医療被ばく解説_1_医療被ばくについて

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Transcription:

1. 医 療 被 ばくについて 1.1. 医 療 被 ばくの 原 則 医 療 被 ばくの 原 則 : 放 射 線 検 査 は 個 々の 患 者 に 対 して 正 当 化 及 び 最 適 化 がなされていなければならない 正 当 化 放 射 線 検 査 では 被 ばくすることによるリスクより 検 査 をして 疾 患 を 発 見 するというベネフィットの 方 が 大 きい 検 査 を 指 示 する 医 師 と 放 射 線 専 門 医 の 責 任 のもと 必 要 であると 判 断 された 場 合 にのみ 検 査 を 行 う 最 適 化 被 ばく 線 量 の 低 減 と 画 像 情 報 の 維 持 向 上 を 図 らなければならな い 患 者 ごとの 医 療 目 的 に 見 合 った 画 質 レベルを 得 るための 患 者 線 量 の 管 理 で ある 以 上 を 踏 まえたうえで 診 断 を 行 っていく 正 当 化 最 適 化 診 断 のフロー 図 は 一 般 的 なものであり 更 に 実 際 の 現 場 医 療 スタッフ 同 士 の 相 互 検 討 が 必 要 である 患 者 の 放 射 線 被 ばくは 医 療 行 為 として 必 要 であることが 前 提 である 患 者 に 線 量 投 与 を 行 う 放 射 線 検 査 機 器 の 操 業 者 ( 診 療 放 射 線 技 師 )はその 豊 富 な 知 識 と 技 術 にもとづき 放 射 線 防 護 のプロセスの 最 適 化 を 行 う 1

正 当 化 リスク < ベネフィット 検 査 を 指 示 する 医 師 の 責 任 のもと 必 要 であると 判 断 ( 正 当 化 ) 最 適 化 被 ばく 線 量 の 低 減 + 画 像 情 報 の 維 持 向 上 患 者 個 人 個 人 の 医 療 目 的 に 見 合 った 画 質 レベルを 得 るための 患 者 線 量 の 管 理 診 断 検 査 治 療 ( 補 足 ) ICRP 勧 告 においても 医 療 被 ばく 正 当 化 の3レベル が 記 されている 第 1レベル: 医 学 における 放 射 線 利 用 放 射 線 診 療 の 行 為 自 体 の 有 用 性 の 評 価 が 認 められるものであって 医 師 が 患 者 にその 放 射 線 診 療 が 必 要 と 判 断 した 場 合 に 一 般 的 にその 放 射 線 診 療 を 行 う( 一 般 的 な 正 当 化 ) 第 2レベル: 定 義 された 放 射 線 医 学 的 手 法 の 正 当 化 新 たな 放 射 線 診 療 の 手 法 を 患 者 に 適 用 する 際 に 国 学 会 あるいは 職 業 団 体 がその 放 射 線 診 療 が 適 切 であるかどうか 判 断 する 第 3レベル: 個 々の 患 者 への 手 法 の 正 当 化 放 射 線 診 療 を 実 施 することが 適 切 かどうか 放 射 線 科 医 師 および 臨 床 医 が 患 者 個 々に 判 断 する 1.2.ガイドライン 放 射 線 診 療 を 行 うため 初 めに 医 学 的 見 地 より 医 療 被 ばくの 正 当 化 がなされる 具 体 的 には 生 物 学 的 研 究 と 疫 学 的 研 究 をリスクとベネフィットの 観 点 に 照 らし 合 わせる この 礎 となる のが 日 々 行 われている 放 射 線 防 護 および 放 射 線 影 響 に 関 す る 調 査 研 究 である 調 査 研 究 では 放 射 線 をめぐる 環 境 の 変 化 医 療 技 術 の 進 歩 による 放 射 線 診 断 機 器 の 発 展 疫 学 的 な データの 集 積 などが 行 われる 調 査 研 究 の 結 果 は 国 際 的 な 委 員 会 であるUNSCEARやICRPにより 報 告 書 または 勧 告 書 とし て 取 りまとめ 提 示 される また IAEAが 安 全 基 準 の 策 定 等 を 行 う ICRP( 国 際 放 射 線 防 護 委 員 会 )が 勧 告 する 国 際 的 な 基 準 は 日 本 の 放 射 線 防 護 関 連 法 令 にも 取 り 入 れられている 2

