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小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

●電力自由化推進法案

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

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平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

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m07 北見工業大学 様式①

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

Microsoft Word - H25年度の概要

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その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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資料3 家電エコポイント制度の政策効果等について

Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 1 人

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

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公表表紙

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Microsoft Word )40期決算公開用.doc

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経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

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平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

第316回取締役会議案

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

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質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

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18 国立高等専門学校機構

スライド 1

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Microsoft PowerPoint - 経営事項審査.ppt

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

消 費 ~ 軽 減 率 消 費 の 軽 減 率 制 度 が 消 費 率 10% 時 に 導 入 することとされています 平 成 26 年 4 月 1 日 平 成 27 年 10 月 1 日 ( 予 定 ) 消 費 率 5% 消 費 率 8% 消 費 率 10% 軽 減 率 の 導 入 平 成 26

第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

16 日本学生支援機構

定款  変更

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文化政策情報システムの運用等


記者発表資料

市 町 村 税 の 概 況 市 町 村 税 の 概 況 は 平 成 25 年 度 地 方 財 政 状 況 調 査 平 成 26 年 度 市 町 村 税 の 課 税 状 況 等 の 調 及 び 平 成 26 年 度 固 定 資 産 の 価 格 等 の 概 要 調 書 等 報 告 書 等 の 資 料 に

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った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 有 ( 注 ) 詳 細 は 添 付 資 料 4ページ 2.サマリー 情 報 (

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1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

Microsoft Word - 奨学金相談Q&A.rtf

1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

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- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

目 改 正 項 目 軽 自 動 車 率 の 引 上 げ 〇 国 及 び 地 方 を 通 じた 自 動 車 関 連 制 の 見 直 しに 伴 い 軽 自 動 車 の 標 準 率 が 次 のとおり 引 き 上 げられます 車 種 区 分 引 上 げ 幅 50cc 以 下 1,000 円 2,000 円

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 23 年 4 月 1 日 至 平 成 24 年 3 月 31 日 ) 金 額 ( 単 位 : 百 万 円 ) 売 上 高 99,163 売 上 原 価 90,815 売 上 総 利 益 8,347 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 4,661 営 業 利 益

Taro-H19退職金(修正版).jtd

Microsoft Word 実施要綱⑦H24.doc

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

2

新 市 建 設 計 画 の 変 更 に 係 る 新 旧 対 照 表 ページ 変 更 後 変 更 前 表 紙 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 平 成 27 年 3 月 変 更 安 中 市 6 2. 計 画 策 定 の 方 針 (3) 計

1_2013BS(0414)

事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用


スライド 1

平成24年度 業務概況書

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再 生 可 能 エネルギー 等 導 入 推 進 基 金 事 業 計 画 書 ( 各 年 度 計 画 書 ) ( 事 業 計 画 の 概 要 ) 計 画 の 名 称 京 都 府 地 球 温 暖 化 対 策 等 推 進 基 金 計 画 の 期 間 交 付 対 象 京 都 府 府 内 市 町 村 民 間

指 定 - 第 2 表 エネルギー 管 理 指 定 工 場 等 のエネルギーの 使 用 量 及 び 販 売 した 副 生 エネルギーの 量 平 成 27 年 度 エネルギーの 種 類 単 位 使 用 量 販 売 した 副 生 エネルギーの 量 数 値 熱 量 GJ 数 値 熱 量 GJ 原 油 (コ


0439 研究開発推進事業(防衛省所管計上)250614

・モニター広告運営事業仕様書

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

貸 借 対 照 表 内 訳 表 212 年 3 月 31 日 現 在 公 益 財 団 法 人 神 奈 川 県 公 園 協 会 科 目 公 益 目 的 事 業 会 計 収 益 事 業 等 会 計 法 人 会 計 内 部 取 引 消 去 合 計 Ⅰ 資 産 の 部 1. 流 動 資 産 現 金 預 金

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

2016年夏のボーナス見通し

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年 金 払 い 退 職 給 付 制 度 における 年 金 財 政 のイメージ 積 立 時 給 付 時 給 付 定 基 (1/2) で 年 金 を 基 準 利 率 で 付 利 給 付 定 基 ( 付 与 利 の ) 有 期 年 金 終 身 年 金 退 職 1 年 2 年 1 月 2 月 ( 終 了 )

目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

Economic Trends    マクロ経済分析レポート

第 節 ○○計画

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

Transcription:

204 部 エネルギーを 巡 る 状 況 と 主 な 対 策 では 204 年 4 月 日 に 閣 議 決 定 されたエネルギー 基 本 計 画 の 策 定 に 当 たって 背 景 となった エネルギーに 関 する 諸 課 題 をデータや 情 報 等 を 用 いて 説 明 し ています また 2 では 前 回 の 白 書 に 引 き 続 き 東 京 電 力 福 島 一 原 子 力 発 電 所 事 故 への 対 応 その 後 に 講 じたエネルギーに 関 する 施 策 ( 平 成 25 年 度 )の 動 向 を 紹 介 しています

部 エネルギーを 巡 る 状 況 と 主 な 対 策 エネルギー 基 本 計 画 の 背 景 にある 諸 情 勢 エネルギー 基 本 計 画 の 背 景 にある 諸 情 勢 節 我 が 国 が 抱 える 構 造 的 課 題. 海 外 の 資 源 に 大 きく 依 存 することに よるエネルギー 供 給 体 制 の 根 本 的 な 脆 弱 性 我 が 国 は 一 次 エネルギー 自 給 率 が 低 く ほとん どのエネルギー 源 を 海 外 からの 輸 入 に 頼 っているた め 海 外 においてエネルギー 供 給 上 の 何 らかの 問 題 が 発 生 した 場 合 我 が 国 が 自 律 的 に 資 源 を 確 保 するこ とが 難 しいという 根 本 的 な 脆 弱 性 を 有 しています 我 が 国 では エネルギー 自 給 率 を 向 上 する 取 組 を 進 めてきた 結 果 一 次 石 油 ショック 時 の 973 年 に 9.2%だった 自 給 率 は 200 年 には 9.9%にまで 改 善 されました しかしながら 近 年 の 推 移 をみると 原 子 力 発 電 所 が 停 止 した 結 果 200 年 の 9.9%から 20 年 に.2% 202 年 に 6.0%と 低 下 しています OECD( 経 済 協 力 開 発 機 構 ) 諸 国 34 か 国 の 中 では 33 位 (200 年 は 29 位 )と ルクセンブルク(2.9%) に 次 ぐ 低 水 準 となっています なお 202 年 の 我 が 国 のエネルギー 自 給 率 6.0% の 内 訳 をみると 水 力.5% 天 然 ガス 0.7% 原 子 力 0.6% 原 油 0.% 再 生 可 能 エネルギー 等 3.%と なっています 次 に 一 次 エネルギー 供 給 構 造 についてみると 石 油 石 炭 天 然 ガスといった 化 石 燃 料 に 大 きく 依 存 する 構 図 は 一 次 石 油 ショック 時 から 変 わって いません 原 子 力 発 電 所 が 停 止 した 結 果 一 次 エネ ルギー 供 給 における 原 子 力 の 割 合 が 震 災 直 前 (200 年 度 )の.3%から 202 年 度 には 0.7%に 低 下 した ことにより 化 石 燃 料 の 依 存 度 は 震 災 直 前 (200 年 度 )の 8.8%から 202 年 度 には 92.2%(0.4 ポイ ント 上 昇 )となりました 海 外 から 輸 入 した 化 石 燃 料 への 依 存 度 は 一 次 石 油 ショック 時 (973 年 度 ) の 89.7%を 上 回 る 水 準 となっています 燃 料 別 にみ -- OECD 諸 国 の 一 次 エネルギー 自 給 率 比 較 (202 年 : 推 計 値 ) ( 注 ) IEA は 原 子 力 を 一 次 エネルギー 自 給 率 に 含 めている ( 注 2) 表 中 の - : 僅 少 出 典 : IEA Energy Balance of OECD Countries 203 を 基 に 作 成 8

節 我 が 国 が 抱 える 構 造 的 課 題 ると 石 油 は 40.%(200 年 度 )から 44.3%(202 年 度 )に 4.2 ポイント 増 加 天 然 ガスは 9.2%(200 年 度 )から 24.5%(202 年 度 )に 5.3 ポイント 増 加 石 炭 は 22.6%(200 年 度 )から 23.4%(202 年 度 ) に 0.8 ポイント 増 加 しました 200 年 度 から 202 年 度 の 一 次 エネルギー 供 給 構 造 に 占 める 割 合 の 増 加 率 が 最 も 高 い LNG( 液 化 天 然 ガス)は 原 油 と 比 較 すれば 地 域 偏 在 性 が 低 いもの の 中 東 地 域 に 依 存 する 割 合 が 震 災 前 (200 年 )の 22.5%から 203 年 には 29.7%に 上 昇 しています 特 にカタールは 200 年 には 4 位 の LNG 輸 入 相 手 国 でしたが 203 年 には 2 位 となり 輸 入 量 も 763 万 トンから,606 万 トンへとほぼ 倍 増 していま す また 中 東 からの 供 給 に 依 存 する 原 油 や LNG の 海 上 輸 送 の 過 程 で ホルムズ 海 峡 やマラッカ 海 峡 など --2 日 本 の 一 次 エネルギー 供 給 構 造 の 推 移 ( 注 ) 200 202 年 度 の 国 内 炭 割 合 は 石 炭 供 給 量 の % 程 度 ある 出 典 : 資 源 エネルギー 庁 総 合 エネルギー 統 計 を 基 に 作 成 --3 日 本 の LNG 輸 入 の 現 状 ( 注 ) % 以 上 の 国 を 記 載 出 典 : 財 務 省 貿 易 統 計 を 基 に 作 成 9

部 エネルギーを巡る状況と主な対策 エネルギー基本計画の背景にある諸情勢 1 海峡 運河 などの要衝 チョークポイント を が発生した際には 我が国のエネルギー供給上の課 2 人口減少の影響 技術革新等による中 長期的なエネルギー需要構造の変化 題が顕在化し得る いわば脆弱な供給構造となって 我が国の人口動態に目を転じると 200 年の 通過せざるを得ず これらの地域で何らかの緊急事態 います 2,803 万人をピークに既に人口は減少に向かってお り 2050 年には約 9,700 万人になると予想されてい --4 我が国への供給ルート上のチョークポイントの現状 原油 203 年 天然ガス 203 年 注 マラッカ依存度はマラッカ海峡以西の輸出主要国の率の積み上げ 以上の国を記載 なお OECD 域内高所得国やユーロ圏内高所得国は評価 分類なし 出典 財務省 貿易統計 OECD Country Risk Classification 等を基に作成 0 0

