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ビジュアル 系 バンドとそのファンについての 考 察 目 次 はじめに 第 1 章 ビジュアル 系 バンドとは 1-1 ビジュアル 系 バンドの 分 類 1 1-2 ビジュアル 系 バンドの 登 場 と 変 化 3 1-2-1 ビジュアル 系 の 登 場 1-2-2 X X JAPAN 1-2-3 ビジュアル 系 の 変 化 1-3 ビジュアル 系 バンドのファッション 6 1-3-1 黒 1-3-2 女 装 1-3-3 化 粧 第 2 章 ビジュアル 系 バンドのファン 2-1 ファッション 8 2-1-1 コスチューム プレイ 2-1-2 ロリータ ファッション 2-2 ファン 層 10 代 の 少 女 達 10 2-3 他 のファンとの 比 較 10 2-3-1 ジャニーズファンとの 比 較 2-3-2 宝 塚 ファンとの 比 較 2-3-3 ビジュアル 系 以 外 のバンドファンとの 比 較 第 3 章 これからのビジュアル 系 13 3-1 バンドについて 3-2 ファンについて おわりに

はじめに 最 近 ではビジュアル 系 のブームは 衰 退 し 以 前 のような 盛 り 上 がりはすっかりなりを 潜 めてい る しかしその 影 響 は 色 濃 く 残 り その 結 果 として 世 間 にも 昔 のような ビジュアル 系 は 恐 い 等 といった 考 えを 減 らし ごく 当 たり 前 にビジュアル 系 のバンドが 受 け 入 れられるようになった が その 反 面 ビジュアル 系 は 顔 だけだ という 新 たな 偏 見 までも 残 していった しかし ビジュアル 系 という 言 葉 の 意 味 は 本 来 は 視 覚 効 果 にも 気 を 遣 い 音 楽 を 表 現 する 人 たち のことである これはライブを 主 とするバンドであれば 全 てにおいて 共 通 することで ただ 他 のバンドよりも 更 に 視 覚 効 果 にこだわりを 持 つバンドが ビジュアル 系 であると 言 われ ているのである 一 括 りに ビジュアル 系 と 云 っても 多 種 多 様 であって そう 呼 ばれる 全 ての バンドや ビジュアル 系 バンド という 名 称 に 対 して たかが 所 詮 という 概 念 を 向 けるの は 失 礼 な 話 である そもそもビジュアルにこだわるコトで 何 故 そんなにも 異 質 な 目 で 見 られねばならないのか ビ ジュアル 系 の 特 徴 でもあるその 外 見 について 取 り 上 げ それぞれの 行 動 にも 意 味 があるのだとい うことを 明 確 にしたい そして バンドの 活 躍 の 場 の 中 心 がライブである 以 上 ファンの 存 在 も 無 視 できるモノではな い むしろバンドにも 大 きく 影 響 を 与 える 存 在 でもあるとも 考 えられる 筆 者 自 身 数 年 前 から ビジュアル 系 と 称 されるバンドのファンをやっている ライブに 行 くようになりファンの 中 に 身 を 置 くことで 実 際 に 自 分 の 目 で 見 て 感 じたことを 中 心 に 他 ジャンルとの 比 較 や 背 景 等 を 検 証 し ビジュアル 系 のファンがどのような 人 達 であるのか どの 様 な 考 えを 持 って 行 動 をしてい るのかを 述 べていきたい 第 1 章 ビジュアル 系 バンド まず 彼 らについて 語 る 前 に 彼 らの 音 楽 性 について 簡 単 に 述 べておく とはいっても ビジュア ル 系 と 一 括 りにしてしまうには 広 がりがありすぎる 音 楽 ジャンルとしてはヘヴィメタル ハ ードロック ロック ポップスなど 幅 広 い では 共 通 するものとして 挙 げられるのは 何 か そ れは その 楽 曲 のイメージが 精 神 的 な 世 界 であったり 退 廃 的 幻 想 的 であったりと 方 向 性 は 色 々 あるが 現 実 とは 少 し 離 れた 世 界 を 歌 っていることが 多 いということだ また 全 体 的 にメロディ アスな 曲 が 多 いのも 特 徴 であるといえる そして 楽 曲 をイメージさせる 衣 裳 やステージングをす ることでより 効 果 を 高 めている 例 えばフォークであれば その 自 然 なスタイルが 楽 曲 の 持 つイ メージとリンクしており 化 粧 や 衣 裳 で 着 飾 る 必 要 はない 同 様 にビジュアル 系 バンド 達 もその 外 見 から 音 楽 性 を 伺 い 知 ることが 出 来 る 1-1 ビジュアル 系 バンドの 分 類 ビジュアル 系 バンドも ビジュアル をどう 捉 えているかによって 幾 つかに 分 類 することが 出 来 る 1

図 1.1 初 期 のX 図 1.2 MALICE MIZER 図 1.3 LUNA SEA 出 典 SHOXX インパクト 重 視 これは 初 期 の X( 図 1.1)に 代 表 される とにかく 注 目 を 集 めるために 耳 だけでなく 目 か らも 刺 激 を 与 えるために ビジュアルやステージングを 派 手 にしているタイプである 音 楽 をよ り 多 くの 人 に 聴 いてもらうためには まずは 興 味 を 惹 きつけるところから 始 めなければならない とは 言 っても 音 楽 性 と 全 く 関 係 のない 格 好 をしていたので 肝 心 の 音 楽 が 上 手 く 伝 わらない 自 分 達 の 音 楽 に 合 った 形 でより 派 手 なビジュアルを 意 識 していた 初 期 の 頃 には 今 のような ビジ ュアル 系 という 概 念 が 存 在 していなかったこともあって このタイプのバンド 多 かった パフォーマンス 特 化 MALICE MIZER( 図 1.2)がその 代 表 である 自 分 たちの 表 現 したいことの 中 にビジュアル というものが 強 く 関 係 しており 音 楽 と 同 列 にそのビジュアルを 含 むパフォーマンスが 並 んでい るタイプである このタイプにとってビジュアルは 手 段 ではなく 目 的 の 一 つであることが 多 い - 般 的 上 の2つの 要 素 を 含 んでいるのだが そこまで 徹 底 したモノでは 無 い 人 たちのことで LUNA SEA( 図 1.3)や PIERROT など 多 くのバンドがこれに 当 てはまる 音 楽 に 視 覚 効 果 を 加 えるこ とでより 楽 曲 の 世 界 観 を 表 そう お 客 さんを 楽 しませよう との 考 えから 衣 裳 で 着 飾 ったりパフ ォーマンスを 考 えたりする このことは 何 も ビジュアル 系 に 限 ったことではなく バンドと 呼 ばれる 人 たちには 共 通 する 考 えであるが その 中 でもコダワリがあると 感 じる 方 向 性 として キレイにすることを 選 ぶバンドが ビジュアル 系 と 呼 ばれているのだ 否 定 姿 はどう 見 ても ビジュアル 系 だと 思 われるのに メンバーはビジュアル 系 であることを 強 く 否 定 するバンドがいる ライブハウス 時 代 にステージに 立 つためには 派 手 な 化 粧 や 衣 裳 を 着 る しか 無 かったので 仕 方 なくビジュアル 系 な 格 好 をしていたのだ とビジュアル 系 を 蔑 視 するバ ンドすら 存 在 する これは 一 般 的 なビジュアル 系 に 対 する 認 識 にバンド 側 が 捕 らわれてしまった 例 であるとも 言 える また 中 には 黒 夢 の 様 に 売 れるためにメイクをしている と 公 言 する 人 たちも 居 る 日 本 の 音 楽 シーンでは 同 じ 音 楽 性 であればより 顔 の 良 い 方 が 人 気 は 出 るし キレ イなものに 惹 かれる 人 が 多 いのは 当 たり 前 のことである 表 には 出 さなくても このようにただ 外 見 を 利 用 しているだけのバンドも 決 して 少 なくはない これがビジュアル 系 が 嫌 悪 される 要 因 の 一 端 でもあるだろう 2

