乃 木 坂 RT2013 第 6 章 下 部 消 化 管 肝 胆 膵 癌 の 放 射 線 治 療 国 際 医 療 福 祉 大 学 病 院 放 射 線 治 療 核 医 学 センター 北 原 規
腹 部 消 化 器 がんの 放 射 線 治 療 1. 大 腸 癌, 直 腸 癌 2. 肛 門 癌 3. 肝 臓 癌 4. 胆 道 癌 5. 膵 癌
1. 大 腸, 直 腸 癌 一 般 標 準 的 治 療 法 放 射 線 治 療 計 画 成 績 合 併 症
大 腸 と 周 辺 臓 器
大 腸 について 大 腸 は 消 化 吸 収 された 残 りの 腸 内 容 物 をため 水 分 を 吸 収 しながら 大 便 にするところである 多 種 多 量 の 細 菌 のすみかでもある 大 腸 のはじまりは 盲 腸 盲 腸 から 上 ( 頭 側 )に 向 か う 部 分 が 上 行 結 腸 次 いで 横 に 向 かう 部 分 を 横 行 結 腸 下 に 向 かう 部 分 が 下 行 結 腸 S 字 状 に 曲 が っている 部 分 がS 状 結 腸 約 15cmの 真 っすぐな 部 分 が 直 腸 で 最 後 の 肛 門 括 約 筋 (かつやくきん) のあるところが 肛 門 管 である
大 腸 がんとは? 大 腸 がんは 長 さ 約 2mの 大 腸 ( 結 腸 直 腸 肛 門 ) に 発 生 するがんで 日 本 人 ではS 状 結 腸 と 直 腸 に がんが 発 生 し 易 い 大 腸 がんは 大 腸 粘 膜 の 細 胞 から 発 生 し 腺 腫 ( せんしゅ)という 良 性 腫 瘍 の 一 部 ががん 化 して 発 生 したものと 正 常 粘 膜 から 直 接 発 生 するものがあ り その 進 行 はゆっくりである 大 腸 がんは 粘 膜 の 表 面 から 発 生 し 大 腸 の 壁 に 次 第 に 深 く 侵 入 し ていき 進 行 するにつれてリンパ 節 や 肝 臓 や 肺 な ど 別 の 臓 器 に 転 移 する
大 腸 がんの 症 状 大 腸 がんの 症 状 は 大 腸 のどこに どの 程 度 のが んができるかによって 異 なるが 血 便 下 血 下 痢 と 便 秘 の 繰 り 返 し 便 が 細 い 便 が 残 る 感 じ おな かが 張 る 腹 痛 貧 血 原 因 不 明 の 体 重 減 少 など が 多 い 中 でも 血 便 の 頻 度 が 高 いが 痔 (じ)など 良 性 疾 患 でも 同 じような 症 状 があるので 早 めに 消 化 器 科 胃 腸 科 肛 門 科 などを 受 診 することが 早 期 発 見 につながる 時 には 嘔 吐 (おうと)など のがんによる 腸 閉 塞 (へいそく) 症 状 で 発 見 された り 肺 や 肝 臓 の 腫 瘤 (しゅりゅう)として 大 腸 がんの 転 移 が 先 に 発 見 されることもある
大 腸 がんの 疫 学 大 腸 がんにかかる 割 合 ( 罹 患 りかん 率 )は 50 歳 代 から 増 加 し 始 め 高 齢 になるほど 高 くなる 大 腸 がんの 罹 患 率 死 亡 率 はともに 男 性 の 方 が 女 性 の 約 2 倍 と 高 く 結 腸 がんより 直 腸 がんにおいて 男 女 差 が 大 きい 傾 向 がある
大 腸 がんの 疫 学 大 腸 がんの 増 加 には 主 として 結 腸 がんの 増 加 による 罹 患 率 の 国 際 比 較 では 結 腸 がんはハワイの 日 系 移 民 が 日 本 人 より 高 く 欧 米 白 人 と 同 程 度 であったが 最 近 で は 結 腸 がん 直 腸 がんともに 日 本 人 はアメリカの 日 系 移 民 および 欧 米 白 人 とほぼ 同 じとなった 大 腸 がんでは 直 系 の 親 族 に 同 じ 病 気 の 人 がいるという 家 族 歴 は リスク 要 因 になる 特 に 家 族 性 大 腸 腺 腫 症 と 遺 伝 性 非 ポリポーシス 性 大 腸 がん 家 系 は 確 立 した 大 腸 がんのリスク 要 因 とされている 生 活 習 慣 では 過 体 重 と 肥 満 で 結 腸 がんリスクが 高 くなることが 判 明 している また 飲 酒 や 加 工 肉 (ベーコン ハム ソーセージなど)は おそらく 確 実 な 大 腸 がんリスクとされている
小 腸 大 腸 疾 患 の 画 像 検 査 検 査 法 : 単 純 X 線 写 真 小 腸 大 腸 造 影 CT 内 視 鏡 検 査 など 情 報 : 奇 形 炎 症 腫 瘍 の 鑑 別 腫 瘍 の 進 展 範 囲 の 診 断 単 純 X 線 写 真 小 腸 大 腸 造 影 検 査 腸 の 穿 孔 によるFree airの 評 価 イレウスの 検 査 腫 瘍 や 炎 症 の 鑑 別 病 変 の 広 がりの 精 査
