2010 年 12 月 ( 改 訂 第 2 版 ) 日 本 標 準 商 品 分 類 番 号 :876343 医 薬 品 インタビューフォーム 日 本 病 院 薬 剤 師 会 のIF 記 載 要 領 (1998 年 9 月 )に 準 拠 して 作 成 剤 形 注 射 剤 ( 筋 注 ) 規 格 含 量 200 単 位 1 瓶 ( 溶 解 液 1mL 添 付 ) 1,000 単 位 1 瓶 ( 溶 解 液 5mL 添 付 ) 一 般 名 製 造 販 売 承 認 年 月 日 薬 価 基 準 収 載 発 売 年 月 日 和 名 : 乾 燥 抗 HBs 人 免 疫 グロブリン 洋 名 :Freeze-dried Human Anti-HBs Immunoglobulin 製 造 承 認 年 月 日 :2009 年 6 月 29 日 薬 価 基 準 収 載 年 月 日 :2009 年 6 月 29 日 発 売 年 月 日 :1986 年 2 月 5 日 (200 単 位 製 剤 ) 1986 年 12 月 8 日 (1,000 単 位 製 剤 ) 開 発 製 造 販 売 提 携 販 売 会 社 名 製 造 販 売 元 : 日 本 製 薬 株 式 会 社 販 売 : 武 田 薬 品 工 業 株 式 会 社 担 当 者 の 連 絡 先 電 話 番 号 FAX 番 号 電 話 : - - FAX: - - 本 IFは2009 年 6 月 改 訂 の 添 付 文 書 の 記 載 に 基 づき 改 訂 した
IF 利 用 の 手 引 きの 概 要 - 日 本 病 院 薬 剤 師 会 - 1. 医 薬 品 インタビューフォーム 作 成 の 経 緯 当 該 医 薬 品 について 製 薬 企 業 の 医 薬 情 報 担 当 者 ( 以 下 MRと 略 す) 等 にインタビューし 当 該 医 薬 品 の 評 価 を 行 うのに 必 要 な 医 薬 品 情 報 源 として 使 われていたインタビューフォー ムを 昭 和 63 年 日 本 病 院 薬 剤 師 会 ( 以 下 日 病 薬 と 略 す) 学 術 第 2 小 委 員 会 が 医 薬 品 イン タビューフォーム ( 以 下 IFと 略 す)として 位 置 付 けを 明 確 化 し その 記 載 様 式 を 策 定 した そして 平 成 10 年 日 病 薬 学 術 第 3 小 委 員 会 によって 新 たな 位 置 付 けとIF 記 載 要 領 が 策 定 された 2.IFとは IFは 医 療 用 医 薬 品 添 付 文 書 等 の 情 報 を 補 完 し 薬 剤 師 等 の 医 療 従 事 者 にとって 日 常 業 務 に 必 要 な 医 薬 品 の 適 正 使 用 や 評 価 のための 情 報 あるいは 薬 剤 情 報 提 供 の 裏 付 けとなる 情 報 等 が 集 約 された 総 合 的 な 医 薬 品 解 説 書 として 日 病 薬 が 記 載 要 領 を 策 定 し 薬 剤 師 等 のため に 当 該 医 薬 品 の 製 薬 企 業 に 作 成 及 び 提 供 を 依 頼 している 学 術 資 料 と 位 置 付 けられる しかし 薬 事 法 の 規 制 や 製 薬 企 業 の 機 密 等 に 関 わる 情 報 製 薬 企 業 の 製 剤 意 図 に 反 した 情 報 及 び 薬 剤 師 自 らが 評 価 判 断 提 供 すべき 事 項 等 はIFの 記 載 事 項 とはならない 3.IFの 様 式 作 成 発 行 規 格 はA4 判 横 書 きとし 原 則 として9ポイント 以 上 の 字 体 で 記 載 し 印 刷 は 一 色 刷 りと する 表 紙 の 記 載 項 目 は 統 一 し 原 則 として 製 剤 の 投 与 経 路 別 に 作 成 する IFは 日 病 薬 が 策 定 した IF 記 載 要 領 に 従 って 記 載 するが 本 IF 記 載 要 領 は 平 成 11 年 1 月 以 降 に 承 認 された 新 医 薬 品 から 適 用 となり 既 発 売 品 については IF 記 載 要 領 による 作 成 提 供 が 強 制 されるものではない また 再 審 査 及 び 再 評 価 ( 臨 床 試 験 実 施 による)がなされた 時 点 ならびに 適 応 症 の 拡 大 等 がなされ 記 載 内 容 が 大 きく 異 なる 場 合 にはIFが 改 訂 発 行 さ れる 4.IFの 利 用 にあたって IF 策 定 の 原 点 を 踏 まえ MRへのインタビュー 自 己 調 査 のデータを 加 えてIFの 内 容 を 充 実 させ IFの 利 用 性 を 高 めておく 必 要 がある MRへのインタビューで 調 査 補 足 する 項 目 として 開 発 の 経 緯 製 剤 的 特 徴 薬 理 作 用 臨 床 成 績 非 臨 床 試 験 等 の 項 目 が 挙 げられる また 随 時 改 訂 される 使 用 上 の 注 意 等 に 関 す る 事 項 に 関 しては 当 該 医 薬 品 の 製 薬 企 業 の 協 力 のもと 医 療 用 医 薬 品 添 付 文 書 お 知 らせ 文 書 緊 急 安 全 性 情 報 Drug Safety Update( 医 薬 品 安 全 対 策 情 報 ) 等 により 薬 剤 師 等 自 ら が 加 筆 整 備 する そのための 参 考 として 表 紙 の 下 段 にIF 作 成 の 基 となった 添 付 文 書 の 作 成 又 は 改 訂 年 月 を 記 載 している なお 適 正 使 用 や 安 全 確 保 の 点 から 記 載 されている 臨 床 成 績 や 主 な 外 国 での 発 売 状 況 に 関 する 項 目 等 には 承 認 外 の 用 法 用 量 効 能 効 果 が 記 載 されている 場 合 があり その 取 扱 いには 慎 重 を 要 する
目 次 Ⅰ. 概 要 に 関 する 項 目 1 Ⅰ-1 開 発 の 経 緯 1 Ⅰ-2 製 品 の 特 徴 及 び 有 用 性 1 Ⅱ. 名 称 に 関 する 項 目 2 Ⅱ-1 販 売 名 2 Ⅱ-2 一 般 名 2 Ⅱ-3 構 造 式 又 は 示 性 式 2 Ⅱ-4 分 子 式 及 び 分 子 量 2 Ⅱ-5 化 学 名 ( 命 名 法 ) 2 Ⅱ-6 慣 用 名 別 名 略 号 記 号 番 号 2 Ⅱ-7CAS 登 録 番 号 2 Ⅲ. 有 効 成 分 に 関 する 項 目 3 Ⅲ-1 有 効 成 分 の 規 制 区 分 3 Ⅲ-2 物 理 化 学 的 性 質 3 Ⅲ-3 有 効 成 分 の 各 種 条 件 下 における 安 定 性 3 Ⅲ-4 有 効 成 分 の 確 認 試 験 法 3 Ⅲ-5 有 効 成 分 の 定 量 法 4 Ⅳ. 製 剤 に 関 する 項 目 5 Ⅳ-1 剤 形 5 Ⅳ-2 製 剤 の 組 成 5 Ⅳ-3 注 射 剤 の 調 製 法 5 Ⅳ-4 懸 濁 剤 乳 剤 の 分 散 性 に 対 する 注 意 5 Ⅳ-5 製 剤 の 各 種 条 件 下 における 安 定 性 6 Ⅳ-6 溶 解 後 の 安 定 性 7 Ⅳ-7 他 剤 との 配 合 変 化 ( 物 理 化 学 的 変 化 ) 7 Ⅳ-8 電 解 質 の 濃 度 7 Ⅳ-9 混 入 する 可 能 性 のある 夾 雑 物 7 Ⅳ-10 生 物 学 的 試 験 法 7 Ⅳ-11 製 剤 中 の 有 効 成 分 の 確 認 試 験 法 7 Ⅳ-12 製 剤 中 の 有 効 成 分 の 定 量 法 7 Ⅳ-13 力 価 7 Ⅳ-14 容 器 の 材 質 7 Ⅳ-15 その 他 7 Ⅴ. 治 療 に 関 する 項 目 8 Ⅴ-1 効 能 又 は 効 果 8 Ⅴ-2 用 法 及 び 用 量 8 Ⅴ-3 臨 床 成 績 8 Ⅵ. 薬 効 薬 理 に 関 する 項 目 9 Ⅵ-1 薬 理 学 的 に 関 連 ある 化 合 物 又 は 化 合 物 群 9 Ⅵ-2 薬 理 作 用 9 Ⅶ. 薬 物 動 態 に 関 する 項 目 10 Ⅶ-1 血 中 濃 度 の 推 移 測 定 法 10 Ⅶ-2 薬 物 速 度 論 的 パラメータ 10 Ⅶ-3 吸 収 10 Ⅶ-4 分 布 10 Ⅶ-5 代 謝 11 Ⅶ-6 排 泄 11 Ⅶ-7 透 析 等 による 除 去 率 11 Ⅷ. 