名 古 屋 市 アセットマネジメント 基 本 方 針 平 成 21 年 3 月 名 古 屋 市
目 次 Ⅰ 基 本 理 念 1. 経 緯 1 2. 基 本 理 念 1 Ⅱ 市 設 建 築 物 編 1.アセットマネジメント 導 入 の 背 景 2 2. 対 象 施 設 3 3.アセットマネジメントを 進 める 基 本 的 な 視 点 4 (1) 成 熟 社 会 における 公 共 施 設 の 整 備 保 全 のあり 方 (2) 社 会 的 要 請 等 への 対 応 (3)まちづくりとの 連 携 等 4.アセットマネジメントの 取 り 組 み 6 (1) 市 設 建 築 物 の 長 寿 命 化 (2) 市 設 建 築 物 の 集 約 化 等 による 再 編 整 備 (3) 保 有 資 産 の 適 正 な 活 用 (4) 維 持 管 理 の 効 率 化 (5)その 他 5.アセットマネジメントの 進 め 方 7 (1) 各 施 設 のあり 方 検 討 との 連 携 (2) 進 行 管 理 (3)アセットマネジメント 推 進 のための 体 制 6.アセットマネジメント 導 入 効 果 8 (1) 施 設 整 備 費 の 削 減 効 果 の 試 算 (2)CO2 削 減 効 果 の 試 算 Ⅲ 公 共 土 木 施 設 編 1.アセットマネジメント 導 入 の 背 景 10 (1) 公 共 土 木 施 設 の 現 状 (2) 公 共 土 木 施 設 をとりまく 環 境 2.アセットマネジメントの 導 入 12 (1)アセットマネジメントの 導 入 (2) 対 象 施 設 3.アセットマネジメントの 取 り 組 み 13 (1) 計 画 的 効 率 的 な 維 持 管 理 (2) 公 共 土 木 施 設 の 長 寿 命 化 (3) 保 有 資 産 の 適 正 な 活 用 (4) 市 民 との 協 働
4.アセットマネジメントの 進 め 方 15 (1) 個 別 施 設 維 持 管 理 計 画 の 策 定 (2) 公 共 土 木 施 設 全 体 での 最 適 維 持 管 理 計 画 の 策 定 (3) 進 行 管 理 (4) 推 進 体 制 (5)スケジュール ( 参 考 ) 導 入 効 果 の 試 算 16 用 語 の 定 義 17
Ⅰ 基 本 理 念 1. 経 緯 本 市 の 所 有 する 建 築 物 道 路 橋 梁 などの 公 共 施 設 は その 多 くが 昭 和 40 年 代 から 50 年 代 にかけて 集 中 的 に 建 設 されたために 老 朽 化 が 進 み 今 後 一 斉 に 更 新 時 期 を 迎 えることか ら 大 きな 財 政 負 担 が 予 想 される このため 施 設 の 有 効 活 用 効 率 的 な 維 持 管 理 更 新 需 要 の 平 準 化 などに 取 り 組 んで 財 政 負 担 の 軽 減 を 図 ることが 必 要 となっている 環 境 問 題 に 対 する 意 識 の 高 まりから 本 市 では 環 境 首 都 なごや の 実 現 に 向 けて 温 室 効 果 ガスの 大 幅 な 削 減 目 標 を 設 定 するなど 先 駆 的 な 取 組 みを 行 っている また 東 海 豪 雨 な どの 自 然 災 害 アスベスト 問 題 エレベーター 事 故 への 対 応 など 市 民 の 安 心 安 全 に 対 す る 要 望 が 強 くなっている さらに 少 子 高 齢 化 の 進 行 や 市 民 ニーズが 変 化 していることから 実 態 に 応 じた 対 応 が 必 要 となっている これらの 状 況 に 対 応 するためには 現 下 の 厳 しい 財 政 状 況 を 踏 まえ 本 市 の 所 有 する 各 公 共 施 設 を 全 市 的 立 場 から 計 画 的 に 維 持 管 理 を 行 って 最 適 な 維 持 更 新 を 図 るとともに その 更 新 需 要 に 的 確 に 対 応 するため 施 設 の 維 持 更 新 経 費 の 平 準 化 と 抑 制 を 図 る 必 要 がある 公 共 施 設 の 効 率 的 かつ 計 画 的 な 維 持 管 理 については これまでも 第 3 次 行 財 政 改 革 計 画 や 新 財 政 健 全 化 計 画 の 中 で アセットマネジメントシステムの 導 入 の 必 要 性 が 唱 えられてきたところ である アセットマネジメントシステムの 導 入 にあたっては 施 設 の 有 効 活 用 効 率 的 な 維 持 管 理 など 総 合 的 に 検 討 する 必 要 があることから 全 市 的 に 総 合 調 整 を 行 うため 名 古 屋 市 アセッ トマネジメント 推 進 検 討 委 員 会 を 設 置 して 審 議 を 行 い 次 の 基 本 理 念 に 基 づいてアセット マネジメントを 進 めることとした また アセットマネジメントを 全 市 的 に 推 進 するための 基 本 的 な 事 項 を 基 本 方 針 として 取 りまとめることとした 2. 基 本 理 念 保 有 資 産 を 有 効 活 用 し 公 共 施 設 の 維 持 管 理 を 効 率 的 に 行 うとともに コストの 平 準 化 抑 制 を 図 る 公 共 施 設 の 計 画 的 な 維 持 管 理 によって 市 民 へ 安 心 安 全 はじめ 適 切 なサービスを 提 供 する 保 有 資 産 の 有 効 活 用 にあたっては 環 境 首 都 なごや 及 び 災 害 に 強 いまち を 目 指 すとともに 少 子 高 齢 化 社 会 などへの 対 応 の 観 点 から 今 後 のまちづくりと 一 体 的 に 取 り 組 む ( 維 持 管 理 には 更 新 を 含 む) - 1 -
