ⅩⅢ 滋 養 強 壮 保 健 薬 1) 医 薬 品 として 扱 われる 保 健 薬 滋 養 強 壮 保 健 薬 は 体 調 の 不 調 を 生 じやすい 状 態 や 体 質 の 改 善 特 定 の 栄 養 素 の 不 足 による 症 状 の 改 善 又 は 予 防 等 を 目 的 として ビタミン 成 分 カルシウム アミノ 酸 生 薬 成 分 等 が 配 合 さ れた 医 薬 品 である 同 様 にビタミン 等 の 補 給 を 目 的 とするものとして 医 薬 部 外 品 の 保 健 薬 があるが それらの 効 能 効 果 の 範 囲 は 滋 養 強 壮 虚 弱 体 質 の 改 善 病 中 病 後 の 栄 養 補 給 等 に 限 定 されている 神 経 痛 筋 肉 痛 関 節 痛 しみ そばかす 等 のような 特 定 部 位 の 症 状 に 対 する 効 能 効 果 について は 医 薬 品 においてのみ 認 められている また 医 薬 部 外 品 の 保 健 薬 は 配 合 成 分 や 分 量 は 人 体 に 対 する 作 用 が 緩 和 なものに 限 られ カシ ュウ ゴオウ ゴミシ ジオウ ロクジョウ 等 の 生 薬 成 分 については 医 薬 品 においてのみ 認 め られている ビタミン 成 分 に 関 しても 1 日 最 大 量 が 既 定 値 を 超 えるものは 医 薬 品 としてのみ 認 められている 2)ビタミン カルシウム アミノ 酸 等 の 働 き 主 な 副 作 用 (a) ビタミン 成 分 滋 養 強 壮 保 健 薬 のうち 1 種 類 以 上 のビタミンを 主 薬 とし そのビタミンの 有 効 性 が 期 待 される 症 状 及 びその 補 給 に 用 いられることを 目 的 とする 内 服 薬 を ビタミン 主 薬 製 剤 (いわ ゆるビタミン 剤 )という ビタミンは 微 量 (それ 自 体 エネルギー 源 や 生 体 構 成 成 分 とならない)で 体 内 の 代 謝 に 重 要 な 働 きを 担 うにもかかわらず 生 体 が 自 ら 産 生 することができない 又 は 産 生 されても 不 十 分 であるため 外 部 から 摂 取 する 必 要 がある 化 合 物 と 定 義 される これに 対 し 不 足 した 場 合 に 欠 乏 症 を 生 じるかどうか 明 らかにされていないが 微 量 でビタミンと 同 様 に 働 く 又 は ビタミンの 働 きを 助 ける 化 合 物 については ビタミン 様 物 質 と 呼 ばれる ビタミン 成 分 等 は 多 く 摂 取 したからといって 適 用 となっている 症 状 の 改 善 が 早 まるもの でなく むしろ 脂 溶 性 ビタミンでは 過 剰 摂 取 により 過 剰 症 を 生 じるおそれがある 1 ビタミンA ビタミンAは 夜 間 視 力 を 維 持 したり 皮 膚 や 粘 膜 の 機 能 を 正 常 に 保 つために 重 要 な 栄 養 素 である ビタミンA 主 薬 製 剤 は 酢 酸 レチノール パルチミン 酸 レチノール ビタミンA 油 肝 油 等 が 主 薬 として 配 合 された 製 剤 で 目 の 乾 燥 感 夜 盲 症 (とり 目 )の 症 状 の 緩 和 また 妊 娠 授 乳 期 病 中 病 後 の 体 力 低 下 時 発 育 期 等 のビタミンAの 補 給 に 用 いられる 一 般 用 医 薬 品 におけるビタミンAの1 日 分 量 は4000 国 際 単 位 が 上 限 となっているが 妊 娠 3ヶ 月 前 から 妊 娠 3ヶ 月 までの 間 に ビタミンAを1 日 10000 国 際 単 位 以 上 摂 取 - 173 -
