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国 際 教 育 第 1 号 (2007 年 3 月 ) 留 学 生 と 日 本 人 家 庭 の 継 続 的 交 流 をめぐる 現 状 と 課 題 見 城 悌 治 要 旨 ホースステイやホームビジットを 経 験 した 日 本 人 家 庭 が プログラム 終 了 後 留 学 生 とどのような 継 続 的 交 流 をしているのかについてのアンケ ート 調 査 の 分 析 が 本 稿 である 大 学 側 が 設 定 したプログラムの 終 了 後 も ビジットやステイを 継 続 的 に 行 ない 交 流 を 深 めている 家 庭 は ビジット 受 け 入 れ 家 庭 で5 割 ステイでは7 割 にも 上 った また 滞 日 中 はもとより 帰 国 後 も 家 族 ぐるみの 交 流 を 継 続 している 家 庭 が 少 なくないことも 明 ら かになった はじめに 留 学 生 が 日 本 社 会 への 理 解 を 深 め 適 応 していくための 方 途 の 一 つとして ホームビジ ット( 日 本 人 家 庭 日 帰 り 訪 問 )やホームステイがある 千 葉 大 学 では 1991 年 4 月 に 留 学 生 センター( 現 国 際 教 育 センター)が 設 立 されて 以 降 日 本 語 研 修 コース 生 ( 予 備 教 育 生 ) を 対 象 にした 短 期 のホームステイ( 週 末 の1 泊 2 日 )を 1993 年 12 月 に 開 始 し 94 年 12 月 からはホームビジットも 合 わせて 実 施 し 今 日 まで 継 続 している( 1 ) 筆 者 は ホームステイ ホームビジット( 以 下 ステイ ビジットと 略 記 する)が 留 学 生 日 本 人 家 庭 双 方 にもたらすメリットと 克 服 すべき 問 題 点 について かつてまとめたこ とがある( 2 )が その 要 点 をかいつまんで 言 えば 以 下 の 通 りである キャンパスの 中 だけでは 学 ぶことのできない 様 々な 日 本 を 一 般 日 本 人 家 庭 で 実 体 験 できるこれらのプログラムは 留 学 生 およびそれを 受 け 入 れる 日 本 人 家 庭 にもたらす 役 割 は 極 めて 大 きい しかしながら 実 際 には 数 時 間 程 度 の 受 け 入 れ(ビジット)であっ ても 躊 躇 する 家 庭 が 少 なくない そもそも 留 学 生 の 中 には 確 かに 茶 道 華 道 のような 伝 統 的 古 典 的 な 日 本 へ 興 味 を 持 つ 者 もいるが 実 際 にはアニメ 漫 画 などの 現 代 大 衆 文 化 や 日 本 経 済 などを 窓 口 にした 現 代 日 本 への 関 心 の 方 が 高 いのである( 3 ) したがって 受 け 入 れる 日 本 人 家 庭 は 日 本 情 緒 をそれほど 意 識 せず 現 実 の 日 本 を 日 常 の 家 庭 生 活 をありのままに 見 てもらえば 良 いであろう 云 々 さて ステイ ビジットを 実 施 した 後 本 センターから 受 け 入 れ 家 庭 にお 礼 状 とアンケ ートを 送 付 し 今 後 何 かの 機 会 があれば 留 学 生 を 改 めて 招 くなどをしていただければ 幸 いです などとホストファミリーへ 伝 えている しかしながら 各 家 庭 と 留 学 生 がどの ような 継 続 的 交 流 をしているのかに 関 し 個 別 に 情 報 を 聞 くケースはあるものの 全 体 像 を 把 握 する 機 会 はほとんど 設 けていなかった そこでプログラム 終 了 後 の 交 流 の 実 際 について 調 査 するために 千 葉 大 学 留 学 生 と 日 本 人 家 庭 の 継 続 的 交 流 に 関 するアンケート を 2006 年 3 月 に 実 施 した 本 稿 は その 概 要 を 47

留 学 生 と 日 本 人 家 庭 の 継 続 的 交 流 をめぐる 現 状 と 課 題 ( 見 城 ) まとめる 中 で 地 域 社 会 と 留 学 生 がどのような 形 で 関 わりを 持 ち 続 けているのかを 整 理 す るとともに 交 流 をめぐる 諸 問 題 を 考 察 することを 課 題 とする 1 アンケートおよびアンケート 対 象 者 の 概 要 1)アンケートについて まずアンケートの 質 問 項 目 については 以 下 の 通 りである( 末 尾 に 資 料 として 添 付 した) Ⅰ 名 前 ( 記 名 匿 名 のいずれでも 可 ) Ⅱ 住 所 ( 市 区 名 程 度 ) Ⅲ これまで 受 け 入 れ た 留 学 生 名 ( 個 人 名 や 国 籍 などは 記 載 しなくても 可 ) Ⅳ 継 続 的 関 係 のありかた 1まっ たく 連 絡 交 流 なし 2 手 紙 やメールで 遣 り 取 り 3 日 帰 りで 自 宅 に 招 く 4 自 宅 に 宿 泊 さ せる 5 上 記 以 外 の 交 流 (これらの 項 目 に 受 け 入 れごとのチェックを 求 め 具 体 的 交 流 内 容 を 記 載 してもらう) Ⅴ 自 宅 に 招 いた 留 学 生 との 継 続 的 交 流 を 望 むか 否 か このアンケートを ここ3 年 間 (2003~05 年 度 )( 4 )に 実 際 に 留 学 生 受 け 入 れをした 150 家 庭 に 発 送 協 力 依 頼 し 116 家 庭 からの 回 答 を 得 た( 5 ) 2) 千 葉 大 学 におけるホームステイ ホームビジットの 実 際 千 葉 大 学 国 際 教 育 センターが 依 頼 するステイ ビジットは ここ 数 年 では 年 間 を 通 し て ステイが 60~70 家 庭 (1 家 庭 1 名 の 留 学 生 を 依 頼 ) ビジットが 30~40 家 庭 (1 家 庭 2 名 程 度 の 留 学 生 )の 受 け 入 れで 推 移 している これらに 参 加 する 留 学 生 は 14 10 月 に 来 日 する 半 年 間 の 日 本 語 研 修 コース( 予 備 教 育 ) の 国 費 留 学 生 ( 日 本 の 文 部 科 学 省 から 奨 学 金 を 給 付 されている 研 究 留 学 生 ) および210 月 に 来 日 し 半 年 の 日 本 語 研 修 を 受 けた 後 学 部 学 生 となる 日 韓 理 工 系 学 部 留 学 生 ( 国 費 生 ) 310 月 に 来 日 し1 年 間 滞 在 する 短 期 留 学 生 ( 文 部 科 学 省 が 選 定 し 奨 学 金 を 給 付 する 日 本 語 日 本 文 化 研 修 生 および 千 葉 大 学 が 海 外 の 協 定 校 から 受 け 入 れる J-PAC 生 など)が そのほとんどを 占 めている 一 般 の 私 費 留 学 生 ( 学 部 院 研 究 生 )も 参 加 する 場 を 設 定 し 参 加 を 促 してはいるが 現 状 では 少 数 派 である さて この3 年 間 のホームステイの 受 け 入 れは おおむね1 千 葉 大 学 国 際 教 育 センター に 直 接 登 録 している 市 民 ボランティア 2 木 更 津 市 国 際 交 流 協 会 会 員 および 同 協 会 登 録 ボ ランティア 3 袖 ヶ 浦 市 国 際 交 流 協 会 会 員 および 同 協 会 登 録 ボランティア に 依 頼 してき た 1については 千 葉 大 学 留 学 生 センター( 国 際 教 育 センターの 前 身 )ができた 後 1994 年 以 降 のボランティア 登 録 者 である 2は 1995 年 から 3は 2001 年 から それぞれ 継 続 して 受 け 入 れをお 願 いしている 人 々である ちなみに 木 更 津 市 は 千 葉 市 の 南 35kmあまりに 位 置 し 留 学 生 の 多 くが 住 む 千 葉 大 学 国 際 交 流 会 館 ( 留 学 生 寮 )のあるJR 稲 毛 駅 から 快 速 電 車 で 40 分 程 度 かかる 場 所 にある 木 更 津 市 国 際 交 流 協 会 は 地 元 紙 誌 等 を 通 じ 周 辺 市 町 にも 受 け 入 れを 呼 びかけるため 受 け 入 れ 家 庭 は 木 更 津 市 を 中 心 に 市 原 市 袖 ヶ 浦 市 君 津 市 富 津 市 などに 及 ぶ( 6 ) また 木 更 津 の 北 に 位 置 する 袖 ヶ 浦 市 までは 同 じく 快 速 電 車 で 30 分 あまり 同 市 交 流 協 会 がコ 48

