目 次 Ⅰ 基 本 理 念 1. 経 緯 1 2. 基 本 理 念 1 Ⅱ 市 設 建 築 物 編 1.アセットマネジメント 導 入 の 背 景 2 2. 対 象 施 設 3 3.アセットマネジメントを 進 める 基 本 的 な 視 点 4 (1) 成 熟 社 会 における 公 共 施 設 の 整



Similar documents
Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

 三郷市市街化調整区域の整備及び保全の方針(案)

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

<4D F736F F D2090BC8BBB959491BA8F5A91EE8A C52E646F63>

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

Taro-01 議案概要.jtd

<819A955D89BF92B28F BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378>

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

1

<8BB388F58F5A91EE82A082E895FB8AEE967B95FB906A>

<4D F736F F F696E74202D208CE38AFA8D8297EE8ED288E397C390A CC8A AE98EBA8DEC90AC816A2E707074>

<4D F736F F D2088B089AE95F18D908F C8E DA8E9F >

Microsoft Word 印刷ver 本編最終no1(黒字化) .doc

●電力自由化推進法案

新 市 建 設 計 画 の 変 更 に 係 る 新 旧 対 照 表 ページ 変 更 後 変 更 前 表 紙 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 平 成 27 年 3 月 変 更 安 中 市 6 2. 計 画 策 定 の 方 針 (3) 計

1 はじめに 計 画 の 目 的 国 は 平 成 18 年 度 に 住 生 活 基 本 法 を 制 定 し 住 まいに 関 する 基 本 的 な 計 画 となる 住 生 活 基 本 計 画 ( 全 国 計 画 )を 策 定 し 住 宅 セーフティネットの 確 保 や 住 生 活 の 質 の 向 上


第 4 章 基 本 的 な 方 針 1 課 題 ⑴ 希 望 する 市 営 住 宅 に 入 居 できる 世 帯 は 限 られており 住 宅 困 窮 者 の 入 居 機 会 の 向 上 や 入 居 者 と 住 宅 困 窮 者 間 の 公 平 性 の 確 保 世 帯 人 員 数 と 住 戸 規 模 のミス

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や


公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

●幼児教育振興法案

小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

資 料 -6 平 成 20 年 度 第 2 回 北 陸 地 方 整 備 局 事 業 評 価 監 視 委 員 会 特 定 構 造 物 改 築 事 業 事 後 評 価 説 明 資 料 平 成 20 年 11 月 北 陸 地 方 整 備 局 -0-

目 次 整 備 方 針 の 策 定 目 的 P1 公 民 館 の 現 状 P2~P4 1 公 民 館 の 施 設 概 要 P2~P3 2 施 設 の 老 朽 化 について P3 3 公 民 館 の 耐 震 化 について P3 4 施 設 の 利 便 性 について P3~P4 公 民 館 整 備 の

容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用

Microsoft Word  要綱.doc

<4D F736F F D F5A91EE8BC F368C8E3393FA8DC48D F C8E323893FA916493C B95AA8D CE3816A>

(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

16 日本学生支援機構

6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

Microsoft Word - 都市計画法第34条第11号及び第12号

犬山市公共施設マネジメント基本計画

市街化調整区域における地区計画の

守 口 市 立 東 小 学 校 大 久 保 小 学 校 の 統 合 実 施 計 画 目 次 第 1 守 口 市 における 学 校 統 合 の 背 景 1 第 2 東 小 学 校 と 大 久 保 小 学 校 の 統 合 について 1 第 3 統 合 校 の 学 校 づくりについて 2 第 4 東 小

高松市緊急輸送道路沿道建築物耐震改修等事業補助金交付要綱(案)

船橋市地域住宅計画(第1回変更)様式変更

目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

スライド 1

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

小山市保育所整備計画

(Microsoft Word - 20_\216s\211c\217Z\221\356.doc)

目 改 正 項 目 軽 自 動 車 率 の 引 上 げ 〇 国 及 び 地 方 を 通 じた 自 動 車 関 連 制 の 見 直 しに 伴 い 軽 自 動 車 の 標 準 率 が 次 のとおり 引 き 上 げられます 車 種 区 分 引 上 げ 幅 50cc 以 下 1,000 円 2,000 円

長崎市民間建築物耐震化推進事業の概要

(Microsoft Word - \221\346\202P\202U\201@\214i\212\317.doc)

別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

スライド 1

能勢町市街化調整区域における地区計画のガイドライン

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>

市街化区域と市街化調整区域との区分

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

<4D F736F F D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF D6A2E646F6378>

< E95FB8CF689638AE98BC689FC90B390A CC8CA992BC82B582C982C282A282C E90E096BE8E9E8E9197BF2E786477>

18 国立高等専門学校機構

文化政策情報システムの運用等


(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

(Microsoft Word - \212\356\226{\225\373\220j _\217C\220\263\201j.doc)

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

Microsoft Word )40期決算公開用.doc


<4D F736F F D20328FCD5F8F5A82DC82A282DC82BF82C382AD82E882CC89DB91E8>

目 次 1. 方 針 1 2. 市 庁 舎 の 耐 震 化 事 業 計 画 2 [ 参 考 ] 建 物 の 現 状 5

1. 決 算 の 概 要 法 人 全 体 として 2,459 億 円 の 当 期 総 利 益 を 計 上 し 末 をもって 繰 越 欠 損 金 を 解 消 しています ( : 当 期 総 利 益 2,092 億 円 ) 中 期 計 画 における 収 支 改 善 項 目 に 関 して ( : 繰 越

Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 1 人

Microsoft Word - H25普通会計決算状況 .docx

<4D F736F F D B83578F4390B E797748CA E88E68E7792E88AEE8F805F48508C668DDA95AA816A E646F63>

社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

< EE597768E968BC688EA97972D372E786477>

(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

平成19年9月改定

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

1 変更の許可等(都市計画法第35条の2)

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

再 生 可 能 エネルギー 等 導 入 推 進 基 金 事 業 計 画 書 ( 各 年 度 計 画 書 ) ( 事 業 計 画 の 概 要 ) 計 画 の 名 称 京 都 府 地 球 温 暖 化 対 策 等 推 進 基 金 計 画 の 期 間 交 付 対 象 京 都 府 府 内 市 町 村 民 間

加 古 川 市 市 街 化 調 整 区 域 における 地 区 計 画 制 度 の 運 用 基 準 ( 概 要 ) 第 1 章 総 則 運 用 基 準 の 目 的 地 区 計 画 制 度 の 運 用 により 良 好 な 居 住 環 境 の 維 持 及 び 育 成 を 目 的 とする ( 第 1 条 )

の 提 供 状 況 等 を 総 合 的 に 勘 案 し 土 地 及 び 家 屋 に 係 る 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 減 額 せずに 平 成 24 年 度 分 の 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 課 税 することが 適 当 と 市 町 村 長 が 認 め

< E88E68F5A91EE8C7689E68F912E786C73>

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

第2章 施設の実態(用途別)

