発 言 2 共 食 がなぜ 注 目 されているか 40 年 間 の 共 食 孤 食 研 究 と 実 践 から 足 立 己 幸 ( 名 古 屋 学 芸 大 学 健 康 栄 養 研 究 所 所 長 ) 要 旨 共 食 孤 食 について 学 問 的 なコンセンサスを 得 た 継 続 的 な 研 究 や 実 践 の 蓄 積 が 国 内 外 ともに 少 ない ここでは 発 言 者 足 立 がなぜ 共 食 孤 食 に 注 目 してきたか 何 に 注 目 し てきたか そして 今 従 来 にも 増 して 深 くかかわる 必 要 があると 考 えているのはなぜか 等 を 振 り 返 り 共 食 はなぜ 注 目 されているか の 議 論 に 供 したいと 思 う 1.1970-80 年 代 : それぞれのからだに 合 った 食 事 が 必 要 だ 高 齢 者 と 若 い 人 は 異 なるから 別 々の 食 事 が 理 想 だ という 栄 養 指 導 への 疑 問 が 共 食 孤 食 研 究 の 出 発 に なった 家 族 について 1 週 間 の 食 事 カレンダー 調 査 結 果 で 高 齢 者 の 場 合 異 世 代 と 離 れたひとり 食 べ 又 は 高 齢 者 だけの 食 事 群 は 異 世 代 いっしょの 食 事 群 に 比 べ て 食 事 の 栄 養 面 で 問 題 を 持 つ 人 が 多 い 実 態 が 明 らかになった 栄 養 面 と 心 や 人 間 関 係 面 が 双 方 向 的 に 質 を 高 める 食 事 のあり 方 があるはずだと 考 え ひとり 食 べを 孤 食 一 緒 に 食 べるを 共 食 と 名 付 けて 両 者 の 比 較 研 究 を 始 める 2.1990 年 代 : 食 事 スケッチ 調 査 法 と 質 問 票 調 査 やインタビューを 組 み 合 わせる 食 生 態 調 査 法 を 開 発 実 施 し 全 国 各 地 で 子 どもたちに 日 常 的 な 孤 食 が 多 いこと そ れが 日 常 の 食 事 内 容 食 行 動 健 康 生 活 の 各 面 の 問 題 点 とつながっていた いわば 孤 食 による 悲 しい 連 鎖 とその 構 造 を 明 らかにする この 悲 しい 連 鎖 の 方 向 転 換 をねらっ て 逆 の 発 想 理 想 の 食 事 のスケッチ 法 を 開 発 し 調 査 をすると さらに 深 刻 なこと 食 事 に 人 間 が 描 かれない 食 事 の 理 想 像 を 描 けない 実 態 が 表 面 化 する マイナスを 強 調 して 警 告 を 発 する 栄 養 指 導 から 理 想 を 実 現 する 方 法 を 考 える ポジティブ 食 教 育 へのシフトにつながった 43
3.2000 年 代 : 健 康 日 本 21 食 生 活 指 針 食 育 基 本 法 の 制 定 等 が 進 む 中 食 に 関 する 話 題 を 異 専 門 分 野 の 人 びとと 共 有 する 機 会 が 全 国 的 に 多 くなる 一 方 でライフスタイルや 価 値 観 の 多 様 化 が 進 む 中 食 事 スタイルも 多 様 化 する 一 人 暮 らしの 高 齢 者 は 家 族 との 共 食 は 難 しい どうするか? 一 方 で 共 食 孤 食 に 関 する 国 際 比 較 研 究 で 異 文 化 異 環 境 異 ライ フスタイルの 中 での それぞれの 共 食 のあり 方 を 考 え 実 行 しやすい 地 域 環 境 づくりの 必 要 性 が 高 まる 一 つは いっしょに 食 べる 共 食 から 食 行 動 ( 食 事 を 作 る 行 動 や 情 報 の 交 換 形 成 にかかわる 行 動 を 含 む)の 共 有 の 視 点 を 導 入 し 多 様 な 共 食 を 考 えること 二 つは 家 族 単 位 の 共 食 から グループや 地 域 で 支 え 合 う 共 食 の 場 づくりの 検 討 が 必 要 になる これ は 食 事 から 積 み 残 されがちだった 生 活 者 の 個 性 や 人 間 性 を 重 視 する 食 事 食 生 活 食 環 境 のあり 方 検 討 そのものにつながる 4.2013 年 の 今 : 第 2 次 食 育 推 進 基 本 計 画 や 健 康 日 本 21( 第 2 次 ) のキーワードに 位 置 づ けられて 共 食 孤 食 の 必 要 性 や 重 要 性 を 知 る 人 は 年 代 を 問 わず 多 くなった しかし 残 念 なことに 共 食 の 形 骸 化 見 えない 孤 食 が 進 行 していることが 最 近 の 調 査 ( 足 立 安 達 2013)で 明 らかになった 例 えば 食 卓 に 携 帯 電 話 を 持 ち 込 んで 受 発 信 優 先 で 進 む 食 事 場 所 と 時 間 は 共 有 しているがコミュニケーションが 少 ない 等 である 今 は 上 記 1 から 4 までの 全 部 のタイプが 未 解 決 のまま 日 本 中 に 混 在 しているようだ 44