Ⅱ 市 設 建 築 物 編 本 編 は 先 の 基 本 理 念 に 基 づいて 市 営 住 宅 学 校 市 民 利 用 施 設 などの 建 築 物 及 びその 敷 地 並 びに 保 有 する 土 地 を 対 象 ( 公 営 企 業 を 除 く)にアセットマネジメントを 全 市 的 に 推 進 するための 基 本 的 な 事 項 をとりまとめる 1.アセットマネジメント 導 入 の 背 景 ⑴ 総 資 産 保 有 量 とその 内 訳 市 設 建 築 物 の 総 資 産 保 有 量 は 延 べ 床 面 積 で 平 成 19 年 度 末 現 在 約 974 万 m2で 市 営 住 宅 が 47.8% 学 校 が 25.4% その 他 の 一 般 施 設 が 26.8%となっている ( 表 1 参 照 ) ⑵ 老 朽 化 が 進 む 市 設 建 築 物 建 設 年 度 をみると 1965 年 ( 昭 和 40 年 )から 2000 年 ( 平 成 12 年 ) 頃 にかけて 大 量 の 施 設 が 建 設 されている 建 築 経 過 年 数 では 40 年 を 超 えたものが 10.2% 31~40 年 経 過 したものが 25.6% 21~30 年 経 過 したものが 31.3%となっており 老 朽 化 が 進 展 している (グラフ1 参 照 ) 従 来 は 概 ね 築 後 40 年 までに 改 築 により 施 設 を 更 新 してきた 今 後 も 従 来 どおりのサイ クルで 改 築 していくとすれば 膨 大 な 工 事 費 が 見 込 まれ 現 下 の 厳 しい 財 政 状 況 を 考 慮 すると このような 財 政 負 担 は 困 難 である ⑶ 社 会 的 要 請 等 名 古 屋 市 は 持 続 可 能 な 社 会 の 形 成 に 向 け 環 境 首 都 なごや の 実 現 を 目 指 し 本 市 業 務 に よる 環 境 負 荷 の 低 減 を 図 るため 環 境 に 配 慮 した 公 共 工 事 の 推 進 省 エネ 省 資 源 に 取 り 組 んでいる 一 方 わが 国 の 建 築 関 係 における CO2 排 出 量 の 占 める 割 合 は 全 排 出 量 の3 割 強 と 言 われて おり 今 後 大 量 に 建 設 された 施 設 の 更 新 に 伴 う 除 却 建 設 行 為 への CO2 や 廃 棄 物 の 排 出 量 対 策 は 重 要 である また 施 設 の 維 持 管 理 に 係 るエネルギー 消 費 量 の 削 減 についても CO2 抑 制 の 観 点 から 一 層 の 取 り 組 みが 求 められている さらに 少 子 高 齢 化 社 会 への 対 応 となるユニバーサルデザインなど 誰 もが 使 いやすい 施 設 の 整 備 や 地 震 や 豪 雨 などの 災 害 に 備 えた 整 備 が 求 められている - 2 -
表 1 資 産 の 保 有 状 況 分 類 延 床 面 積 (m2) 施 設 数 一 般 施 設 2,608,264 26.8% 917 56.3% 学 校 2,477,589 25.4% 416 25.5% 市 営 住 宅 4,650,225 47.8% 297 18.2% 計 9,736,078 1,630 延 床 面 積 の 割 合 市 営 住 宅 47.8% 一 般 施 設 26.8% 学 校 25.4% グラフ1 建 設 年 度 別 の 床 面 積 50 45 40 35 床 面 積 万 m2 30 25 20 15 建 設 年 度 別 既 存 ストック( 床 面 積 ) 建 設 年 度 別 の 割 合 F 1.1% D 25.6% E 9.1% A 11.3% B 21.7% 10 5 C 31.3% 0 1950 1957 1962 1967 1972 1977 1982 1987 1992 1997 2002 2007 築 30 年 以 上 F 50 年 以 上 E 40 年 以 上 50 年 未 満 D 30 年 以 上 40 年 未 満 C 20 年 以 上 30 年 未 満 B 10 年 以 上 20 年 未 満 A 10 年 未 満 以 前 建 設 年 度 ( 備 考 ) 表 1 グラフ 1 共 通 平 成 19 年 度 末 データによる 企 業 局 は 除 く 倉 庫 車 庫 等 の 小 規 模 な 建 築 物 は 除 く 2. 対 象 施 設 本 市 の 所 有 する 市 営 住 宅 学 校 市 民 利 用 施 設 庁 舎 等 の 建 築 物 及 び 建 物 用 地 並 びに 保 有 する 土 地 を 対 象 とする ただし 企 業 局 は 基 本 方 針 の 対 象 外 とするが 企 業 局 の 施 設 のうち 相 互 に 関 連 する 資 産 については 連 携 をとりその 有 効 活 用 を 進 める - 3 -
3.アセットマネジメントを 進 める 基 本 的 な 視 点 アセットマネジメントの 推 進 にあたっては 時 代 の 大 きな 変 化 に 対 応 していくこと が 必 要 であり 次 の 3 つの 視 点 について 重 点 的 に 取 り 組 んでいくものとする (1) 成 熟 社 会 における 公 共 施 設 の 整 備 保 全 のあり 方 1 既 存 ストックの 有 効 活 用 社 会 が 高 度 成 長 期 から 成 熟 期 へ 移 行 しつつあるなかで 限 られた 財 源 で 施 設 を 整 備 する ためには 施 設 の 集 約 化 再 配 置 長 寿 命 化 など 既 存 ストックの 有 効 活 用 を 図 ることによ り 最 少 の 費 用 で 最 大 の 効 果 を 発 揮 させることが 必 要 である 2 民 間 活 力 の 活 用 行 政 効 率 の 向 上 や 柔 軟 な 財 政 運 営 を 可 能 にするため 民 間 資 金 技 術 等 の 活 用 も 視 野 に 入 れた 整 備 手 法 の 検 討 が 必 要 である (2) 社 会 的 要 請 等 への 対 応 1 環 境 首 都 なごやへの 対 応 名 古 屋 市 は 持 続 可 能 な 社 会 の 形 成 に 向 