未 来 へ,どう 繋 げるのか 日 本 酒 階 層 別 課 税 移 出 数 量 の 変 化 から 見 た 日 本 酒 への 提 言 社 会 情 勢 の 変 化, 飲 酒 人 口 の 減 少, 消 費 を 将 来 支 える 若 年 層 の 嗜 好 の 変 化 などなど 酒 類 全 体 を 取 り 巻 く 環 境 は 厳 しい 状 況 にあり, 酒 類 間 の 競 争 も 今 後 さらに 激 化 することが 予 想 される 特 に, 日 本 酒 はその 上 に, 若 年 層 の 明 確 な 日 本 酒 離 れが 見 られ, 他 の 酒 類 に 比 較 して 一 層 厳 しい 立 場 に 置 かれている そのような 中, 今 回 の 投 稿 は 一 日 も 早 い 回 復 を 望 む 業 界 に 対 するいろいろな 提 言 のうちの 一 つと 受 け 止 め, これらを 足 がかりとして, 今 後 日 本 酒 を 未 来 にどのように 繋 いでいくのか, 行 政 や 業 界 団 体 に 任 せっきり にするのではなく, 各 自 で 早 急 かつ 真 剣 に 検 討 する 切 っ 掛 けにして, 結 果 として 未 来 に 向 かっての 業 界 とし ての 大 きなうねりとなることを 期 待 したい 佐 々 木 定 1.はじめに 酒 類 業 界 では, 経 済 不 況, 総 人 口 生 産 年 齢 人 口 の 減 少, 高 齢 化 社 会 の 到 来,アルコール 飲 料 に 対 する 嗜 好 の 変 化, 若 者 の 酒 離 れなど 社 会 情 勢 の 変 化 によって 酒 類 間 の 地 殻 変 動 が 起 こり, 消 費 に 多 大 な 影 響 を 与 え, 酒 類 需 要 は 減 少 期 に 入 り 市 場 全 体 は 縮 小 している バブル 崩 壊 後, 前 述 のような 社 会 情 勢 の 変 化 により, 経 済 の 先 行 き 不 透 明 感 から 市 場 は 生 活 防 衛 型 消 費 とな り, 個 人 消 費 は 減 速 し 必 然 的 に 市 場 は 価 格 競 争 市 場 と なった アルコール 関 連 企 業 各 社 は 低 価 格 商 品 の 開 発 を 続 け, 熾 烈 な 価 格 競 争 に 走 り 低 価 格 酒 市 場 のシェア が 拡 大 している また 酒 類 販 売 免 許 の 自 由 化 によって 生 販 各 層 の 業 界 構 造 は 大 きく 変 わり,この 数 年 間 で 新 しい 酒 類 業 界 へ と 姿 を 変 えてきた 日 本 酒 業 界 は 懸 命 な 様 々な 需 要 回 復 への 努 力 に 拘 ら ず,1973 年 ( 昭 和 48 年 )の 課 税 移 出 数 量 177 万 kl をピークとしてその 後 は 長 期 の 低 迷 を 続 け, 現 状 では その 消 費 量 は 3 分 の 1 程 度 となり 1958 年 ( 昭 和 33 年 )の 水 準 にまで 減 少 し, 業 界 では 紙 容 器 の 経 済 酒 を 開 発 して 市 場 で 激 しい 商 戦 を 繰 り 広 げているが,なお 日 本 酒 市 場 は 縮 小 の 一 途 にある このような 状 況 下 で 伝 統 産 業 として 歴 史 と 文 化 を 守 り, 伝 承 技 術 を 次 の 世 代 へ,そして 未 来 へ,どのよ うに 繋 げていけばよいのであろうか? 本 稿 においては,この 難 問 の 解 決 へ 向 けて, 最 近 の 日 本 酒 の 消 費 動 向 などを 考 察 して 酒 造 技 術 者 として 2 ~ 3 の 見 解 を 述 べたい 2. 近 年 の 酒 類 そして 日 本 酒 の 消 費 状 況 と 経 済 酒 この 2 項 と 次 の 3 項 においては, 近 年 10 年 間 の 日 本 酒 の 消 費 動 向 を 追 った バブル 期 の 1990 年 からの 酒 類 及 び 日 本 酒 の 課 税 移 出 状 況 また 経 済 酒 の 推 移 を 第 1 表 に 纏 め 前 年 対 比 減 少 率 を 示 した また 1999 年 と 2009 年 の 10 年 間 におけ るそれぞれの 減 少 率 を 比 較 した 1 酒 類 の 課 税 移 出 数 量 は,バブル 崩 壊 後 も 消 費 者 の 低 アルコール 酒 へのシフトなどによって 消 費 量 は 増 加 し, 第 1 表 のように 1,000 万 kl と 飛 躍 して 市 場 規 模 は 7 兆 円 市 場 となった 然 し 今 世 紀 に 入 って 長 引 く 経 済 不 況 人 口 構 造 の 変 化 若 者 の 酒 離 れの 影 響 で 消 費 は 下 降 線 を 辿 り,2009 年 の 課 税 数 量 は 1999 年 対 比 で 減 少 率 11.0%と 市 場 は 縮 小 し, 年 間 に 1% 程 度 の 緩 やかな 減 少 期 に 入 ったことを 示 して いる 2 一 方, 日 本 酒 は 家 庭 市 場 業 務 市 場 の 需 要 低 下 に よって 消 費 量 の 減 少 は 大 きく,この 10 年 間 で 減 少 How Japanese Sake Connect to the Future Sadamu Sasaki 2 醸 協 (2011)