目 次 1 はじめに 1 (1) 施 設 が 抱 える 諸 問 題 (2) 交 付 税 合 併 算 定 替 えの 終 了 (3) ファシリティマネジメントへの 取 組 2 方 針 における3つの 改 革 2 3 実 施 方 法 3 (1) 公 共 施 設 FM 基 本 計 画 の 策 定 (2) 公

< DB8CAF97BF97A6955C2E786C73>

Microsoft Word - 東京都北区有料老人ホーム等設置指導要綱

目 次 第 1 土 地 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 1. 土 地 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 2. 施 行 者 の 名 称 1 第 2 施 行 地 区 1 1. 施 行 地 区 の 位 置 1 2. 施 行 地 区 位 置 図 1 3. 施 行 地 区 の 区 域 1 4

4. 長 期 優 良 住 宅 に 係 る 特 例 の 延 長 長 期 優 良 住 宅 に 係 る 以 下 の 特 例 措 置 の 適 用 期 限 ( 平 成 28 年 3 月 31 日 )を 延 長 する 1 登 録 免 許 税 の 特 例 ( 所 有 権 の 保 存 登 記 : 本 則 0.4%

Microsoft Word - H27概要版

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

官 庁 営 繕 事 業 の 事 後 評 価 表 事 業 名 かいじょうほあんだいがっこう(そうごうじっしゅうとう) 海 上 保 安 大 学 校 ( 総 合 実 習 棟 ) 実 施 箇 所 呉 市 若 葉 町 5-1 該 当 基 準 事 業 完 了 後 3 年 間 が 経 過 した 事 業 事 業 諸

Microsoft Word - 目次.doc

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

<4D F736F F D F8D828D5A939982CC8EF68BC697BF96B38F9E89BB82CC8A6791E52E646F63>

財政再計算結果_色変更.indd

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

Transcription:

名 古 屋 市 アセットマネジメント 基 本 方 針 平 成 21 年 3 月 名 古 屋 市

目 次 Ⅰ 基 本 理 念 1. 経 緯 1 2. 基 本 理 念 1 Ⅱ 市 設 建 築 物 編 1.アセットマネジメント 導 入 の 背 景 2 2. 対 象 施 設 3 3.アセットマネジメントを 進 める 基 本 的 な 視 点 4 (1) 成 熟 社 会 における 公 共 施 設 の 整 備 保 全 のあり 方 (2) 社 会 的 要 請 等 への 対 応 (3)まちづくりとの 連 携 等 4.アセットマネジメントの 取 り 組 み 6 (1) 市 設 建 築 物 の 長 寿 命 化 (2) 市 設 建 築 物 の 集 約 化 等 による 再 編 整 備 (3) 保 有 資 産 の 適 正 な 活 用 (4) 維 持 管 理 の 効 率 化 (5)その 他 5.アセットマネジメントの 進 め 方 7 (1) 各 施 設 のあり 方 検 討 との 連 携 (2) 進 行 管 理 (3)アセットマネジメント 推 進 のための 体 制 6.アセットマネジメント 導 入 効 果 8 (1) 施 設 整 備 費 の 削 減 効 果 の 試 算 (2)CO2 削 減 効 果 の 試 算 Ⅲ 公 共 土 木 施 設 編 1.アセットマネジメント 導 入 の 背 景 10 (1) 公 共 土 木 施 設 の 現 状 (2) 公 共 土 木 施 設 をとりまく 環 境 2.アセットマネジメントの 導 入 12 (1)アセットマネジメントの 導 入 (2) 対 象 施 設 3.アセットマネジメントの 取 り 組 み 13 (1) 計 画 的 効 率 的 な 維 持 管 理 (2) 公 共 土 木 施 設 の 長 寿 命 化 (3) 保 有 資 産 の 適 正 な 活 用 (4) 市 民 との 協 働

4.アセットマネジメントの 進 め 方 15 (1) 個 別 施 設 維 持 管 理 計 画 の 策 定 (2) 公 共 土 木 施 設 全 体 での 最 適 維 持 管 理 計 画 の 策 定 (3) 進 行 管 理 (4) 推 進 体 制 (5)スケジュール ( 参 考 ) 導 入 効 果 の 試 算 16 用 語 の 定 義 17

Ⅰ 基 本 理 念 1. 経 緯 本 市 の 所 有 する 建 築 物 道 路 橋 梁 などの 公 共 施 設 は その 多 くが 昭 和 40 年 代 から 50 年 代 にかけて 集 中 的 に 建 設 されたために 老 朽 化 が 進 み 今 後 一 斉 に 更 新 時 期 を 迎 えることか ら 大 きな 財 政 負 担 が 予 想 される このため 施 設 の 有 効 活 用 効 率 的 な 維 持 管 理 更 新 需 要 の 平 準 化 などに 取 り 組 んで 財 政 負 担 の 軽 減 を 図 ることが 必 要 となっている 環 境 問 題 に 対 する 意 識 の 高 まりから 本 市 では 環 境 首 都 なごや の 実 現 に 向 けて 温 室 効 果 ガスの 大 幅 な 削 減 目 標 を 設 定 するなど 先 駆 的 な 取 組 みを 行 っている また 東 海 豪 雨 な どの 自 然 災 害 アスベスト 問 題 エレベーター 事 故 への 対 応 など 市 民 の 安 心 安 全 に 対 す る 要 望 が 強 くなっている さらに 少 子 高 齢 化 の 進 行 や 市 民 ニーズが 変 化 していることから 実 態 に 応 じた 対 応 が 必 要 となっている これらの 状 況 に 対 応 するためには 現 下 の 厳 しい 財 政 状 況 を 踏 まえ 本 市 の 所 有 する 各 公 共 施 設 を 全 市 的 立 場 から 計 画 的 に 維 持 管 理 を 行 って 最 適 な 維 持 更 新 を 図 るとともに その 更 新 需 要 に 的 確 に 対 応 するため 施 設 の 維 持 更 新 経 費 の 平 準 化 と 抑 制 を 図 る 必 要 がある 公 共 施 設 の 効 率 的 かつ 計 画 的 な 維 持 管 理 については これまでも 第 3 次 行 財 政 改 革 計 画 や 新 財 政 健 全 化 計 画 の 中 で アセットマネジメントシステムの 導 入 の 必 要 性 が 唱 えられてきたところ である アセットマネジメントシステムの 導 入 にあたっては 施 設 の 有 効 活 用 効 率 的 な 維 持 管 理 など 総 合 的 に 検 討 する 必 要 があることから 全 市 的 に 総 合 調 整 を 行 うため 名 古 屋 市 アセッ トマネジメント 推 進 検 討 委 員 会 を 設 置 して 審 議 を 行 い 次 の 基 本 理 念 に 基 づいてアセット マネジメントを 進 めることとした また アセットマネジメントを 全 市 的 に 推 進 するための 基 本 的 な 事 項 を 基 本 方 針 として 取 りまとめることとした 2. 基 本 理 念 保 有 資 産 を 有 効 活 用 し 公 共 施 設 の 維 持 管 理 を 効 率 的 に 行 うとともに コストの 平 準 化 抑 制 を 図 る 公 共 施 設 の 計 画 的 な 維 持 管 理 によって 市 民 へ 安 心 安 全 はじめ 適 切 なサービスを 提 供 する 保 有 資 産 の 有 効 活 用 にあたっては 環 境 首 都 なごや 及 び 災 害 に 強 いまち を 目 指 すとともに 少 子 高 齢 化 社 会 などへの 対 応 の 観 点 から 今 後 のまちづくりと 一 体 的 に 取 り 組 む ( 維 持 管 理 には 更 新 を 含 む) - 1 -