節 我 が 国 が 抱 える 構 造 的 課 題 ます 他 方 で 総 人 口 に 占 める 65 歳 以 上 人 口 割 合 ( 高 齢 化 率 )は 202 年 の 24.%から 2050 年 には 38.8%となり 2.5 人 に 人 が 65 歳 以 上 となると 予 測 されています こうした 人 口 減 や 高 齢 化 の 急 速 な 進 行 は これまでのエネルギーに 対 する 需 要 の 在 り 方 を 変 えていくと 考 えられます また 人 口 の 都 市 部 への 集 中 や 高 齢 化 による 生 活 ス タイルの 変 化 などによって 電 化 が 進 んできていま す 例 えば 最 終 エネルギー 消 費 のうち 電 力 消 費 の 割 合 をみると 973 年 度 に 3.4%だったものが 202 年 度 には 23.0%となっています さらに 電 気 や 水 素 などを 動 力 源 とする 次 世 代 自 動 車 や ガス 等 を 効 率 的 に 利 用 するコージェネレー ションの 導 入 などによるエネルギー 源 の 利 用 用 途 の 拡 大 なども 需 給 構 造 に 大 きな 変 化 をもたらしていくと 考 えられます 我 が 国 は 973 年 度 の 一 次 石 油 ショック 以 降 自 動 車 の 燃 費 向 上 家 電 の 省 エネルギー 性 能 の 向 上 産 業 部 門 におけるエネルギー 効 率 の 向 上 など 様 々な 省 エネルギーの 取 組 を 進 めたことから 202 年 度 で みると 最 終 エネルギー 消 費 は 973 年 度 の.3 倍 の 増 加 にとどまりました( 2 部 図 表 2-- 参 照 ) また この 間 実 質 GDP は 2.4 倍 になって いることから 我 が 国 の GDP 当 たりの 最 終 エネル ギー 消 費 量 でみると 973 年 度 の.33 百 万 kl/ 兆 円 から 202 年 度 の 0.72 百 万 kl/ 兆 円 へと 飛 躍 的 に 改 善 ( 約 46% 減 少 )しました この 結 果 世 界 最 高 水 準 の エネルギー 利 用 効 率 を 実 現 しています 産 業 部 門 のエネルギー 使 用 量 の 約 9 割 を 占 める 製 造 業 のエネルギー 消 費 原 単 位 ( 製 造 業 IIP( 付 加 価 値 ウエイト) 一 単 位 当 たりの 最 終 エネルギー 消 費 量 )は 970 年 代 の 石 油 ショック 以 降 官 民 を 挙 げて 精 力 的 に 省 エネルギーに 取 り 組 んだ 結 果 973 年 度 に 比 べ て 202 年 度 は 約 4 割 改 善 しました また 業 務 家 庭 部 門 においては 998 年 に 導 入 されたトップランナー 制 度 により 家 電 等 の 機 械 器 具 の 省 エネルギー 性 能 が 向 上 し 例 えば エアコン でみると 期 間 消 費 電 力 量 も 200 年 度 から 202 年 度 の 2 年 間 で 約 30% 減 少 しました さらに 運 輸 部 門 においては 一 世 帯 当 たりの 自 家 用 乗 用 車 保 有 台 数 は 973 年 の 一 次 石 油 ショッ ク 時 には 0.40 台 であったものが 203 年 時 点 で.08 台 と 増 えている 中 で トップランナー 制 度 により 乗 用 自 動 車 等 の 燃 費 性 能 は 向 上 し 例 えば ガソリン 乗 用 自 動 車 は 996 年 度 から 202 年 度 の 間 で 約 74% 向 上 しました このように 我 が 国 は 官 民 で 取 組 を 進 めた 結 果 それぞれの 部 門 においてエネルギー 効 率 が 改 善 して います こうした 人 口 減 少 や 技 術 革 新 等 を 背 景 として 我 が 国 のエネルギー 需 要 構 造 は 今 後 も 変 化 していくこ とが 見 込 まれます -2- 日 本 の 総 人 口 と 高 齢 化 率 の 推 移 と 予 測 ( 注 ) 高 齢 化 率 とは 総 人 口 に 占 める 65 歳 以 上 の 人 口 の 割 合 出 典 : 内 閣 府 資 料 を 基 に 作 成 -2-2 最 終 エネルギー 消 費 のうち 電 力 消 費 の 割 合 出 典 : 資 源 エネルギー 庁 総 合 エネルギー 統 計 を 基 に 作 成 -2-3 GDP 当 たりの 最 終 エネルギー 消 費 の 推 移 出 典 : 資 源 エネルギー 庁 総 合 エネルギー 統 計 内 閣 府 国 民 経 済 計 算 年 報 を 基 に 作 成

部 エネルギーを 巡 る 状 況 と 主 な 対 策 エネルギー 基 本 計 画 の 背 景 にある 諸 情 勢 -2-4 製 造 業 のエネルギー 消 費 原 単 位 の 推 移 -2-7 ガソリン 乗 用 自 動 車 の 改 善 例 燃 費 平 均 値 の 推 移 ( 注 ) 原 単 位 は 製 造 業 IIP( 付 加 価 値 ウェイト) 一 単 位 当 たりの 最 終 エネル ギー 消 費 量 で 973 年 度 を 00 とした 場 合 の 指 数 である ( 注 2) このグラフでは 完 全 に 評 価 されていないが 製 造 業 では 廃 熱 回 収 等 の 省 エネルギー 努 力 も 行 われている ( 注 3) 資 源 エネルギー 庁 総 合 エネルギー 統 計 では 990 年 度 以 降 数 値 の 算 出 方 法 が 変 更 されている 出 典 : 日 本 エネルギー 経 済 研 究 所 エネルギー 経 済 統 計 要 覧 資 源 エネル ギー 庁 総 合 エネルギー 統 計 経 済 産 業 省 鉱 工 業 指 数 を 基 に 作 成 -2-5 エアコンの 改 善 例 期 間 消 費 電 力 量 の 推 移 ( 注 ) 冷 房 能 力 2.8kW(8 2 畳 )のエアコンの 単 純 平 均 値 の 推 移 ( 注 2) 期 間 消 費 電 力 量 は 冷 房 期 間 消 費 電 力 量 と 暖 房 期 間 消 費 電 力 量 との 和 出 典 : 各 年 度 の 省 エネ 性 能 カタログ( 夏 冬 )を 基 に 作 成 -2-6 一 世 帯 当 たりの 自 家 用 乗 用 車 保 有 台 数 ( 注 ) ガソリン 乗 用 車 の 0 5 モード 燃 費 平 均 値 の 推 移 出 典 : 国 土 交 通 省 資 料 を 基 に 作 成 年 に 石 油 換 算 で 約 98 億 トンであったものが 20 年 には 27. 億 トン(2000 年 の 約.3 倍 )となり さら に 2035 年 には 69 億 トン(2000 年 の 約.7 倍 20 年 の 約.3 倍 )に 達 すると 見 込 まれています このエネルギー 需 要 の 増 加 の 中 心 は 中 国 やイン ドを 始 めとした 非 OECD 加 盟 国 であると 見 込 まれて います 世 界 全 体 のエネルギー 需 要 は 20 年 から 2035 年 にかけて 石 油 換 算 で 4.9 億 トン 増 加 すると 見 込 まれていますが そのうち 非 OECD 加 盟 国 におけ る 増 加 分 は 40.3 億 トンとなる 見 込 みであり 世 界 全 体 の 需 要 増 加 分 の 約 96%を 占 めると 予 測 されていま す 石 油 天 然 ガス 石 炭 の 埋 蔵 量 をみると 2000 年 代 後 半 から 北 米 のシェール 革 命 を 始 めとする 非 在 ( 注 来 型 資 源 ) の 開 発 の 進 展 等 により 増 加 傾 向 にありま す しかしながら 化 石 燃 料 は 有 限 であるため エ ネルギー 需 要 が 拡 大 する 中 国 やインド 等 の 新 興 国 は 国 営 企 業 による 資 源 獲 得 を 積 極 化 させており 新 興 国 の 企 業 群 も 交 えた 激 しい 資 源 の 獲 得 競 争 が 世 界 各 地 で 繰 り 広 げられるようになっています ( 注 ) 非 在 来 型 資 源 : 従 来 とは 異 なる 方 法 で 生 産 される シェールガ ス オイルサンド メタンハイドレート を 始 めとする 石 油 天 然 ガス 等 の 資 源 出 典 : 自 動 車 検 査 登 録 情 報 協 会 及 び 総 務 省 の 資 料 を 基 に 作 成 3. 新 興 国 のエネルギー 需 要 拡 大 等 によ る 資 源 価 格 の 不 安 定 化 世 界 に 目 を 転 じてみると エネルギー 需 要 は 増 加 を 続 けています 世 界 のエネルギー 需 要 量 は 2000 エネルギー 需 要 の 拡 大 資 源 獲 得 競 争 の 激 化 や 産 出 地 域 における 紛 争 などによる 供 給 不 安 の 発 生 さ らには 経 済 状 況 の 変 化 による 需 要 動 向 の 変 動 が 長 期 的 な 資 源 価 格 の 上 昇 傾 向 と 資 源 価 格 の 乱 高 下 を 発 生 させやすい 状 況 を 生 み 出 しています 原 油 価 格 は 2008 年 のアメリカの 大 手 投 資 銀 行 グループ リーマ ン ブラザーズ の 破 綻 をきっかけに 深 刻 化 した 金 融 危 機 により 欧 米 を 中 心 に 需 要 見 通 しが 大 きく 落 ち 2

節 我 が 国 が 抱 える 構 造 的 課 題 -3- 世 界 のエネルギー 需 要 の 実 績 と 予 測 出 典 : IEA World Energy Outlook 203 を 基 に 作 成 -3-2 石 油 天 然 ガス 石 炭 の 確 認 可 採 埋 蔵 量 可 採 年 数 確 認 可 採 埋 蔵 量 可 採 年 数 石 油.7 兆 バレル 53 年 天 然 ガス 87 兆 立 方 メートル 56 年 石 炭 8,609 億 トン 09 年 ( 注 ) 確 認 可 採 埋 蔵 量 : 存 在 が 確 認 され 経 済 的 にも 生 産 され 得 ると 推 定 されるもの 可 採 年 数 : 確 認 可 採 埋 蔵 量 をその 年 の 生 産 量 で 除 したもの 出 典 : BP 統 計 を 基 に 作 成 -3-3 中 国 インド 韓 国 の 国 営 石 油 会 社 による 上 流 資 源 獲 得 の 動 き 3

部 エネルギーを 巡 る 状 況 と 主 な 対 策 エネルギー 基 本 計 画 の 背 景 にある 諸 情 勢 込 んだ 結 果 2008 年 夏 には 瞬 間 的 に 40 ドル / バレ ルを 超 えるまでに 急 騰 した 価 格 が 40 ドル / バレル を 割 り 込 むまでに 落 ち 込 みました その 後 は 再 び 上 昇 し 00 ドル / バレルを 超 える 水 準 となっており ま た 価 格 変 動 幅 も 拡 大 傾 向 にあります 我 が 国 の 燃 料 輸 入 価 格 は リーマンショックによ る 下 落 の 後 石 炭 は 相 対 的 に 安 定 しているものの 原 油 や LNG を 中 心 に 再 び 上 昇 傾 向 にあります 特 に 我 が 国 の 天 然 ガスの 輸 入 価 格 は CIF 価 格 ベースで 204 年 月 に 史 上 最 高 値 を 記 録 しました -3-4 原 油 価 格 の 変 動 出 典 : WTI(West Texas Intermediate) 先 物 価 格 は CME Group HP を 基 に アラビアンライト OSP(Official Selling Prices)はサウジアラムコ 発 表 を 基 に 作 成 原 油 -3-5 我 が 国 の 燃 料 輸 入 価 格 の 推 移 LNG 4