小 腸 大 腸 疾 患 の 画 像 検 査 検 査 法 : 単 純 X 線 写 真 小 腸 大 腸 造 影 CT 内 視 鏡 検 査 など 情 報 : 奇 形 炎 症 腫 瘍 の 鑑 別 腫 瘍 の 進 展 範 囲 の 診 断 CT 検 査 内 視 鏡 検 査 ( 症 例 は 直 腸 癌 術 後 局 所 再 発 ) ( 症 例 は 肝 転 移 ) Free airの 検 索 腫 瘍 の 壁 外 進 展 の 評 価 肝 転 移 の 評 価 腫 瘍 や 炎 症 の 鑑 別 病 変 の 広 がりの 精 査
小 腸 大 腸 疾 患 の 治 療 ( 悪 性 腫 瘍 ) 結 腸 / 直 腸 癌 の 病 期 別 治 療 法 Dukes 分 類 内 視 鏡 外 科 化 学 療 法 放 射 線 A ( 腸 壁 内 ) B ( 腸 壁 外 ) C (リンパ 節 転 移 ) D ( 遠 隔 転 移 ) ( 狭 窄 解 除 ) ( 肝 転 移 局 所 再 発 ) ( 再 発 予 防 ) ( 肛 門 温 存 ) ( 症 状 緩 和 ) ( 延 命 効 果 )
小 腸 大 腸 疾 患 の 治 療 ( 悪 性 腫 瘍 ) 横 行 結 腸 切 除 術 手 術 が 基 本 リンパ 行 性 進 展 と 局 所 進 展 を 考 慮 した 術 式 補 助 療 法 化 学 療 法 放 射 線 治 療 ( 外 照 射 ) 右 半 結 腸 切 除 術 左 半 結 腸 切 除 術 S 状 結 腸 切 除 術
小 腸 大 腸 疾 患 の 治 療 ( 悪 性 腫 瘍 ) 放 射 線 治 療 の 役 割 1. 早 期 癌 における 肛 門 温 存 肛 門 温 存 術 + 術 前 術 後 照 射 原 発 巣 2. 進 行 癌 の 術 後 骨 盤 内 再 発 の 軽 減 3. 局 所 再 発 例 における 照 射 疼 痛 緩 和 ( 症 例 は 直 腸 癌 の 局 所 再 発 のため に 強 い 痛 みを 訴 えていた)
5. 大 腸, 直 腸 がん 大 腸 癌 一 般 食 生 活 の 欧 米 化 により, 罹 患 率, 死 亡 率 が 増 加 病 因 :ポリープ( 内 視 鏡 切 除 の70% 腺 腫,4% 粘 膜 内 癌 ) 1cm 以 上 の 腺 腫 の 癌 発 生 率 ---2.5 4 倍, 多 発 性 腺 腫 は5 7 倍 家 族 性 ポリポーシス 症 候 群 炎 症 性 腸 疾 患 -- 潰 瘍 性 大 腸 炎,クローン 病 遺 伝 性 因 子 -- 家 族 歴 (15%は 家 族 歴 ), 遺 伝 子 臨 床 経 過 : 切 除 時 リンパ 節 転 移 40-70%, 静 脈 侵 襲 60% 直 腸 癌 が 結 腸 癌 より 約 3 倍 局 所 再 発 しやすい Staging:TNM,Dukes 分 類 とAstler & coller 分 類
5. 大 腸, 直 腸 がん Stage 0~Stage III 大 腸 癌 の 治 療 方 針 日 本 癌 治 療 学 会 診 療 ガイド ライン
5. 大 腸, 直 腸 がん Stage IV 大 腸 癌 の 治 療 方 針 日 本 癌 治 療 学 会 診 療 ガイドライン
5. 大 腸, 直 腸 がん 大 腸 直 腸 癌 : 放 射 線 治 療 第 一 選 択 は 手 術 : 成 績 向 上 のために 術 前 や 術 後 照 射 術 前 照 射 --- 原 発 巣 を 縮 小 させ 根 治 性 向 上 :30-40Gy 術 後 照 射 ---リンパ 節 転 移 例 や 術 後 残 存 例 :50-60Gy 根 治 照 射 および 再 発 時 の 緩 和 照 射 :60-70Gy 要 点 : 術 前 照 射 と 局 所 再 発 ( 術 後 3 年 以 内 が 多 い) に 対 する 緩 和 照 射 が 有 効
5. 大 腸, 直 腸 がん 直 腸 癌 照 射 野 直 腸 癌 照 射 野
5. 大 腸, 直 腸 がん 望 ましい 術 後 照 射 :S 状 結 腸 癌
5. 大 腸, 直 腸 がん 直 腸 癌 術 後 再 発 部 位 Low anterior resection abdominoperineal resection Hocht S, et al. Strahlenther Onkol 180: 15-20, 2004
5. 大 腸, 直 腸 がん 望 ましい 直 腸 癌 の 照 射 野 術 前 術 後 Scarを 含 めて
直 腸 がん 照 射 野 (1)
直 腸 がんの 照 射 野 (2)
5. 大 腸, 直 腸 がん 大 腸 直 腸 癌 治 療 成 績 術 前 照 射 --- 局 所 再 発 率 低 下, 化 学 放 射 線 療 法 で 生 存 率 増 加 術 後 照 射 ---40-50Gyで 局 所 再 発 率 低 下, 化 療 併 用 で 生 存 率 向 上 術 前 と 術 後 の 比 較 試 験 では 術 前 の 方 が 良 い Preoperative vs postoperative chemoradiotherapy for rectal cancer. N Engl J Med Oct 21:1731, 2004 5 年 生 存 率 : 術 前 76%, 術 後 74%, 術 後 が 再 発 多 い 局 所 再 発 に 対 する 緩 和 照 射 --- 疼 痛, 閉 塞, 出 血, テネスムスなどが 改 善
