目 次 1. 河 川 の 総 合 的 な 保 全 と 利 用 に 関 する 基 本 方 針 --------------------------------------------------------1 (1) 流 域 及 び 河 川 の 概 要 ------------------------

芦 田 川 水 系 河 川 整 備 基 本 方 針 平 成 25 年 3 月 大 阪 府

目 次 1. 河 川 の 総 合 的 な 保 全 と 利 用 に 関 する 基 本 方 針 --------------------------------------------------------1 (1) 流 域 及 び 河 川 の 概 要 --------------------------------------------------------------------------------1 (2) 河 川 の 総 合 的 な 保 全 と 利 用 に 関 する 基 本 方 針 -----------------------------------------------5 ア. 災 害 の 発 生 の 防 止 又 は 軽 減 --------------------------------------------------------------------5 イ. 河 川 の 適 正 な 利 用 及 び 流 水 の 正 常 な 機 能 の 維 持 -----------------------------------------5 ウ. 河 川 環 境 の 整 備 と 保 全 --------------------------------------------------------------------------6 2. 河 川 整 備 の 基 本 となるべき 事 項 --------------------------------------------------------------------------7 (1) 基 本 高 水 並 びにその 河 道 及 び 洪 水 調 節 施 設 への 配 分 に 関 する 事 項 --------------------7 (2) 主 要 な 地 点 における 計 画 高 水 流 量 に 関 する 事 項 --------------------------------------------7 (3) 主 要 な 地 点 における 計 画 高 水 位 及 び 計 画 横 断 形 に 係 る 川 幅 に 関 する 事 項 -----------8 (4) 主 要 な 地 点 における 流 水 の 正 常 な 機 能 を 維 持 するため 必 要 な 流 量 に 関 する 事 項 --------------------------8 ( 参 考 図 ) 芦 田 川 水 系 図 巻 末

1. 河 川 の 総 合 的 な 保 全 と 利 用 に 関 する 基 本 方 針 (1) 流 域 及 び 河 川 の 概 要 あし だがわ 芦 田 川 は その 源 を 和 泉 市 小 野 町 の 信 太 山 自 衛 隊 演 習 地 付 近 の 段 丘 地 に 発 し 大 谷 池 二 ノ 池 元 禄 池 鶴 田 池 等 のため 池 を 経 た 後 平 野 部 に 入 ると 北 西 方 向 に 流 れ 曲 折 を 繰 り 返 して 高 石 市 羽 衣 地 先 で 大 阪 湾 に 注 ぐ 流 路 延 長 5.1 km(うち 二 級 河 川 指 定 区 間 流 路 延 長 2.83 km) 流 域 面 積 6.68 km 2 (うち 高 石 市 2.80km 2 堺 市 2.14km 2 和 泉 市 1.74km 2 )の 二 級 河 川 です この 芦 田 川 流 域 は 高 石 市 堺 市 和 泉 市 から 構 成 されています 流 域 の 地 形 は 上 流 の 信 太 山 自 衛 隊 演 習 地 付 近 の 段 丘 地 と 下 流 の 市 街 化 が 進 んだ 沖 積 平 野 