第 119 回 NRIメディアフォーラム 地 震 防 災 対 策 の 現 状 と 課 題 ~ 住 宅 の 耐 震 化 と 地 震 保 険 ~ 2009 年 11 月 13 日 株 式 会 社 野 村 総 合 研 究 所 社 会 システムコンサルティング 部 上 級 コンサルタント 主 任 コンサルタント 浅 野 憲 周 野 崎 洋 之 100-0005 東 京 都 千 代 田 区 丸 の 内 1-6-5 丸 の 内 北 口 ビル
本 日 お 話 したいこと 1. 調 査 研 究 の 概 要 2. 住 宅 の 耐 震 化 の 現 状 と 課 題 3. 地 震 保 険 の 現 状 と 課 題 4. 提 言 Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 1
1. 調 査 研 究 の 概 要 2. 住 宅 の 耐 震 化 の 現 状 と 課 題 3. 地 震 保 険 の 現 状 と 課 題 4. 提 言 Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 2
1. 調 査 研 究 の 概 要 はじめに 地 震 防 災 対 策 ( 耐 震 化 と 地 震 保 険 )は 阪 神 淡 路 大 震 災 の 被 害 から 露 呈 した 重 要 な 課 題 のひとつである 阪 神 淡 路 大 震 災 における 死 者 6,343 名 のうち 約 8 割 が 建 築 物 の 倒 壊 に 起 因 して 亡 くなっている また 被 害 額 9.9 兆 円 の 約 6 割 は 建 築 物 の 被 害 である 更 に 阪 神 淡 路 大 震 災 では 仮 設 住 宅 を4.8 万 戸 公 営 住 宅 を3.2 万 戸 建 設 するなど 居 住 用 建 物 の 倒 壊 は 社 会 コスト を 増 大 させる 大 きな 要 因 のひとつといえる 経 済 財 政 諮 問 会 議 は 平 成 20 年 度 の 政 策 評 価 の 重 点 対 象 分 野 として 地 震 対 策 のうち 建 物 の 耐 震 化 及 び 地 震 保 険 を 提 示 し 現 在 関 係 省 庁 において 重 点 対 象 としての 評 価 が 実 施 されている 政 府 及 び 地 方 公 共 団 体 は 補 助 金 や 税 制 優 遇 などの 制 度 を 設 けて 地 震 防 災 対 策 の 促 進 に 努 めているが 阪 神 淡 路 大 震 災 から15 年 が 経 過 しようとしている 今 に 至 っても 十 分 に 進 展 普 及 しているとは 言 い 難 い 状 況 である NRIでは 本 評 価 と 並 行 して 住 宅 の 耐 震 化 と 地 震 保 険 について 消 費 者 の 意 識 調 査 を 実 施 し 現 状 を 把 握 す るとともに 進 展 しない 理 由 について 分 析 を 行 った 本 フォーラムでは これらの 調 査 に 関 する 分 析 結 果 を 踏 まえ 住 宅 の 耐 震 化 と 地 震 保 険 の 連 携 による 地 震 防 災 対 策 のあり 方 方 向 性 を 提 言 する Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 3
1. 調 査 研 究 の 概 要 NRI 地 震 防 災 対 策 に 関 する 意 識 調 査 (2009 年 8 月 )の 概 要 調 査 名 地 震 防 災 対 策 に 関 する 意 識 調 査 http://www.nri.co.jp/souhatsu/research/2009/pdf/rd200909_01.pdf 実 施 時 期 2009 年 8 月 1 日 ~2 日 実 施 方 法 NRIのインターネットリサーチサービス True Navi (http://truenavi.net)を 利 用 回 答 者 日 本 全 国 に 在 住 する20 歳 以 上 で 家 計 の 主 たる 担 い 手 2,500 人 調 査 担 当 研 究 創 発 センター ( 安 積 村 上 ) 社 会 システムコンサルティング 部 ( 浅 野 野 崎 ) Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 4
1. 調 査 研 究 の 概 要 アンケート 回 答 者 の 属 性 回 答 者 の 性 別 年 齢 10 歳 階 級 別 構 成 20 歳 代 30 歳 代 40 歳 代 男 性 205 376 343 (8.2%) (15.0%) (13.7%) 女 性 100 86 77 (4.0%) (3.4%) (3.1%) 計 305 462 420 (12.2%) (18.4%) (16.8%) 住 宅 の 所 有 関 係 建 物 構 造 別 構 成 種 別 木 造 戸 建 て 住 宅 972 (38.9%) 持 ち 家 集 合 住 宅 14 (0.6%) その 他 1 (0.0%) 戸 建 て 住 宅 69 (2.8%) 賃 貸 テラスハウス 長 屋 11 (0.4%) 集 合 住 宅 177 (7.1%) その 他 寮 社 宅 官 舎 9 (0.4%) その 他 2 (0.1%) 50 歳 代 60 歳 以 上 計 422 592 1,938 (16.9%) (23.7%) (77.5%) 97 202 562 (3.9%) (8.1%) (22.5%) 519 794 2,500 (20.8%) (31.8%) (100.0%) 非 木 造 計 193 (7.7%) 1,165 (46.6%) 389 (15.6%) 403 (16.1%) 1 (0.0%) 2 (0.1%) 9 (0.4%) 78 (3.1%) 4 (0.2%) 15 (0.6%) 586 (23.4%) 763 (30.5%) 54 (2.2%) 63 (2.5%) 9 (0.4%) 11 (0.4%) 居 住 地 構 成 北 海 道 東 北 北 関 東 東 京 南 関 東 甲 信 越 北 陸 東 海 近 畿 中 国 四 国 地 域 九 州 沖 縄 合 計 値 (N 値 ) 123 116 82 403 532 64 49 269 503 116 62 181 2,500 回 答 数 (4.9%) (4.6%) (3.3%) (16.1%) (21.3%) (2.6%) (2.0%) (10.8%) (20.1%) (4.6%) (2.5%) (7.2%) (100.0%) カッコ 内 は2,500サンプルを100.0%とした ときの 構 成 比 合 計 値 (N 値 ) 1,255 (50.2%) 1,245 (49.8%) 2,500 (100.0%) Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 5