した 妊 婦 から 生 まれた 新 生 児 において 先 天 異 常 の 割 合 が 上 昇 したとの 報 告 がある そのた め 妊 娠 3ヶ 月 以 内 の 妊 婦 妊 娠 していると 思 われる 女 性 及 び 妊 娠 を 希 望 する 女 性 では 医 薬 品 以 外 からのビタミンAの 摂 取 iを 含 め 過 剰 摂 取 に 留 意 される 必 要 がある 2 ビタミンD ビタミンDは 腸 管 でのカルシウム 吸 収 及 び 尿 細 管 でのカルシウム 再 吸 収 を 促 して 骨 の 形 成 を 助 ける 栄 養 素 である ビタミンD 主 薬 製 剤 は エルゴカルシフェロール 又 はコレカルシフェロールが 主 薬 とし て 配 合 された 製 剤 で 骨 歯 の 発 育 不 良 くる 病 iiの 予 防 また 妊 娠 授 乳 期 発 育 期 老 年 期 のビタミンDの 補 給 に 用 いられる ビタミンDの 過 剰 症 としては 高 カルシウム 血 症 異 常 石 灰 化 が 知 られている 高 カル シウム 血 症 は 血 液 中 のカルシウム 濃 度 が 非 常 に 高 くなった 状 態 で 自 覚 症 状 がないこと おう もあるが 初 期 症 状 としては 便 秘 吐 き 気 嘔 吐 腹 痛 食 欲 減 退 多 尿 等 が 現 れる 3 ビタミンE ビタミンEは 体 内 の 脂 質 を 酸 化 から 守 り 細 胞 の 活 動 を 助 ける 栄 養 素 であり 血 流 を 改 善 させる 作 用 もある ビタミン 主 薬 製 剤 は トコフェロール コハク 酸 トコフェロール 酢 酸 トコフェロール (トコフェロール 酢 酸 エステル) 等 が 主 薬 として 配 合 された 製 剤 で 末 梢 血 管 障 害 による 肩 首 すじのこり 手 足 のしびれ 冷 え しもやけの 症 状 の 緩 和 更 年 期 における 肩 首 すじのこり 冷 え 手 足 のしびれ のぼせ 月 経 不 順 の 症 状 の 緩 和 又 は 老 年 期 における ビタミンEの 補 給 に 用 いられる ビタミンEは 下 垂 体 や 副 腎 系 に 作 用 してホルモン 分 泌 の 調 節 に 関 与 するとされており ときに 生 理 が 早 く 来 たり 経 血 量 が 多 くなったりすることがある この 現 象 は 内 分 泌 のバ ランス 調 整 による 一 時 的 なものであるが 出 血 が 長 く 続 く 場 合 には 他 の 原 因 による 不 正 出 血 (Ⅵ( 婦 人 用 薬 ) 参 照 )も 考 えられるため 医 療 機 関 を 受 診 して 専 門 医 の 診 療 を 受 ける ことが 望 ましい 4 ビタミンB1 ビタミンB1 は 炭 水 化 物 からのエネルギー 産 生 に 不 可 欠 な 栄 養 素 で 神 経 の 正 常 な 働 きを 維 持 する 作 用 がある また 腸 管 運 動 を 促 進 する 働 きもある ビタミンB1 主 薬 製 剤 は 塩 酸 チアミン 硝 酸 チアミン 硝 酸 ビスチアミン チアミン ジスルフィド 塩 酸 フルスチアミン ビスイブチアミン 等 が 主 薬 として 配 合 された 製 剤 で 神 経 痛 筋 肉 痛 関 節 痛 ( 腰 痛 肩 こり 五 十 肩 など) 手 足 のしびれ 便 秘 眼 精 疲 労 i 人 参 などの 野 菜 類 に 含 まれるβ-カロテンは 体 内 に 入 ると 必 要 な 分 だけがビタミンAに 転 換 されるため ビタミンAの 過 剰 摂 取 につながる 心 配 はないとされる ii ビタミンDの 代 謝 障 害 によって カルシウムやリンの 吸 収 が 進 まなくなるために 起 こる 乳 幼 児 の 骨 格 異 常 - 174 -