第 1 表 近 年 の 酒 類 日 本 酒 経 済 酒 の 消 費 の 動 向 酒 類 課 税 数 量 減 少 率 日 本 酒 課 税 数 量 減 少 率 内 紙 パック 製 品 紙 パックシェア 1990 年 932.4 万 kl 142.2 万 kl 21 万 kl 15% 1995 1000.6 131.0 34 26 1999 1016.6 106.1 38 36 2000 1001.5 1.5% 99.9 5.8% 39 39 2001 1010.4-0.9 94.9 5.0 40 42 2002 992.3 1.8 89.8 5.4 39 43 2003 956.7 3.6 84.2 6.2 38 45 2004 955.4 0.1 75.3 10.6 35 46 2005 954.9 0.1 73.0 4.1 34 47 2006 935.4 2.0 70.1 4.0 34 48 2007 929.1 0.7 67.6 3.6 33 49 2008 913.3 1.7 65.9 2.5 33 50 2009 905.1 0.9 63.4 3.8 32 51 (09/99 対 比 減 少 率 ) (11.0) (40.0) (15.8%) 資 料 ; 課 税 数 量 は 国 税 庁, 紙 パック 数 量 は 日 刊 経 済 通 信 社 ( 但 し,2008 年 と 2009 年 は 推 定 値 ) 紙 パックには PET 容 器 も 含 む 率 は 40%となり, 特 に 2004 年 は 焼 酎 ブームの 影 響 を 受 けて 減 少 率 も 10.6%と 急 落 した その 後 日 本 酒 の 減 少 率 は 3% 台 と 縮 小 してきているが, 長 期 の 需 要 減 少 からの 脱 却 はまだ 見 られない 3 発 売 当 初 は 上 撰 佳 撰 商 品 であった 紙 パック 酒 は, 次 第 に 低 価 格 の 経 済 酒 が 主 力 となった 日 刊 経 済 通 信 社 の 資 料 によると 紙 パック 酒 は 2001 年 の 40 万 kl が 最 大 消 費 量 で,その 後 需 要 は 減 少 している しかし 1999 年 と 2009 年 の 10 年 間 の 課 税 移 出 数 量 を 対 比 した 減 少 率 は 日 本 酒 全 体 では 40.0%, 紙 パッ ク 酒 は 15.8%で 紙 パック 経 済 酒 の 減 少 幅 が 小 さい また 紙 パックのシェアは 2009 年 には 1995 年 の 2 倍 の 51%となって, 家 庭 市 場 で 日 本 酒 の 主 役 となり, 今 後 も 低 価 格 の 紙 パック 商 品 は 日 本 酒 市 場 でシェア を 拡 大 していくと 推 考 される しかし, (1) 紙 パック 低 価 格 酒 のシェア 拡 大 は, 製 造 コスト 面 で 経 済 酒 の 商 品 化 が 困 難 な 小 メーカーの 商 圏 を 浸 食 し 経 営 を 圧 迫 していく (2) 糖 類 添 加 の 増 醸 酒 また 液 化 仕 込 み 酒 が, 日 本 酒 市 場 の 多 くを 占 めていく (3) 紙 パック 酒 シェアの 拡 大 のための 価 格 競 争 激 化 の 結 果, 経 済 酒 の 価 格 が 限 界 を 越 えた 極 端 な 激 安 酒 も 出 現 し,2008 ~ 2009 年 にかけての 価 格 改 定 で 絶 好 の 商 品 値 上 げのチャンスを 逸 した 一 要 因 に なった ことなどを 考 慮 すると, 今 後 の 経 済 酒 のシェア 拡 大 は 日 本 酒 業 界 にとって 大 きな 懸 念 材 料 と 云 える 日 本 酒 業 界 内 では 経 済 酒 を 求 める 消 費 者 ニーズに 対 応 出 来 る 大 手 準 大 手 中 堅 上 位 メーカーと, 製 造 コ スト 面 で 対 応 出 来 ない 中 堅 中 位 以 下 そして 多 くの 小 メ ーカーが 存 在 するが, 次 の 3 項 で 述 べるように 10 年 間 で 階 層 別 のシェアは 変 化 し,その 商 圏 経 営 状 況 も 急 激 に 変 わった ここに 日 本 酒 業 界 が 抱 える 1 つの 問 題 点 がある 3. 