水 質 基 準 50 項 目 の 説 明 です 1 一 般 細 菌 ( 基 準 値 :1mLの 検 水 で 形 成 される 集 落 数 が 100 以 下 であること) 自 然 界 のあらゆ るところに 存 在 するもので 一 般 細 菌 として 検 出 される 細 菌 の 多 くは 病 原 菌 との 直 接 の 関 連 はな いが 汚 染 された 水 ほど 多 数 検 出 される 傾 向 があるので 水 の 汚 染 状 況 や 飲 料 水 の 安 全 性 を 判 定 する 指 標 となっている 水 道 水 は 塩 素 で 消 毒 されているためほとんど 検 出 されることはありま せん 2 大 腸 菌 ( 基 準 値 : 検 出 されないこと) 大 腸 菌 は 人 及 び 温 血 動 物 ( 家 畜 野 生 動 物 鳥 類 )の 糞 便 とともに 排 泄 されることから 糞 便 汚 染 を 示 す 指 標 として 重 要 です 水 道 水 は 塩 素 で 消 毒 されているため 検 出 されることはありませ ん 3 カドミウム 及 びその 化 合 物 ( 基 準 値 :0.01mg/L 以 下 ) 自 然 水 中 のカドミウムの 含 有 はまれであるが 鉱 山 廃 水 工 場 排 水 産 業 廃 棄 物 処 分 場 の 排 水 等 の 混 入 により 汚 染 が 起 きることがあります イタイタ 病 はカドミウムによる 慢 性 中 毒 症 です 4 水 銀 及 びその 化 合 物 ( 基 準 値 :0.0005mg/L 以 下 ) 一 般 に 無 機 水 銀 ( 金 属 水 銀 等 )と 有 機 水 銀 化 合 物 (メチル 水 銀 等 )に 分 けられる 自 然 に 由 来 する 微 量 の 無 機 水 銀 のほか 工 場 排 水 などから 河 川 水 へ 流 入 することがあります 常 温 で 唯 一 の 液 体 の 金 属 あるため 私 たちの 身 近 にも 無 機 水 銀 が 温 度 計 体 温 計 として 使 われています 水 俣 病 は メチル 水 銀 が 蓄 積 した 魚 介 類 を 食 べたことが 原 因 とされております 5 セレン 及 びその 化 合 物 ( 基 準 値 :0.01mg/L 以 下 ) 自 然 水 中 に 含 まれることがあるが その 多 くは 鉱 山 排 水 工 場 排 水 などの 混 入 による セレン は 生 体 の 微 量 必 須 元 素 で 酵 素 やタンパク 質 を 構 成 する 成 分 である 過 剰 摂 取 すると 爪 髪 胃 腸 皮 膚 肝 臓 に 障 害 が 起 きる 6 鉛 及 びその 化 合 物 ( 基 準 値 :0.01mg/L 以 下 ) 自 然 水 中 には 地 質 工 場 排 水 鉱 山 排 水 に 由 来 して 溶 存 することがある 蓄 積 性 があり 摂 取 した 鉛 は 骨 に 蓄 積 され 成 人 よりも 小 児 の 吸 収 率 が 高 い 疲 労 感 や 消 化 器 官 障 害 神 経 障 害 な どの 慢 性 中 毒 症 状 を 引 き 起 こす 7 ヒ 素 及 びその 化 合 物 ( 基 準 値 :0.01mg/L 以 下 ) 自 然 水 中 のひ 素 は 地 質 に 起 因 しているが 銅 鉄 水 銀 ニッケルなどの 鉱 物 と 共 存 している 火 山 性 温 泉 や 鉱 山 排 水 精 錬 排 水 染 料 製 革 工 場 排 水 の 混 入 による 汚 染 が 起 きることがある 蓄 積 性 があり 感 覚 異 常 や 皮 膚 の 角 化 症 抹 消 性 神 経 症 などを 起 こす 8 六 価 クロム 化 合 物 ( 基 準 値 :0.05mg/L 以 下 ) 自 然 水 中 にはほとんど 存 在 しないが 工 場 排 水 (メッキ 染 料 皮 革 等 )の 混 入 による 汚 染 が 起 きることがある クロムは 生 体 の 微 量 必 須 元 素 で 不 足 すると 糖 脂 質 タンパク 質 代 謝 系 に 障 害 をおこす 六 