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ECFA 後 の 台 湾 経 済 及 び 日 本 企 業 への 影 響 2010 年 11 月 5 日 株 式 会 社 野 村 総 合 研 究 所 コンサルティング 事 業 本 部 台 北 支 店 副 総 経 理 田 崎 嘉 邦 中 華 民 国 台 北 市 敦 化 北 路 168 號 13F-E 室

本 日 お 話 ししたいこと 1. 日 本 企 業 の 台 湾 進 出 動 向 2. 台 湾 政 府 の 経 済 発 展 政 策 3. 台 湾 企 業 の 対 中 進 出 動 向 4. 日 本 企 業 にとっての 新 たな 台 湾 の 位 置 づけ Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 1

1. 日 本 企 業 の 台 湾 進 出 動 向 2. 台 湾 政 府 の 経 済 発 展 政 策 3. 台 湾 企 業 の 対 中 進 出 動 向 4. 日 本 企 業 にとっての 新 たな 台 湾 の 位 置 づけ Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 2

日 本 企 業 によるこれまでの 台 湾 進 出 推 移 日 本 は 過 去 半 世 紀 の 間 に 台 湾 で 幅 広 い 投 資 を 展 開 投 資 件 数 は 国 別 の 第 1 位 日 本 企 業 はこれまで 多 くの 台 湾 ビジネスを 展 開 してきており 過 去 半 世 紀 (1952~2009 年 )に 台 湾 投 資 は 計 5844 件 ( 国 別 第 1 位 ) 約 158 億 ドル( 米 国 オランダ カリブ 海 英 領 に 次 ぎ 第 4 位 )に 達 する 金 額 ( 千 US$) 1,800,000 1,600,000 1,400,000 日 本 から 台 湾 への 直 接 投 資 件 数 金 額 の 推 移 (1964~2009 ( 年 ) 金 額 ( 左 軸 ) 件 数 ( 右 軸 ) 第 4 次 ブーム 第 3 次 ブーム 件 数 400 350 300 1,200,000 1,000,000 800,000 600,000 400,000 第 1 次 ブーム 第 2 次 ブーム 250 200 150 100 200,000 50 0 0 1964 66 68 70 72 74 76 78 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 2000 02 04 06 08 輸 出 加 工 基 地 としての 台 湾 高 度 成 長 期 IC LCDの 成 長 中 華 圏 事 業 の 中 心 拠 点 ( 在 台 日 商 の 多 機 能 化 ) 出 所 : 経 済 部 投 資 審 議 委 員 会 Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 3

近 年 の 日 本 企 業 による 台 湾 進 出 動 向 近 年 非 製 造 業 の 日 本 企 業 による 台 湾 進 出 が 目 立 ってきている 海 外 企 業 による 台 湾 商 業 サービス 業 ( 卸 売 業 及 び 小 売 業 運 輸 及 び 倉 庫 業 ホテル 及 び 飲 食 業 の 総 計 )へ 直 接 投 資 金 額 に 占 める 日 系 企 業 の 比 率 は 年 々 高 まっており 2007 年 の7.54%から09 年 (1 月 ~7 月 )には26.20%に 達 し た 海 外 企 業 による 台 湾 商 業 サービス 業 へ 直 接 投 資 金 額 に 占 める 日 系 企 業 の 比 率 の 推 移 日 本 7.54% 日 本 8.24% 日 本 26.20% 2007 年 2008 年 2009 年 出 所 : 経 済 部 投 資 審 議 委 員 会 注 :. 台 湾 投 審 会 によるFDIの 定 義 : 中 華 民 国 会 社 の 株 式 を 所 有 或 いは 出 資 中 華 民 国 内 での 支 店 設 置 或 いは 単 独 投 資 合 弁 事 業 及 び 前 述 2 項 目 の 投 資 事 業 に 1 年 以 上 のローンを 提 供 出 資 種 類 は 現 金 自 社 用 機 材 設 備 或 いは 原 材 料 特 許 権 商 標 権 著 作 財 産 権 専 門 技 術 或 いはその 他 知 的 財 産 権 及 びその 他 主 管 機 関 が 認 可 した 投 資 財 産 を 含 む Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 4

2009 年 の 日 本 企 業 の 業 種 別 台 湾 進 出 動 向 2009 年 は 件 数 ベースで 全 体 の8 割 金 額 ベースで 全 体 の6 割 が 非 製 造 業 2009 年 の 日 本 から 台 湾 への 投 資 実 績 は266 件 2.38 億 ドル 件 数 では 海 外 からの 投 資 全 体 の15.5% 金 額 では 4.9%を 占 めた このうち 件 数 ベースでは 全 体 の8 割 金 額 ベースでも6 割 が 非 製 造 業 4% 3% 3% 5% 3% 12% 5% 業 種 別 の 日 本 から 投 資 件 数 及 び 比 率 ( 計 266 件 :2009 : 年 ) 8 8 8 11 12 6% 13 16 36 50 19% 106 40% 28.56( 億 ドル) 卸 及 び 小 売 業 その 他 サービス 業 建 設 業 食 品 製 造 業 金 属 製 品 製 造 業 PC 電 子 産 品 及 び 光 学 製 品 製 造 業 ホテル 及 びレストラン 業 金 融 及 び 保 険 業 専 門 技 術 サービス 業 4% 5% 5% 11% 業 種 別 の 日 本 から 投 資 額 及 び 比 率 ( 計 238,961( ( 千 ドル):2009 年 ) 3% 13% 30,488 7,857 8,493 11,146 12,056 25,452 32,633 14% 59,123 51,713 24% 21% 卸 及 び 小 売 業 金 融 及 び 保 険 業 その 他 サービス 業 電 子 部 品 製 造 業 非 金 属 鉱 物 製 品 製 造 業 プラスチック 製 品 製 造 業 建 設 業 情 報 通 信 サービス 業 その 他 出 所 : 経 済 部 投 資 審 議 委 員 会 Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 5

