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平 成 28 年 5 月 20 日 耐 震 の 原 点 < 使 用 継 続 性 の 確 保 は 計 算 に 頼 るのでなく 材 料 と 構 造 で> 構 造 品 質 保 証 研 究 所 代 表 取 締 役 五 十 嵐 俊 一 東 日 本 大 震 災 熊 本 地 震 で 新 耐 震 でも 耐 震 補 強 済 みでも 使 用 継 続 できない 事 例 が 相 次 いでいる 周 期 3 秒 以 上 で 超 高 層 ビルも 倒 壊 させる 恐 れのある 地 震 動 が 観 測 された 現 行 の 耐 震 診 断 補 強 を 根 本 的 に 見 直 し 新 旧 基 準 に 拘 わらず 倒 壊 防 止 使 用 継 続 性 の 確 保 等 の 目 標 性 能 の 設 定 これに 即 した 設 計 法 補 強 工 法 の 選 択 と 実 施 を 施 設 の 所 有 者 使 用 者 と 地 域 の 行 政 当 局 の 裁 量 に 委 ねることが 有 効 な 地 震 対 策 を 生 む M9 クラスの 長 時 間 の 揺 れ また 震 度 7 が 繰 り 返 し 襲 うような 大 地 震 に 対 しては 複 雑 な 計 算 を 用 いる 新 耐 震 基 準 の 方 法 に 替 えて 高 延 性 材 で 耐 震 被 覆 することが 有 効 である 鉄 筋 コンクリート 系 構 造 物 に 関 して 東 日 本 大 震 災 で 震 度 6 以 上 の 地 域 の 60 件 そして 熊 本 地 震 の 震 度 6 以 上 の 地 域 の 7 件 で 旧 基 準 建 物 に 耐 震 被 覆 を 施 工 した 施 設 (SRF 工 法 による 耐 震 補 強 事 例 )は 全 て 使 用 継 続 していることが 確 認 されている 主 要 な 柱 を 耐 震 被 覆 することは 倒 壊 を 直 接 防 止 する 上 に 建 物 全 体 の 振 動 と 損 傷 を 抑 える 効 果 があるこ とが 震 度 6 以 上 を 7 回 掛 ける 大 型 震 動 台 実 験 と 上 記 の 実 施 例 調 査 から 導 かれている 1. 活 動 期 と 静 穏 期 2011 年 3 月 11 日 に 発 生 したマグニチュード(M)9 の 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 とそれに 伴 って 発 生 した 津 波 およびその 後 の 余 震 は 発 生 場 所 規 模 ともに 当 時 の 想 定 予 測 を 遥 かに 超 えて 東 日 本 の 太 平 洋 沿 岸 地 域 を 破 壊 した さらに 専 門 家 を 驚 愕 させる 規 模 の 地 盤 の 液 状 化 で 家 屋 インフラに 甚 大 な 被 害 を 及 ぼした 巨 大 な 津 波 と 地 震 動 は 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 の 電 源 設 備 を 無 力 化 し 周 辺 の 鉄 塔 をなぎ 倒 して 送 電 網 を 破 壊 し 全 電 源 喪 失 による 大 事 故 を 引 き 起 こした この 地 震 は 千 年 以 上 前 の 869 年 貞 観 地 震 に 匹 敵 し 日 本 列 島 は 活 動 期 に 入 ったという 報 道 論 説 が 多 く 発 表 された 1) 貞 観 地 震 前 後 の 約 40 年 間 には 日 本 各 地 で 大 地 震 火 山 噴 火 が 起 こっている 850 年 出 羽 ( 山 形 ) 地 震 863 年 越 中 越 後 地 震 864~866 年 富 士 山 噴 火 青 木 ヶ 原 誕 生 864 年 阿 蘇 山 噴 火 869 年 貞 観 地 震 871 年 鳥 海 山 噴 火 878 年 関 東 地 震 相 模 武 蔵 で 大 被 害 平 安 京 でも 揺 れ 881 年 平 安 京 地 震 887 年 西 日 本 地 震 ( 南 海 東 南 海 連 動 地 震 ) 大 阪 津 波 888 年 八 ヶ 岳 噴 火 までの 状 況 は 1995 年 の 阪 神 大 震 災 から 2016 年 の 熊 本 地 震 までの 地 震 火 山 活 動 と 重 なる 部 分 がある 一 般 には 地 震 活 動 には 活 動 期 静 穏 期 はないと 言 われているが 我 が 国 の 地 震 の 歴 史 を 1

見 ると 巨 大 地 震 の 前 後 には 地 震 活 動 が 活 発 な 時 期 があり その 後 しばらくは 静 穏 な 時 期 が 来 ることは 認 められる 直 近 では 幕 末 から 大 正 時 代 1923 年 の 関 東 大 震 災 までの 70 年 間 が 活 動 期 であり 1853 年 小 田 原 (M6.7) 1854 年 伊 賀 伊 勢 (M7.4) 安 政 東 海 (M8.4) 安 政 南 海 (M8.4) 伊 予 西 部 (M7.4) 1855 年 飛 騨 (M6.8) 宮 城 県 沖 (M7.3) 遠 州 灘 (M7.3) 安 政 江 戸 (M7.0) 1856 年 青 森 県 東 方 沖 (M7.5) 江 戸 立 川 (M6.3) 1857 年 芸 予 (M7.3) 1858 年 飛 越 (M7.0) 青 森 県 東 方 沖 (M7.3) 1872 年 浜 田 ( 島 根 )(M7.1) 1891( 明 治 24) 年 濃 尾 地 震 (M8.0) そして 幾 つかの 地 震 を 経 て 1923 年 の 関 東 大 震 災 が 起 こっている その 後 1968 年 の 十 勝 沖 地 震 までの 45 年 間 が 静 穏 期 であった 現 行 の 建 築 物 インフ ラ 施 設 の 材 料 設 計 施 工 法 が 形 作 られ 制 度 化 されたのが この 静 穏 期 である 2. 