日 本 における 食 料 ロス 廃 棄 の 発 生 メカニズム 農 業 生 産 物 廃 棄 抑 制 に 関 する 一 考 察 木 村 征 子 要 約 FAO 世 界 の 食 糧 ロスと 食 料 廃 棄 の 提 言 では 世 界 で 生 産 されている 食 料 の 1/3 が 毎 年 廃 棄 されて いる また 欧 米 では 消 費 者 一 人 当 たり 年 間 95~115Kg が 廃 棄 されているという 一 方 農 林 水 産 省 の 発 表 では 年 間 5~8 万 トンの 可 食 部 分 の 廃 棄 があり 日 本 の 世 帯 で 廃 棄 される 食 品 ロス は 年 間 一 人 当 たり 15Kg( 食 べ 残 し 過 剰 除 去 直 接 廃 棄 )としている FAO では 食 料 の 生 産 から 貯 蔵 流 通 加 工 販 売 消 費 に 至 るサプライチェーン 全 体 を 見 ているのに 対 し 日 本 では 生 産 地 生 産 者 の 廃 棄 は 考 慮 されていない 日 本 で FAO と 同 様 に 観 察 した 場 合 に はたしてどの 程 度 の 野 菜 果 物 が 廃 棄 されているのかを 知 る 必 要 がある そして 廃 棄 量 を 減 らす 工 夫 が 必 要 と 考 える Ⅰ はじめに FAO の 提 言 211 年 5 月 FAO( 国 際 連 合 食 料 農 業 機 関 )が 研 究 を 委 託 したスウェーデン 食 品 生 命 工 学 研 究 機 構 は 21 年 8 月 ~211 年 1 月 にかけての 調 査 結 果 を 世 界 の 食 料 ロスと 食 料 廃 棄 1 その 規 模 原 因 および 防 止 策 として 報 告 した 報 告 によると 世 界 で 生 産 されている 食 料 の3 分 の 1 が 毎 年 失 われて おり その 量 は 13 億 t に 上 るとしている 先 進 国 で 6 億 7 万 t 開 発 途 上 国 でも 6 億 3 万 t が 失 われているそうである この 調 査 研 究 は フードチェーン( 食 料 の 生 産 から 貯 蔵 流 通 加 工 販 売 消 費 にいたる 一 連 のプロセス) 全 体 を 通 して 発 生 するロスを 対 象 とし その 原 因 を 特 定 し 防 ぐ 方 策 を 明 らかにしている 食 料 は 中 高 所 得 国 ではかなりの 割 合 が 消 費 の 段 階 で 無 駄 にされるが これはまだ 消 費 に 適 してい るのに 捨 てられていることを 意 味 する 先 進 工 業 地 域 では フードサプライチェーンの 早 い 段 階 でか なりのロスが 発 生 する 低 所 得 国 ではフードサプライチェーンの 早 期 あるいは 途 中 で 失 われることが 多 く 消 費 者 段 階 で 捨 てられる 量 は 極 少 ない 欧 州 および 北 米 では 消 費 者 一 人 当 たりの 廃 棄 は 年 間 95 ~115kg であり サハラ 以 南 のアフリカや 南 東 南 アジアでは 6~11kg であると 推 定 している 報 告 書 では 食 料 ロス(loss)と 食 料 廃 棄 (waste)を 区 別 している 食 料 のロスは 生 産 収 穫 収 穫 後 お よび 加 工 段 階 で 発 生 し 特 に 途 上 国 ではインフラ 不 足 技 術 水 準 の 低 さ 食 料 生 産 システムに 対 する 投 資 の 低 さを 問 題 としている 食 料 の 廃 棄 は 問 題 なく 食 べられる 食 料 品 を 小 売 業 者 と 消 費 者 が 捨 ててしまう これは 先 進 国 におい て 大 きな 問 題 となっている 収 穫 時 及 び 貯 蔵 時 の 食 料 ロスは 小 規 模 農 民 の 所 得 減 と 貧 しい 消 費 者 に 対 する 価 格 の 上 昇 につながると 報 告 書 は 指 摘 している 食 料 のロスおよび 廃 棄 は 土 地 水 エネルギー 肥 料 労 働 力 資 本 の 浪 費 であり CO2 発 生 につ ながり 地 球 温 暖 化 と 気 候 変 動 の 一 因 となるとしている 中 高 所 得 国 では 食 料 のロスと 廃 棄 は 消 費 者 行 動 に 起 因 することが 大 きく 供 給 網 の 様 々な 関 係 者 間 の 連 携 不 足 にも 起 因 する 小 売 り 段 階 では 1 世 界 の 食 料 ロスと 食 料 廃 棄 :http://www.jaicaf.or.jp/fao/publication/shoseki_211_1.pdf アクセス 213/7/27 1
外 見 に 重 きを 置 きすぎる 品 質 基 準 により 大 量 の 食 料 が 破 棄 される 調 査 によれば 消 費 者 は 外 見 基 準 を 満 たさない 商 品 でも 安 全 でおいしければ 購 買 する 意 志 があることがわかっているとしている 将 来 の 需 要 増 のために 主 要 食 糧 の 増 産 が 課 題 であると 共 に 失 われ 捨 てられる 食 料 を 減 らす 効 率 的 な 解 決 策 はフードチェーン 全 体 に 存 在 する 報 告 書 ではフードチェーンの 各 プロセスにおける 食 料 ロス 廃 棄 の 防 止 策 を 提 示 している ヨーロッパでは 欧 州 委 員 会 2 が 211 年 9 月 に 資 源 効 率 化 ロードマップ を 発 表 し 食 料 建 築 住 宅 運 輸 輸 送 を 重 点 項 目 にした 22 年 までに 資 源 効 率 化 の 目 標 として 食 品 廃 棄 物 を 5% 削 減 し 廃 棄 物 を 資 源 に 転 換 することを 上 げている EU 欧 州 議 会 3 では 供 給 を 上 回 る 食 品 需 要 の 増 大 への 挑 戦 が 将 来 最 も 重 要 な 問 題 になっている 時 に 完 全 に 食 べられる 食 品 を 捨 てている 余 裕 はないとして 食 品 廃 棄 をいかにして 回 避 するかを 公 衆 に 知 らせる 新 たな 啓 発 活 動 を EU 各 国 で 展 開 する 各 国 は 食 品 をいかに 貯 蔵 し 調 理 し 処 分 する かを 説 明 する 授 業 を 学 校 の 教 科 組 み 入 れるべきである 214 年 を ヨーロッパ 反 食 品 廃 棄 年 とす るとしている 一 方 で 世 界 では 9 億 人 が 飢 餓 に 苦 しみ 肥 満 人 口 は 15 億 人 以 上 と 言 われ 年 々それらの 人 口 は 増 加 している 日 本 における 食 料 ロス 廃 棄 の 現 状 はどこで どのように 発 生 するのであろうか 食 品 ロス に ついては 食 品 関 連 事 業 者 ( 製 造 業 卸 売 業 小 売 業 外 食 産 業 ) 一 般 家 庭 ( 世 帯 別 ) 等 の 統 計 資 料 が 農 林 水 産 省 より 公 表 されているが 食 料 ロス 廃 棄 はどうであろうか 農 産 物 の 生 産 者 段 階 に おける 食 料 ロス について 調 査 を 行 い 食 料 ロスを 削 減 することを 本 研 究 は 目 的 としている 尚 日 本 では 食 料 ロスと 食 料 廃 棄 の 区 別 はされていない Ⅱ 日 本 の 食 品 ロス の 現 状 213 年 3 月 に 開 催 された 食 品 ロスの 削 減 にむけて~ 食 品 ロス 削 減 シンポジウム~ において 農 林 水 産 省 の 資 料 は 日 本 の 状 況 として 日 本 の もったいない 食 料 事 情 を 提 示 した この 資 料 に よると 日 本 の 世 帯 で 廃 棄 される 食 品 ロスは 年 間 一 人 当 たり 15kgとしている 図 1 は 213 年 1 月 に 公 表 された 農 林 水 産 省 の 資 料 である この 資 料 には 年 間 の 食 用 仕 向 量 8,424 万 t に 対 して 年 間 1,713 万 t の 食 品 廃 棄 物 が 排 出 され このうち 本 来 食 べられるのに 廃 棄 されて いるもの いわゆる 食 品 ロス は 年 間 約 5~8 万 t である その 内 食 品 関 連 事 業 者 からの 可 食 部 分 と 考 えられる 廃 棄 物 ( 規 格 外 返 品 売 れ 残 り 食 べ 残 し)は 3 万 t~4 万 t 一 般 家 庭 か らの 可 食 部 分 と 考 えられる 廃 棄 物 ( 食 べ 残 し 過 剰 除 去 直 接 廃 棄 )は 2 万 t~4 万 t と 推 計 し ている 図 2 は 家 庭 系 食 品 廃 棄 物 と 食 品 関 連 事 業 所 からの 廃 棄 物 発 生 量 22 年 ~21 年 の 推 移 である 2 欧 州 委 員 会 : 欧 州 環 境 情 報 85 頁 http://www.jsim.or.jp/kaigai/1111/5.pdf アクセス 213/1/24 3 欧 州 議 会 : 農 業 情 報 研 究 所 農 業 農 村 食 料 http://www.juno.dti.ne.jp/tkitaba/agrifood/europe/news/121261.htm アクセス 213/1/24 2