価 の 原 子 価 ( 六 価 クロム)の 毒 性 が 最 も 強 く 慢 性 的 に 経 口 摂 取 すると 肝 炎 が 見 られ 紛 塵 を 吸 入 すると 皮 膚 呼 吸 器 の 障 害 や 肺 ガン 鼻 中 隔 さく 孔 が 起 こる 9 シアン 化 イオン 及 び 塩 化 シアン( 基 準 値 :0.01mg/L 以 下 ) シアンは 水 道 中 にはほとんど 含 まれていないが メッキ 工 場 選 鉱 精 錬 所 写 真 工 業 などから の 排 水 の 流 入 によって 含 まれることがある 塩 化 シアンは シアンイオンを 塩 素 処 理 することによ
り 生 成 する また アンモニウムイオンや 有 機 前 躯 体 と 残 留 塩 素 との 反 応 によっても 生 成 し 塩 素 消 毒 及 クロラミン 消 毒 の 副 生 成 物 の 一 つである 毒 性 は 青 酸 ガスや 青 酸 カリとして 知 られている 中 毒 症 状 としては めまい 頭 痛 意 識 喪 失 等 で 高 濃 度 に 摂 取 すると 呼 吸 中 枢 麻 痺 による 呼 吸 停 止 を 起 こし 死 に 至 る 10 硝 酸 態 窒 素 及 び 亜 硝 酸 態 窒 素 ( 基 準 値 :10mg/L 以 下 ) 水 中 に 含 まれる 硝 酸 イオン 中 の 窒 素 と 亜 硝 酸 イオン 中 の 窒 素 の 合 計 量 であり 窒 素 肥 料 腐 敗 した 動 植 物 家 庭 排 水 下 水 等 に 由 来 する 硝 酸 塩 と 亜 硝 酸 塩 は 自 然 界 における 窒 素 循 環 の 一 化 学 形 態 であり 硝 酸 塩 と 亜 硝 酸 塩 は 一 方 の 形 態 から 他 方 の 形 態 へと 転 換 するので 窒 素 の 量 的 関 係 を 把 握 するために 硝 酸 塩 と 亜 硝 酸 塩 のそれぞれを 窒 素 量 で 表 し その 合 計 量 で 評 価 す る 健 康 影 響 は 硝 酸 態 窒 素 が 体 内 で 急 速 に 亜 硝 酸 態 窒 素 へ 還 元 された 後 血 液 中 のヘモクロ ビンと 反 応 してメトヘモクロビン 血 症 ををこす 硝 酸 態 窒 素 は あらゆる 場 所 の 土 壌 水 野 菜 を 含 む 植 物 中 に 広 く 存 在 しています 11 フッ 素 及 びその 化 合 物 ( 基 準 値 :0.8mg/L 以 下 ) 水 中 のフッ 素 は 主 に 地 質 や 工 場 排 水 の 混 入 などに 起 因 する フッ 素 をある 程 度 含 む 水 は 虫 歯 の 予 防 効 果 があると 言 われており フッ 素 を 添 加 した 水 道 水 を 供 給 している 事 例 もある 一 方 フッ 素 を 多 い 水 を 長 期 間 摂 取 すると 斑 状 菌 ( 歯 の 表 面 が 侵 されて 白 濁 した 斑 点 ができる)の 原 因 になります 12 ホウ 素 及 びその 化 合 物 ( 基 準 値 :1.0mg/L 以 下 ) 自 然 界 において 単 体 として 存 在 しないが 遊 離 のほう 酸 又 は 塩 の 形 で 広 く 分 布 している 火 山 地 帯 の 地 下 水 や 温 泉 ではメタほう 酸 の 形 で 含 まれています またガラス 工 業 や 金 属 表 面 加 工 エナメル 工 場 排 水 から 河 川 水 へ 流 入 することがあります 植 物 の 必 須 元 素 であり 動 物 にも 不 可 欠 のものとされているが 多 量 に 摂 取 した 場 合 は, 生 殖 器 への 影 響 があるといわれています ( 平 成 16 年 4 月 に 追 加 された 項 目 ) 13 四 塩 化 炭 素 ( 基 準 値 :0.002mg/L 以 下 ) 揮 発 性 有 機 化 合 物 で フロンガスの 原 料 や 金 属 の 洗 浄 などに 使 用 されており 環 境 中 に 排 出 されると 空 気 中 に 揮 発 し 易 く また 地 下 水 に 移 行 