ホテル・旅館の集客戦略



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工 事 名 渟 城 西 小 学 校 体 育 館 非 構 造 部 材 耐 震 改 修 工 事 ( 建 築 主 体 工 事 ) 入 札 スケジュール 手 続 等 期 間 期 日 期 限 等 手 続 きの 方 法 等 1 設 計 図 書 等 の 閲 覧 貸 出 平 成 28 年 2 月 23 日 ( 火

工 事 名 能 代 南 中 学 校 体 育 館 非 構 造 部 材 耐 震 改 修 工 事 ( 建 築 主 体 工 事 ) 入 札 スケジュール 手 続 等 期 間 期 日 期 限 等 手 続 きの 方 法 等 1 設 計 図 書 等 の 閲 覧 貸 出 平 成 28 年 5 月 24 日 ( 火

3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

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ホテル 旅 館 の 集 客 戦 略 ~ 中 国 人 旅 行 客 の 獲 得 ~ 要 旨 内 需 の 拡 大 が 見 込 みづらいなか ホテル 旅 館 にとって 今 後 大 きなチャンスとなりうるのが 中 国 からの 観 光 客 需 要 である 現 在 は 東 京 大 阪 といった 大 都 市 圏 に 向 かっている 彼 らであるが 将 来 的 には 訪 問 地 が 多 様 化 し 国 内 の 幅 広 い 地 域 に 目 が 向 けられると 予 想 する 中 国 人 旅 行 客 を 呼 び 込 むために 地 方 のホテル 旅 館 は 何 をすべきか 対 応 策 を 短 期 中 長 期 に 分 けて 検 討 す る 三 菱 UFJリサーチ&コンサルティング 株 式 会 社 コンサルティング 事 業 本 部 ( 大 阪 ) consult_o@murc.jp

1. 売 上 確 保 に 苦 戦 を 強 いられる 宿 泊 施 設 昨 今 の 景 気 低 迷 と 競 合 激 化 による 価 格 低 下 若 者 の 旅 行 離 れなどにより 現 在 ホテル 旅 館 の 多 くは 売 上 の 維 持 に 苦 心 している 弊 社 が 支 援 している 地 方 立 地 のホテル 旅 館 の 多 くも 様 々な 営 業 の 工 夫 により 宿 泊 者 数 は 確 保 しているものの 単 価 の 下 落 圧 力 は 強 く 大 幅 な 売 上 アップは 難 しい 状 況 にある 徐 々に 景 気 回 復 の 兆 しが 見 えつつある 現 在 においても ビジネス 需 要 が 乏 しい 地 方 のホテル 旅 館 では すぐに 売 上 の 向 上 を 図 る 手 立 ては 限 られている このように 地 方 のホテル 旅 館 を 取 り 巻 く 状 況 は 厳 しいが 一 方 で 今 後 大 きな 需 要 が 見 込 める 分 野 がある それが 中 国 人 観 光 客 である 以 下 では これまで 中 国 人 インバウンド 対 策 を 支 援 してきた 弊 社 の 経 験 をもと に 地 方 の 宿 泊 施 設 の 中 国 人 観 光 客 取 り 込 み 策 について 検 討 する 2. 