1-2 ビジュアル 系 バンドの 登 場 と 変 化 1-2-1 ビジュアル 系 バンドの 登 場 諸 説 はあるが そもそも ビジュアル 系 という 言 葉 の 起 源 となったのは 元 X JAPAN の 故 HIDE( 本 名 松 本 秀 人 )が 付 けたXのバンドコンセプト PSYCHEDEDELIC VIOLENCE CRIME OF VISUAL SHOCK であると 言 われている 彼 らはその 派 手 な 外 見 とライブパフォーマンスで 注 目 を 集 め そのカリスマ 性 をもって 日 本 の ロックシーンに 視 覚 的 にも 音 楽 的 にも 大 きな 衝 撃 を 与 えたバンドである そして X に 憧 れ X のよ うに 視 覚 的 にもこだわるバンドを ビジュアル 系 と 呼 ぶようになった 彼 らが 派 手 な 格 好 をしていたのは 世 間 を 曲 だけではなく 視 覚 的 にも 驚 かせたかったから である 彼 等 の 音 楽 を 伝 えるために 派 手 に 着 飾 り 世 間 に 衝 撃 を 与 えることで 自 分 達 を 主 張 し ていた 当 時 のそれは 現 在 の 様 な 美 しく 着 飾 り 振 る 舞 うというのではなく とにかく 目 立 つた めに 染 めた 髪 を 逆 立 て 荒 々しい 化 粧 を 施 し 男 らしさ を 表 現 していた そこに 新 風 を 巻 き 起 こしたのが X のリーダーでもある YOSHIKI であった 彼 は 当 初 のパンク ファッションから 次 第 に 美 しさ 女 らしさ を 求 めるようになっていった 今 でこそ 女 装 をしているバンドマン は 多 く 存 在 するが 当 時 はまだ 珍 しく 世 間 を 驚 かせていた 以 来 ビジュアル 系 に 属 するバンドは 続 々と 増 え その 音 楽 性 の 広 がりに 伴 い その 表 現 方 法 の 一 つである 外 見 にも 様 々な 表 現 が 増 えてきた 1-2-2 X X JAPAN (エックス エックス ジャパン 図 1.4 X JAPAN X の 略 歴 は 次 の 通 りである 1989 年 X メジャーデビュー 初 アルバム 100 万 枚 突 破 紅 有 線 放 送 大 賞 新 人 賞 1990 年 X 東 京 ドーム 公 演 ( 日 本 ロックバンド 初 ) 1991 年 X 紅 白 歌 合 戦 出 演 (ロックバンド 初 ) 1997 年 X 解 散 出 典 FOOL'S MATE 10 数 年 ほど 前 の 日 本 のロックシーンでは 派 手 なロックバンドは 保 守 的 な 人 々に 異 端 視 され や ることなすこと 批 判 の 対 象 にされた TV の 音 楽 番 組 に 出 演 することは 勿 論 ヒットチャートの 上 位 に 顔 を 出 すことさえ 非 常 に 難 しいことだった そんな 茨 の 道 を 切 り 裂 き 現 在 のロックシー ンを 作 り 上 げた 先 駆 が X JAPAN である 1989 年 にデビューした 当 時 のキャッチコピーは X はメジャーを 変 える という 過 激 なモノだ った 多 くの 関 係 者 はこの 言 葉 を 聞 いて ルックスだけの 連 中 が 大 ボラを 吹 いている と 鼻 で 笑 っていた しかし X は 常 識 を 覆 し 一 つ 一 つ 日 本 のロックシーンの 記 録 を 塗 り 替 えていった シングル ヒット 曲 を 連 発 し 有 線 放 送 大 賞 新 人 賞 を 始 め 幾 多 の 賞 を 受 賞 した 音 楽 番 組 はもち 3

ろん バラエティ 番 組 にも 積 極 的 に 顔 を 出 して 知 名 度 を 高 め 1991 年 にはロックバンドとして 初 めて NHK 紅 白 歌 合 戦 に 出 演 した ライブとなれば ロックバンドでは 初 めて 東 京 ドームでも 公 演 を 行 う 等 常 に 記 録 的 な 動 員 数 を 誇 り 他 のバンドとは 比 較 しようも 無 いほどの 盛 り 上 がりを 見 せた そして 彼 らはいつのまにか 日 本 を 代 表 するバンドに 成 長 し 頂 点 へと 上 り 詰 めたのであ る 一 方 で 常 にチャレンジ 精 神 を 持 ち 続 ける 彼 らは 次 々と 今 まで 誰 も 挑 戦 しなかった 新 しいこと へと 目 を 向 けて 音 楽 以 外 の 分 野 にも 積 極 的 に 進 出 した そんな 彼 らの 生 き 方 は 多 くのファンに 感 銘 を 与 え カリスマとも 言 える 絶 大 な 人 気 を 誇 っていた それは 1998 年 hide 氏 の 葬 儀 に 献 花 のために 全 国 からファン5 万 人 が 殺 到 したという 出 来 事 からも 感 じることが 出 来 る この 数 字 は 芸 能 史 上 最 高 の 参 列 者 であり また 熱 心 なファンの 中 には 後 追 い 自 殺 をする 人 もいたという また YOSHIKI が 設 立 した EXTASY RECORDS では 後 輩 バンドの 育 成 にも 力 を 注 いでおり YOSHIKI のプロデュースとしては LUNASEA GLAY Dir en Grey 等 が 有 名 である 1-2-3 ビジュアル 系 の 変 化 X に 始 まった ビジュアル 系 は この 10 年 ほどの 間 に 大 きく 変 化 してきた 昔 より 広 く 受 け 入 れられていることもそうであるし バンド 自 体 の ビジュアル に 対 する 考 えも 変 化 してい る 10 年 間 どのように 移 り 変 わっていったのか 年 代 によるその 変 化 を 当 時 の 音 楽 雑 誌 からの 情 報 をもとに 追 ってみる 図 1.5:ビジュアル 系 年 表 年 代 主 な 出 来 事 1988 年 バンドブーム 全 盛 期 であるこの 頃 には 音 楽 シーンでは BOOWY ブルー ハーツな ど 様 々なバンドが 活 躍 をしていて 衣 裳 といえばパンク 調 のものが 主 流 であった そ の 頃 インディーズシーンで 既 に 圧 倒 的 な 人 気 を 誇 っていた X の YOSHIKI が EXTASY RECORD というインディースレーベルを 設 立 1989 年 X がメジャーデビュー そのデビューアルバムが 100 万 枚 を 突 破 1990 年 X 日 本 ロックアーティストでは 初 めての 東 京 ドーム 公 演 を 行 う この 頃 ビジュアル 系 をメインに 取 り 扱 った 雑 誌 SHOXX が 創 刊 される また 社 会 からはディスコや 暴 走 族 が 消 え それに 変 わって 台 頭 してきたのが コギャルやチーマーのシブヤ 系 といっ た 体 育 会 系 の 暴 走 族 や レディースとは 程 遠 い 若 者 である それまではヤンキー 系 の バンドやファンが 多 かったが これらの 出 現 から ビジュアル 系 バンドも 影 響 されな がら 厳 ついパンク 系 から 時 代 の 風 潮 を 背 に 安 っぽい 派 手 さを 前 面 に 出 すようになる 4

