土木計画学研究・論文集審査用論文の書き方に関する研究*

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●電力自由化推進法案

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平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

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18 国立高等専門学校機構

3 圏 域 では 県 北 沿 岸 で2の 傾 向 を 強 く 見 てとることができます 4 近 年 は 分 配 及 び 人 口 が 減 少 している 市 町 村 が 多 くなっているため 所 得 の 増 加 要 因 を 考 える 場 合 は 人 口 減 少 による 影 響 についても 考 慮 する

6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

市 の 人 口 密 度 は 5,000 人 を 超 え 図 4 人 口 密 度 ( 単 位 : 人 /k m2) に 次 いで 高 くなっている 0 5,000 10,000 15,000 首 都 圏 に 立 地 する 政 令 指 定 都 市 では 都 内 に 通 勤 通 学 する 人 口 が 多

文化政策情報システムの運用等

表紙

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●幼児教育振興法案

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

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(3) 調 査 の 進 め 方 2 月 28 日 2 月 28 日 ~6 月 30 日 平 成 25 年 9 月 サウンディング 型 市 場 調 査 について 公 表 松 戸 市 から 基 本 的 な 土 地 情 報 サウンディングの 実 施 活 用 意 向 アイデアのある 民 間 事 業 者 と


職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 福 岡 県 技 能 労 務 職 歳 1,19,98 9,9 歳 8,

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

資料3

3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

公表表紙

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Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 1 人


Microsoft Word 行革PF法案-0概要

1

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

6. 共 有 等 に 係 る 固 定 資 産 の 判 定 3 共 有 に 係 る 固 定 資 産 については それぞれの 共 有 者 が 他 に 固 定 資 産 を 所 有 している 場 合 であっても その 資 産 とは 別 個 に 共 有 されている 固 定 資 産 を 別 の 人 格 が 所

01.活性化計画(上大久保)

市街化区域と市街化調整区域との区分

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1 調査名称:太田市総合交通体系調査

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

m07 北見工業大学 様式①

1 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )について 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )の 構 成 構 成 記 載 内 容 第 1 章 はじめに 本 マニュアルの 目 的 記 載 内 容 について 説 明 しています 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 林 地

(2) 支 状 況 保 育 所 ( 定 員 60 人 以 上 ) 支 状 況 は 次 とおりです 1 総 入 構 成 比 は 割 合 が88.1% 活 動 外 入 が2.1% 特 別 入 が9.8%でした 2 構 成 比 は 運 営 費 入 が80.1% 経 常 経 費 補 助 金 入 が17.8%


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Taro-給与公表(H25).jtd

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 ) 1) 一 般 行 政 職 福 島 県 国 類 似 団 体 平 均 年 齢 平

別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

平成22年度

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

安 芸 太 田 町 学 校 適 正 配 置 基 本 方 針 の 一 部 修 正 について 1 議 会 学 校 適 正 配 置 調 査 特 別 委 員 会 調 査 報 告 書 について 安 芸 太 田 町 教 育 委 員 会 が 平 成 25 年 10 月 30 日 に 決 定 した 安 芸 太 田

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

16 日本学生支援機構

- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

(別紙3)保険会社向けの総合的な監督指針の一部を改正する(案)

1 リーダーシップと 意 思 決 定 1-1 事 業 所 が 目 指 していることの 実 現 に 向 けて 一 丸 となっている 評 価 項 目 事 業 所 が 目 指 していること( 理 念 基 本 方 針 )を 明 確 化 周 知 している 1. 事 業 所 が 目 指 していること

1. 決 算 の 概 要 法 人 全 体 として 2,459 億 円 の 当 期 総 利 益 を 計 上 し 末 をもって 繰 越 欠 損 金 を 解 消 しています ( : 当 期 総 利 益 2,092 億 円 ) 中 期 計 画 における 収 支 改 善 項 目 に 関 して ( : 繰 越

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

退職手当とは

岡山県警察用航空機の運用等に関する訓令

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 給 与 月 額 平 均 年 齢 平 均 給 料

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 A 18,248 11,166 4, ,066 6,42

