活 米 の 知 恵 出 して 日 米 同 盟 強 化 を ~ 予 算 がかからない 政 策 転 換 で 防 衛 力 高 める~ 週 間 WING 2011 年 1 月 5 号 (インタビュー 記 事 ) 織 田 邦 男 元 空 将 新 防 衛 計 画 の 大 綱 および 中 期 防 衛 力 整 備 計 画 が 昨 年 12 月 17 日 に 策 定 された 今 後 10 年 間 を 目 途 に 防 衛 の 基 本 方 針 を 定 めた 防 衛 計 画 の 大 綱 では 基 盤 的 防 衛 力 構 想 から 動 的 防 衛 力 へと 方 針 転 換 を 図 っている また 2011 年 ~2015 年 までの 防 衛 力 整 備 の 概 要 を 示 した 中 期 防 衛 力 整 備 計 画 では 南 西 方 面 重 視 の 考 え 方 を 反 映 して 航 空 自 衛 隊 の 那 覇 基 地 に 戦 闘 機 1 個 飛 行 隊 を 増 強 し 本 土 から は1 個 飛 行 隊 を 減 らすなど 部 隊 の 改 編 を 含 めて 動 的 防 衛 力 の 具 体 的 な 整 備 方 針 が 幾 つか 挙 げられ 新 戦 闘 機 12 機 の 調 達 なども 別 表 に 挙 げられている このほど 織 田 邦 男 氏 ( 元 空 将 航 空 支 援 集 団 司 令 官 で 退 官 )に 大 綱 と 中 期 防 それにその 基 盤 となっている 新 たな 時 代 の 安 全 保 障 と 防 衛 力 に 関 す る 懇 談 会 の 最 終 報 告 について 意 見 を 聞 いた ( 聞 き 手 渡 辺 謙 一 記 者 ) 日 米 同 盟 の 要 点 は 活 米 の 知 恵 織 田 氏 は 日 米 同 盟 の 要 点 は 活 米 (かつべい= 織 田 氏 の 造 語 )の 知 恵 だ という 日 本 は 米 国 から5つの 傘 により 恩 恵 を 受 けているという 一 つはよく 知 られている 核 の 傘 だ 残 りの4つは 攻 撃 力 の 傘 情 報 力 の 傘 シ ーレーン 防 衛 の 傘 そして 軍 事 技 術 力 の 傘 だという いずれも 米 国 の 国 力 が 圧 倒 的 に 強 かった 時 代 には 当 然 のように 期 待 して その 傘 の 助 けを 借 りてきた しかし 今 やアメリカの 力 にもかげりが 見 えて きた 中 で この 傘 を 日 本 も 協 力 して 維 持 していく 必 要 がある という 認 識 を 織 田 氏 は 持 っている 核 の 傘 については 日 本 は 非 核 3 原 則 を 堅 持 しながら 核 の 傘 を 最 大 限 利 用 してきた だが 北 朝 鮮 の 核 武 装 は 間 近 に 迫 っており 核 抑 止 について 真 剣 に 議 論 するときが 来 ている 例 えば 持 ち 込 ませず の 原 則 を 緩 和 するだけ で 抑 止 力 は 格 段 に 向 上 する 実 際 に 持 ち 込 むかどうかは 事 前 協 議 で 決 めれば 良 い いずれにしろ 核 抑 止 についてはタブーのない 国 民 的 議 論 が 必 要 という 攻 撃 力 の 傘 は 有 事 に 策 源 地 攻 撃 などの 反 撃 を 米 国 の 攻 撃 力 に 期 待 するも のだが これは 現 在 米 軍 の 攻 撃 力 が 以 前 に 比 べて 低 下 しているという 攻 撃 力 は 爆 撃 機 攻 撃 機 だけでなく その 運 用 の 自 由 度 を 高 める 空 中 給 油 機 事 前
に 情 報 を 把 握 する 早 期 警 戒 管 制 機 などのISR 機 能 と 合 わせて 機 能 するものであ る また 前 方 に 出 て 攻 撃 する 米 空 母 の 攻 撃 力 も 期 待 されてきたが 空 母 その ものの 脆 弱 性 や 対 艦 弾 道 弾 という 新 兵 器 などにより 空 母 の 優 位 性 は 低 下 してい る 北 朝 鮮 の 弾 道 ミサイル 発 射 事 案 により 日 本 自 身 が 策 源 地 攻 撃 能 力 を 持 つとい う 考 え 方 もあるが 長 い 時 間 と 莫 大 な 金 がかかる 今 やるべきは 老 朽 化 した 米 空 軍 の 空 