プレス発表に関する手引き



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( 医 療 機 器 の 性 能 及 び 機 能 ) 第 3 条 医 療 機 器 は 製 造 販 売 業 者 等 の 意 図 する 性 能 を 発 揮 できなければならず 医 療 機 器 としての 機 能 を 発 揮 できるよう 設 計 製 造 及 び 包 装 されなければならない 要 求 項 目 を

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

独立行政法人国立病院機構呉医療センター医療機器安全管理規程

診療行為コード

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預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

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(6) Qualification for participating in the tendering procedu

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頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

認 し 通 常 の 立 入 検 査 に 際 しても 許 可 内 容 が 遵 守 されていることを 確 認 するこ と 2 学 校 薬 剤 師 業 務 の 兼 任 学 校 薬 剤 師 の 業 務 を 兼 任 する 場 合 の 取 扱 いは 次 のとおりとする (1) 許 可 要 件 1 薬 局 等 の

平 成 27 年 11 月 ~ 平 成 28 年 4 月 に 公 開 の 対 象 となった 専 門 協 議 等 における 各 専 門 委 員 等 の 寄 附 金 契 約 金 等 の 受 取 状 況 審 査 ( 別 紙 ) 専 門 協 議 等 の 件 数 専 門 委 員 数 500 万 円 超 の 受

大学病院治験受託手順書

Taro-官報 入札公告【埼玉病院】

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平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

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目 次 1. 社 会 保 障 分 野 でできること 1 1 高 額 医 療 高 額 介 護 合 算 制 度 の 改 善 2 保 険 証 機 能 の 一 元 化 3 自 己 診 療 情 報 の 活 用 4 給 付 可 能 サービスの 行 政 側 からの 通 知 2. 年 金 分 野 でできること 5

●電力自由化推進法案

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

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代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

有 料 老 ホーム ( ) ( 主 として 要 介 護 状 態 にある を 入 居 させるも のに 限 る ) 第 29 条 ( 届 出 等 ) 第 二 十 九 条 有 料 老 ホーム( 老 を 入 居 させ 入 浴 排 せつ 若 しくは 食 事 の 介 護 食 事 の 提 供 又 はその 他 の

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

入札公告 次 の と お り 一 般 競 争 入 札 に 付 し ま す 平 成 2 5 年 1 1 月 1 3 日 経 理 責 任 者 独 立 行 政 法 人 国 立 病 院 機 構 三 重 中 央 医 療 セ ン タ ー 院 長 森 本 保 調 達 機 関 番 号 所 在 地 番 号

製 造 業 者 は 製 造 販 売 業 者 の 管 理 監 督 の 下 適 切 な 品 質 管 理 を 行 い 製 品 を 製 造 します なお 製 造 業 は 製 造 に 特 化 した 許 可 となっており 製 造 業 の 許 可 のみでは 製 品 を 市 場 に 出 荷 することはできま せん

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2 1.ヒアリング 対 象 (1) 対 象 範 囲 分 類 年 金 医 療 保 険 雇 用 保 険 税 備 考 厚 生 年 金 の 資 格 喪 失 国 民 年 金 の 加 入 老 齢 給 付 裁 定 請 求 など 健 康 保 険 の 資 格 喪 失 国 民 健 康 保 険 の 加 入 健 康 保 険

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

3 薬 局 サービス 等 (1) 健 康 サポート 薬 局 である 旨 の 表 示 健 康 サポート 薬 局 である 旨 を 表 示 している 場 合 健 康 サポート 薬 局 とは かかりつけ 薬 剤 師 薬 局 としての 基 本 的 な 機 能 に 加 えて 積 極 的 な 健 康 サポート 機

18 国立高等専門学校機構

公 営 企 業 職 員 の 状 況 1 水 道 事 業 1 職 員 給 与 費 の 状 況 ア 決 算 区 分 総 費 用 純 利 益 職 員 給 与 費 総 費 用 に 占 める ( 参 考 ) 職 員 給 与 費 比 率 22 年 度 の 総 費 用 に 占 A B B/A める 職 員 給 与