け 環 境 首 都 なごや の 実 現 を 目 指 している CO2 をはじめとする 温 室 効 果 ガスについては 市 内 の 排 出 総 量 を 平 成 22 年 までに10% 削 減 ( 平 成 2 年 比 較 )することを 目 標 としつつ さらには 2050 年 に 向 け 低 炭 素 でも 快 適 な 都 市 ( 化 石 燃 料 1/5)への 挑 戦 を 掲 げ 先 駆 的 な 取 組 みにチャレンジしている 施 設 の 整 備 においても 建 築 物 の 長 寿 命 化 による 建 設 廃 棄 物 の 削 減 省 エネ 化 や 緑 地 化 の 推 進 によるCO2 排 出 削 減 など 環 境 首 都 なごやの 実 現 に 向 けた 取 り 組 みが 必 要 となって いる またマイカー 利 用 の 抑 制 の 観 点 から 公 共 交 通 機 関 の 利 便 性 を 考 慮 した 施 設 の 再 配 置 に ついて 検 討 する 必 要 がある 2 少 子 高 齢 化 社 会 への 対 応 名 古 屋 市 は 市 民 の 誰 もが 自 由 に 使 いやすい 公 共 建 築 物 を 実 現 するため 建 築 物 の 新 改 築 時 には 福 祉 都 市 環 境 整 備 指 針 や ユニバーサルデザイン 整 備 基 準 に 基 づきバ リアフリーや 多 機 能 トイレの 設 置 などを 実 施 しているが 今 後 は 改 修 時 においてもこれ らの 整 備 基 準 を 適 用 することが 求 められている また 市 民 ニーズの 変 化 や 制 度 変 更 に 対 応 するために 既 存 施 設 の 転 用 など 資 産 の 活 用 を 積 極 的 に 進 めることが 必 要 である 3 災 害 に 強 いまちへの 対 応 名 古 屋 市 は 地 震 や 豪 雨 などの 災 害 に 備 えた 安 全 な 都 市 基 盤 の 整 備 を 推 進 している 今 後 も 災 害 に 強 いまちの 構 築 のため 耐 震 化 や 雨 水 流 出 抑 制 などを 着 実 に 実 施 していく 必 要 がある - 4 -
(3) まちづくりとの 連 携 等 1 駅 を 中 心 にしたまちづくり 等 との 連 携 駅 を 中 心 にしたまちづくり 等 と 連 携 し 行 政 サービス 窓 口 等 の 再 配 置 集 約 化 などを 進 める 必 要 がある 2 歴 史 的 建 築 物 の 保 存 重 要 文 化 財 である 歴 史 的 建 築 物 市 本 庁 舎 や 公 会 堂 等 をはじめ 本 市 を 代 表 する 建 築 物 に ついては 積 極 的 に 保 存 を 図 ってゆかなければならない 3 広 域 連 携 による 施 設 の 有 効 活 用 市 設 建 築 物 に 留 まらず 県 有 施 設 国 有 施 設 を 含 めた 公 共 ストックの 有 効 活 用 について 検 討 する 必 要 がある また 近 隣 自 治 体 との 施 設 運 営 整 備 の 連 携 についても 考 慮 する 必 要 がある - 5 -
4.アセットマネジメントの 取 り 組 み 先 の 基 本 的 な 視 点 で 掲 げた 3 つの 重 要 な 視 点 を 踏 まえつつ アセットマネジメントで 取 り 組 む 具 体 的 な 手 法 を 次 のようにとりまとめた (1) 市 設 建 築 物 の 長 寿 命 化 1 新 築 または 改 築 にあたっては 原 則 として 建 物 寿 命 を 80 年 以 上 とする 2 既 設 建 築 物 についても 長 寿 命 化 を 実 施 する ア 長 寿 命 化 は 建 物 の 目 標 寿 命 を 80 年 としたリニューアル 改 修 を 基 本 とする イ 施 設 の 劣 化 機 能 不 足 等 陳 腐 化 が 激 しい 場 合 または 施 設 の 存 続 期 間 によっては 長 寿 命 化 に 拠 らないことができる この 場 合 残 存 期 間 に 応 じた 改 修 を 実 施 する 3 歴 史 的 建 造 物 本 市 を 代 表 する 施 設 等 は 保 存 を 行 うために 100 年 以 上 の 超 長 寿 命 化 を 実 施 する 4 新 築 改 築 及 びリニューアル 改 修 時 には 施 設 ごとの 長 期 保 全 計 画 を 作 成 し 計 画 的 な 保 全 を 実 施 する (2) 市 設 建 築 物 の 集 約 化 等 による 再 編 整 備 1 施 設 の 集 約 化 ア 新 築 または 改 築 する 施 設 は 原 則 として 全 庁 横 断 的 に 他 の 施 設 との 集 約 化 を 検 討 実 施 する イ 集 約 化 にあたっては 施 設 の 機 能 統 合 や 共 有 部 分 の 効 率 的 な 配 置 を 図 る また 施 設 のあり 方 検 討 を 踏 まえた 類 似 施 設 の 統 合 等 を 検 討 する ウ 集 約 化 する 場 所 の 選 定 にあたっては まちづくり 施 策 と 連 携 して 規 模 や 形 状 を 考 慮 し つつ 交 通 利 便 性 や 高 度 利 用 のできる 場 所 等 を 検 討 する 2 空 スペースの 有 効 活 用 市 民 ニーズの 変 化 や 制 度 変 更 に 対 応 して 必 要 性 の 低 くなった 施 設 や 不 要 となった 施 設 を 積 極 的 に 転 用 し 有 効 活 用 を 図 る (3) 保 有 資 産 の 適 正 な 活 用 1 土 地 建 物 情 報 をデータベース 化 し 総 合 的 な 観 点 から 資 産 の 把 握 分 析 を 行 い 資 産 保 有 量 の 適 正 化 を 検 討 する 2 保 有 資 産 の 一 層 の 有 効 活 用 のため 土 地 建 物 の 用 途 変 更 貸 付 処 分 を 積 極 的 に 実 施 する 3 施 設 の 改 修 改 築 にあたっては 最 適 な 保 有 水 準 とするため 規 模 の 適 正 化 を 図 る 4 施 設 の 統 廃 合 集 約 化 再 編 整 備 等 により 余 剰 となった 土 地 や 移 転 改 築 の 際 の 跡 地 は 原 則 として 売 却 する (4) 維 持 管 理 の 効 率 化 1 光 熱 水 費 等 の 削 減 施 設 の 維 持 管 理 経 費 のうち 光 熱 水 費 などの 実 態 を 把 握 し 比 較 検 討 し 効 果 的 な 運 用 等 に - 6 -
