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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

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●電力自由化推進法案

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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目 改 正 項 目 軽 自 動 車 率 の 引 上 げ 〇 国 及 び 地 方 を 通 じた 自 動 車 関 連 制 の 見 直 しに 伴 い 軽 自 動 車 の 標 準 率 が 次 のとおり 引 き 上 げられます 車 種 区 分 引 上 げ 幅 50cc 以 下 1,000 円 2,000 円

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑


2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

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消 費 ~ 軽 減 率 消 費 の 軽 減 率 制 度 が 消 費 率 10% 時 に 導 入 することとされています 平 成 26 年 4 月 1 日 平 成 27 年 10 月 1 日 ( 予 定 ) 消 費 率 5% 消 費 率 8% 消 費 率 10% 軽 減 率 の 導 入 平 成 26

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別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

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平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

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別紙3

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m07 北見工業大学 様式①

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

能勢町市街化調整区域における地区計画のガイドライン

16 日本学生支援機構

市 町 村 税 の 概 況 市 町 村 税 の 概 況 は 平 成 25 年 度 地 方 財 政 状 況 調 査 平 成 26 年 度 市 町 村 税 の 課 税 状 況 等 の 調 及 び 平 成 26 年 度 固 定 資 産 の 価 格 等 の 概 要 調 書 等 報 告 書 等 の 資 料 に

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1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 有 ( 注 ) 詳 細 は 添 付 資 料 4ページ 2.サマリー 情 報 (

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

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1

公表表紙

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

公 営 企 業 職 員 の 状 況 1 水 道 事 業 1 職 員 給 与 費 の 状 況 ア 決 算 区 分 総 費 用 純 利 益 職 員 給 与 費 総 費 用 に 占 める ( 参 考 ) 職 員 給 与 費 比 率 22 年 度 の 総 費 用 に 占 A B B/A める 職 員 給 与

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 2 年 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制 措 置 を 行 う 前 のものです ( 単 位 : ) 3 職 員 の 平 均 給 与 月

2016年夏のボーナス見通し

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

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No.7 アメリカ 合 衆 国 小 規 模 事 例 (そ4) 助 金 も 財 源 になっている しかし 小 規 模 事 業 体 では 連 邦 政 府 から 基 金 はもちろん 市 から 補 助 金 もまったくない が 実 状 である すなわち 給 人 口 が25 人 から100 人 規 模 小 規

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経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

18 国立高等専門学校機構

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為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 ) 1) 一 般 行 政 職 福 島 県 国 類 似 団 体 平 均 年 齢 平

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 135,600 円 185,800 円 222,900 円 261,900 円

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4 松 山 市 暴 力 団 排 除 条 の 一 部 風 俗 営 業 等 の 規 制 及 び 業 務 の 適 正 化 等 に 関 する 法 律 等 の 改 正 に 伴 い, 公 共 工 事 から 排 除 する 対 象 者 の 拡 大 等 を 図 るものです 第 30 号 H H28.1

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面 積 率

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第316回取締役会議案

資料3 家電エコポイント制度の政策効果等について

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の 提 供 状 況 等 を 総 合 的 に 勘 案 し 土 地 及 び 家 屋 に 係 る 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 減 額 せずに 平 成 24 年 度 分 の 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 課 税 することが 適 当 と 市 町 村 長 が 認 め

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(5) 給 与 改 定 の 状 況 事 委 員 会 が 無 い た め 記 載 し て お り ま せ ん 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 ( 参 考 ) 区 分 民 間 給 与 A 公 務 員 給 与 B 較 差 A - B 勧 告 ( 改 定 率 ) 給 与 改 定 率 国 の 改

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表紙

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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2. 建 築 基 準 法 に 基 づく 限 着 色 項 目 の 地 区 が 尾 張 旭 市 内 にはあります 関 係 課 で 確 認 してください 項 目 所 管 課 窓 口 市 役 所 内 電 話 備 考 がけに 関 する 限 (がけ 条 例 ) 都 市 計 画 課 建 築 住 宅 係 南 庁 舎

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

文化政策情報システムの運用等

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IEEJ: 2008 年 7 月 掲 載 サマリー 合 成 燃 料 の 現 状 と 今 後 の 動 向 について 平 井 晴 己 松 尾 雄 司 宇 野 宏 永 富 悠 石 炭 天 然 ガス バイオマスなど 炭 化 水 素 を 起 源 とするものの そのまま 利 用 するに は 制 約 があるため ガス 化 ( 分 解 ) 合 成 を 行 い 新 たな 炭 化 水 素 ( 常 温 常 圧 で 液 体 )を 合 成 する いわゆる 合 成 燃 料 について その 現 状 と 今 後 の 動 向 について 調 査 を 行 った 1. 導 入 状 況 と 今 後 の 見 通 し (1) 中 東 を 中 心 とした GTL の 大 型 プロジェクトは 天 然 ガス 価 格 や 建 設 コストの 高 騰 により 採 算 性 が 悪 化 一 部 を 除 いて その 多 くが 計 画 中 止 となっている (2) 安 価 な 国 内 炭 を 利 用 した 中 国 での CTL や DME プロジェクトは 着 実 に 進 められて おり 今 後 の 導 入 は 進 むと 見 られる 2. 経 済 性 (1) 建 設 コストや 原 料 価 格 の 上 昇 により 生 産 コストは 上 昇 している (2) 安 価 な 石 炭 を 原 料 とする 場 合 には 軽 油 と 同 程 度 の 経 済 性 を 有 する 場 合 がある 3. 環 境 性 燃 焼 時 のクリーン 性 は 高 いが 製 造 過 程 では 多 くのエネルギー 投 入 が 必 要 なため LCA 評 価 での CO2 排 出 量 は 軽 油 より 多 くなるのが 一 般 的 である( 原 料 がバイオの 場 合 を 除 く) 合 成 燃 料 は 既 存 のインフラをそのまま 利 用 でき 環 境 特 性 に 優 れたクリーンな 燃 料 で ある また 原 料 の 多 様 性 は エネルギーの 安 定 供 給 という 点 からもその 価 値 は 高 いと 考 え られる 経 済 性 やエネルギー 効 率 の 面 では 課 題 は 多 いものの 中 長 期 的 な 観 点 から 積 極 的 に 取 り 組 む 必 要 があると 考 えられる お 問 合 せ: report@tky.ieej.or.jp

合 成 燃 料 の 現 状 と 今 後 の 動 向 について 計 量 分 析 ユニット 研 究 主 幹 研 究 員 研 究 員 研 究 員 平 井 晴 己 松 尾 雄 司 宇 野 宏 永 富 悠 はじめに 炭 化 水 素 が 燃 焼 ( 酸 化 )される 際 に 発 生 する 熱 エネルギーを 取 り 出 して 利 用 する 場 合 1 そのままボイラー 燃 料 として 燃 焼 するのが 最 も 効 率 的 である 炭 化 水 素 を 加 工 変 換 ( 分 解 再 結 合 )することは エネルギーの 新 たな 投 入 が 必 要 となり プロセスの 全 工 程 を 考 慮 す るならば 効 率 は 低 下 するからである しかしながら 輸 送 用 燃 料 としての 利 用 を 考 えた 場 合 には 特 に 石 炭 やバイオマスは 何 らかの 方 法 で 内 燃 機 関 用 としての 利 用 が 可 能 な 形 態 に 変 換 することが 必 要 となる ガソリンや 軽 油 といった 石 油 系 燃 料 と 同 様 に 常 温 常 圧 で 液 体 に 変 換 することは 既 存 の 石 油 系 燃 料 のインフラを 殆 どそのまま 利 用 できることか ら 最 も 利 便 性 の 高 い 利 用 方 法 となる このように 利 便 性 と 経 済 性 やエネルギー 効 率 については トレードオフの 面 があるものの 全 体 としての 費 用 対 効 果 をどう 判 断 するか という 点 から 議 論 して 行 く 必 要 がある 本 稿 で 扱 う 合 成 燃 料 とは 同 じ 炭 化 水 素 を 起 源 とするものの そのまま 利 用 するには 制 約 のあるもの すなわち 固 体 である 石 炭 やバイオマス あるいは 気 体 である 天 然 ガスを 一 旦 は 分 解 して 必 要 に 応 じて 目 的 物 である 炭 化 水 素 を 再 合 成 して 得 られた 液 体 ( 常 温 常 圧 )を 合 成 燃 料 と 定 義 し 具 体 的 には FT 法 (フィッシャー トロプッシュ 法 )によって 生 産 される FT 合 成 油 と DME に 関 する 現 状 と 今 後 の 動 向 について 合 成 燃 料 の 導 入 状 況 と 今 後 の 計 画 原 料 の 需 給 合 成 燃 料 の 経 済 性 と LCA 評 価 各 地 域 における 合 成 燃 料 の 導 入 ポテンシャルに 関 してまとめる 第 1 章 序 論 1-1 合 成 ガス 燃 料 の 位 置 づけ 合 成 ガスから 炭 化 水 素 を 合 成 する 手 法 は 1920 年 代 ドイツにおいて 石 炭 を 原 料 とし て 確 立 したプロセスで その 創 始 者 の 名 をとり FT 法 (フィッシャー トロプッシュ 法 ) と 呼 ばれる ほぼ 同 時 期 にドイツでベルギウスにより 石 炭 の 直 接 液 化 のプロセスが 開 発 さ れるが 石 炭 の 液 体 燃 料 化 に 関 しては ベルギウス 法 を 直 接 液 化 FT 法 を 間 接 液 化 1 この 他 森 田 研 究 理 事 奥 村 研 究 主 幹 中 西 研 究 主 幹 ( 現 新 日 本 石 油 ) 洪 主 任 研 究 員 ( 現 SK エ ナジー) 姜 主 任 研 究 員 ( 現 韓 国 石 油 品 質 管 理 院 )にも 多 大 な 協 力 と 支 援 を 頂 いた 正 確 に 記 述 すれば Σ 乖 離 エネルギー(C-C C-H O-O など)とΣ 結 合 エネルギー(C-O H-O な ど)の 差 額 を 取 り 出 すということである 1

として 区 分 する 慣 わしがある いずれにしろ 合 成 燃 料 の 製 造 は 各 種 の 炭 化 水 素 を 分 解 して 合 成 ガスを 製 造 して さらにそれを 原 料 として 再 合 成 するという 一 般 的 な 化 学 熱 力 学 反 応 である 有 機 合 成 反 応 と 定 義 できる バイオマスから 酵 素 による 発 酵 反 応 を 介 して 製 造 されるエタノールなど いわゆる 生 化 学 反 応 とは 触 媒 反 応 温 度 圧 力 収 率 熱 効 率 などが 大 きく 異 なる 炭 化 水 素 化 合 物 である 天 然 ガス 石 炭 バイオマスから どういう 形 態 でエネルギーを 取 り 出 すのか そ の 代 表 的 な 経 路 について 図 1-1-1に 示 した 図 1-1-1 合 成 燃 料 の 位 置 づけ 2 利 用 形 態 輸 送 媒 体 輸 送 媒 体 利 用 形 態 < 化 学 的 変 換 > GTL/CTL/ BTL 輸 送 用 燃 料 パイプライン 電 力 天 然 ガス メタノール オレフィン 化 学 原 料 合 成 ガス LNG 石 炭 輸 送 用 燃 料 DME 電 力 熱 石 炭 バイオマス バイオマス アンモニア ( 尿 素 ) 石 炭 液 化 油 肥 料 輸 送 用 燃 料 化 学 原 料 < 物 理 的 変 換 > 発 酵 ( 生 化 学 反 応 ) エタノール < 生 化 学 的 変 換 > 1-2 プロセスの 概 要 1-2-1 プロセスの 概 要 合 成 燃 料 の 製 造 プロセスは 3 つの 段 階 に 分 かれる 1 第 1 段 階 : 合 成 ガスの 製 造 2 第 2 段 階 : 合 成 ガスを 原 料 として 粗 燃 料 を 合 成 3 第 3 段 階 : 粗 燃 料 のアップグレーディング( 水 素 化 改 質 異 性 化 ) 2 物 理 的 変 換 の 部 分 LNG あるい 石 炭 から 電 力 に 変 換 されて 利 用 される 場 合 厳 密 には 1 熱 に 変 換 ( 蒸 気 ボイラー ガスタービンなど)された 後 2 動 力 を 経 由 して 3 電 気 に 変 換 されることになるが 図 中 では 間 を 省 略 している 2

第 1 段 階 で 原 料 となる 炭 化 水 素 源 を 分 解 して 合 成 ガス(CO+H2)をつくり 第 2 段 階 で 合 成 ガスから 目 的 生 産 物 を 合 成 する 様 々な 分 子 量 を 持 つ 炭 化 水 素 の 合 成 ( 以 下 FT 合 成 という)を 行 うか メタノールや LPG と 性 質 が 似 た DME(ジメチルエーテル)など 単 一 製 品 の 合 成 を 行 うかによって 反 応 温 度 条 件 などプロセスの 詳 細 は 若 干 異 なることになる 第 3 段 階 はメタノールや DME の 場 合 は 不 純 物 ( 高 級 アルコールなど)を 除 去 すること になるが FT 合 成 油 の 場 合 は 直 鎖 の 炭 化 水 素 化 合 物 が 炭 素 数 の 小 さいものから 大 きい ものへと 連 続 的 に 合 成 されるため 高 分 子 化 合 物 の 分 解 低 分 子 化 ( 水 素 化 分 解 ) 直 鎖 構 造 の 異 性 化 ( 分 枝 化 )や 芳 香 族 化 ( 環 状 化 脱 水 素 )によって 付 加 価 値 の 高 い 多 様 な 製 品 を 製 造 する 過 程 となる FT 合 成 油 メタノール DMEの 合 成 経 路 を 図 1-2-1に 概 念 化 して 示 した 図 1-2-1 GTL DME メタノールの 合 成 プロセス 概 略 脱 硫 H 2 O H 2 合 成 ガス 製 造 ( 自 己 熱 改 質 ) ( 部 分 酸 化 ) O 2 H 2 /CO = 2 FT 合 成 (ワックス) 精 製 処 理 ( 水 素 化 分 解 ) ( 異 性 化 ) 蒸 留 ナフサ 灯 油 軽 油 H 2 O 脱 硫 合 成 ガス 製 造 ( 自 己 熱 改 質 ) DME 合 成 粗 DME 蒸 留 DME O 2 H 2 /CO = 2 H 2 O 脱 硫 合 成 ガス 製 造 ( 自 己 熱 改 質 ) ( 水 蒸 気 改 質 ) メタノール 合 成 粗 メタノール 蒸 留 メタノール O 2 H 2 /CO = 2~3 1-2-2 合 成 ガスの 製 造 合 成 ガスの 製 造 は FT 合 成 燃 料 DME などの 分 野 だけではなく 石 油 精 製 における 水 素 の 製 造 ( 原 料 は LPG ナフサ オフガスなど) 都 市 ガスの 製 造 ( 原 料 は 主 にナフサ)あ るいは IGCC(ガス 化 複 合 発 電 原 料 は 石 炭 残 渣 油 )など 幅 広 い 分 野 で 行 われているが 合 成 ガス 製 造 の 基 本 反 応 式 は 以 下 の3つに 要 約 できる 1 部 分 酸 化 CH 4 + 1/ 2O 2 CO+2H 2 ( 発 熱 反 応 ) 2 水 蒸 気 改 質 CH 4 + H 2O CO+ H 2O + 3H 2 ( 吸 熱 反 応 ) 3 水 ガスシフト 反 応 CO + H2O CO2+H 2 ( 吸 熱 反 応 ) 部 分 酸 化 法 とは 完 全 燃 焼 に 必 要 な 理 論 酸 素 量 よりも 低 い 酸 素 濃 度 で 不 完 全 燃 焼 させる ものである 石 炭 やバイオマスの 場 合 は 部 分 酸 化 法 によって 合 成 ガスが 製 造 されるが 合 成 ガスの H2/CO 比 は FT 合 成 で 必 要 とされる 3:1 よりも 低 いため 水 ガスシフト 反 応 3

