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続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

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ントロールが 難 しく 政 策 的 機 動 的 に 人 材 を 確 保 したいという 場 面 では 足 枷 となる ( 情 報 が 伝 播 しない) 東 京 五 輪 の 二 大 人 材 ニーズ 産 業 は 建 設 業 とサービス 業 ( 観 光 飲 食 )である この 両 産 業 は 東 京 五 輪 の 話 が 出 る 前 から 慢 性 的 に 人 材 調 達 ができていない 産 業 だが その 構 造 は 真 逆 である [ 建 設 業 ] 1) 前 述 の 人 材 調 達 における 構 造 的 問 題 2) 賃 金 下 落 の 継 続 3) 将 来 性 の 不 透 明 さ( 親 が 子 供 に 教 師 が 生 徒 に 勧 められない) 4) 所 謂 3K 5) 現 場 経 験 無 しに 活 躍 できない 産 業 構 造 ( 新 規 参 入 が 難 しくキャリアパスが 見 えない) 人 は 辞 めにくいが 人 が 簡 単 に 入 れない というのが 本 質 [サービス 業 ] 1) 専 門 性 等 技 能 の 差 別 化 が 難 しいため 仕 事 を 続 ける 必 然 性 が 乏 しい 及 び 2) 多 数 の 求 人 が 常 時 存 在 するため 仕 事 をみつけやすい( 例 えば 人 間 関 係 の 悪 化 等 が 生 じた 場 合 他 の 仕 事 へ 移 りやすい) 人 が 採 れない 以 上 に 人 が 辞 める というのが 本 質 3) 最 大 限 に 効 率 化 した 業 務 オペレーションの 下 では 多 様 な 人 材 の 受 入 が 難 し い( 既 に 大 きな 責 任 を 負 っている 現 場 責 任 者 には 業 務 人 材 マネジメントを 変 える 余 力 が 無 い) 主 婦 高 齢 者 外 国 人 の 様 に 労 働 時 間 等 何 らかの 制 約 を 持 つ 人 材 を 受 け 入 れられない 建 設 業 は 産 業 特 殊 性 が 強 いため 建 設 業 ならではの 取 組 優 先 順 位 付 けをする 必 要 が ある 建 設 業 の 人 材 不 足 においては 飲 食 サービス 業 と 異 なり 離 職 率 が 高 い という 事 象 はあまり 生 じない 労 働 の 長 時 間 化 という 事 象 は 他 産 業 同 様 に 生 じるが 賃 金 等 に 拘 わ らず 人 が 集 まらない という 事 象 が 生 じるのが 特 徴 的 である 加 えて 建 設 業 の イメージ が 悪 い という 問 題 に 取 り 組 む 必 要 がある 大 前 提 として 待 遇 や 労 働 環 境 働 き 方 の 内 実 を 整 備 した 上 で 更 にもう 一 段 階 潜 在 的 就 業 者 が 建 設 業 に 抱 くイメージを 変 えるところ まで 踏 み 込 まなければ 根 本 的 な 解 決 にはならない (2) 2025 年 の 労 働 市 場 全 般 に 係 る 将 来 予 測 人 材 不 足 に 対 しては 基 本 的 に 三 つの 対 応 策 が 存 在 する 1) 対 象 の 拡 大 ( 未 経 験 者 女 性 高 齢 者 外 国 人 ) 2) 処 遇 の 改 善 ( 特 に 賃 金 ) 3) 採 用 活 動 への 投 資 (プロモーションや 採 用 へのリソース 分 配 ) 人 材 確 保 以 外 の 対 応 策 として 既 存 人 員 の 業 務 拡 大 や 生 産 性 の 向 上 が 挙 げられる 生 産 年 齢 人 口 は1995 年 に 総 人 口 は2010 年 にピークアウトしている 我 々の 推 計 で は これまでのトレンドが 続 けば 2025 年 の 就 業 者 数 は 男 性 が 減 少 女 性 が 微 増 し 合 - 2 -