1. 日 本 企 業 の 台 湾 進 出 動 向 2. 台 湾 政 府 の 経 済 発 展 政 策 3. 台 湾 企 業 の 対 中 進 出 動 向 4. 日 本 企 業 にとっての 新 たな 台 湾 の 位 置 づけ Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 6

台 湾 内 需 を 支 える 人 口 見 通 し 台 湾 の 人 口 は2,300 万 人 に 過 ぎず 内 需 は 限 られている しかも 急 激 な 出 生 率 の 低 下 に 伴 い 2023 年 には 人 口 減 少 に 転 じる 2009 年 の 合 計 特 殊 出 生 率 は1.03まで 低 下 し 世 界 最 低 水 準 25,000 ( 千 人 ) 台 湾 の 人 口 推 移 及 び 見 通 し 予 測 値 ( 中 位 ) 20,000 15,000 2022 年 にピーク (2,345 万 人 ) 合 計 0~14 歳 15~64 歳 65 歳 ~ 10,000 2015 年 にピーク (1,738 万 人 ) 5,000 0 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060 出 所 : 内 政 部 戸 政 司 資 料 及 び 2010~2060 年 台 湾 人 口 推 計 ( 行 政 院 経 済 建 設 委 員 会 2010 年 9 月 ) より NRI 作 成 Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 7

台 湾 の 貿 易 収 支 の 状 況 主 にハイテク 産 業 において 日 本 から 材 料 や 生 産 設 備 を 輸 入 し 台 湾 で 主 要 部 品 を 製 造 し 中 国 で 組 み 立 てて 欧 米 に 輸 出 する 産 業 モデルが 構 築 されている 台 湾 の 貿 易 収 支 は 対 米 国 対 中 国 で 貿 易 黒 字 になっている( 輸 出 超 過 ) 一 方 対 日 本 は 貿 易 赤 字 となって おり その 額 は 年 々 大 きくなってきている 中 国 から 米 国 へも 大 幅 な 輸 出 超 過 となっているが 中 国 の 輸 出 トップ4は 全 て 台 湾 系 企 業 である 台 湾 取 り 巻 く 貿 易 収 支 推 移 521.0 (297.5) 日 本 2208.2 (1500) 中 国 371.3 (285.4) 836.9 (581.5) 386.2 (217.3) 台 湾 362.2 (217.2) 米 国 注 1) 数 字 の 単 位 は 全 て 億 US$ 注 2) 青 字 は2000 年 赤 字 は2009 年 出 所 ) 各 国 貿 易 統 計 Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 8

台 湾 政 府 の 経 済 発 展 政 策 アジアの 成 長 を 取 り 込 むため 産 業 競 争 力 強 化 のためのアクションプランの 実 施 と 規 制 緩 和 税 金 引 下 げ インフラ 整 備 による 事 業 環 境 整 備 を 同 時 に 進 行 産 業 競 争 力 の 強 化 現 政 権 の 経 済 政 策 の 構 造 事 業 環 境 の 整 備 中 国 との 産 業 協 力 機 構 の 構 築 ( 両 岸 産 業 架 け 橋 プロジェクト) 対 中 経 済 規 制 の 撤 廃 ( 大 三 通 ECFA 締 結 他 の 主 要 貿 易 国 とのFTA 協 議 も 推 進 ) 新 興 産 業 の 育 成 ( 六 大 新 興 産 業 + 四 大 スマート 産 業 ) 大 型 のインフラ 整 備 ( 愛 台 12 建 設 ) 産 業 イノベーションの 推 進 ( 産 業 創 新 条 例 ) 税 率 引 き 下 げと 規 制 緩 和 ( 法 人 税 相 続 税 の 引 下 げ 最 低 資 本 金 規 定 の 撤 廃 など) アジアの 産 業 物 流 イノベーションのハブ 化 = 中 国 アジアの 成 長 取 り 込 み Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 9

台 湾 政 府 の 経 済 発 展 政 策 大 型 国 家 建 設 計 画 と 新 興 産 業 育 成 計 画 によって 内 需 と 輸 出 を 促 進 させる 台 湾 政 府 が 推 進 中 の 主 な 産 業 政 策 政 策 名 背 景 建 設 項 目 対 象 産 業 期 待 される 効 果 愛 台 十 二 建 設 投 資 総 額 :3 兆 9,900 億 元 公 共 投 資 2 兆 6,500 億 元 民 間 投 資 1 兆 3,400 億 元 馬 政 権 の 6.3.3 目 標 ( 経 済 成 長 率 6% 以 上 2015 年 に 一 人 当 たり 国 民 所 得 30,000USD 到 達 失 業 率 3% 以 下 を 実 現 )の 達 成 を 目 指 し 地 域 間 のバランスのとれた 発 展 や 持 続 的 発 展 の 重 視 等 の 基 本 理 念 に 基 づく 国 家 建 設 計 画 を 策 定 全 島 交 通 網 の 構 築 高 雄 自 由 貿 易 生 態 港 区 台 中 アジア 太 平 洋 海 空 物 流 セ ンター 桃 園 国 際 航 空 城 インテリジェント 台 湾 産 業 創 新 回 廊 都 市 工 業 区 の 再 開 発 農 村 再 生 海 岸 新 生 緑 色 造 林 洪 水 災 害 下 水 道 建 設 インフラの 整 備 改 善 により 国 土 保 全 国 内 産 業 の 活 性 化 台 湾 のアジア 産 業 ハ ブ 化 を 進 める 公 共 投 資 及 び 民 間 投 資 の 増 大 が 景 気 を 刺 激 六 大 新 興 産 業 現 在 の 主 要 ハイテク 産 業 ( 半 導 体 パネル)に 続 く 台 湾 経 済 の 多 元 的 かつ 持 続 的 発 展 に 寄 与 しうる6つの 新 興 産 業 を 指 定 し 技 術 支 援 や 投 資 優 遇 教 育 支 援 等 を 提 供 グリーンエネルギー 産 業 文 化 クリエイティブ 産 業 観 光 産 業 ハイエンド 農 業 バイオ 産 業 ヘルスケア 産 業 台 湾 産 業 の 総 体 的 なハー ド ソフトパワーを 向 上 させ 2015 年 までに6 産 業 の 生 産 額 を3 兆 元 まで 拡 大 四 大 スマート 産 業 六 大 新 興 産 業 のほか 台 湾 産 業 のイノベーションを 促 し 市 場 の 拡 大 が 見 込 まれる4 産 業 を 指 定 150 億 元 の 予 算 を 投 入 し 技 術 支 援 や 関 連 製 品 の 購 入 補 助 を 実 施 クラウドコンピューティング スマートEV スマートグリーン 建 築 特 許 の 産 業 化 ( 審 査 の 効 率 化 VCとのマッチング 等 ) 台 湾 の 産 学 官 に 外 国 の 有 力 企 業 を 加 えたプラット フォームにより 技 術 開 発 と 産 業 化 を 進 め 台 湾 産 業 の 高 度 化 を 図 る 出 所 : 行 政 院 及 び 経 済 部 の 公 開 資 料 をNRIが 整 理 Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 10

