アンモニア/ 水 を 用 いた 海 洋 温 度 差 発 電 における 熱 交 換 器 の 評 価 に 関 する 研 究 池 上 康 之 *, 稲 富 純 一 *, 後 藤 寛 和 *3 *4, 森 﨑 敬 史 Performance evaluation of heat exchangers in ocean thermal energy conversion system using ammonia/water as working fluid Yasuyuki IKEGAMI *, Junich INADOMI irokazu GOTO and Takafumi MORISAKI * Institute of Ocean Energy, Saga University onjo-machi, Saga city, Saga, 4-5 Japan An ammonia/water is used for the ocean thermal energy conversion system (OTEC to decrease an irreversible loss in heat exchangers and to improve the system performance. owever, It has been not an enough temperature crossing occoured in the condenser though occoured in the evaporator in an actual heat exchangers. Therefore, it is thought that the clarification of characteristic in heat exchangers is important. At this time, logarithmic temperature difference (MTD method is used for the performance evaluation in heat exchangers in OTEC. MTD method is limited when considered that physical properties of fluids are constant in heat exchangers. Then, a generalized mean temperature difference (GMTD method is introduced into the evaluation of characteristics of heat exchangers that uses ammonia/water in this paper. The change of the physical properties value of fluids in heat exchangers could be considered in GMTD method. GMTD was introduced into the evaluation of heat exchangers of OTEC using ammonia/water and the influence given to the evaluation of the characteristic, effectiveness, and system characteristics was clarified. Key Words : ogarithmic mean temperature difference method, Generalized mean temperature difference method. 緒 言 海 洋 温 度 差 発 電 (OTECは, 再 生 可 能 な 自 然 エネルギー の 一 つであり, 特 に 発 電 だけでなく 海 水 の 淡 水 化 や 海 洋 深 層 水 の 利 用 など 複 合 利 用 が 可 能 なためその 実 用 化 の 推 進 が 期 待 されている 海 洋 温 度 差 発 電 は 利 用 できる 温 度 差 が 従 来 の 火 力 発 電 や 原 子 力 発 電 と 比 較 して 小 さいた めに, 各 構 成 機 器 の 性 能 向 上 に 留 まらず, 各 構 成 機 器 の 性 能 を 考 慮 したシステム 全 体 の 高 効 率 化 が 重 要 となる OTEC システムの 高 効 率 化 の 研 究 は, 長 年 数 多 く 行 われて いるが,その 一 つとして 近 年 アンモニア/ 水 の 非 共 沸 混 合 流 体 を 作 動 流 体 として 用 いる 方 法 が 注 目 されている これ * 佐 賀 大 学 ( 4-5 佐 賀 県 佐 賀 市 本 庄 * 佐 賀 