中 給 油 機 を 補 うことだ このため 日 本 が 空 中 給 油 機 を 増 強 するのが 攻 撃 力 の 傘 を 強 めることになるし 片 務 性 の 緩 和 にもなる また 平 時 の 国 際 貢 献 活 動 支 援 も 含 めて 有 効 な 防 衛 力 の 整 備 と 言 えるだろう なお 攻 撃 力 としてのステルス 戦 闘 機 / 攻 撃 機 は 情 報 が 余 り 開 示 されていな いが 航 続 性 能 について 考 察 すると 万 能 ではないことが 判 る 空 中 給 油 なし での 攻 撃 可 能 距 離 は 制 限 され 空 中 給 油 を 行 えばステルス 性 は 失 われて 待 ち 伏 せ 攻 撃 のリスクがある これを 補 うにはカモフラージュのための 空 自 作 戦 と の 連 携 が 欠 かせない いずれにしろハード ソフトの 整 備 により 攻 撃 力 の 傘 を 維 持 強 化 しなければならない シーレーン 防 衛 の 傘 は 本 土 から1000カイリまでが 日 本 のシーレーン 防 衛 構 想 であるが 中 東 までの 石 油 輸 送 ルートなどは6000カイリもある その 途 中 の 安 全 確 保 には 国 際 的 な 海 賊 対 処 活 動 やアジア 各 国 との 協 力 もあるが やは り 太 平 洋 インド 洋 における 米 軍 の 存 在 による 保 護 が 依 然 として 大 きいと 言 え る 主 としてその 保 護 に 当 たる 米 第 7 艦 隊 の 負 担 軽 減 のためには 海 上 自 衛 隊 の 増 強 が 必 要 であり 大 綱 中 期 防 に 盛 り 込 まれている 潜 水 艦 の 増 強 だけが 唯 一 の 方 策 ではないと 考 えられる 防 衛 技 術 はギブ&テイク 武 器 輸 出 三 原 則 見 直 し 必 要 軍 事 技 術 力 の 傘 は 現 在 でも 年 間 7 兆 円 もの 予 算 を 使 って 先 進 的 な 軍 事 科 学 技 術 の 研 究 を 行 っているDARPAの 存 在 のように 米 国 が 圧 倒 的 な 力 を 持 ってき た インターネットもGPSもDARPAの 研 究 成 果 である そもそも 汎 用 技 術 は 開 発 リスクが 小 さいので 民 間 でも 開 発 できるが 国 は 民 間 がリスクを 負 いきれない 分 野 の 研 究 開 発 を 行 うものである 米 国 がその 軍 事 科 学 技 術 力 の 成 果 を 以 前 のように 気 前 よく 譲 ってくれなくな った それはギブ&テイクで 日 本 の 技 術 も 提 供 できるようにするため 武 器 輸 出 三 原 則 の 見 直 しが 必 要 ということが 言 える と 織 田 氏 は 指 摘 する 如 何 に 米 国 の 先 進 軍 事 技 術 にアクセスするかと 言 えば 共 同 開 発 を 行 うことで 食 い 込 んでいくことが 重 要 だ 確 かにホストネーションサポートの 充 実 日 米 共 同 運 用 の 実 効 性 を 担 保 するた
めのインターオペラビリティの 充 実 も 重 要 だ しかし その 他 にも 防 衛 力 整 備 の 中 で 日 米 同 盟 を 強 化 するのに 役 立 つ 施 策 を 織 り 込 んでいくこつが 重 要 だとい う 航 空 自 衛 隊 の 今 後 の 航 空 防 衛 力 整 備 の 中 で 空 中 給 油 機 の 増 強 とAWACSの 増 強 が 非 常 に 多 面 的 な 意 味 で 重 要 だ と 織 田 氏 は 繰 り 返 して 述 べた 米 空 軍 の 空 中 給 油 機 の 多 数 を 占 めるKC-135は 既 に 機 齢 が40~50 年 を 越 えており 可 動 率 に も 影 響 が 出 て KC-Xの 選 定 は 喫 緊 の 課 題 となっている 湾 岸 戦 争 で 圧 倒 的 な 勝 利 をもたらした 強 力 な 航 空 作 戦 を 遂 行 する 能 力 は 現 在 の 米 軍 航 空 部 隊 にはもは や 無 くなっている AWACSについても 米 空 軍 のE-3の 搭 載 機 器 は 既 に 航 空 自 衛 隊 のE-767より1 世 代 進 