台 湾 政 府 の 経 済 発 展 政 策 法 人 税 や 相 続 税 の 大 幅 引 き 下 げにより 海 外 に 分 散 する 企 業 や 個 人 マネーの 台 湾 への 呼 び 寄 せを 促 す 2010 年 に 法 人 税 ( 営 利 事 業 所 得 税 )を17%に 引 き 下 げ 香 港 やシンガポールと 並 んで 世 界 でも 有 数 の 低 さとなった 2009 年 には これまで 累 進 課 税 方 式 であった 相 続 税 ( 最 高 税 率 50%)を 一 律 10%に 引 き 下 げた 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 (%) 40.69 40.75 日 本 アメリカ フランス 主 要 国 地 域 の 法 人 税 率 ( 実 効 税 率 ) 比 較 33.33 29.41 ドイツ イギリス 28.00 25.00 24.20 中 国 17.00 17.00 16.50 Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 11 韓 国 シンガポール 台 湾 香 港 注 :アメリカはカルフォルニア 州 の 税 率 出 所 : 日 本 財 務 省 資 料 及 び 各 国 データよりNRI 作 成

台 中 関 係 の 変 化 :ECFA 締 結 までの 道 のり 馬 英 九 政 権 誕 生 後 中 台 関 係 は 急 速 に 改 善 大 三 通 中 国 人 観 光 解 禁 金 融 MOU ECFAと 僅 か2 年 で 台 中 関 係 は 大 きく 変 化 2008 年 5 月 国 民 党 の 馬 英 九 氏 が 第 12 代 対 案 総 統 に 就 任 馬 英 九 政 権 下 における 両 岸 融 和 の 足 取 り 5 月 胡 錦 涛 氏 ( 中 国 国 家 主 席 )と 呉 伯 雄 氏 ( 国 民 党 主 席 )の 国 共 トップ 会 談 が 実 現 6 月 7 月 江 丙 坤 氏 ( 海 基 会 理 事 長 )と 陳 雲 林 氏 ( 海 協 会 会 長 )の 第 1 次 両 岸 窓 口 機 関 のトップ 会 談 を 実 施 中 国 人 の 台 湾 観 光 が 解 禁 ( 団 体 旅 行 ) 12 月 大 三 通 ( 通 商 通 航 通 郵 の 自 由 化 )の 実 施 12 月 中 国 から 台 北 市 動 物 園 に2 頭 のパンダ( 団 団 と 円 円 )が 贈 られる 12 月 両 岸 産 業 架 け 橋 プロジェクト: 両 岸 漢 方 薬 産 業 協 力 交 流 会 議 を 台 北 市 で 開 催 2009 年 1 月 馬 英 九 総 統 が 初 めてECFA ECFA( 中 台 経 済 協 力 枠 組 み 協 議 )に 言 及 2 月 台 湾 故 宮 博 物 院 と 北 京 故 宮 博 物 院 が 正 式 にトップ 交 流 をスタート 4 月 台 湾 がWHO 総 会 (WHA)へのオブザーバー 参 加 を 実 現 4 月 第 3 次 両 岸 窓 口 機 関 トップ 会 談 両 岸 の 金 融 協 力 ( 銀 行 証 券 保 健 )を 記 した 覚 書 を 締 結 /チャーター 便 の 定 期 便 化 増 便 5 月 中 国 人 ビジネスマンの 招 聘 規 制 を 緩 和 営 業 額 3000 万 元 以 上 の 企 業 は 年 間 200 人 ( 従 来 は50 人 )を 招 聘 することが 可 7 月 中 国 資 本 による 台 湾 投 資 を 開 放 ( 製 造 業 63 項 目 サービス 業 24 項 目 公 共 事 業 11 項 目 ) 8 月 黄 重 球 経 済 部 次 長 が 中 国 移 動 の 総 裁 と 会 見 携 帯 電 話 の4G 標 準 規 格 開 発 で 協 力 などを 協 議 11 月 両 岸 金 融 MOUの 締 結 (2010( 年 1 月 に 発 効 ) 2010 年 2 月 経 済 部 が 液 晶 ディスプレイパネル 及 び 半 導 体 ウェハー 生 産 事 業 の 中 国 投 資 を 開 放 5 月 台 湾 中 国 の 観 光 当 局 が 窓 口 機 関 を 相 互 開 設 4 日 に 台 湾 海 峡 両 岸 旅 遊 交 流 協 会 の 北 京 事 務 所 が 7 日 に 中 国 海 峡 両 岸 旅 遊 交 流 協 会 の 台 北 事 務 所 が 業 務 を 始 めた 1949 年 以 来 中 台 間 の 政 府 出 先 機 関 の 相 互 開 設 は 初 6 月 第 5 次 両 岸 窓 口 機 関 トップ 会 談 ECFA ECFAに 署 名 中 国 側 539 項 目 台 湾 側 267 項 目 の 早 期 関 税 引 き 下 げリストが 発 表 される Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 12