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科. *3 佐 賀 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科. *4 佐 賀 大 学 理 工 学 部. E-mail: ikegami@ioes.saga-u.ac.jp らの 方 法 は, 理 論 的 にはその 有 効 性 が 示 されているが, 実 験 的 には 十 分 その 特 性 が 活 かされているとはいえない アンモニア/ 水 を 作 動 流 体 として 用 いた 場 合, 熱 交 換 器 での 不 可 逆 損 失 の 低 減 が 期 待 される 一 方, 純 物 質 を 用 い た 場 合 より, 一 般 的 に 熱 交 換 器 の 伝 熱 性 能 の 低 下 が 懸 念 されている これらの 特 性 を 十 分 活 かして 混 合 流 体 を 用 いれば 一 層 の 高 性 能 化 が 期 待 されるが, 十 分 その 特 性 が 活 かされなければ 反 って 性 能 が 低 下 する 場 合 がある こ れまでのアンモニア/ 水 を 用 いたシステム 実 験 によると, 性 能 を 向 上 させるための 凝 縮 器 での 凝 縮 温 度 および 凝 縮 圧 力 の 低 減 が 十 分 でないことが 指 摘 されている これら の 問 題 を 解 決 し,アンモニア/ 水 を 作 動 流 体 として 用 いた 海 洋 温 度 差 発 電 の 一 層 の 高 性 能 化 を 実 現 するためには, この 熱 交 換 器 内 の 現 象 を 解 明 し, 評 価 を 確 立 することが 重 要 と 考 えられる アンモニア/ 水 は, 熱 交 換 器 内 で 相 変 化 の 際 に 温 度 が 大 きく 変 化 する 特 性 を 有 するが, 超 臨 界 CO と 水 を 媒 体 として 用 いるヒートポンプシステムの 熱 交 換 器 においても CO の
比 熱 をはじめ 温 度 など 物 性 値 が 大 きく 変 化 する このよ うな 超 臨 界 CO を 用 いた 熱 交 換 器 の 評 価 に 対 して, 宇 多 村 らは, 従 来 から 用 いられている 対 数 平 均 温 度 差 法 (ogarithmic Mean Temperature Difference : MTDと 異 な る 一 般 化 平 均 温 度 差 法 (Generalized Mean Temperature Difference Method, GMTDの 適 用 を 提 唱 している ( この ような 状 況 の 中,GMTD 法 がアンモニアおよびアンモニア/ 水 を 用 いた 海 洋 温 度 差 発 電 等 の 熱 交 換 器 の 評 価 およびその サイクル 計 算 に 及 ぼす 影 響 は, 十 分 明 らかにされていない そこで, 本 研 究 ではアンモニア/ 水 を 用 いた 海 洋 温 度 差 発 電 の 熱 交 換 器 の 特 性 の 解 明 とその 評 価 方 法 の 確 立 を 目 的 として その 評 価 にGMTD を 導 入 して 解 析 を 行 う さ らに GMTD が 計 算 および 実 験 における GMTD の 有 効 性 およびその 特 性 について 考 察 する 記 号 A : 伝 熱 面 積 [m ] c : 比 熱 [J/kg K] GMTD : h K 一 般 化 平 均 温 度 差 [K] : 比 エンタルピ [J/kg] : = mc [W/K] : 熱 交 換 器 長 さ [m] MTD : 対 数 平 均 温 度 差 [K] m& : 質 量 流 量 [kg/s] M : 等 負 荷 の 計 算 要 素 数 Q q T : 熱 負 荷 [W] : 等 負 荷 の 計 算 要 素 [W] : 温 度 [K] γ : 流 量 比 = m & / m& x y ( WF WF : 熱 交 換 器 長 手 方 向 位 置 [m] :アンモニア/ 水 の 組 成 (= 混 合 物 質 の CS : 冷 海 水 I M O S アンモニアの 質 量 分 率 [kg/kg] : 高 温 流 体 側 : 入 口 : 低 温 流 体 側 添 字 : 等 負 荷 の 計 算 要 素 数 : 出 口 : 熱 源 WF : 作 動 流 体 WS : 温 海 水. 熱 交 換 器 内 温 度 変 化 と 評 価. アンモニア/ 水 の 特 性 図 に アンモニア/ 水 の 気 液 平 衡 線 図 を 圧 力 が.MP.5MPa および.MPa に 対 してそれぞれ 示 す アンモニアと 水 の 沸 点 の 差 が 大 き いために 露 点 と 沸 点 の 差 が 最 大 で 程 度 と 大 きく なる 海 洋 温 度 差 発 電 においてアンモニア/ 水 を 作 動 流 体 として 用 いる 場 合 その 最 適 組 成 は y=. 