新 耐 震 でも 耐 震 補 強 済 みでも 使 用 禁 止 取 り 壊 し 2011 年 の 東 日 本 大 震 災 では 東 北 大 学 栃 木 県 の 市 貝 中 学 校 など 鉄 骨 ブレースや 壁 を 入 れた 補 強 済 み 建 物 で 使 用 できなくなり 結 局 取 り 壊 した 事 例 が 専 門 雑 誌 と 地 方 新 聞 に は 報 道 されている 2),3) また 仙 台 市 営 マンションで 制 震 ブレースを 付 けたのに 壁 が 破 壊 し 大 規 模 修 繕 を 余 儀 なくされた 事 例 がある 高 層 免 震 マンションで 室 内 が 滅 茶 苦 茶 にな った 事 例 を 受 けて 高 層 に 免 震 を 用 いることを 自 粛 することを 決 めた 設 計 事 務 所 がある ま た 大 手 病 院 の 関 係 者 は 傘 下 の 10 病 院 の 内 使 用 継 続 できたのは RC 造 で 免 震 の 1 棟 だ けで 残 りの 9 病 院 ( 新 耐 震 の 鉄 骨 造 (S 造 ))は 設 備 機 器 の 損 壊 で 使 用 できなかったと 述 べている 東 北 大 学 の 人 間 環 境 系 研 究 棟 他 の 3 校 舎 では 大 きな 揺 れで 壁 に 向 こうが 見 えるほど の 亀 裂 が 走 り 内 部 の 設 備 機 器 が 転 倒 損 壊 し ガス 漏 れを 起 こし エレベータが 落 下 して 即 刻 立 ち 入 り 禁 止 となった 4) この 被 害 を 受 けて 東 北 大 学 では RC 系 建 物 は 6 階 建 てま でに 制 限 するという 5) 栃 木 県 市 貝 町 立 市 貝 中 学 校 (RC 3 階 建 て)は 平 成 22 年 までに 鉄 骨 ブレースによる 耐 震 改 修 を 完 了 していたが 大 きく 被 災 した 建 築 学 会 の 速 報 6)には ( 補 強 の 無 い)3 階 において RC 短 柱 が せん 断 破 壊 し 梁 間 方 向 においてもせん 断 破 壊 した 柱 が 見 られ 1 階 の 耐 震 補 強 した 構 面 でも 柱 のせん 断 破 壊 を 生 じている 旨 が 記 載 されている 下 野 新 聞 3)によれば 3 年 生 の 教 室 がある 3 階 は 天 井 から 蛍 光 灯 が 垂 れ 下 がり 天 井 パネ ルの 一 部 が 落 下 トイレの 天 井 も 落 ちた 1 階 トイレの 女 子 入 り 口 がゆがんでドアが 開 かず 男 子 入 り 口 前 の 壁 には 幅 10 センチほどの 亀 裂 もできて 外 がのぞける 状 態 1 階 理 科 室 や 別 棟 の 音 楽 棟 では 蛍 光 灯 や 天 井 パネルが 落 下 教 科 書 や 文 房 具 が 机 の 上 にそのままに 残 さ れ 避 難 の 慌 ただしさを 物 語 った 校 内 放 送 が 使 えない 中 でけが 人 も 出 さなかったのは 教 員 の 的 確 な 指 示 と 生 徒 の 冷 静 な 行 動 が 生 きた と 石 川 一 夫 校 長 余 震 が 続 く 中 35 人 の 教 職 員 総 出 で 生 徒 の 文 具 や 荷 物 文 書 書 籍 類 を 安 全 な 保 管 場 所 に 避 難 させていた とのこ とである 町 は 町 で 唯 一 の 中 学 校 普 通 教 室 棟 の 柱 が 各 所 でせん 断 破 壊 されて きわめて 危 険 な 状 2

態 となっています 文 部 科 学 省 の 指 導 では 鉄 筋 の 取 り 替 えとコンクリートの 再 打 設 によ って 復 旧 が 可 能 とのことでありますが 家 庭 にとりかけがえのない 小 さな 命 を 預 かる 町 に とっては 安 全 な 学 習 環 境 を 確 保 することは 町 の 最 低 限 の 義 務 と 考 えます 折 しも 市 貝 町 を 被 害 想 定 区 域 に 含 む 関 東 大 震 災 が 高 い 確 率 で 発 生 すると 予 想 される 中 で 可 能 性 が 低 い 出 来 事 であろうと 起 こり 得 ることがあるという 立 場 を 堅 持 し 技 術 的 には 最 高 水 準 の 対 応 を 施 す 方 針 です したがって 文 部 科 学 省 の 指 導 書 に 従 うことなく 新 しく 建 て 替 える 考 えであります との 表 明 7)を 行 っている この 中 学 は 平 成 25 年 末 まで 移 転 して 被 災 し た 校 舎 を 取 り 壊 し 3 階 建 ては 止 め 2 階 建 ての 校 舎 を 新 設 して 平 成 26 年 から 元 の 場 所 で 授 業 が 再 開 されている 平 成 28 年 (2016 年 )4 月 14 日 から 続 いている 熊 本 地 震 では 新 耐 震 でも 耐 震 診 断 結 果 が OK であっても 耐 震 補 強 済 みでも 柱 壁 にせん 断 亀 裂 が 入 り 内 部 の 設 備 機 器 が 落 下 転 倒 して 使 用 停 止 になった 建 物 が 数 多 く 確 認 されている 熊 本 大 学 では 原 田 学 長 が 同 年 4 月 21 日 に 学 生 に 向 けて 声 明 を 発 し 多 くの 校 舎 で 大 き な 被 害 が 発 生 していると 述 べている 8) 同 大 学 の 発 生 医 学 研 究 所 ( 発 生 研 ) 西 中 村 教 授 は 5 月 2 日 にメッセージをホームページに 掲 載 している また 同 日 夜 の 日 本 テレビ NEWS ZERO では 京 都 大 学 の 山 中 教 授 が 東 京 で 熊 大 の 研 究 者 が 研 究 面 でも 非 常 に 大 きな 被 害 を 受 けて 科 学 の 面 でも 取 り 返 しのつかないことが 起 ころうとしている と 述 べた 模 様 が 放 映 された 続 いて 建 物 内 部 の 映 像 と 西 中 村 教 授 のインタビューが 詳 しく 報 道 されている これらによれば 発 生 研 では ips 細 胞 での 臓 器 の 出 来 方 等 のマウスを 使 った 研 究 を 行 って いるが 柱 や 壁 にせん 断 亀 裂 が 入 り 窓 枠 がゆがみ 漏 水 が 発 生 している さらに 内 部 では 高 価 な 機 材 が 折 り 重 なって 倒 れている 状 況 である マウスは 教 授 らの 懸 命 の 努 力 で 危 機 を 脱 したが 機 器 の 被 害 は 数 億 円 に 上 り 復 旧 には 半 年 から 1 年 を 要 するとのことであ る 同 教 授 は 9 階 建 ての 建 物 の 高 層 階 (5 階 から 上 )は 今 後 どう 使 っていいか 分 からない と 述 べている また 上 記 のようなことは 発 生 研 の 立 地 する 地 区 だけではなく すべて の 建 物 学 部 部 局 で 起 きているとのことである 9) 上 記 の 熊 本 大 学 発 生 医 学 研 究 所 の 内 部 の 被 災 状 況 は 東 日 本 大 震 災 における 東 北 大 学 人 間 環 境 系 研 究 棟 と 酷 似 している 発 生 研 は 2005 年 竣 工 の 新 耐 震 また 人 間 環 境 系 研 究 棟 は 1969 年 竣 工 の 旧 耐 震 で 2001 年 に 耐 震 補 強 済 みである 両 者 とも 鉄 骨 鉄 筋 コンクリ ート 造 (SRC 造 )9 階 建 である 3. 現 行 法 の 限 界 第 2 章 の 被 災 事 例 は 東 日 本 大 震 災 のような M9 クラスの 大 地 震 や 熊 本 地 震 のように 震 度 6 以 上 が 何 度 も 襲 うような 大 地 震 の 群 発 による 地 震 動 に 対 しては 現 行 基 準 ( 新 耐 震 耐 震 改 修 設 計 指 針 )で 設 計 施 工 しても せん 断 亀 裂 の 発 生 とせん 断 破 壊 が 避 けられない こと また S 造 はもとより RC 造 SRC 造 でも 大 きな 揺 れで 内 部 の 什 器 備 品 精 密 機 器 等 が 損 壊 する 危 険 性 が 高 いことを 改 めて 明 らかにしている 3

