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外 国 語 活 動 コミュニケーションを 通 し 学 びを 学 創 びを り 創 続 り ける 続 ける 外 外 国 語 活 動 のカリキュラム 東 東 口 貴 彰 はじめに 1 年 次 において 学 びを 創 り 続 ける 子 どもの 育 成 をめざし Can-Do List や ICT の 活 用 のあ り 方 を 工 夫 してきた それにより 子 どもたちは 活 動 に 対 してより 意 欲 的 になり 身 に 付 いた 言 葉 や 表 現 を 使 って 言 えることやできることが 増 えてきた しかし 自 己 肯 定 感 の 程 度 には 個 人 差 があ り すべての 子 どもがそれを 高 められるように 授 業 を 組 み 立 てる 必 要 性 が 課 題 としてあがった そこで 2 年 次 となる 昨 年 度 は 子 どもの 学 びを 創 り 続 ける 姿 のより 詳 しい 見 取 り 方 や 授 業 づ くりにおける 教 師 の 具 体 的 な 役 割 について 考 えてきた 活 動 内 容 としては 特 に 先 ほど 述 べた 自 己 肯 定 感 に 重 点 を 置 き 自 己 紹 介 をするための 表 現 を 様 々な 体 験 を 通 して 計 画 的 に 学 習 してきた 最 初 は 自 分 の 名 前 や 誕 生 日 など 個 人 的 な 話 題 が 中 心 ではあったが 活 動 を 進 めるうちに 自 分 のこ とをもっと 相 手 に 伝 えたいという 思 いが 芽 生 えてきた そして 好 きなものや 学 校 紹 介 等 身 近 な 話 題 を 広 げ 表 現 を 膨 らませることができるようになってきた 昨 年 度 の 研 究 成 果 としては 学 ぶ 内 容 を 自 分 で 決 める 授 業 を 通 して 子 どもたちの 意 欲 が 高 まり そこから 学 びを 創 り 続 ける 姿 へとつながったことが 挙 げられる さらに 日 頃 の ALT とのコミュニ ケーションや 海 外 との 文 通 辞 書 の 活 用 等 適 度 な 困 難 度 を 設 定 することで 子 どもたちの 意 欲 を 向 上 させ 自 ら 学 ぼうとする 姿 につながった さらにその 意 欲 から 発 展 させ 次 はもっと 相 手 に 伝 わるように を 頑 張 ろう 等 という 新 たな 意 欲 に 結 びつき 学 びを 創 り 続 ける 姿 を 見 取 ること ができた 学 年 末 に 撮 影 した 自 己 紹 介 ビデオでは 今 までに 外 国 語 活 動 で 学 んできたことをいかし 内 容 を 自 己 決 定 する 中 で もっとこんな 風 にしたら 相 手 に 上 手 く 伝 わるかな もっとこんな 表 現 を 使 ってみたいな もっと 笑 顔 で 大 きな 声 で 撮 影 しよう! 等 と 学 びを 創 り 続 ける 姿 が 見 られ た しかし 外 国 語 活 動 は 週 に1 時 間 という 限 られた 時 間 の 中 で 活 動 を 進 めることになる その ような 限 られた 時 間 の 中 で このような 子 どもを 育 てるために 本 年 度 の 研 究 テーマを コミュニ ケーションを 通 し 学 びを 創 り 続 ける 外 国 語 活 動 のカリキュラム とし 子 どもにとって 学 びの 必 然 性 があるカリキュラムをつくる 視 点 を 明 確 にしたい 1. 学 びを 創 り 続 ける 子 ども 像 (1) 外 国 語 活 動 におけるめざす 子 ども 像 本 校 の 外 国 語 活 動 におけるめざす 子 ども 像 は 英 語 を 使 って 友 だちと 楽 しくコミュニケーション をとることができる 子 ども である 本 校 では 学 習 指 導 要 領 に 基 づき そのような 子 ども 像 を 育 てる 観 点 として 興 味 関 心 人 間 関 係 表 現 力 ことば の 4 つを 定 めた 興 味 関 心 人 間 関 係 表 現 力 ことば 表 12-1 外 国 語 活 動 での4つの 観 点 とその 