からなっ ています 標 高 は 流 域 界 となる 段 丘 地 点 で 概 ね O.P. 1) 80m 平 地 は 概 ね O.P.3~30mとなっていま す 上 流 域 の 地 質 は 第 三 紀 鮮 新 世 2) から 第 四 紀 更 新 世 3) までの 大 阪 層 群 であり 礫 砂 シルト からなっています また 下 流 域 の 地 質 は 第 四 紀 更 新 世 から 第 四 紀 完 新 世 4) までの 段 丘 堆 積 物 や 沖 積 層 であり 礫 砂 粘 土 からなっています 流 域 内 の 気 候 は 温 暖 で 降 水 量 の 少 ない 瀬 戸 内 海 式 気 候 に 属 し 近 傍 の 大 阪 管 区 気 象 台 管 理 の 堺 観 測 所 における 平 成 14 年 から 平 成 21 年 までの 気 象 データによると 年 平 均 気 温 は 17 と 温 暖 で 年 平 均 降 水 量 は 1,105 mmとなっており 全 国 平 均 値 1,700 mmに 比 較 して 少 ないという 特 徴 があります 流 路 延 長 5.1km のうち 3.9km と 沿 川 区 間 の 大 部 分 を 占 める 高 石 市 の 人 口 は 約 59,600 人 ( 平 成 22 年 )で 高 度 経 済 成 長 期 に 大 阪 圏 のベッドタウンとして 急 激 に 増 加 しました その 後 人 口 の 増 加 傾 向 は 昭 和 40 年 代 後 半 から 鈍 化 し 昭 和 60 年 をピークに 人 口 は 減 少 しています 産 業 分 類 別 就 業 者 数 の 推 移 をみると 第 1 次 産 業 ( 農 林 水 産 業 ) 第 2 次 産 業 ( 鉱 業 建 設 業 製 造 業 )は 年 々 減 少 傾 向 にあり サービス 業 や 飲 食 業 などの 第 3 次 産 業 の 就 業 者 数 は 増 加 傾 向 にありま す 農 業 は ねぎなどの 野 菜 づくりや 稲 作 を 中 心 とした 営 農 が 行 われています 工 業 は 堺 泉 北 臨 海 工 業 地 帯 に 含 まれる 臨 海 部 が 主 体 であり その 中 でも 化 学 工 業 製 品 製 造 業 が 主 要 産 業 となっています 1) O.P.:Osaka peil( 大 阪 湾 最 低 潮 位 )の 略 で 大 阪 港 における 最 低 潮 位 を O.P.±0.0m と 定 義 している 東 京 湾 平 均 海 面 (T.P.)とは O.P.=T.P.+1.300m の 関 係 がある 2) 3) 4) 第 三 紀 鮮 新 世 : 地 質 時 代 の 1 つで 約 500 万 年 前 から 約 258 万 年 前 までの 期 間 第 四 紀 更 新 世 : 地 質 時 代 の 1 つで 約 258 万 年 前 から 約 1 万 年 前 までの 期 間 第 四 紀 完 新 世 : 地 質 時 代 の 1 つで 約 1 万 年 前 から 現 在 までの 期 間 - 1 -

商 業 は 住 宅 街 という 特 徴 を 反 映 し 日 用 品 の 供 給 を 目 的 とした 小 売 業 が 主 体 となっています 公 共 施 設 レクリエーション 施 設 の 状 況 について 河 口 部 には 海 洋 性 スポーツの 拠 点 として 浜 寺 水 路 があり 隣 接 する 浜 寺 公 園 とともに 住 民 の 憩 いの 場 として 親 しまれています 中 流 域 は 高 石 市 第 4 次 総 合 計 画 基 本 構 想 において 市 民 が 集 い 楽 しめる 機 能 の 充 実 を 図 る 地 域 とし て 位 置 付 けられており すでに 芦 田 川 ふるさと 広 場 が 整 備 されています 土 地 利 用 の 変 遷 ついて 上 流 域 は 古 くは 日 本 陸 軍 の 演 習 地 として その 後 は 自 衛 隊 の 演 習 地 とし て 利 用 されています 鶴 田 池 より 下 流 の 沿 川 では 高 度 経 済 成 長 