して 汚 染 することもあります 人 への 影 響 は 吐 き 気 けだるさ 消 化 不 良 昏 睡 状 態 等 の 神 経 的 症 状 を 呈 し 肝 臓 腎 臓 肺 に 最 も 敏 感 に 現 れ る 14 1,4-ジオキサン( 基 準 値 :0.05mg/L 以 下 ) 工 業 用 には オイル ワックス 染 料 の 溶 剤 などに 使 われるほか 洗 剤 中 に 不 純 物 として 存 在 します ( 平 成 16 年 4 月 に 追 加 された 項 目 ) 15 1 1-ジクロロエチレン( 基 準 値 :0.02mg/L 以 下 ) 揮 発 性 有 機 化 合 物 で 塩 化 ビニリデン 樹 脂 の 原 料 です 家 庭 用 ラップ 食 品 包 装 用 フィルム 紙 やプラスチックの 表 面 コーテイング ラテックスの 原 料 として 使 用 されている 人 への 影 響 は 神 経 の 炎 症 肝 臓 障 害 頭 痛 視 覚 障 害 等 の 障 害 である 16 シス-1 2-ジクロロエチレン( 基 準 値 :0.04mg/L 以 下 ) 揮 発 性 有 機 化 合 物 で 溶 剤 の 原 料 抽 出 溶 剤 等 として 使 用 され また テトラクロロエチレンの 分 解 によっても 生 成 されることが 知 られている 環 境 中 に 排 出 されると 空 気 中 に 揮 発 し 易 くまた 地 下 水 に 移 行 して 汚 染 することもあります 人 に 対 しての 影 響 は 高 濃 度 の 吸 引 は 中 枢 神 経 の
低 下 を 起 こす 低 濃 度 では 吐 き 気 眠 気 疲 労 感 目 まいが 生 じる 17 ジクロロメタン( 基 準 値 :0.02mg/L 以 下 ) 揮 発 性 有 機 化 合 物 で 塗 料 の 剥 離 剤 プリント 基 板 の 洗 浄 剤 等 として 使 用 され 環 境 中 に 排 出 されると 空 気 中 に 揮 発 され 易 くまた 地 下 水 に 移 行 して 汚 染 することもあります 人 に 対 しての 影 響 は 高 濃 度 の 吸 引 は 中 枢 神 経 の 低 下 を 起 こす 発 ガン 性 の 可 能 性 があります 18 テトラクロロエチレン( 基 準 値 :0.01mg/L 以 下 ) 揮 発 性 有 機 化 合 物 で ドライクリーニング 洗 浄 剤 原 毛 の 洗 浄 剤 金 属 表 面 の 脱 脂 洗 浄 剤 溶 剤 として 使 用 されている 環 境 中 に 排 出 されると 空 気 中 に 揮 発 し 易 く また 地 下 水 に 移 行 して 汚 染 することもあります 人 が 多 く 摂 取 すると 肝 臓 障 害 腎 臓 障 害 を 生 ずる 発 ガン 性 の 可 能 性 が あります 19 トリクロロエチレン( 基 準 値 :0.03mg/L 以 下 ) 揮 発 性 有 機 化 合 物 で 金 属 機 械 部 品 等 の 脱 脂 洗 浄 剤 ドライクリーニング 洗 浄 剤 生 ゴム 染 料 油 脂 等 に 使 用 されている 人 が 多 く 摂 取 すると 眠 気 頭 痛 吐 き 気 や 中 枢 神 経 の 機 能 低 下 を 引 き 起 こす 発 ガン 性 の 可 能 性 があります 20 ベンゼン( 基 準 値 :0.01mg/L 以 下 ) 揮 発 性 有 機 化 合 物 で 染 料 合 成 ゴム 合 成 洗 剤 のほか 各 種 有 機 化 学 品 の 原 料 に 使 用 され ている 人 への 健 康 障 害 は 不 快 感 嘔 吐 頭 痛 昏 睡 に 至 るような 中 枢 神 経 系 の 抑 制 を 起 こし ます 21 クロロ 酢 酸 ( 基 準 値 :0.02mg/L 以 下 ) 原 水 中 に 含 まれている 有 機 物 と 消 毒 に 用 いられる 塩 素 と 反 応 して 出 きる 消 毒 副 成 生 物 の 一 つ です 除 草 剤 や 界 面 活 性 剤 等 として 使 用 されます ( 平 成 16 年 4 