国 際 教 育 第 1 号 (2007 年 3 月 ) ーディネイトする 受 け 入 れ 家 庭 は ほとんど 同 市 内 にある ここ 数 年 のステイの 日 程 や 受 け 入 れ 家 庭 数 ( 約 60 家 庭 )の 傾 向 を 述 べれば 7 月 上 旬 に 木 更 津 市 に 10 家 庭 前 後 ( 留 学 生 10 名 受 け 入 れ 以 下 同 じ) 8 月 初 旬 に 袖 ヶ 浦 市 に3~5 家 庭 年 明 け1 月 半 ばに 木 更 津 市 20~25 家 庭 袖 ヶ 浦 市 10~15 家 庭 国 際 教 育 センター 登 録 ボランティア5~10 家 庭 である ホームビジット( 年 間 30~40 家 庭 へ 依 頼 )については 1 国 際 教 育 センターの 登 録 ボラ ンティア 2 千 葉 市 国 際 交 流 協 会 登 録 のボランティアにお 願 いしている ここ 数 年 は 6 月 中 旬 にセンター 登 録 ボランティア( 千 葉 市 および 周 辺 市 在 住 者 )で 7~10 家 庭 ( 留 学 生 2 名 ずつ 10~20 名 ) 12 月 半 ばに 千 葉 市 国 際 交 流 協 会 ボランティアと 本 センター 登 録 ボ ランティアから 20~30 家 庭 ( 同 40~50 名 )に 依 頼 している ステイとビジットの 依 頼 対 象 地 域 が やや 異 なる 理 由 は 移 動 時 間 ( 距 離 )に 余 裕 を 持 つことができるステイはやや 遠 方 に ビジットは 比 較 的 近 場 を 設 定 する 意 図 に 基 づく 2 アンケートの 結 果 1)ホームステイ 1 回 答 者 の 地 域 別 数 ステイ 経 験 者 として 回 答 をいただいた 受 け 入 れ 家 庭 は 71 家 庭 にのぼり その 住 所 は 木 更 津 市 (33 名 ) 袖 ヶ 浦 市 (12) 千 葉 市 (7) 君 津 市 (6) 船 橋 市 (3) 市 原 市 (3) 習 志 野 市 (2) 富 津 市 (2) 八 千 代 市 (1) 市 川 市 (1) 記 載 なし(1) となった 例 年 ステイの 対 象 家 庭 は 60 家 庭 前 後 で そのうち 三 分 の 二 程 度 は 何 度 も( 毎 年 のよ うに) 受 け 入 れている 家 庭 であるため 71 家 庭 という 回 答 率 は 決 して 低 くない また ス テイについての 回 答 者 の4 分 の3(53 家 庭 )は 袖 ヶ 浦 市 以 南 の 在 住 者 であったのは 先 に 述 べたが 千 葉 市 からやや 遠 方 の 家 庭 に 依 頼 することが 多 いためである 2 訪 問 した 留 学 生 の 国 籍 など 各 家 庭 が 受 け 入 れた 学 生 たち として 記 載 したものを 数 の 多 かった 順 に 列 挙 すると 以 下 のとおりになる 中 国 27 韓 国 25 インドネシア 25 米 国 16 タイ 14 豪 州 11 ハンガリー 10 ドイツ 8 フィリピン 7 ベトナム ロシア 4 マレーシア 3 ミャンマー カンボジア モンゴル スウェーデン エルサルバドル メキシコ ア ルゼンチン ブラジル 2 台 湾 ラオス ウズベキスタン インド トルコ エジプト ケニア ガーナ イギリス イタリア ポーランド ルーマニア ベルギー スペイン ラトビア ノルウェー ギリシャ カナダ メキシコ ボリビア ナイジェリア ホンジ ュラス ペルー ジャマイカ ソロモン 1 無 記 載 2 これらの 受 け 入 れ 延 べ 人 数 は 195 名 となり 71 家 庭 で 割 ると 回 答 を 寄 せた1 家 庭 平 均 で 2.75 名 を 受 け 入 れていたことになる( 最 も 多 く 受 け 入 れていた 家 庭 は 10 名 である) 今 回 の 調 査 は ここ3 年 に 受 け 入 れていただいた 家 庭 にアンケート 依 頼 をしたのだが 49

留 学 生 と 日 本 人 家 庭 の 継 続 的 交 流 をめぐる 現 状 と 課 題 ( 見 城 ) 各 家 庭 からの 返 信 には 2002 年 以 前 の 受 け 入 れ 事 例 も 多 かった(1995 年 の 事 例 記 載 もあっ た) ただ これらはすべて 受 け 入 れ 家 庭 の 記 憶 ( 記 録 ) によるもので 実 際 には 家 庭 を 訪 問 しているにもかかわらず 記 載 されてない( 名 前 が 遺 漏 している) 留 学 生 もいると 思 われる 言 い 方 を 変 えれば この 71 家 庭 に 限 定 しても 受 け 入 れ 総 数 では 200 名 以 上 に なっているであろう( 次 項 で 紹 介 するビジットの 数 値 についても 事 情 は 全 く 同 様 である) 3 終 了 後 の 継 続 的 交 流 のあり 方 アンケートの 回 答 を 集 計 したものを 示 すと 以 下 の 通 りである 1)その 後 全 く 連 絡 交 流 はなかった 24 名 (33.8%) 2) 手 紙 やメールで 何 度 か 遣 り 取 りをした 53 (74.6%) 3)その 後 何 度 か 自 宅 に 招 いた( 日 帰 り) 29 (40.8%) 4)その 後 何 度 か 自 宅 に 宿 泊 させた 24 (33.8%) 5) 上 記 以 外 の 交 流 をもった 23 (32.4%) また 継 続 的 交 流 の 希 望 の 有 無 については 次 のようであった 継 続 的 交 流 を 望 む 58 名 (81.8%) 望 まない 4 (5.6%) どちらともいえない 5 (7.0%) 無 回 答 4 (5.6%) なお パーセントについては 回 答 者 数 を 71 で 割 った 数 値 として 算 出 している 交 流 の 形 は5つの 選 択 肢 から 複 数 回 答 も 認 めているため 総 計 は 100 を 超 えている この 結 果 から 明 らかになったのは 日 帰 り(ビジット)の 形 での 訪 問 が4 割 再 度 のホ ームステイ 受 け 入 れも3 割 強 が 実 施 しているという 事 実 である(なお 複 数 回 答 可 とした ので ここには3)4)に 重 複 回 答 している 家 庭 も 複 数 含 まれている したがって 合 計 7 割 の 家 庭 が 何 らかの 形 で 再 度 招 いている 訳 ではない) その 一 方 で 一 回 きりの 受 け 入 れで 関 係 が 途 絶 えてしまった 家 庭 が3 分 の1あった そして いずれにせよ 8 割 以 上 の 家 庭 が 継 続 的 交 流 を 望 んでいることは 重 要 である これらステイ 受 け 入 れ 家 庭 についての 具 体 的 考 察 は 次 に 紹 介 するビジットの 回 答 デー タと 合 わせ 次 章 で 行 っていく 2)ホームビジット 1 回 答 者 の 地 域 別 数 ビジットの 受 け 入 れの 回 答 者 は 58 名 で その 居 住 地 域 は 以 下 の 通 りである 千 葉 市 (40) 船 橋 市 (7) 習 志 野 市 (3) 八 千 代 市 (2) 市 原 市 (2) 四 街 道 市 (1) 市 川 市 (1) 大 網 白 里 町 (1) 袖 ヶ 浦 市 (1) 先 に 触 れたが ビジットの 受 け 入 れ 家 庭 は 本 センター 登 録 ボランティアおよび 千 葉 市 国 際 交 流 協 会 登 録 ボランティアが 主 体 であり 依 頼 先 は 比 較 的 大 学 と 留 学 生 寮 の 近 くに 50

