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Transcription:

は し が き 固 定 資 産 税 は 市 町 村 財 政 における 基 幹 税 目 として 重 要 な 役 割 を 果 たしてきておりま す そして 近 年 課 税 情 報 の 公 開 の 促 進 等 を 背 景 に 固 定 資 産 税 制 度 や 資 産 評 価 に 対 する 納 税 者 の 関 心 は ますます 高 まっております 当 評 価 センターは 昭 和 53 年 5 月 設 立 以 来 固 定 資 産 税 に 関 する 調 査 研 究 地 方 団 体 職 員 に 対 する 研 修 情 報 の 収 集 提 供 等 の 業 務 を 行 ってまいりました 調 査 研 究 事 業 では その 時 々の 固 定 資 産 税 を 巡 る 諸 課 題 をテーマに 学 識 経 験 者 地 方 団 体 の 関 係 者 等 をもって 構 成 する 研 究 委 員 会 を 設 け 調 査 研 究 を 行 っておりますが 本 年 度 は3つの 調 査 研 究 委 員 会 において 固 定 資 産 税 制 度 固 定 資 産 評 価 制 度 に 関 して 専 門 的 な 調 査 研 究 を 行 って 参 りました このうち 地 方 税 における 資 産 課 税 のあり 方 に 関 する 調 査 研 究 委 員 会 においては 近 年 あまり 議 論 されていなかった 都 市 計 画 税 について 使 途 の 明 確 化 充 当 することが 出 来 る 事 業 の 範 囲 制 限 税 率 のあり 方 等 について 調 査 研 究 を 行 ってきました そしてこの 度 当 委 員 会 の 調 査 研 究 の 成 果 をとりまとめ ここに 研 究 報 告 書 として 公 表 するものです この 機 会 に 熱 心 にご 研 究 ご 審 議 いただいた 委 員 の 方 々に 対 し 心 か ら 感 謝 申 し 上 げます 当 評 価 センターは 今 後 とも 所 期 の 目 的 にそって 事 業 内 容 の 充 実 を 図 るとともに 地 方 団 体 等 に 役 立 つ 調 査 研 究 に 努 力 をいたす 所 存 でありますので 地 方 団 体 をはじめ 関 係 団 体 の 皆 様 のなお 一 層 のご 指 導 ご 支 援 をお 願 い 申 し 上 げます 平 成 24 年 3 月 財 団 法 人 資 産 評 価 システム 研 究 センター 理 事 長 小 林 倫 憲

平 成 23 年 度 地 方 税 における 資 産 課 税 のあり 方 に 関 する 調 査 研 究 委 員 会 委 員 名 簿 委 員 長 金 子 宏 東 京 大 学 名 誉 教 授 委 員 石 島 弘 岡 山 商 科 大 学 大 学 院 法 学 研 究 科 教 授 工 藤 裕 子 中 央 大 学 法 学 部 教 授 佐 藤 英 明 慶 應 義 塾 大 学 大 学 院 法 務 研 究 科 ( 法 科 大 学 院 ) 教 授 篠 原 正 博 中 央 大 学 経 済 学 部 教 授 渋 谷 雅 弘 東 北 大 学 大 学 院 法 学 研 究 科 教 授 杉 原 正 純 元 自 治 省 税 務 局 長 谷 口 進 一 新 日 本 製 鐵 株 式 会 社 代 表 取 締 役 副 社 長 堀 場 勇 夫 青 山 学 院 大 学 経 済 学 部 教 授 前 田 高 志 関 西 学 院 大 学 経 済 学 部 教 授 水 野 忠 恒 一 橋 大 学 大 学 院 法 学 研 究 科 教 授 横 山 彰 中 央 大 学 総 合 政 策 学 部 教 授 阿 南 威 彦 東 京 都 主 税 局 資 産 税 部 長 谷 口 郁 夫 神 戸 市 行 財 政 局 主 税 部 長 ( 順 不 同 敬 称 略 ) 平 成 24 年 3 月 現 在

地 方 税 における 資 産 課 税 のあり 方 に 関 する 調 査 研 究 委 員 会 審 議 経 過 第 1 回 平 成 23 年 10 月 11 日 ( 火 ) ( 議 題 )(1) 平 成 23 年 度 調 査 研 究 テーマ スケジュール (2) 都 市 計 画 税 について (3)その 他 第 2 回 平 成 24 年 2 月 8 日 ( 水 ) ( 議 題 )(1) 都 市 計 画 税 について 1 第 1 回 委 員 会 の 補 足 説 明 2 地 方 団 体 からのプレゼンテーション (2) 平 成 24 年 度 税 制 改 正 について( 固 定 資 産 税 関 係 を 中 心 に) (3)その 他 第 3 回 平 成 24 年 3 月 8 日 ( 木 ) ( 議 題 )(1) 都 市 計 画 税 について 1 論 点 に 対 する 意 見 等 の 取 りまとめ 2 報 告 書 ( 案 )について ( 議 題 )(2) 社 会 保 障 税 一 体 改 革 について

目 次 1.はじめに... 1 2. 都 市 計 画 税 の 概 要... 1 (1) 性 格... 1 (2) 課 税 客 体... 1 (3) 課 税 団 体... 2 (4) 税 率... 2 (5) 税 収... 2 3. 都 市 計 画 税 の 現 状 と 課 題... 2 (1) 都 市 計 画 税 の 使 途 の 明 確 化... 2 1 使 途... 3 2 使 途 の 状 況 ( 平 成 22 年 7 月 時 点 )... 3 3 使 途 の 明 確 化 に 関 する 課 題... 4 (2) 都 市 計 画 税 の 充 当 先... 5 1 都 市 計 画 税 の 都 市 計 画 事 業 等 への 充 当 状 況... 5 2 他 の 目 的 税 の 使 途... 5 3 都 市 計 画 税 の 充 当 に 関 する 課 題... 7 (3) 制 限 税 率... 7 1 都 市 計 画 税 が 制 限 税 率 のみを 定 めている 理 由... 7 2 制 限 税 率 の 改 正 状 況... 7 3 制 限 税 率 に 関 する 課 題... 9

4. 地 方 団 体 における 実 情... 9 (1) 埼 玉 県 川 越 市... 9 1 川 越 市 の 概 要... 9 2 平 成 22 年 度 の 都 市 計 画 税 率 の 引 き 上 げについて... 9 3 今 後 の 課 題... 11 (2) 千 葉 県 千 葉 市... 11 1 千 葉 市 の 概 要... 11 2 都 市 計 画 事 業 費 について... 11 3 都 市 計 画 税 の 使 途 に 関 する 市 民 への 周 知... 12 4 今 後 の 見 込 み... 12 (3) 兵 庫 県 神 戸 市... 13 1 神 戸 市 の 概 要... 13 2 都 市 計 画 税 の 充 当 事 業 の 範 囲 について... 13 3 都 市 計 画 税 率 の 決 定 方 法 について... 13 4 都 市 計 画 税 の 使 途 の 明 確 化 について... 14 5. 都 市 計 画 税 に 関 する 論 点 の 検 討... 14 (1) 都 市 計 画 税 の 使 途 の 明 確 化... 14 (2) 都 市 計 画 税 を 充 当 することができる 費 用 の 範 囲... 15 (3) 都 市 計 画 税 の 制 限 税 率 のあり 方... 18 6.まとめ... 19 7. 資 料 編... 21