皆 さん こんにちは 私 のテーマは 共 食 がなぜ 注 目 されている か です 非 常 に 大 きなテーマですので 答 は 一 様 でないでしょう そこで 本 日 は 私 が 40 年 ほど 前 からこだわり 取 り 組 んできた 共 食 孤 食 研 究 と 実 践 の 経 過 を 振 り 返 りながら 答 え 探 しをしたいと 思 います どんな 問 題 が 含 まれているのでしょうか? 今 日 皆 様 と 一 緒 に 考 えたい 内 容 です 1つ 目 孤 食 はここ 40 年 間 増 加 してい 図 1 ます その 食 事 内 容 食 行 動 健 康 人 間 関 係 等 との 悲 しい 循 環 は 深 刻 化 し 問 題 点 は 多 様 化 しています 特 に 次 世 代 を 担 う 子 ども 期 での 問 題 が 著 しい 実 態 を 知 ること 2 つ 目 今 食 の 方 向 転 換 が 必 要 とされる 中 それぞれがそれぞれの 価 値 観 ライフスタイルや 環 境 に 見 合 った 方 向 や 方 法 を 見 つけることが 必 要 と 考 えます そのためには 各 人 が 共 食 孤 食 をどうと らえるか その 中 で 何 を 重 視 するか?しかも 自 分 自 身 の 得 意 なこと プラス 面 を 活 かす 方 向 でなけれ ば 長 続 きしないでしょう それは 何 か? これは 行 動 目 標 を 決 める 時 に 重 要 な 考 え 方 ですが 本 日 小 泉 先 生 が 特 別 講 演 で 強 調 さ れた 手 段 でなく 目 的 は 何 か 何 が 重 要 かを 知 ることが 大 事 です ということと 重 なって います 3つ 目 人 びとの 目 標 や 方 法 がバラバラでは 前 に 進 まないでしょう 家 族 仲 間 地 域 の 人 びととゴールを 共 有 し 連 携 して 全 体 が うまく 調 和 が 取 れる 方 向 が 望 まれます うま くまわしてゆくためにはどうしたらよいか? 図 2 の 検 討 が 必 要 です 共 有 するゴールの 視 野 として 新 しい 食 育 がめざしている 食 育 の 環 ( 清 野 参 事 官 補 佐 の 図 17) が 参 考 になります その 真 ん 中 に 食 事 の 営 みがある 食 事 の 営 みは 家 庭 学 校 グループ 職 場 等 の 食 卓 さらに 地 域 に 開 放 された 食 卓 も 役 割 を 果 たすことでしょう 地 域 の 中 たくさんの 食 卓 での 営 み をどうしたらよいかについて 個 別 と 地 域 全 体 の 双 方 向 から 考 える 必 要 があります さて 40 年 前 のことです 私 の 共 食 孤 食 へのこだわりは 人 間 離 れする 食 事 の 評 価 への 疑 問 から 始 まりました 具 体 的 に 45
はスライドに 書 いた 発 言 それぞれのからだに 合 った 食 事 が 必 要 だ 高 齢 者 と 若 い 人 は 異 なる から 家 族 でも 別 々の 食 事 が 理 想 だ という 発 言 を 聞 いた 時 からです 全 国 から 集 まった 県 代 表 の 生 活 指 導 の 専 門 家 研 修 会 での 発 言 でした 年 齢 性 活 動 の 種 類 や 量 によってエネルギー や 栄 養 素 の 必 要 量 や 推 奨 量 ( 当 時 は 栄 養 所 要 量 ) が 異 なり それに 見 合 った 食 物 の 組 み 合 わせ 方 の 教 育 がすすめられてきました この 点 からす れば 家 族 の 食 事 をそれぞれ 別 々に 準 備 し 別 々 に 食 べることは 合 理 的 かもしれません しかし 図 3 現 実 に 私 たち 生 活 者 は 食 事 がおいしくて 楽 し い 時 に 今 日 の 食 事 はよかった と 思 います 家 族 の 食 事 は 健 康 味 や 満 足 人 間 関 係 文 化 経 済 環 境 などが 絡 み 合 うダイナミックな 営 みなので これらの 絡 み 合 いの 中 で 評 価 しています 薬 を 飲 ん だり 点 滴 で 必 要 な 栄 養 成 分 を 取 り 込 むこととは 異 なった 意 味 を 持 ちます だから 専 門 家 は 食 事 を 評 価 する 時 にこれらの 点 を 含 める 必 要 があります しかし 現 実 には 専 門 家 が 食 事 を 評 価 する 場 合 には 食 事 は 各 面 