日 本 酒 課 税 移 出 数 量 の 階 層 別 変 化 について 日 刊 経 済 通 信 社 のデータをもとに,1999 年 と 2009 年 の 10 年 間 における 大 手 準 大 手 中 堅 小 メーカ ーそれぞれ 階 層 別 に 課 税 移 出 数 量 の 変 化 を 第 2 表 に 示 した 1 1999 年 の 大 手 メーカー 10 社 ( 課 税 移 出 数 量 1 ~ 10 位 )のシェアは 41.0%であったが,10 年 後 の 2009 年 には 51.4%と 拡 大 して, 日 本 酒 市 場 の 2 分 の 1 を 越 えた 然 し 1 社 当 たりの 平 均 課 税 移 出 数 量 は 74.0%と 減 少 し, 商 品 は 紙 パック 経 済 酒 が 主 力 第 106 巻 第 1 号 3
1999 年 ( 稼 動 企 業 推 定 数 1,600 社 ) 2009 年 ( 稼 動 企 業 推 定 数 1,300 社 ) 09/99 1 社 当 たり 課 税 移 出 数 量 計 シェア 1 社 当 たり 課 税 移 出 数 量 計 シェア 1 社 当 たり 対 比 大 手 10 社 438,287kl 41.0% 43,829kl (24.3 万 石 ) 準 大 手 10 社 117,672 11.0 11,767 (6.5 万 石 ) 中 堅 60 社 196,005 18.4 3,267 (18.1 千 石 ) その 他 の 小 企 業 315,766 29.6 208 (1,153 石 ) 第 2 表 階 層 別 課 税 移 出 数 量 の 変 化 324,582kl 51.4% 32,458kl (18.0 万 石 ) 75,645 12.0 7,565 (4.2 万 石 ) 91,368 14.5 1,523 (8.4 千 石 ) 140,440 22.1 115 (638 石 ) ( 注 ) 09 年 の 階 層 別 課 税 移 出 数 量 74.0% 61,243kl ~13,955kl 64.3 13,074kl ~4,215kl 46.6 3,994kl ~493kl 55.3 492kl 以 下 合 計 1,067,730 100.0 632,035 100.0 資 料 ; 日 刊 経 済 通 信 社 のデータから 算 出 (7 社 は 50 ~ 70% 3 社 は 35 ~ 45%, 日 刊 経 済 通 信 社 )となり, 市 場 では 極 端 な 価 格 競 争 に 走 り 粗 利 益 が 低 下 し, 収 益 率 は 悪 化 していると 推 考 される 2 準 大 手 ( 課 税 移 出 数 量 11 位 ~ 20 位 )のシェアも 11.0%から 12.0%となっているが,1 社 当 たりの 平 均 移 出 数 量 は 64.3%となり,11,767kl(6 万 5 千 石 ) から 7,565kl(4 万 2 千 石 )に 減 少 している 3 中 堅 60 社 ( 課 税 移 出 数 量 21 ~ 80 社 )のシェア は 10 年 間 で 18.4%から 14.5%に 縮 小 し,1 社 当 た りの 平 均 移 出 数 量 は 46.6%と 第 2 表 の 階 層 別 データ の 中 で 最 も 低 い 比 率 となり,3,267kl(1 万 8 千 1 百 石 )から 大 きく 減 少 して 1,523kl(8 千 4 百 石 )と なっている なお, 詳 細 なデータは 省 略 するが, 中 堅 上 位 (21 位 ~ 40 位 )の 1999 年 と 2009 年 の 移 出 数 量 対 比 は 50% 台 であるが, 中 堅 中 位 (41 位 ~ 60 位 )は 40% 台, 中 堅 下 位 (61 位 ~ 80 位 )は 30% 台 と 段 階 的 に 減 少 し, 特 に 41 位 ~ 80 位 のメーカー の 減 少 は 大 きく, 中 堅 メーカーの 販 売 市 場 の 厳 しさ を 示 している 4 小 企 業 ( 課 税 移 出 数 量 81 位 以 下 )においては, シェアは 29.6%から 22.1%と 縮 小 し,1 社 当 たりの 平 均 移 出 数 量 は 55.3%となって 208kl(1,153 石 )か ら 115kl(638 石 )に 減 少 している 5 このように 中 堅 60 社 の 平 均 移 出 数 量 は 10 年 前 の 40% 台 に, 小 企 業 1,220 社 ( 推 定 値 )は 50% 台 にな り, 急 激 な 販 売 数 量 の 減 少 によって 売 上 高 収 益 は 低 下 している 小 企 業 1,220 社 の 内 115kl 以 下 の 企 業 は 900 社 程 度 と 推 定 されるが, 売 上 高 の 急 激 な 減 少 によって 経 営 状 況 は 急 激 に 悪 化 している これらのデータが 示 すように,この 10 年 間 に 於 け る 階 層 別 の 動 きを 見 ると, 大 手 準 大 手 企 業 のシェア は 拡 大 しているが, 課 税 移 出 数 量 は 大 手 準 大 手 中 堅 小 企 業 ともに 減 少 し, 特 に 中 堅 そして 小 企 業 の 減 少 が 目 立 っている 現 状 では 14 万 kl の 市 場 に 1,200 社 余 りが 競 合 する 小 企 業 を 取 り 巻 く 環 境 は, 今 後 一 層 厳 しくなると 予 測 される 4. 