家 庭 から 出 る 食 品 廃 棄 量 はほとんど 減 少 が 見 なれないが 事 業 所 からの 食 品 廃 棄 物 は 22 年 から 約 33% 減 少 している 図 3 は 消 費 者 庁 の あなたも 1 年 で 6 食 分 の 食 べ 物 を 無 駄 にしているかも?! のパンフレット より 作 成 した 過 剰 除 去 の 大 半 はイモ 類 を 含 めた 野 菜 であり 次 に 多 いのは 果 実 類 であった 直 接 廃 棄 で 一 番 多 いのは 野 菜 類 であり 次 に 多 かったのは 調 理 加 工 食 品 の 惣 菜 加 工 品 であった 食 べ 残 し でも 野 菜 が 最 も 多 く 次 は 調 理 加 工 品 食 品 穀 類 であった 図 1 農 林 水 産 省 食 品 ロス 削 減 に 向 けて~ もったいない を 取 り 戻 す~より http://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/pdf/92shokurosu.pdf アクセス 213/1/24 図 2 食 品 廃 棄 物 発 生 量 の 推 移 2,5 ( 万 トン) 家 庭 系 食 品 廃 棄 物 事 業 所 系 食 品 廃 棄 物 2, 1,5 1, 956 838 869 838 843 829 779 756 641 5 1,189 1,134 1,7 1,56 1,45 1,119 1,72 1,32 1,72 22 23 24 25 26 27 28 29 21 一 般 廃 棄 物 の 排 出 及 び 処 理 状 況 産 業 廃 棄 物 の 排 出 及 び 処 理 状 況 環 境 省 試 算 : http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=21815&hou_id=1653 アクセス:213/1/17 3
図 3 家 庭 における 食 品 ロスの 内 訳 ( 一 人 1 日 当 たりの 食 品 ロス 量 ) 食 べ 残 し11.1g 直 接 廃 棄 7.3g 27% 1 日 の 合 計 41.g 過 剰 除 去 22.7g 55% 18% 消 費 者 庁 食 べもののムダをなくそうプロジェクトより 作 成 アクセス213/6/1 世 帯 における 過 剰 除 去 とは 農 林 水 産 省 の 用 語 解 説 では 家 庭 における 食 事 において 調 理 時 に 大 根 の 皮 むきなど 不 可 食 部 分 を 除 去 する 際 に 過 剰 に 除 去 した 可 食 部 分 を 言 う 具 体 的 には 文 部 科 学 省 ( 日 本 食 品 標 準 成 分 表 )の 廃 棄 率 を 上 回 る 除 去 をしたもの 油 脂 類 については( 食 料 需 給 表 )の 廃 棄 率 を 上 回 る 廃 棄 をしたものとしている 表 1 世 帯 における 一 人 1 日 当 りの 食 品 使 用 料 (g) ロス 量 (g) 及 びロス 率 (%)の 全 国 平 均 推 移 23 年 24 年 25 年 26 年 27 年 29 年 調 査 対 象 世 帯 数 1, 1, 1, 1, 1, 68 食 品 使 用 料 (g) 1176.7 114.7 1167. 1121.5 1116.5 1116.4 食 品 ロス 量 (g) 56.5 48 47.3 41.6 42.2 41. ロス 率 合 計 (%) 4.8 4.2 4.1 3.7 3.8 3.7 過 剰 除 去 (%) 2.3 2. 2. 2. 2. 2. 直 接 廃 棄 (%).8.9.9.7.7.6 食 べ 残 し(%) 1.6 1.3 1.1 1. 1. 1. 29 年 度 食 品 ロス 統 計 調 査 報 告 より 作 成 http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/syokuhin_loss/#r アクセス213/11/1 表 1 は 23 年 ~29 年 世 帯 平 均 の 食 品 使 用 料 と 食 品 ロス 量 とその 割 合 である 28 年 度 の 調 査 は 行 われていない 23 年 度 以 前 は 調 査 方 法 が 異 なるために 比 較 は 行 っていない 23 年 以 後 過 剰 除 去 をのぞいて 食 品 使 用 料 食 品 ロス 量 ロス 率 合 計 直 接 廃 棄 食 べ 残 しは 減 少 傾 向 にある 過 剰 除 去 だけが 減 少 していない これは 主 に 調 理 を 行 う 主 婦 は 過 剰 に 除 去 していると 感 じていないのではないかと 思 う 筆 者 も 大 根 の 皮 むきは 常 に 行 う 日 本 食 品 標 準 成 分 表 の 廃 棄 率 は 1%である 大 根 の 皮 はピーラーを 使 って 薄 く 剥 くように 心 がけているが 過 剰 除 去 かもしれない 29 年 の 食 品 ロス 量 41gが 年 間 1 一 人 当 たり 廃 棄 量 15kg の 根 拠 と 思 われる 4
表 2 世 帯 における 食 品 別 食 品 使 用 料 と 食 品 ロス 量 と 割 合 ( 世 帯 数 68) 表 2 は 食 品 別 の 食 品 ロスの 表 である いも 類 を 含 め 野 菜 が 全 廃 棄 物 の 半 量 を 果 実 が 2% 強 を 占 めていることが 分 かる 食 べ 残 しや 廃 棄 を 行 った 理 由 は 料 理 の 量 が 多 かった が 71.7%で 最 も 多 く 次 が 食 事 を 取 らなかった 人 がいた 11.2%であった この 結 果 は 健 康 志 向 であれば 野 菜 料 理 から 食 べるし 副 食 は 残 さず 主 食 の 量 を 減 らすことになると 考 える 図 4 食 品 区 分 食 品 使 用 料 食 品 ロス 量 % ( 単 位 g) ( 単 位 g) 合 計 1,116 41 3.7 穀 類 164.1 1.6 1. でんぷん 1. 豆 類.6. 野 菜 類 231.9 2.2 8.7 内 イモ 類 23.3 2.6 11.2 内 緑 黄 色 野 菜 7.3 5.3 7.5 きのこ 類 1.9.9 8.3 果 実 類 72.3 6.4 8.9 肉 類 47.2 1 2.1 卵 類 31.6.6 1.9 牛 乳 及 び 乳 製 品 87.7.6.7 魚 介 類 4.2 2.4 6. 生 鮮 海 藻 類 1.4. 砂 糖 類 5.2.1 1.9 油 脂 類 14.1. 調 味 料 類 56.5 1.9 3.4 調 理 加 工 品 25.9 4.6 2.2 ごはん 25.6.4 1.6 パン 類 37.1.4 1.1 カン ビン 詰 め 4.7.2 4.3 冷 凍 品 14.5.2 1.4 レトルト 品 5.7.1 1.8 惣 菜 加 工 品 その 他 118.2 3.5 3. 菓 子 類 18.9.2 1.1 飲 料 類 127.6.5 農 林 水 産 省 29 年 度 食 品 ロス 統 計 調 査 報 告 より 作 成 http://www.e-stat.go.jp/sg1/estat/list.do?lid=17264 アクセス213/1/26 5
図 4 の 食 品 の 消 費 期 限 賞 味 期 限 が 過 ぎたためが 51.% この 中 には 消 費 期 限 と 賞 味 期 限 の 意 味 を 間 違 って 理 解 している 人 がいるのではないだろうか Ⅲ 農 産 物 廃 棄 は 減 耗 量 日 本 では 農 産 物 廃 棄 はいわゆる 食 品 ロス とは 言 われていない また 農 林 水 産 省 食 料 需 給 表 には 農 産 物 廃 棄 は 食 料 仕 向 量 には 含 まれていない 同 省 の 食 品 ロス の 定 義 は 本 来 食 べ られるのに 廃 棄 されているもの としている 従 って 圃 場 から 収 穫 され 規 格 に 合 わないために 出 荷 されない 農 産 物 あるいは 過 剰 生 産 のために 供 給 過 剰 になり 卸 価 格 が 下 がった 結 果 適 正 価 格 維 持 のために 収 穫 されないで 圃 場 で 潰 されてしまう 農 産 物 は 明 らかに 食 料 であると 思 われるが 廃 棄 されても 食 品 ロス には 含 まれず 減 耗 量 としている 前 項 の FAO では 食 料 のロス と 食 料 の 廃 棄 を 分 けて 考 え サプライチェーン 全 体 ( 食 料 の 生 産 から 貯 蔵 流 通 加 工 販 売 消 費 にいたる 一 連 のプロセス)を 対 象 としている 繰 り 返 しに なるが FAO の 食 料 ロスの 定 義 は 生 産 収 穫 収 穫 後 および 加 工 段 階 で 発 生 しているとしている そ こで 本 稿 では 日 本 においても 収 穫 された 農 産 物 は 食 料 と 考 え 出 荷 されない 農 産 物 特 に 野 菜 果 物 の 調 査 を 行 った 過 剰 に 生 産 された 結 果 圃 場 で 潰 された 農 産 物 については 残 念 ながら 農 林 水 産 省 の 資 料 がないため 収 穫 量 と 出 荷 量 の 比 較 を 行 うこととした 収 穫 量 の 他 にも 大 量 の 野 菜 と 果 実 が 圃 場 で 廃 棄 されていると 思 われる 24 年 度 にはキャベツやレタスなど 1 万 5 トンが 25 年 にはキャベツやダイコン ハクサ イなど3 万 12トンが 産 地 破 棄 されている 4 としている 27 年 3 月 に 野 菜 の 圃 場 廃 棄 の 報 道 よって 消 費 者 から 食 べられるのにもったいない の 多 く の 批 判 が 寄 せられ 野 菜 の 緊 急 需 給 調 整 手 法 に 関 する 検 討 委 員 会 5 が 3 回 の 会 合 を 開 催 した 報 告 がある アイデア 公 募 も 行 われ 585 件 のアイデアが 寄 せられた 廃 棄 まずありきの 制 度 から できるだけ 有 効 に 利 用 するインセンティブのある 制 度 にするべきとしている 同 委 員 会 は 27 年 3 月 22 日 野 菜 の 緊 急 需 給 調 整 手 法 に 関 する 検 討 委 員 会 からのアピール~ 国 民 の 皆 様 へ~ 6 公 表 した 1. 