5. 大 腸, 直 腸 がん EORTC22921 術 前 治 療 RT arm : 45Gy/25fx CTRT arm: 45Gy/25fx with 5-Fu/LV RT RTCT 急 性 有 害 事 象 17% 38% pcr 率 5% 14% 括 約 筋 温 存 率 51% 53% 局 所 再 発 17% 9% 全 生 存 率 65% 66% 化 療 併 用 はダウンステージと 局 所 制 御 に 有 用 だが, 生 存 率 は 改 善 しない (NEJM 2006)
直 腸 がんのCRT(5FU+LV+RT)
直 腸 がんのCRT(5FU 持 続 i.a.+rt)
5. 大 腸, 直 腸 がん 放 射 線 治 療 合 併 症 大 腸 耐 容 量 volume 1/3 2/3 3/3 5/5 55 45Gy 50/5 65 55Gy 過 線 量 閉 塞, 穿 孔, 潰 瘍, 瘻 孔, 壊 死 など 周 辺 臓 器 の 耐 容 量 : 小 腸 45Gy, 脊 髄 45Gy, 膀 胱 65Gy 合 併 症 : 急 性 -- 食 思 不 振, 下 痢 ( 放 射 線 腸 炎 ) 晩 期 -- 直 腸, 膀 胱 障 害
5. 大 腸, 直 腸 がん 大 腸 直 腸 癌 ポイント 1. 病 因 :ポリープ, 家 族 性 ポリポーシス 2. 術 前 照 射 か 術 後 照 射 の 併 用 が 生 存 率 の 向 上 に 結 びつくようである 3. 再 発 は 症 状 緩 和 の 上 から, 放 射 線 治 療 の 良 い 適 応 となる 4. 遺 伝 子 解 析 :genetic instability
直 腸 肛 門 癌 子 宮 頸 部 癌 の 治 療 子 宮 頚 部 癌 : 手 術 放 射 線 治 療 ( 外 部 照 射 腔 内 照 射 )および 化 学 療 法 直 腸 肛 門 癌 : 手 術 や 外 部 照 射 + 化 学 療 法 直 腸 肛 門 癌 (リニアック: 直 線 加 速 器 ) ( 化 学 療 法 ) ( 症 例 は 直 腸 癌 ) 手 術 療 法 ± 化 学 療 法 放 射 線 治 療 ± 化 学 療 法
2. 肛 門 癌 一 般 放 射 線 治 療 計 画 成 績 合 併 症
直 腸 肛 門 がん 1) 局 所 進 行 直 腸 がんに 対 しては 術 前 化 学 放 射 線 同 時 併 用 療 法 の 後 切 除 を 行 うのが 標 準 的 治 療 の1つである 2) 併 用 薬 としてはフルオロウラシル 系 又 はフルオロウラシル 系 +ロイコボリンを 用 いる 3) 肛 門 癌 治 療 の 第 1 選 択 は 同 時 化 学 放 射 線 療 法 である ( 治 癒 率 の 高 さは 手 術 に 劣 らず 肛 門 温 存 が 可 能 となる メリットを 有 する ) 手 術 はサルベージ 療 法 として 用 いられる 4) 併 用 薬 剤 はマイトマイシンとフルオロウラシルである
6. 肛 門 がん 肛 門 癌 の 一 般 直 腸 癌 の1/10 以 下 だが, 漸 増 中 女 性 にやや 多 い, 扁 平 上 皮 癌 が 多 い 肛 門 腺 由 来 の 腺 癌, 痔 瘻 からの 腺 癌,メラノーマはまれ ヒトパピローマウイルスとの 関 連 HIVや 免 疫 抑 制 状 態 ( 米 国 ではanal sex) 喫 煙 は 危 険 因 子 予 後 因 子 : 部 位 ( 肛 門 管 または 肛 門 周 囲 皮 膚 ) 大 きさ( 径 2cm 以 下 の 原 発 腫 瘍 は 予 後 良 好 ) リンパ 節 転 移 の 状 態
肛 門 癌 : 診 断 と 治 療 アルゴリズム 従 来, 永 久 人 工 肛 門 造 設 術 を 伴 う 腹 会 陰 式 直 腸 切 断 術 (5-Y-S: 70%) RTOG-9208 局 所 制 御 の 効 果 を 最 大 限 に 引 き 出 し 括 約 筋 への 毒 性 作 用 を 最 小 限 に 抑 え るための 放 射 線 照 射 と 化 学 療 法 の 同 時 併 用 療 法 におけ る 至 適 線 量 は45Gy ~60Gy (5-Y-S: 70% 以 上 )
6. 肛 門 がん 肛 門 癌 に 対 する 照 射 野 前 後 二 門 か4 門,1.8Gy/ 日, 予 防 領 域 30.6-36Gy/17-20fx, 根 治 量 60Gy 程 度
肛 門 がんの 照 射 野
肛 門 がんのCRTスケジュール
6. 肛 門 がん 肛 門 癌 まとめ 1. 肛 門 癌 は 扁 平 上 皮 癌 が 多 いので, 放 射 線 感 受 性 が 高 い. 2. 化 学 放 射 線 療 法 で 肛 門 温 存 が 可 能 3. 化 学 療 法 併 用 ならば, 総 線 量 60Gy 程 度 で 治 癒 する 可 能 性 が 高 い 4. 肛 門 癌 はIMRTの 良 い 適 応 となりうる
3. 肝 臓 癌 一 般 標 準 治 療 法 放 射 線 治 療 計 画 成 績 合 併 症