1.はじめに 都 市 計 画 税 は 都 市 計 画 法 に 基 づいて 行 う 都 市 計 画 事 業 又 は 土 地 区 画 整 理 法 に 基 づいて 行 う 土 地 区 画 整 理 事 業 に 要 する 費 用 に 充 てるため 昭 和 31 年 度 に 創 設 された 市 町 村 の 目 的 税 である 都 市 計 画 税 の 創 設 以 降 地 域 のまちづくりを 進 める 環 境 や 開 発 事 業 を 取 り 巻 く 環 境 都 市 計 画 事 業 に 関 する 各 種 制 度 が 変 化 してきている 中 で 都 市 計 画 事 業 の 財 源 である 都 市 計 画 税 についても 期 待 されている 役 割 に 多 少 なりとも 変 化 が 見 られるところである また 近 年 納 税 義 務 者 の 税 金 に 対 する 意 識 が 高 まっており 税 金 の 使 われ 方 についての 関 心 も 強 くなっている 今 年 度 の 本 調 査 研 究 会 では このように 時 代 の 変 遷 とともに 変 化 する 事 項 に 対 応 するために 今 後 の 都 市 計 画 税 のあり 方 をどのようにすべきかということ を 念 頭 におきつつ 現 状 の 課 題 を 整 理 し 検 討 を 行 うこととした 2. 都 市 計 画 税 の 概 要 (1) 性 格 都 市 計 画 税 は 都 市 計 画 事 業 又 は 土 地 区 画 整 理 事 業 を 行 う 市 町 村 におい て その 事 業 に 要 する 費 用 に 充 てるために 目 的 税 として 課 税 されるもの 都 市 計 画 税 を 課 税 するか 否 か あるいは その 税 率 水 準 をどの 程 度 にす るかについては 地 域 における 都 市 計 画 事 業 等 の 実 態 に 応 じ 市 町 村 の 自 主 的 判 断 ( 条 例 事 項 )に 委 ねられている 都 市 計 画 事 業 とは 都 市 計 画 法 第 4 条 第 15 項 に 規 定 されている 都 道 府 県 知 事 の 認 可 を 受 けて 行 われる 都 市 計 画 施 設 の 整 備 に 関 する 事 業 及 び 市 街 地 開 発 事 業 である 都 市 計 画 施 設 は 次 に 掲 げる 施 設 である( 都 市 計 画 法 第 11 条 第 1 項 ) 1 道 路 都 市 高 速 鉄 道 駐 車 場 自 動 車 ターミナルその 他 の 交 通 施 設 2 公 園 緑 地 広 場 墓 園 その 他 の 公 共 空 地 3 水 道 電 気 供 給 施 設 ガス 供 給 施 設 下 水 道 汚 物 処 理 場 ごみ 償 却 場 その 他 の 供 給 施 設 又 は 処 理 施 設 等 (2) 課 税 客 体 都 市 計 画 税 の 課 税 客 体 は 市 町 村 の 区 域 で 都 市 計 画 法 第 5 条 の 規 定 によ り 都 市 計 画 区 域 として 指 定 されたもののうち 同 法 第 7 条 第 1 項 に 規 定 する 市 街 化 区 域 内 に 所 在 する 土 地 及 び 家 屋 である 平 成 22 年 度 の 課 税 対 象 資 産 は 土 地 が 4,150 万 筆 家 屋 が 3,015 万 棟 となっている -1-

(3) 課 税 団 体 平 成 22 年 度 において 都 市 計 画 税 を 課 税 している 団 体 は 平 成 22 年 7 月 1 日 時 点 で 658 団 体 ( 東 京 都 特 別 区 を1 団 体 として 含 む)であり 都 市 計 画 事 業 を 施 行 している 市 町 村 の 約 6 割 が 都 市 計 画 税 を 課 税 している なお 658 団 体 には 都 市 計 画 税 の 税 条 例 を 有 するが 条 例 の 本 則 又 は 附 則 で 課 税 を 留 保 している 17 団 体 は 含 んでいない 固 定 資 産 税 課 税 都 市 計 画 事 業 施 行 都 市 計 画 税 課 税 3/1 3/2 市 町 村 数 ( 1) 1 市 町 村 数 ( 2) 2 市 町 村 数 ( 3) 3 市 787 686 535 68% 78% 町 村 941 349 123 13% 35% 計 1,728 1,035 658 38% 64% 1 は H22.4.1 時 点 2 は H22.3.31 時 点 3 は H22.7.1 時 点 の 数 値 である (4) 税 率 都 市 計 画 税 の 税 率 は 100 分 の 0.3 を 超 えることができないとされている が 税 率 水 準 をどの 程 度 にするかについては 地 域 における 都 市 計 画 事 業 等 の 実 態 に 応 じ 決 定 されるため 団 体 によって 様 々である 税 率 の 採 用 状 況 は 都 市 計 画 税 を 課 税 している 団 体 の 約 半 数 が 制 限 税 率 で ある 100 分 の 0.3 を 採 用 している 次 いで 多 いのが 昭 和 51 年 度 までの 制 限 税 率 である 100 分 の 0.2 を 採 用 している 団 体 となっている なお 一 番 低 い 税 率 は 100 分 の 0.05 となっている 0.1 超 0.2 超 0.25 超 0.1 未 満 0.1 0.2 0.25 0.3 計 0.2 未 満 0.25 未 満 0.3 未 満 団 体 数 2 27 23 189 10 50 23 334 658 1 平 成 22 年 4 月 1 日 時 点 の 数 値 (5) 税 収 平 成 22 年 度 における 都 市 計 画 税 の 決 算 額 は1 兆 2,555 億 円 であり 市 町 村 にとって 重 要 な 財 源 となっている 市 町 村 税 収 に 占 める 割 合 をみると 全 国 平 均 が 6.2% 大 都 市 が 8.0% 都 市 が 5.6% 町 村 が 1.5%となっており 都 市 部 の 税 収 が 多 いことが 見 て 取 れる 3. 都 市 計 画 税 の 現 状 と 課 題 (1) 都 市 計 画 税 の 使 途 の 明 確 化 -2-

1 使 途 都 市 計 画 税 は 都 市 計 画 法 に 基 づいて 行 う 都 市 計 画 事 業 又 は 土 地 区 画 整 理 法 に 基 づいて 行 う 土 地 区 画 整 理 事 業 に 要 する 費 用 に 充 てるためのも のでなければならない 都 市 計 画 事 業 又 は 土 地 区 画 整 理 事 業 に 要 する 費 用 とは すでに 実 施 し たこれらの 事 業 並 びに 現 に 実 施 中 のこれらの 事 業 及 び 今 後 実 施 すること を 決 定 されたこれらの 事 業 のために 必 要 な 直 接 又 は 間 接 の 費 用 をいう したがって 例 えば これらの 事 業 の 実 施 のため 借 り 入 れた 借 入 金 を 償 還 する 費 用 等 は 含 まれるのであるが これらの 事 業 に 関 連 して 行 われる 事 業 例 えば 災 害 復 旧 事 業 のための 費 用 は これに 含 まれない また 都 市 計 画 事 業 又 は 土 地 区 画 整 理 事 業 に 要 する 費 用 は 事 業 の 実 施 主 体 の 如 何 にかかわらず 市 町 村 の 都 市 計 画 区 域 内 において 行 われる 都 市 計 画 事 業 又 は 土 地 区 画 整 理 事 業 の 実 施 に 必 要 とする 費 用 をいう し たがって 国 又 は 都 道 府 県 の 実 施 するこれらの 事 業 に 要 する 費 用 の 一 部 と して 市 町 村 の 負 担 する 費 用 又 は 市 町 村 の 都 市 計 画 区 域 内 において 土 地 区 画 整 理 組 合 等 が 行 う 土 地 区 画 整 理 事 業 に 対 する 市 町 村 の 補 助 金 の 財 源 にも 都 市 計 画 税 を 充 てることができる しかし これらの 事 業 に 要 する 費 用 のうち 国 の 負 担 金 受 益 者 負 担 金 等 のように 特 定 の 収 入 がある 場 合 においては もとより これらの 特 定 の 収 入 を 控 除 した 額 によらなけ ればならない 2 使 途 の 状 況 ( 平 成 22 年 7 月 時 点 ) ア 議 会 に 対 する 使 途 の 明 確 化 ( 予 算 決 算 説 明 書 ( 事 項 別 明 細 書 )に おいて 都 市 計 画 事 業 費 に 都 市 計 画 税 収 を 充 当 していることを 明 示 ) (ア) 明 示 有 144 団 体 (21.9%) (イ) 明 示 無 514 団 体 (78.1%) 明 示 の 方 法 充 当 調 書 を 作 成 68 団 体 財 源 内 訳 の 特 定 財 源 欄 に 明 記 33 団 体 備 考 等 の 欄 に 充 当 額 を 明 記 11 団 体 その 他 37 団 体 イ 住 民 に 対 する 使 途 の 明 確 化 (ア) 目 的 税 である 都 市 計 画 税 の 概 要 について 毎 年 周 知 a 周 知 有 485 団 体 (73.7%) b 周 知 無 173 団 体 (26.3%) -3-