国 際 教 育 第 1 号 (2007 年 3 月 ) 設 定 するようにしている そのため 千 葉 市 在 住 者 が7 割 になっている 2 訪 問 した 留 学 生 の 国 籍 など 中 国 29 韓 国 22 インドネシア 21 タイ 10 米 国 9 ロシア 8 台 湾 フィリピン 6 モンゴル ドイツ 5 マレーシア 豪 州 4 パキスタン カナダ アルゼンチン 3 香 港 ベトナム ヨルダン イギリス エジプト ブラジル ペルー ホンジュラス メキシコ ドミニカ 2 ミャンマー インド ネパール ウズベキスタン イタリア ポルトガル フ ィンランド スウェーデン フランス ラトビア エルサルバドル ソロモン エチオピ ア ガーナ カメルーン ナイジェリア チュニジア スーダン パプアニューギニア パラグアイ 1 無 記 載 2 ここであげられたビジット 参 加 の 留 学 生 延 べ 数 は 178 名 で 1 家 庭 あたり 平 均 3.06 名 に なる ある 家 庭 はビジットの 形 では 27 名 受 け 入 れていると 回 答 を 寄 せたが こうしたボラ ンティアによって 多 くの 留 学 生 が 支 えられているのである 3 終 了 後 の 継 続 的 交 流 のあり 方 アンケートの 回 答 を 集 計 したものを 示 すと 以 下 の 通 りである 1)その 後 全 く 連 絡 交 流 はなかった 16(27.6%) 2) 手 紙 やメールで 何 度 か 遣 り 取 りをした 40(70.0%) 3)その 後 何 度 か 自 宅 に 招 いた( 日 帰 り) 20(34.5%) 4)その 後 何 度 か 自 宅 に 宿 泊 させた 8(13.8%) 5) 上 記 以 外 の 交 流 をもった 13(22.4%) 無 回 答 3( 5.2%) 継 続 的 交 流 を 望 む 41(70.7%) 望 まない 4( 6.9%) どちらともいえない 9(15.5%) 無 回 答 4( 6.9%) ビジットで 受 け 入 れてもらった 事 例 の 場 合 は 再 度 のビジット 実 施 が3 分 の2 また 親 密 度 が 増 し ステイに 発 展 したケースは 14%ある 一 方 で 全 く 交 流 が 続 かなかったのは 4 分 の1 強 である また 7 割 の 人 が 継 続 的 交 流 を 望 んでいる 実 態 も 明 らかになった 3 留 学 生 と 日 本 人 家 庭 の 継 続 的 交 流 のあり 方 アンケート 結 果 から 1 受 け 入 れ 形 式 (ステイかビジットか)による 継 続 的 交 流 の 違 い 以 上 のアンケート 結 果 から いくつかの 視 角 を 設 定 し 特 色 を 見 い 出 していきたい ま ず 一 つ 目 は 当 初 の 受 け 入 れ 形 式 (ステイかビジットか)によって 継 続 的 交 流 の 展 開 に 違 いが 出 るか 否 か という 点 である そこで 先 に 示 した 終 了 後 の 交 流 の 形 継 続 的 交 流 の 希 望 についての 結 果 を 棒 グ ラフにしてみた( 図 12) これによると 訪 問 した 後 ただちに 交 流 が 途 絶 えてしまうの 51

留 学 生 と 日 本 人 家 庭 の 継 続 的 交 流 をめぐる 現 状 と 課 題 ( 見 城 ) は ビジットよりもステイの 方 が6ポイントほど 高 いことがわかる [ 図 1] しかしながら その 終 了 後 の 交 流 の 形 項 目 以 外 は ステイ 受 け 入 れ 家 庭 の 積 極 性 が 1 27.6% 33.8% すべてで 上 回 っている 2 70.0% 74.6% 特 に 再 び 自 宅 に 泊 め 3 4 13.8% 34.5% 40.8% 33.8% ビジット ステイ た が 20 ポイント そ れ 以 外 の 交 流 を 行 っ 22.4% た が 10 ポイントも 高 5 32.4% くなっている 無 回 答 5.2% 0.0% 継 続 的 な 交 流 の 希 望 0% 20% 40% 60% 80% の 有 無 についても ス テイが 82%あまりで ビジットよりも 11 ポイ [ 図 2] ント 高 い 継 続 的 交 流 の 希 望 またビジット 受 け 入 はい 70.7% 81.8% れ 家 庭 の 交 流 継 続 的 希 望 は 70%もあった 一 方 望 まない 人 は いいえ 6.9% 5.6% ビジット 7% 程 度 しかいないが 15.5% ステイ どちらとも 言 えない 7.0% ステイに 比 べるとやや 無 回 答 6.9% 高 い 数 値 となっている 5.6% ビジットが ステイを 0% 20% 40% 60% 80% 100% 上 回 るのは どちらと も 言 えない で ステイの2 倍 以 上 となっている これらから ステイ ビジットともに 継 続 的 交 流 を 積 極 的 に 発 展 させている 人 が 少 なく ないことが 明 らかになったが 両 者 には 多 少 の 差 も 出 ている まず 全 般 的 にビジットの 方 が 低 い 数 値 となったのは 次 の 理 由 によると 考 える すなわち ビジットは 留 学 生 が 複 数 で 訪 問 するのが 一 般 的 で 受 け 入 れ 側 が 留 学 生 一 人 に 向 けられる 時 間 や 意 識 は 相 対 的 に 少 なくなる さらに 訪 問 時 間 も 短 いので 親 密 度 がそれほど 深 まらない 場 合 も 多 いと 思 わ れる それに 対 し ステイの 場 合 は 土 曜 日 の 昼 から 翌 日 昼 まで 滞 在 したとすれば 睡 眠 時 間 を 除 いても 十 数 時 間 は 一 緒 に 帯 同 することになり 馴 染 み 合 う 時 間 も 多 くなる これらを 勘 案 すると ステイの 方 が 継 続 的 交 流 をしていく 端 緒 としては より 効 果 が 大 きいことになる また 比 較 的 気 軽 に 受 け 入 れられるビジットよりも 宿 泊 をさせてまで 52

国 際 教 育 第 1 号 (2007 年 3 月 ) 交 流 をしていきたい という 受 け 入 れ 側 の 気 構 えも 結 果 としては 継 続 的 交 流 につながる 傾 向 を 高 めることになっているだろう もちろん 人 と 人 の 関 係 性 なので 双 方 が 継 続 的 交 流 を 希 望 しても 相 性 という 現 実 問 題 が 立 ちはだかることもある 一 度 きりでその 後 連 絡 が 途 絶 える 比 率 がステイの 方 が 高 い のは 継 続 的 交 流 の 期 待 度 が 高 いことへの 裏 返 しではないかと 推 測 している また 継 続 的 交 流 の 希 望 について どちらとも 言 えない と 答 えた 家 庭 の 回 答 には 相 手 ( 留 学 生 )の 希 望 にもよる と 書 かれていたものがあった この 項 目 にチェックをした 人 数 はビジットの 方 が 多 かったが 数 時 間 会 っただけの 関 係 性 では 何 とも 判 断 しがたい という 現 実 的 な 意 味 合 いも 込 められているだろう 2 居 住 地 域 による 継 続 的 交 流 の 違 い 千 葉 大 学 留 学 生 の 受 け 入 れを 依 頼 している 日 本 人 家 庭 は ステイについては 千 葉 市 の 南 に 位 置 する 袖 ヶ 浦 市 以 南 の 地 域 ( 袖 ヶ 浦 木 更 津 君 津 富 津 市 )が ビジットについて は 千 葉 市 周 辺 が 中 心 になっていることは 既 に 触 れた ステイとビジットを 合 わせた 受 け 入 れ 家 庭 の 地 域 別 の 表 を 作 成 すると 表 1のようになる(なお 今 回 のアンケートは 116 名 からの 回 答 を 得 たが その 中 でステイとビジットを 大 学 からそれぞれ 別 に 依 頼 したこ とのある 家 庭 が 13 軒 含 まれている しかし ここに 挙 げた 表 1は ステイ 71 名 とビジッ ト 58 名 をそのまま 足 した 129 を 市 町 別 にまとめたものである) [ 表 1] 地 域 名 人 数 比 率 こうした 処 理 をすると 千 葉 市 在 住 者 が 最 も 多 くなり 千 葉 市 47 名 36.1% 次 いで 木 更 津 市 袖 ヶ 浦 市 船 橋 市 と 続 く 木 更 津 市 33 25.6 留 学 生 と 日 本 人 家 庭 との 継 続 的 交 流 のあり 方 を 考 える 本 袖 ヶ 浦 市 13 10.1 稿 においては 留 学 生 の 居 住 地 から 受 け 入 れ 先 への 移 動 距 船 橋 市 10 7.8 離 の 遠 近 が 関 わっているのか 否 かについても 知 りたいとこ 君 津 市 6 4.7 ろである そこで 千 葉 市 在 住 者 (47 名 )と 袖 ヶ 浦 市 以 南 市 原 市 5 3.9 の 在 住 者 ( 袖 ヶ 浦 市 木 更 津 市 君 津 市 富 津 市 の 総 計 54 習 志 野 市 5 3.9 名 )に 分 けてグラフ 化 し 交 流 のあり 方 に 差 異 が 生 じるの 八 千 代 市 3 2.3 か 否 かを 以 下 で 見 ていきたい 富 津 市 2 1.6 なお 千 葉 大 学 からの 距 離 で 言 えば 市 川 市 ( 千 葉 から 市 川 市 2 1.6 24km) 船 橋 市 ( 同 16km)も 近 いとは 言 えないが 東 京 方 面 に 行 くことが 少 なくない 留 学 生 にとって 市 川 船 橋 は 四 街 道 市 1 0.8 決 して 未 知 の 土 地 ではなかろう 千 葉 市 内 と 袖 ヶ 浦 市 以 南 大 網 白 里 町 1 0.8 ( 千 葉 から 25km 以 上 南 )の 比 較 を 敢 えて 試 みるのは 遠 記 載 なし 1 0.8 方 に 出 かけて わざわざ 日 本 人 家 庭 に 行 く という 条 件 が 総 計 129 100% どう 影 響 するかを 見 るためでもある 53