肝 臓 がんとは? 肝 臓 がんは 肝 臓 にできた 原 発 性 肝 がん と 別 の 臓 器 から 転 移 した 転 移 性 肝 がん に 大 別 される 原 発 性 肝 がんには 肝 臓 の 細 胞 ががんになる 肝 細 胞 がん と 胆 管 細 胞 がん 小 児 の 肝 がんである 肝 細 胞 芽 腫 (かんさいぼうがしゅ) 成 人 での 肝 細 胞 胆 管 細 胞 混 合 がん 未 分 化 がん 胆 管 嚢 胞 腺 (たんか んのうほうせん)がん カルチノイド 腫 瘍 などの 稀 なが んがある 日 本 では 原 発 性 肝 がんのうち 肝 細 胞 がん が90%と 大 部 分 を 占 め 肝 がんというとほとんどが 肝 細 胞 がんを 指 す
肝 臓 と 周 辺 臓 器
肝 炎 ウイルス 肝 がんは 肺 がんや 子 宮 頸 がんと 並 び 主 要 な 発 生 要 因 が 明 らかになっているがんの1つです 最 も 重 要 なのは 肝 炎 ウイルスの 持 続 感 染 である ウイルス の 持 続 感 染 によって 肝 細 胞 で 長 期 にわたって 炎 症 と 再 生 が 繰 り 返 されるうち 遺 伝 子 の 突 然 変 異 が 積 み 重 なり 肝 がんへの 進 展 に 重 要 な 役 割 を 果 たして いると 考 えられる 肝 炎 ウイルスにはA B C D Eなどさまざまな 種 類 が 存 在 しているが 肝 がんと 関 係 があるのは 主 にB Cの2 種 類 である
肝 がんの 症 状 肝 臓 は 沈 黙 の 臓 器 と 呼 ばれ 初 期 には 自 覚 症 状 がほとんどない 各 自 治 体 や 職 場 などの 検 診 で 肝 炎 ウイルス 検 査 を 行 っており 医 療 機 関 での 定 期 的 な 検 診 や 精 密 検 査 ほかの 病 気 の 検 査 のときに 肝 がん が 発 見 されることが 多 い 肝 がん 特 有 の 症 状 は 少 ないが 進 行 した 場 合 に 腹 部 のしこりや 圧 迫 感 痛 み 腹 部 が 張 った 感 じなどを 訴 える 人 もいる がんが 破 裂 すると 腹 部 の 激 痛 や 血 圧 低 下 を 起 こす
疫 学 統 計 (1) 年 齢 別 にみた 肝 臓 がんの 罹 患 (りかん) 率 は 男 性 では45 歳 から 増 加 し 始 め70 歳 代 に 横 ばいとなる 女 性 では55 歳 から 増 加 し 始 める 年 齢 別 にみた 死 亡 率 も 同 様 の 傾 向 に あります 罹 患 率 死 亡 率 共 男 性 の 方 が 高 く 女 性 の 約 3 倍 肝 臓 がん 罹 患 率 と 死 亡 率 の 年 次 推 移 を 生 まれた 年 代 別 にみると 男 女 とも1935 年 前 後 に 生 まれた 人 で 高 い これ は 1935 年 前 後 に 生 まれた 人 が 日 本 における 肝 臓 がん の 主 な 要 因 であるC 型 肝 炎 ウイルス (HCV)の 抗 体 陽 性 者 の 割 合 が 高 いことと 関 連 している
疫 学 統 計 (2) 罹 患 率 の 国 際 比 較 では 日 本 を 含 む 東 アジア 地 域 が 高 く アメリカの 東 アジア 系 移 民 の 中 では 日 系 移 民 が 最 も 低 くなっている 日 本 国 内 の 死 亡 率 の 年 次 推 移 は 男 女 とも 最 近 減 少 傾 向 にあり 罹 患 率 は 男 性 で 減 少 女 性 で 横 ばい 傾 向 にある 死 亡 率 の 国 内 の 地 域 比 較 では 東 日 本 より 西 日 本 の 方 が 高 い 傾 向 にある
肝 臓 疾 患 の 画 像 検 査 検 査 : 超 音 波 検 査 CT MRI 血 管 造 影 など 情 報 : 外 傷 奇 形 炎 症 腫 瘍 の 鑑 別 と 進 展 範 囲 の 診 断 超 音 波 検 査 CT 検 査 ( 症 例 は 血 管 腫 ) ( 症 例 は 肝 臓 癌 ) 良 性 悪 性 腫 瘍 の 鑑 別 病 巣 の 広 がりの 評 価 侵 襲 がない 良 性 悪 性 腫 瘍 の 鑑 別 病 巣 の 広 がりの 評 価 最 も 臨 床 で 多 く 用 いられる
肝 臓 疾 患 の 画 像 検 査 検 査 : 超 音 波 検 査 CT MRI 血 管 造 影 など 情 報 : 外 傷 奇 形 炎 症 腫 瘍 の 鑑 別 と 進 展 範 囲 の 診 断 MRI 検 査 血 管 造 影 検 査 ( 症 例 は 肝 臓 癌 ) ( 症 例 は 肝 転 移 ) 良 性 悪 性 腫 瘍 の 鑑 別 体 内 に 金 属 があると 検 査 できない 細 かな 血 管 解 剖 を 評 価 管 を 介 して 抗 がん 剤 や 塞 栓 物 質 を 投 与