に 伴 い 市 街 化 が 進 展 し 現 在 ではほ ぼ 全 域 にわたり 人 口 集 中 地 区 (DID 5) 地 区 )となっています 大 阪 府 が 行 った 平 成 22 年 度 都 市 計 画 基 礎 調 査 結 果 によると 高 石 市 における 土 地 利 用 状 況 は 一 般 市 街 地 40.9% 工 業 地 40.6% 普 通 緑 地 5.6% 道 路 等 4.7% 商 業 地 2.8%となっています 高 石 市 の 景 観 は 戦 前 は 緑 の 多 い 閑 静 な 住 宅 地 でありましたが 戦 後 の 著 しい 高 度 経 済 成 長 に 伴 う 市 街 化 の 進 展 により 昔 の 面 影 がわずかに 残 るのみとなりました 現 在 は 工 業 専 用 地 域 として 造 成 された 臨 海 工 業 地 帯 と 内 陸 部 の 住 宅 地 がそれぞれ 独 自 の 景 観 を 形 成 しています 高 石 市 内 では 国 や 大 阪 府 高 石 市 が 指 定 する 史 跡 名 勝 天 然 記 念 物 はありませんが 市 内 最 大 6) の 大 園 遺 跡 からは 多 くの 遺 溝 や 遺 物 が 出 土 していることから 古 くから 文 化 が 栄 えていたことが 窺 えます 自 然 環 境 について 河 口 域 では 汽 水 域 に 生 息 する 魚 であるボラが 確 認 されています しかし 植 物 はほとんど 見 られません 下 流 域 ( 河 口 ~ 南 海 本 線 )では ボラやコイが 確 認 できましたが 外 来 種 であるミシシッピアカミ ミガメも 確 認 されています 植 生 はコンクリートブロック 積 み 護 岸 の 隙 間 等 にギシギシやヨモギ 等 が 見 られ 一 方 外 来 種 のセイタカアワダチソウ 等 も 見 られます 中 流 域 ( 南 海 本 線 ~ 鶴 田 池 )では 魚 類 を 確 認 できていませんが 甲 殻 類 のスジエビ 貝 類 のマル タニシ は 虫 類 のクサガメ 鳥 類 のコサギ ゴイサギ キセキレイ ハクセキレイ セグロセキレイ が 確 認 されています 植 生 は 下 流 域 と 同 様 ですが 一 部 にはツルヨシやススキが 見 られ サクラが 植 栽 されている 区 域 も 存 在 します また 府 道 大 阪 和 泉 泉 南 線 より 上 流 では 河 川 内 の 堆 積 土 砂 が 多 く そこに 植 生 したオギ ツルヨシ ジュズダマ 等 が 見 られます 外 来 種 も 確 認 されています 上 流 域 ( 鶴 田 池 より 上 流 )では そのほとんどが 自 衛 隊 の 演 習 地 となっているため 豊 かな 自 然 環 境 が 残 されています 鳥 類 では ウズラ ヨシゴイ ハチクマ 等 の 貴 重 種 を 含 む 100 種 を 超 える 野 鳥 が 確 認 されており 昆 虫 類 ではハッチョウトンボやジャノメチョウ ウスバカマキリ 等 の 貴 重 種 が 確 認 されています 植 物 では ススキの 群 集 地 となっているほか 草 原 性 や 湿 地 性 の 植 物 が 多 く 見 られ 5 ) DID 地 区 :Densely Inhabited District の 略 人 口 集 中 地 区 のこと 国 勢 調 査 において 設 定 される 人 口 密 度 が 1ha あた り 40 人 以 上 人 口 5,000 人 以 上 の 地 域 で 実 質 的 な 都 市 地 域 を 表 す 6) 大 園 遺 跡 : 古 墳 時 代 中 期 後 半 (5 世 紀 後 半 )の 掘 立 柱 建 物 群 - 2 -