台 中 関 係 の 変 化 : 両 岸 直 航 便 の 実 施 両 岸 直 航 便 の 実 施 により 台 中 間 の 人 とモノの 動 きが 大 きく 改 善 中 国 地 方 都 市 と 直 接 結 ばれることで これらを 後 背 圏 とすることも 可 能 となる 空 路 の 場 合 台 北 上 海 は 最 短 で82 分 ( 香 港 経 由 時 の3~4 分 の1)で 結 ばれる 海 路 の 場 合 三 通 開 放 以 前 にコンテナ 船 (1000TEU 搭 載 )が 高 雄 から 石 垣 島 経 由 でアモイまで 航 行 するの は 往 復 で3.5 日 を 要 したが 直 航 便 では 約 2 日 燃 料 費 は 従 来 の65%で 済 むようになった 現 在 中 国 との 直 航 便 は 空 路 で33 空 港 海 路 で68 港 湾 と 結 ばれており その 中 には 桃 園 空 港 と 杭 州 空 港 や 高 雄 港 と 太 倉 港 ( 中 国 蘇 州 )との 直 航 便 等 台 湾 と 中 国 の 地 方 空 港 港 湾 を 結 ぶ 航 路 も 数 多 い こう した 中 国 地 方 空 港 港 湾 とのアクセスを 密 にすることで 人 流 や 物 流 の 利 便 性 向 上 や 台 湾 の 空 港 及 び 港 湾 のハブ 化 を 推 進 しようとしている 両 岸 直 行 便 の 実 施 により 開 放 された 中 国 側 の 空 港 及 び 港 湾 海 運 分 類 空 港 / 港 湾 数 航 空 33 海 洋 港 52 河 川 港 16 空 港 / 港 湾 名 上 海 ( 浦 東 ) 上 海 ( 虹 橋 ) 大 連 天 津 太 原 北 京 石 家 荘 合 肥 成 都 西 安 昆 明 杭 州 武 漢 長 沙 長 春 青 島 南 京 南 昌 南 寧 ハルビン 重 慶 桂 林 海 口 深 圳 貴 陽 廈 門 煙 台 寧 波 福 州 広 州 鄭 州 済 南 瀋 陽 丹 東 大 連 營 口 唐 山 錦 州 泰 皇 島 天 津 黃 驊 威 海 煙 臺 龍 口 嵐 山 日 照 青 島 連 雲 港 大 豐 上 海 寧 波 舟 山 臺 州 嘉 興 溫 州 福 州 松 下 寧 德 泉 州 蕭 厝 秀 嶼 漳 州 廈 門 汕 頭 潮 州 惠 州 蛇 口 鹽 田 赤 灣 媽 灣 虎 門 廣 州 珠 海 茂 名 湛 江 北 海 防 城 欽 州 海 口 三 亞 洋 浦 石 島 萊 州 臺 州 港 大 麥 嶼 港 區 寧 波 舟 山 港 沈 家 門 港 區 太 倉 南 通 張 家 港 江 陽 揚 州 常 熟 常 州 泰 州 鎮 江 南 京 蕪 湖 馬 鞍 山 九 江 武 漢 城 陵 磯 銅 陵 出 所 : 交 通 部 資 料 よりNRI 作 成 Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 13

台 中 関 係 の 変 化 : 中 国 人 の 来 台 開 放 来 台 中 国 人 の 急 増 により 観 光 関 連 産 業 だけでなく 不 動 産 開 発 にも 効 果 が 及 ぶ 台 湾 は2008 年 7 月 に 中 国 人 の 台 湾 観 光 を 解 禁 2010 年 7 月 には 中 国 全 土 からの 台 湾 への 団 体 旅 行 が 解 禁 2010 年 9 月 末 時 点 の 国 地 域 別 訪 問 者 数 では 中 国 からの 来 台 者 数 は 既 に119 万 人 に 達 し 昨 年 の 日 本 からの 来 台 者 数 を 上 回 っている 2011 年 には 中 国 からの 個 人 旅 行 者 も 先 ずはビジネス 目 的 に 限 定 して 解 禁 する 予 定 行 政 院 大 陸 委 員 会 は 中 国 人 観 光 客 の 台 湾 での1 日 の 消 費 は 平 均 295ドル と 試 算 中 国 人 旅 客 の 増 加 は 今 後 も 続 く 見 通 しであり 各 地 でこれを 見 込 んだホテルやショッピングモールの 建 設 が 進 んでいる 来 台 日 本 人 / 中 国 人 の 推 移 予 測 (2008 ( 年 は 確 定 値 ) 2008 年 2009 年 2010 年 (1~9 月 ) 日 本 1,086,961 人 1,000,661 782,320 中 国 329,204 人 972,123 1,193,531 出 所 : 交 通 部 観 光 局 Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 14