中 国 人 訪 日 客 の 現 状 と 今 後 (1) 訪 日 外 客 の 概 況 まず 日 本 を 訪 れる 外 国 人 ( 訪 日 外 客 ) 全 般 の 状 況 について 簡 単 に 振 り 返 っておく 訪 日 外 客 数 は 2000 年 以 降 拡 大 基 調 にある 2009 年 は 新 型 インフルエンザ 騒 動 や 円 高 などの 影 響 により 大 きく 落 ち 込 んだが 2010 年 は 各 国 の 景 気 回 復 訪 日 旅 行 の 宣 伝 効 果 などが 要 因 となり 過 去 最 高 の 861 万 1 千 人 ( 暫 定 値 )の 外 国 人 が 日 本 を 訪 れた 図 表 1 2010 年 の 訪 日 外 客 は 韓 国 中 国 台 湾 の 東 アジア3 国 で 全 体 の 約 60% 香 港 タイ 等 を 含 めたアジア 全 体 では 70% 超 を 占 めており 日 本 に 来 る 外 国 人 の 大 部 分 がアジア 系 である ( 千 人 ) 10,000 図 表 1 国 別 訪 日 外 客 の 推 移 8,000 6,000 4,000 2,000 0 2,440 2,601 2,382 2,117 1,064 1,134 1,272 1,459 1,588 1,747 1,587 352 391 452 449 616 653 812 942 1,000 1,006 1,413 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 (2) 高 まる 中 国 人 訪 日 客 への 期 待 中 国 韓 国 台 湾 米 国 香 港 その 他 出 所 ) 日 本 政 府 観 光 局 プレスリリース リーマンショックの 影 響 により 2009 年 には 主 要 国 の 多 くからの 訪 日 客 が 減 少 したなか 中 国 人 訪 日 客 は 唯 一 増 加 し さらに 2010 年 は 前 年 比 約 40%と 大 幅 に 増 加 した そして 今 後 は 更 なる 総 量 の 増 加 と 観 光 目 的 比 率 個 人 旅 行 比 率 の 上 昇 が 期 待 される まず 過 去 の 動 向 を 見 ると 中 国 人 訪 日 客 数 は 一 人 当 り GDP の 成 長 に 近 似 する 形 で 増 加 していることが 読 1/6

み 取 れる 図 表 2 IMF の 予 測 では 中 国 の 一 人 当 り GDP は 2015 年 に 2010 年 の 約 1.7 倍 となることから 仮 に 何 の 施 策 がなかったとしても 経 験 則 から 導 き 出 せる 中 国 の 経 済 成 長 に 伴 う 訪 日 客 は 5 年 で 70% 近 く 増 加 すると 推 定 される (ドル) 7,500 6,000 4,500 3,000 1,500 図 表 2 中 国 人 訪 日 客 数 と 一 人 当 り GDP 推 移 一 人 当 たり 名 目 GDP( 左 軸 ) 訪 日 客 数 ( 右 軸 )? ( 千 人 ) 2,000 1,600 1,200 800 400 0 0 1991 1994 1997 2000 2003 2006 2009 2012 2015 2010 年 以 降 の 一 人 当 たり 名 目 GDP は IMF 予 測 値 出 所 ) 一 人 当 たり 名 目 GDF は IMF World Economic Outlook Database 訪 日 客 数 は 日 本 政 府 観 光 局 プレスリリース 政 府 は 政 策 面 から 訪 日 旅 行 を 後 押 ししており 2003 年 に ビジット ジャパン キャンペーン を 開 始 した 訪 日 外 客 を 将 来 的 に 3,000 万 人 とすることを 目 指 し 中 国 をはじめとする 東 アジア 諸 国 を 最 重 点 市 場 と 位 置 づけ たうえで PR 商 談 会 開 催 などの 海 外 プロモーションを 展 開 している 政 策 面 ではほかに 2009 年 これまで 団 体 旅 行 客 に 限 定 されていた 中 国 人 観 光 客 向 け 査 証 発 給 が 個 人 観 光 客 向 けにも 開 始 され 2010 年 7 月 にはその 発 給 要 件 が 年 収 約 320 万 円 から 年 収 約 80 万 円 に 緩 和 された (クレジットカードのゴールドカード 保 有 官 公 庁 大 手 企 業 勤 務 者 などや その 家 族 も 発 給 対 象 ) これらの 効 果 を 加 えると 先 に 述 べた 以 上 の 中 国 人 訪 日 客 の 増 加 が 期 待 できるだろう 現 状 中 国 からの 訪 日 目 的 は 商 用 親 戚 友 人 訪 問 の 比 率 が 高 く 観 光 の 割 合 は 60% 程 度 であるのに 対 し 台 湾 香 港 からは 70% 以 上 が 観 光 である i この 中 国 人 訪 日 客 の 観 光 目 的 比 率 は 上 昇 傾 向 にあり 早 晩 台 湾 香 港 に 近 いレベルまで 高 まることが 予 想 される また 訪 日 中 国 人 観 光 客 は 他 の 主 要 国 と 比 較 して 団 体 旅 行 比 率 が 高 く 未 だパッケージ 旅 行 が 主 流 であ る 図 表 3 しかし このように 長 らく 添 乗 員 付 きの 団 体 がメインであった 中 国 からの 観 光 も かつての 日 本 同 様 先 進 国 の 後 を 追 うように 個 人 旅 行 が 主 流 となる 時 代 が 来 るであろう 経 済 成 長 のペース インターネ ットなどのツールの 発 達 を 考 えると 日 本 人 が 経 験 したより 早 いペースで 個 人 旅 行 に 移 行 していくのではない か 図 表 3 観 光 客 の 旅 行 形 態 (2010 年 ) 中 国 80.9 15.2 3.8 韓 国 32.0 66.6 1.4 台 湾 50.9 47.1 1.9 香 港 31.8 67.2 0.9 米 国 10.5 87.5 2.0 0% 20% 40% 60% 80% 100% 団 体 旅 行 (ガイド 付 き 団 体 パッケージツアー) 個 人 旅 行 その 他 不 明 出 所 ) 日 本 政 府 観 光 局 プレスリリース 2/6

(3) 中 国 人 訪 日 客 の 日 本 旅 行 への 期 待 中 国 人 の 訪 日 旅 行 では 他 国 からの 旅 行 者 と 比 較 してショッピングへの 期 待 が 高 い 図 表 4 政 府 観 光 局 の 調 査 によると 中 国 人 訪 日 客 は 他 のアジア 諸 国 の 訪 日 客 より 日 本 国 内 での 旅 行 支 出 額 が 大 きいことが 確 認 されている ii 中 国 人 が 日 本 で 購 入 する 人 気 商 品 は 電 化 製 品 や 化 粧 品 ブランド 衣 服 であるが 今 後 中 国 国 内 で 販 売 店 が 拡 充 される 内 外 価 格 差 が 縮 まる 等 の 変 化 が 起 こり 徐 々に 物 質 的 に 満 たされるようになれば モノ で はなく コト 即 ち 余 暇 の 多 様 な 過 ごし 方 に 興 味 が 向 くだろう 中 長 期 的 には 他 国 同 様 温 泉 や 日 本 独 自 の 食 事 景 観 がさらに 注 目 される 時 期 が 来 るだろう 2009 年 温 泉 62.0 図 表 4 訪 日 外 客 の 日 本 旅 行 への 期 待 (アンケート 調 査 複 数 回 答 数 値 は%) 中 国 2010 年 自 然 四 季 田 園 風 景 2009 年 韓 国 2010 年 63.6 日 本 の 食 事 41.3 食 事 53.1 日 本 の 食 事 70.7 食 事 80.4 ショッピング 54.0 ショッピング 59.1 温 泉 39.1 温 泉 46 米 国 2009 年 2010 年 59.5 歴 史 的 伝 統 的 な 景 観 旧 跡 日 本 の 食 事 51.2 温 泉 51.3 ショッピング 31.6 ショッピング 40.8 ショッピング 49.6 ショッピング 56.1 72.4 自 然 景 観 田 園 風 景 50.9 