Ⅱ 市 設 建 築 物 編 本 編 は 先 の 基 本 理 念 に 基 づいて 市 営 住 宅 学 校 市 民 利 用 施 設 などの 建 築 物 及 びその 敷 地 並 びに 保 有 する 土 地 を 対 象 ( 公 営 企 業 を 除 く)にアセットマネジメントを 全 市 的 に 推 進 するための 基 本 的 な 事 項 をとりまとめる 1.アセットマネジメント 導 入 の 背 景 ⑴ 総 資 産 保 有 量 とその 内 訳 市 設 建 築 物 の 総 資 産 保 有 量 は 延 べ 床 面 積 で 平 成 19 年 度 末 現 在 約 974 万 m2で 市 営 住 宅 が 47.8% 学 校 が 25.4% その 他 の 一 般 施 設 が 26.8%となっている ( 表 1 参 照 ) ⑵ 老 朽 化 が 進 む 市 設 建 築 物 建 設 年 度 をみると 1965 年 ( 昭 和 40 年 )から 2000 年 ( 平 成 12 年 ) 頃 にかけて 大 量 の 施 設 が 建 設 されている 建 築 経 過 年 数 では 40 年 を 超 えたものが 10.2% 31~40 年 経 過 したものが 25.6% 21~30 年 経 過 したものが 31.3%となっており 老 朽 化 が 進 展 している (グラフ1 参 照 ) 従 来 は 概 ね 築 後 40 年 までに 改 築 により 施 設 を 更 新 してきた 今 後 も 従 来 どおりのサイ クルで 改 築 していくとすれば 膨 大 な 工 事 費 が 見 込 まれ 現 下 の 厳 しい 財 政 状 況 を 考 慮 すると このような 財 政 負 担 は 困 難 である ⑶ 社 会 的 要 請 等 名 古 屋 市 は 持 続 可 能 な 社 会 の 形 成 に 向 け 環 境 首 都 なごや の 実 現 を 目 指 し 本 市 業 務 に よる 環 境 負 荷 の 低 減 を 図 るため 環 境 に 配 慮 した 公 共 工 事 の 推 進 省 エネ 省 資 源 に 取 り 組 んでいる 一 方 わが 国 の 建 築 関 係 における CO2 排 出 量 の 占 める 割 合 は 全 排 出 量 の3 割 強 と 言 われて おり 今 後 大 量 に 建 設 された 施 設 の 更 新 に 伴 う 除 却 建 設 行 為 への CO2 や 廃 棄 物 の 排 出 量 対 策 は 重 要 である また 施 設 の 維 持 管 理 に 係 るエネルギー 消 費 量 の 削 減 についても CO2 抑 制 の 観 点 から 一 層 の 取 り 組 みが 求 められている さらに 少 子 高 齢 化 社 会 への 対 応 となるユニバーサルデザインなど 誰 もが 使 いやすい 施 設 の 整 備 や 地 震 や 豪 雨 などの 災 害 に 備 えた 整 備 が 求 められている - 2 -

表 1 資 産 の 保 有 状 況 分 類 延 床 面 積 (m2) 施 設 数 一 般 施 設 2,608,264 26.8% 917 56.3% 学 校 2,477,589 25.4% 416 25.5% 市 営 住 宅 4,650,225 47.8% 297 18.2% 計 9,736,078 1,630 延 床 面 積 の 割 合 市 営 住 宅 47.8% 一 般 施 設 26.8% 学 校 25.4% グラフ1 建 設 年 度 別 の 床 面 積 50 45 40 35 床 面 積 万 m2 30 25 20 15 建 設 年 度 別 既 存 ストック( 床 面 積 ) 建 設 年 度 別 の 割 合 F 1.1% D 25.6% E 9.1% A 11.3% B 21.7% 10 5 C 31.3% 0 1950 1957 1962 1967 1972 1977 1982 1987 1992 1997 2002 2007 築 30 年 以 上 F 50 年 以 上 E 40 年 以 上 50 年 未 満 D 30 年 以 上 40 年 未 満 C 20 年 以 上 30 年 未 満 B 10 年 以 上 20 年 未 満 A 10 年 未 満 以 前 建 設 年 度 ( 備 考 ) 表 1 グラフ 1 共 通 平 成 19 年 度 末 データによる 企 業 局 は 除 く 倉 庫 車 庫 等 の 小 規 模 な 建 築 物 は 除 く 2. 対 象 施 設 本 市 の 所 有 する 市 営 住 宅 学 校 市 民 利 用 施 設 庁 舎 等 の 建 築 物 及 び 建 物 用 地 並 びに 保 有 する 土 地 を 対 象 とする ただし 企 業 局 は 基 本 方 針 の 対 象 外 とするが 企 業 局 の 施 設 のうち 相 互 に 関 連 する 資 産 については 連 携 をとりその 有 効 活 用 を 進 める - 3 -

3.アセットマネジメントを 進 める 基 本 的 な 視 点 アセットマネジメントの 推 進 にあたっては 時 代 の 大 きな 変 化 に 対 応 していくこと が 必 要 であり 次 の 3 つの 視 点 について 重 点 的 に 取 り 組 んでいくものとする (1) 成 熟 社 会 における 公 共 施 設 の 整 備 保 全 のあり 方 1 既 存 ストックの 有 効 活 用 社 会 が 高 度 成 長 期 から 成 熟 期 へ 移 行 しつつあるなかで 限 られた 財 源 で 施 設 を 整 備 する ためには 施 設 の 集 約 化 再 配 置 長 寿 命 化 など 既 存 ストックの 有 効 活 用 を 図 ることによ り 最 少 の 費 用 で 最 大 の 効 果 を 発 揮 させることが 必 要 である 2 民 間 活 力 の 活 用 行 政 効 率 の 向 上 や 柔 軟 な 財 政 運 営 を 可 能 にするため 民 間 資 金 技 術 等 の 活 用 も 視 野 に 入 れた 整 備 手 法 の 検 討 が 必 要 である (2) 社 会 的 要 請 等 への 対 応 1 環 境 首 都 なごやへの 対 応 名 古 屋 市 は 持 続 可 能 な 社 会 の 形 成 に 向 け 環 境 首 都 なごや の 実 現 を 目 指 している CO2 をはじめとする 温 室 効 果 ガスについては 市 内 の 排 出 総 量 を 平 成 22 年 までに10% 削 減 ( 平 成 2 年 比 較 )することを 目 標 としつつ さらには 2050 年 に 向 け 低 炭 素 でも 快 適 な 都 市 ( 化 石 燃 料 1/5)への 挑 戦 を 掲 げ 先 駆 的 な 取 組 みにチャレンジしている 施 設 の 整 備 においても 建 築 物 の 長 寿 命 化 による 建 設 廃 棄 物 の 削 減 省 エネ 化 や 緑 地 化 の 推 進 によるCO2 排 出 削 減 など 環 境 首 都 なごやの 実 現 に 向 けた 取 り 組 みが 必 要 となって いる またマイカー 利 用 の 抑 制 の 観 点 から 公 共 交 通 機 関 の 利 便 性 を 考 慮 した 施 設 の 再 配 置 に ついて 検 討 する 必 要 がある 2 少 子 高 齢 化 社 会 への 対 応 名 古 屋 市 は 市 民 の 誰 もが 自 由 に 使 いやすい 公 共 建 築 物 を 実 現 するため 建 築 物 の 新 改 築 時 には 福 祉 都 市 環 境 整 備 指 針 や ユニバーサルデザイン 整 備 基 準 に 基 づきバ リアフリーや 多 機 能 トイレの 設 置 などを 実 施 しているが 今 後 は 改 修 時 においてもこれ らの 整 備 基 準 を 適 用 することが 求 められている また 市 民 ニーズの 変 化 や 制 度 変 更 に 対 応 するために 既 存 施 設 の 転 用 など 資 産 の 活 用 を 積 極 的 に 進 めることが 必 要 である 3 災 害 に 強 いまちへの 対 応 名 古 屋 市 は 地 震 や 豪 雨 などの 災 害 に 備 えた 安 全 な 都 市 基 盤 の 整 備 を 推 進 している 今 後 も 災 害 に 強 いまちの 構 築 のため 耐 震 化 や 雨 水 流 出 抑 制 などを 着 実 に 実 施 していく 必 要 がある - 4 -