安 全 性 ( 使 用 上 の 注 意 等 )に 関 する 項 目 13 Ⅷ-1 警 告 内 容 とその 理 由 13 Ⅷ-2 禁 忌 内 容 とその 理 由 13 Ⅷ-3 効 能 効 果 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 と その 理 由 13 Ⅷ-4 用 法 用 量 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 と その 理 由 13 Ⅷ-5 慎 重 投 与 内 容 とその 理 由 13 Ⅷ-6 重 要 な 基 本 的 注 意 とその 理 由 及 び 処 置 方 法 14 Ⅷ-7 相 互 作 用 16 Ⅷ-8 副 作 用 16 Ⅷ-9 高 齢 者 への 投 与 17 Ⅷ-10 妊 婦 産 婦 授 乳 婦 等 への 投 与 17 Ⅷ-11 小 児 等 への 投 与 17 Ⅷ-12 臨 床 検 査 値 結 果 に 及 ぼす 影 響 17 Ⅷ-13 過 量 投 与 17 Ⅷ-14 適 用 上 及 び 薬 剤 交 付 時 の 注 意 ( 患 者 等 に 留 意 すべき 必 須 事 項 等 ) 17 Ⅷ-15 その 他 の 注 意 18 Ⅷ-16 その 他 18 Ⅸ. 非 臨 床 試 験 に 関 する 項 目 19 Ⅸ-1 一 般 薬 理 19 Ⅸ-2 毒 性 19 Ⅹ. 取 扱 い 上 の 注 意 等 に 関 する 項 目 20 Ⅹ-1 有 効 期 間 又 は 使 用 期 限 20 Ⅹ-2 貯 法 保 存 条 件 20 Ⅹ-3 薬 剤 取 扱 い 上 の 注 意 点 20 Ⅹ-4 承 認 条 件 20 Ⅹ-5 包 装 20 Ⅹ-6 同 一 成 分 同 効 薬 20 Ⅹ-7 国 際 誕 生 年 月 日 20 Ⅹ-8 製 造 輸 入 承 認 年 月 日 及 び 承 認 番 号 20 Ⅹ-9 薬 価 基 準 収 載 年 月 日 21 Ⅹ-10 効 能 効 果 追 加 用 法 用 量 変 更 追 加 等 の 年 月 日 及 びその 内 容 21 Ⅹ-11 再 審 査 結 果 再 評 価 結 果 公 表 年 月 日 及 び その 内 容 21 Ⅹ-12 再 審 査 期 間 21 Ⅹ-13 長 期 投 与 の 可 否 21 Ⅹ-14 薬 価 基 準 収 載 医 薬 品 コード 21 Ⅹ-15 保 健 給 付 上 の 注 意 22 XI. 文 献 23 XI-1 引 用 文 献 23 XI-2その 他 の 参 考 文 献 23 XⅡ. 参 考 資 料 23 XⅡ-1 主 な 外 国 での 発 売 状 況 23 XⅢ. 備 考 23
Ⅰ. 概 要 に 関 する 項 目 Ⅰ-1 開 発 の 経 緯 B 型 肝 炎 の 免 疫 学 的 感 染 予 防 には 能 動 免 疫 と 受 動 免 疫 が 考 えられ ハイリスク 集 団 の 感 染 予 防 は 原 則 としてワクチンによる 能 動 免 疫 に 依 存 すべきであるが 免 疫 状 態 にない 人 が B 型 肝 炎 ウイルス(HBV)に 汚 染 された 血 液 に 曝 露 された 場 合 の 緊 急 措 置 としては 高 力 価 の 抗 HBs 抗 体 を 含 有 する 製 剤 による 受 動 免 疫 にたよらざるをえないのが 現 状 である 本 剤 の 液 状 製 剤 (HBグロブリン-ニチヤク)は 当 社 において1971 年 から 研 究 が 開 始 され 1973 年 より 厚 生 省 委 託 の 研 究 班 等 に 治 験 用 薬 剤 として 提 供 された その 検 討 の 結 果 臨 床 的 に HBs 抗 原 陽 性 血 液 の 汚 染 事 故 後 のB 型 肝 炎 予 防 に 対 してその 効 果 と 安 全 が 確 認 されたの で 1980 年 に 我 が 国 で 初 めて 発 売 されるに 至 った また 厚 生 省 委 託 の 研 究 班 を 中 心 に 多 施 設 において HBVの 感 染 源 あるいは 肝 疾 患 との 相 関 関 係 が 示 唆 されているHBVキャリアーの 成 立 を 阻 止 する 目 的 で HBs 抗 原 陽 性 の 母 親 から 生 まれた 児 への 投 与 に 対 する 安 全 性 と 有 効 性 が 報 告 され 1985 年 に 新 生 児 のB 型 肝 炎 予 防 に 対 する 効 能 が 認 められた( 液 状 製 剤 であ る HBグロブリン-ニチヤク は1994 年 7 月 で 製 造 中 止 ) 本 剤 は 長 時 間 保 存 可 能 な 乾 燥 製 剤 ( 有 効 期 間 :5 年 )として 開 発 された( 製 造 承 認 年 月 日 :1985 年 8 月 22 日 ) 2009 年 6 月 に 医 療 事 故 防 止 を 図 るため 販 売 名 を[ 乾 燥 HBグロブリン-ニチヤク]から[ 乾 燥 HBグ ロブリン 筋 注 用 200 単 位 ニチヤク ] 及 び[ 乾 燥 HBグロブリン 筋 注 用 1000 単 位 ニチヤク ]に 変 更 した なお 本 剤 の 主 成 分 である 抗 HBs 抗 体 を 含 むヒトの 免 疫 グロブリンGは 米 国 において 採 取 された 非 献 血 血 液 を 原 料 としている Ⅰ-2 製 品 の 特 徴 及 び 有 用 性 免 疫 グロブリンG(IgG)の 純 度 は 総 たん 白 質 の96% 以 上 である ( 生 物 学 的 製 剤 基 準 の 免 疫 グロブリンG 含 量 は 総 たん 白 質 の90% 以 上 である ) 本 剤 は 高 力 価 の 抗 HBs 抗 体 を 含 有 する 製 剤 である(200 単 位 /ml) 本 剤 は B 型 肝 炎 ウイルス(HBV)に 対 して 免 疫 状 態 にない 人 が HBs 抗 原 陽 性 血 液 に 汚 染 さ れた 際 に 緊 急 処 置 として 投 与 することにより 受 身 免 疫 を 与 えてB 型 肝 炎 の 発 症 を 予 防 す る 本 剤 は HBs 抗 原 陽 性 の 母 親 から 生 まれた 児 に 投 与 することにより B 型 肝 炎 の 感 染 を 予 防 する 本 剤 の 原 材 料 となる 血 液 については HBs 抗 原 抗 HCV 抗 体 抗 HIV-1 抗 体 及 び 抗 HIV-2 抗 体 が 陰 性 であることを 確 認 している さらに プールした 試 験 血 漿 については HIV-1 HBV 及 び HCVについて 核 酸 増 幅 検 査 (NAT)を 実 施 し 適 合 した 血 漿 を 本 剤 の 製 造 に 使 用 している 本 剤 は 抗 HBs 抗 体 を 含 む 人 血 漿 よりCohnの 低 温 エタノール 分 画 法 により 精 製 され 各 種 ウイ ルスの 除 去 を 目 的 としてウイルス 除 去 膜 によるろ 過 処 理 を 施 している 本 剤 は 貴 重 なヒト 血 液 を 原 料 として 製 剤 化 したものである 原 料 となった 血 液 を 採 取 する 際 には 問 診 感 染 症 関 連 の 検 査 を 実 施 するとともに 製 造 工 程 において 一 定 の 不 活 化 除 去 処 理 などを 実 施 し 感 染 症 に 対 する 安 全 対 策 を 講 じているが ヒト 血 液 を 原 料 としていることによる 感 染 症 伝 播 のリスクを 完 全 に 排 除 することはできないため 疾 病 の 治 療 上 の 必 要 性 を 十 分 に 検 討 の 上 必 要 最 小 限 の 使 用 にとどめること ( 使 用 上 の 注 意 の 項 参 照 ) - 1 -
Ⅱ. 名 称 に 関 する 項 目 Ⅱ-1 販 売 名 1 和 名 : 乾 燥 HBグロブリン 筋 注 用 200 単 位 ニチヤク 乾 燥 HBグロブリン 筋 注 用 1000 単 位 ニチヤク 2 洋 名 :DRIED HB GLOBULIN for I.M. injection 200 units & 1000 units NICHIYAKU 3 名 称 の 由 来 :Hepatitis B Immuno Globulin ( 一 般 名 )の 略 に 乾 燥 製 剤 であることの 乾 燥 を 冠 頭 に 付 し 末 尾 に 投 与 経 路 含 量 及 び ニチヤク を 付 した Ⅱ-2 一 般 名 和 名 : 乾 燥 HBs 人 免 疫 グロブリン 洋 名 :Freeze-Dried Human anti-hbs Immunoglobulin Ⅱ-3 構 造 式 又 は 示 性 式 H 鎖 L 鎖 s s N 末 端 Fd s s s s s s ヒンジ 部 C 末 端 H 鎖 L 鎖 Fab ( 抗 原 結 合 部 位 ) 可 変 部 Fc ( 補 体 食 細 胞 結 合 部 位 ) 定 常 部 Ⅱ-4 分 子 式 及 び 分 子 量 IgGの 分 子 量 :156,000~161,000 1) Ⅱ-5 化 学 名 ( 命 名 法 ) 該 当 しない Ⅱ-6 慣 用 名 別 名 略 号 記 号 番 号 慣 用 名 :HBグロブリン 略 号 :HBIG Ⅱ-7CAS 登 録 番 号 なし - 2 -