んでいるが 機 体 は 老 朽 化 しており 更 新 の 計 画 がない 金 のかからない 防 衛 力 増 強 防 衛 予 算 が 増 える 可 能 性 のない 現 在 の 財 政 状 況 では 予 算 を 使 わずに 防 衛 力 をより 有 効 に 発 揮 できるような 政 策 変 更 が 必 要 と 言 える 先 に 述 べた 非 核 3 原 則 を 非 核 2 原 則 に 変 えるだけで 北 朝 鮮 などへの 抑 止 効 果 が 非 常 に 大 きくな る と 織 田 氏 は 言 う 韓 国 でも 米 軍 の 核 兵 器 が 撤 去 されているが 最 近 李 明 博 大 統 領 は 米 軍 に 核 を 持 ち 込 ませる 可 能 性 を 検 討 すると 発 言 している また 集 団 的 自 衛 権 の 問 題 も 法 律 的 措 置 もなく 考 え 方 を 変 えるだけで 実 行 可 能 であり 特 にPKOなどに 参 加 しながら 友 軍 の 危 機 を 手 をこまねいて 傍 観 す るなど 国 際 的 な 孤 立 を 招 きかねない 世 界 の 非 常 識 と 言 える 日 米 同 盟 の 絆 を より 強 固 なものとするために 必 要 なことだという 更 に 尖 閣 諸 島 問 題 などで 明 らかになってきた 領 域 警 備 への 海 上 自 衛 隊 の 活 用 である 現 在 は 海 上 警 備 行 動 が 発 令 されなければ 海 上 自 衛 隊 は 外 国 船 の 違 法 行 為 を 発 見 しても 海 上 保 安 庁 に 通 報 することしかできない 法 的 にはタイ ミング 良 く 海 上 警 備 行 動 が 発 令 されれば 問 題 ないというが 机 上 の 空 論 と 言 え る 法 的 にシームレスになっていないのだ 海 上 自 衛 隊 が 過 剰 な 行 動 を 行 わず しかも 状 況 に 応 じて 適 切 に 対 応 するためには 日 常 から 自 衛 艦 隊 司 令 官 に 権 限 を 与 えておき 政 治 がROE( 交 戦 規 定 )を 明 示 することによってコントロールす るという 方 法 も 考 えられる 尖 閣 諸 島 問 題 で 漁 船 が 接 岸 し 漁 船 員 が 上 陸 したらどうするのか それが 武 装 していたらどうかという 問 題 がある 軍 事 侵 略 だとは 言 えず 鹿 児 島 県 警 が 出 動 することになるだろう 警 察 の 手 に 負 えないとなっても 治 安 出 動 を 発 動 するには 要 件 に 疑 義 があり 政 府 は 躊 躇 するだろう 海 上 保 安 庁 や 警 察 にも 特 殊 部 隊 が 編 成 されているが これを 離 島 に 運 ぶには 自 衛 隊 の 機 動 力 が 必 要 になる この 行 動 の 根 拠 は 省 庁 間 協 力 であろうか 隊 員 に 危 険 が 及 ぶかもしれない 作 戦
に 省 庁 間 協 力 で 自 衛 隊 を 動 員 するのは 邪 道 である 新 大 綱 では シームレ ス という 言 葉 が 頻 繁 に 出 てくるが まさに 海 保 警 察 自 衛 隊 の 行 動 に 結 節 がないよう 領 域 警 備 の 法 的 整 備 が 喫 緊 の 課 題 となっている 武 器 輸 出 3 原 則 の 緩 和 の 中 では 防 衛 技 術 交 流 共 同 開 発 の 他 老 朽 した 自 衛 隊 装 備 の 輸 出 なども 考 えられる 新 造 巡 視 艇 のインドネシアへの 輸 出 が 例 外 と して 許 可 されているが 退 役 護 衛 艦 を 武 装 を 外 して 東 南 アジアの 海 賊 対 策 に 輸 出 するようなことはできなかった 航 空 防 衛 力 の 特 質 踏 まえた 態 勢 が 必 要 新 たな 時 代 の 安 全 保 障 と 防 衛 力 に 関 する 懇 談 会 報 告 書 や 新 大 綱 では 内 容 的 に 航 空 防 衛 力 の 特 質 が 余 り 理 解 されていないように 感 じる 航 空 防 衛 力 の 特 質 のひとつは その 造 成 に 非 常 に 長 期 間 を 要 するということで ある だいたい 最 低 10 年 間 はかかる F-15の 