周 知 の 方 法 ホームページ 311 団 体 パンフレット 212 団 体 広 報 誌 140 団 体 納 税 通 知 書 121 団 体 説 明 会 17 団 体 その 他 61 団 体 (イ) 予 算 額 又 は 決 算 額 により 都 市 計 画 税 の 使 途 を 毎 年 周 知 a 周 知 有 223 団 体 (33.9%) b 周 知 無 435 団 体 (66.1%) 周 知 の 方 法 広 報 誌 146 団 体 ホームページ 79 団 体 パンフレット 24 団 体 説 明 会 5 団 体 その 他 43 団 体 3 使 途 の 明 確 化 に 関 する 課 題 都 市 計 画 税 の 使 途 については 政 府 税 制 調 査 会 の わが 国 税 制 の 現 状 と 課 題 21 世 紀 に 向 けた 国 民 の 参 加 と 選 択 平 成 12 年 7 月 14 日 付 答 申 において 次 のとおりまとめられている その 税 収 が 充 当 対 象 事 業 に 要 する 費 用 を 上 回 り 余 剰 金 が 生 じる 場 合 は 充 当 対 象 外 の 事 業 に 充 当 されることがないよう 特 別 会 計 におい て 財 源 繰 越 を 適 正 に 行 うなどの 適 切 な 対 応 が 必 要 です また 都 市 計 画 税 の 性 格 に 鑑 み 特 別 会 計 を 設 置 して 経 理 を 明 確 に 区 分 することや 議 会 に 提 出 される 予 算 書 決 算 書 や 説 明 資 料 に 特 定 財 源 として 明 示 するな どの 議 会 に 対 する 使 途 の 明 確 化 とともに 住 民 に 対 しても 広 報 誌 などに おいて 都 市 計 画 税 がどのような 事 業 に 充 当 されているかを 周 知 し アカ ウンタビリティを 十 分 果 たす 必 要 があると 考 えられます 納 税 者 に 対 して 受 益 と 負 担 の 関 係 を 明 らかにしていくため その 使 途 を 一 層 明 確 化 していくことが 求 められます また 地 方 税 法 の 施 行 に 関 する 取 扱 について( 市 町 村 税 関 係 ) ( 昭 和 30 年 8 月 1 日 付 自 乙 市 発 第 33 号 )においても 都 市 計 画 税 は 都 市 計 画 事 業 又 は 土 地 区 画 整 理 事 業 に 要 する 費 用 に 充 てるものであることを 明 らかにする 必 要 があるので 特 別 会 計 を 設 置 しないで 一 般 会 計 に 繰 り 入 れる 場 合 においては 都 市 計 画 税 をこれらの 事 業 に 要 する 費 用 に 充 -4-

てるものであることが 明 らかになるような 予 算 書 決 算 書 の 事 項 別 明 細 書 あるいは 説 明 資 料 等 において 明 示 することにより 議 会 に 対 しその 使 途 を 明 らかにするとともに 住 民 に 対 しても 周 知 することが 適 当 であるこ と とされている そこで 平 成 22 年 度 の 使 途 の 明 確 化 状 況 を 平 成 11 年 度 と 比 較 すると 議 会 に 対 する 使 途 の 明 確 化 は 平 成 11 年 度 は 100 団 体 (12.7%)であっ たが 平 成 22 年 度 は 144 団 体 (21.9%)となっている また 住 民 に 対 する 使 途 の 明 確 化 は 平 成 11 年 度 は 127 団 体 (16.1%)であったが 平 成 22 年 度 は 223 団 体 (33.9%)となっている このように 使 途 の 明 確 化 の 状 況 は 若 干 進 捗 しているが いまだ 十 分 な 使 途 の 明 確 化 が 図 られて いない 状 況 にある このような 状 況 を 打 開 するために 使 途 の 明 確 化 が 進 展 しない 要 因 を 分 析 し 対 応 方 策 を 検 討 する 必 要 がある (2) 都 市 計 画 税 の 充 当 先 1 都 市 計 画 税 の 都 市 計 画 事 業 等 への 充 当 状 況 都 市 計 画 税 課 税 市 町 村 における 都 市 計 画 事 業 費 等 とその 財 源 内 訳 を 平 成 22 年 度 決 算 額 ベースでみると 3 兆 8,475 億 円 であり 事 業 費 等 の 内 訳 は 地 方 債 償 還 額 が1 兆 7,599 億 円 (45.7%) 下 水 道 事 業 が 7,794 億 円 (20.3%) 街 路 事 業 が 5,435 億 円 (14.1%) 等 となっている その 財 源 内 訳 については 都 市 計 画 税 収 を 除 いた 一 般 財 源 等 が 一 番 多 く1 兆 3,017 億 円 (33.8%)となっており 次 いで 都 市 計 画 税 収 が 1 兆 2,234 億 円 (31.8%)となっている 残 りの 約 3 分 の1は 地 方 債 が 7,017 億 円 (18.2%) 国 庫 支 出 金 等 が 3,437 億 円 (8.9%) 負 担 金 使 用 料 等 が 2,775 億 円 (7.2%)となっている また 地 方 債 国 庫 支 出 金 等 負 担 金 使 用 料 等 の 財 源 を 差 し 引 いた 額 における 都 市 計 画 税 の 充 当 割 合 を 課 税 団 体 別 でみると 充 当 割 合 が 50% 未 満 となっている 団 体 が 390 団 体 (61.7%) 100%を 超 えたオーバー フロー 状 態 の 団 体 が 16 団 体 (2.5%) 90% 以 上 100% 以 下 の 団 体 が 30 団 体 (4.7%)となっている なお オーバーフローしている 団 体 については 財 源 繰 越 又 は 基 金 積 立 を 行 い 翌 年 度 以 降 の 都 市 計 画 事 業 等 の 財 源 としている 2 他 の 目 的 税 の 使 途 都 市 計 画 税 は 都 市 計 画 事 業 又 は 土 地 区 画 整 理 事 業 に 要 する 費 用 に 充 てるために 課 される 目 的 税 であるため 都 道 府 県 知 事 の 認 可 を 受 けた 事 業 でなくてはならない 既 に 都 市 計 画 事 業 として 整 備 された 都 市 施 設 の -5-

リニューアルについては 学 校 施 設 の 耐 震 化 や 公 園 内 施 設 の 充 実 等 当 該 事 業 の 実 施 が 都 市 全 体 の 機 能 の 向 上 に 資 するものであれば 新 たな 都 市 計 画 事 業 として 改 めて 認 可 されることとなる ただし 次 にあげるよう な 他 の 目 的 税 の 使 途 と 比 較 した 場 合 都 市 計 画 税 のそれは 狭 いとの 考 え もあるところである ア 事 業 所 税 地 方 税 法 第 701 条 の 30 指 定 都 市 等 は 都 市 環 境 の 整 備 及 び 改 善 に 関 する 事 業 に 要 する 費 用 に 充 てるため 事 業 所 税 を 課 するものとする 道 路 公 園 等 の 整 備 事 業 に 充 てられ 当 該 地 方 団 体 がこれらの 事 業 を 施 行 する 場 合 の 事 業 費 のほか 当 該 事 業 に 係 る 補 助 負 担 金 利 子 補 給 金 地 方 債 元 利 償 還 金 維 持 管 理 費 等 が 含 まれるが 人 件 費 その 他 のいわゆる 運 営 費 及 び 赤 字 補 てん 金 は 含 まれない イ 入 湯 税 地 方 税 法 第 701 条 鉱 泉 浴 場 所 在 の 市 町 村 は 環 境 衛 生 施 設 鉱 泉 源 の 保 護 管 理 施 設 及 び 消 防 施 設 その 他 消 防 活 動 に 必 要 な 施 設 の 整 備 並 びに 観 光 の 振 興 ( 観 光 施 設 の 整 備 を 含 む )に 要 する 費 用 に 充 てるため 鉱 泉 浴 場 における 入 湯 に 対 し 入 湯 客 に 入 湯 税 を 課 するものとする 環 境 衛 生 施 設 とは 上 下 水 道 汚 水 処 理 施 設 清 掃 施 設 等 環 境 衛 生 に 関 する 施 設 とされ 鉱 泉 源 の 保 護 管 理 施 設 には 鉱 泉 賦 存 量 の 調 査 利 用 施 設 必 要 使 用 料 の 調 査 等 鉱 泉 集 中 管 理 の 実 施 に 関 する 調 査 を 含 む とされ 観 光 の 振 興 等 としては 観 光 宣 伝 事 業 観 光 調 査 事 業 観 光 施 設 の 整 備 とされており 入 湯 税 はそれぞれの 施 設 の 維 持 管 理 費 にも 充 当 されている ウ 水 利 地 益 税 地 方 税 法 第 703 条 道 府 県 又 は 市 町 村 は 水 利 に 関 する 事 業 都 市 計 画 法 に 基 づいて 行 う 事 業 林 道 に 関 する 事 業 その 他 土 地 又 は 山 林 の 利 益 とな るべき 事 業 の 実 施 に 要 する 費 用 に 充 てるため 当 該 事 業 に 因 り 特 に 利 益 を 受 ける 土 地 又 は 家 屋 に 対 し その 価 格 又 は 面 積 を 課 税 標 準 と して 水 利 地 益 税 を 課 することができる -6-