ます 芦 田 川 流 域 では 昭 和 57 年 8 月 3 日 の 時 間 雨 量 34 mmの 降 雨 により 浸 水 面 積 98ha 浸 水 家 屋 1,954 戸 という 甚 大 な 被 害 を 受 けました この 洪 水 を 契 機 に 河 口 から 南 海 本 線 までの 区 間 ( 延 長 1,386m) について 河 口 から 府 道 堺 阪 南 線 までを 高 潮 対 策 事 業 区 間 これより 上 流 の 南 海 本 線 までを 河 川 改 修 事 業 区 間 とする 芦 田 川 全 体 計 画 が 昭 和 59 年 4 月 に 立 案 され 治 水 事 業 の 取 り 組 みが 始 まりました 高 潮 対 策 事 業 としては 伊 勢 湾 台 風 級 の 台 風 が 大 阪 湾 を 室 戸 台 風 ( 昭 和 9 年 )と 同 じ 経 路 で 満 潮 時 に 来 襲 したことを 想 定 した 高 潮 計 画 により 河 口 部 の 防 潮 水 門 が 整 備 されています また 防 潮 水 門 については 東 南 海 南 海 地 震 等 の 海 溝 型 地 震 による 波 力 や 上 町 断 層 帯 等 の 直 下 型 地 震 による 揺 れを 対 象 とした 耐 震 対 策 が 平 成 22 年 度 に 完 了 しています 河 川 改 修 事 業 としては 下 流 部 で 鋼 矢 板 護 岸 やコンクリートブロック 積 み 護 岸 が 整 備 されています また 府 道 堺 阪 南 線 から 南 海 本 線 までの 区 間 では 流 下 能 力 を 高 めるために 川 幅 が 狭 く 民 家 が 連 な っている 本 川 部 をショートカットして 都 市 計 画 道 路 新 村 北 線 の 道 路 下 に 二 連 のボックスカルバート が 整 備 されています また 高 石 市 の 中 心 市 街 地 を 水 害 から 守 るため 平 成 8 年 度 には 二 級 河 川 指 定 区 間 を 国 道 26 号 まで 延 伸 し 流 域 貯 留 浸 透 事 業 により 高 石 中 学 校 敷 地 を 利 用 した 雨 水 貯 留 施 設 が 平 成 9 年 度 に 流 域 調 節 池 事 業 により 東 羽 衣 調 節 池 が 平 成 13 年 度 に 整 備 され 現 在 河 道 拡 幅 とボック スカルバートの 整 備 が 進 められています また この 区 間 については 平 成 9 年 7 月 にふるさとの 川 モデル 事 業 の 国 の 指 定 を 受 け 芦 田 川 ふるさとの 川 整 備 計 画 が 平 成 9 年 12 月 に 策 定 されています さ らに 同 区 間 に 対 して 高 石 市 が 実 施 する 上 面 整 備 に 関 する 芦 田 川 整 備 基 本 構 想 ( 案 )が 住 民 と 行 政 の 協 働 のもと 平 成 23 年 2 月 にとりまとめられました 芦 田 川 では 上 水 道 用 水 や 工 業 用 水 としての 水 利 用 はないが 上 流 部 の 井 堰 より 農 業 用 水 が 取 水 さ れています 河 川 空 間 の 利 用 は 河 川 規 模 が 小 さく コンクリートなどの 三 面 張 水 路 の 単 断 面 構 造 であるためほ とんど 見 られませんが 河 川 に 面 した 芦 田 川 ふるさと 広 場 やサクラ 並 木 は 地 域 住 民 に 親 しまれてい ます また 上 流 の 鶴 田 池 では 併 設 するゴルフセンターによる 一 体 利 用 が 行 われています 河 川 特 性 について 古 くは 河 口 を 含 む 沿 岸 域 は 白 砂 青 松 の 景 観 が 広 がっていましたが 高 度 経 済 成 長 とともに 埋 立 てが 進 められました 河 口 域 には 高 潮 対 策 事 業 による 防 潮 水 門 が 設 置 されているとともに 両 岸 にはコンクリート 構 造 の 堤 防 が 整 備 されています 下 流 域 では コンクリートの 三 面 張 水 路 で 川 幅 が 狭 く 民 家 が 連 なっており 排 水 路 といった 印 象 が 強 くなっています また 都 市 計 画 道 路 新 村 北 線 の 道 路 下 には 二 連 のボックスカルバートが 整 備 され ています 中 流 域 では コンクリートブロック 積 みやコンクリートの 三 面 張 水 路 となっており 人 工 的 な 排 水 路 といった 印 象 が 特 に 強 くなっています また 川 幅 が 極 端 に 狭 くなっているところもあります 上 流 域 では コンクリートの 三 面 張 水 路 によりため 池 が 多 く 連 なっています - 3 -