(3) まちづくりとの 連 携 等 1 駅 を 中 心 にしたまちづくり 等 との 連 携 駅 を 中 心 にしたまちづくり 等 と 連 携 し 行 政 サービス 窓 口 等 の 再 配 置 集 約 化 などを 進 める 必 要 がある 2 歴 史 的 建 築 物 の 保 存 重 要 文 化 財 である 歴 史 的 建 築 物 市 本 庁 舎 や 公 会 堂 等 をはじめ 本 市 を 代 表 する 建 築 物 に ついては 積 極 的 に 保 存 を 図 ってゆかなければならない 3 広 域 連 携 による 施 設 の 有 効 活 用 市 設 建 築 物 に 留 まらず 県 有 施 設 国 有 施 設 を 含 めた 公 共 ストックの 有 効 活 用 について 検 討 する 必 要 がある また 近 隣 自 治 体 との 施 設 運 営 整 備 の 連 携 についても 考 慮 する 必 要 がある - 5 -

4.アセットマネジメントの 取 り 組 み 先 の 基 本 的 な 視 点 で 掲 げた 3 つの 重 要 な 視 点 を 踏 まえつつ アセットマネジメントで 取 り 組 む 具 体 的 な 手 法 を 次 のようにとりまとめた (1) 市 設 建 築 物 の 長 寿 命 化 1 新 築 または 改 築 にあたっては 原 則 として 建 物 寿 命 を 80 年 以 上 とする 2 既 設 建 築 物 についても 長 寿 命 化 を 実 施 する ア 長 寿 命 化 は 建 物 の 目 標 寿 命 を 80 年 としたリニューアル 改 修 を 基 本 とする イ 施 設 の 劣 化 機 能 不 足 等 陳 腐 化 が 激 しい 場 合 または 施 設 の 存 続 期 間 によっては 長 寿 命 化 に 拠 らないことができる この 場 合 残 存 期 間 に 応 じた 改 修 を 実 施 する 3 歴 史 的 建 造 物 本 市 を 代 表 する 施 設 等 は 保 存 を 行 うために 100 年 以 上 の 超 長 寿 命 化 を 実 施 する 4 新 築 改 築 及 びリニューアル 改 修 時 には 施 設 ごとの 長 期 保 全 計 画 を 作 成 し 計 画 的 な 保 全 を 実 施 する (2) 市 設 建 築 物 の 集 約 化 等 による 再 編 整 備 1 施 設 の 集 約 化 ア 新 築 または 改 築 する 施 設 は 原 則 として 全 庁 横 断 的 に 他 の 施 設 との 集 約 化 を 検 討 実 施 する イ 集 約 化 にあたっては 施 設 の 機 能 統 合 や 共 有 部 分 の 効 率 的 な 配 置 を 図 る また 施 設 のあり 方 検 討 を 踏 まえた 類 似 施 設 の 統 合 等 を 検 討 する ウ 集 約 化 する 場 所 の 選 定 にあたっては まちづくり 施 策 と 連 携 して 規 模 や 形 状 を 考 慮 し つつ 交 通 利 便 性 や 高 度 利 用 のできる 場 所 等 を 検 討 する 2 空 スペースの 有 効 活 用 市 民 ニーズの 変 化 や 制 度 変 更 に 対 応 して 必 要 性 の 低 くなった 施 設 や 不 要 となった 施 設 を 積 極 的 に 転 用 し 有 効 活 用 を 図 る (3) 保 有 資 産 の 適 正 な 活 用 1 土 地 建 物 情 報 をデータベース 化 し 総 合 的 な 観 点 から 資 産 の 把 握 分 析 を 行 い 資 産 保 有 量 の 適 正 化 を 検 討 する 2 保 有 資 産 の 一 層 の 有 効 活 用 のため 土 地 建 物 の 用 途 変 更 貸 付 処 分 を 積 極 的 に 実 施 する 3 施 設 の 改 修 改 築 にあたっては 最 適 な 保 有 水 準 とするため 規 模 の 適 正 化 を 図 る 4 施 設 の 統 廃 合 集 約 化 再 編 整 備 等 により 余 剰 となった 土 地 や 移 転 改 築 の 際 の 跡 地 は 原 則 として 売 却 する (4) 維 持 管 理 の 効 率 化 1 光 熱 水 費 等 の 削 減 施 設 の 維 持 管 理 経 費 のうち 光 熱 水 費 などの 実 態 を 把 握 し 比 較 検 討 し 効 果 的 な 運 用 等 に - 6 -