台 中 関 係 の 変 化 :ECFAの 基 本 内 容 ECFA( 中 台 経 済 協 力 枠 組 み 協 議 )により 経 済 の 一 体 化 がさらに 前 進 台 湾 を 起 点 と する 中 国 ビジネスの 機 会 が 拡 大 へ ECFAの 基 本 データ 定 義 署 名 発 効 目 的 背 景 ECFA(Economic Cooperation Framework Agreement) は 将 来 の 中 台 経 済 関 係 を 規 定 するための 基 本 協 議 中 台 間 のFTA 又 はEPAに 相 当 2010 年 6 月 29 日 に 中 国 重 慶 で 開 かれた 中 台 窓 口 機 関 の 協 議 において 双 方 のトップが 署 名 今 後 台 湾 の 立 法 院 ( 国 会 に 相 当 )での 議 決 をもって 発 効 し 2011 年 1 月 から 第 一 段 階 の 関 税 引 き 下 げ 実 施 が 予 定 されている 中 台 間 の 経 済 貿 易 投 資 協 力 の 強 化 促 進 中 台 間 の 物 品 サービス 貿 易 の 一 層 の 自 由 化 を 促 進 し 公 平 透 明 高 効 率 な 投 資 及 びその 保 障 機 構 を 構 築 経 済 協 力 の 領 域 を 拡 大 し 協 力 機 構 を 構 築 台 湾 政 府 は 中 国 アセアン 間 のFTA(ACFTA) 発 効 (2010 年 1 月 )による 国 産 工 業 品 の 輸 出 競 争 力 低 下 を 懸 念 また 中 台 協 議 を 突 破 口 として 日 本 やシンガポールなど 第 三 国 とのFTA 締 結 につなげたいとの 狙 いもあり ECFA 締 結 を 急 いでいる 内 容 予 期 効 果 総 則 貿 易 と 投 資 経 済 協 力 アーリーハーベスト( 早 期 関 税 引 き 下 げ 品 リスト) その 他 ( 紛 争 処 理 等 )の5 章 16 条 で 構 成 総 則 :ECFAの 目 的 及 び 協 力 措 置 について( 関 税 非 関 税 障 壁 の 削 減 サービス 貿 易 の 制 限 の 緩 和 投 資 保 護 の 提 供 産 業 交 流 の 促 進 など) 貿 易 と 投 資 : 物 品 貿 易 ( 関 税 低 減 撤 廃 原 産 地 ルール 税 関 手 続 などに 関 する 協 議 の 実 施 など) サービス 貿 易 ( 幅 深 さを 広 げていくための 協 議 に 尽 力 など) 投 資 ( 投 資 保 障 機 構 や 投 資 関 連 規 定 の 透 明 性 向 上 など) 経 済 協 力 : 知 的 財 産 権 保 護 と 協 力 金 融 分 野 での 協 力 貿 易 の 促 進 と 利 便 性 向 上 税 関 業 務 の 協 力 電 子 取 引 の 協 力 産 業 協 力 戦 略 の 研 究 中 小 企 業 同 士 の 協 力 経 済 貿 易 団 体 の 相 互 事 務 所 設 置 アーリーハーベスト(* 次 ページ 参 照 ): 物 品 貿 易 及 びサービス 貿 易 の 経 済 提 携 知 的 財 産 権 の 保 護 システムの 構 築 二 重 課 税 の 回 避 など) その 他 : 紛 争 解 決 手 続 きの 早 期 確 立 両 岸 経 済 合 作 委 員 会 の 設 置 など 品 目 ごとの 非 ( 低 ) 関 税 化 や 貿 易 制 限 の 撤 廃 のスケジュールが 示 されることで 日 本 企 業 にとっても 中 台 間 の 事 業 環 境 が 把 握 しやすくなる また 台 湾 に 生 産 拠 点 を 持 つ 企 業 の 場 合 は 中 国 向 けの 輸 出 を 始 める( 拡 大 させる) 機 会 にもなる 台 湾 から 中 国 への 輸 出 拡 大 が 見 込 まれることから 台 湾 向 けに 電 子 機 器 のキーデバイスや 化 学 原 料 等 を 輸 出 している 日 本 企 業 は 取 引 の 拡 大 が 期 待 できる 中 国 がサービス 分 野 の 投 資 を 開 放 したことに 伴 い 日 台 アライアンスによる 中 国 事 業 展 開 の 選 択 肢 が 拡 大 出 所 :ECFA 協 議 文 書 などをNRIが 整 理 Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 15

台 中 関 係 の 変 化 :ECFAの 開 放 項 目 台 湾 が 望 む 石 化 原 料 や 工 作 機 械 がアーリーハーベスト 入 り 中 国 側 の 開 放 項 目 は 台 湾 側 の 倍 以 上 であり 台 湾 に 譲 歩 した 内 容 となっている ECFAによる 関 税 引 き 下 げ 投 資 開 放 の 概 要 中 国 側 の 関 税 引 き 下 げ サービス 業 投 資 開 放 の 主 な 内 容 物 品 ( 計 539 項 目 )=2009 年 の 台 湾 からの 輸 入 総 額 ( 約 837 億 元 )の 16.1%( 約 138 億 ドル)が 該 当 鉱 工 業 品 (521 ( 項 目 ) 石 油 化 学 (88 項 目 ): 基 本 原 料 特 殊 化 学 品 プラスチック 製 品 など 機 械 (107 項 目 ): 工 作 機 械 産 業 機 械 その 他 機 械 機 械 部 品 など 紡 織 (136 項 目 ): 各 種 生 地 紡 織 製 品 靴 類 など 輸 送 用 機 器 (50 項 目 ): 自 動 車 部 品 自 転 車 ( 完 成 車 ) 及 び 部 品 その 他 (140 項 目 ): 鉄 鋼 セメント 医 療 器 材 精 密 機 器 金 型 ガラ ス 電 子 製 品 電 機 製 品 小 物 家 電 工 具 など 農 産 品 (18 ( 項 目 ) 台 湾 農 漁 産 品 : 活 魚 バナナ オレンジ メロン 茶 葉 蘭 など サービス 業 (11 ( 項 目 ) 会 計 簿 記 サービス パソコンサービス 自 然 科 学 等 研 究 開 発 会 議 サービス 設 計 サービス 映 画 放 映 病 院 サービス 航 空 機 メンテナ ンス 保 険 業 銀 行 業 証 券 業 関 税 低 減 のスケジュール 現 在 の 関 税 率 実 施 1 年 目 実 施 2 年 目 実 施 3 年 目 0~5% 以 下 無 税 - - 5%~15% 以 下 5% 無 税 - 15% 以 上 10% 5% 無 税 台 湾 側 の 関 税 引 き 下 げ サービス 業 投 資 開 放 の 主 な 内 容 物 品 ( 計 267 項 目 )=2009 年 の 中 国 から 輸 入 総 額 ( 約 255 億 ドル)の 10.5%( 約 29 億 ドル)が 該 当 鉱 工 業 品 (267 ( 項 目 ) 石 油 化 学 (42 項 目 ): 基 本 原 料 特 殊 化 学 品 プラスチック 原 料 機 械 (69 項 目 ): 産 業 機 械 その 他 機 械 機 械 部 品 紡 織 (22 項 目 ): 綿 糸 綿 布 ナイロンなど 輸 送 用 機 器 (17 項 目 ): 自 転 車 ( 完 成 車 ) 及 び 部 品 その 他 (117 項 目 ): 精 密 機 械 部 品 金 型 金 属 製 品 ゴム プラス チック 電 子 製 品 電 機 製 品 など サービス 業 (9 ( 項 目 ) 研 究 開 発 会 議 サービス 展 示 サービス 特 製 品 設 計 サービス 映 画 放 映 ブローカーサービス 運 動 レクサービス 空 運 サービス 電 子 化 銀 行 業 労 働 者 の 移 動 中 国 人 労 働 者 の 台 湾 での 就 業 は 未 開 放 関 税 低 減 のスケジュール 現 在 の 関 税 率 実 施 1 年 目 実 施 2 年 目 実 施 3 年 目 0~2.5% 以 下 無 税 - - 2.5%~7.5% 以 下 2.5% 無 税 - 7.5% 以 上 5% 2.5% 無 税 出 所 :ECFA 協 議 文 書 などをNRIが 整 理 Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 16