研 究 放 射 線 影 響 に 関 する 最 新 の 研 究 成 果 ü 生 物 学 的 研 究 と 疫 学 的 研 究 をリスクとベネフィットの 観 点 に 照 らし 合 わせる 現 状 に 則 した 放 射 線 被 ばく 防 護 方 法 ü 放 射 線 をめぐる 環 境 の 変 化 医 療 技 術 の 進 歩 による 放 射 線 診 断 機 器 の 発 展 疫 学 的 なデータの 集 積 国 連 科 学 委 員 会 UNSCEAR 国 際 放 射 線 防 護 委 員 会 ICRP 国 際 原 子 力 機 関 IAEA 報 告 書 勧 告 書 の 提 示 安 全 基 準 ü 欧 米 を 中 心 とした 防 護 管 理 基 準 国 際 機 関 による 勧 告 は 適 用 集 団 が 欧 米 人 またはアジア 人 など 大 枠 なくくりとなってい るため さらに 各 国 々による 実 状 を 踏 まえた 基 準 値 (ガイドライン)が 作 成 されている 日 本 国 内 においても 各 種 放 射 線 診 療 検 査 手 技 に 対 するガイドランが 作 成 されている ( 医 療 被 ばくガイドライン2006: 日 本 放 射 線 技 師 会 [JART]) IAEAガイダンスレベルは 主 に 欧 米 人 の 成 人 に 対 する 調 査 研 究 結 果 を 元 に 提 案 されている 日 本 放 射 線 技 師 会 に よる 医 療 被 ばくガイドライン2006では 日 本 国 内 の 一 般 成 人 のみならず 小 児 も 含 めて 各 検 査 項 目 についての 低 減 目 標 値 を 掲 示 している 図 のように 国 内 のガイドラインは 国 内 の 各 種 法 律 による 規 制 と 前 述 の 国 際 機 関 による 規 制 を 加 味 して 定 められている ( 補 足 ) ガイドライン 値 の 提 示 は 医 療 被 ばくの 原 則 を 尊 重 したインフォームドコンセントを 実 践 するための 具 体 的 な 手 段 の 一 つとなる ガイドライン 値 は 各 種 放 射 線 検 査 における 平 均 的 な 線 量 の 最 適 化 の 判 断 基 準 であり 個 々の 患 者 被 ばく 線 量 を 直 接 的 に 指 し 示 すものではない 放 射 線 診 断 検 査 における 医 療 被 ばくは 患 者 に 放 射 線 量 を 与 えるためではなく 診 断 情 報 を 提 供 するために 行 われる 意 図 的 な 被 ばくである 医 療 被 ばくガイドラインは 医 療 診 断 画 像 を 得 る 目 的 に 対 して その 検 査 手 技 による 患 者 の 放 射 線 被 ばく 線 量 に 適 応 される 放 射 線 治 療 には 適 用 されない 放 射 線 防 護 の 観 点 から 被 ばく 線 量 の 最 適 化 を 達 成 するための 参 考 目 標 値 放 射 線 影 響 に 関 する 指 標 値 ではない 医 療 被 ばくの 最 適 化 の 目 標 値 として IAEAガイダンスレベル 各 国 におけるガイドライ ン 値 などがある 国 内 規 制 原 子 力 基 本 法 放 射 性 同 位 元 素 などによる 放 射 線 障 害 防 止 法 電 離 放 射 線 障 害 防 止 規 則 診 療 放 射 線 技 師 法 医 療 法 国 際 規 制 UNSCER ICRP IAEA 国 内 ガイドライン 医 療 被 ばくガイドライン2006 3