計 では 減 少 する 賃 金 (1 人 辺 り 所 得 )も 減 少 するため 経 済 規 模 も 縮 小 せざるを 得 ない こ の 様 な 情 勢 において 人 を 維 持 するだけではなく 採 るという 全 体 の 流 れに 逆 行 する 方 向 への 誘 導 は 難 しいものとなる 時 間 が 経 過 すれば 経 過 する 程 に 難 易 度 は 上 がるため ど れだけ 早 い 段 階 で 手 を 打 てるかが 非 常 に 重 要 となる 将 来 的 な 年 齢 構 成 は 高 齢 者 がこのまま 増 加 する 訳 ではない 高 齢 者 の 就 業 支 援 は 未 来 永 劫 に 続 く 問 題 と 捉 えられがちであるが そうではない 人 数 が 多 い 団 塊 ジュニア 世 代 が 高 齢 者 になったときに 一 定 の 社 会 保 障 と 就 労 経 済 を 維 持 する 仕 組 みに 転 換 できな ければ その 後 の 人 口 減 少 社 会 では 社 会 保 障 を 含 めた 社 会 システムを 維 持 することは できない その 意 味 で 高 齢 者 の 就 業 支 援 は 喫 緊 の 課 題 である 建 設 業 では 若 年 層 を 採 用 したいという 希 望 が 強 いが 現 実 味 には 疑 問 が 残 る 少 子 高 齢 化 の 下 で 若 年 層 の 絶 対 数 が 減 少 しているが どの 産 業 も 依 然 として 若 年 層 を 採 用 した いという 意 欲 が 強 い( 諦 める 気 が 無 い) そのため 激 しい 競 争 となり 若 年 層 にとって 魅 力 的 な 就 業 先 と 映 るかどうかが 重 要 となる 優 秀 な 人 材 の 比 率 はあまり 変 わらない 人 材 の 母 集 団 が 少 なくなった 時 代 においては 今 までとは 能 力 意 欲 志 向 等 が 異 なる 人 材 が 採 用 者 の 中 に 含 まれることになる これま での 人 材 マネジメントが 通 用 しない 人 材 を 活 躍 できる 人 材 へと 育 成 するマネジメントが 求 められることになる 高 齢 若 年 の 間 の 世 代 としては 女 性 主 婦 層 の 活 用 が 必 要 となり 時 間 や 場 所 の 制 約 への 対 応 を 考 える 必 要 がある 多 様 性 を 受 け 入 れられるダイバーシティの 推 進 職 場 人 材 マネジメントが 重 要 となる 特 に 女 性 の 場 合 には M 字 カーブ による 離 職 への 対 応 が 求 められるという 特 徴 があり その 方 策 は 本 人 に 様 々なライフイベントが 起 きて 制 約 が 生 じる 前 の 早 い 段 階 で 様 々な 経 験 を 積 ませ キャリアプランの 見 通 しを 立 てることに 尽 きる ( 結 婚 出 産 後 に 仕 事 を 続 けられない/ 辞 めさせられると 思 わせたら 確 実 に 辞 めていく 復 帰 しても 長 く 働 ける/ 目 標 にしたい 先 輩 が 居 る と 思 えるロールモデルを 見 せる 必 要 がある ) 女 性 の 場 合 はよりスピ ード 感 を 持 って 取 り 組 むことが 求 められる 産 業 別 就 業 者 数 を 見 ると 2025 年 にはサービス 業 の 伸 びも 鈍 化 する ( 減 少 に 転 ずる 可 能 性 もある ) 製 造 業 建 設 業 は 減 少 傾 向 が 続 く 流 れを 反 転 させ 増 加 に 転 じるためには 相 当 強 い 取 組 が 欠 かせない まとめると 2025 年 に 向 