以 上 と 評 され ており その 範 囲 での 露 点 と 沸 点 の 差 は 約 である 一 方 海 洋 温 度 差 発 電 では 利 用 できる 温 度 差 が 小 さい ために 露 点 から 沸 点 まで 熱 交 換 器 内 で 変 化 しない 蒸 発 器 の 後 に 分 離 器 を 設 けており 蒸 発 器 を 二 相 で 出 た 後 飽 和 蒸 気 と 飽 和 液 に 分 離 される 通 常 蒸 発 器 およ び 凝 縮 器 内 でのアンモニア/ 水 の 温 度 変 化 は 3~5 程 度 が 期 待 されている 温 度 変 化 としては 従 来 の 前 後 の 廃 熱 を 利 用 したアンモニア/ 水 の 発 電 システムに 比 べるとその 温 度 変 化 は 小 さいが 利 用 できる 温 度 差 が 5 から5 と 小 さいために その 影 響 は 大 きくなる 5 5-5 P=. [MPa] P=.5 [MPa] P=. [MPa].5 Mass fraction Y [kg/kg] Fig. T-y Diagram. アンモニア/ 水 を 用 いた 熱 交 換 器 内 の 温 度 変 化 図 (aおよび 図 (bにアンモニア/ 水 を 作 動 流 体 として 用 いた 場 合 の 熱 交 換 器 内 の 温 度 変 化 を 概 念 的 にT-X 線 図 お よびT-Q 線 図 で 示 す 両 図 とも 上 部 の 実 線 と 点 破 線 が 蒸 発 器 内 の 温 海 水 と 作 動 流 体 の 温 度 変 化 を 示 し 下 部 の 点 破 線 と 実 線 が 凝 縮 器 内 の 作 動 流 体 と 冷 海 水 の 温 度 変 化 を 示 している サイクル 熱 効 率 を 高 めるために は 熱 交 換 器 の 伝 熱 性 能 を 向 上 させて これらの 熱 源 と 作 動 流 体 の 温 度 差 を 小 さくすることが 重 要 となる 従 来 から 熱 交 換 器 内 の 温 度 変 化 は 図 (aに 示 される ようにT-X 線 図 で 示 され その 熱 源 温 度 と 作 動 流 体 温 度
3 4 3 4 K K = ( ( T T dx m& c m& c ( 6 4 Warm seawater Working fluid(eva Working fluid(con Cold seawater 5 ength ratio X [m/m] Fig.(a T versus X 6 4 Warm seawater Working fluid(eva Working fluid(con Cold seawater 5 Fig.(b T versus Q 高 温 流 体 と 低 温 流 体 間 で 熱 交 換 を 行 う 際 の 両 流 体 間 の 温 度 差 が 位 置 の 関 数 として 求 められたので,これを 流 路 入 口 から 出 口 まで 積 分 することで, 総 熱 交 換 量 Q を 評 価 す ることができる すなわち, 流 路 の 入 口 出 口 間 の 距 離 を とすれば, Q= K( T T dx の 温 度 差 の 評 価 に MTD が 用 いられてきた 一 方 図 (bに 示 すように アンモニア/ 水 の 温 度 変 化 を T-Q 線 図 として 示 すと 蒸 発 器 内 は, 熱 交 換 器 の 出 入 口 の 間 で 熱 源 と 作 動 流 体 の 温 度 差 が 最 も 大 きくなり, 凝 縮 器 内 では 小 さくなる 点 が 存 在 することがわかる 特 に, 凝 縮 器 で は,このピンチポイントは, 出 入 口 の 温 度 だけでは 評 価 できず, 熱 交 換 器 の 性 能 を 限 定 してしまう 場 合 があるこ とが 確 認 できる これらの 特 性 は, 純 アンモニアにおい ては 現 れない そこで, 本 研 究 では,これらの 問 題 を 解 決 する 方 法 として,アンモニア/ 水 を 用 いた 評 価 方 法 に GMTD を 導 入 し,MTD との 比 較 を 行 いながらその 有 効 性 について 検 討 する ( T = K I TO ( T ( TI T ln ( T T O O O I T I = K T (3 MTD である このとき, 仮 想 的 な 平 均 温 度 差,いわゆる 対 数 平 均 温 度 差 ΔT MTD は 次 のようになる ( TI TO ( TO TI TMTD = (4 ( TI TO ln ( T T O I 3. 