節 我 が 国 が 抱 える 構 造 的 課 題 一 般 炭 各 燃 料 の 熱 量 当 たりの 価 格 推 移 出 典 : 財 務 省 貿 易 統 計 エネルギー 経 済 研 究 所 資 料 を 基 に 作 成 4. 世 界 の 温 室 効 果 ガス 排 出 量 の 増 大 温 室 効 果 ガスについてみると 京 都 議 定 書 の 基 準 年 の 990 年 には 世 界 全 体 のエネルギー 起 源 二 酸 化 炭 素 排 出 量 は 203 億 トンでしたが 20 年 には 300 億 ト ン( 約.5 倍 )に 増 加 しました この 間 中 国 イン ドにおいては それぞれ 3.5 倍 3.0 倍 に 二 酸 化 炭 素 排 出 量 が 増 加 しています これは 上 述 のとおり 新 興 国 において エネルギー 需 要 の 増 加 が 顕 著 であ ることが 背 景 にあると 考 えられます 今 後 も 新 興 国 を 中 心 とするエネルギー 需 要 の 増 加 により 世 界 全 体 のエネルギー 起 源 二 酸 化 炭 素 排 出 量 は 増 えていく 傾 向 にあると 推 測 されます この 点 国 際 エネルギー 機 関 (IEA)の 予 測 によれば 世 界 全 体 のエネルギー 起 源 二 酸 化 炭 素 の 排 出 量 は 20 年 の 300 億 トンから 2035 年 には 357 億 トンへと 増 加 ( 約.2 倍 )すると 予 測 されています 非 OECD 加 盟 国 についてみると 20 年 の 78 億 トンから 2035 年 には 256 億 トンへと 増 加 ( 約.4 倍 )すると 予 測 され この 期 間 においてインド 中 国 はそれぞれ 22 億 トン ずつ 増 加 (インド: 約 2.2 倍 中 国 : 約.3 倍 )する 見 通 しです また 203 年 から 204 年 にかけて 公 表 された 気 候 変 動 に 関 する 政 府 間 パネル(IPCC)の 5 次 評 価 報 告 書 は 880 年 ~202 年 において 世 界 平 均 地 上 気 温 が 0.85 上 昇 し 特 に 95 年 200 年 の 世 界 平 均 地 上 気 温 の 観 測 された 上 昇 の 半 分 以 上 は 温 室 効 果 ガス 濃 度 の 人 為 的 増 加 とその 他 の 人 為 起 源 強 制 力 の 組 合 せによって 引 き 起 こされた 可 能 性 が 極 めて 高 い との 評 価 を 公 表 しました 温 暖 化 が 人 間 活 動 の 影 響 によって 引 き 起 こされていることについて 前 回 4 次 評 価 報 告 書 時 の 可 能 性 が 非 常 に 高 い( is very likely 90% 以 上 の 可 能 性 ) との 評 価 から 可 能 性 が 極 めて 高 い( is Extremely likely 95% 以 上 の 可 能 性 ) に 強 められており より 強 固 な 科 学 的 根 拠 が 確 認 されたと 言 えます 我 が 国 では 温 室 効 果 ガス 排 出 量 削 減 のための 様 々 な 取 組 が 行 われています しかし 今 後 地 球 温 暖 化 問 題 を 本 質 的 な 解 決 へと 導 くためには 世 界 全 体 の 温 室 効 果 ガス 排 出 量 を 大 幅 に 削 減 することが 急 務 となっ ています この 点 我 が 国 の 石 炭 火 力 の 熱 効 率 は 世 界 一 の 水 準 であり 例 えば 仮 に 米 国 中 国 インドの 既 設 の 石 炭 火 力 発 電 所 を 全 て 我 が 国 の 高 効 率 石 炭 火 力 発 電 5

部 エネルギーを 巡 る 状 況 と 主 な 対 策 エネルギー 基 本 計 画 の 背 景 にある 諸 情 勢 -4- 世 界 のエネルギー 起 源 CO2 排 出 量 の 実 績 と 予 測 出 典 : IEA World Energy Outlook 203 を 基 に 作 成 技 術 ( 磯 子 火 力 発 電 所 新 号 機 並 の 熱 効 率 )に 置 き 換 えたとした 場 合 米 国 においては 約 4 億 トン(200 年 実 績 の 約 8.2 億 トン 約 4.4 億 トン) 中 国 におい ては 約 8 億 トン( 約 35.5 億 トン 約 27.8 億 トン) イ ンドにおいては 約 3 億 トン( 約 7.8 億 トン 約 4.7 億 トン)と 我 が 国 全 体 の 温 室 効 果 ガス 排 出 量 (202 年 度 : 約 3.4 億 トン)を 超 える 合 計 約 5 億 トンの 二 酸 化 炭 素 排 出 削 減 の 効 果 があると 試 算 されます( 資 源 エネルギー 庁 試 算 ) このような 我 が 国 の 技 術 を 世 界 に 広 めることも 地 球 温 暖 化 問 題 を 解 決 する 方 法 の 一 つになると 期 待 されます -4-2 IPCC( 気 候 変 動 に 関 する 政 府 間 パネル) 評 価 報 告 書 -4-3 石 炭 火 力 の 熱 効 率 の 国 際 比 較 出 典 : IEA Energy Balances: OECD and Non-OECD Countries を 基 に 作 成 6

2節 東京電力福島一原子力発電所事故及びその前後から顕在化してきた課題 967 年に運転開始 最新鋭の発電技術を導入するためリプレースを実施 2002 年に新 号 機 2009 年に新 2 号機が運転開始 総出力 20 万kW 号機 2 号機総計 蒸気条件 超々臨界圧 熱効率 発電端 LHV 約 45 CO2 排出係数 約 0.75kg-CO2/kWh 大気汚染物質の排出も大幅に低減し 世界最高水準の熱効率 環境負荷 低減を実現 参考 日本の石炭火力平均 熱効率 発電端 LHV 約 42 CO2 排出係数 約 0.8kg-CO2/kWh 写真提供 電源開発 2-- 福島の現状等 2節 福島県全体の避難者数 東京電力福島一原子力発電所事故 及びその前後から顕在化してきた課 題 避難指示区域等からの避難者数 約万人 約0.2万人 202年2月 204年3月 東京電力福島一原子力発電所事故 による深刻な被害と原子力発電の安 全性に対する懸念 東北地方太平洋沖地震とそれによる巨大津波は 被 災地域に甚大な被害をもたらすとともに 電源喪失な どにより原子炉を冷却できず東京電力福島一原子力 発電所の深刻な事故を引き起こしました 周辺地域の 住民は避難生活を余儀なくされる事態となり 未だに 約5.7万人 202年2月 約3.5万人 204年3月 仮設住宅整備状況 6,800戸 充足率 99.5 204年3月 国直轄による災害廃棄物等処理の状況 実施中 対策地域内廃棄物処理計画 203年2月に一部改定 に基づき 災害廃棄物等の処理を実施中 204年3月 大熊町 楢葉町 川内村 帰還困難区域を除く で 帰還の妨げとなる廃棄物の仮置場への搬入を目標どお り一通り完了 南相馬市でも 目標どおり一部を除き 搬入を一通り完了 除染特別地域における除染の状況 204年3月末 田村市 楢葉町 川内村及び大熊町で特別地域内除染 実施計画に基づく除染終了 実施中 南相馬市 飯舘村 川俣町 葛尾村 浪江町及び富岡 町で203年2月に見直した特別地域内除染実施計画 に基づく除染実施中 出典 環境省 復興庁 福島県作成資料を基に作成 約 3.5 万人 204 年 3 月現在 の避難住民が帰還で 2--2 東京電力福島一原子力発電所 4 号機の現状 20年3月 4号機原子炉建屋では 建屋 上部のガレキを撤去し 燃料取 扱機等を取り付けたカバーを設 置 203年月からは使用済燃 料プールからの燃料取出しを開 始 204年内の作業完了に向けて 作業中 移送済み燃料 924体 1533体 204年5月26日現在 203年月 資料提供 東京電力 7 7 1-4-4 最新鋭の高効率石炭火力発電所 電源開発 磯子火力発電所

部 エネルギーを 巡 る 状 況 と 主 な 対 策 エネルギー 基 本 計 画 の 背 景 にある 諸 情 勢 きない 状 況 が 続 いています 政 府 は 東 京 電 力 福 島 一 原 子 力 発 電 所 事 故 の 発 生 を 防 ぐことができなかったことを 真 摯 に 反 省 し 福 島 の 再 生 に 全 力 を 挙 げるとともに 事 故 の 原 因 や 原 子 炉 内 の 状 況 を 踏 まえ このような 事 故 の 再 発 の 防 止 の ための 努 力 を 続 けていかなければなりません 東 京 電 力 福 島 一 原 子 力 発 電 所 の 廃 炉 は 長 い 時 間 を 要 し 腰 を 据 えた 取 組 が 必 要 となります 汚 染 水 処 理 対 策 使 用 済 燃 料 プールからの 燃 料 の 取 出 し 燃 料 デブリの 取 出 し 貯 蔵 施 設 の 確 保 と 厳 格 な 保 管 な ど 技 術 的 に 多 くの 困 難 が 伴 う 取 組 ですが 官 民 を 挙 げて かつ 世 界 の 叡 智 を 集 め 一 歩 一 歩 着 実 に 進 めていかなければなりません(これらに 関 する 203 年 度 の 取 組 状 況 の 詳 細 については 部 2 節 参 照 ) 東 京 電 力 福 島 一 原 子 力 発 電 所 の 事 故 は 過 酷 事 故 への 対 応 策 が 欠 如 していたことを 露 呈 しました いわ ゆる 安 全 神 話 に 陥 ってしまったことや 被 災 者 の 皆 様 を 始 めとする 国 民 の 皆 様 に 多 大 な 困 難 を 強 いる 事 態 を 招 いてしまったことへの 深 い 反 省 を 政 府 及 び 事 業 者 は 一 時 たりとも 放 念 してはなりません 事 故 の 反 省 と 教 訓 を 踏 まえ 202 年 9 月 9 日 に 原 子 力 規 制 委 員 会 が 設 立 され 世 界 で 最 も 厳 しい 水 準 の 規 制 基 準 が 施 行 されました 2. 化 石 燃 料 への 依 存 の 増 大 とそれによ る 国 富 の 流 出 供 給 不 安 の 拡 大 原 子 力 発 電 所 が 停 止 した 結 果 原 子 力 を 代 替 するた めに 火 力 発 電 をフル 稼 働 することが 必 要 となった ことから 石 油 天 然 ガスの 輸 入 が 拡 大 することにな りました 電 源 として 海 外 からの 化 石 燃 料 に 依 存 する 割 合 についてみると 震 災 前 (200 年 度 )は 約 6 割 だったものが 203 年 度 には 約 9 割 に 急 増 しています 既 述 のとおり 日 本 の 一 次 エネルギーにおける 海 外 からの 化 石 燃 料 依 存 度 は 震 災 直 前 (200 年 度 ) の 8.8%から 202 年 度 には 92.2%となり 化 石 燃 料 の 輸 入 増 加 は エネルギー 分 野 にとどまらず 我 が 国 の 経 済 上 の 問 題 となっています 原 子 力 発 電 の 停 止 分 の 発 電 電 力 量 を 火 力 発 電 の 焚 き 増 しにより 代 替 し ていると 仮 定 すると 海 外 に 流 出 する 燃 料 費 は 203 年 度 で 約 3.6 兆 円 と 試 算 されます 原 油 LNG 石 炭 などの 鉱 物 性 燃 料 の 輸 入 額 は 近 年 上 昇 し 203 年 の 輸 入 額 は 約 27 兆 円 となり 震 災 前 (200 年 )と 比 べ 額 にして 約 0 兆 円 率 にして 約 6 割 の 増 加 となっています 我 が 国 の 貿 易 収 支 ( 総 輸 出 額 総 輸 入 額 )について みると こうした 鉱 物 性 燃 料 の 輸 入 増 などの 影 響 によ り 20 年 に 3 年 ぶりに 赤 字 に 転 落 した 後 202 年 は 赤 字 幅 を 拡 大 さらに 203 年 には 過 去 最 大 とな る 約.5 兆 円 の 貿 易 赤 字 を 記 録 し 震 災 前 の 200 年 と 比 べると 8. 兆 円 の 貿 易 収 支 の 悪 化 となりました また 203 年 の 経 常 収 支 は 約 3.2 兆 円 の 黒 字 で 震 災 後 からの 縮 小 傾 向 が 続 くとともに 985 年 以 降 最 少 となりました なお 年 度 ベースでみると 204 年 5 月 2 日 に 発 表 された 速 報 値 では 前 年 度 比 8.3% 減 の 7,899 億 円 で 985 年 以 降 では 最 少 となり ました 震 災 前 と 比 べて 鉱 物 性 燃 料 の 輸 入 額 が 増 加 した 要 因 としては 原 子 力 発 電 所 が 停 止 した 結 果 として 火 力 発 電 を 焚 き 増 したために 燃 料 輸 入 量 が 増 加 したこと 原 油 や LNG 等 の 燃 料 価 格 が 上 昇 したこと 為 替 相 場 が 円 安 方 向 に 推 移 したことなどが 考 えられます 原 油 は 発 電 用 の 石 油 の 需 要 が 増 加 した 一 方 で 運 輸 部 門 や 産 業 部 門 における 石 油 の 需 要 がエネルギー 効 率 2-2- 日 本 の 電 源 構 成 の 推 移 ( 注 ) 発 電 電 力 量 を 用 いて 依 存 度 を 算 出 石 油 等 の 等 には LPG やその 他 ガスが 含 まれる その 他 ガス とは 一 般 電 気 事 業 者 において 都 市 ガス 天 然 ガス コークス 炉 ガスが 混 焼 用 として 使 用 されているものが 中 心 ( 注 2) 四 捨 五 入 の 関 係 で 合 計 等 が 合 わない 場 合 がある 出 典 : 資 源 エネルギー 庁 電 源 開 発 の 概 要 等 より 作 成 8