より 経 費 の 削 減 を 図 る 2 省 エネルギーの 推 進 施 設 の 特 性 に 応 じた 省 エネルギー 改 善 を 実 施 する エネルギー 消 費 量 の 高 い 施 設 につい ては ESCO 事 業 等 の 推 進 を 図 る (5) その 他 施 設 の 安 全 性 の 確 保 または 運 営 に 重 大 な 支 障 をきたす 恐 れのあるものの 保 全 を 当 面 の 応 急 措 置 として 実 施 する 5.アセットマネジメントの 進 め 方 アセットマネジメントを 円 滑 に 進 めるために 他 の 施 策 との 連 携 調 整 進 行 管 理 及 び 推 進 体 制 について 次 のようにとりまとめた (1) 各 施 設 のあり 方 検 討 との 連 携 現 在 公 の 施 設 のあり 方 検 討 学 校 における 小 規 模 校 対 策 区 役 所 改 革 の 一 環 としての 区 単 位 事 務 所 のあり 方 検 討 等 各 施 設 のあり 方 検 討 が 行 われている これらの 検 討 結 果 や 施 設 の 見 直 し 方 針 を 基 に 最 適 活 用 方 法 を 検 討 する また 将 来 的 な 維 持 更 新 経 費 に 関 する 課 題 を 提 起 することにより 各 施 設 のあり 方 の 検 討 を 促 していく (2) 進 行 管 理 1 長 期 将 来 経 費 予 測 とアセットマネジメント 実 施 計 画 ア 工 事 費 及 び 維 持 管 理 費 等 の 施 設 に 係 る 経 費 の 長 期 将 来 予 測 等 に 基 づき 施 設 整 備 に 係 るアセットマネジメント 実 施 計 画 を 作 成 する イ アセットマネジメント 実 施 計 画 は 次 期 基 本 計 画 と 整 合 を 図 りつつ 3 年 程 度 を 期 間 として 作 成 し 毎 年 進 行 管 理 を 行 う 2 施 設 整 備 チェックシステムの 導 入 ア 施 設 整 備 要 望 を 把 握 し 評 価 する 施 設 整 備 計 画 書 等 によるチェックシステムを 導 入 する イ 他 施 設 との 集 約 化 や 既 存 施 設 の 活 用 の 可 能 性 等 全 庁 的 な 見 地 から 施 設 整 備 の 効 率 性 や 妥 当 性 等 を 評 価 することによって 効 率 的 な 施 設 整 備 の 推 進 を 図 る 3 施 設 管 理 情 報 (データベースシステム)の 整 備 市 設 建 築 物 の 情 報 を 一 元 化 し 全 体 像 の 把 握 施 設 間 の 比 較 分 析 を 行 うため 施 設 の 基 本 的 な 情 報 と 維 持 管 理 情 報 についてデータベースを 構 築 する (3) アセットマネジメント 推 進 のための 体 制 各 施 設 のあり 方 検 討 との 連 携 アセットマネジメント 実 施 計 画 の 策 定 進 行 管 理 施 設 整 備 チェックシステムの 運 用 などは アセットマネジメント 推 進 組 織 及 び 関 係 局 によって 全 庁 的 に 取 り 組 む - 7 -

6.アセットマネジメントの 導 入 効 果 (1) 施 設 整 備 費 の 削 減 効 果 の 試 算 築 後 40 年 で 改 築 とした 場 合 の 将 来 の 施 設 整 備 費 億 円 1,600 1,400 建 物 寿 命 を40 年 とした 場 合 の 施 設 整 備 費 総 費 用 44,900 億 円 その 他 改 修 新 改 築 投 資 的 経 費 + 維 持 補 修 費 2008 年 度 予 算 1,200 1,000 800 600 400 200 0 2004 2009 2014 2019 2024 2029 2034 2039 2044 2049 2054 長 寿 命 化 した 場 合 の 将 来 の 施 設 整 備 費 億 円 1,600 1,400 長 寿 命 化 した 場 合 の 施 設 整 備 費 (80 年 ) 総 費 用 34,700 億 円 その 他 改 修 R 改 修 新 改 築 投 資 的 経 費 + 維 持 補 修 費 1,200 1,000 800 600 400 200 0 2004 2009 2014 2019 2024 2029 2034 2039 2044 2049 2054 当 面 は 応 急 保 全 を 重 点 的 に 行 いながら 施 設 の 集 約 化 などの 資 産 の 有 効 活 用 を 図 っていく 今 後 は 老 朽 化 した 施 設 がさらに 多 くなることから 施 設 整 備 費 が 増 加 することが 予 測 される ( 積 算 条 件 等 ) 共 通 事 項 試 算 の 対 象 : 既 存 施 設 を 対 象 として 試 算 し 改 築 等 に 伴 う 施 設 規 模 の 増 減 はないものとした 単 価 : 施 設 種 別 ごとに 過 去 の 実 績 より 設 定 した 経 常 修 繕 費 : 毎 年 の 経 常 修 繕 費 を 含 む 築 後 40 年 で 改 築 した 場 合 試 算 開 始 時 点 で 築 40 年 を 超 える 建 物 試 算 開 始 から 10 年 間 に 分 散 して 改 築 費 を 加 算 した - 長 寿 命 化 した 場 合 建 物 寿 命 とリニューアル 改 修 の 設 定 建 物 寿 命 を 80 年 とし 中 間 時 点 でリニューアル 改 修 を 実 施 する リニューアル 改 修 費 概 ね 改 築 費 の 60% 試 算 開 始 時 点 で 築 40 年 を 超 える 一 般 施 設 の 建 物 試 算 開 始 から 10 年 間 に 分 散 して 一 定 の 改 修 費 を 加 算 した - 8 -

施 設 の 長 寿 命 化 を 計 画 的 に 進 めることで ある 程 度 の 工 事 費 の 縮 減 や 平 準 化 は 可 能 である 今 後 長 寿 命 化 した 場 合 築 40 年 で 改 築 した 場 合 と 比 較 すると 約 50 年 間 で 約 1 兆 円 の 削 減 を 試 算 している しかしながら 現 状 の 施 設 整 備 費 とはなお 乖 離 があることから 当 面 は 応 急 保 全 を 重 点 的 に 行 いながら 施 設 の 長 寿 命 化 集 約 化 等 これまで 以 上 に 本 市 の 資 産 の 有 効 活 用 を 図 って いく 将 来 的 には 改 築 や 改 修 に 要 する 経 費 が 増 加 することが 予 想 されるが 長 寿 命 化 などの 取 り 組 みで 対 応 するには 限 界 があることから アセットマネジメントとともに 公 の 施 設 のあり 方 検 討 等 と 連 携 しつつ 全 庁 的 な 取 り 組 みによって 総 保 有 資 産 量 の 適 正 化 を 図 っていくこと が 必 要 となる (2) CO2 削 減 効 果 の 試 算 (リニューアル 改 修 による 効 果 の 試 算 ) 区 役 所 ( 大 規 模 施 設 )と 区 役 所 支 所 ( 小 規 模 施 設 )で 改 築 した 場 合 とリニューアル 改 修 した 場 合 の 工 事 時 における CO2 発 生 量 を 試 算 した 両 施 設 とも 改 築 よりもリニューアル 改 修 の 方 が 大 幅 に CO2 発 生 量 を 抑 制 することが 期 待 でき 大 規 模 な 施 設 ほど 効 果 が 高 いことが 計 算 された リニューアル 改 修 は 設 備 機 器 の 更 新 を 基 本 とするので 施 設 の 生 涯 における CO2 発 生 量 の 改 築 との 差 は 工 事 時 のものとなる 改 築 時 とリニューアル 改 修 工 事 時 のCO2 発 生 量 比 較 CO2 発 生 量 発 生 量 比 較 区 分 改 築 の 場 合 ( 新 築 + 除 却 ) リニューアル 改 修 の 場 合 R 改 修 / 改 築 改 築 -R 改 修 (t-co2) 区 役 所 1,080kg-CO2/m2 360kg-CO2/m2 (10,000 m2) 10,800t-CO2 3,600t-CO2 区 支 所 775kg-CO2/m2 415kg-CO2/m2 (1,500 m2) 1,150t-CO2 610t-CO2 約 1/3 7,200t-CO2 約 1/2 540t-CO2 参 考 市 域 からのCO2 排 出 量 平 成 17 年 度 約 1,650 万 t-co2 / 年 - 9 -