食 卓 に 一 皿 でも 多 くの 野 菜 料 理 を!2. 不 足 させないために 過 剰 になる 野 菜 の 特 性 にご 理 解 を!としている 2.については 国 民 に 安 定 的 な 野 菜 の 供 給 を 続 けていくために 生 産 が 過 剰 になった 時 には 圃 場 廃 棄 を 行 わざるを 得 ない 事 を 理 解 してください このアピール 後 も 一 般 家 庭 の 野 菜 消 費 量 は 増 加 していないし 圃 場 廃 棄 の 実 態 は 不 明 である 図 5 は 23 年 ~212 年 までの 野 菜 ( 緑 黄 色 野 菜 その 他 の 野 菜 )と 果 物 の 1 人 1 日 当 たり 摂 取 量 の 推 移 である 健 康 日 本 21( 第 二 次 ) 7 (213 年 ~222 年 )では 野 菜 は1 人 1 日 当 たり 35gの 4 大 原 悦 子 フードバンクという 挑 戦 21 岩 波 書 店 16 頁 5 野 菜 の 緊 急 需 給 に 関 する 検 討 委 員 会 報 告 : http://www.maff.go.jp/j/study/other/kinkyu_jukyu/pdf/report.pdf アクセス 213/9/1 6 野 菜 の 緊 急 需 給 調 整 手 法 に 関 する 検 討 委 員 会 からのアピール~ 国 民 のみなさへ~ http://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/nousui-kara/75/nourinsho2.html アクセス 213/9/1 7 健 康 日 本 21( 第 二 次 ): http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21.html アクセ ス 213/9/1 6
摂 取 を 目 標 としているが 現 状 は 平 均 値 286.5g(212 年 度 )であり どの 世 代 においても 野 菜 の 摂 取 量 は 不 足 している また 果 物 については 農 林 水 産 省 の 食 事 バランスガイドでは 2gを 必 要 量 と しているが 現 状 では 19.8g(212 年 )にとどまり 健 康 日 本 21( 第 二 次 )では 果 物 摂 取 量 1 g 未 満 (1 日 )の 者 の 割 合 を 61.4%から 3%に 減 少 することを 目 標 としている 野 菜 類 と 果 物 類 を 合 わせて 摂 取 量 の 目 標 値 は 55gとなるが 全 く 不 足 していることが 図 5 から 見 ることが 出 来 る 特 に 年 代 別 では 2 代 ~4 代 では 野 菜 の 摂 取 量 が 少 なく 果 物 では 2 代 ~4 代 では 6g 前 後 にとどま っている 図 5 211 年 国 民 健 康 栄 養 調 査 結 果 の 概 要 では 生 鮮 食 料 品 ( 野 菜 果 実 魚 肉 )の 入 手 が 出 来 なかっ た 理 由 で 一 番 多 かったのは 価 格 が 高 い が 全 体 で 3.4%であり 特 に 2 代 では 42.9% 3 代 で 48.9% 4 代 で 48.5%であった 次 に 多 かったのは 生 鮮 食 料 品 店 へのアクセスが 不 便 全 体 で 1.4%であった 買 い 物 弱 者 が 話 題 になるが 買 い 物 弱 者 よりも 価 格 の 高 いことの 方 が 問 題 は 大 き い 表 3 世 帯 の 年 間 収 入 別 と 食 品 摂 取 量 (2 歳 以 上 性 別 ) 単 位 (g/ 日 ) 表 3 では 世 帯 収 入 の 6 万 以 上 の 世 帯 員 に 比 べ 2 万 未 満 の 世 帯 は 摂 取 量 が 少 ない 事 が 分 かる 2 万 未 満 2~6 万 未 満 6 万 以 上 男 性 44 人 男 性 1,585 人 男 性 719 人 女 性 621 人 女 性 1,789 人 女 性 793 人 野 菜 類 の 摂 取 ( 男 ) 258.7 266. 283.4 ( 女 ) 266.5 271.2 283.4 果 物 類 の 摂 取 ( 男 ) 73.9 94.8 93.9 ( 女 ) 11.6 124.8 135.6 魚 介 類 の 摂 取 ( 男 ) 75.7 8.6 82.8 ( 女 ) 63.9 68.4 68. 肉 類 の 摂 取 ( 男 ) 88.1 99.8 12. ( 女 ) 64.2 71. 74.3 厚 生 労 働 省 211 年 各 民 栄 養 調 査 結 果 の 概 要 アクセス213/12/1 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98522q1st-att/2r98522q1wo.pdf 7
表 4 は 213 年 8 月 8 日 農 林 水 産 省 が 公 表 した 212 年 度 食 料 需 給 表 である 食 用 仕 向 け 量 の 計 算 は 以 下 の 通 りである 粗 食 料 = 国 内 消 費 量 -( 飼 料 + 種 子 用 + 加 工 用 + 減 耗 量 ) [197,7 万 トン-(227,3 万 トン+32,5 万 トン+1138,4 万 トン+42.4 万 トン) =737,1 万 トン] 食 用 仕 向 け 量 = 粗 食 料 + 加 工 用 [737,1 万 トン+1138,4 万 トン=8445,5 万 トン] 食 品 仕 向 け 量 8,445.5 万 トンは 図 1の 日 本 食 品 廃 棄 物 の 現 状 21 年 度 推 計 とおよそ 一 致 している 表 4 は 212 年 の 食 料 需 給 表 の 概 算 値 である 他 の 品 目 に 比 べ 野 菜 果 実 の 減 耗 量 がずば 抜 け て 多 いことが 分 かる 野 菜 の 減 耗 量 は 野 菜 の 国 内 消 費 仕 向 け 量 の 1% 強 であり 果 実 では 約 17%に もなる 野 菜 果 実 は 水 分 が 多 く 傷 みやすく 取 り 扱 いが 難 しいことは 理 解 できる しかし 冷 凍 保 存 が 可 能 とはいえ 同 じように 取 り 扱 いにより 一 層 注 意 が 必 要 と 思 われる 魚 介 類 の 減 耗 量 はゼロである 魚 介 類 のサプライチェーンでは 全 く 途 中 で 廃 棄 するものがない 事 は 考 えにく い また 野 菜 果 物 の 減 耗 量 は 生 産 地 ばかりではなく 産 地 集 荷 市 場 消 費 地 市 場 小 売 店 消 費 者 の 各 段 階 でも 発 生 しているが 各 段 階 での 調 査 は 出 来 ていない 表 4 212 年 度 食 料 需 給 表 ( 概 算 値 ) 単 位 1,トン 在 庫 の 国 内 消 費 国 内 消 費 の 向 け 量 の 内 訳 類 別 品 目 別 国 内 生 産 量 輸 入 量 輸 出 量 増 減 仕 向 量 ( 飼 料 ) ( 種 子 用 ) ( 加 工 用 ) ( 減 耗 量 ) 粗 食 料 ( 歩 留 り)% ( 純 食 料 ) 1. 穀 類 9,768 25,919 132 959 34,213 15,14 78 5,79 338 13,614 84.8 11,55 2. イモ 類 3,355 1,1 4 4,451 6 163 1,137 231 2,914 9. 2,623 3. デンプン 2,515 147 25 2,637 549 2,88 1. 2,88 4. 豆 類 34 3,15-64 3,419 118 1 2,155 63 1,73 96.6 1,36 5. 野 菜. 11,974 3,32 4 15,272 1,576 13,696 86.8 11,883 6. 果 実 3,27 5,7 26 27 7,981 17 1,335 6,629 73.3 4,861 7. 肉 類 3,273 2,636 9-24 5,924 119 5,85 65.9 3,828 8. 鶏 卵 2,57 123 1 2,629 74 51 2,54 85. 2,128 9. 牛 乳 乳 製 品 7,68 4,191 9 72 11,718 39 27 11,49 1. 11,49 1. 魚 介 類 4,32 4,586 622 96 8,17 1,655 6,515 55.6 3,62 11. 海 藻 類 18 51 1 158 24 134 1. 134 12. 砂 糖 類 2,22 1,967 1 25 4,161 12 1,624 2,398 1. 2,398 13. 油 脂 1,95 985 13 6 2,916 119 394 14 2,389 72.5 1,732 14. みそ 442 1 1-4 437 436 1. 436 15. 醤 油 82 2 2-1 785 783 1. 783 16.その 他 1,935 2,271 4,26 3,112 45 27 662 88.8 588 合 計 56,126 55,33 852 1,117 19,77 2,273 325 11,384 4,24 73,568 61,97 http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/zyukyu/ 農 林 水 産 省 212 年 度 食 料 需 給 表 ( 概 算 値 )より 作 成 アクセス213/1/17 野 菜 果 物 の 流 通 経 路 はどのような 経 路 なのか? 図 6 は 野 菜 をイメージした 生 鮮 農 産 物 の 流 通 フロー 8 である 卸 売 市 場 の 取 引 はセリと 入 札 が 基 本 であったが 最 近 は 相 対 取 引 が 増 加 して いる このフロー 中 で 主 要 な 農 産 物 販 売 チャネルである 大 型 小 売 店 では 1 年 間 の 販 売 計 画 を 立 て 農 産 物 の 仕 入 れ 計 画 を 予 約 相 対 する これは 取 引 する 農 産 物 の 品 目 等 階 級 数 量 価 格 を 事 前 に 決 めて 相 対 取 引 するケースが 増 えている また 卸 売 市 場 を 通 さずに 産 直 取 引 や 直 売 所 流 通 が 今 8 大 澤 信 一 日 本 人 のための 儲 かる 農 業 213 秀 和 システム 161 頁 8