現 行 の 耐 震 設 計 法 は 大 地 震 に 対 する 備 えを 材 料 や 基 本 的 な 構 造 は 変 えずに 計 算 法 や 想 定 の 変 更 で 賄 おうとする 方 法 である これは 1940 年 ~1960 年 代 の 地 震 の 静 穏 期 に 米 国 で 観 測 された 地 震 動 を 用 いた 研 究 によって 形 作 られ 我 が 国 の 新 耐 震 基 準 を 始 めとす る 各 国 の 耐 震 規 準 の 骨 格 になっている 1960 年 代 以 降 コンピュータを 駆 使 した 複 雑 な 耐 震 計 算 によって 長 大 巨 大 な 構 造 物 高 層 ビル 原 子 力 施 設 などが 環 太 平 洋 地 震 帯 地 域 や 欧 亜 地 震 帯 地 域 に 続 々と 設 計 され 建 設 された また 1995 年 の 阪 神 大 震 災 を 契 機 に 制 定 された 耐 震 改 修 促 進 法 によって 1981 年 以 前 の 旧 基 準 建 物 を 現 行 基 準 なみの 強 度 に 引 き 上 げるべく 鉄 骨 ブレース 等 を 用 いた 耐 震 補 強 が 多 数 の 建 物 で 実 施 されている 熊 本 市 は 平 成 28 年 熊 本 地 震 発 生 時 点 で 小 中 学 校 の 耐 震 化 率 ( 耐 震 診 断 の 結 果 OK で あるか 耐 震 補 強 して OK になった 校 舎 の 割 合 )が 100%であった しかし ほとんどの 校 舎 で 何 等 かの 被 害 が 発 生 しており 多 数 が 使 用 禁 止 になっている 熊 本 大 学 を 始 めとする 大 学 校 舎 も 前 項 に 述 べた 通 り 同 様 の 被 害 状 況 である 2015 年 1 月 18 日 の NHK スペシャル 10) で 大 阪 の 上 町 断 層 帯 による 直 下 型 地 震 では 周 期 3 秒 以 上 のキラーパルスが 発 生 し 国 の 基 準 通 りに 作 られた 高 さ 100m の 高 層 ビルが 倒 壊 し 周 囲 の 建 物 まで 巻 き 添 えにする 危 険 性 があると 報 道 された 2016 年 5 月 14 日 の NHK スペシャル 11) では 上 記 の 地 震 動 が 熊 本 地 震 の 震 源 に 近 い 熊 本 県 阿 蘇 郡 西 原 村 で 実 際 に 観 測 され この 地 震 動 でシミュレーションすると 超 高 層 ビルに 特 にダメージを 与 え 低 層 階 に 大 きな 負 荷 がかかり 倒 壊 する 恐 れがあると 京 都 大 学 林 康 裕 教 授 が 指 摘 していると 報 じら れている 同 教 授 は 3 秒 のパルスが 実 際 に 観 測 されたという 事 実 は 全 国 の 都 市 部 に 大 き なインパクトがある 大 都 市 部 でも 熊 本 地 震 の 経 験 を 生 かして 防 災 対 策 を 進 める 必 要 があ る とコメントしている また 同 日 の NHK ニュースでは 次 のように 報 道 されている 工 学 院 大 学 の 久 田 嘉 章 教 授 の 東 京 新 宿 区 にある 高 さ 140 メートル 余 りの 29 階 建 ての 大 学 のビルが この 長 周 期 の 揺 れ( 上 記 地 震 動 )によってどのような 影 響 を 受 けるか 実 際 の 波 形 を 使 ってコンピュータ 上 でシミュレーションを 行 いました その 結 果 長 周 期 地 震 動 によって 建 物 全 体 が 大 きく 揺 れ 最 上 階 の 揺 れ 幅 は 最 大 で 3 メートル 50 センチ 前 後 に 達 しました 建 物 を 支 える 梁 や 筋 交 いの 多 くが 地 震 の 揺 れによって 激 しく 損 傷 し 揺 れが 収 まっても 変 形 が 残 り 建 物 が 傾 いたままになるという 結 果 となりました 久 田 教 授 により ますと 今 回 の 長 周 期 の 揺 れの 大 きさは 設 計 で 想 定 する 基 準 の 3 倍 程 度 に 達 していて 最 悪 の 場 合 超 高 層 の 建 物 の 倒 壊 につながるおそれもあるということです さらに K-NET 一 の 宮 でも 周 期 3 秒 付 近 で 速 度 応 答 スペクトルが 非 常 に 大 きな 振 幅 ( 対 数 軸 で 判 読 する と 250kine 程 度 )になっていると 報 告 されている 12) 1923 年 の 関 東 大 震 災 での 米 国 式 設 計 による 構 造 物 の 崩 壊 を 目 の 当 たりにして 日 本 独 自 の 設 計 技 術 が 評 価 され 建 物 の 高 さを 全 国 で 100 尺 ( 後 に 31m) 以 下 に 制 限 した また 濃 尾 地 震 サンフランスコ 地 震 などの 経 験 から 地 震 に 対 しても 材 料 強 度 に 大 きな 安 全 率 をもって 設 計 するなどの 配 慮 をしていた 地 震 活 動 が 静 穏 になり 太 平 洋 戦 争 を 経 て 1960 年 代 に 高 度 経 済 成 長 を 遂 げる 中 で 基 準 が 緩 和 され コンクリート 造 の 構 造 物 が 大 量 生 産 4

