税 務 平 成 25 年 度 税 制 改 正 について YAC 税 理 士 法 人 シニアマネージャー 山 田 晴 康 ( 公 認 会 計 士 ) 自 民 公 明 両 党 は 1 月 24 日 に 平 成 25 年 度 税 制 改 正 大 綱 を 決 定 しました 今 回 の 税 制 改 正 では 安 倍 政 権 が 掲 げるデフレ 脱 却 と 景 気 浮 揚 を 税 制 面 から 後 押 しするため 企 業 に 対 して 設 備 投 資 や 雇 用 拡 大 などを 促 す 減 税 制 度 に 重 点 が 置 かれています 他 方 平 成 26 年 4 月 及 び 平 成 27 年 10 月 に 控 えた 消 費 税 率 の 引 き 上 げに 備 え 消 費 税 増 税 を 円 滑 に 実 施 するため の 環 境 整 備 も 進 められており その 中 で 富 裕 層 への 課 税 が 強 化 されています これは 経 済 格 差 の 拡 大 に 歯 止 めをか けるとともに 消 費 税 増 税 に 対 する 低 所 得 層 の 負 担 感 を 和 らげるためですが 個 人 所 得 課 税 や 資 産 課 税 などで 富 裕 層 には 相 当 な 負 担 増 が 強 いられることになります 相 続 税 については 富 裕 層 だけではなく 今 まで 自 分 は 相 続 税 とは 無 縁 と 考 えていた 一 般 家 庭 にまで 影 響 が 及 ぶ 可 能 性 が 高 く 事 前 検 討 をしっかりと 行 っておくことが 肝 要 であると 考 えます さらに 震 災 からの 復 興 を 支 援 するための 税 制 上 の 追 加 措 置 も 講 じられています このような 状 況 を 踏 まえ 以 下 では 平 成 25 年 度 税 制 改 正 の 主 な 内 容 を 記 述 させていただきます なお 税 制 改 正 大 綱 は の 概 要 を 示 すものであり 改 正 の 詳 細 は 改 正 法 案 の 公 表 並 びに 法 律 及 び 政 省 令 の 公 布 を 待 たなければなりません また 今 後 の 国 会 審 議 等 によりその 内 容 に 変 更 が 生 じる 可 能 性 がありますので ご 留 意 くださいますようお 願 いいたします Ⅰ. 法 人 課 税 平 成 25 年 度 税 制 改 正 の 特 徴 の 一 つは 安 倍 晋 三 首 相 が デフレからの 脱 却 を 政 権 の 最 優 先 課 題 に 位 置 付 けたのを 受 けて 民 間 企 業 の 雇 用 拡 大 や 設 備 投 資 を 狙 った 減 税 措 置 が 盛 り 込 まれたことです 企 業 が 蓄 積 してきた 内 部 留 保 を 雇 用 や 設 備 投 資 に 回 し 景 気 浮 揚 につなげることを 意 図 しています < 表 1 企 業 に 関 係 する 主 な 改 正 内 容 とその 影 響 > 項 目 影 響 ポイント 適 用 時 期 所 得 拡 大 促 進 税 制 生 産 等 設 備 投 資 促 進 税 制 研 究 開 発 税 制 減 税 減 税 減 税 交 際 費 ( 中 小 企 業 ) 減 税 グリーン 投 資 減 税 減 税 平 均 給 与 などを 増 やした 企 業 に 対 し 給 与 増 加 額 の 10%を 法 人 税 額 から 控 除 設 備 投 資 を 前 年 度 比 10% 超 増 やした 企 業 に 対 し 投 資 額 の 30%を 特 別 償 却 もしくは 3% の 税 額 控 除 試 験 研 究 費 を 控 除 できる 法 人 税 額 の 上 限 を 30%に 引 き 上 げ 年 800 万 円 までの 交 際 費 を 全 額 損 金 算 入 定 めなし 従 来 は 600 万 円 を 上 限 に 90%を 損 金 算 入 コージェネレーション 設 備 ( 熱 電 併 給 型 動 力 発 生 装 置 )を 対 象 設 備 に 追 加 し 即 時 償 却 制 表 2 参 照 度 の 期 限 を 2 年 間 延 長 平 成 25 年 4 月 1 日 から 平 成 28 年 3 月 31 日 まで に 開 始 する 各 事 業 年 度 平 成 25 年 4 月 1 日 から 平 成 27 年 3 月 31 日 まで に 開 始 する 各 事 業 年 度 平 成 25 年 4 月 1 日 から 平 成 27 年 3 月 31 日 まで に 開 始 する 各 事 業 年 度 具 体 的 には 雇 用 対 策 では 給 与 と 雇 用 の 増 加 を 促 す 2 つの 減 税 策 が 用 意 されました 新 設 の 所 得 拡 大 促 進 税 制 では 基 準 年 度 に 比 べて 給 与 などの 支 給 額 を 5% 以 上 増 やした 企 業 を 対 象 に 増 加 額 の 10%を 法 人 税 から 控 除 できるように なります また 既 存 の 雇 用 促 進 税 制 が 拡 充 され 新 規 雇 用 を 増 やす 企 業 の 成 長 力 の 下 支 えが 行 われます 雇 用 者 数 3