けてこれまでの 傾 向 が 続 けば 就 業 者 ( 特 に 男 性 ) 減 少 若 年 就 業 者 減 少 所 得 減 少 潜 在 労 働 力 ( 失 業 者 就 業 希 望 者 )も 減 少 する 人 材 獲 得 に 向 けた 大 きなトレンドは 予 断 を 許 さない (3) 人 口 減 少 下 における 建 設 人 材 獲 得 人 口 減 少 の 下 では 企 業 と 個 人 との 間 のパワーバランスは 個 人 側 に 移 る 労 働 需 要 への 対 応 パラダイムが 変 化 する 高 度 経 済 成 長 時 代 に 日 本 的 雇 用 慣 行 として 行 われていた 労 働 需 要 への 対 応 は ま - 3 -

ず 新 卒 を 採 用 し 長 期 的 に 育 成 し 人 材 が 長 きに 亘 って 企 業 に 留 まることにより 業 績 に 貢 献 するというものだった 即 ち 人 材 獲 得 が 起 点 となっていた 今 後 は まず 獲 得 という 入 口 のハードルが 上 がり 更 に 離 職 する 人 材 も 出 てくる 働 き 方 仕 事 内 容 が 個 人 の 許 容 範 囲 を 超 えた 場 合 は 人 材 確 保 が 更 に 困 難 となる(Cf.)インターネット を 通 じてブラック 企 業 の 評 判 がたつと 人 材 採 用 に 大 きな 影 響 が 出 る) よって 今 後 は 人 材 定 着 が 起 点 となり 人 材 が 定 着 することによって 企 業 の 生 産 性 が 向 上 し 業 績 や 評 判 も 向 上 し 人 材 獲 得 が 容 易 になるというパラダイムへと 変 化 する 建 設 業 に 必 要 な 待 遇 改 善 労 働 環 境 改 善 女 性 等 のダイバーシティ 促 進 人 材 育 成 の 仕 組 み 整 備 等 主 要 論 点 のほとんどは 建 設 産 業 活 性 化 会 議 等 で 既 に 施 策 として 打 ち 出 されている まず 重 要 なのはこれらを 実 現 することである これらに 加 えるのであれば まず 個 をみた 効 率 性 を 追 求 したマネジメント が 求 められ る 女 性 等 のダイバーシティが 進 まない 背 景 にはマネジメントの 問 題 がある 仕 事 の 仕 方 を 変 えずしてダイバーシティは 進 まない また 実 際 の 建 設 現 場 では 個 をみた 効 率 性 を 追 求 したマネジメント が 行 われて いるケースも 見 られるが 多 くは 管 理 者 個 人 の 属 人 的 な 範 囲 に 留 まっている マネジメント の 形 式 知 化 とナレッジトランスファー が 遅 れている 労 働 市 場 の 長 期 的 なトレンドを 考 えると 人 材 の 確 保 育 成 のための 取 り 組 みは 遅 くなる 程 難 しくなる 可 能 性 がある 可 及 的 速 やかな 人 材 確 保 育 成 のための 取 組 を 進 めるととも に 建 設 業 のイメージを 改 善 するための 戦 略 的 にプロモーションを 展 開 する 必 要 がある 重 要 なのは 労 働 条 件 等 の 内 実 の 整 備 がともなわないプロモーションはもはや 通 用 しない ということだ あくまで 働 く 個 人 にとって 魅 力 的 な 環 境 を 整 えたうえで 業 界 のネガティブ イメージを 好 転 させる 必 要 がある ロンドン 五 輪 の 関 係 者 からは コミュニケーション 戦 略 が 重 要 という 言 葉 が 聞 かれる 日 本 のパブリックセクターからは コミュニケーション 戦 略 という 言 葉 をあまり 聞 かないが シ ンボリックな 取 組 を 印 象 づけ そのような 取 組 を 拡 大 させる 契 機 として 五 輪 を 捉 えるべき だ 現 実 感 を 伴 った 成 功 を 伝 