Ⅲ 公 共 土 木 施 設 編 本 編 は 先 の 基 本 理 念 に 基 づく 具 体 策 を 公 共 土 木 施 設 を 対 象 にとりまとめる 公 共 土 木 施 設 とは 本 市 の 管 理 する 道 路 河 川 水 路 公 園 の 本 体 構 造 物 及 びそれらを 構 成 す る 建 築 物 を 除 く 全 ての 施 設 をいう 1.アセットマネジメント 導 入 の 背 景 (1) 公 共 土 木 施 設 の 現 状 1 総 資 産 保 有 量 とその 内 訳 公 共 土 木 施 設 は 生 活 および 産 業 の 基 盤 となる 施 設 であり 市 民 生 活 や 地 域 の 経 済 活 動 を 支 えてきた 今 後 も 市 民 ニーズの 多 様 化 への 対 応 やサービス 向 上 のため 施 設 建 設 の 需 要 が 見 込 まれており 将 来 にわたって 保 有 する 資 産 が 増 加 していくことが 推 測 できる 本 市 の 公 共 土 木 施 設 の 主 な 資 産 保 有 量 は 橋 りょう 約 900 橋 道 路 面 積 約 52 km 2 水 路 約 1,500 km 公 園 約 1,400 箇 所 となっている( 平 成 20 年 4 月 現 在 )( 表 -1 参 照 ) 2 老 朽 化 が 進 む 公 共 土 木 施 設 本 市 の 公 共 土 木 施 設 の 多 くは 昭 和 40 年 代 以 降 の 高 度 経 済 成 長 期 に 集 中 して 整 備 され たものが 多 く 老 朽 化 が 進 んでいる 橋 りょうの 例 でみると 建 設 年 度 は 昭 和 40 年 代 以 降 急 激 に 整 備 されており 耐 用 年 数 を 60 年 程 度 と 想 定 した 場 合 20 年 後 には 約 3 割 40 年 後 には 約 7 割 が 更 新 時 期 を 迎 えることとなる( 図 -1 図 -2 参 照 ) 表 -1 主 な 公 共 土 木 施 設 資 産 の 保 有 状 況 ( 平 成 20 年 4 月 1 日 現 在 ) 道 路 施 設 橋 りょう 重 要 橋 りょう 数 総 数 437 橋 889 橋 道 路 道 路 実 延 長 道 路 面 積 6,228km 51.7 km 2 道 路 付 属 物 河 川 施 設 街 路 灯 街 路 樹 ( 高 木 ) 95,045 基 105,230 本 水 路 1,467km 河 川 一 二 級 河 川 準 用 河 川 71km ポンプ 施 設 48 施 設 公 園 施 設 公 園 公 園 箇 所 数 公 園 面 積 1,372 箇 所 1,220ha 遊 具 10,604 基 農 業 公 園 公 園 箇 所 数 公 園 面 積 3 箇 所 24ha - 10 -

これまで 更 新 需 要 が 少 なかった 公 共 土 木 施 設 においては 今 後 は 大 きな 更 新 のピークが 集 中 して 到 来 することが 推 測 されている このため 厳 しい 財 政 状 況 下 において 従 来 の 耐 用 年 数 で 施 設 を 更 新 していく 維 持 管 理 手 法 では 必 要 となる 膨 大 な 工 事 費 を 確 保 するこ とは 困 難 であるとともに 将 来 世 代 に 過 大 な 負 担 を 残 すことになる 3 厳 しい 財 政 状 況 における 維 持 管 理 近 年 の 経 済 停 滞 に 伴 い 本 市 も 厳 しい 財 政 状 況 下 におかれている とくに 公 共 事 業 への 予 算 は 年 々 減 少 している また 少 子 高 齢 化 の 進 行 に 伴 い 労 働 人 口 の 減 少 も 予 想 されているなど 今 後 も 厳 しい 財 政 状 況 が 続 くことが 推 測 されている 80 500 建 設 数 ( 橋 ) 70 60 50 40 30 20 10 系 建 設 列 数 2 ストック 系 列 1 数 400 300 200 100 ス トッ ク 数 橋 ) ( 0 1912 1912 1918 1918 1923 1923 1928 1928 1933 1933 1938 1938 1943 1943 1948 1948 1953 1953 1958 1958 1963 1963 1968 1968 1973 1973 1978 1978 1983 1983 1988 1988 1993 1993 1998 1998 2003 2003 2008 0 建 設 年 度 (5か 年 毎 ) 図 -1 重 要 橋 りょうの 建 設 数 とストック 数 の 推 移 51 年 ~ 10% 0~10 年 10% 41~50 年 18% 11~20 年 16% 31~40 年 25% 21~30 年 21% ( 注 ) 重 要 橋 りょう 橋 長 15m 以 上 の 橋 りょう( 人 道 橋 含 む) 跨 線 橋 跨 道 橋 橋 長 15m 未 満 の 緊 急 輸 送 道 路 上 にある 橋 りょう 図 -2 重 要 橋 りょうの 建 設 後 経 過 年 数 別 の 割 合 - 11 -

(2) 公 共 土 木 施 設 をとりまく 環 境 1 災 害 に 強 いまちへの 対 応 昨 今 の 異 常 気 象 により 短 時 間 に 極 端 な 雨 が 降 る ゲリラ 豪 雨 や 近 い 将 来 発 生 が 予 測 されている 東 海 東 南 海 地 震 への 対 応 など 災 害 に 強 いまちへの 対 応 が 市 民 から 求 め られている 公 共 土 木 施 設 においては 雨 水 流 出 抑 制 や 耐 震 工 事 などの 対 策 を 行 ってきた が 安 全 な 都 市 基 盤 を 目 指 して 今 後 も 整 備 を 進 めていく 必 要 がある 2 環 境 首 都 なごやへの 対 応 本 市 は 持 続 可 能 な 社 会 の 形 成 に 向 け 環 境 首 都 なごや の 実 現 を 目 指 し 環 境 に 配 慮 し た 公 共 工 事 の 推 進 省 エネ 省 資 源 に 取 り 組 んでおり 今 後 も 継 続 して 取 り 組 んでい かなければならない さらに CO2 をはじめとする 温 室 効 果 ガスの 削 減 に 向 けた 取 組 みが 必 要 となっている 3 少 子 高 齢 化 社 会 への 対 応 少 子 高 齢 化 社 会 を 迎 える 中 で 市 民 の 誰 もが 安 心 安 全 に 施 設 を 利 用 できるよう 公 共 土 木 施 設 についてもバリアフリー 化 など 高 齢 化 社 会 にも 対 応 できる 整 備 を 行 っていく 必 要 がある 4 市 民 への 説 明 責 任 本 市 では これまでの 公 共 施 設 整 備 により 一 定 水 準 のサービスを 市 民 へ 提 供 している 今 後 は 市 民 生 活 の 多 様 化 による 公 共 施 設 への 新 たなニーズへの 対 応 や 提 供 したサービ スに 要 した 投 資 額 などについて わかりやすい 説 明 を 市 民 へ 行 っていく 必 要 がある 2.アセットマネジメントの 導 入 (1) アセットマネジメントの 導 入 公 共 土 木 施 設 においては 前 章 に 挙 げた 背 景 を 踏 まえ 今 後 の 維 持 管 理 のあり 方 として アセットマネジメントを 導 入 することで 維 持 管 理 費 の 平 準 化 および 抑 制 を 図 りながら 社 会 ニーズに 対 応 した 都 市 環 境 を 創 出 する (2) 対 象 施 設 本 市 の 管 理 する 道 路 河 川 水 路 公 園 の 本 体 構 造 物 及 びそれらを 構 成 する 全 ての 施 設 とする ただし 建 築 物 及 びその 付 属 施 設 については 市 設 建 築 物 に 含 まれるものとする - 12 -