より 経 費 の 削 減 を 図 る 2 省 エネルギーの 推 進 施 設 の 特 性 に 応 じた 省 エネルギー 改 善 を 実 施 する エネルギー 消 費 量 の 高 い 施 設 につい ては ESCO 事 業 等 の 推 進 を 図 る (5) その 他 施 設 の 安 全 性 の 確 保 または 運 営 に 重 大 な 支 障 をきたす 恐 れのあるものの 保 全 を 当 面 の 応 急 措 置 として 実 施 する 5.アセットマネジメントの 進 め 方 アセットマネジメントを 円 滑 に 進 めるために 他 の 施 策 との 連 携 調 整 進 行 管 理 及 び 推 進 体 制 について 次 のようにとりまとめた (1) 各 施 設 のあり 方 検 討 との 連 携 現 在 公 の 施 設 のあり 方 検 討 学 校 における 小 規 模 校 対 策 区 役 所 改 革 の 一 環 としての 区 単 位 事 務 所 のあり 方 検 討 等 各 施 設 のあり 方 検 討 が 行 われている これらの 検 討 結 果 や 施 設 の 見 直 し 方 針 を 基 に 最 適 活 用 方 法 を 検 討 する また 将 来 的 な 維 持 更 新 経 費 に 関 する 課 題 を 提 起 することにより 各 施 設 のあり 方 の 検 討 を 促 していく (2) 進 行 管 理 1 長 期 将 来 経 費 予 測 とアセットマネジメント 実 施 計 画 ア 工 事 費 及 び 維 持 管 理 費 等 の 施 設 に 係 る 経 費 の 長 期 将 来 予 測 等 に 基 づき 施 設 整 備 に 係 るアセットマネジメント 実 施 計 画 を 作 成 する イ アセットマネジメント 実 施 計 画 は 次 期 基 本 計 画 と 整 合 を 図 りつつ 3 年 程 度 を 期 間 として 作 成 し 毎 年 進 行 管 理 を 行 う 2 施 設 整 備 チェックシステムの 導 入 ア 施 設 整 備 要 望 を 把 握 し 評 価 する 施 設 整 備 計 画 書 等 によるチェックシステムを 導 入 する イ 他 施 設 との 集 約 化 や 既 存 施 設 の 活 用 の 可 能 性 等 全 庁 的 な 見 地 から 施 設 整 備 の 効 率 性 や 妥 当 性 等 を 評 価 することによって 効 率 的 な 施 設 整 備 の 推 進 を 図 る 3 施 設 管 理 情 報 (データベースシステム)の 整 備 市 設 建 築 物 の 情 報 を 一 元 化 し 全 体 像 の 把 握 施 設 間 の 比 較 分 析 を 行 うため 施 設 の 基 本 的 な 情 報 と 維 持 管 理 情 報 についてデータベースを 構 築 する (3) アセットマネジメント 推 進 のための 体 制 各 施 設 のあり 方 検 討 との 連 携 アセットマネジメント 実 施 計 画 の 策 定 進 行 管 理 施 設 整 備 チェックシステムの 運 用 などは アセットマネジメント 推 進 組 織 及 び 関 係 局 によって 全 庁 的 に 取 り 組 む - 7 -
6.アセットマネジメントの 導 入 効 果 (1) 施 設 整 備 費 の 削 減 効 果 の 試 算 築 後 40 年 で 改 築 とした 場 合 の 将 来 の 施 設 整 備 費 億 円 1,600 1,400 建 物 寿 命 を40 年 とした 場 合 の 施 設 整 備 費 総 費 用 44,900 億 円 その 他 改 修 新 改 築 投 資 的 経 費 + 維 持 補 修 費 2008 年 度 予 算 1,200 1,000 800 600 400 200 0 2004 2009 2014 2019 2024 2029 2034 2039 2044 2049 2054 長 寿 命 化 した 場 合 の 将 来 の 施 設 整 備 費 億 円 1,600 1,400 長 寿 命 化 した 場 合 の 施 設 整 備 費 (80 年 ) 総 費 用 34,700 億 円 その 他 改 修 R 改 修 新 改 築 投 資 的 経 費 + 維 持 補 修 費 1,200 1,000 800 600 400 200 0 2004 2009 2014 2019 2024 2029 2034 2039 2044 2049 2054 当 面 は 応 急 保 全 を 重 点 的 に 行 いながら 施 設 の 集 約 化 などの 資 産 の 有 効 活 用 を 図 っていく 今 後 は 老 朽 化 した 施 設 がさらに 多 くなることから 施 設 整 備 費 が 増 加 することが 予 測 される ( 積 算 条 件 等 ) 共 通 事 項 試 算 の 対 象 : 既 存 施 設 を 対 象 として 試 算 し 改 築 等 に 伴 う 施 設 規 模 の 増 減 はないものとした 単 価 : 施 設 種 別 ごとに 過 去 の 実 績 より 設 定 した 経 常 修 繕 費 : 毎 年 の 経 常 修 繕 費 を 含 む 築 後 40 年 で 改 築 した 場 合 試 算 開 始 時 点 で 築 40 年 を 超 える 建 物 試 算 開 始 から 10 年 間 に 分 散 して 改 築 費 を 加 算 した - 長 寿 命 化 した 場 合 建 物 寿 命 とリニューアル 改 修 の 設 定 建 物 寿 命 を 80 年 とし 中 間 時 点 でリニューアル 改 修 を 実 施 する リニューアル 改 修 費 概 ね 改 築 費 の 60% 試 算 開 始 時 点 で 築 40 年 を 超 える 一 般 施 設 の 建 物 試 算 開 始 から 10 年 間 に 分 散 して 一 定 の 改 修 費 を 加 算 した - 8 -