を 前 事 業 年 度 に 比 べて 10% 以 上 及 び 5 人 以 上 ( 中 小 企 業 は 2 人 以 上 ) 増 やせば 増 員 1 人 あたり 40 万 円 を 法 人 税 か ら 控 除 できます( 従 来 の 20 万 円 の 2 倍 ) この 所 得 拡 大 促 進 税 制 と 雇 用 促 進 税 制 は 選 択 適 用 となりますので 今 後 は どちらの 税 制 が 自 社 にとって 有 利 となるのか 検 討 する 必 要 があります その 他 の 主 な 改 正 は 表 1のとおりですが 法 人 課 税 における 改 正 は 既 存 の 減 税 措 置 の 手 直 しが 中 心 で 期 限 付 きの 時 限 措 置 が 多 くなっています また 研 究 開 発 税 制 は 薬 品 や 自 動 車 業 界 など 特 定 の 業 種 や 企 業 に 恩 恵 が 偏 っているよ うな 印 象 は 拭 えません 中 小 企 業 の 交 際 費 を 年 間 800 万 円 までとはいえ 全 額 損 金 として 認 めるという 改 正 は 大 いに 評 価 すべきものです が この だけは いつから 適 用 するつもりなのかが 明 記 されていないことも 気 になります 国 内 企 業 の 負 担 を 和 らげ 国 際 的 な 競 争 力 を 高 めるためには 時 限 措 置 などの 一 時 的 なカンフル 剤 ではなく 法 人 税 率 のさらなる 引 き 下 げなどの 思 い 切 った 改 正 が 必 要 になってくるものと 考 えます さて 平 成 24 年 度 は 太 陽 光 発 電 設 備 を 導 入 した もしくは 導 入 の 検 討 をされた 企 業 も 多 かったものと 思 います 太 陽 光 発 電 設 備 の 即 時 償 却 を 認 めるグリーン 投 資 減 税 は 対 象 設 備 の 追 加 に 加 えて 指 定 期 間 も 延 長 されています グリーン 投 資 減 税 の 改 正 後 の 概 要 を 表 2にまとめましたのでご 参 考 ください < 表 2グリーン 投 資 減 税 の の 概 要 > 対 象 設 備 指 定 期 間 及 び 特 別 償 却 限 度 額 指 定 期 間 新 エネルギー 利 用 設 備 等 平 成 24 年 5 月 29 日 から 太 陽 光 発 電 設 備 平 成 27 年 3 月 31 日 まで (2 年 間 延 長 ) 風 力 発 電 設 備 特 別 償 却 限 度 額 取 得 価 額 から 普 通 償 却 限 度 額 を 控 除 した 金 額 二 酸 化 炭 素 排 出 抑 制 設 備 等 コージェネレーション 設 備 (100%の 即 時 償 却 が 可 能 ) 指 定 期 間 新 エネルギー 利 用 設 備 等 平 成 23 年 6 月 30 日 から (バイオマス 利 用 設 備 等 ) エネルギー 使 用 合 理 化 設 備 エネルギー 使 用 制 御 設 備 定 置 用 蓄 電 設 備 等 平 成 28 年 3 月 31 日 まで (2 年 間 延 長 ) 特 別 償 却 限 度 額 取 得 価 額 30% Ⅱ. 個 人 所 得 課 税 個 人 所 得 課 税 の 改 正 項 目 については 消 費 税 増 税 へ 向 けた 環 境 整 備 という 面 が 全 面 に 出 ています 平 成 27 年 10 月 の 消 費 税 率 10% 移 行 時 に 食 料 品 など 生 活 必 需 品 の 消 費 税 率 を 低 く 抑 える 軽 減 税 率 の 導 入 を 目 指 す ことになったほか 消 費 税 増 税 の 影 響 が 大 きい 住 宅 や 自 動 車 には 購 入 者 負 担 を 軽 減 するために 住 宅 ローン 減 税 の 拡 充 や 自 動 車 取 得 税 の 廃 止 が 手 当 てされるなど 主 に 家 計 の 負 担 を 軽 くする 措 置 が 多 く 盛 り 込 まれています その 一 方 で 経 済 格 差 の 拡 大 に 歯 止 めをかけ 消 費 税 増 税 に 対 する 低 所 得 層 の 負 担 感 を 和 らげるためにという 謳 い 文 句 で 富 裕 層 への 課 税 が 強 化 されています 後 述 の 相 続 税 増 税 は 資 産 家 に 対 して 応 分 負 担 を 求 めるものであり 避 け られない 面 があるものの 勤 労 や 起 業 の 意 欲 をそぎかねない 所 得 税 増 税 には 優 秀 な 人 材 や 富 裕 層 の 海 外 流 出 などを 懸 念 する 声 も 上 がっています < 表 3 家 計 に 関 係 する 主 な 改 正 内 容 とその 影 響 その 1> 項 目 影 響 ポイント 所 得 税 増 税 課 税 所 得 4,000 万 円 超 の 部 分 に 45%の 最 高 税 率 を 適 用 具 体 的 には 所 得 格 差 の 是 正 及 び 所 得 税 の 所 得 再 分 配 機 能 の 回 復 を 図 る 観 点 から 平 成 27 年 分 の 所 得 税 より 課 税 4