1. 肝 臓 がん 肝 臓 癌 一 般 全 世 界 での 死 亡 率 は 最 多, 毎 年 100 万 人 が 死 亡 リスク:HBs 抗 原 陽 性,HBc 抗 体 陽 性,HCV 抗 体 陽 性, 肝 硬 変, 喫 煙 中, 癌 抑 制 遺 伝 子 p53 突 然 変 異, 性 ホルモン, 喫 煙, 飲 酒,DM,インシュリン, α1-antitrypsin 欠 乏 症,tyrosine 血 症, ヘモクロマトーシス * 約 3/4はC 型 肝 炎 に 由 来 腫 瘍 髄 伴 症 候 群 発 熱, 赤 血 球 増 多, 女 性 化 乳 房, 高 Ca 血 症 など Staging: 単 発, 多 発, 両 葉, 血 管 侵 襲 などで 分 類
1. 肝 臓 がん 肝 癌 は 高 齢 者 で 増 加 日 本 の 肝 癌 の 主 因 であるC 型 肝 炎 による 肝 硬 変 の 患 者 年 齢 ピークが65 歳 を 越 えた 肝 癌 の 大 部 分 が65 歳 以 上 になる 予 想 小 結 節 段 階 での 診 断 例 が 増 加 ラジオ 波 などの 非 開 腹 治 療 高 齢 肝 癌 症 例 の 増 加 ( 若 月 : 日 老 医 誌 2006)
1. 肝 臓 がん 肝 障 害 度 A: 肝 障 害 の 自 覚 がない B: 症 状 をたまに 自 覚 する C: いつも 症 状 がある --------------------------------------- 腹 水 bilirubin albumin ICG15 prothrombin A: なし 2 未 満 3.5 超 15 未 満 80 超 B: 治 療 効 2-3 3-3.5 15-40 50-80 C: 効 少 3 超 3 未 満 40 超 50 未 満
1. 肝 臓 がん 肝 癌 ガイドライン2005 年 ( 幕 内 班 )
肝 臓 疾 患 の 治 療 ( 悪 性 腫 瘍 など) 手 術 : 第 一 選 択 手 術 不 適 応 : 塞 栓 術 (IVR) ラジオ 波 (RFA)や 放 射 線 療 法 血 管 撮 影 塞 栓 術 (TAE) ( 症 例 は 肝 転 移 に 対 する 抗 が ん 剤 の 動 注 療 法 ) 動 脈 内 に 細 い 管 を 挿 入 し 肝 臓 内 の 病 気 の 様 子 を 評 価 腫 瘍 や 外 傷 による 出 血 を 止 める 管 を 介 して 抗 がん 剤 や 塞 栓 物 質 を 投 与 し 肝 がんなどの 治 療 を 行 う
1. 肝 臓 がん 肝 癌 の 標 準 治 療 切 除 は 治 癒 に 結 びつくが2 割 程 度 非 切 除 法 の 評 価 は 確 定 していない TAE,TACE, 動 注 化 療 RF PEIT 肝 移 植 I-131 リピオドール 凍 結 療 法 放 射 線 治 療 : 三 次 元 照 射 など
肝 細 胞 癌 (Hepatocellular Carcinoma) に 対 する 放 射 線 治 療 対 象 となる 病 態 門 脈 内 腫 瘍 塞 栓 など 外 科 的 治 療 や IVR(TACE や PAIT など)が 制 限 される 症 例 疼 痛 など 症 状 の 緩 和 腫 瘍 破 裂 予 防 が 必 要 な 症 例 照 射 線 量 一 回 線 量 2-3 Gy 総 線 量 30-50 Gy 局 所 効 果 奏 功 率 50% 以 上 の 報 告 が 多 い 以 前 肝 細 胞 癌 は 放 射 線 抵 抗 性 とされていたが 最 近 では 中 程 度 の 感 受 性 と 考 えられている
1. 肝 臓 がん 放 射 線 治 療 計 画 非 癌 部 肝 組 織 へはなるべく 照 射 を 回 避 局 所 のみならば50 60Gy 可 能 耐 容 量 TD 5/5 TD50/5 体 積 1/3 2/3 3/3 1/3 2/3 3/3 線 量 50 35 30Gy 55 45 40Gy 過 線 量 肝 不 全 周 辺 組 織 耐 容 量 : 小 腸 45Gy, 脊 髄 45Gy, 腎 ( 全 )23Gy
1. 肝 臓 がん 肝 癌 への 照 射 : 線 量 依 存 性 総 線 量 奏 功 率 (%) 肝 障 害 (%) 消 化 管 障 害 (%) --------------------------------------- ~40Gy 29.2 4.2 4.2 40-50 68.6 5.9 9.9 50~ 77.1 8.4 13.2 158 人,1~2 Y-S: 41.8~19.9% Park, HC, Seong J et al. IJROBP 2002
1. 肝 臓 がん 肝 臓 癌 治 療 成 績 5 年 生 存 率 : 単 発 例 ------------------ 45% 多 発 ----------------- 15-25% 2 5cm 病 変 ----------- 40-45% 5cm 以 上 ----------------- 10% 門 脈 静 脈 腫 瘍 塞 栓 ------ 3 年 以 内 に 死 亡 血 管 侵 襲 なし------------- 30%