芦 田 川 では 過 去 から 農 業 用 水 路 としての 利 用 のほか 市 街 地 における 排 水 路 としても 利 用 されて います 河 川 の 汚 濁 指 標 項 目 である BOD 7) 濃 度 は 高 石 市 が 継 続 的 に 実 施 している 河 口 部 に 近 い 新 羽 衣 橋 付 近 での 調 査 結 果 によると 平 成 8 年 では 31.0mg/l と 非 常 に 悪 い 値 であったが 下 水 道 普 及 率 の 上 昇 に 伴 い 平 成 21 年 では 4.5mg/l と 著 しく 改 善 しています この 調 査 地 点 は 河 口 部 に 位 置 しており 海 水 の 影 響 を 受 けている 可 能 性 がありますが 一 方 で 海 水 の 影 響 を 受 けない 芦 田 川 ふるさと 広 場 付 近 の 河 川 において 高 石 市 が 平 成 22 年 7 月 に 行 った 水 質 調 査 8) 結 果 では BOD 濃 度 が 6.0 mg/l であり 共 に 水 質 汚 濁 に 関 する 環 境 基 準 では C~D 類 型 に 相 当 し ています 大 阪 府 及 び 高 石 市 の 総 合 計 画 においては 住 民 と 行 政 が 協 働 で 自 然 環 境 や 住 環 境 に 配 慮 し さらに 身 近 な 自 然 環 境 を 活 用 したゆとり 空 間 の 整 備 により 潤 い 豊 かなまちづくりを 進 めることが 目 標 とさ れています また 大 阪 21 世 紀 の 新 環 境 総 合 計 画 では 府 民 の 参 加 行 動 のもと 温 室 効 果 ガスの 排 出 量 の 削 減 資 源 の 循 環 的 利 用 の 促 進 大 気 水 環 境 の 改 善 環 境 リスクの 高 い 化 学 物 質 の 管 理 生 物 の 生 息 環 境 の 保 全 都 市 の 魅 力 と 活 力 の 向 上 などに 取 組 み 豊 かな 環 境 の 保 全 と 創 造 が 目 標 とされています 今 後 芦 田 川 の 流 域 住 民 にとって 安 全 で 快 適 な 水 辺 空 間 とするため 治 水 安 全 度 の 向 上 を 図 る 河 川 改 修 や 洪 水 調 節 施 設 などの 整 備 を 進 めるとともに 住 民 参 加 による 水 辺 空 間 の 活 用 や 積 極 的 な 緑 化 の 推 進 安 心 して 人 がふれあえる 川 づくりに 向 けた 流 域 住 民 や 下 水 道 部 局 農 政 部 局 等 との 連 携 植 生 を 利 用 した 河 川 の 水 質 浄 化 などに 取 り 組 み 府 民 生 活 に 安 らぎと 潤 いを 与 える 空 間 を 創 出 していくこ とが 望 まれています 7 ) BOD:Biochemical Oxygen Demand( 生 物 化 学 的 酸 素 要 求 量 )の 略 で 流 水 域 の 水 質 指 標 の 一 つ 8) 類 型 : 水 質 汚 濁 に 係 る 環 境 基 準 について( 昭 和 46 年 12 月 28 日 環 境 庁 告 示 第 59 号 ) に 定 められた 生 活 環 境 の 保 全 に 関 する 環 境 基 準 による 類 型 で C 類 型 の 基 準 値 は BOD 濃 度 5.0 mg/l 以 下 D 類 型 の 基 準 値 は BOD 濃 度 8.0 mg/l 以 下 であ る - 4 -