2 節 東 京 電 力 福 島 一 原 子 力 発 電 所 事 故 及 びその 前 後 から 顕 在 化 してきた 課 題 の 向 上 等 により 減 少 傾 向 にあることから 輸 入 量 は 減 少 しました LNG は 発 電 用 の 需 要 の 増 加 により 輸 入 量 は 大 幅 に 増 加 し 石 炭 も 発 電 用 の 需 要 の 増 加 により 輸 入 量 が 増 加 しました 鉱 物 性 燃 料 の 輸 入 額 の 対 GDP 比 の 推 移 をみると 203 年 で 5.7%と 原 油 価 格 などの 資 源 価 格 が 高 騰 し ていた 2008 年 を 上 回 り 一 次 石 油 ショック 時 と 同 程 度 の 水 準 にまで 上 昇 しています 特 に 液 化 天 然 ガスの 輸 入 額 の 対 GDP 比 は 過 去 最 高 となっていま す 2-2-2 原 子 力 発 電 所 停 止 に 伴 う 燃 料 増 加 分 の 試 算 ( 注 ) この 3.6 兆 円 の 燃 料 費 増 は 震 災 前 の 原 発 の 発 電 電 力 量 の 実 績 (2008 年 ~200 年 度 平 均 :2,748 億 kwh) から 203 年 度 に 稼 働 していた 関 西 電 力 大 飯 発 電 所 の 発 電 量 (93 億 kwh)( 同 発 電 所 3 号 機 は 203 年 9 月 2 日 に 4 号 機 は 9 月 5 日 にそれ ぞれ 運 転 停 止 )を 減 じた 電 力 量 分 (2,655 億 kwh)が 火 力 発 電 で 代 替 されていると 仮 定 して これに 伴 う 燃 料 費 の 増 分 を 試 算 した ものです この 代 替 電 力 量 2,655 億 kwh に 係 る 燃 料 費 の 試 算 ( 石 炭 火 力 : 約 64 億 円 石 油 火 力 : 約 兆 8,342 億 円 LNG 火 力 : 約 兆 9,279 億 円 で 燃 料 費 計 約 3 兆 8,233 億 円 )と 全 て 原 子 力 発 電 であった 場 合 の 試 算 ( 約 2,655 億 円 )との 差 分 を 求 めて 3 兆 5,578 億 円 ( 約 3.6 兆 円 )を 算 出 なお 203 年 度 の 3.6 兆 円 の( 発 電 用 の) 燃 料 費 増 の 試 算 について 200 年 度 を 基 準 に 要 因 分 析 を 行 うと 原 子 力 の 発 電 電 力 量 を 火 力 発 電 で 代 替 することについて (a) 化 石 燃 料 の 代 替 に 伴 う 消 費 量 の 増 加 による 要 因 が 約 7 割 (2.6 兆 円 ) (b) 為 替 の 影 響 を 除 いたドルベースの 燃 料 価 格 の 上 昇 による 要 因 が 約 2 割 (0.7 兆 円 ) (c) 為 替 が 円 安 方 向 に 振 れたことによる 要 因 が 約 割 強 (0.5 兆 円 ) このほか ウラン 燃 料 費 の 削 減 による 減 少 要 因 が 約 割 弱 (0.3 兆 円 )と 試 算 され 化 石 燃 料 消 費 量 の 増 加 (a) が 最 も 大 きな 要 因 となっ ています 出 典 : 資 源 エネルギー 庁 試 算 2-2-3 貿 易 収 支 経 常 収 支 及 び 鉱 物 性 燃 料 輸 入 額 の 推 移 ( 注 ) 鉱 物 性 燃 料 とは 原 油 液 化 天 然 ガス 石 炭 石 油 製 品 LPG 等 出 典 : 貿 易 収 支 ( 総 輸 出 額 - 総 輸 入 額 ) 鉱 物 性 燃 料 輸 入 額 : 財 務 省 貿 易 統 計 を 基 に 作 成 経 常 収 支 : 日 本 銀 行 国 際 収 支 統 計 等 を 基 に 作 成 9

部 エネルギーを 巡 る 状 況 と 主 な 対 策 エネルギー 基 本 計 画 の 背 景 にある 諸 情 勢 原 油 の 輸 入 量 の 推 移 2-2-4 原 油 LNG 石 炭 の 輸 入 量 の 推 移 LNG の 輸 入 量 の 推 移 石 炭 の 輸 入 量 の 推 移 出 典 : 財 務 省 貿 易 統 計 を 基 に 作 成 20

2 節 東 京 電 力 福 島 一 原 子 力 発 電 所 事 故 及 びその 前 後 から 顕 在 化 してきた 課 題 海 外 からの 化 石 燃 料 への 依 存 の 増 大 は 資 源 供 給 国 の 偏 りという 問 題 も 深 刻 化 させています 現 在 原 油 の 83% LNG の 30%を 中 東 地 域 に 依 存 しており (203 年 ) 中 東 地 域 が 不 安 定 化 すると 日 本 のエネ ルギー 供 給 構 造 は 直 接 かつ 甚 大 な 影 響 を 受 ける 可 能 性 があります 3. 電 源 構 成 の 変 化 による 電 気 料 金 上 昇 とエネルギーコストの 国 際 的 地 域 間 格 差 によるマクロ 経 済 産 業 家 計 ( 国 民 生 活 )への 影 響 () 電 気 料 金 の 上 昇 とその 影 響 電 力 の 化 石 燃 料 依 存 度 の 増 大 化 石 燃 料 価 格 の 高 騰 円 安 方 向 への 推 移 等 により 電 気 料 金 が 震 災 前 に 比 べ 一 般 家 庭 部 門 ( 電 灯 料 金 )の 平 均 単 価 は 約 2 割 上 昇 工 場 オフィス 等 の 産 業 用 ( 電 力 料 金 )の 平 均 単 価 は 約 3 割 上 昇 しています ( 注 ) 2-2-5 鉱 物 性 燃 料 の 輸 入 額 の 推 移 ( 対 GDP 比 ) 出 典 : 内 閣 府 国 民 経 済 計 算 財 務 省 貿 易 統 計 を 基 に 作 成 原 油 その 他 インドネシア 6.5% 3.3% ロシア 6.9% 2. 23.7 オマーン 2.% 25.0 イラク.8% 7.8 6.7 イラン 4.9% 8.0 クウェート 7.3% 26.7 カタール 2.7% 出 典 : 財 務 省 貿 易 統 計 を 基 に 作 成 2-2-6 原 油 LNG の 輸 入 先 と 中 東 依 存 度 (203 年 ) LNG 中 東 依 存 度 83% 総 輸 入 :365 万 B/D 46.2 82.7 サウジアラビア 3.8% 6.0 万 B/D UAE 22.7% インドネシア 7.2% その 他 ナイジェリア 6.% 4.4% ブルネイ 5.8% 535 385 50 ロシア 9.8% マレーシア 7.% 626 中 東 依 存 度 30% 総 輸 入 8,749 万 t/ 年 857 494 606 万 t/ 年 792 カタール 8.4% 54 404 UAE 6.2% オマーン 4.6% オーストラリア 20.5% 2

部 エネルギーを 巡 る 状 況 と 主 な 対 策 エネルギー 基 本 計 画 の 背 景 にある 諸 情 勢 ( 注 ) 電 気 料 金 の 平 均 単 価 は 各 種 のインセンティブ 契 約 例 えば ピーク 時 間 帯 の 電 力 消 費 量 の 削 減 に 対 して 割 引 を 行 う 計 画 調 整 契 約 や 電 気 料 金 割 引 を 受 ける 代 わりに 電 力 需 給 のひっ 迫 時 に 電 力 使 用 の 一 部 又 は 全 部 を 抑 制 する 随 時 調 整 契 約 なども 含 めて 算 出 しています なお 随 時 調 整 契 約 について 20 年 度 夏 季 以 降 は 電 力 使 用 の 制 限 が 発 動 された 事 例 はありません また 電 力 各 社 の 電 気 料 金 値 上 げ 改 定 をみると 原 発 の 稼 働 低 下 に 伴 う 火 力 燃 料 費 等 の 増 加 を 受 け 202 年 の 東 京 電 力 の 申 請 以 降 7 社 が 料 金 値 上 げを 申 請 し 認 可 されました 値 上 げ 幅 も 3.77%~9.75% に 及 びました さらに 202 年 7 月 から 始 まった 固 定 価 格 買 取 制 度 (FIT) ( 注 ) に 基 づく 再 生 可 能 エネルギーの 設 備 導 入 の 増 加 により 204 年 度 電 気 利 用 者 の 負 担 となる 賦 課 金 は 一 般 家 庭 の kwh 当 たりの 平 均 電 気 料 金 24.33 円 に 対 し kwh 当 たり 0.75 円 標 準 家 庭 モデ ルで 年 間 約 2,700 円 総 額 では 約 6,500 億 円 となって います ( 注 ) 固 定 価 格 買 取 制 度 は 再 生 可 能 エネルギーによって 発 電 された 電 気 を 国 が 定 める 一 定 期 間 電 気 事 業 者 が 固 定 価 格 で 調 達 す 2-3- 電 気 料 金 の 推 移 ( 注 ) 電 灯 料 金 は 主 に 一 般 家 庭 部 門 における 電 気 料 金 の 平 均 単 価 で 電 力 料 金 は 自 由 化 対 象 需 要 分 を 含 み 主 に 工 場 オフィス 等 に 対 する 電 気 料 金 の 平 均 単 価 平 均 単 価 の 算 定 方 法 は 電 灯 料 収 入 電 力 料 収 入 をそれぞれ 電 灯 電 力 の 販 売 電 力 量 (kwh)で 除 したもの 出 典 : 電 気 事 業 連 合 会 電 力 需 要 実 績 確 報 各 電 力 会 社 決 算 資 料 等 を 基 に 作 成 2-3-2 電 力 各 社 の 電 気 料 金 値 上 げの 動 向 22