水 利 に 関 する 事 業 とは 用 排 水 事 業 溜 池 の 新 設 改 築 又 は 修 築 の 如 きものをいうとされ 土 地 又 は 山 林 の 利 益 となるべき 事 業 とは 林 道 又 は 農 道 の 新 設 又 は 改 修 耕 地 の 床 締 客 土 防 潮 防 水 の 施 設 荒 廃 林 地 復 旧 事 業 植 林 事 業 等 をいうものとされている 水 利 地 益 税 はそれぞれの 事 業 に 係 る 維 持 管 理 費 にも 充 当 されている 3 都 市 計 画 税 の 充 当 に 関 する 課 題 都 市 計 画 税 を 充 当 することができるか 否 かは 対 象 事 業 が 都 市 計 画 事 業 又 は 土 地 区 画 整 理 事 業 に 認 可 されるかによって 決 まってくる 都 市 計 画 法 は 都 市 施 設 に 関 して その 計 画 から 事 業 の 実 施 までの 段 階 につ いて 定 めたものであり 事 業 完 成 後 の 管 理 については 何 の 定 めもないこ とから 都 市 計 画 事 業 の 完 成 後 は 当 該 都 市 施 設 の 管 理 者 にその 管 理 を 引 き 継 ぎ 各 々の 管 理 者 が 当 該 都 市 施 設 について 道 路 法 都 市 公 園 法 等 の 他 の 法 令 により 管 理 を 行 うこととなる しかし 高 度 に 整 備 された 都 市 計 画 施 設 では その 維 持 管 理 にも 多 額 の 費 用 を 要 することから 都 市 計 画 施 設 の 維 持 管 理 費 に 都 市 計 画 税 を 充 当 し たいとの 声 も 聞 こえてくるところである そこで 都 市 計 画 税 がオーバーフローしている 団 体 の 実 情 他 の 目 的 税 と 比 較 して 使 途 が 狭 いとも 考 えられる 実 情 等 を 踏 まえ 都 市 計 画 税 の 目 的 及 び 使 途 のあるべき 姿 について 検 討 を 行 う 必 要 がある (3) 制 限 税 率 1 都 市 計 画 税 が 制 限 税 率 のみを 定 めている 理 由 都 市 計 画 税 において 定 め 得 る 最 高 限 度 の 税 率 すなわち 制 限 税 率 しか 法 定 されていないのは 都 市 計 画 税 によって 調 達 すべき 財 源 が 個 々の 市 町 村 の 都 市 計 画 事 業 又 は 土 地 区 画 整 理 事 業 に 要 する 費 用 の 額 等 によって 大 きく 異 なるため 都 市 計 画 税 については 全 ての 市 町 村 を 通 じて 適 用 さ れる 一 定 税 率 や 標 準 税 率 になじみ 難 い 面 があること 等 の 理 由 に 基 づくも のとされている したがって 市 町 村 が 採 用 すべき 都 市 計 画 税 の 具 体 的 な 税 率 は この 制 限 税 率 制 度 の 趣 旨 に 十 分 配 意 し 都 市 計 画 事 業 又 は 土 地 区 画 整 理 事 業 に 要 する 費 用 の 総 額 国 庫 支 出 金 受 益 者 負 担 金 等 特 定 財 源 の 額 当 該 市 町 村 の 財 政 状 況 等 を 総 合 的 に 勘 案 して 定 めるべきものである 2 制 限 税 率 の 改 正 状 況 都 市 計 画 税 の 制 限 税 率 は 昭 和 31 年 度 の 創 設 当 時 は 100 分 の 0.2 であっ -7-

たが 昭 和 53 年 度 地 方 税 法 の 改 正 により 100 分 の 0.3 に 引 き 上 げられ 現 在 に 至 っている ア 制 限 税 率 が 100 分 の 0.2 とされた 理 由 ( 昭 和 31 年 度 ) 都 市 計 画 税 の 制 限 税 率 を 100 分 の 0.2 としたのは 昭 和 25 年 に 固 定 資 産 税 が 創 設 された 当 初 においては 固 定 資 産 税 の 標 準 税 率 は 100 分 の 1.6 と 定 められていたが その 後 昭 和 29 年 度 においては これを 100 分 の 1.5 に 引 き 下 げ 更 に 昭 和 30 年 度 以 降 においては 100 分 の 1.4 に 引 き 下 げてその 負 担 の 軽 減 を 図 ってきたので その 実 質 においては 形 をかえた 固 定 資 産 税 の 負 担 の 増 加 ともみられるべき 都 市 計 画 税 の 負 担 を 求 める 場 合 においても これによって 従 来 の 100 分 の 1.6 の 率 を 超 えないようにすることが 適 当 であると 考 えられたからである イ 制 限 税 率 が 100 分 の 0.3 に 改 正 された 理 由 ( 昭 和 53 年 度 ) 昭 和 53 年 当 時 人 口 企 業 の 集 中 に 伴 い 都 市 においては 各 種 の 都 市 施 設 の 整 備 が 急 務 とされていたことから 都 市 計 画 費 については 昭 和 35 年 度 から 昭 和 51 年 度 までの 16 年 間 の 伸 びが 25.7 倍 程 度 とな っていた これに 対 し 都 市 計 画 税 の 収 入 額 の 伸 びは 同 じ 期 間 に 22.3 倍 程 度 にとどまっており 都 市 計 画 費 の 伸 びをかなり 下 まわっている 状 況 であった もちろん 都 市 計 画 事 業 の 財 源 は 都 市 計 画 税 の 収 入 だ けではないが 昭 和 52 年 度 において 都 市 計 画 税 課 税 市 町 村 744 団 体 のうち 85%に 当 たる 635 団 体 が 既 に 制 限 税 率 である 100 分 の 0.2 を 採 用 していたことを 考 えると 都 市 計 画 税 は 従 来 の 制 限 税 率 のままで は 都 市 計 画 費 の 増 大 に 対 応 しつつ 都 市 計 画 事 業 の 目 的 財 源 として の 機 能 を 十 分 に 果 たしていくことが 困 難 な 状 態 であったと 考 えられる このような 現 況 下 での 昭 和 52 年 の 税 制 調 査 会 において 都 市 計 画 税 の 制 限 税 率 の 引 上 げについても 検 討 が 加 えられた その 結 果 昭 和 53 年 度 の 税 制 改 正 に 関 する 答 申 ( 昭 和 52 年 12 月 )において 都 市 に おいては 各 種 の 都 市 施 設 の 整 備 が 緊 急 の 課 題 となっているが 特 に 最 近 においては 住 宅 対 策 の 観 点 から 住 宅 環 境 の 改 善 を 図 ることが 強 く 要 請 されており これに 伴 って 下 水 道 街 路 公 園 等 の 整 備 のため の 財 政 需 要 が 急 激 に 増 大 してきている このような 事 情 にかんがみ 都 市 施 設 整 備 のための 財 源 に 充 てる 目 的 税 である 都 市 計 画 税 について 増 収 措 置 を 講 ずることができるよう 制 限 税 率 を 100 分 の 0.3( 現 行 100 分 の 0.2)に 引 き 上 げることが 適 当 である と 指 摘 されたところ であり 制 限 税 率 の 引 き 上 げは この 答 申 の 趣 旨 に 沿 って 行 われたも -8-