(2) 河 川 の 総 合 的 な 保 全 と 利 用 に 関 する 基 本 方 針 河 川 の 総 合 的 な 保 全 と 利 用 に 関 する 基 本 方 針 としては 河 川 改 修 の 実 施 状 況 流 域 の 市 街 化 の 進 展 及 び 河 川 環 境 の 保 全 を 考 慮 し 流 域 全 体 の 保 水 機 能 の 維 持 を 含 めた 治 水 対 策 を 進 め 治 水 安 全 度 の 向 上 を 図 ります また 流 域 の 社 会 経 済 情 勢 の 発 展 にともなう 開 発 などに 即 応 するように 大 阪 府 総 合 計 画 高 石 市 総 合 計 画 等 を 考 慮 しつつ 地 元 市 との 協 力 のもと 計 画 的 なまちづくりとの 連 携 や 土 地 利 用 に 関 する 調 整 を 行 っていきます さらに 河 川 利 用 の 現 状 既 存 の 水 利 用 施 設 機 能 の 維 持 に 十 分 配 慮 して 水 源 から 河 口 までを 含 めた 河 川 の 総 合 的 な 保 全 と 利 用 を 図 ります ア. 災 害 の 発 生 の 防 止 又 は 軽 減 洪 水 による 災 害 の 発 生 防 止 または 軽 減 に 関 しては 既 に 本 水 系 の 流 域 及 び 氾 濫 区 域 の 都 市 化 が 進 ん 9) でいることから 治 水 計 画 は 100 年 に 一 度 程 度 発 生 する 恐 れがある 規 模 の 降 雨 で 発 生 する 洪 水 を 安 全 に 流 下 させるものとします また 対 策 の 実 施 にあたっては 整 備 済 みである 治 水 施 設 ( 調 節 池 ショートカット 区 間 としてのボックスカルバート 等 )を 活 用 するとともに 沿 川 の 公 園 や 学 校 施 設 等 の 土 地 利 用 状 況 を 考 慮 し 貯 留 施 設 等 の 流 域 対 策 を 含 めた 総 合 的 な 治 水 計 画 を 推 進 します 今 後 発 生 が 懸 念 される 東 南 海 南 海 地 震 等 による 津 波 の 来 襲 を 想 定 した 地 震 津 波 対 策 を 行 います また 東 日 本 大 震 災 のような 計 画 を 超 える 規 模 の 地 震 津 波 災 害 に 対 しても 高 石 市 と 連 携 し 住 民 の 安 全 な 避 難 行 動 や 地 域 防 災 活 動 を 支 援 し 被 害 の 軽 減 に 努 めます さらに ソフト 対 策 については 高 石 市 において 津 波 ハザードマップが 策 定 済 みですが 洪 水 につ いても 関 係 機 関 と 協 議 を 行 い 降 雨 量 に 対 する 現 状 の 治 水 施 設 の 安 全 度 及 び 被 害 の 発 生 状 況 等 をわか りやすく 周 知 する 洪 水 リスク 表 示 図 や 水 位 周 知 河 川 としての 情 報 提 供 等 を 活 用 し 住 民 の 安 全 な 避 難 行 動 や 地 域 防 災 活 動 を 支 援 し 被 害 の 軽 減 に 努 めます イ. 河 川 の 適 正 な 利 用 及 び 流 水 の 正 常 な 機 能 の 維 持 下 水 道 普 及 率 の 上 昇 に 伴 う 流 量 減 少 が 懸 念 されますが 農 業 用 水 の 取 水 実 態 の 把 握 に 努 め 河 川 の 水 質 や 景 観 及 び 動 植 物 の 生 息 生 育 環 境 に 十 分 配 慮 し 確 保 すべき 流 量 の 設 定 に 向 けて 引 き 続 きデー タの 蓄 積 に 努 めるとともに 地 域 住 民 及 び 農 業 関 係 者 との 協 議 を 通 して 流 量 の 確 保 に 努 めます また 水 質 については 生 活 雑 排 水 や 農 業 用 排 水 などの 負 荷 が 影 響 している 可 能 性 があるため 流 域 住 民 や 下 水 道 部 局 農 政 部 局 等 と 連 携 し 身 近 な 自 然 環 境 にふれあえる 水 辺 空 間 の 創 造 に 向 けて 負 荷 軽 減 などの 水 質 改 善 に 努 めます ウ. 河 川 環 境 の 整 備 と 保 全 芦 田 川 が 住 民 に 憩 いと 安 らぎを 与 える 都 市 部 の 貴 重 な 空 間 であることから 身 近 な 自 然 環 境 にふれ 9 ) 100 年 に 一 度 程 度 発 生 する 恐 れがある 規 模 の 降 雨 : 統 計 学 上 は 毎 年 1 年 間 にその 規 模 を 超 える 降 雨 が 発 生 する 確 率 が 1/100(1%)であることを 指 す - 5 -