留 学 生 と 日 本 人 家 庭 の 継 続 的 交 流 をめぐる 現 状 と 課 題 ( 見 城 ) [ 図 3] 終 了 後 の 交 流 の 形 ( 袖 ヶ 浦 市 以 南 と 千 葉 市 の 比 較 ) 図 3は ステイ 1 35.2% 23.4% ビジットが 終 了 し た 後 の 交 流 のあり 2 75.9% 68.1% かたを 千 葉 市 在 住 3 4 5 40.7% 36.2% 31.5% 21.3% 35.2% 25.5% 袖 ヶ 浦 市 以 南 千 葉 市 者 と 袖 ヶ 浦 市 以 南 の 在 住 者 とに 分 け て 集 計 したもので 無 回 答 0.0% 8.5% ある 先 に 示 した 図 0% 20% 40% 60% 80% 12は ステイとビ ジットの 属 性 ごと のグラフであった そのステイ 回 答 者 71 名 のうち 袖 ヶ 浦 市 以 南 の 在 住 者 が 53 名 (75%) を 占 めること またビジット 回 答 者 58 名 のうち 千 葉 市 在 住 者 が 40 名 (69%)を 占 める ことという 事 実 もあり ここで 示 した 図 3は 図 1の 傾 向 に 近 いグラフになった すなわ ち 交 流 がすぐに 途 絶 える 比 率 はステイを 多 く 受 け 入 れている 袖 ヶ 浦 以 南 が 相 対 的 に 高 い [ 図 4] ものの 一 旦 交 流 が 軌 道 に 乗 り 始 継 続 的 交 流 の 希 望 ( 袖 ヶ 浦 市 以 南 と 千 葉 市 の 比 較 ) めると 千 葉 市 在 はい 81.4% 住 者 以 上 に 積 極 72.0% 的 な 関 係 性 を 結 いいえ 5.6% 8.5% 袖 ヶ 浦 市 以 南 んでいることが 7.4% 千 葉 市 伺 える どちらとも 言 えない 14.9% ただし ここで 無 回 答 5.6% 4.6% グラフ 化 はして みたものの この 0% 20% 40% 60% 80% 100% 方 法 では 遠 方 だから の 特 色 なのか ステイだから の 特 色 なのかは 確 定 しがたいところがある 敢 えて 指 摘 できるところと 言 えば 交 流 が 一 回 きりで 終 わってしまう 比 率 が 袖 ヶ 浦 市 以 南 で 高 いのは 遠 方 という 理 由 に 拠 る 部 分 が 大 きいのではないか という 推 測 くらいであろ うか なお 図 3の 5ビジット ステイ 以 外 の 交 流 のポイントが 袖 ヶ 浦 市 以 南 において 高 くなっている 理 由 の 一 つとして 袖 ヶ 浦 市 国 際 交 流 協 会 独 自 の 活 動 があると 考 えられる が それは 後 で 触 れることとする 54

国 際 教 育 第 1 号 (2007 年 3 月 ) 3 留 学 生 の 出 身 地 域 による 継 続 的 交 流 の 違 い アジアの 学 生 は 交 流 が 継 続 するが 米 豪 露 などの 学 生 は 交 流 が 続 かない 傾 向 にあ る という 趣 旨 の 指 摘 がアンケートの 自 由 記 述 中 に2つほどあった そこで こうした 傾 向 があるのかないのかを 次 に 見 てみたい その 前 に 今 回 の 調 査 協 力 家 庭 が 挙 げた 受 け 入 れた 留 学 生 の 国 名 を ステイ ビジ ットの 合 算 として 作 表 したので それを 確 認 しておこう( 表 2;ステイ ビジットをとも に 引 き 受 けている 13 家 庭 については それぞれ 別 の 学 生 への 対 処 と 見 て 単 純 合 算 している) [ 表 2] 国 地 域 名 人 数 国 地 域 名 人 数 中 国 56 名 (14.9%) イタリア 2 名 (0.5%) 韓 国 47 (13.6) ポルトガル 2 ( 0.5) インドネシア 46 (12.3) フランス 2 ( 0.5) 米 国 25 ( 6.7) ノルウェー 2 ( 0.5) タイ 24 ( 6.4) ラトビア 2 ( 0.5) 豪 州 15 ( 4.0) ドミニカ 2 ( 0.5) フィリピン 14 ( 3.7) ソロモン 2 ( 0.5) ドイツ 13 ( 3.5) ラオス 1 ( 0.3) ロシア 11 ( 2.9) ネパール 1 ( 0.3) ハンガリー 10 ( 2.7) トルコ 1 ( 0.3) マレーシア 7 ( 1.9) ウズベキスタン 1 ( 0.3) ベトナム 6 ( 1.6) ケニア 1 ( 0.3) アルゼンチン 5 ( 1.3) カメルーン 1 ( 0.3) ブラジル 4 ( 1.1) チュニジア 1 ( 0.3) メキシコ 4 ( 1.1) スーダン 1 ( 0.3) パキスタン 3 ( 0.8) フィンランド 1 ( 0.3) ミャンマー 3 ( 0.8) ポーランド 1 ( 0.3) カナダ 3 ( 0.8) ルーマニア 1 ( 0.3) エジプト 3 ( 0.8) ベルギー 1 ( 0.3) イギリス 3 ( 0.8) スペイン 1 ( 0.3) スウェーデン 3 ( 0.8) ギリシャ 1 ( 0.3) エルサルバドル 3 ( 0.8) ジャマイカ 1 ( 0.3) ペルー 3 ( 0.8) ボリビア 1 ( 0.3) ホンジュラス 3 ( 0.8) パラグアイ 1 ( 0.3) 香 港 2 ( 0.5) パプアニューギニア 1 ( 0.3) カンボジア 2 ( 0.5) インド 2 ( 0.5) 総 計 ヨルダン 2 ( 0.5) (58 の 国 地 域 ) 375 名 ナイジェリア 2 ( 0.5) エチオピア 2 ( 0.5) ガーナ 2 ( 0.5) この 集 計 からは 58 の 国 地 域 の 学 生 375 名 が 日 本 人 家 庭 を 訪 問 していることが 明 ら かになる しかし 日 本 語 研 修 コースの 国 費 留 学 生 や 短 期 留 学 生 はステイとビジットを 各 々 一 度 ずつ 体 験 するのが 一 般 的 なので 留 学 生 の 実 数 はこの3 分 の2から2 分 の1の 間 にな 55

留 学 生 と 日 本 人 家 庭 の 継 続 的 交 流 をめぐる 現 状 と 課 題 ( 見 城 ) る またその 一 方 で 先 にも 記 したように 今 回 はアンケート 回 答 で 受 け 入 れ 家 庭 が 受 け 入 れた 学 生 と 記 憶 ( 記 録 )し 記 載 したものを 集 計 した 数 値 である したがって 受 け 入 れ 側 の 未 回 答 分 や 遺 漏 学 生 分 は 含 まれておらず その 意 味 から 言 えば 全 体 の 受 け 入 れ 延 べ 人 数 は 375 名 より 多 くなることは 確 実 である ところで 千 葉 大 学 に 在 籍 している 留 学 生 の 出 身 地 域 は 年 ごとに 入 れ 替 わりはあるも のの 単 年 度 ではおよそ 50~60 の 国 地 域 に 及 んでいる その 意 味 で 58 という 数 値 は 千 葉 大 学 に 在 籍 している 留 学 生 のほとんどの 地 域 をカバーしていると 言 える またここ 数 年 の 千 葉 大 学 留 学 生 在 籍 数 は 700 名 後 半 から 800 名 半 ばである プログラムに 参 加 した 実 数 を 375 名 の 半 数 程 度 (180 名 余 )と 想 定 すれば 全 留 学 生 の2,3 割 がステイかビジ ットを 体 験 していることになる 参 加 留 学 生 の 国 籍 等 についても 若 干 のコメントを 加 えたい 参 加 者 中 でもっとも 多 い のは 中 国 人 留 学 生 の 56 名 であった とは 言 え 中 国 人 学 生 は 千 葉 大 学 の 全 留 学 生 中 の 60% を 占 めているので ここでの 百 分 比 15%は 決 して 高 い 数 値 とは 言 えない 中 国 留 学 生 の9 割 は 私 費 留 学 生 であり 学 業 のほか アルバイト 等 に 忙 殺 されているため こうしたプロ グラムになかなか 参 加 しない(できない) 状 況 にあるのだろう 参 加 国 別 では 第 2 位 にな っている 韓 国 も 留 学 生 全 体 の 比 率 から 言 えば 中 国 と 同 様 な 傾 向 にある それらと 対 照 的 に 現 実 の 留 学 生 在 籍 数 と 比 較 して このプログラムへの 参 加 比 率 が 高 いのが インドネシア 米 国 豪 州 などである 2005 年 5 月 時 の 国 籍 別 在 籍 学 生 数 で 言 え ば インドネシア 29 名 米 国 6 名 豪 州 5 名 であったので 2003 年 以 前 の 受 け 入 れ 分 が 算 入 されていたとしても 相 当 な 高 率 である インドネシアに 関 しては 日 本 語 研 修 コー ス 生 ( 国 費 留 学 生 )と 短 期 留 学 生 の 数 が 毎 年 多 いため また 米 国 と 豪 州 はすべて 短 期 留 学 生 ながら 毎 年 一 定 の 人 数 が 来 日 し このプログラムに 参 加 する 確 率 が 高 いため こうし た 結 果 になっている さて 国 別 のトップ4に 入 った 中 国 韓 国 インドネシア そして 米 国 を 受 け 入 れた 日 本 人 家 庭 が プログラム 終 了 後 どのような 関 係 性 を 結 んでいたかをグラフ 化 してみた( 図 5) ここでアジアと 欧 米 を 対 比 させようとするならば 米 国 と 豪 州 を 合 算 する あるいは 欧 米 をすべてまとめて 数 える 等 の 方 法 もあったが 米 国 が 単 独 である 程 度 の 数 値 に 達 していたので 敢 えてそうした 形 は 取 らなかった このグラフから 読 み 取 れる 特 色 は 以 下 の 通 りである まず 1の その 後 全 く 連 絡 交 流 がなかった については 米 国 が 30%を 越 え 他 の3ヶ 国 が 10% 前 後 に 留 まっている のと きわだって 大 きな 差 異 を 見 せた さらに 米 国 学 生 に 対 しては 2 手 紙 やメールで の 遣 り 取 りをした 3 再 度 自 宅 に 日 帰 りで 招 いた も 低 い 数 値 に 留 まった ただし 興 味 深 いのは 4の 再 度 宿 泊 させた 比 率 が 他 の3ヶ 国 よりも 10 ポイント 近 く 高 くなっ ていることである 一 方 アジア3ヶ 国 の 間 の 違 いは 米 国 を 比 較 対 象 に 置 くと ほとんど 無 いかに 見 える 敢 えて 言 えば インドネシアの 学 生 が 終 了 後 全 くの 没 交 渉 となってしまう 比 率 は4ヶ 国 56