施 設 の 長 寿 命 化 を 計 画 的 に 進 めることで ある 程 度 の 工 事 費 の 縮 減 や 平 準 化 は 可 能 である 今 後 長 寿 命 化 した 場 合 築 40 年 で 改 築 した 場 合 と 比 較 すると 約 50 年 間 で 約 1 兆 円 の 削 減 を 試 算 している しかしながら 現 状 の 施 設 整 備 費 とはなお 乖 離 があることから 当 面 は 応 急 保 全 を 重 点 的 に 行 いながら 施 設 の 長 寿 命 化 集 約 化 等 これまで 以 上 に 本 市 の 資 産 の 有 効 活 用 を 図 って いく 将 来 的 には 改 築 や 改 修 に 要 する 経 費 が 増 加 することが 予 想 されるが 長 寿 命 化 などの 取 り 組 みで 対 応 するには 限 界 があることから アセットマネジメントとともに 公 の 施 設 のあり 方 検 討 等 と 連 携 しつつ 全 庁 的 な 取 り 組 みによって 総 保 有 資 産 量 の 適 正 化 を 図 っていくこと が 必 要 となる (2) CO2 削 減 効 果 の 試 算 (リニューアル 改 修 による 効 果 の 試 算 ) 区 役 所 ( 大 規 模 施 設 )と 区 役 所 支 所 ( 小 規 模 施 設 )で 改 築 した 場 合 とリニューアル 改 修 した 場 合 の 工 事 時 における CO2 発 生 量 を 試 算 した 両 施 設 とも 改 築 よりもリニューアル 改 修 の 方 が 大 幅 に CO2 発 生 量 を 抑 制 することが 期 待 でき 大 規 模 な 施 設 ほど 効 果 が 高 いことが 計 算 された リニューアル 改 修 は 設 備 機 器 の 更 新 を 基 本 とするので 施 設 の 生 涯 における CO2 発 生 量 の 改 築 との 差 は 工 事 時 のものとなる 改 築 時 とリニューアル 改 修 工 事 時 のCO2 発 生 量 比 較 CO2 発 生 量 発 生 量 比 較 区 分 改 築 の 場 合 ( 新 築 + 除 却 ) リニューアル 改 修 の 場 合 R 改 修 / 改 築 改 築 -R 改 修 (t-co2) 区 役 所 1,080kg-CO2/m2 360kg-CO2/m2 (10,000 m2) 10,800t-CO2 3,600t-CO2 区 支 所 775kg-CO2/m2 415kg-CO2/m2 (1,500 m2) 1,150t-CO2 610t-CO2 約 1/3 7,200t-CO2 約 1/2 540t-CO2 参 考 市 域 からのCO2 排 出 量 平 成 17 年 度 約 1,650 万 t-co2 / 年 - 9 -
Ⅲ 公 共 土 木 施 設 編 本 編 は 先 の 基 本 理 念 に 基 づく 具 体 策 を 公 共 土 木 施 設 を 対 象 にとりまとめる 公 共 土 木 施 設 とは 本 市 の 管 理 する 道 路 河 川 水 路 公 園 の 本 体 構 造 物 及 びそれらを 構 成 す る 建 築 物 を 除 く 全 ての 施 設 をいう 1.アセットマネジメント 導 入 の 背 景 (1) 公 共 土 木 施 設 の 現 状 1 総 資 産 保 有 量 とその 内 訳 公 共 土 木 施 設 は 生 活 および 産 業 の 基 盤 となる 施 設 であり 市 民 生 活 や 地 域 の 経 済 活 動 を 支 えてきた 今 後 も 市 民 ニーズの 多 様 化 への 対 応 やサービス 向 上 のため 施 設 建 設 の 需 要 が 見 込 まれており 将 来 にわたって 保 有 する 資 産 が 増 加 していくことが 推 測 できる 本 市 の 公 共 土 木 施 設 の 主 な 資 産 保 有 量 は 橋 りょう 約 900 橋 道 路 面 積 約 52 km 2 水 路 約 1,500 km 公 園 約 1,400 箇 所 となっている( 平 成 20 年 4 月 現 在 )( 表 -1 参 照 ) 2 老 朽 化 が 進 む 公 共 土 木 施 設 本 市 の 公 共 土 木 施 設 の 多 くは 昭 和 40 年 代 以 降 の 高 度 経 済 成 長 期 に 集 中 して 整 備 され たものが 多 く 老 朽 化 が 進 んでいる 橋 りょうの 例 でみると 建 設 年 度 は 昭 和 40 年 代 以 降 急 激 に 整 備 されており 耐 用 年 数 を 60 年 程 度 と 想 定 した 場 合 20 年 後 には 約 3 割 40 年 後 には 約 7 割 が 更 新 時 期 を 迎 えることとなる( 図 -1 図 -2 参 照 ) 表 -1 主 な 公 共 土 木 施 設 資 産 の 保 有 状 況 ( 平 成 20 年 4 月 1 日 現 在 ) 道 路 施 設 橋 りょう 重 要 橋 りょう 数 総 数 437 橋 889 橋 道 路 道 路 実 延 長 道 路 面 積 6,228km 51.7 km 2 道 路 付 属 物 河 川 施 設 街 路 灯 街 路 樹 ( 高 木 ) 95,045 基 105,230 本 水 路 1,467km 河 川 一 二 級 河 川 準 用 河 川 71km ポンプ 施 設 48 施 設 公 園 施 設 公 園 公 園 箇 所 数 公 園 面 積 1,372 箇 所 1,220ha 遊 具 10,604 基 農 業 公 園 公 園 箇 所 数 公 園 面 積 3 箇 所 24ha - 10 -