2 節 東 京 電 力 福 島 一 原 子 力 発 電 所 事 故 及 びその 前 後 から 顕 在 化 してきた 課 題 ることを 義 務 付 けるものです 電 気 事 業 者 が 調 達 した 再 生 可 能 エネルギー 電 気 は 電 気 事 業 者 の 送 電 網 を 通 じて 広 く 利 用 され るため 調 達 に 要 する 費 用 は 再 生 可 能 エネルギー 発 電 促 進 賦 課 金 という 項 目 で 電 気 料 金 の 一 部 として 全 ての 電 気 の 使 用 者 に 御 負 担 いただいています 様 々な 要 因 による 電 気 料 金 の 上 昇 は 電 力 を 大 量 に 消 費 する 産 業 や 中 小 企 業 の 企 業 収 益 を 圧 迫 し 海 外 への 生 産 移 転 を 招 いたり 海 外 からの 対 日 投 資 拡 大 の 障 害 となります また 家 計 の 負 担 も 増 加 していく こととなります (2)エネルギーコストの 国 際 的 地 域 間 格 差 の 拡 大 とその 影 響 いわゆる シェール 革 命 によって 天 然 ガスの 増 産 が 進 む 米 国 では 天 然 ガスの 国 内 価 格 が 安 価 で 推 移 2-3-3 再 生 可 能 エネルギー 固 定 価 格 買 取 制 度 に 基 づく 賦 課 金 総 額 と 一 家 庭 当 たり 負 担 額 しています 203 年 平 均 の 天 然 ガス 価 格 をみると 天 然 ガス 価 格 が 国 内 市 場 の 需 給 バランスで 決 定 される 市 場 である 米 国 では 3.7 ドル / 百 万 BTU ( 注 ) である のに 対 して 欧 州 の 英 国 で 取 引 される 天 然 ガス 市 場 の 取 引 価 格 では 0.5 ドル / 百 万 BTU また LNG 輸 入 価 格 が 原 油 価 格 と 連 動 する 日 本 では 6. ドル / 百 万 BTU となっています ( 注 2) すなわち 米 国 の 天 然 ガス 価 格 は 欧 州 の 3 分 の 程 度 我 が 国 の 4 分 の 以 下 となっています ( 注 3) 我 が 国 の LNG 輸 入 価 格 には 米 国 内 の 天 然 ガス 価 格 には 含 まれていない 天 然 ガスを 液 化 するコストや 輸 送 に 係 るコストが 含 ま れていますが これらを 勘 案 しても 地 域 間 で 大 きな 価 格 差 が 見 られます ( 注 )BTU(British Thermal Unit)とは 英 国 熱 量 単 位 のことであ り BTU =.054kJ = 0.252kcal MM BTU = million BTU = 00 万 BTU =,054MJ = 252,000kcal ( 注 2) 天 然 ガス 価 格 については 米 国 の 価 格 はヘンリーハブ 価 格 欧 州 の 価 格 はNBP NBP =National Balancing Point( 英 国 市 場 価 格 ) ヘンリーハブ= 米 国 の 天 然 ガスの 指 標 価 格 ( 注 3)ただし 203 年 平 均 の 米 国 の 天 然 ガス 価 格 を 前 提 に 液 化 コス トを 3~4 ドル 輸 送 コストを 3 ドルと 仮 定 し 北 米 の 天 然 ガス を 液 化 して 日 本 に 輸 送 した 場 合 の 日 本 着 価 格 を 試 算 すると 約 0~ ドル / 百 万 BTU ( 注 ) 202 年 度 203 年 度 は 余 剰 電 力 買 取 制 度 の 賦 課 金 負 担 も 含 む 数 字 ( 注 2) 204 年 度 は 余 剰 電 力 買 取 制 度 の 賦 課 金 負 担 が 204 年 9 月 の 検 針 分 まで 別 途 発 生 IEA の 世 界 エネルギ ー 展 望 (World Energy Outlook)203 では この 地 域 間 のエネルギー 価 格 差 が 継 続 した 場 合 世 界 で 産 業 部 門 の 約 7 割 を 占 める エネルギー 集 約 型 産 業 ( 化 学 アルミ セメント 鉄 鋼 製 紙 ガラス 石 油 精 製 )について 日 本 米 国 EU を 比 べた 場 合 エネルギーコストの 面 で 優 2-3-4 国 際 的 な 天 然 ガス 価 格 の 比 較 出 典 : 貿 易 統 計 NYMEX ICE 等 を 基 に 作 成 23

部 エネルギーを 巡 る 状 況 と 主 な 対 策 エネルギー 基 本 計 画 の 背 景 にある 諸 情 勢 2-3-5 エネルギー 集 約 型 製 品 の 世 界 輸 出 シェア 出 典 : IEA World Energy Outlook 203 を 基 に 作 成 位 にある 米 国 のみが 拡 大 し 日 本 EU 合 わせて 現 在 の 輸 出 シェアの 3 分 の を 失 うと 試 算 されています また エネルギー 集 約 型 産 業 による 製 品 の 世 界 市 場 シェアに 関 して 20 年 と 2035 年 を 比 較 すると EU 企 業 は 20 年 のシェア 36%から 0% 減 少 日 本 企 業 は 200 年 のシェア 7%から 3% 減 少 すると 予 測 されています エネルギーコストの 国 際 的 な 地 域 間 格 差 が エネ ルギー 分 野 にとどまらず 石 油 化 学 産 業 等 も 含 め 産 業 活 動 に 大 きな 変 化 をもたらし 経 済 成 長 や 産 業 構 造 に 大 きな 影 響 を 与 える 可 能 性 があります 4. 我 が 国 の 温 室 効 果 ガス 排 出 量 の 急 増 原 子 力 発 電 所 の 停 止 に 伴 い 発 電 分 野 において 温 室 効 果 ガスの 排 出 量 が 多 い 化 石 燃 料 への 依 存 度 を 高 める ことは コスト 面 だけでなく 我 が 国 の 地 球 温 暖 化 問 題 への 対 応 についても 困 難 をもたらしています 例 えば 202 年 度 のエネルギー 起 源 の 二 酸 化 炭 素 排 出 量 についてみると 一 般 電 気 事 業 者 以 外 において は 東 日 本 大 震 災 前 の 200 年 度 と 比 べて 27 百 万 トン ( 率 にして 3.6%) 減 少 している 一 方 で 一 般 電 気 事 業 者 においては 2 百 万 トン( 同 29.9%) 増 加 してお り 我 が 国 の 二 酸 化 炭 素 排 出 量 は 全 体 として 85 百 万 トン( 同 7.5%) 増 加 しています 今 後 も 世 界 全 体 での 二 酸 化 炭 素 排 出 量 が 増 加 するこ とが 予 測 される 中 ( 部 節 4. 参 照 ) これまで 国 際 的 な 地 球 温 暖 化 対 策 をリードしてきた 我 が 国 の 姿 勢 が 問 われかねない 状 況 となっています 2-4- 我 が 国 の 温 室 効 果 ガス 排 出 量 の 推 移 出 典 : 日 本 の 温 室 効 果 ガス 排 出 実 績 ( 環 境 省 ) 電 気 事 業 連 合 会 電 気 事 業 における 環 境 行 動 計 画 (2009 年 度 版 から 203 年 度 版 )を 基 に 作 成 24

2節 東京電力福島一原子力発電所事故及びその前後から顕在化してきた課題 数変換装置を通じて行いますが 当該変換装置の設備 容量が 00 万 kw であったため 供給の余裕のあっ た中部及び西日本から東京電力に十分な電力供給がで 国外から国内に資源を受け入れた後 需要家に供給 きない状況でした 具体的には 20 年 3 月 4 日の するための国内供給網についても 大規模自然災害等 東京電力管内の需要見通しは 4,00 万 kw であった への危機対応力が十分に確保されたものとするための 一方で 供給量見通しは中部及び西日本から周波数変 総合的な政策を展開しました 特に 203 年 2 月に 換装置を通じて最大限の電力を融通しても 3,00 万 は 強くしなやかな国民生活の実現を図るための防 kw であり,000 万 kw の電力が不足する見通し 災 減災等に資する国土強靱化基本法 が公布 施行 なお 同日における中部及び西日本の電力供給は,428 万 kw の余裕がある状況 でした 3 月 4 日以 されました 後 東京電力管内において 計 0 日間で延べ 32 回 電力供給体制における問題 の計画停電が実施されました また 20 年 7 月か 東日本大震災では 太平洋側の多くの発電所が停止 しました 日本の東西を結ぶ電力融通については周波 2-5- 震災後の需給状況 20 年 3 月 4 日 ら 9 月においても 電力不足による停電を避けるた め 電気の使用制限が実施されました 2-5-2 東京電力管内における計画停電の実施回数 万 kw と原 計画停電の延べ回数 6 故 4500 7 7 発事 5000 回 8 震災 5500 5 5 5 供給能力の推移 5 4000 4 4 3 3500 2 3000 注 計画停電等により 3 月 4 日の東電管内の電力需要実績値は 2,94 万 kwとなり 予備力 86 万kW 予備率は 6.4 となった 2500 3/ 3 需要予測の推移 5 7 9 2 23 25 27 29 2 0 3 日 2-5-3 各地域間の送電容量 25 25 1 5 東西間の電力融通 緊急時供給など 供給体制に関する欠陥の露呈

