都 市 間 交 通 利 便 性 から 見 た 広 島 の 競 争 力 所 属 名 : 広 島 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 発 表 者 氏 名 : 塚 井 誠 人.はじめに~ 交 通 利 便 性 指 標 としての 日 帰 り 交 通 圏 ~ 国 土 形 成 計 画 法 では, 地 域 間 の 交 通 網 整 備 のアウト プット 指 標 として, 国 内 の 各 地 域 ブロックにおいて 日 帰 り 交 通 圏 を 拡 充 する 方 針 が 強 調 されている ).ある 都 市 の 日 帰 り 交 通 圏 に 他 の 都 市 が 含 まれるには, 利 用 可 能 経 路 の 最 短 所 要 時 間 が 充 分 短 いことに 加 えて, 往 復 の 移 動 時 間 帯 に 適 切 な 運 航 便 が 設 定 されていなくてはならない. 運 航 便 がこの 条 件 を 満 たしていれば 目 的 都 市 での 滞 在 可 能 時 間 は 長 くなり, 滞 在 可 能 時 間 が 長 い 他 都 市 を 多 く 持 つ 都 市 ほど 日 帰 り 交 通 圏 は 広 くなる. 海 外 については 地 域 ブロックごとにアジア 各 地 への ゲートウェイとなる 国 際 空 港 の 整 備 を 行 うことにより, アウトプットである 日 帰 り 交 通 圏 の 拡 大 が 目 指 される 2). 一 方 国 内 については, 空 港 整 備 を 含 む 総 合 的 な 幹 線 交 通 のサービス 水 準 の 提 供 は, 各 地 域 が 主 体 的 に 取 り 組 むべ き 問 題 であると 位 置 づけられているが, 現 況 の 都 市 間 交 通 サービスにおける 地 域 格 差 の 拡 大 に 配 慮 することが 求 められる 3). 今 後 の 幹 線 交 通 網 整 備 では, 日 帰 り 交 通 圏 の 実 態 を 踏 まえて,ネットワークの 経 済 性 を 発 揮 できる 効 果 的 な 整 備 が 求 められる. 本 研 究 では, 地 域 ブロック 内,および 地 域 ブロック 間 の 交 通 サービスの 実 態 を 把 握 する 分 析 ツールとして, 時 間 帯 別 運 行 頻 度 情 報 を 用 いた 簡 易 な 方 法 で 滞 在 可 能 時 間 と 日 帰 り 交 通 圏 を 算 出 する 方 法 を 提 案 する.さらに, 上 記 の 方 法 を 広 島, 仙 台, 東 京 に 適 用 して990 年 と 2000 年 の 日 帰 り 交 通 圏 を 算 出 して 時 点 間 比 較 を 行 う. さらに 得 られた 結 果 と 事 業 所 立 地 量 の 変 化 を 比 較 するこ とにより,この 期 間 に 行 われた 幹 線 網 通 網 整 備 の 特 徴 に 基 づいて, 都 市 間 交 通 サービスの 観 点 から, 事 業 所 立 地 に 関 する 広 島 の 競 争 力 について 考 察 する. 2. 日 帰 り 交 通 圏 の 算 出 手 順 本 研 究 では, 膨 大 なダイヤグラム 情 報 に 基 づいて 厳 密 な 日 帰 り 交 通 圏 を 算 出 する 従 来 の 方 法 に 代 わって, 簡 便 法 によって 日 帰 り 交 通 圏 を 算 出 する. 以 下 に 提 案 する 簡 便 法 は, 地 域 ブロック 内 の 都 市 ( 日 常 生 活 圏 )を 代 表 する 都 市 をノードとして,またそれらの 都 市 間 を 結 ぶ 幹 線 交 通 網 をリンクとする 有 向 グラフ 上 での 第 k 番 目 経 路 探 索 法 4) と, 各 リンクの 時 間 帯 別 運 行 頻 度 の 情 報 に 基 づ いて 利 用 可 能 経 路 を 絞 り 込 む 手 順 をとる. 