国 際 教 育 第 1 号 (2007 年 3 月 ) 中 で 最 も 低 い のは 彼 らの 真 面 目 さの 表 れと 考 えることくらいか また 韓 国 学 生 が 手 紙 メール 等 の 遣 り 取 りで 交 流 を 継 続 する 比 率 が 高 い についての 説 明 も 難 しい 韓 国 はインターネットの 普 及 度 が 他 国 に 比 して 高 いから と 苦 肉 の 説 明 をできないこともない が そんな 無 理 をしなければならないほどに 中 韓 インドネシア 学 生 の 間 に きわだ [ 図 5] 出 身 国 別 継 続 的 交 流 の 形 1 2 3 4 5 チェックなし 12.5% 10.6% 8.7% 32.0% 46.4% 57.4% 52.2% 36.0% 30.4% 25.5% 26.1% 16.0% 14.3% 14.9% 17.4% 24.0% 16.1% 19.1% 19.6% 8.0% 12.5% 21.3% 13.0% 8.0% 0% 20% 40% 60% 80% 中 国 韓 国 インドネシア 米 国 った 差 はない 2の 中 韓 の 回 答 に 10 ポイントの 差 がついている 他 は すべて5ポイント 内 外 の 差 で それらは 誤 差 の 範 囲 と 言 ってもよいほどである つまり 本 項 の 冒 頭 に 掲 げた アジアの 学 生 は 交 流 が 継 続 するが 米 などの 学 生 は 交 流 が 続 かない 傾 向 にある という 指 摘 は 今 回 のアンケート 結 果 から 見 れば その 傾 向 がある 程 度 裏 付 けられたとも 言 える ただし こうした 傾 向 をあまり 性 急 に 一 般 化 するのは 保 留 すべきであろう 米 国 に ついては 再 度 ホームステイをさせた 家 庭 の 比 率 が 10 ポイントあまり 高 かった 事 実 も 57

留 学 生 と 日 本 人 家 庭 の 継 続 的 交 流 をめぐる 現 状 と 課 題 ( 見 城 ) ある 受 け 入 れ 側 の 問 題 で 言 えば アジア 学 生 よりも 米 国 学 生 を 受 け 入 れることを 希 望 する 日 本 人 家 庭 が 相 対 的 に 多 いのは 事 実 である こうした 家 庭 とマッチングされた 場 合 継 続 的 交 流 が 順 調 に 行 く 可 能 性 はもちろん 高 いだろう その 一 方 で 米 国 の 留 学 生 が 日 本 人 家 庭 との 積 極 的 継 続 的 交 流 を 希 望 しない(あるい はしにくい) 状 況 にある 可 能 性 も 指 摘 しておきたい すなわち 千 葉 大 学 の 米 国 留 学 生 は 10 月 に 来 日 し 翌 9 月 まで1 年 間 滞 在 する 短 期 留 学 生 がほとんどである この 短 い 期 間 で 20 歳 を 越 えたばかりの 若 い 米 国 人 に 接 触 してくる 日 本 人 ( 学 生 一 般 市 民 )は アジアか らの 留 学 生 に 比 べれば 相 対 的 に 多 いと 思 われる 換 言 すれば 米 国 学 生 が 限 られた 滞 日 期 間 の 中 で 関 わりを 持 つことができる 日 本 人 の 選 択 肢 は 他 のアジア 留 学 生 よりも 多 い ことになる さらに 日 本 語 会 話 能 力 はアジア 学 生 よりも 相 対 的 に 劣 る 場 合 が 多 く 英 語 が 堪 能 でない 日 本 人 家 庭 の 場 合 は 継 続 的 交 流 に 困 難 を 来 たす 確 率 が 高 い これらの 理 由 から 米 国 学 生 については 一 部 の 家 庭 を 除 き ホームステイやビジット で知 り 合 った 日 本 人 と 継 続 的 交 流 をしていく 確 率 が 他 のアジア 学 生 よりも 低 い 数 値 とし て 現 れるのではないだろうか 4継 続 的 交 流 の 実 際 アンケートの 回 答 欄 には 交 流 の 実 際 について 自 由 にお 書 きください という 項 目 も 設 けた そこには 様 々な 形 での 交 流 のあり 方 が 示 されている 以 下 では いくつかの カテゴリーに 分 けて その 実 際 を 紹 介 していきたい 1) 手 紙 やメールの 遣 り 取 り 帰 国 後 クリスマスカードの 交 換 をしている 帰 国 後 特 産 品 の 送 付 が 相 互 にある 私 と 妻 の 誕 生 日 帰 国 した 留 学 生 の 誕 生 日 ごとに 毎 年 1 回 電 話 で 交 流 している インドネシア 学 生 は 帰 国 後 も 状 況 を 知 らせるメールをくれる 大 津 波 の 時 も ただち にメールをくれて 安 心 した 結 婚 した 留 学 生 と 年 賀 状 のやりとりをしている 2) 小 旅 行 など 長 野 県 上 高 地 への 旅 行 を 一 緒 にした 県 内 ドライブ 温 泉 旅 行 スキーに 一 緒 に 行 く 潮 干 狩 りに 行 く 3) 日 本 人 側 の 企 画 イベントへの 招 聘 市 のイベントに 参 加 し 発 表 してもらう 市 の 公 開 講 座 に 招 き 講 師 をしてもらった ステイは1 人 で 受 け 入 れたが その 後 奥 さんと 子 ども3 名 を 招 き 家 族 ぐるみの 付 き 合 いをした 58