にばらされて ( 栄 養 の 専 門 家 の 場 合 は 栄 養 面 だけに 短 絡 して) 評 価 することが 多 い のです 例 えば 食 物 に 含 まれる 特 定 の 栄 養 成 分 だけをとりあげて その 種 類 や 量 で 評 価 する 食 事 に とって 栄 養 素 は 欠 かすことができない 重 要 な 物 質 です しかし その 評 価 だけで 食 事 ( 全 体 )の 評 価 としてしまうことは 人 間 から 切 り 離 した 評 価 であり 人 間 離 れではないかと 思 いました 食 事 は 人 間 が 食 物 を 食 べる 営 み なのに 人 間 が 抜 けてしまうのはおかしい 誰 と 食 べるか 一 人 で 食 べ るか どう 食 べるかを 捨 象 した 食 事 のとらえ 方 や 評 価 の 仕 方 はおかしい と 本 日 小 泉 先 生 は 特 別 講 演 を1 枚 目 のスライドで 21 世 紀 は 要 素 還 元 論 から 俯 瞰 統 合 論 の 時 代 へ と 始 められました 私 はこの 言 葉 を 身 震 いするほどの 感 動 で 受 け 止 めました 40 年 前 に 私 自 身 はしか るべき 科 学 論 をふまえた 概 念 や 表 現 法 を 知 りませんでしたから 本 日 の 小 泉 先 生 の 高 い 科 学 論 のレベ ルの 足 元 にも 及 びませんが 同 じ 思 いだったの だと 受 け 止 めました 今 小 泉 先 生 のことばで 言 い 換 えれば 食 事 の 評 価 が 全 国 的 に 要 素 還 元 論 に 傾 斜 する 中 私 はささやかな 抵 抗 をして 食 べる 人 と 食 物 とくらしや 地 域 との 関 わりを 俯 瞰 総 合 的 に 把 握 し その 結 果 を 根 拠 にした 栄 養 教 育 食 育 をすすめたい その 重 要 なひとつは 食 事 をだれとたべるか だと 考 えたのでした 1975 年 まず 現 状 を 把 握 するため 簡 単 な 基 本 的 な 調 査 を 開 始 しました 家 族 について 1 週 間 の 食 事 カレンダー と 名 付 け 神 奈 川 県 大 井 町 の 皆 さんのご 協 力 をいただきました 家 族 図 4 46
全 員 について 何 時 に 何 を 食 べたかの 記 録 です 食 べた 時 刻 と 食 べた 料 理 から 家 族 全 員 の 共 有 状 況 を 知 ることができます とても 幼 稚 な 調 査 票 で すが 食 事 の 共 有 ( のちに 共 食 ) に 関 する 調 査 方 法 の 出 発 点 になりました 結 果 の 一 部 高 齢 者 に 注 目 した 分 析 結 果 です 記 録 された 食 事 内 容 から 推 計 したエネルギーや 主 要 な 栄 養 素 の 各 摂 取 率 (その 人 にとって 栄 養 学 的 に 望 ましとされる 量 に 対 する 実 際 の 摂 取 量 の 百 分 率 )で 比 較 しました 上 から 朝 食 夕 食 朝 夕 食 の 順 に 高 齢 者 も 若 い 人 も 一 緒 の 食 事 タ イプが 別 々に 食 べている 食 事 タイプに 比 べて エネルギーはほぼ 同 じですが 他 の 主 要 栄 養 素 の 摂 食 率 が 高 く 望 ましいとされる 100% の 線 図 5 に 近 いことがわかります 最 下 段 の 朝 夕 と もにいっしょのタイプは ともに 別 々のタイ プに 比 べて よりはっきり 差 がみられます この 結 果 は はじめに 紹 介 した 高 齢 者 と 若 者 が 別 べつの 食 事 が 良 い のでなく 家 族 がいっしょに 食 べる 食 事 が 栄 養 素 摂 取 面 から 見 ても 望 ましい 傾 向 にある を 裏 付 ける 結 果 であり ありがたく 思 いました この 時 に 家 族 が 一 緒 に 食 べることを 家 族 との 共 食 1 週 間 に 何 日 ( または 何 回 ) いっ しょに 食 べるかの 回 数 を 用 いて 共 食 頻 度 逆 に 一 人 で 食 べることを ひとり 食 べ そ 図 6 の 後 孤 食 と 名 付 けて 研 究 を 続 けました なぜ 共 食 孤 食 が 食 事 内 容 と 直 接 関 連 するのか 他 の 食 行 動 や 食 生 活 全 体 にどのような 影 響 を 及 ぼ すのか 特 に 孤 食 で 食 事 内 容 や 健 康 に 問 題 点 が 多 いのはなぜか 他 の 年 代 でも 同 じ 傾 向 なのか 他 の 地 域 でも 同 じ 傾 向 なのか 等 を 明 らかにする 一 連 の 調 査 が 始 まりました これは 子 ども 世 代 を 中 心 に 全 国 調 