食 事 45.8 32.0 都 市 の 景 観 繁 華 街 の 賑 わい 39.1 自 然 景 観 田 園 風 景 28.2 23.9 歴 史 的 伝 統 的 な 景 観 旧 跡 35.6 31.1 日 本 人 の 生 活 に 対 する 興 味 交 流 自 然 景 観 田 園 風 景 日 本 人 の 生 活 日 本 人 と 47.2 の 交 流 45.3 日 本 の 伝 統 文 化 の 体 験 観 賞 53.4 47.8 出 所 ) 日 本 政 府 観 光 局 プレスリリース 現 在 の 中 国 人 訪 日 客 の 訪 問 率 の 高 い 都 道 府 県 は 東 京 大 阪 を 中 心 としたエリア iii で 東 京 でショッピング 繁 華 街 見 物 のあと 富 士 山 を 見 て 関 西 へ 京 都 に 立 ち 寄 り 最 後 に 大 阪 で 雑 貨 を 買 い 関 空 から 帰 国 (もしく はその 逆 コース)がゴールデンルートとなっている 中 国 人 訪 日 客 の 東 京 訪 問 率 は 他 のアジア 諸 国 と 比 べ て 高 いが これは 大 半 が 訪 日 初 経 験 である 点 が 作 用 している 実 際 に リピート 層 には 中 国 本 土 の 映 画 で 取 り 上 げられた 北 海 道 が 人 気 となるなど 日 本 を 二 度 三 度 と 訪 れるようになれば 訪 問 地 の 分 散 は 進 むだろ う 現 状 ゴールデンルートから 外 れる 地 方 は 訪 日 外 客 を 十 分 に 取 り 込 めていないケースが 多 いが 今 後 個 人 旅 行 が 主 流 となり 中 国 人 が 新 たな 形 の 海 外 旅 行 を 楽 しむステージとなったとき 再 び 価 値 が 見 直 される 観 光 施 設 が 生 まれるだろう 将 来 的 に 中 国 人 訪 日 客 が 二 倍 三 倍 となったときに それを 取 りこぼさないよう 対 応 を 怠 ってはならない 3. 中 国 人 観 光 客 を 呼 び 込 むために (1) 短 期 的 な 取 り 組 み 今 後 増 加 が 見 込 まれる 中 国 人 訪 日 客 を 取 り 込 むためには どういったことを 考 えるべきだろうか まず 短 期 的 には 現 在 来 館 している 中 国 人 顧 客 の 満 足 度 を 高 める 施 策 が 必 要 である そのためには まず 利 便 性 の 3/6

向 上 に 努 めなければならない 例 えば メニュー 案 内 版 などの 中 国 語 表 示 や 中 国 語 に 習 熟 したスタッフの 採 用 食 習 慣 への 適 合 など 中 国 人 客 を 受 け 入 れる 上 で 当 たり 前 のことは 早 期 に 実 施 する 受 け 入 れに 際 して 風 呂 トイレの 使 い 方 など でトラブルとなるケースが 見 受 けられるが これは 利 用 客 にとっても 気 持 ちのいいものではない チェックイン 時 に 簡 単 なマニュアルを 用 いて 説 明 を 行 ったり 客 室 に 注 意 書 きを 掲 示 したりすることで 施 設 の 利 用 方 法 への 理 解 を 深 めることができる 中 国 語 での 説 明 が 難 しい 場 合 まずは 英 語 での 案 内 を 行 い 併 せて 絵 や 写 真 で 示 すというだけでも 効 果 的 である 食 事 に 関 しても 食 事 付 きの 旅 館 などの 場 合 には 日 本 人 向 けのコースを 若 干 アレンジして できる 限 り 中 国 人 観 光 客 の 趣 向 に 合 わせたい 夕 食 には 天 ぷら しゃぶしゃぶなど 人 気 のある 日 本 食 を 用 意 する 寿 司 刺 身 などを 除 き 冷 たい 食 べ 物 はあまり 好 まれない 日 本 人 向 け 以 上 に 