1. 肝 臓 がん 放 射 線 性 肝 障 害 (Radiation-indued liver disease) 亜 急 性 ( 照 射 後 2 週 ~3か 月 )の 肝 障 害 疲 労,RUQ 違 和 感, 非 黄 疸 性 肝 腫 大, 腹 水, 酵 素 増 加 (Al-ph>GTP, GOT), 腫 瘍 増 大 なし RILDの 危 険 因 子 T stage, 総 腫 瘍 体 積, 門 脈 塞 栓, Child-Pugh Grade B 肝 硬 変 急 性 肝 毒 性 発 現 の 有 無,など Liang SX et al. IJROBP 2006
60 歳 代 男 性 右 側 腹 部 痛 腰 痛 肝 細 胞 癌 骨 転 移 リンパ 節 転 移 10 MV X 線 前 後 対 向 2 門 3 Gy x 10 fr total 30 Gy 5ヵ 月 後 腫 瘍 の 著 明 な 縮 小 疼 痛 の 消 失 骨 転 移 部 の 再 骨 化
1. 肝 臓 がん 肝 臓 癌 ポイント 1. 全 世 界 で 増 加 中, 罹 患 リスク, 高 齢 化 2. 近 年 ラジオ 波 焼 却 療 法 が 進 歩 3. 大 きなサイズのものに 三 次 元 照 射 は 有 効 4. 総 線 量 依 存 性 に 生 存 率 が 向 上 する 5. 肝 機 能 良 好 例 ではRILDの 予 想 が 可 能 6. 門 脈 腫 瘍 塞 栓 例 は 予 後 不 良 7. 全 肝 耐 容 量 30Gy
4. 胆 道 癌 一 般 標 準 治 療 法 放 射 線 治 療 計 画 成 績 合 併 症
胆 道 系 疾 患 の 画 像 検 査 検 査 法 : 超 音 波 検 査 CT MRI 内 視 鏡 的 胆 道 造 影 など 情 報 : 外 傷 奇 形 炎 症 腫 瘍 の 鑑 別 と 進 展 範 囲 の 診 断 超 音 波 検 査 CT 検 査 内 視 鏡 的 胆 道 造 影 ( 肝 内 胆 管 の 拡 張 ) 副 作 用 のない 検 査 でまず 最 初 に 行 われる 胆 管 の 拡 張 狭 窄 の 評 価 ( 総 胆 管 の 狭 窄 を 認 める) 胆 管 壁 に 沿 った 浸 潤 の 評 価
胆 道 系 疾 患 の 画 像 検 査 検 査 法 : 超 音 波 検 査 CT MRI 内 視 鏡 的 胆 道 造 影 など 情 報 : 外 傷 奇 形 炎 症 腫 瘍 の 鑑 別 と 進 展 範 囲 の 診 断 門 脈 肝 内 胆 管 肝 肝 動 脈 CT 検 査 胆 嚢 膵 十 二 指 腸 胆 管 の 拡 張 狭 窄 の 評 価 腫 瘍 の 部 位 広 がりの 評 価 リンパ 節 転 移 や 肝 転 移 も 評 価 ( 症 例 は 胆 管 癌 : 総 胆 管 の 拡 張 を 認 める)
2. 胆 道 がん 胆 道 癌 一 般 区 分 : 肝 内 胆 管 と 肝 外 胆 道 系 肝 外 胆 道 系 原 発 --- 胆 管 癌 と 胆 嚢 癌 胆 管 癌 : 上 部 胆 管 癌 が 全 体 の50-70% 関 係 する 疾 患 :クローン 病, 胆 管 胆 石, 潰 瘍 性 大 腸 炎, 硬 化 性 胆 管 炎 胆 嚢 癌 : 隣 接 臓 器 浸 潤 しやすい 関 係 する 病 因 や 疾 患 : 女 性, 高 齢, 慢 性 胆 嚢 炎, 胆 石 症, 胆 嚢 ポリープ
胆 道 癌 の 診 療 ガイド ライン ( 日 本 癌 治 療 学 会 )
2. 胆 道 がん 切 除 不 能 胆 道 癌 に 放 射 線 療 法 は 推 奨 されるか? 切 除 不 能 胆 管 癌 症 例 に 対 しては 放 射 線 療 法 を 行 うことを 考 慮 しても 良 い ( 推 奨 度 C1: 高 いレベルの 科 学 的 根 拠 はないが 行 う ことを 考 慮 してもよい. 有 用 性 が 期 待 できる 可 能 性 あり) 胆 道 癌 診 療 ガイドライン 目 的 は, 延 命 ( 姑 息 的 )あるいはステント 開 存 性 維 持, 減 黄, 疼 痛 緩 和 ( 対 症 的 治 療 )などが 多 い.その 有 効 性 を 示 唆 する 報 告 は 多 いが,いままで 大 規 模 なランダム 化 比 較 試 験 はないので,エビデンスレベルは 不 十 分.
2. 胆 道 がん 腔 内 照 射 は 非 切 除 胆 管 癌 に 対 して 推 奨 されるか? 胆 管 癌 に 対 する 放 射 線 療 法 の 際 に 腔 内 照 射 の 併 用 が 有 用 とされる 報 告 が 多 くある( 推 奨 度 C1) * 外 照 射 では 周 囲 消 化 管 などの 耐 容 線 量 の 関 係 で,50 Gy 以 上 では 合 併 症 の 危 険 性 が 高 くなる. 腺 癌 を 制 御 するには80 Gy 以 上 の 線 量 が 必 要 とされるため,50 Gy 程 度 では 局 所 制 御 が 困 難. 有 効 性 を 高 めるために 腔 内 照 射 などのブーストが 必 要 * 腔 内 照 射 併 用 で 奏 効 率 の 改 善, 再 発 期 間 や 生 存 期 間 の 延 長 という 報 告 あり. 一 方, 外 照 射 単 独 と 生 存 期 間 に 差 はなかった との 報 告 もあり, 評 価 は 定 まっていない. 腔 内 照 射 の 併 用 はおおむね 肯 定 的 に 考 えられている.