主要生活道路について

PowerPoint プレゼンテーション

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スライド 1

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

Ⅰ 調 査 の 概 要 1 目 的 義 務 教 育 の 機 会 均 等 その 水 準 の 維 持 向 上 の 観 点 から 的 な 児 童 生 徒 の 学 力 や 学 習 状 況 を 把 握 分 析 し 教 育 施 策 の 成 果 課 題 を 検 証 し その 改 善 を 図 るもに 学 校 におけ

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Microsoft PowerPoint - 390

1 書 誌 作 成 機 能 (NACSIS-CAT)の 軽 量 化 合 理 化 電 子 情 報 資 源 への 適 切 な 対 応 のための 資 源 ( 人 的 資 源,システム 資 源, 経 費 を 含 む) の 確 保 のために, 書 誌 作 成 と 書 誌 管 理 作 業 の 軽 量 化 を 図

草 加 都 市 計 画 事 業 新 田 西 部 土 地 区 画 整 理 事 業 土 地 評 価 基 準 ( 目 的 ) 第 1 この 基 準 は 土 地 区 画 整 理 法 ( 昭 和 29 年 法 律 第 119 号 ) 第 3 条 第 4 項 の 規 定 により 草 加 市 が 施 行 する 草

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 () 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 年 月 日 現 在 ) 一 般 行 政 職 平 均 給 与 月 額 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

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中国会社法の改正が外商投資企業に与える影響(2)

[2] 控 除 限 度 額 繰 越 欠 損 金 を 有 する 法 人 において 欠 損 金 発 生 事 業 年 度 の 翌 事 業 年 度 以 後 の 欠 損 金 の 繰 越 控 除 にあ たっては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 により 次 ページ 以 降 で 解 説 する の 特 例 (

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

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社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

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為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

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参 考 改 正 災 害 対 策 基 本 法 1 ( 災 害 時 における 車 両 の 移 動 等 ) 第 七 十 六 条 の 六 道 路 管 理 者 は その 管 理 する 道 路 の 存 する 都 道 府 県 又 はこれに 隣 接 し 若 しくは 近 接 する 都 道 府 県 の 地 域 に 係

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再 生 可 能 エネルギー 等 導 入 推 進 基 金 事 業 計 画 書 ( 各 年 度 計 画 書 ) ( 事 業 計 画 の 概 要 ) 計 画 の 名 称 京 都 府 地 球 温 暖 化 対 策 等 推 進 基 金 計 画 の 期 間 交 付 対 象 京 都 府 府 内 市 町 村 民 間

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 (H20.4.1) 96.7 (H25.4.1) (H25.7.1) (H25.4.1), (H25.4.1) 参 考 値 98.3 (H25.7.1) (H20.4.1) (H25.4

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

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通 知 カード と 個 人 番 号 カード の 違 い 2 通 知 カード ( 紙 )/H27.10 個 人 番 号 カード (ICカード)/H28.1 様 式 (おもて) (うら) 作 成 交 付 主 な 記 載 事 項 全 国 ( 外 国 人 含 む)に 郵 送 で 配 布 希 望 者 に 交

1. 旅 費 交 通 費 < 基 本 的 な 考 え 方 > 登 録 研 究 員 登 録 研 究 員 に 随 行 する 補 助 員 又 は 国 立 研 究 開 発 法 人 に 所 属 するリサーチ アシスタント 者 ( 前 期 博 士 課 程 ) 及 び 外 部 依 頼 した 専 門 家 が 研 究

第 1 条 適 用 範 囲 本 業 務 方 法 書 は 以 下 の 性 能 評 価 に 適 用 する (1) 建 築 基 準 法 施 行 令 ( 以 下 令 という ) 第 20 条 の7 第 1 項 第 二 号 表 及 び 令 第 20 条 の 8 第 2 項 の 認 定 に 係 る 性 能 評

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(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