されていく その 中 で 生 まれ 育 ったのが 新 耐 震 基 準 を 始 めとする 現 行 の 耐 震 基 準 であり 免 震 制 震 そして 旧 基 準 建 物 に 対 する 壁 の 新 増 設 や 鉄 骨 ブレース 柱 の 鉄 板 巻 き あ るいは 炭 素 繊 維 エポキシ 樹 脂 等 の 高 強 度 材 料 を 用 いた 耐 震 補 強 技 術 である これらの 耐 震 設 計 法 補 強 工 法 の 有 効 性 を 検 証 したとされるコンピュータシミュレーションや 室 内 外 での 実 験 は あくまで 当 時 想 定 した 条 件 下 で 行 われているし 規 模 や 受 容 できる 危 険 性 にも 限 界 があった 現 代 から 見 ると 誠 に 小 規 模 なものに 過 ぎない 新 耐 震 建 物 や 耐 震 補 強 済 み 建 物 でも 6 階 以 上 の 処 に 高 価 な 機 材 や 人 を 置 くことが 重 大 な 損 害 を 招 くことは 東 北 大 学 と 熊 本 大 学 の 被 災 事 例 が 多 大 な 犠 牲 の 上 に 明 らかにしている 現 代 構 造 物 の 大 半 は 鉄 筋 コンクリート(Reinforced Concrete: RC)を 主 要 構 造 材 料 と して 造 られている これは 19 世 紀 に 発 明 され その 基 本 構 造 が 1920 年 代 に 確 立 したもの である RC は 地 震 により 繰 り 返 し 変 形 すると かぶり 部 分 に 亀 裂 を 生 じ 剛 性 と 強 度 が 低 下 し 遂 には かぶりが 崩 落 し 鉄 筋 は 付 着 力 を 喪 失 座 屈 し 鉛 直 支 持 力 を 喪 失 して 構 造 物 を 倒 壊 に 至 らせる かぶりは 震 動 を 受 けなくとも 経 年 劣 化 し 中 性 化 するので 鉄 筋 に 対 する 保 護 機 能 を 喪 失 し 鉄 筋 が 腐 食 して 軸 力 支 持 能 力 を 失 う 現 代 の 鉄 筋 コンク リートは 耐 震 的 にも 耐 久 的 にも 大 きな 構 造 的 弱 点 を 抱 えた 複 合 材 料 であると 言 わざるを 得 ない これが 無 防 備 のまま 放 置 されているのが 現 代 都 市 である 鉄 筋 コンクリートの 設 計 施 工 法 が 開 発 され 制 度 化 されたのが 1930 年 代 であり 丁 度 地 震 の 静 穏 期 であった 為 上 記 の 弱 点 は 1968 年 の 十 勝 沖 地 震 で RC 造 の 学 校 校 舎 が 崩 壊 するまでは 隠 れたままであった この 被 害 を 契 機 として 開 始 された 日 米 を 中 心 とする 研 究 の 結 果 想 定 する 大 地 震 に 対 して 計 算 上 破 壊 しないように 鉄 筋 コンクリートの 配 置 と 量 を 決 めるという 現 行 法 ( 新 耐 震 )が 1970 年 代 に 作 られた しかし これは 当 時 首 都 高 速 道 路 原 子 力 発 電 所 超 高 層 ビルなどが 既 に 完 成 していたこともあり 基 本 的 な 見 直 しではなく 量 的 な 変 更 に 留 まっている 現 行 法 には 次 のような 問 題 点 がある 1 構 造 物 に 作 用 する 想 定 地 震 力 の 作 用 パターンと 大 きさを 決 めなければ 構 造 物 の 変 形 が 許 容 値 以 内 に 収 まり コンクリートが 破 壊 しないかどうかを 計 算 できない 現 行 法 では 告 示 や マニュアルで 定 められているが 実 際 の 大 地 震 が 告 示 やマニュアル を 守 る 保 証 はない 特 に 継 続 時 間 ( 繰 り 返 し 回 数 ) 作 用 方 向 ( 上 下 動 )の 影 響 の 現 実 的 な 評 価 は 困 難 である 今 後 は 2013 年 に 相 次 いで 公 表 された 新 想 定 の 地 震 動 及 び 熊 本 地 震 で 観 測 された 地 震 動 に 対 する 安 全 性 の 評 価 が 問 題 になる 入 力 地 震 の 大 きさやパターンが 想 定 を 外 れれば 計 算 上 構 造 物 が 崩 壊 することになる 2 現 行 法 では 保 有 水 平 耐 力 構 造 耐 震 指 標 等 (Is 値 )の 数 値 で 安 全 性 の 判 定 が 行 われ る これを 求 める 計 算 は 分 岐 を 含 む 非 線 形 問 題 である モデル 化 や 数 値 計 算 方 法 の 詳 細 が 計 算 に 大 きく 影 響 するので 判 定 に 客 観 性 を 欠 くことを 避 けられない 計 算 は 専 用 計 算 プログラム(ソフト)を 用 いて 行 われるが 長 年 改 訂 を 繰 り 返 し 巨 大 化 し ており メンテナンスにも 多 大 な 労 力 を 要 する バグを 修 正 すると 計 算 結 果 が 大 きく 5

変 わることも 往 々にしてある 3 新 耐 震 で 導 入 された 保 有 水 平 耐 力 Is 値 等 の 大 地 震 時 の 設 計 指 標 は 構 造 物 全 体 あ るいは フロア( 各 方 向 ) 毎 に 強 度 等 を 集 計 して 算 出 されるので フロア 内 の 個 々 の 場 所 の 変 形 の 大 きさや 損 傷 の 程 度 は 不 明 確 である 特 に ブレース 等 による 補 強 は 一 部 のスパンや 部 材 に 限 られるので 残 りの 部 分 が 破 壊 する 危 険 性 が 残 る 4 耐 震 性 評 価 の 基 本 になっている 終 局 耐 力 保 有 水 平 耐 力 などは 構 造 材 料 が 降 伏 した 後 に 発 揮 するものであるので この 時 点 では 構 造 物 が 損 傷 して 使 用 性 が 損 なわれて いる 危 険 性 が 高 い 非 構 造 部 材 の 損 傷 や 破 壊 については 直 接 は 検 討 せず 仕 上 げや 設 備 の 安 全 性 使 用 性 に 関 する 検 討 は 極 めて 単 純 な 方 法 でしか 行 われていないので 大 地 震 時 の 内 部 の 人 の 安 全 性 や 施 設 の 使 用 性 については 十 分 には 確 認 できない 5 保 有 水 平 耐 力 Is 値 を 計 算 する 上 で 重 要 な 役 割 を 占 める 構 造 特 性 係 数 D S 値 及 び 靱 性 指 標 F 値 の 導 出 根 拠 となっている Newmark のエネルギー 一 定 則 は 等 価 弾 性 応 答 CE=E0 が 増 大 すると これに 比 例 して 弾 性 限 界 変 位 δe も 増 大 するモデルに 基 づい て 導 かれている しかしながら 鋼 材 など 現 実 の 材 料 で 造 られた 構 造 物 の 弾 性 限 界 変 位 ( 降 伏 変 位 )は 強 度 によらずほぼ 一 定 値 である 即 ち 強 度 の 増 減 は 剛 性 の 増 減 になる したがって エネルギー 一 定 則 を 背 景 とした 現 行 法 の 強 度 型 耐 震 改 修 設 計 は 強 度 を 過 大 評 価 している( 強 度 不 足 である) 懸 念 がある 中 低 層 の 建 物 のような 応 答 スペクトルの 加 速 度 一 定 領 域 に 属 する 短 周 期 の 構 造 物 では 剛 性 の 変 化 が 地 震 力 の 変 化 を 生 まず 上 記 の 違 いは 