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

全設健発第     号

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国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

母 子 医 療 対 策 費 462 (313,289) 国 4,479 1 不 妊 治 療 助 成 事 業 8,600 不 妊 治 療 費 用 の 一 部 を 助 成 し 経 済 的 負 担 の 軽 減 を 図 る 230, ,608 不 妊 治 療 費 の 増 加 による 増 額 分

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入札公告 次 の と お り 一 般 競 争 入 札 に 付 し ま す 平 成 3 0 年 1 0 月 1 0 日 経 理 責 任 者 独 立 行 政 法 人 国 立 病 院 機 構 神 戸 医 療 セ ン タ ー 院 長 森 田 瑞 穂 調 達 機 関 番 号 所 在 地 番 号 2

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

目 次 表 紙... 1 目 次... 2 改 訂 記 録 目 的 対 象 製 造 部 門 品 質 部 門 組 織 PET 薬 剤 製 造 施 設 ( 施 設 長 )の 責 務 製 造 管 理 者 の 責 務... 7

後 にまで 及 んでおり(このような 外 部 研 究 資 金 を 以 下 契 約 理 由 研 究 という ) かつ その 者 が 退 職 後 も 引 き 続 き 研 究 代 表 者 となることを 研 究 所 が 認 める 場 合 とし 理 事 室 の 命 を 受 けて 発 議 書 ( 別 に 定 め

認 というプロセスで 行 われる 通 常, 新 規 化 合 物 の 探 索 を 開 始 してから 承 認 を 得 て 販 売 を 開 始 するまでに9~17 年 かかり, 途 中 で 開 発 を 断 念 したものの 費 用 まで 含 めると,1 成 分 当 たりの 薬 の 開 発 費 用 は, 約

定款

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国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

デュアック 配 合 ゲル に 係 る 医 薬 品 リスク 管 理 計 画 書 (RMP)の 概 要 販 売 名 デュアック 配 合 ゲル 有 効 成 分 クリンダマイシンリン 酸 エステ ル 水 和 物 / 過 酸 化 ベンゾイル 製 造 販 売 業 者 株 式 会 社 ポーラファルマ 薬 効 分

年 金 払 い 退 職 給 付 制 度 における 年 金 財 政 のイメージ 積 立 時 給 付 時 給 付 定 基 (1/2) で 年 金 を 基 準 利 率 で 付 利 給 付 定 基 ( 付 与 利 の ) 有 期 年 金 終 身 年 金 退 職 1 年 2 年 1 月 2 月 ( 終 了 )

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

公表表紙

第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期


路 症 状 の 副 作 用 は 少 ないと 言 われている 一 方 Ray らが 報 告 した 大 規 模 調 査 では 突 然 死 の 発 生 率 はわずかながら 第 一 世 代 1.99 に 比 し 第 二 世 代 の 薬 剤 で 2.26 と 増 加 したことが わかっている(Ray et a

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健 康 医 療 戦 略 に 係 る 農 林 産 省 の 主 な 取 組 みについて 1. 健 康 長 寿 社 会 の 形 成 のための 食 の 研 究 開 発 の 推 進 2. 医 福 食 農 連 携 の 取 組 の 推 進 3 5 2

17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

伊勢崎市職員職場復帰支援制度

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1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

臨 床 研 究 事 案 に 関 する 主 な 報 道 概 要 ディオバン 事 案 白 血 病 治 療 薬 タシグナ 事 案 (SIGN 試 験 ) ノバルティス 社 の 高 血 圧 症 治 療 薬 ディオバンに 係 る 臨 床 研 究 において データ 操 作 等 があり 研 究 結 果 の 信 頼

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毎 月 の 給 与 等 ( )を 一 定 の 等 級 区 分 にあてはめた 標 準 月 額 の 上 限 が 現 行 の47 等 級 から50 等 級 に 改 正 されます ( 別 紙 健 康 保 険 料 額 表 参 照 ) なお 法 改 正 に 伴 い 標 準 月 額 が 改 定 される 方 につい