所 得 が 4,000 万 円 を 超 える 部 分 に 適 用 される 所 得 税 率 が 40%から 45%に 引 き 上 げられます 住 民 税 率 10%を 加 える と 計 55%が 課 されることになります シンガポールなどのアジア 諸 国 では 富 裕 層 の 誘 致 企 業 誘 致 のために 所 得 税 や 相 続 税 の 引 き 下 げを 行 っているところもあり 一 部 には 富 裕 層 の 海 外 流 出 や 優 良 企 業 の 海 外 への 移 転 を 心 配 する 声 もあるようです 安 倍 政 権 が 目 指 す 日 本 経 済 の 再 生 成 長 力 強 化 との 兼 ね 合 いで 制 度 の 導 入 にあたっては 難 しい 判 断 が 求 められたものと 思 います 納 税 者 側 としては これを 機 にグローバル 展 開 も 視 野 に 入 れた 経 営 戦 略 等 の 構 築 を 行 う 必 要 性 が 生 じてくるものと 考 えられます 次 に 個 人 所 得 課 税 の 減 税 について 主 な 改 正 は 表 4のとおりです < 表 4 家 計 に 関 係 する 主 な 改 正 内 容 とその 影 響 その 2> 項 目 影 響 ポイント 住 宅 ローン 減 税 減 税 平 成 26 年 4 月 から 平 成 29 年 12 月 末 の 入 居 で 年 間 最 高 控 除 額 40 万 円 認 定 長 期 優 良 住 宅 認 定 低 炭 素 住 宅 の 場 合 は 年 間 最 高 控 除 額 50 万 円 住 宅 の 省 エネ 改 修 減 税 工 事 費 などの 10%を 所 得 税 額 から 控 除 する 制 度 を 一 部 拡 充 自 動 車 取 得 税 減 税 平 成 26 年 4 月 に 縮 小 平 成 27 年 10 月 に 廃 止 小 額 投 資 非 課 税 制 度 減 税 年 100 万 円 までの 株 式 株 式 投 信 への 投 資 について 配 当 や 譲 渡 益 を 5 年 間 非 課 税 このうち 改 正 が 影 響 する 方 が 多 い 住 宅 借 入 金 等 を 有 する 場 合 の 所 得 税 額 の 特 別 控 除 ( 住 宅 ローン 減 税 ) につい て 詳 しくご 説 明 します 平 成 25 年 12 月 末 に 適 用 期 限 が 終 了 する 住 宅 ローン 減 税 については 適 用 期 限 が 4 年 間 延 長 されたうえで 消 費 税 率 の 引 上 げが 予 定 されている 平 成 26 年 4 月 1 日 以 降 の 控 除 額 等 が 大 幅 に 拡 充 されます から 平 成 26 年 3 月 31 日 までの 期 間 については 現 行 制 度 が 延 長 され 平 成 26 年 4 月 1 日 以 降 の 控 除 限 度 額 は 現 行 制 度 の 2 倍 に 拡 充 される 予 定 です 住 宅 借 入 金 等 の 年 末 残 高 の 限 度 額 及 び 控 除 限 度 額 は 以 下 のとおりです < 表 5 住 宅 ローン 減 税 ( 一 般 住 宅 )> 居 住 年 月 日 控 除 期 間 住 宅 借 入 金 等 の 年 末 残 高 の 限 度 額 控 除 率 控 除 限 度 額 ( 年 額 ) 現 行 平 成 25 年 12 月 31 日 まで 10 年 2,000 万 円 1.00% 20 万 円 2,000 万 円 20 万 円 ~ 平 成 26 年 3 月 31 日 10 年 1.00% 平 成 26 年 4 月 1 日 4,000 万 円 ( 1) 40 万 円 ( 1) 一 般 住 宅 の 対 価 等 の 額 に 係 る 消 費 税 率 が 8% 又 は 10%でない 場 合 には 2,000 万 円 となります < 表 6 住 宅 ローン 減 税 ( 認 定 長 期 優 良 住 宅 認 定 低 炭 素 住 宅 )> 居 住 年 月 日 控 除 期 間 住 宅 借 入 金 等 の 年 末 残 高 の 限 度 額 控 除 率 控 除 限 度 額 ( 年 額 ) 現 行 平 成 25 年 12 月 31 日 まで 10 年 3,000 万 円 1.00% 30 万 円 3,000 万 円 30 万 円 ~ 平 成 26 年 3 月 31 日 10 年 1.00% 平 成 26 年 4 月 1 日 5,000 万 円 ( 2) 50 万 円 ( 2) 認 定 住 宅 の 対 価 等 の 額 に 係 る 消 費 税 率 が 8% 又 は 10%でない 場 合 には 3,000 万 円 となります 現 行 制 度 では その 年 分 の 控 除 額 がその 年 分 の 所 得 税 額 を 超 える 場 合 には その 超 える 金 額 を 翌 年 度 分 の 住 民 税 か 5