品 数 とボリュームを 重 視 する 朝 食 に は 粥 を 用 意 する などの 対 応 を 検 討 したい また 中 国 人 に 限 らず 外 国 人 団 体 客 の 旅 程 は 守 られないことが 多 いため 段 取 りは 柔 軟 に 考 えておく 必 要 がある 日 本 人 団 体 客 であれば 添 乗 員 がタイムスケジュールをしっかり 守 ろうとするが 外 国 人 客 の 場 合 は 段 取 りどおりに 事 が 運 ぶと 思 わずに 準 備 を 行 った 方 がよい サービス 面 に 関 しては 日 本 人 を 接 遇 する 際 と 同 様 の 品 質 を 維 持 し 特 別 なことは 必 要 ない 笑 顔 やおもて なしの 心 といった 日 本 のサービスレベル ホスピタリティは 世 界 でも 有 数 である 特 に 個 人 客 に 対 しては 中 国 人 だからといった 余 計 な 気 遣 いは 無 用 であり 片 言 の 中 国 語 でのコミュニケーションであっても 誠 意 はそ れなりに 伝 わるものである 宿 泊 施 設 の 満 足 度 アンケートによると 中 国 人 顧 客 からは 特 別 なことをしなくて も 接 客 面 で 高 い 評 価 を 得 ている 現 在 の 顧 客 の 満 足 度 を 上 げることがリピートや 口 コミにつながり 将 来 の 顧 客 を 呼 び 込 むための 重 要 な 布 石 ともなる 中 国 韓 国 香 港 欧 米 喜 ぶもの 浴 衣 懐 石 料 理 ( 一 品 提 供 ) 眺 望 雰 囲 気 トラブル クレーム 例 客 室 スペックにこだわり 設 備 が 古 いのは 嫌 がる 大 浴 場 でタオルを 身 につけた ままの 入 浴 など 図 表 5 各 国 の 観 光 客 の 特 徴 個 室 食 和 室 ( 他 は 洋 室 中 心 ) そもそも 静 か オンドルの 影 響 か 冬 の 温 度 食 事 の 場 所 管 理 にはクレームがある 大 浴 場 でタオルを 身 につけた キムチは 持 ち 込 み 多 い 匂 い ままの 入 浴 など が 漏 れ 他 顧 客 に 悪 印 象 雰 囲 気 全 般 和 牛 料 理 パブリックスペースでビール を 飲 むなど( 自 由 すぎる 楽 し み 方 が 他 顧 客 に 悪 印 象 ) 大 浴 場 でタオルを 身 につけた まま 入 浴 など 出 所 ) 関 西 宿 泊 施 設 支 配 人 インタビュー 結 果 より ご 参 考 ~サービス 現 場 での 中 国 人 従 業 者 ( 研 修 生 含 )の 働 きぶり~ ( 関 西 宿 泊 施 設 支 配 人 インタビューより) 一 般 論 では 中 国 人 従 業 員 は 良 く 働 く 語 学 も 熱 心 に 勉 強 し 日 本 語 も 良 くできる ただし 思 ったことは 何 でも 我 慢 せずにはっきり 言 いやすい 先 輩 にひどい 扱 いを 受 けた 残 業 が 多 い など 自 分 の 身 に 降 りかかったことをすぐ 人 事 / 総 務 など 担 当 部 署 へ 報 告 することが 多 い 業 務 の 意 味 にこだわる 傾 向 にある なぜ お 辞 儀 をしなければいけないのか など 日 本 の 商 習 慣 に 説 明 が 求 められることもある 説 明 に 納 得 がいかず 自 分 の 理 屈 に 合 わないと 感 じれば 手 を 抜 くことも 多 い 日 本 人 より 認 められたい 褒 めてほしいという 気 持 ちが 強 い 中 国 人 客 が 来 ると 中 国 語 ができて 他 の 日 本 人 従 業 員 より 役 に 立 つ 自 分 を 誇 りに 思 い いつも 以 上 に 良 く 働 きアピールする 4/6