査 の 一 部 です 1981 年 全 国 7 地 域 の 小 学 5 年 生 1067 名 に 協 力 してもらった 調 査 結 果 を 基 にした なぜひとり で 食 べるの と その 17 年 後 の 比 較 調 査 を 基 にした 知 っていますか 子 どもたちの 食 卓 (いずれ も NHK 出 版 )をお 読 みくださった 方 はこの 会 場 にも 多 いと 思 います この 本 が 共 食 孤 食 への 関 心 を 集 め 従 来 の 栄 養 素 摂 取 優 先 の 食 事 のとらえ 方 ( 食 事 観 や 食 生 活 観 )をゆすぶる 原 動 力 になったと いわれています 本 の 中 で 紹 介 した 絵 です きょうの 朝 食 はどんな 食 事 でしたか 簡 単 な 絵 にしてください 食 べ た 物 といっしょに 食 べた 人 を 忘 れずに 書 いてください の 問 いに 対 して 子 どもが 描 いた 絵 です 子 ど 47
もたちは 正 直 に 描 いてくれました 左 上 は 家 族 いっしょの ほっとする 絵 それに 対 し 右 下 は ひとりだけのさみしい 食 事 の 絵 です 当 時 一 般 的 に 子 どもの 食 事 調 査 は 何 をどれ だけ 食 べたかを 明 らかにする 目 的 で 行 われてき ました 食 べた 物 調 査 ですから より 正 確 を 期 すためには 作 った 人 大 人 たち 多 くは 食 事 担 当 者 に 回 答 を 求 めることが 多 かったです しかし 私 たちの 共 食 調 査 の 目 的 は 食 べる 人 の 食 べ 方 や 心 の 状 態 を 含 めて 明 らかにすること 図 7 を 目 的 としていますので 本 人 でなければ 回 答 できません 小 学 生 でもありのままを 回 答 でき る しかも 自 分 が 相 対 化 していない 内 的 な 思 いをそのまま 回 答 できるスケッチという 表 現 法 ( 食 事 スケッチ 法 と 名 付 けました)を 活 用 した 調 査 です 強 く 感 じたところを 丁 寧 に 描 いたり 大 きく 書 い たり 逆 に 描 きたくない 場 合 はなにも 描 かなかったり です 食 事 スケッチ 法 での 回 答 と 同 時 に 確 認 すべき 点 については 質 問 紙 調 査 更 に 可 能 な 範 囲 で 個 別 インタビューやグループインタビューを 組 み 合 わせて 行 動 や 事 象 間 の 関 係 を 明 らかにす る 方 法 を 開 発 して 地 域 比 較 や, 経 時 変 化 の 把 握 に 活 用 してきました これは 1998 年 調 査 の 中 の 2 枚 です 左 上 は 家 族 いっしょの 食 事 右 下 は 空 間 的 には 一 緒 ですが 食 事 をいっしょに 食 べていない 親 子 はわずか 1 メートル 以 内 の 距 離 に 座 ってい ますが 母 親 はパソコンで 仕 事 をし 5 年 生 図 8 の 男 の 子 の 回 答 は 一 人 で 食 べた です こ のように その 時 間 帯 は 家 族 が 家 にいるのに 共 食 していない 例 が 年 々 多 くなっていることも 明 らかになりました 1981 年 と 1999 年 調 査 結 果 を 比 較 しました 朝 食 について 家 族 全 員 で 食 べるが 22.4% か ら 12.6% に 減 少 し 逆 に 一 人 で 食 べるが 17.8% から 26.4% に 多 くなっています そして 子 どもだけで 食 べる 24.5% を 合 計 すると 50.9% すなわち 全 体 の 半 数 以 上 が 大 人 のいない 子 ども だけの 食 事 である 実 態 を 示 しています 1981 年 調 査 結 果 で 全 国 的 な 孤 食 への 関 心 が 高 ま 図 9 48
り 共 食 を 心 がける 人 は 多 くなっているといわ れる 中 で 現 実 は 異 なるということです 同 じ 調 査 で 明 らかになった 食 事 内 容 です ご 存 知 の 方 が 多 いように 健 康 づくりの 観 点 から 主 食 主 菜 副 菜 料 理 が 揃 った 食 事 は 栄 養 味 の 両 面 のバランスが 良 好 になるということ で 食 事 バランスの 指 標 になっています その 理 由 は 主 食 の 主 材 料 である 穀 物 からのエネル ギー 主 菜 の 主 材 料 である 肉 や 魚 や 卵 や 大 豆 か らタンパク 質 や 脂 質 を そして 副 菜 の 主 材 料 で あるたっぷりの 野 菜 や 海 草 から 各 種 ビタミンや 無 機 質 が 提 供 されるので 結 果 として 