あえる 水 辺 空 間 を 創 出 する 多 自 然 川 づくりを 地 域 住 民 と 連 携 して 行 うとともに 植 生 を 利 用 した 河 川 の 水 質 浄 化 などの 取 り 組 みを 行 います また 生 物 多 様 性 の 保 全 のため 外 来 種 の 無 秩 序 な 移 植 など 生 態 系 に 悪 影 響 を 及 ぼすような 行 為 については 外 来 生 物 法 に 基 づき 関 係 機 関 へ 通 知 し 適 正 な 指 導 と 再 発 防 止 に 努 めます 芦 田 川 ふるさと 広 場 と 隣 接 した 区 間 では 広 場 を 活 用 した 水 と 緑 の 空 間 を 形 成 し 散 策 やジョギン グなどの 活 動 の 場 や 誰 もが 寄 り 付 きたくなる 安 全 で 市 街 地 のシンボルとなるような 水 辺 空 間 に 配 慮 した 川 づくりに 取 り 組 むとともに 二 層 河 川 流 入 部 など 危 険 を 伴 う 個 所 に 対 しては 適 切 な 安 全 対 策 を 行 います 河 川 の 維 持 管 理 に 関 しては 災 害 発 生 の 防 止 河 川 の 適 正 な 利 用 流 水 の 正 常 な 機 能 の 維 持 及 び 河 川 環 境 保 全 の 観 点 から 河 川 の 有 する 多 面 的 機 能 を 十 分 に 発 揮 するよう 適 切 に 行 います このために 日 頃 からより 一 層 河 川 空 間 が 活 用 され 川 に 親 しみ 愛 着 をもってもらうために さまざまな 地 域 団 体 の 活 動 や 教 育 機 関 との 連 携 に 努 め 河 川 に 関 する 情 報 の 共 有 化 を 推 進 し より 良 い 河 川 空 間 となるような 維 持 管 理 を 行 っていきます 芦 田 川 は 市 街 化 が 著 しく 水 辺 空 間 が 数 少 なくなった 高 石 市 域 の 中 心 部 を 流 れています 中 流 域 には サクラ 並 木 があり 都 市 景 観 の 向 上 に 寄 与 するとともに 市 民 の 散 策 路 として 活 用 され 憩 いの 場 とし ての 役 割 をはたす 一 面 を 持 っています しかしながら 現 在 の 沿 川 のまちは 必 ずしも 川 に 目 を 向 けた ものとはなっていません このことから 平 成 9 年 度 に 市 民 参 加 のもと ふるさとの 川 整 備 計 画 を 策 定 し 治 水 安 全 度 の 確 保 はもとより 良 好 で 市 域 のシンボルとなるような 水 辺 空 間 を 創 造 するため に 地 元 高 石 市 の 地 域 整 備 と 一 体 となった 河 川 整 備 を 行 うこととしています この 芦 田 川 の 整 備 により 水 遊 び 散 策 などで 市 民 が 日 常 身 近 に 水 辺 を 感 じることができ まちに 潤 いを 与 える 貴 重 なオープン スペースが 確 保 され 更 には 市 民 による 清 掃 活 動 等 の 河 川 愛 護 精 神 を 醸 成 する 活 動 に 繋 げて 行 くこと を 目 指 します - 6 -