酒 類 そして 日 本 酒 の 今 後 の 消 費 予 測 今 後 の 社 会 情 勢 人 口 の 構 造 変 化 などから 推 考 した 2040 年 までの 酒 類 の 消 費 予 測 図 は 本 誌 103 巻 第 9 号 の 660 ページに 示 しているので 参 照 されたい 本 稿 第 1 表 に 見 られるように 2005 ~ 2009 年 の 酒 類 消 費 量 の 実 績 は,この 予 測 図 の 低 位 推 計 線 に 乗 って 推 移 していて,2010 年 は 900 万 kl を 下 回 ると 推 測 され る 従 って 今 後 の 酒 類 消 費 予 測 としては, 予 測 図 の 低 位 推 計 消 費 量 で 2010 年 は 895 万 kl 位 (1990 年 の 水 準 ), 2020 年 は 810 万 kl 程 度 (1987 年 の 水 準 )にな ると 考 えても 良 いだろう 即 ち 今 後 10 年 間 の 酒 類 消 費 量 は, 平 均 で 年 間 8 ~ 9 万 kl の 消 費 減 少 が 予 測 さ れることになる 一 方, 日 本 酒 は 今 後 の 消 費 予 測 として 次 の 3 通 りが 考 えられる 1 この 2 ~ 3 年 で 消 費 減 少 は 底 を 打 ち, 消 費 は V 字 型 に 回 復 した 後 に 再 び 減 少 期 に 入 る 2 この 2 ~ 3 年 で 消 費 減 少 は 底 を 打 ち, 消 費 は 横 這 いとなり,その 後 再 び 減 少 期 に 入 る 4 醸 協 (2011)
3 今 後 も 年 間 1 ~ 4% 程 度 の 消 費 減 少 を 続 けていく しかし, (1) 前 述 のように, 人 口 減 少, 高 齢 化 社 会 の 到 来, 若 者 の 酒 離 れなどの 影 響 で 酒 類 消 費 は 緩 やかな 減 少 期 に 入 っていて, 今 後 も 消 費 量 は 減 少 していく と 推 測 されること (2) 長 期 に 亘 る 減 少 一 途 の 日 本 酒 の 需 要 動 向 から 推 考 して, 現 状 からの 脱 出 は 極 めて 厳 しいと 考 えら れること などを 考 慮 すると, 抜 本 的 な 改 革 なしでは1の 可 能 性 は 低 いと 推 考 される また 3 項 の 階 層 別 課 税 移 出 数 量 の 推 移 で 述 べたよう に, 大 手 準 大 手 中 堅 小 企 業 の 階 層 別 で 移 出 数 量 の 減 少 率 にはかなりの 差 があることから 推 測 して, 現 状 の 消 費 状 況 が 続 くならば, 大 手 準 大 手 企 業 は2か 3の 経 緯 を, 中 堅 以 下 の 企 業 は3の 経 緯 を 辿 る 可 能 性 が 高 いと 云 えるだろう そして, 地 方 の 中 小 メーカーが 販 売 の 主 力 としてい る 特 定 名 称 酒 のシェアが 年 々 減 少 し, 糖 類 添 加 酒 や 液 化 仕 込 み 酒 の 低 価 格 酒 のシェアが 次 第 に 拡 大 していく ことになる 日 本 酒 市 場 縮 小 予 測 の 中 で, 日 本 酒 業 界 は 日 本 酒 の 歴 史 伝 統 文 化 伝 承 の 技 術 を, 次 の 世 代 へ,そし て 未 来 へどのように 繋 げていけば 良 いのであろうか 5. 