のである 3 制 限 税 率 に 関 する 課 題 都 市 計 画 税 は 制 限 税 率 のみ 定 められており 社 会 情 勢 にあわせて 緩 和 されてきたが 都 市 計 画 事 業 に 必 要 な 財 源 は 市 町 村 によって 異 なるこ とから 法 において 税 率 を 制 限 し 続 けることが 妥 当 であるか また 都 市 計 画 税 収 入 によってまかなわれる 都 市 計 画 事 業 費 ( 都 市 計 画 事 業 費 等 から 地 方 債 国 庫 支 出 金 等 負 担 金 使 用 料 等 を 差 し 引 いた 額 )が 全 体 の5 割 程 度 に 過 ぎず 現 状 の 税 率 ではミスマッチが 生 じて いるのではないか これらの 観 点 から 都 市 計 画 税 の 税 率 のあり 方 について 検 討 を 行 う 必 要 がある 4. 地 方 団 体 における 実 情 以 上 のような 課 題 を 念 頭 に 地 方 団 体 における 都 市 計 画 税 の 実 情 について 埼 玉 県 川 越 市 千 葉 県 千 葉 市 兵 庫 県 神 戸 市 の3 団 体 から 意 見 を 伺 った まず 埼 玉 県 川 越 市 からは 平 成 22 年 度 に 都 市 計 画 税 率 の 改 定 を 行 っていることから 都 市 計 画 税 率 引 き 上 げの 経 緯 及 び 引 き 上 げ 時 の 議 会 や 納 税 者 への 対 応 について 伺 った また 千 葉 県 千 葉 市 からは 最 近 の 都 市 計 画 事 業 費 の 動 向 及 び 納 税 者 への 使 途 の 明 確 化 の 状 況 について 伺 った 兵 庫 県 神 戸 市 からは 都 市 計 画 税 の 充 当 事 業 の 範 囲 税 率 の 決 定 方 法 及 び 使 途 の 明 確 化 に 関 する 市 の 実 態 の 報 告 や 意 見 について 伺 った 概 要 はそれぞれ 以 下 のとおりである (1) 埼 玉 県 川 越 市 1 川 越 市 の 概 要 面 積 109.16km2 ( 市 街 化 区 域 が3 割 市 街 化 調 整 区 域 が7 割 ) 人 口 約 35 万 人 ( 市 街 化 区 域 に7 割 市 街 化 調 整 区 域 に3 割 が 分 布 ) 2 平 成 22 年 度 の 都 市 計 画 税 率 の 引 き 上 げについて 川 越 市 では 昭 和 31 年 度 の 都 市 計 画 税 の 創 設 と 同 時 に 都 市 計 画 税 を 導 入 し 制 限 税 率 である 0.2%を 採 用 していた 昭 和 53 年 度 には 制 限 税 率 が 引 き 上 げられたことに 伴 い 引 き 上 げ 後 の 制 限 税 率 である 0.3%を 採 用 した その 後 -9-

平 成 4 年 度 までは 制 限 税 率 0.3%を 採 用 していたが 平 成 5 年 度 からは 0.2%へ の 引 き 下 げを 実 施 した 平 成 5 年 度 時 点 では 都 市 計 画 事 業 への 一 般 財 源 等 の 投 入 額 が 約 58 億 円 にのぼり 都 市 計 画 事 業 に 対 し 多 くの 一 般 財 源 を 投 入 できる 状 況 にあった ま た 都 市 計 画 税 収 は 約 21 億 円 であり 都 市 計 画 税 の 充 当 割 合 が 27.0%であっ たことから 都 市 計 画 税 率 引 き 下 げによる 都 市 計 画 事 業 への 影 響 はなかった また 当 時 は 固 定 資 産 税 の 税 収 も 増 加 していたことから 財 政 への 影 響 はごく 小 さかったと 思 われる しかし 現 状 では 景 気 の 低 迷 から 市 税 の 大 幅 な 増 収 は 望 めない 状 況 にあり 一 般 財 源 を 都 市 計 画 事 業 にはほとんど 投 入 できていない 状 況 となっている 平 成 5 年 度 から 平 成 21 年 度 までの 17 年 間 の 減 額 相 当 額 の 累 計 は 約 220 億 円 と 試 算 され この 減 額 相 当 額 をもとに 起 債 充 当 率 等 を 勘 案 して 事 業 費 相 当 額 を 試 算 すると この 減 額 相 当 額 の2 倍 から3 倍 の 事 業 が 可 能 であり 本 市 の 都 市 基 盤 整 備 が 大 きく 進 んだものと 思 われる そこで 将 来 にわたって 都 市 基 盤 整 備 の 財 源 を 確 保 するため 平 成 22 年 度 から 平 成 22 年 度 23 年 度 は 税 率 を0.25%とする 経 過 措 置 を 設 けた 上 で 税 率 を 0.3%へ 改 定 したものである これにより 都 市 計 画 事 業 の 財 源 の 確 保 が 図 れることになったため 都 市 計 画 事 業 の 一 層 の 推 進 が 期 待 される 一 方 一 般 財 源 を 老 朽 化 した 本 市 の 施 設 等 の 計 画 的 な 補 修 に 充 てることができるものと 考 えている ア 議 会 における 議 論 税 率 の 引 き 上 げの 際 には 議 会 において 以 下 のような 議 論 が 行 われた なぜ 今 の 段 階 で 税 率 改 定 するのか 平 成 5 年 に 減 税 を 実 施 しなかった 場 合 どのような 事 業 計 画 が 進 められ たと 想 定 できるか 市 の 財 政 状 況 の 現 状 をどう 理 解 すべきか 都 市 計 画 事 業 費 の 財 源 内 訳 充 当 割 合 はどうなっているか 納 税 者 の 影 響 額 はどのぐらいになるのか 今 後 どのように 市 民 の 理 解 を 求 めていくのか -10-

今 後 のまちづくりの 重 点 施 策 は 何 か 他 市 の 税 率 の 採 用 状 況 イ 納 税 者 への 周 知 広 報 紙 や 公 式 ホームページに 掲 載 することにより 周 知 を 行 ったことに 加 え 納 税 通 知 書 発 送 の 際 には 全 納 税 者 に 都 市 計 画 税 改 定 についての 説 明 文 書 を 同 封 し 説 明 を 行 った それに 対 して 市 民 からは 都 市 計 画 税 の 概 要 対 象 者 あるいは 使 途 に 関 する 問 い 合 わせの 他 市 の 財 政 状 況 に 関 することや 市 の 具 体 的 な 事 業 へ の 要 望 が 寄 せられた また 個 々の 具 体 的 な 増 税 額 に 関 する 問 い 合 わせも あった 3 今 後 の 課 題 昭 和 40~ 昭 和 50 年 代 にかけて 整 備 した 学 校 公 民 館 道 路 下 水 などの 社 会 資 本 の 多 くが 今 後 10 年 から 20 年 の 間 に 更 新 の 時 期 を 迎 える これらの 社 会 資 本 について 今 後 適 切 な 維 持 管 理 を 行 って 施 設 の 延 命 化 あるい は 更 新 費 用 の 抑 制 に 努 めていくことが 重 要 な 課 題 となっている また 効 率 的 な 行 財 政 運 営 という 面 からも これらの 社 会 資 本 が 有 効 に 機 能 できるよう 総 合 的 かつ 長 期 的 な 視 野 で 計 画 的 な 整 備 を 進 めていく 必 要 があると 考 えている これらの 財 源 を 安 定 的 に 確 保 していくためにも 市 税 をはじめとした 自 主 財 源 の 充 実 が 今 後 の 課 題 となっている (2) 千 葉 県 千 葉 市 1 千 葉 市 の 概 要 面 積 272km2 ( 市 街 化 区 域 は 128km2(47.3%)) 人 口 約 96 万 人 2 都 市 計 画 事 業 費 について 平 成 4 年 の 政 令 指 定 都 市 移 行 を 契 機 として 都 市 基 盤 整 備 に 積 極 的 に 取 り 組 んできたことから 都 市 計 画 事 業 費 は 高 額 で 推 移 していた しかしながら -11-

近 年 は 都 市 基 盤 整 備 は 一 段 落 したことや 厳 しい 財 政 状 況 を 踏 まえ 整 備 費 自 体 は 大 幅 に 減 少 してきている 特 に 平 成 21 年 に 就 任 した 熊 谷 市 長 の 脱 財 政 危 機 宣 言 の 下 不 要 不 急 な 事 業 見 直 しなども 大 幅 に 行 い 以 降 は 大 幅 な 減 少 となっている 都 市 計 画 事 業 費 は 平 成 8 年 度 約 784 億 円 ( 市 の 事 業 規 模 の 22%)であるの に 対 し 平 成 22 年 度 では 約 477 億 円 ( 市 の 事 業 規 模 の 12%)であり 比 較 する と 金 額 的 には 半 減 している 平 成 22 年 度 の 都 市 計 画 事 業 費 等 の 内 訳 は 実 際 にかかる 整 備 費 36%に 対 し 地 方 債 の 償 還 64%と 都 市 計 画 事 業 費 に 占 め る 地 方 債 償 還 の 割 合 は 高 く 政 令 市 の 中 でも2 番 目 となっている 平 成 22 年 度 末 で 未 だ 地 方 債 償 還 が 残 っている 事 業 としては 公 共 下 水 道 事 業 公 園 整 備 事 業 街 路 整 備 事 業 等 がある しかし この 投 資 の 結 果 として 下 水 道 普 及 率 が 平 成 4 年 には 69.4%であっ たものが 平 成 22 年 度 には 28 ポイント 増 の 97.2%に 都 市 公 園 についても 平 成 4 年 に1 人 当 たりの 面 積 が 5.95 m2だったものが 9.04 m2に 増 えており いず れも 政 令 市 の 平 均 を 上 回 る 状 況 である 一 方 税 率 については 昭 和 53 年 以 降 0.3%であり 都 市 計 画 税 のあり 方 や 税 率 の 議 論 はこれまで 特 になかった 3 都 市 計 画 税 の 使 途 に 関 する 市 民 への 周 知 平 成 21 年 の 議 会 において 都 市 計 画 税 の 使 われ 方 について 市 民 に 明 らか にすべきとの 質 問 があり それを 契 機 として 平 成 22 年 度 から 広 報 誌 市 税 のしおり に 都 市 計 画 税 の 使 途 を 掲 載 している 具 体 的 には 事 業 別 の 事 業 費 構 成 割 合 財 源 内 訳 を 表 とグラフで 提 示 し ている 今 後 事 業 区 分 ごとに 事 業 費 と 財 源 を 示 すなど わかりやすい 内 容 になる ようなことも 検 討 していきたいと 考 えている 4 今 後 の 見 込 み 都 市 計 画 事 業 費 は 地 方 債 償 還 額 と 共 に 徐 々に 減 少 していくものと 考 えら れるが 現 段 階 ではそもそも 都 市 計 画 税 を 大 きく 上 回 る 一 般 財 源 が 必 要 とな -12-