Ⅲ. 有 効 成 分 に 関 する 項 目 Ⅲ-1 有 効 成 分 の 規 制 区 分 なし Ⅲ-2 物 理 化 学 的 性 質 1 外 観 性 状 白 色 粉 末 無 臭 2 溶 解 性 水 に 溶 解 する 3 吸 湿 性 4 融 点 ( 分 解 点 ) 沸 点 凝 固 点 5 酸 塩 基 解 離 定 数 6 分 配 係 数 1) 7その 他 の 主 な 示 性 値 沈 降 定 数 (S 20,ω) 6.6~7.2 拡 散 係 数 (D 20,ω) 4.0 摩 擦 係 数 (f/f 0 ) 1.38 固 有 粘 度 (η) 0.060 等 電 点 (pi) 5.8~7.2 吸 光 係 数 (E 280mμ ) 13.8 易 動 度 1.2 Ⅲ-3 有 効 成 分 の 各 種 条 件 下 における 安 定 性 Ⅲ-4 有 効 成 分 の 確 認 試 験 法 1 免 疫 グロブリンG 含 量 試 験 一 般 試 験 法 のセルロースアセテート 膜 電 気 泳 動 試 験 法 を 準 用 して 試 験 するとき 総 たん 白 質 の 90% 以 上 がヒト 正 常 免 疫 グロブリンGの 易 動 度 を 示 すものでなければならない ( 生 物 学 的 製 剤 基 準 ) 2 同 定 試 験 抗 人 血 清 動 物 免 疫 血 清 を 用 いて 免 疫 電 気 泳 動 法 によって 試 験 するとき ヒト 正 常 免 疫 グロブ リンGの 著 明 な 沈 降 線 を 生 じなければならず かつ 異 常 な 沈 降 線 を 生 じてはならない ( 生 物 学 的 製 剤 基 準 ) 3 力 価 試 験 一 般 試 験 法 の 抗 HBs 抗 体 価 測 定 法 を 準 用 して 試 験 するとき 抗 HBs 抗 体 価 は 1mL 中 200 単 位 以 上 であり かつ 表 示 量 以 上 でなければならない ( 生 物 学 的 製 剤 基 準 ) - 3 -
Ⅲ-5 有 効 成 分 の 定 量 法 力 価 試 験 一 般 試 験 法 の 抗 HBs 抗 体 価 測 定 法 を 準 用 して 試 験 するとき 抗 HBs 抗 体 価 は 1mL 中 200 単 位 以 上 であり かつ 表 示 量 以 上 でなければならない ( 生 物 学 的 製 剤 基 準 ) - 4 -
Ⅳ. 製 剤 に 関 する 項 目 Ⅳ-1 剤 形 1 剤 形 の 区 別 規 格 及 び 性 状 剤 形 : 凍 結 乾 燥 粉 末 注 射 剤 ( 筋 注 ) 規 格 : 200 単 位 1 瓶 ( 溶 解 液 1mL 添 付 ) 1,000 単 位 1 瓶 ( 溶 解 液 5mL 添 付 ) 性 状 : 白 色 の 凍 結 乾 燥 注 射 剤 添 付 の 日 本 薬 局 方 注 射 用 水 で 溶 解 した 時 無 色 ないし 黄 褐 色 の 澄 明 又 はわずかに 白 濁 した 液 剤 となる 2 溶 液 及 び 溶 解 時 のpH 浸 透 圧 比 粘 度 比 重 安 定 なpH 域 等 溶 解 時 のpH:6.4~7.2 浸 透 圧 比 ( 生 理 食 塩 液 に 対 する 比 ):1.5~2.0 3 注 射 剤 の 容 器 中 の 特 殊 な 気 体 の 有 無 及 び 種 類 なし Ⅳ-2 製 剤 の 組 成 本 剤 は ヒトの 免 疫 グロブリンG 中 の 抗 HBs 抗 体 を 含 む 凍 結 乾 燥 製 剤 で 1 瓶 中 に 下 記 の 成 分 を 含 有 する 1 有 効 成 分 ( 活 性 成 分 )の 含 量 成 分 200 単 位 製 剤 1,000 単 位 製 剤 抗 HBs 抗 体 200 単 位 1,000 単 位 2 添 加 物 添 加 物 200 単 位 製 剤 1,000 単 位 製 剤 グリシン 22.5mg 112.5mg ブドウ 糖 20.0mg 100.0mg 塩 化 ナトリウム 4.0mg 20.0mg 3 添 付 溶 解 液 の 組 成 及 び 容 量 日 本 薬 局 方 注 射 用 水 1mL 5mL 本 剤 の 主 成 分 である 抗 HBs 抗 体 を 含 むヒトの 免 疫 グロブリンGは 米 国 において 採 取 され た 非 献 血 血 液 を 原 料 としている Ⅳ-3 注 射 剤 の 調 製 法 本 剤 1 瓶 を 添 付 の 溶 解 液 ( 日 本 薬 局 方 注 射 用 水 )1 瓶 (200 単 位 製 剤 は1mL 1,000 単 位 製 剤 は5mL) で 溶 解 する Ⅳ-4 懸 濁 剤 乳 剤 の 分 散 性 に 対 する 注 意 該 当 しない - 5 -
Ⅳ-5 製 剤 の 各 種 条 件 下 における 安 定 性 本 剤 3ロットの 検 体 を 冷 所 (10±2 湿 度 なりゆき 被 包 なし)で69カ 月 間 保 存 した 場 合 の 長 期 保 存 試 験 [ 外 観 溶 状 不 溶 性 異 物 力 価 ]を 行 った その 結 果 いずれの 項 目 において も 規 格 範 囲 内 であった 表 長 期 保 存 試 験 結 果 測 定 結 果 ロット 番 号 月 数 外 観 溶 状 不 溶 性 異 物 力 価 ( 単 位 /ml) 0 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 300 6 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 299 12 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 283 24 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 303 N026A N027C 36 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 286 48 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 284 60 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 270 69 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 280 0 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 295 6 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 284 12 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 272 24 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 294 36 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 252 48 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 266 60 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 248 69 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 227 0 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 300 6 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 296 12 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 279 24 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 261 N028A 36 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 265 48 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 261 60 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 267 69 白 色 粉 末 無 色 の 澄 明 な 液 剤 可 視 的 異 物 を 認 めない 286 [ 規 格 ] 外 観 : 白 色 粉 末 溶 状 : 無 色 ないし 黄 褐 色 の 澄 明 又 はわずかに 白 濁 した 液 剤 不 溶 性 異 物 : 可 視 的 異 物 を 認 めない 力 価 :1mL 中 200 単 位 以 上 であり かつ 表 示 量 以 上 - 6 -