により 水 素 比 を 上 げる 必 要 がある 水 蒸 気 改 質 反 応 はメタンなどの 低 炭 化 水 素 化 合 物 の 場 合 に 利 用 されることが 多 いが 部 分 酸 化 法 あるいは 両 方 を 組 み 合 わせる 自 己 熱 改 質 法 (ATR)を 用 いる 場 合 もある 天 然 ガ スから 水 蒸 気 改 質 法 により 製 造 された 合 成 ガスは 水 素 比 が 高 いため 水 ガスシフト 反 応 を 利 用 する 必 要 がない 1-2-3 FT 合 成 FT 合 成 のプロセスは 各 種 の 触 媒 が 充 填 された 反 応 器 に 組 成 (H2/CO 比 )を 調 整 した 合 成 ガスを 導 入 し 合 成 反 応 を 行 うプロセスである 反 応 により 直 鎖 の 炭 化 水 素 のほかにオ レフィンやアルコール 類 その 他 さまざまな 副 反 応 生 成 物 が 生 成 する nco + (2n + 1)H 2 CnH2n + 2 + H2O CO + H O CO + 2 2 H 2 FT 合 成 における 反 応 は 鎖 が 成 長 する 一 種 の 重 合 反 応 であり 縦 軸 を 対 数 軸 とし 横 軸 に 炭 素 数 をとると 生 成 するパラフィンの 分 子 量 は 直 線 で 示 される この 反 応 は 下 記 の Anderson-Flory-Schults 重 合 速 度 式 に 従 うものと 仮 定 される Log(W i / Ci ) = (log α)ci + K Ci: 炭 素 数 K: 定 数 Wi: 炭 素 数 Ci の 生 成 物 の 留 分 重 量 α = R p /(R p + R α: 鎖 が 成 長 する 確 率 Rp: 重 合 速 度 Rt: 終 速 度 図 1-2-2 触 媒 選 択 に 対 する 生 成 物 の 分 子 鎖 分 布 t ) ( 出 所 )P.J.A. Tijm et. al., Proceedings of Gastech 93, Feb. 16-19, 1993 4

重 合 反 応 は 鎖 の 成 長 速 度 に 対 する 鎖 の 集 結 速 度 の 確 率 αで 示 され この 値 が 高 ければ 分 子 鎖 が 長 くなり 生 成 物 はよりパラフィンに 富 む 反 応 温 度 で 見 ると 一 般 に 330~350 の 場 合 ガソリン 留 分 とオレフィン 類 が 主 に 生 成 し 180~250 では 軽 油 留 分 とワックス が 主 に 生 成 する FT 合 成 においては 得 られる 製 品 は 炭 素 数 の 多 い 直 鎖 の 炭 化 水 素 が 中 心 となるため( 主 にワックス) 表 1-2-1に 示 すように 流 動 点 が 高 い この 合 成 油 を 水 素 化 分 解 により 低 分 子 化 を 行 うと ナフサや 灯 軽 油 といった 留 分 に 相 当 する 炭 素 数 をもった 留 分 が 多 い 液 体 の 合 成 燃 料 油 に 転 換 される 分 解 の 反 応 条 件 を 変 えることによりナフサ 灯 油 軽 油 相 当 留 分 (C10~C20)の 収 率 を 高 めることが 出 来 る 合 成 油 は さらに 蒸 留 により 各 々の 留 分 に 分 別 される ShellのSMDSプロセスでは 運 転 条 件 により 軽 油 収 率 最 大 型 (ナ フサ 15% 灯 油 25% 軽 油 60%)と 灯 油 収 率 最 大 型 (ナフサ 25% 灯 油 50% 軽 油 25%) に 変 更 が 可 能 とされる 表 1-2-1 Sasol SSPD プロセスによる 一 次 生 成 物 の 性 状 FT 合 成 油 アラビアン スマトラ ブレント ライト ライト API 比 重 46.5 32.3 38.3 35.0 硫 黄 分 ppm <10 19,000 4,000 <1,000 窒 素 分 ppm <10 1,100 1,300 1,200 流 動 点 60-18 -45 38 軽 油 留 分 Vol% 52 46 49 40 重 質 油 分 Vol% 40 42 37 52 ( 出 所 )Thi Chang, Oil & Gas Journal, Dec. 18, 2000 原 料 別 の FT 合 成 油 製 造 プロセスフローを 以 下 に 示 す 図 1-2-3 天 然 ガス 由 来 FT 合 成 油 製 造 プロセスフロー 5

酸 素 水 蒸 気 天 然 ガス 脱 硫 自 己 熱 改 質 (ATR) 不 純 物 除 去 熱 回 収 等 水 素 回 収 合 成 ガス 水 素 合 成 ガス FT 合 成 液 体 炭 化 水 素 分 解 改 質 炭 化 水 素 回 収 蒸 気 リサイクルガス CO 2 回 収 発 電 電 力 CO 2 図 1-2-4 石 炭 由 来 FT 合 成 油 製 造 プロセスフロー 酸 素 硫 黄 石 炭 前 処 理 ( 乾 燥 粉 砕 ) ガス 化 合 成 ガス 前 処 理 ( 不 純 物 除 去 等 ) 合 成 ガス スラッジ 合 成 ガス FT 合 成 液 体 炭 化 水 素 炭 化 水 素 回 収 分 解 改 質 液 体 燃 料 製 品 蒸 気 CO 2 回 収 脱 水 / 圧 縮 水 素 回 収 水 素 CO 2 H 2 O 自 己 熱 改 質 (ATR) 酸 素 水 蒸 気 図 1-2-5 バイオマス( 木 材 ) 由 来 FT 合 成 油 製 造 プロセスフロー 6

水 蒸 気 木 材 乾 燥 間 接 ガス 化 合 成 ガス 前 処 理 ( 不 純 物 除 去 等 ) 合 成 ガス チャー 水 素 合 成 ガス FT 合 成 液 体 炭 化 水 素 炭 化 水 素 回 収 分 解 改 質 液 体 燃 料 製 品 蒸 気 発 電 電 力 1-2-4 メタノール DMEの 合 成 プロセス 1 メタノールの 合 成 反 応 メタノール 合 成 では 銅 系 の 触 媒 が 用 いられる 合 成 ガスを 用 いたメタノール 合 成 反 応 式 は 以 下 のように 表 せる CO + 2H 2 CH 3OH 合 成 ガスからのメタノール 合 成 の 歴 史 は 古 く 1923 年 にドイツの BASF によって 最 初 に 工 業 的 生 産 が 行 なわれた 初 期 には 反 応 圧 力 が 100 気 圧 以 上 である 高 圧 法 と 呼 ばれるプロ セスで 生 産 が 行 われていたが 1959 年 にイギリスの ICI が 新 触 媒 を 開 発 し 反 応 圧 力 50 気 圧 という 低 圧 メタノール 合 成 の 工 業 化 に 成 功 した 低 圧 法 の 開 発 によりメタノール 製 造 のためのエネルギー 原 単 位 は 著 しく 低 減 された メタノール 合 成 反 応 においては 1パス の 転 化 率 が 40% 程 度 であることと 反 応 熱 を 除 去 する 目 的 から 多 量 の 未 反 応 ガスをリサイク ルする 必 要 がある このため 生 産 規 模 の 上 限 が 2,500 トン/ 日 程 度 と 小 さいという 問 題 点 があるが メタノール 生 産 大 手 の Methanex 社 がチリで 進 めている Mega プロジェクトの 生 産 能 力 は 5,000t/ 日 規 模 に 拡 大 している 2 DME の 合 成 反 応 DME の 合 成 には 合 成 ガスからメタノールを 製 造 し 脱 水 する 事 で DME を 得 る 間 接 法 と 合 成 ガスから 直 接 DME を 合 成 する 直 接 法 がある 間 接 法 現 在 化 学 製 品 としての DME は 需 要 が 少 ないためにメタノールを 原 料 とした 脱 水 反 応 7

で 製 造 されている DME 合 成 に 関 与 する 反 応 式 は 以 下 のように 表 される この 製 造 プロセ スはメタノールを 経 由 する 2 段 階 法 ( 間 接 法 )といえる 第 一 段 階 :(メタノール 合 成 ) 第 二 段 階 :( 脱 水 反 応 ) 2 3 CO + 4H 2 2CH OH + 2 2 43.4kcal/ mol CH3 OH CH3OCH3 + H O + 5.6kcal/ mol 間 接 法 は 合 成 ガスを 従 来 のメタノール 合 成 技 術 により メタノールに 転 換 し 脱 水 して DME に 転 換 する 方 法 である 既 存 のメタノール 合 成 技 術 と 脱 水 技 術 の 組 み 合 わせであり 成 熟 技 術 といえる 代 表 的 な 技 術 提 供 者 に 三 菱 ガス 化 学 東 洋 エンジニアリング Lurgi(ド イツ)があげられる 直 接 法 合 成 ガスから 直 接 製 造 する 技 術 については Haldor Topsoe Air Products and Chemicals が 開 発 を 行 なっている 日 本 では JFE を 中 心 に 技 術 開 発 プロジェクトが 進 められている しかし いずれも 現 状 はパイロットプラントの 運 転 段 階 で 止 まっており 工 業 生 産 には 至 っていない DME の 直 接 合 成 プロセスでは メタノール 合 成 と 同 様 の 銅 系 触 媒 に 脱 水 機 能 を 付 与 した 二 元 機 能 触 媒 を 用 いている 合 成 ガスから DME が 製 造 される 場 合 の 総 括 的 反 応 式 は 以 下 の 2 つの 式 で 表 される 発 熱 反 応 であるため 効 率 的 に 反 応 熱 を 除 去 し 温 度 を 制 御 することが 必 要 である 反 応 式 A: 3CO + 3H 2 CH3OCH3 + CO2 + 58.8kcal/ mol (H 2 /CO 比 が 1 である 合 成 ガスを 原 料 とする 場 合 の 反 応 : 石 炭 など 水 素 が 少 ない 原 料 ) 反 応 式 B: 2CO + 4H 2 CH3OCH3 + H 2O + 49.0kcal / mol (H 2 /CO 比 が 2 である 合 成 ガスを 原 料 とする 場 合 の 反 応 : 天 然 ガスなどが 原 料 の 場 合 ) 間 接 法 と 直 接 法 の 比 較 直 接 法 は 間 接 法 よりもプロセスが 簡 素 化 され 比 較 的 低 い 圧 力 下 で 総 合 転 化 率 を 高 める 事 ができるため より 効 率 的 な DME 生 産 法 として 研 究 が 行 われている 図 1-2-6 石 炭 を 原 料 とした DME 合 成 プロセスフロー 図 ( 直 接 法 ) 8

高 圧 蒸 気 蒸 気 二 酸 化 炭 素 パージガス 二 酸 化 炭 素 蒸 気 酸 素 石 炭 ガス 化 シフト 反 応 脱 硫 脱 二 酸 化 炭 素 DME 合 成 精 製 DME 石 炭 スラッジ 硫 黄 メタノール 水 出 所 : 石 炭 を 原 料 とした 新 クリーン 燃 料 DME の 製 造 日 本 エネルギー 学 会 (2003) 等 より 作 成 9

第 2 章 合 成 燃 料 の 導 入 状 況 2-1 FT 合 成 燃 料 の 導 入 状 況 FT 合 成 燃 料 には 原 料 の 種 類 により GTL(Gas to liquids) CTL(Coal to liquids) BTL(Biomass to liquids)に 区 分 される CTL は 一 般 的 には FT 法 ( 間 接 法 )を 指 すもので あるが これと 異 なる 直 接 液 化 法 を 含 む 場 合 があるので 注 意 を 要 する 2-1-1 GTLプロジェクト GTL はクリーンな 燃 料 として 世 界 的 に 注 目 されており 各 国 で 多 くのプロジェクトが 計 画 されたが ここ 数 年 にいたる 原 油 価 格 の 高 騰 は 原 材 料 価 格 や 人 件 費 の 高 騰 へと 波 及 し その 建 設 費 用 は 数 倍 までに 跳 ね 上 がることとなった このため 多 くの 計 画 は 中 止 延 期 を やむなくされているのが 現 状 である (1) カタール( 表 2-1-1) カタールのラスラファンに サソールシェブロン 社 ( 南 アフリカのサソール 社 とシェブ ロン 社 の 合 弁 会 社 )と 国 営 カタール 石 油 (QPC)との 合 弁 会 社 Oryx GTL 社 による GTL プラントが 2006 年 6 月 に 完 成 し 2007 年 1 月 より 稼 動 が 開 始 された これはノースフィ ールドガス 田 の 天 然 ガスを 原 料 として 3.4 万 B/D の 生 産 能 力 を 有 する 世 界 初 の 商 業 規 模 の GTL プラントであるが 触 媒 系 の 不 具 合 と 思 われる 運 転 トラブル( 注 :サソール 社 自 身 は 原 因 を 発 表 していない)のため 数 千 B/D の 低 稼 働 となっている これと 並 行 してシェル 社 と 国 営 カタール 石 油 合 弁 による 世 界 最 大 級 の GTL プロジェクト (Pearl GTL)が 進 められているが ノースフィールドガス 田 の 天 然 ガスを 原 料 として 生 産 能 力 7 万 B/D のプラントを 2 基 建 設 するもので 投 資 額 は 当 初 想 定 された 50 億 ドルから 一 挙 に 120~180 億 ドルに 跳 ね 上 がったものの シェル 社 はこの 計 画 を 進 めるとしている 一 方 エクソンモービル 社 と 国 営 カタール 石 油 によるプロジェクト(Palm プロジェクト 生 産 能 力 :15.4 万 B/D) コノコフィリップス 社 によるプロジェクト( 生 産 能 力 :16 万 B/D) および Marathon 社 によるプロジェクト( 生 産 能 力 :6 万 B/D)は 計 画 中 止 となった 表 2-1-1 カタールにおける 主 な GTL プロジェクト 開 発 者 プロジェクト 名 生 産 能 力 投 資 額 備 考 サソールシェブロン 社 カタール 石 油 Oryx1 3.4 万 B/D 30 億 ドル 世 界 初 の 商 業 規 模 プラント サソールシェブロン 社 Oryx2 6.6 万 B/D - Oryx1の 拡 張 計 画 開 始 時 期 不 明 シェル 社 カタール 石 油 Pearl GTL 14 万 B/D 120~180 億 ドル - エクソンモービル 社 カタール 石 油 Palm 15.4 万 B/D - 計 画 中 止 コノコフィリップス 社 - 16 万 B/D - 計 画 中 止 Marathon 社 - 6 万 B/D - 計 画 中 止 ( 出 所 ) PEC 海 外 石 油 情 報 ミニリポート JOGMEC 石 油 天 然 ガスレビュー 等 各 種 資 料 より 作 成 10