1991 年 X がロックアーティストとして 初 めて 紅 白 歌 合 戦 出 演 を 果 た す このことから X はそれだけ 国 内 で 幅 広 い 人 気 を 得 ていたこ とがわかる また 一 方 で YOSHIKI は 写 真 集 を 発 売 し その 容 姿 はデビュー 時 のパンク 調 のものから 次 第 に 妖 艶 なものへと 次 第 に 変 化 していた( 図 1.6) 図 1.6 YOSHIKI 出 典 SHOXX 1992 年 LUNA SEA デビュー この 頃 から ビジュアル 系 という 言 葉 が 確 立 され 雑 誌 などで 使 われるようになる またファンの 間 ではこの 頃 から コスプレ をする 人 口 が 増 え 始 める 1993 年 カラフルな 衣 裳 が 減 り 黒 服 系 が 増 加 インディーズシーンの 盛 り 上 がりが 加 速 EXTASY RECORDS の 総 バンドが 集 まるイベント EXTASY SUMMIT" 無 敵 " がな くなりバンドやファンがばらばらになる 1994 年 黒 夢 GLAY L'Arc~en~Ciel デビュー 黒 夢 の 清 春 がファッションの 流 行 を 追 うこ とにより ビジュアル 系 に 新 たなバンド ファンが 出 現 1995 年 ナチュラル 系 が 流 行 り ビジュアル 系 の 外 見 が 地 味 になってくる またインディーズ バンドの 人 気 が 高 く 多 くのレコード 会 社 がインディーズの 為 に 新 しいレーベル 設 立 1996 年 GLAY BELOVED で 人 気 沸 騰 ここから GLAY の 爆 発 的 な 快 進 撃 が 続 く 一 方 で テ レビ 朝 日 系 でインディーズバンド 中 心 の 番 組 ブレイクアウト の 放 送 が 開 始 される 1997 年 SHAZNA( 図 1.7)がデビューと 同 時 にお 茶 の 間 の 有 名 人 にな り 巷 ではボーカルの IZAM の 服 装 を 真 似 したいわゆるコス プレが 多 く 現 れるなどのブームを 引 き 起 こす これが ビジュ アル 系 が 一 般 に 自 然 に 受 け 入 れられるようになった 最 も 大 き なきかっけであると 考 えられる また デビューしたバンドは 一 部 を 除 きナチュラルになって 行 く 一 方 インディーズシーン では ビジュアル 系 の 枠 を 広 げるファッション 性 と 音 楽 性 を 併 せ 持 ったバンドが 次 々と 増 える GLAY が BEST アルバム 図 1.7 SHAZNA REVIEW~BEST OF GLAY を 発 売 発 売 1 週 間 で 300 万 枚 出 典 POP BEAT を 突 破 オリコン チャート 史 上 最 高 得 点 で 初 登 場 1 位 獲 得 1998 年 5 月 X の HIDE 他 界 HIDE のファッション( 迷 彩 服 カウボーイハット)が 流 行 に なる L'Arc~en~Ciel の 人 気 が 沸 騰 世 の 中 は 一 時 ビジュアル 系 ブームになり 至 る 所 でビジュアル 系 バンドが 見 られるようになる インディーズシーンでは Dir en grey がインディーズ 初 の 武 道 館 制 覇 を 実 現 1999 年 LUNA SEA 初 のアジアツアーライヴ 決 行 5

GLAY 幕 張 での GLAY EXPO '99 SURVIVAL で 20 万 人 集 客 2000 年 ~ Gackt や TAKUI をはじめとするバンドではないビジュアル 系 ソロアーティストが 増 え てくる また インディーズシーンでは 女 性 をメンバーに 含 むビジュアル 系 バンドな どが 出 現 し その 数 も 増 えてきている 1-3 ビジュアル 系 のファッション ビジュアル 系 の 特 徴 と 言 えば その 容 姿 に 全 てが 現 れていると 言 える その 視 覚 的 効 果 も 音 楽 を 表 現 する 一 部 だと 述 べたが では 具 体 的 に 彼 らのその 外 見 はどのような 意 味 を 持 っているのか を 考 えてみた 1-3-1 黒 ビジュアル 系 を 見 ると ファンにもバンドにも 黒 服 を 筆 頭 に 黒 い 衣 裳 を 好 んで 身 に 纏 う 人 が 多 いということに 気 付 く 簡 単 に 言 うと 黒 は 闇 の 象 徴 であり 死 恐 怖 不 安 等 のマ イナスの 要 素 を 表 す 色 である しかし うるさすぎる 刺 激 に 疲 れたナイーブな 心 境 の 時 はなぐさ めてくれる 癒 しの 色 でもある また 何 者 にも 染 まらない 強 さ 美 しさも 表 し 外 側 からの 強 い 圧 迫 や 枠 組 みに 耐 え あるいは 抵 抗 しようとする 心 理 が 映 し 出 される 色 である ビジュアル 系 バン ドの 曲 にそれらのイメージと 強 く 結 びつく 歌 詞 やメロディがよく 用 いられていることや ファン の 子 達 も 心 の 中 にマイナスの 感 情 を 秘 めていることが 多 いことから 自 分 たちを 表 すのに 最 適 な 色 であると 思 われる 黒 が 好 まれる 1-3-2 女 装 ビジュアル 系 アーティストの 中 には 女 装 をしていると 見 られる 格 好 をし ている 人 たちが 居 る しかし 彼 らは 本 当 に 女 装 をしているのか まず 女 装 をする 人 間 はおおまかにいって 3 種 類 に 分 けられる 同 性 愛 者 と 2 種 類 のトランスジェンダー( 性 同 一 性 障 害 者 と 異 性 装 嗜 好 者 )である が これらの 人 は 女 装 をすること 自 体 が 目 的 であり ビジュアル 系 バンド の 目 的 はその 服 装 を 含 む 身 体 表 現 のすべてが そのままそのアーティスト のメッセージであり それを 一 概 に 男 や 女 といったカテゴリで 括 ることは 図 1.8 IZAM 出 来 ない 一 般 的 に 女 装 をしている 人 たちとビジュアル 系 を 同 一 視 するこ 出 典 POP BEAT とは 間 違 いである 例 外 的 に ビジュアル 系 アーティストの 中 にも 前 記 の 三 種 類 に 属 する 人 が 女 装 をしている 場 合 もある 一 時 期 有 名 になった SHAZNA の IZAM( 図 1.8)は 女 の 子 の 服 が 好 き だと 公 言 している こういったタイプは 音 楽 の 為 に 女 装 をしている 訳 ではなく ただ 好 き だから 着 ている 一 般 の 女 装 をする 人 達 と 同 じである 6