1.3. モダリティ 別 の 医 療 被 ばく 1.3-1.X 線 撮 影 (X 線 撮 影 原 理 ) X 線 が 人 体 に 照 射 されると X 線 は 透 過 の 悪 い 部 分 ( 厚 い 部 分 や 骨 )でたく さん 吸 収 され 検 出 器 にはX 線 が 届 かない( 画 像 では 白 ) 逆 にX 線 の 透 過 の 良 い 場 所 ( 薄 い 部 分 や 肺 空 気 )では X 線 は 吸 収 されずにその 多 くが 検 出 器 に 到 達 する( 画 像 では 黒 ) 以 上 の 原 理 を 利 用 して X 線 を 患 者 の 観 察 し たい 部 分 のみに 照 射 し 関 心 領 域 の 解 剖 学 的 情 報 を 得 る 検 査 方 法 である X 線 撮 影 X 線 検 出 器 胸 部 X 線 写 真 ( 被 ばく 線 量 ) X 線 単 純 撮 影 の 医 療 被 ばくガイドライン 値 は 患 者 の 放 射 線 被 ばく 防 護 の 最 適 化 のための 目 標 線 量 として 入 射 表 面 線 量 を 用 いて 表 している 各 種 放 射 線 検 査 による 患 者 の 放 射 線 影 響 によるリスクを 評 価 するためには 組 織 臓 器 線 量 が 必 要 である ( 補 足 ) 放 射 線 検 査 において 患 者 被 ばく 線 量 と 診 療 画 像 の 画 質 はトレードオフの 関 係 にある 被 ばくの 低 減 と 同 時 に 診 断 に 必 要 な 一 定 レベルの 画 質 を 備 えた 画 像 の 取 得 がなされていなければならない 線 量 をいくら 低 減 できたとしても 読 影 に 不 十 分 な 場 合 本 来 の 放 射 線 検 査 の 目 的 を 達 せられず 再 撮 影 することは 避 けたい Ex.) 散 乱 線 除 去 グリッドを 使 用 すると 線 量 が2~4 倍 となる X 線 単 純 撮 影 腹 部 ( 成 人 )の 場 合 散 乱 X 線 が 撮 像 に 及 ぼす 寄 与 が 強 いので グリッドなし の 条 件 では 画 質 の 低 下 を 招 く 被 ばく 線 量 だけを 軽 減 しても 被 ばく 防 護 の 最 適 化 にはならない 4

1.3-2.X 線 CT (X 線 CT 撮 影 原 理 ) 約 1000 個 程 度 の 検 出 器 とその 対 向 に 設 置 されたX 線 管 球 が 対 になって 身 体 の 周 りを 回 転 (360 方 向 からX 線 を 照 射 )させる 次 に 身 体 を 透 過 したX 線 の 情 報 ( 投 影 データ)を 検 出 器 に 受 ける これにより 生 体 のある 断 面 にお けるX 線 吸 収 係 数 の 分 布 が 得 られる 以 上 により 得 られたデータを コン ピュータにて 演 算 処 理 し 画 像 を 表 示 する( 画 像 再 構 成 ) X 線 コンピュータ 断 層 撮 影 法 :CT 腹 部 胸 部 頭 部 5

( 被 ばく 線 量 ) 被 ばく 線 量 指 標 としてCTDIvol 及 びCTDIwを 用 いている CTDIとはPMMA ファントムにおける 空 気 カーマであり 装 置 の 性 能 比 較 や 撮 影 条 件 の 検 討 と して 用 いられる 個 々の 患 者 や 検 査 対 象 である 臓 器 線 量 の 被 ばく 線 量 を 直 接 的 に 評 価 するものではない CTDIは 通 常 スキャンを 想 定 したもの 特 定 部 位 の 反 復 撮 影 (ダイナミック 撮 影 )する 場 合 の 評 価 には 対 応 できない ま た 自 動 露 出 機 構 (CT-AEC) 等 被 ばく 低 減 システムの 利 用 が 有 効 である (X 線 CT 成 人 ガイドライン 2006 ) (CT 透 視 成 人 ガイドライン 2006 ) ( 補 足 ): 小 児 被 ばくについて 小 児 に 対 するX 線 CT 検 査 の 指 針 ( 小 児 CTガイドライン- 被 ばく 低 減 のため に ) 小 児 は 放 射 線 に 対 する 感 受 性 が 成 人 の 数 倍 高 い 小 児 は 体 格 が 小 さいため 成 人 と 同 様 の 撮 影 条 件 では 臓 器 当 たりの 被 ばく 量 は2 倍 から5 倍 になる CT 検 査 に 当 たっては 適 応 を 厳 密 に 検 討 し 小 児 のための 撮 影 プロト コールを 適 用 する また CT 装 置 の 品 質 管 理 に 努 める 医 師 は 検 査 の 必 要 性 を 患 児 家 族 に 十 分 説 明 する 6