Ⅳ-6 溶 解 後 の 安 定 性 本 剤 はチメロサールその 他 の 保 存 剤 を 含 有 していないので 一 度 溶 解 したものは 1 時 間 以 内 に 使 用 し 残 液 は 再 使 用 しないこと Ⅳ-7 他 剤 との 配 合 変 化 ( 物 理 化 学 的 変 化 ) 本 剤 は 筋 注 用 製 剤 であるので 通 常 単 独 で 用 いる Ⅳ-8 電 解 質 の 濃 度 Ⅳ-9 混 入 する 可 能 性 のある 夾 雑 物 他 のヒト 血 漿 たん 白 質 Ⅳ-10 生 物 学 的 試 験 法 力 価 試 験 一 般 試 験 法 の 抗 HBs 抗 体 価 測 定 法 を 準 用 して 試 験 するとき 抗 HBs 抗 体 価 は1mL 中 200 単 位 以 上 であり かつ 表 示 量 以 上 でなければならない ( 生 物 学 的 製 剤 基 準 ) Ⅳ-11 製 剤 中 の 有 効 成 分 の 確 認 試 験 法 同 定 試 験 抗 人 血 清 動 物 免 疫 血 清 を 用 いて 免 疫 電 気 泳 動 法 によって 試 験 するとき ヒト 正 常 免 疫 グロブ リンGの 著 明 な 沈 降 線 を 生 じなければならず かつ 異 常 な 沈 降 線 を 生 じてはならない ( 生 物 学 的 製 剤 基 準 ) Ⅳ-12 製 剤 中 の 有 効 成 分 の 定 量 法 免 疫 グロブリンG 含 量 試 験 一 般 試 験 法 のセルロースアセテート 膜 電 気 泳 動 試 験 法 を 準 用 して 試 験 するとき 総 たん 白 質 の90% 以 上 がヒト 正 常 免 疫 グロブリンGの 易 動 度 を 示 すものでなければならない また 一 般 試 験 法 のたん 白 窒 素 定 量 法 を 準 用 して 求 めたたん 白 質 量 から 計 算 するとき 検 体 1mL 中 の 免 疫 グロブリンG 含 量 は 表 示 量 の90~110%でなければならない ( 生 物 学 的 製 剤 基 準 ) Ⅳ-13 力 価 一 般 試 験 法 の 抗 HBs 抗 体 価 測 定 法 を 準 用 して 試 験 するとき 抗 HBs 抗 体 価 は1mL 中 200 単 位 以 上 であり かつ 表 示 量 以 上 でなければならない ( 生 物 学 的 製 剤 基 準 ) Ⅳ-14 容 器 の 材 質 無 色 透 明 のガラス Ⅳ-15 その 他 特 になし - 7 -
Ⅴ. 治 療 に 関 する 項 目 Ⅴ-1 効 能 又 は 効 果 HBs 抗 原 陽 性 血 液 の 汚 染 事 故 後 のB 型 肝 炎 発 症 予 防 新 生 児 のB 型 肝 炎 予 防 ( 原 則 として 沈 降 B 型 肝 炎 ワクチンとの 併 用 ) Ⅴ-2 用 法 及 び 用 量 本 剤 1 瓶 を 添 付 の 溶 解 液 ( 日 本 薬 局 方 注 射 用 水 )1 瓶 (200 単 位 製 剤 は1mL 1,000 単 位 製 剤 は5mL) で 溶 解 して 筋 肉 内 に 注 射 する HBs 抗 原 陽 性 血 液 の 汚 染 事 故 後 のB 型 肝 炎 発 症 予 防 : 通 常 成 人 に 対 して1 回 5~10mLを 筋 肉 内 に 注 射 する 必 要 に 応 じて 増 量 するか 又 は 同 量 を 繰 り 返 す 小 児 には 体 重 1kg 当 たり0.16~0.24mLを 用 いる 投 与 の 時 期 は 事 故 発 生 後 7 日 以 内 とする なお 48 時 間 以 内 が 望 ましい 新 生 児 のB 型 肝 炎 予 防 ( 原 則 として 沈 降 B 型 肝 炎 ワクチンとの 併 用 ): 初 回 注 射 量 は0.5~1.0mLを 筋 肉 内 に 注 射 する 初 回 注 射 の 時 期 は 生 後 5 日 以 内 とする なお 48 時 間 以 内 が 望 ましい また 追 加 注 射 には 体 重 1kg 当 たり0.16~0.24mLを 投 与 する Ⅴ-3 臨 床 成 績 1 臨 床 効 果 1.HBs 抗 原 陽 性 血 液 事 故 例 2),3) : HBs 抗 原 陽 性 血 液 による 汚 染 事 故 例 64 例 に 本 剤 を 投 与 し 6~22 ヵ 月 経 過 観 察 を 行 ったとこ ろ 全 例 B 型 肝 炎 の 発 症 は 認 められなかった なお 64 例 のうち 汚 染 源 が HBe 抗 原 陽 性 と 判 明 している 症 例 は 24 例 であった 2. 新 生 児 のB 型 肝 炎 予 防 4) : (1)HBs 抗 原 陽 性 の 母 親 から 生 まれた 児 で 本 剤 を 投 与 し 解 析 できた 症 例 60 例 (HBワクチン 等 併 用 例 も 含 む)におけるキャリアー 化 例 は 3 例 (5.0%)であり 他 の 57 例 (95.0%)はキャリ アー 化 が 防 止 され かつ 一 過 性 の HBs 抗 原 陽 転 例 も 認 められなかった (2)HBs 抗 原 HBe 抗 原 共 に 陽 性 の 母 親 から 生 まれた 児 は 60 例 中 46 例 (HBワクチン 等 併 用 例 も 含 む)であり 46 例 中 3 例 (6.5%)がキャリアー 化 したが 他 の 43 例 (93.5%)はキャリアー 化 を 防 止 しえた また キャリアー 化 した 3 例 中 1 例 は 胎 内 感 染 と 考 えられる 早 期 HBs 抗 原 陽 転 例 であった 2 従 来 使 用 されている 薬 物 との 比 較 臨 床 試 験 データ 本 剤 と 液 状 の 抗 HBs 人 免 疫 グロブリン 製 剤 の 同 等 性 試 験 を 行 った 結 果 その 本 質 は 同 等 であった ので 液 状 製 剤 と 同 様 の 有 効 性 が 期 待 できると 考 えられる 3 臨 床 薬 理 試 験 : 忍 容 性 試 験 4 探 索 的 試 験 : 用 量 反 応 探 索 試 験 5 検 証 的 試 験 - 8 -
Ⅵ. 薬 効 薬 理 に 関 する 項 目 Ⅵ-1 薬 理 学 的 に 関 連 ある 化 合 物 又 は 化 合 物 群 なし Ⅵ-2 薬 理 作 用 1 作 用 部 位 血 液 中 及 び 体 液 中 2 作 用 機 序 (1) 抗 HBs 抗 体 は HBs 抗 原 に 対 する 抗 体 であるので 外 表 部 に HBs 抗 原 をもつB 型 肝 炎 ウイル ス( 中 心 部 に HBc 抗 原 と HBe 抗 原 を 含 む)に 感 染 防 御 抗 体 として 作 用 する (2)B 型 肝 炎 ウイルスに 汚 染 された 人 に 本 剤 を 早 期 に 投 与 すると 受 動 免 疫 を 与 え 血 中 のB 型 肝 炎 ウイルスを 不 活 化 する 3 効 力 を 裏 付 ける 試 験 成 績 - 9 -