月 に 追 加 された 項 目 ) 22 クロロホルム( 基 準 値 :0.06mg/L 以 下 ) 浄 水 処 理 過 程 で 消 毒 用 の 塩 素 と 水 中 のフミン 質 等 が 反 応 して 生 成 される 消 毒 副 成 生 物 の 一 つ である 人 への 健 康 影 響 は 麻 酔 作 用 肝 臓 腎 臓 障 害 で 発 ガン 物 質 の 可 能 成 があるとされ ています 23 ジクロロ 酢 酸 ( 基 準 値 :0.04mg/L 以 下 ) 浄 水 処 理 過 程 で 消 毒 用 の 塩 素 と 水 中 のフミン 質 等 が 反 応 して 生 成 される 消 毒 副 生 成 物 の 一 つである 発 ガン 物 質 の 可 能 成 があるとされています ( 平 成 16 年 4 月 に 追 加 された 項 目 ) 24 ジブロモクロロメタン( 基 準 値 :0.1mg/L 以 下 ) 浄 水 処 理 過 程 で 消 毒 用 の 塩 素 と 水 中 のフミン 質 等 の 有 機 物 が 反 応 して 生 成 される 消 毒 副 生 成 物 の 一 つである 生 成 量 は 原 水 中 の 臭 化 物 イオン 濃 度 に 影 響 される 人 への 健 康 影 響 は 肝 臓 障 害 を 与 えると 言 われています 25 臭 素 酸 ( 基 準 値 :0.01mg/L 以 下 ) 原 水 中 に 含 まれる 臭 素 イオンが 浄 水 処 理 過 程 でのオゾン 処 理 で 酸 化 されてでき 消 毒 副 生 成 物 の 一 つです 人 では 肝 臓 機 能 の 低 下 聴 覚 障 害 の 報 告 があるとともに 動 物 実 験 におい て 発 ガン 性 があると 言 われています ( 平 成 16 年 4 月 に 追 加 された 項 目 ) 26 総 トリハロメタン( 基 準 値 :0.01mg/L 以 下 ) 総 トリハロメタンは クロロホルム ブロモジクロロメタン ジブロモクロロメタン 及 びブロモホル ムの4 化 合 物 の 合 計 量 をいい 発 ガン 性 が 確 認 されています
27 トリクロロ 酢 酸 ( 基 準 値 :0.2mg/L 以 下 ) 農 薬 ( 除 草 剤 )や 防 腐 剤 などの 河 川 水 への 混 入 によるほか 原 水 中 にフミン 質 や 類 似 物 質 が 存 在 すると 消 毒 剤 と 反 応 して 生 成 される 消 毒 副 生 成 物 の 一 つです 発 ガン 性 のおそれがあると 言 われています ( 平 成 16 年 4 月 に 追 加 された 項 目 ) 28 ブロモジクロロメタン( 基 準 値 :0.03mg/L 以 下 ) 浄 水 処 理 過 程 で 消 毒 用 の 塩 素 と 水 中 のフミン 質 等 の 有 機 物 が 反 応 して 生 成 される 消 毒 副 生 成 物 の 一 つです 生 成 量 は 原 水 中 の 臭 化 物 イオン 濃 度 に 影 響 され 発 ガン 性 のおそれがあると 言 われています 29 ブロモホルム( 基 準 値 :0.09mg/L 以 下 ) 浄 水 処 理 過 程 で 消 毒 用 の 塩 素 と 水 中 のフミン 質 等 の 有 機 物 が 反 応 して 生 成 される 消 毒 副 生 成 物 の 一 つです 生 成 量 は 原 水 中 の 臭 化 物 イオン 濃 度 に 影 響 され 発 ガン 性 のおそれがあると 言 われています ( 平 成 16 年 4 月 に 追 加 された 項 目 ) 30 ホルムアルデヒド( 基 準 値 0.03mg/L 以 下 ) 浄 水 処 理 過 程 での 塩 素 処 理 オゾン 処 理 で 生 成 さえる 消 毒 副 生 成 物 の 一 つである この 物 質 はシックハウス 症 候 群 の 原 因 物 質 の 一 つとして 知 られおり 発 ガン 性 が 指 摘 されています ( 平 成 16 年 4 月 に 追 加 された 項 目 ) 31 亜 鉛 及 びその 化 合 物 ( 