平 均 温 度 差 の 定 義 アンモニア/ 水 を 用 いた 熱 交 換 器 の 内 の 温 度 差 の 評 価 にGMTD 法 を 導 入 するにあたって 本 節 では 従 来 の 対 数 平 均 温 度 差 (MTDであるΔT MTD と 一 般 化 平 均 温 度 差 (GMTD ΔT GMTD について 比 較 して 示 す 3 対 数 平 均 温 度 差 の 導 出 ( 図 3 に 向 流 型 熱 交 換 器 における 流 体 温 度 の 分 布 を 横 軸 に 距 離 をとり 概 念 的 に 示 している 隔 板 上 の 任 意 の 位 置 における 微 小 部 分 ( 幅 :dx, 奥 行 き: 単 位 長 さを 通 して 高 温 流 体 から 低 温 流 体 へ 伝 えら れる 伝 熱 量 dq は, 熱 通 過 係 数 を K とすると 微 小 部 分 の 面 積 がdx であるので, dq = K{ T ( x T ( x dx ( } となる このとき, 熱 通 過 係 数 K など 物 性 値 が 関 与 する 係 数 が 一 定 とすると, 高 温 流 体 はdx の 区 間 を 通 過 する 間 にこの 分 だけ 熱 エネルギーを 失 い, 低 温 流 体 はdx の 区 間 を 通 過 する 間 に 同 じ 量 の 熱 エネルギーを 受 け 取 ることか ら, 高 温 流 体 の 混 合 平 均 温 度 の 変 化 dt および 低 温 流 体 の 混 合 平 均 温 度 の 変 化 dt より, 高 温 流 体 と 低 温 流 体 の 間 の 温 度 差 (T -T に 関 する 次 の 方 程 式 が 得 られる dt dt = d( T T Fig.3 Schematic flow diagram of Kalina cycle 3 一 般 化 平 均 温 度 差 の 導 出 ( 熱 交 換 器 内 で 流 体 の 物 性 値 が 変 化 することを 考 慮 する 場 合, 図 3 に 示 す 器 内 の 微 小 伝 熱 要 素 x~x+dx では 次 式 が 成 立 する ここ で,U i は 一 定 と 限 定 されない 局 所 での 熱 通 過 係 数 である dq= U da T (5 i i 式 (5を 積 分 型 に 直 して, Q dq A i = U ida (6 i T ( Q ここで, 一 般 化 平 均 温 度 差 ΔT GMTD を 次 式 で 定 義 する
T Q GMTD dq = Q T ( Q さらに, 温 度 積 分 ( 式 (7は 次 式 で 近 似 する dq q Q M = T ( Q j ( Tj T j+ (7 ( よって,ΔT GMTD は, 次 式 で 近 似 することができる T GMTD = M M ( T T j= j j+ 4. GMTDとMTD の 比 較 4 純 アンモニアとアンモニア/ 水 の 比 較 (9 図 4 に 純 アンモニアおよびアンモニア/ 水 の 場 合 の 蒸 発 器 およ び 凝 縮 器 におけるMTD およびGMTD の 評 価 の 比 較 の 一 例 を 温 海 水 入 口 温 度 が 3 および 冷 海 水 入 口 が に 対 して 熱 源 温 度 変 化 アンモニア/ 水 の 組 成 が y=.95 の 場 合 について 示 す 表 に このときの 入 力 の 計 算 条 件 を 示 す 計 算 は 表 に 示 す 入 力 条 件 に 対 して 作 動 流 体 の 温 度 を. 刻 みで 与 えそのときの MTD お よびGMTD を 算 出 した 図 から, 純 アンモニアの 場 合, MTD および GMTD の 値 は 全 く 同 じとなるが,アンモ ニア/ 水 では,それぞれ 異 なる 値 となっている 特 に 蒸 発 器 では GMTD が MTD よりいずれの 条 件 でも 大 き くなり 凝 縮 器 では GMTD が MTD よりいずれの 条 件 でも 小 さくなることがわかる 4 流 量 比 のGMTD とMTD への 影 響 図 5 および 図 6 に アンモニア/ 水 の 場 合 の 作 動 流 体 流 量 (m WF に 対 する 熱 源 流 量 (m S の 流 量 比 γ(=m WF /m S を 変 化 させ,アンモニア/ 水 の 組 成 が 一 定 の 場 合 に 最 もGMTD と MTD を 小 さいできる 作 動 流 体 圧 力 に 対 する GMTD と MTD の 比 較 の 一 例 をそれぞれ 蒸 発 器 と 凝 縮 器 に 対 して 示 している このとき アンモニア/ 水 の 組 成 はy=.95 である 蒸 発 器 における 条 件 は 温 海 水 入 口 温 度 3 お よび 出 口 で 作 動 流 体 の 入 口 条 件 は 飽 和 液 とした 凝 縮 器 における 条 件 は 冷 海 水 入 口 温 度 および 出 口 で 作 動 流 体 の 出 口 条 件 