食 材 料 構 図 10 成 からも 栄 養 素 構 成 からも 良 好 な 組 み 合 わせ だということです 特 に 心 身 の 成 長 期 にある 小 学 校 高 学 年 の 子 どもたちにとって 重 要 な 基 本 的 な 組 み 合 わせです しかし 現 実 にはこれら 3 種 揃 った 食 事 は 朝 食 で 8.7% 夕 食 で 24% しかいない 現 実 も 明 らかに なりました さらに 表 側 に 書 いてある 共 食 行 動 食 態 度 や 共 食 観 食 事 内 容 食 行 動 健 康 の 各 面 につ いて 朝 食 を 家 族 全 員 で 食 べた 群 と 一 人 で 食 べた 群 更 に 一 人 で 食 べるほうが 良 いと 答 えた 群 で 比 較 しました それぞれの 質 問 の 各 回 答 につい て 食 生 活 に 関 する 先 行 研 究 等 で 問 題 があると 注 目 されている 回 答 を 選 択 した 子 どもの 比 率 で 示 してあります したがってグラフの 棒 が 長 い 図 11 方 が 問 題 を 抱 える 子 どもが 高 率 であることを 示 します ほぼ 全 質 問 について 家 族 全 員 群 に 比 べてひ とり 群 がより 高 率 を 示 しました さらに ひと りがよい 群 が 高 率 でした これら 取 り 上 げた 各 面 がつながっている 実 態 が 浮 き 彫 りになり 当 時 私 は ひとり 食 べ( 孤 食 )の 悲 しい 連 鎖 と 呼 んだのでした この 悲 しい 連 鎖 をもたらす 孤 食 の 特 徴 をコの 音 を 踏 んで 表 現 したものです その 後 この 表 現 が 7 つのコ 食 9 つのコ 食 11 のコ 食 など と 展 開 されています 図 12 49
図 13 共 食 孤 食 が 食 事 内 容 や 食 行 動 だけでなく 生 活 人 間 関 係 や 社 会 活 動 とも 連 鎖 している 実 態 は 他 の 世 代 でも 見 られます 2003 年 に 実 施 した 高 齢 者 の 共 食 孤 食 調 査 の 結 果 (これ は 65 歳 からの 食 卓 という 書 名 で NHK 出 版 から 発 刊 され 足 立 己 幸 の 共 食 シリーズ 第 3 冊 目 にあたります)からも 明 らかです この 図 は 71 歳 の 女 性 の 事 例 です 3 世 代 5 人 暮 らしで 共 食 頻 度 が 高 い A さんは 家 族 との 共 食 頻 度 が 高 く 別 居 子 との 共 食 や 友 人 や 仲 間 との 会 食 をす ることもあります 健 康 状 態 が 良 いので グラ ンドボールや 舞 踊 をたしなみ ボランティアで 介 護 をすることもあります 一 方 でスーパーや 小 売 店 での 買 い 物 を 活 用 する 食 事 づくりですの で 結 果 として 食 物 の 組 み 合 わせが 良 好 で 栄 養 素 のバランススコアも 高 いおいしい 食 事 を 楽 しんでいます これらがプラスの 循 環 をまわし ているといえましょう 図 14 一 方 同 じ 70 歳 代 で 同 居 家 族 はいるが 食 事 はひとりで 食 べる B さんの 場 合 は 活 動 能 力 がやや 低 いこともあってか 家 族 との 食 事 は 楽 しくないと 回 答 し 友 達 や 仲 間 などとの 料 理 や 食 情 報 の 交 換 も 少 ないようです 残 念 なこ とに 色 々な 面 で 問 題 点 が 多 く 悲 しい 循 環 にな り これらの 条 件 が 重 なり 合 ってか 食 事 内 容 に 問 題 が 多 く 食 物 の 摂 取 得 点 も 低 くなっている ようです これは 全 国 小 学 5 年 生 2110 名 とその 家 族 の 協 力 を 得 て 実 施 した 魚 摂 食 をめぐる 食 生 態 調 査 の 一 部 です 調 査 の 目 的 は 子 どもたちについ て 魚 を 日 常 的 に 食 べることと 健 康 食 事 食 行 動 生 活 環 境 とのつながりを 構 造 的 に 明 ら かにし その 結 果 をふまえて 日 本 人 のさかな 図 15 からの 食 育 プログラムを 検 討 することでした 結 果 を 見 て 驚 きました 魚 を 日 常 的 に 食 べている( 週 3-4 回 以 上 ) 子 どもたちは 食 生 活 への 満 足 度 が 高 い このことが 自 然 環 境 観 が 豊 か 食 物 観 が 豊 か 健 康 観 が 豊 か 食 生 態 への 関 心 が 高 い 魚 を 50