脚 気 の 症 状 の 緩 和 また 肉 体 疲 労 時 妊 娠 授 乳 期 病 中 病 後 の 体 力 低 下 時 におけるビ タミンB1 の 補 給 に 用 いられる 5 ビタミンB2 ビタミンB2 は 脂 質 の 代 謝 に 関 与 し 皮 膚 や 粘 膜 の 機 能 を 正 常 に 保 つために 重 要 な 栄 養 素 である ビタミンB2 主 薬 製 剤 は 酪 酸 リボフラビン フラビンアデニンジヌクレオチドナトリ ウム リン 酸 リボフラビンナトリウム 等 が 主 薬 として 配 合 された 製 剤 で 口 角 炎 口 唇 炎 しん かゆ 口 内 炎 舌 炎 湿 疹 皮 膚 炎 かぶれ ただれ にきび 肌 荒 れ 赤 鼻 目 の 充 血 目 の 痒 みの 症 状 の 緩 和 また 肉 体 疲 労 時 妊 娠 授 乳 期 病 中 病 後 の 体 力 低 下 時 におけるビタ ミンB2 の 補 給 に 用 いられる ビタミンB2 の 摂 取 により 尿 が 黄 色 くなることがある 6 ビタミンB6 たん ビタミンB6 は 蛋 白 質 の 代 謝 に 関 与 し 皮 膚 や 粘 膜 の 健 康 維 持 神 経 機 能 の 維 持 に 重 要 な 栄 養 素 である ビタミンB6 主 薬 製 剤 は 塩 酸 ピリドキシン 又 はリン 酸 ビリドキサールが 主 薬 として 配 しん 合 された 製 剤 で 口 角 炎 口 唇 炎 口 内 炎 舌 炎 湿 疹 皮 膚 炎 かぶれ ただれ にき び 肌 荒 れ 手 足 のしびれの 症 状 の 緩 和 また 妊 娠 授 乳 期 病 中 病 後 の 体 力 低 下 時 に おけるビタミンB6 の 補 給 に 用 いられる 7 ビタミンB12 ビタミンB12 は 赤 血 球 の 形 成 を 助 け また 神 経 機 能 を 正 常 に 保 つために 重 要 な 栄 養 素 である シアノコバラミン 塩 酸 ヒドロキソコバラミン 等 として ビタミン 主 薬 製 剤 貧 血 用 薬 等 に 配 合 されている 8 ビタミンC ビタミンCは 体 内 の 脂 質 を 酸 化 から 守 る 作 用 ( 抗 酸 化 作 用 )を 示 し 皮 膚 や 粘 膜 の 機 能 を 正 常 に 保 つために 重 要 な 栄 養 素 である メラニンの 産 生 を 抑 える 働 きもあるとされる ビタミンC 主 薬 製 剤 は アスコルビン 酸 アスコルビン 酸 ナトリウム 又 はアスコルビン 酸 カルシウムが 主 薬 として 配 合 された 製 剤 で しみ そばかす 日 焼 け かぶれによる 色 素 沈 着 の 症 状 の 緩 和 歯 ぐきからの 出 血 鼻 出 血 の 予 防 また 肉 体 疲 労 時 妊 娠 授 乳 期 病 中 病 後 の 体 力 低 下 時 老 年 期 におけるビタミンCの 補 給 に 用 いられる 9 その 他 皮 膚 や 粘 膜 などの 機 能 を 維 持 することを 助 ける 栄 養 素 として ナイアシン(ニコチン 酸 アミド ニコチン 酸 ) ビタミンB5(パントテン 酸 カルシウム パンテトン 酸 ナトリウム パンテノール 等 ) ビオチンが 配 合 されている 場 合 がある (b) カルシウム 成 分 - 175 -
カルシウムは 骨 や 歯 の 形 成 に 必 要 な 栄 養 素 であり 筋 肉 の 収 縮 血 液 凝 固 神 経 機 能 にも 関 与 する カルシウム 主 薬 製 剤 は クエン 酸 カルシウム グルコン 酸 カルシウム 乳 酸 カルシウム 沈 降 炭 酸 カルシウム 等 が 主 薬 として 配 合 された 製 剤 で 虚 弱 体 質 腺 病 質 iiiにおける 骨 歯 の 発 育 促 進 妊 娠 授 乳 期 の 骨 歯 の 脆 弱 予 防 に 用 いられる カルシウムの 過 剰 症 としては 高 カルシウム 血 症 が 知 られている カルシウムを 含 む 成 分 は 胃 腸 薬 等 カルシウムの 補 給 を 目 的 としない 医 薬 品 においても 配 合 されており 併 用 に よりカルシウムの 過 剰 摂 取 を 生 じることのないよう 留 意 される 必 要 がある (c) アミノ 酸 成 分 1 システイン 髪 や 爪 肌 などに 存 在 するアミノ 酸 の 一 種 で 皮 膚 におけるメラニンの 生 成 を 抑 えると ともに 皮 膚 の 新 陳 代 謝 を 活 発 にしてメラニンの 排 出 を 促 す 働 き また 肝 臓 においてア ルコールを 分 解 する 酵 素 の 働 きを 助 け アセトアルデヒドと 直 接 反 応 して 代 謝 