は 飽 和 液 とした 図 中 には 同 条 件 下 において 最 もGMTD とMTD を 小 さくできる 作 動 流 体 圧 力 を 併 せて 示 している 図 5 より 蒸 発 器 において いずれの 流 量 比 の 条 件 で も GMTD が MTD より 小 さくなっている 各 値 とも γの 増 加 とともに 急 激 に 小 さくなっている これの 条 GMTD.5.5 Pure ammonia Ammonia/water(Eva Ammonia/water(Con.5.5 MTD Fig. 4 GMTD versus MTD Table Calculation conditions Parameter Value Warm source inlet temperature [ ] 3 Warm source outlet temperature [ ] Cold source inlet temperature [ ] Cold source outlet temperature [ ] Pure ammonia temperature in Evaporator [ ] 7~7.9 Pure ammonia temperature in Condenser [ ].~ Ammonia/water inlet temperature in Evaporator [ ] 7~7.9 Ammonia/water outlet temperature in Evaporator [ ] 9~9.9 Ammonia/water inlet temperature in Condenser [ ].~9 Ammonia/water outlet temperature in Condenser [ ].~ Evaporator inlet mass fraction [N 3 kg/kg].95
件 では ピンチポイントが 温 海 水 入 口 部 になっている この 状 態 を とする γ=.3 付 近 で GMTD と MTDは ともに 最 も 小 さくなっている この 条 件 では ピンチポイントが 温 海 水 の 出 入 口 の 両 端 になっている この 状 態 を とする γが より 大 きくなると わずかながらGMTD とMTD は 大 きくなっている こ の 条 件 では ピンチポイントは 温 海 水 の 出 口 温 度 になっ ている この 状 態 を とする までは 蒸 発 器 内 の 作 動 流 体 圧 力 は 急 激 に 上 昇 するが その 後 穏 やか な 変 化 である 図 6 から, 凝 縮 器 において 流 量 比 γが.3 より 小 さい 範 囲 では GMTD がMTD より 小 さく.3 より 大 きい 場 合 は GMTDがMTDより 大 きくなっている 両 値 ともγの 増 加 とともに GMTD はγ=.5 MTD はγ=.3 までは 急 激 に 小 さくなっている これらの 条 件 では ピンチポイントが 冷 水 入 口 部 になっている こ の 状 態 をとする GMTD は γが.5 から.3 付 近 で MTDはγ=.3で 最 も 小 さい 値 を 示 している この 条 件 では ピンチポイントが 冷 海 水 の 出 入 口 の 両 端 ではなく 出 入 口 の 間 になっている この 状 態 を と する γが より 大 きくなるとわずかながらGMTD とMTD は 大 きくなっている この 条 件 では ピンチポ イントは 冷 海 水 の 出 口 温 度 になっている この 状 態 を とする 凝 縮 器 内 の 作 動 流 体 圧 力 は 蒸 発 器 に 比 べ て γとともに 緩 やかに 上 昇 する 図 7(aおよび(bに 蒸 発 器 および 凝 縮 器 における および の 一 例 を 組 成 がy=.95 とy=. にしてそれぞれ 示 す y=. の 方 が y=.95 より 相 変 化 の 際 の 温 度 変 化 が 大 きいため 作 動 流 体 の 温 度 変 化 も 大 き くなっている 4 3 凝 縮 器 におけるピンチポイントへの 組 成 の 影 響 図 は, 凝 縮 器 におけるピンチポイントにアンモニア/ 水 の 組 成 がどのように 影 響 するか 明 らかにするために 各 組 成 に 対 して 流 量 比 γ(=m WF /m C とGMTD を 最 小 にす る 凝 縮 器 内 作 動 流 体 の 圧 力 を 示 す すなわち, 凝 縮 器 内 Average temperatures fluctuate [ o C].5 Pressure MTD(Evaporator GMTD(Evaporator.4...6.4. Average temperatures fluctuate [ o C].5 Pressure