後 の 農 業 を 大 きく 変 える 可 能 性 を 持 っている 生 産 者 は 選 果 選 別 ( 同 じ 等 級 階 級 の 農 産 物 の 分 別 作 業 )の 手 間 が 省 けるし 規 格 外 であっても 販 売 価 格 を 抑 えれば 換 金 することが 出 来 る 市 場 に 出 荷 できない 規 格 外 品 の 発 生 率 は 決 して 低 くなく 通 常 は 2% 前 後 になるというデーターもある から 規 格 外 品 が 販 売 できるメリットは 大 きいのです 農 産 物 には 物 流 費 の 塊 の 側 面 がある 9 一 般 家 庭 においても 産 直 取 引 直 売 所 流 通 で 購 入 できることは 価 格 鮮 度 おいしさの 点 で 大 変 プラスになることは 明 であるし 生 産 者 は 規 格 外 品 を 含 めて 消 費 者 に 直 接 販 売 出 来 れば ロス 削 減 収 入 増 と 同 時 に 消 費 者 の 指 向 を 知 る 上 でも 有 効 に 機 能 すると 思 われる 図 6 野 菜 の 流 通 フロー 9 同 上 176~178 頁 9
表 5 211 年 度 青 果 物 の 各 流 通 段 階 の 価 格 形 成 及 び 小 売 価 格 に 占 める 各 流 通 経 費 等 の 割 合 (1kg 当 たり) 小 売 り 仲 卸 集 出 荷 団 体 生 産 者 受 取 額 価 格 経 費 手 数 料 価 格 経 費 手 数 料 価 格 経 費 手 数 料 価 格 青 果 物 (16 品 目 ) 23,768 6,4 17,764 2,16 15,768 4,892 1,856 小 売 価 格 に 対 する 割 合 % 野 菜 (14 品 目 ) 小 売 価 格 に 対 する 割 合 % 果 実 (みかん りんご) 1. 25.2 8.5 2.6 45.6 21,468 5,351 16,117 1,954 14163 4,54 9,623 1. 24.9 9.1 21.1 44.8 42,738 11,197 31,542 3,253 28,289 7,668 2,621 小 売 価 格 に 対 する 割 合 % 1. 26.2 7.6 17.9 48.2 農 林 水 産 省 食 品 流 通 段 階 別 価 格 形 成 調 査 報 告 211 年 度 アクセス213/11/26 http://www.e-stat.go.jp/sg1/estat/list.do?lid=1112277 表 5 の 調 査 は 211 年 度 全 国 計 の 6 割 以 上 を 占 める 中 央 卸 売 市 場 ( 札 幌 仙 台 東 京 横 浜 名 古 屋 京 都 大 阪 福 岡 )の 出 荷 実 績 の 多 い 集 出 荷 団 体 の 中 から 2 団 体 を 選 定 し 中 央 卸 売 市 場 に 所 在 する 仲 卸 業 者 小 売 業 者 で 調 査 した 結 果 である 物 流 費 の 塊 と 言 われた 小 売 価 格 に 占 め る 物 流 経 費 は 指 定 野 菜 14 品 目 の 平 均 55.2%と 果 物 の 代 表 のみかん りんごは 51.8%を 占 めてい る しかもこの 一 般 流 通 では 生 産 者 自 身 が 価 格 を 設 定 することはできず 農 協 などの 出 荷 団 体 担 当 者 が 市 況 を 見 て どこの 市 場 に 出 荷 するかによって 販 売 価 格 が 左 右 される この 大 きな 物 流 費 の 削 減 が 生 産 者 にとって 利 益 増 加 につながり 一 般 家 庭 にとっては 野 菜 果 物 の 消 費 拡 大 につながる 上 記 のように 消 費 者 は 摂 取 不 足 が 指 摘 され 価 格 が 高 いため 購 入 を 控 えている 人 がいる 中 で 生 産 現 場 では 出 荷 されないで 廃 棄 されてしまう 規 格 外 野 菜 果 物 とはどんなものか 国 の 定 めた 標 準 規 格 は 1977 年 まで 国 の 補 助 事 業 として 野 菜 標 準 規 格 普 及 指 導 事 業 として 実 施 され 1993 1994 年 には 見 直 しが 行 われた 農 林 水 産 省 では 野 菜 の 標 準 規 格 設 定 事 業 として 野 菜 は 種 類 が 多 く 形 状 が 不 均 一 であることに 加 えて 鮮 度 が 商 品 価 格 を 大 きく 左 右 する 等 からその 規 格 は 各 県 産 地 ごとに まちまちである 上 に 複 雑 に 細 分 化 されているため 市 場 取 引 の 滑 化 を 妨 げている 事 情 にある この ために 規 格 の 標 準 化 を 促 進 し 取 引 の 簡 素 化 流 通 経 費 の 削 減 を 目 的 に パンフレッ トの 作 成 配 布 を 行 い 標 準 規 格 の 格 付 けに 努 めてきた 22 年 に 農 林 水 産 省 では 標 準 規 格 は 廃 止 さ れたが 地 域 毎 に 規 格 が 継 続 されている 野 菜 果 物 の 規 格 は 取 引 の 滑 化 と 流 通 経 費 の 削 減 のため に 設 定 されたとしているが 小 売 価 格 の 5% 以 上 が 流 通 経 費 という 状 況 は 目 的 に 合 致 していない 生 産 者 にとっては 低 価 格 であり 消 費 者 にとっては 高 価 格 となっている 以 下 の(1)(2)(3)にお いて 各 野 菜 果 物 の 収 穫 量 と 出 荷 量 を 詳 しく 検 討 していく (1) 野 菜 果 物 廃 棄 の 実 数 野 菜 は 指 定 野 菜 ( 消 費 量 が 多 く 国 民 生 活 にとって 重 要 な 野 菜 )14 品 目 (キャベツ きゅうり さ といも だいこん トマト なす にんじん ねぎ はくさい ピーマン レタス たまねぎ ばれ いしょ ほうれんそう) 特 定 野 菜 35 品 目 (アスパラガス いちご えだまめ かぶ かぼちゃ カリフラワー かんしょ グリンピース ごぼう こまつな さやいんげん しゅんぎく しょうが すいか スイートコーン セルリー そらまめ ちんげんさい 生 しいたけ にら にんにく ふき ブロッコリー みずな 1
みつば メロン やまのいも れんこん ししとうがらし わけぎ らっきょう にがうり オクラ みょうが) これらの 野 菜 の 収 穫 量 と 出 荷 量 及 びその 差 ( 収 穫 量 - 出 荷 量 )と 割 合 (%)を 示 すと 下 記 の 通 りである 表 6 表 6 から 211 年 産 指 定 野 菜 14 品 目 の 出 荷 されていない 野 菜 の 合 計 は 18 万 65 トンであり 収 穫 量 に 対 して 17.3%であった 表 7 指 定 野 菜 211 年 産 の 収 穫 量 と 出 荷 量 の 比 較 ( 単 位 千 トン) 収 穫 量 出 荷 量 差 % (1) (2) (1)-(2) (1)-(2)/(1) 大 根 1,493. 1,18. 313. 21. 人 参 617.3 546.5 7.8 11.5 白 菜 897.4 77.6 189.8 21.1 キャベツ 1,375. 1,29. 166. 12.1 ほうれんそう 263.5 217.3 46.2 17.5 ねぎ 485.1 383.9 11.2 2.9 レタス 542.4 58.6 33.8 6.2 キュウリ 584.6 492.7 91.9 15.7 なす 322.4 243.4 79. 24.5 トマト 73.1 625.9 77.2 11. ピーマン 141.8 122.4 19.4 13.7 馬 鈴 薯 2,387. 1,961. 426. 17.8 里 芋 171.3 17. 64.3 37.5 玉 ねぎ 1,7. 942.1 127.9 12. 合 計 11,53.9 9,247.4 1,86.5 平 均 値 17.3% 農 林 水 産 省 211 年 産 作 況 状 況 ( 野 菜 ) アクセス213/8/17 http://www.e-stat.go.jp/sg1/estat/list.do?lid=112731 特 定 野 菜 211 年 産 の 収 穫 量 と 出 荷 量 の 比 較 ( 単 位 千 トン) 収 穫 量 出 荷 量 差 % (1) (2) (1)-(2) (1)-(2)/(1) かぶ 139.4 113.3 26.1 18.7 ごぼう 161.8 136.6 25.2 15.6 レンコン 58.4 48.2 1.2 17.5 やまのいも 165.9 134.8 31.1 18.7 小 松 菜 12.3 87.7 14.6 14.3 チンゲン 菜 48.2 42.2 6. 