国 際 教 育 第 1 号 (2007 年 3 月 ) その 後 日 本 国 籍 を 取 った 学 生 が 近 所 に 住 み 家 族 ぐるみの 付 き 合 いをしている 季 節 の 行 事 ごとに 招 き また 帰 国 する 際 は さよならパーティをしている 美 術 館 コンサート 等 の 招 待 券 が 手 に 入 った 場 合 送 付 している 子 供 に 英 語 をおしえてもらった もちつきの 手 伝 いをしてもらった 帰 国 する 際 に 寮 から 成 田 空 港 まで 車 で 送 り 見 送 った 4) 留 学 生 の 母 国 訪 問 中 国 旅 行 に 行 った 際 帰 国 した 学 生 に 案 内 してもらった マレーシアのお 宅 を 訪 問 した ハンガリーを 訪 問 し 再 会 した ベルギー 旅 行 をした 際 に ステイさせてもらった 5) 留 学 生 の 結 婚 式 等 への 参 加 日 本 の 知 人 と 結 婚 し 式 に 夫 婦 で 出 席 した( 結 婚 式 等 へ 招 かれた 事 例 は 少 なくとも 他 に3 件 ) 6) 滞 日 時 の 諸 支 援 引 っ 越 しの 手 伝 いもして 自 分 の 子 供 のように 接 している 病 気 で 留 学 生 が 寮 で 臥 せっている 時 に 好 物 のピザを 妻 が 作 り 届 け 大 変 感 謝 された 7) 本 人 および 関 係 者 のホームステイ 引 き 受 け 仕 事 で 出 張 の 際 に 宿 泊 させる 奥 さんの いとこ が 我 が 家 に 1 か 月 ステイした 母 国 で 教 員 であった 留 学 生 の 教 え 子 を 自 宅 に 泊 めた 中 国 のご 両 親 が 来 日 した 時 に 泊 めてさしあげた 8)その 他 就 職 の 斡 旋 をしようとしたが 不 調 に 終 わった 以 上 特 徴 的 なものだけを 抜 き 出 したつもりだが だいぶ 多 くなってしまった 無 理 の ない 範 囲 で 適 宜 の 交 流 をしているとの 回 答 がもちろん 多 いのだが ここに 挙 げたのは か なりの 発 展 的 事 例 である 結 婚 式 に 招 かれる 留 学 生 の 国 を 訪 問 した 際 ステイさせて もらった などの 家 族 ぐるみの 付 き 合 いが たった2 時 間 のホームビジットから あるい は1 泊 のホームステイから 生 まれたことを 考 えると 感 慨 深 いものがある 市 のイベントに 参 加 してもらい 発 表 してもらう とは 袖 ヶ 浦 市 の 事 例 である 同 市 国 際 交 流 協 会 は 会 員 がステイで 受 け 入 れた 学 生 に 対 し 市 の 交 流 イベント 等 で 自 国 文 化 紹 介 を 何 度 か 依 頼 しているが ステイを 経 て またイベント 参 加 協 力 を 通 じて 交 流 がより 発 展 した 事 例 である ここまでの 関 係 性 がなぜ 構 築 できたのか それらのヒントを 記 している 文 章 を 以 下 で 紹 介 していきたいが その 前 に 交 流 があまりうまく 行 かなかった 事 例 や 問 題 点 を 指 摘 す 59

留 学 生 と 日 本 人 家 庭 の 継 続 的 交 流 をめぐる 現 状 と 課 題 ( 見 城 ) る 回 答 を 見 ておきたい 5 継 続 的 交 流 を 妨 げるもの 1) 留 学 生 側 のプログラム 参 加 意 欲 の 有 無 学 生 からメールをもらいましたが 複 数 の 言 語 が 混 ざり 合 って 意 味 不 明 でした 新 年 の 餅 つき 大 会 に 来 る 約 束 をしましたが 寝 坊 した とのことで 来 ませんでした 寮 では いつもテレビゲームを 友 達 と 遅 くまでやっています 明 日 は 試 験 で 大 変 です とよく 言 っ ていました 先 進 国 の 学 生 ほどその 様 ですね 日 本 からの 留 学 生 もだいたいこんなものか と 思 いました 非 常 にマイペー スな 学 生 で 溶 け 込 もうとしなかった こちらのホスピタリティーが 通 じ ず もてなしが 空 手 形 に 終 わった その 後 は 積 極 的 受 け 入 れをためらっている 回 答 者 が 自 分 たちの 失 望 感 を 包 み 隠 さずに 指 摘 してくださったことにまずお 礼 を 言 わ なくてはならない これらの 事 例 は 該 当 留 学 生 の 個 性 に 係 る 部 分 もあるが ステイ ビジットに 参 加 する 留 学 生 全 体 の 心 構 えあるいは 動 機 付 けを 問 うているだろう さらに 回 答 者 の 中 には 授 業 の 一 部 と 捉 えている 発 言 があった 義 務 となると それ 以 上 のも のと 考 えている 我 々と 違 いが 生 じてくる 継 続 的 な 交 流 をするかもそこにかかっている すでに 歳 の 近 い 友 人 がいるらしく 大 学 の 課 程 の 一 部 として 義 務 的 にいらしたように 感 じた 日 本 について 知 りたいという 熱 意 は 全 く 感 じられなかった 残 念 である との 厳 し い 指 摘 もあった これについては お 詫 びとともに 多 少 の 説 明 を 加 えておきたい まず ステイやビジットは 単 位 を 出 すような 必 修 授 業 でない しかしながら 短 期 留 学 生 等 の 年 間 スケジュールの 中 に 組 み 込 まれていることも 一 方 の 事 実 であり そのた め まったく 気 乗 りしないが 仕 方 なく 行 く という 学 生 が 含 まれていた 可 能 性 はありう る そうした 場 合 は 学 生 のモチベーションは 低 いものであったかもしれない しかし こうした 問 題 を 未 然 に 防 ぐため 3 年 ほど 前 から これらのプログラムへの 参 加 は 義 務 ではなく 任 意 である 旨 を オリエンテーションの 際 により 徹 底 している その 結 果 ステイに 行 かないことを 選 ぶ 学 生 も 少 数 ながら 出 てきている 日 本 をよく 知 ろうとする 学 生 は 交 流 が 継 続 でき 消 極 的 な 学 生 はそういかない とい う 感 想 も 複 数 名 から 寄 せられている ステイやビジットが 日 本 社 会 への 理 解 を 深 める ための 得 がたい 機 会 であることを 学 生 に 丁 寧 に 伝 えていくことの 必 要 性 は 改 めて 肝 に 銘 じたい 2) 学 生 の 多 忙 さ 明 け 方 まで 勉 強 しているという 話 だったので 交 流 に 時 間 を 取 らせるのはどうかと 思 い 積 極 的 に 連 絡 をしなかった という 声 も 寄 せられた ステイ 等 への 参 加 人 数 自 体 は 少 ないものの 私 費 留 学 生 が勉 学 に 加 えアルバイト 等 で 60

国 際 教 育 第 1 号 (2007 年 3 月 ) 相 当 に 忙 しい 毎 日 を 送 っているのは 事 実 である また 奨 学 金 を 支 給 されている 日 本 語 研 修 コース 生 ( 予 備 教 育 生 )は コース 在 籍 中 においては 日 々の 日 本 語 学 習 に 大 学 院 進 学 後 は 研 究 成 果 を 出 すため 根 を 詰 める 状 態 にある それに 対 し 一 年 間 滞 在 の 短 期 留 学 生 は 単 位 をそれほど 必 要 としない 非 正 規 生 であり 時 間 的 余 裕 が 比 較 的 ある 学 生 たちで ある しかし この 短 期 留 学 生 においても 限 られた 滞 日 期 間 をどのように 使 っていくか の 選 択 肢 の 中 で 交 流 の 優 先 順 位 が 決 められていくのであろう 一 年 滞 在 の 留 学 生 の 多 くは やることが 多 く 多 忙 である その 時 の 楽 しい 一 刻 がす べてで 良 い 記 憶 を 残 せたら 満 足 します と 短 期 生 の 立 場 を 気 遣 う 回 答 者 もいた 継 続 的 交 流 の 展 開 発 展 は 望 ましいことだが 強 要 されるべき 性 質 のものではない 相 互 の 事 情 を 慮 りつつ 細 く 長 い 関 係 を 保 っていければ それで 良 しという 所 であろうか 3) 学 生 の 経 済 面 への 気 遣 い 留 学 生 は 経 済 的 に 切 り 詰 められているようで 往 き 帰 りの 交 通 費 を 気 にかけ 声 をか けにくい という 指 摘 も 受 け 入 れ 家 庭 の 回 答 にあった これも 難 しい 問 題 である しかし 年 に 数 回 の 行 き 来 だけであれば 受 け 入 れ 家 庭 が 最 も 遠 方 の 一 つである 富 津 市 内 であった としても 同 地 への 往 復 の 電 車 賃 1640 円 が 捻 出 できない 額 とは 思 えない(JR 稲 毛 JR 青 堀 間 の 運 賃 ちなみに JR 稲 毛 JR 渋 谷 は 1560 円 である) 関 係 性 を 深 めようという 意 志 が 双 方 にあるならば それほど 気 にする 要 素 ではないと 筆 者 は 考 えている 留 学 生 は 経 済 的 に 厳 しいだろう と 考 え 交 通 費 から 食 費 に 至 るまでのすべてを 毎 回 支 弁 するような 形 式 も あまり 望 ましくない こうした 関 係 性 は 留 学 生 も 気 詰 まりとな り 継 続 的 交 流 を 困 難 にしていくだろう ともかく 無 理 のない 範 囲 での 交 流 が 第 一 である なお 留 学 生 の 経 済 面 について 留 学 生 は 裕 福 な 人 が 多 く 年 金 暮 らしとしては 複 雑 な 思 いをすることがある との 指 摘 を 記 す 回 答 者 もいた 先 の 認 識 とは 正 反 対 のものだが ステイに 参 加 する 学 生 のかなりの 部 分 は 日 本 政 府 から 奨 学 金 を 支 給 されている 留 学 生 で あり 経 済 的 にそれほど 困 窮 していないのも 事 実 である それが 受 け 入 れ 側 に 複 雑 な 思 い を 抱 かせたとすれば なんとも 言 いがたい 局 面 ではある これはすべての 留 学 生 に 当 てはまる 事 情 ではないが 留 学 生 も 多 様 であることを 受 け 入 れ 側 に 周 知 していく 必 要 を 感 ずるところである 6継 続 的 交 流 を 構 築 するための 方 途 以 下 では 継 続 的 交 流 がうまく 行 っ ている 事 例 から その 特 色 をまとめていきたい 1) 受 け 入 れ 側 の 姿 勢 ただ 単 に 観 光 案 内 するとか 外 食 に 誘 うとかでなく 日 本 人 の 生 活 文 化 をよく 知 ら しめることが 大 切 である 受 け 入 れに 慣 れていなかったので 日 常 生 活 を 見 てもらうこ とができなかったことを 反 省 している などの 意 見 が 複 数 の 家 庭 から 寄 せられている 受 け 入 れ 側 の 日 本 人 のキャパシティーも 問 われている もてなし 歓 待 をしすぎる 珍 客 扱 い 61