内 容 積 極 的 に 活 動 に 参 加 し 自 ら 外 国 語 でコミュニケーションをとろうとする 態 度 積 極 的 に 外 国 語 や 異 文 化 について 知 ろうとする 態 度 相 手 が 伝 えようとしていることを 分 かろうとする 態 度 自 信 はないけれど なんとかして 伝 えようとする 態 度 単 語 習 得 ゲームの 時 やコミュニケーションを 主 体 としたゲームの 時 表 現 活 動 の 時 などに 他 者 とうま くかかわり 学 び 合 える 力 自 分 の 思 いや 気 持 ちをうまく 身 体 表 現 して 相 手 に 正 確 にそれらを 伝 える 力 コミュニケーションに 必 要 な 最 小 限 の 単 語 やフレーズを 適 切 に 用 いる 力 166

これら4つの 観 点 の 態 度 や 力 を 高 めていくことで 外 国 語 を 使 って 世 界 中 の 人 々とつながり 自 分 や 自 国 の 文 化 風 習 を 積 極 的 に 伝 えたり また 他 国 の 文 化 風 習 を 受 け 止 めたりしていけるよう になると 考 えた このような 子 ども 像 を 踏 まえ 外 国 語 活 動 では 学 びを 創 り 続 ける 子 ども を 以 下 のように 定 義 した 日 常 の 生 活 体 験 や 学 習 経 験 をもとに 外 国 語 活 動 を 通 じて 自 分 の 思 いを 伝 えたり 他 者 の 思 いを 受 け 止 めたりして 新 たな 学 びの 一 連 の 過 程 を 積 極 的 に 自 ら 連 続 発 展 させていく 子 ども (2) 外 国 語 活 動 で 考 える 学 びを 創 り 続 ける 姿 今 日 グローバル 化 が 進 み 日 常 生 活 で 様 々な 外 国 語 に 触 れる 機 会 が 増 加 してきている 子 ども 達 は 新 しい 言 葉 に 出 合 った 時 今 までの 生 活 体 験 や 学 習 経 験 をもとに なんて 読 むんだろう? 英 語 で 言 ってみたい! と 好 奇 心 から 疑 問 を 解 決 するための 方 法 を 試 行 錯 誤 する そして 探 究 心 から 聞 いたり 見 たり 調 べたりしたこと を 使 って 自 らの 思 いをのせて 伝 えようとしたり 友 だちからの 思 いを 受 け 止 めたりしながら 課 題 を 解 決 する その 結 果 自 分 の 思 い 図 12-1 学 びを 創 り 続 ける 授 業 の 要 素 と 同 じだ! どうしてそう 想 うのだろう? と 同 じ 思 いに 共 感 し たり 違 いを 認 めたりしていく そういった 英 語 でのやりとりを 通 して 自 分 をふりかえることが 学 びを 創 る ことと 考 える さらに こんなことが 言 えるようになった という 達 成 感 が 次 は こんなことを 知 りたい という 新 たな 学 びを 創 る ことにつながる これらの 一 連 のサイクルが 外 国 語 活 動 における 学 びを 創 り 続 ける ことになると 考 える (3) 学 びを 創 り 続 けるために 必 要 な 要 素 本 校 外 国 語 活 動 の 学 習 活 動 は 興 味 関 心 人 間 関 係 表 現 力 ことば の4つの 観 点 で 構 成 している それら4つの 観 点 で 定 めた 態 度 や 力 を 伸 ばすために 必 要 な3 本 の 柱 は 未 知 への 好 奇 心 課 題 への 探 究 心 体 験 への 達 成 感 である さらにそれを 土 台 で 支 える 積 極 性 がある( 図 12-1 表 12-2) これらの1つ+3つの 要 素 が 学 びを 創 り 続 ける ことに 必 要 な 要 素 であるとい える 表 12-2 学 びを 創 り 続 ける 授 業 に 必 要 な3 本 の 柱 A: 未 知 への 好 奇 心 B: 課 題 への 探 究 心 C: 体 験 への 達 成 感 外 国 語 活 動 のみならず 知 らないこと やわからないことに 対 して 興 味 関 心 を 示 すことはとても 重 要 なことである を 英 語 でやってみたい! って 英 語 でなんて 