問 題 になりにくい しかし 東 日 本 大 震 災 で 仙 台 市 若 林 区 卸 町 で 観 測 された 地 震 動 の 応 答 スペクトルは 中 低 層 の 建 物 の 周 期 帯 でも 変 位 一 定 領 域 の 形 状 をしており 剛 性 増 加 が 地 震 力 の 増 加 を 生 むことになり 上 記 の 懸 念 が あてはまる 6 震 災 後 の 使 用 性 判 定 には 用 途 係 数 重 要 度 係 数 等 で 必 要 保 有 水 平 耐 力 (Q un )や 構 造 耐 震 判 定 指 標 (I s0 )を 割 増 す 方 法 がマニュアル 等 で 慣 行 となっている しかし 上 記 耐 力 等 を 割 増 すということは 割 増 した 想 定 地 震 ( 地 震 荷 重 地 震 動 )で 倒 壊 し ないことを 計 算 で 確 かめることにはなるが 割 増 す 前 の 想 定 地 震 で 使 用 性 が 確 保 さ れるかどうかについて 計 算 したことにはならない 現 行 基 準 の 枠 組 みで 大 地 震 時 の 使 用 性 確 保 を 保 証 するならば 損 害 を 軽 微 に 収 める( 弾 性 範 囲 で 応 答 する)こと が 目 標 性 能 である 一 次 設 計 の 震 度 を 割 増 すべきである しかし 現 行 の 一 次 設 計 の 地 震 荷 重 は 応 答 で 0.2 地 盤 で 0.08 程 度 の 震 度 に 相 当 するに 過 ぎず これを 仮 に 大 地 震 時 ( 応 答 で 1.0)まで 割 増 すと 現 実 的 でない 程 重 厚 な 構 造 になってしまう 7 コンクリートが 経 年 劣 化 し 中 性 化 すれば 当 然 耐 震 性 は 落 ちる これを 耐 震 計 算 に 明 確 に 反 映 する 方 法 がない 8 現 行 法 は 構 造 物 の 供 用 期 間 に1 度 来 るか 来 ないかという 大 地 震 に 対 して 鉄 コン クリート 等 の 構 造 材 料 を 用 いて 耐 えようとするので 大 部 分 の 構 造 材 料 は 大 地 震 まで 備 蓄 されることになる これは 勿 体 ないだけでなく 建 設 後 長 期 間 を 経 て 大 地 6

震 が 起 こった 時 点 で 材 料 が 劣 化 等 で 機 能 しない 危 険 性 をはらむ 4. 問 題 は 基 準 の 新 旧 を 超 えている 建 築 学 会 は 1995 年 兵 庫 県 南 部 地 震 ( 阪 神 淡 路 大 震 災 )の 神 戸 市 灘 区 東 灘 区 の 震 度 7 の 地 域 における 鉄 筋 鉄 骨 コンクリート(RC 系 ) 建 物 3894 棟 の 被 災 状 況 をまとめてい る 13) まず 建 物 をピロティ 建 物 とそれ 以 外 ( 一 般 建 物 )に 大 別 し それぞれについて 建 築 年 代 を 1982 年 以 降 ( 新 耐 震 ) 1972 年 ~1981 年 まで( 旧 基 準 第 2 世 代 ) そして 1971 年 以 前 ( 旧 基 準 第 1 世 代 )の 3 つに 区 分 被 害 程 度 を 崩 壊 ( 倒 壊 )から 軽 微 までの 5 つに 区 分 してそれぞれについて 比 率 を 計 算 している これによれば 一 般 建 物 の 倒 壊 の 比 率 は 新 耐 震 では 1%であり 旧 基 準 の 第 2 世 代 5% 第 1 世 代 2%に 比 べ 大 きく 減 少 している しかし 軽 微 な 被 害 の 比 率 に 注 目 すれば 新 耐 震 で 22% 旧 耐 震 でも 約 25%とそれほど 変 わっていない 新 耐 震 は 倒 壊 防 止 には 効 果 があるが 軽 微 な 被 害 は 避 けられないとい うことが 読 み 取 れる また 無 被 害 の 比 率 も 同 様 で 新 耐 震 の 66%に 比 べれば 少 ないが 旧 基 準 でも 約 半 数 が 無 被 害 である 上 記 の 調 査 を 始 めとする 1995 年 阪 神 大 震 災 の 被 害 率 調 査 に 基 づいて 新 耐 震 基 準 の 妥 当 性 が 検 証 されたとされ 同 年 末 に 施 行 された 耐 震 改 修 促 進 法 により 旧 基 準 の 建 物 の 耐 震 診 断 と 耐 震 改 修 が 促 進 され その 後 度 々の 改 正 により 強 化 されている しかし 旧 基 準 建 物 だけを 取 り 出 して 診 断 し 新 耐 震 並 みの 強 度 を 持 つように 改 修 することは ピロティを 除 けば 何 もしなくても 倒 壊 しない 95% 以 上 の 旧 基 準 の 建 物 に 倒 壊 防 止 を 目 的 にした 補 強 を 強 いることである さらに 補 強 しても 2 割 程 度 が 軽 微 な 被 害 や 小 破 中 破 を 生 ずる ことは 避 けられないということである さらにはっきりした 結 果 が 東 日 本 大 震 災 で 東 北 関 東 46,365 棟 のマンションの 被 害 調 査 から 得 られている 高 層 住 宅 管 理 業 協 会 は 旧 旧 耐 震 規 準 旧 耐 震 規 準 新 耐 震 基 準 による 建 物 の 被 害 状 況 に 阪 神 淡 路 大 震 災 のような 経 年 数 や 耐 震 基 準 別 の 被 災 傾 向 はみられない とはっきり 述 べている 14) 構 造 耐 震 指 標 (Is 値 )は 耐 震 診 断 で 計 算 されるが この 数 値 が 0.3 以 下 である 建 物 とは 耐 震 強 度 が 現 行 基 準 の 50% 未 満 であり 震 度 5 強 から 被 害 がでて 震 度 6 では 倒 壊 する ので 取 り 壊 しか 大 掛 かりな 耐 震 補 強 が 必 要 とされる 建 物 である 東 日 本 大 震 災 におい て 北 関 東 から 東 北 地 方 の 震 度 5 強 以 上 の 揺 れを 受 けた 地 域 ( 津 波 被 災 地 を 除 く)には Is 値 が 0.3 以 下 で 未 だ 耐 震 補 強 が 行 われていない 庁 舎 学 校 の 建 物 が 少 なくとも 98 棟 ある ことが 公 開 資 料 で 確 かめられた( 震 度 6 弱 以 上 63 棟 震 度 5 強 35 棟 ) 電 話 等 でヒアリン グ 調 査 したところ この 内 倒 壊 したものは 1 棟 もない 外 壁 に 亀 裂 が 入 り 使 用 中 止 をし た 校 舎 が 一 つあるのみである 一 部 で 天 井 落 下 等 の 軽 微 な 被 害 がある 3 棟 を 含 め 97 棟 が 使 用 継 続 している 建 築 学 会 東 北 支 部 は 仙 台 周 辺 の 学 校 建 物 82 棟 について Is 値 と 被 害 の 関 係 を 調 査 した Is 値 が 0.7 未 満 で 未 改 修 建 物 は 7 棟 であったが 全 て 被 害 は 軽 微 であった また Is 値 が 0.7 以 上 であるか 耐 震 改 修 して 0.7 以 上 になった 建 物 75 棟 の 内 D3( 構 造 体 被 害 )が 3 7