留 学 生 と 日 本 人 家 庭 の 継 続 的 交 流 をめぐる 現 状 と 課 題 ( 見 城 ) は 再 考 を 要 するのでは という 指 摘 さえあった 他 人 扱 いせず 自 分 の 家 族 と 同 じように 接 すること 私 のスタンスは 日 本 にいる お母 さん 彼 らがお 母 さんに 家 に 来 る そんな 存 在 でいたいと 思 います のように 原 則 的 には 自 然 体 での 付 き 合 いを 継 続 し 無 理 をしないことが 最 も 望 ましいと 筆 者 は 考 えている みな 大 人 なので これからも 適 度 な 交 流 を 続 けていきたい というスタンスで 良 いのではないだろうか 4に 挙 げた 交 流 の 実 際 の 事 例 群 は その 手 厚 い 対 応 相 互 交 流 の 深 化 に 驚 くものも 多 かった しかし これらは 例 外 に 属 すると 考 えた 方 が 良 いだろう 一 般 的 には 何 らか の 機 会 に 電 話 やメールで 近 況 を 報 告 しあう 程 度 で 十 分 ではないかと 思 う 誕 生 日 に 電 話 を 掛 ける という 実 践 例 も 先 に 引 用 したが 父 の 日 母 の 日 に おめでとう の 電 話 をもら った 時 は 心 にかけてくださったのかと うれしさと 同 時 に 驚 きがあった という 感 想 も 寄 せられている その 意 味 では イ ンドネシアの 帰 国 学 生 が スマトラ 沖 地 震 津 波 に 際 し 無 事 である という 連 絡 を 少 なくとも 日 本 の 受 け 入 れ 家 庭 2 軒 にメール 連 絡 をしていたことが 今 回 の アンケートから 明 らかになった 混 乱 と 困 難 の 中 で 即 時 の 素 晴 らしい 対 応 をしてくれた ものだ と 感 心 せざるを 得 ないが そうした 配 慮 の 一 つ 一 つの 積 み 重 ねが 関 係 性 を 継 続 する 糸 口 になるのだろう 2) 留 学 生 側 の 気 構 え 5 継 続 的 交 流 を 妨 げるもの の1 番 目 で 留 学 生 側 の 参 加 意 欲 について 論 じた そこ で挙 げた 義 務 的 に 仕 方 なく 行 くかのような 態 度 で 臨 むことは 継 続 的 交 流 を 妨 げる 最 たるものであろう 日 本 の 文 化 に 興 味 のある 人 の 方 が 継 続 しているように 思 う 何 事 にも 意 欲 ある 人 だとコミュニケーションが 取 りやすい という 声 は もっともである 大 学 側 としては ステイ ビジットの 意 義 や 役 割 を 留 学 生 にきちんと 説 明 すること 参 加 する 以 上 は 積 極 的 意 味 を 見 出 していく 姿 勢 を 持 たせることが 肝 要 になってくるだろう 受 け 入 れ 家 庭 側 の 提 言 1 泊 だけのステイだと 長 続 きしないことが 多 い 交 流 をする ためには 自 分 と 相 手 の 努 力 が 必 要 本 当 にステイし 交 流 したい 人 を 望 むので 学 生 に も 心 構 えが 必 要 と 伝 えて 欲 しい を しっかり 受 け 止 めたい 3)きっかけ 作 り 連 絡 方 法 もっと 深 い 交 流 をしたいのだが 子 どもがいないため 何 かきっかけがつかめない 夫 婦 とも 70 歳 前 後 なので 世 代 が 違 う 若 い 学 生 が 楽 しめたかは 不 明 という 感 想 も 寄 せ られた 留 学 生 は若 者 だから 若 者 との 交 流 だけを 欲 していると 断 言 することは 出 来 ない 子 ど もがいないから 若 い 世 代 の 気 持 ちは 分 からないから という 発 想 は 理 解 できるが そ もそも 同 列 で 論 ずることができない 事 項 であるだろう 人 生 経 験 を 多 く 持 つ 人 ならではの 62

国 際 教 育 第 1 号 (2007 年 3 月 ) 助 言 や 体 験 談 ( 戦 争 の 悲 惨 さと 平 和 を 語 ること あるいは 高 度 成 長 期 にどのような 苦 心 を して 現 在 の 社 会 を 築 いたのかを 語 ること などなど)に 興 味 を 示 す 留 学 生 も 少 なくないと 考 える 受 け 入 れ 家 庭 から 継 続 的 関 係 がうまくいく 遣 り 方 としての 提 案 が2つあった 一 つ は 留 学 生 は 遠 慮 するので 家 庭 側 から 誘 ってみる 二 つ 目 は これまで7 名 を 受 け 入 れたが 今 度 はあなたが 自 分 で 連 絡 して 私 たちに 会 いに 来 てください というと ほと んどの 学 生 が 連 絡 してきて 交 流 が 継 続 する 両 者 は 相 反 するように 見 えるが そうでも ない 別 れる 時 に 次 のきっかけを 作 るのは あなたからですよ と 確 認 することは 留 学 生 側 に 自 覚 と 選 択 権 を 与 えるという 意 味 で 多 くの 家 庭 が 真 似 ていい 方 法 だろう ただ その 一 方 で 働 きかける 機 会 やコンタクトをする 頻 度 については 日 本 人 家 庭 側 が イニ シアティブを 取 るのが 現 実 的 と 考 える 国 民 性 にもよるが 留 学 生 も 相 当 な 気 遣 いをして いることは 知 って 欲 しいことである そして 家 庭 側 が 何 度 か 声 を 掛 けても 反 応 が 芳 し くなかった 場 合 は その 学 生 とは 縁 がなかったと 思 うしかないだろう 学 生 が 帰 国 する 際 に 連 絡 をいただけると またきっかけとなるのでは? という 提 案 もあった 在 学 中 の 連 絡 先 は 把 握 しておき 帰 国 する 前 に 連 絡 を 入 れてもらえる 程 度 の 関 係 性 を 繋 げておけば 帰 国 後 を 含 めた 新 たな 関 係 性 が 開 かれるかもしれない 4) 継 続 的 交 流 のアイデア 留 学 生 を 招 こうとしたら 勉 強 が 忙 しいので 都 合 がつかない と 言 われた 前 もって カリキュラムがわかれば 学 生 に 伝 えさせてほしい という 希 望 も 寄 せられている 試 験 期 間 などについては 確 かに 外 部 から 分 かりにくい 事 象 である こうした 情 報 を 事 後 の お 礼 状 と 一 緒 に 伝 えることは 今 後 考 えていきたい 大 学 で 留 学 生 と 受 け 入 れ 家 族 の 交 流 会 同 窓 会 のような 場 を 設 けていただければ 関 係 性 が 継 続 するのでは という 提 言 も 2 名 からあった こうした 場 を 大 学 主 導 で 設 定 することはできるが 一 方 的 に 定 めた 特 定 の 日 時 に かつて 関 わりを 持 った 日 本 人 と 留 学 生 の 双 方 に 臨 席 してもらうことは なかなか 難 しいと 思 われる 特 定 の 学 生 との 継 続 的 関 係 を 考 えるのであれば 個 別 に 設 定 してもらうのが 穏 当 であろう 帰 国 後 の 住 所 がわかれば 手 紙 やカードを 送 りたい という 意 見 もあった 良 いアイ デアであると 思 うが 近 年 の 個 人 情 報 管 理 の 問 題 などから 安 易 に 教 えがたい 現 実 もある これは 該 当 学 生 と 連 絡 交 流 ができている 段 階 で 家 庭 から 働 きかけて 聞 き 出 してことが 第 一 であろう 継 続 的 交 流 をするために 大 学 (センター)が 関 与 していく 必 要 や 場 面 はもちろんある しかし ステイ ビジットは 大 学 を 離 れた 場 での 自 由 な 交 流 として 発 展 していくのが 望 ましいというのが 私 の 見 解 である 受 け 入 れ 家 庭 は 様 々な 試 みをしていることを 今 回 知 ることができたが その 中 に 我 が家 の 宿 泊 ノートに 残 された これまでの 受 け 入 れ 者 のメッセージが 嬉 しい というもの 63