部 エネルギーを 巡 る 状 況 と 主 な 対 策 エネルギー 基 本 計 画 の 背 景 にある 諸 情 勢 東 西 間 の 電 力 融 通 に 関 しては 震 災 当 時 00 万 kw であった 周 波 数 変 換 装 置 の 設 備 容 量 を 203 年 2 月 に 20 万 kw まで 増 強 しました 2020 年 度 に 20 万 kw まで それ 以 降 できるだけ 早 期 に 300 万 kw ま で 増 強 することを 目 標 としています 202 年 度 203 年 度 には 節 電 要 請 などの 電 力 需 給 対 策 が 講 じられた 結 果 電 力 の 需 給 バランスは 維 持 さ れましたが 40 年 以 上 前 から 稼 動 を 続 ける 老 朽 火 力 発 電 所 を 含 め 火 力 発 電 をフル 稼 働 させることで 補 っ 2-5-4 稼 動 中 の 火 力 発 電 に 占 める 老 朽 火 力 の 割 合 ( 機 数 ベース) ている 状 況 にあり 発 電 施 設 の 故 障 などによる 電 力 供 給 不 足 に 陥 る 懸 念 が 依 然 として 残 っています 稼 働 している 老 朽 火 力 発 電 所 は 震 災 前 (200 年 度 )の 53 基 から 203 年 度 には 95 基 まで 増 加 ( 約 79% 増 )し 特 に 沖 縄 電 力 を 除 いた 一 般 電 気 事 業 者 9 社 において 36 基 から 67 基 まで 増 加 ( 約 86% 増 )しています その 結 果 稼 働 中 の 火 力 発 電 に 占 める 老 朽 火 力 の 割 合 については 200 年 度 において 稼 働 中 の 火 力 発 電 に 占 める 老 朽 火 力 の 割 合 が 機 数 ベー スで 全 体 の 5.4 % だ っ たものが 203 年 度 には 26.2%となり 設 備 容 量 ベースでは 全 体 の 0.2% だったものが 20.4%となりました 特 に 石 油 火 力 では 急 増 しています また 沖 縄 電 力 を 除 いた 一 般 電 気 事 業 者 9 社 におけ る 老 朽 火 力 発 電 所 におけるトラブル( 計 画 外 停 止 )も 震 災 前 の 0 件 から 203 年 度 には 69 件 へと 増 加 ( 約 67% 増 )しています 低 効 率 の 老 朽 火 力 発 電 所 を フル 稼 働 させることによる 燃 料 コストの 増 加 や 追 加 的 な 保 守 点 検 等 を 行 わなければいけないことに 伴 う 維 持 管 理 費 の 増 加 といったコスト 面 での 悪 影 響 さ らには 低 効 率 火 力 発 電 の 稼 働 に 伴 う 二 酸 化 炭 素 排 出 の 増 加 などの 課 題 があります ( 注 ) 数 字 は 沖 縄 電 力 除 く 一 般 電 気 事 業 者 9 社 の 合 計 ( 注 2) 各 年 度 の 夏 季 (7 9 月 ) 又 は 冬 季 (2 2 月 )に 稼 働 させていた 発 電 所 を 計 上 ( 注 3) 長 期 停 止 中 のもの 廃 止 されたもの 緊 急 設 置 電 源 の 休 止 中 のものは 当 該 年 度 に 計 上 していない (ただし 200 年 0 月 に 廃 止 された 姫 路 二 3 号 機 (LNG)は 200 年 度 に 計 上 ) 2-5-6 各 年 度 の 計 画 外 停 止 の 件 数 2-5-5 老 朽 火 力 の 割 合 の 推 移 ( 設 備 容 量 (kw) ベース) ( 注 ) 数 字 は 沖 縄 電 力 除 く 一 般 電 気 事 業 者 9 社 の 合 計 ( 注 2) 各 年 度 の 夏 季 (7~9 月 ) 又 は 冬 季 (2~2 月 )に 稼 働 させていた 発 電 所 を 計 上 ( 注 3) 長 期 停 止 中 のもの 廃 止 されたもの 緊 急 設 置 電 源 の 休 止 中 のものは 当 該 年 度 に 計 上 していない(ただし 200 年 0 月 に 廃 止 された 姫 路 二 ~3 号 機 (LNG)は 200 年 度 に 計 上 ) 計 画 外 停 止 のうち 自 然 現 象 起 因 の 事 象 (クラゲの 襲 来 等 )は 除 く 計 画 外 停 止 : 突 発 的 な 事 故 あるいは 計 画 になかった 緊 急 補 修 など 予 期 せぬ 停 止 ユニットの 自 動 停 止 等 緊 急 的 に 運 転 を 停 止 する 緊 急 停 止 と 発 電 機 補 機 のトラブル 等 により 出 力 抑 制 したもの 及 び 需 要 の 低 い 週 末 等 に 作 業 をするために 停 止 する 予 防 停 止 からなる 報 告 対 象 : 電 気 事 業 法 電 気 関 係 報 告 規 則 に 基 づき 感 電 等 による 死 傷 事 故 や ボイラータービン 等 主 要 電 気 工 作 物 の 破 損 事 故 は 産 業 保 安 監 督 部 への 報 告 対 象 電 気 集 塵 機 の 性 能 低 下 異 音 発 生 等 に 伴 う 計 画 外 停 止 は 産 業 保 安 監 督 部 への 報 告 対 象 外 老 朽 火 力 :202 年 度 に 運 転 開 始 から 40 年 を 経 過 した 火 力 26

2 節 東 京 電 力 福 島 一 原 子 力 発 電 所 事 故 及 びその 前 後 から 顕 在 化 してきた 課 題 また 震 災 前 後 で 運 転 期 間 が 40 年 未 満 の 火 力 の 予 防 停 止 件 数 はほぼ 横 ばいで 推 移 していますが 老 朽 火 力 の 一 機 当 たりの 予 防 停 止 件 数 は 震 災 後 年 々 増 加 しています これは 老 朽 火 力 については 日 々 の 点 検 の 中 で 発 見 された 発 電 設 備 の 損 傷 や 故 障 等 緊 急 停 止 のような 長 期 の 供 給 力 減 少 の 要 因 を 早 期 段 階 で 保 守 修 繕 等 を 行 う 必 要 性 がより 高 いことによるもの と 考 えられます また 緊 急 停 止 件 数 は 40 年 未 満 の 火 力 と 老 朽 火 力 ともにほぼ 横 ばいで 推 移 しています このことから 電 力 各 社 のトラブルの 未 然 防 止 のため の 取 組 の 強 化 により 緊 急 停 止 に 至 るようなトラブルの 件 数 は 抑 制 されているものの 各 電 力 会 社 における 現 場 負 担 増 及 び 予 防 停 止 も 含 めた 老 朽 火 力 の 計 画 外 停 止 の 発 生 リスクは 年 々 高 まっていると 考 察 されます (2) 石 油 都 市 ガス 供 給 体 制 における 問 題 石 油 と LP ガスについてみると 東 日 本 大 震 災 の 際 には 石 油 と LP ガスが 供 給 障 害 に 陥 った 電 力 や 都 市 ガスを 補 完 しました 危 機 に 強 いエネルギーとし て 石 油 の 重 要 性 が 再 確 認 される 一 方 で 震 災 発 生 直 後 (20 年 3 月 2 日 )に 被 災 3 県 では 石 油 サービスス テーション(SS)の 営 業 率 が 5 割 台 まで 下 落 するな ど 被 災 地 での 円 滑 な 石 油 供 給 に 大 きな 課 題 が 存 在 す ることも 確 認 されました また 天 然 ガスについて は パイプラインのバックアップを 含 めた 安 定 供 給 確 保 の 検 討 が 必 要 であることが 認 識 されました( 石 油 をはじめとする 国 内 エネルギー 供 給 網 の 強 靱 化 に 関 する 203 年 度 の 取 組 状 況 の 詳 細 については 部 2 2 節 参 照 ) 2-5-7 老 朽 火 力 発 電 所 の 割 合 とトラブル 件 数 2-5-8 震 災 時 の 石 油 LP ガス 供 給 における 課 題 27

部 エネルギーを 巡 る 状 況 と 主 な 対 策 エネルギー 基 本 計 画 の 背 景 にある 諸 情 勢 2-5-9 震 災 時 の 被 災 地 及 び 関 東 圏 でのガソリン 軽 油 等 の 供 給 確 保 6.エネルギーに 関 わる 行 政 事 業 者 に 対 する 信 頼 の 低 下 東 京 電 力 福 島 一 原 子 力 発 電 所 事 故 以 前 から 事 故 情 報 の 隠 蔽 問 題 や もんじゅのトラブル 六 ヶ 所 再 処 理 工 場 の 度 重 なる 操 業 遅 延 高 レベル 放 射 性 廃 棄 物 の 最 終 処 分 地 の 選 定 の 遅 れ 等 原 子 力 政 策 をめぐる 多 くのトラブルやスケジュールの 遅 延 が エネルギー に 関 わる 行 政 や 事 業 者 に 対 する 国 民 の 不 信 を 招 いてき ました さらに 東 京 電 力 福 島 一 原 子 力 発 電 所 事 故 とその 後 の 対 応 を 進 める 中 で 行 政 と 事 業 者 は 情 報 共 有 の 在 り 方 地 元 とのコミュニケーションに 関 する 問 題 意 識 の 不 足 など 多 くの 批 判 を 受 け 国 民 からの 信 頼 を 著 しく 低 下 させる 事 態 を 招 きました 7. 需 要 動 向 の 変 化 - コ ー ジ ェ ネ レ ー ションの 導 入 増 や 節 電 行 動 の 変 化 東 日 本 大 震 災 後 我 が 国 の 最 終 エネルギー 消 費 は 200 年 度 から 202 年 度 にかけて 4.2% 減 少 しました が そのうち 電 力 消 費 については 我 が 国 では 経 済 が 成 長 したにもかかわらず 生 産 量 の 減 少 や 節 電 効 果 200 年 度 と 比 べて 冷 夏 暖 冬 であったこと 等 から 8.0%の 減 少 となりました 電 気 料 金 上 昇 の 影 響 から 一 般 家 庭 での 節 電 行 動 の 動 機 は 電 力 供 給 不 足 への 協 力 というものから 電 気 料 金 上 昇 の 家 計 への 影 響 を 緩 和 するためのものへと 変 化 しながら 節 電 の 定 着 が 進 み 203 年 度 夏 季 の 定 着 節 電 量 は 200 年 度 比 で 約,667 万 kw(200 年 度 夏 季 最 大 需 要 比 で 9.3%)となっています 2-6- 新 しい エネルギー 基 本 計 画 のパブ リックコメントに 寄 せられた 御 意 見 2-7- 震 災 前 後 の 我 が 国 の 電 力 消 費 量 の 推 移 ( 注 ) 四 捨 五 入 の 関 係 で% 等 が 合 わない 場 合 がある 出 典 : 資 源 エネルギー 庁 総 合 エネルギー 統 計 ( 最 終 エネルギー 消 費 のうち の 電 力 ) 内 閣 府 国 民 経 済 計 算 年 報 を 基 に 作 成 28