ら 97,500 円 を 限 度 として 控 除 することができますが その 住 民 税 の 控 除 限 度 額 が 以 下 のように 引 き 上 げられます < 表 7 住 宅 ローン 減 税 ( 控 除 限 度 額 ( 住 民 税 ))> 居 住 年 月 日 控 除 期 間 現 行 平 成 25 年 12 月 31 日 まで 所 得 税 の 課 税 総 所 得 金 額 等 5% ( 最 高 97,500 円 ) ~ 平 成 26 年 3 月 31 日 平 成 26 年 4 月 1 日 所 得 税 の 課 税 総 所 得 金 額 等 5% ( 最 高 97,500 円 ) 所 得 税 の 課 税 総 所 得 金 額 等 7% ( 最 高 136,500 円 ( 3) ) ( 3) 住 宅 の 対 価 等 の 額 に 係 る 消 費 税 率 が 8% 又 は 10%でない 場 合 には 最 高 97,500 円 となります Ⅲ. 資 産 課 税 1. 相 続 税 相 続 税 については 基 礎 控 除 ( 非 課 税 枠 )を 引 き 下 げることにより 課 税 ベースの 拡 大 が 行 われています 現 行 の 相 続 税 法 の 遺 産 に 係 る 基 礎 控 除 額 がバブル 経 済 の 地 価 上 昇 時 に 設 定 されたものであったため その 後 の 土 地 価 格 の 下 落 やデフレ 経 済 の 下 において 相 続 税 の 課 税 割 合 が 著 しく 下 落 していました そこで 遺 産 に 係 る 基 礎 控 除 額 につい ても その 下 落 水 準 に 見 合 った 形 で 現 行 の 60%に 引 き 下 げられます また 富 の 再 分 配 機 能 の 向 上 を 狙 って 税 率 構 造 が 見 直 され 各 法 定 相 続 人 の 法 定 相 続 分 に 応 じた 取 得 金 額 が 1 億 円 超 の 部 分 の 税 率 が 引 き 上 げられています この 基 礎 控 除 の 引 き 下 げ 及 び 税 率 構 造 の 見 直 しは 平 成 27 年 1 月 1 日 以 後 の 相 続 から 適 用 されます < 表 8 相 続 税 の 改 正 ; 基 礎 控 除 > 内 容 現 行 相 続 税 の 基 礎 控 除 の 引 き 下 げ 定 額 控 除 :5,000 万 円 法 定 相 続 人 比 例 控 除 : 1,000 万 円 法 定 相 続 人 数 定 額 控 除 :3,000 万 円 法 定 相 続 人 比 例 控 除 : 600 万 円 法 定 相 続 人 数 < 表 9 相 続 税 の 改 正 ; 税 率 構 造 > 内 容 現 行 税 率 構 造 の 見 直 し 法 定 相 続 分 に 応 じた 取 得 金 額 税 率 法 定 相 続 分 に 応 じた 取 得 金 額 税 率 1,000 万 円 以 下 10% ( 最 高 税 率 の 55%へ の 引 き 上 げ 及 び 法 定 相 続 人 の 取 得 金 額 1 億 円 超 の 税 率 の 見 直 し) 1,000 万 円 超 3,000 万 円 以 下 15% 3,000 万 円 超 5,000 万 円 以 下 20% 改 正 なし 5,000 万 円 超 1 億 円 以 下 30% 1 億 円 超 3 億 円 以 下 40% 1 億 円 超 2 億 円 以 下 40% 2 億 円 超 3 億 円 以 下 45% 3 億 円 超 50% 3 億 円 超 6 億 円 以 下 50% 6 億 円 超 55% 一 方 で 土 地 の 課 税 価 格 に 関 しては 地 価 の 高 い 都 心 部 への 配 慮 から 緩 和 の 方 向 での 改 正 が 行 われます 個 人 の 土 地 所 有 者 の 居 住 や 事 業 の 継 続 に 関 し 小 規 模 宅 地 等 についての 相 続 税 の 課 税 価 格 の 計 算 の 特 例 がありますが 居 住 用 宅 地 の 限 度 面 積 を 拡 大 するとともに 居 住 用 宅 地 と 事 業 用 宅 地 の 完 全 併 用 を 可 能 とする 等 の 拡 充 が 行 われました 具 体 的 には 現 行 制 度 では 被 相 続 人 又 は 被 相 続 人 と 生 計 を 一 にしていた 被 相 続 人 の 親 族 の 居 住 の 用 に 供 されていた 6
宅 地 (240 m2 以 下 の 小 規 模 宅 地 )の 課 税 価 格 に 算 入 すべき 価 額 は 一 定 の 要 件 のもと その 宅 地 の 価 額 の 20%に 減 額 できることとされていますが この 小 規 模 宅 地 の 判 定 基 準 が 240 m2から 330 m2へ 引 き 上 げられます 事 業 用 と 併 用 す る 場 合 には 完 全 併 用 が 可 能 となるため 事 業 用 宅 地 の 限 度 面 積 400 m2と 併 せて 最 大 で 730 m2まで 特 例 が 適 用 できま す この 小 規 模 宅 地 等 の 特 例 に 係 る 適 用 要 件 の 緩 和 は 以 後 の 相 続 から 適 用 されるため 基 礎 控 除 の 引 き 下 げ 及 び 税 率 構 造 の 見 直 しの 改 正 よりも 1 年 早 く 適 用 可 能 となっています < 表 10 相 続 税 の 改 正 ; 小 規 模 宅 地 等 > 居 住 年 月 日 限 度 面 積 併 用 の 可 否 併 用 した 場 合 の 限 度 面 積 現 行 居 