導 入 を 決 定 した 時 には 最 初 の 飛 行 隊 の 完 成 までに10 年 かかっている AWACSも 構 想 策 定 から1 機 目 の 導 入 までやは り10 年 かかっている 編 隊 長 クラスのベテラン 操 縦 者 を 育 てるのもやはり10 年 かかる 仮 にF-XにF-35の 導 入 を 決 定 してもやはり 最 初 の 飛 行 隊 完 成 は10 年 後 だ 10 年 先 を 読 むことが 現 代 ではいかに 難 しいか 読 めないなら ファジーな 計 画 に せざるを 得 ない 最 低 限 の 規 模 を 計 画 に 盛 っておき 情 勢 により 増 勢 すること しかできないだろう それは 大 綱 で 過 去 の 考 え 方 だとして 否 定 している 基 盤 的 防 衛 力 整 備 構 想 に 似 たものにならざるを 得 ないが その 意 味 するところは 異 なっている 10 年 先 を 読 むのは 難 しい 例 えば1979 年 にソ 連 軍 がアフガニスタンに 侵 攻 した 時 10 年 後 にはベルリンの 壁 が 崩 壊 し 冷 戦 が 終 結 すると 予 想 した 人 がいただろ うか 湾 岸 戦 争 の 時 13 年 後 にまさか 自 分 がバグダッドへ 行 く 飛 行 部 隊 の 指 揮 官 を 務 めるとは 正 直 予 想 できなかった 戦 車 不 要 論 は 盛 んだが 10 年 後 にも 不 要 かどうかわからない 航 空 防 衛 力 の2 番 目 の 特 質 は 諸 先 輩 も 繰 り 返 し 言 われてきたことだが 量 を 以 て 質 を 補 えないということである と 織 田 氏 は 言 う 3 番 目 は 航 空 戦 力 は 各 種 機 能 はかけ 算 で 機 能 するということだ 機 能 のひ とつでもゼロがあると 全 体 がゼロになる ということである 例 えば 情 報 がな ければ 戦 闘 機 は 役 に 立 たない 戦 闘 機 自 体 もかけ 算 の 産 物 だ 武 装 がなければ 戦 闘 機 は 意 味 がなくなり ひとつでも 部 品 が 足 りなければ 飛 ばなくなる 事 実 既 にF-2 戦 闘 機 の 部 品 メーカーのうちレドームのメーカーは 撤 退 を 表 明 し キャ ノピーのメーカーは 製 造 を 中 止 した レドームとキャノピーがなければ 戦 闘 機
どころか 航 空 機 としても 飛 行 できなくなるということだ 膨 大 な 支 援 機 能 が ネットワークとなっており それが 機 能 しなければ 航 空 機 の 運 用 は 難 しい 燃 料 や 弾 薬 部 品 が 重 要 であり それらの 運 用 基 盤 の 維 持 が 重 要 な 問 題 である 現 状 で 既 に 由 々しき 事 態 を 迎 えている 戦 闘 機 とAWACS タンカーは 航 空 戦 力 発 揮 に 必 要 な 最 低 限 の 機 能 である これ にレーダーサイトや 高 射 部 隊 を 組 み 合 わせ 基 地 機 能 の 脆 弱 性 を 補 うことで 航 空 防 衛 力 ははじめて 有 効 な 戦 力 となる 航 空 防 衛 力 の 増 強 は 戦 闘 機 だけ 増 やして もダメであり 航 空 防 衛 力 を 構 成 する 各 種 機 能 のバランスが 重 要 なのだ 先 に 総 理 大 臣 の 諮 問 機 関 新 たな 時 代 の 安 全 保 障 と 防 衛 力 に 関 する 懇 談 会 の 報 告 書 では 手 厚 い 対 領 空 侵 犯 措 置 を 見 直 すべき などと 書 かれていたが 何 をもって 手 厚 い といっているのか 良 くわからない 新 大 綱 でも 書 いてあ るように 我 が 国 周 辺 のほぼ 全 空 域 を 常 時 継 続 的 に 警 戒 監 視 する ことは 独 立 国 として 最 低 限 必 要 なことである 待 機 態 勢 のことを 言 うのであれば 方 面 2 機 の5 分 待 機 というのは 決 して 手 厚 い とはいわない もし 配 備 のこと を 言 っているのであれば 認 識 に 誤 りがあり プロの 航 空 自 衛 官 に 説 明 責 任 が ある 航 空 戦 力 特 に 戦 闘 機 は 