っている 状 況 であるので 現 時 点 においては 都 市 計 画 税 の 税 率 の 縮 小 等 の 検 討 は 考 えていないという 状 況 である 今 後 地 方 債 の 償 還 額 が 縮 小 した 段 階 で 検 討 していくことになるのではないかと 考 えている (3) 兵 庫 県 神 戸 市 1 神 戸 市 の 概 要 面 積 552km2 ( 市 街 化 区 域 は 203km2( 約 36%)) 人 口 約 154 万 人 2 都 市 計 画 税 の 充 当 事 業 の 範 囲 について 以 下 の 理 由 から 都 市 計 画 税 を 充 当 できる 範 囲 を 都 市 計 画 施 設 の 維 持 管 理 費 まで 拡 充 すべきであると 考 える 地 方 財 政 が 厳 しい 中 今 後 都 市 計 画 の 施 設 の 新 設 は 減 少 していく 見 込 み であり 耐 震 化 や 長 寿 命 化 に 要 する 財 源 を 確 保 する 必 要 がある 施 設 新 設 後 には 維 持 管 理 費 が 必 要 である これに 都 市 計 画 税 を 充 当 す るということは 都 市 計 画 税 創 設 の 趣 旨 である いわゆる 受 益 者 負 担 という 考 えに 一 致 する 都 市 計 画 税 事 業 がある 程 度 進 捗 している 地 域 の 住 民 からは 都 市 計 画 税 の 納 税 額 に 見 合 う 投 資 がなされないとの 不 満 もある 維 持 管 理 のほうに 充 当 するほうが 住 民 の 理 解 を 得 られやすい 事 業 所 税 入 湯 税 はいずれも 目 的 税 であり 入 湯 税 については 維 持 管 理 費 にも 充 当 されている これらと 取 り 扱 いが 異 なることの 説 明 が 難 しくなって きている 3 都 市 計 画 税 率 の 決 定 方 法 について 税 率 は 創 設 以 来 制 限 税 率 を 採 用 制 限 税 率 が 0.2%から 0.3%へ 引 き 上 げられた 際 も 特 に 議 論 はなく 制 限 税 率 0.3%を 採 用 している その 理 由 として 都 市 計 画 事 業 の 事 業 規 模 が 非 常 に 大 きく 都 市 計 画 税 収 は 事 業 費 全 体 から 見 ると 30%に 満 たないことが 一 つの 理 由 として 考 えられる 制 限 税 率 が 撤 廃 された 場 合 税 率 決 定 のための 基 準 を 持 っていない 等 の -13-

理 由 から 市 独 自 で 税 率 を 決 定 することは 困 難 であると 考 える 4 都 市 計 画 税 の 使 途 の 明 確 化 について ア 議 会 に 対 する 使 途 の 明 確 化 市 議 会 では 個 別 事 業 について 事 業 費 のうち 市 の 負 担 額 ( 市 税 投 入 の 額 ) が 議 論 されることはあるが 都 市 計 画 税 の 使 途 という 観 点 から 議 論 されたこ とがない そのため 議 会 に 対 しては 個 別 の 事 業 に 対 する 都 市 計 画 税 の 充 当 額 は 報 告 していない イ 住 民 に 対 する 使 途 の 明 確 化 住 民 は 市 税 の 使 途 や 都 市 計 画 事 業 の 内 容 には 関 心 があっても 都 市 計 画 税 の 使 途 への 関 心 は 薄 いこと また 神 戸 の 場 合 約 98%の 方 が 市 街 化 区 域 内 に 所 在 しているので 市 街 化 区 域 の 土 地 家 屋 には 都 市 計 画 税 が 課 税 されることが 浸 透 しているため 住 民 に 対 して 具 体 的 な 充 当 事 業 の 説 明 は 行 われておらず 市 税 のしるべ というパンフレットで 使 途 の 概 要 を 説 明 する に 留 めている 5. 都 市 計 画 税 に 関 する 論 点 の 検 討 以 上 を 踏 まえ 本 年 度 の 研 究 会 においては 以 下 の 論 点 を 中 心 に 検 討 を 行 っ た (1) 都 市 計 画 税 の 使 途 の 明 確 化 都 市 計 画 税 は 都 市 計 画 事 業 等 に 要 する 費 用 に 充 てる 目 的 税 であることから その 使 途 について 議 会 へ 報 告 住 民 へ 周 知 することが 適 当 と 考 えているが な かなか 十 分 な 報 告 等 がされない 実 態 がある この 点 に 関 する 委 員 からの 主 な 意 見 は 以 下 のとおりであった 都 市 計 画 費 ( 受 益 )と 都 市 計 画 税 収 ( 負 担 )に 大 きな 乖 離 があり そこ に 一 般 財 源 が 充 当 されていることが 都 市 計 画 税 でこういった 事 業 を 実 施 しているという 説 明 がしにくい 要 因 となっているのではないか -14-

使 途 の 明 確 化 については 次 のような 状 況 があるため 単 に 形 式 的 な 報 告 書 の 作 成 や 広 報 を 行 っても 効 果 が 出 にくいという 事 情 があるのではな いか 議 員 や 住 民 は 市 税 全 般 の 使 途 や 都 市 計 画 事 業 の 内 容 に 対 する 関 心 に 比 べて その 内 訳 としての 都 市 計 画 税 の 使 途 への 関 心 は 薄 いという 実 態 が ある 都 市 計 画 事 業 の 事 業 規 模 が 大 きく 相 対 的 に 都 市 計 画 税 の 充 当 割 合 が 低 い 団 体 では 使 途 について 議 論 になりにくい 市 民 の 大 部 分 が 市 街 化 区 域 内 に 居 住 している 団 体 では 市 街 化 区 域 の 土 地 家 屋 には 都 市 計 画 税 が 課 税 されることが 浸 透 しており 固 定 資 産 税 と 都 市 計 画 税 は 一 体 だという 感 覚 が 強 い 都 市 計 画 税 の 使 途 についてのアカウンタビリティの 向 上 という 観 点 か らは 特 別 会 計 を 設 置 して 経 理 を 明 確 にすることを 促 していくことについ て 今 後 更 なる 検 討 が 必 要 ではないか 特 に 都 市 計 画 税 の 使 途 を 仮 に 維 持 補 修 にまで 拡 げるのであれば 特 別 会 計 がないと 使 途 の 説 明 が 困 難 なので はないか 都 市 計 画 事 業 は 地 方 団 体 の 現 場 においては 事 業 の 内 容 も 担 当 する 部 局 も 広 範 にわたっており こういった 中 で 都 市 計 画 事 業 について 横 断 的 に 特 別 会 計 を 設 けるのは 実 務 的 に 難 しいのではないか 以 上 のような 意 見 を 踏 まえつつ 今 後 アカウンタビリティを 十 分 果 たす のための 更 なる 工 夫 が 必 要 であろう (2) 都 市 計 画 税 を 充 当 することができる 費 用 の 範 囲 既 に 整 備 された 都 市 計 画 施 設 について 今 後 その 維 持 管 理 費 や 更 新 機 能 強 化 に 多 額 の 費 用 を 要 することが 想 定 されるが これらについては 施 設 の 拡 充 を 伴 う 場 合 などを 除 き 都 市 計 画 事 業 として 認 可 されず 都 市 計 画 税 を 充 当 するこ とができないことから 都 市 計 画 税 の 充 当 範 囲 の 拡 大 を 求 める 声 がある この 点 に 関 しては 委 員 から 以 下 のとおり 充 当 範 囲 の 拡 大 について 前 向 きな 意 見 が 出 された 地 方 財 政 が 厳 しい 中 今 後 都 市 計 画 施 設 の 新 設 は 減 少 し 既 存 施 設 の -15-