2 節 東 京 電 力 福 島 一 原 子 力 発 電 所 事 故 及 びその 前 後 から 顕 在 化 してきた 課 題 2-7-2 夏 季 (7~9 月 )の 定 着 節 電 量 の 推 移 (200 年 度 の 需 要 実 績 比 ) 2-7-3 ディマンドリスポンスの 効 果 ( 注 ) CPP(Critical Peak Pricing ピーク 別 料 金 )とは 需 給 がひっ 迫 しそうな 場 合 に 事 前 通 知 をした 上 で 変 動 された 高 い 料 金 を 課 すもの 出 典 : 京 都 大 学 大 学 院 依 田 教 授 政 策 研 究 大 学 院 大 学 田 中 教 授 及 びボストン 大 学 経 済 政 策 研 究 所 伊 藤 研 究 員 による 統 計 的 検 証 結 果 20 203 ( 注 ) 定 着 節 電 :ストレスが 小 さく かつ コストが 少 ない もしくは 投 資 回 収 ができる 節 電 ( 注 2)( ) 内 の 数 値 は 定 着 節 電 量 を 200 年 度 夏 季 最 大 電 力 需 要 量 (7,987 万 kw)で 除 した 値 出 典 : 総 合 資 源 エネルギー 調 査 会 基 本 政 策 分 科 会 5 回 電 力 需 給 検 証 小 委 員 会 (204 年 4 月 7 日 ) 資 料 を 基 に 作 成 2-7-4 我 が 国 におけるコージェネレーション 設 備 容 量 の 推 移 206 出 典 : コージェネレーション エネルギー 高 度 利 用 センター コージェネ 導 入 実 績 報 告 202 年 度 版 を 基 に 作 成 また 電 気 料 金 の 設 定 方 法 の 多 様 化 (ピーク 時 の 料 金 を 上 げる)や 需 要 抑 制 に 対 する 報 酬 の 支 払 い ( 節 電 に 対 して 対 価 を 支 払 う)により 需 要 家 の 消 費 活 動 を 変 化 させる ディマンドリスポンス 等 の 取 組 を 促 すことにより エネルギー 消 費 のスマート 化 の 取 組 を 進 めることも 重 要 です 経 済 産 業 省 では ス マートコミュニティ4 地 域 ( 北 九 州 市 けいはんな 学 研 都 市 横 浜 市 豊 田 市 )で 大 規 模 なディマン ドリスポンスの 実 証 実 験 を 行 い 北 九 州 市 では 通 常 料 金 や 夜 間 料 金 を 低 料 金 にするかわりに 翌 日 の 需 要 予 測 に 応 じて ピーク 時 間 帯 の 電 気 料 金 を 最 大 50 円 /kwh まで 変 動 させる 料 金 体 系 で 電 力 供 給 を 行 っ たところ 2 割 ものピークカットが 継 続 的 に 実 現 可 能 との 結 果 が 出 ました 加 えて 東 日 本 大 震 災 以 降 電 気 料 金 が 上 昇 する 中 で 省 エネ 性 に 加 え 電 力 需 給 ピークの 緩 和 災 害 時 におけるエネルギー 源 の 確 保 といった 観 点 から 熱 と 電 気 を 同 時 に 利 用 するコージェネレーションに よる 効 率 的 なエネルギー 利 用 が 増 加 しています 202 年 度 のコージェネレーションの 発 電 容 量 は 200 年 度 に 比 べて 2.7% 増 となりました 8. 中 東 北 アフリカ 地 域 の 不 安 定 化 等 資 源 供 給 地 域 の 地 政 学 的 構 造 変 化 200 年 2 月 にチュニジアで 発 生 したジャスミン 革 命 を 契 機 に 中 東 北 アフリカ 地 域 で 反 政 府 運 動 が 拡 がったいわゆる アラブの 春 の 影 響 を 背 景 に 原 油 価 格 も 激 しく 変 動 しました 200 年 2 月 初 めには バレル 当 たり 90 ドル 以 下 であったアジア 向 け 中 東 産 原 油 スポット 価 格 は エジプトやアルジェリアな ど 産 油 国 における 混 乱 や リビア 産 原 油 の 供 給 途 絶 な どにより 20 年 4 月 末 には バレル 当 たり 20 ド ルまで 上 昇 しました また イランの 核 開 発 疑 惑 は 地 域 の 緊 張 を 高 め ました 20 年 2 月 には 米 国 で 国 防 授 権 法 が 制 定 されました 同 法 は イラン 産 原 油 の 輸 入 を 削 減 し ない 限 りイラン 中 央 銀 行 等 と 取 引 をする 外 国 金 融 機 関 に 金 融 制 裁 を 科 すとするもので 日 本 を 含 む 各 国 はイ ラン 産 原 油 の 輸 入 が 制 限 されることとなりました ま た EU においても 202 年 月 に EU 各 国 のイラ ン 産 原 油 の 輸 入 禁 止 を 含 む 対 イラン 制 裁 が 決 議 されま した これらを 受 け 原 油 価 格 は 同 年 3 月 9 日 には バレル 当 たり 24.5 ドルの 最 高 値 をつけました その 後 欧 州 債 務 不 安 の 高 まりや 世 界 的 な 経 済 指 標 29

部 エネルギーを 巡 る 状 況 と 主 な 対 策 エネルギー 基 本 計 画 の 背 景 にある 諸 情 勢 2-8- 中 東 の 主 な 出 来 事 と 原 油 価 格 の 推 移 (200 年 以 降 ) ( 注 ) ジャスミン 革 命 :200 年 2 月 チュニジアで 起 こった 民 主 化 運 動 ジャスミン 革 命 により 周 辺 のアラブ 諸 国 に 民 主 化 の 気 運 が 高 まり こうしたアラブ 諸 国 における 民 主 化 の 流 れは アラブの 春 と 呼 ばれ 20 年 2 月 まで 続 いた 出 典 : 日 経 ドバイを 基 に 作 成 の 悪 化 を 受 けて 原 油 需 要 が 減 少 するとの 観 測 から 原 油 価 格 は 下 落 しましたが 202 年 7 月 にシリアでア サド 政 権 と 反 体 制 派 による 内 戦 が 激 化 すると 再 び バ レル 当 たり 00 ドルを 上 回 りました その 後 も 原 油 価 格 は バレル 当 たり 00 ドルを 超 え る 水 準 に 高 止 まっており 203 年 7 月 のエジプトで の 政 情 不 安 に 続 き 同 年 8 月 にシリアへの 米 欧 の 軍 事 介 入 懸 念 が 高 まった 際 などには バレル 当 たり 0 ドルを 超 える 水 準 まで 原 油 価 格 は 上 昇 しました 中 東 北 アフリカ 地 域 は 全 世 界 の 原 油 貿 易 量 の 半 数 以 上 を 占 める 地 域 であり こうした 地 域 全 体 の 政 治 社 会 構 造 の 不 安 定 化 は 原 油 の 供 給 不 足 発 生 への 懸 念 から 原 油 市 場 の 不 安 定 化 を 招 くこととなりまし た また 現 在 我 が 国 は 原 油 の 83%を 中 東 地 域 に 依 存 しており(203 年 ) そのほとんどがホルムズ 海 峡 を 通 過 するタンカーによる 輸 入 となっています タ ンカーはホルムズ 海 峡 を 通 過 後 も 航 行 量 の 多 いマ ラッカ 海 峡 を 通 ることとなりますが マラッカ 海 峡 のある 東 南 アジア 海 域 では 2008 年 以 降 海 賊 事 件 発 生 件 数 が 増 加 傾 向 にあります 中 東 地 域 から 日 本 への 原 油 等 の 供 給 ルートとなる いわゆるシーレーン 全 体 を 視 野 に 入 れると シー レーン 上 の 沿 岸 国 間 に 海 洋 境 界 を 巡 る 緊 張 関 係 が 見 られます このように 我 が 国 が 直 接 関 わるエネル ギー 供 給 ネットワークを 巡 る 状 況 は 決 して 安 定 して いるわけではありません 2-8-2 世 界 の 原 油 貿 易 量 に 占 める 中 東 北 アフ リカ 産 原 油 の 輸 出 の 割 合 (202 年 ) 全 世 界 貿 易 量 3,860[ 万 バレル/ 日 ] 中 東,765(45.7%) 北 アフリカ 24 (5.5%) 中 東 北 アフリカ 総 計,979(5.3%) 中 東 :サウジアラビア イラン イラク クウェート UAE カタール オマーン 北 アフリカ:アルジェリア エジプト リビア 出 典 : BP 統 計 Statistical Review of world Energy 203 を 基 に 作 成 30

2 節 東 京 電 力 福 島 一 原 子 力 発 電 所 事 故 及 びその 前 後 から 顕 在 化 してきた 課 題 2-8-3 世 界 各 地 域 の 海 賊 事 件 発 生 件 数 の 比 較 出 典 : International Maritime Bureau(IMB) Annual Report 2007 2008 20 202 を 基 に 作 成 2-8-4 海 賊 等 主 要 産 資 源 国 のカントリーリスク 出 典 : カントリーリスク:OECD Country Risk Classification を 基 に 作 成 なお OECD 域 内 高 所 得 国 やユーロ 圏 内 高 所 得 国 は 評 価 分 類 なし 海 賊 行 為 チ ョ ー クポイント:International Institute for Strategic Studies(IISS) THE MILITARY BALANCE 203 を 基 に 作 成 3

部 エネルギーを 巡 る 状 況 と 主 な 対 策 エネルギー 基 本 計 画 の 背 景 にある 諸 情 勢 9. 北 米 におけるシェール 革 命 の 進 展 に よる 国 際 エネルギー 需 給 構 造 の 変 化 の 兆 し 北 米 では 2000 年 代 後 半 以 降 シェール 層 に 含 まれ る 非 在 来 型 の 天 然 ガス 原 油 の 商 業 生 産 が 行 われるよ うになりました 特 に 米 国 では シェールガスの 増 産 に 伴 い 208 年 には 天 然 ガスの 純 輸 出 国 になる ことが 見 込 まれているとともに シェールオイルの 生 産 拡 大 に 伴 い 2008 年 以 降 米 国 の 原 油 輸 入 量 は 減 少 傾 向 にあります 世 界 に 目 を 向 けると シェールガスの 資 源 量 は 約 7,300 兆 cf(lng 換 算 : 兆 5,328 億 トン)で 天 然 ガスの 埋 蔵 量 を 約.5 倍 増 加 させます また シェー ルオイルの 資 源 量 は 約 3,450 億 バレルで 石 油 の 埋 蔵 量 を 約.2 倍 増 加 させます ([ 参 考 ] 在 来 型 資 源 の 埋 蔵 量 (IEA 試 算 ): 天 然 ガス 6,308 兆 cf(lng 換 算 :3 兆 4,250 億 トン) 石 油 : 約 2 兆 2,450 億 バレル) このように 非 在 来 型 の 石 油 ガス 開 発 は 北 米 以 外 の 地 域 でも 取 組 が 進 められつつあり シェール 革 命 は 今 後 の 国 際 的 なエネルギー 需 給 構 造 を 大 きく 変 化 させる 可 能 性 があります 具 体 的 には シ ェ ー ル 革 命 により 米 国 では シェールガスの 生 産 が 本 格 化 し 米 国 の LNG 輸 入 の 2-9- 米 国 の 天 然 ガスの 生 産 量 消 費 量 輸 出 入 の 実 績 見 通 し 米 国 の 天 然 ガス 生 産 量 消 費 量 の 見 通 し 米 国 の LNG 輸 入 見 通 し 出 典 : EIA Annual Energy Outlook 202, 204 Early Release 版 の Reference Case を 基 に 作 成 出 典 : EIA Annual Energy Outlook 203 Early Release 2005 2009 20 を 基 に 作 成 2-9-2 米 国 の 原 油 輸 入 と 今 後 の 見 通 し ( 注 ) 米 国 ではシェールオイルを light tight oil(ライトタイトオイル) と 呼 ぶ ( 注 2) シェールオイル 生 産 量 は 原 油 生 産 量 の 内 数 出 典 : EIA Annual energy outlook 203 IEA 各 種 データ 等 を 基 に 作 成 32