これまで 更 新 需 要 が 少 なかった 公 共 土 木 施 設 においては 今 後 は 大 きな 更 新 のピークが 集 中 して 到 来 することが 推 測 されている このため 厳 しい 財 政 状 況 下 において 従 来 の 耐 用 年 数 で 施 設 を 更 新 していく 維 持 管 理 手 法 では 必 要 となる 膨 大 な 工 事 費 を 確 保 するこ とは 困 難 であるとともに 将 来 世 代 に 過 大 な 負 担 を 残 すことになる 3 厳 しい 財 政 状 況 における 維 持 管 理 近 年 の 経 済 停 滞 に 伴 い 本 市 も 厳 しい 財 政 状 況 下 におかれている とくに 公 共 事 業 への 予 算 は 年 々 減 少 している また 少 子 高 齢 化 の 進 行 に 伴 い 労 働 人 口 の 減 少 も 予 想 されているなど 今 後 も 厳 しい 財 政 状 況 が 続 くことが 推 測 されている 80 500 建 設 数 ( 橋 ) 70 60 50 40 30 20 10 系 建 設 列 数 2 ストック 系 列 1 数 400 300 200 100 ス トッ ク 数 橋 ) ( 0 1912 1912 1918 1918 1923 1923 1928 1928 1933 1933 1938 1938 1943 1943 1948 1948 1953 1953 1958 1958 1963 1963 1968 1968 1973 1973 1978 1978 1983 1983 1988 1988 1993 1993 1998 1998 2003 2003 2008 0 建 設 年 度 (5か 年 毎 ) 図 -1 重 要 橋 りょうの 建 設 数 とストック 数 の 推 移 51 年 ~ 10% 0~10 年 10% 41~50 年 18% 11~20 年 16% 31~40 年 25% 21~30 年 21% ( 注 ) 重 要 橋 りょう 橋 長 15m 以 上 の 橋 りょう( 人 道 橋 含 む) 跨 線 橋 跨 道 橋 橋 長 15m 未 満 の 緊 急 輸 送 道 路 上 にある 橋 りょう 図 -2 重 要 橋 りょうの 建 設 後 経 過 年 数 別 の 割 合 - 11 -
(2) 公 共 土 木 施 設 をとりまく 環 境 1 災 害 に 強 いまちへの 対 応 昨 今 の 異 常 気 象 により 短 時 間 に 極 端 な 雨 が 降 る ゲリラ 豪 雨 や 近 い 将 来 発 生 が 予 測 されている 東 海 東 南 海 地 震 への 対 応 など 災 害 に 強 いまちへの 対 応 が 市 民 から 求 め られている 公 共 土 木 施 設 においては 雨 水 流 出 抑 制 や 耐 震 工 事 などの 対 策 を 行 ってきた が 安 全 な 都 市 基 盤 を 目 指 して 今 後 も 整 備 を 進 めていく 必 要 がある 2 環 境 首 都 なごやへの 対 応 本 市 は 持 続 可 能 な 社 会 の 形 成 に 向 け 環 境 首 都 なごや の 実 現 を 目 指 し 環 境 に 配 慮 し た 公 共 工 事 の 推 進 省 エネ 省 資 源 に 取 り 組 んでおり 今 後 も 継 続 して 取 り 組 んでい かなければならない さらに CO2 をはじめとする 温 室 効 果 ガスの 削 減 に 向 けた 取 組 みが 必 要 となっている 3 少 子 高 齢 化 社 会 への 対 応 少 子 高 齢 化 社 会 を 迎 える 中 で 市 民 の 誰 もが 安 心 安 全 に 施 設 を 利 用 できるよう 公 共 土 木 施 設 についてもバリアフリー 化 など 高 齢 化 社 会 にも 対 応 できる 整 備 を 行 っていく 必 要 がある 4 市 民 への 説 明 責 任 本 市 では これまでの 公 共 施 設 整 備 により 一 定 水 準 のサービスを 市 民 へ 提 供 している 今 後 は 市 民 生 活 の 多 様 化 による 公 共 施 設 への 新 たなニーズへの 対 応 や 提 供 したサービ スに 要 した 投 資 額 などについて わかりやすい 説 明 を 市 民 へ 行 っていく 必 要 がある 2.アセットマネジメントの 導 入 (1) アセットマネジメントの 導 入 公 共 土 木 施 設 においては 前 章 に 挙 げた 背 景 を 踏 まえ 今 後 の 維 持 管 理 のあり 方 として アセットマネジメントを 導 入 することで 維 持 管 理 費 の 平 準 化 および 抑 制 を 図 りながら 社 会 ニーズに 対 応 した 都 市 環 境 を 創 出 する (2) 対 象 施 設 本 市 の 管 理 する 道 路 河 川 水 路 公 園 の 本 体 構 造 物 及 びそれらを 構 成 する 全 ての 施 設 とする ただし 建 築 物 及 びその 付 属 施 設 については 市 設 建 築 物 に 含 まれるものとする - 12 -