12.4 ふき 14.3 11.7 2.6 18.2 三 つ 葉 16. 14.9 1.1 6.9 春 菊 33.7 27. 6.7 19.9 みずな 42.5 37.4 5.1 12. セルリ 32.1 3.6 1.5 4.7 アスパラ 28.8 25.1 3.7 12.8 カリフラワー 22.2 17.8 4.4 19.8 ブロッコリー 129.2 115.3 13.9 1.8 にら 64.4 58. 6.4 9.9 にんにく 2.6 13.4 7.2 35. かぼちゃ 29.2 162.9 46.3 22.1 スイートコーン 24.3 192.5 47.8 19.9 さやいんげん 42.6 27.8 14.8 34.7 さやえんどう 27.2 17.7 9.5 34.9 そらまめ 18.6 13. 5.6 3.1 えだまめ 66.1 47.4 18.7 28.3 しょうが 54.2 41.8 12.4 22.9 合 計 1,738. 1,417.1 32.9 平 均 値 18.5% 農 林 水 産 省 211 年 産 作 況 状 況 ( 野 菜 ) アクセス213/8/17 http://www.e-stat.go.jp/sg1/estat/list.do?lid=112731 11
表 7 の 特 定 野 菜 23 品 目 の 内 出 荷 されなかった 野 菜 の 合 計 は 32 万 9 トン 収 穫 量 に 対 して 18.5%を 占 めている 指 定 野 菜 と 合 わせると 212 万 74 トンが 出 荷 さていない 尚 212 万 74 トンの 中 には 農 家 の 自 家 用 が 含 まれている 21 年 の 販 売 目 的 で 野 菜 を 作 付 した 農 業 経 営 体 販 売 農 家 数 は( 実 経 営 体 数 442,842 軒 販 売 農 家 数 434,742 軒 )( 農 林 水 産 省 統 計 部 21 年 世 界 農 林 業 センサス 報 告 ) 1 であった 上 記 の 収 穫 量 は この 農 家 の 収 穫 量 出 荷 量 と 思 われる 野 菜 農 家 以 外 の 水 稲 畜 産 果 樹 花 木 農 家 は 自 宅 の 周 りで 自 家 用 として 野 菜 栽 培 している 農 家 が 多 いと 思 われるが 全 国 の 農 家 人 口 586 万 人 (212 年 ) 総 農 家 数 253 万 戸 (1 戸 当 たり 2.3 人 )(21 年 ) 乳 幼 児 ~ 老 人 までのすべての 人 が 1 日 35gの 野 菜 を 消 費 したとしても 年 間 の 消 費 量 は 73 万 8 千 トンである 差 引 138 万 94 トンは 211 年 度 に 消 費 されず 廃 棄 されていることになる 表 8 表 8 は 211 年 産 の 主 たる 果 物 の 出 荷 されなかった 量 は 34 万 89 トンであり 収 穫 量 に 対 して 11.4%である 果 実 的 野 菜 には いちご メロン すいかが 含 まれ 野 菜 生 産 統 計 に 含 まれている その 他 の 果 物 は 果 樹 生 産 統 計 に 含 まれる 果 実 的 野 菜 と 果 樹 生 産 211 年 産 の 収 穫 量 と 出 荷 量 の 比 較 ( 単 位 千 トン) 収 穫 量 出 荷 量 差 % (1) (2) (1)-(2) (1)-(2)/(1) いちご 177.3 161.6 15.7 8.9 メロン 18.4 163.1 17.3 9.6 すいか 362.5 39.2 53.3 14.7 みかん 928.2 828.6 99.6 1.7 りんご 655.3 582. 73.3 11.2 日 本 なし 286.2 264.4 21.8 7.6 柿 27.5 17.3 37.2 17.9 もも 139.8 128.1 11.7 8.4 ぶどう 172.6 157.8 14.8 8.6 キウイフルーツ 26.1 21.9 4.2 16.1 合 計 3,135.9 2,787. 348.9 平 均 11.4% 農 林 水 産 省 211 年 産 果 樹 生 産 出 荷 統 計 ;アクセス213/8/17 http://www.e-stat.go.jp/sg1/estat/list.do?lid=11279 (2) 野 菜 果 物 の 収 穫 量 と 出 荷 量 卸 小 売 価 格 の 推 移 図 7~ 図 2 は 指 定 野 菜 14 品 目 すべての 24 年 ~212 年 の 収 穫 量 出 荷 量 の 推 移 及 び 卸 売 価 格 国 内 産 標 準 品 の 小 売 価 格 輸 入 品 の 小 売 価 格 を 示 している 国 内 品 については 標 準 品 の 他 に 有 機 栽 培 品 特 別 栽 培 品 が 区 分 され 価 格 においてかなりの 差 があ る 例 えば 212 年 産 大 根 の 価 格 は 夫 々 171 266 229( /kg)であり キャベツの 価 格 は 166 1 農 林 水 産 省 21 年 世 界 農 林 業 センサス 報 告 :http://www.estat.go.jp/sg1/estat/list.do?bid=136137&cycode= アクセス 213/8/17 12
431 24( /kg)である 図 は 全 て 国 内 産 標 準 品 の 小 売 価 格 である 指 定 野 菜 のうち 人 参 ねぎ 里 芋 玉 ねぎについては 輸 入 品 の 小 売 価 格 が 調 査 されている 図 21~ 図 24 は 特 定 野 菜 のうち 比 較 的 輸 入 野 菜 の 占 有 率 の 高 いごぼう ブロッコリー かぼちゃ しょうがの 調 査 である 図 7~24 の 収 穫 量 出 荷 量 は( 左 軸 ) 単 位 は 千 トン 卸 小 売 価 格 は 全 て 1kg 当 たりの ( 右 軸 )である 図 7 大 根 1,8 卸 売 価 格 ( /1Kg) 国 産 標 準 品 小 売 価 格 大 根 収 穫 量 大 根 出 荷 量 2 1,6 171 18 1,4 1,2 1, 8 6 9 168 75 161 164 79 15 155 16 72 75 73 87 176 77 159 85 16 14 12 1 8 6 4 4 2 2 24 年 産 25 年 産 26 年 産 27 年 産 28 年 産 29 年 産 21 年 産 211 年 産 212 年 産 図 8 7 人 参 卸 売 価 格 ( /Kg) 国 産 標 準 品 小 売 価 格 ( /kg) 輸 入 品 小 売 価 格 ( /kg) 人 参 収 穫 量 ( ) 人 参 出 荷 量 ( ) 4 6 5 4 3 2 279 176 189 325 333 243 291 297 339 238 21 29 318 325 324 229 38 138 35 3 25 2 15 1 1 11 12 137 95 134 115 134 127 118 24 年 産 25 年 産 26 年 産 27 年 産 28 年 産 29 年 産 21 年 産 211 年 産 212 年 産 5 13
図 9 白 菜 卸 売 価 格 ( /Kg) 国 産 標 準 品 小 売 価 格 ( /kg) 1, 白 菜 収 穫 量 ( ) 白 菜 出 荷 量 ( ) 25 9 8 2 7 6 15 5 4 3 194 181 21 174 191 192 24 189 178 1 2 1 75 56 62 54 63 61 7 65 63 5 24 年 産 25 年 産 26 年 産 27 年 産 28 年 産 29 年 産 21 年 産 211 年 産 212 年 産 図 1 キャベツ 1,6 卸 売 価 格 ( /Kg) 国 産 標 準 品 小 売 価 格 ( /kg) キャベツ 収 穫 量 ( ) キャベツ 出 荷 量 ( ) 25 1,4 1,2 191 2 1, 8 168 17 168 156 16 152 155 166 15 6 4 89 85 85 76 76 82 1 8 81 1 5 2 24 年 産 25 年 産 26 年 産 27 年 産 28 年 産 29 年 産 21 年 産 211 年 産 212 年 産 14
図 11 ほうれんそう 卸 売 価 格 ( /Kg) 国 産 標 準 品 小 売 価 格 ( /kg) 35 ほうれんそう 収 穫 量 ( ) ほうれんそう 出 荷 量 ( ) 9 3 25 83 729 72 739 754 75 88 748 791 8 7 6 2 15 1 47 47 386 49 4 47 48 435 53 5 4 3 2 5 1 24 年 産 25 年 産 26 年 産 27 年 産 28 年 産 29 年 産 21 年 産 211 年 産 212 年 産 図 12 6 ねぎ 卸 売 価 格 ( /Kg) 国 産 標 準 品 小 売 価 格 ( /kg) 輸 入 品 小 売 価 格 ( /kg) ねぎ 収 穫 量 ( ) ねぎ 出 荷 量 ( ) 8 5 71 7 4 573 58 575 586 648 638 68 613 6 5 3 4 2 322 34 375 33 39 37 355 298 293 3 1 311 282 32 33 322 295 381 37 331 2 1 24 年 産 25 年 産 26 年 産 27 年 産 28 年 産 29 年 産 21 年 産 211 年 産 212 年 産 15