1-3-3 化 粧 ビジュアル 系 が 非 難 される 最 たる 理 由 が 男 性 なのに 化 粧 をしている ことである しかしそ の 認 識 はごく 最 近 作 られたもので 石 田 は 日 本 でも 平 安 後 期 の 男 性 貴 族 は 白 塗 りの 顔 に 楕 円 の 置 き 眉 お 歯 黒 をして 下 唇 に 紅 をさす といった 女 性 とまったく 同 じ 化 粧 をしていたし 戦 国 武 将 さえも 化 粧 に 熱 心 だったという 彼 らが 兜 に 香 を 焚 きしめ 顔 に 化 粧 をして 戦 場 に 赴 い たのは 戦 に 破 れ 敵 に 首 級 を 取 られたとき 美 しい 首 でありたいという 美 学 からだった 日 本 において 男 の 化 粧 が 否 定 されるようになったのは 明 治 期 維 新 以 後 近 代 化 によって 男 性 が 国 家 のために 兵 力 として 又 産 業 の 担 い 手 として 奉 仕 すべき 者 と 規 定 されてからだ と 述 べて いる 1 化 粧 とは 本 来 自 分 と 自 分 を 取 り 巻 く 自 然 や 人 を 媒 介 することが 役 割 である 例 えば 化 粧 を することによって 素 の 時 よりも 積 極 的 に 人 と 接 することが 出 来 るようになる これは 化 粧 が 自 己 解 放 自 己 隠 蔽 といった 意 味 を 持 つと 考 えられる ビジュアル 系 に 限 らず 芸 能 人 の 人 たちは いつもと 違 う 自 分 を 表 現 し 一 般 人 に 伝 えるのが 仕 事 である その 中 でも 全 身 で 音 楽 を 表 現 をす るビジュアル 系 アーティスト 達 はステージに 立 つ 時 にはいつもの 自 分 とは 全 く 違 う 自 分 を 作 り 上 げる 必 要 がある もちろん 単 純 に 美 しく 中 性 的 に 見 せる 意 味 も 大 きいが 化 粧 という 仮 面 を 付 けることにより 本 来 の 自 分 とは 違 う 自 分 を 表 現 しやすくなるのである 第 2 章 ビジュアル 系 バンドのファン バンドにおいてファンの 存 在 というのは 大 きい 一 言 に ファン と 言 っても 対 象 になるジ ャンルや 愛 好 の 深 さ 応 援 の 仕 方 も 個 人 によって 異 なる ここではバンドに 対 して 好 意 を 持 ち 積 極 的 にライブに 行 ったり CD やビデオなどの 音 源 を 聴 いたり 対 象 が 紹 介 されるメディ アに 対 して 興 味 を 抱 いている 人 を ファン と 定 義 付 けることにする 現 在 ファンの 結 束 を 深 めるのに 一 役 買 っているのが インターネットの 存 在 である ネット 上 にはビジュアル 系 の 非 公 認 ファンサイトが 数 え 切 れないほど 多 数 存 在 している そこでチャット や BBS を 通 して 友 人 を 作 り 情 報 を 交 換 しあっている 熱 烈 なファンともなると 当 たり 前 のよう にライブの 為 に 全 国 各 地 へ 飛 ぶことも 少 なくはない そこでネットという 地 域 を 越 えた 交 流 の 場 が 重 宝 されるのである 一 緒 にライブへ 行 き 遠 征 時 に 宿 を 借 り オフ 会 を 行 う 等 様 々な 交 流 を 通 し 結 束 を 高 めるのである そして 大 抵 のバンド またはメンバーは 公 式 サイトを 開 設 してい て web を 通 してファンは 最 新 の 情 報 を 得 ることが 出 来 る 中 には web 上 でしか 見 られない 情 報 なども 含 まれており ファンの 間 でもインターネットが 使 えないと 時 代 に 乗 り 遅 れてしまうとい ったことが 起 きている また ビジュアル 系 ファン 特 有 の 一 つとしてライブ ネームが 挙 げられる Web 上 でハンドル 1 石 田 かおり 化 粧 をせずには 生 きられない 人 間 の 歴 史 講 談 社 2000 年 7

ネームが 存 在 するように バンド 関 係 の 友 人 同 士 で 名 前 を 呼 び 合 うときに 使 用 する 名 前 である ライブ 会 場 ではこのライブ ネームを 記 した 名 刺 を 交 換 しあうファンの 姿 が 多 く 見 受 けられる そしてその 名 前 には 難 しい 漢 字 や 当 て 字 がよく 使 われる 例 を 挙 げると 緋 紗 姫 (ひさき) 彩 把 (いろは) 深 海 (ふかみ) 瑠 架 (るか) などで 美 しいイメージが 浮 かぶ 漢 字 が 好 まれる また 殺 亞 羅 (せあら) 狂 枷 (きょうか) といった 凶 暴 的 な 漢 字 が 好 まれるのもビジュアル 系 ファン 特 有 であろう 2-1 ファッション ファンのライブ 会 場 での 服 装 というものもバンドの 移 り 変 わりと 共 に 変 化 してきた X のデビ ュー 当 時 ビジュアル 系 の 確 立 がまだ 成 されていなかった 為 他 のジャンルのバンドファンと 大 差 はなかった 着 ている 服 や 髪 もどのジャンルでも 見 かける 程 度 であり その 格 好 で 買 い 物 に 行 ける 程 世 間 から 離 れていないルックスであった 2-1-1 コスチューム プレイ 図 2.1 コスチューム プレイ 出 典 アリーナ 37 ファンについて 語 るにあたって 欠 かせないものが コスプレ(コスチューム プレイ)である ファンがメンバーと 同 じ 格 好 をし 少 しでもメンバーに 近 づこう 一 目 で 誰 のファンか 判 っても らおう ライブ 会 場 で 目 立 とう と 言 う 気 持 ちから 起 こる 行 動 である このコスプレをするファ ンは 集 団 を 作 り チームなどを 結 成 していることが 多 く 休 日 祝 日 になると 集 会 を 行 い 情 報 交 換 や 写 真 を 取 り 合 いファンの 結 束 を 深 めている 現 在 ではビジュアル 系 バンドのライブ 会 場 で 多 い 所 では 約 半 分 のファンがコスプレをして 来 る 程 当 たり 前 の 存 在 になっているが 90 年 頃 のコスプレ 人 口 はまだ 少 数 であった ではこのコ スプレはいつ 頃 から 増 えてきたのだろうか? 90 年 に X の YOSHIKI がパンクルックスから 女 性 を 意 識 してドレスを 着 るようになったの は 第 一 章 でも 書 いたことだが ファンのコスプレ 人 口 増 加 の 要 因 の 1 つはここにある 普 段 日 常 生 活 では 着 る 事 のできないドレスを 自 分 の 好 きなメンバーがライブで 着 る 事 によって 自 分 もラ イブ 会 場 では 着 る 事 を 許 されるのではないか? と 思 い 始 め 窮 屈 な 日 常 生 活 からの 脱 出 口 とし 8