第4回税制調査会 総4-1

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都 市 間 交 通 利 便 性 から 見 た 広 島 の 競 争 力 所 属 名 : 広 島 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 発 表 者 氏 名 : 塚 井 誠 人.はじめに~ 交 通 利 便 性 指 標 としての 日 帰 り 交 通 圏 ~ 国 土 形 成 計 画 法 では, 地 域 間 の 交 通 網 整 備 のアウト プット 指 標 として, 国 内 の 各 地 域 ブロックにおいて 日 帰 り 交 通 圏 を 拡 充 する 方 針 が 強 調 されている ).ある 都 市 の 日 帰 り 交 通 圏 に 他 の 都 市 が 含 まれるには, 利 用 可 能 経 路 の 最 短 所 要 時 間 が 充 分 短 いことに 加 えて, 往 復 の 移 動 時 間 帯 に 適 切 な 運 航 便 が 設 定 されていなくてはならない. 運 航 便 がこの 条 件 を 満 たしていれば 目 的 都 市 での 滞 在 可 能 時 間 は 長 くなり, 滞 在 可 能 時 間 が 長 い 他 都 市 を 多 く 持 つ 都 市 ほど 日 帰 り 交 通 圏 は 広 くなる. 海 外 については 地 域 ブロックごとにアジア 各 地 への ゲートウェイとなる 国 際 空 港 の 整 備 を 行 うことにより, アウトプットである 日 帰 り 交 通 圏 の 拡 大 が 目 指 される 2). 一 方 国 内 については, 空 港 整 備 を 含 む 総 合 的 な 幹 線 交 通 のサービス 水 準 の 提 供 は, 各 地 域 が 主 体 的 に 取 り 組 むべ き 問 題 であると 位 置 づけられているが, 現 況 の 都 市 間 交 通 サービスにおける 地 域 格 差 の 拡 大 に 配 慮 することが 求 められる 3). 今 後 の 幹 線 交 通 網 整 備 では, 日 帰 り 交 通 圏 の 実 態 を 踏 まえて,ネットワークの 経 済 性 を 発 揮 できる 効 果 的 な 整 備 が 求 められる. 本 研 究 では, 地 域 ブロック 内,および 地 域 ブロック 間 の 交 通 サービスの 実 態 を 把 握 する 分 析 ツールとして, 時 間 帯 別 運 行 頻 度 情 報 を 用 いた 簡 易 な 方 法 で 滞 在 可 能 時 間 と 日 帰 り 交 通 圏 を 算 出 する 方 法 を 提 案 する.さらに, 上 記 の 方 法 を 広 島, 仙 台, 東 京 に 適 用 して990 年 と 2000 年 の 日 帰 り 交 通 圏 を 算 出 して 時 点 間 比 較 を 行 う. さらに 得 られた 結 果 と 事 業 所 立 地 量 の 変 化 を 比 較 するこ とにより,この 期 間 に 行 われた 幹 線 網 通 網 整 備 の 特 徴 に 基 づいて, 都 市 間 交 通 サービスの 観 点 から, 事 業 所 立 地 に 関 する 広 島 の 競 争 力 について 考 察 する. 2. 日 帰 り 交 通 圏 の 算 出 手 順 本 研 究 では, 膨 大 なダイヤグラム 情 報 に 基 づいて 厳 密 な 日 帰 り 交 通 圏 を 算 出 する 従 来 の 方 法 に 代 わって, 簡 便 法 によって 日 帰 り 交 通 圏 を 算 出 する. 以 下 に 提 案 する 簡 便 法 は, 地 域 ブロック 内 の 都 市 ( 日 常 生 活 圏 )を 代 表 する 都 市 をノードとして,またそれらの 都 市 間 を 結 ぶ 幹 線 交 通 網 をリンクとする 有 向 グラフ 上 での 第 k 番 目 経 路 探 索 法 4) と, 各 リンクの 時 間 帯 別 運 行 頻 度 の 情 報 に 基 づ いて 利 用 可 能 経 路 を 絞 り 込 む 手 順 をとる. 計 算 手 順 を 以 下 に 示 す. ) 出 発 ノードi の 設 定 ( i I ) 2) 目 的 ノード j の 設 定 ( j J, j i) 3) 出 発 時 刻 T の 設 定 ( ij or ji ) D 4) 時 間 帯 別 リンクの 運 行 頻 度 fij に 基 づいて, 出 発 時 刻 を 含 む 時 間 帯 で 運 航 便 が 設 定 されているリン クによって 構 成 される 利 用 可 能 グラフG 5)リンクの 所 要 時 間 を 基 準 とした 第 k 番 目 経 路 探 索 法 k によって, 利 用 可 能 経 路 R ij の 候 補 を 探 索 する. k 6) 得 られた 全 ての 利 用 可 能 経 路 R ij について, 経 路 上 のリンク m (m は 出 発 地 点 からの 経 由 順 を 表 わす 経 路 別 リンク 番 号 )の 進 入 時 刻 に 基 づいて, 経 由 リ ンクの 運 行 頻 度 fij を 算 出 する( 図, 後 述 ). k 7) 経 路 全 体 の 所 要 時 間 T ij と 経 由 リンク 運 行 頻 度 の 最 低 値 から 得 られる 最 低 運 行 頻 度 リンクの 待 ち 時 間 の 期 待 値 を 加 えて 経 路 の 実 質 所 要 時 間 さら に, 実 質 所 要 時 間 の 最 小 値 ˆ Tˆ T ij D = min T 2 min m fij k ij k ij () 8) 探 索 対 象 とした 出 発 時 刻 全 てについて 目 的 地 到 着 時 刻 が 算 出 されていれば 手 順 9)に 進 む.そうでなけ れば, 次 の 出 発 時 刻 を 設 定 して 手 順 4)に 戻 る. 9) 目 的 ノードと 出 発 ノードを 入 れ 替 えた 経 路 の 計 算 が 終 わっていれば 手 順 0)に 進 む.そうでなければ, 出 発 ノードi と 目 的 ノード j を 入 れ 替 えて 手 順 3) に 戻 る. 0)ij 間 の 経 路 ( 往 路 )については, 出 発 時 刻 T と 実 質 所 要 時 間 ˆ Tij から 最 も 早 い 目 的 地 到 着 時 刻 Aij を 求 める.