基 準 値 :1.0mg/L 以 下 ) 自 然 水 中 の 亜 鉛 濃 度 は 微 量 であり 水 中 への 汚 染 としては 鉱 山 廃 水 工 場 排 水 等 の 混 入 が あり 水 道 の 障 害 としては 給 水 管 に 使 用 した 亜 鉛 メッキ 鋼 管 の 溶 出 によるものがある 亜 鉛 は 人 及 びすべての 生 物 の 生 態 機 能 にとって 必 須 元 素 です 欠 乏 すると 食 欲 不 振 味 覚 障 害 成 長 阻 害 脱 毛 等 の 症 状 が 現 れます 32 アルミニウム 及 びその 化 合 物 ( 基 準 値 :0.2mg/L 以 下 ) 地 球 上 に 広 く 多 量 に 分 布 し 土 壌 に 含 有 される 金 属 元 素 としては 最 も 多 い 自 然 界 の 量 はす くないが 鉱 山 排 水 工 場 排 水 温 泉 などの 混 入 により 含 まれることがある 水 道 においてはアル ミニウム 系 凝 集 剤 として 浄 水 処 理 に 使 用 されている 人 におけるアルミニウムの 代 謝 は 十 分 解 明 されていないが 吸 収 されたアルミニウムは 急 速 に 尿 中 から 排 泄 される アルツハイマー 症 発 症 の 仮 説 があります 33 鉄 及 びその 化 合 物 ( 基 準 値 :0.3mg/L 以 下 ) 自 然 中 の 鉄 は 岩 石 や 土 壌 に 由 来 し 溶 解 性 または 不 溶 解 性 の 鉄 として 広 く 存 在 している 水 道 の 障 害 としては 給 水 管 の 老 朽 化 による 赤 水 異 臭 味 錆 コブによる 通 水 不 能 がある 生 体 の 必 須 元 素 で 欠 乏 すると 貧 血 症 状 が 現 れる 毒 性 はほとんど 無 い 基 準 値 を 超 えるようになると 水 の 着 色 ( 赤 水 )や 異 臭 味 ( 金 属 臭 苦 味 )を 与 える 34 銅 及 びその 化 合 物 ( 基 準 値 :1.0mg/L 以 下 ) 自 然 中 の 銅 は 地 質 に 由 来 するが 鉱 山 排 水 工 場 排 水 農 薬 散 布 による 汚 染 に 起 因 するこ とがある 水 道 の 障 害 としては 銅 製 の 給 水 管 を 使 った 給 湯 器 から 溶 出 する 水 道 水 中 に 多 く 含 まれると 銅 特 有 の 金 属 味 がし 青 く 着 色 されることがある 銅 は 微 量 必 須 元 素 でり 欠 乏 により 貧 血 と 先 天 性 異 常 である Menkes 症 候 群 の 毛 髪 異 常 があります 35 ナトリウム 及 びその 化 合 物 ( 基 準 値 :200mg/L 以 下 ) 自 然 水 中 に 広 く 存 在 する 元 素 であり 海 水 や 工 場 排 水 下 水 等 の 混 入 やナトリウム 塩 として
食 品 ( 食 塩 ) 融 雪 剤 ガラス 石 鹸 工 業 医 薬 品 の 分 野 で 広 く 用 いられている 水 道 では 浄 水 処 理 に 用 いるソーダ 灰 や 次 亜 塩 素 酸 ナトリウムに 含 まれています 36 マンガン 及 びその 化 合 物 ( 基 準 値 :0.05mg/L 以 下 ) 自 然 水 中 のマンガンは 主 に 地 質 に 由 来 し 通 常 鉄 と 共 存 してその1/10 程 度 含 まれている 水 道 の 障 害 としては 配 給 水 壁 に 付 着 したマンガン 酸 化 物 が 流 速 の 変 化 により 剥 離 して 流 出 する いわゆる 黒 い 水 である 生 体 の 必 須 元 素 で 欠 乏 すると 成 長 の 鈍 化 貧 血 生 殖 障 害 が 現 れま す 37 塩 化 物 イオン( 基 準 値 :200mg/L 以 下 ) 自 然 水 は 常 に 多 少 の 塩 化 物 イオンを 含 んでいますが これらの 多 くは 地 質 海 水 に 由 来 する ものであります また 工 場 生 活 排 水 し 尿 等 