図 13 レタス 卸 売 価 格 ( /Kg) 国 産 標 準 品 小 売 価 格 ( /kg) 58 レタス 収 穫 量 ( ) レタス 出 荷 量 ( ) 5 56 45 54 4 35 52 3 5 25 48 46 44 193 381 34 367 366 371 355 151 154 18 164 158 196 431 169 383 394 192 2 15 1 5 42 24 年 産 25 年 産 26 年 産 27 年 産 28 年 産 29 年 産 21 年 産 211 年 産 212 年 産 図 14 キュウリ 卸 売 価 格 ( /Kg) 国 産 標 準 品 小 売 価 格 ( /kg) 8 7 6 453 44 キュウリ 収 穫 量 ( ) きゅうり 出 荷 量 ( ) 54 522 525 496 499 6 525 517 5 5 4 4 3 3 239 222 272 264 267 246 281 275 273 2 2 1 1 24 年 産 25 年 産 26 年 産 27 年 産 28 年 産 29 年 産 21 年 産 211 年 産 212 年 産 16
図 15 なす 卸 売 価 格 ( /Kg) 国 産 標 準 品 小 売 価 格 ( /kg) 45 なす 収 穫 量 ( ) なす 出 荷 量 ( ) 7 4 35 3 625 559 589 582 63 632 582 579 567 6 5 25 4 2 3 15 1 5 273 249 3 277 276 276 31 317 31 2 1 24 年 産 25 年 産 26 年 産 27 年 産 28 年 産 29 年 産 21 年 産 211 年 産 212 年 産 図 16 8 トマト 卸 売 価 格 ( /Kg) 国 産 標 準 品 小 売 価 格 ( /kg) トマト 収 穫 量 ( ) トマト 出 荷 量 ( ) 8 7 7 6 615 588 59 6 597 633 676 613 64 6 5 5 4 4 3 3 2 1 32 269 284 291 272 291 345 319 366 2 1 24 年 産 25 年 産 26 年 産 27 年 産 28 年 産 29 年 産 21 年 産 211 年 産 212 年 産 17
図 17 ピーマン 卸 売 価 格 ( /Kg) 国 産 標 準 品 小 売 価 格 ( /kg) 18 ピーマン 収 穫 量 ( ) ピーマン 出 荷 量 ( ) 1 16 9 14 8 12 1 8 6 677 692 86 782 86 881 948 753 772 7 6 5 4 3 4 2 331 33 394 389 383 391 451 378 378 2 1 24 年 産 25 年 産 26 年 産 27 年 産 28 年 産 29 年 産 21 年 産 211 年 産 212 年 産 図 18 馬 鈴 薯 卸 売 価 格 ( /Kg) 国 産 標 準 品 小 売 価 格 ( /kg) 3,5 3, 2,5 251 馬 鈴 薯 収 穫 量 ( ) 馬 鈴 薯 出 荷 量 ( ) 317 293 279 273 268 257 39 264 35 3 25 2, 2 1,5 15 1, 1 5 118 119 113 94 13 128 151 144 1 5 24 年 産 25 年 産 26 年 産 27 年 産 28 年 産 29 年 産 21 年 産 211 年 産 212 年 産 18
図 19 里 芋 輸 入 品 小 売 価 格 ( /kg) 卸 売 価 格 ( /Kg) 国 産 標 準 品 小 売 価 格 ( /kg) 里 芋 収 穫 量 ( ) 6 里 芋 出 荷 量 ( ) 7 5 4 436 455 559 576 626 58 559 523 544 51 6 5 4 3 2 216 197 241 224 29 256 281 217 3 2 1 1 165 17 225 235 242 193 221 243 21 24 年 産 25 年 産 26 年 産 27 年 産 28 年 産 29 年 産 21 年 産 211 年 産 212 年 産 図 2 玉 ねぎ 卸 売 価 格 ( /Kg) 国 産 標 準 品 小 売 価 格 ( /kg) 輸 入 品 小 売 価 格 ( /kg) 1,4 玉 ねぎ 収 穫 量 ( ) 玉 ねぎ 出 荷 量 ( ) 3 1,2 1, 8 191 21 222 171 174 165 18 154 152 25 2 15 6 4 199 23 215 22 27 226 257 239 227 1 2 9 93 9 75 77 97 119 97 96 5 24 年 産 25 年 産 26 年 産 27 年 産 28 年 産 29 年 産 21 年 産 211 年 産 212 年 産 19
図 21 ごぼう 卸 売 価 格 ( /kg) 国 産 量 準 品 小 売 価 格 ( /kg) 2 18 16 14 12 1 8 6 4 2 642 629 36 244 185 165 輸 入 品 小 売 価 格 ( /kg) ごぼう 収 穫 量 ( ) ごぼう 出 荷 量 ( ) 741 72 347 378 767 295 737 341 219 181 216 187 186 665 67 7 276 34 276 237 221 24 年 産 25 年 産 26 年 産 27 年 産 28 年 産 29 年 産 21 年 産 211 年 産 212 年 産 9 8 7 6 5 4 3 2 1 図 22 ブロッコリー 卸 売 価 格 ( /kg) 国 産 量 準 品 小 売 価 格 ( /kg) 輸 入 品 小 売 価 格 ( /kg) ブロッコリー 収 穫 量 ( ) 16 ブロッコリー 出 荷 量 ( ) 8 14 7 12 1 8 6 587 393 668 62 433 477 599 597 437 432 622 6 638 586 484 473 392 399 6 5 4 3 4 2 237 363 269 28 268 266 29 271 33 2 1 24 年 産 25 年 産 26 年 産 27 年 産 28 年 産 29 年 産 21 年 産 211 年 産 212 年 産 2
図 23 3 25 2 15 1 5 かぼちゃ 卸 売 価 格 ( /kg) 国 産 量 準 品 小 売 価 格 ( /kg) 輸 入 品 小 売 価 格 ( /kg) かぼちゃ 収 穫 量 ( ) かぼちゃ 出 荷 量 ( ) 433 4 42 413 42 382 355 357 352 324 292 324 312 287 262 314 284 255 147 172 123 146 149 148 157 15 128 24 年 産 25 年 産 26 年 産 27 年 産 28 年 産 29 年 産 21 年 産 211 年 産 212 年 産 5 45 4 35 3 25 2 15 1 5 図 24 しょうが 卸 売 価 格 ( /kg) 国 産 量 準 品 小 売 価 格 ( /kg) 輸 入 品 小 売 価 格 ( /kg) 6 5 4 1,128 しょうが 収 穫 量 ( ) しょうが 出 荷 量 ( ) 1,424 1,338 1,256 1,163 1,14 1,261 1,278 1,212 1,6 1,4 1,2 1, 3 2 1 635 662 456 419 431 712 59 748 776 628 556 54 559 521 54 538 487 473 8 6 4 2 24 年 産 25 年 産 26 年 産 27 年 産 28 年 産 29 年 産 21 年 産 211 年 産 212 年 産 ( 図 7~ 図 24 の 出 典 ) 農 林 水 産 省 生 鮮 食 料 品 価 格 販 売 動 向 調 査 > 長 期 累 年 作 況 調 査 ( 野 菜 ) 青 果 物 卸 売 市 場 調 査 より 作 成 http://www.e-stat.go.jp/sg1/estat/list.do?bid=15867&cycode= http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_yasai/#r http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/seika_orosi/#l アクセス 213/9/2.214/1/1 21