言 うの? と 外 国 語 活 動 はその 領 域 の 特 性 から 興 味 関 心 を 比 較 的 持 ちやすい そのため それを 継 続 さ せることが 学 びを 創 り 続 ける 子 どもに つながる 挑 戦 してみた 結 果 上 手 くいかないこ ともあるだろう しかし できたかどう かで 終 わるのではなく その 結 果 に 至 っ た 原 因 を 考 えることが 大 切 である そし て 今 まで 身 につけた 態 度 や 力 を 目 の 前 にある 課 題 へと 結 びつけ あの 時 の 言 い 方 を 使 ったらできるかな? もっと ジェスチャーを 使 ったらうまく 伝 わるか もしれない! と 課 題 に 合 わせて 形 を 考 えながら 課 題 を 解 決 していくことが 学 びを 創 り 続 ける 子 どもにつながる うまくいかないことをうまくいくよう に 考 え 活 動 で 試 し また 考 えという 試 行 錯 誤 を 繰 り 返 しながら 最 後 までやり 抜 くことで 大 きな 達 成 感 を 得 ることがで きる そこには 自 分 自 身 で 考 えた 結 果 できるようになったことや 友 だちと 協 力 したり 共 有 したりすることでできる ようになったこと 等 が 含 まれる 目 標 を 達 成 したときに 感 じる 次 もやりたい! 次 は こんなことをしてみたい! と いう 思 いが 学 びを 創 り 続 ける 子 どもにつ ながる 表 12-2 の A C の3 本 の 柱 の 根 底 となるものが 積 極 性 である 挑 戦 しようと 思 ったり 疑 問 を 持 ったりしたとき 積 極 的 に 活 動 に 参 加 することで そこに 達 成 感 が 生 まれるだけでなく 好 奇 心 や 探 究 心 が 継 続 していくことになる A C の3つの 要 素 を 土 台 で 支 えるこの 積 極 性 は ど の 要 素 にも 絡 み 合 いながら 互 いに 影 響 を 与 えるものである 167

2. 学 びの 必 然 性 を 軸 とした 外 国 語 活 動 のカリキュラムづくりの 視 点 (1) 子 どもの 思 いやねがいの 連 鎖 から 生 まれる 学 びの 必 然 性 1 海 外 との 交 流 等 体 験 的 活 動 で 生 まれる 学 びの 必 然 性 自 分 の 好 きなことを 外 国 の 友 だちに 伝 える 活 動 をする 際 ただ 伝 え て 終 わりではなく そこから あ! 日 本 でも 流 行 っているけど 外 国 でも 流 行 っているんだ! ぼくと 同 じで 嬉 しいな! 私 は 落 語 が 好 きだけど これってどうやって 伝 えれば 分 かってもらえるかな? な ど 新 たな 発 見 や 疑 問 が 生 まれる(= 未 知 への 好 奇 心 ) そして それを 解 決 するために さらに 新 たな 表 現 を 進 んで 調 べて 覚 えたり 伝 え 方 を 工 夫 したりしようとする 態 度 が 生 まれる(= 課 題 への 探 求 心 ) 図 12-2 や 図 12-3 は オーストラリアの 友 だちにはじめて 送 っ た 手 紙 である この 活 動 では 自 ら 表 現 を 調 べたり 日 本 の 文 化 を 伝 えるために 折 り 紙 の 実 物 をはりつけたりする 子 どもがいた 他 好 きな ものの 写 真 を 貼 ったり 相 手 の 国 であるオーストラリアについて 調 べ 国 旗 やエアーズロック オペラハウス 等 相 手 の 文 化 に 関 する 絵 を 描 く 等 の 工 夫 をする 子 どもが 多 く 見 られた また 今 回 の 交 流 では お 互 いの 手 紙 に 顔 写 真 を 貼 っていたことで より 相 手 意 識 が 高 まり 交 流 に 対 する 意 欲 がさらに 向 上 した このように 海 外 との 交 流 を 通 すこ 図 12-2 自 ら 新 しい 表 現 を 調 べ て 書 き 加 えたり 様 々な 写 真 を 貼 り 付 けたりした 手 紙 図 12-3 折 り 紙 をはりつけた 手 紙 とで 相 手 の 文 化 について 自 ら 調 