計 算 手 順 を 以 下 に 示 す. ) 出 発 ノードi の 設 定 ( i I ) 2) 目 的 ノード j の 設 定 ( j J, j i) 3) 出 発 時 刻 T の 設 定 ( ij or ji ) D 4) 時 間 帯 別 リンクの 運 行 頻 度 fij に 基 づいて, 出 発 時 刻 を 含 む 時 間 帯 で 運 航 便 が 設 定 されているリン クによって 構 成 される 利 用 可 能 グラフG 5)リンクの 所 要 時 間 を 基 準 とした 第 k 番 目 経 路 探 索 法 k によって, 利 用 可 能 経 路 R ij の 候 補 を 探 索 する. k 6) 得 られた 全 ての 利 用 可 能 経 路 R ij について, 経 路 上 のリンク m (m は 出 発 地 点 からの 経 由 順 を 表 わす 経 路 別 リンク 番 号 )の 進 入 時 刻 に 基 づいて, 経 由 リ ンクの 運 行 頻 度 fij を 算 出 する( 図, 後 述 ). k 7) 経 路 全 体 の 所 要 時 間 T ij と 経 由 リンク 運 行 頻 度 の 最 低 値 から 得 られる 最 低 運 行 頻 度 リンクの 待 ち 時 間 の 期 待 値 を 加 えて 経 路 の 実 質 所 要 時 間 さら に, 実 質 所 要 時 間 の 最 小 値 ˆ Tˆ T ij D = min T 2 min m fij k ij k ij () 8) 探 索 対 象 とした 出 発 時 刻 全 てについて 目 的 地 到 着 時 刻 が 算 出 されていれば 手 順 9)に 進 む.そうでなけ れば, 次 の 出 発 時 刻 を 設 定 して 手 順 4)に 戻 る. 9) 目 的 ノードと 出 発 ノードを 入 れ 替 えた 経 路 の 計 算 が 終 わっていれば 手 順 0)に 進 む.そうでなければ, 出 発 ノードi と 目 的 ノード j を 入 れ 替 えて 手 順 3) に 戻 る. 0)ij 間 の 経 路 ( 往 路 )については, 出 発 時 刻 T と 実 質 所 要 時 間 ˆ Tij から 最 も 早 い 目 的 地 到 着 時 刻 Aij を 求 める.
( ˆ ) A = min T T (2) ij ij 一 方 ji 間 の 経 路 ( 復 路 )については, 復 路 の 出 発 ˆ D ij 地 到 着 時 刻 が24:00までとなることを 条 件 に, 目 的 地 出 発 時 刻 T 遅 い 目 的 地 出 発 時 刻 D ˆ ji と 実 質 所 要 時 間 T ji ( ˆ ) から, 最 も D = T max T T < 24:00 (3) ji ji ) A ij と D ji から 目 的 地 滞 在 可 能 時 間 MSTij MST = D A (4) ij ji ij 2) 探 索 対 象 とした 目 的 地 全 ての 探 索 が 終 了 していれば 手 順 3)に 進 む.そうでなければ, 手 順 2)に 戻 る. 3) 目 的 地 滞 在 可 能 時 間 が 正 となる 目 的 地 j の 集 合 とし て, 出 発 地 j の 日 帰 り 交 通 圏 RTA RTA i { j MSTij 0} = > i (5) 手 順 2)の 出 発 時 刻 について, 往 路 ij は6:00から 時 間 間 隔 で2:00までの7 時 点, 復 路 ji は4:00から 時 間 間 隔 で2:00までの8 時 点 とした. 手 順 6)について, 各 リンクについて 入 手 可 能 な 時 間 帯 別 運 行 頻 度 に 基 づいて 経 由 リンクの 運 行 頻 度 を 求 める 方 法 を 図 に 示 す. f f ij k, m f ij 9:00 0:00 :00 2:00 3:00 図 時 間 帯 別 運 行 頻 度 の 算 出 k, m k, m 先 述 したように 本 手 順 では, 各 運 航 便 のダイヤグラム 情 報 ではなく,ネットワーク 上 の 各 リンクの 時 間 帯 別 の 運 行 本 数 をカウントした 情 報 に 基 づいて, 日 帰 り 交 通 圏 を 算 出 する. 時 間 帯 別 運 行 頻 度 は, 時 刻 t と 頻 度 f に 関 するグラフ 上 では 図 中 の 実 線 に 示 す 形 式 で 記 録 されてい る.この 運 行 頻 度 は,それぞれ 運 行 頻 度 を 記 録 した 単 位 時 間 の 期 首 時 刻 において, 次 の 単 位 時 刻 の 開 始 時 刻 まで の 間 に 利 用 可 能 な 運 行 本 数 を 表 わしている.