(2) アフリカ( 表 2-1-2) ナイジェリアにおいては シェブロンナイジェリア 社 とナイジェリア 国 営 石 油 との 共 同 プロジェクト(Escravos GTL)が 進 行 中 である 同 プロジェクトのプラント 規 模 は 3.4 万 B/D であり 建 設 費 高 騰 を 理 由 に 当 初 計 画 よりも 遅 れての 進 行 である アルジェリアにおいて 計 画 されていた Tinrhert プロジェクト( 生 産 能 力 :3.6 万 B/D) は 建 設 費 高 騰 のため 建 設 計 画 が 中 止 となった なお 南 アフリカの 国 営 石 油 会 社 PetroSA 社 は サソールの 技 術 により 沖 合 いガス 田 から 生 産 される 天 然 ガスを 原 料 に GTL の 生 産 を 行 っている(モッセルベイ 工 場 ) 表 2-1-2 アフリカにおける 主 な GTL プロジェクト 開 発 者 場 所 (プロジェクト 名 ) 生 産 能 力 投 資 額 備 考 シェブロンナイジェリア 社 ナイジェリア 国 営 石 油 シントロリウム 社 Ivanhoe 社 - ナイジェリア (Escravos GTL) ナイジェリア アルズー (Ajeプロジェクト) アルジェリア (Tinrhert 統 合 PJの 一 部 ) エジプト ( 出 所 )PEC 海 外 石 油 情 報 ミニリポート 等 各 種 資 料 より 作 成 3.4 万 B/D - 遅 延 見 込 み - - - 3.6 万 B/D - 建 設 費 高 騰 のため 計 画 中 止 4.5~ 9 万 B/D - 構 想 段 階 (3) その 他 ( 表 2-1-3) マレーシアのビンツルでは 1993 年 Shell MDS 社 により GTL プラントの 建 設 運 転 が 開 始 された このプラントは 南 シナ 海 の 海 洋 油 田 のガスを 原 料 として 1.47 万 B/D の GTL 燃 料 を 生 産 しているが 1997 年 に 爆 発 事 故 により 休 止 したものの 2000 年 に 再 稼 動 した Rentech 社 は ボリビアにて GTL Bolivia 社 (Rentech プロセスのライセンシー) と 共 同 で GTL プラントを 建 設 する 計 画 であったが ボリビアの 政 情 が 不 安 定 であることが 原 因 で 実 現 には 至 っていない パプアニューギニアでは クウェート 海 外 石 油 探 査 会 社 KUFPEC 社 (クウェート 国 営 石 油 会 社 KPC の 子 会 社 )とシントロリウム 社 による 生 産 能 力 5 万 B/D の GTL プラントの 建 設 計 画 がある シェル 社 はロシアのガスプロム 社 と 共 同 で シベリア 西 部 にロシア 初 の GTL プラント 建 設 の 検 討 を 行 ったが 計 画 はとりやめとなった 表 2-1-3 その 他 地 域 における 主 な GTL プロジェクト 開 発 者 場 所 (プロジェクト 名 ) 生 産 能 力 投 資 額 備 考 マレーシア Shell MDS 社 1.47 万 B/D - 1993 年 実 用 化 ビンツル Rentech 社 GTL Bolivia 社 Rentech 社 プルタミナ 社 シェル 社 ガスプロム 社 シントロリウム 社 KUFPEC 社 BP 社 ボリビア 1 万 B/D - インドネシア スラウェシ 島 シベリア 西 部 ナディム 1.65 万 B/D - - - 計 画 中 止 2001 年 建 設 の 覚 書 を 締 結 も 政 情 不 安 により 建 設 延 期 構 想 段 階 ( 開 始 時 期 不 明 ) パプアニューギニア 5 万 B/D - - コロンビア ( Casanare PJ) 8.4 万 B/D - 構 想 放 棄 ( 出 所 ) ( 財 ) 石 油 産 業 活 性 化 センター PEC 海 外 石 油 情 報 ミニリポート 等 各 種 資 料 より 作 成 11

2-1-2 CTLプロジェクト 南 アフリカのサソール 社 が 1955 年 にサソールブルグにて 石 炭 から 合 成 石 油 のサンプルを 製 造 したのが CTL の 始 まりであり 同 社 はセクンダにある 世 界 で 唯 一 の 商 業 規 模 の CTL プラントにて 15 万 B/D の CTL 燃 料 を 製 造 している 国 内 外 の 市 場 の 成 長 に 対 応 すべく 現 在 その 生 産 能 力 を 18 万 B/D まで 増 強 した そのほかに 石 炭 資 源 を 豊 富 に 有 する 中 国 やアメリカを 中 心 にして CTL プラント 建 設 プロジェクトがいくつか 進 められている (1) 中 国 ( 表 2-1-4) 内 モンゴル 自 治 区 の Erdos においては 中 国 最 大 の 石 炭 会 社 である 国 営 の 神 華 集 団 公 司 が 直 接 液 化 による 生 産 能 力 2 万 B/D 投 資 額 16 億 ドルの CTL プラントを 建 設 しており 2008 年 生 産 開 始 を 予 定 している また 同 プラントを 10 万 B/D 規 模 に 増 強 することも 計 画 されている 一 方 伊 泰 集 団 公 司 も 内 モンゴル 自 治 区 において 直 接 液 化 による 生 産 能 力 3,500B/D のプラントにて CTL 燃 料 を 2008 年 に 生 産 開 始 の 予 定 である 山 西 省 の 楡 林 (Yulin)においては 2 件 の CTL プラント 建 設 計 画 がある 1つは 神 華 集 団 公 司 と 南 アフリカのサソール 社 が 間 接 液 化 による 生 産 能 力 12 万 B/D 投 資 額 50 億 ドルの CTL プラントについて 2013 年 操 業 開 始 に 向 けて 事 業 化 調 査 を 進 めている もう 1つは 山 東 Yankuang 集 団 公 司 による 生 産 能 力 2 万 B/D( 直 接 液 化 ) 投 資 額 1,000 億 元 の CTL プラント 建 設 計 画 であり 2012 年 の 生 産 開 始 を 予 定 している このプラントは 実 証 化 プラントであり 現 在 認 可 待 ちの 段 階 である なお 第 一 段 階 で 10 万 B/D に 第 二 段 階 で 20 万 B/D に 増 強 される 予 定 である 寧 夏 回 族 自 治 区 においては 神 華 寧 夏 煤 業 集 団 公 司 が 2 件 のプロジェクトを 進 めている 前 者 は 南 アフリカのサソール 社 と 共 同 で 間 接 液 化 による 生 産 能 力 8 万 B/D の CTL プラ ント 建 設 計 画 であり 2013 年 操 業 開 始 を 目 指 して 事 業 化 調 査 を 行 っている 後 者 は ロ イヤルダッチシェル 社 と 共 同 で 間 接 液 化 による 7 万 B/D の CTL プラント 建 設 計 画 であり 2012 年 の 生 産 開 始 を 予 定 している CTLによる 生 産 量 を 2020 年 には 100 万 B/D 1 ( 石 炭 消 費 量 2 億 トン/ 年 )まで 増 加 さ せるという 目 標 もあるが 上 述 してきた 中 国 の 主 要 プロジェクトのうち 実 現 性 のあるも のを 積 算 すれば 2020 年 頃 には およそ 30 万 B/D 程 度 と 見 るのが 妥 当 なところと 言 えよう いずれにしろ 今 後 中 国 でCTL 事 業 が 本 格 化 して 拡 大 するかどうかは 中 国 最 大 の 石 炭 グループである 神 華 集 団 公 司 がサソール 社 及 びシェル 社 と 進 めているCTLプロジェクトの 成 功 が 鍵 といわれており 中 国 政 府 もこれら 両 プロジェクトの 成 行 きを 注 視 している 1 2006 年 の IEA ワークショップ 12

表 2-1-4 中 国 における 主 な CTL プロジェクト 神 華 集 団 公 司 伊 泰 集 団 公 司 神 華 集 団 公 司 サソール 社 開 発 者 場 所 (プロジェクト 名 ) 生 産 能 力 投 資 額 備 考 山 東 Yankuang 集 団 公 司 神 華 寧 夏 煤 業 集 団 公 司 サソール 社 神 華 寧 夏 煤 業 集 団 公 司 ロイヤルダッチシェル 社 Lu'an 集 団 公 司 等 内 モンゴル 自 治 区 (Erdos PJ) 内 モンゴル 自 治 区 山 西 省 楡 林 (Yulin) 山 西 省 楡 林 (Yulin) 寧 夏 回 族 自 治 区 寧 夏 回 族 自 治 区 山 西 省 屯 留 (Tunliu) 2 万 B/D ( 直 接 液 化 ) 16 億 ドル 3,500B/D ( 直 接 液 化 ) 2008 年 生 産 開 始 予 定 10 万 B/D 規 模 に 増 強 予 定 - 2008 年 生 産 開 始 予 定 12 万 B/D ( 間 接 液 化 ) 50 億 ドル 2013 年 操 業 開 始 予 定 2 万 B/D ( 直 接 液 化 ) 1,000 億 元 2012 年 生 産 開 始 予 定 8 万 B/D ( 間 接 液 化 ) 50 億 ドル 2013 年 操 業 開 始 予 定 7 万 B/D ( 間 接 液 化 ) 50~60 億 ドル 2012 年 生 産 開 始 予 定 3,500B/D ( 直 接 液 化 ) - 2008 年 生 産 開 始 予 定 ( 出 所 ) PEC 海 外 石 油 情 報 ミニリポート JOGMEC 石 油 天 然 ガスレビュー 等 各 種 資 料 より 作 成 (2) アメリカ( 表 2-1-5) モンタナ 州 中 央 部 の Bull Mountain 炭 鉱 にて エネルギー 会 社 DKRW Advanced Fuels 社 石 炭 会 社 Arch Minerals 社 Bull Mountain Coal 社 による CTL プラント 建 設 が 計 画 されている 生 産 能 力 は 2.2 万 B/D であり 2013 年 頃 稼 動 予 定 である この 他 にモンタナ 州 では 2 件 のプロジェクトが 計 画 されている 1 つは Rentech Development 社 と Peabody Electricity 社 共 同 による 生 産 能 力 1 万 B/D の CTL プラント 計 画 であり もう1つは BNSF Railway 社 と Tenaska 社 の 共 同 による 計 画 で 実 施 可 能 性 調 査 が 進 められている ワイオミング 州 においては Rentech Development 社 と Peabody Electricity 社 共 同 によ る 生 産 能 力 3 万 B/D の CTL プラント および Medicine Bow Fuel & Power 社 による 生 産 能 力 1.3 万 B/D(ナフサとの 合 計 量 )の CTL プラントの 建 設 が 計 画 されている また ノースダコタ 州 に 生 産 能 力 3.2 万 B/D の CTL プラントを 建 設 するために Great River Energy 社 Headwaters 社 North American Coal 社 の 3 社 は 合 弁 会 社 American Lignite Energy 社 を 設 立 した ミシシッピー 州 ナチェス 地 区 では 生 産 能 力 2.5 万 B/D(その 後 5 万 B/D に 増 強 する 予 定 )の CTL プラントの 建 設 が 計 画 されており 実 用 化 されれば アメリカ 南 部 で 最 初 の CTL 商 業 プラントになる アメリカでの CTL プロジェクトは 海 外 資 源 への 依 存 度 の 低 減 国 内 資 源 の 開 発 という 観 点 から 積 極 的 に 進 められており 多 額 の 国 内 石 炭 への 補 助 金 も 拠 出 されている また 米 軍 も CTL に 興 味 を 示 しており 幅 広 く 安 全 保 障 上 の 視 点 から 位 置 づけられているのが 現 状 である 13