住 用 240 m2 事 業 用 400 m2 居 住 用 330 m2 事 業 用 400 m2 730 m2 以 上 相 続 税 の 改 正 にかかわる 主 な 内 容 を 記 載 しましたが 中 でも 基 礎 控 除 の 引 き 下 げによる 影 響 は 非 常 に 大 きく 今 までは 相 続 税 とほぼ 無 関 係 だったサラリーマン 世 帯 も 相 続 税 の 対 象 となる 可 能 性 がでてきます 具 体 例 で 考 えてみましょう 家 族 構 成 が 夫 婦 子 供 一 人 という 例 は 多 いと 思 いますが この 場 合 の 基 礎 控 除 は 平 成 27 年 1 月 1 日 以 後 の 相 続 につ いては 4,200 万 円 になります 現 行 制 度 の 基 礎 控 除 7,000 万 円 と 比 較 すると 2,800 万 円 も 非 課 税 枠 が 縮 小 しています 先 祖 代 々の 財 産 がない 会 社 勤 めの 方 でも 一 代 で 稼 いだ 預 貯 金 や 有 価 証 券 マイホームの 評 価 額 などに 亡 くなった ときに 遺 族 に 支 払 われる 生 命 保 険 金 を 加 えると 4,200 万 円 を 超 えるケースは 決 して 珍 しくありません 今 回 の 改 正 に より こういった 方 にも 相 続 税 が 課 されることになるわけです このように 相 続 税 の 大 衆 課 税 化 が 行 われていますので 資 産 家 の 方 はもちろん 会 社 役 員 の 方 部 長 クラスの 方 々 にとっても 相 続 税 対 策 というのはこれから 真 剣 に 考 えていかないといけない 事 項 になってきています 特 に 換 金 できない 財 産 がたくさんある 方 は 納 税 資 金 の 面 でも 十 分 な 対 策 が 必 要 になります < 表 11 事 例 ; 基 礎 控 除 の 比 較 > 現 行 基 礎 控 除 7,000 万 円 4,200 万 円 ( 定 額 控 除 ) (5,000 万 円 ) (3,000 万 円 ) ( 法 定 相 続 人 比 例 控 除 ) (1,000 万 円 2 名 ) (600 万 円 2 名 ) 2. 贈 与 税 贈 与 税 の 改 正 の 基 本 的 な 考 え 方 は 高 齢 者 の 保 有 する 資 産 を 現 役 世 代 により 早 期 に 移 転 させ その 有 効 活 用 を 通 じ て 成 長 と 富 の 創 出 の 好 循 環 につなげることにあります < 表 12 贈 与 税 の 主 な 改 正 内 容 > 項 目 影 響 ポイント 税 率 構 造 の 見 直 し 減 税 子 や 孫 等 が 受 贈 者 となる 場 合 の 贈 与 税 の 税 率 構 造 を 緩 和 増 税 贈 与 税 の 最 高 税 率 を 相 続 税 に 合 わせて 55%へ 相 続 時 精 算 課 税 減 税 贈 与 者 の 年 齢 要 件 を 65 歳 以 上 から 60 歳 以 上 に 引 き 下 げ 受 贈 者 に 孫 を 追 加 孫 への 教 育 資 金 減 税 1,500 万 円 を 上 限 に 贈 与 税 を 非 課 税 7
具 体 的 には 資 産 移 転 を 促 すため 表 13のとおり 直 系 尊 属 からの 贈 与 について 税 率 構 造 を 緩 和 しています また 相 続 時 精 算 課 税 制 度 の 適 用 範 囲 を 広 げています これらの 改 正 は 以 後 の 相 続 から 適 用 されます < 表 13 贈 与 税 の 改 正 ; 税 率 構 造 > 内 容 現 行 直 系 尊 属 からの 贈 与 ( 受 贈 者 20 歳 以 上 ) 課 税 標 準 税 率 課 税 標 準 税 率 200 万 円 以 下 10% 改 正 なし 200 万 円 超 300 万 円 以 下 15% 200 万 円 超 400 万 円 以 下 15% 300 万 円 超 400 万 円 以 下 20% 400 万 円 超 600 万 円 以 下 20% 400 万 円 超 600 万 円 以 下 30% 600 万 円 超 1,000 万 円 以 下 30% 600 万 円 超 1,000 万 円 以 下 40% 1,000 万 円 超 1,500 万 円 以 下 40% 1,500 万 円 超 3,000 万 円 以 下 45% 1,000 万 円 超 50% 3,000 万 円 超 4,500 万 円 以 下 50% 4,500 万 円 超 55% 上 記 以 外 の 贈 与 課 税 標 準 税 率 課 税 標 準 税 率 200 万 円 以 下 10% 200 万 円 超 300 万 円 以 下 15% 300 万 円 超 400 万 円 以 下 20% 改 正 なし 400 万 円 超 600 万 円 以 下 30% 600 万 円 超 1,000 万 円 以 下 40% 1,000 万 円 超 1,500 万 円 以 下 45% 1,000 万 円 超 50% 1,500 万 円 超 3,000 万 円 以 下 50% 3,000 