1. 調 査 研 究 の 概 要 2. 住 宅 の 耐 震 化 の 現 状 と 課 題 3. 地 震 保 険 の 現 状 と 課 題 4. 提 言 Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 6
2. 住 宅 の 耐 震 化 の 現 状 と 課 題 耐 震 化 実 施 までの 意 思 決 定 の 流 れに 着 目 し 阻 害 要 因 を 分 析 し 必 要 な 施 策 を 提 言 仮 説 政 府 自 治 体 は 耐 震 化 費 用 の 補 助 や 税 金 控 除 施 策 を 強 化 しているが それ 以 前 のボトルネックが 大 きく 十 分 な 施 策 効 果 が 得 られていないのではないか 耐 震 化 実 施 までの 意 思 決 定 の 流 れ 災 害 危 険 性 への への 基 本 認 識 住 宅 耐 震 化 の 必 要 性 の 理 解 耐 震 化 実 施 の 検 討 判 断 耐 震 化 の 実 施 大 きなボトルネックが 存 在 費 用 補 助 制 度 施 行 事 業 者 情 報 の 提 供 税 金 控 除 制 度 地 震 保 険 料 の 割 引 不 動 産 取 引 時 の 情 報 開 示 Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 7
2. 住 宅 の 耐 震 化 の 現 状 と 課 題 過 半 数 が 近 い 将 来 大 規 模 な 地 震 に 遭 遇 し 自 宅 が 甚 大 な 被 害 を 受 ける と 回 答 過 半 数 の 人 は 大 地 震 の 発 生 や 住 宅 被 害 に 対 する 危 険 認 識 はある 近 い 将 来 自 分 が 大 規 模 な 地 震 に 遭 遇 すると 思 う ことに 対 して 特 にそう 思 う どちらかといえばそう 思 う といっ た 肯 定 的 な 回 答 は 併 せて57.0% 大 規 模 な 地 震 に 遭 遇 した 場 合 居 住 している 住 宅 が 甚 大 な 被 害 を 受 けると 思 う ことに 対 して 肯 定 的 な 意 見 は53. 2% 日 本 全 国 どこでも 地 震 被 災 危 険 性 があることから 考 えると 危 険 認 識 がほとんど 無 い 残 りの4 割 強 の 存 在 は 大 きな 課 題 地 震 発 生 への 認 識 (SA) 肯 定 的 な 回 答 :57.0% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 近 い 将 来 自 分 が 大 規 模 な 地 震 に 遭 遇 すると 思 う(N=2500) 12.9% 44.1% 29.2% 10.7% 3.1% 大 規 模 な 地 震 に 遭 遇 した 場 合 居 住 している 住 宅 が 甚 大 な 被 害 を 受 けると 思 う(N=2500) 14.4% 38.8% 31.0% 13.6% 2.3% 特 にそう 思 う どちらかというとそう 思 う わからない どちらかというとそう 思 わない 特 にそう 思 わない 肯 定 的 な 回 答 :53.2% Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 8
2. 住 宅 の 耐 震 化 の 現 状 と 課 題 十 分 な 情 報 収 集 が 大 地 震 の 発 生 リスク 等 に 対 する 正 しい 認 識 判 断 に 結 びつく 正 確 な 防 災 情 報 の 入 手 が 防 災 意 識 に 密 接 に 関 わる 災 害 危 険 性 に 対 する 意 識 が 高 い 人 は 政 府 等 やマスコミからの 情 報 をきちんと 入 手 して 判 断 している 災 害 危 険 性 に 対 する 認 識 がほとんど 無 い 人 の7 割 は 判 断 の 根 拠 を 全 く 持 っていない ただし 防 災 に 対 する 関 心 の 低 さが 根 本 原 因 とも 考 えられるため 単 純 な 広 報 戦 略 だけでは 不 十 分 大 地 震 への 遭 遇 への 考 えと 判 断 の 理 由 (N=2,500 MA) 過 半 数 が 十 分 な 情 報 収 集 に 基 づき 判 断 過 半 数 が 十 分 な 根 拠 を 持 たず 判 断 総 数 1 政 府 自 治 体 の 公 表 情 報 2テレビ ラジ オ 等 3 家 族 知 人 等 4 地 震 発 生 経 験 5その 他 6 根 拠 無 し 特 にそう 思 う 323 53.6% 58.8% 16.4% 45.2% 8.4% 6.8% どちらかというと そう 思 う 1,102 37.5% 41.0% 5.4% 45.1% 6.1% 17.1% わからない 730 14.0% 20.3% 2.3% 22.1% 6.2% 56.0% どちらかというと そう 思 わない 268 20.5% 18.7% 6.0% 7.1% 10.1% 54.9% 特 にそう 思 わない 77 11.7% 11.7% 2.6% 3.9% 7.8% 71.4% Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 9
2. 住 宅 の 耐 震 化 の 現 状 と 課 題 全 体 の8 割 弱 は 耐 震 改 修 を 実 施 していないし 予 定 がない 耐 震 改 修 を 実 施 しているか 今 度 実 施 予 定 の 人 は 全 体 の 約 2 割 8 割 弱 は 耐 震 改 修 を 実 施 していないし 今 後 も 実 施 する 予 定 は 無 いと 考 えている 耐 震 改 修 の 実 施 状 況 (SA) N=2,500 0% 20% 40% 60% 80% 100% 実 施 している 10.4% 今 後 実 施 予 定 11.7% 実 施 していないし 実 施 する 予 定 はない 77.9% Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 10
2. 住 宅 の 耐 震 化 の 現 状 と 課 題 耐 震 改 修 を 実 施 していないし 予 定 がない 人 の6 割 は 十 分 な 検 討 をしていない 耐 震 改 修 を 実 施 している 人 の 過 半 数 は 実 施 判 断 に 当 って 十 分 な 検 討 を 行 っている 実 施 している 人 のうち よく 検 討 した 人 は29.6%は どちらかというと 検 討 した 人 は26.5% 耐 震 改 修 を 実 施 していないし 予 定 が 無 い 人 の 約 6 割 は ほとんど 検 討 せずに 判 断 している 耐 震 改 修 を 実 施 していないし 予 定 が 無 い 人 のうち まったく 検 討 していない 人 は38.0%は どちらかというと 検 討 していない 人 は22.6% 住 宅 の 防 災 に 対 する 無 関 心 が 大 きな 課 題 だが 明 確 な 根 拠 を 持 ち 強 く 否 定 しているわけでは 無 い 点 は 意 識 改 善 の 可 能 性 を 示 唆 耐 震 改 修 の 実 施 不 実 施 に 対 する 検 討 の 有 無 (SA) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 実 施 している 29.6% 26.5% 26.5% 3.8% 13.5% (N=260) 約 6 割 実 施 していないし 実 施 する 予 定 はない 4.7% 9.1% 25.6% 22.6% 38.0% (N=1,948) よく 検 討 した どちらかというと 検 討 した どちらともいえない どちらかというと 検 討 していない まったく 検 討 していない Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 11
2. 住 宅 の 耐 震 化 の 現 状 と 課 題 住 宅 の 耐 震 化 が 必 要 とみられる 場 合 でも 過 半 数 は 必 要 と 考 えていない 耐 震 改 修 が 必 要 とみられるが 実 施 予 定 が 無 い 人 は 全 体 の21.0% 耐 震 改 修 済 (10.4% ) 昭 和 56 年 の 新 耐 震 基 準 への 適 合 (51.3%) 耐 震 診 断 により 安 全 と 診 断 された 人 (5.7%) 今 後 実 施 予 定 (11.7%)を 除 く21.0%が 耐 震 改 修 が 必 要 とみられるが 実 施 予 定 が 無 い 人 と 判 断 できる 耐 震 化 が 必 要 であるにも 関 わらず 必 要 性 を 認 識 していない 人 が55.2%も 存 在 耐 震 改 修 の 実 施 状 況 と 予 定 について(SA) N=2,500 0% 20% 40% 60% 80% 100% 改 修 済 10.4% (260) 新 耐 震 基 準 施 行 年 (S56) 以 降 の 建 物 51.3% (1,282) 安 全 と 診 断 5.7% (142) 実 施 予 定 11.7% (292) 未 回 収 で 実 施 予 定 無 21.0% (524) 耐 震 改 修 が 必 要 と 考 えられる 人 の 意 識 (SA) N=524 人 0% 20% 40% 60% 80% 100% 55.2% 必 要 だと 思 う 44.8% (235) 必 要 だと 思 わない 10.5% (55) 必 要 かどうかわからない 32.6% (169) 興 味 が 無 く 考 えたことが 無 い 12.4% (65) Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 12
2. 住 宅 の 耐 震 化 の 現 状 と 課 題 耐 震 改 修 が 必 要 と 思 うが 実 施 していない する 予 定 がない 理 由 の 多 くは 費 用 負 担 過 半 数 が 費 用 負 担 を 理 由 に 挙 げるが 10% 以 上 の 回 答 率 を 持 つ 理 由 が 数 多 く 存 在 している 耐 震 改 修 が 必 要 と 思 うが 実 施 していない 実 施 する 予 定 がない 理 由 (N=235 MA) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 耐 震 改 修 費 用 の 負 担 が 重 いから 57.4% 耐 震 改 修 を 実 施 するために 具 体 的 に どうすれば 良 いのかわからないから 17.0% 信 頼 できる 耐 震 改 修 業 者 を 探 すことが 難 しいから 耐 震 改 修 工 事 中 は 別 の 場 所 で 仮 住 まいを しなければならないため 生 活 の 不 便 が 生 じるから 11.5% 14.0% 耐 震 改 修 工 事 中 は 騒 音 工 事 車 両 の 出 入 り 駐 車 等 により 隣 近 所 への 迷 惑 が 気 になるから 2.6% 仕 事 や 日 常 の 教 育 生 活 等 の 問 題 への 対 処 で 精 一 杯 で いつ 発 生 するかわからない 地 震 に 備 える 余 裕 は 無 いから 集 合 住 宅 なので 他 の 住 民 との 合 意 形 成 が 面 倒 で 困 難 だと 思 うから 賃 貸 住 宅 なので 大 家 さんの 説 得 が 面 倒 で 困 難 だと 思 うから 将 来 リフォームのついでに 耐 震 改 修 をする 可 能 性 も あるため 今 のところ 見 合 わせている その 他 15.3% 11.5% 18.3% 8.5% 16.2% 特 に 理 由 はないが なんとなく 4.7% Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 13
2. 住 宅 の 耐 震 化 の 現 状 と 課 題 費 用 負 担 を 理 由 に 挙 げる 人 の8 割 は 政 府 自 治 体 の 費 用 補 助 制 度 を 認 識 していない 費 用 負 担 を 理 由 に 挙 げるものの 政 府 や 自 治 体 の 費 用 補 助 制 度 や 減 税 措 置 に 対 して 認 識 度 が 低 く 十 分 な 検 討 もしていない 政 府 の 固 定 資 産 税 減 免 制 度 への 認 知 度 は20.7% 自 治 体 の 費 用 補 助 制 度 への 認 知 度 は14.1%で 調 べたことがない 人 が81.5%も 存 在 このことは 政 府 自 治 体 による 費 用 補 助 等 のお 金 の 面 での 施 策 強 化 だけでは 問 題 解 決 に 至 らないことを 示 唆 耐 震 改 修 費 用 の 負 担 が 重 いから と 回 答 した 人 N=135 耐 震 改 修 に 対 する 固 定 資 産 税 減 免 制 度 への 認 知 (SA) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 20.7% 79.3% 知 っている 知 らない 耐 震 改 修 に 対 する 自 治 体 の 費 用 補 助 制 度 への 認 知 (SA) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 14.1% 4.4% 81.5% ある ない 調 べたことがないのでよくわからない Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 14