1.3-3.X 線 透 視 (IVRを 含 む) (X 線 透 視 の 原 理 ) X 線 を 患 者 の 観 察 したい 部 分 のみに 照 射 し 続 け 連 続 的 な 体 内 構 造 の 情 報 ( 動 画 )を 得 る 検 査 基 本 原 理 はX 線 単 純 撮 影 と 同 じで 検 出 器 をI.I(イ メージ インテンシファイア)やFPD(フラットパネルディテクタ)などを 利 用 する ことにより 動 画 対 応 させることが 可 能 となる X 線 透 視 (IVR) 頭 部 血 管 造 影 ( 被 ばく 線 量 ) IVRでは 皮 膚 障 害 リスクより 救 命 が 最 優 先 ( 便 益 benefit)となることから 患 者 被 ばく 線 量 は 多 くなる 放 射 線 治 療 における 分 割 照 射 に 匹 敵 する 線 量 (2 Gy)である この 場 合 放 射 線 による 皮 膚 損 傷 を 招 く 可 能 性 がある ( 確 定 的 影 響 ) 最 大 線 量 を 受 ける 部 位 ( 皮 膚 )における 患 者 の 吸 収 線 量 に 注 視 しなければならない またIVR 手 法 が 繰 り 返 し 行 わ れる 場 合 も 想 定 される 最 大 累 積 吸 収 線 量 を 記 録 保 存 する 必 要 がある(ICRP Publ.85) 緊 急 の 場 合 患 者 に 事 前 に 皮 膚 障 害 の 発 症 について 説 明 できない 場 合 がある 皮 膚 障 害 発 生 の 確 定 的 影 響 線 量 を 超 えたと 考 えられる 患 者 への 対 応 は あらかじめ 医 療 スタッ フ 間 に 周 知 すること 患 者 へ 知 らせる 際 には フォローアップ( 皮 膚 障 害 の 治 療 と 被 ばく 影 響 への 不 安 のカウンセリング)が 必 要 である ( 上 部 消 化 管 X 線 検 査 のガイドライン2006( 低 減 目 標 値 ) ) ( 注 腸 検 査 のガイドライン2006 ( 低 減 目 標 値 )) ( 血 管 撮 影 IVRガイドライン2006 ( 低 減 目 標 値 )) 7

1.3-4. 一 般 核 医 学 ( 核 医 学 画 像 取 得 原 理 ) 患 者 へ 放 射 性 医 薬 品 を 投 与 し 体 内 のRIから 放 出 されるγ 線 をガンマカメラ にて 捉 える 体 内 の 生 化 学 的 および 生 理 学 的 過 程 にともなう 製 剤 の 組 織 臓 器 への 分 布 像 が 得 られる( 機 能 代 謝 画 像 ) 一 般 核 医 学 におけるガイドラインの 指 標 値 は 投 与 量 ( 放 射 能 Bq)である 核 医 学 (ガンマカメラ) Anterior ( 正 面 像 ) Posterior ( 後 面 像 ) ( 一 般 核 医 学 におけるガイドライン ) ( 被 ばく 線 量 ) 一 般 核 医 学 におけるガイドラインの 指 標 値 は 投 与 量 ( 放 射 能 Bq)であ る 核 医 学 検 査 における 患 者 の 被 ばく 低 減 は 放 射 性 同 位 元 素 (RI) を 含 む 医 薬 品 投 与 量 の 最 適 化 であ る また 使 用 RIの 核 種 と 投 与 量 から 各 臓 器 の 吸 収 線 量 が 算 出 され る ガイドライン 値 に 則 した 投 与 量 であれば 確 率 的 影 響 のしきい 値 を 超 えない しかし 実 施 回 数 によ る ちなみに 組 織 臓 器 線 量 はほ とんどが50 mgy 以 下 である 8