表 2-1-5 アメリカにおける 主 な CTL プロジェクト DKRW Advanced Fuels 社 Arch Minerals 社 Bull Mountain Coal 社 開 発 者 場 所 生 産 能 力 投 資 額 備 考 モンタナ 州 中 央 部 2.2 万 B/D - 2013 年 頃 稼 動 予 定 Rentech Development 社 Peabody Electricity 社 モンタナ 州 1 万 B/D - - BNSF Railway 社 Tenaska 社 モンタナ 州 - - 実 施 可 能 調 査 を 進 めている Rentech Development 社 Peabody Electricity 社 ワイオミング 州 3 万 B/D - - Medicine Bow Fuels&Power 社 ワイオミング 州 1.3 万 B/D (ナフサと 合 計 ) - - Great River Enegy 社 Headwaters 社 North American Coal 社 ノースダコタ 州 3.2 万 B/D 20 億 ドル 合 弁 会 社 American Lignite Energy 社 設 立 Rentech 社 ミシシッピー 州 ナチェス 2.5 万 B/D - 当 初 2.5 万 B/D その 後 5 万 B/Dに 増 強 予 定 Baard Energy 社 コロンビア 郡 港 湾 局 オハイオ 州 (Ohio River Clean Fuels PJ) 3.5 万 B/D 40 億 ドル - 台 湾 中 油 CPC アラスカ 産 業 開 発 輸 出 公 社 (AIDEA) Alaska Natural Resources-to-Liquids 社 アラスカ クック 湾 西 側 8 万 B/D 50 億 ドル 以 上 - ( 出 所 ) PEC 海 外 石 油 情 報 ミニリポート 等 各 種 資 料 より 作 成 (3) その 他 ( 表 2-1-6) フィリピンのバターン 石 油 化 学 工 業 地 帯 にて Headwaters CTL 社 と H & WB 社 が 生 産 能 力 6 万 B/D の CTL プラントの 建 設 を 計 画 している プラントの 建 設 は 2009 年 までに 開 始 される 予 定 である オーストラリアでは エネルギー 会 社 Altona Resources 社 による CTL プラントの 建 設 プロジェクトがある 第 一 第 二 段 階 では 3 万 B/D の CTL 燃 料 を 第 三 段 階 では 4.5 万 B/D の CTL 燃 料 を 生 産 することが 計 画 されている 表 2-1-6 その 他 地 域 における 主 な CTL プロジェクト 開 発 者 場 所 生 産 能 力 投 資 額 備 考 Sasol 社 南 アフリカ セクンダ 3 万 B/D - 既 存 能 力 15 万 B/Dから18 万 B/D への 増 強 計 画 Headwaters CTL 社 H&WB 社 フィリピン バターン 石 油 化 学 工 業 地 帯 6 万 B/D - 2009 年 までに 建 設 開 始 予 定 Altona Resources 社 オーストラリア 7.5 万 B/D - 第 1 2 段 階 計 3 万 B/D 第 3 段 階 4.5 万 B/D PT Nuansa Cipta Coal Investment 社 Kenertec 社 POSCO Engineering and Construction 社 インドネシア ボルネオ 島 東 カリマンタン 10 万 B/D 55 億 ドル 当 初 3 万 B/D その 後 10 万 B/Dに 拡 大 ( 出 所 )PEC 海 外 石 油 情 報 ミニリポート 等 各 種 資 料 より 作 成 インドネシアのボルネオ 島 の 東 カリマンタンでは 生 産 能 力 10 万 B/D の CTL プラント 14

建 設 プロジェクトが 計 画 されている これはインドネシアの PT Nuansa Cipta Coal Investment 社 韓 国 の Kenertec 社 POSCO Engineering and Construction 社 による 共 同 プロジェクトであり 投 資 額 は 55 億 ドルである 2-1-3 BTLプロジェクト ドイツの Choren 社 が 世 界 で 最 初 の 生 産 能 力 300B/D の BTL 商 業 化 プラントを 建 設 し 2008 年 中 頃 には 生 産 開 始 の 予 定 である 同 社 は さらに 2020 年 にかけて 4,000B/D の 能 力 を 持 つプラントを 10~15 基 建 設 する 計 画 である また Choren 社 は シェル 社 ダイ ムラー 社 VW 社 と 共 同 で 国 内 に 2 万 B/D 以 上 の BTL プラントの 建 設 を 予 定 している 表 2-1-7 ドイツにおける 主 な BTL プロジェクト 開 発 者 場 所 生 産 能 力 投 資 額 備 考 Choren 社 ドイツ フライベルグ 300B/D - 2008 年 中 旬 に 生 産 開 始 予 定 Choren 社 シェル 社 DaimlerChrysler 社 VW 社 ドイツ 2 万 B/D 以 上 - 2010 年 生 産 開 始 予 定 ( 出 所 ) PEC 海 外 石 油 情 報 ミニリポート 等 各 種 資 料 より 作 成 図 2-1-1 FT 合 成 燃 料 プロジェクト 開 発 状 況 (2007 年 末 ) 内 モンゴル 自 治 区 (Majiata,Erdos PJ) 神 華 集 団 ドイツ Choren 社 内 モンゴル 自 治 区 伊 泰 集 団 寧 夏 回 族 自 治 区 神 華 寧 夏 煤 業 集 団 Sasol 社 オハイオ 州 (Ohio River Clean Fuels PJ) Baard Energy 社 等 アラスカ クック 湾 西 側 CPC 社 等 ナイジェリア(Escravos GTL) シェブロンナイジェリア 社 等 エジプト Ivanhoe 社 マレーシア ビンツル 工 場 Shell 社 (2000 年 再 稼 動 ) 寧 夏 回 族 自 治 区 神 華 寧 夏 煤 業 集 団 Royal Dutch Shell 社 山 西 省 楡 林 モンタナ 州 中 央 部 神 華 集 団 等 DKRW Advanced Fuels 社 等 山 西 省 楡 林 モンタナ 州 山 東 Yankuang 集 団 BNSF Railway 社 等 山 西 省 屯 留 モンタナ 州 Lu an 集 団 等 Rentech Development 社 等 フィリピン バターン 石 油 工 業 地 帯 Headwaters CTL 社 等 ノースダコタ 州 Great River Energy 社 等 ミシシッピー 州 ナチェス Rentech 社 カタール(Oryx1) Sasol 社 等 インドネシア ボルネオ 島 PT Nuansa Cipta Coal Investment 社 等 カタール(Pearl GTL) Shell 社 カタール 石 油 南 アフリカ セクンダ 工 場 Sasol 社 (1980 年 稼 動 ) オーストラリア Altona Resources 社 ワイオミング 州 Rentech Development 社 等 ワイオミング 州 Medicine Bow Medicine Bow Fuels&Power 社 南 アフリカ サソールバーグ 工 場 Sasol 社 ( 閉 鎖 ) 南 アフリカ ペトロSA 社 モッセルベイ 工 場 橙 色 :GTL 黄 色 :CTL 緑 色 :BTL : 稼 動 中 上 段 : 場 所 /PJ 名 下 段 : 開 発 者 ( 出 所 ) 各 種 資 料 より 作 成 15

2-2 DMEの 導 入 状 況 2-2-1 世 界 のDME 取 組 状 況 欧 米 では 自 動 車 メーカーを 主 体 に 研 究 が 進 められており 主 な 研 究 テーマとしては ア メリカでの DME エンジンの 試 験 オランダでは 燃 料 噴 射 システム 開 発 デンマークでの ス カンジナビアンバスプロジェクト といったものがある 日 本 では 2006 年 の 商 業 化 を 目 指 していたものの 予 定 通 りに 実 現 するには 至 っていな い 現 在 国 内 で 進 められている 計 画 は 三 菱 ガス 化 学 を 中 心 として 9 社 で 設 立 された 燃 料 DME 株 式 会 社 によるもので 三 菱 ガス 化 学 新 潟 工 場 内 での 8 万 トン/ 年 (10 万 トン/ 年 まで 増 産 可 能 )のプラント 建 設 (2008 年 6 月 に 完 成 予 定 )のみである その 他 JFE 等 10 社 で 共 同 設 立 された ディーエムイーインターナショナル 株 式 会 社 は 2003 年 から 2006 年 にかけて 北 海 道 の 合 成 実 証 プラントで 実 験 を 行 った 一 方 中 国 では 国 内 に 豊 富 に 存 在 する 安 価 な 石 炭 をクリーンなエネルギーとして 利 用 するという 観 点 から 多 数 の DME プロジェクトが 計 画 されている 表 2-2-1 燃 料 DME 株 式 会 社 の 出 資 比 率 出 資 企 業 出 資 比 率 三 菱 ガス 化 学 29.15% 伊 藤 忠 商 事 13.25% 石 油 資 源 開 発 12.00% 太 陽 石 油 10.00% トタルDMEジャパン 10.00% 豊 田 通 商 10.00% 日 揮 5.30% 三 菱 重 工 業 5.30% 三 菱 化 学 5.00% ( 出 所 ) 燃 料 DME 製 造 ホームページ 2-2-2 中 国 におけるDME 導 入 の 背 景 中 国 では 急 激 な 経 済 成 長 急 速 なモータリゼーションの 進 展 によるエネルギー 需 要 の 増 大 に 対 応 するため 石 油 代 替 LPG 代 替 エネルギーとして 石 炭 を 原 料 とする DME の 活 用 を 積 極 的 に 進 めている 中 国 政 府 の DME 開 発 方 針 は 以 下 のとおりである 1 DME は 中 国 のエネルギー 構 造 に 適 した 発 展 性 のある 代 替 エネルギーとして 位 置 づける 2 DME 製 造 プラントの 大 規 模 化 が 必 要 である 16

3 DME を 製 造 する 原 料 は 石 炭 に 立 脚 すべきである ( 発 展 改 革 委 員 会 主 催 DME 産 業 発 展 討 論 会 2006 年 7 月 ) 2-2-3 中 国 における 導 入 実 例 民 生 用 燃 料 としては 山 東 省 や 陝 西 省 などの 一 部 地 域 では 既 に LPG に DME を 混 ぜた 混 合 ガスが LPG 代 替 燃 料 として 供 給 されている また 自 動 車 用 燃 料 としては 上 海 交 通 大 学 上 海 自 動 車 集 団 華 誼 集 団 の 共 同 研 究 開 発 による 中 国 初 の DME 燃 料 の 都 市 バスが 2005 年 4 月 科 学 技 術 省 の 成 果 検 査 を 受 けて 合 格 した 2006 年 12 月 には 10 台 の DME 燃 料 都 市 バスが 完 成 し 2007 年 7 月 から 上 海 市 内 の 走 行 路 線 で 実 際 の 乗 客 輸 送 に 従 事 するフリートテストが 始 まった 上 海 市 で は 2008 年 には DME 燃 料 バスを 100 台 以 上 に 増 やす 計 画 であるが 2010 年 の 上 海 万 博 までには さらに DME 燃 料 バスを 1,000 台 まで 拡 大 するとのことである 内 モンゴル 自 治 区 寧 夏 回 族 自 治 区 山 西 省 などの 主 要 な 炭 産 地 の 近 辺 に 現 在 100 万 トン/ 年 規 模 の DME 生 産 プラントの 建 設 計 画 が 複 数 立 案 されている 現 在 の DME 生 産 能 力 は 年 間 60 万 トン 程 度 の 規 模 にすぎないが(1.5 万 B/D 石 炭 消 費 量 89 万 トン/ 年 ) 公 表 された 計 画 をもとに 試 算 すると 2015 年 頃 には 1,700 万 トン/ 年 程 度 (43.7 万 B/D 石 炭 消 費 量 2,500 万 トン/ 年 )の 生 産 規 模 に 達 するものと 考 えられる このように 多 数 のプ ロジェクトの 乱 立 で 過 剰 能 力 となることを 懸 念 した 発 展 改 革 委 員 会 は 2007 年 7 月 に 100 万 トン 以 下 の DME プロジェクトは 原 則 として 承 認 しない 旨 の 通 達 を 出 した 内 モンゴル 自 治 区 においては 山 東 久 泰 化 工 技 科 が 2005 年 4 月 から 100 万 トン/ 年 規 模 のプラント 建 設 を 行 っており さらに 2009 年 から 2011 年 にも 100 万 トン/ 年 規 模 のプラン ト 建 設 を 計 画 している これらプラントから 製 造 された DME 燃 料 は 北 京 へ 向 けての 供 給 が 考 えられている また 中 国 中 煤 能 源 集 団 公 司 中 国 石 油 化 工 などによる 300 万 トン/ 年 というかなり 大 規 模 なプラント 建 設 も 計 画 されている 寧 夏 回 族 自 治 区 の 銀 川 においては 寧 夏 煤 業 集 団 による 83 万 トン/ 年 のプラント 建 設 プロ ジェクト 山 西 省 においては 山 西 蘭 花 煤 炭 実 業 集 団 による 100 万 トン/ 年 のプラント 建 設 プ ロジェクトがある 河 北 省 唐 山 市 の 曹 妃 甸 産 業 パークでは 山 東 久 泰 化 工 技 科 が 300 万 トン/ 年 のプラント 建 設 を 計 画 しており 2008 年 8 月 に 建 設 を 開 始 し 2015 年 の 完 成 を 目 指 している 江 蘇 省 の 張 家 港 では 山 東 久 泰 化 工 技 科 と 河 北 新 奥 集 団 がそれぞれ 100 万 トン/ 年 のプロ ジェクトを 計 画 している 山 東 久 泰 化 工 技 科 は すでに 第 一 期 プロジェクトにて 30 万 トン / 年 の 生 産 を 開 始 し 第 二 期 プロジェクトは 2008 年 末 に 完 成 する 予 定 である また 河 北 新 奥 集 団 は 第 一 期 プロジェクト(20 万 トン/ 年 )の 建 設 を 進 めている 17

図 2-2-1 中 国 における DME 製 造 プラント 伊 高 化 学 2 万 t 新 奥 燃 気 08 年 40 万 t 山 東 久 泰 化 工 100 万 t 2 中 国 中 煤 能 源 等 10 年 300 万 t 寧 夏 煤 業 集 団 07 年 21 万 t 寧 夏 煤 業 集 団 83 万 t 陝 西 新 型 燃 料 燃 具 20 万 t 瀘 天 化 集 団 10 万 t 1 万 t 成 都 華 陽 威 遠 天 然 ガス 化 工 四 川 省 2 千 t 黄 色 : 稼 動 中 重 慶 英 力 燃 料 上 段 : 事 業 者 下 段 : 年 間 生 産 規 模 3 千 t 太 原 理 工 天 成 科 技 20 万 t 山 西 蘭 花 煤 炭 実 業 07 年 100 万 t 内 モンゴル 自 治 区 河 北 省 山 西 省 山 東 省 寧 夏 回 族 自 治 区 江 蘇 省 陝 西 省 河 南 省 上 海 市 安 徽 省 重 慶 市 福 建 省 貴 州 省 印 :CTLも 計 画 貴 州 天 福 化 工 雲 南 省 精 細 化 工 広 東 省 09 年 15 万 t 5 千 t 雲 南 解 化 集 団 天 茂 実 業 集 団 山 東 久 泰 化 工 07 年 15 万 t 10 年 100 万 t 20 万 t 60 万 t ( 出 所 ) 各 種 資 料 より 作 成 中 捷 石 化 07 年 10 万 t 山 東 久 泰 化 工 15 年 300 万 t 山 東 兌 州 鉱 業 集 団 60 万 t 山 東 久 泰 化 工 15 万 t 亜 州 新 能 源 国 際 控 股 集 団 09 年 80 万 t 永 駿 新 能 源 100 万 t 山 東 久 泰 化 工 30 万 t 08 年 100 万 tに 拡 張 新 奥 燃 気 100 万 t 上 海 焦 化 5 千 t 新 奥 燃 気 1 万 t 龍 岩 連 潤 新 能 源 科 技 20 万 t 18