万 円 超 55% 次 に 新 しい 制 度 である 教 育 資 金 の 一 括 贈 与 に 係 る 贈 与 税 の 非 課 税 措 置 について 述 べます この 制 度 は 一 言 でいえば 30 歳 未 満 の 子 や 孫 に 教 育 資 金 を 一 括 で 贈 与 したら 贈 与 税 が 非 課 税 となる 制 度 です 重 要 な 適 用 要 件 を 以 下 で 確 認 します 注 意 すべきは 30 歳 になった 時 点 で 使 わなかった 部 分 は 贈 与 税 がかかること 贈 与 時 と 資 金 を 使 った 時 の 手 続 きを 忘 れずに 行 うことです 細 かな 手 続 きや 書 式 等 は 今 後 発 表 されますが 教 育 資 金 の 範 囲 塾 や 習 い 事 の 範 囲 などは 特 に 注 目 です 上 手 く 使 えば 資 金 援 助 や 相 続 対 策 としてとても 有 効 になります ただし 当 制 度 を 利 用 できる 期 間 には 限 りがありますので 早 めの 検 討 を 行 いましょう < 表 14 贈 与 税 の 改 正 ; 教 育 資 金 の 一 括 贈 与 に 係 る 贈 与 税 の 非 課 税 措 置 のポイント> NO ポイント 1 贈 与 を 受 ける 人 ( 受 贈 者 ) 30 歳 未 満 の 者 2 贈 与 をする 人 ( 贈 与 者 ) 受 贈 者 の 両 親 祖 父 母 曾 祖 父 母 など 直 系 尊 属 3 贈 与 するもの 教 育 資 金 学 校 に 支 払 われる 入 学 金 その 他 の 金 銭 ( 授 業 料 など) 学 校 以 外 の 者 に 支 払 われる 一 定 のもの ( 塾 習 い 事 等 ) ( 今 後 文 部 科 学 大 臣 が 定 めることになっています) 4 贈 与 の 期 間 平 成 25 年 4 月 1 日 から 平 成 27 年 12 月 31 日 まで 5 非 課 税 の 金 額 受 贈 者 1 人 につき 1,500 万 円 学 校 以 外 に 支 払 われるものは 500 万 円 6 贈 与 時 の 手 続 き 金 融 機 関 に 信 託 等 を 行 う 7 申 告 この 特 例 を 受 ける 旨 を 申 告 する ( 金 融 機 関 経 由 で 税 務 署 へ) 8 教 育 資 金 を 使 った 時 の 手 続 払 い 出 した 金 銭 を 教 育 資 金 の 支 払 いに 充 てたことを 証 明 する 書 類 を 金 融 機 関 に 提 出 する 金 融 機 関 は この 書 類 を 受 贈 者 が 30 歳 に 達 した 後 6 年 間 保 存 する 9 終 了 時 受 贈 者 が 30 歳 になったら 終 了 使 い 切 らなかった 分 は その 時 点 で 贈 与 税 を 課 税 金 融 機 関 から 税 務 署 に いくら 使 ったかなどが 報 告 される 受 贈 者 が 途 中 で 亡 くなった 場 合 は 贈 与 税 は 課 税 されない 8
3. 事 業 承 継 税 制 事 業 承 継 税 制 は 平 成 21 年 度 に 創 設 された 事 業 後 継 者 が 先 代 の 経 営 者 から 相 続 や 贈 与 により 自 分 の 会 社 の 株 を 取 得 した 場 合 に その 株 式 にかかる 相 続 税 の 80% 相 当 額 又 はその 株 式 にかかる 贈 与 税 の 全 額 の 納 税 を 猶 予 するという 制 度 です 会 社 経 営 者 にとっては 相 続 対 策 として 非 常 に 有 効 な 制 度 なはずなのですが 創 設 以 来 利 用 実 績 が 非 常 に 少 なく ほとんど 使 われてきませんでした その 理 由 としては 事 前 の 手 続 きが 非 常 に 煩 雑 であること 納 税 猶 予 を 受 け 続 けるために 設 けられている 要 件 ( 雇 用 確 保 要 件 等 )が 経 営 の 不 安 定 な 中 小 企 業 にとってはとても 厳 しいこと 納 税 猶 予 を 受 けた 後 にやむを 得 ず 相 続 税 を 納 付 すべきこととなった 場 合 に 課 される 利 子 税 の 負 担 が 大 きいこと 等 が 挙 げられていました これを 受 けて 今 回 の 税 制 改 正 では 適 用 要 件 の 見 直 しや 事 前 手 続 きの 簡 素 化 利 子 税 の 負 担 軽 減 等 の 措 置 が 取 ら れました 具 体 的 な 改 正 の 内 容 は そもそもの 事 業 承 継 税 制 が 非 常 に 複 雑 な 制 度 であることから ここでご 説 明 するには 複 雑 すぎるものになってしまっていますので その 中 でもわかり 易 く 重 要 と 思 われる 部 分 についてのみ 表 15で 触 れてお きます < 表 15 事 業 承 継 税 制 の 改 正 > 内 容 現 行 経 営 承 継 相 続 人 の 要 件 の 緩 和 ( 相 続 税 の 納 税 猶 予 ) 経 済 産 業 大 臣 による 事 前 確 認 制 度 の 廃 止 ( 相 続 税 の 納 税 猶 