Ⅶ. 薬 物 動 態 に 関 する 項 目 Ⅶ-1 血 中 濃 度 の 推 移 測 定 法 1 治 療 上 有 効 な 血 中 濃 度 2 最 高 血 中 濃 度 到 達 時 間 健 康 成 人 に 本 剤 を 投 与 した 結 果 投 与 後 2 日 目 に 血 中 抗 体 活 性 は 最 高 となった 3 通 常 用 量 での 血 中 濃 度 及 び 作 用 持 続 時 間 HBs 抗 原 陽 性 血 液 による 汚 染 事 故 例 に 本 剤 を5mL 投 与 した 結 果 血 中 抗 HBs 抗 体 価 の 最 高 値 は PHA 法 で2 3 が 最 も 多 く その 持 続 陽 性 期 間 は 平 均 4.9 週 であった RIA 法 による 追 跡 調 査 では 14~20 週 にわたり 血 中 抗 HBs 抗 体 を 検 出 できた 2) 4 中 毒 症 状 を 発 現 する 血 中 濃 度 生 体 内 由 来 の 成 分 であり 通 常 中 毒 は 生 じないと 考 えられる 5 血 中 半 減 期 HBs 抗 原 陽 性 血 液 による 汚 染 事 故 例 に 本 剤 を5mL 投 与 した 時 の 血 中 半 減 期 は 約 23 日 であった 2) Ⅶ-2 薬 物 速 度 論 的 パラメータ 1 吸 収 速 度 該 当 しない 2バイオアベイラビリティー 3 消 失 速 度 4クリアランス 5 分 布 容 積 6 血 漿 蛋 白 結 合 率 Ⅶ-3 吸 収 Ⅶ-4 分 布 < 参 考 > 免 疫 グロブリンGを 家 兎 に 筋 肉 内 投 与 した 場 合 投 与 数 日 後 に 血 中 濃 度 は 最 高 となり その 量 は 投 与 量 の 約 30%である 投 与 局 所 の 残 存 量 は 投 与 8 日 目 で 投 与 量 の 約 0.1%にすぎず 吸 収 効 率 は 高 いと 考 えられる 投 与 8 日 目 後 の 臓 器 内 分 布 をみると 肝 臓 に 投 与 量 の 約 0.6%が 存 在 し 他 臓 器 では 投 与 量 の0.01%にすぎず 蓄 積 は 殆 どないものと 考 えられる - 10 -
1 血 液 - 脳 関 門 通 過 性 高 分 子 たん 白 質 であるので 一 般 に 殆 ど 通 過 しないと 考 えられる 2 胎 児 への 移 行 性 母 親 由 来 の 免 疫 グロブリンGが 新 生 児 体 内 に 存 在 することから 移 行 性 があると 考 えられる 3 乳 汁 中 への 移 行 性 免 疫 グロブリンGは 一 般 に 母 乳 中 に 移 行 すると 考 えられる 4 髄 液 への 移 行 性 高 分 子 たん 白 質 であるので 一 般 に 殆 ど 通 過 しないと 考 えられる 5その 他 の 組 織 への 移 行 性 Ⅶ-5 代 謝 1 代 謝 部 位 及 び 代 謝 経 路 通 常 の 人 血 漿 たん 白 質 と 同 様 に 肝 臓 等 により 代 謝 異 化 されると 考 えられる 5) 2 代 謝 に 関 与 する 酵 素 (CYP450 等 )の 分 子 種 人 体 に 存 在 するたん 白 なので 薬 物 代 謝 酵 素 の 影 響 は 受 けないと 考 えられる 3 初 回 通 過 効 果 の 有 無 及 びその 割 合 該 当 しない 4 代 謝 物 の 活 性 の 有 無 及 び 比 率 5 活 性 代 謝 物 の 速 度 論 的 パラメータ Ⅶ-6 排 泄 1 排 泄 部 位 肝 臓 等 で 異 化 されアミノ 酸 の 形 で 尿 中 より 排 泄 されると 考 えられる 2 排 泄 率 3 排 泄 速 度 Ⅶ-7 透 析 等 による 除 去 率 1 腹 膜 透 析 - 11 -
2 血 液 透 析 透 析 により 血 漿 中 の 免 疫 グロブリンGは ある 程 度 減 少 すると 考 えられる 3 直 接 血 液 潅 流 - 12 -
Ⅷ. 安 全 性 ( 使 用 上 の 注 意 等 )に 関 する 項 目 Ⅷ-1 警 告 内 容 とその 理 由 添 付 文 書 に 該 当 する 記 載 なし Ⅷ-2 禁 忌 内 容 とその 理 由 禁 忌 ( 次 の 患 者 には 投 与 しないこと) (1) 本 剤 の 成 分 に 対 しショックの 既 往 歴 のある 患 者 本 剤 の 再 投 与 により 再 度 ショックが 誘 発 されるおそれがある (2)HBs 抗 原 陽 性 者 (ただし 新 生 児 に 投 与 する 場 合 で 止 むを 得 ない 場 合 には HBs 抗 原 検 査 の 結 果 を 待 たずに 投 与 することが 可 能 である ) HBs 抗 原 陽 性 者 に 抗 HBs 抗 体 を 高 力 価 に 含 有 する 本 剤 を 投 与 しても 全 く 効 果 はなく 逆 に 被 投 与 者 の 体 内 でHBs 抗 原 抗 体 反 応 が 起 こり 形 成 された 免 疫 複 合 体 により 組 織 障 害 を 起 こ す 可 能 性 があることから 投 与 すべきでない 6) 原 則 禁 忌 ( 次 の 患 者 には 投 与 しないことを 原 則 とするが 特 に 必 要 とする 場 合 には 慎 重 に 投 与 すること) 本 剤 の 成 分 に 対 し 過 敏 症 の 既 往 歴 のある 患 者 本 剤 の 再 投 与 により 再 度 過 敏 症 が 誘 発 されるおそれがあるため 過 去 に 発 現 した 過 敏 症 が 重 篤 でない 場 合 治 療 上 の 有 益 性 が 危 険 性 を 上 回 ると 考 えられるときには 慎 重 に 投 与 するこ と Ⅷ-3 効 能 効 果 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 とその 理 由 添 付 文 書 に 該 当 する 記 載 なし Ⅷ-4 用 法 用 量 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 とその 理 由 添 付 文 書 に 該 当 する 記 載 なし Ⅷ-5 慎 重 投 与 内 容 とその 理 由 慎 重 投 与 ( 次 の 患 者 には 慎 重 に 投 与 すること) (1)IgA 欠 損 症 の 患 者 [ 抗 IgA 抗 体 を 保 有 する 患 者 では 過 敏 反 応 を 起 こすおそれがある ] ショック 症 状 を 惹 き 起 こした 患 者 の 血 清 学 的 検 査 の 結 果 IgA 欠 損 症 の 患 者 が 多 かったとい う 欧 米 の 報 告 に 基 づいている IgA 欠 損 症 の 患 者 にとって 製 剤 中 に 存 在 する 微 量 のIgAは 抗 原 となるため 抗 IgA 抗 体 を 産 生 する 可 能 性 がある (2) 溶 血 性 失 血 性 貧 血 の 患 者 [ヒトパルボウイルス B19 の 感 染 を 起 こす 可 能 性 を 否 定 できな い 感 染 した 場 合 には 発 熱 と 急 激 な 貧 血 を 伴 う 重 篤 な 全 身 症 状 を 起 こすことがある ] ヒトパルボウイルスB19が 溶 血 性 貧 血 失 血 性 貧 血 の 患 者 に 感 染 すると 発 熱 と 急 激 な 貧 血 を 伴 う 重 篤 な 全 身 症 状 を 起 こすことが 報 告 されている なお 本 剤 投 与 によるヒトパルボウイルスB19 感 染 の 報 告 はない - 13 -
