 究 意 欲 啓 発 を 目 的 とした 顕 彰 事 業 (クリタ 賞 ) アジアにおける 水 環 境 問 題 の 改 善 を 支 援 する 国 際 交 流 支 援 事 業 を 推 進 しています 2011 年 度 助 成 金 贈 呈 式 17 クリタグループ 環 境 報 告 書 2012 クリタグループ 環 境 報 告 書 2012 18