べたり 自 分 の 文 化 を 積 極 的 に 伝 えようとしたりする 態 度 が 必 然 的 に 生 まれた 次 頁 の 図 12-4 から 図 12-6 は 手 紙 をオーストラリアの 友 だちに 送 った 後 の 交 流 の 様 子 である 図 12-4 は 実 際 に 子 どもが 書 いた 手 紙 をオーストラリアの 友 だちが 受 け 取 った 場 面 である 図 12-5 は その 後 オーストラリアの 友 だちからの 返 事 を 受 け 取 った 場 面 である 実 際 に 自 分 たちの 作 った 手 紙 が 相 手 に 届 き その 場 面 が 視 覚 化 されることで そこに 大 きな 達 成 感 が 生 まれるだけでなく 相 手 意 識 もより 高 まった(= 体 験 への 達 成 感 ) そのため 次 にどのように 工 夫 すれば 相 手 に 伝 わりやすい 返 事 をすることができるのか グループで 進 んで 学 び 合 う 場 面 が 見 受 けられた 図 12-6 はその 一 例 であるが 落 語 家 という 将 来 の 夢 を 落 語 文 化 を 知 らないであろうオーストラリアの 友 だちに 手 紙 で 伝 える 事 の 困 難 性 から ビデオレターで 相 手 に 返 事 をすることを 考 えた 子 どもがいる グループの 様 子 である 落 語 家 になりたいという 将 来 の 夢 を 伝 えるために 英 語 だけでなく 実 際 の 落 語 家 の 写 真 を 見 せて 説 明 するなど 言 葉 だけに 頼 らずに 伝 えようという 姿 を 見 ることができた その 他 にも 実 際 にバスケットボールをしている 様 子 や 薬 剤 師 になりたい 子 どもは 薬 包 紙 や 砂 糖 等 を 使 い 薬 を 調 合 している 場 面 をやって 見 せる 工 夫 をしていた また Cool! などの 相 づちをした り インタビュー 形 式 にしたりと グループで 一 生 懸 命 工 夫 することができていた 他 にも 積 極 的 に 新 たな 英 語 表 現 を 調 べたり 既 習 事 項 を 友 だち 同 士 で 教 え 合 ったりと オーストラリアの 友 だ ちに 対 してその 返 事 をしたいという 必 要 感 から 実 際 に 伝 えるための 方 法 を 考 え 自 分 たちの 思 いをビデオレターや 手 紙 に 表 わすという 行 動 (= 学 びの 必 然 性 )を 自 然 と 生 み 出 していた 言 語 活 動 では 既 習 表 現 を 何 度 も 使 うことによってコミュニケーションに 慣 れていくスパイラル 的 な 学 習 の 大 切 さがしばしば 言 及 される しかし そこに 子 どもの 思 いやねがいが 欠 如 していると 学 習 意 欲 を 削 いでしまう 可 能 性 がある そこで 重 要 なことは 様 々な 体 験 的 活 動 を 通 した 新 しい 表 現 や 外 国 の 新 しい 文 化 的 な 側 面 との 出 合 い あるいは 外 国 の 人 たちとの 実 際 のやりとりそのもので 168

ある 子どもは そういった出合いを通すことで 今日の表現は本当に外国の人に通じるのかな もっといろんな表現を知ってみたい 実際に英語を使って話をしてみたい どんなふうに工夫 したら 相手に伝わりやすいかな という思いやねがいが各単元で生まれることになる こうい った子どもの思いやねがいから 実際に外国人に会ってインタビューをしてみたり 海外の学校と 交流したりというカリキュラムを設定することで 子どもは意欲的 主体的に学習に取り組むこと ができるようになると考える 図 12-4 子どもが書いた手紙をオース トラリアの友だちが受け取っ た様子 図 12-5 オーストラリアの友だちから返事 を受け取った子どもの様子 図 12-6 工夫したビデオレター ②異学年交流を通して生まれる 学びの必然性 昨年度には 中学生との交流授業を行った その中で中学生が自分たちの知らない表現を使った ことに対し 中学生のお姉さんが ふぇいばりっと という知らない言葉を使っていてかっこよかっ た という感想を持つ子どももいた