( ˆ ) A = min T T (2) ij ij 一 方 ji 間 の 経 路 ( 復 路 )については, 復 路 の 出 発 ˆ D ij 地 到 着 時 刻 が24:00までとなることを 条 件 に, 目 的 地 出 発 時 刻 T 遅 い 目 的 地 出 発 時 刻 D ˆ ji と 実 質 所 要 時 間 T ji ( ˆ ) から, 最 も D = T max T T < 24:00 (3) ji ji ) A ij と D ji から 目 的 地 滞 在 可 能 時 間 MSTij MST = D A (4) ij ji ij 2) 探 索 対 象 とした 目 的 地 全 ての 探 索 が 終 了 していれば 手 順 3)に 進 む.そうでなければ, 手 順 2)に 戻 る. 3) 目 的 地 滞 在 可 能 時 間 が 正 となる 目 的 地 j の 集 合 とし て, 出 発 地 j の 日 帰 り 交 通 圏 RTA RTA i { j MSTij 0} = > i (5) 手 順 2)の 出 発 時 刻 について, 往 路 ij は6:00から 時 間 間 隔 で2:00までの7 時 点, 復 路 ji は4:00から 時 間 間 隔 で2:00までの8 時 点 とした. 手 順 6)について, 各 リンクについて 入 手 可 能 な 時 間 帯 別 運 行 頻 度 に 基 づいて 経 由 リンクの 運 行 頻 度 を 求 める 方 法 を 図 に 示 す. f f ij k, m f ij 9:00 0:00 :00 2:00 3:00 図 時 間 帯 別 運 行 頻 度 の 算 出 k, m k, m 先 述 したように 本 手 順 では, 各 運 航 便 のダイヤグラム 情 報 ではなく,ネットワーク 上 の 各 リンクの 時 間 帯 別 の 運 行 本 数 をカウントした 情 報 に 基 づいて, 日 帰 り 交 通 圏 を 算 出 する. 時 間 帯 別 運 行 頻 度 は, 時 刻 t と 頻 度 f に 関 するグラフ 上 では 図 中 の 実 線 に 示 す 形 式 で 記 録 されてい る.この 運 行 頻 度 は,それぞれ 運 行 頻 度 を 記 録 した 単 位 時 間 の 期 首 時 刻 において, 次 の 単 位 時 刻 の 開 始 時 刻 まで の 間 に 利 用 可 能 な 運 行 本 数 を 表 わしている.したがって, あるリンクに 任 意 の 時 刻 に 進 入 した 場 合 の 利 用 可 能 な 運 行 本 数 の 期 待 値 は, 隣 り 合 う 運 行 頻 度 を 次 補 完 した 曲 線 で 与 えられる( 図 中 の 破 線 ). 一 方, 手 順 5)で 生 成 k された 利 用 可 能 経 路 について,リンク に 進 入 R ij t する 時 刻 を 求 めることができるため,これと 破 線 のグラフから, 経 路 上 の 経 由 リンクの 進 入 時 刻 に 対 応 し た 運 行 頻 度 f ij を 算 出 することができる. 3. 