1. 日 本 企 業 の 台 湾 進 出 動 向 2. 台 湾 政 府 の 経 済 発 展 政 策 3. 台 湾 企 業 の 対 中 進 出 動 向 4. 日 本 企 業 にとっての 新 たな 台 湾 の 位 置 づけ Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 17

台 湾 企 業 の 対 中 進 出 動 向 ( 製 造 業 ) ノートPCやゲーム 機 器 等 の 完 成 品 については 台 湾 企 業 の 中 国 拠 点 が 製 造 全 世 界 に 販 売 している 中 国 の 輸 出 企 業 トップ10の 内 6 社 は 台 湾 系 企 業 中 台 関 係 の 改 善 以 前 から 数 多 くのIT 機 器 関 連 企 業 が 既 に 中 国 市 場 に 深 く 入 り 込 んでいる 中 国 はグローバル 市 場 向 けのノートPCやゲーム 機 器 携 帯 電 話 等 の 電 子 機 器 の 一 大 生 産 地 だが これらを 生 産 しているのは 台 湾 企 業 台 湾 企 業 は 日 本 台 湾 中 国 欧 米 に 跨 るグローバルバリューチェーンを 作 り 上 げ 部 品 調 達 から 納 品 までの 一 貫 サービスを 提 供 一 方 鴻 海 (Hong Hai)が 中 国 で3Cショップ(33 店 舗 :2009 年 末 )を 展 開 する 賽 博 數 碼 への 出 資 中 国 市 場 への 内 販 への 参 入 例 も 出 てきている 2009 年 の 中 国 の 輸 出 企 業 トップ10 順 位 企 業 輸 出 ( 億 USD) 台 湾 の 親 会 社 1 達 豊 ( 上 海 ) 電 脳 217 広 達 電 脳 (QUANTA) 2 鴻 富 錦 精 密 工 業 ( 深 圳 ) 132 鴻 海 精 密 (HONG-HAI Foxconn) 3 仁 宝 信 息 工 業 ( 昆 山 ) 88 仁 宝 電 脳 (COMPAL) 4 富 泰 華 工 業 ( 深 圳 ) 87 鴻 海 精 密 (HONG-HAI Foxconn) 5 諾 基 亜 通 信 (ノキア) 83-6 緯 新 資 通 ( 昆 山 ) 71 緯 創 (Wistron) 7 華 為 技 術 有 限 公 司 69-8 名 碩 電 腦 ( 蘇 州 ) 63 華 碩 電 腦 (ASUS) 9 中 国 船 舶 工 業 貿 易 52-10 中 国 石 油 天 然 ガス 集 団 51 - Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 出 所 : 中 国 商 務 部 の 資 料 に 基 づき NRI 作 成 18