棟 D2( 非 構 造 部 材 の 剥 落 )が 8 棟 であった この 結 果 を 受 けて 東 北 支 部 は 使 用 継 続 性 を 言 及 する 新 たな 耐 震 性 能 の 評 価 手 法 の 構 築 が 急 務 であると 思 われる と 述 べている 15) 建 築 学 会 東 北 支 部 の 調 査 報 告 書 には また 次 のように 記 載 されている 16) 都 市 部 にお けるマンションは 旧 基 準 で 設 計 されたものが 20% 程 度 しかなく 80% 程 度 は 既 に 現 行 基 準 で 設 計 されたものである これまで マンションの 耐 震 化 は 旧 基 準 で 設 計 されたものを 耐 震 補 強 することに 力 を 注 いできたが 今 回 の 東 日 本 大 震 災 での 被 害 を 調 べてみると 現 行 基 準 で 設 計 されたものでも 多 くの 被 害 が 発 生 しており 財 産 管 理 上 でも 個 戸 のオーナー からの 苦 情 も 多 いと 聞 く このようなことから 考 えるとマンションの 耐 震 化 はすでに 新 時 代 に 入 ってきているのではないかと 考 えている 即 ち 旧 基 準 vs 現 行 基 準 のようなものの 考 え 方 はもう 古 くなってきていることが 分 かる これからのマンションの 耐 震 化 は 非 構 造 部 材 設 備 などの 主 体 構 造 以 外 の 所 にも 十 分 配 慮 したものでなければならない もう マンションの 耐 震 化 は 新 時 代 に 突 入 していることに 気 付 く 必 要 がある マンションの 個 戸 のオーナーの 意 見 として 無 被 害 化 を 目 指 してほしいという 希 望 が 多 いことを 申 し 添 えてお く 現 行 の 耐 震 改 修 促 進 法 及 びこれに 基 づく 耐 震 診 断 改 修 設 計 への 補 助 金 制 度 報 告 義 務 等 は 巨 額 な 負 担 を 行 政 と 民 間 の 建 物 所 有 者 に 強 いているが その 根 本 にある 新 耐 震 基 準 と 一 連 の 技 術 は 50 年 近 く 前 の 静 穏 期 に 作 られたものであり 目 的 方 法 ともに 現 代 社 会 のニーズにも 活 動 期 の 地 震 動 にも 合 っていないと 言 うのが 現 場 の 実 感 である 5. 耐 震 の 原 点 1853 年 の 小 田 原 地 震 から 安 政 江 戸 地 震 明 治 24 年 (1891 年 ) 濃 尾 地 震 明 治 27 年 (1894 年 ) 東 京 地 震 及 びその 前 後 に 頻 発 した 北 海 道 岩 手 酒 田 熊 本 等 の 地 震 そし て 1906 年 サンフランシスコ 地 震 さらに 1923 年 の 関 東 大 震 災 に 至 る 19 世 紀 末 から 20 世 紀 初 頭 は 今 の 一 つ 前 の 活 動 期 であった これらの 地 震 被 害 の 詳 細 な 調 査 に 基 づいてこ の 時 代 に 形 成 された 耐 震 の 基 本 的 な 考 え 方 が 家 屋 耐 震 構 造 論 17)に 示 されている 即 ち 地 震 により 建 物 の 個 々の 部 分 に 掛 かる 力 を 定 量 的 に 明 らかにし これに 対 して 材 料 の 強 度 が 十 分 な 安 全 率 を 持 つような 材 料 と 構 造 を 考 究 する というものである 上 記 各 地 震 によ る 各 種 構 造 物 損 壊 の 詳 細 な 調 査 分 析 の 中 で 見 出 された 耐 震 の 原 点 である 関 東 大 震 災 から 十 勝 沖 地 震 までの 地 震 の 静 穏 期 と 米 国 でのコンピュータの 開 発 と 進 歩 に 押 されて 現 行 の 新 耐 震 即 ち 大 地 震 の 地 震 動 を 仮 定 し 構 造 全 体 あるいは 各 層 を 対 象 とした 計 算 上 の 耐 震 強 度 が 基 準 を 上 回 ることで 済 ます 材 料 が 塑 性 化 することは 肯 定 する という 形 に 変 貌 してしまった また 先 の 活 動 期 に 生 まれ 関 東 大 震 災 の 教 訓 から 全 国 に 展 開 された 建 物 の 高 さ 制 限 (100 尺 制 限 )も 計 算 で OK であればよいとして 撤 廃 され 現 在 に 至 っている 前 章 までに 述 べたように 新 耐 震 耐 震 補 強 済 みの 多 くの 建 物 で 被 害 が 生 じていること 東 北 大 学 で RC 系 は 6 階 建 て 以 下 にする 措 置 が 取 られていること 熊 本 大 学 の 発 生 医 学 研 8

究 所 で 5 階 以 上 の 階 をどう 使 うか 分 からない 状 況 であること さらに 超 高 層 を 倒 壊 させる 恐 れのある( 現 行 基 準 の 3 倍 以 上 の 大 きな 応 答 を 示 す) 長 周 期 地 震 動 が 実 際 に 観 測 された ことは 耐 震 を 上 記 の 原 点 に 戻 って 考 え 直 す 必 要 があることを 示 している SRF 工 法 は 1999 年 8 月 のトルコの 震 災 で 応 急 被 災 度 判 定 で 安 全 とした 建 物 が 11 月 の 地 震 で 倒 壊 し 多 数 の 死 傷 者 を 出 した 失 敗 から 生 まれた 18) ポリエステル 繊 維 織 物 のよ うな しなやかで 切 れない 材 料 ( 高 延 性 材 )でコンクリートを 被 覆 することで 損 傷 を 制 御 し 従 来 の 想 定 を 数 倍 から 10 倍 上 回 る 変 形 や 繰 り 返 し 回 数 の 力 を 加 えても 破 壊 しない 強 靭 さを 持 った 柱 梁 壁 スラブをつくる 方 法 である 木 造 の 接 合 部 釘 打 ち 部 にも 優 れた 繰 り 返 し 変 形 性 能 を 付 与 する これらの 効 果 は 理 論 的 に 導 かれる 他 東 京 大 学 東 北 大 学 京 都 大 学 職 業 能 力 開 発 総 合 大 学 校 及 び 科 学 技 術 庁 との 多 数 の 協 同 実 験 で 確 か められている 大 型 震 動 台 