したがって, あるリンクに 任 意 の 時 刻 に 進 入 した 場 合 の 利 用 可 能 な 運 行 本 数 の 期 待 値 は, 隣 り 合 う 運 行 頻 度 を 次 補 完 した 曲 線 で 与 えられる( 図 中 の 破 線 ). 一 方, 手 順 5)で 生 成 k された 利 用 可 能 経 路 について,リンク に 進 入 R ij t する 時 刻 を 求 めることができるため,これと 破 線 のグラフから, 経 路 上 の 経 由 リンクの 進 入 時 刻 に 対 応 し た 運 行 頻 度 f ij を 算 出 することができる. 3. 日 帰 り 交 通 圏 の 変 化 ()データ 本 研 究 で 用 いる 幹 線 交 通 ネットワークは, 旅 客 純 流 動 調 査 において 設 定 されている 全 国 207 生 活 圏 のうち, 沖 縄 と 離 島 を 除 く94 生 活 圏 に 対 応 するように, 既 往 研 究 4) において 独 自 に 作 成 したものである.このネットワ ークは, 主 要 駅 と 乗 り 換 え 結 節 点,および 定 期 便 が 就 航 している 国 内 の 全 空 港 をノードとする240ノード,50リ ンクから 成 る.データ 作 成 年 次 は990 年 と2000 年 として, 各 リンクについて, 時 刻 表 に 基 づいて 所 要 時 間 と 運 行 頻 度 の 情 報 を 作 成 して 入 力 している. 運 行 頻 度 は6:00~2 4:00の 間 を 等 間 隔 で3 時 間 毎 に 分 けた6つの 時 間 帯 につい て, 方 向 別 にカウントしたデータを 作 成 した(2 種 の 運 行 頻 度 データ:2 方 向 6 時 間 帯 ).また 経 路 探 索 法 に ついては, 加 藤 ら 5 が 提 案 した 無 向 グラフ 上 の 第 k 経 路 探 索 法 を 有 向 グラフに 拡 張 したアルゴリズムを 用 いた. (2) 計 算 結 果 日 帰 り 交 通 圏 は, 広 島 について 算 出 すると 共 に, 代 表 的 な 地 方 都 市 として 仙 台 について,また 代 表 的 な 大 都 市 として 東 京 について 算 出 した.さらに 目 的 地 の 生 活 圏 の 人 口 を, 出 発 地 毎 に 求 められる 滞 在 時 間 別 に 集 計 して, 他 地 域 の 人 口 分 布 を 加 味 したアクセシビリティの 変 化 に ついて 検 討 する. 図 2に 仙 台 からの 日 帰 り 交 通 圏 を 示 す.990 年 では, 滞 在 可 能 時 間 の 長 い 生 活 圏 は 東 北 関 東 地 方 のみに 広 が っていたのに 対 して,2000 年 では 大 阪 以 西 の 地 域 にも 滞 在 可 能 時 間 の 長 い 圏 域 が 広 がっている. 図 3と 図 4に は,990 年 と2000 年 について, 滞 在 時 間 別 の 目 的 地 生 活 圏 の 人 口 分 布 を 示 している.それぞれ 主 要 交 通 機 関 が 鉄 道 と で 色 分 けしている.これらより, 目 的 地 滞 在 時 間 が 短 い 生 活 圏 には が, 滞 在 時 間 が 長 い 生 活 圏 には が 使 われていることがわかる.990 年 と2000 年 を 比 較 すると, 利 用 による 目 的 地 の 滞 在 時 間 分 布 のピー クは,より 長 い 方 にシフトしている(~ 時 間 /9 90 年 ~ 時 間 /2000 年 ).これは ネットワー クの 充 実 によるものと 考 えられる. に 関 しても 同 様 の 傾 向 がわずかながら 見 られる(~ 時 間 が 減 少 し, より 長 く 滞 在 可 能 となっている). 一 方, 日 帰 り 交 通 圏 に 含 まれない 圏 域 の 人 口 ( 図 中 黒 色 のグラフ)は 減 少 して いる. 図 5に 広 島 からの 日 帰 り 交 通 圏 を 示 す. 広 島 からは