日 帰 り 交 通 圏 の 変 化 ()データ 本 研 究 で 用 いる 幹 線 交 通 ネットワークは, 旅 客 純 流 動 調 査 において 設 定 されている 全 国 207 生 活 圏 のうち, 沖 縄 と 離 島 を 除 く94 生 活 圏 に 対 応 するように, 既 往 研 究 4) において 独 自 に 作 成 したものである.このネットワ ークは, 主 要 駅 と 乗 り 換 え 結 節 点,および 定 期 便 が 就 航 している 国 内 の 全 空 港 をノードとする240ノード,50リ ンクから 成 る.データ 作 成 年 次 は990 年 と2000 年 として, 各 リンクについて, 時 刻 表 に 基 づいて 所 要 時 間 と 運 行 頻 度 の 情 報 を 作 成 して 入 力 している. 運 行 頻 度 は6:00~2 4:00の 間 を 等 間 隔 で3 時 間 毎 に 分 けた6つの 時 間 帯 につい て, 方 向 別 にカウントしたデータを 作 成 した(2 種 の 運 行 頻 度 データ:2 方 向 6 時 間 帯 ).また 経 路 探 索 法 に ついては, 加 藤 ら 5 が 提 案 した 無 向 グラフ 上 の 第 k 経 路 探 索 法 を 有 向 グラフに 拡 張 したアルゴリズムを 用 いた. (2) 計 算 結 果 日 帰 り 交 通 圏 は, 広 島 について 算 出 すると 共 に, 代 表 的 な 地 方 都 市 として 仙 台 について,また 代 表 的 な 大 都 市 として 東 京 について 算 出 した.さらに 目 的 地 の 生 活 圏 の 人 口 を, 出 発 地 毎 に 求 められる 滞 在 時 間 別 に 集 計 して, 他 地 域 の 人 口 分 布 を 加 味 したアクセシビリティの 変 化 に ついて 検 討 する. 図 2に 仙 台 からの 日 帰 り 交 通 圏 を 示 す.990 年 では, 滞 在 可 能 時 間 の 長 い 生 活 圏 は 東 北 関 東 地 方 のみに 広 が っていたのに 対 して,2000 年 では 大 阪 以 西 の 地 域 にも 滞 在 可 能 時 間 の 長 い 圏 域 が 広 がっている. 図 3と 図 4に は,990 年 と2000 年 について, 滞 在 時 間 別 の 目 的 地 生 活 圏 の 人 口 分 布 を 示 している.それぞれ 主 要 交 通 機 関 が 鉄 道 と で 色 分 けしている.これらより, 目 的 地 滞 在 時 間 が 短 い 生 活 圏 には が, 滞 在 時 間 が 長 い 生 活 圏 には が 使 われていることがわかる.990 年 と2000 年 を 比 較 すると, 利 用 による 目 的 地 の 滞 在 時 間 分 布 のピー クは,より 長 い 方 にシフトしている(~ 時 間 /9 90 年 ~ 時 間 /2000 年 ).これは ネットワー クの 充 実 によるものと 考 えられる. に 関 しても 同 様 の 傾 向 がわずかながら 見 られる(~ 時 間 が 減 少 し, より 長 く 滞 在 可 能 となっている). 一 方, 日 帰 り 交 通 圏 に 含 まれない 圏 域 の 人 口 ( 図 中 黒 色 のグラフ)は 減 少 して いる. 図 5に 広 島 からの 日 帰 り 交 通 圏 を 示 す. 広 島 からは