また 道案内ゲームでは 中学生が アイスグッジェのグッ ドボイスを少し意識したほうがいいよ わからないときはジェスチャーを使うと相手に伝わりや すくなるよ と自分たちの経験を生かしたアドバイスを子どもに伝える場面が多く見られた 振り 返りでは 小学生と中学生がお互いの良さを認めつつ 小学生は中学生のようになりたいという憧 れをもつことができ 中学生は小学生の元気だった自分の姿を思い返したり 小学生の積極的なジ ェスチャーを真似したりしたいといった意見が出た このように 中学生との活動を通すことで 双方の学習への意欲が向上した こういった縦のつながりは 小学校内においても同じような効果 を生み出すと考えられる 本校においては 1年生から6年生まで 今日の一口英語 というもの を実施している これは 各学級において一日につき一つの英語フレーズに慣れ親しむという本校 の取り組みの1つであるが 1年生の子ども達は毎日新しい英語に慣れ親しむことをとても楽しみ にしている 朝の健康チェックにおいては 欠席している子に対し お大事に というところを 今 日 の 英 語 は Take care! だ か ら こ れ か ら は こ こ を 英 語 に し た い と 言 っ た り 1 1 月 は November だから これからは黒板に英語で日付を書いてほしい と発言したりと とても意 欲的になっている さらに 給食委員会の6年生の子どもが帰るときに See you! と言ってくれる と みんな笑顔になり See you! や Thank you! と嬉しそうにかえす等 6年生に対して知ってい る英語を使える喜びを感じる1年生は多い また 本校で行われている縦割り班活動 TAS の活動に着目してみると 高学年子どもが低学年の子どもとの活動をとても楽しく行っている た だ縦割り活動を楽しむだけでなく そこには高学年には高学年 低学年には低学年の様々な学びが ある そこで外国語活動では そういった学校生活での縦割り活動の特性を生かし 低学年との交 流を計画している 高学年になるにつれ 友だち同士での活動に少し恥ずかしさを感じてしまった りする子どもも出てくると考えられるが 低学年とともに活動することで こんな英語表現を使っ て一緒に活動をしたいな どんなふうに伝えたらわかりやすいかな 1年生が英語を楽しむた 169

めに こんな楽しい英語の歌を練習して 一緒に歌ってあげたいな 等 そこから新たな英語表現 を調べたり 英語をより分かりやすく相手に伝えるために工夫しようとしたりするようになる 加 えて 低学年の元気で明るい姿に刺激を受け 自分たちも頑張って大きな声を出したら 低学年の 子もきっとよろこんでくれる もっと笑顔で話してみると 会話が楽しくなるかな と 自分の 活動を前向きに考え直すこともできるようになる このような縦割りの学習は人前で話すことのプ レッシャーや英語を使うことの抵抗感を払拭し より積極性を高められるという意味においても重 要な役割を担っていると考える また 逆に低学年子どもにとっては お兄ちゃんやお姉ちゃんに 教えてもらうことで もっと話してみたい もっと色々な活動をしてみたい もっとお兄ちゃん たちに英語を教えてもらいたい と外国語活動に興味関心を持ち 今後学習することになる外国語 活動への橋渡しになることも期待される このように 異学年交流を取り入れたカリキュラムを設 定することで 学びを創る活動が連続発展し 学びを創り続けることにつながると考える 2 子どもの実生活と課題がつながることによって生まれる 学びの必然性 ①他教科 領域や行事との結びつきによって生まれる 学びの必然性 外国語活動のカリキュラムが 子どもの実生活と結びついていることも 学びの必然性が生まれ る重要な要素である 例えば5月の春の遠足では 歴史学習に関連付けて奈良の歴史や文化を味わ うことになるが そこには多くの外国から来られた観光客がいる そういった我々日本人とは感じ 方や思いが違う外国の方にインタビューをすることで 奈良の良さを別の角度から知ることができる このよう な場の設定があることで 子どもは どんなことを聞い てみよう 最初はどんなふうにはなしかけよう こ んなことを知りたいな 未知への好奇心 などと グループで一生懸命話し合いを行った そういった 知 りたい という必要感から そのためにはそれをどのよ うに英語で言えば良いのかを調べたり教え合ったりする という行動に自発的に移すことができていた 課題 図 12-7 奈良公園でのインタビュー への探求心 図 12-7 は その後実際に奈良公園に行き インタビューをしている様子であるが 最初は緊張していた子どもたちも だんだんと英語で質問することに抵抗が無くなっていき 積極 的にインタビューする子が増えていった その後の交流では 会話の中にジェスチャーを入れるこ とができた 班で協力して インタビューできた 友だちに英語を教えてあげることができた といった達成感を味わうことができた子どもが多数いた また インタビューをする前に Do you speak English?ときけた 英語の時間で習ったことがいかされた のような今までに蓄積してき た英語表現を運用できたことへの喜びを感じるといった感想もあった これから外国の方に会った ら 積極的に話していきたい と 今後さらに英語を活用していきたいという前向きな子どももた くさん出てきた 体験への達成感 このように 行事とカリキュラムを結びつけることによ り 子どもはよりその活動に必要感を高め 学びを連続的に発展させていくことができると考える ②子どもにとって身近な話題を扱うことにより生まれる 学びの必然性 外国語活動では なるべく子どもの生活に密着した身近な話題を取り扱うことで 抵抗感なく紹 介を工夫したり 新たな課題を見つけて挑戦したりする姿が見られるようになると考える 例えば 趣味や好きなこと等をクラスの友達みんなで交流する時間は 普段の学校生活の中では意外に少な い そういった内容をコミュニケーションが特性上多い外国語活動で取り扱うことで 新たな発見 170

が生まれることもある へぇ そんな趣味があったんだ 同じ趣味なんだね 等 そこから友 だちの新しい一面を発見し お互いのことを認め合うなかで もっと外国語を使って友だちのこと を知りたい という必要感を持ち 外国語を使う必然性が生み出される このように外国語活動で は 身近な話題を扱うことで 友だちとコミュニケーションをしようとする意欲を生み出すことが でき そこから学びを連続的に創り続けていくことができると考える 3 カリキュラムの見直しと新たなカリキュラムづくり 2.の 1 2 をもとに 学びを創り続けるカリキュラムづくりをする上で必要となる学習活動 の視点を以下にまとめる ア 各単元での目標が子どもにとってより明確化された学習活動 イ 外国人や友だちなど 人 と必然的に関わる体験的な活動 ウ 自分の思いや願いを持ち 主体的に判断し 自分なりの方法で表現できる学習活動 エ 国際理解の視点を取り入れた活動 これらの視点をもとに課題を設定し それらが相互に関連するように配列することで 学びを創 り続けるカリキュラム づくりができるようになると考える また どのような配列であっても 学びを創り続ける授業に必要な3つの柱である 未知への好奇心 課題への探究心 体験への達 成感 に沿った形で 子ども自らが積極的に学びを創り続けていけるものにしなければならない そのことをふまえ 外国語活動では 6年生の昨年度の実施カリキュラムをもとに 上記カリキュ ラムづくりの視点から 計画カリキュラムを見直した それが表 12-3 である しかし 外国語活動では 初めて出会った人とのコミュニケーション活動や 文化の違いから出 る戸惑い等 その活動を進める中で新たな課題が出てくることが考えられる また その活動は 子どもの様子から学びを創り続けるために有効であるかどうか見取っていく必要がある 子ども自 身が 学びを創り続ける ことができるように柔軟に課題を設定 変更していくことが有効である と考える 表 12-3 外国語活動の計画カリキュラム 参考文献 菅 正隆 効果的な外国語活動につながる 英語活動 国際理解の授業プラン 明治図書, 2009 年 英語教育のあり方に関する有識者会議 第3回 配布資料 平成 26 年 4 月 23 日版 文部科学省 小学校学習指導要領解説 171