留 学 生 と 日 本 人 家 庭 の 継 続 的 交 流 をめぐる 現 状 と 課 題 ( 見 城 ) があった これは 留 学 生 を 何 回 も 宿 泊 ( 訪 問 )させた 家 庭 でしかできないことではある が 自 分 たちの 前 に 多 くの 先 輩 がこの 家 庭 を 訪 れ 交 流 を 継 続 させていることを 知 らせる ことは 彼 らの 安 心 と 期 待 につながると 思 われる その 冊 子 は 受 け 入 れ 家 庭 の 留 学 生 交 流 の 証 にもなるだろう こうした 営 為 また 試 行 錯 誤 から 様 々な 発 展 的 関 係 性 が 生 まれて いくことを 期 待 したいと 思 う おわりに たとえその 後 連 絡 がなくても 私 たちが 彼 らにしたことが きっと 彼 らの 心 に 残 る 私 たちとの 交 流 が 継 続 しなくとも 私 たちが 彼 らにした 誠 意 を 私 たちが 彼 らにして あげたように 彼 らが 誰 かにしてあげてくれれば それが 最 も 嬉 しく 思 える 発 展 です これは 今 回 のアンケートの 自 由 記 述 欄 に ある 受 け 入 れ 家 庭 が 記 した 文 である この 回 答 者 は こうした 発 展 形 態 もあるのだ と 優 しい 言 葉 で 語 ってくれている ホームステイ ホームビジットは ほとんどの 場 合 が 機 械 的 な 組 み 合 わせで 始 められて おり それを 継 続 的 発 展 的 交 流 に 導 くのは そもそも 容 易 なわざではない しかし 今 回 のアンケート 調 査 で 帰 国 後 を 含 め 良 好 な 関 係 性 を 保 ち 続 けている 家 庭 が 相 当 数 存 在 す ることが 明 らかになった 故 国 を 離 れた 留 学 生 の 日 本 の 家 族 となり 親 身 に 対 処 して くださっている 数 々の 事 例 にはただただ 感 謝 するほかない 本 文 中 でも 触 れたが 私 見 としては 細 く 長 く 無 理 のない関 係 性 を 継 続 していくこと が一 番 であると 考 えている そうすることによってこそ 多 くの 一 般 家 庭 が 関 わっていけ るのであろうし 勉 学 やアルバイトで 忙 しい 留 学 生 も 関 わっていけるのであろう そうし た 広 がりをいかに 創 出 していくかを 今 回 のアンケート 結 果 を 元 に 考 えていくことが わ れわれの 次 の 課 題 となる 本 稿 は 日 本 人 家 庭 と 留 学 生 の 継 続 的 交 流 についてのアンケート 回 答 の 概 要 を 簡 単 にま とめるつもりであった しかし 後 半 3 分 の1は アンケートの 継 続 的 交 流 の 実 際 や 提 案 に 対 する 筆 者 なりの 反 応 を 逐 次 入 れ 込 むような 形 にしてしまったため 結 果 的 にか なりのボリュームになってしまった それは 今 回 のアンケート 回 答 中 に 拙 稿 に 盛 り 込 む べき 紹 介 すべきと 考 えた 内 容 がたくさん 含 まれていたからであり 多 くの 回 答 者 が 留 学 生 に 対 して 注 ぐ 愛 情 が 見 えたからである 末 尾 ではあるが アンケートにご 協 力 いただいた 各 ご 家 庭 およびボランティア 家 庭 を とりまとめる 団 体 として 長 年 お 世 話 になっている 木 更 津 市 国 際 交 流 協 会 袖 ヶ 浦 市 国 際 交 流 協 会 千 葉 市 国 際 交 流 協 会 に 深 甚 の 謝 意 を 改 めて 表 し むすびとしたい 1 千 葉 大 学 留 学 生 センター 編 異 文 化 への 新 しい 旅 立 ち 千 葉 大 学 留 学 生 センター 自 己 点 検 評 価 報 告 書 同 センター 2003 年 p46 p139 2 見 城 千 葉 大 学 におけるホームステイ ホームビジットプログラムの 現 状 と 課 題 千 葉 大 学 留 学 生 セン ター 紀 要 第 3 号 1997 年 見 城 留 学 生 と 地 域 住 民 との 交 流 の 端 緒 千 葉 大 学 留 学 生 センター 紀 要 64

国 際 教 育 第 1 号 (2007 年 3 月 ) 第 4 号 1998 年 3 日 本 の 留 学 生 を3 分 の2を 占 めるのは 中 国 人 留 学 生 であるが 中 国 の 大 学 生 の 日 本 イメージと 志 向 を 分 析 した 論 考 に 見 城 現 代 中 国 における 日 本 語 専 攻 大 学 生 の 日 本 イメージ ( 国 際 教 育 第 1 号 2007 年 本 雑 誌 )がある 4 実 際 には 10 年 以 上 も 受 け 入 れてくださっている 家 庭 もあるが アンケート 依 頼 枚 数 に 区 切 りを 付 ける 意 味 で 今 回 は ここ3 年 に 受 け 入 れた 方 と 限 定 した 5 今 回 の 調 査 では アンケートに 答 える 際 記 名 無 記 名 ( 匿 名 )いずれでもよい としたのだが 匿 名 だったのは 117 回 答 中 7 名 (6%)に 過 ぎなかった 6 これらの 市 はすべて 東 京 湾 岸 の 内 房 地 域 にあり 市 原 市 は 千 葉 市 の 南 側 に 隣 接 し その 南 側 にある のが 袖 ヶ 浦 市 である 袖 ヶ 浦 市 の 南 が 木 更 津 市 さらに 南 に 君 津 市 富 津 市 と 連 なっている 65

留 学 生 と 日 本 人 家 庭 の 継 続 的 交 流 をめぐる 現 状 と 課 題 ( 見 城 ) 参 考 資 料 千 葉 大 学 留 学 生 と 日 本 人 家 庭 の 継 続 的 交 流 に 関 するアンケート (2006 年 3 月 ) Ⅰ あなたのお 名 前 ( 記 名 匿 名 いずれでもけっこうです) Ⅱ あなたの 住 所 ( 市 区 名 程 度 の 記 述 で 番 地 などは 不 要 です) 市 町 区 Ⅲ これまで 受 け 入 れた 留 学 生 ( 留 学 生 の 個 人 名 や 国 籍 などは 場 合 によって 書 いていただかなくてもけっこうです また 受 け 入 れが6 名 を 越 えている 場 合 は 裏 面 などに 書 いていただければ 幸 いです ) 1 名 前 国 籍 受 け 入 れた 年 月 年 月 4 名 前 国 籍 年 月 年 月 受 け 入 れの 形 式 ビジット ステイ 受 け 入 れの 形 式 ビジット ステイ 2 3 名 前 国 籍 5 名 前 国 籍 受 け 入 れた 年 月 年 月 年 月 年 月 受 け 入 れの 形 式 ビジット ステイ 受 け 入 れの 形 式 ビジット ステイ 名 前 国 籍 6 名 前 国 籍 受 け 入 れた 年 月 年 月 年 月 年 月 受 け 入 れの 形 式 ビジット ステイ 受 け 入 れの 形 式 ビジット ステイ Ⅳ 大 学 からの 依 頼 で 留 学 生 を 受 け 入 れた 後 その 学 生 と 何 らかの 継 続 的 関 係 がありましたか? ( 複 数 回 答 可 ) 1 その 後 全 く 連 絡 交 流 はなかった ( 上 記 番 号 で 言 うと ) 2 手 紙 や e-mail で 何 度 か 遣 り 取 りをした ( 上 記 番 号 で 言 うと ) 3 その 後 何 度 か 自 宅 に 招 いた( 日 帰 り) ( 上 記 番 号 で 言 うと ) 4 その 後 何 度 か 自 宅 に 宿 泊 させた ( 上 記 番 号 で 言 うと ) 5 上 記 以 外 の 交 流 を 持 った ( 上 記 番 号 で 言 うと ) 2~4の 具 体 的 内 容 また5の 交 流 内 容 などについて 差 し 支 えない 範 囲 でお 書 きいただければ 幸 いです(スペースが 足 りなければ 裏 面 などにお 書 き 願 います) Ⅴ あなたは ご 自 宅 へ 招 いた 留 学 生 等 との 継 続 的 交 流 を 望 まれますか? はい いいえ はい いいえ それぞれの 理 由 についての また 交 流 を 継 続 し 発 展 させていくために 必 要 と 思 わ れる 事 項 ( 留 学 生 大 学 側 ご 家 庭 側 )についてのお 考 え ご 意 見 などがあれば お 書 きください 66