予 ) 贈 与 者 に 対 する 要 件 の 緩 和 ( 贈 与 税 の 納 税 猶 予 ) 利 子 税 の 負 担 軽 減 要 件 の 一 つに 相 続 開 始 の 直 前 にお いて 先 代 経 営 者 ( 被 相 続 人 )の 親 族 であること が 求 められていた 相 続 開 始 前 に 中 小 企 業 における 経 営 の 承 継 の 円 滑 化 に 関 する 法 律 に 基 づき 会 社 が 計 画 的 な 事 業 承 継 に 係 る 取 組 みを 行 っていることにつ いての 経 済 産 業 大 臣 の 確 認 を 受 けなければならない 贈 与 の 時 までに 会 社 の 役 員 を 退 任 すること 贈 与 者 が 会 社 から 給 与 等 の 支 給 を 受 けた 場 合 には 納 税 猶 予 が 取 り 消 される 納 税 猶 予 を 受 けていた 税 額 を 納 付 することとなった 場 合 には 猶 予 期 間 に 応 じた 利 子 税 も 合 わせて 納 付 しなければならない 左 記 要 件 の 撤 廃 ( 親 族 以 外 の 方 が 事 業 を 承 継 する 場 合 にも 使 えること になります) 左 記 の 事 前 確 認 制 度 の 廃 止 ( 相 続 開 始 後 に 適 用 を 検 討 することが 可 能 になります) 贈 与 時 において 会 社 の 役 員 でな いこと とする 要 件 を 贈 与 時 に おいて 会 社 の 代 表 権 を 有 していな いこと と 改 める 贈 与 者 が 会 社 から 給 与 の 支 給 等 を 受 けた 場 合 であっても 納 税 猶 予 の 取 消 事 由 に 該 当 しないこととす る 5 年 経 過 後 に 猶 予 税 額 を 納 付 する 場 合 については 利 子 税 を 免 除 する まずは 納 税 猶 予 の 適 用 対 象 となる 経 営 承 継 相 続 人 の 要 件 から 先 代 経 営 者 ( 被 相 続 人 )の 親 族 であること が 撤 廃 されます これにより 経 営 者 の 親 族 以 外 に 事 業 を 承 継 する 場 合 にも 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 けることが 可 能 になるた め 同 制 度 の 利 用 の 幅 がぐんと 広 がることが 予 想 されます 次 に 同 制 度 適 用 上 の 大 きな 障 壁 の 一 つになっていた 経 済 産 業 大 臣 の 事 前 確 認 制 度 が 廃 止 されます 事 前 確 認 を 9
受 けるためには たくさんの 書 類 の 準 備 や 経 済 産 業 局 とのやり 取 りのために 非 常 に 多 くの 手 間 やコストがかかってし まい これが 同 制 度 の 利 用 における 大 きな 問 題 になっていました 今 回 の 改 正 によりこの 事 前 確 認 が 不 要 になると 手 続 きが 容 易 になるだけでなく 相 続 が 開 始 してから 同 制 度 の 利 用 を 検 討 することも 可 能 になるため 事 業 承 継 税 制 の 使 い 勝 手 は 格 段 に 向 上 するものと 思 われます 贈 与 税 の 納 税 猶 予 制 度 についても 贈 与 者 に 対 する 要 件 が 緩 和 されます もともとの 制 度 では 贈 与 者 が 贈 与 の 時 までに 役 員 を 退 任 していることが 求 められていましたが これが 代 表 権 を 有 していなければ 役 員 であっても 構 わない という 要 件 に 改 められます また 納 税 猶 予 を 受 けた 後 に 贈 与 者 である 先 代 の 経 営 者 が 会 社 から 給 料 を 受 け 取 った 場 合 には 納 税 猶 予 が 取 り 消 され るという 定 めが 廃 止 されることになります これらにより 贈 与 税 の 納 税 猶 予 も 随 分 使 いやすくなることが 予 想 されます 利 子 税 の 負 担 も 軽 減 されます これまでは 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 けた 後 やむを 得 ない 事 由 で 猶 予 されていた 税 額 を 納 付 すべきこととなった 場 合 猶 予 されていた 期 間 に 応 じた 利 子 税 を 合 わせて 納 付 することとされていました 今 回 の 改 正 により 申 告 期 限 後 5 年 を 経 過 した 後 に 猶 予 税 額 を 納 付 すべき 事 由 に 該 当 し 猶 予 されていた 税 額 の 全 部 又 は 一 部 を 納 付 する 場 合 には 利 子 税 が 免 除 されることとなります これは 納 税 猶 予 の 適 用 を 検 討 する 際 の 将 来 の 不 安 を 軽 減 する 改 正 であり 大 いに 歓 迎 すべき 内 容 だと 思 います 以 上 は 今 回 の 改 正 の 内 容 の 一 部 であり この 他 にも 事 業 承 継 税 制 の 使 い 勝 手 を 良 くし 利 用 実 績 を 増 やすための 様 々な が 挙 げられています とは 言 え まだまだ 複 雑 な 要 件 や 手 続 きがたくさん 残 っています この 制 度 の 利 用 を 実 際 に 検 討 する 場 合 には こ こでご 紹 介 できなかった 細 かい 要 件 や 手 続 きについて 必 ず 専 門 家 にご 相 談 下 さい 今 回 の 改 正 が 多 くのオーナー 社 長 にとって 効 果 は 大 きいもののその 使 い 勝 手 の 悪 さから 活 用 されていなかった 同 制 度 について 利 用 を 検 討 する 契 機 になればと 思 います Ⅳ. 