MTD(Condenser GMTD(Condenser.6.5.56..4.6.. Floating volume ratio γ (=m WF /m WS [kg/kg] Fig. 5 ΔT versus γ (Evaporator.54..4.6.. Floating volume ratio γ (=m WF /m WS [kg/kg] Fig. 6 ΔT versus γ (Condenser 3 3 Warm seawater 3 3 Warm seawater 9 7 9 7 6 6 5 Fig. 7(a- T versus h (y=.95 [kg/kg] 5 Fig. 7(a- T versus h (y=. [kg/kg]
9 Cold seawater 9 Cold seawater 5 5 Fig. 7(b- T versus h (y=.95 [kg/kg] Fig. 7(b- T versus h (y=. [kg/kg] で 作 動 流 体 温 度 が 冷 水 温 度 以 下 にならない 下 限 の 圧 力 の 一 例 を 示 している 計 算 条 件 は この 図 は 4. 節 と 同 様 な 手 法 で 冷 水 入 口 温 度, 出 口 温 度 に 対 して 示 し ている 図 から 組 成 y が 低 くなるにつれて, の 流 量 比 γが 徐 々に 大 きくなっていることがわかる これは 組 成 y が 小 さくなると 作 動 流 体 の 温 度 変 化 が 大 きくなる からである さらに, 組 成 が 低 くなるにつれてStateAと の 下 限 の 圧 力 の 差 は 小 さく, の 圧 力 の 変 化 は 小 さくなることが 確 認 できる 組 成 y が 小 さいほど 大 きな 流 量 比 γで, になることがわかる 4 4 凝 縮 器 におけるピンチポイントへの 冷 海 水 の 温 度 変 化 の 影 響 図 9 は, 凝 縮 器 におけるピンチポイン トに 冷 海 水 の 温 度 変 化 がどのように 影 響 するかを 明 らか にするために 各 組 成 に 対 して 流 量 比 γ(=m WF /m C と GMTD を 最 小 にする 凝 縮 器 内 作 動 流 体 の 圧 力 を 示 す す なわち, 凝 縮 器 内 で 作 動 流 体 温 度 が 冷 水 温 度 以 下 になら ない 下 限 の 圧 力 を 種 々の 冷 海 水 温 度 変 化 に 対 する 一 例 と して 示 している 計 算 条 件 は 4. 節 と 同 様 な 手 法 で 冷 水 入 口 温 度 およびアンモニア/ 水 の 組 成 がy=.95の 場 合 について 冷 海 水 温 度 変 化 が から5 の 結 果 について 示 す 図 9 から, 熱 源 温 度 差 が 大 きくなるにつれて,State B の 範 囲 が 広 くなっていることがわかる さらに, 熱 源 温 度 差 が 大 きくなるにつれて, の 下 限 の 圧 力 が 高 くなることが 確 認 できる なお いずれの 条 件 でもState A の 流 量 比 γは ほとんど 同 じ 値 である 5. サイクル 計 算 におけるGMTD サイクル 計 算 において 熱 交 換 器 の 伝 熱 性 能 を GMTD および MTD で 評 価 した 場 合 の 相 違 を 明 らかにするこ とにより それぞれの 特 性 を 検 討 する 図 に 本 研 究 で 対 象 としたアンモニア/ 水 を 作 動 流 体 として 用 いたカリーナサイクルのOTECのフロー 線 図.65.64.6.6.55.5.45.4..4.6.. Ratio flow rate γ (=M WF /M CS [kg/kg] Fig. P versus γ Y=.99 [kg/kg] Y=.95 [kg/kg] Y=.9 [kg/kg] Y=.5 [kg/kg] Y=. [kg/kg].6.5.56.54..4.6....4.6 Ratio flow rate γ (=m WF /m CS [kg/kg] Fig. 9 P versus γ Y=.95 [kg/kg] T CSI =[ o C] P-γ graph T CSO =3[ o C] T CSO =[ o C] T CSO =[ o C] T CSO =[ o C] Temperature crossing change T CSO =3[ o C] T CSO =[ o C] T CSO =[ o C] T CSO =[ o C]