台 湾 企 業 の 対 中 進 出 動 向 ( 非 製 造 業 ) 台 湾 のBtoC 小 売 流 通 事 業 者 は 中 国 で 急 速 にネットワークを 拡 大 している 中 国 内 需 市 場 へも 既 に 数 多 くの 台 湾 企 業 が 深 く 入 り 込 んでいる 中 国 内 需 向 け 市 場 においては 食 品 大 手 メーカとして 有 名 な 康 師 傅 ( 頂 新 集 団 )や 統 一 企 業 ( 統 一 集 団 )は 台 湾 企 業 であり 康 師 傅 や 統 一 ブランドは 中 国 全 土 に 浸 透 している 康 師 傅 は1988 年 に 中 国 に 進 出 し 台 湾 では 無 名 の 企 業 であったが 1994 年 に 発 売 した 即 席 麺 が 中 国 で 大 ヒットし 中 国 でトッ プシェアを 握 った 後 飲 料 菓 子 パン 等 食 品 全 般 を 手 掛 けている 統 一 企 業 は 台 湾 の 食 品 最 大 手 で 傘 下 に 統 一 超 商 ( 台 湾 でセブンイレブン 等 を 展 開 )などを 持 ち 台 湾 でも 有 数 の 企 業 グルー プを 形 成 している 中 国 小 売 市 場 においても 大 潤 発 麗 嬰 房 美 食 達 人 (85 ) 太 平 洋 百 貨 ファミリーマート セブンイレブン 等 多 くの 台 湾 企 業 が 進 出 市 場 シェアを 広 げている 中 国 小 売 売 上 トップ10(2009 年 ) 中 国 市 場 に 進 出 している 主 な 台 湾 小 売 企 業 企 業 名 事 業 內 容 出 所 : 各 社 HP 及 び 報 道 資 料 をNRI 整 理 進 出 年 店 舗 数 麗 嬰 房 ベビー 用 品 1993 年 1,567( 2010 年 9 月 ) 太 平 洋 百 貨 百 貨 店 1993 年 10( 2010 年 9 月 ) 全 家 便 利 商 店 (ファミリーマート) CVS 2004 年 350(2010 年 2 月 ) 大 潤 発 量 販 店 2004 年 127( 2010 年 4 月 ) 特 力 屋 (HOLA) ホームセンター 2004 年 22( 2010 年 8 月 ) 美 食 達 人 (85 ) コーヒーショッフ 2007 年 131( 2010 年 6 月 ) 統 一 超 商 (7-ELEVEN) CVS 2009 年 20( 2010 年 3 月 ) Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 19 順 位 企 業 名 売 上 ( 億 元 ) 店 舗 数 1 蘇 寧 電 器 1170 941 2 国 美 電 器 1068 1170 3 百 聯 集 団 979 6153 4 大 商 集 団 705 160 5 華 潤 万 家 680 2926 6 康 成 投 資 ( 大 潤 発 ) 404 121 7 家 楽 福 (カルフール) 366 156 8 安 徽 省 徽 商 集 団 344 2884 9 沃 爾 瑪 (ウォルマート) 340 175 10 物 美 控 股 集 団 327 2333 出 所 :2009 年 中 国 零 售 百 強 企 業 ( 中 国 連 鎖 経 営 協 会 )

1. 日 本 企 業 の 台 湾 進 出 動 向 2. 台 湾 政 府 の 経 済 発 展 政 策 3. 台 湾 企 業 の 対 中 進 出 動 向 4. 日 本 企 業 にとっての 新 たな 台 湾 の 位 置 づけ Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 20

業 種 によって 異 なる 台 湾 の 位 置 づけ 日 本 企 業 による 台 湾 の 位 置 づけは 業 種 によって 異 なる ECFAによって 最 も 大 きな 影 響 が 有 り 得 るのは 顧 客 近 接 型 の 企 業 円 高 による 生 産 拠 点 の 海 外 移 転 や 日 本 国 内 市 場 の 飽 和 による 海 外 進 出 等 の 影 響 により 部 品 調 達 型 や 市 場 近 接 型 の 企 業 にとっての 台 湾 の 位 置 づけも 変 わってくる 日 本 企 業 にとっての 台 湾 の 位 置 づけ 台 湾 との 関 係 概 要 台 湾 の 強 み 主 な 業 種 顧 客 近 接 型 IC LCD 等 の 世 界 的 な 企 業 との 取 引 や 共 同 研 究 等 の 場 としての 活 用 世 界 的 なICやLCD 等 のメーカの 存 在 ICやLCD 等 に 関 わる 企 業 のクラスタ ー 及 び 柔 軟 な 企 業 連 携 の 存 在 IC LCD 等 の 関 連 部 品 材 料 生 産 設 備 検 査 装 置 メーカ B2B 型 部 品 調 達 型 グローバル 向 け 商 品 の 部 品 調 達 や 世 界 的 なOEM ODM 先 企 業 との 協 業 拠 点 としての 活 用 迅 速 安 価 且 つ 技 術 力 を 持 った 中 小 企 業 の 集 積 大 手 OEM ODM 企 業 から 中 小 企 業 に 至 る 産 業 クラスターの 存 在 電 子 機 器 精 密 機 器 メーカ B2C 型 市 場 近 接 型 アジア 中 華 圏 向 け 商 品 サービス 開 発 や 事 業 パートナーリング 推 進 の 場 としての 活 用 日 本 にブランド 価 値 を 持 ちつつも 中 華 圏 やアジアの 好 みもある 市 場 の 存 在 日 本 の 文 化 まで 理 解 した 技 術 者 や 商 品 企 画 担 当 者 の 集 積 中 国 市 場 等 で 実 績 があり 日 本 も 熟 知 した 台 湾 企 業 の 存 在 消 費 財 メーカ 小 売 飲 食 業 サービス 業 Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 21

顧 客 近 接 型 企 業 にとっての 台 湾 の 位 置 づけ 仮 説 : 開 発 機 能 の 強 化 や 生 産 拠 点 の 台 湾 移 転 が 進 む 台 湾 大 手 IC LCDメーカの 中 国 進 出 は 進 むが 開 発 や 調 達 最 先 端 工 場 は 台 湾 に 残 る 半 導 体 や 液 晶 ディスプレイ 等 の 台 湾 メーカは 中 国 への 進 出 規 制 が 緩 和 されたことを 受 け 今 後 中 国 への 生 産 拠 点 の 移 転 が 進 むことが 予 想 される しかしながら 開 発 調 達 機 能 に 加 えて 最 先 端 の 生 産 機 能 は 引 き 続 き 台 湾 に 残 る 日 本 企 業 は 円 高 の 進 行 によって 国 内 の 生 産 拠 点 の 海 外 移 転 や 委 託 を 進 める 可 能 性 が 強 まる これまで 日 本 からの 輸 出 でも 十 分 な 競 争 力 を 得 られていた 材 料 や 設 備 についても 海 外 での 生 産 を 真 剣 に 検 討 し 始 める 企 業 が 増 加 することが 予 想 される 台 湾 にて 顧 客 企 業 と 最 先 端 の 材 料 や 部 品 設 備 を 共 同 で 開 発 し 台 湾 の 工 場 で 量 産 して 顧 客 に 納 品 する 流 れが 強 まる 可 能 性 がある ECFAの 締 結 に 伴 い ECFAによる 関 税 の 引 き 下 げ 項 目 に 該 当 する 製 品 で あれば 台 湾 で 生 産 したものを 中 国 に 輸 出 することも 十 分 考 えられるため 生 産 拠 点 を 現 段 階 の 主 要 市 場 である 台 湾 に 設 けることも 検 討 に 値 する Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 22