第 3 章 合 成 燃 料 の 原 料 の 需 給 動 向 3-1 天 然 ガス 3-1-1 確 認 埋 蔵 量 及 び 可 採 年 数 天 然 ガスは 地 層 内 に 気 体 として 存 在 する 可 燃 性 ガスで 主 成 分 はメタンCH4 である 燃 焼 時 に 発 生 する 窒 素 酸 化 物 や 二 酸 化 炭 素 が 石 油 石 炭 に 比 べると 少 ないことが 特 徴 である 世 界 の 天 然 ガス 確 認 埋 蔵 量 は 図 3-1-1に 示 すように 旧 ソ 連 や 中 東 その 他 の 地 域 に 分 布 しており 約 62%が 中 東 に 存 在 する 石 油 に 比 べると 偏 在 性 が 低 く 可 採 年 数 (R/P 比 )も 石 油 の 40.5 年 に 比 べて 63.3 年 と 長 い( 表 3-1-1) 図 3-1-1 地 域 別 天 然 ガス 埋 蔵 量 (2006 年 末 ) アジア 太 平 洋 8.2% アフリカ 7.8% 北 米 中 南 米 4.4% 3.8% 欧 州 3.5% 合 計 :181.46Tcm 旧 ソ 連 31.9% 中 東 40.5% ( 出 所 )BP 統 計 ( 注 )1Tcm=1 兆 立 方 メートル 表 3-1-1 天 然 ガスの 可 採 年 数 (2006 年 末 ) ( 単 位 : 年 ) 天 然 ガス 石 油 石 炭 北 米 10.6 12.0 226 中 南 米 47.6 41.2 246 欧 州 ユーラシア 59.8 22.5 237 中 東 100 以 上 79.5 アフリカ 78.6 32.1 194 アジア 太 平 洋 39.3 14.0 85 合 計 63.3 40.5 147 ( 出 所 )BP 統 計 19

3-1-2 世 界 の 天 然 ガス 需 給 動 向 世 界 の 地 域 別 天 然 ガス 生 産 量 の 推 移 を 図 3-1-2に 示 す 2006 年 の 天 然 ガスの 生 産 量 は 2.87 兆 立 方 メートルであり 1970 年 に 比 べて 約 2.8 倍 となっている 2000 年 から 2006 年 までの 年 平 均 伸 び 率 は 石 油 の 1.4%に 対 し 天 然 ガスは 2.8%と 大 きな 伸 びを 示 している 地 域 別 には 北 米 及 び 旧 ソ 連 がそれぞれ 27%を 占 めている (Bcm) 図 3-1-2 地 域 別 天 然 ガス 生 産 量 の 推 移 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 アジア 太 平 洋 アフリカ 中 東 旧 ソ 連 欧 州 中 南 米 北 米 0 1970 1973 1976 1979 1982 1985 1988 1991 1994 1997 2000 2003 2006 ( 出 所 )BP 統 計 天 然 ガスの 消 費 も 堅 調 に 拡 大 を 続 けている( 図 3-1-3) 需 要 増 の 要 因 としては 相 対 的 な 環 境 負 荷 の 低 さや 利 用 技 術 の 進 歩 石 油 と 比 較 した 場 合 の 価 格 優 位 性 等 が 挙 げられる 2006 年 には 1970 年 比 2.9 倍 の 2 兆 8,510 億 立 方 メートルとなったが うち 北 米 が 27% 旧 ソ 連 が 21% 欧 州 が 19% アジア 太 平 洋 地 域 が 15%となっている 旧 ソ 連 地 域 では 1990 年 代 に 入 ってソ 連 崩 壊 に 伴 う 経 済 の 混 乱 により 生 産 活 動 が 低 下 し 消 費 が 減 退 したが その 傾 向 も 1997 年 には 底 を 打 ち 以 後 回 復 基 調 にある 図 3-1-3 地 域 別 天 然 ガス 消 費 量 の 推 移 (Bcm) 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 アジア 太 平 洋 アフリカ 中 東 旧 ソ 連 欧 州 中 南 米 北 米 0 1970 1973 1976 1979 1982 1985 1988 1991 1994 1997 2000 2003 2006 ( 出 所 )BP 統 計 20

一 次 エネルギーに 占 める 天 然 ガスのシェアは 図 3-1-4に 示 すように 世 界 全 体 で 24% (2006 年 )である 主 要 国 別 に 見 ると 原 子 力 比 率 の 高 いフランスを 除 き 多 くの 欧 米 諸 国 で 天 然 ガスのシェアは 20%を 超 えているのに 対 しアジア 諸 国 でのシェアは 低 く わが 国 で は 15%にとどまっている 図 3-1-4 主 要 国 における 一 次 エネルギー 構 成 比 較 (2006 年 ) 100% 90% 3% 8% 5% 2% 5% 6% 12% 10% 5% 8% 6% 6% 1% 1% 4% 6% 15% 13% 6% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 24% 24% 39% 5% 15% 16% 19% 25% 28% 56% 24% 23% 38% 70% 24% 55% 36% 14% 15% 24% 8% 水 力 原 子 力 石 炭 天 然 ガス 20% 10% 40% 35% 38% 47% 18% 36% 3% 21% 28% 47% 45% 36% 石 油 0% ア メ リ カ フ ラ ン ス ド イ ツ イ タ リ ア ロ シ ア イ ギ リ ス 中 国 イ ン ド 韓 国 日 本 世 界 平 均 ( 出 所 )BP 統 計 今 後 も 天 然 ガスの 需 要 は 大 幅 に 伸 びると 見 られる IEAの 見 通 し( 図 3-1-5)では 2030 年 まで 年 率 2%で 需 要 が 増 大 し 一 次 エネルギー 供 給 の 23%を 占 める 見 込 みである (Mtoe) 18,000 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 図 3-1-5 世 界 の 天 然 ガス 需 給 見 通 し 1,941 408 861 3,869 5,575 4,441 1990 2004 2015 2030 石 炭 石 油 天 然 ガス 原 子 力 水 力 その 他 ( 出 所 )IEA World Energy Outlook 2006 21

3-1-3 天 然 ガス 貿 易 天 然 ガス 消 費 の 増 大 に 伴 い 貿 易 量 生 産 量 に 占 める 貿 易 量 の 割 合 ともに 増 加 を 続 けてお り 2006 年 の 天 然 ガス 生 産 量 2 兆 8,650 億 立 方 メートルのうち 26%に 相 当 する 7,480 億 立 方 メートルが 他 国 へ 輸 出 された うちパイプラインにより 取 引 された 量 は 年 間 5,370 億 立 方 メートル LNGによる 取 引 された 量 は 2,110 億 立 方 メートル/ 年 となっており LNGに よる 取 引 が 全 取 引 量 の 28%を 占 める( 図 3-1-6) パイプラインガス 貿 易 量 LNG 貿 易 量 と もに 急 速 に 増 大 しつつあるが その 中 でLNGの 貿 易 比 率 も 増 加 を 続 けている (Bcm) 600 500 400 300 200 100 図 3-1-6 パイプラインガスと LNG の 貿 易 量 30.0% 25.0% 20.0% 15.0% 10.0% 5.0% 0 0.0% 1970 1980 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 LNG 貿 易 量 (Bcm) 天 然 ガス 貿 易 におけるLNGの 比 率 (%) パイプラインガス 貿 易 量 (Bcm) ( 出 所 )BP 統 計 図 3-1-7 主 要 な 天 然 ガスフロー(2006 年 ) ( 出 所 )BP 統 計 22

図 3-1-7に 主 要 な 貿 易 フローを 示 す パイプラインガスの 主 な 流 れは1カナダから 米 国 へ 及 び2ロシアから 欧 州 諸 国 へ のフローである 一 方 LNG 取 引 はアジア 向 け 輸 出 を 中 心 として 発 達 し 2006 年 の 取 引 量 の 39%は 日 本 向 けである LNGの 輸 出 国 は 従 来 はアジア 太 平 洋 地 域 が 中 心 であったが 近 年 中 東 やアフリカ 諸 国 が 輸 出 を 拡 大 している 世 界 のLNG 市 場 は 1964 年 にイギリスがアルジェリアからLNGを 輸 入 して 以 来 増 大 を 続 け 2006 年 には 2,110 億 立 方 メートルとなっている 輸 出 国 では 近 年 カタール オマーン エジプトのなどの 中 東 諸 国 がLNG 市 場 に 参 加 し 今 後 ロシア イエメン ノルウェー 赤 道 ギニアといった 国 々がLNG 輸 出 を 予 定 している また 輸 入 国 としては これまで 世 界 の LNG 取 引 量 の 半 数 以 上 を 占 めていた 日 本 韓 国 台 湾 に 加 え 2004 年 にインド 2006 年 に 中 国 が 輸 入 を 開 始 し 2005 年 に 英 国 が 輸 入 を 再 開 した( 図 3-1-8) 今 後 メキシコ オラ ンダ タイ 等 が 新 たにLNG 輸 入 を 予 定 している 図 3-1-8 国 別 LNG 輸 出 量 及 び 輸 入 量 輸 出 量 輸 入 量 (Bcm) 250 200 150 100 50 0 1964 1967 1970 1973 1976 1979 1982 1985 1988 1991 1994 1997 2000 2003 2006 トリニダード トバゴ アメリカ エジプト ナイジェリア リビア アルジェリア オマーン カタール アブダビ オーストラリア マレーシア ブルネイ インドネシア (Bcm) 250 200 150 100 50 0 1964 1966 1968 1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 メキシコ ドミニカ プエルトリコ アメリカ トルコ ギリシャ ドイツ ベルギー イタリア ポルトガル スペイン フランス イギリス インド 中 国 台 湾 韓 国 日 本 ( 出 所 )Cedigaz 3-1-4 天 然 ガス 価 格 の 推 移 LNG 価 格 の 決 定 方 式 は 地 域 ごとに 異 なっている アジアでは 一 般 的 にJCC(Japan Crude Cocktail)と 呼 ばれる 日 本 向 け 原 油 CIF 価 格 にリンクする 方 式 であり 欧 州 大 陸 向 け 価 格 は 石 油 製 品 やブレント 価 格 にリンクした 方 式 がとられている 一 方 米 国 や 英 国 での 天 然 ガ ス 価 格 は Henry HubやNBP(National Balancing Point)といった 国 内 の 天 然 パイプラ インによるガス 取 引 の 需 給 によって 価 格 が 決 定 されている 図 3-1-9に 日 本 米 国 EU 向 けのLNG 価 格 の 推 移 を 示 す 2000 年 頃 まで 日 本 向 けLNG 価 格 は 米 国 やEUと 比 較 して 高 い レベルで 推 移 した 米 国 価 格 はボラティリティが 大 きく 特 に 2005 年 にはメキシコ 湾 岸 に 襲 来 したハリケーンの 影 響 により 価 格 が 急 騰 している 23

図 3-1-9 天 然 ガス 価 格 の 推 移 $/MMBtu 14 12 10 8 6 4 2 0 1997 年 1 月 1997 年 7 月 1998 年 1 月 1998 年 7 月 1999 年 1 月 1999 年 7 月 2000 年 1 月 2000 年 7 月 日 本 EU アメリカ JCC ( 出 所 )IEA Energy Prices and Taxes 2001 年 1 月 2001 年 7 月 2002 年 1 月 2002 年 7 月 2003 年 1 月 2003 年 7 月 2004 年 1 月 2004 年 7 月 2005 年 1 月 2005 年 7 月 2006 年 1 月 2006 年 7 月 2007 年 1 月 3-1-5 欧 米 および 中 国 におけるLNG 市 場 (1) 米 国 米 国 では 天 然 ガスの 利 用 自 体 は 20 世 紀 初 頭 より 行 われていたが 1930 年 代 にテキサス 州 など 南 部 の 天 然 ガス 生 産 地 から 中 西 部 に 長 距 離 パイプラインが 建 設 され また 1950 年 代 にはカナダからの 天 然 ガスの 輸 入 も 開 始 されるようになり 米 国 のパイプライン 網 は 高 度 に 発 達 したものとなっている( 図 3-1-10) さらに 最 近 では 稼 動 中 のプエルトリコ ド ミニカといった 近 隣 でのLNG 受 入 基 地 に 加 えて 国 内 での 受 入 基 地 の 建 設 も 計 画 されるよ うになっれいる 図 3-1-10 北 米 の 天 然 ガスパイプラインと LNG 受 入 基 地 LNG 受 入 基 地 ( 出 所 )IEA Natural Gas Information に 加 筆 24

(2) 欧 州 欧 州 では 1950 年 代 までは 小 規 模 のガス 田 からの 天 然 ガス 供 給 が 局 所 的 に 行 われるに 過 ぎなかった しかし 1959 年 に 巨 大 な 埋 蔵 量 を 有 するオランダ グローニンゲンのガス 田 が 発 見 されたことから オランダ 国 内 のみならず 近 隣 諸 国 へのパイプラインが 建 設 された 1960~1970 年 代 にはロシア ノルウェーからの 天 然 ガスを 輸 入 するためのパイプライン が 建 設 され 1980 年 代 以 降 はアルジェリアからイタリア スペインへのパイプラインも 運 開 している 天 然 ガス 需 要 が 伸 びるにつれ 各 国 内 でのパイプライン 網 も 整 備 され 現 在 で は 西 欧 全 域 に 緊 密 な 天 然 ガス 輸 送 ネットワークが 形 成 されている( 図 3-1-11) LNG については フランス スペイン イタリア ベルギー トルコ ギリシア ポル トガルの 既 存 LNG 輸 入 国 に 加 えて 北 海 ガス 田 の 埋 蔵 量 減 少 を 受 けたイギリスが 中 断 し ていた LNG 輸 入 を 2005 年 より 開 始 した また 域 内 生 産 の 減 少 見 込 みと 供 給 源 多 角 化 の 観 点 から オランダ ドイツ ポーランド 等 の 諸 国 でも LNG 導 入 が 計 画 されている 図 3-1-11 欧 州 の 天 然 ガスパイプラインと LNG 受 入 基 地 受 入 基 地 ( 出 所 )IEA Natural Gas Information に 加 筆 (3) 中 国 中 国 の 一 次 エネルギー 消 費 を 図 3-1-12に 天 然 ガスの 埋 蔵 量 及 び 生 産 量 を 図 3-1-13に 示 す 中 国 における 一 次 エネルギー 消 費 は 2004 年 時 点 で 石 炭 が 7 割 以 上 を 占 め 天 然 ガスの 占 める 割 合 は 全 体 の 3.1%に 過 ぎない しかし 国 内 ガス 田 の 探 鉱 開 発 は 急 速 に 進 展 してお 25

