ANAグループ 経 営 理 念 安 心 と 信 頼 を 基 礎 に 世 界 をつなぐ 心 の 翼 で 夢 にあふれる 未 来 に 貢 献 します 社 長 就 任 の 抱 負 をお 話 しいただけますか 片 野 坂 ANAグループの 経 営 理 念 は 経 営 者 が 交 代 して も 変 わりません 安 心 と 信 頼 を 基 礎 に は 何 といっ ても 安 全 が 事 業 の 基 盤 であることを 示 しています 世 界 をつなぐ 心 の 翼 で は 国 際 線 ネットワークを 広 げる と 読 み 換 えることができ 夢 にあふれる 未 来 に 貢 献 し ます は 収 益 を 生 み 続 け 世 の 中 の 発 展 に 役 立 つ 企 業 とし て 活 動 していくことを 表 現 しています ANAグループが 目 指 す 姿 がそこにあります 経 営 理 念 を 具 体 化 するため の 長 期 戦 略 構 想 を 本 年 1 月 に 発 表 していますが その 中 ( 単 位 万 人 ) 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2020 年 ( 目 標 ) 出 所 日 本 政 府 資 を 基 に 成 で10 年 後 の 連 結 売 上 高 目 標 を2 兆 5,000 億 円 とし 航 空 ネットワークを 世 界 各 地 に 広 げるとともに 貨 物 やLCC 事 業 の 強 化 や 航 空 以 外 のノンエア 事 業 における 収 益 力 の 向 上 も 目 指 しております まずは 2020 年 に 開 催 される 東 京 オリンピック パラリンピックに 向 けて ビジネスチャンスが 大 いに 広 が ります その 絶 好 のチャンスを 生 かして 投 資 を 実 行 して 成 長 を 実 現 し 同 時 に 財 務 の 健 全 性 を 維 持 しながら 株 主 や 投 資 家 の 皆 様 の 期 待 に 応 えていく その 責 任 の 重 さを 感 じているところです 東 京 オリンピック パラリンピックを 見 据 えてどのよ うな 戦 略 をお 考 えですか 片 野 坂 まだ 議 論 の 段 階 ですが 2020 年 に 向 けて 新 た な 中 期 目 標 を 設 定 しようと 考 えています 2020 年 まで の 訪 日 外 国 人 旅 行 者 数 の 政 府 の 目 標 は2,000 万 人 ですが すでに 今 年 中 に1,600 万 人 を 超 え 目 標 を 前 倒 しで 達 成 ( 単 位 万 回 ) 90 80 70 ( 計 画 ) 2014 年 度 2015 年 度 2020 年 度 ( 当 社 想 定 ) ( 各 期 LCCく) 羽 田 成 田 合 計 する 勢 いです 戦 略 としては まず 増 え 続 ける 訪 日 外 国 人 に 対 応 す るため 首 都 圏 空 港 のネットワークをもっと 拡 充 するこ とです 鍵 を 握 る 羽 田 と 成 田 の 発 着 枠 は それぞれ 約 4 万 回 増 加 すると 言 われており 当 社 グループでは 更 新 用 の 機 材 を 含 めて 大 型 機 から 小 型 機 まで85 機 の 航 空 機 を 発 注 してその 準 備 を 進 めています 2017 年 に 就 航 予 定 の 国 産 ジェット 旅 客 機 MRJにも 期 待 しています 次 に 訪 日 外 国 人 の 増 加 によるビジネスチャンスを 逃 さ ないことです エアラインとして 訪 日 需 要 喚 起 のための 新 たな 運 賃 設 定 や 外 国 人 向 けサービスの 工 夫 例 えば イスラム 圏 からのお 客 様 向 けのハラールミールを 機 内 食 と して 提 供 できるように 準 備 を 進 めています 訪 日 外 国 人 の 旺 盛 な 需 要 によって 全 日 空 商 事 が 展 開 する 空 港 の 売 店 や 免 税 店 の 売 り 上 げ 増 も 期 待 できます 今 後 さらに 急 増 する 訪 日 外 国 人 需 要 をANAグループ 全 体 で 捉 え 新 たな 事 業 展 開 を 進 めていきたいと 考 えております 国 際 線 ネットワーク 拡 大 の 青 写 真 とはどのようなもの ですか 片 野 坂 中 長 期 的 視 点 を 持 って 潜 在 的 な 需 要 を 見 極 め それを 喚 起 していくことが 求 められます 羽 田 成 田 のデュアルハブ ネットワーク 戦 略 を 進 めていますが 昨 年 の 羽 田 からの 展 開 に 続 き 今 年 は 成 田 からの 国 際 線 ネットワークの 拡 充 を 進 めます これ まで 日 本 発 のビジネス 需 要 が 見 込 める 路 線 を 中 心 に 路 線 展 開 を 進 めてきましたが 今 後 は 訪 日 外 国 人 需 要 そし てアジア- 北 米 間 などの 乗 り 継 ぎ 需 要 もしっかりと 取 り 込 んでいきたいと 考 えています 日 本 人 の 海 外 旅 行 需 要 に 関 してもビジネス 需 要 だけでなく 今 後 の 多 様 化 が 予 3 4