地 上 にあっては 無 力 である したがって 高 い 機 動 性 を 活 かし 地 上 においては 分 散 を 上 空 においては 集 中 を という 考 えで 整 備 されてきた 航 空 戦 力 の 特 性 が 変 わらない 限 り 今 後 も 変 わらないはずである よって 戦 闘 機 は 全 国 に 均 衡 配 備 することとし 状 況 によって 自 在 に 空 中 で 集 中 できるよう 空 中 給 油 機 を 整 備 してきた これは 脅 威 方 面 に 戦 力 を 集 中 するとい う 陸 上 戦 力 とは 異 なるところである 航 空 戦 力 は 地 上 で 集 中 すると 脆 弱 性 が 増 すだけであり 百 害 あって 一 利 ない 陸 上 防 衛 力 を 北 方 重 視 から 西 方 重 視 にシフトするということにはある 程 度 合 理 性 もあるだろう しかし 全 国 の 各 地 の 基 地 に 配 備 している 戦 闘 機 を 重 要 とされる 方 面 に 集 中 配 備 するというのは 軍 事 的 合 理 性 に 反 する しかも 民 間 航 空 との 競 合 により 混 雑 し かつ 狭 隘 な 那 覇 基 地 に 増 強 するというのは 軍 事 的 には 良 策 とはいえないだろう 他 方 新 大 綱 には 基 地 機 能 の 抗 湛 性 を 確 保 する ともある 南 西 方 面 の 航 空 基 地 機 能 の 抗 湛 性 を 確 保 するには 基 地 機 能 の 分 散 を 真 剣 に 考 えることが 必 要 である 那 覇 基 地 2 個 飛 行 隊 化 がやむを 得 ぬ 政 治 的 要 求 だとしたら この 脆 弱 性 を 補 完 するため 下 地 島 空 港 や 嘉 手 納 基 地 の 使 用 といったことを 併 行 し て 整 備 していくことが 不 可 欠 になろう これは 法 律 の 改 正 も 必 要 なく 大 きな コストもかからない また 手 厚 い が 12 個 飛 行 隊 が 多 いという 意 味 であればこれも 認 識 の 誤 りである 日 本 列 島 は 北 海 道 の 北 端 から 南 西 諸 島 の 東 端 まで 約 2000カイリもあ
る この 距 離 はモスクワらからマドリードまでに 相 当 し この 間 に 多 くの 国 々 に 分 かれていることもあるが 約 90 個 飛 行 隊 の 戦 闘 機 が 配 備 されている 日 本 は 同 じ 長 さの 守 備 範 囲 を12 個 飛 行 隊 で 守 っている 18 機 定 数 の12 個 飛 行 隊 によ って ようやく 我 が 国 周 辺 のほぼ 全 空 域 を 常 時 継 続 的 に 警 戒 監 視 できてい るのが 現 状 である 対 領 空 侵 犯 態 勢 の 見 直 しが 必 要 というが 機 数 や 飛 行 隊 の 数 を 減 らすことを 言 うなら それは 間 違 いだ 性 能 の 陳 腐 化 した 装 備 は 早 期 に 廃 止 せよ という 文 言 もあるが 後 継 機 を 決 めずに 廃 止 できるのだろうか 例 えばF-4EJ 改 を 維 持 せず 退 役 させていいのか 老 朽 化 したRF-4 偵 察 機 を 退 役 させて 有 人 偵 察 機 なしで 良 いのか などいろいろ 考 える 必 要 がある 選 択 と 集 中 について 度 々 触 れられているが 米 国 の 抑 止 力 を 高 める 方 向 で 協 力 することが 重 要 だ 基 盤 的 防 衛 力 整 備 構 想 は 久 保 卓 也 防 衛 事 務 次 官 が 発 案 したもので 織 田 氏 は 軍 事 的 合 理 性 はない という 防 衛 力 の 上 限 として 使 われたことの 方 が 多 い 確 かに 日 本 の 防 衛 予 算 もかつて19 年 間 増 え 続 けた 時 期 があったので 歯 止 めに 使 われた 07 大 綱 16 大 綱 では 下 限 として 基 盤 的 防 衛 力 整 備 構 想 が 使 われ た 時 期 であった 今 回 基 盤 的 防 衛 力 構 想 から 転 換 することにより 下 限 が 消 え 防 衛 力 整 備 の 支 えがなくなったといえないこともない