2 節 東 京 電 力 福 島 一 原 子 力 発 電 所 事 故 及 びその 前 後 から 顕 在 化 してきた 課 題 見 通 しが 大 幅 に 下 方 修 正 されることとなりました こ の 結 果 米 国 市 場 への LNG 輸 出 のために 生 産 量 の 拡 大 準 備 を 進 めてきたカタールでは 米 国 という 市 場 を 失 い 日 本 や 欧 州 市 場 の 開 拓 に 動 き 始 めました カ タール 産 LNG の 欧 州 市 場 への 流 入 と シェールガ ス 革 命 の 影 響 により 米 国 内 での 需 要 が 減 少 し 価 格 が 安 くなった 石 炭 が 欧 州 に 流 入 したことにより 欧 州 のガス 市 場 において 強 い 影 響 力 を 有 していたロシアは 欧 州 の 電 力 ガス 事 業 者 等 から 価 格 引 下 げ 等 の 圧 力 に 直 面 することになり ロシアがアジア 市 場 の 開 拓 に 乗 り 出 す 重 要 な 契 機 となりました こうしたエネルギー 需 給 構 造 の 変 化 は 中 長 期 的 には 米 国 による 中 東 情 勢 への 関 与 を 弱 めさせ 結 果 として 中 東 情 勢 をより 不 安 定 化 させる 可 能 性 や ア ジアにおけるエネルギー 需 要 の 中 心 となる 中 国 の 影 響 力 の 拡 大 といった エネルギー 問 題 の 枠 を 超 えた 国 際 関 係 の 変 化 を 引 き 起 こす 原 因 にもなり 得 るもので あり それが 我 が 国 に 与 える 影 響 についても 注 視 しな ければなりません なお 204 年 5 月 イタリアで 開 催 された G7 エ ネルギー 大 臣 会 合 において 緊 迫 するウクライナ 情 勢 等 を 踏 まえ エネルギー 安 全 保 障 を 強 化 する 方 策 について 議 論 がなされ 共 同 声 明 が 採 択 されました その 中 で ガス 市 場 については 売 り 手 の 同 意 なし に 三 者 や 他 地 域 への 転 売 を 禁 止 する 当 事 者 間 の 契 約 事 項 である 仕 向 地 条 項 の 緩 和 や 生 産 者 と 消 費 者 の 対 話 等 を 通 じた 天 然 ガス 市 場 の 柔 軟 化 を 促 していくこと の 重 要 性 が 共 同 声 明 で 確 認 されました 2-9-3 シェールガス シェールオイルの 技 術 的 回 収 可 能 資 源 量 出 典 : EIA Technically Recoverable Shale Oil and Shale Gas Resources (203 年 )を 基 に 作 成 2-9-4 世 界 各 地 でのシェールガス 開 発 に 向 けた 取 組 出 典 : EIA Technically Recoverable Shale Oil and Shale Gas Resources 等 を 基 に 作 成 33

部 エネルギーを 巡 る 状 況 と 主 な 対 策 エネルギー 基 本 計 画 の 背 景 にある 諸 情 勢 2-9-5 シェール 革 命 による 世 界 のエネルギー 需 給 構 造 の 変 化 0. 新 興 国 を 中 心 とした 世 界 的 な 原 子 力 の 導 入 拡 大 経 済 成 長 の 著 しいアジアを 中 心 に 急 激 なエネル ギー 需 要 の 伸 び 地 球 温 暖 化 問 題 への 対 応 化 石 燃 料 の 主 要 な 供 給 地 域 である 中 東 北 アフリカ 地 域 の 政 情 不 安 化 石 燃 料 価 格 の 不 安 定 化 等 を 背 景 に エネ ルギー 安 全 保 障 の 観 点 から 化 石 燃 料 を 補 完 する 有 力 なエネルギー 源 として 原 子 力 の 利 用 を 拡 大 しよ う と す る 動 き が 見 ら れ ま す 国 際 原 子 力 機 関 2-0- 2030 年 における 世 界 各 国 の 原 子 力 発 電 の 見 通 し(IAEA 試 算 ) ( 注 ) 原 子 力 発 電 容 量 は IAEA の 予 測 (203 年 8 月 ) 出 典 : IAEA Energy,Electricity and Nuclear Power Estimates for the Period up to 2050, 203 Edition を 基 に 作 成 34

2 節 東 京 電 力 福 島 一 原 子 力 発 電 所 事 故 及 びその 前 後 から 顕 在 化 してきた 課 題 (IAEA)による 試 算 では 世 界 の 原 子 力 発 電 容 量 は 202 年 の 3.73 億 kw から 2030 年 には 低 位 予 測 4.35 億 kw( 約 7% 増 ) 高 位 予 測 7.22 億 kw( 約 94% 増 )となっています 東 アジアについてみると 202 年 の 0.83 億 kw から 2030 年 には 低 位 予 測.47 億 kw( 約 77% 増 ) 高 位 予 測 2.68 億 kw( 約 223% 増 )であり 世 界 全 体 の 増 加 率 を 大 きく 上 回 ってい ます 中 国 韓 国 で 原 子 力 発 電 所 の 建 設 を 増 大 させる 動 き が 見 られるほか アラブ 首 長 国 連 邦 では 2008 年 に 策 定 した 原 子 力 計 画 に 基 づき 0 数 基 を サウジアラ ビアでは 200 年 の 国 王 令 を 契 機 に 今 後 20 年 で 6 基 建 設 を 予 定 しています また インドにおいては 202 年 に 2 次 5 ケ 年 計 画 で 2030 年 までに 原 子 力 発 電 量 が 6,000 万 kw に 達 する 見 込 みであり アジア 全 体 で 原 子 力 発 電 の 導 入 に 向 けた 動 きが 進 んで います また アジア 以 外 の 国 をみると 米 国 では 20 基 程 度 の 原 子 力 発 電 所 の 新 設 が 現 在 計 画 されています ま た 欧 州 については 英 国 も 2 基 の 建 設 の 新 設 を 予 定 し フランスも 原 子 力 比 率 を 75%から 50%に 低 減 する 一 方 建 設 予 定 の 原 発 基 の 建 設 を 続 行 する 等 原 子 力 発 電 の 維 持 導 入 に 前 向 きな 国 とドイツ スペイ ン ベルギーのように 脱 原 発 の 方 向 に 進 んでいる 国 とがあります 2-0-2 東 アジア 地 域 における 原 子 力 発 電 所 建 設 計 画 出 典 : 日 本 原 子 力 協 会 世 界 の 原 子 力 発 電 開 発 の 動 向 204 年 版 を 基 に 作 成 35

部 エネルギーを 巡 る 状 況 と 主 な 対 策 エネルギー 基 本 計 画 の 背 景 にある 諸 情 勢 C O L U M N 電 気 料 金 上 昇 が 企 業 活 動 に 与 える 影 響 節 においては 東 日 本 大 震 災 による 電 源 構 成 の 変 化 ( 原 子 力 発 電 の 停 止 それを 代 替 す るための 火 力 発 電 の 焚 き 増 し)と これによる 貿 易 赤 字 国 富 の 流 出 電 気 料 金 の 上 昇 について 紹 介 しました 本 コラムでは 特 に 電 気 料 金 の 上 昇 が 企 業 活 動 にどのような 影 響 を 与 えているのかについて 総 合 資 源 エネルギー 調 査 会 において 公 表 されたアンケート 調 査 等 を 基 に 紹 介 します. 電 気 料 金 の 上 昇 による 影 響 経 済 産 業 省 が 実 施 した 電 気 料 金 値 上 げをめぐる 需 要 家 の 状 況 追 加 調 査 によれば 52.%の 事 業 者 が 電 気 料 金 の 上 昇 の 企 業 活 動 への 影 響 があったと 回 答 しています 業 種 別 にみると この 傾 向 は 非 製 造 業 よりも 製 造 業 の 方 が 強 く 影 響 があったと 回 答 した 企 業 は 非 製 造 業 において 35.8%で あったのに 対 し 軽 工 業 2 においては 70.4%でした 2. 影 響 があった と 回 答 した 事 業 者 の 電 気 料 金 上 昇 への 具 体 的 な 対 応 等 電 気 料 金 値 上 げに 対 して 48.2%の 企 業 が 営 業 利 益 が 減 少 した と 回 答 しています また 対 応 については 現 在 の 企 業 活 動 内 容 を 維 持 したまま 節 電 した (70.8%)という 回 答 が 最 も 多 く これ に 次 いで 電 気 料 金 上 昇 分 の 一 部 を 企 業 コストの 削 減 で 吸 収 した (9.2%) 活 動 内 容 や 生 産 プロセ スをなるべく 電 気 を 消 費 しないものに 変 更 した (7.6%) 人 員 を 削 減 した (0.2% ) という 回 答 が 多 くなっています 2 回 総 合 資 源 エネルギー 調 査 会 基 本 政 策 分 科 会 (203 年 2 月 6 日 ) 事 務 局 提 出 資 料 調 査 方 法 : 郵 送 発 送 / 郵 送 回 収 法 2 調 査 期 間 :203 年 月 3 調 査 対 象 : 製 造 業 非 製 造 業 に 属 する 国 内 の 大 企 業 中 小 企 業 ( 有 効 回 答,530 通 ) 4 調 査 内 容 : 昨 今 の 電 気 料 金 上 昇 額 の 売 上 高 / 営 業 利 益 に 占 める 割 合 電 気 料 金 上 昇 への 対 応 策 等 2 食 料 品 飲 料 たばこ 飼 料 製 造 業 繊 維 工 業 木 材 木 製 品 家 具 装 飾 品 製 造 業 印 刷 同 関 連 業 36

2 節 東 京 電 力 福 島 一 原 子 力 発 電 所 事 故 及 びその 前 後 から 顕 在 化 してきた 課 題 また 今 後 の 事 業 活 動 に 与 える 影 響 についての 回 答 をみると 36.3%の 企 業 が 営 業 利 益 が 減 少 す ると 回 答 しています 対 応 については 現 在 の 企 業 活 動 を 維 持 したまま 節 電 する (62.9%)が 最 も 多 く 続 いて 活 動 内 容 や 生 産 プロセスをなるべく 電 気 を 消 費 しないものに 変 更 する (23.7%) 電 気 料 金 上 昇 分 の 一 部 を 企 業 コストの 削 減 で 吸 収 する (20.9%) 努 力 が 限 界 に 達 してきており これ 以 上 取 り 組 めることはない (8.3%)といった 回 答 が 多 くなっています 37

部 エネルギーを 巡 る 状 況 と 主 な 対 策 エネルギー 基 本 計 画 の 背 景 にある 諸 情 勢 3. 業 種 別 に 見 た 電 力 料 金 上 昇 の 影 響 電 気 料 金 値 上 げの 影 響 回 避 のために 取 った 行 動 の 内 容 についてみると 業 種 によって 違 いがあるこ とが 分 かります 例 えば 現 在 の 企 業 活 動 内 容 を 維 持 したまま 節 電 する 電 気 料 金 上 昇 分 の 一 部 を 企 業 コストの 削 減 で 吸 収 する と 回 答 した 企 業 は 輸 送 用 機 械 器 具 製 造 業 ではそれぞれ 78.8% 39.4%であるのに 対 し プラスチック 製 品 ゴム 製 品 製 造 業 では それぞれ 44.0% 4.0%となっています 逆 に 努 力 が 限 界 に 達 してきており これ 以 上 取 り 組 めることはない と 回 答 した 企 業 は 輸 送 用 機 械 器 具 製 造 業 では 3.0%であるのに 対 し プラスチック 製 品 ゴム 製 品 製 造 業 では 32.0%となって います 38