の 混 入 により 増 加 します 飲 料 水 からの 摂 取 量 は 食 品 由 来 のものと 比 較 すると 極 めて 少 ない 過 剰 摂 取 は 心 臓 肝 臓 病 患 者 への 影 響 が 懸 念 され ています また 塩 化 物 イオンは 金 属 を 腐 食 させるので 濃 度 の 低 い 方 が 望 ましい 38 カルシウム マグネシウム 等 ( 硬 度 )( 基 準 値 :300mg/L 以 下 ) 水 中 のカルシウムイオンやマグネシウムイオンの 量 これに 対 応 する 炭 酸 カルシウムに 換 算 し たもので 0~60mg/L が 軟 水 60~120mg/L が 中 程 度 の 軟 水 120~180mg/L が 硬 水 180mg/L 以 上 が 非 常 な 硬 水 とされている 自 然 水 中 では 主 に 地 質 に 由 来 しているが 海 水 工 場 排 水 下 水 の 混 入 コンクリート 構 造 物 等 からの 溶 出 等 により 増 加 する 硬 度 が 高 いと 石 鹸 の 洗 浄 効 果 を 著 しく 低 下 させ 胃 腸 を 害 して 下 痢 を 起 こす 場 合 がある また 水 の 味 にも 影 響 を 与 え 硬 度 の 高 い 水 は 口 に 残 るような 味 がし 硬 度 の 低 すぎる 水 は 淡 白 でコクのない 味 がする 基 準 値 の 300mg/L は 石 鹸 の 泡 立 ち 等 の 影 響 を 防 止 する 観 点 から 定 められています 快 適 水 質 項 目 として 目 標 値 10mg/L~100mg/L 以 下 です 39 蒸 発 残 留 物 ( 基 準 値 :500mg/L) 水 中 に 浮 遊 したり 溶 解 して 含 まれているものを 蒸 発 乾 固 したときに 残 渣 として 得 られた 総 量 を mg/l で 表 したものである 水 道 水 の 主 な 蒸 発 残 留 物 の 成 分 は カルシウム マグネシウム シリ カ ナトリウム カリウム 等 の 塩 類 及 び 有 機 物 である おいしい 水 の 水 質 要 件 として 30~200mg/L としています 40 陰 イオン 界 面 活 性 剤 ( 基 準 値 :0.2mg/L 以 下 ) 合 成 洗 剤 化 粧 品 医 薬 品 製 紙 等 に 多 く 利 用 されており 水 の 表 面 張 力 の 低 下 浸 透 湿 潤 の 増 大 油 脂 等 の 乳 化 分 散 懸 濁 性 を 促 進 する 特 性 がある 陰 イオン 界 面 活 性 剤 は 家 庭 雑 排 水 が 直 接 又 は 下 水 処 理 場 を 経 由 して 河 川 に 流 入 することによって 広 く 水 域 環 境 中 に 存 在 する 多 く 含 まれていると 泡 立 ちの 原 因 になることから 泡 立 ち 防 止 の 観 点 から 基 準 値 200mg/L と 定 めら れています 41 ジオスミン( 基 準 値 :0.00001mg/L 以 下 ) 放 腺 菌 や 藍 藻 類 の 中 のある 種 のものが 生 産 する 純 かび 臭 を 呈 する 臭 気 物 質 で 水 道 水 のか び 臭 の 原 因 物 質 として 知 られています 高 度 浄 水 処 理 を 導 入 して 100% 除 去 できるようになりま した 健 康 に 影 響 を 与 えるものではありませんが 微 量 でも 臭 気 が 感 じられることから 基 準 値 は 着 臭 防 止 の 観 点 から 設 定 されています ( 平 成 16 年 4 月 に 追 加 された 項 目 ) 42 2-メチルイソボルネオール( 基 準 値 :0.00001mg/L 以 下 ) 放 腺 菌 や 藍 藻 類 の 中 のある 種 のものが 生 産 する 墨 汁 のような 臭 気 物 質 で 水 道 水 ではかび