てライブ 会 場 を 捉 え 始 めたのだ もちろん そこには メンバーと 同 じ 格 好 をしたい という 思 いが 第 1 に 在 ってこその 行 動 である 第 2 の 要 因 として LUNA SEA の 出 現 が 挙 げられる X のメンバーの 衣 装 で 少 女 の 憧 れの 対 象 になる 衣 装 メイクは YOSHIKI HIDE に 限 られていた だから X 全 体 像 としては" 妖 艶 さ "と 言 うより " 男 らしさ"のイメージを 受 ける しかし 92 年 から 94 年 頃 の LUNA SEA は" 妖 艶 さ"と"ミステリアス"のイメージをメンバー 全 員 が 放 っていた 時 を 越 えてビジュアル 系 のファ ンは バンドの 世 界 に 王 子 様 などが 登 場 する 少 女 漫 画 的 要 素 を 求 めている 場 合 が 多 い そのため 美 しく 格 好 良 いメンバーに 心 を 奪 われたり メンバーは 長 髪 の 中 性 のイメージを 大 切 にしていた りしている そこで 自 分 もそのメンバーのようになりたいという 願 望 が 生 まれコスプレをする ようになるのである また 同 じ 頃 に 増 えてきたのが 黒 服 と 呼 ばれる 存 在 である 特 に 決 まっていないが とにか く 髪 の 色 以 外 全 身 黒 い 衣 裳 で 揃 えるといった 格 好 である これは LUNASEA 等 のバンドが 黒 一 色 の 服 装 をしていたことに 起 因 する ファンは 次 第 にどのバンドのライブに 行 くにも 黒 っぽい 服 装 をしていくようになった このようにファンの 服 装 というのはバンドと 密 接 な 関 わりを 持 って いる 2-1-2 ロリータ ファッション 図 2.2 ロリータ ファッション 図 2.3 ゴシック ロリータ 出 典 サイト Victorian maiden 94 年 以 降 ビジュアル 系 の 容 姿 にも 以 前 より 中 性 的 で 更 には 女 性 的 なものが 増 えた 頃 同 じ ようにファンの 中 にもレースやフリルを 多 用 した 服 装 が 出 てきた いわゆるロリータ ファッシ ョンと 呼 ばれるものである ロリータとは 誰 しもが 少 女 時 代 に 憧 れたお 姫 様 の 様 な 服 装 である 時 が 進 むにつれ ロリータの 中 でも 特 にゴシック ロリータといわれるものが 主 流 となってきた 日 本 では ゴスロリ と 略 される 場 合 もある ゴシックとは 現 代 では 幻 想 と 嘆 美 を 追 求 する 闇 の 世 界 への 嗜 好 で それとロリータが 融 合 して 出 来 たのがゴシック ロリータである ロリータと は 違 い 退 廃 的 で 儚 くて 毒 のあるものが 好 まれる ゴスロリは 一 種 の 自 己 主 張 であり 自 己 表 現 なのである 9

それは 自 分 たちが 美 しくかわいく 見 られたいという 従 来 のジェンダーに 乗 っ 取 った 女 性 とい う 枠 組 からの 自 己 主 張 ではなく もっと 攻 撃 的 なそれである 自 分 がどういう 恰 好 をしていて それが 回 りにどういう 反 応 をもたらし どう 思 われているか それを 彼 女 たちは 知 っている 彼 女 たちにとっては 回 りがどう 反 応 するかが 重 大 な 関 心 事 である 回 りが 嫌 悪 感 を 示 し 眉 をひ そめたりすることを 彼 女 たちは 望 んでいるかのようだ ひとつの 推 測 であるが 彼 女 たちは 自 分 の 存 在 をそのようにしてそこにいる 人 たちに 知 らしめたいのではないだろうか 2-2 ファン 層 -10 代 の 少 女 達 - 最 近 の 全 てにおける 低 年 齢 化 の 影 響 もあってか ビジュアル 系 バンドのファンには 中 高 生 の 少 女 達 が 多 い それはライブ 会 場 に 行 って 見 回 せばすぐに 見 て 取 ることが 出 来 る 10 代 の 子 達 とい うのは 日 々の 学 校 生 活 において 恒 常 的 なストレスを 抱 えているという 普 段 の 生 活 学 校 の 友 達 仕 事 仲 間 家 族 などの 集 団 において 自 分 の 居 場 所 が 無 い 違 和 感 を 感 じるという 人 が 自 分 と 同 じ 価 値 観 を 持 った 人 が 集 まるこの 世 界 に 自 分 の 居 場 所 を 見 出 し その 中 だけで 満 足 していた いと 考 えている 現 状 がある そしてそれが 仲 間 意 識 に 繋 がり 自 ら 約 束 事 を 作 ることや 守 ること によって 自 分 もその 集 団 の 一 員 だということを 自 覚 させ 安 心 させるのである こうした 心 理 の 背 景 には 社 会 構 造 の 変 化 がある 核 家 族 化 に 伴 って 祖 父 祖 母 やおじ おばたちが 身 近 にいな くなったり 少 子 化 が 進 み 兄 弟 とそれに 繋 がる 多 様 な 人 間 関 係 も 失 われてきたことも 一 因 であ る ビジュアル 系 バンドのファンの 中 には 不 登 校 の 子 達 も 多 い 筆 者 の 知 人 にも 高 校 生 時 代 に 不 登 校 の 子 は 居 た 学 校 に 馴 染 めず 行 き 場 の 無 い 自 分 を 受 けとめてくれる そのような 存 在 に 対 して 極 めて 依 存 度 が 高 い 全 てのファンがそうではないが そのように 寂 しさを 感 じている 人 が 多 い からこそ 黒 服 のイメージが 強 いからという 理 由 だけでなく ビジュアル 系 バンドのファンは 黒 っぽいイメージ と 捉 えられてしまうのではないだろうか また ビジュアル 系 にはまる 子 は 好 きなバンドや 音 楽 の 世 界 に 没 頭 し 追 求 するタイプが 多 い ただ 没 頭 するだけでなく 自 分 の 人 生 観 価 値 観 をバンドに 投 影 する もしくはバンドに 代 弁 し てもらったり 導 いてもらっていると 錯 覚 したりしている 人 の 割 合 が 多 い 普 通 の 音 楽 のファン は 音 について 追 求 することがあっても バンドに 救 済 を 求 めたり 人 生 観 までも 求 めたりする ことはない バンドやライブ 音 楽 は 個 人 のストレス 解 消 の 手 段 現 実 には 無 い 世 界 や 好 きな 音 に 体 を 委 ね 満 喫 する 為 に 楽 しんでいるのであって そのバンドやメンバー 音 楽 が 無 ければ 自 分 の 生 活 が 成 り 立 たないということは 無 い あくまで 手 段 として 捉 えているのだ 例 外 はある だろうが ファンの 全 体 像 としては 述 べてある 通 りである そこがビジュアル 系 バンドのファ ンの 全 体 像 と 違 った 点 だ そしてビジュアル 系 の 華 やかな 衣 裳 パフォーマンス 曲 や 歌 詞 の 独 特 な 世 界 観 などがこれらのことに 一 役 買 っているのである 2-3 他 のファンとの 違 い ビジュアル 系 バンドのファンは 世 間 から 浮 いた ように 見 られることが 多 い それは 何 故 10