で 震 度 6~ 震 度 7 の 揺 れを 7 回 連 続 して 加 える 実 験 も 行 われ 対 損 傷 性 を 確 認 している 19),20) 鉄 筋 連 続 繊 維 等 の 材 料 は 自 身 が 圧 縮 剛 性 せん 断 剛 性 を 持 つので 大 地 震 で 繰 り 返 し 変 形 を 受 けると コンクリートに 発 生 する 圧 縮 力 と 干 渉 してコンクリートを 破 壊 するか 自 ら が 塑 性 化 破 壊 剥 離 を 生 じてしまう 一 方 SRF 工 法 の 高 延 性 材 は せん 断 剛 性 圧 縮 剛 性 がほとんど 無 いのでコンクリートの 圧 縮 力 伝 達 機 構 を 阻 害 せずに 引 張 力 を 伝 達 する この 違 いが SRF 工 法 で 耐 震 被 覆 することで 鉄 筋 で 補 強 した 鉄 筋 コンクリート に 比 べ 事 実 上 破 壊 しないと 言 える 程 桁 違 いの 繰 り 返 し 変 形 能 力 を 生 む 木 造 の 接 合 部 釘 打 ち 部 に 関 しても 同 様 である SRF 工 法 による 耐 震 は 鉄 筋 コンクリート(RC)は 経 年 劣 化 や 地 震 を 受 けるとか ぶり 部 分 から 亀 裂 を 生 じ 崩 落 して 破 壊 する という 構 造 的 弱 点 に 対 して 直 接 対 処 する 方 法 である 我 が 国 の RC 系 構 造 物 は 旧 基 準 でも 自 重 に 対 しては 3 倍 程 度 の 余 裕 を 持 って 形 状 を 保 持 できるように 柱 梁 が 配 置 され 寸 法 強 度 が 決 定 されている また 大 きく 引 っ 張 られ るように 変 形 しても 梁 柱 はバラバラにならぬように 軸 方 向 の 鉄 筋 鉄 骨 が 十 分 定 着 され ている 従 って 新 旧 耐 震 に 関 わらず 耐 震 被 覆 してあり 個 々の 部 材 の 損 傷 が 小 さく 曲 げ 圧 縮 あるいはせん 断 圧 縮 破 壊 しなければ 大 地 震 に 遭 遇 して 大 きく 振 動 した 場 合 で も 構 造 全 体 としても 倒 壊 しないと 言 える さらに 損 傷 が 少 ないので 振 動 を 抑 え 仕 上 げ や 内 部 の 設 備 に 対 する 被 害 を 最 小 に 抑 えることができる 即 ち 現 行 の 構 造 設 計 法 の 内 新 耐 震 基 準 で 導 入 された 複 雑 な 計 算 に 頼 る 部 分 を 除 いて SRF を 組 み 合 わせること< 旧 耐 震 +SRF>で 材 料 強 度 に 対 して 十 分 な 安 全 率 をもった 構 造 を 造 り 大 地 震 で 倒 壊 せず 損 傷 も 少 なくすることが 可 能 である 旧 基 準 建 物 を SRF 工 法 で 耐 震 補 強 したということは 上 記 の 旧 基 準 +SRF の 設 計 施 工 例 であると 解 釈 できる 東 日 本 大 震 災 当 時 震 度 5 以 上 の 地 域 には 400 以 上 の SRF 工 法 による 耐 震 補 強 事 例 があり その 内 60 件 は 震 度 6 以 上 であった 調 査 の 結 果 何 れも 倒 壊 しないことは 勿 論 揺 れも 少 なく 仕 上 げの 補 修 等 も 必 要 なく 使 用 継 続 できている 21) 平 成 9

28 年 熊 本 地 震 では 震 度 6 以 上 の 地 域 に 7 件 の 実 施 例 があった 同 年 4 月 25 日 と 5 月 12 日 の 調 査 の 結 果 全 ての 施 設 で 被 害 無 く 使 用 継 続 していることが 確 認 された 一 方 熊 本 市 内 の 大 学 では 同 じキャンパス 内 の 新 耐 震 鉄 骨 ブレース 等 で 耐 震 補 強 済 みの 建 物 に は 大 きな 損 傷 があり 使 用 停 止 になっている 施 設 も 確 認 されている 22),23) 将 来 は 全 てのコンクリート 系 部 材 に 所 要 の 厚 さの 耐 震 劣 化 等 に 対 する 被 覆 ( 機 能 性 被 覆 )を 施 すことが 理 想 である これを 義 務 付 けることで コンクリート 構 造 物 の 耐 震 性 耐 久 性 を 飛 躍 的 に 向 上 させるとともに 大 地 震 の 備 えとして 備 蓄 されている 鉄 とコン クリートの 量 を 減 らし ひいては 地 震 国 でも 地 震 の 無 い 国 々とほぼ 同 じ 量 の 構 造 材 料 で 建 物 やインフラ 施 設 を 建 設 し 維 持 することが 可 能 になる また 大 地 震 への 備 えを 外 側 ( 被 覆 )にすることで 点 検 可 能 かつ 施 設 への 要 求 性 能 の 変 化 地 震 環 境 予 測 の 変 化 被 覆 自 体 の 損 傷 や 劣 化 に 応 じて 取 り 替 えや 追 加 補 強 措 置 が 容 易 になる 利 点 がある 24) 耐 震 被 覆 (SRF 工 法 )を 既 存 施 設 の 改 修 に 用 いる 場 合 には 既 存 の 仕 上 げを 仮 に 外 して 復 旧 する 工 事 を 要 するので 補 強 箇 所 は 少 ない 方 が 実 用 的 であり 現 在 までの 改 修 事 例 で は 大 半 が 下 階 壁 抜 け 柱 ピロティ 柱 短 柱 などに 限 って 用 いられたものである それで も 周 辺 の SRF 工 法 を 使 わずに 耐 震 補 強 した 建 物 新 耐 震 建 物 に 比 べて 揺 れが 少 なく 被 害 がほとんどないことがほぼ 全 ての 事 例 調 査 で 確 認 されている 下 階 壁 抜 け 等 の 柱 は 構 造 の 要 となる 柱 であり これらを SRF 工 法 で 補 強 することで 振 動 を 抑 える 効 果 があると 考 えられる 偏 心 ピロティ 建 物 模 型 を 用 いた 大 型 震 動 台 実 験 結 果 からも 震 度 5 程 度 の 小 さ い 震 動 から 無 被 覆 の 建 物 模 型 に 比 べ ピロティ 部 分 を SRF 工 法 で 補 強 した 建 物 模 型 は 振 動 が 小 さくなっていることが 確 認 されている 25) 6. 