3.アセットマネジメントの 取 り 組 み (1) 計 画 的 効 率 的 な 維 持 管 理 1 中 長 期 を 見 据 えた 計 画 的 効 率 的 な 維 持 管 理 へ 転 換 する 2 施 設 の 特 性 に 応 じた 維 持 管 理 区 分 ( 表 -2)を 設 定 し 効 率 的 な 維 持 管 理 を 実 践 する 3 施 設 点 検 やデータ 整 備 による 施 設 情 報 を 一 元 化 管 理 活 用 するシステムを 構 築 する 4 施 設 の 維 持 管 理 経 費 の 見 直 しを 行 い 経 費 の 削 減 に 努 める (2) 公 共 土 木 施 設 の 長 寿 命 化 1 公 共 土 木 施 設 のうち 橋 りょうなどの 大 型 構 造 物 や 劣 化 の 度 合 が 把 握 しやすい 施 設 は 予 防 保 全 を 行 うことで 長 寿 命 化 を 図 る 2 長 寿 命 化 のための 新 技 術 を 導 入 する 環 境 の 整 備 を 進 める (3) 保 有 資 産 の 適 正 な 活 用 1 施 設 運 営 に 必 要 なコストを 把 握 するとともに 保 有 資 産 の 評 価 を 行 い 将 来 必 要 となる 投 資 額 を 明 確 化 することで 資 産 保 有 量 の 適 正 化 を 図 る 2 保 有 資 産 の 一 層 の 有 効 活 用 のため 未 利 用 土 地 等 の 貸 付 売 却 を 効 率 的 に 推 進 する 3 ネーミングライツの 導 入 や 広 告 収 入 の 確 保 により 維 持 管 理 費 の 新 たな 財 源 確 保 に 努 め る (4) 市 民 との 協 働 1 市 民 との 協 働 による 施 設 整 備 運 営 管 理 の 幅 をより 一 層 広 げていくとともに 市 民 と 行 政 の 相 互 理 解 や 共 通 認 識 の 形 成 など 協 働 の 推 進 に 向 けた 環 境 整 備 を 行 う 2 公 共 事 業 の 有 効 性 を 始 め 施 設 の 維 持 管 理 の 成 果 や 利 活 用 状 況 に 関 する 情 報 を 市 民 へ 提 供 する - 13 -
表 -2 維 持 管 理 区 分 区 分 維 持 管 理 手 法 区 分 される 施 設 の 条 件 A. 予 防 維 持 管 理 ( 予 防 保 全 を 基 にし た 維 持 管 理 ) モニタリングや 点 検 を 定 期 的 に 行 う 計 画 的 に 劣 化 が 顕 在 化 する 前 に 補 修 補 強 を 行 う 1 劣 化 が 顕 在 化 した 後 では 対 策 が 困 難 なもの 2 劣 化 が 外 へ 表 れては 困 るも の 3 設 計 耐 用 期 間 が 長 いもの B. 点 検 維 持 管 理 ( 計 画 的 な 点 検 を 基 にした 維 持 管 理 ) C. 観 察 維 持 管 理 ( 目 視 観 察 を 主 体 と した 維 持 管 理 ) 点 検 を 定 期 的 に 行 う 劣 化 損 傷 の 顕 在 化 後 に 補 修 補 強 を 行 う 巡 回 パトロール( 日 常 点 検 ) 等 により 目 視 観 察 を 行 う 劣 化 損 傷 の 顕 在 化 後 の 補 修 補 強 は 行 わ 1 劣 化 が 外 に 表 れてからでも 速 やかに 対 策 がとれるもの 2 劣 化 が 外 へ 表 れても 影 響 が 少 ないもの 1 使 用 できるだけ 使 用 すれば よいもの ず 必 要 時 には 取 替 え 更 新 で 対 応 する 2 劣 化 が 外 に 表 れても 影 響 が 無 いもの 区 分 対 策 実 施 時 期 と 管 理 水 準 のイメージ A. 予 防 維 持 管 理 ( 予 防 保 全 を 基 にした 維 持 管 理 ) ライフサイクルコスト 最 小 化 を めざし 長 寿 命 化 を 図 る 施 設 機 能 の 低 下 を 極 力 防 ぐ 施 設 状 態 更 新 経 年 B. 点 検 維 持 管 理 ( 計 画 的 な 点 検 を 基 にした 維 持 管 理 ) 機 能 低 下 は 許 容 される 水 準 の 範 囲 内 A の 手 法 が 事 実 上 困 難 な 場 合 ( 現 体 制 上 等 ) あるいは A に 比 べコスト 的 に 問 題 がないと 想 定 される 場 合 施 設 状 態 更 新 更 新 C. 観 察 維 持 管 理 ( 目 視 観 察 を 主 体 とした 維 持 管 理 ) 長 寿 命 化 は 考 慮 しない 施 設 機 能 を 失 うまで あるいは 機 能 の 管 理 限 界 まで 施 設 を 使 い 続 ける 現 実 的 に 当 対 策 しかとれない 場 合 あるいは 当 対 策 が 他 に 比 べ コスト 的 に 問 題 がないと 想 定 さ れる 場 合 施 設 状 態 更 新 更 新 更 新 経 年 更 新 経 年 - 14 -
4.アセットマネジメントの 進 め 方 (1) 個 別 施 設 維 持 管 理 計 画 の 策 定 個 別 施 設 毎 に その 施 設 の 特 性 に 応 じた 維 持 管 理 計 画 を 策 定 する 維 持 管 理 計 画 では 各 施 設 の 基 本 情 報 や 劣 化 状 態 を 把 握 してデータ 整 備 を 行 うとともに 中 長 期 視 点 に 立 ち 安 全 性 経 済 性 などの 視 点 から 施 設 の 維 持 管 理 目 標 を 設 定 する また 効 率 的 な 予 算 執 行 と 適 正 な 維 持 管 理 を 行 うため 施 設 の 優 先 度 に 応 じた 管 理 水 準 の 設 定 お よび 維 持 補 修 における 優 先 度 の 評 価 方 法 を 設 定 する (2) 公 共 土 木 施 設 全 体 での 最 適 維 持 管 理 計 画 の 策 定 公 共 土 木 施 設 全 体 の 計 画 として 個 別 施 設 維 持 管 理 計 画 を 集 約 し 最 適 維 持 管 理 計 画 を 策 定 する 施 設 全 体 を 把 握 し 厳 しい 財 政 状 況 の 中 で 維 持 管 理 費 の 平 準 化 を 図 るため 個 別 施 設 間 の 維 持 補 修 の 優 先 度 の 評 価 方 法 を 設 定 する 施 設 全 体 から 個 別 施 設 間 の 調 整 を 行 って 必 要 に 応 じ 管 理 水 準 の 見 直 しを 行 う (3) 進 行 管 理 1 個 別 施 設 維 持 管 理 計 画 の 策 定 については 導 入 効 果 の 高 い 施 設 や 市 民 生 活 への 影 響 の 高 い 施 設 から 順 次 着 手 する 当 初 