なのか 検 討 するために 身 近 な 所 でジャニーズファンや 宝 塚 ファンと 比 較 し ビジュアル 系 バン ドファンについてまとめてみる 2-3-1 ジャニーズ アイドルファンとの 比 較 アイドルの 存 在 はビジュアル 系 のそれと 全 く 異 なっている 彼 らは 死 や 暴 力 を 連 想 さ せる 曲 は 歌 わない アイドルのイメージは 明 るい 人 生 は 楽 しいものであるべき というメッセ ージを 送 る 彼 らのファンも 彼 らと 同 じく 陰 気 な 雰 囲 気 を 発 していない 彼 女 彼 らにとってのアイドルとは 完 全 に 擬 似 恋 愛 の 対 象 である だからコンサートに 行 くの も 音 楽 を 聴 きに 行 く 人 はほとんどいない たいていは 実 際 に 見 て 楽 しむ ために 脚 を 運 ぶ またその 感 情 が 恋 愛 感 情 である 限 り 同 じアイドルのファンはライバル 同 士 ということになる よく 名 前 入 りの 団 扇 や 誰 のファンか 一 発 で 分 かるグッズを 持 っているが これは 周 囲 に 負 けない 自 分 をアピールすると 共 に メンバーから 客 席 を 見 たときに 自 分 はあなたのファン だと 一 目 で 判 るようにするためである このように コンサートとは 好 きな 人 =アイドルに 自 分 をアピー ルする 場 でもある バンドのファンにも 恋 愛 感 情 があるファンは 同 じようなタイプもいるが やはり 音 楽 あってこそのバンドであるので 違 いはそこだろう そして 例 外 はあるが 大 概 同 じメンバーが 好 きな 人 を 見 つけるとバンドのファンは 気 が 合 う ことで 嬉 しく 思 い 喜 ぶ バンドやアーティ ストをどう 捉 えるかで ライバル と 思 うか 仲 間 と 思 うか 変 わってくるのである 最 近 のバンド 界 は 大 御 所 バンドのメンバーが 不 慮 の 事 故 などで 命 を 無 くす 事 が 多 い ビジュア ル 系 バンドのファンであれば その 知 らせを 聞 く 度 に 自 分 の 好 きなバンドのメンバーの 死 を 連 想 させる もし 死 んでしまったらどうしよう と 1 度 や 2 度 は 心 配 したことのあるファンは 多 い しかしアイドルのファンにとっては 片 思 い 中 の 人 が 死 ぬなど 普 通 の 生 活 では 考 えられな い そういうことを 真 剣 に 考 える 人 はいないに 等 しい ことである 例 え 好 きな 相 手 の 死 を 考 えるとしても 普 通 は 付 き 合 ったり 結 婚 したりして 初 めて 考 えることで 普 段 死 について 考 えることはないだろう それが 片 思 い 中 の 彼 に 対 してだったら 尚 更 である 反 対 に 付 き 合 え たらこうしたい ああしたい と 明 るい 未 来 を 考 えるのが 普 通 だ ではビジュアル 系 バンドのファンと 決 定 的 に 違 う 所 は 何 であるか それはメンバーに 対 し 様 という 敬 称 を 付 けるかどうかということである 例 えばビジュアル 系 であれば LUNA SEA の SUGIZO を SUGI 様 と 呼 んでいる 人 もいた MALICE MIZER の MANA に 至 っては MANA 様 が 当 たり 前 の 世 界 だ しかしアイドルに 対 しての 恋 愛 感 情 はファンにとっては 現 実 的 なもの であり 同 じクラスや 身 近 な 先 輩 に 様 なんて 付 けるのは 大 変 おかしなことで 普 通 は くん である 現 実 的 な 恋 愛 感 情 ではあるが 実 際 は 遠 い 存 在 であることも 否 めない 2-3-2 宝 塚 ファンとの 比 較 演 劇 とバンドとは メイクをし 綺 麗 に 着 飾 り 音 楽 に 合 わせて 全 身 で 何 かを 表 現 するという 点 ではとてもよく 似 ている そしてそのファン 心 理 にも 共 通 する 箇 所 がある まず 宝 塚 ファンの 11

多 数 は 話 の 内 容 や 華 やかさ ダンス 劇 中 の 歌 などを 楽 しみに 劇 場 へ 行 く 同 じようにビジュ アル 系 バンドのファンは 音 楽 ライブパフォーマンス 世 界 観 を 楽 しみにライブへ 行 くのであ る アイドルファンと 違 い 共 通 点 としてあげられるのは 対 象 相 手 をどのように 思 っているかであ る アイドルの 項 でも 書 いたが ビジュアル 系 のファンはメンバーを 様 付 けするなど 恋 愛 対 象 というよりは 尊 敬 崇 拝 の 対 象 であることが 多 い 宝 塚 はどちらかといえばこちらに 属 する 人 気 のある 団 員 に 男 役 が 多 く 熱 狂 的 なファンも 多 いことから 現 実 にはいないような 格 好 良 い 男 性 に 憧 れ 恋 愛 感 情 に 近 いものを 抱 いている 場 合 もある しかし 男 装 をしていようと 女 性 は 女 性 であり ファンの 大 半 も 女 性 であることを 考 えると 実 際 の 恋 愛 対 象 として 認 識 していること は まず 考 えられない では 宝 塚 とビジュアル 系 のファンとで 異 なっている 点 は 何 であるか それは 宝 塚 ファンには 特 定 の 人 が 好 きという 人 が 多 いということである もちろんビジュアル 系 ファンにも 好 きなバン ドの 中 に 更 に 一 番 好 きなメンバーというものが 存 在 はするが 同 じビジュアル 系 に 属 するバンド 複 数 のファンであることが 多 い 本 命 バンド というものは 決 まってはいるが 他 のバンドのラ イブにも 積 極 的 に 顔 を 出 し その 結 果 どのバンドのライブ 会 場 に 行 っても 同 じ 子 達 を 見 かけると いうことも 少 なくはない それとは 違 い 宝 塚 ファンの 中 では 特 定 の 人 のファンと 決 めたら 他 の 人 に 目 を 向 けることはなく 浮 気 をすれば 同 じファンの 人 たちから 白 い 目 で 見 られてしまうという のである 2-3-3 ビジュアル 系 バンド 以 外 のバンドファンとの 比 較 では 同 じバンドファンの 中 でも ビジュアル 系 バンドファンとそれ 以 外 のバンドファンでは どのように 異 なっているのか 音 楽 生 演 奏 といった 重 要 な 部 分 は 同 じなのに 何 故 ファン は 違 うのか ビジュアル 系 バンドのファンなら 1 度 は 言 われた 事 があるのではないだろうか 自 分 がビジュアル 系 バンドのライブに 行 くことや ファンであることを 普 通 の 友 達 や 会 社 の 上 司 同 僚 に 言 った 時 の やっぱり 黒 い 服 とか 着 るの? そんな 風 に 見 えない コスプレとかもして るの? という 返 事 だ どの 答 えもその 言 葉 を 発 した 人 の ビジュアル 系 バンドのファン に 対 しての 固 定 概 念 があるからこその 返 答 である また それが 一 般 から 見 た ビジュアル 系 バ ンドファン のイメージなのである ビジュアル 系 バンドのファン 独 特 の 行 動 として 集 団 で 気 合 い 入 れ することが 挙 げられる これは 主 に 元 エクスタシー 系 バンドで 行 われている この 気 合 い 入 れ とは 何 かと 言 うと ラ イブ 会 場 前 にファンが 輪 になって バンド 名 やメンバー 名 を 連 呼 してライブに 向 け 気 を 高 めたり 自 分 がそのファンであることを 再 確 認 したりするのである そのファンの 輪 には ファン であ れば 誰 でも 参 加 できる この 行 為 を 初 めて 見 た 人 は 異 様 な 雰 囲 気 に 圧 倒 されるだろうが 一 言 入 りたい 意 志 を 伝 えれば 誰 でもその 輪 に 加 わることができるのだ 大 抵 最 初 に 輪 を 作 り 始 めた 人 が 叫 び 後 に 残 りの 輪 に 参 加 しているファンがそれに 続 く こういった 行 為 は 他 のバンドのファ ンには 無 い 習 慣 である 12