3.アセットマネジメントの 取 り 組 み (1) 計 画 的 効 率 的 な 維 持 管 理 1 中 長 期 を 見 据 えた 計 画 的 効 率 的 な 維 持 管 理 へ 転 換 する 2 施 設 の 特 性 に 応 じた 維 持 管 理 区 分 ( 表 -2)を 設 定 し 効 率 的 な 維 持 管 理 を 実 践 する 3 施 設 点 検 やデータ 整 備 による 施 設 情 報 を 一 元 化 管 理 活 用 するシステムを 構 築 する 4 施 設 の 維 持 管 理 経 費 の 見 直 しを 行 い 経 費 の 削 減 に 努 める (2) 公 共 土 木 施 設 の 長 寿 命 化 1 公 共 土 木 施 設 のうち 橋 りょうなどの 大 型 構 造 物 や 劣 化 の 度 合 が 把 握 しやすい 施 設 は 予 防 保 全 を 行 うことで 長 寿 命 化 を 図 る 2 長 寿 命 化 のための 新 技 術 を 導 入 する 環 境 の 整 備 を 進 める (3) 保 有 資 産 の 適 正 な 活 用 1 施 設 運 営 に 必 要 なコストを 把 握 するとともに 保 有 資 産 の 評 価 を 行 い 将 来 必 要 となる 投 資 額 を 明 確 化 することで 資 産 保 有 量 の 適 正 化 を 図 る 2 保 有 資 産 の 一 層 の 有 効 活 用 のため 未 利 用 土 地 等 の 貸 付 売 却 を 効 率 的 に 推 進 する 3 ネーミングライツの 導 入 や 広 告 収 入 の 確 保 により 維 持 管 理 費 の 新 たな 財 源 確 保 に 努 め る (4) 市 民 との 協 働 1 市 民 との 協 働 による 施 設 整 備 運 営 管 理 の 幅 をより 一 層 広 げていくとともに 市 民 と 行 政 の 相 互 理 解 や 共 通 認 識 の 形 成 など 協 働 の 推 進 に 向 けた 環 境 整 備 を 行 う 2 公 共 事 業 の 有 効 性 を 始 め 施 設 の 維 持 管 理 の 成 果 や 利 活 用 状 況 に 関 する 情 報 を 市 民 へ 提 供 する - 13 -

表 -2 維 持 管 理 区 分 区 分 維 持 管 理 手 法 区 分 される 施 設 の 条 件 A. 予 防 維 持 管 理 ( 予 防 保 全 を 基 にし た 維 持 管 理 ) モニタリングや 点 検 を 定 期 的 に 行 う 計 画 的 に 劣 化 が 顕 在 化 する 前 に 補 修 補 強 を 行 う 1 劣 化 が 顕 在 化 した 後 では 対 策 が 困 難 なもの 2 劣 化 が 外 へ 表 れては 困 るも の 3 設 計 耐 用 期 間 が 長 いもの B. 点 検 維 持 管 理 ( 計 画 的 な 点 検 を 基 にした 維 持 管 理 ) C. 観 察 維 持 管 理 ( 目 視 観 察 を 主 体 と した 維 持 管 理 ) 点 検 を 定 期 的 に 行 う 劣 化 損 傷 の 顕 在 化 後 に 補 修 補 強 を 行 う 巡 回 パトロール( 日 常 点 検 ) 等 により 目 視 観 察 を 行 う 劣 化 損 傷 の 顕 在 化 後 の 補 修 補 強 は 行 わ 1 劣 化 が 外 に 表 れてからでも 速 やかに 対 策 がとれるもの 2 劣 化 が 外 へ 表 れても 影 響 が 少 ないもの 1 使 用 できるだけ 使 用 すれば よいもの ず 必 要 時 には 取 替 え 更 新 で 対 応 する 2 劣 化 が 外 に 表 れても 影 響 が 無 いもの 区 分 対 策 実 施 時 期 と 管 理 水 準 のイメージ A. 予 防 維 持 管 理 ( 予 防 保 全 を 基 にした 維 持 管 理 ) ライフサイクルコスト 最 小 化 を めざし 長 寿 命 化 を 図 る 施 設 機 能 の 低 下 を 極 力 防 ぐ 施 設 状 態 更 新 経 年 B. 点 検 維 持 管 理 ( 計 画 的 な 点 検 を 基 にした 維 持 管 理 ) 機 能 低 下 は 許 容 される 水 準 の 範 囲 内 A の 手 法 が 事 実 上 困 難 な 場 合 ( 現 体 制 上 等 ) あるいは A に 比 べコスト 的 に 問 題 がないと 想 定 される 場 合 施 設 状 態 更 新 更 新 C. 観 察 維 持 管 理 ( 目 視 観 察 を 主 体 とした 維 持 管 理 ) 長 寿 命 化 は 考 慮 しない 施 設 機 能 を 失 うまで あるいは 機 能 の 管 理 限 界 まで 施 設 を 使 い 続 ける 現 実 的 に 当 対 策 しかとれない 場 合 あるいは 当 対 策 が 他 に 比 べ コスト 的 に 問 題 がないと 想 定 さ れる 場 合 施 設 状 態 更 新 更 新 更 新 経 年 更 新 経 年 - 14 -