図 2 仙 台 からの 日 帰 り 交 通 圏 ~ 990a 990r 図 5 広 島 からの 日 帰 り 交 通 圏 ~ 990a 990r 図 3 仙 台 からの 目 的 地 滞 在 時 間 の 分 布 (990 年 ) 図 6 広 島 からの 目 的 地 滞 在 時 間 の 分 布 (990 年 ) ~ 2000a ~ 2000a 図 4 仙 台 からの 目 的 地 滞 在 時 間 の 分 布 (2000 年 ) 図 7 広 島 からの 目 的 地 滞 在 時 間 の 分 布 (2000 年 )
図 200 年 /99 年 の 事 業 所 立 地 量 の 比 図 8 東 京 からの 日 帰 り 交 通 圏 ~ 990a 990r 図 9 東 京 からの 目 的 地 滞 在 時 間 の 分 布 (990 年 ) ~ 2000a 図 0 東 京 からの 目 的 地 滞 在 時 間 の 分 布 (2000 年 ) 東 海 道 山 陽 新 幹 線 が 利 用 できるため, 日 帰 り 交 通 圏 は 東 京 以 西 の 中 部, 西 日 本, 北 九 州 各 地 に 広 がっている. 990 年 について 仙 台 と 広 島 の 目 的 地 滞 在 時 間 の 分 布 を 比 較 すると( 図 3と 図 6), 仙 台 よりも 広 島 の 方 が 鉄 道 とも, 滞 在 可 能 時 間 が 長 い 範 囲 に 多 くの 人 口 が 分 布 していることがわかる(~ 時 間 /990 年 ). この 傾 向 は2000 年 においても 大 きく 変 化 していないもの の( 図 4と 図 7,~ 時 間 ), 利 用 による 目 的 地 の 滞 在 時 間 のシフトの 程 度 は, 仙 台 の 方 がより 顕 著 に 表 れている. 一 方, を 利 用 する 目 的 地 の 滞 在 時 間 のシフトは, 広 島 仙 台 の 両 都 市 とも,ごくわずかに 留 まっている. 図 8は, 東 京 からの 日 帰 り 交 通 圏 を 示 している. 図 2および 図 5と 比 較 して 明 らかなように, 東 京 からの 日 帰 り 交 通 圏 は, 目 的 地 滞 在 時 間 が 長 い 点 が 特 徴 である. 図 9, 図 0に 示 す 目 的 地 滞 在 時 間 の 分 布 は,わずか に 改 善 されているものの, 両 時 点 とも 生 活 圏 域 人 口 のピ ークが 現 れる 滞 在 時 間 のレンジに 変 化 はみられない(0. 5~2 時 間 ).これは,990 年 において 東 京 から 他 都 市 へのアクセスは 既 に 高 い 水 準 にある 一 方 で, 2000 年 ま での 間 では, 運 行 頻 度 の 増 発 による 待 ち 時 間 の 短 縮 等 に よるサービス 水 準 の 改 善 が 進 められたものの, 羽 田 空 港 の 発 着 枠 の 制 約 等 のためその 効 果 が 現 れにくい 状 況 にあ ったことを 示 している.しかし,2000 年 の 目 的 地 滞 在 時 間 について, 東 京 と 仙 台, 広 島 を 比 較 すると, 依 然 とし て 東 京 からの 目 的 地 滞 在 時 間 の 分 布 は 圧 倒 的 に 長 い.す なわち 地 方 空 港 の 整 備 によって, 地 方 の 日 帰 り 交 通 圏 の 拡 大 は 進 んでいるものの, 東 京 との 格 差 は 依 然 として 大 きいことが 明 らかとなった. 4. 事 業 所 立 地 量 の 変 化 と 広 島 の 競 争 力 図 に,99 年 に 対 する200 年 の 民 営 事 業 所 立 地