り 埋 蔵 量 生 産 量 ともに 増 加 の 一 途 を 辿 っている 図 3-1-12 中 国 の 一 次 エネルギー 消 費 の 推 移 (Mtoe) 1,600 1,400 1,200 1,000 800 600 石 油 319 水 力 他 30 原 子 力 13 天 然 ガス 44 400 200 石 炭 999 0 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 ( 出 所 )IEA Energy Balances of Non-OECD Countries 2006 図 3-1-13 中 国 の 天 然 ガス 埋 蔵 量 生 産 量 (Bcm) 2,500 埋 蔵 量 (Bcm) 60 生 産 量 2,000 50 1,500 40 30 1,000 20 500 10 0 0 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 ( 出 所 )IEA World Energy Outlook 2006 26

中 国 の 主 要 なパイプラインを 図 3-1-14に 示 す 2006 年 時 点 でのパイプライン 総 延 長 は 3.38 万 kmで そのうち 直 径 16.8 インチ(426mm) 以 上 の 主 要 なパイプライン 延 長 は 2.3 万 kmである またPetroChinaのパイプライン 延 長 が 2.8 万 kmと 全 国 の 80%を 占 めてい る 最 も 大 規 模 なものは 2004 年 に 商 業 運 転 を 開 始 した 西 気 東 輸 で タリム 盆 地 で 生 産 された 天 然 ガスを 海 岸 部 の 需 要 地 域 まで 輸 送 するものであり 総 延 長 3,900km 輸 送 設 計 能 力 は 120 億 立 方 メートル/ 年 に 達 する また 急 増 する 天 然 ガス 需 要 に 対 応 すべく 現 在 第 二 西 気 東 輸 を 初 めとして 各 地 でパイプ ラインの 整 備 計 画 が 進 んでいる 図 3-1-14 中 国 の 主 要 なガスパイプライン 西 シベリア 東 シベリア ロシア 極 東 サハリン チチハル 中 央 アジア 諸 国 ジュンガル 盆 地 満 州 里 大 慶 黒 龍 江 省 依 蘭 ハルビン 輪 南 石 河 子 ウルムチ トルファン 盆 地 ハミ 膳 善 モンコ ル 内 モンゴル 自 治 区 吉 林 省 瀋 陽 凡 例 コルラ タリム 盆 地 塔 中 新 疆 ウイグル 自 治 区 チベット 自 治 区 中 長 期 のパイプライン 建 設 計 画 海 上 ガス 田 ミャンマー 省 都 一 般 都 市 柳 園 河 北 省 遼 寧 省 フホホト 北 京 市 オルドス 盆 地 天 津 市 大 連 張 掖 永 清 楡 林 渤 海 ガス 田 滄 州 渋 北 武 威 銀 川 石 家 荘 甘 塘 靖 辺 済 南 ゴルムド 山 東 省 西 寧 寧 夏 自 治 区 ツァイダム 盆 地 蘭 州 濮 陽 西 気 東 輸 江 蘇 省 青 海 省 甘 粛 省 鄭 州 西 安 河 南 省 常 州 陝 西 省 信 陽 合 肥 南 京 湖 北 省 上 海 四 川 省 潜 江 安 徽 省 成 都 武 漢 忠 県 杭 州 寧 波 大 蘓 島 四 川 盆 地 重 慶 重 慶 市 淅 江 省 長 沙 温 州 江 西 省 嵩 嶼 湖 南 省 福 建 省 アモイ 貴 州 省 昆 明 台 湾 広 東 省 広 西 自 治 区 広 州 市 雲 南 省 深 川 秤 頭 角 マカオ 香 港 海 南 省 第 二 西 気 東 輸 東 海 盆 地 平 湖 ガス 田 ( 東 シナ 海 ) 鶯 歌 海 盆 地 三 亜 崖 城 ガス 田 ( 南 シナ 海 ) ( 出 所 ) 各 種 資 料 より 作 成 LNGについても 多 数 の 受 入 基 地 建 設 が 計 画 されている 2006 年 5 月 に 稼 動 した 広 東 省 の 受 入 基 地 の 他 福 建 省 上 海 市 遼 寧 省 でも 建 設 が 進 められており 山 東 省 浙 江 省 江 蘇 省 でも 基 地 建 設 の 仮 認 可 がされている 中 国 のLNG 輸 入 プロジェクトを 図 3-1-15に 示 す 27

図 3-1-15 LNG 輸 入 プロジェクト ( 出 所 ) 各 種 資 料 より 作 成 3-2 石 炭 3-2-1 可 採 埋 蔵 量 可 採 年 数 及 び 生 産 量 世 界 の 石 炭 の 2002 年 の 炭 種 別 埋 蔵 量 を 表 3-2-1に 示 す 確 認 埋 蔵 量 と 予 想 追 加 埋 蔵 量 と を 合 せた 埋 蔵 量 は 3.4 兆 トン そのうち 可 採 埋 蔵 量 が 9,091 億 トンとなっており うち 瀝 青 炭 無 煙 炭 が 4,788 億 トンと 半 分 以 上 を 占 めている 世 界 の 地 域 別 可 採 埋 蔵 量 及 び 生 産 量 を 表 3-2-2 及 び 図 3-2-1に 可 採 埋 蔵 量 と 可 採 年 数 (R/P 比 )を 図 3-2-2に 示 す 石 炭 はアジアに 28.4% 北 米 に 28.0% 欧 州 に 27.1%とこ の 3 地 域 で 80%を 占 めるが 石 油 天 然 ガスに 比 べると 地 域 的 偏 在 性 が 少 ない 石 炭 は 石 油 天 然 ガスに 比 べて 可 採 年 数 が 長 く 世 界 計 では 2002 年 に 188.5 年 となっている 特 に 生 産 量 の 多 い 中 国 では 可 採 年 数 が 短 くなっている 現 在 中 国 を 中 心 とするアジア 地 域 での 生 産 量 は 21 億 トンと 非 常 に 大 きいものの 今 後 の 中 国 における 需 要 増 大 を 見 込 めば アジ ア 地 域 での 確 認 埋 蔵 量 は 大 きく 減 少 していく 可 能 性 も 考 えられる 表 3-2-1 世 界 の 炭 種 別 埋 蔵 量 ( 単 位 : 億 トン) 瀝 青 炭 無 煙 炭 亜 瀝 青 炭 褐 炭 計 確 認 埋 蔵 量 8,050 3,554 2,139 13,744 予 想 追 加 埋 蔵 量 8,074 3,986 8,477 20,537 計 16,124 7,541 10,616 34,281 内 可 採 埋 蔵 量 4,788 2,723 1,580 9,091 ( 出 所 )WEC Survey of Energy Resources 2004 より 作 成 28

表 3-2-2 地 域 別 可 採 埋 蔵 量 及 び 生 産 量 (2002 年 末 ) 2002 年 可 採 埋 蔵 量 生 産 量 百 万 トン % 百 万 トン % アジア 258,093 28.4% 2103.4 43.6% 北 米 254,615 28.0% 1071.1 22.2% 欧 州 246,635 27.1% 1028.6 21.3% オセアニア 79,073 8.7% 344.5 7.1% アフリカ 50,336 5.5% 220.8 4.6% 南 米 19,893 2.2% 53.2 1.1% 中 東 419 0.0% 1.8 0.0% 世 界 計 909,064 100% 4,823 100% ( 出 所 )WEC Survey of Energy Resources 2004 より 作 成 図 3-2-1 可 採 埋 蔵 量 分 布 (2002 年 末 ) オセアニア 8.7% アフリカ 5.5% 南 米 2.2% 中 東 0.0% アジア 28.4% 合 計 9,091 億 トン 欧 州 27.1% ( 出 所 ) 同 上 北 米 28.0% 図 3-2-2 可 採 埋 蔵 量 と R/P 比 (2002 年 末 ) 300,000 百 万 トン R/P 比 700 250,000 600 200,000 150,000 100,000 500 400 300 200 50,000 100 0 0 米 国 ( 出 所 ) 同 上 ロシア 中 国 インド 豪 州 南 アフリカ コロンビア カナダ インドネシア 3-2-2 世 界 の 石 炭 需 給 の 動 向 1995 年 及 び 2005 年 ( 見 込 み)の 石 炭 の 需 要 量 ( 褐 炭 を 除 く)を 図 3-2-3に 示 す 2005 29

年 には 中 国 が 21 億 8,000 万 トン 米 国 が 9 億 4,000 万 トンで これらの 2 カ 国 で 全 消 費 量 の 6 割 以 上 を 占 める また アジアの 消 費 量 は 30 億 5,000 万 トンで 世 界 の 全 消 費 量 の 61.2% を 占 める 図 3-2-3 地 域 別 石 炭 消 費 量 ウクライナ 豪 州 1.3% 1.4% ポーランド 1.6% 韓 国 1.7% ロシア 3.3% 南 ア 3.4% 日 本 3.6% インド 8.7% ロシア 南 ア 日 本 その 他 12.6% 世 界 計 49 億 9,010 万 トン ( 外 円 :2005 年 見 込 み) インド 7.6% その 他 14.9% 36 億 5,340 万 トン ( 内 円 :1995 年 実 績 ) 米 国 21.4% 中 国 36.0% 中 国 43.7% 1995 ( 単 位 : 百 万 トン) 2005 増 加 量 見 込 み 中 国 1,316.9 2,179.2 862.3 米 国 782.8 942.1 159.3 インド 277.5 433.4 155.9 日 本 133.5 177.7 44.2 南 ア 147.2 168.6 21.4 ロシア 163.3 163.0 0.3 韓 国 44.4 84.4 40.0 ポーランド 107.8 79.0 28.9 豪 州 51.7 68.4 16.7 ウクライナ 82.9 66.4 16.4 その 他 545.4 628.0 82.6 米 国 18.9% 世 界 計 3,653.4 4,990.1 1,336.7 アジア 計 1,863.2 3,054.7 1,191.4 (51.0%) (61.2%) ( 出 所 )IEA Coal Information 2006 より 作 成 石 炭 生 産 量 ( 褐 炭 を 除 く)の 推 移 を 図 3-2-4に 示 す 2001 年 以 降 石 炭 生 産 量 は 急 速 に 増 大 しているが これは 主 に 中 国 での 生 産 量 増 加 によっている 2005 年 には 中 国 及 び 米 国 で 全 石 炭 生 産 量 の 6 割 以 上 を 占 め 次 いでインド 豪 州 南 アフリカ ロシアなどで 生 産 さ れている 石 炭 生 産 量 ( 百 万 トン) 5,000 4,500 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 2,790 2,783 2,899 2,907 3,055 3,147 3,232 3,314 図 3-2-4 石 炭 生 産 量 の 推 移 3,397 3,466 3,477 3,431 3,373 3,317 3,439 3,595 3,650 3,666 3,635 3,561 3,558 3,731 3,834 4,133 4,533 4,970 2,500 2,250 2,000 1,750 1,500 1,250 1,000 750 国 別 石 炭 生 産 量 ( 百 万 トン) 1,000 500 500 250 0 '80 '81 '82 '83 '84 '85 '86 '87 '88 '89 '90 '91 '92 '93 '94 '95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04 '05* 0 石 炭 生 産 量 中 国 米 国 インド 豪 州 南 ア ロシア インドネシア ( 註 ) 輸 出 量 を 貿 易 量 としている 2005 年 は 見 込 ( 出 所 )IEA Coal Information 2006 より 作 成 30

3-2-3 石 炭 貿 易 世 界 の 石 炭 貿 易 量 ( 褐 炭 を 除 く)の 推 移 を 図 3-2-5に 示 す 電 力 用 一 般 炭 需 要 の 増 加 に 伴 い 石 炭 の 貿 易 量 は 漸 増 しているが 中 国 米 国 などの 大 生 産 国 がそのまま 大 消 費 国 となっ ているため 生 産 量 に 比 べて 貿 易 される 数 量 は 小 さく 2005 年 に 15.5%に 留 まっている う ち 原 料 炭 では 32.5% 一 般 炭 では 13.0%と 原 料 炭 の 貿 易 率 が 一 般 炭 に 比 べて 高 い 図 3-2-5 石 炭 貿 易 量 の 推 移 900 45 800 40 700 35 石 炭 輸 出 量 ( 百 万 トン) 600 500 400 300 200 125 133 137 143 162 188 196 193 212 209 225 238 291 260 263 307 330 353 372 373 427 476 475 522 561 566 30 25 20 15 10 石 炭 輸 出 率 (%) 100 0 139 139 137 126 146 158 152 156 178 182 176 168 192 180 189 188 186 190 178 175 184 193 181 184 188 206 '80 '82 '84 '86 '88 '90 '92 '94 '96 '98 '00 '02 '04 5 0 貿 易 量 ( 原 料 炭 ) 貿 易 量 ( 一 般 炭 ) 貿 易 量 / 生 産 量 比 ( 石 炭 全 体 ) 貿 易 量 / 生 産 量 比 ( 原 料 炭 ) 貿 易 量 / 生 産 量 比 ( 一 般 炭 ) ( 註 ) 輸 出 量 を 貿 易 量 としている 2005 年 は 見 込 み ( 出 所 )IEA Coal Information 2006 より 作 成 図 3-2-6に 世 界 の 主 な 石 炭 貿 易 を 示 す 石 炭 資 源 に 乏 しく かつ 大 きな 需 要 量 を 有 する 日 本 及 び 欧 州 が 貿 易 の 中 心 になっており 太 平 洋 マーケットと 大 西 洋 マーケットが 形 成 され ている 図 3-2-6 世 界 の 石 炭 貿 易 その 他 欧 州 Other Europe 45.0Mt 21.9Mt カザフスタン Kazakhstan 16.9Mt OECD 欧 州 OECD Europe 237.0Mt 4.7Mt 55.4Mt 18.5Mt 51.4Mt 27.8Mt ポーランド Poland 20.8Mt アフリカ 中 東 Afric a & Mid. East 19.2Mt 8.1Mt 南 アフリカ South Africa 73.0Mt 14.2Mt 19.7Mt 4.0Mt ロシア Russia 78.7Mt 10.5Mt 中 国 China 22.1Mt 71.8Mt 6.2Mt 46.7Mt その 他 アジア Other Asia 227.2Mt 29.9Mt 68.4Mt 79.6Mt インドネシア Indonesia 108.0Mt 豪 州 Australia 231.3Mt 日 本 Japan 177.7Mt 102.9Mt 7.6Mt 3.3Mt 7.2Mt 北 米 N. America 45.7Mt 4.9Mt カナダ Canada 27.7Mt 12.6Mt 19.5Mt 米 国 United States 45.1Mt 7.8Mt OECD 欧 州 OECD Europe 237.0Mt 16.2Mt 26.7Mt コロンビア 4.7Mt Colombia 55.5Mt 4.2Mt 南 米 Latin America 18.4Mt 31