復 興 支 援 のための 税 制 上 の 措 置 東 日 本 大 震 災 からの 復 興 は 日 本 経 済 再 生 のシンボルとなるものであり 目 に 見 える 形 で 前 進 加 速 せることが 不 可 欠 なものとなっています そのため 平 成 25 年 税 制 改 正 においても 必 要 な 措 置 が 手 当 てされました < 表 16 震 災 復 興 支 援 税 制 の 主 な 改 正 内 容 > 項 目 影 響 ポイント 譲 渡 所 得 の 特 別 控 除 減 税 土 地 の 買 取 りに 係 る 譲 渡 所 得 に 対 し 5,000 万 円 の 特 別 控 除 住 宅 ローン 減 税 減 税 住 宅 ローン 減 税 の 最 大 控 除 額 が 最 大 600 万 円 に 拡 充 固 定 資 産 税 免 除 減 税 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 免 除 する 措 置 等 の 適 用 期 限 が1 年 延 長 具 体 的 には 高 台 移 転 を 更 に 推 進 するため 一 定 の 要 件 を 満 たす 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 で 行 われる 土 地 の 買 取 りに 係 る 譲 渡 所 得 に 対 し 5,000 万 円 の 特 別 控 除 を 可 能 とする 制 度 が 創 設 されます 従 来 は 被 災 地 内 にある 土 地 を 地 方 公 共 団 体 等 が 買 い 取 る 場 合 は 土 地 等 の 譲 渡 所 得 について 2,000 万 円 の 特 別 控 除 ができる 制 度 がありましたが さら に 制 度 拡 充 となりました 10
また 消 費 税 率 引 上 げに 伴 う 負 担 増 により 被 災 者 の 方 々の 住 宅 再 取 得 等 が 滞 ることのないよう 再 建 住 宅 の 取 得 等 に 係 る 住 宅 ローン 減 税 については 被 災 地 以 外 における 住 宅 ローン 減 税 を 上 回 る 拡 充 が 行 われます 平 成 26 年 4 月 1 日 以 降 平 成 29 年 末 までの 間 に 東 日 本 大 震 災 の 被 災 者 が 新 たに 再 建 住 宅 を 取 得 等 する 場 合 各 年 60 万 円 の 減 税 最 大 控 除 額 は 10 年 間 で 600 万 円 になります ただし この 控 除 額 は 借 入 金 額 5,000 万 円 が 前 提 となっているため 最 大 控 除 額 600 万 円 の 適 用 を 受 けるためには 5,000 万 円 以 上 の 再 建 住 宅 を 購 入 し 借 入 金 額 5,000 万 円 以 上 を 10 年 間 維 持 する 必 要 があります 被 災 地 の 現 状 を 考 えると このような 高 額 な 住 宅 取 得 は 現 実 的 ではないため 真 に 支 援 が 必 要 な 被 災 者 向 けの 税 制 ではなく 富 裕 層 優 遇 となっているとの 声 も 上 がっています < 表 17 住 宅 ローン 減 税 ( 震 災 復 興 支 援 税 制 )> 居 住 年 月 日 控 除 期 間 一 般 住 宅 ~ 平 成 26 年 3 月 31 日 ( 表 4) 平 成 26 年 4 月 1 日 10 年 震 災 復 興 支 援 ~ 平 成 26 年 3 月 31 日 平 成 26 年 4 月 1 日 10 年 住 宅 借 入 金 等 の 年 末 残 高 の 限 度 額 ( 1) 再 建 住 宅 を 居 住 の 用 に 供 した 日 に 基 づいて 適 用 されます 控 除 率 控 除 限 度 額 ( 年 額 ) 2,000 万 円 20 万 円 1.00% 4,000 万 円 40 万 円 3,000 万 円 36 万 円 1.20% 5,000 万 円 ( 1) 60 万 円 このほか 東 日 本 大 震 災 に 係 る 津 波 により 甚 大 な 被 害 を 受 けた 区 域 のうち 市 町 村 長 が 指 定 する 区 域 における 土 地 及 び 家 屋 について 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 免 除 する 措 置 等 の 適 用 期 限 が1 年 延 長 されました 以 上 11