食 べることに 積 極 的 魚 が 好 き 魚 を 食 べる ことに 自 信 がある 等 とつながっていること しかも 家 族 との 共 食 が 多 い 食 事 時 の 会 話 が 多 い 魚 をめぐる 食 行 動 の 共 有 が 多 いことと 深 く 関 連 していました この 図 は 同 じ 調 査 で 魚 を 日 常 的 に 食 べな い( 週 に 1-2 回 以 下 ) 子 どもたちについて 前 の 図 と 同 じ 分 析 結 果 です 各 項 目 を 結 ぶ 線 がきわめて 少 ない このことは 取 り 上 げた 項 目 間 の 関 係 が 見 られないということです 特 に 魚 を 日 常 的 に 食 べる 行 動 と 家 族 との 食 行 動 の 共 有 に 関 する 項 目 間 には 一 本 も 線 がないこと そして 食 生 活 への 満 足 にも 有 意 な 関 係 がみられないことが 示 されました 図 16 これはほぼ 同 じ 時 期 に 厚 生 労 働 省 が 行 った 全 国 調 査 の 結 果 です 調 査 の 質 問 内 容 や 方 法 が 異 なりますので 先 ほどの 調 査 と 直 接 比 較 することは 難 しいです 全 国 的 に 年 々 家 族 そろって 食 事 を 食 べる 機 会 が 少 なくなってい ることがわかります (この 後 の 年 次 変 化 は 清 野 参 事 官 補 佐 の 図 12 を 参 照 )この 図 のデータ のそれぞれが 今 まで 確 認 してきた 悲 しい 循 環 を 奥 行 きにもっていることを 見 落 としてはならないと 思 います 図 17 では 最 近 の 子 どもたちの 共 食 孤 食 の 状 況 はどうなっているのでしょうか? 1981 年 と 1999 年 調 査 とほぼ 同 じ 目 的 と 方 法 で 去 年 の 暮 に 名 古 屋 学 芸 大 学 のキャン パスがある 愛 知 県 の 日 進 市 内 東 地 区 の 小 中 学 校 のご 協 力 の 下 調 査 をさせていただきまし た その 結 果 です これははじめに 見 ていただ いた 図 10 を 上 部 に 再 掲 しています 1981 年 と 1999 年 は 全 国 7 地 域 の 調 査 結 果 ですか ら このまま 比 較 することはできませんが 特 徴 を 浮 き 彫 りにするために 1 枚 の 図 に 表 現 しました 調 査 日 の 朝 食 で ひとりで 食 事 を している 子 どもが 小 学 生 で 31.7% 中 学 生 で 図 18 51
図 19 図 20 56.6%いることがわかります 家 族 との 共 食 タイプ 別 に 1 週 間 単 位 で 家 族 との 共 食 状 況 を 比 較 したものです 小 学 生 について 調 査 日 に 一 人 で 食 べた 子 どもたちの 46.8% が 1 週 間 のうち 家 族 がそろった 朝 食 は 0 回 または 1 2 回 に 留 まっていることがわかります 中 学 生 の 場 合 はさらに 多 く 61.9%でした 調 査 日 の 孤 食 がたまたまだったのでなく 日 常 的 な 状 況 を 反 映 しているととらえてよいと 考 えます 夕 食 についても 同 じ 傾 向 でした 図 12 と 同 じように 子 どもたちの 共 食 や 食 生 活 に 関 する 態 度 について 調 査 前 日 夕 食 の 共 食 タイプ 別 に 比 較 しました( 文 献 的 に 積 極 的 ま たは 望 ましいといわれている 態 度 や 行 動 への 回 答 者 率 なので 図 12 とは 逆 に 棒 グラフが 図 21 長 い 方 が 望 ましい 回 答 者 率 が 高 いことを 示 す) 家 族 全 員 で 食 べた 子 どもたちが 取 り 上 げたほ ぼ 全 部 の 項 目 で 良 好 な 状 況 がみられます 逆 に この 調 査 でも ひとりで 食 べることと 食 生 活 全 体 の 悲 しい 連 鎖 がみられます これは 埼 玉 県 坂 戸 市 の 小 学 生 たちの 協 力 によ る 調 査 結 果 です 私 たち 共 食 孤 食 の 研 究 グループは 共 食 の 良 さがいろいろ 明 らかになる 中 育 てたいことは 受 け 身 だけでなく 自 分 から 作 りだす 共 食 の 場 や 図 22 52