臭 の 原 因 物 質 として 知 られています 健 康 に 影 響 を 与 えるものではありませんが 微 量 でも 臭 気 が 感 じられることから 基 準 値 は 着 臭 防 止 の 観 点 から 設 定 されています ( 平 成 16 年 4 月 に 追 加 され た 項 目 ) 43 非 イオン 界 面 活 性 剤 ( 基 準 値 :0.02mg/L 以 下 ) 家 庭 用 日 用 化 学 品 として 合 成 洗 剤 やシャンプーなどに また 産 業 用 として 洗 浄 剤 や 乳 化 剤 と して 使 用 されている 多 く 含 まれると 発 泡 の 原 因 になり 泡 立 ち 防 止 の 観 点 から 基 準 値 が 定 められ ている ( 平 成 16 年 4 月 に 追 加 された 項 目 ) 44 フェノ-ル 類 ( 基 準 値 :0.005mg/L 以 下 ) 主 に 防 腐 剤 や 消 毒 剤 として また 医 薬 品 農 薬 合 成 繊 維 合 成 樹 脂 爆 薬 染 料 等 の 各 種 製 品 の 製 造 原 料 として 利 用 されている フェノ-ル 類 が 原 水 中 に 存 在 していると 塩 素 と 反 応 して 水 道 水 に 特 有 の 不 快 臭 を 与 えます 基 準 値 は 着 臭 防 止 の 観 点 から 定 められている 45 有 機 物 ( 全 有 機 炭 素 (TOC)の 量 )( 基 準 値 :5mg/L 以 下 ) 水 に 含 まれる 有 機 物 の 量 で 自 然 界 においては 動 植 物 の 腐 敗 によるものの 他 工 場 排 水 生 活 排 水 等 が 河 川 水 へ 流 入 することによっても 増 加 し 有 機 物 汚 濁 指 標 として 用 いられます ( 平 成 16 年 4 月 に 追 加 された 項 目 ) 46 PH 値 ( 基 準 値 :5.8 以 上 8.6 以 下 ) 水 の 酸 性 アルカリ 性 の 度 合 いを 示 すもので 7を 中 性 とし 数 値 が 小 さくなると 酸 性 大 きくな るとアルカリ 性 となります 大 部 分 の 自 然 水 は 5.8~8.6 の 範 囲 にあります PH 値 が 低 いほど 腐 食 性 が 高 くなります 水 道 水 は 中 性 の7 付 近 の 値 です 47 味 ( 基 準 値 : 異 常 でないこと) 水 の 味 は 水 に 溶 存 する 物 質 の 種 類 濃 度 によつて 感 じ 方 が 異 なってくるため 水 質 異 常 を 判 断 する 指 標 となります 48 臭 気 ( 基 準 値 : 異 常 でないこと) 水 の 味 は 水 に 溶 存 する 物 質 の 種 類 濃 度 によつて 感 じ 方 が 異 ります 水 道 の 障 害 としては 藻 類 や 放 線 菌 等 の 生 物 に 起 因 する 臭 気 (かび 臭 藻 臭 魚 臭 等 ) 有 機 化 合 物 による 臭 気 ( 薬 品 臭 油 様 臭 ) 配 給 水 施 設 に 起 因 する 臭 気 ( 金 臭 新 管 臭 ) 等 あります この 基 準 においては 消 毒 臭 による 臭 気 は 除 かれます 49 色 度 ( 基 準 値 :5 度 以 下 ) 水 の 色 の 程 度 を 示 すもので 水 道 水 では 鉄 錆 により 着 色 することがあります 水 の 清 濁 汚 濁 の 指 標 の 一 つであります 基 準 値 の5 度 は 水 道 水 の 快 適 な 使 用 を 妨 げない 値 として 定 められて います 50 濁 度 ( 基 準 値 :2 度 以 下 ) 水 の 濁 りの 程 度 を 示 すもので 水 道 では 配 給 水 施 設 の 異 常 事 故 等 を 判 断 する 指 標 の 一 つで す 基 準 値 の2 度 は 水 道 水 の 快 適 な 使 用 を 妨 げない 値 として 定 められています 水 道 における クリプトスポリジウム 暫 定 対 策 指 針 ( 平 成 8 年 10 月 )において 浄 水 場 のろ 過 水 濁 度 を 0.1 度 以 下 に 維 持 するよう 浄 水 処 理 を 徹 底 することとされている