2. 河 川 整 備 の 基 本 となるべき 事 項 2. 河 川 整 備 の 基 本 となるべき 事 項 (1) 基 本 高 水 並 びにその 河 道 及 び 洪 水 調 節 施 設 への 配 分 に 関 する 事 項 芦 田 川 では 100 年 に 一 度 程 度 発 生 する 恐 れがある 規 模 の 降 雨 (24 時 間 雨 量 281.3mm)で 発 生 する 洪 水 について 検 討 した 結 果 流 域 において 流 出 抑 制 対 策 を 講 じない 場 合 の 洪 水 のピーク 流 量 は 基 準 点 河 口 において 100m 3 /s となり これを 流 域 基 本 高 水 流 量 とします この 流 量 に 対 し 流 域 における 雨 水 貯 留 施 設 (ピークカット 量 5m 3 /s)や 下 水 道 対 応 (ピークカット 量 20m 3 /s)を 考 慮 して 基 本 高 水 のピーク 流 量 は 同 地 点 において 75 m 3 /s とし このうち 流 域 内 の 洪 水 調 節 施 設 により 15m 3 /s を 調 節 して 河 道 への 配 分 流 量 を 60m 3 /s とします 基 本 高 水 のピーク 流 量 等 一 覧 表 河 川 名 基 準 地 点 流 域 基 本 高 水 流 量 (m3/s) 基 本 高 水 の ピーク 流 量 (m3/s) 洪 水 調 節 施 設 による 調 節 流 量 (m3/s) 河 道 への 配 分 流 量 (m3/s) 芦 田 川 河 口 100 75 15 60 (2) 主 要 な 地 点 における 計 画 高 水 流 量 に 関 する 事 項 計 画 高 水 流 量 は 基 準 点 河 口 において 60m 3 /s とします 芦 田 川 計 画 高 水 流 量 図 単 位 :m 3 /s 大 乙 の 池 水 路 阪 湾 60m 3 /s 芦 田 川 河 口 - 7 -

2. 河 川 整 備 の 基 本 となるべき 事 項 (3) 主 要 な 地 点 における 計 画 高 水 位 及 び 計 画 横 断 形 に 係 る 川 幅 に 関 する 事 項 主 要 な 地 点 における 計 画 高 水 位 および 計 画 横 断 形 に 係 る 概 ねの 川 幅 は 次 表 のとおりとします ま た 河 川 工 事 の 施 工 にあたり 河 道 横 断 形 については ふるさとの 川 整 備 計 画 を 受 けて 周 辺 景 観 や 親 水 性 に 配 慮 した 計 画 とします 主 要 な 地 点 における 計 画 高 水 位 及 び 川 幅 一 覧 表 河 川 名 地 点 名 河 口 又 は 合 流 点 からの 距 離 (km) 芦 田 川 河 口 河 口 から 0.1km 計 画 高 水 位 10) ( 計 画 高 潮 位 11) ) (O.P.+m) 2.20 (4.80) 川 幅 (m) 20 0.P.: 大 阪 湾 最 低 潮 位 (4) 主 要 な 地 点 における 流 水 の 正 常 な 機 能 を 維 持 するため 必 要 な 流 量 に 関 する 事 項 流 水 の 正 常 な 機 能 を 維 持 するために 必 要 な 流 量 については 現 在 の 農 業 用 水 取 水 施 設 の 機 能 維 持 を 基 本 とし 適 正 かつ 効 率 的 な 水 利 用 が 図 られるように 努 めるとともに 河 川 の 水 質 や 景 観 および 動 植 物 の 生 育 環 境 等 に 十 分 配 慮 するため 引 き 続 き 情 報 収 集 に 努 め 総 合 的 判 断 の 上 今 後 決 定 するもの とし その 流 量 の 確 保 に 向 けて 農 業 関 係 者 等 と 調 整 を 行 っていきます 10) 計 画 高 水 位 : 河 川 計 画 の 対 象 となる 洪 水 流 量 ( 計 画 高 水 流 量 )を 定 め その 洪 水 流 量 が 河 川 改 修 後 の 河 道 断 面 を 流 下 す るときの 水 位 11) 計 画 高 潮 位 : 想 定 される 最 大 規 模 の 台 風 の 襲 来 等 により 高 潮 が 発 生 したときの 海 面 上 昇 と 満 潮 位 を 足 したもので 高 潮 対 策 施 設 計 画 の 基 準 となる 水 位 - 8 -

凡 -9- 域 市町村界 流 基準地点 例 河口 芦田川 参考図 芦田川水系図 流域面積6.68km2 ２ 河川整備の基本となるべき事項