4.アセットマネジメントの 進 め 方 (1) 個 別 施 設 維 持 管 理 計 画 の 策 定 個 別 施 設 毎 に その 施 設 の 特 性 に 応 じた 維 持 管 理 計 画 を 策 定 する 維 持 管 理 計 画 では 各 施 設 の 基 本 情 報 や 劣 化 状 態 を 把 握 してデータ 整 備 を 行 うとともに 中 長 期 視 点 に 立 ち 安 全 性 経 済 性 などの 視 点 から 施 設 の 維 持 管 理 目 標 を 設 定 する また 効 率 的 な 予 算 執 行 と 適 正 な 維 持 管 理 を 行 うため 施 設 の 優 先 度 に 応 じた 管 理 水 準 の 設 定 お よび 維 持 補 修 における 優 先 度 の 評 価 方 法 を 設 定 する (2) 公 共 土 木 施 設 全 体 での 最 適 維 持 管 理 計 画 の 策 定 公 共 土 木 施 設 全 体 の 計 画 として 個 別 施 設 維 持 管 理 計 画 を 集 約 し 最 適 維 持 管 理 計 画 を 策 定 する 施 設 全 体 を 把 握 し 厳 しい 財 政 状 況 の 中 で 維 持 管 理 費 の 平 準 化 を 図 るため 個 別 施 設 間 の 維 持 補 修 の 優 先 度 の 評 価 方 法 を 設 定 する 施 設 全 体 から 個 別 施 設 間 の 調 整 を 行 って 必 要 に 応 じ 管 理 水 準 の 見 直 しを 行 う (3) 進 行 管 理 1 個 別 施 設 維 持 管 理 計 画 の 策 定 については 導 入 効 果 の 高 い 施 設 や 市 民 生 活 への 影 響 の 高 い 施 設 から 順 次 着 手 する 当 初 の 取 り 組 みは 橋 りょう 車 道 舗 装 街 路 灯 ポンプ 施 設 流 域 排 水 施 設 河 川 護 岸 遊 具 街 路 樹 とする 2 最 適 維 持 管 理 計 画 および 個 別 施 設 維 持 管 理 計 画 を 基 に 次 期 基 本 計 画 やその 実 施 計 画 と 整 合 を 図 りつつ 計 画 的 に 進 行 管 理 を 行 う 3 財 政 状 況 及 び 社 会 情 勢 等 の 変 化 等 を 的 確 に 把 握 し 中 長 期 予 測 によって 維 持 補 修 の 優 先 度 の 判 定 を 行 う 4 維 持 管 理 更 新 の 実 施 状 況 について 事 後 評 価 を 行 う 5 優 先 度 判 定 や 事 後 評 価 の 結 果 に 基 づき 必 要 に 応 じて 維 持 管 理 計 画 の 修 正 を 行 う (4) 推 進 体 制 最 適 維 持 管 理 計 画 や 個 別 施 設 維 持 管 理 計 画 の 策 定 および 策 定 後 の 進 行 管 理 は 検 討 体 制 を 整 えて 実 施 する (5)スケジュール 平 成 17 年 度 18 年 度 19 年 度 20 年 度 21 年 度 22 年 度 以 降 市 局 検 討 開 始 アセットマネジメント 推 進 検 討 委 員 会 データ 整 備 基 本 方 針 個 別 施 設 維 持 管 理 計 画 ( 案 ) 最 適 維 持 管 理 計 画 の 策 定 及 び 実 施 - 15 -

( 参 考 ) 導 入 効 果 の 試 算 アセットマネジメントの 導 入 によって 公 共 土 木 施 設 の 長 寿 命 化 を 計 画 的 に 行 うことにより 維 持 管 理 費 の 平 準 化 や 抑 制 が 可 能 となる 今 後 の 50 年 間 について 従 来 の 耐 用 年 数 で 施 設 を 更 新 する 維 持 管 理 手 法 を 続 けた 場 合 に 必 要 な 費 用 と 施 設 を 最 適 時 期 に 補 修 し 長 寿 命 化 することでライフサイクルコスト 最 小 化 を 図 った 場 合 の 費 用 とを 比 較 し コスト 抑 制 効 果 を 試 算 したところ 最 大 で 約 3,100 億 円 との 結 果 が 得 ら れた 公 共 土 木 施 設 のコスト 抑 制 効 果 試 算 結 果 維 持 管 理 手 法 50 年 間 での 必 要 額 耐 用 年 数 で 施 設 を 更 新 する 維 持 管 理 の 場 合 (A) 約 1 兆 9,600 億 円 施 設 の 長 寿 命 化 を 行 う 場 合 (B) 約 1 兆 6,500 億 円 コスト 抑 制 効 果 (A)-(B) 約 3,100 億 円 コスト 抑 制 効 果 の 施 設 別 内 訳 ( 億 円 ) 施 設 名 抑 制 額 橋 りょう 約 1,500 車 道 舗 装 約 900 街 路 灯 約 230 ポンプ 施 設 約 140 流 域 排 水 施 設 約 330-16 -

用 語 の 定 義 アセットマネジメント 建 築 物 道 路 橋 梁 などの 公 共 施 設 を 資 産 (アセット)としてとらえ 財 政 的 制 約 のもとで 安 全 性 利 便 性 快 適 性 等 を 確 保 し 資 産 全 体 の 効 用 を 最 大 化 するための 総 合 的 かつ 戦 略 的 なマネジメント 手 法 のこと ストック 保 有 している 資 産 のこと バリアフリー 体 の 不 自 由 な 人 でも 支 障 なく 活 動 できるような 生 活 環 境 ユニバーサルデザイン データベース リニューアル 改 修 ESCO 事 業 障 害 者 や 高 齢 者 等 も 含 め 誰 もが 使 いやすいように デザインすること コンピューターを 使 って 情 報 や 資 料 を 収 集 分 類 整 理 されたデータの 集 合 建 物 の 構 造 体 は 残 し 機 能 アップを 図 りながら 内 外 装 や 設 備 機 器 の 更 新 改 修 を 行 うもので 改 築 の 代 替 となるもの 施 設 の 省 エネルギーに 関 する 包 括 的 なサービスを 提 供 し それまでの 環 境 を 損 なうことなく 省 エネルギーを 実 施 し 検 証 するもの ESCO 事 業 の ための 経 費 は 省 エネルギーメリットの 一 部 で 賄 う 事 業 改 築 従 前 の 建 築 物 を 取 壊 し 同 じ 用 途 の 建 築 物 を 建 築 すること ( 市 設 建 築 物 ) 新 築 新 規 事 業 に 伴 い 新 たに 建 築 物 を 建 築 すること ( 市 設 建 築 物 ) 集 約 化 福 祉 都 市 環 境 整 備 指 針 ユニバーサルデザイン 整 備 基 準 更 新 ライフサイクルコスト (LCC) 複 数 の 施 設 を 特 定 の 敷 地 または 建 物 に 集 めること 人 にやさしいまち 名 古 屋 を 実 現 するため 福 祉 的 観 点 からのまちづく りの 基 本 理 念 や 福 祉 のまちづくりを 推 進 していくための 具 体 的 な 方 策 及 び 公 共 的 建 築 物 道 路 公 園 公 共 交 通 機 関 等 の 都 市 施 設 を 整 備 する 上 での 標 準 的 な 技 術 的 基 準 について 明 らかにしたもの 市 設 建 築 物 に 対 する 福 祉 都 市 環 境 整 備 指 針 に 基 づいたユニバーサルデザイ ンに 関 する 技 術 的 基 準 既 存 施 設 の 老 朽 化 に 伴 い 従 前 の 施 設 を 取 り 壊 し 新 しい 施 設 を 建 設 整 備 すること ( 公 共 土 木 施 設 ) 構 造 物 にかかる 初 期 投 資 から 運 用 維 持 管 理 に 至 る 総 費 用 LCC= 設 計 コスト+ 建 設 コスト+ 維 持 管 理 コスト - 17 -