(2) 中 長 期 的 な 取 り 組 み 現 時 点 で 中 国 人 訪 日 客 取 り 込 みのターゲットとなるのは 団 体 旅 行 客 である 中 期 的 に 団 体 旅 行 客 を 数 多 く 呼 び 込 むために まずは 自 社 に 興 味 を 寄 せるエージェントや 個 人 に 一 度 訪 れてみたい と 思 わせる 体 制 づくり が 必 要 である そのためにパンフレットや 中 国 語 に 対 応 したウェブサイトなどを 整 備 して 情 報 提 供 を 行 い 見 込 み 客 を 逃 がさない 取 り 組 みを 講 じる そして 次 の 段 階 では 自 ら 中 国 旅 行 代 理 店 等 にコンタクトをとり パッケージの 一 部 に 組 み 入 れられる 機 会 を 作 ることで 団 体 旅 行 客 を 取 り 込 むという 積 極 的 なアプローチをとる 中 国 の 現 地 代 理 店 へ 直 接 間 接 のコネク ションがあれば それを 利 用 して 働 きかけを 行 う 旅 行 代 理 店 とうまく 関 係 構 築 ができれば まとまった 観 光 客 の 送 客 が 期 待 できる 弊 社 が 支 援 している 宿 泊 施 設 では 香 港 系 の 大 手 旅 行 代 理 店 にコネを 見 つけ アプロ ーチを 開 始 したところ 当 初 は 相 手 にされなかったが 徐 々に 信 頼 を 得 て 関 係 構 築 に 成 功 ツアーパッケージ に 宿 泊 施 設 が 組 み 込 まれた 結 果 募 集 団 体 で 安 定 的 にインバウンドを 確 保 できたといった 例 も 見 られる 現 地 旅 行 代 理 店 へのコネクションがない 場 合 でも 地 域 の 自 治 体 業 界 団 体 等 が 地 元 の 観 光 施 設 と 中 国 の 旅 行 代 理 店 を 一 同 に 集 めた 商 談 会 を 開 催 することもあるので こういった 機 会 もうまく 利 用 したい また 中 国 の 旅 行 代 理 店 は 宿 泊 や 移 動 手 段 の 手 配 を 日 本 国 内 のランドオペレーターに 委 託 していることも 多 い このよ うなケースでは 実 質 的 に 宿 泊 施 設 等 ツアーの 内 容 を 決 定 しているのは 日 本 国 内 のランドオペレーターとなる ため こちらへの 働 きかけも 有 効 である 中 国 の 旅 行 代 理 店 日 本 国 内 のランドオペレーターのいずれに 売 り 込 みを 行 うにしても 他 社 と 比 較 された 際 に 自 社 が 選 ばれるためには 自 社 の 強 みが 伝 えられなければならない 中 国 人 観 光 客 対 策 だけでなく 他 国 からや 国 内 の 集 客 を 強 化 するうえでも 自 社 のポジショニング コンセプトを 明 確 化 することがポイントとなる 長 期 的 には 中 国 人 の 余 暇 活 動 の 多 様 化 に 伴 う 個 人 旅 行 客 の 増 加 に 対 応 するため その 地 域 が 持 つ 資 源 を 広 く 売 り 込 んでいくことが 重 要 である 今 よりさらに 中 国 人 が 旅 行 に 温 泉 旧 跡 スポーツ 体 験 などを 求 める 日 が 必 ずやってくる このとき 何 をPRできるかが 勝 負 どころとなるが 一 つの 施 設 や 地 域 だけでの PR を 検 討 するのではなく 近 隣 の 地 域 県 で 一 体 となって 協 議 し 周 遊 できるプランを 生 み 出 すような 工 夫 が 必 要 である 昨 今 話 題 の メディカ ルツーリズム や スクリーンツーリズム スポーツツーリズム もその 有 力 な 手 段 となりうる 韓 国 人 の 日 本 国 内 訪 問 率 で 大 分 熊 本 といった 県 が 上 位 に 来 ているが これは 官 民 が 韓 国 向 けに 韓 国 人 の 好 むゴルフ 温 泉 をセットで 