2. 住 宅 の 耐 震 化 の 現 状 と 課 題 実 態 と 施 策 方 向 性 に 関 するまとめ 災 害 危 険 性 への 基 本 認 識 実 態 過 半 数 は 災 害 危 険 性 への 認 識 がある 認 識 が 低 い 人 の 多 くは 十 分 な 情 報 収 集 を 行 っておらず 明 確 な 判 断 根 拠 を 持 っていない 施 策 方 向 情 報 提 供 の 工 夫 によって 災 害 危 険 性 への 認 識 が 高 まる 耐 震 化 の 必 要 性 の 理 解 本 来 耐 震 化 が 望 ましいと 考 えられる 人 の 過 半 数 以 上 の 人 が 必 要 性 を 理 解 していない 耐 震 化 実 施 の 検 討 判 断 耐 震 化 の 実 施 耐 震 改 修 の 必 要 性 を 理 解 しながらも 実 施 していない 人 の 半 数 以 上 は 費 用 負 担 の 重 さを 理 由 に 挙 げている それらの 人 のほとんどは 国 や 自 治 体 が 実 施 する 費 用 負 担 軽 減 制 度 について 認 識 しておらず 調 べたことも 無 いと 回 答 してい る 耐 震 改 修 を 実 施 しないと 回 答 している 人 の 大 半 は 十 分 な 検 討 を 行 わずに 判 断 している 費 用 負 担 の 他 にも 様 々な 阻 害 要 因 が 存 在 するため 費 用 負 担 軽 減 策 だけを 講 じても 耐 震 化 を 十 分 に 促 進 することは 難 しい と 推 察 される 防 災 についてよく 考 える 機 会 を 作 り 出 す 必 要 がある 耐 震 化 インセンティブの 付 与 を 検 討 すべき Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 15
1. 調 査 研 究 の 概 要 2. 住 宅 の 耐 震 化 の 現 状 と 課 題 3. 地 震 保 険 の 現 状 と 課 題 4. 提 言 Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 16
3. 地 震 保 険 の 現 状 と 課 題 地 震 保 険 の 加 入 率 は 住 宅 の 所 有 関 係 や 世 帯 年 収 に 影 響 する 住 宅 の 所 有 関 係 や 世 帯 年 収 によって 地 震 保 険 の 加 入 率 に 格 差 がある 居 住 用 建 物 を 保 険 の 目 的 とする 地 震 保 険 の 加 入 率 は 生 活 用 動 産 の 加 入 率 に 比 べて10% 以 上 高 い また 持 ち 家 世 帯 と 賃 貸 世 帯 とでは 地 震 保 険 の 加 入 率 に10% 以 上 の 格 差 がある 世 帯 年 収 が 高 い 世 帯 ほど 地 震 保 険 の 加 入 率 も 高 くなる 住 宅 の 所 有 関 係 比 率 (N=2,500 SA) 世 帯 年 収 別 地 震 保 険 加 入 率 ( 居 住 用 建 物 N=1,570 SA) 世 帯 年 収 別 持 ち 家, 1,570 賃 貸, 930 250 万 円 未 満 N=210 加 入 率 差 24.8% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 250 万 円 以 上 500 万 円 未 満 N=494 29.8% 保 険 の 目 的 別 地 震 保 険 加 入 率 (N=2,500 SA) 500 万 円 以 上 750 万 円 未 満 N=358 35.2% 持 ち 家 建 物 N=1,570 保 険 の 目 的 別 加 入 率 差 33.9% 750 万 円 以 上 1,000 万 円 未 満 N=282 39.4% 家 財 N=1,570 住 宅 の 所 有 関 係 別 加 入 率 差 23.6% 1,000 万 円 以 上 N=221 42.1% 賃 貸 家 財 N=930 12.5% 未 回 答 N=5 60.0% 0% 10% 20% 30% 40% 0% 20% 40% 60% Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 17
3. 地 震 保 険 の 現 状 と 課 題 地 震 保 険 の 加 入 または 非 加 入 について 半 数 以 上 の 人 が 十 分 な 検 討 をしていない 地 震 保 険 の 非 加 入 者 はもとより 加 入 者 でさえ 加 入 または 非 加 入 について 十 分 な 検 討 をしていない 地 震 保 険 非 加 入 者 の 約 7 割 は 地 震 保 険 の 加 入 または 非 加 入 の 判 断 に 十 分 な 検 討 をしていない また 地 震 保 険 非 加 入 者 の2 割 以 上 が まったく 検 討 していない と 回 答 している 地 震 保 険 加 入 者 でさえ 2 割 以 上 の 人 は 十 分 に 検 討 しないまま 地 震 保 険 に 加 入 している 地 震 保 険 に 加 入 または 非 加 入 の 判 断 をする 際 の 検 討 状 況 ( 居 住 用 建 物 N=1,570 SA) 地 震 保 険 非 加 入 (66.1%) 地 震 保 険 加 入 (33.9%) (N=1,038) 3.7% (5.6%) よく 検 討 した (N=532) 10.1% (29.8%) 18.3% (27.7%) どちらかというと 検 討 した 16.2% (47.8%) 13.8% (20.9%) どちらともいえない 5.2% (15.3%) 地 震 保 険 非 加 入 者 の 66.7%は 地 震 保 険 の 加 入 または 非 加 入 の 判 断 に 十 分 な 検 討 をし ていない 15.7% (23.8%) 14.5% (22.0%) どちらかというと 検 討 していない まったく 検 討 していない 1.5% (4.4%) 0.9% (2.7%) 地 震 保 険 加 入 者 でさえ22.4%は 十 分 な 加 入 検 討 をしないまま 地 震 保 険 に 加 入 している 20% 15% 10% 5% 0% 0% 5% 10% 15% 20% Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 18