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新 行 財 政 改 革 推 進 大 綱 実 施 計 画 個 票 取 組 施 策 国 や 研 究 機 関 への 派 遣 研 修 による 資 質 向 上 の 推 進 鳥 インフルエンザ 等 新 たな 感 染 症 等 に 対 する 検 査 技 術 の 習 得 など 職 員 の 専 門

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(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

(3) その 他 市 長 が 必 要 と 認 める 書 類 ( 補 助 金 の 交 付 決 定 ) 第 6 条 市 長 は 前 条 の 申 請 書 を 受 理 したときは 速 やかにその 内 容 を 審 査 し 補 助 金 を 交 付 すべきものと 認 めたときは 規 則 第 7 条 に 規 定 す

入 札 公 告 次 の と お り 一 般 競 争 入 札 に 付 し ま す 平 成 28 年 1 月 5 日 経 理 責 任 者 独 立 行 政 法 人 国 立 病 院 機 構 山 口 宇 部 医 療 セ ン タ ー 院 長 上 岡 博 調 達 機 関 番 号 597 所 在 地 番 号 35

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社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

Transcription:

2010 年 11 月 2 日 独 立 行 政 法 人 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 PET 技 術 を 用 量 設 定 に 用 いた 新 薬 が 製 造 販 売 承 認 - 統 合 失 調 症 治 療 薬 の 至 適 用 量 を 画 像 化 技 術 で 設 定 - 独 立 行 政 法 人 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 ( 理 事 長 : 米 倉 義 晴 ) 分 子 神 経 イメージング 研 究 グループ(グループリーダー: 須 原 哲 也 ) ---- 本 研 究 成 果 のポイント ---- PET 1 技 術 を 用 いて 用 量 設 定 試 験 を 行 った 統 合 失 調 症 の 新 規 治 療 薬 が 製 造 販 売 承 認 を 得 た 正 確 な 用 量 設 定 を 少 人 数 の 被 験 者 で 迅 速 に 行 うことができる 技 術 として 注 目 される 統 合 失 調 症 の 治 療 薬 は 用 量 の 設 定 が 難 しい 医 薬 品 のひとつと 言 われ 既 に 市 販 されてい る 治 療 薬 においても 設 定 された 用 量 が 不 適 切 であったために 副 作 用 が 生 じている 可 能 性 が 指 摘 されています 近 年 抗 精 神 病 薬 の 作 用 機 序 の 解 明 が 進 み 薬 が 標 的 である 脳 内 分 子 に 結 合 している 割 合 2 ( 占 有 率 )が 薬 効 には 重 要 で 占 有 率 が 少 なければ 臨 床 効 果 が 無 く 多 すぎると 副 作 用 が 現 れることがわかってきました PETを 用 いれば このような 結 合 の 状 態 を 画 像 化 数 値 化 することが 可 能 であるため 占 有 率 を 正 確 に 測 定 することができます ( 独 ) 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 ( 理 事 長 : 米 倉 義 晴 以 下 放 医 研 )の 分 子 イメージング 3 研 究 センターのグループは ヤンセンファーマ 株 式 会 社 による 治 験 ( 第 Ⅱ 相 試 験 )の 一 部 4 5 として 新 規 の 統 合 失 調 症 治 療 薬 であるパリペリドン 徐 放 錠 の 至 適 用 量 設 定 の 評 価 につ いてPETを 用 いて 行 いました その 結 果 6mg/ 日 が 副 作 用 の 危 険 がなく 薬 剤 の 特 性 をよ く 反 映 できる 用 量 と 予 測 されました この 設 定 法 は 被 験 者 へのカウンセリングに 基 づく 従 来 法 に 比 べて 精 度 が 高 く より 少 人 数 の 被 験 者 で 迅 速 に 行 うことが 出 来 ます ヤンセンファ ーマ 株 式 会 社 はこの 結 果 を 申 請 資 料 の 一 部 に 組 み 込 み 2010 年 10 月 27 日 にパリペリドン 徐 放 錠 ( 製 品 名 :インヴェガ 錠 )の 製 造 販 売 承 認 を 取 得 しました 本 研 究 成 果 は PETを 含 む 分 子 イメージングの 技 術 を 医 薬 品 開 発 に 応 用 し 実 際 に 製 造 販 売 承 認 に 至 った 例 として 注 目 され 今 後 この 技 術 は 更 に 他 の 医 薬 品 開 発 にも 利 用 される ものとして 期 待 されています 1 / 5