図 23 共 食 の 良 さであり そのために 知 りたいこと はその 可 能 性 です 積 極 的 な 共 食 行 動 の 一 面 として 自 発 的 コミュニケーションに 注 目 し てきました 子 どもが 食 事 中 に 自 分 から 何 か 発 言 をしているかどうかという 質 問 に 対 する 回 答 内 容 で 群 分 けをしました 共 食 頻 度 が 高 く かつ 食 事 中 の 自 発 的 コミュニケーション が 高 い A 群 は 男 子 で 31% 女 子 で 43% ぐら いいます この 子 どもたちは 栄 養 や 健 康 に 関 する 会 話 が 多 いこと 家 族 と 一 緒 に 買 い 物 に 行 く 頻 度 も 高 いことが 明 らかになりました 坂 戸 調 査 と 同 じ 方 法 で 日 進 市 小 学 5 年 生 の 回 答 を 分 析 したものです A 群 は 男 子 41.9% 女 子 52%で 坂 戸 調 査 の 場 合 よりやや 高 率 になりました A 群 は 朝 食 の 摂 食 頻 度 朝 食 前 後 の 挨 拶 夕 食 前 後 の 挨 拶 家 族 との 関 係 など 様 々な 面 で 良 好 な 関 係 がみられることがわかります 共 食 の 質 が 今 後 共 食 のあり 方 を 考 える 上 で 重 要 なポイントになることを 示 しています 図 24 この 食 事 スケッチは 両 方 とも 一 週 間 に 5 日 以 上 家 族 と 一 緒 に 食 事 をする いわゆる 共 食 頻 度 が 高 い 小 学 5 年 生 が 描 きました 良 い 循 環 を 奥 行 きにもつ 食 事 と 受 け 止 めてよいで しょう しかし 今 回 の 調 査 で 共 食 の 質 をめぐって 新 しいマイナスの 動 きが 確 認 されたことを 申 し 上 げなければなりません 既 に 内 閣 府 の 食 育 読 本 でも 公 表 しています が 携 帯 電 話 等 が 食 卓 に 持 ち 込 まれ 共 食 の 質 に 影 響 を 及 ぼしていること が 明 らかになり ました 携 帯 電 話 の 食 卓 登 場 数 という 奇 妙 図 25 な 造 語 を 作 ってしまったのですけれど 食 事 の 時 に 食 卓 の 上 又 は 傍 に 携 帯 電 話 を 置 いてい る 家 族 の 数 小 学 生 で 70% 以 上 中 学 生 で 74% 以 上 という 数 値 が 出 てまいりました 最 高 は1 卓 に 53
4 台 でした 持 ち 主 のトップは 母 親 次 が 父 親 です 2009 年 東 京 都 内 の 小 学 5 年 生 のグルー プインタビューで 子 どもたちは 母 親 は PTA の 委 員 で 大 事 な 交 信 があるので 見 逃 すわけに はいかないから 仕 方 がない と 携 帯 電 話 の 食 卓 登 場 を 弁 護 しました ということは 親 子 は 食 卓 という 空 間 と 時 間 を 親 子 は 共 有 しているけれども 家 族 それぞれに 注 目 ( 集 中 )していることが 異 なっているので 食 を 味 わって 食 べるという 行 為 を 共 有 している 図 26 とは 限 らないことになります 以 前 から 問 題 視 されている 食 事 中 のテレビ 視 聴 は 同 じ 映 像 を 観 ながら 食 べる という 点 からすれば 別 々の 交 信 を 気 にしている 携 帯 電 話 の 受 送 信 行 動 より 少 し 救 われるような 気 がします きわめて 現 代 的 なライ フスタイルや 価 値 観 の 中 で 問 われる 共 食 の 質 の 低 下 といえましょう 図 27 方 向 で 考 えることになります さて 本 日 一 緒 に 考 えたいことの 2 つ 目 に 入 ります 食 の 方 向 転 換 が 必 要 だ しかもそれぞれのラ イフスタイルや 環 境 に 見 合 った 方 向 を 見 つける ことが 必 要 そのためにはどうしたら 良 いか それは 原 点 に 戻 って 共 食 や 孤 食 をどう 捉 える か 何 を 重 視 するかということについて 考 える こと また 先 ほども 申 し 上 げましたように 自 分 のプラス 面 自 分 たちのプラス 面 を 活 かす これは 先 ほど 清 野 参 事 官 補 佐 からご 紹 介 いただいた 内 閣 の 刊 行 物 親 子 のための 食 育 読 本 の 論 文 に 書 いたものです 共 食 孤 食 について 考 えるときに 食 事 を 共 有 する 相 手 時 間 帯 場 所 食 べ 物 の 内 容 等 共 有 する 食 事 の 側 面 先 ほどから 問 題 視 している 食 事 行 動 の 質 ( 食 事 への 集 中 度 )です さらに 共 有 する 行 動 を 食 べる 行 動 だけではなくて 食 事 を 作 る 準 備 する 行 動 や 食 関 連 情 報 を 受 発 信 したりして 食 を 営 む 力 を 形 成 する 行 動 を 図 28 54