3. 地 震 保 険 の 現 状 と 課 題 地 震 保 険 の 加 入 率 を 向 上 させるためには どのような 施 策 が 必 要 なのか? 地 震 保 険 の 加 入 率 向 上 に 資 する 施 策 検 討 を 目 的 に 以 下 の 調 査 を 実 施 する 地 震 保 険 の 加 入 者 を 対 象 に 加 入 の 理 由 ( 地 震 保 険 の 魅 力 )を 調 査 する 更 に 十 分 な 検 討 をしていないにも 関 わらず 加 入 している 人 を 対 象 に 地 震 保 険 の 補 償 内 容 の 認 知 状 況 を 確 認 する 地 震 保 険 の 非 加 入 者 * については 各 人 にとっての 地 震 保 険 の 必 要 性 の 認 識 や 加 入 していない 理 由 を 追 及 する * 地 震 保 険 の 加 入 または 非 加 入 について まったく 検 討 していない と 回 答 した 人 を 除 く 地 震 保 険 に 加 入 または 非 加 入 の 判 断 をする 際 の 検 討 状 況 ( 居 住 用 建 物 N=1,570 SA) 地 震 保 険 非 加 入 (66.1%) 地 震 保 険 加 入 (33.9%) 4 地 震 保 険 の 必 要 性 の 認 識 調 査 5 必 要 なのに なぜ 加 入 しないのか? なぜ 不 要 だと 思 う のか? 3.7% (5.6%) 18.3% (27.7%) 地 震 保 険 の 加 入 または 非 加 入 について まったく 検 討 していないわけではないが 加 入 していないグループ (N=810) 13.8% (20.9%) 15.7% (23.8%) よく 検 討 した どちらかというと 検 討 した どちらともいえない どちらかというと 検 討 していない 再 掲 10.1% (29.8%) 地 震 保 険 の 加 入 または 非 加 入 について 検 討 した 上 で 加 入 しているグループ 1 加 入 している 理 由 (N=413) の 調 査 16.2% (47.8%) 5.2% (15.3%) 地 震 保 険 の 加 入 または 非 加 入 について 十 1.5% 分 な (4.4%) 検 討 をしていないにも 関 わらず 加 入 しているグループ (N=119) 2 加 入 している 理 由 の 調 査 3 補 償 内 容 の 認 知 状 況 の 調 査 14.5% (22.0%) まったく 検 討 していない 0.9% (2.7%) 20% 15% 10% 5% 0% 0% 5% 10% 15% 20% Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 19
3. 地 震 保 険 の 現 状 と 課 題 ( 加 入 : 検 討 : ) 地 震 保 険 加 入 の 理 由 として 補 償 内 容 や 保 険 料 の 割 安 感 が 挙 げられる 一 方 で 地 震 保 険 について 十 分 に 検 討 した 加 入 者 の 半 数 以 上 は 現 行 の 制 度 に 満 足 していない 地 震 保 険 の 加 入 または 非 加 入 について 十 分 に 検 討 した 加 入 者 の 期 待 に 応 える 制 度 設 計 が 必 要 である 地 震 保 険 に 加 入 している 理 由 ( 居 住 用 建 物 N=413 MA) 地 震 保 険 制 度 ( 補 償 内 容 や 保 険 料 )に 満 足 しているわけではないが 大 規 模 な 地 震 に 遭 遇 した 場 合 の 補 償 として 地 震 保 険 に 勝 る 制 度 を 知 らないから 56.9% 地 震 保 険 の 補 償 内 容 ( 地 震 津 波 噴 火 等 のリスクを 担 保 )に 魅 力 を 感 じたから 40.9% リスクに 対 して 保 険 料 が 割 安 だと 思 ったから 保 険 料 ( 実 額 )が 安 いから( 高 くないから) 21.3% 19.6% 地 震 保 険 の 加 入 者 からは 一 定 程 度 保 険 料 の 価 格 設 定 についても 理 解 が 得 られ ている 耐 震 等 級 や 建 築 年 等 による 保 険 料 割 引 制 度 に 魅 力 を 感 じたから 税 制 優 遇 ( 地 震 保 険 料 所 得 控 除 )に 魅 力 を 感 じたから 9.4% 8.2% 耐 震 割 引 等 の 割 引 制 度 (2001 年 より 建 築 年 割 引 及 び 耐 震 等 級 割 引 2007 年 より 免 震 建 築 物 割 引 及 び 耐 震 診 断 割 引 )は 地 震 保 険 の 加 入 動 機 として 十 分 に 機 能 していない 地 震 保 険 料 控 除 制 度 (2007 年 1 月 )は 地 震 保 険 の 加 入 動 機 として 十 分 に 機 能 していない その 他 1.9% 地 震 火 災 に 対 する 不 安 被 災 経 験 など 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 20
3. 地 震 保 険 の 現 状 と 課 題 ( 加 入 : 検 討 : ) 地 震 保 険 加 入 者 の 不 満 解 消 の 第 一 歩 として 罹 災 時 の 保 険 金 支 払 いに 関 する 十 分 な 説 明 ( 不 安 の 解 消 )が 最 も 有 効 である 地 震 保 険 の 補 償 内 容 等 で 満 足 できない 理 由 ( 居 住 用 建 物 N=235 SA) 保 険 金 が 支 払 われる 場 合 の 基 準 ( 全 損 半 損 一 部 損 )が わかりにくいから 総 支 払 限 度 額 が 設 定 されており 大 規 模 な 地 震 が 発 生 した 場 合 に 保 険 金 額 の 全 額 が 支 払 われない 可 能 性 があるから 保 険 料 ( 実 額 )が 高 いから 40.9% 40.0% 51.9% 地 震 保 険 の 保 険 金 額 は 火 災 保 険 の 保 険 金 額 の30%から50%の 範 囲 内 で 設 定 