野 菜 の 生 産 量 は 天 候 に 左 右 される 特 に 雨 量 の 多 い 年 には 生 産 の 減 少 が 見 られる 野 菜 が 多 い 表 9 は 23 年 ~212 年 気 象 庁 の 年 間 平 均 気 温 と 平 均 降 水 量 の 差 を 示 している 気 温 の 変 化 に 対 して は 野 菜 の 生 育 に 大 きな 変 化 は 現 れなかったが 降 水 量 の 多 かった 24 年 21 年 には 多 くの 野 菜 の 収 穫 量 の 減 少 が 発 生 し 卸 売 価 格 が 上 昇 している 当 然 小 売 価 格 も 上 昇 している しかし 収 穫 量 の 少 ない 年 と 収 穫 量 の 多 かった 年 が ほとんど 出 荷 量 との 差 が 常 に 一 定 の 差 で 推 移 している 点 は 人 為 的 で 不 自 然 である 収 穫 量 の 少 ない 年 は 価 格 が 高 騰 し 消 費 者 は 買 い 控 えているこ とも 考 えられるが 価 格 の 高 騰 を 抑 えるために 規 格 外 品 を 出 荷 し 徳 用 品 として 販 売 すべきと 考 える 表 9 212 年 度 野 菜 の 国 内 仕 向 け 量 のうち 家 計 消 費 は 44% 加 工 業 務 用 が 56%を 占 めている 家 計 消 費 は 98%を 国 産 野 菜 が 占 め 加 工 業 務 用 では 7%が 国 産 野 菜 であるとされているが 近 年 スーパー マケット 等 の 量 販 店 では 外 国 産 の 野 菜 を 見 かけるようになってきた 国 内 産 と 輸 入 品 の 価 格 差 が 大 き い 野 菜 については 消 費 者 は 輸 入 品 をやむを 得 ず 使 うことになると 思 われる 加 工 業 務 用 ではより 一 層 その 傾 向 は 強 まると 考 える 日 本 の 年 平 均 気 温 偏 差 ( C)と 平 均 降 水 量 (mm) 平 均 気 温 偏 差 平 均 降 水 量 偏 差 23 年 -.7 +8.2 24 年 +.7 +24.3 25 年 -.4-26. 26 年 +.21 +155. 27 年 +.62-157.2 28 年 +.23-74.8 29 年 +.38-34. 21 年 +.63 +257.9 211 年 +.15 +167.8 212 年 +.6 +143.7 気 象 庁 日 本 の 年 平 均 気 温 偏 差 ( C); http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/temp/list/an_jpn.html 気 象 庁 日 本 の 年 平 均 降 水 量 偏 差 (mm); http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/temp/list/an_jpn_r.html アクセス:213/8/2 212 年 1 月 の 東 京 都 中 央 卸 売 市 場 入 荷 野 菜 に 占 める 輸 入 野 菜 の 占 有 率 と 輸 入 先 国 は ニンニク ( 中 国 )(63.62%) ブロッコリー( 米 国 中 国 )(21.79%) アスパラガス(オーストラリ フィリ ピン ペルー メキシコ タイ)(25.8%) しょうが( 中 国 )(29.27%) いちご( 米 国 )(54.25%) 生 しいたけ( 中 国 )(8.3%)ねぎ( 中 国 ) (5.22%) 玉 ねぎ( 中 国 米 国 オーストラリア ニュージーランド)(4.97%) セロリ( 米 国 ) (7.35%) さといも( 中 国 )(6.26%) ごぼう( 中 国 )(3.13%) かぼちゃ(ニュージーランド) (.5%) にんじん( 中 国 ニュージーランド)(2.8%) であった 低 価 格 の 輸 入 野 菜 が 増 えていくことは 国 内 産 野 菜 消 費 量 の 減 少 につながり 増 々 国 内 産 野 菜 価 格 は 高 騰 し 消 費 者 は 買 い 控 えるために 出 荷 されない 野 菜 の 増 加 につながっていくことになる 現 状 の 出 荷 されない 規 格 外 野 菜 の 利 用 は 野 菜 の 高 騰 を 防 ぐため 安 心 安 全 の 担 保 のためにも 重 要 と 22
考 える 農 林 水 産 省 では 野 菜 の 安 定 供 給 対 策 として 指 定 野 菜 の 価 格 の 著 しい 低 落 があった 場 合 生 産 者 補 給 金 を 交 付 することにより 野 菜 農 家 の 経 営 に 及 ぼす 影 響 を 緩 和 し 次 期 作 の 確 保 と 消 費 者 への 野 菜 の 安 定 的 な 供 給 を 図 る 制 度 がある この 制 度 は 過 去 6 年 間 の 平 均 価 格 の 9%を 下 回 った 場 合 に 保 証 基 準 額 と 平 均 取 引 価 格 の 差 額 の 9%を 保 証 する また 価 格 が 15% 以 上 高 騰 した 時 には 出 荷 の 前 倒 しを 行 い 平 均 価 格.3 を 補 填 するとしている しかし 野 菜 生 産 者 は 高 齢 化 もあり 減 少 し 作 付 面 積 も 年 々 減 少 し 当 然 生 産 量 も 減 少 傾 向 にある (3) 最 近 の 動 静 29 年 の 農 地 法 改 正 により 1,261 法 人 がリース 方 式 で 農 業 に 参 入 (213 年 6 月 末 現 在 ) そのう ち 野 菜 生 産 法 人 は 565 法 人 (45%)を 占 め 最 も 多 くなっている また 借 入 農 地 面 積 は 参 入 数 の 増 加 に 比 例 し 年 々 増 加 している 業 務 形 態 別 では 食 品 関 連 産 業 33 法 人 (26%)が 最 も 多 く その 他 サービス 業 他 (21)% 農 業 畜 産 業 194 法 人 (15%) 建 設 業 163 法 人 (13%) NPO 法 人 136 法 人 (11%) 卸 小 売 業 66 法 人 (5%) 製 造 業 61 法 人 (5%) 等 になっている 食 品 関 連 企 業 や 卸 小 売 業 では 全 国 規 模 で 事 業 展 開 している 企 業 が 農 業 進 出 している 小 売 業 では イオン( 野 菜 ) イトーヨーカ 堂 ( 野 菜 ) ローソン( 野 菜 ) 阪 急 百 貨 店 ( 野 菜 ) 外 食 食 品 産 業 ではキュ ーピー( 野 菜 ) キューサイ( 野 菜 ) ワタミフード( 野 菜 ) サイゼリア( 野 菜 ) カゴメ(トマト) モスバー ガー(トマト) メルシャン(ぶどう) マンズワイン(ぶどう) ドール(パプリカ) モンテローザ ( 野 菜 ) サッポロビール(ぶどう) 吉 野 家 (たまねぎ 米 ) その 他 野 菜 を 生 産 している 企 業 はJ R 東 日 本 JR 東 海 JR 九 州 住 友 化 学 豊 田 通 商 等 々 大 企 業 が 野 菜 生 産 農 業 に 参 入 している 特 に 小 売 業 のイオンはイオンアグリ 創 造 株 式 会 が 関 東 以 西 9 県 に 12 のイオン 農 場 があり 様 々な 野 菜 の 生 産 を 行 い 近 隣 のイオン 各 店 で 販 売 されている 同 社 の HP によると 農 業 まるごと: 土 地 を 耕 すことから 種 まき 収 穫 まで 一 連 の 農 作 業 を 手 掛 けています だから 安 全 安 心! 無 駄 を 省 く: 栽 培 において 無 駄 なく また 自 社 物 流 での 集 荷 で コスト 削 減 だからお 手 頃! とれたて 出 荷 :とれたてのおいしさをお 届 けできるよう 農 場 からダイレクトにお 届 けします だから 新 鮮! イトーヨーカ 堂 のセブンファームは 2 個 所 の 農 業 生 産 法 人 と 共 同 出 資 による 事 業 会 社 7 農 場 と 環 境 循 環 型 システムにより 運 営 され 近 くのイトーヨーカ 堂 で 販 売 されている 店 舗 で 回 収 した 食 品 残 渣 を 堆 肥 の 資 源 として 再 利 用 し 運 営 する 専 用 農 場 に 導 入 し そこで 栽 培 ~ 収 穫 された 農 産 物 が 食 品 残 渣 を 排 出 した 店 舗 等 で 販 売 している セブンファームでは 規 格 外 品 も 全 量 買 付 し お 客 に 理 由 を 説 明 し 販 売 している ローソンのローソンファームでは 植 物 工 場 1 個 所 を 含 む 12 個 所 で 共 同 出 資 による 農 場 を 運 営 し 近 隣 のローソンとローソンストア 1 で 販 売 している ローソンファームの 特 徴 は 大 規 模 生 産 によ るコストダウン 安 心 安 全 な 野 菜 の 安 定 供 給 と 青 果 市 場 を 通 さないために 出 荷 から 店 頭 に 並 ぶまで の 時 間 を 12~24 時 間 短 縮 できるとしている またミネラル 農 法 の 中 島 農 法 を 取 り 入 れ 人 の 健 康 は 健 全 な 土 づくりから の 理 念 で ミネラルバランスのよいカット 野 菜 の 販 売 をしている ローソンフ ァームも 全 量 買 い 取 りを 行 っている 23
イオン 農 場 セブンファーム ローソンファームでは 生 産 野 菜 の 全 量 を 販 売 とカット 野 菜 や 惣 菜 に 使 用 し 無 駄 を 省 き 生 産 性 の 向 上 流 通 経 費 の 削 減 と 地 産 地 消 によるフードマイレージの 減 少 に 努 力 している もう 一 つの 大 きな 流 れとしては 農 林 水 産 省 の 213 年 6 月 に 公 表 した 地 産 地 消 推 進 について によると 全 国 の 農 産 物 直 売 所 数 は 22,98 個 所 (211 年 )あり 年 間 総 売 り 上 げは 7,927 億 (211 年 )である 年 間 販 売 額 は 小 規 模 な 1, 万 未 満 の 直 売 所 が 64.2%を 占 めるが 1 億 を 超 える 規 模 の 直 販 所 は 8.3%である 農 産 物 直 販 所 の 経 営 形 態 は 様 々で 生 産 者 自 身 が 販 売 営 業 する 店 舗 であ り 農 協 がメインになり 活 動 している 大 型 店 舗 生 産 者 の 組 合 団 体 主 要 道 路 沿 いに 設 置 された 道 の 駅 早 朝 や 土 日 だけの 店 などがある 取 扱 品 は 地 産 地 消 の 朝 採 り 野 菜 がメインであり 販 売 額 の 99.9%は 地 元 産 品 である この 販 売 形 態 のなかで 国 土 交 通 省 所 管 の 道 の 駅 は 213 年 1 月 の 時 点 で 1,14 個 所 となり 年 間 売 上 額 は 2,1 億 (211 年 ) 年 間 購 買 客 数 2 億 2 万 人 (211 年 ) 制 度 発 足 から 2 年 で 全 国 各 地 に 広 がっている 図 25 24