( 註 )2005 年 見 込 み 値 による 統 計 誤 差 により 向 け 先 別 の 輸 出 量 合 計 と 輸 出 国 の 輸 出 量 は 一 致 しない 青 字 は 対 前 年 度 比 増 加 を 赤 字 は 減 少 を 示 す ( 出 所 )IEA Coal Information 2006 より 作 成 3-2-4 石 炭 価 格 の 推 移 図 3-2-7に 単 位 熱 量 当 りの 原 料 炭 一 般 炭 及 び 他 エネルギーの 価 格 ( 日 本 のCIF 価 格 ) の 推 移 を 示 す 同 一 の 熱 量 当 りでは 原 油 LNGの 価 格 よりも 石 炭 は 廉 価 で 価 格 変 動 も 比 較 的 小 さく 安 定 的 に 推 移 していると 言 えよう 1980 年 代 前 半 までは 石 炭 の 価 格 優 位 性 は 圧 倒 的 に 高 いものであったが 1986 年 の 原 油 価 格 暴 落 後 ( 湾 岸 戦 争 時 を 除 き) その 相 対 的 格 差 はかなり 縮 小 したものとなった しかしながら 2000 年 以 降 は 原 油 の 高 騰 により 石 炭 価 格 も 大 幅 な 上 昇 に 転 じてはいるが 原 油 LNGとの 相 対 的 格 差 は 再 び 開 きつつある 状 況 になってきた 図 3-2-7 日 本 のエネルギー 源 別 カロリー 当 り CIF 価 格 の 推 移 5.0 4.5 原 油 LNG 原 料 炭 一 般 炭 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 1965 1967 1969 1971 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 燃 料 価 格 (US /1,000kcal) 2003 2005 2007 第 二 次 石 油 危 機 第 一 次 石 油 危 機 湾 岸 戦 争 ( 出 所 )エネ 研 作 成 3-2-5 中 国 の 石 炭 需 給 中 国 は 世 界 最 大 の 石 炭 生 産 国 であるが 確 認 埋 蔵 量 は 米 国 ロシアに 次 いで 第 三 位 であ る WEC Survey of Energy Resources 2004 によれば 2002 年 末 現 在 瀝 青 炭 無 煙 炭 が 622 億 トン 亜 瀝 青 炭 が 337 億 トン 褐 炭 が 186 億 トンの 確 認 埋 蔵 量 を 有 する 中 国 の 石 炭 は 図 3-2-8に 示 す 通 り 多 くは 華 北 地 域 に 分 布 しており 中 でも 山 西 省 内 蒙 古 自 治 区 及 び 陝 西 省 の 3 つの 省 及 び 自 治 区 で 総 確 認 埋 蔵 量 の 62%を 有 する これら 3 省 及 び 自 治 区 の 石 炭 生 産 量 は 総 生 産 量 の 45%を 占 め 中 国 の 石 炭 供 給 地 となっている 32

図 3-2-8 中 国 の 石 炭 資 源 の 分 布 褐 炭 低 品 位 炭 低 変 性 炭 無 煙 炭 コークス 炭 ( 出 所 ) 煤 炭 工 業 出 版 社 中 国 煤 炭 志 ( 総 合 巻 ) 中 国 の 石 炭 消 費 量 を 図 3-2-9に 生 産 量 を 図 3-2-10に 示 す 中 国 の 石 炭 消 費 は 10%を 超 える 経 済 成 長 を 背 景 に 2003 年 以 降 急 速 に 増 大 している このうち 一 般 炭 は 電 力 需 要 の 拡 大 に 伴 う 石 炭 火 力 発 電 の 増 大 に 原 料 炭 はコークス 需 要 の 拡 大 に 伴 うコークス 製 造 用 消 費 の 増 大 に 起 因 して 石 炭 消 費 が 増 加 している このため 中 国 国 内 では 生 産 が 需 要 に 追 いつ かず また 鉄 道 による 輸 送 能 力 の 不 足 も 原 因 で 石 炭 需 給 は 逼 迫 しており 世 界 の 石 炭 価 格 の 高 騰 要 因 の 一 つとなっている 需 要 の 増 大 に 伴 い 炭 鉱 建 設 も 盛 んであり 国 有 重 点 炭 鉱 及 び 郷 鎮 炭 鉱 で 生 産 量 が 増 大 し ている ( 億 t) 25 転 換 部 門 20 最 終 消 費 15 10.6 10 5 図 3-2-9 分 野 別 石 炭 消 費 量 の 推 移 23.7 発 電 熱 供 給 21.7 コークス 製 造 その 他 工 業 民 生 19.4 その 他 生 産 量 16.9 14.2 14.5 12.9 最 終 消 費 転 換 部 門 0 '90 '92 '94 '96 '98 '00 '02 '04 '06 ( 出 所 ) 中 国 統 計 出 版 社 中 国 能 源 統 計 年 鑑 各 年 版 等 より 作 成 33

25 20 ( 億 t) 図 3-2-10 炭 鉱 別 石 炭 生 産 量 の 推 移 統 計 局 数 値 23.8 22.0 19.9 17.2 15 10.8 14.0 12.5 14.5 10 5 6.2 郷 鎮 炭 鉱 地 方 炭 鉱 重 点 炭 鉱 0 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 ( 出 所 ) 棒 グラフは 煤 炭 工 業 出 版 社 煤 炭 工 業 年 鑑 2006 年 は 国 家 発 展 改 革 委 員 会 速 報 値 統 計 局 数 値 ( 折 れ 線 グラフ)は 中 国 統 計 出 版 社 中 国 統 計 年 鑑 および 中 国 統 計 摘 要 中 国 の 石 炭 輸 出 量 は 図 3-2-11に 示 すように 2004 年 以 降 減 少 傾 向 にある これは 政 府 による 輸 出 抑 制 政 策 ( 輸 出 炭 への 優 遇 措 置 の 順 次 廃 止 総 量 規 制 輸 出 税 など)とともに 国 内 価 格 の 上 昇 に 伴 い 輸 出 意 欲 が 薄 れたことによる 一 方 で 輸 入 は 需 給 逼 迫 から 大 幅 に 増 大 しており 特 に 東 南 部 沿 海 地 域 での 増 加 が 著 しい 2004 年 以 降 輸 出 は 年 平 均 1,000 万 ト ンの 減 少 輸 入 は 年 平 均 900 万 トンの 増 加 を 示 しており もしこの 傾 向 が 続 くならば 近 く 純 輸 入 国 に 転 じる 勢 いとなっている 図 3-2-11 石 炭 の 輸 入 輸 出 量 の 推 移 輸 入 量 輸 出 量 ( 万 t) 4,000 3,000 2,000 1,000 0 136 174 194 78 224 249 126 215 248 494 231 235 280 262 235 2,008 154 157 124 993 612 434 496 528 588 690 2001 2002 2003 2004 2005 2006 その 他 モンゴル 北 朝 鮮 イント ネシア ベトナム 豪 州 ( 万 t) 10,000 1,050 1,163 728 8,000 1,101 1,712 514 1,595 1,985 1,425 389 6,000 420 500 1,623 2,972 1,326 4,000 2,938 2,539 2,451 2,121 1,915 2,000 2,656 2,799 3,126 2,891 2,317 2,059 0 2001 2002 2003 2004 2005 2006 その 他 フィリピン インド 台 湾 韓 国 日 本 ( 出 所 )テックスレポート Barlow Jonker, China Coal Report などより 作 成 34

2008 年 に 入 り 中 国 では 冬 季 の 電 力 需 要 が 拡 大 したことから 石 炭 が 供 給 不 足 となり 結 果 的 に 電 力 不 足 となった またこの 状 況 に 中 南 部 での 豪 雪 が 更 に 追 い 討 ちをかけたため 旧 正 月 において 両 会 ( 全 国 自 民 代 表 大 会 政 治 協 商 会 議 ) 期 間 の 石 炭 輸 出 を 停 止 する 措 置 を 取 るなど 石 炭 需 給 がひっ 迫 した また 豪 州 においてもクイーンズランド 州 での 豪 雨 (2008 年 1 月 中 旬 )など 石 炭 の 価 格 高 騰 に 繋 がる 事 象 が 相 次 いで 発 生 している 図 3-2-12 中 国 及 び 豪 州 の 一 般 炭 価 格 推 移 ( 出 所 )エネ 研 シリーズ 石 炭 を 考 える 会 日 中 交 流 会 Barlow Jonker, China Coal Report Coal Fax 3-3 バイオマス 3-3-1 世 界 の 森 林 面 積 世 界 の 森 林 面 積 は 2005 年 時 点 で 40 兆 ヘクタールであり 全 陸 地 面 積 の 30%に 及 ぶ し かしその 分 布 は 図 3-3-1に 示 すように 偏 在 している この 結 果 として 図 3-3-2に 示 す 通 り 上 位 10 カ 国 の 森 林 面 積 が 世 界 の 3 分 の 2 を 占 めている 世 界 の 森 林 の 36%が 原 生 林 であるが その 比 率 は 年 々 減 少 している 図 3-3-1 世 界 の 森 林 の 分 布 ( 出 所 )FAO 資 料 35

図 3-3-2 世 界 の 森 林 の 分 布 ( 百 万 ヘクタール) ( 出 所 )FAO 資 料 世 界 の 森 林 は 毎 年 およそ 1,300 万 ヘクタールの 減 少 を 示 しているが 一 方 で 植 林 等 によ る 増 大 もあり 差 し 引 きで 2000 年 ~2005 年 には 年 平 均 730 万 ヘクタールの 減 少 となって いる うち 南 アメリカで 430 万 ヘクタール アフリカで 400 万 ヘクタールと 大 きな 減 少 を 示 している 反 面 アジア 及 び 欧 州 では 増 加 を 示 している 図 3-3-3 森 林 面 積 の 変 化 ( 年 平 均 百 万 ヘクタール) ( 出 所 )FAO 資 料 3-3-2 バイオマスの 資 源 量 世 界 の 木 材 製 品 (2004 年 )は 表 3-3-1に 示 すように 産 業 用 丸 太 16 億 4,000 万 m 3 燃 料 用 丸 太 17 億 6,000 万 m 3 の 他 チップ 等 が 2 億 1,000 m 3 森 林 残 材 が 1 億 m 3 となって いる 地 域 的 にはアジア 及 び 北 中 アメリカが 特 に 多 く 中 でも 燃 料 用 丸 太 を 多 く 生 産 する 中 国 産 業 用 丸 太 を 多 く 生 産 する 米 国 が 大 きなシェアを 占 めている 36

表 3-3-1 世 界 の 土 地 利 用 及 び 木 材 製 品 生 産 量 地 域 土 地 利 用 1,000ha 木 材 製 品 1,000m 3 森 林 雑 木 林 その 他 産 業 用 丸 太 燃 料 用 丸 太 チップ&パー ティクル 森 林 残 材 計 アフリカ 635,412 406,101 1,926,945 70,095 539,252 3,937 589 613,873 アジア 527,988 119,845 1,348,874 227,407 772,271 33,961 26,909 1,060,548 欧 州 (OECD) 151,113 23,131 246,892 317,450 45,729 42,680 39,786 445,644 欧 州 (その 他 ) 850,280 77,793 910,897 193,456 73,377 27,903 17,317 312,053 中 東 43,587 71,446 976,294 47 453 0 0 500 北 中 アメリカ 705,849 118,196 1,319,866 622,238 124,251 78,863 8,774 834,125 南 アメリカ 831,540 129,410 782,282 164,850 197,979 9,669 3,611 376,110 オセアニア 206,255 429,908 212,950 48,111 8,961 17,648 2,849 77,569 世 界 3,952,024 1,375,830 7,725,000 1,643,653 1,762,272 214,660 99,836 3,720,421 中 国 197,290 87,615 647,837 95,061 191,044 24,008 15,300 325,413 アメリカ 303,089-612,807 414,702 43,608 3,500 0 461,810 ( 出 所 )FAO 資 料 より 作 成 米 DOEによるバイオマスからのFT 合 成 の 試 算 結 果 1では 製 品 FT 燃 料 1 バレル 当 り 必 要 な 木 材 は 0.563 トンである ここで 木 材 の 比 重 を 0.5 として FT 燃 料 のポテンシャル 量 を 計 算 すると 表 3-3-2のようになる 仮 に 産 業 用 燃 料 用 丸 太 を 使 用 可 能 とした 場 合 のポテンシ ャル 量 は 全 世 界 で 900 万 b/dとなるが そのうちチップ 等 及 び 森 林 残 材 から 生 産 可 能 な 量 は 77 万 b/dに 過 ぎない 例 えば 欧 州 OECD 諸 国 ではチップ 等 森 林 残 材 それぞれについて 10 万 b/d 合 せて 20 万 b/d 程 度 のポテンシャル 量 となっている 表 3-3-2 FT 燃 料 のポテンシャル 量 ( 単 位 : 千 b/d) 地 域 産 業 用 丸 太 燃 料 用 丸 太 チップ&パー ティクル 森 林 残 材 合 計 アフリカ 170 1,311 10 1 1,493 アジア 553 1,878 83 65 2,579 欧 州 (OECD) 772 111 104 97 1,084 欧 州 (その 他 ) 470 178 68 42 759 中 東 0 1 0 0 1 北 中 アメリカ 1,513 302 192 21 2,028 南 アメリカ 401 481 24 9 915 オセアニア 117 22 43 7 189 世 界 3,997 4,285 522 243 9,047 1 John J.Marano and Jared P.Ciferno Life-Cycle Greenhouse-Gas Emissions Inventory For Fischer-Tropsch Fuels (2001) 37