えるため 数 値 目 標 を 設 定 する(その 達 成 を 伝 える)ということが 考 えられる Cf.) ロンドン 五 輪 ではパブリックセクターが 前 面 に 出 た 建 設 業 従 事 者 の 士 気 が 高 揚 し 五 輪 史 上 初 め て 死 者 を 出 さずに 建 設 作 業 が 進 められたほか アッセンブル 方 式 の 採 用 等 仕 事 の 進 め 方 も 変 わっ た 建 設 業 は 現 場 を 持 つ 産 業 である 人 材 確 保 育 成 のためのプロモーションに 際 しては アウトドアメディアの 手 法 を 活 用 することが 考 えられる ( 建 設 現 場 の 外 壁 に 建 設 業 で 活 躍 する 女 性 の 姿 を 描 く 等 ) Cf.) 人 材 不 足 に 直 面 しているある 小 売 チェーンは 店 内 放 送 で 短 時 間 勤 務 の 人 材 募 集 を 行 っている (4) 質 疑 応 答 [ 問 1] 3K や ブラック 等 非 常 に 悪 い 企 業 のイメージを 改 善 する 必 要 があり 企 業 の 経 営 - 4 -

者 の 意 識 を 変 える 必 要 があるが そのための 手 法 について 示 唆 をいただきたい [ 答 1] 具 体 例 を2つ 挙 げる 或 るファッションビルの 駐 車 場 警 備 員 募 集 に 際 して できれば ホスピタリティの 入 口 と して 女 性 を 採 用 したいという 希 望 があったが 難 航 していた そこで 可 愛 い 制 服 に 替 えた 所 応 募 が 集 まった その 他 航 空 整 備 士 を 取 り 上 げたテレビドラマが 放 映 されたときには 航 空 整 備 士 の 人 気 が 急 上 昇 した いい 仕 事 であれば 人 が 採 用 できる のではない いい 仕 事 の 魅 力 が 伝 わって 初 めて 人 は 動 く アウトドアメディアをリクルーティングに 活 用 するという 提 案 もそうだが 人 材 を 獲 得 するには 伝 える 努 力 を 真 面 目 にしなければならない [ 問 2] 建 設 業 のキャリアパスが 不 透 明 な 中 若 年 層 に 対 する 建 設 業 への 就 業 建 設 業 の 魅 力 を 訴 える 手 法 を 伺 いたい [ 答 2] 日 本 の 労 働 市 場 は 非 常 に 特 殊 なものとなっている 仕 事 に 求 めるものが 海 外 諸 国 は 賃 金 がトップであるが 日 本 だけは 職 場 の 人 間 関 係 仕 事 内 容 勤 務 時 間 休 日 と3 項 目 が 賃 金 を 上 回 っており 優 先 する 項 目 が 多 様 的 で 人 によって 異 なることが 見 て 取 れる 賃 金 は 即 効 性 が 高 いトリガーではあるが 日 本 では 求 職 者 とのコミュニケー ションを 図 り 多 くの 面 に 対 応 する 必 要 がある キャリアパスについて 全 ての 人 が70 歳 まで 正 社 員 で 働 くというのは 現 実 感 が 無 い 建 設 業 に 関 しては キャリアの 長 期 化 よりも 短 期 的 な 人 材 ニーズを 機 動 的 にマッチングする 方 が 伸 び 代 があるのではないか 軽 作 業 はアルバイト 等 に 任 せ 一 部 の 人 材 が 難 易 度 の 高 い 業 務 に 集 中 する 形 となる [ 問 3] 生 産 性 向 上 の 目 標 として どの 様 な 指 標 を 設 定 するのが 適 切 か 示 唆 をいただきたい 売 上 就 業 者 といった 簡 単 なものではないと 思 われる [ 答 3] 会 社 全 体 ではなく 一 個 人 の 観 点 で 言 えば 労 働 時 間 の 減 少 が 指 標 として 考 えられ そ の 際 には 業 務 マネジメントが 重 要 となる - 5 -