図 26 図 25.26 は 26 年 度. 農 林 水 産 省 地 産 地 消 に 関 する 意 識 意 向 調 査 結 果 である 消 費 者 は 新 鮮 な 食 材 安 全 な 食 材 生 産 者 が 身 近 おいしい 食 材 はいずれも とても 魅 力 を 感 じる 及 びやや 魅 力 を 感 じるを 合 わせると 9%に 近 い 安 い 材 料 を 買 える だけが 74.7%と 下 回 っているが この 調 査 が 213 年 であれば この 項 目 も 9%を 超 えると 思 われる 農 業 者 の 意 識 調 査 では 規 格 外 品 も 販 売 可 能 生 産 意 欲 が 高 まる 消 費 者 ニーズを 知 る 収 入 増 加 の 各 項 目 はとても 利 点 及 びやや 利 点 の 合 計 は 7%を 超 えている 農 産 物 直 売 所 は 消 費 者 生 産 者 両 者 にとって 利 用 価 値 が 高 いことが 分 かった 21 年 3 月 2 日 の 日 本 政 策 金 融 公 庫 ~ 規 格 外 野 菜 果 物 に 関 する 消 費 者 意 識 調 査 結 果 ~ では * 今 後 規 格 外 の 野 菜 果 物 を 購 入 してみたい が 未 購 入 者 の 65.5% * 購 入 する 理 由 は 品 質 の 割 に 価 格 が 安 い 規 格 品 と 味 が 変 わらず * 消 費 者 の 67.%が 規 格 を 撤 廃 または 大 幅 に 緩 和 すべきという 意 見 * 規 格 の 撤 廃 緩 和 を 求 める 理 由 は 価 格 の 低 下 (33.7%) 資 源 の 無 駄 (32.2%) 生 産 者 のた めになる (2.%)である * 農 業 者 は 規 格 を 撤 廃 すべき 4.9% 大 幅 に 緩 和 すべき(22.%)であった 今 後 企 業 の 農 場 が 増 えるに 従 い 周 辺 の 生 産 者 にも 影 響 を 与 え 従 来 からの 農 業 生 産 方 式 ではなく 生 産 性 を 高 める 生 産 販 売 方 式 に 変 化 していくと 思 われる また 日 経 ビジネス 213 年 4 月 22 日 号 道 の 駅 が 地 方 を 救 う ~イオンでもセブンでもない 第 3 の 流 通 ~ 特 集 では 全 国 の 道 の 駅 が 紹 介 され 213 年 4 月 時 点 で 市 場 規 模 は 約 3,5 億 来 訪 者 数 は 年 間 延 べ 5 億 人 としている 今 後 も 増 々 拡 大 していくと 思 われる 筆 者 も 時 々 道 の 駅 を 利 用 する ウイークデイの 午 前 に 行 くようにしているが いつも 混 雑 している 特 徴 は 包 装 に 市 と 氏 名 と 価 格 が 表 示 され 同 じ 種 類 の 野 菜 でも 生 産 者 によって 価 格 に 違 いが あり 一 袋 の 大 きさにも 違 いがある 量 販 店 では 見 かけないサイズ 形 の 人 参 ごぼう 里 芋 などが あり 大 根 は 大 きさにより 1 本 1 本 価 格 に 違 いがある 男 性 客 が 常 に 多 く 全 体 に 新 鮮 で 価 格 の 安 さ 25
が 消 費 者 にとって 一 番 の 魅 力 であることは 間 違 いない 夕 方 行 ったことがないために 売 れ 残 りがどの 程 度 かを 知 ることが 出 来 ないが 生 産 者 は 価 格 の 設 定 が 難 しいと 思 われる Ⅳ おわりに 外 観 から おいしい へ 日 本 は 先 進 工 業 国 であり 高 所 得 国 であるため 出 荷 されない 規 格 外 野 菜 の 廃 棄 は 消 費 者 の 外 観 重 視 が 主 たる 原 因 であると 考 えられてきた 現 実 の 消 費 者 は 割 安 になるであろう 規 格 外 野 菜 の 購 入 を 期 待 しているし 生 産 者 も 規 格 外 品 の 出 荷 を 望 む 人 が 多 い 事 が 分 かった では 何 のための 規 格 設 定 なのか 流 通 上 箱 に 納 まる 同 じ 大 きさや 長 さ 見 栄 えの 良 い 野 菜 作 りが 農 家 に 求 められています これをさせてしまったのは 消 費 者 ではなく 流 通 関 係 者 や 飲 食 店 の 要 求 だったのではないでしょうか 11 211 年 に 出 荷 されなかった 野 菜 の 総 量 138 万 94 トンはおよそキャベツの 年 間 収 穫 量 に 匹 敵 する 量 であり 大 きな 資 源 の 無 駄 をしている ことになる 農 場 から 出 る 廃 棄 物 の 正 確 な 量 は 最 大 の 未 知 数 だ 農 家 が 作 物 の 処 分 を 余 儀 なくされ ると 食 品 土 地 水 農 薬 燃 料 が 大 量 に 無 駄 になる 12 としている 野 菜 の 生 産 は 不 足 を 恐 れる ために 過 剰 生 産 が 行 われているのではないだろうか ジェトロセンサー11 の 特 集 日 本 食 世 界 へ 健 康 志 向 を 追 い 風 に によると アジア 米 国 ブラ ジル ロシア イタリア イスラエルの 調 査 記 事 では 何 れも 日 本 食 が 海 外 で 人 気 があり 日 本 産 食 品 は 健 康 安 全 な 食 品 として 認 められ 米 国 では 好 きな 外 国 料 理 では 日 本 食 が 1 位 となり 理 由 は 味 が 好 き 88.4% 健 康 に 良 い 53.4%であった この 機 会 を 逃 すことなく おいしい 安 全 な 日 本 産 農 産 物 を 海 外 に 向 け 輸 出 することが 望 まれる 一 方 で 消 費 者 は 低 価 格 だけを 求 める 人 ばかりではなく 割 高 でもおいしさ 安 全 安 心 を 求 める 人 も 大 勢 いる 野 菜 果 物 の 購 入 時 に 何 を 目 安 に 購 入 すればよいのか 表 示 がなければ 外 観 と 鮮 度 しか 見 分 けることができない 果 物 について 糖 度 の 表 示 を 見 かけるが 全 てではない 野 菜 は 生 産 県 の 表 示 ( 輸 入 品 は 生 産 国 ) 顔 の 見 える 野 菜 で 生 産 者 の 写 真 が 貼 られたりしているが おいしさは 分 から ないし 生 産 者 の 名 前 を 覚 えることは 難 しい 工 場 で 生 産 された 食 品 は 一 度 食 べれば 味 は 分 かるが 野 菜 の 味 はその 都 度 異 なりがっかりすることが 度 々である 野 菜 の 品 種 名 を 容 器 あるいはポップに 表 示 してあれば 消 費 者 は 見 分 けることが 可 能 になると 思 わ れる また 消 費 者 の 野 菜 摂 取 量 を 増 加 するためには 野 菜 の 健 康 への 有 用 性 をアピールする 必 要 が あり 各 野 菜 の 有 用 成 分 とその 効 用 表 示 をする 必 要 がある 今 ほど 消 費 者 が 健 康 を 意 識 している 時 代 はないために この 表 示 は 有 効 ではないだろうか 表 示 方 法 については 財 団 法 人 食 生 活 情 報 サービ スセンター ~やさい くだもの 栄 養 成 分 等 自 主 表 示 マニュアル~ に 詳 しく 書 かれている 最 後 に 消 費 者 が 最 も 注 意 しなければならない 事 として 計 画 的 な 買 い 物 と 意 識 的 な 食 生 活 として 食 べ 物 は 無 駄 にせず 食 べる 人 間 は 捨 てるための 食 べ 物 を 生 産 し 入 手 することに 労 力 と 費 用 をか けすぎる 13 常 に 心 がけなければならない 言 葉 である 11 内 田 悟 間 違 いだらけの 野 菜 選 び 213 角 川 書 店 178 頁 12 トリストラム スチュアート 世 界 の 食 糧 ムダ 捨 て 事 情 21 NHK 出 版 141~142 頁 13 シュテファン クロイツベルガー バレンティン トゥルン さらば 食 料 廃 棄 213 ( 株 ) 春 秋 社 35 頁 26
生 産 者 も 自 慢 できるおいしい 野 菜 を 従 来 とは 違 った 新 たな 流 通 を 使 い 高 値 で 販 売 が 可 能 になって きた 参 考 文 献 内 田 悟 間 違 いだらけの 野 菜 選 び 213 角 川 書 店 大 澤 信 一 日 本 人 のための 儲 かる 農 業 213 秀 和 システム 大 原 悦 子 フードバンクという 挑 戦 21 岩 波 書 店 シュテファン クロイツベルガー バレンティン トゥルン さらば 食 料 廃 棄 213 ( 株 ) 春 秋 社 トリストラム スツアート 世 界 食 糧 ムダ 捨 て 事 情 21 日 本 放 送 出 版 協 会 ジェトロセンサー11 213 日 本 貿 易 振 興 機 構 日 経 ビジネス 213.4.22 号 日 経 BP 社 27