想 されるプレジャー 需 要 も 取 り 込 んでいく 必 要 があり ます プレジャー 需 要 については 当 社 グループのLCCも 活 用 し 中 距 離 路 線 に 対 応 できる 機 材 を 投 入 して 東 南 ア ジアの 素 晴 らしいリゾート 地 などへ 展 開 したいと 考 え ています 国 内 線 やLCCの 展 開 についてはいかがですか 片 野 坂 国 内 線 は 人 口 減 少 新 幹 線 延 伸 という 環 境 の 変 化 がある 中 で ANAの 国 内 線 旅 客 数 はある 程 度 減 少 して いくと 予 測 しています 一 方 LCCはまだ 需 要 を 創 出 す ることが 可 能 です ANAとLCC2 社 を 合 わせると 国 内 線 も 緩 やかな 成 長 が 見 込 めると 思 います LCCについて 持 分 法 適 用 会 社 であるPeach Aviationは 当 初 計 画 を 上 回 るスピードで 黒 字 化 しま した 子 会 社 のバニラ エアも 知 名 度 も 上 がり 昨 年 後 半 から 利 用 率 単 価 は 共 に 上 昇 しています 同 社 はイー ルドマネジメントシステムを 改 良 して 増 収 につなげ 2016 年 3 月 期 の 黒 字 化 を 目 指 しています LCCは 国 内 でのネットワークを 構 築 した 後 は アジアへの 路 線 網 を 拡 充 していきます 2019 年 度 以 降 就 航 予 定 のボーイング787-10 型 機 行 者 向 けの 旅 行 商 品 企 画 販 売 会 社 H ハ Anavi ナ ビ を 設 立 して 4 月 から 営 業 を 開 始 しました ANAグループの 国 内 線 ネッ トワークとH.I.S.の 充 実 した 海 外 拠 点 の 強 みが 訪 日 外 国 人 獲 得 の 起 爆 剤 になると 思 います またシニア 層 を 対 象 にした 付 加 価 値 の 高 い 旅 行 商 品 ANAワンダーアース を 提 供 していきます 商 社 部 門 では 全 日 空 商 事 が 運 営 す る 空 港 での 売 店 免 税 品 販 売 ビジネスに 商 機 があると 思 っています H.I.S. ANA ナビゲーションジャパン 株 式 会 社 プロフィール 1955 年 鹿 児 島 県 生 まれ 79 年 全 日 本 空 輸 株 式 会 社 入 社 運 航 本 部 管 理 室 企 画 室 レベニューマネジメント 部 長 人 事 部 長 を 経 て 2007 年 執 行 役 員 09 年 上 席 執 行 役 員 同 年 取 締 役 執 行 役 員 11 年 常 務 取 締 役 執 行 役 員 12 年 専 務 取 締 役 執 行 役 員 13 年 ANAホール ディングス 株 式 会 社 代 表 取 締 役 副 社 長 執 行 役 員 本 年 4 月 より 代 表 取 締 役 社 長 ( 現 職 ) 貨 物 事 業 はどのような 戦 略 を 実 行 するのですか 片 野 坂 ANAはフレーター( 貨 物 専 用 機 )と 旅 客 機 の 床 下 貨 物 室 の 両 方 で 貨 物 事 業 を 行 うコンビネーションキャリ アです 2016 年 3 月 期 はフレーターを2 機 増 機 して12 機 体 制 とします 日 本 各 地 の 産 品 や 高 品 質 の 食 材 は 中 国 や アジア 各 国 で 人 気 がありますので それらの 輸 送 ニーズが さらに 高 まれば 貨 物 事 業 は 大 きく 成 長 する 可 能 性 があり ます 現 在 沖 縄 で 貨 物 ハブネットワークを 運 用 していま すが 中 期 的 には 東 南 アジアに 第 二 の 貨 物 ハブネットワー クをつくる 考 えです に 開 設 していきました 国 内 線 の 市 場 シェアが 半 分 以 上 ありましたから 何 も 国 際 線 に 出 る 必 要 はないという ムードが 社 内 にはありましたし 実 際 に 進 出 した 後 も 赤 字 が 続 き 国 際 線 をやめたらどうかという 議 論 もありま した しかし 国 内 線 の 成 長 に 限 界 がみえる 中 で 新 し い 成 長 の 柱 となる 国 際 線 事 業 をやってきて 本 当 に 良 かっ たと 思 っています 経 営 者 の 使 命 の 一 つ は 1 0 年 後 2 0 年 後 の 後 輩 に や っ てよかったと 思 われる 経 営 をすることです 業 容 の 拡 大 は 働 く 世 界 が 広 がり 従 業 員 にとってもメリットがあります もちろん ただ 会 社 を 大 きくすればよいというわけではあり ません どんな 苦 難 に 遭 遇 しても それを 乗 り 越 える 強 靭 な 体 質 を 持 つ 会 社 でなければなりません 事 業 を 展 開 する 上 での 留 意 点 は 何 ですか 片 野 坂 何 といっても 安 