を 促 す 働 き があるとされる システイン 又 は 塩 酸 システインが 主 薬 として 配 合 された 製 剤 は しみ そばかす 日 焼 しん じん しん けなどの 色 素 沈 着 症 全 身 倦 怠 二 日 酔 い にきび 湿 疹 蕁 麻 疹 かぶれ 等 の 症 状 の 緩 和 に 用 いられる 2 アミノエチルスルホン 酸 (タウリン) 筋 肉 や 脳 心 臓 目 神 経 等 体 のあらゆる 部 分 に 存 在 し 細 胞 の 機 能 が 正 常 に 働 くた めに 重 要 な 物 質 である 肝 臓 機 能 を 改 善 する 働 きがあるとされ 滋 養 強 壮 保 健 薬 等 に 配 合 されている 場 合 がある 3 アスパラギン 酸 ナトリウム アスパラギン 酸 が 生 体 におけるエネルギーの 産 生 効 率 を 高 めるとされ 骨 格 筋 の 疲 労 の 原 因 となる 乳 酸 の 分 解 を 促 す 等 の 働 きを 期 待 して 用 いられる (d) その 他 の 成 分 ヘスペリジンはビタミン 様 物 質 のひとつで ビタミンCの 吸 収 を 助 ける 等 の 作 用 があるさ れ 滋 養 強 壮 保 健 薬 のほか かぜ 薬 等 にも 配 合 されている 場 合 がある コンドロイチン 硫 酸 は 軟 骨 組 織 の 主 成 分 で 軟 骨 成 分 を 形 成 及 び 修 復 する 働 きがあるとさ れる コンドロイチン 硫 酸 ナトリウムとして 関 節 痛 筋 肉 痛 等 の 改 善 を 促 す 作 用 を 期 待 して ビタミンB1 等 と 組 み 合 わせて 配 合 されている 場 合 がある グルクロノラクトンは 肝 臓 の 働 きを 助 け 肝 血 流 を 促 進 する 働 きがあり 全 身 倦 怠 感 や 疲 労 時 の 栄 養 補 給 を 目 的 として 配 合 されている 場 合 がある ガンマ-オリザノールは 米 油 及 び 米 胚 芽 油 から 見 出 された 抗 酸 化 作 用 を 示 す 成 分 で ビタ iii 貧 血 等 になりやすい 虚 弱 無 力 体 質 - 176 -
ミンE 等 と 組 み 合 わせて 配 合 されている 場 合 がある 塩 化 カルニチンに 関 する 出 題 については Ⅲ( 胃 腸 に 作 用 する 薬 )を 参 照 して 作 成 のこと 3) 代 表 的 な 配 合 生 薬 等 主 な 副 作 用 生 薬 成 分 ニンジン ジオウ トウキ センキュウが 既 定 値 以 上 配 合 されている 生 薬 主 薬 保 健 薬 につい ては 虚 弱 体 質 肉 体 疲 労 病 中 病 後 ( 又 は 病 後 の 体 力 低 下 )のほか 胃 腸 虚 弱 食 欲 不 振 血 色 不 良 冷 え 症 における 滋 養 強 壮 の 効 能 が 認 められている また 数 種 類 の 生 薬 をアルコールで 抽 出 した 薬 用 酒 も 滋 養 強 壮 を 目 的 として 用 いられる 血 行 を 促 進 させる 作 用 があることから 手 術 や 出 産 の 直 後 等 で 出 血 しやすい 人 では 使 用 を 避 け る 必 要 がある また アルコールを 含 有 するため 服 用 後 は 乗 り 物 又 は 機 械 類 の 運 転 操 作 等 を 避 ける 必 要 がある (a) ニンジン ウコギ 科 のオタネニンジンの 細 根 を 除 いた 根 を 用 いた 生 薬 で 天 日 で 乾 燥 させたものをハ クジン 湯 通 ししてから 乾 燥 させたものをコウジンということもある 別 名 を 高 麗 人 参 朝 鮮 人 参 とも 呼 ばれる 神 経 系 の 興 奮 や 副 腎 皮 質 の 機 能 亢 進 等 の 作 用 により 外 界 からのスト レス 刺 激 に 対 する 抵 抗 力 や 新 陳 代 謝 を 高 めるとされる 同 様 の 作 用 を 期 待 して チクセツニンジン(ウコギ 科 のトチバニンジンの 根 茎 )も 用 いら れる チクセツニンジンは 