しなくてはならないから 地 震 保 険 は 単 独 で 加 入 することができないから ( 火 災 保 険 とセットで 加 入 しなくてはならないから) 自 動 車 保 険 のように 無 事 故 割 引 のような 制 度 が 無 いから 29.8% 28.1% 38.7% 火 災 以 上 に 地 震 に 対 する 危 機 意 識 の 方 が 大 きいのか? リスクに 対 して 保 険 料 が 割 高 だと 思 ったから 無 事 故 の 場 合 に 保 険 料 の 一 部 を 返 還 する 制 度 が 無 いから 23.0% 27.7% 保 険 料 に 関 する 不 満 としては リスクに 対 する 保 険 料 の 割 高 感 ではなく 保 険 料 実 額 に 課 題 がある 5 年 を 超 える 長 期 の 契 約 ができないから 地 震 保 険 の 保 険 金 額 は 居 住 用 建 物 については5,000 万 円 生 活 用 動 産 については1,000 万 円 が 上 限 だから 地 震 保 険 の 保 険 金 額 は 時 価 額 が 上 限 だから その 他 0.9% 13.6% 12.8% 地 震 保 険 制 度 の 不 満 として 加 入 限 度 額 を 挙 げている 人 は 約 1 割 付 保 割 合 を 挙 げている 人 は 約 4 割 となっている 11.1% 加 入 限 度 額 を 撤 廃 して 極 めて 高 額 な 個 人 資 産 を 政 府 の 関 与 によって 救 済 する 必 要 はないが 付 保 割 合 については 消 費 者 に 選 択 する 機 会 を 与 えても 良 いのではないか 0% 20% 40% 60% Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 21
3. 地 震 保 険 の 現 状 と 課 題 ( 加 入 : 検 討 : ) 地 震 保 険 加 入 者 の 約 2 割 は 加 入 または 非 加 入 について 十 分 な 検 討 をしておらず そのうち4 割 以 上 の 人 は 地 震 保 険 の 補 償 内 容 を 十 分 に 理 解 していない 地 震 保 険 加 入 者 の1 割 近 くは 補 償 内 容 を 十 分 に 理 解 しないまま 地 震 保 険 に 加 入 している 地 震 保 険 の 加 入 または 非 加 入 について 十 分 に 検 討 していないにも 関 わらず 加 入 している 人 の 約 7 割 は 地 震 保 険 に 加 入 している 理 由 として なんとなく 必 要 だと 思 ったから と 回 答 している また 十 分 に 検 討 せずに 加 入 している 人 の4 割 以 上 は 地 震 保 険 の 補 償 内 容 を 理 解 していない 地 震 保 険 に 加 入 している 理 由 ( 居 住 用 建 物 N=119 MA) 地 震 保 険 の 補 償 内 容 の 認 知 状 況 ( 居 住 用 建 物 N=119 SA) なんとなく 必 要 だと 思 ったから 保 険 料 の 負 担 が あまり 気 にならなかったから 保 険 代 理 店 に 勧 められたから 周 囲 の 人 が 加 入 しているから 4.2% 15.1% 22.7% 68.9% 地 震 保 険 の 補 償 内 容 を 知 らない 42.9% 地 震 保 険 の 保 険 金 支 払 い 条 件 や 保 険 金 の 上 限 に 関 する 認 識 がなく 保 険 金 請 求 時 にトラブルが 発 生 する 可 能 性 がある 地 震 保 険 の 補 償 内 容 を 知 っている 57.1% その 他 7.6% 0% 20% 40% 60% 80% 地 震 保 険 の 補 償 内 容 を 知 っている 地 震 保 険 の 補 償 内 容 を 知 らない Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 22
3. 地 震 保 険 の 現 状 と 課 題 ( 加 入 : 検 討 : ) 地 震 保 険 を 不 要 だと 考 えている 人 の 多 くは 被 災 しない もしくは 被 災 したとしても 甚 大 な 被 害 には 至 らない と 考 えている 地 震 保 険 を 不 要 とする 主 な 理 由 として 地 震 または 地 震 被 害 に 対 する 危 機 意 識 の 低 さが 考 えられる 地 震 保 険 非 加 入 者 * の 約 2 割 が 地 震 保 険 を 不 要 と 回 答 し その 主 な 理 由 として 大 規 模 な 地 震 に 被 災 しない もしくは 被 災 したとしても 甚 大 な 被 害 には 至 らない と 考 えている また 現 行 の 地 震 保 険 制 度 について 根 底 から 否 定 的 で 不 要 とする 回 答 も 多 い(その 他 自 由 回 答 ) * 地 震 保 険 の 加 入 または 非 加 入 について まったく 検 討 していない と 回 答 した 人 を 除 く 地 震 保 険 を 不 要 だと 思 う 理 由 ( 居 住 用 建 物 N=162 MA) 地 震 保 険 の 必 要 性 ( 居 住 用 建 物 N=810 SA) 大 規 模 な 地 震 に 遭 遇 したとしても 甚 大 な 被 害 には 至 らないと 思 っているから 27.8% 不 要 だと 思 う 20.0% 共 済 等 に 加 入 しているから そもそも 大 規 模 な 地 震 に 遭 遇 しないと 思 っているから 17.9% 16.7% 必 要 だと 思 う が 加 入 してい ない 80.0% 倒 壊 したとしても 預 貯 金 等 でまかなえるから ( 経 済 的 に 困 らないから) 義 援 金 等 の 公 的 な 支 援 を 期 待 しているから ( 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 を 含 む) 9.9% 13.6% 現 行 の 地 震 保 険 は 補 償 額 が 不 十 分 で 加 入 するそもそもの 目 的 が 達 成 されない 大 規 模 な 地 震 に 被 災 した 場 合 の 再 生 を 諦 めている 必 要 だと 思 うが 加 入 していない 不 要 だと 思 う その 他 29.0% 0% 10% 20% 30% Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 23