日 本 酒 の 副 原 料 について 世 界 各 国 にはそれぞれの 国 の 主 な 農 産 物 を 原 料 とし た 酒 があるが, 我 が 国 には 米 を 原 料 とした 日 本 酒 があ る 江 戸 時 代 に 柱 焼 酎 の 記 録 が 見 られるが, 近 年 の 日 本 酒 の 原 料 変 遷 経 緯 を 辿 ると, 第 2 次 世 界 大 戦 中 の 1941 年 ( 昭 和 16 年 )に 食 料 事 情 の 悪 化 原 料 米 の 不 足 から 満 洲 に 進 出 していたメーカーの 清 酒 醪 へのアル コール 添 加 試 験 を 経 て,1943 年 ( 昭 和 18 年 )に 国 内 メーカーでアルコール 添 加 が 認 可 された また 戦 後 の 食 料 酒 類 不 足 から 1949 年 ( 昭 和 24 年 )には 全 国 で 120 場,1950 年 は 500 場,そして 1951 年 は 全 場 ( 国 税 局 指 定 )でアルコールと 糖 類 を 使 用 する 3 倍 醸 造 法 が 実 施 された その 後, 法 的 にはアルコール 使 用 限 度 数 量 3 増 率 は 次 第 に 減 少 されてきたが,1970 年 ( 昭 和 45 年 )の 自 主 流 通 米 制 度 による 潤 沢 な 原 料 米 の 使 用 を 転 機 とし て, 業 界 の 副 原 料 の 使 用 量 は 次 第 に 減 少 し, 米 を 主 体 とした 本 来 の 酒 造 りへと 回 帰 してきた また 2006 年 の 酒 税 法 改 正 によって 3 倍 醸 造 法 は 廃 止 され, 日 本 酒 は 米 を 原 料 とした 醸 造 酒 と 明 確 に 位 置 づけられたが, 糖 類 の 使 用 法 など 副 原 料 使 用 の 技 術 的 な 幅 は 広 がることになった 現 状 では, 純 米 酒 を 除 く 特 定 名 称 酒 に 添 加 されるア ルコールは, 酒 質 の 向 上 を 目 的 として 使 用 されている またアルコールと 糖 類 は 普 通 酒 に 使 用 出 来 るが, 特 に 糖 類 は 主 にコスト 低 減 を 目 的 として 使 用 され, 副 原 料 の 使 用 目 的 が 異 なっている 6. 未 来 へ,どう 繋 げるのか 日 本 酒 この 課 題 の 解 決 には, 業 界 全 体 であらゆる 効 果 的 な 対 策 を 検 討 実 施 していかなくてはならない (Ⅰ) 本 誌 105 巻 でも 述 べたが, 先 ず 第 1 に 酒 税 の 低 減 が 挙 げられる 酒 税 は 国 の 活 動 を 支 える 租 税 の 一 環 としての 役 割 を 果 たしているが, 主 要 酒 類 の 酒 税 負 担 率 は 国 税 庁 の 資 料 によると 第 3 表 のように 推 移 している 1 前 述 のように, 清 酒 の 課 税 移 出 数 量 の 減 少 は 長 期 に 亘 り 著 しく, 消 費 量 は 最 盛 期 の 3 分 の 1 に 減 少 し 第 3 表 主 要 酒 類 の 酒 税 等 負 担 率 の 推 移 1980 年 1990 年 1998 年 2006 年 から 現 在 清 酒 (1.8l) 24.1% 20.7% 17.9% 16.2% 新 式 焼 酎 (25%,1.8l) 10.9 21.3 35.8 36.0 本 格 焼 酎 (25%,1.8l) 7.2 13.5 27.9 32.1 ビール(633ml) 42.5 44.1 46.5 46.2 ウイスキー 47.3 41.3 22.8 22.5 資 料 ; 国 税 庁,1990 年 以 降 は 酒 税 負 担 率 は 消 費 税 を 含 む 第 106 巻 第 1 号 5
て,この 間 に 1,000 社 余 りの 企 業 が 転 廃 業 した 現 状 では 大 手 準 大 手 中 堅 小 企 業 ともに 経 営 は 困 難 を 極 め, 特 に 日 本 酒 企 業 1,300 社 の 内 で 圧 倒 的 な 数 を 占 める 小 企 業 1,220 社 の 平 均 課 税 移 出 数 量 は 115kl に 減 少 して 経 営 は 疲 弊 し 危 機 的 状 況 にあり, 酒 税 の 負 担 も 限 界 を 越 えている 115kl 以 下 の 企 業 は, 日 本 酒 企 業 全 体 の 内 70%に 当 たる 900 社 余 り と 推 定 される 2 移 出 数 量 の 減 少 が 続 けば, 中 小 メーカーの 中 には, 経 営 が 悪 化 して 存 続 が 危 ぶまれる 企 業 が 多 数 出 てく ることが 想 定 される 3 酒 税 には 消 費 税 が 併 課 され, 二 重 課 税 であり 是 正 が 必 要 である 4 また 租 税 特 別 措 置 法 延 長 や 本 則 化 についての 先 行 きも 全 く 不 透 明 である 5 果 実 酒 合 成 清 酒 より 清 酒 が 高 い 酒 税 負 担 である ことも 不 合 理 である 6 米 消 費 拡 大 の 向 上 に 資 するには, 米 を 原 料 とする 日 本 酒 の 消 費 拡 大 は 最 も 適 している など,また 日 本 酒 は 米 を 原 料 とした 醸 造 酒 との 位 置 づけを 総 合 的 に 勘 案 して, 特 定 名 称 酒 普 通 ア ル 添 酒 の 酒 税 