(3) 免 疫 不 全 患 者 免 疫 抑 制 状 態 の 患 者 [ヒトパルボウイルス B19 の 感 染 を 起 こす 可 能 性 を 否 定 できない 感 染 した 場 合 には 持 続 性 の 貧 血 を 起 こすことがある ] ヒトパルボウイルスB19が 免 疫 不 全 症 免 疫 抑 制 状 態 の 患 者 に 感 染 すると 持 続 性 の 貧 血 を 起 こすことが 報 告 されている なお 本 剤 投 与 によるヒトパルボウイルスB19 感 染 の 報 告 はない Ⅷ-6 重 要 な 基 本 的 注 意 とその 理 由 及 び 処 置 方 法 [ 患 者 への 説 明 ] 本 剤 の 投 与 にあたっては 疾 病 の 治 療 における 本 剤 の 必 要 性 とともに 本 剤 の 製 造 に 際 し 感 染 症 の 伝 播 を 防 止 するための 安 全 対 策 が 講 じられているが ヒト 血 液 を 原 料 としている ことに 由 来 する 感 染 症 伝 播 のリスクを 完 全 に 排 除 することができないことを 患 者 に 対 し て 説 明 し 理 解 を 得 るよう 努 めること 薬 事 法 第 68 条 の 7 において 特 定 生 物 由 来 製 品 を 使 用 する 際 には 製 品 のリスクと ベネフィットについて 患 者 又 はその 家 族 に 説 明 を 行 い その 理 解 を 得 るように 努 めることが 求 められている 本 製 剤 の 具 体 的 なスクリーニング 項 目 不 活 化 又 は 除 去 工 程 等 については 次 項 を 参 照 すること (1) 本 剤 の 原 材 料 となる 血 液 については HBs 抗 原 抗 HCV 抗 体 抗 HIV-1 抗 体 及 び 抗 HIV-2 抗 体 が 陰 性 であることを 確 認 している さらに プールした 試 験 血 漿 については HIV-1 HBV 及 びHCVについて 核 酸 増 幅 検 査 (NAT)を 実 施 し 適 合 した 血 漿 を 本 剤 の 製 造 に 使 用 しているが 当 該 NATの 検 出 限 界 以 下 のウイルスが 混 入 している 可 能 性 が 常 に 存 在 する その 後 の 製 造 工 程 である Cohnの 低 温 エタノール 分 画 及 びウイルス 除 去 膜 によ るろ 過 処 理 は HIVをはじめとする 各 種 ウイルスに 対 し 不 活 化 除 去 作 用 を 有 するこ とが 確 認 されているが 投 与 に 際 しては 次 の 点 に 十 分 注 意 すること 1) 血 漿 分 画 製 剤 の 現 在 の 製 造 工 程 では ヒトパルボウイルスB19 等 のウイルスを 完 全 に 不 活 化 除 去 することが 困 難 であるため 本 剤 の 投 与 によりその 感 染 の 可 能 性 を 否 定 できないので 投 与 後 の 経 過 を 十 分 に 観 察 すること 2) 現 在 までに 本 剤 の 投 与 により 変 異 型 クロイツフェルト ヤコブ 病 (vcjd) 等 が 伝 播 し たとの 報 告 はない しかしながら 製 造 工 程 において 異 常 プリオンを 低 減 し 得 るとの 報 告 があるものの 理 論 的 な vcjd 等 の 伝 播 のリスクを 完 全 には 排 除 できないので 投 与 の 際 には 患 者 への 説 明 を 十 分 行 い 治 療 上 の 必 要 性 を 十 分 検 討 の 上 投 与 すること 製 造 に 用 いる 原 料 血 漿 については プールした 試 験 血 漿 を 用 いてHIV-1 HBV 及 びHCVについ ての 核 酸 増 幅 検 査 (NAT)を 実 施 しているが 検 出 限 界 以 下 のウイルスが 混 入 している 可 能 性 が 常 に 存 在 するのでその 旨 を 記 載 している なお ミニプール 血 漿 NAT 陰 性 で 個 別 NAT 陽 性 の 血 漿 を 用 いて 製 造 された 血 漿 分 画 製 剤 の 取 り 扱 いについて 平 成 15 年 10 月 24 日 に 開 催 された 平 成 15 年 度 第 3 回 血 液 事 業 部 会 における 検 討 結 果 を 踏 まえ 平 成 15 年 11 月 7 日 付 厚 生 労 働 省 医 薬 食 品 局 の 審 査 管 理 課 長 安 全 対 策 課 長 監 視 指 導 麻 薬 対 策 課 長 及 び 血 液 対 策 課 長 連 名 で 発 出 された 通 知 ( 薬 食 審 査 発 薬 食 安 発 薬 食 監 発 薬 食 血 発 第 1107001 号 )により 次 の 見 解 が 示 されている なお 本 剤 の 製 造 工 程 におけるHIV BVDV * のウイルスクリアランス 指 標 は9 以 上 である * BVDV(ウシ 下 痢 症 ウイルス):C 型 肝 炎 ウイルス(HCV) B 型 肝 炎 ウイルスのモデルウイルス - 14 -
150 人 ミニプールNAT 陰 性 で 個 別 NATで 陽 性 の 血 漿 が 用 いられて 製 造 された 血 漿 分 画 製 剤 のうち 製 造 工 程 で 当 該 ウイルス(HBV HCV HIV)が 十 分 (10 9 以 上 :ウイルスクリアラ ンス 指 数 9 以 上 )に 不 活 化 除 去 されている 製 剤 については 回 収 する 必 要 なし 2 本 件 の 血 漿 が 既 にプール 血 漿 あるいは 製 造 工 程 の 段 階 にあった 場 合 廃 棄 の 必 要 性 はな し また ヒトパルボウイルスB19は 本 剤 の 製 造 工 程 で 用 いられているエタノール 処 理 ウイルス 除 去 膜 処 理 等 で 完 全 には 不 活 化 除 去 することが 困 難 であるため 注 意 を 喚 起 している 但 し 現 時 点 で 調 査 した 範 囲 では 本 剤 を 含 む 人 免 疫 グロブリン 製 剤 ではヒトパルボウイルスB19 感 染 の 報 告 はない しかしながら 感 染 の 可 能 性 が 否 定 できないため 全 ての 血 漿 分 画 製 剤 の 使 用 上 の 注 意 に 記 載 し 注 意 を 喚 起 している また クロイツフェルト ヤコブ 病 (CJD)については これまでの 疫 学 データ 及 びその 他 の 研 究 では 血 漿 分 画 製 剤 の 投 与 によりCJD( 孤 発 性 家 族 性 医 原 性 ) 及 び 変 異 型 クロイツ フェルト ヤコブ 病 (vcjd)が 伝 播 するという 証 拠 はない しかし vcjdについては 比 較 的 新 しい 疾 患 であり 症 例 数 も 少 なく vcjd 患 者 及 び 感 染 者 の 血 液 から 異 常 プリオンは 検 出 され ていないが 伝 播 の 可 能 性 を 確 かめるための 動 物 感 染 実 験 やプリオンの 高 感 度 検 出 系 の 開 発 が 引 き 続 き 行 われている 状 況 である 一 方 現 段 階 では 異 常 プリオンのスクリーニング 法 が 存 在 せず 血 漿 分 画 製 剤 の 製 造 工 程 に おいて 異 常 プリオンを 除 去 し 得 るとの 研 究 報 告 7) が 公 表 されているものの 最 終 製 剤 が 異 常 プリオンを 全 く 含 まないと 結 論 できるまでには 至 っていない 平 成 12 年 9 月 Houstonら 8) が 公 表 した 報 告 ヒツジの 輸 血 によるBSE 伝 播 の 続 報 として 平 成 14 年 7 月 にHunterら 9) の 輸 血 によるプリオン 病 の 伝 播 と 題 するヒツジの 実 験 結 果 が 報 告 された この 報 告 の 中 で 著 者 らは 血 液 を 介 してのvCJD 感 染 の 可 能 性 が 考 えられる 旨 の 見 解 を 示 している 以 上 の 報 告 等 を 参 考 に 記 載 した < 参 考 >ウイルス 等 に 関 する 検 査 項 目 検 査 項 目 採 血 血 漿 プール 血 漿 ( 原 血 漿 ) 製 品 抗 HBs 抗 原 原 抗 HCV 抗 体 抗 抗 HIV-1 抗 体 体 検 抗 HIV-2 抗 体 査 抗 HTLV-I 抗 体 注 ) N A T 検 査 HBV DNA HCV RNA HIV-1 RNA HAV RNA ヒトパルボウイルスB19 DNA 注 ) 採 血 血 漿 についてのNAT 検 査 ( 核 酸 増 幅 検 査 )は ミニプール( 試 験 血 漿 )で 実 施 - 15 -