耐 震 化 などによる 長 寿 命 化 へとシフトしていくと 考 えられることから こ れらに 要 する 財 源 を 確 保 する 必 要 があるのではないか メンテナンスをすることによって 都 市 計 画 施 設 の 耐 用 年 数 が 延 びると いうことは それだけ 資 産 価 値 が 高 まるということであり また 更 新 も 含 めた 事 業 コスト 総 額 の 抑 制 にもつながる 都 市 インフラの 長 寿 命 化 という 観 点 から 都 市 計 画 税 の 使 途 の 柔 軟 化 を 前 向 きに 考 えるべきか 検 討 が 必 要 ではないか 公 会 計 上 では 修 繕 によって 資 産 価 値 を 維 持 しているという 議 論 もある 施 設 の 先 進 市 町 村 が 更 新 期 を 迎 えていて これから 大 きな 財 政 需 要 が 生 ま れることがわかっている 中 で 修 繕 費 に 都 市 計 画 税 が 充 当 できないことが 問 題 とならないか その 際 は 地 方 交 付 税 での 手 当 の 状 況 も 踏 まえて 検 討 する 必 要 があるのではないか 都 市 計 画 税 を 充 当 できる 費 用 の 範 囲 を 都 市 計 画 施 設 の 維 持 管 理 費 まで 拡 充 するべきかどうかについては 次 のような 点 を 考 慮 すべきではないか 施 設 の 維 持 管 理 費 に 都 市 計 画 税 を 充 当 することは 都 市 計 画 税 の 創 設 趣 旨 である 受 益 者 負 担 という 考 え 方 にも 一 致 するのではないか 都 市 計 画 事 業 がある 程 度 進 捗 している 地 域 の 住 民 からは 都 市 計 画 税 の 納 税 に 見 合 う 投 資 がなされていないとの 不 満 の 声 を 寄 せられている こともある 都 市 計 画 税 収 が 大 きい 中 心 市 街 地 では 都 市 計 画 施 設 の 規 模 が 大 きく 維 持 管 理 費 も 多 額 である 同 じ 目 的 税 である 事 業 所 税 や 入 湯 税 については 維 持 管 理 費 に 充 当 され ている 都 市 計 画 税 は 課 税 するか 否 かも 市 町 村 に 委 ねられているので 市 町 村 の 使 い 勝 手 という 点 を 加 味 すれば 制 限 税 率 や 使 途 についてもできるだけ 市 町 村 の 判 断 に 委 ねる 方 向 にした 方 が 近 年 自 由 化 が 進 んでいる 法 定 外 税 とのバランスがとれるのではないか 都 市 計 画 税 の 制 限 税 率 を 上 げることや 使 途 の 範 囲 を 拡 大 することで 市 町 村 はその 分 の 固 定 資 産 税 を 他 のところに 使 うことができるようになる ので これをうまく 活 用 すれば 地 方 団 体 の 財 政 運 営 の 一 助 になるのではな いか -16-

しかしながら 一 方 で これに 対 し 次 のとおり 慎 重 に 検 討 すべきとの 意 見 もあった 都 市 計 画 税 は 都 市 計 画 事 業 のための 負 担 を 住 民 に 求 めるという 受 益 と 負 担 の 緊 張 関 係 をもつ 目 的 税 である 同 じ 客 体 に 対 して 課 税 さ れる 固 定 資 産 税 という 普 通 税 がありながら 都 市 計 画 税 の 使 途 を 拡 充 する ことで この 緊 張 関 係 が 緩 み 都 市 計 画 税 を 目 的 税 として 残 す 意 義 が 薄 ま ってしまうのではないか 都 市 計 画 税 の 使 途 をあまり 一 般 化 してしまうと そもそもの 都 市 計 画 税 の 存 在 意 義 に 関 わる 議 論 になるのではないか また 都 市 計 画 税 は 事 実 上 固 定 資 産 税 と 一 体 化 して そこに 埋 没 しているというのが 実 態 であり 都 市 計 画 税 の 充 当 割 合 のみに 着 目 して 使 途 の 拡 大 の 是 否 について 議 論 を しても あまり 説 得 力 はないのではないか 税 制 全 体 のバランスも 考 慮 しながら 都 市 計 画 税 はどういうものなのか という 目 的 税 としての 存 在 意 義 目 的 から 説 明 しなおさなければ 都 市 計 画 税 の 充 当 できる 対 象 の 範 囲 を 広 げることとしたり 税 率 を 変 更 するとい うことにしても 説 得 力 がなくなるのではないか 都 市 計 画 税 の 制 限 税 率 や 使 途 を 見 直 すのであれば 他 の 法 定 任 意 税 や 法 定 外 税 とのバランスを 考 慮 し 地 方 税 制 全 体 を 体 系 的 に 整 理 する 必 要 があ り 慎 重 に 検 討 すべきではないか 都 市 計 画 税 の 充 当 割 合 が 低 い 現 状 においては 都 市 計 画 税 の 充 当 が 可 能 である 費 用 の 範 囲 が 広 がったとしても 財 源 的 に 充 当 事 業 が 実 際 に 広 げら れるわけではないということから ほとんどの 地 方 団 体 にとって 有 意 義 な 論 点 とはなっていないのではないか 実 態 として 必 要 にせまられているの かという 点 も 念 頭 に 置 く 必 要 があるのではないか 都 市 計 画 税 の 使 途 についてのアカウンタビリティの 向 上 という 観 点 か らは 特 別 会 計 を 設 置 して 経 理 を 明 確 にすることを 促 していくことについ て 今 後 更 なる 検 討 が 必 要 ではないか 特 に 都 市 計 画 税 の 使 途 を 仮 に 維 持 補 修 にまで 拡 げるのであれば 特 別 会 計 がないと 使 途 の 説 明 が 困 難 なので はないか 再 掲 -17-

耐 震 化 などは 新 たな 都 市 計 画 事 業 なのか 維 持 管 理 なのかの 峻 別 が 困 難 であり まさに 都 市 計 画 事 業 の 概 念 自 体 をどうするかということも 今 後 問 題 となってくるのではないか 都 市 計 画 事 業 の 概 念 を 変 えずに 地 方 税 だけ 変 えると 法 体 系 上 の 整 合 性 に 問 題 が 生 じるのではないか 都 市 計 画 税 の 充 当 範 囲 の 拡 大 に 関 しては これらの 意 見 を 踏 まえつつ 今 後 とも 十 分 な 検 討 が 必 要 であると 考 える (3) 都 市 計 画 税 の 制 限 税 率 のあり 方 市 町 村 が 財 政 需 要 に 応 じて 必 要 な 税 収 を 自 主 的 に 確 保 しようとするためには 市 町 村 が 採 用 しうる 税 率 の 幅 に 相 当 の 弾 力 性 を 持 たせ 市 町 村 の 決 定 しうる 幅 を 広 く 認 めておくことが 適 当 であると 考 えられている 近 年 の 分 権 化 の 流 れの 中 で 都 市 計 画 税 においては 制 限 税 率 が 定 められていることをどのようにとら えるべきか 都 市 計 画 税 の 制 限 税 率 は 廃 止 する 方 がいいのか あるいはもう 少 し 高 い 税 率 まで 緩 和 する 方 がいいのか 考 えるべきではないか といった 意 見 が 出 された この 点 に 関 しては 都 市 計 画 事 業 費 と 都 市 計 画 税 収 との 差 額 について 一 般 財 源 を 充 当 して いる 部 分 が 大 きいのであれば 制 限 税 率 を 引 き 上 げるという 議 論 もできる のではないか 今 後 仮 に 土 地 全 体 について 税 負 担 をもう 少 し 引 き 上 げなければならな い 場 合 には 一 般 財 源 である 固 定 資 産 税 の 税 率 の 引 き 上 げのほかに 目 的 税 である 都 市 計 画 税 の 税 収 をより 大 きくしていくという 方 法 も 考 えられ るのではないか 都 市 計 画 税 は 課 税 するか 否 かも 市 町 村 に 委 ねられているので 市 町 村 の 使 い 勝 手 という 点 を 加 味 すれば 制 限 税 率 や 使 途 についてもできるだけ 市 町 村 の 判 断 に 委 ねる 方 向 にした 方 が 近 年 自 由 化 が 進 んでいる 法 定 外 税 とのバランスがとれるのではないか 再 掲 都 市 計 画 税 の 制 限 税 率 を 上 げることや 使 途 の 範 囲 を 拡 大 することで 市 町 村 はその 分 の 固 定 資 産 税 を 他 のところに 使 うことができるようになる -18-