外 用 薬 の 有 効 成 分 としても 用 いられるが その 場 合 の 出 題 につい ては Ⅹ( 皮 膚 に 用 いる 薬 )を 参 照 して 作 成 のこと (b) ジオウ トウキ センキュウ これら 生 薬 成 分 に 関 する 出 題 については Ⅵ( 婦 人 薬 )を 参 照 して 作 成 のこと (c) ゴオウ ロクジョウ これら 生 薬 成 分 に 関 する 出 題 については Ⅳ-1( 強 心 薬 )を 参 照 して 作 成 のこと (d) インヨウカク ハンピ つぼみ インヨウカク(メギ 科 のイカリソウの 蕾 を 含 む 葉 及 び 茎 ) ハンピ(クサリヘビ 科 のマム シの 皮 及 び 内 臓 を 取 り 除 いたもの 又 は 黒 焼 にしたもの)は 強 壮 血 行 促 進 強 精 ( 性 機 能 の 亢 進 ) 等 の 作 用 を 期 待 して 用 いられる (e) ヨクイニン イネ 科 のハトムギの 種 皮 を 除 いた 種 子 を 用 いた 生 薬 で 肌 荒 れやいぼに 用 いられる しゃ ビタミンB2 主 薬 製 剤 やビタミンB6 主 薬 製 剤 瀉 下 薬 等 の 補 助 成 分 として 配 合 されている 場 合 もある (f) その 他 主 に 強 壮 作 用 を 期 待 して 以 下 のような 生 薬 成 分 が 配 合 されている 場 合 もある - 177 -
i) タイソウ:クロウメモドキ 科 のナツメの 果 実 ii) ゴミシ:マツブサ 科 のチョウセンゴミシの 成 熟 果 実 iii) サンシュユ:ミズキ 科 のサンシュユの 偽 果 の 果 肉 iv) サンヤク:ヤマノイモ 科 のヤマノイモ 又 はナガイモの 周 皮 を 除 いた 根 茎 ( 担 根 体 ) v) オウギ:マメ 科 のキバナオウギ 又 はナイモウオウギの 根 vi) カシュウ:Ⅹ( 皮 膚 に 用 いる 薬 ) 参 照 漢 方 処 方 製 剤 じゅうぜんたい ほ とう ほ ちゅうえっ き とう 滋 養 強 壮 に 用 いられる 主 な 漢 方 処 方 製 剤 として 十 全 大 補 湯 補 中 益 気 湯 がある いずれ も 構 成 生 薬 としてカンゾウを 含 んでいる カンゾウが 含 まれる 漢 方 処 方 製 剤 に 共 通 する 留 意 点 せき たん に 関 する 出 題 については Ⅱ-1( 咳 止 め 痰 を 出 しやすくする 薬 )を 参 照 して 作 成 のこと 漢 方 処 方 製 剤 は 症 状 の 原 因 となる 体 質 の 改 善 を 主 眼 としているため 比 較 的 長 期 間 (1ヶ 月 位 ) 服 用 されることがある その 場 合 に 共 通 する 留 意 点 に 関 する 出 題 については ⅩⅣ-1 ( 漢 方 処 方 製 剤 )を 参 照 して 作 成 のこと じゅうぜんたい ほ (a) 十 全 大 補 とう 湯 病 後 の 体 力 低 下 疲 労 倦 怠 食 欲 不 振 寝 汗 手 足 の 冷 え 貧 血 に 適 すとされるが 胃 腸 の 弱 い 人 では 胃 部 不 快 感 の 副 作 用 が 現 れやすい 等 不 向 きとされる まれに 重 篤 な 副 作 用 として 肝 機 能 障 害 を 生 じることが 知 られている ほ ちゅうえっ き (b) 補 中 益 気 とう 湯 元 気 がなく 胃 腸 の 働 きが 衰 えて 疲 れやすい 人 における 虚 弱 体 質 疲 労 倦 怠 病 後 の 衰 弱 寝 汗 の 症 状 に 適 すとされる まれに 重 篤 な 副 作 用 として 間 質 性 肺 炎 肝 機 能 障 害 を 生 じることが 知 られている 4) 相 互 作 用 受 診 勧 奨 相 互 作 用 滋 養 強 壮 保 健 薬 は 多 く 摂 取 したからといって 適 用 となっている 症 状 の 改 善 が 早 まるものでなく また 滋 養 強 壮 の 効 果 が 高 まるものでもない 漢 方 処 方 製 剤 生 薬 成 分 が 配 合 された 医 