1.3-5.PET (PET 撮 影 原 理 ) PET(positron emission tomography)とは 体 内 に 投 与 されたポジトロン 放 出 核 種 から 放 出 された 陽 電 子 が 電 子 と 結 合 し 放 出 する 消 滅 放 射 線 を 計 測 す るコンピューター 断 層 撮 影 技 術 である CTやMRIが 主 に 組 織 の 形 態 を 観 察 す るための 検 査 法 であるのに 対 し PETはSPECTなど 他 の 核 医 学 検 査 と 同 様 に 生 体 の 機 能 を 観 察 することに 特 化 した 検 査 法 である PET 検 査 といえばこ のFDGによるブドウ 糖 代 謝 測 定 を 指 す 場 合 がほとんどである( 臨 床 現 場 でも PET 検 査 と FDG-PET 検 査 は 混 同 して 用 いられているのが 現 状 ) CT PETの 利 点 を 総 合 的 に 利 用 するために 一 体 化 した 装 置 PET/CTも 開 発 され ており 診 断 には 両 画 像 をソフト 的 に 重 ね 合 わせた 融 合 画 像 が 主 流 となりつ つある 核 医 学 (PET) 18 F-FDG 同 時 計 数 回 路 PET coronal 画 像 ( 被 ばく 線 量 ) 患 者 への 被 ばく 量 はCTに 比 べて 少 ないが 医 療 スタッフの 被 ばく 量 に 注 意 が 必 要 である 1.4. 放 射 線 治 療 に 関 して 1.4-1. 放 射 線 治 療 とは 外 部 放 射 線 治 療 各 種 放 射 線 を 経 皮 的 に 照 射 する 治 療 法 を 外 部 照 射 という X 線 電 子 線, 陽 子 線, 炭 素 線 を 使 用 する 現 在 行 われている 放 射 線 治 療 の 約 8 割 が 外 部 放 射 線 治 療 であり 残 りの 約 2 割 が 密 封 小 線 源 治 療 である 密 封 小 線 源 治 療 密 封 されたRI(radio isotope)を 病 巣 の 表 面 またはその 内 部 に 置 き 照 射 する 方 法 腔 内 照 射 組 織 内 照 射 貼 付 照 射 ( 表 面 照 射 モールド 照 射 ) に 分 類 され 現 在 では 192 Ir, 125 I, 198 Au, 137 Cs, 60 Coから 放 出 されるγ 線 を 利 用 している 非 密 封 小 線 源 治 療 短 寿 命 の 非 密 封 RIを 内 服 または 静 注 して その 腫 瘍 親 和 性 等 を 利 用 し て 治 療 する 方 法 131 I, 89 Srなどから 放 出 されるβ 線 を 利 用 する 9

外 部 放 射 線 治 療 ( 外 部 照 射 external radiotherapy) ü 放 射 線 を 患 者 の 体 外 から 経 皮 的 に 病 巣 に 照 射 する 方 法 ü 使 用 される 放 射 線 Ø 種 々の 医 療 用 加 速 器 ( 主 にリニアック)からのX 線 電 子 線 Ø 炭 素 線 陽 子 線 放 射 線 治 療 の 照 射 術 式 密 封 小 線 源 治 療 (brachy therapy) ü 密 封 されたRI(radio isotope)を 病 巣 の 表 面 またはその 内 部 に 置 き 照 射 する 方 法 ü 分 類 Ø 腔 内 照 射 Ø 組 織 内 照 射 Ø 貼 付 照 射 ( 別 称 : 表 面 照 射, モールド 照 射 ) ü 使 用 されるRI Ø γ 線 を 利 用 ----- 192 Ir, 125 I, 137 Cs, 60 Co, 198 Au など 非 密 封 小 線 源 治 療 ( 内 部 照 射 RI therapy) ü 短 寿 命 の 非 密 封 RIを 内 服 または 静 注 して その 腫 瘍 親 和 性 等 を 利 用 し て 治 療 する 方 法 ü 使 用 されるRI Ø β 線 を 利 用 ----- 131 I, 89 Sr, 90 Y (Linac 治 療 装 置 ) Linac 治 療 装 置 に 関 して 簡 単 に 述 べる 電 子 銃 から 放 出 された 電 子 は 加 速 管 の 中 でマイクロ 波 により 加 速 される 治 療 に 用 いるのに 十 分 なエネルギーまで 加 速 された 後 偏 向 磁 石 により270 (or 90 ) 曲 げられ 電 子 をターゲットにぶつけ ることによりX 線 を 発 生 させる ターゲットにぶつけずに 取 り 出 せば 電 子 線 治 療 が 実 施 できる 発 生 させたX 線 は 中 心 部 での 強 度 が 高 いため フラットニング フィルタを 用 いてX 線 のエネルギーを 平 坦 化 する このようにして 発 生 させたX 線 をJaw(コリメータ)とマルチリーフコリメータを 用 いて 照 射 したい 形 にX 線 を 絞 り 照 射 を 行 う 10