は 現 行 の 50%への 減 税 を 提 言 要 望 したい [6 項 (Ⅲ) 参 照 ] (Ⅱ)この 表 題 の 課 題 について 元 国 税 局 鑑 定 官 室 長 Z 氏 に 見 解 を 伺 ったが, 次 の 通 りであり,Z 氏 の 了 解 を 得 て 本 稿 に 掲 載 する 1 原 点 基 本 に 戻 る 日 本 酒 は 原 点 に 戻 ることが 必 要 だろう つまり 発 酵 の 過 程 つまり 米 と 麹 の 味 をもう 一 度 よく 考 えてみることだ それに 乳 酸 菌 を 加 え, 酒 類 以 外 の 食 品, 例 えば 和 風 ヨーグルト, 調 味 料 などの 研 究 も 必 要 それに 酵 母 が 働 き 発 酵, 酒 となるが, 香 味 の 幅 を 広 げる 努 力 が 必 要 で 更 に 清 酒 の 枠 を 越 えて, 以 前 に 云 われていた 清 酒 をベースとしたリキュールなども 今 一 度 研 究 してみることが 必 要 だろう かなり 前 になるが, 中 国 に 行 き 多 くの 中 国 酒 をきき 酒 したが, 古 い 製 法 の 中 で 少 数 ではあるが, 素 晴 らし い 酒 があった 酒 造 りには 人 智 を 超 えた 力 が 働 くこと を 痛 感 した 酒 造 りの 原 点 基 本 に 戻 って 考 えること だ 2 差 別 化 する 今 の 酒 質 そのままでは 日 本 酒 の 消 費 の 伸 びは 期 待 出 来 ないと 考 える 今 後 は 日 本 酒 の 飲 酒 環 境 の 開 発 が 必 要 例 えばウイ スキー 水 割 り 缶 チューハイ 家 庭 で 飲 む,という 風 潮 になり 焼 酎 の 飲 酒 環 境 も 拡 大 された 例 えば, 清 酒 と 白 ワインを 混 ぜた 酒 なども 特 に 女 性 向 けによいだ ろう このような 酒 を 商 品 化,また 料 飲 店 で 飲 み, 家 庭 で 好 みのタイプに 作 って 自 分 独 自 の 酒 を 飲 むように なれば 新 しい 飲 酒 スタイルとして 定 着 する 勿 論 企 業 がワインやスコッチモルトのような 個 性 のある 日 本 酒 を 提 供 して, 少 数 でも 熱 烈 なファンを 獲 得 することが 最 も 大 事 いずれにせよ 消 費 者 の 飲 酒 環 境 に 取 り 込 ま れなければならない これら1と2は 酒 類 総 合 研 究 所 と 日 本 酒 企 業 グルー プと 共 同 研 究 していくことも 必 要 だろう 資 金 の 問 題 があるが またビール ウイスキーの 業 界 では 新 製 品 開 発 販 売 新 企 画 には, 多 くの 場 合 若 い 女 性 達 が 関 与 している 新 しい 感 覚 での 新 企 画 を 日 本 酒 業 界 も 考 える 必 要 があ るのではなかろうか 3 酒 の 裾 野 を 広 げる ビール 発 泡 酒 第 3 のビール 第 4 のビールのよ うに 消 費 者 は 好 きなものを 選 ぶ そのためには 酒 税 法 にこだわるなと 云 いたい 4 利 益 率 を 上 げる 市 場 競 争 による 低 価 格 酒 の 販 売 増 加 によって 粗 利 益 率 は 低 下 している 利 益 率 を 考 慮 した 製 品 開 発 が 必 要 である 筆 者 もこれらの Z 氏 の 見 解 については 全 面 的 に 賛 同 し, 様 々な 取 り 組 みが 進 展 していくことを 期 待 した い (Ⅲ)この 課 題 について 筆 者 は 本 誌 102 巻 103 巻 105 巻 に 於 いて 次 のように 述 べてきた 1 新 酒 税 法 の 製 造 に 関 して アルコール 飲 料 の 市 場 は, 飲 酒 運 転 根 絶 運 動 の 拡 大 や 今 後 の 高 齢 化 社 会 の 到 来 などから, 家 庭 での 飲 酒 比 率 が 増 加 することが 予 測 され,また 是 正 が 困 難 な 格 差 社 会 の 中 で, 消 費 者 の 低 価 格 酒 の 要 望 は 増 えてくると 考 えられる と 予 測 し, 極 端 な 低 価 格 商 品 の 乱 立 乱 売 市 場 になる との 懸 念 から 増 醸 率 に 制 限 を 設 けるように 是 正 し なければならない 6 醸 協 (2011)