の 取 り 組 みは 橋 りょう 車 道 舗 装 街 路 灯 ポンプ 施 設 流 域 排 水 施 設 河 川 護 岸 遊 具 街 路 樹 とする 2 最 適 維 持 管 理 計 画 および 個 別 施 設 維 持 管 理 計 画 を 基 に 次 期 基 本 計 画 やその 実 施 計 画 と 整 合 を 図 りつつ 計 画 的 に 進 行 管 理 を 行 う 3 財 政 状 況 及 び 社 会 情 勢 等 の 変 化 等 を 的 確 に 把 握 し 中 長 期 予 測 によって 維 持 補 修 の 優 先 度 の 判 定 を 行 う 4 維 持 管 理 更 新 の 実 施 状 況 について 事 後 評 価 を 行 う 5 優 先 度 判 定 や 事 後 評 価 の 結 果 に 基 づき 必 要 に 応 じて 維 持 管 理 計 画 の 修 正 を 行 う (4) 推 進 体 制 最 適 維 持 管 理 計 画 や 個 別 施 設 維 持 管 理 計 画 の 策 定 および 策 定 後 の 進 行 管 理 は 検 討 体 制 を 整 えて 実 施 する (5)スケジュール 平 成 17 年 度 18 年 度 19 年 度 20 年 度 21 年 度 22 年 度 以 降 市 局 検 討 開 始 アセットマネジメント 推 進 検 討 委 員 会 データ 整 備 基 本 方 針 個 別 施 設 維 持 管 理 計 画 ( 案 ) 最 適 維 持 管 理 計 画 の 策 定 及 び 実 施 - 15 -
( 参 考 ) 導 入 効 果 の 試 算 アセットマネジメントの 導 入 によって 公 共 土 木 施 設 の 長 寿 命 化 を 計 画 的 に 行 うことにより 維 持 管 理 費 の 平 準 化 や 抑 制 が 可 能 となる 今 後 の 50 年 間 について 従 来 の 耐 用 年 数 で 施 設 を 更 新 する 維 持 管 理 手 法 を 続 けた 場 合 に 必 要 な 費 用 と 施 設 を 最 適 時 期 に 補 修 し 長 寿 命 化 することでライフサイクルコスト 最 小 化 を 図 った 場 合 の 費 用 とを 比 較 し コスト 抑 制 効 果 を 試 算 したところ 最 大 で 約 3,100 億 円 との 結 果 が 得 ら れた 公 共 土 木 施 設 のコスト 抑 制 効 果 試 算 結 果 維 持 管 理 手 法 50 年 間 での 必 要 額 耐 用 年 数 で 施 設 を 更 新 する 維 持 管 理 の 場 合 (A) 約 1 兆 9,600 億 円 施 設 の 長 寿 命 化 を 行 う 場 合 (B) 約 1 兆 6,500 億 円 コスト 抑 制 効 果 (A)-(B) 約 3,100 億 円 コスト 抑 制 効 果 の 施 設 別 内 訳 ( 億 円 ) 施 設 名 抑 制 額 橋 りょう 約 1,500 車 道 舗 装 約 900 街 路 灯 約 230 ポンプ 施 設 約 140 流 域 排 水 施 設 約 330-16 -
用 語 の 定 義 アセットマネジメント 建 築 物 道 路 橋 梁 などの 公 共 施 設 を 資 産 (アセット)としてとらえ 財 政 的 制 約 のもとで 安 全 性 利 便 性 快 適 性 等 を 確 保 し 資 産 全 体 の 効 用 を 最 大 化 するための 総 合 的 かつ 戦 略 的 なマネジメント 手 法 のこと ストック 保 有 している 資 産 のこと バリアフリー 体 の 不 自 由 な 人 でも 支 障 なく 活 動 できるような 生 活 環 境 ユニバーサルデザイン データベース リニューアル 改 修 ESCO 事 業 障 害 者 や 高 齢 者 等 も 含 め 誰 もが 使 いやすいように デザインすること コンピューターを 使 って 情 報 や 資 料 を 収 集 分 類 整 理 されたデータの 集 合 建 物 の 構 造 体 は 残 し 機 能 アップを 図 りながら 内 外 装 や 設 備 機 器 の 更 新 改 修 を 行 うもので 改 築 の 代 替 となるもの 施 設 の 省 エネルギーに 関 する 包 括 的 なサービスを 提 供 し それまでの 環 境 を 損 なうことなく 省 エネルギーを 実 施 し 検 証 するもの ESCO 事 業 の ための 経 費 は 省 エネルギーメリットの 一 部 で 賄 う 事 業 改 築 従 前 の 建 築 物 を 取 壊 し 同 じ 用 途 の 建 築 物 を 建 築 すること ( 市 設 建 築 物 ) 新 築 新 規 事 業 に 伴 い 新 たに 建 築 物 を 建 築 すること ( 市 設 建 築 物 ) 集 約 化 福 祉 都 市 環 境 整 備 指 針 ユニバーサルデザイン 整 備 基 準 更 新 ライフサイクルコスト (LCC) 複 数 の 施 設 を 特 定 の 敷 地 または 建 物 に 集 めること 人 にやさしいまち 名 古 屋 を 実 現 するため 福 祉 的 観 点 からのまちづく りの 基 本 理 念 や 福 祉 のまちづくりを 推 進 していくための 具 体 的 な 方 策 及 び 公 共 的 建 築 物 道 路 公 園 公 共 交 通 機 関 等 の 都 市 施 設 を 整 備 する 上 での 標 準 的 な 技 術 的 基 準 について 明 らかにしたもの 市 設 建 築 物 に 対 する 福 祉 都 市 環 境 整 備 指 針 に 基 づいたユニバーサルデザイ ンに 関 する 技 術 的 基 準 既 存 施 設 の 老 朽 化 に 伴 い 従 前 の 施 設 を 取 り 壊 し 新 しい 施 設 を 建 設 整 備 すること ( 公 共 土 木 施 設 ) 構 造 物 にかかる 初 期 投 資 から 運 用 維 持 管 理 に 至 る 総 費 用 LCC= 設 計 コスト+ 建 設 コスト+ 維 持 管 理 コスト - 17 -