図 2 仙 台 からの 日 帰 り 交 通 圏 ~ 990a 990r 図 5 広 島 からの 日 帰 り 交 通 圏 ~ 990a 990r 図 3 仙 台 からの 目 的 地 滞 在 時 間 の 分 布 (990 年 ) 図 6 広 島 からの 目 的 地 滞 在 時 間 の 分 布 (990 年 ) ~ 2000a ~ 2000a 図 4 仙 台 からの 目 的 地 滞 在 時 間 の 分 布 (2000 年 ) 図 7 広 島 からの 目 的 地 滞 在 時 間 の 分 布 (2000 年 )

図 200 年 /99 年 の 事 業 所 立 地 量 の 比 図 8 東 京 からの 日 帰 り 交 通 圏 ~ 990a 990r 図 9 東 京 からの 目 的 地 滞 在 時 間 の 分 布 (990 年 ) ~ 2000a 図 0 東 京 からの 目 的 地 滞 在 時 間 の 分 布 (2000 年 ) 東 海 道 山 陽 新 幹 線 が 利 用 できるため, 日 帰 り 交 通 圏 は 東 京 以 西 の 中 部, 西 日 本, 北 九 州 各 地 に 広 がっている. 990 年 について 仙 台 と 広 島 の 目 的 地 滞 在 時 間 の 分 布 を 比 較 すると( 図 3と 図 6), 仙 台 よりも 広 島 の 方 が 鉄 道 とも, 滞 在 可 能 時 間 が 長 い 範 囲 に 多 くの 人 口 が 分 布 していることがわかる(~ 時 間 /990 年 ). この 傾 向 は2000 年 においても 大 きく 変 化 していないもの の( 図 4と 図 7,~ 時 間 ), 利 用 による 目 的 地 の 滞 在 時 間 のシフトの 程 度 は, 仙 台 の 方 がより 顕 著 に 表 れている. 一 方, を 利 用 する 目 的 地 の 滞 在 時 間 のシフトは, 広 島 仙 台 の 両 都 市 とも,ごくわずかに 留 まっている. 図 8は, 東 京 からの 日 帰 り 交 通 圏 を 示 している. 図 2および 図 5と 比 較 して 明 らかなように, 東 京 からの 日 帰 り 交 通 圏 は, 目 的 地 滞 在 時 間 が 長 い 点 が 特 徴 である. 図 9, 図 0に 示 す 目 的 地 滞 在 時 間 の 分 布 は,わずか に 改 善 されているものの, 両 時 点 とも 生 活 圏 域 人 口 のピ ークが 現 れる 滞 在 時 間 のレンジに 変 化 はみられない(0. 5~2 時 間 ).これは,990 年 において 東 京 から 他 都 市 へのアクセスは 既 に 高 い 水 準 にある 一 方 で, 2000 年 ま での 間 では, 運 行 頻 度 の 増 発 による 待 ち 時 間 の 短 縮 等 に よるサービス 水 準 の 改 善 が 進 められたものの, 羽 田 空 港 の 発 着 枠 の 制 約 等 のためその 効 果 が 現 れにくい 状 況 にあ ったことを 示 している.しかし,2000 年 の 目 的 地 滞 在 時 間 について, 東 京 と 仙 台, 広 島 を 比 較 すると, 依 然 とし て 東 京 からの 目 的 地 滞 在 時 間 の 分 布 は 圧 倒 的 に 長 い.す なわち 地 方 空 港 の 整 備 によって, 地 方 の 日 帰 り 交 通 圏 の 拡 大 は 進 んでいるものの, 東 京 との 格 差 は 依 然 として 大 きいことが 明 らかとなった. 4. 事 業 所 立 地 量 の 変 化 と 広 島 の 競 争 力 図 に,99 年 に 対 する200 年 の 民 営 事 業 所 立 地