2 日 本 酒 製 造 の 将 来 目 標 として ビールが 麦 芽 の 2 分 の 1 までの 副 原 料 の 使 用 を 認 めていることを 相 対 的 に 考 慮 して,アルコール 使 用 限 度 数 量 は, 製 造 場 ごとに 原 料 白 米 1 トンにつき 米 から 得 られるアルコールの 2 分 の 1 以 下 すなわち 180l 以 下 の 範 囲 内 また 糖 類 の 使 用 廃 止 の 酒 造 り を 行 うよう 提 唱 する 3 経 済 酒 については 製 造 工 程 で 原 料 使 用 量 製 造 方 法 の 異 なる 酒 が, 同 じ 土 俵 の 上 で 戦 うこと 自 体 に 問 題 があり, 無 理 がある また 経 済 酒 のジャ ンルの 見 直 しも 含 めて 検 討 していく 必 要 がある と 提 言 してきた ここではこれまでの 提 言 を 纏 め, 法 通 達 など 改 正 によって 第 1 図 のような 清 酒 の 新 体 系 の 検 討 を 提 言 し たい 酒 税 法 上 の 清 酒 を 分 割 して, 特 定 名 称 酒 普 通 アル 添 酒 を 清 酒 とし, 酒 税 の 減 税 および 使 用 原 料 米 の 半 量 程 度 について 価 格 の 低 減 などを 実 施 し 支 援 する そし て 新 しい 技 術 の 発 展 を 期 待 して 液 化 仕 込 酒 糖 類 添 加 酒 は, 副 原 料 の 使 用 量 使 用 方 法 などの 幅 を 広 げ, 清 酒 様 の 品 質 を 保 持 した 新 しい 製 造 方 法 によるジャンル の 異 なる 第 2 の 清 酒 としてはどうか,との 提 言 をした 7. 終 わりに 本 稿 では, 最 近 の 階 層 別 課 税 移 出 数 量 の 変 化,そし て 今 後 の 酒 類 そして 日 本 酒 の 消 費 予 測 などを 考 察 し 未 来 へ,どう 繋 げるのか 日 本 酒 の 課 題 について 論 じた 1 社 会 的 要 因 などから 酒 類 の 総 消 費 は 減 少 期 に 入 り, 今 後 も 需 要 減 少 は 続 くと 予 測 され 大 幅 な 回 復 は 見 込 めない 状 況 にある 2 1999 年 から 2009 年 に 亘 る 10 年 間 の 日 本 酒 の 階 層 別 課 税 移 出 数 量 は, 大 手 準 大 手 中 堅 小 企 業 ともに 減 少 し, 特 に 中 堅 小 メーカーの 平 均 移 出 数 量 は 40 ~ 50% 台 に 半 減 し 厳 しい 経 営 状 況 にある 3 課 税 移 出 数 量 115kl 以 下 の 企 業 は, 日 本 酒 企 業 の 約 70%に 当 たる 900 社 と 推 考 され, 今 後 も 移 出 数 量 の 減 少 が 続 けば, 売 上 げの 低 迷 により 収 益 はさら に 悪 化 し, 多 くのメーカーが 企 業 存 続 の 根 幹 を 揺 る がされることになる 4 今 後 10 年 間 は 業 界 の 激 動 期 であり 正 念 場 であっ て, 日 本 酒 業 界 は 新 たな 時 代 へ 向 けて, 様 々な 分 野 で 抜 本 的 な 見 直 しが 必 要 な 局 面 を 迎 えていると 云 え る 業 界 全 体 で 日 本 酒 は 次 の 世 代 へそして 未 来 へ, どのように 繋 げていくのか 慎 重 に 考 え 対 策 を 検 討 する 必 要 がある 5 筆 者 の 見 解 などを 大 いに 論 議 し, 酒 造 技 術 者 から, 業 界 全 体 から, 特 に 小 メーカーから 国 酒, 日 本 酒 の 歴 史 伝 統 文 化 伝 承 技 術 を 守 り, 問 題 の 提 起 需 要 回 復 への 具 体 策 業 界 の 抜 本 的 改 革 マス コミへの 協 力 要 請 中 央 官 庁 への 要 望 などが, 積 極 的 な 活 動 行 動 となって 具 現 化 し, 日 本 酒 の 活 性 現 行 特 定 名 称 酒 普 通 酒 普 通 アル 添 酒 糖 類 添 加 酒 液 化 仕 込 酒 ( ) 清 酒 改 正 提 言 案 2の 製 造 企 業 の 特 定 名 称 酒 普 通 アル 添 酒 糖 類 添 加 酒 液 化 仕 込 酒 第 1 図 清 酒 酒 税 を 2 分 の 1 に 減 税, 使 用 原 料 米 の 2 分 の 1 程 度 について 価 格 低 減 を 実 施 ジャンルの 異 なる 第 2 の 清 酒 副 原 料 の 使 用 量 使 用 方 法 は 幅 を 広 げて 清 酒 様 の 品 質 を 保 持 した 酒 類 第 106 巻 第 1 号 7