研 究 の 背 景 と 目 的 6 これまで 統 合 失 調 症 の 治 療 に 用 いられる 抗 精 神 病 薬 の 多 くは 動 物 実 験 の 結 果 をもと にヒトでの 用 量 を 大 まかに 決 めたうえで 被 験 者 に 投 与 し その 反 応 を 医 師 等 がカウンセリング により 確 認 し 至 適 な 用 量 用 法 を 決 定 してきました しかし この 方 法 では 判 断 の 客 観 性 が 問 題 となる 可 能 性 もあり 最 近 になり 設 定 された 用 量 が 不 適 切 であったために 動 作 障 害 など の 副 作 用 が 生 じている 可 能 性 が 指 摘 されています 脳 に 働 く 薬 物 は 神 経 伝 達 物 質 受 容 体 やトランスポーターという 脳 内 分 子 に 結 合 することで 作 用 を 発 揮 します よって 薬 物 がどの 程 度 受 容 体 やトランスポーターに 結 合 しているかを 調 べることによって 客 観 的 に 薬 の 効 果 を 予 測 判 定 することができます( 図 1) 脳 内 の 薬 物 による 受 容 体 占 有 率 は PETを 用 いることにより 計 測 が 可 能 です 薬 物 のない 状 態 で 受 容 体 と 結 合 するPETプローブ 7 を 投 与 した 場 合 脳 内 の 受 容 体 には 神 経 伝 達 物 質 とPET プローブが 結 合 します しかし あらかじめ 薬 物 を 投 与 しておくと 薬 物 も 受 容 体 に 結 合 する ため 相 対 的 にPETプローブの 結 合 量 が 少 なくなります つまり PETプローブの 結 合 低 下 の 割 合 を 定 量 化 することによって 薬 物 の 受 容 体 占 有 率 を 算 出 することが 可 能 になります( 図 2) 本 研 究 では ヤンセンファーマ 株 式 会 社 の 依 頼 に 基 づき 統 合 失 調 症 の 新 規 治 療 薬 であるパ リペリドン 徐 放 錠 を 用 いた 治 験 の 一 部 として 放 医 研 の 世 界 最 高 水 準 の 分 子 イメージング 技 術 を 用 いてこの 薬 物 の 脳 内 受 容 体 占 有 率 を 調 べました 図 1 PETを 用 いた 至 適 用 量 決 定 2 / 5