1.4-2. 放 射 線 治 療 領 域 の 被 ばく 1)IGRT (IGRTが 保 険 収 載 に!) 2010 年 4 月 画 像 誘 導 放 射 線 治 療 (Image Guided Radiation Therapy: IGRT)が 保 険 収 載 された IGRTは 放 射 線 治 療 のプロセス 中 に 画 像 技 術 を 取 り 入 れることで 従 来 の 放 射 線 治 療 と 比 較 し 目 的 とする 病 巣 部 (ターゲット)に 対 して 高 精 度 な 位 置 精 度 でかつ 再 現 性 の 高 い 照 射 を 達 成 できる 計 画 治 療 体 積 を 縮 小 できるため ターゲット 近 傍 に 存 在 する 正 常 組 織 への 線 量 を 低 減 す ることが 可 能 となる 一 方 で IGRTはCT 撮 影 や 多 方 向 からの 透 視 画 像 を 駆 使 して 位 置 照 合 を 行 うため 従 来 の 位 置 照 合 手 法 と 比 較 して 被 ばく 線 量 の 増 加 と それに 伴 う 二 次 発 がんリスクの 上 昇 が 懸 念 される 現 状 では IGRTの 位 置 照 合 システムは 多 数 存 在 し 被 ばく 線 量 は 位 置 照 合 システムの 種 類 と 方 法 により 異 なるため ガイドラインや 線 量 拘 束 値 を 示 すことは 難 しく その 評 価 は 行 われ ていない また IGRTに 関 する 検 討 は これまで 主 に 位 置 照 合 精 度 に 重 点 が 置 かれ 被 ばくに 関 しては 注 目 されてこなかったのも 事 実 である 2) 中 性 子 線 被 ばく 高 エネルギーX 線 治 療 では ビーム 軸 上 構 成 物 質 (ターゲット コリメータ) などと 光 核 反 応 を 起 こし 中 性 子 を 生 成 する 光 核 反 応 とは 原 子 核 にの 高 エネルギーの 光 子 を 照 射 した 際 中 性 子 (γ,n 反 応 ) 陽 子 (γ,p 反 応 ) 重 陽 子 α 粒 子 などを 放 出 して 他 の 核 種 に 変 化 する 核 反 応 である ビーム 軸 上 構 成 物 質 (ターゲット X/Y-jaw MLCなど)は Cu Pb Wなどでできて おり これらは 光 核 反 応 が10MV 前 後 のため 15MV-X 線 治 療 などでは 発 生 する 確 率 が 大 きい 中 性 子 により 患 者 が 受 ける 線 量 を 評 価 することも 試 みられている ( Xu X. G., B. Bednarz, and H. Paganetti (2008) A review of dosimetry studies on external-beam radiation treatment with respect to second cancer induction. Phys. Med. Biol. 53: R193-R24.) ビーム 軸 上 の 構 成 物 質 素 材 :Cu Pb Wなど 光 核 反 応 のしきい 値 が 低 い! 11