そしてライブでは バンドによってはファンが 同 じフリを 曲 やメンバーに 合 わせてすることも 挙 げられる 他 のバンドの 中 にも 振 り 付 けが 存 在 するものもあるが ビジュアル 系 バンドのライ ブほどその 割 合 は 大 きくはない フリはボーカルと 同 じことをする 場 合 もあるし あるファンが 勝 手 に 決 めて それを 見 た 周 りのファンが 真 似 をしだしていつの 間 にかファン 全 体 に 広 まってい ることもある ファン 全 体 が 同 じ 動 きやノリ 方 をすることで 周 りから 見 ると そしてファン 自 身 も 強 い 連 帯 感 を 感 じるのである 他 のバンドファンでは このようなファン 同 士 の 絆 のような ものは 殆 ど 見 ることがない 逆 に 動 きが 統 一 されてしまっているので 一 人 自 分 で 好 きなよう に 暴 れていると とても 浮 いて 見 えてしまう このようにファンは 自 分 たちで 規 制 を 敷 いている のである 個 人 個 人 に 明 確 な 意 識 は 無 くても 雰 囲 気 が 閉 鎖 的 になってしまっているのである フリの 中 には 一 目 で 簡 単 にはできないようなものもある だからそのフリを 知 らない 人 にとって は 疎 外 感 を 感 じることもある これが 一 般 人 がこの 世 界 に 入 り 辛 いと 感 じる 原 因 でもある また バンド 毎 に 決 められたファン 同 士 の 暗 黙 の 了 解 約 束 事 も 知 らない 人 には 奇 妙 なもの に 見 えるだろう バラード 中 に 手 拍 子 や 手 を 挙 げることはいけないことだというバンドもあるし アンコールの 時 にはバンド 名 を 叫 ぶという 決 まりがあるところもある こういった 決 まり 事 の 多 くはバンド 側 に 強 制 されたものではなく ファンがライブを 重 ねる 毎 に 次 第 に 生 まれ 定 着 して いったものも 少 なくはない このようなファンの 中 での 規 則 を 非 常 にファンが 大 事 にしているの も ビジュアル 系 の 特 色 である 図 3.1 第 3 章 これからのビジュアル 系 SEX MACHINEGUNS 3-1 バンドについて 現 在 ビジュアル 系 ブームは 一 時 に 比 べてかなり 衰 退 している しかし それは 一 時 の 盛 り 上 がりに 比 べての 話 である ビジュアル 系 ブーム 最 盛 期 にはどこのレコード 会 社 もこぞってビジュアル 系 バンド を 発 掘 しデビューさせていた その 結 果 顔 も 知 らないままに 消 えて いったバンドも 数 多 くいるが それなりに 実 力 や 華 のあるバンドは 残 っている 出 典 Vicious このままビジュアル 系 バンドは 衰 退 の 一 途 を 辿 るのではないかと 言 われているが それは 絶 対 にない 確 かに 現 在 の 意 味 での 退 廃 的 幻 想 的 な 世 界 観 を 持 つ 独 特 な 意 味 での ビジュアル 系 というカテゴリは 無 くなるかもしれない しかし ビジュアル 系 という 言 葉 の 本 来 の 意 味 であ る 全 身 で 音 楽 を 表 現 する という 意 味 では むしろこれから 進 化 していくのではないか バン ドというものはライブがほぼその 活 動 の 全 てであり ライブとは 音 楽 はもちろん 重 要 だが ライ ブにおける 見 せ 方 も 重 要 になってくるものである 音 楽 もステージングも 衣 裳 もセットもお 客 さ んも 何 かも 引 っくるめたものが ライブ の 良 さでもあるし だからこそ 全 身 で 表 現 するために も 衣 裳 や 化 粧 なども 重 要 なポイントとなる 現 在 でそれらに 特 化 しているバンドとしては MALICE MIZER と SEX MACHINEGUNS( 図 13