6 Thermal efficiency η [%] 4 Fig. Schematic flow diagram of kalina cycle MTD GMTD 4 6 (UA E,C [kw/k] ( 4 Fig. P versus (UA E,C.5.4.3.. PI (MTD PI (GMTD PO (MTD PO (GMTD.59.5.57.56 3 9.5 9.5 TI (MTD TI (GMTD TO (MTD TO (GMTD 9.5 7.5.99.9.55 7 4 6 (UA E,C [kw/k] ( 4 Fig. (a P versus (UA E,C 4 6 (UA E,C [kw/k] Fig. (b T versus (UA E,C ( 4 を 示 す 図 は,カリーナサイクルのサイクル 計 算 にお いて,MTD を 使 った 場 合 と GMTD を 使 った 場 合 のサ イクル 熱 効 率 の 比 較 の 一 例 を 蒸 発 器 と 凝 縮 器 の 伝 熱 性 能 (UA E,C に 対 してそれぞれ 示 している 図 (aおよび (bは, 図 のときのタービン 出 入 口 圧 力 およびタービン 出 入 口 温 度 を 示 している このサイクル 計 算 は 温 水 入 口 温 度 3, 冷 水 入 口 温 度, 組 成.95 kg/kg, 作 動 流 体 流 量 kg/s, 温 水 流 量 7kg/s, 冷 水 流 量 kg/s 再 生 器 の 伝 熱 性 能 (UA RG =[kw/k]を 基 本 条 件 とし, 蒸 発 器 および 凝 縮 器 の 伝 熱 性 能 (UA E,C を 7,~ 9,[kW/K]と それぞれ 変 化 させて 計 算 を 行 った サイ クル 熱 効 率 においては 大 きな 違 いは 確 認 されなかった が (UA E,C の 増 加 に 伴 い,タービンの 出 入 口 圧 力 およ び 温 度 差 は 大 きくなっている GMTD のタービン 出 入 口 圧 力 および 温 度 はいずれの 条 件 でも MTD のものより 大 きくなっていることがわかる これは, 同 じ 出 入 口 温 度 条 件 で, 蒸 発 器 ではGMTD が 大 きく, 凝 縮 器 では 小 さ くなるためである 同 じ(UA E,C に 対 してGMTD によ るサイクル 計 算 の 各 状 態 点 は, 蒸 発 器 ではMTD より 圧 力 で kpa 温 度 で.5 程 度, 凝 縮 器 では 圧 力 で 5kPa, 温 度 での 差 が,.5 程 度 の 差 が 確 認 された 6. 実 験 におけるGMTD 熱 交 換 器 の 性 能 評 価 におけるGMTD とMTD の 特 性 の 違 いを 明 らかにするために アンモニア/ 水 を 作 動 流 体 として 用 いたOTEC 実 験 に 適 応 して 検 討 する 6 実 験 方 法 および 実 験 条 件 図 3 に 本 研 究 で 使 用 したアンモニア/ 水 を 作 動 流 体 として 用 いた OTEC のフ ロー 線 図 を 示 す サイクル 特 性 と 熱 交 換 器 の 評 価 の 関 係 を 明 らかにするために, 作 動 流 体 の 流 量 を 変 化 させて 実 験 を 行 った 実 験 装 置 は, 3kW 海 洋 温 度 差 発 電 実 験 装 置 を 用 いた 表 に 主 な 実 験 条 件 を 示 す 蒸 発 器 のサイ クルに 与 える 特 性 を 明 らかにするために, 温 水 の 温 度 お
Evaporator Warm Sea Water Pump Fig. 3 Turbine No. 5 6 Separator 4 3 Table Experimental conditions Parameter Value Warm source inlet temperature [ ] 3 Warm source volumetic flow rate [m 3 /h] 4 Cold source inlet temperature [ ] Cold source volumetic flow rate [m 3 /h] 4 Opening ratio of governor [%] 5 Evaporator inlet mass flow rate [t/h] 5,6,7,,9,, Evaporator inlet mass fraction [N 3 kg/kg].9 よび 流 量 を 変 化 させて 実 験 を 行 った, 本 報 では 温 水 温 度 3 温 水 流 量 4m 3 /h, 冷 水 温 度, 冷 水 流 量 4m 3 /h, 組 成 y=.9kg/kg を 基 本 条 件 とし, 作 動 流 体 流 量 を 変 化 さ せて 実 験 を 行 った タービン 効 率 の 影 響 を 少 なくすると ともに, 広 い 条 件 範 囲 での 実 験 を 可 能 にするために,タ ービン 入 口 静 翼 角 度 調 節 用 ガバナ 開 度 が,5%となるよ うに 発 電 機 によるタービンへの 