含 めて 考 えることが 必 要 と 思 います この 3 種 の 食 行 動 は 日 常 生 活 では 連 動 していますの で どの 行 動 の 共 有 も 同 じになるという 考 え 方 です 図 29 今 私 は 共 食 の 定 義 をこのようにさせていた だいています 生 活 や 社 会 活 動 をいっしょに ( 共 有 ) しているだれかと 食 行 動 を 共 有 するこ と この 時 食 行 動 は 先 ほど 申 し 上 げまし たように 食 べる 行 動 だけではなくて 作 っ たり 準 備 する 行 動 や 情 報 を 受 発 信 する そう した 食 生 活 を 営 む 力 を 形 成 することも 含 めた 食 行 動 です さらに これも 先 ほどの 食 育 基 本 法 の 話 し のとおり 食 育 基 本 法 で 求 めている 食 という のは 鉤 括 弧 つきの 食 です 食 育 の 環 で 示 されたあの 循 環 の 食 です ですから そういう 意 味 では 共 有 する 相 手 共 有 する 行 動 というのは 共 食 事 から 共 食 行 動 へ そして 共 食 へということになります いかがでしょうか 図 30 もう 一 つ 重 要 なことは 食 行 動 を 共 有 する 相 手 の 問 題 です 従 来 は 同 居 する 家 族 を 中 心 に 考 えてきたけれども 社 会 環 境 やライフスタ イルの 変 化 の 中 で 単 身 生 活 者 も 多 くなってき たので 仲 間 学 校 学 ぶ 仲 間 仕 事 する 仲 間 又 はそれをさらに 枠 を 外 した 形 で 地 域 の 人 々 へという 考 え 方 に 転 換 していかなければなら ない という 提 案 です とはいえ この 時 家 族 は 出 生 成 長 の 過 程 を 含 む 長 時 間 にわたり 頻 度 多 く 食 行 動 を 繰 り 返 し 生 活 を 営 んでい る 母 体 食 行 動 を 量 質 ともに 共 有 する 可 能 図 31 性 が 最 も 大 きな 相 手 ということができます やはり 家 族 との 食 事 の 共 有 は 共 食 の 基 本 出 発 点 であると 考 えます 55
本 日 一 緒 に 考 えたいことの 3 つ 目 につい て この 図 に 込 めたいと 思 います 共 食 食 を 営 む 力 生 きる 力 地 域 の 食 環 境 づくりの 循 環 の 図 です 地 域 で 生 活 する 人 々が 日 々 食 事 を 準 備 し 食 べる その 食 物 は 環 境 とのかかわりで 編 み 出 されるフード システムの 中 生 産 加 工 流 通 調 理 され 食 事 として 整 えられたものです 一 方 地 域 内 外 で 発 信 された 多 様 な 情 報 が 多 様 に 受 発 信 される 食 情 報 システムの 中 私 たちは 食 生 活 を 営 み 自 身 の 食 生 活 を 営 む 力 を 育 みつつ 図 32 即 生 きる 力 を 育 み 家 族 の 生 きる 力 や 地 域 の 生 きる 力 を 育 てつつ 次 の 循 環 を 動 かしていく という 関 係 にあると 考 えられます 私 たちの 食 事 の 営 みはこの 大 きな 循 環 ダイナミックスの 中 の 一 コマにすぎませんが 一 方 でその 内 容 は 次 の 循 環 ダイナミックスの 方 向 のいろいろの 場 に 影 響 を 与 えてゆきます 私 たちの 日 々の 食 事 について 共 食 か 孤 食 か またはどんな 質 の 共 食 かが 地 域 全 体 の 食 の 循 環 と 双 方 向 的 に 影 響 しつつ 日 々の 食 生 活 につながってくるのでしょう こうしたことを 感 じたり 考 えたり 話 し 合 ったりする 身 近 な 場 としても 共 食 を 大 切 にしたい と 思 います 私 の 発 言 を 終 わらせて 頂 きます ありがとうございました 一 部 写 真 表 を 割 愛 させていただきました 足 立 己 幸 略 歴 略 歴 : 東 北 大 学 農 学 部 卒 業 保 健 学 博 士 管 理 栄 養 士 専 門 は 食 生 態 学 食 教 育 学 国 際 栄 養 学 東 京 都 保 健 所 衛 生 局 栄 養 課 技 師 等 を 経 て 1968 年 から 女 子 栄 養 大 学 へ 教 授 大 学 院 研 究 科 長 等 を 経 て 2006 年 から 名 誉 教 授 同 年 名 古 屋 学 芸 大 学 大 学 院 教 授 2011 年 から 同 健 康 栄 養 研 究 所 長 NPO 法 人 食 生 態 学 実 践 フォーラム 理 事 長 等 なぜ 一 人 で 食 べるの 知 っていますか 子 どもたちの 食 卓 65 歳 からの 食 卓 (い ずれも NHK 出 版 ) 他 著 書 多 数 56