ので これをうまく 活 用 すれば 地 方 団 体 の 財 政 運 営 の 一 助 になるのではな いか 再 掲 という 意 見 が 出 た 一 方 で 以 下 のような 意 見 も 出 された 制 限 税 率 の 廃 止 が 地 方 団 体 の 財 源 調 達 能 力 を 本 当 に 高 めることになる のか 制 限 税 率 の 根 拠 をどう 考 えるか という 点 も 検 討 する 必 要 があるの ではないか 都 市 計 画 事 業 を 全 部 賄 うと 大 幅 な 増 税 となるし 都 市 計 画 事 業 費 の 一 定 割 合 とするには その 割 合 を 定 める 合 理 的 な 考 え 方 やそれを 踏 まえた 基 準 が 必 要 になる そのような 考 え 方 基 準 を 示 せないままに 制 限 税 率 を 撤 廃 してしまうと 地 方 団 体 に 混 乱 が 生 じるのではないか 都 市 計 画 税 の 制 限 税 率 や 使 途 を 見 直 すのであれば 他 の 法 定 任 意 税 や 法 定 外 税 とのバランスを 考 慮 し 地 方 税 制 全 体 を 体 系 的 に 整 理 する 必 要 があ り 慎 重 に 検 討 すべきではないか 再 掲 今 後 制 限 税 率 のあり 方 について 議 論 する 際 には 以 上 のような 点 を 踏 ま えた 十 分 な 検 討 が 必 要 である 6.まとめ 都 市 計 画 税 については 様 々な 論 点 があり 本 研 究 会 においても 多 くの 意 見 が 出 され 活 発 な 議 論 がされたところである 今 後 都 市 計 画 税 制 の 見 直 し 等 の 検 討 が 行 われる 際 には 本 研 究 会 での 検 討 内 容 がその 一 助 となること を 期 待 する -19-

資 料 目 次 都 市 計 画 税 の 概 要 都 市 計 画 税 の 性 格 23 都 市 計 画 税 の 課 税 23 都 市 計 画 税 ( 宅 地 )の 税 額 算 定 の 流 れ(イメージ) 24 都 市 計 画 税 を 課 税 している 市 町 村 数 24 地 方 税 法 の 施 行 に 関 する 取 扱 について( 市 町 村 税 関 係 )( 抄 ) 第 9 章 4(5) 25 課 税 団 体 における 課 税 区 域 の 状 況 25 都 市 計 画 税 の 税 率 採 用 状 況 26 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 の 税 率 等 の 変 遷 等 26 都 市 計 画 税 の 制 限 税 率 の 推 移 27 市 町 村 税 収 の 内 訳 ( 平 成 21 年 度 決 算 額 ) 27 アカウンタビリティについて わが 国 税 制 の 現 状 と 課 題 21 世 紀 に 向 けた 国 民 の 参 加 と 選 択 答 申 抜 粋 28 ( 政 府 税 制 調 査 会 平 成 12 年 7 月 14 日 ) 地 方 税 法 の 施 行 に 関 する 取 扱 について( 市 町 村 税 関 係 )( 抄 ) 第 9 章 4(10) 28 都 市 計 画 税 の 使 途 明 確 化 の 推 移 29 都 市 計 画 税 の 使 途 の 明 確 化 29 ( 参 考 ) 静 岡 県 富 士 市 平 成 22 年 度 予 算 説 明 資 料 30 ( 参 考 ) 京 都 府 京 都 市 平 成 22 年 度 予 算 説 明 資 料 31 ( 参 考 ) 住 民 への 都 市 計 画 税 の 使 途 の 周 知 方 法 について 32 ( 神 奈 川 県 鎌 倉 市 ホームページより) 都 市 計 画 税 の 使 途 について 都 市 計 画 事 業 費 等 とその 財 源 内 訳 ( 平 成 22 年 度 決 算 額 ) 33 都 市 計 画 費 と 都 市 計 画 税 収 の 推 移 ( 昭 和 31 年 度 ~ 平 成 21 年 度 まで) 33 都 市 計 画 費 と 都 市 計 画 税 収 の 推 移 ( 最 近 の 動 向 ) 34 社 会 資 本 整 備 総 合 交 付 金 34 社 会 資 本 整 備 総 合 交 付 金 の 対 象 事 業 と 国 庫 補 助 率 ( 主 なもの) 35 充 当 割 合 別 課 税 団 体 数 35 地 方 税 法 の 施 行 に 関 する 取 扱 について( 市 町 村 税 関 係 )( 抄 ) 第 9 章 4(11)(12) 36 収 入 超 過 の 状 況 とその 対 処 方 法 36 市 町 村 における 都 市 計 画 費 の 減 少 に 伴 う 税 率 の 変 更 状 況 37 地 方 税 法 の 施 行 に 関 する 取 扱 について( 市 町 村 税 関 係 )( 抄 ) 第 9 章 4(1)(2)(3) 37 都 市 計 画 税 が 充 当 できる 事 業 の 範 囲 について 38 都 市 計 画 税 の 創 設 趣 旨 について 38 ( 参 考 ) 他 の 目 的 税 の 使 途 について 39 使 途 を 拡 充 させた 目 的 税 ( 市 町 村 税 ) 40 入 湯 税 の 税 収 の 推 移 40 都 市 施 設 に 係 る 維 持 管 理 費 の 地 方 交 付 税 での 手 当 について 41-21-

地 方 団 体 における 実 情 埼 玉 県 川 越 市 資 料 42 千 葉 県 千 葉 市 資 料 47 兵 庫 県 神 戸 市 資 料 53 参 照 条 文 等 地 方 税 法 第 702 条 57 都 市 計 画 法 第 4 条 57 都 市 計 画 法 第 5 条 58 都 市 計 画 法 第 7 条 58 都 市 計 画 法 第 59 条 59 都 市 計 画 法 第 60 条 第 62 条 59-22-

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A/C B/C 0.30 0.05 0.10 0.13 0.15 0.16 0.17 0.18 0.19 0.20 0.22 0.23 0.24 0.25 0.26 0.27 0.275 0.28 A B A+B=C (%) (%) 1 1 1 1 4 24 28 14.3 85.7 (2) (2) (2) 1 11 6 2 1 104 1 3 5 38 1 12 1 3 189 214 403 46.9 53.1 (2) (1) (3) (1) (4) 9 3 35 3 1 51 53 104 49.0 51.0 (1) (1) (1) (6) (9) (2) (11) 1 7 1 7 1 2 49 1 8 3 80 43 123 65.0 35.0 (3) (1) (1) (9) (14) (3) (17) 2 27 1 16 1 2 3 0 189 2 3 5 50 1 16 1 5 324 334 658 49.2 50.8 (2) (1) (1) (8) (12) (2) (14) 2 28 1 16 1 2 3 1 199 2 2 5 49 1 16 1 5 334 337 671 49.8 50.2 31 31 53-26-

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1 2 7 1 4-28-

900 800 789 788 785 785 778 767 723 700 678 674 675 670 658 600 500 400 322 328 339 346 347 374 387 404 418 445 465 485 300 200 100 127 138 143 149 161 172 158 145 100 104 105 107 103 109 110 113 187 198 126 135 212 223 145 144 0 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22-29-

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50,000 1.50% 45,000 40,000 45,200 42,500 41,000 40,000 39,000 37,500 36,700 1.40% 35,000 1.30% 30,000 25,000 1.23% 1.29% 1.29% 1.26% 1.25% 1.26% 1.27% 1.20% 20,000 15,000 12,392 12,361 12,330 11,818 12,016 12,250 12,325 1.10% 10,000 5,000 1.00% 0 15 16 17 18 19 20 21 0.90% -34-

100 (%) 100 16 2.5 100 2.5% 90100 4.7% 90100 30 4.7 5090 196 31.0 50 390 61.7 50 61.7% 5090 31.0% 632 100.0 P.33 A/ A+B -35-

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32 46 52 2 260 252 240 220 223 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0-40-

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㒔ᕷィ ᴗ䛾 ഛ ἣ 44

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地 方 税 における 資 産 課 税 のあり 方 に 関 する 調 査 研 究 - 都 市 計 画 税 について - 平 成 24 年 3 月 編 者 財 団 法 人 資 産 評 価 システム 研 究 センター( 略 称 : 評 価 センター) 発 行 者 小 林 倫 憲 発 行 所 財 団 法 人 資 産 評 価 システム 研 究 センター 105-0001 東 京 都 港 区 虎 ノ 門 4-1-13 葺 手 ビル8 階 TEL 03-5404-7781 FAX 03-5404-2631 (URL http://www.recpas.or.jp http://www.chikamap.jp)