3. 地 震 保 険 の 現 状 と 課 題 ( 加 入 : 検 討 : ) 地 震 保 険 非 加 入 者 * の 多 くは 地 震 保 険 の 加 入 が 必 要 と 考 えながらも 加 入 していない 地 震 保 険 非 加 入 者 * の8 割 は 地 震 保 険 の 加 入 が 必 要 だと 考 えながらも 半 数 以 上 の 人 が 補 償 内 容 や 保 険 料 に 満 足 できず 加 入 していない 地 震 保 険 に 加 入 していない 主 な 理 由 として 補 償 内 容 や 保 険 料 に 対 する 不 満 が 挙 げられるが 地 震 保 険 の 加 入 につ いて 検 討 する 消 費 者 と 直 接 の 接 点 を 有 する 保 険 代 理 店 等 の 丁 寧 な 説 明 も 加 入 促 進 に 重 要 である * 地 震 保 険 の 加 入 または 非 加 入 について まったく 検 討 していない と 回 答 した 人 を 除 く 地 震 保 険 の 必 要 性 ( 居 住 用 建 物 N=810 SA) 地 震 保 険 を 必 要 だと 思 いながらも 加 入 していない 理 由 ( 居 住 用 建 物 N=648 MA) 再 掲 地 震 保 険 の 加 入 について 検 討 したが 補 償 内 容 や 保 険 料 等 に 満 足 できなかったから 52.6% 不 要 だと 思 う 20.0% 補 償 内 容 が 難 しく 理 解 するのが 面 倒 臭 くて 検 討 する 気 になれなかったから 26.1% 保 険 代 理 店 等 に 勧 められず 検 討 する 機 会 が なかったから 21.1% 必 要 だと 思 う が 加 入 してい ない 80.0% その 他 9.9% 必 要 だと 思 うが 加 入 していない 不 要 だと 思 う 保 険 料 が 高 すぎる 保 険 料 がもったいない 金 銭 的 に 余 裕 がない 0% 20% 40% 60% Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 24
3. 地 震 保 険 の 現 状 と 課 題 ( 加 入 : 検 討 : ) 地 震 保 険 加 入 者 と 非 加 入 者 * とでは 現 行 の 地 震 保 険 制 度 に 対 する 不 満 が 異 なり 地 震 保 険 非 加 入 者 * の 場 合 は 保 険 料 に 対 する 不 満 が 強 い 地 震 保 険 の 補 償 内 容 等 で 満 足 できない 理 由 ( 居 住 用 建 物 N=341 MA) 保 険 料 ( 実 額 )が 高 いから 71.3% リスクに 対 して 保 険 料 が 割 高 だと 思 ったから 62.2% 総 支 払 限 度 額 が 設 定 されており 大 規 模 な 地 震 が 発 生 した 場 合 に 保 険 金 額 の 全 額 が 支 払 われない 可 能 性 があるから 保 険 金 が 支 払 われる 場 合 の 基 準 ( 全 損 半 損 一 部 損 )が わかりにくいから 地 震 保 険 の 保 険 金 額 は 火 災 保 険 の 保 険 金 額 の30%から50%の 範 囲 内 で 設 定 しなくてはならないから 地 震 保 険 は 単 独 で 加 入 することができないから ( 火 災 保 険 とセットで 加 入 しなくてはならないから) 28.2% 31.4% 40.5% 39.6% 自 動 車 保 険 のように 無 事 故 割 引 のような 制 度 が 無 いから 21.7% 地 震 保 険 の 保 険 金 額 は 時 価 額 が 上 限 だから 無 事 故 の 場 合 に 保 険 料 の 一 部 を 返 還 する 制 度 が 無 いから 20.8% 19.6% 地 震 保 険 の 保 険 金 額 は 居 住 用 建 物 については5,000 万 円 生 活 用 動 産 については1,000 万 円 が 上 限 だから 5 年 を 超 える 長 期 の 契 約 ができないから 11.7% 9.7% * 地 震 保 険 の 加 入 または 非 加 入 について まったく 検 討 していない と 回 答 した 人 を 除 く その 他 1.5% 0% 20% 40% 60% 80% Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 25
3. 地 震 保 険 の 現 状 と 課 題 地 震 保 険 に 関 する 法 律 第 1 条 ( 目 的 ) 地 震 等 による 被 災 者 の 生 活 の 安 定 に 寄 与 することを 目 的 とする 地 震 保 険 は 政 府 が 介 入 している 制 度 だからこそ 必 要 とする 人 に 加 入 してもらえる 商 品 販 売 網 を 整 備 する 必 要 がある 消 費 者 に 対 して 地 震 の 脅 威 についての 理 解 を 促 進 し 地 震 保 険 の 必 要 性 を 判 断 できるだけの 知 識 構 築 の 支 援 が 必 要 である 補 償 内 容 や 保 険 金 の 支 払 い 基 準 料 率 構 造 ( 政 府 介 入 による 低 廉 な 保 険 料 )などをわかりやすく 丁 寧 に 説 明 する 必 要 がある 大 規 模 な 地 震 によって 生 活 が 脅 かされる 可 能 性 が 高 い 層 に 加 入 していただける 保 険 制 度 の 検 討 が 必 要 である 地 震 リスクの 理 解 促 進 補 償 内 容 の 充 実 など 強 い 地 震 保 険 の 加 入 について 検 討 し た 結 果 不 要 だと 判 断 した 検 討 した 結 果 非 加 入 検 討 した 結 果 加 入 地 震 保 険 の 必 要 性 と 補 償 内 容 を 理 解 して 加 入 補 償 内 容 の 理 解 促 進 拡 充 など 大 規 模 な 地 震 に 遭 遇 しても 甚 大 な 被 害 に 至 らないと 思 っている そもそも 大 規 模 な 地 震 に 遭 遇 しない 現 行 の 地 震 保 険 は 補 償 内 容 が 不 十 分 で 十 分 なリ スク 回 避 ができると 思 えない 料 率 構 造 についての 丁 寧 な 説 明 など 地 震 保 険 の 加 入 について 検 討 したが 補 償 内 容 や 保 険 料 に 満 足 できなかったから 保 険 料 ( 実 額 )が 高 い リスクに 対 して 保 険 料 が 割 高 だと 思 った 保 険 金 額 の 全 額 が 支 払 われない 可 能 性 がある 保 険 金 の 