量 の 比 を 示 す. 東 京, 仙 台, 福 岡 などの 数 都 市 を 除 いて, ほぼ 全 ての 生 活 圏 において 民 営 事 業 所 数 は 減 少 する 傾 向 にある. 特 に 北 海 道, 関 西, 中 四 国 地 方 の 減 少 が 著 しい. 広 島 と 仙 台 は,いずれも 東 京 や 他 都 市 に 本 社 が 立 地 する 企 業 の 支 店 立 地 によって 経 済 活 動 が 支 えられている と 考 えられてきたが, 事 業 所 立 地 については 顕 著 な 違 い が 生 じている.この 理 由 として, 以 下 の 考 察 が 成 り 立 つ. すなわち 仙 台 は, 支 店 経 済 都 市 として 本 社 が 立 地 す る 上 位 都 市 との 結 びつきを 維 持 しながら, 地 域 ブロック 内 の 中 心 都 市 として 周 辺 都 市 へのアクセス 性 が 改 善 され ることによる 事 業 所 の 集 積 効 果 が 大 きく 現 れている,と 考 えられる. 一 方 広 島 は, 大 阪 と 福 岡 という 比 較 的 規 模 の 大 きな 都 市 の 中 間 に 位 置 しているため,これらの 都 市 に 立 地 する 事 業 所 の 管 轄 域 の 影 響 を 強 く 受 ける.したが って, 広 島 を 含 む 中 国 地 方 の 各 地 域 の 交 通 利 便 性 への 改 善 は,より 規 模 の 大 きな 大 阪 や 福 岡 などの 他 都 市 に 立 地 する 支 店 が, 広 島 に 立 地 する 支 店 機 能 を 代 替 することに よって,これまで 広 島 に 立 地 していた 支 店 の 減 少 につな がり, 結 果 的 に 広 島 の 支 店 経 済 都 市 としての 地 位 低 下 をもたらす 可 能 性 がある. 以 上 の 結 果 は, 幹 線 交 通 網 整 備 によって 都 市 間 の 交 通 利 便 性 が 改 善 されると, 広 島 は 事 業 所 立 地 を 失 う 可 能 性 があり, 事 業 所 立 地 に 関 して 従 来 有 していた 競 争 力 の 維 持 が 難 しくなることを 示 している. 今 後 は,たとえば 既 存 の 製 造 業 の 集 積 の 高 さを 活 かしたビジネスの 拡 大 を 通 じて, 事 業 所 集 積 を 維 持 する 方 策 を 検 討 する 必 要 があ る. 2) 藤 村, 寺 尾, 加 藤, 今 井 : 九 州 エリアブロックの 東 南 アジアゲートウェイ 機 能 の 評 価 に 関 する 研 究, 土 木 計 画 学 研 究 講 演 集,vol.3,CD-ROM,2005. 3) 佐 藤, 戸 谷 : 二 層 の 広 域 圏 と 幹 線 交 通 計 画, 土 木 計 画 学 研 究 講 演 集,vol.3,CD-ROM,2005. 4) 枦 元, 塚 井, 奥 村 : 複 数 経 路 を 考 慮 した 都 市 間 網 の 評 価, 土 木 計 画 学 研 究 論 文 集,vol.20, pp.255-260,2003. 5) 加 藤, 茨 木, 三 根 : 無 向 グラフの 第 k 番 目 最 短 経 路 を O(kn)で 探 索 するアルゴリズムの 開 発, 日 本 電 気 通 信 学 会 誌,vol.J-6A, pp.99-205,978. 5.まとめ 本 研 究 では 独 自 に 開 発 した 日 帰 り 交 通 圏 の 計 算 アル ゴリズムを 用 いて, 生 活 圏 単 位 のアクセシビリティの 変 化 を 明 らかにすると 共 に, 全 国 の 事 業 所 立 地 量 に 関 する 広 島 の 競 争 力 の 動 向 について 考 察 を 行 った.その 結 果, 広 島 と 他 都 市 間 の 交 通 利 便 性 は 改 善 されているものの, 事 業 所 立 地 量 は 減 少 していることが 明 らかとなった. 今 後, 広 島 の 競 争 力 を 維 持 するためには,たとえば 製 造 業 中 心 の 集 積 特 性 を 活 かしたビジネスの 拡 大 を 図 る 必 要 が あると 考 えられる. なお 以 上 の 考 察 は, 広 域 的 な 立 地 条 件 の 変 化 にのみ 基 づいており,さらなる 精 査 が 必 要 なことは 言 うまでも ない. 今 後 は, 企 業 の 業 種 の 特 性 等 を 考 慮 しながら, 事 業 所 立 地 に 関 する 要 因 分 析 を 行 う 必 要 がある. 参 考 文 献 ) 森 地, 二 層 の 広 域 圏 形 成 研 究 会 : 人 口 減 少 時 代 の 国 土 ビジョン, 新 しい 国 のかたち 二 層 の 広 域 圏, 日 本 経 済 新 聞 社,2005.