結 論 第 4 章 で 詳 述 した 通 り 旧 基 準 で 耐 震 補 強 していなくとも 倒 壊 する 確 率 は 小 さい 新 耐 震 で 建 直 しても あるいは 高 額 な 費 用 と 長 期 間 を 掛 けて 鉄 骨 ブレース 等 で 耐 震 補 強 し ても 軽 微 な 被 害 を 生 ずる 確 率 は ほぼ 変 わらない 東 日 本 大 震 災 熊 本 地 震 で 新 旧 基 準 に 関 わらず 2 割 ~3 割 のマンション 学 校 病 院 等 が 使 用 継 続 できなくなっているのが 現 状 である 現 在 大 都 市 では 超 高 層 ビルを 中 心 とした 再 開 発 計 画 が 目 白 押 しである 10 階 建 て 前 後 を 中 心 とした 既 存 の 街 並 みのあちこちに 忽 然 と 超 高 層 が 出 現 し 周 辺 からテナントと 来 訪 者 を 吸 い 取 っている 旧 基 準 で 耐 震 診 断 結 果 が 悪 いということが 建 物 の 取 り 壊 しと 再 開 発 を 後 押 ししている これまでは 超 高 層 ビルは 大 地 震 でも 安 全 であると 信 じられてい た しかし 東 日 本 大 震 災 等 最 近 の 地 震 ではエレベータが 止 まり 天 井 設 備 が 崩 落 し 屋 上 の 施 設 機 器 が 損 傷 して 長 期 間 使 用 停 止 になる 事 例 も 生 じている さらに 熊 本 地 震 の 震 源 に 近 いサイトで 現 行 基 準 の 3 倍 以 上 のパワーを 持 つ 長 周 期 地 震 動 (キラーパルス) が 実 際 に 観 測 されたことにより 直 下 型 地 震 で 超 高 層 が 倒 壊 する 危 険 性 も 論 じられてい る 10

以 上 の 事 実 は 耐 震 診 断 の 結 果 が 良 くないといって 取 り 壊 して 新 耐 震 で 建 直 したり 超 高 層 ビルを 中 心 とした 都 市 再 開 発 を 行 っても 今 後 想 定 されている 相 次 ぐ 大 地 震 で 施 設 の 所 有 者 使 用 者 来 訪 者 が 生 命 財 産 を 失 う 危 険 性 を 減 ずるどころか 却 って 増 大 さ せる 可 能 性 すらあることを 示 唆 している 震 災 後 の 復 旧 復 興 は 地 元 の 行 政 担 当 者 と 施 設 の 所 有 者 使 用 者 の 努 力 によって 行 わ れる 震 災 前 に 個 々の 施 設 の 地 震 後 の 役 割 に 応 じて 倒 壊 防 止 損 傷 制 御 等 の 目 標 性 能 を 定 め 地 域 の 行 政 当 局 と 施 設 の 所 有 者 使 用 者 が 協 力 し SRF 工 法 を 始 めとする 各 種 の 方 法 の 中 から 最 善 と 考 えるものを 選 択 して 実 施 しておくことが 先 決 である 前 回 の 活 動 期 に 見 出 された 耐 震 の 原 点 に 立 ち 複 雑 な 計 算 に 頼 ることを 止 め 目 的 と 制 約 に 即 した 材 料 と 構 造 を 選 択 することこそが 今 回 の 活 動 期 を 乗 り 切 る 道 である 文 献 1) 貞 観 地 震 国 家 崩 壊 の 序 章 読 売 新 聞 2011 年 5 月 18 日 朝 刊 2) 耐 震 改 修 済 み SRC 造 が 大 破 東 北 大 建 築 研 究 棟 の 被 災 で 見 えた 新 たなリスク 日 経 ア ークテクチュア 2011 年 5 月 11 日 号 pp14~18 3) 下 野 新 聞 3 月 15 日 朝 刊 4) 皆 川 浩 : 東 日 本 大 震 災 を 経 験 して 得 た 教 訓 コンクリート 工 学 pp39~41 Vol.50 No.1 日 本 コンクリート 工 学 会 2012 年 1 月 5) 日 経 アーキテクチュア 10 月 25 日 号 pp.34~35 日 経 BP 社 6) 日 本 建 築 学 会 :2011 年 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 災 害 調 査 速 報 p338 2011 年 7 月 7) 市 貝 町 ホームページ 9 月 1 日 更 新 版 8) 熊 本 大 学 学 長 声 明 2016 年 4 月 21 日 熊 本 大 学 ホームページ 9) 西 中 村 教 授 メッセージ 2016 年 5 月 2 日 熊 本 大 学 発 生 医 学 研 究 ホームページ 10) NHK: 都 市 直 下 地 震 20 年 目 の 警 告 NHK スペシャル シリーズ 阪 神 淡 路 大 震 災 20 年 2015 年 1 月 18 日 11) NHK:NHK スペシャル 最 新 報 告 連 鎖 大 地 震 終 わらない 危 機 2016 年 5 月 14 日 12) 大 野 晋 :2016 年 熊 本 地 震 の 強 震 記 録 東 北 大 学 災 害 科 学 国 際 研 究 所 ホームページ 13) 日 本 建 築 学 会 : 阪 神 淡 路 大 震 災 と 今 後 の RC 構 造 設 計 pp.4-6 1998.10 14) 高 層 住 宅 管 理 業 協 会 : 東 日 本 大 震 災 の 被 災 状 況 について( 続 報 ) 平 成 23 年 9 月 21 日 同 協 会 ホームページ 15) 日 本 建 築 学 会 東 北 支 部 :2011 年 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 災 害 調 査 pp74~78 2013 年 5 月 16) 15)と 同 じ p89 17) 佐 野 利 器 : 家 屋 耐 震 構 造 論 震 災 予 防 調 査 会 報 告 第 83 号 1916 18) 五 十 嵐 俊 一 : 包 帯 補 強 pp3~4 構 造 品 質 保 証 研 究 所 2009 年 4 月 11

19) 壁 谷 澤 寿 海 金 裕 錫 五 十 嵐 俊 一 加 藤 敦 小 川 信 行 : 鉄 筋 コンクリート 偏 心 ピロティ 壁 フレーム 構 造 の 震 動 破 壊 実 験 第 11 回 日 本 地 震 工 学 シンポジウム 2002 年 20) SRF 工 法 設 計 施 工 指 針 と 解 説 2015 年 改 訂 版 pp101~108 pp124~128 構 造 品 質 保 証 研 究 所 2015 年 10 月 21) 五 十 嵐 俊 一 : 耐 震 被 覆 による 地 震 防 災 pp139~147 構 造 品 質 保 証 研 究 所 2012 年 3 月 22) 五 十 嵐 俊 一 : 平 成 28 年 (2016 年 ) 熊 本 地 震 被 害 調 査 報 告 構 造 品 質 保 証 研 究 所 2016 年 5 月 20 日 23) 壁 谷 澤 寿 海 : 平 成 28 年 (2016 年 ) 熊 本 地 震 被 害 調 査 速 報 2016 年 4 月 29 日 24) 五 十 嵐 俊 一 : 地 震 を 超 える 材 料 高 分 子 65 巻 2016 年 7 月 号 25) 21) と 同 じ pp118~126 12