積 極 的 に PRした 結 果 であり 阿 蘇 熊 本 城 なども 韓 国 人 の 人 気 観 光 スポットとなっている このような 取 組 によりその 土 地 の 認 知 度 が 高 まり 訪 問 者 数 の 増 加 が 期 待 できる 状 態 になれば 個 人 旅 行 者 に 自 社 の 宿 泊 施 設 を 選 んでもらうために 中 国 の 観 光 サイト 宿 泊 予 約 サイトへの 登 録 も 行 う 中 国 の 人 口 は 膨 大 であるが 故 わずかでも 訪 問 率 をあげるだけで 大 きなインパクトがある 一 社 単 独 での 受 入 れ 体 制 強 化 は 当 然 のことながら 長 期 的 には 公 共 民 間 一 体 となってPRに 取 り 組 むべき 課 題 でもある 5/6

短 期 (1 年 ) 中 期 (2~3 年 ) 長 期 (4 年 ~) - 図 表 6 中 国 人 インバウンド 獲 得 に 向 けた 取 り 組 み 例 PR( 対 外 ) 受 入 体 制 ( 内 部 ) 案 内 表 示 の 徹 底 中 国 語 オペレーターの 採 用 可 能 な 限 り 滞 在 中 不 便 を 感 じさせない 努 力 外 国 人 向 けアクティビティ 施 設 到 着 後 も 近 隣 のカラオケ ドラッグストア 等 人 気 の 高 いスポットに 案 内 するなど 設 備 対 応 ( 中 国 語 放 送 など) 通 貨 カード( 銀 聯 カード) 対 応 人 民 元 を 地 域 内 で 流 通 させる 構 想 を 持 つ 地 域 も 自 治 体 への 働 きかけ( 姉 妹 都 市 提 携 なども 検 討 対 象 ) 自 治 体 はまずインバウンド 専 門 セクションの 設 置 を 海 外 エージェント ランドオペレーターとの 関 係 構 築 中 国 語 Web パンフレットの 作 成 中 国 が 通 じる 施 設 と 思 われる 場 合 があることに 注 意 地 域 の 観 光 資 源 発 掘 し Web パンフレットでアピール 日 本 の 原 風 景 や 焼 き 物 など 日 本 にしかない 体 験 の 価 値 が 見 直 されることも 他 地 域 とも 連 携 し 周 遊 プランの 提 案 中 国 人 向 け 宿 泊 予 約 サイトへの 登 録 同 上 以 上 i 日 本 政 府 観 光 局 (JNTO) JNTO 訪 日 外 客 訪 問 地 調 査 2010 ii 観 光 庁 訪 日 外 国 人 消 費 動 向 調 査 平 成 22 年 7 月 ~9 月 期 iii 日 本 政 府 観 光 局 (JNTO) JNTO 訪 日 外 客 訪 問 地 調 査 2010 - ご 利 用 に 際 して- 本 資 料 は 信 頼 できると 思 われる 各 種 データに 基 づいて 作 成 されていますが 当 社 はその 正 確 性 完 全 性 を 保 証 するものではありません また 本 資 料 は 執 筆 者 の 見 解 に 基 づき 作 成 されたものであり 当 社 の 統 一 的 な 見 解 を 示 すものではありません 本 資 料 に 基 づくお 客 様 の 決 定 行 為 及 びその 結 果 について 当 社 は 一 切 の 責 任 を 負 いません ご 利 用 にあたっては お 客 様 ご 自 身 でご 判 断 くださいます ようお 願 い 申 し 上 げます 本 資 料 は 著 作 物 であり 著 作 権 法 に 基 づき 保 護 されています 著 作 権 法 の 定 めに 従 い 引 用 する 際 は 必 ず 出 所 : 三 菱 UFJリサーチ&コンサルティングと 明 記 してください 本 資 料 の 全 文 または 一 部 を 転 載 複 製 する 際 は 著 作 権 者 の 許 諾 が 必 要 ですので 当 社 までご 連 絡 下 さい 6/6