3.1)などが 挙 げられる 前 者 は MANA 様 が 一 般 の 間 でも 有 名 になったバンドで バンドと 言 うよりは アート 集 団 と 呼 べるものである 演 奏 よりはパフォーマンスに 力 を 入 れており メンバー 全 員 で 踊 る 曲 もあり そのライブはミュージカルに 近 いものがあり 究 極 のビジュアル 系 であるとも 言 われている 一 方 後 者 のバンドは 演 奏 にもステージパフォーマンスにも 同 等 に 力 を 入 れて 注 目 されているバンドである メンバー 自 身 が 振 り 付 けを 考 え ライブではメンバー と 客 が 揃 った 振 り 付 けやヘドバンをして 一 体 感 を 高 めている そして 同 等 に 演 奏 にも 力 を 入 れて いるためファンには 男 性 の 姿 も 多 く 見 られる また 両 者 共 にメンバー 個 人 のキャラクター 性 も 全 面 に 押 し 出 しており MC(ライブ 中 曲 と 曲 との 間 にメンバーが 近 況 などを 喋 ること)もコン トに 近 い 笑 えるものでライブにより 楽 しさを 追 求 しファンも 増 えている このように ビジュアル 系 と 呼 ばれるカテゴリにいるバンド 自 体 もその 形 態 を 変 化 させ 明 るい 楽 しいイメージを 持 ったバンドも 増 えてきている 将 来 ビジュアル 系 の 持 つ 本 来 の 意 味 は 次 第 に 日 本 の 音 楽 シーンに 融 合 していくのではないだろうか その 為 にもバンド 自 身 が 世 間 の ビジュアル 系 への 偏 見 に 踊 らされることなく 確 固 たる 信 念 を 持 って 挑 んでいかねばならな いのではないだろうか 3-2 ファンについて ビジュアル 系 のファンの 子 達 にはもともと 不 登 校 の 子 が 多 く ビジュアル 系 という 存 在 に 依 存 してしまっているという 内 容 は 先 の 章 で 述 べたとおりであるが ではライブにかまけてますます 学 校 に 行 かなくなるのかというと 決 してそうではない ライブという 場 では 好 きなように 自 分 を 表 現 でき 普 段 の 鬱 憤 を 晴 らすことが 出 来 る 大 人 の 視 点 で 見 ると ライブ 会 場 は 危 険 である と 思 われがちであるが ライブで 暴 れること 同 じ 趣 味 の 深 い 仲 間 同 士 で 盛 り 上 がることでその 全 てを 吐 き 出 しているので むしろライブという 自 分 を 解 放 する 場 を 見 つけたことで またビジ ュアル 系 アーティストに 傾 倒 することで 心 の 支 えを 得 て 不 登 校 だった 子 等 が 勇 気 を 持 ち 学 校 へ 行 くようになったという 例 も 少 なくはない しかし 不 登 校 ではないがビジュアル 系 の 世 界 を 現 実 世 界 へと 持 ち 込 みすぎる 場 合 もある 一 般 人 から 見 た ビジュアル 系 バンドのファン はこのイメージが 強 いのではないか 好 きなバン ドの 世 界 や 好 きなメンバーに 自 分 を 同 化 させ 一 生 懸 命 歌 詞 や 音 楽 性 を 理 解 しようとする だ から 人 が 読 んだり 聞 いたりしても 理 解 不 能 で 難 解 な 歌 詞 や 曲 でも 彼 女 達 なりに 必 死 に 理 解 し ようと 努 力 している そしてその 世 界 を 日 常 生 活 まで 持 ちこむファンも 中 にはいる コンセプト を 作 って 曲 やライブを 行 っているバンドにとって ここまで 自 分 達 の 世 界 を 理 解 しようとしてく れる 人 がいるということでは 有 りがたい 存 在 かもしれない ただし その 世 界 に 没 頭 しすぎる ファンは 日 常 生 活 に 支 障 を 生 じさせる 場 合 もあるので 周 囲 の 人 からは 心 配 されるのである このように ビジュアル 系 に 限 ったことではないが やはり 熱 心 すぎるファンというのは 良 いと ころも 悪 いところも 持 っているので 万 人 に 受 け 入 れて 貰 うのは 難 しい そのファンにも 終 わりが 来 るときがあって ファンの 中 ではそのことを 上 がる と 言 う 熱 心 なファンが 上 がる 原 因 は バンドに 興 味 が 無 くなった 他 に 興 味 を 惹 かれるものができた 等 そ 14

れぞれである ビジュアル 系 は 心 の 隙 間 を 埋 めてくれる 存 在 だといったが だからこそ 歳 をと り 満 足 し 現 実 の 恋 愛 など 生 活 の 大 半 を 割 かれる 対 象 が 出 来 ると 一 気 に 情 熱 が 冷 めるのである そ して 誰 しもが 自 分 の 過 去 を 振 り 返 り 思 うように あの 頃 は 若 かったなぁ と 笑 い 話 にする ビジ ュアル 系 は 現 実 世 界 で 疲 れた 少 女 を 中 心 とする 人 達 のひとときの 休 息 所 であるともいえるだろう 終 わりに このテーマについて 書 こうと 思 ったのは 筆 者 がビジュアル 系 と 呼 ばれるバンドのファンをや っているということが 理 由 である しかし 実 際 ファンの 中 に 身 を 置 いていると 一 般 的 なファン と 私 の 考 えとでは 少 し 違 っているような 気 がしていた 簡 単 にいうと 彼 女 らの 妄 信 的 なファン 心 理 というモノが 多 少 理 解 は 出 来 ても 賛 同 出 来 るものではないのである だからこそ ファンの 視 点 から 見 て 分 かることと 客 観 的 に 見 た 時 に 感 じることの 両 方 の 視 点 から 考 え 具 体 的 にどう であるのかを 検 証 してみたかった ビジュアル 系 を 嫌 悪 する 人 々にその 偏 見 の 目 を 少 しでも 減 らして 貰 いたいと 願 うのと 同 時 に ビジュアル 系 のファンの 子 達 にも ビジュアル 系 のことをよく 知 って 欲 しい ファンの 中 には 世 間 の 認 識 を 正 しいものと 考 え 自 ら ビジュアル 系 は 劣 っている と 無 意 識 にも 感 じてい る 面 が 多 々ある 世 間 に 負 けずに 良 いところは 良 いと 無 条 件 に 主 張 できる 唯 一 の 存 在 がファンで あるともいえるのに そのファンが 誇 りに 思 わねばいつまで 経 っても 世 間 に 受 け 入 れて 貰 うこと などできないのではないか 音 楽 は 活 力 を 与 えてくれる 存 在 でもある 何 かを 克 服 する 為 に 音 楽 やアーティストを 利 用 する のは 依 存 に 比 べて 次 のステップに 繋 がる 未 来 ある 手 段 である また ファンになることや 好 きであるものが 多 ければ 多 い 程 趣 味 が 無 いことを 残 念 に 思 っている 人 に 比 べて 何 倍 も 楽 しい 思 いができる だから ビジュアル 系 バンド 以 外 を 含 め 何 かの ファン であるということは 誇 りにできるものである 好 き という 気 持 ちを 大 事 に 普 段 は 現 実 を 直 視 しつつ 是 非 その 世 界 を 思 う 存 分 楽 しんでほしい 15

参 考 文 献 金 子 隆 芳 色 彩 の 心 理 学 岩 波 書 店 1990 年 8 月 石 田 かおり 化 粧 をせずには 生 きられない 人 間 の 歴 史 講 談 社 2000 年 町 沢 静 夫 居 場 所 を 失 った 子 供 達 小 学 館 1998 年 町 沢 静 夫 あなたの 心 にひそむ 見 捨 てられる 恐 怖 PHP エディターズ グループ 2000 年 6 月 J-Rock s バイブル ジェイロックマガジン 社 1996 年 5 月 X-JAPAN 伝 説 Project X / 編 鹿 砦 社 1996 年 1 月 末 永 蒼 生 事 典 色 彩 自 由 自 在 晶 文 社 出 版 1994 年 10 月 虎 井 まさ 衛 トランスジェンダーの 仲 間 たち 青 弓 社 2000 年 1 月 音 楽 雑 誌 SHOXX アリーナ 37 音 楽 専 科 社 FOOL'S MATE フールズ メイト Vicious シンコーミュージック POP BEAT 主 婦 と 生 活 社 参 考 サイト.Victorian maiden http://www.victorianmaiden.com/ 16