図 2 受 容 体 の 占 有 率 から 薬 物 の 脳 内 結 合 量 を 見 積 る 研 究 手 法 と 結 果 本 研 究 では パリペリドン 徐 放 錠 服 用 中 の 統 合 失 調 症 患 者 13 名 を 対 象 に 線 条 体 のドパミン 8 D 2 受 容 体 占 有 率 を 測 定 し 至 適 用 量 について 検 討 しました パリペリドン 徐 放 錠 の 一 日 用 量 は 3mgが6 名 9mgが4 名 15mgが3 名 でした 線 条 体 のドパミンD 2 受 容 体 結 合 能 の 測 定 に 適 したP ETプローブである [ 11 C]racloprideを 用 い 男 性 健 常 者 13 名 のドパミンD 2 受 容 体 結 合 能 をベ ースラインとして 占 有 率 を 算 出 しました( 図 3) 受 容 体 占 有 率 が70% 以 上 で 薬 が 効 果 を 発 し 80% 以 上 で 動 作 障 害 などの 副 作 用 が 出 現 すると いう 報 告 (Farde et al., 1988)があることから 70-80%を 適 切 なドパミンD 2 受 容 体 占 有 率 とすると パリペリドン 徐 放 剤 の 至 適 用 量 は6-9mg/ 日 と 考 えられ 6mg/ 日 が 副 作 用 の 危 険 が なく 薬 剤 の 特 性 をよく 反 映 できる 用 量 と 予 想 されました 図 3 パリペリドンの 用 量 と 線 条 体 のドパミンD 2 受 容 体 占 有 率 の 関 係 [ 11 C]racloprideを 用 い た 線 条 体 のドパミンD 2 受 容 体 占 有 率 は 3mg/ 日 で57.9±4.5% 9mg/ 日 で77.4±6.6% 15mg/ 日 で80.4±6.1%であった 3 / 5

本 研 究 成 果 と 今 後 の 展 望 医 薬 品 の 製 造 販 売 をする 時 には 厚 生 労 働 大 臣 から 品 目 ごとにその 製 造 販 売 についての 承 認 を 受 けなければなりません 承 認 を 受 けるには 臨 床 試 験 の 試 験 成 績 に 関 する 資 料 その 他 を 添 付 して 申 請 する 必 要 があります 臨 床 試 験 は 主 に 第 Ⅰ 相 から 第 Ⅲ 相 に 分 類 され 第 Ⅰ 相 では 健 康 なボランティアを 対 象 とした 安 全 性 の 確 認 第 Ⅱ 相 では 少 数 の 患 者 を 対 象 とした 安 全 性 の 確 認 と 用 法 用 量 の 設 定 第 Ⅲ 相 では 多 数 の 患 者 を 対 象 として 実 際 の 治 療 に 近 い 形 で 効 果 と 安 全 性 の 確 認 を 行 います 本 研 究 は 第 Ⅱ 相 の 一 部 として 行 われた 研 究 で 統 合 失 調 症 患 者 を 対 象 にPETを 用 いて 脳 内 のドパミンD 2 受 容 体 占 有 率 を 測 定 し パリペリドン 徐 放 錠 の 至 適 用 量 を 予 測 したものです その 結 果 薬 物 の 効 果 が 得 られ かつ 副 作 用 が 起 こりにくい 適 切 な 用 量 を 科 学 的 に 正 確 に 導 くことに 成 功 しました これらの 結 果 は 今 後 実 際 の 臨 床 にお いてパリペリドン 徐 放 錠 が 使 用 されるにあたり 安 全 に かつ 必 要 十 分 な 薬 効 を 得 ることにつ ながると 考 えられます 放 医 研 の 分 子 イメージング 研 究 センターは PETによる 画 像 研 究 の 設 備 が 整 備 されており こうした 研 究 環 境 を 生 かすことにより 今 後 も 新 規 薬 物 の 開 発 や 病 態 の 理 解 に 役 立 てたいと 考 えています ( 用 語 解 説 ) 1 PET PETとはPositron emission tomographyの 略 称 で 陽 電 子 断 層 撮 像 法 のこと PET 装 置 は 画 像 診 断 装 置 の 一 種 で 陽 電 子 を 検 出 することにより 様 々な 病 態 や 生 体 内 物 質 の 挙 動 をコンピ ューター 処 理 によって 画 像 化 する 2 占 有 率 脳 内 の 神 経 伝 達 を 行 う 部 位 の 一 つである 受 容 体 への 薬 物 の 結 合 の 程 度 を 表 す 薬 物 が 受 容 体 に 全 くないときは0% すべての 受 容 体 に 薬 物 が 結 合 していると100%になる 3 分 子 イメージング 生 体 内 で 起 こるさまざまな 生 命 現 象 を 外 部 から 分 子 レベルで 捉 えて 画 像 化 することであり 生 命 の 統 合 的 理 解 を 深 める 新 しいライフサイエンス 研 究 分 野 体 の 中 の 現 象 を 分 子 レベルで しかも 対 象 が 生 きたままの 状 態 で 調 べることができる がん 細 胞 のふるまいや アルツハイマ ー 病 や 統 合 失 調 症 うつ 病 といった 脳 の 病 気 こころの 病 を 解 明 し 治 療 法 を 確 立 するた めの 手 段 として 期 待 されている 4 統 合 失 調 症 統 合 失 調 症 は 10 代 後 半 から20 代 前 半 にかけて 発 病 することが 多 い 精 神 疾 患 で 人 口 の 約 1%が 発 症 し 幻 覚 妄 想 刺 激 に 対 して 感 情 変 化 が 見 られない 症 状 や 意 欲 の 減 退 といった 症 状 を 発 現 します 4 / 5