薬 品 における 相 互 作 用 に 関 する 一 般 的 な 事 項 につい ては ⅩⅣ( 漢 方 処 方 製 剤 生 薬 製 剤 )を 参 照 して 問 題 作 成 のこと 受 診 勧 奨 滋 養 強 壮 保 健 薬 は ある 程 度 継 続 して 使 用 されることによって 効 果 が 得 られる 性 質 の 医 薬 品 であるが 1ヶ 月 位 服 用 しても 症 状 の 改 善 がみられない 場 合 には 栄 養 素 の 不 足 以 外 の 要 因 が 考 えられるため 漫 然 と 使 用 を 継 続 することなく 症 状 によっては 医 療 機 関 を 受 診 する 等 適 切 な 対 処 が 図 られることが 重 要 である 肩 首 筋 のこり 関 節 痛 筋 肉 痛 神 経 痛 手 足 のしびれについては ナトリウムやカリウ - 178 -
ム 等 の 電 解 質 バランスの 乱 れによっても 生 じる また 痛 み 等 を 感 じる 部 位 が 問 題 のある 部 位 と 必 ずしも 一 致 しない 場 合 があり iv 症 状 が 慢 性 化 しているような 場 合 には 医 師 の 診 療 を 受 けることが 望 ましい その 他 肩 首 筋 のこり 関 節 痛 等 の 症 状 に 対 する 受 診 勧 奨 に 関 する 出 題 については Ⅰ-2( 解 熱 鎮 痛 薬 ) Ⅹ( 皮 膚 に 用 いる 薬 )を 参 照 して 作 成 のこと せん 目 の 乾 燥 感 眼 精 疲 労 目 の 充 血 については 涙 腺 の 異 常 あるいはシェーグレン 症 候 群 vの せん ような 涙 腺 に 障 害 を 及 ぼす 全 身 疾 患 によるものである 場 合 があり 医 療 機 関 を 受 診 して 専 門 医 の 診 療 を 受 けることが 望 ましい ほうしん 口 内 炎 口 角 炎 口 唇 炎 舌 炎 については 疱 疹 ウイルスの 感 染 が 再 燃 沈 静 を 繰 り 返 して いる 場 合 があり 重 症 化 した 場 合 には 医 師 の 診 療 を 受 ける 必 要 がある その 他 口 内 炎 等 の 症 状 に 対 する 受 診 勧 奨 に 関 する 出 題 については ⅩⅠ-2( 口 内 炎 用 薬 )を 参 照 して 作 成 のこ と しん 肌 荒 れ にきび 湿 疹 皮 膚 炎 かぶれについては それぞれの 原 因 に 対 する 防 御 策 が 図 ら れることが 重 要 であり Ⅹ( 皮 膚 に 用 いる 薬 )を 参 照 して 問 題 作 成 のこと しみ そばかす 日 焼 け かぶれによる 色 素 沈 着 については 皮 膚 にある 色 素 の 点 ( 特 に 黒 又 は 濃 い 色 のもの)が 次 第 に 大 きくなったり 形 や 色 が 変 化 してきたような 場 合 には 悪 性 しゅ 黒 色 腫 viのような 重 大 な 病 気 の 可 能 性 も 考 えられるので 早 期 に 医 療 機 関 を 受 診 して 専 門 医 の 診 療 を 受 けることが 望 ましい その 他 皮 膚 症 状 に 対 する 受 診 勧 奨 に 関 する 出 題 については Ⅶ (アレルギー 用 薬 ) Ⅹ( 皮 膚 に 用 いる 薬 )を 参 照 して 作 成 のこと せきずい iv 体 のいくつかの 場 所 からの 信 号 が 同 じ 神 経 経 路 を 通 って 脊 髄 から 脳 へと 伝 わるため 痛 み 等 が 離 れた 部 位 に 感 じられること ぼうこう せん がある 例 えば 腎 臓 膀 胱 子 宮 前 立 腺 等 の 痛 みが 腰 痛 として 感 じられることがある だ せん せん せん せん v 唾 液 腺 や 涙 腺 等 の 体 液 の 分 泌 腺 に 白 血 球 が 浸 潤 して 腺 組 織 に 障 害 を 引 き 起 こす 病 気 しゅ よう vi 皮 膚 癌 の 一 種 で メラニン 産 生 細 胞 (メラノサイト) 由 来 の 悪 性 腫 瘍 である - 179 -