支 払 い 基 準 がわかりにくい 意 識 弱 い 地 震 保 険 の 加 入 が 必 要 だと 思 っ てはいるが 非 加 入 あまり 考 えていないが なんとなく 非 加 入 非 加 入 者 の 2 割 以 上 非 加 入 全 く 検 討 していない( 地 震 保 険 を 知 らない 可 能 性 あり) 非 加 入 者 の 約 7 割 地 震 保 険 あまり 考 えていないが なんとなく 加 入 経 済 的 余 裕 から なんとなく 加 入 加 入 者 の 2 割 以 上 加 入 リスクに 関 係 なく 保 険 代 理 店 との 関 係 から 加 入 地 震 保 険 制 度 ( 補 償 内 容 や 保 険 料 )に 満 足 している わけではないが 大 規 模 な 地 震 に 遭 遇 した 場 合 の 補 償 として 地 震 保 険 に 勝 る 制 度 を 知 らないから 保 険 金 の 支 払 い 基 準 がわかりにくい 保 険 金 額 の 全 額 が 支 払 われない 可 能 性 がある 補 償 内 容 の 理 解 促 進 リスクコミュニケーション 能 力 の 育 成 リスクや 補 償 内 容 を 十 分 に 理 解 してはいないが な んとなく 必 要 だと 思 ったから 保 険 金 請 求 時 にトラブルが 発 生 する 可 能 性 がある Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 26
1. 調 査 研 究 の 概 要 2. 住 宅 の 耐 震 化 の 現 状 と 課 題 3. 地 震 保 険 の 現 状 と 課 題 4. 提 言 Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 27
4. 提 言 住 宅 の 耐 震 化 と 地 震 保 険 の 連 携 による 地 震 防 災 対 策 のあり 方 方 向 性 政 府 は 日 本 国 憲 法 における 国 民 保 障 の 観 点 から 国 民 の 生 命 の 安 全 の 確 保 を 目 的 とした 地 震 防 災 対 策 を 支 援 するべきである 旧 耐 震 基 準 の 住 宅 について 命 を 守 る 水 準 の 耐 震 性 の 確 保 を 徹 底 的 に 支 援 するべきである( 耐 震 化 促 進 ) 民 間 の 損 害 保 険 会 社 のみではなし 得 ない 地 震 保 険 を 政 府 支 援 により 提 供 する( 現 行 の 地 震 保 険 制 度 の 継 続 ) また 地 震 保 険 の 目 的 は 被 災 者 の 生 活 の 安 定 に 寄 与 することであり 居 住 用 建 物 等 の 再 建 ではないことから 特 に 地 震 によって 生 活 が 脅 かされる 可 能 性 の 高 い 低 所 得 者 層 の 加 入 を 促 す 施 策 の 検 討 が 必 要 である( 加 入 促 進 ) 民 間 の 損 害 保 険 会 社 が 主 導 し 現 行 の 地 震 保 険 では 担 保 できていない 領 域 を 補 償 する 地 震 保 険 を 開 発 資 産 を 守 る 耐 震 化 に 取 り 組 んでいる 消 費 者 を 対 象 としたインセンティブの 提 供 が 期 待 される 資 産 を 守 る 耐 震 化 に 取 り 組 むことで 地 震 保 険 料 の 割 引 きには 繋 がるが 保 険 金 額 の 上 限 が 撤 廃 されるわけではなく 消 費 者 が 満 足 する 補 償 を 得 ることができているとは 言 い 難 い そこで 命 を 守 る 耐 震 化 を 超 えて 資 産 を 現 行 法 規 で 義 務 付 けられている 耐 震 構 造 の 設 計 目 標 耐 震 構 造 の 限 界 範 囲 (Is 値 0.6) 守 る 耐 震 化 に 取 り 組 んでいる 消 費 者 に 自 助 自 助 生 活 の 安 定 に 寄 与 する 地 震 保 険 自 助 民 間 の 損 害 保 険 会 社 による 新 たな 民 間 の 損 害 保 険 会 社 が 苦 手 とする 領 域 を は 住 宅 の 再 建 が 可 能 な 水 準 まで 補 償 地 震 保 険 生 活 の 政 府 の 政 府 の 支 援 で 商 品 化 ( 現 行 の 地 震 保 険 ) 補 償 の 地 震 保 険 公 助 公 助 被 災 者 に 経 済 的 な 不 安 を 与 えないためにも 公 助 基 本 的 に 被 害 が 生 じない 領 域 を 低 廉 な 保 不 安 支 援 拡 充 険 料 で 損 害 保 険 会 社 が 補 償 ( 新 商 品 開 発 ) できる 保 険 商 品 を 開 発 し 提 供 すること リスクコミュニケーションの 能 力 の 育 成 や 地 耐 震 化 取 り 組 みの 動 機 付 けとして 重 要 な 役 共 助 共 助 震 保 険 の 補 償 内 容 の 理 解 促 進 が 重 要 共 助 割 を 担 う 自 助 努 力 に 対 する が 期 待 される インセンティブ 自 助 自 助 命 を 守 る 耐 震 化 自 助 個 人 の 資 産 を 守 る 耐 震 化 国 民 の 安 全 のために 政 府 支 援 の 耐 震 化 の 領 域 を 超 えて 自 分 自 身 の 財 産 を 守 るために この 保 険 商 品 の 提 供 が 耐 震 化 に 取 り 組 脆 弱 な 政 府 の 生 命 の 確 保 を 目 的 とし 自 助 取 り 組 む 耐 震 化 ( 政 府 は 個 人 の 財 産 補 償 ができない) 耐 震 化 公 助 公 助 た 住 宅 の 耐 震 化 を 支 公 助 耐 震 性 支 援 努 力 この 取 り 組 みに 対 して 民 間 の 損 害 保 険 会 社 が 新 たな 地 震 保 険 を むインセンティブとして 機 能 し 地 震 によ 援 ( 喫 緊 の 課 題 ) 提 供 する( 自 助 努 力 に 対 するインセンティブ( 民 活 )) 共 助 共 助 共 助 る 被 害 の 軽 減 ( 減 災 )と 罹 災 後 の 経 済 的 損 失 の 補 償 の 両 面 に 有 効 に 機 能 する 死 に 至 る 補 修 可 能 な 範 囲 で 建 物 の 補 修 をすることなく 可 能 性 がある 人 命 に 支 障 がでない 建 物 の 損 害 を 免 れる 使 用 できる Copyright(C) 2009 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 28