5 パリペリドン 徐 放 錠 抗 ドパミン 作 用 により 統 合 失 調 症 の 陽 性 症 状 ( 幻 覚 妄 想 など)に 優 れた 効 果 を 示 すとともに 抗 セロトニン 作 用 により 陰 性 症 状 ( 感 情 的 引 きこもり 情 動 鈍 麻 など)にも 効 果 を 有 するとさ れるパリペリドンを 24 時 間 にわたって 血 漿 中 薬 物 濃 度 を 安 定 させることで 1 日 1 回 投 与 に よる 統 合 失 調 症 治 療 を 可 能 にした 放 出 制 御 型 徐 放 錠 剤 である 6 抗 精 神 病 薬 主 として 統 合 失 調 症 の 治 療 に 使 われる 薬 で メジャートランキライザーとも 呼 ばれる ドパミ ンの 受 け 手 となるドパミンD 2 受 容 体 ( 8 )に 対 する 強 力 な 遮 断 作 用 を 有 することで ドパ ミンの 神 経 伝 達 が 阻 害 され 妄 想 や 幻 覚 といった 症 状 を 抑 えるとされる 一 方 抗 精 神 病 薬 の 服 薬 量 が 増 加 し ドパミンD 2 受 容 体 を 遮 断 しすぎると 副 作 用 を 生 じる こ のことから 現 在 では 高 い 抗 精 神 病 効 果 と 副 作 用 を 軽 減 させた 類 いの 抗 精 神 病 薬 が 開 発 され るようになり それまでの 従 来 型 抗 精 神 病 薬 ( 第 一 世 代 抗 精 神 病 薬 ) と 区 別 して 第 二 世 代 抗 精 神 病 薬 と 呼 ばれている 7 PETプローブ 陽 電 子 断 層 撮 像 (PET) 装 置 を 用 いて 画 像 診 断 を 行 うために 必 要 な 放 射 性 薬 剤 ( 放 射 性 同 位 元 素 で 標 識 された 化 合 物 )のうち 腫 瘍 や 精 神 神 経 疾 患 の 診 断 検 査 等 で 用 いられるものを 指 す 測 定 したい 機 能 の 種 類 に 応 じて 適 切 なPETプローブを 選 択 するが 本 研 究 では [ 11 C]raclopride を 用 いている 8 ドパミンD 2 受 容 体 ドパミンは 中 枢 神 経 系 に 存 在 する 神 経 伝 達 物 質 で 運 動 調 節 認 知 機 能 ホルモン 調 節 感 情 意 欲 学 習 などに 関 わると 言 われている 脳 内 の 線 条 体 と 呼 ばれる 部 位 において 多 く 認 められ ている ドパミンD 2 受 容 体 は そのドパミンと 結 合 する 神 経 受 容 体 ドパミン 受 容 体 の 一 つ ( 問 い 合 わせ 先 ) 独 立 行 政 法 人 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 企 画 部 広 報 課 TEL:043-206-3026 FAX:043-206-4062 E-mail:info@nirs.go.jp 5 / 5