胆 道 系 疾 患 の 治 療 ( 悪 性 腫 瘍 ) 手 術 が 基 本 補 助 療 法 : 断 端 陽 性 例 などに 放 射 線 治 療 や 化 学 療 法 手 術 照 射 化 学 療 法 根 治 切 除 可 根 治 切 除 不 可 断 端 陽 性 遠 隔 転 移 例 再 発 例 ステント 胆 道 バイパス
胆 道 系 疾 患 の 治 療 ( 悪 性 腫 瘍 ) 放 射 線 治 療 : 外 照 射 : 皮 膚 を 通 して 外 から 照 射 する 方 法 腔 内 照 射 : 経 皮 的 に 挿 入 されたチューブを 介 し て 線 源 を 挿 入 ( 遠 隔 操 作 で 放 射 線 線 源 を 体 内 に 挿 入 する) (リニアック: 直 線 加 速 器 ) ( 密 封 小 線 源 治 療 装 置 )
2. 胆 道 がん 放 射 線 治 療 計 画 胆 嚢 癌 --- 肝 実 質 への 浸 潤 ある Stage III, IVの 進 行 癌 に 対 して 胆 管 癌 --- 手 術 不 能 例, 内 瘻 化 外 部 照 射 ( 腔 内 照 射 ) ステント 照 射 法 --- 前 後 二 門, 直 交 二 門, 三 門 照 射 など 45-55Gy 腔 内 照 射 -- 現 在 は Ir-192,Auグレイン, Co-60など
2. 胆 道 がん 胆 道 癌 治 療 成 績 予 後 因 子 --- 進 行 度 がもっとも 大 きな 影 響 切 除 不 能 限 局 型 に 対 する 放 射 線 治 療 --- 平 均 生 存 期 間 8 12か 月 外 部 腔 内 照 射 併 用 --- 最 大 median 21.2か 月
2. 胆 道 がん 放 射 線 治 療 合 併 症 耐 容 線 量 : 正 常 胆 道 は 肝 臓 に 準 じて 50-55Gy 合 併 症 : 急 性 -- 吐 き 気, 食 欲 不 振, 全 身 倦 怠 晩 期 -- 過 照 射 で 十 二 指 腸 潰 瘍, 腸 閉 塞
2. 胆 道 がん 胆 道 癌 ポイント 1. 放 射 線 治 療 単 独 では 極 めて 予 後 不 良 2. 胆 管 癌 の 腔 内 照 射 併 用 例 では, 生 存 期 間 延 長 例 も 報 告 されているが,エビデンスは 低 い 3. 術 後 照 射 で, 生 存 期 間 中 央 値 が2 年 近 くとなった 報 告 もある 4.ステント 使 用 で 減 黄 がなされた 症 例 は 生 存 率 や QOLが 改 善 される 5. 抗 がん 剤 との 併 用 :GEM, S-1の 導 入 で 放 射 線 治 療 にも 変 化 が 予 想 される
5. 膵 臓 癌 一 般 標 準 治 療 法 放 射 線 治 療 計 画 成 績 合 併 症
膵 臓 疾 患 の 画 像 検 査 超 音 波 検 査 CT MRI ERCP 血 管 造 影 情 報 : 炎 症 良 悪 性 腫 瘍 の 鑑 別 と 進 展 範 囲 の 診 断 CT 検 査 MRI 検 査 ( 症 例 は 膵 臓 癌 : 末 梢 膵 管 が 拡 張 ) 良 性 悪 性 腫 瘍 の 鑑 別 病 巣 の 広 がりの 評 価 肝 転 移 の 評 価 良 性 悪 性 腫 瘍 の 鑑 別 体 内 に 金 属 があると 検 査 できない
膵 臓 疾 患 の 画 像 検 査 超 音 波 検 査 CT MRI ERCP 血 管 造 影 情 報 : 炎 症 良 悪 性 腫 瘍 の 鑑 別 と 進 展 範 囲 の 診 断 CT 検 査 CT 再 構 成 画 像 前 から 見 た 画 像 三 次 元 画 像 病 巣 の 広 がりの 評 価 三 次 元 的 広 がりの 把 握 ( 症 例 は 膵 臓 癌 ) ( 血 管 の 様 子 がよくわかる)
膵 臓 疾 患 の 画 像 検 査 超 音 波 検 査 CT MRI ERCP 血 管 造 影 情 報 : 炎 症 良 悪 性 腫 瘍 の 鑑 別 と 進 展 範 囲 の 診 断 ERCP 検 査 血 管 造 影 検 査 ( 症 例 は 膵 臓 癌 : 血 管 を 巻 き 込 み 狭 小 化 している) ( 症 例 は 膵 臓 癌 : 尾 側 膵 管 が 途 絶 している)
3. 膵 臓 がん 膵 臓 癌 一 般 疫 学 : 予 後 不 良,60 84 歳 の 患 者 増 加 中 過 去 20 年 で 死 亡 率 2.5 倍 増 加 病 因 : 喫 煙, 食 事 ( 脂 肪, 肉 ), 胃 部 分 切 除,Cholecystokinin,DM 解 剖 : 頭 部, 体 部, 尾 部 病 理 :90% 以 上 は 膵 管 癌
3. 膵 臓 がん 膵 癌 の 腫 瘍 抑 制 遺 伝 子
3. 膵 臓 がん 膵 癌 の 診 療 ガイドライン ( 日 本 癌 治 療 学 会 )
膵 臓 疾 患 の 治 療 ( 悪 性 腫 瘍 ) 手 術 : 第 一 選 択 手 術 不 適 応 : 化 学 療 法 や 放 射 線 療 法 切 除 範 囲 切 除 するもの 膵 頭 部 十 二 指 腸 下 部 胆 管 胆 嚢 リンパ 節 ( 胃 ) 吻 合 する 部 位 尾 側 膵 残 胃 胆 管 と 空 腸