第 4 章 合 成 燃 料 の 経 済 性 及 びLCA 評 価 4-1 合 成 燃 料 のプロセスの 特 徴 (FT 合 成 油 DME) 4-1-1 合 成 燃 料 製 造 プロセスの 特 徴 FT 合 成 油 DME などの 合 成 燃 料 は 原 料 から 合 成 ガスを 製 造 し 燃 料 を 合 成 するという 基 本 プロセスは 共 通 であるものの FT 合 成 油 に 関 してはニーズに 応 じてアップグレーディ ングの 必 要 があるなど 各 燃 料 毎 に 特 徴 がある 以 下 では FT 合 成 油 と DME の 製 造 プロセス の 特 徴 に 関 して 示 す 4-1-2 合 成 ガスの 特 徴 合 成 ガスは 水 素 (H2)と 一 酸 化 炭 素 (CO)の 混 合 ガスで 原 料 製 造 するプロセスの 反 応 条 件 使 用 する 触 媒 の 有 無 ( 触 媒 反 応 非 触 媒 反 応 ) 等 により 組 成 が 異 なる 主 な 製 造 プロ セスとして 水 蒸 気 改 質 法 部 分 酸 化 法 自 己 熱 改 質 法 の 3 種 類 がある 合 成 ガスの 製 造 プロセスにおいては 原 料 の 水 素 含 有 量 が 生 成 ガスの 組 成 特 に H2/ CO 比 (モル 比 )に 大 きく 影 響 を 及 ぼす 表 4-1-1 主 な 合 成 ガス 原 料 の 組 成 化 学 組 成 (Wt%) 無 煙 炭 中 揮 発 分 瀝 青 炭 高 揮 発 分 瀝 青 炭 褐 炭 石 油 ( 原 油 ) メタン C 93.7 83.4 84.5 80.3 72.7 83~87 75.0 H 2.4 5.0 5.6 5.5 4.2 11~14 25.0 O 2.4 4.1 7.0 11.1 21.3 - - N 0.9 1.7 1.6 1.1 1.2 0.2 - S 0.6 0.8 1.3 1.2 0.6 1.0 - H/C( 原 子 数 比 ) 0.31 0.67 0.79 0.82 0.69 1.5~2.0 4.0 一 般 に 水 素 を 多 く 含 む 原 料 からの 合 成 ガスは H2/ CO 比 が 大 きくなる FT 合 成 DME メタノールの 合 成 では H2/ CO 比 としては 2.0 程 度 が 要 求 されるが 石 炭 を 原 料 とする 部 分 酸 化 では 0.7~1.5 程 度 となるため 水 素 の 添 加 が 必 要 となる また 天 然 ガスの 水 蒸 気 改 質 では 3.0 程 度 となるため 余 剰 の 水 素 を 燃 料 として 使 用 することになる 表 4-1-2 合 成 ガスの H 2 /CO 比 原 料 プロセス H 2 /COモル 比 天 然 ガス 水 蒸 気 改 質 3~6 天 然 ガス 自 己 熱 改 質 1.8~3.0 天 然 ガス 部 分 酸 化 1.8~2.2 石 炭 部 分 酸 化 0.7~1.5 重 質 油 部 分 酸 化 1.0~1.5 バイオマス 部 分 酸 化 1.2~2.0 38

4-1-3 合 成 ガス 製 造 法 の 特 徴 1 水 蒸 気 改 質 法 (スチーム リフォーミング Steam Reforming) 吸 熱 反 応 を 利 用 して 高 温 高 圧 下 でメタンなどの 炭 化 水 素 と 水 蒸 気 を 反 応 させ 一 酸 化 炭 素 水 素 炭 酸 ガスおよびメタンからなる 混 合 ガスを 生 成 する 一 般 的 には 原 料 の 炭 化 水 素 とスチームを 600 ~850 圧 力 20~30 気 圧 においてニッケル 系 触 媒 上 で 反 応 ( 吸 熱 反 応 )させるが ニッケル 触 媒 は 硫 黄 により 被 毒 されるために 原 料 を 1ppm 以 下 に 脱 硫 する 必 要 がある 合 成 ガスの 組 成 (H2/CO 比 )は 2.1~3 と 水 素 の 割 合 が 高 く 酸 素 が 不 要 で 運 転 温 度 が 低 いといった 特 長 を 有 するが 吸 熱 反 応 であるために 多 大 の 熱 量 を 投 入 する 必 要 がある そのためにエネルギー 消 費 が 大 きく また 前 述 のとおり FT 合 成 では H2/CO 比 2 が 最 適 な 場 合 が 多 いことから 液 体 燃 料 の 合 成 反 応 に 対 しては H2/CO 比 が 高 すぎると いう 短 所 もある 2 部 分 酸 化 法 (Partial Oxidation POX) 部 分 酸 化 は まず 化 学 量 論 的 な 量 より 少 ない 酸 素 ( 完 全 酸 化 に 必 要 な 量 の 約 1/3)で 炭 化 水 素 を 燃 焼 させて 二 酸 化 炭 素 と 水 蒸 気 熱 を 発 生 させ 次 に この 二 酸 化 炭 素 と 水 蒸 気 お よび 未 反 応 の 炭 化 水 素 との 反 応 により 一 酸 化 炭 素 と 水 素 にする 反 応 である 従 って 一 般 的 には 付 帯 設 備 として 空 気 から 酸 素 を 分 離 精 製 する 深 冷 分 離 装 置 が 必 要 となる また この 後 の 合 成 段 階 を 考 慮 すると 生 成 する 合 成 ガスに 含 まれる 少 量 の 未 燃 炭 素 の 除 去 ガ ス 化 された 硫 黄 酸 化 物 などの 除 去 が 必 要 となる 部 分 酸 化 法 は 設 備 構 成 が 単 純 で 原 料 の 脱 硫 が 不 要 炭 素 の 析 出 が 少 なくスチームが 不 要 といった 特 長 があるが 反 面 反 応 温 度 が 高 くエネルギー 消 費 が 大 きい H2/CO 比 が 2 以 下 と 低 い 酸 素 が 必 要 といった 短 所 もある 3 自 己 熱 改 質 法 (Autothermal Reforming ATR) 天 然 ガスを 原 料 とした 場 合 合 成 ガスの 組 成 は H 2 /CO 比 で 1.8~3 の 範 囲 にあり 原 料 である 天 然 ガス 酸 素 および 水 蒸 気 の 割 合 を 変 更 することによってコントロールすること ができる 自 己 熱 改 質 法 はエネルギー 消 費 が 小 さく 反 応 温 度 が 部 分 酸 化 より 低 いという 特 長 があるが 運 用 実 績 が 少 ない プロセス 上 酸 素 が 必 要 で 装 置 構 成 が 複 雑 になるといっ た 短 所 がある 4-1-4 FT 合 成 プロセス FT 合 成 反 応 は いずれのプロセスも 強 い 発 熱 反 応 であり この 熱 の 除 去 ( 回 収 )と 温 度 の 制 御 が 非 常 に 重 要 となる 熱 の 除 去 が 十 分 に 行 なわれない 場 合 には 触 媒 の 活 性 が 失 われ 重 大 な 不 具 合 が 発 生 する 除 去 された 熱 は 多 くのプロセスではスチームとして 回 収 し 各 所 で 活 用 することにより 運 転 コストの 低 減 が 図 られている FT 合 成 反 応 には 通 常 鉄 系 もしくはコバルト 系 の 触 媒 が 使 用 され 200~300 程 度 の 温 39

度 と 20~30 気 圧 程 度 の 圧 力 下 で 反 応 が 行 われる 反 応 により 直 鎖 のパラフィンのほかにオ レフィンやアルコール 類 その 他 さまざまな 副 反 応 生 成 物 が 生 成 する FT 合 成 反 応 器 には 代 表 的 なものとして 固 定 床 循 環 流 動 床 スラリー 床 がある 固 定 床 : 固 定 床 ( 固 定 層 反 応 装 置 )は 触 媒 粒 子 あるいは 不 活 性 固 体 を 充 填 した 層 に 気 体 液 体 あるいは 気 液 の 混 合 物 を 流 して 反 応 させる 装 置 で 反 応 熱 が 大 きい 場 合 は 多 管 式 熱 交 換 器 型 の 反 応 器 が 用 いられる 伝 熱 面 積 を 大 きくするために 直 径 が 2~5cm 程 度 の 管 の 中 に 触 媒 を 充 填 し 管 外 側 に 熱 媒 体 を 循 環 させる 構 造 が 単 純 であるが 触 媒 層 に 温 度 分 布 が 生 じやすく 圧 力 損 失 が 大 きい 循 環 流 動 床 : 流 動 床 ( 流 動 層 反 応 装 置 )は 触 媒 粒 子 を 反 応 槽 底 部 より 送 入 した 流 体 に よって 浮 遊 懸 濁 させながら 流 動 化 させる 装 置 である 流 動 層 内 の 粒 子 が 激 しく 運 動 して いるために 槽 内 の 温 度 をほぼ 均 一 に 保 持 できるが 構 造 が 複 雑 で 適 当 な 流 動 状 態 を 保 つ ための 操 作 条 件 の 範 囲 が 狭 く 安 定 な 操 作 に 熟 練 を 要 する スラリー 床 :スラリー 床 ( 粒 子 流 動 型 反 応 装 置 )は 油 中 に 触 媒 を 懸 濁 してスラリー 状 に し 反 応 ガスを 気 泡 にして 吹 き 込 み 反 応 させる 装 置 である 反 応 の 制 御 性 に 優 れ 運 転 中 に 触 媒 の 交 換 が 可 能 で 反 応 器 もコンパクトに 出 来 るが 触 媒 と 製 品 の 分 離 が 難 しく 工 業 規 模 での 実 績 が 少 ない 表 4-1-3 反 応 器 の 比 較 長 所 短 所 固 定 床 反 応 器 流 動 床 反 応 器 スラリー 床 反 応 器 1. 構 造 が 単 純 である 2. 軸 方 向 の 流 体 混 合 が 少 なく 押 出 し 流 れに 近 似 できるので 反 応 収 率 が 高 い 3. 反 応 流 体 と 触 媒 の 接 触 時 間 を 変 化 させることが 容 易 であって 速 い 反 応 から 遅 い 反 応 にまで 適 用 可 能 である 1. 固 定 層 の 伝 熱 能 力 は 小 さく 反 応 熱 の 除 去 ( 補 給 )が 十 分 行 われず 触 媒 層 に 温 度 分 布 が 生 じや すい 2. 圧 力 損 失 が 大 きい 3. 触 媒 の 抜 出 しおよび 充 填 が 困 難 であるため か なり 頻 繁 に 触 媒 を 再 生 あるいは 交 換 する 必 要 があ る 場 合 には 不 適 である 1. 流 動 層 内 の 粒 子 が 激 しく 運 動 しているために 槽 内 の 温 度 をほぼ 均 一 に 保 持 できる 2. 除 熱 対 象 である 触 媒 が 流 動 しているために 固 定 床 と 比 較 すると 伝 熱 効 率 が 高 くなり 除 去 すべき 熱 負 荷 に 対 して 著 しく 小 さな 伝 熱 面 積 で 済 む 3. 触 媒 の 一 部 を 反 応 槽 外 に 抜 出 し 連 続 的 に 再 生 を 行 なう 事 が 可 能 である 4. 圧 力 損 失 が 小 さい 1. 構 造 が 複 雑 である 2. 気 泡 が 発 生 して 装 置 内 を 吹 き 抜 けるために 反 応 収 率 はガス 層 を 完 全 混 合 とした 値 よりも さらに 低 下 する 場 合 が 少 なくない 3. 流 動 層 内 の 流 動 状 態 が 複 雑 であって 装 置 の 設 計 法 が 確 立 していない 4. 適 当 な 流 動 状 態 を 保 つための 操 作 条 件 の 範 囲 が 狭 く 安 定 な 操 作 に 熟 練 を 要 する 1. 温 度 の 制 御 性 が 高 い 2. 混 合 性 が 良 い 3. 構 造 が 比 較 的 簡 単 であり 大 型 化 が 行 ない 易 い 4. 触 媒 の 運 動 が 比 較 的 穏 やかなため 物 理 的 損 傷 が 流 動 床 より 小 さい 1. 気 泡 が 発 生 して 装 置 内 を 吹 き 抜 けるために 反 応 収 率 はガス 層 を 完 全 混 合 とした 値 よりも さらに 低 下 する 場 合 が 少 なくない 2. 流 動 層 内 の 流 動 状 態 が 複 雑 であって 装 置 の 設 計 法 が 確 立 していない 3. 適 当 な 流 動 状 態 を 保 つための 操 作 条 件 の 範 囲 が 狭 く 安 定 な 操 作 に 熟 練 を 要 する 4. 触 媒 と 製 品 の 分 離 が 困 難 である 5. 工 業 規 模 での 実 績 が 少 ない 現 在 商 業 化 あるいは 開 発 中 のプラントでは 表 4-1-4に 示 すように 熱 除 去 が 容 易 で 反 応 の コントロールがしやすいスラリー 床 を 採 用 している 場 合 が 多 い 40

表 4-1-4 GTL プロセス 比 較 表 会 社 名 プロセス 名 プロセス 反 応 器 形 式 合 成 ガス 触 媒 酸 素 フ ラント 要 否 反 応 器 形 式 FT 合 成 触 媒 実 績 RD/Shell SMDS 部 分 酸 化 無 触 媒 多 管 式 固 定 床 Co 系 14,700B/D 規 模 商 業 段 階 Sasol SSPD ATR 固 定 床 Ni 系 スラリー 床 Co 系 34,000B/D 規 模 商 業 段 階 ExxonMobil AGC-21 ATR 流 動 床 Ni 系 スラリー 床 Co 系 200B/D 規 模 パイロット 段 階 Rentech - 所 有 していない スラリー 床 Fe 系 250B/D 規 模 パイロット 段 階 Syntroleum - ATR 固 定 床 Ni 系 ( 空 気 使 用 ) スラリー 床 Co 系 70B/D 規 模 パイロット 段 階 ( 出 所 ) 鈴 木 信 市 ICEP ニュース No.35 2001 年 9 月 に 加 筆 4-1-5 メタノール DMEの 合 成 プロセス 1 DME の 合 成 反 応 間 接 法 間 接 法 の 反 応 式 と 反 応 条 件 は 以 下 の 通 り 既 存 技 術 であるものの 第 一 段 階 のメタノール 合 成 における 反 応 条 件 に 関 しては 比 較 的 に 高 い 圧 力 が 条 件 として 求 められる 第 一 段 階 :(メタノール 合 成 ) 2 3 CO + 4H 2 2CH OH + 43.4kcal/ mol 触 媒 :Cu-Zn-Cr 温 度 :200-300 圧 力 :50-70 気 圧 第 二 段 階 :( 脱 水 反 応 ) 2 2 CH3 OH CH3OCH3 + H O + 5.6kcal/ mol 触 媒 : 酸 触 媒 (γアルミナ 等 ) 温 度 :290-400 圧 力 :10-20 気 圧 直 接 法 直 接 法 の 反 応 式 と 反 応 条 件 は 以 下 の 通 り 反 応 式 A: 3CO + 3H 2 CH3OCH3 + CO2 + 58.8kcal/ mol 反 応 式 B: 2CO + 4H 2 CH3OCH3 + H 2O + 49.0kcal / mol 触 媒 :Cu-Zn-Cr+Cu/γアルミナ 温 度 :250-320 圧 力 :30-70 気 圧 DME 合 成 の 平 行 転 化 率 の 最 大 値 は 反 応 式 A の 方 が 反 応 式 B よりも 高 い 原 料 の 特 性 か ら 考 えると 石 炭 由 来 の 合 成 ガスの H 2 /CO 比 は 0.7~1.5 であるため 反 応 式 A を 用 いる 方 がガス 調 整 幅 が 少 なく 設 備 運 転 コストが 有 利 になり 天 然 ガス 改 質 の 場 合 は H 2 /CO 比 は 41