量 の 比 を 示 す. 東 京, 仙 台, 福 岡 などの 数 都 市 を 除 いて, ほぼ 全 ての 生 活 圏 において 民 営 事 業 所 数 は 減 少 する 傾 向 にある. 特 に 北 海 道, 関 西, 中 四 国 地 方 の 減 少 が 著 しい. 広 島 と 仙 台 は,いずれも 東 京 や 他 都 市 に 本 社 が 立 地 する 企 業 の 支 店 立 地 によって 経 済 活 動 が 支 えられている と 考 えられてきたが, 事 業 所 立 地 については 顕 著 な 違 い が 生 じている.この 理 由 として, 以 下 の 考 察 が 成 り 立 つ. すなわち 仙 台 は, 支 店 経 済 都 市 として 本 社 が 立 地 す る 上 位 都 市 との 結 びつきを 維 持 しながら, 地 域 ブロック 内 の 中 心 都 市 として 周 辺 都 市 へのアクセス 性 が 改 善 され ることによる 事 業 所 の 集 積 効 果 が 大 きく 現 れている,と 考 えられる. 一 方 広 島 は, 大 阪 と 福 岡 という 比 較 的 規 模 の 大 きな 都 市 の 中 間 に 位 置 しているため,これらの 都 市 に 立 地 する 事 業 所 の 管 轄 域 の 影 響 を 強 く 受 ける.したが って, 広 島 を 含 む 中 国 地 方 の 各 地 域 の 交 通 利 便 性 への 改 善 は,より 規 模 の 大 きな 大 阪 や 福 岡 などの 他 都 市 に 立 地 する 支 店 が, 広 島 に 立 地 する 支 店 機 能 を 代 替 することに よって,これまで 広 島 に 立 地 していた 支 店 の 減 少 につな がり, 結 果 的 に 広 島 の 支 店 経 済 都 市 としての 地 位 低 下 をもたらす 可 能 性 がある. 以 上 の 結 果 は, 幹 線 交 通 網 整 備 によって 都 市 間 の 交 通 利 便 性 が 改 善 されると, 広 島 は 事 業 所 立 地 を 失 う 可 能 性 があり, 事 業 所 立 地 に 関 して 従 来 有 していた 競 争 力 の 維 持 が 難 しくなることを 示 している. 今 後 は,たとえば 既 存 の 製 造 業 の 集 積 の 高 さを 活 かしたビジネスの 拡 大 を 通 じて, 事 業 所 集 積 を 維 持 する 方 策 を 検 討 する 必 要 があ る. 2) 藤 村, 寺 尾, 加 藤, 今 井 : 九 州 エリアブロックの 東 南 アジアゲートウェイ 機 能 の 評 価 に 関 する 研 究, 土 木 計 画 学 研 究 講 演 集,vol.3,CD-ROM,2005. 3) 佐 藤, 戸 谷 : 二 層 の 広 域 圏 と 幹 線 交 通 計 画, 土 木 計 画 学 研 究 講 演 集,vol.3,CD-ROM,2005. 4) 枦 元, 塚 井, 奥 村 : 複 数 経 路 を 考 慮 した 都 市 間 網 の 評 価, 土 木 計 画 学 研 究 論 文 集,vol.20, pp.255-260,2003. 5) 加 藤, 茨 木, 三 根 : 無 向 グラフの 第 k 番 目 最 短 経 路 を O(kn)で 探 索 するアルゴリズムの 開 発, 日 本 電 気 通 信 学 会 誌,vol.J-6A, pp.99-205,978. 5.まとめ 本 研 究 では 独 自 に 開 発 した 日 帰 り 交 通 圏 の 計 算 アル ゴリズムを 用 いて, 生 活 圏 単 位 のアクセシビリティの 変 化 を 明 らかにすると 共 に, 全 国 の 事 業 所 立 地 量 に 関 する 広 島 の 競 争 力 の 動 向 について 考 察 を 行 った.その 結 果, 広 島 と 他 都 市 間 の 交 通 利 便 性 は 改 善 されているものの, 事 業 所 立 地 量 は 減 少 していることが 明 らかとなった. 今 後, 広 島 の 競 争 力 を 維 持 するためには,たとえば 製 造 業 中 心 の 集 積 特 性 を 活 かしたビジネスの 拡 大 を 図 る 必 要 が あると 考 えられる. なお 以 上 の 考 察 は, 広 域 的 な 立 地 条 件 の 変 化 にのみ 基 づいており,さらなる 精 査 が 必 要 なことは 言 うまでも ない. 今 後 は, 企 業 の 業 種 の 特 性 等 を 考 慮 しながら, 事 業 所 立 地 に 関 する 要 因 分 析 を 行 う 必 要 がある. 参 考 文 献 ) 森 地, 二 層 の 広 域 圏 形 成 研 究 会 : 人 口 減 少 時 代 の 国 土 ビジョン, 新 しい 国 のかたち 二 層 の 広 域 圏, 日 本 経 済 新 聞 社,2005.