部 品 調 達 型 企 業 にとっての 台 湾 の 位 置 づけ 仮 説 : 調 達 機 能 の 強 化 や 委 託 管 理 共 同 開 発 機 能 の 強 化 が 進 む 円 高 の 進 行 によって 海 外 からの 部 品 調 達 の 増 加 や 生 産 機 能 の 海 外 移 転 又 はODM OEM 生 産 への 切 り 替 えが 進 む 可 能 性 が 高 い ECFA 等 の 台 湾 の 変 化 の 影 響 は 比 較 的 少 ないと 考 えられるが 円 高 が 継 続 すると 海 外 からの 部 品 調 達 の 増 加 や 生 産 機 能 の 海 外 移 転 又 はODM OEMへの 切 り 替 え 等 を 行 なう 必 要 性 が 出 てくるも のと 考 えられる こうした 中 で 台 湾 企 業 からの 部 品 調 達 や 台 湾 企 業 へのODM OEM 発 注 が 増 大 すること が 予 想 される これらの 動 きに 伴 う 台 湾 拠 点 における 調 達 機 能 の 強 化 や 委 託 管 理 共 同 開 発 機 能 の 強 化 が 有 りえる また 開 発 から 量 産 までのプロセスを 根 本 的 に 見 直 すことにより 台 湾 への 開 発 機 能 の 移 転 に 踏 み 切 る 例 も 出 てくる 可 能 性 がある Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 23

市 場 近 接 型 企 業 にとっての 台 湾 の 位 置 づけ 仮 説 : 台 湾 企 業 のパートナーリングによる 中 国 市 場 進 出 の 動 きが 加 速 する 日 本 国 内 市 場 の 飽 和 に 伴 い 海 外 進 出 の 動 きが 加 速 することが 予 想 される 台 湾 は 日 本 に 対 する 親 和 性 だけでなく 中 国 国 内 市 場 開 拓 力 を 有 する 人 材 や 企 業 を 有 する 親 日 的 な 台 湾 人 や 台 湾 企 業 の 存 在 だけでなく 中 国 国 内 市 場 において 多 くの 台 湾 企 業 が 積 極 的 に 事 業 展 開 を 行 なっている 台 中 間 の 規 制 緩 和 に 伴 い 人 材 育 成 や 中 国 市 場 での 規 制 回 避 等 の 優 位 性 も 出 てくる 人 材 育 成 については 台 中 間 の 直 航 便 の 就 航 や 中 国 人 ビジネスマンの 台 湾 入 国 規 制 の 緩 和 等 によ り 台 湾 で 培 ったノウハウを 中 国 市 場 に 持 ち 込 むことが これまで 以 上 にやり 易 くなってくる コンテンツ 金 融 インフラ 建 設 等 中 国 での 台 湾 企 業 優 遇 の 恩 恵 を 上 手 く 利 用 することも 有 りえる 華 人 経 済 圏 の 消 費 力 や 投 資 資 金 の 取 り 込 みにより 台 湾 内 需 も 成 長 し 続 ける 可 能 性 もある 台 湾 人 の 活 用 や 台 湾 企 業 とのパートナーリングによって 中 国 市 場 を 開 拓 し ようとする 日 本 企 業 は 今 後 も 増 加 していくことが 予 想 される 華 人 経 済 圏 の 一 体 化 による 台 湾 内 需 拡 大 によって 内 需 狙 いの 日 本 企 業 進 出 も 出 てくる 可 能 性 がある Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 24

まとめ 華 人 経 済 圏 の 中 における 台 湾 として 台 湾 の 拠 点 の 機 能 を 捉 え 直 す 時 期 ではないか 日 本 企 業 の 中 国 アジア 事 業 展 開 において 台 湾 の 重 要 性 は 高 まってきている 企 業 活 動 の 面 で 先 行 していた 台 湾 と 中 国 との 経 済 的 な 一 体 化 が この2 年 間 で 企 業 活 動 に 係 わる 周 辺 環 境 も 含 めて 大 きく 進 展 した もはや 経 済 活 動 の 面 では 台 湾 と 中 国 更 には 香 港 や 東 南 アジア 等 を 分 けて 考 え ることにあまり 意 味 は 無 くなりつつある 日 本 企 業 は アジアでの 事 業 展 開 を 行 なうに 当 って 台 湾 中 国 香 港 シンガポー ル 等 を 含 めた 華 人 経 済 圏 全 体 の 中 で 台 湾 での 事 業 をどのように 位 置 づけていく か 真 剣 に 検 討 すべき 時 期 に 来 ている Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 25

本 資 料 に 関 するお 問 い 合 わせ 先 株 式 会 社 野 村 総 合 研 究 所 台 北 支 店 田 崎 嘉 邦 TEL: 02-2718-7620 (Ex.30) FAX: 02-2718-7621 e-mail: y-tazaki@nri.co.jp ジャパンデスクの 連 絡 先 野 村 総 合 研 究 所 台 北 支 店 住 所 : 台 北 市 敦 化 北 路 168 号 13 階 E 室 TEL:+886-2718-7620 FAX:+886-2718-7621 担 当 : 田 崎 ( 内 線 30) 岸 田 ( 内 線 35) 黄 ( 内 線 25) 野 村 総 合 研 究 所 産 業 革 新 コンサルティング 二 部 住 所 : 東 京 都 千 代 田 区 丸 の 内 1-6-5 丸 の 内 北 口 ビル TEL:03-5533-2709( 直 通 ) FAX:03-5533-2766 担 当 : 杉 本 洋 専 用 ホームページ http://www.japandesk.com.tw 専 用 メールアドレス japandesk@nri.co.jp Copyright(C) 2010 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 26