(2)ショック 等 重 篤 な 副 作 用 を 起 こすことがあるので 注 意 して 使 用 し 経 過 を 十 分 観 察 する こと 本 剤 の 投 与 により ショック 等 が 発 現 することがあるので 本 剤 投 与 開 始 後 の 患 者 の 経 過 を 十 分 観 察 するよう 注 意 を 喚 起 している Ⅷ-7 相 互 作 用 1 併 用 禁 忌 とその 理 由 添 付 文 書 に 該 当 する 記 載 なし 2 併 用 注 意 とその 理 由 [ 併 用 注 意 ]( 併 用 に 注 意 すること) 薬 剤 名 等 臨 床 症 状 措 置 方 法 機 序 危 険 因 子 非 経 口 用 生 ワクチン 本 剤 の 投 与 を 受 けた 者 は 生 ワクチンの 効 ( 麻 疹 ワクチン 果 が 得 られないおそれがあるので 生 ワク おたふくかぜワクチン チンの 接 種 は 本 剤 投 与 後 3カ 月 以 上 延 期 す 風 疹 ワクチン ること また 生 ワクチン 接 種 後 14 日 以 内 これら 混 合 ワクチン に 本 剤 を 投 与 した 場 合 は 投 与 後 3カ 月 以 上 水 痘 ワクチン 等 ) 経 過 した 後 に 生 ワクチンを 再 接 種 すること が 望 ましい Ⅷ-8 副 作 用 本 剤 の 主 成 分 は 免 疫 抗 体 であるため 中 和 反 応 により 生 ワク チンの 効 果 が 減 弱 さ れるおそれがある 1 副 作 用 の 概 要 承 認 時 迄 の 調 査 140 例 及 び 市 販 後 の 使 用 成 績 調 査 64 例 計 204 例 (HBs 抗 原 陽 性 血 液 の 汚 染 事 故 症 例 64 例 新 生 児 のB 型 肝 炎 予 防 症 例 140 例 )においては 副 作 用 は 認 められなかった ( 再 審 査 終 了 時 ) 以 下 の 副 作 用 は 自 発 報 告 等 で 認 められたものである (1) 重 大 な 副 作 用 ショック( 頻 度 不 明 )を 起 こすことがあるので 観 察 を 十 分 に 行 い 悪 寒 嘔 気 発 汗 腰 痛 等 の 症 状 があらわれた 場 合 には 投 与 を 中 止 し 適 切 な 処 置 を 行 うこと (2)その 他 の 副 作 用 頻 度 不 明 注 ) 過 敏 症 発 熱 発 疹 等 注 射 部 位 疼 痛 腫 脹 発 赤 硬 結 注 )このような 場 合 には 投 与 を 中 止 し 適 切 な 処 置 を 行 うこと 2 項 目 別 副 作 用 発 現 頻 度 及 び 臨 床 検 査 値 異 常 一 覧 承 認 時 迄 の 調 査 140 例 及 び 市 販 後 の 使 用 成 績 調 査 64 例 計 204 例 (HBs 抗 原 陽 性 血 液 の 汚 染 事 故 症 例 64 例 新 生 児 のB 型 肝 炎 予 防 症 例 140 例 )においては 副 作 用 は 認 められなかった ( 再 審 査 終 了 時 ) 3 副 作 用 発 生 原 因 及 び 処 置 方 法 副 作 用 発 現 時 には 投 与 を 中 止 して 経 過 観 察 し 必 要 があれば 対 症 療 法 を 行 う - 16 -
4 日 本 でみられていない 外 国 での 副 作 用 報 告 及 びその 出 典 ( 本 剤 は 外 国 に 輸 出 できない) Ⅷ-9 高 齢 者 への 投 与 一 般 に 高 齢 者 では 生 理 機 能 が 低 下 しているので 患 者 の 状 態 を 観 察 しながら 慎 重 に 投 与 する こと Ⅷ-10 妊 婦 産 婦 授 乳 婦 等 への 投 与 妊 婦 又 は 妊 娠 している 可 能 性 のある 婦 人 には 治 療 上 の 有 益 性 が 危 険 性 を 上 回 ると 判 断 され る 場 合 にのみ 投 与 すること [ 妊 娠 中 の 投 与 に 関 する 安 全 性 は 確 立 していない 本 剤 の 投 与 によりヒトパルボウイルスB19 の 感 染 の 可 能 性 を 否 定 できない 感 染 した 場 合 には 胎 児 への 障 害 ( 流 産 胎 児 水 腫 胎 児 死 亡 ) が 起 こる 可 能 性 がある ] Ⅷ-11 小 児 等 への 投 与 添 付 文 書 に 該 当 する 記 載 なし Ⅷ-12 臨 床 検 査 値 結 果 に 及 ぼす 影 響 本 剤 には 各 種 感 染 症 の 病 原 体 又 はその 産 生 物 質 に 対 する 免 疫 抗 体 が 含 まれており 投 与 後 の 血 中 にこれら 免 疫 抗 体 が 一 時 検 出 されることがあるので 臨 床 診 断 には 注 意 を 要 する Ⅷ-13 過 量 投 与 Ⅷ-14 適 用 上 及 び 薬 剤 交 付 時 の 注 意 ( 患 者 等 に 留 意 すべき 必 須 事 項 等 ) (1) 投 与 経 路 : 筋 肉 内 注 射 にのみ 使 用 すること 決 して 静 脈 内 に 注 射 してはならない (2) 筋 肉 内 注 射 時 : 筋 肉 内 注 射 にあたっては 組 織 神 経 などへの 影 響 を 避 けるため 下 記 の 点 に 注 意 するこ と 1) 同 一 部 位 への 反 復 注 射 は 行 わないこと また 低 出 生 体 重 児 新 生 児 乳 児 幼 児 又 は 小 児 には 特 に 注 意 すること 2) 神 経 走 行 部 位 を 避 けるよう 注 意 すること 3) 注 射 針 を 刺 入 したとき 激 痛 を 訴 えたり 血 液 の 逆 流 をみた 場 合 は 直 ちに 針 を 抜 き 部 位 をかえて 注 射 すること (3) 調 製 時 : 1) 溶 解 時 に 著 しい 沈 殿 が 認 められる 場 合 は 投 与 しないこと 2) 本 剤 はチメロサールその 他 の 保 存 剤 を 含 有 していないので 一 度 溶 解 したものは1 時 間 以 内 に 使 用 し 残 液 は 再 使 用 しないこと (4) 投 与 部 位 : 1) 新 生 児 の 注 射 量 が1mLの 場 合 には 0.5mLずつ2ヵ 所 にわけて 注 射 すること 2) 沈 降 B 型 肝 炎 ワクチンと 併 用 する 場 合 には 異 なる 注 射 部 位 とすること - 17 -
Ⅷ-15 その 他 の 注 意 特 になし Ⅷ-16 その 他 特 になし - 18 -
Ⅸ. 非 臨 床 試 験 に 関 する 項 目 Ⅸ-1 一 般 薬 理 1 中 枢 神 経 系 に 及 ぼす 影 響 2 呼 吸 循 環 器 に 及 ぼす 影 響 3 平 滑 筋 消 化 器 系 に 及 ぼす 影 響 Ⅸ-2 毒 性 1 単 回 投 与 毒 性 試 験 (LD 50 )(g/kg) ラット マウスの 筋 肉 内 注 射 による 死 亡 率 投 与 量 死 亡 動 物 数 / 使 用 動 物 数 g/kg * ml/kg 3.0 60 0/10 0/10 2.5 50 0/10 0/10 2.1 41 0/10 0/10 1.7 34 0/10 0/10 *:たん 白 質 量 として 2 反 復 投 与 毒 性 試 験 3 生 殖 発 生 毒 性 試 験 生 殖 試 験 染 色 体 への 影 響 が 認 められたとの 報 告 はない 4その 他 の 特 殊 毒 性 (1) 変 異 原 性 試 験 (2) 抗 原 性 (3) 局 所 性 障 害 幼 若 ウサギに 体 重 1kg 当 たり1mLを 筋 肉 内 投 与 したところ 局 所 障 害 性 は 生 理 食 塩 液 とほぼ 同 等 で ほとんど 障 害 は 認 められなかった 10) - 19 -
Ⅹ. 取 扱 い 上 の 注 意 等 に 関 する 項 目 Ⅹ-1 有 効 期 間 又 は 使 用 期 限 有 効 期 間 : 検 定 合 格 日 から5 年 ( 最 終 有 効 年 月 日 は 瓶 ラベル 及 び 個 装 箱 に 表 示 ) Ⅹ-2 貯 法 保 存 条 件 10 C 以 下 に 凍 結 を 避 けて 保 存 すること Ⅹ-3 薬 剤 取 扱 い 上 の 注 意 点 記 録 の 保 存 : 本 剤 は 特 定 生 物 由 来 製 品 に 該 当 することから 本 剤 を 投 与 した 場 合 は 医 薬 品 の 名 称 ( 販 売 名 ) 製 造 番 号 投 与 日 投 与 を 受 けた 患 者 の 氏 名 住 所 等 を 記 録 し 少 なくとも20 年 間 保 存 すること Ⅹ-4 承 認 条 件 なし Ⅹ-5 包 装 乾 燥 HBグロブリン 筋 注 用 200 単 位 ニチヤク 抗 HBs 抗 体 200 単 位 含 有 1 瓶 溶 解 液 ( 日 本 薬 局 方 注 射 用 水 ) 1mL 1 瓶 添 付 乾 燥 HBグロブリン 筋 注 用 1000 単 位 ニチヤク 抗 HBs 抗 体 1,000 単 位 含 有 1 瓶 溶 解 液 ( 日 本 薬 局 方 注 射 用 水 ) 5mL 1 瓶 添 付 Ⅹ-6 同 一 成 分 同 効 薬 [ 同 一 成 分 薬 ] ヘブスブリン 筋 注 用 200 単 位 同 1000 単 位 (ベネシス= 田 辺 三 菱 ) ( 乾 燥 筋 注 ) [ 同 効 薬 ] 抗 HBs 人 免 