負 荷 を 調 整 した 実 験 は 5 分 の 定 常 運 転 を 行 い,その 算 術 平 均 値 を 用 いて 解 析 を 行 っ た な お, ア ン モ ニ ア / 水 の 物 性 値 は M-PROPAT(Ibrahim and Kelein (3 を 用 いて 計 算 を 行 った 6 実 験 における GMTD と MTD 7 Regenerator 5 図 4 に 実 験 から 得 た 作 動 流 体 流 量 に 対 する 正 味 出 力 の 変 化 を 示 す 図 5 に 図 4 のときの 蒸 発 器 および 凝 縮 器 における MTD およびGMTD を 示 す 図 4 から 作 動 流 体 流 量 の 増 加 とともに 正 味 出 力 は 上 昇 しているが, 作 動 流 体 が 6 ~7t/h をピークに 減 少 している 図 5 から 作 動 流 体 流 量 の 増 加 とともに 蒸 発 器 および 凝 縮 器 での MTD および GMTD の 値 が 近 づいていることがわかる 熱 源 に 対 して 作 動 流 体 流 量 が 多 くなると, 熱 交 換 器 における 作 動 流 体 の 温 度 差 が 小 さくなる そのため, 熱 交 換 器 内 での 作 動 流 体 の 物 性 値 の 変 化 が 小 さくなり,MTD と GMTD の 値 が 近 付 いたものと 考 えられる これらの 結 果 より, 実 4 eater Working Fluid Pump Working Fluid Pump 3 Turbine Drain Separator Schematic flow diagram of OTEC Turbine No. V Tank Diffuser After Condenser Tank 9 Bypass Valve Dynamometer Absorber Condenser Cold Sea Water Pump Net power W NET [kw] Average temperatures fluctuate [ o C] 6 4 4.5 4 3.5 3.5 Fig. 4 W NET versus m WF Fig. 5 ΔT versus m WF 験 におけるGMTD とMTD の 評 価 の 違 いは, 熱 交 換 器 内 の 物 性 値 の 変 化 の 影 響 を 大 きく 受 けることがわかる 7. 結 論 本 研 究 では,アンモニア/ 水 を 用 いた 海 洋 温 度 差 発 電 の 熱 交 換 器 の 特 性 の 解 明 およびその 評 価 方 法 の 確 立 を 目 的 として,その 評 価 にGMTD を 導 入 して 解 明 を 行 い, 下 記 のことが 明 らかになった. 純 アンモニアにMTD 法 およびGMTD 法 をそれぞ れ 導 入 した 場 合, 値 は 全 く 同 じであるが,アンモニ ア/ 水 に 適 応 した 場 合 は, 蒸 発 器 ではGMTD が 大 き く, 凝 縮 器 では,MTD が 大 きいことが 明 らかに なった 6 Mass flow rate of working fluid m WF [t/h] Eva(MTD Eva(GMTD Con(MTD Con(GMTD 6 Mass Flow rate of working fluid m WF [t/h]. サイクル 計 算 において,GMTD とMTD はサイクル 効 率 にはほとんど 影 響 しないが, 温 度 および 圧 力 等 には,5~ kpaおよび.5 程 度 の 差 が 確 認 された
3. アンモニア/ 水 を 用 いた OTEC 実 験 データに 対 して 適 応 した 場 合, 熱 交 換 器 でのMTD とGMTD が 大 きく 異 なる 条 件 では, 熱 交 換 器 内 で 物 性 値 が 大 きく 変 化 していることがわかった 文 ( Motoaki UTAMUTA, Konstantin NIKITIN and Yasuyoshi KATO, Generalization of ogarithmic Mean Temperature Difference Method for eat Exchanger Performance Analysis, Thermal Science & Engineering, Vol. 5, No.3 (7, pp. 63-7. ( The Japan Society of Mechanical Engineers, eat Transfer, (6, pp. 3-6. (3 PROPAT group, A Program Package of Thermo-physical Properties of Fluids, Version., PROPAT Group. 献