全 の 堅 持 です 航 空 の 安 全 はも とより 食 品 の 安 全 や 情 報 セキュリティーの 維 持 向 上 などを 経 営 の 最 優 先 課 題 と 位 置 付 け ANAグループ 全 社 を 挙 げて 安 全 の 堅 持 に 努 めています それから 忘 れてはならないのが 急 激 な 環 境 変 化 への 対 応 です 景 気 の 変 動 はもちろん 世 界 各 地 で 起 こる 戦 争 テロ 伝 染 病 地 震 洪 水 火 山 の 噴 火 など さまざまなイベントリスクが 突 然 襲 い 掛 かってきます これらに 対 して 全 役 職 員 が 一 丸 となって 対 応 し 克 服 し てきました そこで 培 った 対 応 力 はわれわれの 大 事 な DNAだと 思 っています 財 務 面 で 見 てもこれまでのコスト 構 造 改 革 によって イベントリスクに 対 する 耐 性 が 向 上 してきました 経 営 者 としては これまで 培 ってきた 企 業 体 力 を 基 盤 に 何 があってもその 危 機 を 克 服 し 常 に 安 定 した 経 営 を 維 持 していかなければなりません 航 空 関 連 事 業 ではビジネスチャンスをどのように 生 か すのですか 片 野 坂 一 つは ANAグループの 整 備 士 が 持 つ 高 い 整 備 技 術 ビジネスチャンスと 実 行 すべき 戦 略 の 商 品 化 です このたび 航 空 機 の 整 備 事 業 会 社 を 沖 縄 に 設 立 しました 沖 縄 での 事 業 開 始 は2017 年 度 下 期 を 目 指 しており 現 在 開 発 中 のMRJ 機 もここで 整 備 する 計 画 です 提 携 航 空 会 社 からの 整 備 受 託 に 加 え 航 空 需 要 が 急 増 し ているアジアからの 整 備 受 託 需 要 も 見 込 んでいます もう 一 つが パイロット 養 成 事 業 です 米 国 日 本 タイの3カ 所 で 事 業 を 進 め 特 に 旺 盛 なアジアのパイロッ ト 需 要 を 取 り 込 んでいきます ビジネスチャンス 実 行 すべき 戦 略 株 主 の 皆 様 への 還 元 をどのように 行 っていくのですか 片 野 坂 私 はサステナビリティ( 持 続 性 )を 大 事 にして います 当 面 は30%の 配 当 性 向 を 維 持 して 今 後 安 定 的 に5 円 以 上 の 配 当 が 継 続 できるように 努 力 していきます 財 務 体 質 を 十 分 に 考 慮 しながら 成 長 のための 投 資 を 進 め 株 主 の 皆 様 に 安 定 的 で 堅 実 な 還 元 策 を 実 施 していきます 最 近 幸 いにして 飛 行 機 に 乗 るならANAと 言 われる ことが 多 くなりました お 客 様 に 信 頼 されることは 企 業 収 益 に 必 ず 好 影 響 を 与 えます 成 長 の 風 を 逃 すことなく ANAグループを 世 界 のリーディングエアライングループ に 成 長 させていくことに 尽 力 していきますので 変 わら ぬご 支 援 ご 理 解 をお 願 いいたします 羽 田 成 田 の 発 着 枠 増 加 デュアルハブ ネットワークの 拡 充 空 港 の 売 店 免 税 品 販 売 強 化 訪 日 外 国 人 の 増 加 LCC 需 要 の 増 加 機 内 食 提 供 ビジネス 拡 充 海 外 からの 送 客 体 制 構 築 国 内 路 線 網 の 構 築 アジアへの 路 線 網 拡 充 国 際 線 事 業 が 成 長 の 柱 になっていることを 入 社 時 に 想 像 できましたか 日 本 産 品 食 材 の 人 気 アジアへの 貨 物 輸 送 強 化 第 二 貨 物 ハブネットワーク 構 築 片 野 坂 私 は1979 年 に 入 社 しましたが 当 時 のANAは 国 内 線 の 会 社 で 国 際 線 はチャーター 便 を 細 々とやって いる 程 度 でした その 会 社 で 国 際 線 が 国 内 線 をしのぐ 存 在 になっていくことは 想 像 できませんでした その 後 国 際 定 期 便 に 進 出 する 仕 事 に 携 わり グアムを 皮 切 りに ワシントンD.C. ロサンゼルスと 国 際 定 期 便 の 路 線 を 次 々 ANAの 高 度 な 整 備 技 術 整 備 受 託 会 社 の 展 開 航 空 以 外 の 事 業 についてはいかがですか 片 野 坂 旅 行 事 業 では 急 増 している 訪 日 外 国 人 需 要 を ターゲットにANAセールスがH.I.S.と 合 弁 で お 客 様 自 身 が 航 空 券 とホテルを 自 由 に 組 み 合 わせてつくる 訪 日 旅 パイロット 需 要 拡 大 シニア 層 の 増 加 パイロット 養 成 事 業 の 育 成 高 付 加 価 値 旅 行 商 品 の 提 供 5 6
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