疫 グロブリン 筋 注 200 単 位 /1mL 同 1000 単 位 /5mL 日 赤 ( 日 本 赤 十 字 社 ) ( 液 状 筋 注 ) ヘパトセーラ 筋 注 200 単 位 /ml( 化 血 研 =アステラス) ( 液 状 筋 注 ) ヘブスブリンIH 静 注 1000 単 位 (ベネシス= 田 辺 三 菱 ) ( 液 状 静 注 ) Ⅹ-7 国 際 誕 生 年 月 日 1985 年 ( 昭 和 60 年 )8 月 22 日 Ⅹ-8 製 造 輸 入 承 認 年 月 日 及 び 承 認 番 号 製 造 承 認 年 月 日 :2009 年 ( 平 成 21 年 )6 月 29 日 承 認 番 号 :22100AMX01498 ( 乾 燥 HBグロブリン 筋 注 用 200 単 位 ニチヤク ) 22100AMX01499 ( 乾 燥 HBグロブリン 筋 注 用 1000 単 位 ニチヤク ) 乾 燥 抗 HBs 人 免 疫 グロブリンの[ 乾 燥 HBグロブリン-ニチヤク]として 1985 年 8 月 22 日 付 にて 製 造 承 認 を 取 得 し 医 療 事 故 防 止 のために2009 年 6 月 29 日 付 で 販 売 名 を[ 乾 燥 HBグロブリン 筋 注 用 200 単 位 ニチヤク ] 及 び[ 乾 燥 HBグロブリン 筋 注 用 1000 単 位 ニチヤク ]に 変 更 した - 20 -
Ⅹ-9 薬 価 基 準 収 載 年 月 日 2009 年 ( 平 成 21 年 )6 月 29 日 [ 乾 燥 HBグロブリン-ニチヤクとして:1986 年 11 月 28 日 ] Ⅹ-10 効 能 効 果 追 加 用 法 用 量 変 更 追 加 等 の 年 月 日 及 びその 内 容 新 生 児 のB 型 肝 炎 予 防 ( 原 則 として 沈 降 B 型 肝 炎 ワクチンとの 併 用 ): 1985 年 ( 昭 和 60 年 )12 月 27 日 Ⅹ-11 再 審 査 結 果 再 評 価 結 果 公 表 年 月 日 及 びその 内 容 HBs 抗 原 陽 性 血 液 の 汚 染 事 故 後 のB 型 肝 炎 予 防 : 再 審 査 結 果 通 知 年 月 日 :1987 年 9 月 14 日 内 容 : 効 能 効 果 用 法 用 量 は 現 行 の 承 認 内 容 どおり 新 生 児 のB 型 肝 炎 予 防 ( 原 則 として 沈 降 B 型 肝 炎 ワクチンとの 併 用 ): 再 審 査 結 果 通 知 年 月 日 :1990 年 9 月 5 日 内 容 : 効 能 効 果 用 法 用 量 は 現 行 の 承 認 内 容 どおり 再 審 査 結 果 により 効 能 効 果 が 承 認 時 の 新 生 児 のB 型 肝 炎 予 防 から 新 生 児 のB 型 肝 炎 予 防 ( 原 則 として 沈 降 B 型 肝 炎 ワクチンとの 併 用 ) に 変 更 さ れた Ⅹ-12 再 審 査 期 間 HBs 抗 原 陽 性 血 液 の 汚 染 事 故 後 のB 型 肝 炎 予 防 : 1985 年 ( 昭 和 60 年 ) 8 月 22 日 ~1986 年 ( 昭 和 61 年 )10 月 24 日 ( 終 了 ) 新 生 児 のB 型 肝 炎 予 防 : 1985 年 ( 昭 和 60 年 )12 月 27 日 ~1989 年 ( 平 成 元 年 ) 4 月 15 日 ( 終 了 ) Ⅹ-13 長 期 投 与 の 可 否 認 められていない Ⅹ-14 薬 価 基 準 収 載 医 薬 品 コード 統 乾 燥 抗 HBs 人 免 疫 グロブリン 200 単 位 1mL 1 瓶 :6343423X1018 統 乾 燥 抗 HBs 人 免 疫 グロブリン 1,000 単 位 5mL 1 瓶 :6343423X2014-21 -
Ⅹ-15 保 健 給 付 上 の 注 意 1. HBs 抗 原 陽 性 血 液 の 汚 染 事 故 後 のB 型 肝 炎 発 症 予 防 の 目 的 で 使 用 した 場 合 の 取 扱 い 保 険 給 付 については 下 記 のとおりですので その 取 り 扱 いについては 十 分 ご 留 意 ください 汚 染 の 原 因 業 務 上 業 務 外 適 用 範 囲 1. 負 傷 し HBウイルス 感 染 の 危 険 が 極 めて 高 いと 判 断 され 縫 合 消 毒 洗 浄 等 の 処 置 及 び 本 製 剤 の 注 射 が 行 われた 場 合 2. 既 存 の 負 傷 にHBs 抗 原 陽 性 血 液 が 付 着 し HB ウイルス 感 染 の 危 険 が 極 めて 高 いと 判 断 され 縫 合 消 毒 洗 浄 等 の 処 置 及 び 本 製 剤 の 注 射 が 行 われた 場 合 労 災 保 険 適 用 労 災 保 険 適 用 2. 新 生 児 のB 型 肝 炎 予 防 の 目 的 で 使 用 した 場 合 の 取 扱 い 1995 年 4 月 1 日 より 下 記 の 検 査 薬 剤 の 投 与 は 健 康 保 険 で 給 付 されます (1) HBs 抗 原 陽 性 の 妊 婦 に 対 する HBe 抗 原 検 査 (2)HBs 抗 原 陽 性 (HBe 抗 原 陰 性 の 場 合 も 含 む)の 妊 婦 から 出 生 した 乳 児 に 対 する 健 康 保 険 等 適 用 健 康 保 険 等 適 用 HBs 抗 原 抗 体 検 査 抗 HBs 人 免 疫 グロブリン 投 与 及 びB 型 肝 炎 ワクチン 接 種 なお 妊 婦 に 対 するHBs 抗 原 検 査 費 用 は B 型 肝 炎 母 子 感 染 防 止 事 業 の 対 象 として 都 道 府 県 又 は 政 令 市 により 支 払 われます ( 平 成 7 年 3 月 31 日 付 児 発 第 309 号 ) - 22 -
XI. 文 献 XI-1 引 用 文 献 1) 河 合 忠 : 血 漿 蛋 白 -その 基 礎 と 臨 床 -,p174, 1977.( 医 学 書 院 ) 2) 市 田 文 弘, 他 : 基 礎 と 臨 床,15,6391,1981. 3) 永 井 勲, 他 : 診 療 と 新 薬,19,2591,1982. 4) 松 本 脩 三, 他 : 小 児 科 診 療,49,1475,1986. 5) 河 合 忠 : 血 漿 蛋 白 -その 基 礎 と 臨 床 -,p315, 1977.( 医 学 書 院 ) 6) ( 財 )ウイルス 肝 炎 研 究 財 団, 編 : ウイルス 肝 炎 予 防 ハント フ ック,p144, 1986.( 社 会 保 険 出 版 ) 7) Lee D.C., et al.:transfusion,41, 449, 2001. 8) Houston F., et al.:lancet,356,999,2000. 9) Hunter N., et al.:j.gen.virol.,83,2897, 2002. 10) 坂 本 靖, 他 : 診 療 と 新 薬,23,1241,1986. XI-2その 他 の 参 考 文 献 なし XⅡ. 参 考 資 料 XⅡ-1 主 な 外 国 での 発 売 状 況 本 剤 は 血 液 由 来 の 製 剤 なので 国 外 に 輸 出 することは 法 令 で 禁 止 されているため 外 国 では 販 売 されていない XⅢ. 備 考 [ 各 種 コード] 200 単 位 製 剤 1,000 単 位 製 剤 薬 価 基 準 収 載 医 薬 品 コード 6343423X1018 6343423X2014 YJ コード 6343423X1050 6343423X2057 レセプト 電 算 コード 621159001 621159101 HOT(9 桁 ) 番 号 111590101 111591801 HOT(13 桁 ) 番 号 1115901010102 1115918010102 統 一 商 品 コード 123150118 123150125 JANコード 4987123150118 4987123150125 調 剤 包 装 単 位 (GS1-RSS) 04987123505239 04987123505246 販 売 包 装 単 位 (GS1-RSS) 14987123150115 14987123150122 元 梱 包 装 単 位 (GS1-128) 24987123150112 24987123150129-23 -