膵 臓 疾 患 の 治 療 ( 悪 性 腫 瘍 ) 手 術 : 第 一 選 択 手 術 不 適 応 : 化 学 療 法 や 放 射 線 療 法 外 部 照 射 ( 多 門 照 射 ) 多 方 向 から 照 射 することで 可 能 な 限 り 周 囲 正 常 組 織 への 線 量 を 低 減 させる 術 中 照 射 手 術 中 に 正 常 組 織 ( 胃 腸 )を 避 け 一 回 に 大 量 の 放 射 線 を 病 巣 部 に 照 射 する 化 学 療 法 同 時 併 用 放 射 線 治 療 外 部 照 射 多 門 照 射 ( 重 要 臓 器 を 避 ける よう 複 数 の 方 向 から 照 射 する)
3. 膵 臓 がん CQ 3-1 局 所 進 行 切 除 不 能 膵 癌 に 対 し 化 学 放 射 線 療 法 は 有 効 か? 推 奨 局 所 進 行 切 除 不 能 膵 癌 に 対 する5-FU 併 用 化 学 放 射 線 療 法 は 有 効 な 治 療 法 であり, 治 療 選 択 肢 の 1つとして 推 奨 される(グレードB). 5-FUの 併 用 方 法 (ボーラスか 持 続 投 与 か), 併 用 時 期, 維 持 化 学 療 法 を 含 めた 化 学 放 射 線 療 法 の レジメンについては 未 だ 一 定 のコンセンサスなし
膵 臓 がんのCRTスケジュール
3. 膵 臓 がん 放 射 線 治 療 計 画 通 常 の 治 療 法 では 治 癒 は 期 待 できない 手 術, 放 射 線 治 療, 化 学 療 法 の 組 み 合 わせ 術 前 照 射 : 術 中 照 射 : 病 巣 に 直 視 下 で 電 子 線 20 30Gy 術 後 照 射 : 根 治 ( 緩 和 ) 照 射 治 療 計 画 : 三 門 照 射, 四 門 照 射 根 治 照 射 の 総 線 量 60Gy
3. 膵 臓 がん 術 後 照 射 計 画 頭 部 体 部 尾 部 などを ブロックして 照 射 野 を 決 定
膵 がん3 門 照 射 時 のPTVとCTV
3. 膵 臓 がん 膵 臓 癌 治 療 成 績 治 療 成 績 :2 年 生 存 率 10% 台 が 多 い 切 除 しても1/2に 断 端 陽 性,1/3に 膵 周 囲 軟 部 組 織 特 に 腹 腔 神 経 叢 への 浸 潤 あり 術 後 照 射 必 要 照 射 (-) 局 所 再 発 50-60%, 肝 転 移 30-40% 除 痛 効 果 : 腹 腔 神 経 叢, 膵 頭 神 経 叢 浸 潤 などの 除 痛 効 果 は70-100%
3. 膵 臓 がん 腫 瘍 部 位 別 生 存 率
3. 膵 臓 がん 多 変 量 解 析 による 予 後 因 子 腫 瘍 最 大 進 展 度 p= 0.001 陽 性 LN 数 0.001 脾 摘 出 が 必 要 0.001 分 化 度 0.002 膵 頭 部 0.006 後 方 の 断 端 状 態 0.049 Brennan MF et al. (MSKCC) Ann Surg 240: 293, 2004
3. 膵 臓 がん 膵 臓 癌 術 後 の 補 助 療 法 Johns Hopkins Ann Surg 225:621,1997
膵 癌 術 後 の 化 学 放 射 線 療 法 randomized study ESPAC-1 Survival 症 例 RT 化 療 中 央 値 5 年 69 観 察 観 察 16.9M 8% 73 40Gy 同 時 5-Fu 13.9M - 72 40Gy 同 時 5-Fu 5-Fu/LV 19.9M 21% 75 観 察 5-Fu/LV 21.6M - NEJM 350:1200, 2004
3. 膵 臓 がん 放 射 線 治 療 合 併 症 正 常 膵 臓 の 耐 容 線 量 : 70Gyだが 周 辺 の 臓 器 の 耐 容 線 量 に 規 定 される 耐 容 線 量 が 低 い 周 辺 臓 器 : 小 腸 45Gy, 脊 髄 45Gy, 腎 ( 全 )23Gy 晩 期 合 併 症 : 最 も 多 いのは 消 化 管 潰 瘍 や 出 血
3. 膵 臓 がん 膵 臓 癌 ポイント 1. 進 行 膵 癌 や 遠 隔 転 移 例 が 多 い 2. 放 射 線 治 療 : 三 四 門 照 射, 術 中 照 射 3. 手 術 不 能 膵 癌 に 対 しては,あらゆる 努 力 をしても 治 療 成 績 改 善 に 至 らず 4. 新 しく 開 発 された 化 学 療 法 併 用 で より 限 局 した 照 射 法 を 試 みる 方 向 例 :ゲムシタビン(ジェムザール)
おことわり 図 表 は 北 原 規 相 羽 恵 介 編 著 化 学 放 射 線 療 法 プラクティカル ガイド 2009より 引 用 ( 一 部 改 変 ) 致 しました