化 そして 需 要 回 復 へ 向 かうことを 期 待 している 終 わりに 当 たり,ご 見 解 を 本 稿 掲 載 に 同 意 戴 いた Z 氏 に 深 謝 いたします 頑 張 れ, 頑 張 れ 日 本 酒! と 声 援 を 送 りつつ, 本 稿 を 閉 じたい (2010 年 6 月 6 日 記 ) 執 筆 者 紹 介 ( 順 不 同 敬 称 略 ) 佐 々 木 定 < Sadamu Sasaki > 青 島 均 < Hitoshi Aoshima > 第 104 巻 第 11 号 857 頁 参 照 昭 和 23 年 1 月 1 日 生 まれ< 勤 務 先 とその 所 在 地 > 山 上 圭 吾 < Keigo Yamagami > 山 口 大 学 医 学 系 研 究 科 753-8512 山 口 市 吉 田 昭 和 41 年 1 月 27 日 生 まれ< 勤 務 先 とその 所 在 地 > 1677-1 < 略 歴 > 昭 和 47 年 京 都 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 株 式 会 社 ミツカングループ 本 社 中 央 研 究 所 科 化 学 専 攻 修 士 課 程 修 了, 昭 和 49 年 山 口 大 学 教 養 部 475-8585 愛 知 県 半 田 市 中 村 町 2-6 < 略 歴 > 昭 和 63 講 師,53 年 助 教 授, 平 成 2 年 教 授, 平 成 8 年 同 大 学 年 名 古 屋 大 学 農 学 部 食 品 工 業 化 学 科 卒 業, 平 成 2 年 名 古 屋 大 学 大 学 院 農 学 研 究 科 修 了, 同 年 株 式 会 社 中 埜 酢 店 入 社, 中 央 研 究 所 配 属, 平 成 21 年 株 式 会 社 ミツ 理 学 部, 平 成 18 年 同 大 学 医 学 系 研 究 科, 現 在 に 至 る < 抱 負 > 定 年 まで 1 年 半 余 り, 今 までの 研 究 をまとめ たい < 趣 味 > 読 書 や 近 くの 散 策 を 楽 しんでいる カングループ 本 社 執 行 役 員, 中 央 研 究 所 長, 現 在 にい 須 見 洋 行 < Hiroyuki Sumi > たる < 抱 負 > 時 代 の 変 化 に 応 じた 食 の 提 案 をしてい 昭 和 20 年 2 月 25 日 生 まれ< 勤 務 先 とその 所 在 地 > きたい < 趣 味 > 卓 球,ジョギング, 読 書 (ジャンル 倉 敷 芸 術 科 学 大 学 生 命 科 学 部 生 命 科 学 科 712- は 海 外 ミステリー) 8505 岡 山 県 倉 敷 市 連 島 町 西 之 浦 2640 < 略 歴 > 昭 和 金 田 弘 挙 < Hirotaka Kaneda > 49 年 徳 島 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 修 了, 浜 松 医 科 大 学 < 勤 務 先 とその 所 在 地 >サッポロホールディングス 第 二 生 理 学 助 手,53 年 シカゴ マイケルリース 研 究 株 式 会 社 150-8522 東 京 都 渋 谷 区 恵 比 寿 4-20-1 所 文 部 省 在 外 研 究 員,57 年 宮 崎 医 科 大 学 第 二 生 理 学 < 略 歴 > 昭 和 59 年 九 州 大 学 大 学 院 食 糧 化 学 工 学 専 攻 修 士 課 程 修 了, 同 年 サッポロビール 株 式 会 社 中 央 研 究 所, 平 成 6 年 農 学 博 士 ( 名 古 屋 大 学 ), 平 成 8-10 年 通 産 省 工 業 技 術 院 生 命 工 学 工 業 技 術 研 究 所 ( 現 :( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 ) 留 学, 平 成 14 年 サッポロビー ル 価 値 創 造 フロンティア 研 究 所 先 端 技 術 開 発 グルー プリーダー, 平 成 18 年 同 社 経 営 戦 略 部 未 来 開 拓 グル ープリーダー, 平 成 20 年 サッポロホールディングス 株 式 会 社 経 営 戦 略 部 研 究 戦 略 グループリーダー< 抱 教 室 助 教 授, 平 成 5 年 岡 山 県 立 大 学 保 険 福 祉 学 部 栄 養 学 科 助 教 授, 平 成 9 年 倉 敷 芸 術 科 学 大 学 部 機 能 物 質 化 学 科 教 授, 平 成 13 年 倉 敷 芸 術 科 学 大 学 産 業 科 学 技 術 学 部 学 部 長 ( 平 成 16 年 3 月 ), 平 成 16 年 倉 敷 芸 術 科 学 大 学 生 命 学 部 学 部 長 ( 平 成 17 年 3 月 ) 同 学 部 生 命 科 学 科 教 授, 現 在 に 至 る < 抱 負 > 納 豆 の 基 本 的 なと ころ,あるいはテンペなど 広 くアジアの 発 酵 食 品 に 関 心 がある < 趣 味 >ギター(クラシック,フラメン コ) 負 > お 酒 のおいしさとは? にどこまで 近 づけるか に 挑 戦 中 < 趣 味 > 街 中 散 策 (B 級 グルメ) 8 醸 協 (2011)